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IROffice Newsletter

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IROffice Newsletter
IR Office Newsletter
Toyo University
東洋大学 IR 室ニュースレター
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平成 26 年度卒業時アンケート結果報告 ………………………………
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開催報告 FD 推進センター主催、全学カリキュラム委員会・
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IR 室共催 平成 27 年度教育改善シンポジウム …… 06
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第2号
開催報告 IR 室・FD 推進センター共催ワークショップ
……
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開催報告 IR 室・国際部共催ワークショップ ……………………… 07
コラム
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平成 27 年度 IR 室活動報告
副学長
メッセージ
IR 室への期待
近 年、 国 内 の 大 学 に お い て「IR」
は急速に普及しつつあります。ただ、
これまでも、各大学はデータに基づく
分析や教育改善を行ってきており、
「IR」 活 動 そ の も の は、 長 い 歴 史 を
有するものであると言えます。その中
で、少子化や補助金減に伴う大学を取
り巻く厳しい環境を背景として、改め
てその重要性が認識されてきたのでは
ないかと感じております。
本学においても、IR 室による学生ア
ンケートの分析や GPA とのクロス集
計の結果を会議等で報告いただいてお
りますが、引き続き、学科ごとの学生
アンケートの分析、経年比較、様々な
学生アンケートを連携させた分析等を
行い、結果を積極的に発信いただきた
いと思います。
また、IR 室 の 活 動 のひとつでもあ
る、国内外の高等教育機関の調査で得
られた情報や他大学におけるグッドプ
ラクティス等についても、本学にとって
有益であると思いますので、学内に向
けて広く周知いただきたいと思います。
本学は、教育の質保証の確立及び国
際通用性のある大学を目指して、教育
…………………………………………………
07
08
副学長 神田 雄一
改革を進めて
お り ま す。IR
室の役割は教
学マネジメン
トからも重要
でありますの
で、 デ ー タ 分
析だけにとど
まらず、是非、国内外の高等教育機関
の状況も踏まえた、教育の質保証にお
ける PDCA サイクルの実効性を向上
させるための機能を発揮いただきたい
と存じます。
平成 26 年度卒業時アンケート・平成 27 年度新入生アンケート結果報告
結果報告
本学では、大学全体及び各学部・学科のさらなる教育改善を図
会議、理事会等で報告し、学生の学習実態や教育改善のための情
るため、卒業時アンケート・新入生アンケート・在校生アンケー
報を提供しています。6 月に刊行した IR 室ニュースレター創刊号
トを実施しています。IR 室は、学部別・学科別の集計・分析、留
では、平成 26 年度卒業時アンケート調査結果の一部を速報しま
学経験の意義、学習経験と就職の満足度、GPA と大学・所属学
した。今回は、「平成 26 年度卒業時アンケート」及び「平成 27
科への満足度などの相関関係について様々な分析を行い、学部長
年度新入生アンケート」結果の抜粋をご報告します。
平成 26 年度卒業時アンケート調査結果
1.調査概要
1)実施時期: 平成 27 年 3 月 23 日 学位記授与式にて配布・回収
2)調査対象: 全学部・全学科の卒業生、回答者数 5,530 名、回答率 89.5%
3)調査方法: マークシート用紙によるマーク及び記述方式
4)調査目的: 今後の教育改善等に活用していくことを目的として、大学及び学部・学科、教育課程の分野別の学生満足度や、学習支援・キャ
リア形成支援・学生生活支援の有効性、また、本学の教育の学士力及び社会人基礎力の各項目に対する有効性などについて調査
