...

PDF/4.46MB

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

PDF/4.46MB
第一部
現地研修報告
–11–
【現地研修プログラムの日程】
(募集要綱に記載されたスケジュール)
–12–
【地図】
–13–
・バンコク市内
・タイ北部
–14–
・チェンマイ市内
・インド全域とコルカタ市内
–15–
・オリッサ州
・ビタルカニカ国立公園
–16–
・チリカ湖
–17–
【現地研修の報告】
■ タイ(成田〜バンコク)■
8 月 18 日〜8 月 20 日
報告者:百瀬貴文
<8 月 18 日(研修 1 日目)>
08:45 成田空港集合
11:00 フライト
<以下、バンコク時間(-2時間)>
15:10 バンコク空港着(予定より約 30 分早く到着)
16:40 空港発 車でホテルに移動
17:30 ホテル着 MARUAY GARDEN HOTEL
17:40 ロビーでミーティング
17:50 各自部屋へ移動
19:00 ホテル・ロビーに集合 近くのレストランへ移動
19:30 夕食
20:35 ミーティング
21:05 解散
<8 月 19 日(研修 2 日目)>
07:00 朝食
08:50 ホテル・ロビー集合
09:05 Dr. Sansanee Choowaew と合流
09:10 ホテル発
09:50 国連ビル近くにある寺院の駐車場に駐車
69th Occupational Education Festival を見学
10:50 国連ビル見学
12:50 レクチャー開始
15:10 レクチャー終了
15:25 国連ビル発
15:35 ラマハッセー・ブリッジを通過
15:40 チャオプラヤ川岸 着
–18–
16:00 チャオプラヤ川岸 発
17:10 ホテル着
17:50 ホテル・ロビー集合 ノンツゥリー・レストランにて夕食
夕食 同席者
・Dr. Sansanee Choowaew(マヒドゥン[Mahidol]大学 環境資源学専攻 教授)
・陳 承彦[シンバ・チャン](NPO 法人 バードライフ・アジア 主任研究員)
・岡本 俊直(財団法人 地球環境戦略研究機関[IGES] シニア気候変動エキスパート)
20:15 ホテル着
20:30 ミーティング
21:00 解散
国連ビルでのセミナー
1.Welcome remark and a short overview on the work of UN ESCAP
Mr. Bentley Jenson, UN ESCAP Information Services
【概要】
国際連合、及び、国連の主要機関である国連総会・事務局・安全保障理事会・
経済社会理事会・信託統治理事会・国際司法裁判所、及び、国連アジア太平洋経済社会委
員会(United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific; ESCAP)
の概要が説明された。ESCAP は国連経済社会理事会の地域委員会の一つとして 1947 年に設
立された。当時の名称は国連アジア極東経済委員会(ECAFE)。アジア太平洋地域の経済・
社会開発のための協力機関であり、域内外の経済関係を強化することを目的とする。アジ
ア太平洋地域は世界人口の約 62%を占め、
ESCAP は地域委員会としては国連最大級の組織。
加盟国は 62 カ国(域内加盟国 49 か国、域内準加盟メンバー9地域、域外加盟国4か国)、
スタッフは約 600 名。
2.Green Growth
Mr. Lorenzo Santucci, environmental affair officer
【概要】
緑の成長(Green Growth)は、開発ありきの低炭素社会の実現のため、生態学的
に持続可能な経済成長(ecologically sustainable economic progress)を達成するための
アジア太平洋地域における政策である。ESCAP 加盟国のうち 52 カ国間で、緑の成長は「環
境的に持続可能な経済成長(environmentally sustainable economic growth)」の達成を共
通の目的に受け入れられている。
人口増加により自然資源の一方的な利用はますます深刻化しており、持続可能な開発の
必要性が叫ばれている。Carrying Capacity には限界があり、水不足や気候変動問題、食料
–19–
危機、エネルギー危機などへの対応のため、途上国には新たな資金・技術が必要になる。
そのためには持続的な環境と持続可能な経済成長を対立させるのではなく、環境保護と経
済成長の Win-Win の関係を築くことが重要になる。
エコロジカル・フットプリント(EF)とは、人間の環境への依存の程度を表す指標である。
領土が広く生物生産力(Biocapacity; BC)は 4.7 と高いアメリカの EF は 9.6ha/人。一方、
領土がせまく BC は 0.7 と低い日本の EF は 4.4ha/人。これより、日本はアメリカや欧州よ
りも効率良く環境資源を利用できていることがわかる。
Climate Action や Environment Protection は経済成長を促す効果もある。政府の政策に
より市場に長期的利益がある。またエコロジカルサービス(水・食料)を活用すれば、資
金がなくてもよいビジネスプランを生み出すこともできる。経済は今後、Ecological
Efficiency へ移行し、公害対策費用の内部化や汚染の最小化に向けた動きが出てくるだろ
う。
3.Briefing by UN Environmental Programme (UNEP)
Mr. Ellik Adler, a coordinator on coordinating body on the sea of East Asia
Mr. Subrato Sinha, a presentation on UNEP's work in general, and/or UNEP's work
in South Asia.
Ms. Satwant Kaur, a presentation on UNEP, a work on youth.
