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欧州の日系部品メーカー:トヨタ/日産/スズキ等のロシア生産

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欧州の日系部品メーカー:トヨタ/日産/スズキ等のロシア生産
2016/4/5
欧州の日系部品メーカ ー:トヨタ/日産/スズキ等のロ シア生産計画に対応 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
欧州の日系部品メーカー:トヨタ/日産/スズキ等のロシア生産計画に対応
三桜工業/大同メタル/ティラド/トヨタ紡織等が、ロシアに生産拠点を構築
2008.4.11 No.667
以下は、欧州における、日系自動車部品メーカーの最近動向の概要である (収録対象は、2008年4月上旬までの
約1年間)。
特徴的な動きのひとつは、欧州の排出ガス規制強化への対応で (Euro 5 規制を2009年から新型車、2011年から
全生産車に適用)、需要拡大が見込まれている DPF (Diesel particulate filter) と小型ターボチャージャーの生産
体制拡充が活発である。
また、トヨタ/日産/スズキ等の生産体制構築が進展しているロシアと、EUに加盟した中欧各国で、工場の新設/拡
充および現地企業との提携が相次いでいる。
チェコ:愛三工業/KYB/小糸製作所/大同メタルが、生産設備拡充
チェコでは生産能力増強の動きが活発で、愛三工業がエンジン用アルミ鋳造部品、KYB がショックアブソーバー
の量産品、小糸製作所がヘッドランプ、大同メタルがドライベアリングの生産を拡充する。
この他、ジェイテクトがパワーステアリング向けアルミ部品の内製化を開始、セーレンが日系自動車メーカー向けに
シート用ニット表皮材生産を開始する。
欧州の日系自動車部品メーカー:チェコでの最近動向
(2008年 4月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順)
■愛三工業:エンジン用アルミ鋳造製品の生産能力を月産 20万個に倍増
愛三工業は08年 1月、Aisan Bitron Louny s.r.o. を Aisan Industry Louny s.r.o. に改称した。08年 2月に
は、工場床面積を拡張、スロットルボディー、カムキャップ、バランスシャフトハウジング等のエンジン用アルミ鋳造
製品の生産能力を月産 20万個に倍増した (投資額は 12億円)。生産ライン配置の見直し等による効率化も進め、
09年には月産 27万個として、トヨタや Renault 等のエンジン生産拡大に対応する。
■KYB:ショックアブソーバーの量産品生産を集約、スペインからも生産移管
KYB は、人件費の高いスペインに高付加価値製品生産を集約するなど、ショックアブソーバーの欧州生産体制
を再編する。低コストのチェコには量産品生産を集約し、トヨタ、Renault, Magyar Suzuki 等に供給する。日産Renault の B platform 向け生産もスペイン工場からチェコに移管する。
チェコ工場の KYB Manufacturing Czech s.r.o. は、09年度までに年産能力を 1.7倍増の 400万本として、量
産効果と現地調達比率の拡大で黒字転換を図る (現在は大部分をスペインから調達している部品を、70% 程度現
地調達する計画)。2010年を目処に新工場も建設し、2010年代前半には年産 800~1,000万本とする計画。
■小糸製作所:新工場を建設、ヘッドランプ年産能力を 2.6倍の 200万台分に
小糸製作所は、既存工場 Koito Czech s.r.o.近隣に、ヘッドランプ新工場を建設する。08年に着工、09年に稼
動予定で、投資額は約 40億円。チェコでのヘッドランプ年産能力を、最大で現行の約 2.6倍の 200万台分とし
て、トヨタや欧州自動車メーカーの需要増に対応する。
チェコには、英国でのヘッドランプ生産 (50万台分) も移管する (英国拠点はリアランプ生産に特化する)。ベル
ギーに置いている開発・営業子会社機能も、2010年を目処にチェコに集約し、チェコを開発から生産・販売まで一
貫管理する欧州の中核拠点とする計画。
■ジェイテクト:パワーステアリング用アルミ部品を内製化
ジェイテクトは、MT 用シャフトを生産する JTEKT Automotive Czech Pardubice, s.r.o. に約 20億円を投資し
て鋳造設備を導入し、パワーステアリング用アルミダイカスト部品を内製化、ゼロだった欧州での内製化率を、09年
までに 30~40% に高める。内製化によって、部品調達の安定化と、利益率向上を図る。
