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星 敏春、西木直巳

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星 敏春、西木直巳
放射光第 6 巻第 3 号
(1993年)
3
3
1
実験技術 3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新しいグラファイト放射線光学素子
村上陸明,星敏春,西木直巳
怯下技研側,新素材研究所
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••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••
1.
はじめに
る。
グラファイト結晶は放射線に対して高い波長一
エネルギー選択性,反射能力を有するので,
X線
2.
グラファイトの 作製
モノクロメーター,中性 子線の モノクロメ ー
グラファイトはシ ート芳香族状炭素原子が規則
ター,フィルターなどの放射線光学部品として利
的に踏み重なった構造であり,常圧下では熱力学
用されている。しかし,従来この様な目的の使用
的に最も安定な炭素の構造である。従って,グラ
に耐えるグラファイト結品としてはユニオンカー
ファイトを人工的に i作成することは容易であると
バイド社の高配向性グラファイト (HOPG) が唯一
考えるかも知れない。しかし実際には良質のグ
のものであった。最近,我々は高分子を原料とし
ラファイト結晶を作る事は難しく,特に良質で大
た新規なグラファイト結晶の製造方法の確立に成
型のグラファイト結晶を作ることは非常に難し
功した。ここでは我々の開発したこのスーパーグ
い。例えば, 中国,マダガスカル,スリランカな
ラファイトについて紹介し,これが放射線光学素
どで産山する天然、のグラファイトはほとんどが粉
子 として HOPG に勝る 特性を備え ている事を述べ
末伏で,良質の結晶は得られ難い。また,キッシ
-43(C) 1993 The Japanese Society for Synchrotron Radiation Research
放射光第 6 巻第 3 号
3
3
2
(1993 年)
ュグラファイトと呼ばれる,鉄の溶融塩から得ら
この前駆体は PI の配向性を反映した平面性の優れ
れる単結晶グラファイトが知られているが,これ
たものであり,次に脱水素,脱窒素反応による炭
も微少な薄片状結晶でしか得られない。
素化を経て 2700 C 以上の処理によって良質のグラ
0
現在,高性能グラファイトとして人工的に合成
ファイトになる。この生成物は 100~ 200入の厚さ
され,おもに X 線や中性子線のモノクロメーター
を持つ単結晶フィルムの集まりである。同様に良
として市販されているものに米国ユニオンカーバ
質のグラファイトに変換出来る高分子として,ポ
(
P
O
D
),ポリパラフェニ
イド社の高配向パイログラファイト (HOPG) があ
リオキサジアゾール 2 ,
る。この HOPG は高配向性である事と併せて,い
レンビ、ニレン 4) がある。この様なグラファイト化
くつかの点で単結晶グラファイトと同等の物性を
の反応には,①出発高分子の分子構造,②分解・
有しているが,製造に複雑な工程を要するため非
再結合機構,③分子の配向性,④試料の形態(フ
常に高価であるばかりでなく,場合によっては入
ィルム,厚さ) ,⑤熱処理の方法,などの因子が関
3)
しており,出発高分子原料が高い分子配向性を
手に半年以上かかる場合もあった。
している事が特に重要である。
HOPG の製造においては,まずメタンなどの気
体状炭化水素を 1000 C 付近の温度で熱分解し基
我々はこの様な基礎研究を経て,この原理を応
板上に沈澱させて炭素質のフ。ロックを得る。次に
用した新たな高品質,高配向性のグラファイトブ
このブロックを最高温度 3400 C で圧力( 1
0
k
g
/
ロック(スーパーグラファイト: SG) の製造方法
0
0
cm ) を加えながら長時間アニールしてグラファイ
を開発した 5) 。それは複数枚の高分子薄膜を重ね
トに転換する。この工程に要する時間は 20 日以上
てホットプレス処理を行う,と言う手法によって
に及ぶと言われている。更に,熱、分解沈澱および
おり,
熱間加工の間での歩留まりが低いことも問題にな
HOPG と同等の配向性を有する高品質グラファイ
っている。これはおよそ 35 年前に開発された技術
トフ守口ックを得ることが出来た。図 1 に上記 PI 及
であり,その後いくつかの企業が高配向性ク。ラフ