【概要】 国連環境計画(UNEP)は、国連人間環境会議の決議に基づき 1972 年に設置され
た国連機関の一つ。環境の監視、環境保護の奨励・調整に当たる。本部はナイロビ。UNEP
は持続可能な開発の達成を目標に、教育の分野にも力を入れている。地球規模の環境問題
を扱う。全部で6つの事務所(regional offices)を持つ。
海洋環境(Marin environment)の保護に力を入れており、気候変動問題など多くの問題
を扱っている。各国に海洋環境の保護とその保護基準の策定を求めている。固有種の保護
等を行う。沿岸地域には高いポテンシャルがある。そこに住む人々の生活は海に強く依存
しており、すべてのステークホルダーを考慮に入れての取り組みが必要である。気候変動
問題に取り組むためには、各国が協力して、共通の行動(common actions)を起こすこと
が重要である。
<8月 20 日(研修 3 日目)>
06:50 ロビー集合
07:10 ホテル発
–20–
08:05 IUCN 事務所 着
09:00 セミナー開始
12:50 セミナー終了
13:20 レストランにて昼食
14:20 昼食終わり
14:30 IUCN 事務所 着
14:45 IUCN 事務所 発
15:30 バンコク空港着
15:40 チェックイン 自由時間
16:50 集合
17:20 バス乗車
17:50 ボーディング
18:10 フライト
19:10 チェンマイ空港 着
19:40 チェンマイ空港 発
19:50 ホテル着
20:00 ホテル発
20:30 レストラン着 夕食
夕食 同席者
・川嶋 宗継(滋賀大学 教育学部 教授)
・石川 俊之(滋賀大学 教育学部 准教授)
・Dr. Chitchol Phalaraksh(チェンマイ[Chiang Mai]大学 生物学部 助教授)
22:10 レストラン発
22:30 ホテル着
IUCN オフィスでのセミナー
1.Overview of the IUCN Asian Regional Programme and its & activities
Anshuman Saikia, Deputy Regional Programme Coordinator
【概要】 国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature and Natural
Resources; IUCN)は、1948 年に設立された国家、政府機関、非政府機関で構成された国際
的な自然保護機関である。“A just world that values and conserves nature”をビジョ
ンに掲げる。スタッフは 1141 人、会員登録をする政府機関は 111 にのぼる、世界最大の自
然保護機関である。IUCN は研究機関としての役割も持ち、約 1 万人の専門家がいる。
–21–
アジアは、世界人口の約 60%、貧困層の約 70%、そして生物多様性の約 55%が集中する
地域である。エネルギー消費量は 2000 年から 2030 年までに 66%増加し、さらに深刻な水
不足に陥ることが懸念されている。現在は中国などのアジア 12 カ国において、REDD+(森
林減尐・务化からの温室効果ガス排出削減[REDD]に加え、植林事業や森林保全等による炭
素ストックの積極的な増加を加えた拡張概念)のサポートとして植林、再植林を行ってい
る。その他多くの活動においても、国連や各国政府機関とのハイレベル・パートナーシッ
プを結んでいる。
2.Regional Water and Wetlands Programme (RWWP), IUCN, Asia Regional Office
Mr. Ganesh Pangare , IUCN Water Programme in Asia
【概要】 RWWP は、水資源のマネジメントを中心に、気候変動への適応、水経済の成長、
ガバナンス、食料安全保障と密接に関係している。貧困の減尐・経済成長と環境保護のた
めの持続可能な水資源の利用を目的とした、水のマネジメント・計画と方針における生態
系サービスの主流を確立することが目的である。持続可能な生活の安全・人と生態系の健
康のため、水に関する意思決定のプロセスに多くのステークホルダーを参加させ、またそ
の重要性の認識を広める活動を行う。
3.Mekong Water Dialogue
Dr. Robert Mather
【概要】
Mekong Water Dialogue(MWD)は、水のガバナンスを通して、メコン川下流域の
生活の安全と人・生態系の健康を促進することが目的である。ガバナンスとは、湿地や湿
地使用者に影響を与える決定権を誰がどのように行使し、その決定を実施する権利や責任
を誰がどのように行使するかである。MWD は National Working Groups(NWGs)を設立し、IUCN
と各国政府の議論の場を設け、プログラムの策定・見直しを行っている。また、各国でス
テークホルダー(利害関係者)向けのワークショップも開催している。
地域コミュニティの生活上の関心事は、マルチステークホルダー参加の議論を通して行
う河川流域機関(River Basin Organization)、湿地、灌漑の意思決定に集中している。メ
コン川に関係のあるすべての国は、湿地を誰もが利用できるようにする(オープンアクセス
な状態にする)ための地域コミュニティの権利と責任を認めた法律を策定する必要がある。
地方レベルでの制度上の改革は、しばしば湿地の生物多様性・生活を改善する鍵となる。
4.Mangroves for the Future
Hanying Li
–22–
【概要】
インド洋に面する国々の沿岸部では、生態系(ecosystems)は持続的に保護・
管理されている。Mangroves for the Future (MFF)は、そこに住むすべての住民がより健
康的で、発展的で、安全に過ごせる未来を守るのが目的である。2006 年 12 月 MFF 設立。
初期投資 1300 万米ドル+700 万米ドル。インド、インドネシア、モルディブ、パキスタン、
セイシェル、スリランカ、タイ、ベトナムを中心に活動している。地域協力、国際援助、
プライベートセクター(民間企業)を主体に、「知識面」・エンパワーメント・ガバナンス
の3つの領域の強化・改善を行っている。
MFF の国家プログラムを NATIONAL STRATEGY AND ACTION PLAN (NSAP)という。特定の地
域に活動範囲を絞り、当該国のイニシアチブや繁栄に提携する進め方をする。プロジェク
トは、
「持続可能な生活の援助」や「意思決定への認識や参加の促進」など全 15 の分野に
わかれる。気候変動とジェンダーはすべてのプロジェクトに考慮されている。NSAP のオー
ナーシップは、National Coordinating Bodies(NCB)が持つ。NCB は、主要政府機関の代表
および大臣、NGO、大学、関連するプライベートセクターにより構成される。国家戦略やア
クションプランの進行・実施・修正を行う責任がある。
5.Ridges to Reefs
Dr. Janaka de Silva
【概要】 Ridges to Reefs とは、河川・ため池・沿岸部におけるマネジメント及び、発生
した問題への取り組み・生活とエコシステム回復の保障のための能力とその学習を目的と
したアプローチのこと。現存の計画/戦略を併合させるマネジメント枠組みの改善、持続
可能なマネジメント・パートナーシップ/メカニズム設立のサポート、協定されたマネジ
メントの優先事項に直接関係のある投資/仲裁に関する判決、さらなる研究・学習・知識
の交換などが目的。希尐種の保護、川辺・海・森林の生態系の維持、住民の生活や権利の
保障促進を行う。
参加主体は 20 カ国の政府機関とその専門家、9町、32 村、170 人のコミュニティ・リー