2.主な結果
① 授業以外で、大学で充実して欲しかった学習の支援について(複数回答可・3 つまで)(%)
充実してほしい支援として、「レポート、論文の書き方相談」
割台、続いて「留学に伴う学習相談」(9.2%)、「授業の補習教
の 割 合 が 最 も 多 く、40.2% で し た。 続 い て、「 英 語 教 育 の 支
育・ ミ ニ 講 座 」(8.1%)、「 高 校 ま で の 補 習 教 育 」(5.5%)、「e
援 」(31.8%) が 3 割 強 で、「 履 修 相 談 」(18.1%)、「 文 献、 資
ラーニング教材」(5.4%)、「TA・SA によるピア・サポート」
料の調べ方相談」(17.8%)、「学生同士による学習会の支援」
(3.8%)という結果となりました。
(11.7%)、「学部横断型の副専攻コースの設定」(11.2%)は 1
レポート、論文の書き方相談
40.2%
英語教育の支援
31.8%
履修相談
18.1%
文献、資料の調べ方相談
17.8%
学生同士による学習会の支援
11.7%
学部横断型の副専攻コースの設定
11.2%
留学に伴う学習相談
9.2%
授業の補習教育・ミニ講座
8.1%
高校までの補習教育
5.5%
e ラーニング教材
5.4%
TA・SA によるピア・サポート
その他
3.8%
2.6%
② 4年間を通じて、身に付けた能力(%)
各 選 択 項 目 に お い て「 身 に つ い た 」 と「 や や 身 に つ い た 」
文化・異文化に関する知識」(64.7%)、「人類の文化・社会と自
を 合 わ せ た 割 合 が、8 割 以 上 を 超 え て い る の は、「 問 題 解 決
然に関する知識」(63.4%)、「情報リテラシー」(61.0%)、「日
力 」(85.1%)、「 自 己 管 理 力 」(82.9%)、「 論 理 的 思 考 力 」
本の文化・歴史の理解」(60.6%)という結果でした。「国際的な
(82.8%)、「コミュニケーション・スキル」(82.2%)でした。
視野」(59.3%)、「哲学的な思考」(55.4%)、「数字やデータに
また、7 割を超えたのは、「生涯学習力」(76.1%)、「市民とし
よる把握・分析力」(54.7%)については、半数を超えています
ての社会的責任」(74.6%)、「チームワーク、リーダーシップ」
が、他項目と比べて身についた割合が低い傾向が見られます。
(74.2%)、「倫理観」(73.8%)であり、6 割を超えたのは、「多
2
哲学的な思考
国際的な視野
日本の文化・歴史の理解
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8.3%
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31.1%
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59.3%
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64.7%
身に付いた/やや身に付いた
あまり身に付かなかった
身に付かなかった
哲学的な思考
国際的な視野
哲学的な思考
日本の文化・歴史の理解
国際的な視野
多文化・異文化に関する知識
日本の文化・歴史の理解
人類の文化・社会と自然に関する知識
多文化・異文化に関する知識
コミュニケーション・スキル
人類の文化・社会と自然に関する知識
数字やデータによる把握・分析力
コミュニケーション・スキル
問題解決力
論理的思考力
自己管理力
問題解決力
チームワーク、リーダーシップ
自己管理力
倫理観
チームワーク、リーダーシップ
市民としての社会的責任
倫理観
生涯学習力
市民としての社会的責任
生涯学習力
31.1%
32.2%
9.5%
12.4%
14.1%
3.8%
7.5%
10.1%
14.1%
14.7%
2.6% 10.1%
1.8%
2.6%
2.9%
1.8%
4.4%
2.9%
3.5%
4.5%
3.5%
31.2%
28.9%
31.2%
身に付かなかった
63.4%
64.7%
63.4%
54.7%
82.2%
82.2%
61.0%
54.7%
82.8%
61.0%
28.9%
85.1%
82.8%
13.1%
14.7%
82.9%
85.1%
14.2%
13.1%
74.2%82.9%
14.2%21.4%
73.8%
74.2%
22.1%
21.4%
4.1%
4.4%