■セーレン:シート表皮材生産を開始、ニット表皮材も日系自動車メーカー向けに生産
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セーレンは、チェコのシート材メーカー Fezco A.S. と提携し、シート用表皮材生産を09年度までに開始する。ロ
シアや中東欧生産を拡大するトヨタ等の日系メーカー需要に対応する。当初は Fezko に技術供与し、Fezko の設
備を使って生産するが、2010年を目処に合弁生産を開始する。(欧州の表皮材は織物が中心のため、日系メーカ
ー向けに、セーレンがニット表皮材のノウハウを提供する)
■大同メタル:ドライベアリングの生産ラインを 3本増設
大同メタル工業は、08年初に、ポリマー樹脂を使うドライベアリングの生産ライン 3本を、Daido Metal Czech
s.r.o. (Brno市) に増設した。燃料噴射ポンプ用軸受やショックアブソーバー用軸受の新規受注を獲得したため。
資料:各社広報資料、各紙報道
ハンガリー/ポーランド/ルーマニア:三桜工業/ブリヂストン/デンソーが生産拠点新設
ハンガリーでは、三桜工業が新工場で配管部品生産を開始、ブリヂストンも完全自動化したタイヤ工場を新設し
た。クラッチ生産を拡大しているエクセディは、将来に備えて工場用地を取得した。
ポーランドでは、ブリヂストンのトラック・バス用タイヤの新工場と、デンソーが Bosch と共同設立したDPFの開発・
生産会社が、2009年に生産を開始する。ダイセル化学はエアバッグ用インフレータの年産体制を300万個から500万
個に拡充した。ニフコも、内装用樹脂部品の生産能力を倍増する。
欧州の日系自動車部品メーカー:ハンガリー/ポーランド/ルーマニアでの最近動向
(2008年 4月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順)
■イビデン:DPF 等の排気系製品のテクニカルセンターを、ハンガリーに設置
イビデンは、IBIDEN Hungary Kft. の隣接地に、ディーゼルエンジン用 DPF など排気系製品のテクニカルセン
ターを建設し、08年 12月に稼動する。敷地面積は、今後の生産ライン増設も含みに 95,900㎡。投資額は約 10億
円。09年秋に導入される排出ガス規制 Euro 5 による、DPF 需要拡大に対応する。
■エクセディ:ハンガリーのクラッチ工場拡張用地を先行取得、敷地面積を 5倍化
エクセディは、08年 3月、クラッチを生産する Euro EXEDY Clutch Ltd. の隣接地を取得し、敷地面積を 5倍に
すると発表した (現在は 4,000㎡)。欧州での補修用クラッチのシェア拡大や、ロシアの新車・中古車市場の急成長
による需要増に備える。
Euro EXEDY Clutch Ltd. は 07年度に、クラッチのディスクとカバーを 22万セット生産した (17万セットだった
06年度比 30% 増)。Magyar Suzuki 等への供給拡大に加え、欧州全域で補修用クラッチ販売が増加しているため
(英国の EXEDY Clutch Europe Ltd. への供給も拡大)。
■カルソニックカンセイ:、Delphi とのエアコン用コンプレッサー合弁生産から撤退 (ハンガリー)
カルソニックカンセイは、08年 3月、米国 Delphi Corp. との自動車エアコン用コンプレッサーに関する業務提携
を解消した。ハンガリーでは、Delphi Calsonic Hungary の持株 (10%) を Delphi に売却し、日本では Calsonic
Harrison の Delphi 持株 (49%) をカルソニックカンセイが買い取り、日欧での合弁生産を解消した。技術を相互に
導入したが、それぞれ単独で開発・生産できる体制が整ったためとしている。
■カルソニックカンセイ:ルーマニアのカーエアコン工場拡張を検討
カルソニックカンセイは、スズキのハンガリー工場向けカーエアコン生産を07年末に開始した Calsonic Kansei
Romania の拡張を検討中 (第 2工場建設も選択肢)。Renault グループの Dacia、日産のロシア新工場 (09年稼
動)、Peugeot からも受注しており、2010年には生産能力が限界となるため。
なお、Calsonic Kansei Romania でコンポーネント (単品部品) を集中生産して、モジュール (複合部品) を生産
する英国やスペインの工場に供給する構想もあるとされ、ルーマニア拠点はカルソニックカンセイの欧州生産体制
再編の核としても位置付けられている。
■三桜工業:配管部品生産をハンガリーの新工場で開始、年産能力は 30万台分