ダー、240 人の学生。プロジェクト実施エリアは、沿岸部 130km、3つの河川流域、1,800
世帯(6,500 人)
、国立公園3カ所、野生動物禁猟区1カ所、ラムサール登録湿地1カ所、
禁猟区1カ所。また、各ステークホルダーやコミュニティの持つ有用な情報の収集も行う。
6.Introduction to the Mekong Wetland University Network
Dr. Sansanee Choowaew
【概要】 湿地は、すべての河川やため池にとって重要な構成要素である。
マヒドン大学(タイ)にて、最初は8つの大学間で共同研究実施の合意のための第一回
–23–
署名セレモニーが 2003 年に開かれた。合意は 2008 年には 13 大学、2009 年には 17 大学、
2010 年には 18 大学に拡大した。
地域研修「メコン川流域における湿地のエコロジーとマネジメント」は、2003 年より年
に1度行われ、2010 年 7 月に第8回を迎えた。IUCN や ASEAN などスポンサーは多数いる。
この湿地調査は、エコシステム、生物多様性、外来種、資源の有効利用、価値の査定、湿
地文化(文化的な湿地のマネジメント・ツール)、関連する伝統知識、住民参加型マネジメン
ト、湿地と気候変動、累積する影響の評価、政策と計画のマネジメントなどをターゲット
に行われる。
これまで8年間で7カ国から計 183 名の研修生が参加し、湿地教育の促進、研究・研修
地域の拡大に貢献した。第 9 回は 2011 年 6 月にマレーシアにて、マレーシア科学大学
(University Sains Malaysia; USM)の主催で開催する。なお、第 10 回はミャンマー、第 11
回は中国にて開催予定である。
–24–
–25–
■タイ(チェンマイ〜チェンライ)■
8 月 21 日〜8 月 22 日
報告者:遠藤香奈江
<8 月 21 日 (研修 4 日目)>
07:50 集合
07:52 チェンマイ大学に向けて出発
08:00 チェンマイ大学 到着
08:47 開会のあいさつ
09:00 環境教育フォーラム開始
17:10 フォーラム閉会
17:55 チェンマイ大学 出発
18:15 夕食
20:45 ホテル到着
20:50 ミーティング
22:30 解散
【概要】
《環境教育フォーラム》
チェンマイではチェンマイ大学のチチョン先生と滋賀大学川嶋先生の指導のもと中学生
や高校生を対象に環境教育が行われてきた。今回開かれた環境教育フォーラムでは、チェ
ンマイ地域にある7校の中学、高校から代表の生徒が大学を訪問し、各学校で行われてい
る環境活動について発表してくれた。活動の中には、リサイクル活動だけではなく水質モ
ニタリングや植林などがあり、彼らの環境問題に対する知識と環境活動に対しての熱心な
姿勢に大変感銘を受けた。特に発展途上国と呼ばれる国々では、一般的に環境教育は難し
いとされているため、正直ここまで環境教育が各学校で根付いているとは思っていなかっ
た。
このチェンマイ大学と滋賀大学の協同プロジェクトは、地域住民参加型プロジェクトと
して成功例といえるのではないだろうか。日本では地域の小、中、高等学校と大学がこう
いったフィールド学習を取り入れたプロジェクトを行うことは教育委員会や国土交通省に
よって規制されているため実現する事は難しいが、環境教育を日本でもよりいっそう発展
–26–
させるために、この成功例から学ぶべき点はたくさんあると感じた。
<8 月 22 日(研修 5 日目)>
08:10 ホテル出発
08:20 チェンマイ大学着
09:00 フィールド学習開始
09:20 大学をバスで出発
09:36 チェンマイモートに到着
10:05 チェンマイモート発
11:05 ドイシュテップスタディーセンター訪問
12:25 センター出発
12:45 チェンマイ大学到着
14:20 昼食
14:40 フォーラム閉会
15:00 Wasan Jompakdee さんによる NGO につての講義
17:00 講義終了
17:50 チェンマイ市内見学
21:00 ホテル到着
21:20 ミーティング開始
21:55 解散
【概要】
《フィールド学習》
先日に続き、中学生や高校生とともにチェンマイ市内の水域を訪れ、水質モニタリング
を行った。まずはチェンマイモートにて、水質調査を行い、つぎに『川嶋ポイント』と呼
ばれる、川嶋先生がどうしても私たちに見てほしいと話していたチェンマイ市を流れるピ
ン川の合流地点を訪れた。そこは川嶋先生が最も汚染がひどい場所であると説明してくれ
たが、そこで漁をしている住民もいたことに驚いた。
《ドイシュテップスタディーセンター》
その後チェンマイ大学周辺にあるドイシュテップスタディーセンターを訪れた。このセ
ンターではタイに生息する鳥類やほ乳類など、多様な生態系を学ぶことができた。
–27–
《講義:NGO の役割》
午後には現地 NGO のジョンパクディー(Jompakdee)氏から NGO の役割について講義をし
ていただいた。長年環境 NGO を率いてきた代表者としての経験から、NGO の活動のあり方に
ついて様々な面から熱心にお話いただいた。特に NGO プロジェクト成功のためには地域コ
ミュニティーとの密接な信頼関係が必要だとおっしゃっていたことがとても印象的だった。
<8 月 23 日(研修 6 日目)>
08:36
ホテル出発
08:48
チェンマイ市役所訪問
09:00
オリエンテーション開始
11:40
オリエンテーション終了
13:17
ドイサケット高校に到着
13:38
生徒とディスカッション
14:55
ディスカッション終了
15:25
ドイサケット高校を出発
16:40
ルンアルン(暁の家)到着
16:55
暁の家での諸注意連絡
19:00
夕食
20:05
ウェルカムパーティ
21:55
解散
【概要】
《チェンマイ市役所》
チェンマイ市役所では、職員の方々がチェンマイ地域の主な環境問題について説明して
くれた。現在経済面で著しい発展を遂げているタイ王国では、水質汚染や大気汚染もその
経済活動の発展とともに進行していた。環境教育によって、地域住民や若い世代の意識は
高いとはいえ、環境悪化が進んでいるのが現状であるようだ。またこの会議の中で、JICA
派遣専門家の吉岡さんによるタイにおける大気汚染調査を報告していただく機会もあった。
そこで驚いたのが、吉岡さんの調査結果から、チェンマイ市内の大気汚染は、排気ガスだ
けではなく、山岳民族による焼き畑が原因で悪化した可能性が判明したことである。もし
それが実証されれば、昔ながらの生活を続ける山岳民族の生活様式まで変える必要がある
のか、それを彼らに強制するのかというのが今後の議論の焦点になるだろう。
–28–
《ドイサケット高校訪問》
午後には環境フォーラムでも会ったドイサケット高校を訪問し、環境活動はもちろん日
本の文化やタイ文化について互いに理解を深める事ができた。
《暁の家》
夕方には暁の家に到着し、山岳民族の子どもたちが伝統的な踊りで迎え入れてくれ、タ
イ文化とさらに深く触れ合う事ができた。自分の部族の衣装を来た子供たちの表情はとて
も活き活きとしていて、とても輝かしかった。彼らのおかげで旅の疲れが一気に吹き飛ぶ
思いがした。
–29–
–30–
■タイ(チェンマイ~ゴールデン・トライアングル)■
8 月 24 日~8 月 26 日
報告者 白岩
佐央理
<8 月 24 日(研修7日目)>
ルンアルン、コーヒー農園訪問
06:20 集合
06:30 中野穁積さんより Rung Arun House(暁の家)についてのレクチャー
07:30 朝食
08:10 ミニミーティング
08:20 暁の家出発
08:40 メータムにて車を乗り換え、再び出発
09:40 Lahu Sanklang(ラフサンクラン)村着
09:50 コーヒー農園に向けて歩き始める
10:45 到着 コーヒー農園視察