4.5%
4.1%
64.7%
60.6%
29.1%
14.1%
14.1%
あまり身に付かなかった
身に付いた/やや身に付いた
身に付かなかった
あまり身に付かなかった
60.6%
59.3%
29.1%
28.0%
7.5%
7.3%
身に付いた/やや身に付いた
59.3%
55.4%
28.0%
31.1%
7.3%
8.3%
3.8%
55.4%
31.1%
31.1%
8.3%
9.5%
情報リテラシー
数字やデータによる把握・分析力
論理的思考力
情報リテラシー
32.2%
12.4%
74.6%
73.8%
20.8%
22.1%
76.1%
74.6%
20.4%
20.8%
76.1%
20.4%
③ 大学、所属学部・学科、就職活動およびその結果への満足度(%)
大学への満足度について、「満足している」(56.0%)と「や
ている」(40.5%)と「やや満足している」(38.3%)と合わせ
や 満 足 し て い る 」(38.1%) を 合 わ せ て、94.1% に 達 し て お
て、8 割弱の学生が満足してはいるものの、約 2 割の学生が「あ
り、大多数の学生が東洋大学に満足していると回答しています。
まり満足していない」(11.5%)と「満足していない」(9.7%)
また、所属学部・学科への満足度についても、満足度は非常に
と回答しており、大学や所属学部・学科への満足度に比べて、若
高いという結果が得られました。
干低い傾向が見られました。
一方で、就職活動とその結果への満足度については、「満足し
東洋大学に満足していますか
56.0%
38.1%
4.1
%
1.8%
36.1%
38.1%
5.2
4.1
%
%
1.7%
1.8%
所属学部・学科に満足
東洋大学に満足していますか
していますか
57.0%
56.0%
自分の就職活動およびその結果に
所属学部・学科に満足
ついて、満足していますか
していますか
40.5%
57.0%
38.3%
5.2 1.7%
36.1%11.5% 9.7%
%
自分の就職活動およびその結果に
ついて、満足していますか
40.5%
38.3%
11.5% 9.7%
満足している
やや満足している
あまり満足していない
満足している
満足していない
やや満足している
あまり満足していない
満足していない
3.まとめ
大学、所属学部・学科への高い満足度が窺える一方で、授業以
の英語の 4 技能の向上に繋がる支援の構築が急務となっています。
外の学習支援に関しては、レポート・論文の書き方相談、英語教
また、本学の教育の学士力及び社会人基礎力のうち、哲学的思
育の支援、履修相談などの一層の充実が求められていると言えま
考、国際的な視野、数字やデータによる把握・分析力などの能力
す。現在、本学では、大学全体および学部・学科において、学修
が他項目と比べて低い中で、特に「哲学すること=自ら考えるこ
支援室をはじめとした各種の学習支援の取組を推進しています
と」を重んじる本学にとって、「哲学的思考」が低い数値である
が、今後さらに充実させていく必要があるでしょう。また、英語
ことは、大きな課題であると思われます。学部・学科におかれて
教育の支援については、これまでの卒業時アンケートの要望を踏
は、是非、主体的・能動的に考える機会の確保(アクティブラー
まえ、キャンパス英会話や ECZ の設置等、英語のスキルアップの
ニングの導入等)と、学生自らが学ぶ姿勢の確立が望まれます。
機会を設けてきましたが、依然として要望が高いことから、学生
3
平成 26 年度卒業時アンケート・平成 27 年度新入生アンケート結果報告
結果報告
平成 27 年度新入生アンケート調査結果
1.調査概要
1)実施時期: 平成 27 年 5 月 7 日~ 23 日
2)調査対象: 平成 27 年度新入生 回答者数 4,179 名、回答率 55.6%
3)調査方法: Web アンケート(ToyoNet-ACE)
4)調査目的: 入学後約 1 ヵ月がたち、オリエンテーションや大学の授業を経た新入生を対象として、入学の契機や理由等の他、今新入生
が、どのような学生生活を送り、何を大学生活の目的に定め、大学についてどのように感じているかを中心に調査
2.主な結果
① 東洋大学および所属学部・学科を志望した理由(あてはまるもの全選択)(%)
「東洋大学および所属学部・学科を志望したのはなぜですか。
「難易度が自分にあっていた」(26.2%)の項目が続きます。一方
(あてはまるもの全選択)」という質問に対して、「学問分野・
で、「教員が魅力的だった」(3.9%)、「建学の精神に共感した」