び POD のグラファイト化の反応過程と新技術によ
ァイトの製造に挑戦したが,超高温で加圧すると
るグラファイトブロックの製造工程の概念図を示
う工程がネックとなって商品化には歪らなかっ
し,以下にこの新技術の製造工程について述べ
2
た。従って,事実上放射線光学素子として使用可
能な高配向性グラファイトとしては HOPG が唯一
この方法により単結品と同等の物性値と
る。
まず,出発原料である厚さ 10""-' 50μ 皿の PI フィ
ルムを所望の大きさに切断し最終製品の厚さを
の物であった。
我々は 10 年前から低温でグラファイトを作製す
考慮して複数枚(数百~数千枚)重ね合わせる。
る研究そ行ってきたが,高分子から鹿接グラファ
次にこのフィルムをグラファイト製の容器に収納
イトを作る事が出来ないかと考え,各種の高分子
し予備焼成を行う。予備処理は窒素などの不活性
のグラファイト化を試みてきた。従来,高分子材
気流中で最高 1000 C までの温度で行う。この処理
料は典型的な難グラファイト化材料と考えられて
過程においては,原料高分子の熱分解が 500 C 以
きたが,条件さえ整えばいくつかの高分子が典型
上の温度範囲で起こり,炭素,水素および窒索以
的な易グラファイト化材料になる事が分かつた。
外の元素はほとんど分解ガスとして系の外へ放出
その様な高分子材料の代表が芳香族ポリイミド
される。また,
0
0
この過程で作られる炭素前駆体の
PI は 400~ 600 C の温度領域で一
構造は,後のグラファイト化反応の起こり易さに
部は分解するが,残りは再結合し窒素を合むグ
大きな影響を与える。先に述べたように,グラフ
ラファイト類似の構造をもっ炭素前駆体と成る。
ァイト化をおこし易くするためには前駆体として
(PI)である 1)
0
0
-44-
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3
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摩さ 10--100μm
切り出し
数 100 枚
~数 1000 枚
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1
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0
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不活性気流中
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加圧焼成
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平面性に優れたヘテログラファイト構造を形成す
この技術の開発において最も困難であった点
る必要があり,その様な意味でこの予備処理工程
は,出発高分子原料が熱分解の過程で収縮し,そ
のフ。ロセス制御は非常に重要である。予備処理を
のためグラファイト結晶の内部に歪や結品の乱れ
終えた試料は次に 2700 ,...., 3
000oc の温度で熱処理
が生じて,高配向性のグラファイトが得られない
を行う本処理工程に移される。そこではグラファ
と言う点であった。高配向性グラファイトブロッ
イト化とフィルム聞の接着を同時に行わせるた
クの開発には約 5 年の歳丹を要したが,ほとんど
め,高温,圧力下での処理が行われる。ホットプ
の努力は収縮が起こっても如何に内部に結晶の乱
レス法による加熱,加圧処理は予備処理の場合と
れを生じない様にするかであった。こうして得ら
同様に適当な高圧用グラファイト容器中で行う。
れたグラファイトの物性を表 1 に示す。新技術に
この工程では単にグラファイト化を進めるのみで
よって得られた SG の物性値はほとんど単結晶グラ
はなく,平面性に優れたグラファイト層を形成し
ファイトと同等で,現在実験輩的に得られている
なければならない。そのために,昇温速度,印加
最高の配向性(モザイクスプレッド値)は 0.3 。で
圧力の大きさやそのタイミングなど,数多くの技
ある。さらに,いくつかの特性(例えば音速な
術的ノウハウが必要である。
ど)は従来の最も良質のグラファイトよりもさら
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3
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Table1 P
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'性
物
物性値
0.