11:50 昼食 その後徒歩で出発
13:20 暁の家のモデル農園(コーヒー畑)視察
13:50 チャンさん宅で休憩
14:10
Lahu Sanklang 村出発
15:10 メータムにて車を乗り換え、再び出発
15:35 暁の家到着
16:45 子供たちの仕事を手伝う
18:40 夕食
19:30-20:40 ミーティング
【概要】
《Rung Arun House(暁の家)についてのレクチャー》
暁の家では最近持続型農業としてコーヒー栽培を始めた。コーヒーは植えてから約 3 年
~10 年で収穫することが可能でかつ他の作物と共生することができる。周辺地域のコーヒ
ー農園ではライチ・もも・アボカド・マンゴー・茶などと一緒にコーヒーを育てている。
また有機栽培で行えば付加価値もつき高く売ることが可能になる。5 年~10 年目のコーヒ
ーの木 1 本から 2~3kg 収穫することが可能で、生豆で 1kg=15 バーツ、パーチメントコー
–31–
ヒーで 1kg=80 バーツ、さらに内果皮を取り除くと 120 バーツで売ることができる。現在
暁の家ではフェアトレードを行う相手を探している。
《コーヒー農園の視察》
コーヒー農園までは舗装されていない道を車で走り、その後勾配の激しい道を1時間歩
いてようやくたどりついた。視察したコーヒー農園では植えてから約 1 年のコーヒー木が
育っており、中には緑の豆がなっているものもあった。ここのコーヒーの栽培過程は 1 年
目にコーヒーの苗 500 本~1000 本を家で育て、2 年目に畑に植え、約 3 年目で収穫するこ
とができる。普通は 5 月に植えて雤の力で育てる。この農園では梅やアボカド・マカデミ
アの木の下にコーヒーを植えていた。影を作ったり、根を守ったりしてコーヒーを保護す
ることが必要になっている。そしてこの地域の土はラテライトと呼ばれる赤土で栄養がほ
とんどないため、肥料を撒いてコーヒーが育つ環境を作らなければならない。またコーヒ
ーがすす病にかかったり虫に食べられてしまったりするという課題もある。
暁の家のモデルとなるコーヒー畑ではコーヒーに肥料をまく作業を行った。傾斜が急な
ため雤で肥料が流れないようコーヒーの周りに土手を作り、その後肥料をまいた。足場の
悪い中の作業は体力のいる仕事であった。
<8 月 25 日(研修 8 日目)>
アカ(Akha)族のサンスック(Sansuk)村視察
05:30-05:35 モーニングエクササイズ
06:45 朝食
07:25 子供たちのお見送り
07:50 暁の家出発
09:05 ワットロンプン到着
10:00 出発
11:10 アカ族のサンスック村到着
–32–
11:45 サンスック村の活動視察
12:40 昼食
13:25 コミュニティーリーダーMr.Teerawat Pitakpraisri によるレクチャー
①13:25-14:40 NGO について
②14:40-15:20 植林について
15:40-16:15 コミュニティーフォレスト見学
16:25 男子寮訪問
16:50-17:05 NGO Plan International についてのレクチャー
17:05 子供達による伝統ダンスパフォーマンスとディスカッション
18:25 サンスック村出発
19:15-20:45 夕食
20:50 Rim Chan Hotel 到着
21:20-22:00 ミーティング
【概要】
《アカ(Akha)族のサンスック(Sansuk)村の視察》
・村の活動
サンスック村は Chiang Rai(チェンライ)に位置し、町から近く電気もきており、道も整
備されていた。また、コミュニティルームには水洗トイレもあった。村では魚の養殖場が
あり、水質浄化のためのホテイアオイと一緒にナマズ・テラピア(魚)
・カエルなどの 5 種
類を飼育している。テラピアは育てて出荷し、その他の魚たちは主に施設の子供達の食料
として飼育している。しっかりと整備された養殖場であった。他にも水田があり、子供達
が黒米を作っている。またヤギや豚も食用として育てており、コンクリートで作られた飼
育所で飼育されていた。
・コミュニティリーダー Mr.Teerawat Pitakpraisri によるレクチャー
サンスック村は 1930 年頃からアカ族が住み始め伝統的な生活を営んでいた。しかし 1957
年以降ラジオ・放送局・警察などが村の暮らしに加わりライフスタイルが大きく変容して
いった。1999 年にはアカ族などに対して一括でタイの国籍を持てる仕組みができたが、こ
れは今までの権利を放棄しないと新しいものを得られないという問題を抱えていた。他に
も多くの問題が存在し、例えば伝統文化の衰退・政治家の影響・政府の方針情報が行き届
かないこと・NGO が地域を分割して活動をおこなってしまうことなどがあった。このことを
受け 4 年前に自立的社会を目指す CBO(Community-Based Organization)のようなものをコ
–33–
ミュニティーリーダーが立ち上げた。彼らは平等化・自然の有効活用・文化継承などを理
念とし、NGO を受け入れるときも自分たちの理念に合うように心がけている。彼らは現在住
民参加型の植林活動を行っており、目標は自分たちの地域だけでなく、他の地域にも植林
活動を広げることである。
<8 月 26 日(研修 9 日目)>
Golden Triangle 視察
08:30 朝食
09:10 ホテル出発
09:50 Golden Triangle 展望台到着
10:25 メコン川に触る
10:45 出発
11:05-11:45 ラムサール登録地 Chiang Saen Lake(チェンセン湖)見学
12:30 パイナップル直売店にて休憩
12:45 出発
13:00-13:30 昼食
15:15-15:45 間欠泉(ホットスパ)見学
16:55 Lotus Pang Suan Kaew Hotel 到着
17:30-18:20 ミーティング
18:50 ホテル出発 チェンマイ大学の学生とともに市内視察
21:10 ホテル到着
【概要】
《Golden Triangle 視察》
Golden Triangle はタイ、ミャンマー、ラオスの 3 国がメコン川で接する Chiang Rai の
–34–
山岳地帯に位置する。Golden Triangle の名は世界最大の麻薬(アヘン)交易地帯であった
ことに由来する。メコン川の水位が3m上がると Golden Triangle にある小島は水没する
そうだ。メコン川流域の国々や地域は川に依存した生活を営んでいる。現在メコン川上流
の中国でダム建設が行われており、水量が減り、交通機関として川が使えなくなること、
農業・漁業ができなくなることが懸念されている。
《Chiang Saen Lake(チェンセン湖)見学》
チェンセン湖は 2001 年にタイで 8 番目にラムサール登録された湿地である。(1984 年か
ら政府が狩猟を周辺地域で禁止にした。
)湿地の大きさは 400 ヘクタールで、コオリガモ・
ダイサギ・鵜・渡り鳥などあわせて約 213 種の鳥が湿地に生息し、11 月・12 月には多くの
渡り鳥が湖を訪れる。
–35–
■タイ(チェンマイ)~インド(コルカタ~ブバネシュワル)■
8 月 27 日~8 月 30 日
報告者:黒澤優子
<8 月 27 日(研修 10 日目)>
チェンマイ→バンコク→コルカタ(飛空機で移動)
07:35 ショートミーティングの後、チェンマイ・ロータスホテル出発
07:50 チェンマイ国際空港(Chiang Mai International Airport)着
08:03-8:15 チェックイン
08:45 見送りに来てくれたチェンマイ大の学生たちに会う
09:45 搭乗
09:55 離陸
11:00 バンコク・スワンナプーム空港(Suvarnabhumi International Airport)着
13:00-13:40 チェックイン
