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久留米市情報化推進計画書改定版 全章 (3153キロバイト)
久留米市新情報化推進計画書 ~ ICT を利活用した個性ある魅力的な地域づくり ~ 平成23年2月 久留米市 ❐❐❐ 目 次 ❐❐❐ 第1章 基本的な 基本的な考え方 1.計画策定の趣旨 ………………………………………………………………… 2 2.情報化の意義 …………………………………………………………………… 3 (1)情報化とは (2)情報化の役割 3.計画の概要 ……………………………………………………………………… 4 (1)計画の位置づけ (2)計画の範囲 (3)計画の期間 第2章 情報化を 情報化を取り巻く環境 1.ブロードバンドの整備状況 …………………………………………………… 8 2.市民生活の情報化 ……………………………………………………………… 9 (1)インターネットの普及状況 (2)ICT利用の進展状況 (3)セキュリティ対策 3.企業の情報化 …………………………………………………………………… 15 (1)企業におけるインターネットの利用状況 (2)企業におけるICT利用の進展状況 (3)企業におけるセキュリティ対策 4.国・県等の情報化の動向 ……………………………………………………… 19 (1)国のICT戦略 (2)デジタル・ディバイド解消戦略 (3)電子自治体の進捗状況 (4)福岡県のICT戦略 第3章 本市における 本市における情報化 における情報化の 情報化の現状と 現状と課題 1.本市における情報化の現状と市民ニーズ …………………………………… 24 (1)本市における情報化の現状 (2)市民のニーズ 2.課題 ……………………………………………………………………………… 29 第4章 基本方針と 基本方針と施策の 施策の展開 1.基本方針 ………………………………………………………………………… 31 2.情報化ビジョン ………………………………………………………………… 31 3.施策の体系 ……………………………………………………………………… 32 4.施策の展開 ……………………………………………………………………… 33 5.久留米市新情報化推進計画 全体イメージ ………………………………… 37 6.情報化の推進にあたっての留意点 …………………………………………… 38 第5章 計画の 計画の推進にあたって 推進にあたって 1.情報化の推進体制 ……………………………………………………………… 40 2.進行管理 ………………………………………………………………………… 42 資料編 …………………………………………………………………………………… 43 資料1 情報化計画の経緯 資料2 地域情報化のこれまでの取組 資料3 行政情報化のこれまでの取組 資料4 久留米市高度情報化戦略の推進体制の整備に関する規程 資料5 用語説明 第 1 章 基 本的 な 考え 方 1.計画策定の趣旨 本市は、地域における情報化の推進に関する基本方針を明確にした「久留米市情報化推進計画」 を平成12年度に策定し、その具体的な施策を体系的かつ総合的に掲げた「久留米市IT戦略ア クションプラン」(平成14年度策定)に基づき、地域情報化の諸施策を進めてきました。 その後、平成18年度に「久留米市情報化推進計画」の改定、及び「IT戦略アクションプラ ンⅡ」の策定を行い、IT基盤整備からIT利活用に軸足を移したものとして、平成 21 年度ま での情報化を進めてきました。 情報化を進めていくことは、地域の諸課題解決やネットワーク型地域社会形成における基盤作 り(地域情報化)に欠かせないものであり、行政改革を推進しながら電子市役所を構築する(行 政情報化)ためにも必要なものであります。 また、情報格差のないICT基盤(情報通信基盤)を確立するために、市内全域に超高速ブロ ードバンドの整備も必要不可欠となっています。 そのため、情報化をすすめる基本方針を明確にした情報化推進の計画が必要であり、平成22 年度からの「久留米市新情報化推進計画」を策定するものです。 2 2.情報化の意義 (1)情報化とは 情報化とは、世の中の様々な情報を利活用していく仕組みを作っていくことです。このことに より、情報は付加価値を持ち、様々な分野で利活用出来るようになります。 ただし、高度な情報通信機器を使うことばかりが情報化ではありません。目的や用途に応じて 紙媒体など従来からある情報媒体も含め多様なメディアを有効に活用していく必要があります。 (2)情報化の役割 地域社会においては、個人個人が尊重され、それぞれが主体的に活動しながら、その個々の活 動がお互いに連携していくネットワーク型の地域社会となることが重要です。このネットワーク 型地域社会を支えるのはコミュニケーションであり、その基盤の一つとなるのが情報化です。 「IT」と「ICT」について 情報化において、これまでは一般的にIT(Information Technology=情報技術)という言 葉が用いられてきました。しかし、近年では、ICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)という言葉が用いられるようになっています。国際的にもICT を用いており、総務省においても 2004 年から「IT 政策大綱」を「ICT 政策大綱」に名称 を変更するなど、ICTが定着しております。 また、IT とICT との違いは、コミュニケーション(=情報の流通)にも焦点を当ててい るという点であり、単なる情報の処理、活用ではなく、関係者間のコミュニケーションの重要 性を認識しようというものです。 これらのことから、本計画の文中の用語については、基本的にはICT を用いることとして います。 3 3.計画の概要 (1)計画の位置づけ 本計画は、長期的な都市づくりの指針である「久留米市新総合計画」を上位計画とし、新たな 行政改革の指針並びに行政改革実施計画である「久留米市新行政改革行動計画」を踏まえ、本市 における情報化の基本方針と施策の方向性を明らかにするものです。 計画実現のための具体的な施策については、情報化推進の行動計画であるアクションプランを 策定し、今後の電子自治体の早期かつ着実な実現を目指します。 情報化推進計画の体系図 久留米市新総合計画 基本構想 基本計画 国土利用計画 情報化推進 行政改革 久留米市新情報化推進計画書 久留米市行政改革行動計画 (平成 22 年度~平成 26 年度) (平成 22 年度~平成 26 年度) 行動計画 アクションプラン(前期) アクションプラン(後期) (平成 22 年度~ (平成 25 年度~ 平成 24 年度) 平成 26 年度) 4 (2)計画の範囲 本計画は「行政情報化」と「地域情報化」の双方の内容を含む総合的な情報化計画としています。 