30
配向性
電気伝導度 (a-b 面)
熱伝導度
耐熱性
他の材料との比較
23 ,000 S/cm
鉄と同等
IOW/K・ cm
銅の 2 倍
860C
0
空気中
>3000 C
不活性気体中
反射崩 (002) の間踊
グラファイトとしては最高値
0
最高級の耐熱性
3お4 - 3.356λ
単結晶グラファイト: 3.354チ
ヤング率
1000GPa
ダイアモンドに匹敵
密度
2
.
2
5g/cm
グラファイトの理論値: 2
.
2
6
音速
2
0
.
0
0
0m/sec
に優れた特性になっている。この新しい製造技術
は,大型の結晶が作り易い,より少ない熱エネル
Table2 C
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dSpectroscopy , 22 , 549(
1
9
6
8
)
)
ギ…で作製出来る,などの特長を持ち従来の
HOPG 法よりはるかに有効であると考えられる。
3. 放射線光学素子としての応用
3. 1 グラファイトの X 線反射能力
表 2 にモノクロメーター用各種結晶の X 線に対
するブラッグ反射による反射能力を示す。他の分
あらゆる材料で最高値
結晶
反射面
相対反射能
グラファイト
(
0
0
2
)
620
フッ化リチウム
(
2
0
0
)
93
ダイアモンド
(
1
1
1
)
1
2
0
ペンタエリスリトール
(
0
0
2
)
1
1
5
アルミニウム
(
2
0
0
)
24
銅
(
2
0
0
)
7
1
食塩
(
2
0
0
)
3
1
光結晶に比ベグラファイトの (002) 面は異常に高
い反射能力を有していることが分かる。このよう
な性質は,
x 線に限らず波長が 1 ~ 10入の放射線
には同様に適用され,グラファイトが放射線の光
3. 2
X 線モノクロメーターとしての特性
学素子として最も使いやすい理由になっている。
ここではそノクロメーターとしてのスーパーグ
具体的には,グラファイトの結晶構造(層構造)
ラファイト (SG) の特徴を明かにするため,最高グ
を利用し放射線の集光と単色化を行うのである
レードの HOPG である ZYA
が,この場合グラファイト結晶の a ーも(層面)の
SG の特性を比較して述べる。表 3 はその結果をま
平消性が問題となる。これを配向性(モザイクス
とめたものである。
(MS= 0.
4
:
!
:0.1
0
) と
プレッド特性: MS) と呼び角度が小さいほど良
この表から明かな様にスーパーグラファイトモ
好である事を示す。グラファイトの層間は弱いフ
ノクロメーターの特徴は HOPG に比較して反射率
ァンデルワ…ルス力で結合しており,グラファイ
が高く,およそ1. 2-- 1. 1 倍の強い反射積分強度が
トモノクロメーター用結晶は単結品ではなく多結
得られると言う点、である。これはグラファイトを
品である。従って,現在のところグラファイト結
そノクロメーターとして使用する上で非常に有利
晶での最高の MS 債は 0.3 である。この事はグラ
な点となる。フラット,
ファイトモノク口メーターの欠点でもある。
れの場合でも ZYA では部分的に MS 値の優れた部
0
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シングルベント結品いず
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ピーク強度
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)
R=225
%反射
相対積分
強度
分と極端に悪い部分があり,その場所によって反
用については省略するが,
X 線モノク口メーター
射強度が大きく異なっている。これに対して SG で
と同様に考える事が出来る。ただ,中性子線モノ
は後述するように特性が非常に均一である。図 2
クロメーターとして使用する場合には,中性子線
には SG および HOPG の典型的な反射フ。ロファイ
がより結品の奥深くまで浸透するので,その MS
ノレを示す。 SG の反射フ。ロファイルが左右対称で、ガ
値は約1. 6 倍程度大きく見積って置くことが必要
ウシャン分布に近いのに対して,
HOPG のフロフ
となる。 SG はすでにいくつかの研究機関で中性子
ァイルはやや左右非対称の傾向がありローレンツ
線モノクロメーター,あるいはフィルターとして
ィアン分布に近い。従ってピークの半値幅
御使用いただいている 6)O
(FWHM) を単純に比較した場合,その値が全く同
じである時には SG の方がモノクロメーターとして
の能力は優れていると考えられる。図 3 は 35
3
.3
x
シンクロトロン放射 (SR) 光への応用