研究内容に興味があった」との回答の割合が最も高く、48.1%
(3.8%)、「奨学金制度が充実していた」(2.3%)、「課外活動が充
に 達 し て い ま す。 続 い て、「 知 名 度・ イ メ ー ジ が よ か っ た 」
実していた」(2.2%)における割合が比較的低い数値となってい
(30.1%)、「 入 試 方 式・ 科 目 が 自 分 に あ っ て い た 」(27.3%)、
ます。
学問分野・研究内容に興味があった
48.1%
知名度・イメージがよかった
30.1%
入試方式・科目が自分にあっていた
27.3%
難易度が自分にあっていた
26.2%
キャンパスの立地・アクセスがよかった
22.6%
施設・設備が魅力的だった
20.4%
希望する資格が取得できそうだった
17.1%
カリキュラム・教育制度が魅力的だった
15.4%
周囲からのアドバイスがあった
11.8%
留学・国際交流が盛んだった
9.7%
学費が適当であった
8.9%
就職実績がよかった
6.6%
教員が魅力的だった
3.9%
建学の精神に共感した
3.8%
奨学金制度が充実していた
2.3%
課外活動が充実していた
2.2%
② 4 年間で身につけたい力(優先順位の高いものから 3 つまで)(%)
「 自 分 の 将 来 の た め に、4 年 間 で ど の よ う な 力 を 身 に つ け た
リ テ ラ シ ー」(10.7%)、「 数 字 や デ ー タ に よ る 把 握・ 分 析 力 」
い で す か。( 優 先 順 位 の 高 い も の か ら 3 つ ま で )」 の 質 問 に 対
(10.5%)では 1 割台となっています。「多文化・異文化に関す
し て、「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン・ ス キ ル 」 が 61.9 % で、 最 も 高
る知識」(8.4%)、「生涯学習力」(7.7%)、「日本の文化・歴史
問題解決力
い 結 果 と な り ま し た。 続 い て「 語 学 力
」(37.9%)、「 問 題 解 決
32.8%
の理解」
(7.6%)、「哲学的な思考」(6.2%)、「市民としての社
力 」(32.8%)、「 自 己 管 理 力 」(30.4自己管理力
%) は 3 割 を 超 え て い ま
30.4%
会的責任」
(6.1%)、「人類の文化・社会と自然に関する知識」
コミュニケーション・スキル
語学力
61.9%
37.9%
国際的な視野
す。「国際的な視野」(26.8%)、「チームワーク、リーダーシッ
26.8%、
(4.6%)
「倫理観」(2.8%)は 1 割以下に留まっています。
プ 」(23.0%) は 2 割チームワーク、リーダーシップ
台 で、「 論 理 的 思 考 力 」(17.6%)、「 情 報
23.0%
17.6%
論理的思考力
10.7%
情報リテラシー
10.5%
数字やデータによる把握・分析力
多文化・異文化に関する知識
4
8.4%
生涯学習力
7.7%
日本の文化・歴史の理解
7.6%
哲学的な思考
6.2%
市民としての社会的責任
6.1%
人類の文化・社会と自然に関する知識
4.6%
施設・設備が魅力的だった
就職実績がよかった
希望する資格が取得できそうだった
教員が魅力的だった
カリキュラム・教育制度が魅力的だった
建学の精神に共感した
周囲からのアドバイスがあった
奨学金制度が充実していた
留学・国際交流が盛んだった
課外活動が充実していた
学費が適当であった
20.4%
6.6%
17.1%
3.9%
15.4%
3.8%
11.8%
2.3%
9.7%
2.2%
就職実績がよかった
8.9%
6.6%
教員が魅力的だった
3.9%
建学の精神に共感した
3.8%
奨学金制度が充実していた
コミュニケーション・スキル
2.3%
課外活動が充実していた
語学力
2.2%
61.9%
37.9%
32.8%
問題解決力
30.4%
自己管理力
26.8%
国際的な視野
チームワーク、リーダーシップ
コミュニケーション・スキル
論理的思考力
語学力
情報リテラシー
問題解決力
数字やデータによる把握・分析力
自己管理力
多文化・異文化に関する知識
国際的な視野
生涯学習力
チームワーク、リーダーシップ
日本の文化・歴史の理解
論理的思考力
哲学的な思考
情報リテラシー
市民としての社会的責任
数字やデータによる把握・分析力
人類の文化・社会と自然に関する知識
多文化・異文化に関する知識
倫理観
生涯学習力
23.0%