16:10 搭乗
16:30 離陸
17:10 コルカタ空港(Netaji Subhash Chandra Bose International Airport)着
17:40 両替
18:14 パリシュリー(PALLISHREE)のダス(Dash)さんと合流
18:25 車で空港出発
19:50 ホテル(Peerless Inn)着
20:30-22:00 ホテル内レストランで夕食
22:30 ミーティング
【概要】
いよいよインドへ向けて出発する日となった。研修生はチェンマイの空港で再びチェン
マイ大の学生たちと会い、名残を惜しんでいるうちに集合時刻に遅刻、引率スタッフたち
から注意を受ける。治安の悪いインドでは尐々の不注意が大きな事故を招く恐れもあるの
で、決められたことはきちんと守るようにとのこと。研修生それぞれ、改めて気を引き締
める。バンコク・スワンナプーム空港では、JFGE の合谷さんが日本へ帰国、代わりに同じ
く JFGE の松岡さんが合流した。
コルカタの空港では両替に手間取る。その間、迎えの人がそばにいることに誰も気づか
ず、相手側を心配させてしまった。一人ひとりが周囲に気を配ることが必要と認識する。
–36–
また、空港ビルのトイレ使用について空港警備員とひと悶着あり、交渉に手間取った。
その後夕暮れのコルカタ市内をホテルまで車で移動。研修生全員インドは初めてで、街
の喧騒に息をのむ。大渋滞とひっきりなしのクラクション、薄暗い街を行き交う大勢の人々、
道路に散乱するごみと道端で煙を上げて燃えるごみの山、車の間を縫うように走るオート
リキシャーや人力車、鼻を突く排ガスのにおい、人であふれる繁華街・・・。深刻な都市
問題を抱えると言われるコルカタの現状と活気を、間近に観察することができた。
<8 月 28 日(研修 11 日目)>
セミナー“コルカタ市街の環境問題(Environment issues of City of Kolkata)”および
コルカタ市内見学
09:20 セミナー開始
12:30 セミナー終了
12:50 ミーティング
13:00 ホテル内レストランにてランチ
14:00 ミーティング
14:45 コルカタ市街へ出発
15:40-16:40 イースト・コルカタ・ウェットランド(East Kolkata Wetland)見学
17:40 コルカタ空港にて、日本へ帰る武者さんを見送る
18:45 ホテル帰着
19:20-21:30 市内のレストラン(Flavor of India)にて夕食
21:40-55 ミーティング
【概要】
朝食後、
ホテル内会議室でセミナーが行われた。
講師は WWF
(世界自然保護基金:World Wide
Fund for Nature)の Dr. A.Anurag Danda 氏(役職名:Head, Sundarbans Programme & Climate
Adaption)
。
《セミナーの内容(前半)
》
スンダルバンス(Sundarbans)とイースト・コルカタ・ウェットランド(以下 EKW)につい
て
スンダルバンスはインドとバングラデシュ両国にまたがる世界第一の広さを持つマング
ローブ林で、バングラデシュ側はラムサール登録湿地、インド側はユネスコの生物圏保護
区(Biosphere Reserve)に指定されている。スンダルバンスは世界最大のデルタ、ガンジ
–37–
スデルタとブラマプトラデルタにかけて広がっており、ベンガルトラなど希尐な動物の生
息地にもなっている。
ガンジスデルタは東に向かってやや傾いており、この地域ではインドと東パキスタン(現
在のバングラデシュ)との間で水利をめぐる長い争いの歴史があった。特にインド側で、
コルカタへの水運を確保するためバラージと呼ばれる堰を作って水をせき止めたため、東
パキスタンへの水流が途絶え、マングローブ林がほぼ絶滅したこともあった。一方雤季に
はバラージのゲートを解放したため、東パキスタン側が洪水になることもあった。1996 年
になってようやく両国の間でガンジス河の水利に関する長期的協定が結ばれ、水問題はと
りあえず収まっている。
スンダルバンスのマングローブ林はかつてコルカタまで広がっていたが、鉄道の枕木用
に伐採されるなど、開発によって大きく縮小した。コルカタ市内にある EKW もかつてはこ
のマングローブ林の一部で、もともとは海水が入り込んでいたが、現在は淡水となってい
る。人口約 1600 万のコルカタ市および近郊から排出される汚水のすべてがこの湿地に流れ
込み、大小 22 個の湖からなる湿地そのものが天然の浄化装置の役割を果たしている。
《セミナーの内容(後半)
》
トラの保護とインドの開発について
かつてインドには多数のトラが生息していたが、狩猟によってその数は激減した。さら
にそれに追い打ちをかけたのがインド全土の開発である。1947 年、インド最初の首相に就
任したネルーは、インフラの整備を積極的に進めた。1966 年にインディラ・ガンジーが首
相になった時にはインドの人口は 2 倍に増加しており、穀物不足が深刻化し、農地の開発
が急務となっていた。農地の開発は森林の減尐につながり、トラの生息地は縮小を続けた
が、一方でガンジーは森林とトラの保護を提唱し、タイガー・プロジェクト(Tiger Project)
を立ち上げた。このプロジェクトによって 1973 年、スンダルバンスは最初のトラ保護区
(Tiger Reserve)となった。しかしこれ以降も、トラの個体数減尐は続いた。
近年インドでは、環境保護法の制定、環境ジャーナリストの活発な活動、科学的知識の
普及などにより、環境意識が高まってきた。スンダルバンスは、特にこれといった大きな
開発計画がないため、重要なトラの生息地として期待ができる。
トラは時に人を襲うこともあるが、その場合インド政府は補償金を出しているので、住
民はトラの保護に反対はしていない。バングラデシュでは何の対策もなされていないので、
鹿の減尐で飢えたトラが家畜を襲った場合、報復として住民がトラを殺す場合がある。
–38–
《セミナーについての感想》
インドでの環境保護、野生動物保護の現状を通して、生態系サービスの重要性を再認識
できた。特に EKW のユニークな生態系サービスには興味がわき、午後からの見学が楽しみ
になった。
「経済発展と環境教育(環境保護)をどう両立させるか?」という研修生の質問に対す
る講師の答えの中で「開発途上国の環境負荷は、先進国の環境負荷に比べればごくわずか。
環境教育が本当に必要なのは、開発途上国の人々ではなくて先進国の人々」という厳しい
指摘がなされ、途上国の人々の本音を突き付けられた思いがした。また、トラに家族を殺
されても補償があれば住民は納得するという話を聞いて、ヒグマと人との軋轢など、やや
もすれば感情的になる日本と比べて、大きな違いを感じた。
《コルカタ市内見学と感想》
午後からはコルカタ市内の見学に出かけた。車窓から見る昼間のコルカタは、昨夜の印
象そのままの雑踏で、路傍にうずくまる乞食や、車のボディをたたく物売り、着の身着の
ままの子供たちの姿に、都市の生活の厳しさを感じた。中心部を離れ EKW に近づくと、粗
末な小屋の立ち並ぶ一角に入った。ここは、EKW の漁民とその家族が暮らす町とのことだっ
た。日本人の目から見ると、スラムともいうべき町並みだったが、路傍の出店には食べ物
が並べられ、所々に共同水道が設置され、広場では子供たちが遊び、軒先ではたくさんの
人々が三々五々くつろいでおり、秩序と活気が感じられた。
EKW では車を降り、湖の近くまで行って見学した。案内は South Asian Forum for
Environment(SAFE)の Charu Sarkar 氏。湖には牛糞や木の葉なども投入してプランクト
ンを増やし、魚の餌にするという。人家に近い池からは悪臭が漂っており、一般的な常識
からかけ離れたこの湖の利用法が正しいのかどうか疑わずにはいられなかった。しかし、
