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第4号(2013.8.1)[PDFファイル/218KB]
第4号 登録 ボランティア通信 2013.8.1 目次 犬の兄弟会 1 犬の兄弟会 平成 24 年 2 月 25 日、センターに 6 頭の子犬が引取られました。 2 過去におきた咬傷事故 3 改正動物愛護管理法 千葉県に住む飼い主のおばあちゃんが亡くなり、県内に住む息⼦さ 4 土屋だより 4 パブリックコメント 4 事業概要 4 最新統計速報 んが引き取ったのですが、どうしても飼い主が⾒つからず持ち込ま れた子たちです。この兄弟姉妹たちは、当所の 4 月と 5 月の譲渡会 で6頭全てに新しい飼い主が⾒つかり、それぞれの新しい家で幸せ に暮らしていました。その中の1頭の飼い主でセンターの近くに住 むSさんが、時々大きくなった犬を連れて遊びに来てくれるように なりました。そしてその⼦が⼦⽝だったころの写真を⾒たいという ご要望があり、兄弟たちの写真とともにお⾒せしたところ、この兄 弟会のアイディアがSさんの頭の中に浮かんだようです。もちろ ん、新しい飼い主の個人情報は勝手にお教えするわけにはいきませ ん。そこで、担当者が何とかしましょうということになり、仕事の 合間にそれぞれの飼い主の方に連絡を取って、センターの公園広場 でめでたく兄弟会の開催となったわけです。 平成 25 年 4 月 18 日、1 年ぶりの5頭の兄弟たちの涙の再会です。 Sさんは、「兄弟会」の⽴て看板まで⾃作していただくほどの熱の 入れようで、飼い主の皆さんもとても楽しみにしていたようでし た。主役の犬達ですが、体格も性格も様々で、本当に兄弟?と思う ほど個性が豊かな子達でした。さすがに、生粋の雑種犬です。 兄弟会の様子 さて、皆さんが一番興味を持つのは、犬たちが果たして 1 年前に別 れた兄弟を覚えているのか、ということだと思います。結論から⾔ うと、人の同窓会のように懐かしがったりする事はありませんでし た。けんかをする犬はいませんでしたが、兄弟とはいっても、特別 な感情をもっているようには⾒えません。⽴派に⼤⼈になった⽝た ちにとっては、今の家とご主人様がすべてなのでしょう。でも、よ 子犬時代 く考えてみれば、我々人間も、大人になって久しぶりに会った兄弟 や従兄弟たちとじゃれあうことはありませんね。 ページ 2 登録ボランティア 通信 昭和 60 年に⼭北町でおきた猟⽝の咬傷事故(過去の事件から学ぶ) 昭和 60 年(1985 年)12 月 12 ⽇、⼭北町に住む猟歴 30 年のベテラン猟師杉⼭(仮名)は、朝から猟 友の石田(仮名)ら数人とともに地元の大野山でイノシシ狩りをしていた。猟犬を放して山の中にいる イノシシを追い出して猟銃で仕留める、いわゆる「巻狩り」といわれている猟である。杉⼭は猟⽝の育 成・訓練も⾏っている。この⽇、杉⼭が連れて⾏った⽝は、4 頭。イノシシの足跡を追って、沢と大野山 林道に囲まれた数百メートルの範囲に「ネヤ」(夜⾏性のイノシシが昼間寝ている場所)があると確信 し、15 時 40 分頃、山中に猟犬を放った。しかし、足跡から、追っているのが天然記念物のカモシカだ と判断した杉山は、16 時 15 分に猟の中止を決断し、仲間に犬の回収を指示した。16 時 30 分頃、ビー グル犬は回収できたが、残りの 3 頭はまだ山中を彷徨していた。 ほぼ同じ時刻の 16 時 30 分、近くの⼩学校に通う3年⽣の⼩⼭太郎君(仮名)は、下校する途中の林道 上で、口の大きな白い大型犬に襲われていた。