SR 光は一般に指向性が高いのでグラファイトの
30mmの大きさの SG 結晶(フラット)における MS
ようなモザイク構造の結晶は一般に不利である。
値の分布の状況を調べたものである。先に述べた
しかし,グラファイトモノクロメーターは一方
様に,
HOPG では同一結晶の中で MS がかなり大
で,耐熱性が高い事,反射効率が高い事から,よ
きく異なり,局所的に優れた MS 値の部分と非常
り強い光を有効に取り出すには有利ないくつかの
に悪い部分があり,
この事が光学系を組み上げる
点もある。図 4 は分子科学研究所の UVSR 光を
上で HOPG を使い難しくしている事が知られてい
MS=0.6 。のグラファイト結晶を用いて分光した結
る。これに対して SG 結晶における,
果である 7)O 図中の角度は SR 光とグラファイト結
には非常に均一であり,
MS 値の分布
SG において強い反射強度
晶のなす角度であり,
SR 光に対して一定の角度に
が得られる理由の一つはこの様な MS 特性の均一
グラファイト結品を設置した時,特定のエネル
性によっていると考えられる。
ギーの光が有効に取り出されている事が分かる。
ここでは中性子線モノクロメーターとしての応
この時の反射率,分解能は用いたグラファイト結
-47-
放射光第 6 巻第 3 号
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• D
• G
A:0.3800
D:0.3790
G:0.3680
• B
• E
• H
B:0.3780
E:0.3860
H:0.3820
キc
• F
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C:0.3660
F:0.3800
1:0.3980
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品の MS値に大きく依存しより MS 値の優れた結
4.
おわりに
晶を用いれば反射率,分解能が向上する事が分っ
最近,このスーパーグラファイトは,宇宙創世
ている。 SG 結晶の SR 光に対する特性はまだ十分
期の謎をさぐるために世界各国の共同で打ち上げ
に測定されていないが,私達は今後,生物,医療
予定の X 線観測衛星のポラリメーター用分光結晶
関係などの新しい分野で今後 SG結晶の利用が広が
として採用される事が決定した。今後,このスー
る事を期待している。
ノ守一グラファイト結晶が世の中に受け入れられて
-48-
放射光第 6 巻第 3 号
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Energy(KeV)
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4 Monochromatizingprope 吋y o
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4 Grades , mosaicspreadsands
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Maximum
Minimum
(mm)
S
i
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e(mm)
S
i
z
e(mm)
MB
0 .4土 0.05
0.64 土 0.08
0
.
5
3
.
0
2
5x25
l
OX l
O
MC
0.5 土 0.05
0.8 土 0.08
0
.
5
3
.
0
35X 35
l
OX l
O
ME
0.6 土 0.1
0.96 土 0.16
0
.
0
5
1
5
.
0
50X 50
1
0X 1
0
MF
0.85 土 0.15
1
.52:
t0.4
0
.
0
5
1
5
.
0
70X 70
1
0X 1
0
MG
1. 5 土 0.5
2.56 土 0.64
0
.
0
5
1
5
.
0
85X 8
5
l
OX l
O
MH
2.5 土 0.5
4.0 土 0.8
0
.
0
5
1
5
.
0
1
0
0X 1
0
0
1
0X 10
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fMB , MC , M Eg
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.
(
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d
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r
dR=225mm).