午前のセミナーで学んだように、この湿地には、長年にわたってコルカタ市街の汚水浄化
の役割を果たしてきた実績がある。また、目の前の集落に住む人々は、ここで漁をして生
計を立てている。自分の常識では測ることのできない生態系サービスを目の当たりにして、
驚くばかりであった。
<8 月 29 日(研修 12 日目)>
コルカタ→ブバネシュワル(列車で移動)
08:50 ホテルロビー集合
09:45 ホテル出発
–39–
10:00 ハウラー駅到着
12:15 乗車
12:45 発車
20:40 ブバネシュワル駅着
21:10 ホテルニューマリオン着
21:40-22:35 ホテル近くのレストラン(Barabati)にて夕食
22:42-47 ミーティング
【概要】
出発前、研修生がホテルロビーで花瓶を割るという、ちょっとした事故があった。ホテ
ル側から弁償金が請求されたが、あまりに高額だったため、RCJ とダスさんが粘り強く交渉
した結果、全額ホテル持ちということで決着した。一筋縄ではいかないインド人相手の交
渉を目の当たりにすることができ、よい経験となった。
ハウラー駅には時間の余裕を見て、尐し早めに到着したが、列車の出発が一時間遅れと
なり、長い待ち時間を過ごすこととなった。その間交代で、駅舎内を見学した。
定刻から遅れることちょうど一時間後にコルカタ駅を出発して 30 分もすると、窓の外は
田園風景となった。風景は水田が主体で、日本の直線的な区画割りの水田と違って、ラン
ダムな曲線で仕切られた水田が延々と続いていた。一部でパイプを使って給水しているの
が見える以外は、かんがい用水のようなものは見当たらず、ほとんどが天水に頼っている
ようだった。ちょうど田植えの時期だったようで、人力で田植えをしている姿がそこここ
に見受けられた。水田の他に見えるのは、林、蓮池、ヤシの木、牛、水浴びをする人、バ
ナナの木、赤土、ため池、白い穁をしたススキのような植物(帰化植物)などだった。人
工的な建造物はあまり見られなかったが、一部に、高速道路のような立派な道路、変電所、
送電線、携帯のアンテナらしき鉄塔が見られた。駅周辺には人家が集まっていたが、日本
と違って商業的な看板が全く見られなかった。線路上を歩いたり、線路で休憩したりする
人々、
駅の水道で水浴びする人々がいかにもインド的に思われた。
20:00 頃到着した Cuttack
と目的地のブバネシュワルは比較的大きな町だった。
ブバネシュワル駅にはダスさんの息子さんのバプゥ(Bapu)さんと、ダスさんの知人の
ジトゥー(Jitu)さんが車で迎えにきてくれていた。この二人はその後再びコルカタの空
港に到着するまでの 10 日間、私たちの運転手を務めてくれた。
–40–
<8 月 30 日(研修 13 日目)>
ワークショップ“オリッサ州の生物多様性とその保護に対する住民参加(Biodiversity of
Orissa and People’s Participation in its Conservation)
”
10:15-12:15 研修生ミーティング
12:25-13:00 全体ミーティング
13:20-14:20 昨日と同じレストラン(Barabati)にて昼食
15:10-19:40 ホテル内会議室にてワークショップ
19:40-21:00 夕食会
21:15- ミーティング
【概要】
この日は午前中に特に予定はなく、研修生は街に買い物に出かけようという案も出たが、
買い物をする時間はこの後の日程にもあるということで、研修生のみが集まって自主ミー
ティングを行うことにした。ただこの判断は、研修最終日に飛行機欠航というアクシデン
トで買い物の時間がなくなり、悔やまれることとなったが、ミーティング自体は有意義だ
った。JFGE と RCJ のスタッフは午前中、現地スタッフとの打ち合わせを行った。
午後から始まったワークショップの演題と演者、およびその概要は以下のとおりである。
①A Decade of Partnership(10 年間のパートナーシップ)
A.K. Pattnaik (Chief Executive, CDA)
湿地は私たちに生態系サービスを提供してくれる大切な場所である。住民コミュニティ
は湖生態系の重要な一要素であり、
“健康な湿地”を維持するためには CEPA(Communication,
Education and Public Awareness)のようなアウトリーチ・プログラムが最優先事項とな
る。1999 年以来チリカ湖開発公社(CDA)はラムサールセンターやパリシュリー、ウェット
ランドインターナショナルアジアなどとパートナーシップを組んで、住民参加型の湿地保
護に取り組んできた。
②Address by Chief Guest (主客挨拶)
Bhagirathi Behera(IFS, Director, Environment & Special Secretary, Forest &
Environment Department, Government of Orrisa)
インド政府は様々な形で生物多様性保護を推進してきた。再生したチリカ湖の生物多様
性は豊かで、住民は非常に満足している。生物多様性の保護のためには、すべての局面に
おいて一般の住民を巻き込むことが大切である。
–41–
③Biodiversity of Orissa
(オリッサ州の生物多様性)
S.K. Pattnaik,
(IFS(Retd)Ex-Additional Principal Chief Conservator of Forest, Orissa)
オリッサ州は非常に高い生物多様性を誇っている。州内には2つの国立公園と 18 の野生
生物サンクチュアリがあり、さらにトラやゾウの保護区もある。イラワジカワイルカやた
くさんの渡り鳥が生息するチリカ湖は、大勢の観光客を引きつけている。
④Role of Outreach Programme on Conservation of Biodiversity (生物多様性保全にお
けるアウトリーチ・プログラムの役割)
Michel Peter, (Coodinator, WWF-India)
環境教育とは人々の態度を自然志向、環境志向にすることである。特に将来の環境悪化
を防ぐためには、若い人々の意識を高めることが重要である。オリッサ州ではエコクラブ
や環境 NGO による住民啓発など、さまざまな形で環境教育が行われている。
⑤Fish Biodiversity of Chilika(オリッサ州の魚類多様性)
S.K. Mohanty,(Fishery Specialist)
チリカ湖には、淡水域、汽水域、海水域など多様な水域があり、支流、河口、川の氾濫
原、湿地など、環境も多様で、300 種を越える種類の魚類が記録されている。その中には海
と川を行ったり来たりする回遊魚も多く、回遊が阻害されると、産卵などに影響が出る。
チリカ湖の魚に関連した問題としては、過剰なエコツーリズムの影響や、ゲリーと呼ばれ
る囲いこみ漁業などがある。
《感想》
インドと日本の参加者の代表がともに燭台に灯をともすという、おごそかな伝統儀式で
ワークショップは幕を開けた。発表者の中にはインドなまりの強い英語を話す人もいて、
聞き取りに苦労する場面もあったが、スライドを用いた講義は分かりやすく、ビタルカニ
カとチリカ湖の実地研修前に、両地区についての基本情報をしっかりと学ぶことができた。
環境教育についての講義では、環境教育の意味や目的、環境教育の在り方などを体系的に
学ぶことができ、同時にオリッサ州で実際に行われている環境教育システムも紹介しても
らい、大変有意義だった。また、ほとんどの演者が住民参加の重要性に触れていて、環境
保護には住民の参加が切っても切り離さないものであることが実感された。
最後の魚類についての講義はかなり専門的なうえに、講師が制限時間を無視して話し続
けたため、インド側の参加者も苦笑いをしていたが、一流の専門家の熱意に触れることが
