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液体ArTPC3次元イメージ測定器
液体アルゴン3次元飛跡イメー ジング検出器 丸山 和純 (KEK) 液体アルゴン3次元飛跡イメージング検出器 • • 現代版電子“泡箱検出器” 高位置分解能飛跡検出器(~1mm分解能) 65 cm – 正確な事象形態を測定できる。 – 低い運動量の粒子から測定可能 • 局所的なエネルギー損失を測定可能 – dE/dxと飛跡レンジ(距離)による粒子識別 – 電子とπ0中間子事象の区別 • フルサンプリングで、全方位均一物質 e50 cm p MC νe CC, Eν=0.730 GeV – エネルギー再構成能力が優れている。 pion 40 cm MC single π0, E=0.5 GeV positron proton Test-Beam data 0.8 GeV/c 76 cm 目で見て分かる素粒子検出器の現代版 原理 電離電子信号を使った3次元イメージング 電離電子 電場 チェレンコフ光 荷電粒子 シンチレーション光(128nm) 2次元陽極読み出し+ドリフト時間情報を使 用し、3次元飛跡再構成が可能。 ただし、電離される電子数は少ない。ガスと 違って増幅もない; ~1fC /mm@ MIP → 良いプリアンプが必要。 ~kV/cmの電場により ~2mm/μsでドリフト → 速度が遅いので、長距離ドリフトさせる検 出器は高いレートの測定に向かない。 → ニュートリノのように検出頻度が低い測 定や地下実験向き。 → カロリメータ等に使うときは、ドリフト距離 を短くし、ドリフト時間を短縮。 高純度液体アルゴンが必要。(1ppb酸素相 当純度の液体アルゴンでドリフト電子が60cm 進むと1/eに数が減衰) ドリフト電子の拡散はガスと違って小さい。 • 40cmドリフト後で0.3mm 電離電子の他に、シンチレーション光も使う 暗黒物質探索実験も最近はさかん。 水と液体アルゴンの性質の違い Water Liquid Argon 1 1.4 Radiation length (cm) 36.1 14.0 Interaction length (cm) 83.6 83.6 dE/dx (MeV/cm) 1.9 2.1 Refractive index (visible) 1.33 1.24 Cerenkov angle 42° Density (g/cm3) ≈160 eV−1 cm−1 ≈130 eV−1 cm−1 Muon Cerenkov threshold (p in MeV/c) 120 140 Scintillation No Yes (≈50000 γ/MeV @ λ=128nm) 100yen/liter (Evian) 100yen/liter Cerenkov d2N/dEdx (β=1) Cost G.Alberto’s slide In neutrino 2010 (現存・稼働する世界で最大の電子泡箱検出器) 世界に広がる巨大電子泡箱(米国と欧州) • 米国: LBNE – 0.7MW(MI)2.4MW(Prj-X) –(1300km) 液体アルゴン3次元 飛跡イメージング検出器を Homestakeに。 – ステージングアプローチ; 10kt 検出器を地表に DOE CD-1 • 追加の予算が出たら地下へ。 • 欧州(EU) – 最優先オプション: CERN -2300km20kt in Pyhasami (finland) – 長距離を活かし質量階層性へ良い感度 US Y.K.Kim LBNE 6 ニュートリノ物理への応用 • 3次元飛跡を1つずつ測定可能 – Inclusive でなく、exclusiveな測定が可能。特に νµ+n µ+p+X のような非弾性散乱測定が得意。 – カロリーメータと違い、粒子飛跡1本ずつを同定し ながらエネルギーを測定することが可能。→ ニュートリノ振動はEn/Lの関数なので、ニュートリ ノエネルギーを精度良く測定できる検出器が良い。 – 通常のカロリーメータと比較して、どこまでエネル ギー分解能が良くなるか? – e/µ/π/K/p識別が得意。 – これらの利点はMCだけでなく実験的に証明する 必要がある。→ 荷電粒子ビームテストをやる動 機に。 エネルギー再構成方法 • エネルギー再構成の方法 (1) 個々の飛跡のΣdE/dxを足しあ げる (2) 識別された個別の粒子の質 量は別途足しあげる 弾性散乱事象のみならず非 弾性散乱事象も解析に使う ことが可能 広いニュートリノエネルギー領 域で使用することができる。 解析できる事象数が増加 粒子識別やエネルギー分 解能についてはMCだけで なく実験的な検証が必要。 日本における開発の現状(2008-2013) • • • • • • • 良く理解された0.2~0.8GeV/cの荷電 粒子、e/π/p/Kを用いたビームテスト を達成(J-PARC T32 in 2010)、計画 (T49 in 2013). 総重量~400kgを持つプロトタイプを使 用。 1次元1cmストリップを用いたT32実 験データの解析(2011/12) 2011年から2013年に、(A)純度、(B) 印加ドリフト電場、(C)読み出しを改 良し、次回ビームテスト(J-PARC T49, 2013年5-6月)を行う予定。 純度;~0.8ppb(2010) ~0.4ppb (2012) 安定印加可能電圧;9kV (2010) > 30kV (2012) 1次元1cmストリップ読み出し(2010) 2次元4mmピッチ読み出し(2013) 4月23日から宇宙線を使った最終的 なテスト。 Parameters @ T32 Fiducial mass 170kg Total LAr mass ~400kg Fiducial volume 40cm x 40cm x 76cm Typical HV@cathode 9kV #of readout channels 76 strips (1cm) 76 strips (1cm) anode drift PMT 2010 Oct beam-test ・degrading momentum using Lead Glass and Lead block ・beam width @ deg. σx~8cm, σY~6cm particle Particle Identification ・ΔTOF(K)>ΔTOF(π) ・Fitch Cherenkov Gas Cherenkov Cherenkov (Beam Defining Counter) proton (200ps resolution) BDC T32 Gas Cherenkov (200ps resolution) LG Accumulated samples in 2010 • 7000 540MeV/c K+ events • (800MeV/c w/ 2 Lead Glasses) • 35000 680MeV/c K+ events K1.1BR • (w/ one LG) • 40000 630MeV/c K+ • (w/ 1 LG and 1 Lead Block) • 70000 200MeV/c π+ events w/o