牢 Single
行くためには多くの研究者の方々に使って見てい
千 214
ただくしかありません。参考のために現在上市し
松下技研(栂,新素材研究所
ているスーパーグラファイト結品のグレードとサ
村上陸明または星敏春
イズを表 4 に示します。臨品としてはフラット,
シングルベント(標準品 R
り,
=225)
)11 崎市多摩区東三田 3 - 10- 1
の 2 種類があ
T
E
L
044- 911- 6351
F
A
X
044- 922- 9766
MA グレードは現在開発中の最高級の商品で
すがまだ上市していません。モザイクスプレッド
の値からは MB グレードと ZYA が同等ですが,目
謝辞
この研究は新技術事業団の委託開発によってな
的によっては ZYA の代わりに MC グレードの商品
で十分対応出来ると考えています。価格,納期,
されました。中性子線による評価には東北大学,
技術的な問題,特別なサイズの要望,などについ
日本原子力研究所,東京大学物性研究所など,
ては,以下のところに問い合わせて下さい。
線による評価には理学電機(栂,名古屋大学などの
-49-
x
放射光第 8 巻第 3 号
338
多くの研究機関のご協力をいただきました。御名
(1993 年)
P
h
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.Lett., 48 , 1
5
9
4(
1
9
8
6
)
.
n
dS
.Yoshimura , S
y
n
t
h
.Met., 18 , 509
3
) M.Muralくami a
前はいちいち挙げませんがここに感謝の意を表し
(
19
8
7
)
.
ます。
4
) T
. Ohnishi , .
1 Murase , T
. Noguchi and M. Hirooka ,
S
y
n
t
h
.Me
.
t18, 497(
19
8
7
)
. Nishiki , K
. Nakamura , 1
. Ehara , H
.
5
) M. Muralくami , N
文献
. Kouzaki , K
. Watanabe, T
. Hoshi and S
.
Okada , T
1
) A. Burger, E
. Fitzer, M. Heym a
n
dB
. Terwiesch ,
19
9
2
)
.
Yoshimura , Carbon30 , 255(
Carbon13 , 149 (
1
9
7
5
)
.
2
) M. Muralくami , K
.WatanabeandS
. Yoshimura , Appl
.
¥
6)
村上,西木,遠藤,“波紋" Vo 1. 3 , NO.2 , 26(
1
9
9
3
)
.
7)
名古屋大学,山下広順教授の測定による。
¥
日本放射光学会第 2 回講習会予稿集
放射光ユーザーのための光源論
主催日本放射光学会
体裁
内容
B5 版,
光源用蓄積リング概論
共催高エネルギー加速器科学研究奨励会
1
0
6
定価
2, 000 円(送料込)
...・ H ・..…....・ H ・..……...・ H ・...・・ H ・ H ・-… H ・ H ・...・ H ・...・ H ・-
加藤政博(高エ研)
...・ H ・.....・ H ・ H ・ H ・..……...・ H ・...・ H ・ H ・ H ・...・ H ・ H ・ H ・..
山本樹(高エ研〉
2
. 放射光の発生と播入光源
ピ…ム不安定性
…...・
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・
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・
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・坂中章悟(高エ研)
3
.
4
. ピーム不安定性とアクティブフィードパック[縦方向カップルドパンチ不安定の抑制]
春日俊夫(広大理〉
5
. 蓄積リング真空の諮問題 ………...・ H ・.....・ H ・..…...・ H ・..… H ・ H ・....・ H ・....・ H ・-…
6
. ビーム変動とフィ…ドパック …...・ H ・..…...・ H ・..……...・ H ・ H ・ H ・.....・ H ・..……・・
申込先
日本放射光学会事務局
〒 112
文京区小石川 2-3
4
塘洋一郎(高エ研)
中村典雄(高エ研)
)11 田ビル
アイオニクス側内
TEL 03-3812-0920 FAX 03-3812-3997
大申込用紙に必要事項をご記入の上,郵送または FAX にでお申込み下さい。
…………切りとり線...・ H ・.................
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