–42–
できたという意味で興味深かった。この講義で触れられていたゲリーという違法な漁法や
エコツアーによるイラワジイルカの撹乱の話がきっかけとなり、チリカ湖の保護をめぐる
興味深い話題に発展したのも、大変有意義だった。
セミナーの中で A.K. Pattnaik さんが “If you take care of the wetland, the wetland
take care of you.” という言葉を口にしていた。コルカタでのセミナーでもたしか、こ
の文の wetland を earth に置き換えて同様のメッセージを言っていたと記憶している。私
たちは自然の恩恵を受けて生きている・・・自然なしでは生きてはいけない・・・だが恩
恵は享受するだけではいけない・・・私たちには果たすべき義務がある・・・と、この言
葉は端的に示唆しているのだと思う。一人でも多くの人が、このような意識を持てる社会
になるよう、何らかの形で私も貢献していきたいと思う。
コルカタ市内・東コルカタ wetland 視察
–43–
8 月 29 日(日)
コルカタ~ブバネシュワル
汽車で移動
8 月 30 日(月) 地域セミナー
「オリッサ州の生物多様性保全」
8 月 31 日(火)ブバネシュワル~ビタルカニカへ移動、マングローブ植林体験
–44–
■ インド(ビタルカニカ)■
8 月 31 日〜9 月 3 日
報告者:塩塚祐太
<8 月 31 日(研修 14 日目)>
ブバネシュワルからビタルカニカへ移動、マングローブ植林体験
07:50
ブバネシュワル、ホテルロビー集合
08:10
ホテル出発
09:05
フワカイ川、バラージ(堰)着、古いバラージも見学
10:00-10:40 コタック(Cuttack)
、パスポート写真コピー、トイレ休憩
12:20-13:50 昼食
15:10-16:15 パササラ(Pathasala)川、子どもたちとマングローブ植林活動
18:20
ビタルカニカ、宿到着
19:30
ホテルにて夕食
20:30-21:30 ミーティング
いよいよビタルカニカへ移動する日である。研修生とスタッフは 2 台の乗用車に乗り込
み、ホテルを出発する。街を抜け、広大な土地を走ること 1 時間、まず最初に車が止まっ
たのはフワカイ川という大河のほとり、そこから巨大なバラージ(堰)を臨んだ。その近
くにある 18 世紀に建設されたもう一つのバラージも見学した後、尐し車を走らせコタック
(Cuttack)という街に立ち寄る。ここではパスポートのコピーをとり、トイレを済ませ、
再び車を走らせる。途中レストランに寄りカレーを食べ、長いドライブを続ける。ホテル
出発から 6 時間が経つ頃、ようやく目的地に到着。そこでは子供たちが大勢迎え入れてく
れた。たくさんの子供たちが好奇心旺盛に僕たちを歓迎してくれた。ここでマングローブ
の植林を子供たちと共に楽しみながら体験し、さらに移動。夕方、陽も落ちた頃にこれか
ら 3 泊するビタルカニカの公営ホテルに到着した。ホテルでは夕食とミーティングをおこ
ない、ビタルカニカでの一日目を終えた。
<9 月 1 日(研修 15 日目)>
ビタルカニカ終日見学
08:00
朝食
09:00
ロビー集合、ホテル出発、ボート乗船
–45–
12:30-14:00 Sharagacanna 高校との交流、ウォール・ペインティング
14:15
昼食、船上にて
15:20
Khola 村到着
16:00-17:00 女性セルフ・ヘルプ・グループ(SHG)との活動状況視察
17:40
乗船
19:40
ホテル到着
20:15-20:45 ホテルにて夕食
朝、ホテルで朝食を済ませ 9 時に出発。ホテル前の川辺からボートに乗り込む。大河か
ら支流へ、そしてまた別の大河を進み、お昼過ぎに目的地に到着。100 人は越える子供たち
が川辺で迎えてくれ、砂でできたワニやカメの像と写真を取り、集会が開かれる。その後
ヒンズーの寺院の壁に、CEAE(Center For Environmental Awareness and Education)の一
環としてペインティングを子供たちに導かれながらおこなう。小 1 時間ほど子供たちと共
に過ごす時間を終え、次の村へ行くため船に乗り込む。船上で昼食をとり、しばらく船に
揺られ、船を降りてまたしばらく歩くと、そこではたくさんの女性たちが出迎えてくれた。
村の集会所のような建物で、その村の女性グループ(Women's Self-Help Group, SHG)と
の集会が開かれる。女性 SHG の活動の紹介とその様子をざっと見せていただいた後、村を
離れまたしばらく歩き、船に乗り帰宅の途に着く。船上では途中巨大なワニに遭遇したり、
夕日や星空の美しさに胸を躍らせる時間を過ごせた。ホテルに着いた頃にはもう日も沈み、
夕食をとって解散した。
<9 月 2 日(研修 16 日目)>
ビタルカニカ終日見学
06:50
集合、朝食
07:20
ホテル出発、自動車にて
07:50
船着き場到着、ボート乗船
08:05
ビタルカニカ、ラムサールサイト到着、サイト内見学
10:45-12:00 サイト内、展示施設見学
12:20
昼食、船上にて
14:00-17:30 Kandira 高校到着、CEAE 視察、歓迎の集会
17:50
ボート乗船
18:50
自動車に乗り換え
–46–
19:30
ホテル到着
20:00
ホテルにて夕食
20:55
研修生ミーティング
21:15-22:00 ミーティング
この日は、いつもより早く 7 時前に集合しホテルを出発する。昨日と違い車に乗って別
の船着き場まで行き、そこから船に乗り込む。尐し経つとビタルカニカのラムサールサイ
トに到着した。ツアーのように船で豊かなマングローブ林を観察し、ワニやシカなどとも
遭遇する。途中船を降り、物見やぐらのような林を上から臨める場所(Baga Gahan)や、
サイト内の施設で動物の標本などが置いてある場所(Interpretation Center)などに立ち
寄った。午後にはラムサールサイトを離れ、2 日前に一緒に植林をおこなった子供たちの学
校を訪れる。そこでも数百名もの子供たちが歓迎してくれた。子供たちは CEAE の成果紹介
として自作のフィールド模型や魚の標本を一生懸命英語で説明してくれた。その後集会が
開かれ、伝統的なダンスや環境をテーマにした劇が披露された。僕らは言葉を理解できな
いが、子供たちが楽しそうに笑う反応を見て CEAE が効果的に受け入れられているのではな
いかと感じた。夕方にさしかかったところで、学校と子供たちにお別れをし、往路と同じ
帰路を辿りホテルへ戻った。
<9 月 3 日(研修生 17 日目)>
ビタルカニカからブバネシュワルへ移動
08:00
ホテル、チェックアウト
08:15
ホテル出発
09:05
ダスさん(現地団体“eco-club”コーディネーター)のお宅を訪問
12:55
ブバネシュワル、ホテル到着
13:40-14:50 昼食、レストランにて
16:30-20:00 インド研修振り返りミーティング
20:20-21:40 夕食、ホテルにて
この日は、そのホテルの 31 周年の特別な日であったらしく、朝食はその地の伝統的な食
事を振る舞われた。ホテルを出ると、前日に案内、解説してくれた地元の老人が自宅に招
待してくれていたようで、僕たちはそのお宅を訪問した。その方はインド政府によって設
–47–
置されたエコクラブ(eco-club)という地域の環境団体のコーディネーターを勤める人の
ようで、甘いお菓子やお茶を出してくれた。長居できなかったのが残念だが、早々にお別
れをしブバネシュワルへ戻った。お昼過ぎにはブバネシュワルのホテルに到着し、馴染み
となったレストランで昼食をとる。その後ホテルで休憩をとり、その後はこれまでのイン
ドでの研修の振り返りミーティングを時間をかけておこなった。この日の夕食には研修生
たちだけでホテルのレストランで食べることになった。移動日だと言うこともあり、連日