計画の範囲 対象範囲 【行政情報化】 【地域情報化】 行政の役割 民間の役割 ・住民記録 ・電子申請、施設予約 ・税 ・図書館 ・財務会計 ・ホームページ ・人事給与 ・情報通信基盤整備 ・情報化推進3セク支援 ・地域イントラネット構築 行政事務の 効率化、高度化 市民生活の利便性向上 企業、大学、民間団体な 地域の活性化 どによる地域の情報化 市民サービスの向上 市民との情報共有化 ・行政情報化:行政事務の効率化、高度化など行政内部の情報化 ・地域情報化:教育・医療・福祉など暮らしの向上や産業の活性化など地域との関わりの中での情報化 ・情報化推進3セク支援 :地域情報化の推進に関わる取り組みについての第 3 セクターへの支援 ・地域イントラネット構築:地域の公共施設等のネットワークの構築 5 (3)計画の期間 本計画は、 「久留米市情報化推進計画書」 (平成12年度から平成21年度)の次期計画とし、平 成22年度から平成26年度までの5年間の計画とします。 また、計画の期間は、「久留米市総合計画 第2次基本計画」及び「久留米市行政改革行動計画 (平成22年度~平成26年度)」との整合性を図っています。 計画の期間 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 情報化推進 久留米市新情報化推進計画書 (H22~H26) アクションプラン(前期) アクションプラン(後期) 総合計画 基本構想(H13~H37) 第2次基本計画 (H17~H26) 行政改革 久留米市行政改革行動計画(平成22年度~平成26年度) (H22~H26) 6 第 2 章 情 報化 を 取り 巻 く環 境 情報化社会の進展により、ICTは社会にとってなくてはならないものとなっていま す。これまで、我が国は、最先端のIT国家を目指し、ITのインフラ整備を中心に取 り組んできましたが、今後はICTをいかに活用していくのか、さらには、利用者の視 点から、いかに利便性を高めるのかが課題となっています。 また、ICTの利用の拡大によって発生する新たな脅威への対応や安心して利用可能 な環境の構築といった視点も必要とされています。 1.ブロードバンドの整備状況 * 全国のブロードバンド・サービスエリアの世帯カバー率は、平成20年9月末時点で、98. 6%となっており、ほとんどの世帯がブロードバンドのサービスエリアとなっています。 * また、超高速ブロードバンドの世帯カバー率においても、89.5%となっており、超高速ブ ロードバンドが急速に普及していることがうかがえます。 (図表[2-1]) 図表[2-1] 都道府県別ブロードバンド・サービスエリアの世帯カバー率(推計) (出典) 総務省 「デジタル・ディバイド解消戦略」関係資料 *ブロードバンド:光ファイバー、ADSL、ケーブルインターネットをはじめとした高速・超高速通信を可能と する回線。 *超高速ブロードバンド:一般的には概ね 500kbps 以上の通信回線をブロードバンドと呼んでおり、その中でも超 高速の通信回線を超高速ブロードバンドと呼んでいる。総務省の「次世代ブロードバンド戦略 2010」において は、上り下りとも 30Mbps 級以上の回線を超高速ブロードバンドとしている。 8 2.市民生活の情報化 (1)インターネットの普及状況 ①インターネット利用人口及び人口普及率 全国の個人のインターネットの利用者数は、対前年比317万人増の9,408万人に達し、 人口普及率は78.0%(対前年比2.7ポイント増)となっています。このことからも、国民 全体の4分の3がインターネットを利用していることとなり、インターネット利用が着実に進ん だことがうかがえます。 (図表[2-2]) また、インターネットの世代別の個人利用率をみると、60歳以上の世代において、インター ネットの利用率の伸びが顕著となっています。特に、65~69歳代では、58.0%(対前年 比20.4ポイント増)と大幅に増加しており、年齢によるデジタル・ディバイドの解消が進ん でいることがうかがえます。世代別男女別では、50歳代以上では男性の方が利用率が高いもの の、6~12歳代、13~19歳代、30~39歳代では女性の利用率が高くなっており、男女 別のインターネット利用率に大きな違いはないことがうかがえます。 (図表[2-3]) 図表[2-2] インターネットの利用者数及び人口普及率の推移 (注) ① 平成9~12 年末までの数値は「通信白書(現情報通信白書)」から抜粋。 ② インターネット利用者数(推計)は、6歳以上で、過去1年間に、インターネットを利用したことがある者 を対象として行った本調査の結果からの推計値。インターネット接続機器については、パソコン、携帯電話・ PHS、携帯情報端末、ゲーム機等あらゆるものを含み(当該機器を所有しているか否かは問わない。 )、利 用目的等についても、個人的な利用、仕事上の利用、学校での利用等あらゆるものを含む。 ③ 平成 13 年末以降のインターネット利用者数は、各年における 6 歳以上の推計人口(国勢調査結果及び生命 表等を用いて推計)に本調査で得られた 6 歳以上のインターネット利用率を乗じて算出 ④ 平成 13 年末以降の人口普及率(推計)は、③により推計したインターネット利用人口を国勢調査及び生命 表を用いて推計した各年の6歳以上人口で除したもの。 ⑤ 調査対象年齢については、平成 11 年末まで 15~69 歳、平成 12 年末は 15~79 歳、平成 13 年末以降は6 歳以上。 (出典) 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 *デジタル・ディバイド:インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者の間に生 じる格差。 9 図表[2-3] 年代別男女別にみたインターネット利用率 (出典) 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 ②端末別インターネット利用数 * インターネットを利用する端末については、モバイル端末での利用者が8,010万人、パソコ ンからの利用者は8,514万人となっており、パソコン単独での利用から、パソコンとモバイル 端末の併用へと変化していることがわかります。(図表[2-4]) 図表[2-4] インターネット利用端末の種類(平成 21 年末) (出典) 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 *モバイル端末:移動中や外出先で利用して,インターネットなどを通じて情報のやり取りを行うもので、PDA などの携帯情報端末や携帯電話などをいう。 10 ③インターネット接続回線 自宅のパソコンからインターネット接続にブロードバンド回線を利用している世帯の割合は、 76.8%と、前年から3.4ポイントの増加となっております。そのうち、光回線の利用率が前 年から2.1ポイント増の41.1%となっており、世帯における光回線によるブロードバンド 化が着実に進展しています。(図表[2-5]) 図表[2-5] インターネット接続回線の種類 (注) ①集計対象は「自宅」の「パソコン」からのインターネット利用世帯 ②「ブロードバンド回線」は、DSL回線、ケーブルテレビ回線、光回線、第三世代携帯電話回線(パ ソコンに接続して使う場合のみ)、固定無線回線及びBWAアクセスサービスがある ③「ナローバンド回線」には、上記以外に携帯電話回線、PHS回線等がある (出典) 11 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 (2)ICT利用の進展状況 インターネットの利用目的については、パソコンからの利用は「企業・政府等のホームページ(ウ * ェブ)・ブログ(ウェブログ)の閲覧」が55.8%と最も高くなっています。