degraders • 2500 800MeV/c e+ events 3.5m • 1500 800MeV/c proton events Concrete 10 block MIP particles (800MeV/c π) Through going pions Through-going pions (~MIP) is used to compare data and MC after including all effects to MC simulation. Channel gain correction DATA MC Signal Charge ( ADC*μs) Charge distribution in each channel is fit by Landau + Gaussian, and the11 correction is applied based on the MPV value. (data and MC, separately) Kaon data (in old test-beam) • individual Hit charge (all hits) We see the reasonable agreement between data and MC: – Hit charge (all channel) – Stooped channel (=range) – Hit charge as a function of distance from stopped point. – And their ratio. Range Data/MC (mean FADC) Charge at stopped point Charge at stopped point -7cm Data/MC of charge 2次元4mm読み出し(2013) To connector To connector A1 A2 A3 A4 B1 B2 B3 B4 C1 C2 C3 C4 0.2mm D1 D2 D3 D4 0.8mm 0.8mm 0.8mm pads 0.2mm space KEK electronics group helps this as KEK “Open-It “ project. (Manobu Tanaka, T.Uchida, M.Ikeno) 可能なランタイム(2013年5~6月) 粒子 運動量 統計 コメント π+ 800MeV/c 20000 較正用ラン 300MeV/c 100000 dE/dxを使った粒子識別、崩壊 からのeを使った較正 p 800(or 900) MeV/c 50000 高dE/dx測定 K+ 600MeV/c 100000 dE/dx を使った粒子識別、崩壊 からのμを使った較正 e+ 150MeV/c 50000 エネルギー分解能測定 約1週間の物理ラン時間 – 再結合やドリフト速度の確認のため高電圧も変える予定。 – K+ の運動量は変わるかも。 大きな検出器を作るには • ドリフト電子は酸素、窒素、水分等の不純物によって、ドリフト中に減衰してし まう。→ 良い純化(循環)システムが必要。 – ドリフト電子の寿命と純度の関係は次の式で表せる; τ (µs) ~ 300 / purity (ppb). – 右下図;減衰を示す。例えば、5m電子がドリフトする検出器を作成しようとすると、 酸素相当で0.2ppbよりずっと良い純度が必要。→ どのドリフト距離を選ぶのか? – ICARUSでは 1.5m電子ドリフトに対し 0.06 ppb純度を達成。 • 高電場 (=高電圧印加システム) – 再結合や減衰を減らすために、500V/cm 以上のドリフト電場を作ることが望ましい とされている。 – 例えば5mのドリフトには250kVの電圧が必要。 – ICARUS は500V/cm(75kV)でオペレーション中。 – 特に、ガスアルゴン中の放電に気を付ける必要 • • 良い信号/ノイズ比。 → 良い増幅器が必要 これらの技術をよりリーズナブルなコストで。 – ICARUSは完成された検出器だが高価すぎる。更 なるコストダウンが必要。 • より高いエネルギーの粒子に対する検出器応答 の実験的な検証も重要。 A.Rubbia (neutrino2012) 暗黒物質探索への応用例(気液2相型) 光読み出し 素子 anode Gas 暗黒物質 (WIMP) Liquid S1とS2の光量比を用いて 信号と背景事象を分離 e- ee- 二次シンチ光 (S2) drift 取り出し電場 >3 kV/cm ドリフト電場 ~ kV/cm e- e- e- DM 入射 γ 入射 一次シンチ光 (S1) time eS1 S2 e- time S1の信号波形を用いて 信号と背景事象を分離 早い成分 ~6 ns 遅い成分 ~1.5 μs cathode ○光・電離電子数: 50 /keV ○「シンチ光」と「電離電子」を同じ光読 み出し素子で検出 ○高い背景事象除去能力(S1/S2比 +シンチ光波形弁別) ○Xeなどに比べ安価。 ●自然同位体 39Ar が背景事象に 気相S2 液相 S1 γ DM 日本物理学会 田中雅士氏スライド(28pRF-7)から借用 まとめ • 液体アルゴン3次元飛跡イメージング検出器 は現代版の電子“泡箱”検出器。 • その高い検出器能力を活かして、ニュートリノ や暗黒物質探索へ使用されている。 • コスト削減と実験的な物理性能の確認が現 存最大検出器(ICARUS)より大きな検出器 を作成する際の世界的な課題。 • 日本では主に荷電粒子を使用した検出器性 能の実験的な検証(とそれに付随する開発) を行ってきた。2013年には、更なるビームテ ストをJ-PARCで行う予定。 dQ/dx comparison between data and MC (p and K) After MIP response is corrected, we compare the data and MC for K / p samples Typical proton event Signal charge definition Hit charge Hit charge charge deposit in each channel. Cluster charge Sum of hit charge in a track. Stopped channel Cluster charge Stopped (or decay) channel • In proton case, the rightest hit channel of the track is defined to be “stopped channel”. • At kaon case, Hough algorithm and chi2 algorithm find the decay vertices. (right 2 events show the example of the tracking algorithm works) • We compare following variables. • Hit charge, range, (cluster charge) 18 Typical Kµ2 two candidates