61.9%
17.6%
37.9%
10.7%
32.8%
10.5%
30.4%
8.4%
26.8%
7.7%
23.0%
7.6%
6.2%
10.7%
6.1%
10.5%
4.6%
8.4%
2.8%
7.7%
17.6%
7.6%
日本の文化・歴史の理解
6.2%
哲学的な思考
③授業以外で、大学で充実してほしい学習の支援について(優先順位の高いものから
3 つまで)(%)
市民としての社会的責任
卒業時アンケートの結果
と 同 様、「 レ ポ ー ト、 論6.1%
文の書き
育」(15.9%)、「学部横断型の副専攻コースの設定」(14.3%)、
4.6%
方 相 談 」 の 割 合人類の文化・社会と自然に関する知識
が 最 もレポート、論文の書き方相談
多 く、64.7% で、「 英 語 教 育
の支援」
64.7%
「大学院生・上級生による学習相談」(12.7%)
、「授業の補習教
英語教育の支援
(47.4%)、「履修相談」(41.2%)は
4 割台、
「学生同士による学
2.8%
倫理観
47.4% 1 割台で、
育・ミニ講座」(11.0%)は
「大学院への進学指導」
履修相談
習会の支援」(21.8%)、「文献、資料の調べ方相談」
(20.2%)
41.2%
(5.8%)、「e ラーニング教材」
(2.6%)は 1 割以下です。
は 2 割台、「留学に伴う学習相談」
(17.3%)、「高校までの補習教
学生同士による学習会の支援
21.8%
文献、資料の調べ方相談
留学に伴う学習相談
レポート、論文の書き方相談
高校までの補習教育
英語教育の支援
学部横断型の副専攻コースの設定
履修相談
大学院生・上級生による学習相談
学生同士による学習会の支援
授業の補習教育・ミニ講座
文献、資料の調べ方相談
大学院への進学指導
留学に伴う学習相談
e ラーニング教材
高校までの補習教育
その他
学部横断型の副専攻コースの設定
20.2%
17.3%
12.7%
11.0%
5.8%
その他
41.2%
21.8%
20.2%
17.3%
2.6%
15.9%
0.8%
14.3%
12.7%
授業の補習教育・ミニ講座
e ラーニング教材
47.4%
14.3%
大学院生・上級生による学習相談
大学院への進学指導
64.7%
15.9%
11.0%
5.8%
2.6%
0.8%
3.まとめ
上述の結果から、学生の志望動機を高めるためには、就職実績
きるよう、学部・学科におかれましては、アクティブ・ラーニン
や奨学金制度などの充実とともに、まだまだ社会からの認知度が
グや反転授業の積極的な導入を進めていただきたいと思います。
低い建学の精神や本学の教育研究活動を学外へアピールするなど
向上心と学ぶ意欲に溢れている新入生のニーズに応え、4 年間
の取組が重要であると思われます。
を実りあるものにするためにも、引き続き学習環境の整備に努め
また、大学教育を通じて、学生が特に身につけたいと考えてい
ていくことが、大学としての重要な役割であり、かつ新入生も含
るコミュニケーション・スキル、語学力、問題解決力等を育成で
めた学生の満足度を高めることへ繋がります。
5
開催報告
FD推進センター主催、全学カリキュラム委員会・IR室共催 平成27年度教育改善シンポジウム
「教育の効果と GPA に関する一考察 ―卒業時アンケートの分析から」 平成 27 年 11 月 20 日に、FD 推進センター主催、全学カリキュ
析結果から、GPA は学生が身に付けた能力の中の「幅広い教養」
、
ラム委員会・IR 室共催で、
「平成 27 年度教育改善シンポジウム—
「専門的知識・技能・態度」
、
「主体的・自律的な授業への参加」に
成績評価の厳格化と GPA の活用について」が開催されました。は
関する評価と正の相関、
「コミュニケーション能力」と負の相関が見
じめに、名古屋大学高等教育研究センターの夏目達也教授より、成
られました。また、GPA と学生の学部・学科への満足度や就職活
績評価の厳格化と GPA の活用について、教育評価をめぐる政策動
動の結果についても正の相関が見られました。GPA の分布や学生
向や、GPA 制度の活用によるナンバリング、カリキュラムマップ、
の学部・学科への満足度は学部によってバラつきがあり、GPA の高
成績評価について講演いただきました。
低によって学部・学科への評価の側面が異なることを示しました。
その後、IR 室の劉文君准教授より、
「教育の効果と GPA に関す
さらに、本学の GPA は概ね教育成果を反映していると思われます
る一考察 ―卒業時アンケートの分析から」と題して分析結果報告を