(図表[2-6]) 一方、携帯電話からの利用は「電子メールの送受信」が54.5%と最も高くなっており、機器 の特性に応じた利用を行っていることがうかがえます。(図表[2-7]) 図表[2-6] パソコンからのインターネット利用機能・サービス (出典) 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 *ブログ:World Wide Web 上のウェブページの URL とともに覚え書きや論評などを加えログ(記録)しているウェ ブサイトの一種。 12 図表[2-7] 携帯電話からのインターネット利用機能・サービス (出典) 13 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 (3)セキュリティ対策 * インターネットを利用して感じる不安の内容として、約7割の人が、「ウィルスの感染が心配で ある」(70.6%)「個人情報の保護に不安がある」(69.9%)、を挙げています。 また、約6割の人が、「どこまでセキュリティ対策を行えばよいか不明」(61.7%) と感じているという結果がでています。(図表[2-8]) 図表[2-8] インターネット利用で感じる不安の内容 (出典) 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 *ウィルス:コンピュータウィルスの略。ユーザの意図と無関係に自己複製を行い、多くの場合不利益をもたらす プログラム。 14 3.企業の情報化 (1)企業におけるインターネットの利用状況 ①インターネット利用率 企業のインターネット利用率は、全体で99.5%となっています。(図表[2-9]) 従業者規模 別のインターネット利用率は、500人以上の企業で100%である一方、500人未満の企業で は、99.2%と若干低くなっています。(図表[2-10]) 図表[2-9] インターネット利用率の推移(企業) (出典) 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 図表[2-10] 従業者規模別 (出典) 15 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 ②インターネット接続回線 企業におけるインターネット接続のブロードバンド回線の割合は、76.9%で前年と比較して * 横ばいとなっています。しかし、光回線の利用率が前年から3.8ポイント増の72.0%と増加 し、企業における光回線によるブロードバンド化が一層進展していることがうかがえます。(図表 [2-11]) 図表[2-11] インターネット接続回線の種類(企業) (出典) 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 *光回線:光ファイバーケーブルを使った通信回線のことで、高速・高品質のインターネット接続のためのもの。 16 (2)企業におけるICT利用の進展状況 ①電子商取引の実施状況 電子商取引(インターネットを利用した調達・販売)を実施している企業の割合は、55.3% で、2社に1社は電子商取引を行っているといえます。業種別に見ると、 「卸売・小売業」が59. 3%と最も実施率が高く、次いで「サービス業・その他」の58.3%となっています。 (図表 [2-12]) 図表[2-12] 電子商取引の実施状況(企業) ○電子商取引(企業からの調達、企業への販売、消費者への販売のいずれか)の実施状況 ○産業別電子商取引の実施状況(平成 21 年末)(複数回答) (出典) 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 ②インターネットを利用した公告の実施状況 インターネットを利用した広告を実施している企業は、前年と比較して4.7ポイント増の35. 7%となっています。 (図表[2-13]) 図表[2-13] 産業別インターネット広告の実施率(企業) (出典) 17 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 (3)企業におけるセキュリティ対策 インターネット、企業内 LAN 等を利用する企業のうち何らかのセキュリティ対策を実施している 企業の割合は、96.1%となっています。 セキュリティ対策の内容としては、8割を超える企 業が「パソコンなどの端末(OS、ソフト等)にウィルス対策プログラムを導入」(84.3%) を挙げています。(図表[2-14]) 図表[2-14] セキュリティ対策の実施状況(企業) (出典) 18 総務省「平成 21 年通信利用動向調査」 4.国・県等の情報化の動向 (1)国のICT戦略 国は、平成12 年にIT 戦略本部を設置し、「e-Japan 戦略」においてはネットワーク基盤の 整備を中心に、「e-Japan 戦略Ⅱ」以降はデジタル技術の利活用による社会経済構造の改革を中心 に政策を進めてきました。しかしながら、情報通信基盤整備は進んだものの、多くの国民がその成 果(アウトカム)を実感するまでには至っていません。 これは、従来の戦略の立ち位置が、デジタル技術の利活用を強調しつつも、ややもすると技術優 先指向となり、同時にサービス供給者側の論理に陥っていた面があるためと考えられます。 こうした過去の問題を反省の上、平成21年の「i-Japan 戦略 2015」では、真に国民(利用者) の視点に立った人間中心(Human Centric)のデジタル技術が、普遍的に国民(利用者)によって 受け容れられるデジタル社会を実現する戦略でなければならないとしています。 (「i-Japan 戦略 2015」より) 図表[2-15] 国の情報化戦略の沿革 平成 12 年 7 月 情報通信技術戦略本部を内閣に設置/IT 戦略会議を設置 平成 12 年 11 月 IT 基本戦略を決定 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT 基本法)が成立 平成 13 年 1 月 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT 戦略本部)を内閣に設置 e-Japan 戦略を決定 平成 13 年 3 月 e-Japan 重点計画を決定 平成 13 年 6 月 e-Japan2002 プログラムを決定 平成 14 年 6 月 e-Japan 重点計画-2002 を決定 平成 15 年 7 月 e-Japan 戦略 II を決定 平成 15 年 8 月 e-Japan 重点計画-2003 平成 16 年 2 月 e-Japan 戦略Ⅱ加速化パッケージ 平成 16 年 6 月 e-Japan 重点計画-2004 平成 17 年 2 月 IT 政策パッケージ-2005 平成 18 年 1 月 IT 新改革戦略を決定 平成 18 年 7 月 重点計画-2006 を決定 平成 19 年 4 月 IT 新改革戦略 政策パッケージ 平成 19 年 7 月 重点計画-2007 平成 20 年 2 月 IT による地域活性化等緊急プログラム 平成 20 年 6 月 IT 政策ロードマップ(デジタル・ディバイド解消戦略) 平成 20 年 8 月 重点計画-2008 平成 20 年 9 月 オンライン利用拡大行動計画 平成 21 年 4 月 デジタル新時代に向けた新たな戦略~三か年緊急プラン~ 平成 21 年 7 月 i-Japan 戦略 2015 平成 22 年 5 月 新たな情報通信技術戦略 19 (2)デジタル・ディバイド解消戦略 総務省では、2010年度を目標としたブロードバンド・ゼロ地域の解消や、携帯電話不感地帯 の解消といった、いわゆるデジタル・ディバイドの解消の早期実現を図り、各地域のポテンシャル が最大限発揮されることが可能な環境の整備を目指しています。