三桜工業は07年 8月、Sanoh Magyar Kft. の新工場で (100% 出資で06年11月設立)、ブレーキチューブやフュ
ーエルチューブ等の配管部品生産を開始した。年産能力は 30万台分で、投資額は 6億円。売上高計画は、08年
が 9億円、2010年以降は 11億円。従来は Magyar Suzuki の工場内で加工していたが、日欧メーカーに拡販する
ために、単独工場を建設した。
■ダイセル化学:ポーランドで、エアバッグ用インフレータの年産能力を 500万個に拡充
ダイセル化学工業は、ポーランド工場 Daicel Safety Systems Europe Sp. z o, o に、エアバッグ用インフレータ
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の生産ラインを 1本増設、07年度中に年産能力を 500万個に拡充する (06年度末は 300万個)。種類と台あたり搭
載個数の増加で、エアバッグ増産を計画している日系エアバッグメーカー向けに供給する。
ダイセル化学工業は、日本/米国/タイ/中国の全工場にも、07年度中に約 80億円を投じ、エアバッグ用インフレ
ータ年産能力を、日本で 1,900万個、海外で 2,500万個、合計 4,400万個として、世界シェア 17% を計画 (06年
度は 3,300万個で 16%)。さらに、2010年度は世界シェア 20% を構想 (世界需要見込みは 3.5億個)。
■デンソー:DPF の開発・生産会社を Bosch と共同でポーランドに設立、2009年に生産開始
デンソーと Robert Bosch GmbH は、07年 6月、ディーゼルエンジン用 DPF を開発・生産する Advanced
Diesel Particulate Filters Sp.z o.o. を、ポーランドの Wroclaw 市に折半出資で設立した (資本金は約 13億
円)。デンソー本社内に支店を設置し、日本で開発・生産準備を進め、コージェライト製 DPF の生産を09年に開始
する計画。生産した DPF は、デンソーと Bosch がそれぞれのブランドで販売する。09年秋に導入される排出ガス
規制 Euro 5 により、DPF 市場が拡大することに対応する。
■ニフコ:ポーランドでの内装用樹脂部品の生産能力を、売上高ベースで倍増
ニフコは、Nifco Poland. sp. z o.o. の隣接地に建屋を新設、既存工場と同等規模の設備を設け、08年末に稼
動する (投資額は約 9億円)。工業用ファスナーやカップホルダー等の内装用樹脂部品の生産能力を、売上ベー
スで倍増し、年間売上高 10~12億円程度を見込む。
高付加価値品の比率も増やし、収益力も高める。現在は、主にトヨタに供給しているが、ハンガリー生産を拡大し
ているスズキ、09年にチェコ新工場を稼動する現代自動車、等にも対応する計画。ロシアにも供給する計画。
■ブリヂストン:トラック・バス用ラジアルタイヤのポーランド新工場が 2009年に稼動
ブリヂストンの欧州子会社 Bridgestone Europe NV/SA は、トラック・バス用ラジアルタイヤの新工場を、ポーラ
ンドの Stargard Szczecinski 市に 100% 出資で建設する。07年 9月に着工し、09年上期に稼動予定で、投資額
は約 2億Euro。日産能力は、2011年には 5,000本とする計画。欧州におけるブリヂストンのトラック・バス用タイヤ
工場としては、スペインの Bilbao 工場に次いで 2拠点目。
■ブリヂストン:完全自動化したハンガリー工場を開所、2009年には日産能力 8,000本
ブリヂストンの欧州子会社 Bridgestone Europe NV/SA は、08年 4月、ハンガリー Tatabanya 市郊外の新タイ
ヤ工場を開所した (投資額は約 1億 9,000万 Euro)。新工場には、生産工程を完全自動化し、生産性が従来比 2
倍となるブリヂストン独自の生産システムを導入した (日本国外では、07年11月開所のメキシコ Monterrey 工場に
次いでの導入)。主に乗用車・小型トラック用の高性能タイヤ・大口径タイヤを生産し、09年には日産能力 8,000本
とする計画。
■ユーシン:ドイツの R&D 拠点を閉鎖して、ハンガリー工場に集約
ユーシンは、ドイツの R&D 拠点 U-SHIN Deutschland GmbH を07年11月期中に閉鎖し、営業スタッフとエンジ
ニアを、ハンガリー工場 U-SHIN Europe Ltd. に集約して設計と生産の連携を強化、今後の車両適合設計はす
べてハンガリーで対応する (Audi, Opel, NedCar, Ford 等にも供給しているが、最大取引先は Magyar
Suzuki)。
資料:各社広報資料、各紙報道