頭に詰め込んだ情報をゆっくりと消化する時間をとる一日となった。
–48–
–49–
■インド(チリカ湖)■
9 月 4 日〜9 月 8 日
報告者:仲田早織
<9 月 4 日(研修 18 日目)>
ブバネシュワルからチリカ湖へ移動、チリカ湖見学
07:00 朝食
08:00 ホテル出発
09:12 プリ村
10:28 パトナイクさん(CDA 代表)合流
10:40 サイクロンシェルター到着
11:20 セミナー開始
12:45 チリカ湖のエコツーリズム体験(CDA の船に乗る)
13:50 マングローブエリアを出る
14:06 新湖口(中村玲子さんは National Geographic の取材へ)
14:34 船着き場到着
15:10 昼食
15:30 出発
15:53 ビジターセンター見学
16:37 出発(途中で中村さん合流)
21:06 ホテル到着
21:20 夕食
22:00 ミーティング
【概要】
《サイクロンシェルターでのセミナー》
サイクロンシェルターの一室で、National Geographic のカメラが突如入ったこともあり、
室内はぎゅうぎゅうの状態でセミナーが始まった。しかし生活とチリカ湖が密接な関係に
ある漁師さん達は、部屋の状況など気にせずに、しっかりとした態度であったことがとて
も印象的である。チリカ湖は日本の北海道のサロマ湖をモデルに環境再生を行ったという
こともあり、研修生の黒澤優子さんが同じ北海道の釧路湿原についてのプレゼンを行った
際には現地の人は話に聞き入っていた。そんな現地の人達の様子から、この後の研修のプ
ログラムでチリカ湖についてより深く学んでいきたいという思いが増した。
–50–
《エコツーリズム》
Chilika Development Authority(CDA)の船に乗ってチリカ湖のエコツーリズムを体験。
マングローブや、ベンガル湾からの海水が流出入する新湖口を船から降りて近くで視察す
ることができた。皆嬉しそうにズボンの裾をまくって、水の中に入って、エコツーリズム
を全身で体感していた。マングローブが2種類人工的に植えられ、その2つが核となって
別のマングローブや植物が育っていた。新湖口を開削することによって漁が出来なくなっ
た(水質の変化のため)人もいるが、エコツーリズムが代替案として進められていた。
《ビジターセンター》
ビデオでチリカ湖の再生までの様子を知り、またさらにチリカ湖の生物や漁の方法の種
類などがわかったりして、より深くチリカ湖を理解することができた。
<9 月 5 日(研修 19 日目)>
チリカ湖終日見学
07:30 朝食
08:35 出発
09:25 ジャンティプール村到着
09:35 フィッシュランディングセンター
10:30 集合、交流会(ダスカチア鑑賞)
12:00 ハタバラティ到着(セルフヘルプグループ)
13:50 ホテルに戻り昼食
15:15 出発
15:23 到着、チリカ湖付近見学
16:50 出発
17:20 ホテル到着
19:00 ミーティング後夕食
【概要】
《ジャンティプール村での集会・交流会》
前日のサイクロンシェルターでのセミナー同様に、朝から地元漁師の方達が沢山集まっ
て熱心に集会で話に耳を傾け、質問には快く答えてくれていた。当日水揚げされた魚やエ
ビや蟹などを見せてくれた。今までは遠くに運ぶための氷がなかったが、今年の5月から
–51–
1kg=1ルピーのコストで用意できるようになり、48 時間氷の状態を保てるようになったと
嬉しそうに話してくれた。日本にもチリカ産の天然エビ(Chilika Tiger Prawn = CTP)が
輸出されているらしく、ブランド性をよく理解して食べなければいけないなと思った。
《セルプヘルプグループ(ハタバラティ村)》
ハタバラティでのセルフヘルプグループは CDA のサポートの下、
「Dry Fish」という魚や
エビの骨やうろこを取って乾かした物を製品として作っていた。1袋(200g)100 ルピーと
のこと。製品を販売して、お金が欲しいと言っていたのが印象に残った。
《チリカ湖付近見学》
午後3時位だったので、既に当日水揚げされたものはだいたい売れていたが、地域の商
売の様子を見ることができた。
<9 月 6 日(研修 20 日目)>
チリカ湖からブバネシュワルへ移動、パリシュリーオフィス訪問
07:30 朝食
08:00 集合
08:15 船着き場発
08:50 Kalijai Temple 着
09:25 出発
10:00 到着/チャンドラプット研修センターに隣接するリサーチセンター見学
11:00 Chilika high school 到着/展示物を見る
12:00 集会
13:15 出発
13:20 宿舎着/昼食
14:10 集合
15:35 パリシュリーのフィールドオフィス到着
18:50 ホテル到着
19:00 夕食
21:00 ミーティング
–52–
【概要】
《教育》
朝 Kalijai Temple に船で行く途中に、学校に行かず漁の手伝いで水かきをする子供達を
見る。その後 Chilika high school へ行き、子供達の大気汚染やチリカ湖周辺で捕れた生
物(エビ、蟹、なまず、蛇など)のホルマリン漬けなどの展示物を見た。展示物それぞれ
に担当の子供がいて、皆一生懸命に説明してくれた。その後、集会に参加。
《パリシュリー(地域開発 NGO)
》
チリカ湖に別れを告げ、ブバネシュワルへの帰路の途中にパリシュリーのフィールドオ
フィスで活動についてのお話を聞く。JFGE だけでなく、日本の企業も支援していることを
知る。活動として、飲み水の問題に対する取り組みが印象に残っている。1番下のカース
トの人は井戸の水が汲めなかったり、雤季の水は塩分濃度が高くなったり、水問題があっ
た。しかし浄化作用を受けながらきれいな水がしみ込んでくる仕組みを用い、水を汲み上
げる仕組みに成功し、水を得られるようになったという。地域開発 NGO の大切さを考えさ
せられた。
<9 月 7 日(研修 20 日目)>
ブバネシュワルからコルカタへ移動
07:00 朝食
09:00 ミーティング(飛行機欠航)
11:00 出発
12:40 バプゥ(Bapu)さん友人宅でトイレ休憩
13:10 出発
14:20 レストランで昼食
15:10 レストラン出発
21:20 コルカタ市内で迷う
22:30 コルカタ空港着
22:50 夕食
24:00 夕食を終える
–53–
【概要】
《突然の予定変更》
本当は午前中ミーティングとホテルのチェックアウトを済ませ、午後から市内視察をし、
夕方飛行機に乗ってコルカタに向かう予定であった。しかし朝食事をしていると、予約し
ていた飛行機が突然欠航(ストライキのため)との連絡が入り、予定通りにはいかないこ
とがわかる。一瞬皆に緊張が走るが、中村さん、市川智子さん、松岡佐知さんの冷静な対
応により、コルカタまでダスさん達に車で移動させてもらい、コルカタからバンコクへの
飛行機の便に間に合うことができた。
予定変更の長時間の移動となったが、車の移動中にストライキのデモ行進の様子や闇市
などを見ることができた。結果的に、開発途上国ならではの良い経験となった。
<9 月 8 日(研修 21 日目)>
インド出国、日本へ帰国
00:40 チェックインを終える
01:10 ゲート集合
02:40 搭乗スタート
02:50 搭乗
06:00 バンコク到着
06:50 フリータイム
07:25 搭乗
07:45 離陸
16:07 成田空港
17:05 武者孝幸さん・合谷真弓さんと感動の再会
17:10 解散
【概要】
《最終日》
いろいろあったが、全員無事に日本に到着。成田空港に着くと、帰国を待ってくれてい
た武者さんと合谷さんの姿を見て、本当に帰ってきたのだと実感。22 日間共に過ごした全
員(たぶん)別れ惜しくも、今回の研修で吸収した様々なことと共に、それぞれの帰路へ。
–54–
–55–
–56–
Fly UP