また、地域経済の活性化を図るた め、平成20年6月の「デジタル・ディバイド解消戦略会議」報告書(24日公表)を踏まえ、マ スタープランとしての「デジタル・ディバイド解消戦略」を取りまとめています。(図表[2-16]) 図表[2-16] ブロードバンドの整備状況 (総務省 20 「デジタル・ディバイド解消戦略」関係資料より) (3)電子自治体の進捗状況 総務省では、平成 15 年 8 月に、 「電子自治体推進指針」を策定し(平成18 年7 月一部改定)、 同指針を踏まえ、主に電子自治体の基盤整備と行政手続等のオンライン化等を推進してきました。 その結果、電子自治体の基盤整備等は着実に進展していますが、他方で多くの課題が発生してい * ます。また、近年、いわゆる「Web2.0」という言葉に象徴される新しい情報通信技術や情報通信を 活用したサービスが急速に進展しています。また、地方分権改革の加速、地方公共団体の厳しい財 政状況、地域の社会的問題の増大など地方公共団体を取り巻く環境の変化は大きく、電子自治体の 取り組みにおいても、これらに適切に対応する必要があります。 これらのことを踏まえ、総務省では、地方公共団体に対して、今後の電子自治体推進の方向性を 提示するため、「新電子自治体推進指針」を策定しています。 「新電子自治体推進指針」においては、我が国における電子自治体の現状と課題を明確化した上 で、「2010 年度までに利便・効率・活力を実現できる電子自治体を実現すること」を目標とし ています。また、目標実現に向けた取組方針を記述するとともに、今後の重点的な取組事項及び共 通的な取組事項について、現状と課題の分析、各地方公共団体に期待される取組、総務省の施策の 方向性、推進状況を把握するためのベンチマークもそれぞれ記載されています。 もとより、電子自治体は、各地方公共団体が地域の実情、団体の規模や情報化の進展度等を踏ま えて、主体的に取り組むべきものであります。(「新電子自治体推進指針」より) 図表[2-17] 我が国の ICT 戦略と電子自治体推進指針の展開 (総務省「新電子自治体推進指針」より) *Web 2.0:旧来は情報の送り手と受け手が固定され送り手から受け手への一方的な流れであった状態が、送り手と 受け手が流動化し誰でもがウェブを通して情報を発信できるように変化した web の利用状態のこと。 21 (4)福岡県のICT戦略 福岡県においては、県産業の継続的発展と県民生活の更なる向上を実現するため、平成14年に 「ふくおかIT戦略」を策定し、『ふくおかギカビットハイウェイ』の構築や、『高度IT人材ア カデミー』の設立、電子県庁の構築などの成果を上げてきました。 現在、IT産業の更なる成長や、人口減少・少子高齢化とグローバル化など、社会情勢が変化す る中、福岡県が持続的に発展するためには、生産性の向上や付加価値の源泉となるイノベーション の推進が不可欠となっています。 そのためには、異分野が協働・融合し(共創)、また、生活者のニーズを先取りしながら(先駆)、 新たな商品やサービスを生み出す戦略を立て、さらに情勢に応じ戦略を改訂していく(成長)こと が重要となります。 このため、「共創」「先駆」「成長」 の3つの視点で、平成20年3月「新ふくおかIT戦略」 が策定されています。(「新ふくおかIT戦略」より) 図表[2-18] 新ふくおかIT戦略の重点的な取組 * (福岡県「新ふくおか IT 戦略」より) *ユビキタスネットワーク:あらゆるところで利用可能なネットワーク。 22 第 3章 本市に おける 情報化 の現状 と課題 1.本市における 本市における情報化 における情報化の 情報化の現状と 現状と市民ニーズ 市民ニーズ (1)本市における情報化 における情報化の 情報化の現状 ①ブロードバンドの ブロードバンドの整備状況 * 本市の情報通信基盤は、ブロードバンドと呼ばれているADSL回線、ケーブルテレビ回線、光 回線など、一定の情報通信ネットワークは整備されていますが、超高速ブロードバンドの世帯カバ ー率は79.1%(平成21年度末現在)となっています。 しかし、一部地域(善導寺町の一部、大橋町、草野町、山本町、田主丸町、北野町、城島町、三 潴町)では、動画の視聴や企業での利活用に必要となる安価で高速大容量の光回線やケーブルテレ ビ等の超高速ブロードバンドを利用することができない状況です。(図表[3-1]) 図表[3-1] ブロードバンドマップ(福岡県) (出典) 総務省 九州総合通信局 *ADSL 回線:既設のアナログ固定電話回線を使った高速デジタル通信を行う通信回線。 24 ブロードバンドマップ ②インターネット利用状況 インターネット利用状況 平成21年の市民意識調査によると、久留米市民のインターネット利用状況は52.8%とな っております。携帯電話からのインターネット利用者を含めると72.2%となっており、平成 17年度の調査と比較すると利用率の推計で20ポイント増加しており、インターネット利用が 着実に進展していると考えられます。携帯電話からのインターネット利用者は66.2%となっ ており、身近なツールでのインターネット利用がなされていることが伺えます。 (図表[3-2] また、家庭のパソコンでのインターネット接続は、7割以上の人がADSLを含むブロードバ ンドを利用しており、ブロードバンドの普及が進んでいることが伺えます。 (図表[3-3]) 図表[3-2] 久留米市のインターネットの利用状況 携帯電話以外からの インターネット利用者 【52.8%】 携帯電話 以外のみ 【6.0%】 携帯電話からの インターネット利用者 【66.2%】 携帯電話 からのみ 【19.4%】 携帯電話と携帯電話以外 併用 【46.8%】 久留米市の 久留米市の インターネット (ホームページ閲覧や メールの送受信など) 利用割合 【72. 72 .2% 】 無回答 【4.3%】 インターネットをしない 【23.4%】 全 体(N=1,796) 図表[3-3] 家庭のパソコンでのインターネット接続回線 その他 0.3% パソコンに 接続して使う 携帯電話回線 0.5% わからない 4.7% 無回答 1.3% 電話回線 (ダイヤルアップ) 14.1% ISDN回線 4.7% 光回線 (FTTH回線) 38.7% ADSL回線など 28.8% n=758 ケーブルテレビ回線など (CATV回線) 6.9% 25 ③久留米市ホームページ 久留米市ホームページの ホームページの閲覧状況 久留米市民の久留米市ホームページの閲覧状況は、平成21年の市民意識調査によると、「何 回かは見たことがある」を含めて、利用しているのは、29.1%となっており、約70%の人 は利用していないという調査結果となっています。 (図表[3-4]) しかし、久留米市ホームページのアクセス件数は、毎年、確実に増加しており、今後も増加の 傾向は続くと思われます。 (図表[3-5]) 図表[3-4] 久留米市のホームページの閲覧状況 久留米市のホームページの閲覧状況 よく見ている (週1回以上) 1.5% ときどき見ている (月に1回以上) 5.8% 無回答 6.7% わからない 4.6% 何回かは 見たことがある 21.8% 見たことはない 59.6% N=1,796 図表[3-5] 久留米市ホームページ(トップページ)の年間アクセス件数の推移 久留米市ホームページの年間アクセス件数の推移 1,000,000 900,000 851,464 918,398 933,090 H20 H21 846,791 800,000 705,583 700,000 600,000 546,855 500,000 432,067 400,000 300,000 262,548 200,000 169,112 100,000 8,653 107,045 34,096 61,651 0 H9 H10 H11 H12 H13 H14 26 H15 H16 H17 H18 H19 図表[3-6] 久留米市ホームページのカテゴリー毎のアクセス件数(平成 21 年度) ※アクセス件数は、各カテゴリーにおけるインデックス(目次)ページのアクセス件数の合計です。 ホームページは、インターネットの社会基盤としての重要性が増しており、行政サービスの入 り口としての役割も重要なものとなっています。 * 障害者や高齢者も含めたあらゆる人々がサービスを利用できること、すなわちアクセシビリテ ィを確保し、ホームページの充実を図ることが重要となっています。 *アクセシビリティ:アクセシビリティは接近できること・入手可能なことなどの意。障害の有無や年齢などの条 件に関係なく,だれもが同じようにインターネット上で提供される情報を利用できること。また,ウェブページ に対するアクセスと利用のしやすさの度合いをいう。 27 (2)市民の 市民のニーズ 平成21年に実施された市民意識調査において、特に力を入れて欲しい行政施策は、「地域医療 体制の充実」、 「労働・雇用対策」、 「高齢者福祉の充実」、 「子育て支援体制の充実」を求める声が特 に多くなっています。 直接、情報化に関する「高度情報都市づくり」は32位となっていますが、特に力を入れて欲し い行政施策のほとんどは、情報化の取り組みを行うことで、大きな効果が期待できます。(図表 [3-7]) 図表[3-7] 『重要』、『不満』の割合と、「特に力を入れて欲しい」割合 『重要』 の割合 (%) ( 20) 20 ) 地域医療体制 の充実 93.1 ( 27) 27 ) 労働・ 労働 ・ 雇用対策 88.7 『不満』 の割合 (%) 26.5 「特に力を入れて欲しい」割合 0 10 23.3 23.1 53.1 ( 22) 22 ) 高齢者福祉 の充実 88.8 35.5 ( 17) 17) 子育て 子育て支援体制 の充実 86.3 34.7 ( 7 ) 防犯対策 94.6 42.9 22.4 20.6 17.3 15.4 ( 2 ) 生活道路や 生活道路 や側溝 の整備 90.9 46.9 ( 23) 23 ) 広域幹線道路 の整備 73.3 37.9 10.7 10.1 ( 6 ) 消防 ・ 救急救命対策 93.6 17.5 (18) 18 ) 青少年健全育成 86.7 36.5 9.2 ( 26) 26 ) 農業振興対策 82.3 39.0 8.6 (24)商工業振興対策 74.0 42.3 8.3 (4)生活排水処理の整備 89.7 29.6 8.2 7.2 (5)防災対策 87.7 21.6 (9)ごみ処理対策 92.4 28.6 7.2 (30)公共交通網の整備 80.9 37.2 6.8 (33)市民サービスの向上や効率的な行財政改革 79.2 37.4 6.6 (19)健康づくり対策 87.8 26.4 (10)公園や広場の整備・充実 80.1 35.2 (21)障害者福祉の充実 84.1 25.9 6.5 5.5 5.3 4.5 (11)バリアフリー化対策 85.4 42.7 (16)スポーツ・レクリエーション推進体制の充実 67.7 26.3 4.3 3.9 (25)企業の育成・誘致 68.5 31.8 (1)四季のイベントの振興 70.5 12.1 (3)水辺空間の整備 82.2 31.5 3.1 3.2 (32)市民と行政の協働によるまちづくりの推進 70.6 29.8 2.7 (8)環境美化対策 90.0 32.4 2.2 (12)基本的人権確立施策の充実 66.0 18.9 2.2 (29)観光・コンベンションの振興 55.3 24.8 2.2 (14)市民自らが進めるまちづくり活動の振興 65.5 21.6 1.8 (15)文化芸術活動の振興 59.1 19.0 1.6 (28)大学や研究機関の整備 59.6 21.5 1.3 (31)高度情報都市づくり 56.2 23.6 0.7 (13)男女共同参画社会づくり施策の充実 59.5 20.4 0.6 28 30 20 (回答は3つまで) N=1,796 2.課題 近年の低迷を続ける経済不況や政権交代による政策転換等により、ICT施策の方向性についても 見通しが厳しい状況です。こうした厳しい社会状況のなか、国や県の動向と連動しながら、市民の利 便性向上と業務の効率化を推進していく必要があります。 また、以下の課題を踏まえ、効果的な施策を検討し、着実な取組を行っていく必要があります。 ❏ 情報格差の解消 ICTの進展に伴い、パソコンやインターネットなどの情報技術を使いこなせる人と使いこなせな い人との間に生じる情報格差が新たな課題となっています。 情報化の推進にあたっては、年齢、地域、障害の有無などにかかわらず、誰もがICTの恩恵を享受 できるように、情報リテラシーの向上や情報提供のバリアフリー化など、情報格差に十分配慮し、そ の解消と是正に取り組んでいく必要があります。 ❏ 情報の受発信 これまでのインターネットの活用については、ホームページによる行政情報の提供を中心に行っ てきました。今後は、提供情報の内容を充実させるとともに、双方向性を生かすなど情報通信ネッ トワークの機能をフルに活用した情報の受発信に努め、行政サービスの充実を図っていく必要があ ります。 ❏ 電子市役所への対応 電子市役所を目指すには、住民向けにインターネットを使ったサービス(電子申請や施設予約な ど)の構築・拡充を進めていく必要があります。また、住民のニーズと運用コストを比較した効果 について検証していくことも重要です。このことを踏まえて、今後も24時間、いつでもどこから でも利用でき、誰もが便利だと実感できる行政サービスの実現を目指していく必要があります。 ❏ 情報処理システムの全体最適化 ホストコンピュータによる集中処理からC/Sによる分散処理への移行が進む中、ホストコンピ ュータの使用率が低減し、運用コストが問題となっています。 また、業務間連携の複雑化、法制度改正に伴う改修費用及び作業量の増大といった課題を解決す るためにも、情報処理システムの全体最適化が必要となっています。 ❏ 次世代情報通信基盤の整備 高度情報社会の進展が著しい今日、地域の産業活性化、観光振興、雇用拡大、コミュニティの活 性化を図るためには、超高速大容量のブロードバンドの整備が必要不可欠となっています。 29 第 4章 基本方 針と施 策の展 開 1.基本方針 地域主権が進み、地域が個性を競い合うなか、久留米市は地域の中核都市としての高次都市サ ービス機能の強化・充実を図るため、情報化を効果的に活用し、個性ある魅力的な地域づくりを 行っていきます。 また、情報格差のない社会の実現と、24時間、いつでも、どこからでもネットワークに繋が るデジタル社会の構築により、誰もがICTの恩恵を享受できる社会の実現を目指します。 ICT を利活用した個性ある魅力的な地域づくり 2.情報化ビジョン 情報化ビジョン 本計画を実施するにあたっては、次の4つのビジョンをもって進めていきます。 ❏ICTを活用した人本位のまちづくり <人> 市民一人ひとりの生活に思いを寄せながら、未来の久留米を担う人づくり、人権尊重、男女 共同参画社会づくり、市民が躍動する地域づくりなど、ICTを活用して、市民本位、人本位 のまちづくりの支援を行っていきます。 ❏ICTを活用した安全・安心のまちづくり <安心> ICTを利活用することにより、日々の生活の基盤となる雇用、健康、福祉、環境を守ると ともに、防犯、防災、暴力追放などを推進し、安心して笑顔で暮らせるまちづくりを情報化で 支えていきます。 ❏ICTの利活用による地域社会の活性化 <活力> 地域経済の活性化、広域的な都市求心力の回復に取り組むなかで、ICTの利活用による地 域社会の活性化を図り、将来ともに定住できる自立した豊かな都市圏の形成を目指していきま す。 ❏ICTを活用した効率的な行政運営 <行政運営> ICT利活用のさらなる推進により、行政サービスの高品質化を目指し、市民満足度の向上 を図っていきます。 31 3.施策の 施策の体系 基本方針 ICT を利活用した個性ある魅力的な地域づくり 情報化ビジョン 情報化ビジョン 施策の 施策の体系 教育・子育て分野の 情報化の推進 学校教育における情報教育環境の充 実を図るとともに、ICTを活用し た子育て支援を行う。 <人> ICTを活用した 人本位のまちづく り <安心> 安心> 保健・医療・福祉分 野の情報化の推進 市民の安全で安心 な暮らしを支える 情報化 総合的な健康・医療情報システム整 備など、保健・医療・福祉分野での 情報化の充実を図る。 誰もがいつでもどこでも安心して生 活できる環境の実現を目指す。 ICTを活用した 安全・安心のまちづ 文化・観光分野にお くり けるICT利活用 地域産業のICT <活力> 活力> 活用推進 ICTを利活用した図書館づくり や、地域文化デジタルコンテンツ化、 観光情報の発信などを実現する。 農業分野や農商工連携、雇用創出な ど、地域の産業活性化に役立つ情報 化を目指す。 ICTの利活用に よる地域社会の活 性化 <行政運営> 行政運営> ICTを活用した 市民との協働と積 極的な情報発信 行政事務サービス の拡充と効率化 市民と行政の協働を推進するととも に、市民にとって利便性の高い行政 情報の共有化を目指す。 行政サービスを充実し、市民に役立 つ業務の効率化・高度化を目指す。 効率的な行政運営 情報通信基盤の 整備 32 情報格差のない情報通信基盤を確立 する。 4.施策の 施策の展開 ①教育・ 教育・子育て 子育て分野の 分野の情報化の 情報化の推進 少子化、高齢化、国際化、情報化など、さまざまな社会の変化が子ども達に大きな影響を及ぼ しており、これらの社会変化に対応した教育・子育ての充実が求められています。 情報化時代の教育は、コンピュータを操作する能力だけでなく、情報の持つ意味を理解し、そ れを使いこなす能力を身につけさせるものでなくてはなりません。 学校教育における情報教育環境の充実を図るとともに、情報を使いこなす能力を身につけさせ る教育を行っていきます。また、安心して、楽しく子育てが出来るように、情報弱者への配慮を 行いながら、ICTを活用した子育ての支援を行っていきます。 主な取組項目 ○小・中学校におけるインターネット通信環境の充実 ○小・中学校におけるICTを活用した教育環境の充実 ○市立高等学校におけるICTを活用した授業環境の充実 ○教員のICT活用能力の育成 ○学校におけるウィルス対策体制の充実 ○学校における情報モラルの徹底 ○インターネットリテラシー教育の充実 ○子育て情報サイトの構築 など ②保健・ 保健・医療・ 医療・福祉分野の 福祉分野の情報化の 情報化の推進 地域社会において、高齢者や障害者を含む全ての市民が、住みなれた環境の中で自立した社会 生活を営むことが出来るように、地域での支援や、保健・医療・福祉の連携による総合的なサー ビスの実施が求められています。 地域での総合的なサービス提供を目指すため、情報発信を充実させ、健康・医療・福祉の情報 化の充実を図ります。また、情報バリアフリーにおいても、情報弱者への配慮を行いながらIC Tを活用し、ノーマライゼーションの意識向上を図っていきます。 主な取組項目 ○ICTを活用した情報バリアフリーの推進 ○ICTを活用したバリアフリーマップの作成 ○地域保健・医療情報発信の充実 など 33 ③市民の 市民の安全で 安全で安心な 安心な暮らしを支 らしを支える情報化 える情報化 都市整備における防災機能への配慮はもちろん、災害からの安全確保といった視点から、情報 の収集、伝達体制の整備を行い、ICTを活用した災害に強い安全なまちづくりを進めていく必 要があります。また、犯罪や事故のない明るいまちづくりを目指し、住民生活の安全・安心を確 保するためのICT活用についても検討する必要があります。 ICTを利活用して、情報弱者への配慮を行いながら、防災機能及び災害からの安全確保に関 する情報の収集、伝達体制の整備を行うとともに、地球環境の保全に向けた低炭素社会・資源循 環型社会を構築していくため、効果的な情報発信に努めていきます。 主な取組項目 ○防災情報ネットワークの整備 ○災害時要援護者名簿システムの構築 ○環境関連の情報発信の充実 ○不法投棄監視カメラシステムの最適化 など ④文化・ 文化・観光分野における 観光分野におけるICT におけるICT利活用 ICT利活用 文化・観光の分野においては、心豊かな市民生活の実現と魅力ある都市づくりに資するため、 積極的なICTの利活用による事業の推進を図っていくことが求められています。 九州新幹線の全線開業を踏まえた観光振興施策を推進するため、ホームページなどのICTを 活用し、久留米市内の魅力ある観光資源やイベントについて、効率的でタイムリーな情報発信を 行います。 また、郷土の歴史を伝える市民共通の財産である各種文化財の保護及び利活用についても、電 子博物館などのICTの活用により、身近に郷土の先人たちの営みに触れ合う機会をつくること で、より一層の郷土愛とアイデンティティを育み、地域文化の継承に役立てていきます。 さらには、情報弱者への配慮を行いながら、多種多様化した市民の学習ニーズ、教養・知識の 向上に資するため、広域的にネットワーク化された近代的な図書館づくりを目指していきます。 