続いて通りかかった下校中の児童二人が、これを目撃 し、急いで⼩学校へ引き返す途中、⾞で通りかかった会社員に救助を求め、さらに学校に戻って事務職 員と教諭に知らせた。会社員はまだ喉に咬み付いている犬を何とか引きはなそうとしたがかなわず、近 くの⼈家まで⾏き、消防と警察に通報を⾏った。通報時刻は、16 時 40 分から 46 分の間であるが、ち ょうどその頃、⼩学校の事務職員と教諭が⾞で現場に到着した。事務職員が洗⾯器で叩いたり蹴ったり して、ようやく⽝を引き離し、被害者を⼩学校まで運び、救急⾞で 16 時 57 分頃病院へ搬送した。 猟師の⽯⽥は救急⾞のサイレンを聞き、不安になっていた。無線でリーダーの杉⼭に確かめたが、⼈を 咬むことはないという返事であった。石田は再び山に入り、小学校の方から来た残りの犬3頭のうち、 紀州犬 2 頭を回収したが、もう1頭のドゴー犬には逃げられてしまった。杉山は、ドゴー犬の回収を試 みたが、時間だけが過ぎていく。小山君は、全身に咬傷を負い、翌日 2 時 23 分頃、病院で死亡した。 昭和 61 年 3 月 12 ⽇、神奈川県警及び松⽥署は、杉⼭を業務上過失致死容疑で横浜地検に書類送検、昭 和 62 年 3 月 20 ⽇に杉⼭は起訴された。裁判では、検察が禁固1年、被告が無罪を主張したが、平成 2 年 1 月 22 日、横浜地裁は禁固 10 ⽉、執⾏猶予 2 年の判決を⾔い渡した。ドゴー⽝が加害犬であると認 定された理由は、⽝に付着していた⾎痕が被害者の血液型と一致したこと及び目撃者の証言である。 以上が当時公表された判決文等から再現した、痛ましい事件の概要で す。このドゴー犬は、正式名を Dogo Argentino といい、名前のとお り、アルゼンチンでピューマ狩りや闘犬用に作り出された大型犬です。 ピットブルや土佐犬も含めたいわゆる大型闘犬種は、飼育が禁止されて いる国や州もあり、⽇本でも規制すべきだという意⾒をよく聞きます。 しかし、飼い主には従順なため、訓練すれば⼤丈夫だという理由で規制 に反対する意⾒もあります。現時点では事例がありませんが、このよう Dogo Argentino (Wikipedia より転載) な犬については、危害防止の観点から、ボランティアの皆様には動物保 護センターから譲渡できないことがありますことを御了承ください。 神奈川県動物保護センター ページ 3 改正動物愛護管理法 ここでは、今年の9⽉から施⾏される、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」の改正 の要点についてシリーズで出来るだけわかりやすく解説していきます。第三回は「犬猫等健康安全計 画」についてです。 改正法第 10 条第 3 項によって、新たに「犬猫等健康安全計画」の策定が義務付けられました。対象 は、第⼀種動物取扱業のうち⽝猫の繁殖・販売を⾏う業者で、法律上「⽝猫等販売業者」と規定されま した。簡単に言うと、犬・猫のペットショップとブリーダーになります。 では、「⽝猫等健康安全計画」とは、どのようなものでしょうか。法律では難しく書いてありますの で、わかりやすいように環境省が⽰した記載例を元に架空の⽝専⾨ペットショップの計画を作ってみま した。これをご覧になれば、概ねどのようなものか、理解していただけると思います。 ペットショップ神奈川 平塚店 犬猫等健康安全計画(例) 1 ① 幼齢犬の健康及び安全を保持するための体制の整備 ペットショップ神奈川 平塚店の管理体制 ・健康管理は、土屋太郎(従業員名)が店長(動物取扱責任者)監督の下に行う。 ・1 日 2 回、開店前と閉店後に健康状態、便・尿の状態、飼育室の温度・湿度、その他異常の有無に ついて確認を行い管理台帳に記録する。 ・管理台帳は、店長が 1 日 1 回以上チェックを行い、必要に応じて獣医師に相談する。 ② 獣医師との連携 ・下大槻動物病院をかかりつけ獣医療機関とし、毎週月曜日に診察・健康診断を依頼する。 2 ① 販売の用に供することが困難となった犬の取扱い 譲渡先の確保 ・生後 90 日を過ぎても販売できない犬については、狂犬病予防注射と登録を行い、専用のスペース を設けて、値引き販売を行う。 ・販売できなかった犬については、下大槻動物病院及び動物愛護団体(愛犬を守る会、ペットプロテ クション平塚)と協力して、譲渡会を開催し、新たな飼い主を探す。 ・それでも、飼い主が見つからない場合は、従業員又は関係者に無償で譲渡する。 ② 需給調整等 ・系列店と連携し、売行きをみながら仕入れ数について調整、犬の店舗間の移動を行う。 3 ① 幼齢犬の健康及び安全の保持に配慮した飼養、保管、展示方法 飼養保管方法 ・ブリーダーからの仕入れは、生後 45 日を過ぎ、かつ完全に離乳してからとする。 ・疾病に罹患した場合は、直ちに病犬専用のケージに隔離し、下大槻動物病院に連絡する。 以下、飼養保管方法、ワクチン接種、マイクロチップ装着、展示方法、展示時間、飼い主への説明方法 等について、具体的に記載していきます。この計画が守られているかを⾏政が監視します。 ページ 4 登録ボランティア 通信 土屋だより このコーナーでは、センターのある平塚市土屋を中心とした地 域の⾃然、歴史、地理などの地元情報をお届けします。今回は 「ヘビ」のお話です。 周囲を自然に恵まれたセンターでは、キジ、猛禽類など様々な 野⽣⽣物に出会います。⼀番良く遭遇する野⽣⽣物は何だと思 いますか。冬を除けば、それはヘビ、特に「アオダイショウ」 です。彼らの住み処は、センターのコンクリート斜面に開い パイプの中のアオダイショウ た、排⽔⽤のパイプの中と家禽⼩屋の屋根裏です。⽇中の暖か いときに、ここからエサを求めて這い出してくるのを⾒かける ことがあります。もしかしたら鶏やアヒルの卵、スナネズミや モルモットを狙っているのかもしれません。しかし、今のとこ ろ実害はなく、むしろ、建物や排水溝にいるネズミを食べてく れている可能性もあるので、特に追い払うことはしていませ ん。昨年はヤマカガシの⼦供も⾒かけました。もし、ボランテ ィアの皆さんがヘビを⾒かけたとしても、どうぞ驚かないで、 そのままそっとしておいてください。ただし、ヤマカガシには スズメバチの死骸 毒がありますので、その場合は職員に知らせてください。 またスズメバチも要注意です。先⽇センターの職員も草刈りの時に刺されてしまいましたが、場合に よっては命にかかわることもあり、最も危険な夏の生物といえるでしょう。 パブリックコメント募集のお知らせ 動物の愛護及び管理に関する条例施⾏規則・狂⽝病予防法施⾏細則の改正 に関するパブリックコメントの募集が 8 月 10 日まで実施されています。 詳細は、http://www.pref.kanagawa.jp/pub/list-2.html または、セン ター窓⼝に備え付けの資料をご覧ください。 事業概要掲載のお知らせ 平成 25 年度事業概要をホームページに掲載しました。 最新統計 平成 25 年 7 月 1 ⽇〜7 月 31 日の相模原市、藤沢市分を含む速報値(犬) 迷子犬の保護 52 頭 飼い主へ返還 ボランティアへ譲渡 20 頭 25 頭 致死処分 0 頭 飼い主から引取り 11 頭 運搬・収容中の死亡 2 頭 県⺠へ譲渡 4 頭 でした。