が、学部・学科間の成績評価の基準については、今後検討する必要
行いました。本報告は、平成 27 年 3 月 23 日に学部卒業生を対象
があり、GPA をいかに教育改善と学習促進に活用するかが課題で
とする調査結果(回答者数 5,530 名、回答率 89.5%)を用いて、
ある、と提言しました。
GPA データと紐付、卒業生の学習効果に対する自己評価、所属学
夏目教授の講演と劉准教授のこれらの分析報告に基づき、シンポ
科への評価、GPA の学部別の分布についてまとめたものです。分
ジウムの参加者は活発な議論を行いました。
開催報告
IR 講習・交流会
第 5 回「IR による意思決定支援のための取組―データ収集と情報発信を中心に」 ● 日時:平成 27 年 11 月 6 日 10:00 ~ 12:10
● 講師:張 楊(ハワイ大学マノア校 IR 室長)
はじめに、IR の定義やアメリカでの IR の動向について紹介いた
明いただきました。発
信すべき内容について
も、活動報告にとどま
らず、データ分析の結
だきました。現在アメリカでは、各大学に IR に関連する部署を設
果などを、図を用いて
置することが望まれており、大学運営の意思決定の諮問組織として
発信することで、IR の
位置付けられています。そのため、新たな政策を実行する際の助言
果たす役割の重要性や
機関としての機能を果たすため、多くの大学において積極的に IR
必要性を理解してもらうことにつながることも解説いただきました。
活動が行われているとのことでした。
また、情報機器の多様化に対応できるように、スマートフォンなど
続いて IR 室で実施している活動について説明いただきました。
からアクセスした際にも、PC 版と同様の情報を得られるように、デ
具体的には、データを保有する各部署や執行部との連携を強化し、
ータの設計等を工夫することも重要であるということでした。
学内にある様々なデータを集めるとともに、執行部のニーズを把握
最後に、ハワイ大学では、現在、データ収集を担当する部署と執
し、データの分析・発信を行うことで、意思決定能力をサポートで
行部の間のコミュニケーションの効率化や関連データの整理、収
きるように努める一方で、多様化したマスデータを一般ユーザー向
集、報告方法を統一できるように、データの定義と計算方法の標
けにわかりやすく発信するための工夫として、IT 関連部署やグラフ
準化を目指しており、将来的には、学内の各種データの基準を統一
ィックデザイナー(専門的ではなく親しみやすい表現や図を用いる
し、オンライン上で関連データの比較や報告を行う、オンライン報
ため)との連携強化も図っているということでした。
告システム構想について紹介いただきました。本学の IR 活動の推
次に、情報発信の有効な手段の一つとして、HP の開設について説
進にあたり、有意義な情報を得ることができました。
開催報告
IR 室・FD 推進センター共催ワークショップ
「米国の中規模州立大学における学習成果の診断(Assessment)」 ● 日時:平成 27 年 11 月 19 日(木)10:30 ~ 12:10
● 講師:本田 寛輔(メイン州立大学オーガスタ校)
Assessment(診断)および IR との違いなどをふまえ、メイン州立
大学オーガスタ校における取組事例について、本田氏より講演いただ
き、講演の中で随時本学参加者との活発な質疑応答が行われました。
本 田 氏 は、 米 国 に お け る Assessment( 学 習 成 果 の 診 断 )
本田氏の講演では、特に現在実施している GPA の活用事例につ
を 取 り 巻 く 状 況 と 測 定 手 法 に 関 す る 研 究、IR に 関 す る 日 米 比
いて、具体的にご紹介いただきました。GPA を活用して難関科目
較研究を行っており、現在はメイン州立大学オーガスタ校にて
(Barrier Course)を特定し、学科内での議論を促すという取り
Assessment に関する実務を担当しています。
組みです。
当 日 は、 ア メリ カ の 高 等 教 育 事 情 や Evaluation( 評 価 ) と
直近 3 学期間の各科目の履修者数および単位取得者数から、単
6
位取得率を割り出すことで、難関科目が特定できます。本田氏の本
リキュラム編成の見直し、重要科目への専任教員の配置等の対応
務校では平均は 75%程度ですが、低いと 50%程度のものがある
策を実施しているところですが、3 年後には、その効果検証として