ロシア/トルコ:三桜工業とティラドが2009年に生産開始、トヨタ紡織は自社工場建設
ロシアでは、三桜工業がスズキと日産向け等の配管部品生産、ティラドがラジエーター等の合弁生産を、2009年に
開始する。
トヨタ工場内でCamry用シートを生産しているトヨタ紡織は、将来の生産増に備えて2010年にも自社工場を建設す
る方針。トヨタ紡織は、トルコでは第2工場を本格稼動し、部品加工から組み立てまで、シートの一貫生産を開始し
た。
欧州の日系自動車部品メーカー:ロシア/トルコでの最近動向
(2008年 4月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順)
■三桜工業:配管部品をスズキや日産向けに、2009年から生産
三桜工業は 08年中にロシアの St. Petersburg に配管部品の生産子会社を設立し、09年に生産を開始する計
画。スズキや日産など、日本の自動車メーカーの欧州生産拡大に対応する。
■大同メタル:Severstal-Auto 傘下の軸受生産会社を買収
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大同メタル工業は、07年 9月、ロシアの Severstal-Auto の 100% 子会社で、ロシアの軸受トップメーカーの
ZMZ-Bearings を買収した。ZMZ は、軸受材料であるアルミのバイメタルも生産・輸出しており、06年の売上高は
1,960万米ドル、税引前利益は 170万米ドル。買収金額は約 2,000万米ドル。
大同メタル工業は、Severstal とも生産・販売等の広い分野で提携し、英国/モンテネグロ/チェコ等の既存工場と
ZMZ とで、欧州で年間売上高 100億円を目指す。
■ティラド:アルミ製ラジエーター/ヒーターコアを 2009年から合弁生産、年産能力は 30万台分
ティラドは07年 6月、アルミニウムで世界最大手の UC Rusal グループの Russian Machines System (RMS)
と、乗用車・商用車向けアルミ製ラジエーター/ヒーターコア生産会社を、折半出資で設立することに合意した。
モスクワの東 400km の Nizhnij Novgorod 市に、年産能力 30万台分の工場を建設し、09年 1月に生産を開始
する予定 (投資額は約 30億円)。当初は RMS グループで、ロシア第 2位の自動車メーカー、Gorky Automobile
Plant (GAZ) に全量供給するが、将来的には日系自動車メーカーにも供給する計画。
■トヨタ紡織:トヨタの Camry 増産に対応、シート工場を建設
トヨタ紡織は、2010年にもロシアに自社工場を建設する方針で、07年度中に立地場所を決定する。現在は、St.
Petersburg 市のトヨタのロシア工場内で、Camry 用シートを年間 2万台分生産しているが、09年半ばから Camry
生産を年間 5万台に拡大するトヨタの計画に対応するため。
■トヨタ紡織:トルコで、シートフレームと機能部品を生産する第 2工場を本格稼動
トヨタ紡織は、07年 7月、Toyota Boshoku Turkiye Otomotiv Sanayi Ve Ticaret A.S. の第 2工場を本格稼動
し、第 1工場と合わせ、シートの一貫生産体制を整えた。第 2工場は、トヨタ紡織グループとしては、欧州・トルコ地
域で初の、シートフレームと機能部品の生産拠点で、生産部品はトヨタの欧州市場モデル Corolla Verso 向けと、
トヨタが南アフリカで生産する Corolla 向けに供給する。第 2工場の 09年売上高は約 42億円の見込み。
■PAS:3~4年後から、カーエレクトロニクスを現地生産
松下電器産業の社内分社であるパナソニックオートモティブシステムズ (PAS) は、日系自動車メーカー各社のロ
シア進出に対応し、カーエレクトロニクス分野を中心に現地生産を検討中。今後、現地調査を行い、最適な進出時
期や立地、生産品目を判断し、3~4年後の具体化を図る見込み。
資料:各社広報資料、各紙報道
英国/フランス/スペイン/イタリア:天辻鋼球とイビデンが、生産設備拡充
英国では、天辻鋼球が自動車用鋼球の生産体制を拡充する。フランスでは、イビデンがDPF生産ラインを増設す
る。
スペインでは、KYB が高付加価値ショックアブソーバー生産を集約する (量産品生産はチェコ工場に移管)。イタリ
アでは、岡部が自動車用バッテリー部品メーカーを買収した。
欧州の日系自動車部品メーカー:英国/フランス/スペイン/イタリアでの最近動向
(2008年 4月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順)
■天辻鋼球:英国生産を自動車用鋼球に特化、年産能力も 330t に 20% 拡充
天辻鋼球製作所は、08年 3月、英国工場の AKS Precision Ball Europe Ltd の年産能力を約 20% 拡充して
330t とした。併せて、今後は自動車用製品の生産に特化する (ポーランドの生産拠点 AKS Precision Ball
Polska Sp. z o.o. は、産業機械・家電用鋼球の生産に特化する)。
■イビデン:フランスで、ディーゼルエンジン用 DPF 生産を 2ラインから 3ラインに増強
イビデンは、IBIDEN DPF France S.A.S. のディーゼルエンジン用 DPF (シリコンカーバイド製) 生産に、月産
能力 2.5万個の第 3ラインを増設する。09年 1月に稼動予定で、投資額は 25億円 (1Euro=150円)。09年秋から
の排出ガス規制 Euro 5 により、DPF 需要の拡大が見込まれるため。
■エイチワン:欧米工場の生産効率を改善し、2010年度末の経常利益率を 5%に改善
エイチワンは、08年度からの 3年間で、欧米の車体骨格部品工場のレイアウトや生産管理体制等を見直して、生
産効率を改善する。多品種生産に対応し、現地法人の経常利益率を 07年度見込みの 1% 以下から、2010年度末
には 5% に引き上げる。このために、英国の UYT Ltd. で先行して、既に設備などのハード面を整備中で、今後は
生産システムなどソフト面の改善を進める。
■岡部:イタリアのバッテリー部品メーカー Aquila Piombo を買収
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金属製建材メーカーの岡部は、自動車部品事業を準コア事業と位置付け、その事業拡大に取り組んでいる。07
年 7月、100% 子会社の Okabe Holding USA, Inc. が、イタリアの自動車用バッテリー部品メーカー Aquila
Piombo S.r.l. を買収すると発表した。Aquila Piombo の 06年度売上高は 10億 3,700万円、純利益は 5,500万
円で、買収額は 600万Euro (約 10億円)。同社の販路で、05年に買収した米国 Water Gremlin Co. のバッテリ
ー部品も、欧州に供給する計画。
■KYB:高付加価値のショックアブソーバー生産を、スペイン工場に集約
KYB は、高付加価値緩衝器の生産をスペイン工場に集約し、量産品生産はチェコ工場に移管する。スペイン工
場 KYB Suspensions Europe, S.A. は、人件費の上昇等で04年度から赤字だが、2011年度までに 48億円を投
資して、油圧で車高を調節できる緩衝器など、高付加価値緩衝器の年産能力を 130万本に拡充する計画 (07年
度生産見込みの 5倍超)。
■日立金属:耐熱鋳造部品の英国生産拠点を閉鎖、今後の生産は日本に集約
日立金属は、07年 9月、子会社 Hitachi Metals Europe GmbH の子会社で、英国でディーゼルエンジン用耐
熱鋳造部品を製造販売していた Hercunite Foundry Technology Ltd. を解散した。耐熱部品に不可欠なニッケ
ルの高騰で、価格が上昇し、需要が減少したため。耐熱鋳造部品は、今後は、日本の工場で集約生産する。
■富士通テン:カーオーディオを生産する、スペイン拠点を子会社化
富士通テンは、07年 4月、富士通との合弁会社 Fujitsu Manufacturing Espana, S.A. の発行済株式の 10% を
富士通から取得し、子会社化した。出資比率は、富士通テン 55%、富士通 45% となり、社名も Fujitsu Ten
Espana, S.A. に変更した。拡大中の自動車関連ビジネスを強化するため、カーオーディオ類の欧州生産拠点の
経営権を取得したもの。
■三菱化学:自動車用の機能性樹脂材料を、2008年からフランスで委託生産
三菱化学が 100% 出資している Mitsubishi Chemical Europe GmbH は、08年 7月から自動車用エアバッグカ
バー用の機能性樹脂材料 (オレフィン系熱可塑性エラストマー)、09年から自動車用内装材用の機能性樹脂材料
(スチレン系熱可塑性エラストマー) を、フランス企業に委託生産する。日系自動車メーカーの欧州での増産に対
応するため。
資料:各社広報資料、各紙報道
ドイツ/オランダ:IHI と三菱重工がターボチャージャー、タカタがインフレータ生産を拡充
ドイツでは、IHI が Daimler と合弁でターボチャージャーを2009年から生産、タカタがエアバッグ用インフレータの
生産能力を倍増する。リケンは新たに提携したMahle の生産拠点で、ピストンリングを生産する計画 (ドイツまたはポ
ルトガル拠点で生産見込み)。