そうです。それらの科目について、どこに問題があり、それをどう
Assessment 担当部署による同様の難関科目特定調査を実施する
解決するか、執行部より学部 ・ 学科に検討を依頼し、効果的と判断
予定とのことです。
できる解決方法には特別に予算措置を行うことで、学部 ・ 学科の活
上記の事例にとどまら
性化を図っているとのことです。具体的な難関科目とその原因とし
ず、質疑に応じて、カリ
ては、1 年次の科目(リメディアル教育が不十分)、大人数科目(教
キュラムマップやシラバ
員のフォローが行き届いていない)、3 年次専門課程スタート時の
スなどに関する様々な活
科目(基盤教育と専門教育課程の接続、カリキュラム・科目配置の
動事例をご紹介いただ
問題)、非常勤講師担当科目等が挙げられるとのことでした。
き、大変有意義なワーク
現在、学部 ・ 学科において、授業内への学習コーチの配置やカ
ショップとなりました。
開催報告
IR 室・国際部共催ワークショップ
「グローバル化時代における高等教育の質保証―台湾の現状と課題」 ● 日時:平成 28 年 1 月 22 日 17:30 ~ 18:45
● 講師:傅 勝利(台湾評価協会 理事長)
前述の問題解決にむけて、注目されているものが、質保証システ
ムの転換です。従来の大学評価(日本における認証評価)では、同
一基準による評価を基本とし、達成できていないものについては、
台湾における高等教育事情や高等教育における質保証システムの
政府による罰則を与えることもあったそうです。この方法では一方
転換について、ご講演いただきました。
通行の評価となってしまい、また、各々の大学の特色を活かすこと
はじめに、台湾における高等教育事情についてお話いただきまし
ができないことから、新たに、PDCA サイクルを基本とした大学
た。台湾においても、日本と同様に、少子化問題や国際化問題を抱
評価および各大学における自己点検活動の確立を目指すとのことで
えており、少子化については、2013 年~ 2023 年の 10 年間に
す。個々の大学が目標設定を行い、その達成に向けて、できている
おいて、入学者数は約 8 万人減少し、授業料収入は約 300 億円減
点や改善すべき点を自ら振り返ることで、持続的な自己成長を促す
となることが試算されています。一方で、交換留学や海外研修にと
とともに、行政による大学への介入を最小限にとどめることができ
どまらず、日本と同様にジョイントディグリー制度の推進など新し
ると考えられています。同
い局面での国際化の推進が求められています。
時に、統一していた評価基
また、研究者としての「エリート」層の育成が大学に求められて
準の見直しを行い、個々の
いた背景や世界大学ランキングの向上を目的とした論文投稿数の増
大学にあわせた評価指標
加を目指す風潮などが相まって、各高等教育機関において学術研究
を用いることで、大学の特
が重んじられた結果、産業界から求められている人材の育成に対応
色をより尊重していく方針
できていないという大きな問題を抱えています。
であるとのことでした。
コ
ラ
ム
早稲田大学総合教育研究センターの紹介
高等教育研究は高等教育の普遍的な現象、原理を研究対象と
学の社会的役割と教育成果を自ら評価・点検する活動、入学試
することに対し、IR は主に自校研究に重点を置いていると言わ
験を含む高等教育に関するさまざまな調査や分析を行い、また
れていますが、両者には密接な関係があります。例えば、立命館
これらの研究活動の基盤となる、教育や経営に係る各種データ
大学、同志社大学など日本における IR 活動の先導的な大学は、
の収集・分析(IR)を恒常的に行うことにより、大学改革のエ
いずれも IR 部局を設置する前に、専任の教員を中心とする高等
ンジンとなる組織であると位置づけています。教育方法研究開
教育研究センター(機構)を有して、様々な研究、調査活動を
発部門は、ICT(情報技術)
・遠隔教育を基盤とした教育手法の
行っています。ここでは、高等教育研究の重要性から、センター
研究開発や普及、教育方法論の研究と実践の連携を進めていく
を新設した早稲田大学をグッドプラクティスとして紹介します。
組織としています。専任教員 8 名、兼任教員 14 名の組織で本
平成 26 年 2 月に、自大の教育、研究、経営の質的向上に資
格な活動を展開し始めています。
する自律的・持続的な大学改革を推進するために、大学理念に
本学では平成 25 年 9 月に IR 室が設置され、専任教員 1 名、
基づき、高等教育研究及び授業方法の企画・開発・普及促進と