オランダでは、日本化薬がカーナビゲーションの高性能化やメーターパネルのデジタル化で需要が拡大している
偏光位相差フィルム材料を2倍強に増産し、三菱重工がターボチャージャー生産能力を拡充する。
欧州の日系自動車部品メーカー:ドイツ/ベルギー/オランダでの最近動向
(2008年 4月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順)
■IHI:ドイツでも Daimler とターボチャージャーを合弁生産、2011年には欧州で年産 200万基体制
IHI と Daimler の合弁会社 IHI Charging Systems International GmbH は ( ICSI:IHI が 50%、Daimler が
49% 出資)、08年 5月、ドイツの Arnstadt 市に製造子会社 (仮称) IHI Charging Systems International
Arnstadt GmbH を設立する。09年夏にターボチャージャーの量産を開始し、2011年には年産能力を 100万基と
する計画。投資額は約 70億円。
ICSI は、既存のイタリア工場の年産能力も 5年以内に 100万基超とする計画 (約 30億円を追加投資)。2011年
に予定されている欧州排出ガス規制強化に伴い、ディーゼルエンジンだけでなく、ガソリンエンジンにもターボチャ
ージャー搭載が拡大する見込みのため。
■アドヴィックス:欧州進出に向け、ベルギーに欧州事務所を設置
アイシン精機の連結子会社で、ブレーキシステムメーカーのアドヴィックスは、08年 4月、ベルギーの Brussels
市郊外に欧州事務所を設置する。欧州市場での事業拡大を目指し、市場調査、情報収集、事業戦略の構築、等
を行う。ブレーキ関連ではアイシングループ初の欧州拠点。
■タカタ:欧州のインフレータ生産を Freiberg 工場に集約、年産能力を 1,600万ユニットに倍増
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欧州の日系部品メーカ ー:トヨタ/日産/スズキ等のロ シア生産計画に対応 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
タカタは、エアバッグ用インフレータの欧州生産を、ドイツ TAKATA-PETRI (Sachsen) GmbH の Freiberg 工
場に集約する。07年に Freiberg 工場 のラインを拡張、年産能力を 1,600万ユニットに倍増した (投資額は 1,300
万Euro)。インフレータの合弁生産拠点だった Petri-DN GmbH Inflator systems の Fuerth 工場 は、生産機能
を Freiberg 工場に移管し、08年 3月末に閉鎖する計画。
■日本化薬:カーナビゲーションやメーターパネル向け偏光位相差フィルム材料生産を倍増
日本化薬は08年初に、子会社のポラテクノが全額出資するオランダの Dejima Optical Films B.V. の生産能力
を拡充した。カーナビゲーション液晶の高性能化やメーターパネルのデジタル化で、需要が急拡大している車載
用偏光位相差フィルム用材料 (温度追従型光学補償フィルム) の生産を、数量ベースで倍増する。
■三菱重工:2011年度には、オランダで 280万基、世界で 690万基のターボチャージャーを生産
三菱重工は、オランダで小型ターボチャージャーを生産する MHI Equipment Europe B.V. の工場を、2011年
度までに約 6,900㎡ 増設し、年産能力を 80万基増の 280万基とする。排出ガス規制が強化され、大口顧客が集
中する欧州市場への対応能力を高めるため。
三菱重工は、中国と韓国の既存工場も拡充し、日本とタイには工場を新設、2011年度までに年産 690万基の小
型ターボチャージャー生産体制を確立する計画 (07年度生産実績は 360万基)。
■リケン:Mahle の生産拠点で、ピストンリングを生産
リケンとドイツの Mahle GmbH は、07年 6月、業務提携の覚書を調印した。ピストンリングやカムシャフト等を対
象に、両社の経営資源を有効活用して世界展開を図り、環境対応エンジン技術等も共同研究する予定。
欧州では、リケンが Mahle の生産拠点に 20億円程度を投じて、スチール製ピストンリングの生産ラインを導入す
る計画 (ポルトガルまたはドイツの生産子会社に 30~50% 出資する案が有力)。日系自動車メーカーが、ディーゼ
ルエンジンの欧州生産を、2010年前後に本格化するのに対応する。
資料:各社広報資料、各紙報道
出典:マークラインズ
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