兼任事務職員数名から構成されています。今後、学生の学習・
その実践を支援することをミッションとして、総合教育研究セ
生活の実態、大学の教育・経営に資するデータベースの構築、
ンターが設置されました。当該センターは高等教育研究部門、
体系的な分析が一層必要とされており、SGU 構想に基づき、高
教育方法研究開発部門の 2 つの部門に構成されています。高等
等教育研究センターの設立に向けて、組織体制のますますの充
教育研究部門は、高等教育のあり方や理念の研究、あるいは自
実が急務であります。
7
平成 27 年度 IR 室活動報告(平成 27 年 5 月~平成 28 年 2 月)
(抜粋)
▶▶▶ 学内委員会等での報告
● 学長室会議
①「平成 26 年度卒業時アンケート結果報告」(平成 27 年 6 月 10 日)
②「平成 26 年度卒業時アンケート結果報告」(平成 27 年 7 月 4 日)
③「平成 27 年度新入生アンケート結果報告」(平成 27 年 7 月 29 日)
④「平成 27 年度新入生アンケート結果報告」(平成 27 年 8 月 5 日)
⑤「平成 27 年度新入生アンケート結果報告」(平成 27 年 9 月 2 日)
010
10
● 学部長会議
①「平成 27 年度新入生アンケート調査結果報告—新入生特徴分析」(平成 27 年 9 月 25 日)
②「平成 26 年度卒業時アンケート調査結果報告—卒業時満足度に関する分析」(平成 27 年 10 月 2 日)
● 第 46 回理事会(平成 27 年 10 月 19 日)
・第 14 回評議員会
(平成 27 年 11 月 26 日)
1
0
0
1
①「学生アンケート結果から見える本学の課題とその対応について(報告)」
0
②「平成26年度卒業時アンケート—卒業時満足度調査に関する分析」
③「平成27年度新入生アンケート—新入生特徴分析」
● FD 推進センター主催、全学カリキュラム委員会・IR 室共催 教育改善シンポジウム(平成 27 年 11 月 20 日)
「教育の効果と GPA に関する一考察―卒業時調査の分析から」
● 第 3 回 東洋大学 IR 室運営委員会資料(平成 28 年 1 月 28 日)
「学年・学部・学科・男女別 GPA 分布」
00
00
▶▶▶ 講習・交流会、ワークショップ
① 平成27年11月6日 「IR による意思決定支援のための取組―データ収集と情報発信を中心に」(講師:ハワイ大学マノア校 IR 室長 張 楊)
② 平成27年11月19日 「米国の中規模州立大学における学習成果の診断(Assessment)」(講師:メイン州立大学オーガスタ校 本田 寛輔)
③ 平成28年1月22日 「グローバル化時代における高等教育の質保証―台湾の現状と課題」(講師:台湾評価協会理事長 傅 勝利)
▶▶▶ 研究フォーラム・研究会での講演・発表、海外調査
① 平成 27 年 5 月
中国海洋大学、清華大学、山東大学
ワークショップ 招聘講演「日本における高等教育のグローバル化政策の新動向」
② 平成 27 年 6 月
2015 年度全国私立大学 FD 連携フォーラム 講演「東洋大学における IR 活動と FD 改善」
③ 平成 27 年 7 月
中国高等教育学会 IR 分会主催 IR 国際フォーラム 発表「『高等教育研究』と『機関研究(IR)』―日中高等
教育研究機関と IR 組織の機能の比較」
国立台湾大学 台湾評価協会主催国際フォーラム 招聘講演「日本における IR の現状と課題」
④ 平成 27 年 9 月
⑤ 平成 27 年 11 月
清華大学、北京師範大学珠海キャンパス
高等教育国際フォーラム 発表「日本におけるグローバル政策と大学教育の現状」
⑥ 平成 28 年 2 月
筑波大学大学研究センター主催「Rcus大学マネジメントワークショップ 招聘講演「経営課題に応える自
校研究~自校発見が経営を強化する~」
⑦ 平成 28 年 2 月
ハワイ大学マノア校、カピオラニコミュニティカレッジ、ハワイパシフィック大学 アメリカの大学における
IR の役割に関する調査
東洋大学IR室ニュースレター 第 2 号
発行者
発行日
東洋大学 IR 室
平成 28 年 3 月 30 日
http://www.toyo.ac.jp/site/ir/
〒 112-8606 東京都文京区白山 5-28-20 3 号館 1F ナレッジスクエア内
TEL 03-3945-8339
E-mail [email protected]
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