主な取組項目 ○図書館ICタグ利用の推進 ○ICTを活用した図書サービスの充実 ○電子博物館サイトの構築 ○ICTを活用した観光情報発信の充実 など 34 ⑤地域産業の 地域産業のICT活用推進 ICT活用推進 商工労働分野においては、中小企業の事業活動や働きやすい職場づくりを支援するために、I CTを活用した取組を進めていく必要があります。 農政分野においては、農業生産地である本市の特徴を活かした農業の情報発信等により、市民 に対し、農業の持つ基本的な役割を周知し、地域農業への市民理解の促進を図る必要があります。 また、農商工連携においては、地域に根ざした農業や商工業が、産業の壁を越えて連携し、互 いのノウハウ・技術等を活用することで、新商品開発や販路開拓を促進し、地域経済の活性化を 図るため、広く市民に周知する必要があります。 そのため、農業分野でのICTを活用した積極的な情報発信や中小企業への支援に関する情報、 働きやすい職場づくりを推進するための情報を発信するなどICTを活用した取組を充実させ ていきます。 主な取組項目 ○農業に関する情報発信の充実 ○ため池管理台帳の電子化による地域資源の利活用 ○農商工連携ホームページの構築による地域産業の活性化 ○仕事と子育て両立支援推進に関する情報発信 など ⑥市民との 市民との協働 との協働と 協働と積極的な 積極的な情報発信 個人個人が尊重され、それぞれが主体的に活動しながら、その個々の活動がお互いに連携して いくネットワーク型の地域社会づくりには、市民との協働がますます重要となっています。協働 によるまちづくりではお互いが対等な立場で目的を共有し、それぞれの特性や立場を理解し合う ことが重要です。また、市民の主体的・自発的な地域活動、社会的課題への取組を支援する視点 も欠かせません。そのためには市民・行政双方の情報の受発信が円滑に行われる必要があります。 市民にとって利便性の高い情報の受発信に積極的に努めていきます。また、情報弱者への配慮 を行いながら情報リテラシー向上のための継続した取組を実施していきます。 主な取組項目 ★久留米市公式ホームページの充実 ○汎用的なメールマガジンシステムの構築 ○ケーブルテレビを活用した行政情報の発信 ○ボランティア情報ネットワークシステムの拡充 など (★は重点取組項目) 35 ⑦行政事務サービス 行政事務サービスの サービスの拡充と 拡充と効率化 拡大する行政サービスに対応するためには、ICTの活用が不可欠です。また、オンラインサ ービスである電子申請や公共施設予約システムについては、住民が利便性を実感できるものとは なっていなく、その利便性をさらに向上し、市民が広くその便益を享受できることが求められて います。 行政機能を、インターネットを通じて、24 時間、365 日、いつでもどこからでも誰もが簡便か つ安全に行政サービスを受けることができ、その便益をひろく享受することを可能とするしくみ を、情報弱者への配慮を行いながら構築していきます。また、次世代を見据えたシステム全体の 最適化など、将来に向けた効率的な情報システムの構築を図っていきます。 主な取組項目 ○公共施設予約システムの利活用 ○電子申請システムの拡大 ○地方税ポータルシステム(エルタックス)の利用範囲の拡大 ○電子入札・調達システムの導入 ★情報処理システム全体最適化 ○統合型地理情報システム(GIS)の利活用 ○庁内イントラネットの活用推進 ○情報セキュリティポリシーの適切な運用 など (★は重点取組項目) ⑧情報通信基盤の 情報通信基盤の整備 産業の活性化、雇用拡大、観光振興、コミュニティの活性化を図るため、市内全域に超高速ブ ロードバンドを整備するとともに、地上デジタル放送への対応など情報格差のないICT基盤を 確立していきます。 主な取組項目 ★情報通信ネットワーク網の整備 ○地上デジタル放送への対応 など (★は重点取組項目) 36 :新たなシステム導入・構築 5.久留米市新情報化推進計画 全体イメージ :システムの充実・機能拡張 :既存システム ICT を利活用した個性ある魅力的な地域づくり 基本方針 :その他の取組 ★ 情報化 ビジョン ICTを活用した人本 位のまちづくり ICTを活用した安 全・安心のまちづくり 市民の安全で安心な暮ら の情報化の推進 情報化の推進 しを支える情報化 子育て情報サイト 防災情報ネットワーク 地域保健・医療情報発信の充実 学校 校内LAN ICTを活用した効率 的な行政運営 保健・医療・福祉分野 教育・子育て分野の 教育環境の充実 ICTの利活用による 地域社会の活性化 :重点取組項目 情報モラルの徹底 災害時要援護者名簿システム 病院 ICT活用能力の育成 情報バリアフリーの推進 環境関連の情報発信の充実 インターネット通信環境の充実 インターネット網・CATV網 地域産業のICT 文化・観光分野に 活用推進 おけるICT利活用 農業に関する情報発信の充実 観光情報発信の充実 図書検索・予約システム 情報通信基盤の整備 電子博物館 ★情報通信ネットワーク網 農商工連携ホームページ 仕事と子育て両立支援推進に関する情報発信 地デジ放送 市民との協働と 行政事務サービス 積極的な情報発信 の拡充と効率化 メールマガジン ★情報処理システム全体最適化 インターネット議会中継システム ボランティア情報ネットワーク 議会会議録システム 久留米市役所 電子申請システム 統合型GIS 市民の声トータルシステム eL-Tax 出退勤システム ★久留米市公式ホームページ 公共施設予約システム 財務会計システム 自動交付機 電子入札・調達システム LG-WAN 6.情報化の推進にあたっての留意点 情報化を推進するにあたっては、次の点を意識するとともに十分留意して、各施策を展開していき ます。 ❏情報化社会の弊害(デメリット)に対する認識 情報化社会の進展にはメリットだけではなく、デメリットもあります。情報化社会の光の部 分と影の部分とを十分に認識し、常に強く意識して各事業を進めていくことが重要です。特に、 ネット犯罪、人間関係の希薄化、疑似体験の増加やインターネットによる有害情報、セクハラ、 いじめや差別などの影の部分が指摘されており、これらの弊害に対しては社会全体での取り組 みが必要であることの認識を持って各事業を進めていきます。 ❏ 情報セキュリティに対する留意 ICTの進展により、新たな脅威への対応や安心して利用可能な環境の構築といった視点が 重要となっています。個人情報を含むデータ漏洩や情報資産に対する不正な侵害、災害、事故 等の脅威などを認識し、物理的、技術的、人的対策などの情報セキュリティに十分留意して情 報化を進めていきます。 ❏ 情報弱者に対する配慮 様々な理由から、パソコンやインターネットをはじめとする情報・通信技術の利用が困難な 状況にある人(情報弱者)がいます。情報化を推進するにあたっては、情報格差を十分に認識 し、その解消と是正に取り組んでいくとともに、情報弱者に配慮した施策の展開を進めていき ます。 ❏ 社会経済環境への対応 本格的な人口減少・少子高齢化社会とグローバル社会が進展し、急激に社会情勢が変化する なか、IⅭTは中核市としての本市が持続的に発展するための有効な手段となりうるものです。 IⅭTを市民のニーズに的確に応える手段として、国・県などの動向を見極めながら、あら ゆる市民生活の場へ広く浸透させていくとともに、地域経済・産業へ応用していくことが重要 となります。 ❏ 行政改革の推進 市役所そのものも、ユビキタスネット社会に対応した利便・活力・効率を実現できる電子自 治体へと変化する必要があります。 市民と行政との協働体制と仕組みの構築、行政情報のタイムリーな提供、市民との双方向の 情報交換体制の構築、窓口部門の体制、機能の見直しなど、行政改革の視点を持って、市民の 利便性向上と行政の簡素化・効率化を進めていきます。 38 第 5章 計画の 推進に あたっ て 1.情報化の 情報化の推進体制 情報通信技術の飛躍的発展とインターネットに代表される情報通信ネットワークの急速な普及に よる社会・経済構造の変化に対応した豊かな市民生活の実現を目的として、久留米市が実施する情報 化施策を迅速かつ重点的に推進するための体制の整備について必要な事項を定めるものとして「久留 米市高度情報化戦略の推進体制の整備に関する規程」を定めています。 久留米市IT 久留米市IT戦略推進体制 IT戦略推進体制 IT 戦略推進統括会議 方針反映 IT 戦略推進本部 IT 戦略会議 IT 戦略推進委員会 情報化推進委員 ・・・検討 ・・・検討 ・・・検討 ・・・検討 WG WG WG WG ・ は、非常置 40 ・ ・ ・ ▤IT戦略推進統括会議 統括会議は、統括者である市長以下、副市長、企画財政部長、総務部長で構成します。 IT戦略に関する基本的な方針を決定し、その方針に基づく情報化施策の進ちょく状況を 総括します。 ▤IT戦略推進本部 IT戦略推進本部は統括会議で決定した基本方針に基づく情報化施策を総合的かつ計画 的に推進するために置かれ、以下の事務を所掌します。 ・情報化施策の基本方針の確立に関すること。 ・久留米市高度情報化戦略推進計画(以下「IT戦略推進計画」という。)の策定及びそ の推進に関すること。 ・その他情報化施策の推進のために重要な事項に関すること。 IT戦略推進本部は、副市長、教育長、企業管理者、企画財政部長、総務部長、会計管 理者、部局等の長などをもって構成します。本部長は副市長となります。 ▤IT戦略推進委員会 IT戦略推進本部の下にIT戦略推進委員会が置かれます。推進委員会は、推進本部の 所掌事務のうち、主に次に掲げる事項を処理することとなっています。 ・電子計算機を使った業務の新規開発及び重要な情報システムの変更について調査審議 すること。 ・庁内 LAN 及び外部とのネットワークの接続並びにインターネットに係る運用管理に ついて調査審議すること。 IT戦略推進委員会は、企画財政部長、総務部長、企画調整課長、財政課長、行政改革 推進課長、人事厚生課長、情報政策課長、部局等の次長などをもって構成します。委員長 は企画財政部長、副委員長は総務部長となります。 ▤情報化推進委員 情報化の推進を図るため、各部に情報化推進委員を設置します。情報化推進委員は、情 報化の推進について、次に掲げる事務を処理します。 ・その属する部における情報施策の調整に関すること。 ・その属する部における情報施策の実施に関し、必要な指導、助言を行うこと。 ▤ワーキンググループ IT戦略推進計画に係る専門的事項及び各部にわたる横断的な処理を要する事項に関 し、調査、研究及び検討の作業を行うため、推進委員会にワーキンググループを設置しま す。 41 2.進行管理 計画の進行管理については、具体的な行動計画であるアクションプランにおいて、施策ごとに具体 的な目標・目的を明確にし、その実施結果を検証・評価する計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、 改善(Act)のプロセスを順に実施する PDCA サイクルを構築することにより、市民ニーズにどのよう に寄与したかという成果を重視した効率的・効果的なICT施策の実現を目指します。 また、各施策については、事業の効率性や効果、市民の満足度などの視点で充分に評価を行い、財 政状況を踏まえながら実施していきます。 Plan ① 目標値とスケジ ュールの設定 Do ② Act 施策の実施 ④ 見直し Check ③ 達成状況の 確認・評価 42 資 料 編 資料1 情報化計画の経緯 資料2 地域情報化のこれまでの取組 資料3 行政情報化のこれまでの取組 資料4 久留米市高度情報化戦略の推進体制の整備に関する規程 資料5 用語説明 資料1 情報化計画の経緯 平成9年10月 「久留米市行政情報化基本計画書」策定 平成12年6月 「久留米市情報化推進計画書」策定 平成14年4月 「久留米市IT戦略アクションプラン」策定 平成18年5月 「久留米市情報化推進計画書(平成12年6月策定)」改定 平成18年5月 「久留米市IT戦略アクションプランⅡ」策定 平成22年 「久留米市新情報化推進計画書」策定 平成22年 「久留米市ICTアクションプラン2010」策定 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 情報化推進 久留米市情報化推進計画書 (H12~H21) (改訂) 久留米市情報化推進計画書 改訂版 (~H21) IT戦略アクションプラン (H14~H16) 久留米市新情報化推進計画書 (H22~H26) アクションプラン (前期) IT戦略アクションプランⅡ (H18~H21) アクションプラン (後期) (H17まで継続) 総合計画 基本構想 (H13~H37) 第1次基本計画 (H13~H22) (見直し) 第2次基本計画 (H17~H26) 行政改革 財政構造改善計画 (H11~H15) 経営改革プランACT21 (H15~H17) 新行政改革行動計画 (H17~H21) 44 久留米市行政改革行動計画(平成22年度~平成26年度) (H22~H26) 資料2 地域情報化のこれまでの取組 本市の地域情報化への取り組みは、昭和60年11月に策定した「久留米テレトピア計画」に基 づき、久留米・鳥栖広域情報(株)(昭和60年12月設立)や(株)ケーブルテレビジョン久留 米(昭和63年8月設立。現(株)CRCCメディア)などの第3セクターを立ち上げ、情報通信 技術を活用した高度情報社会の構築に向けた取り組みを開始することからスタートしました。 平成6年には地域の産・学・官による「久留米・鳥栖地域ネットワーク研究会」を発足し、地域 の大学を中心にインターネットに関する調査・研究を開始しました。その後、組織を任意の協議会 とし、より具体的にインターネット接続環境の整備に取り組み、平成8年には市単独の補助事業と して協議会を事業主体とした地域プロバイダー事業を開始しました。同時に庁舎内に市独自のホー ムページサーバーを立ち上げ観光などの情報発信を開始しました。 また、平成10年12月にはコミュニティFM局が開局し、平成11年6月には(株)ケーブル テレビジョン久留米によるCATVインターネット事業が始まりました。 平成15年にはコミュニティFM局のサテライトスタジオを市の中心商店街にある六角堂広場に開 設しました。 このように、インターネット、CATV、コミュニティFMといった各種メディアの基盤整備に 取り組み、いち早くブロードバンド時代を迎えました。 次の段階として、平成11年度より図書館情報ネットワークシステムをスタートさせ、インター ネットによる蔵書検索などを可能にしました。平成12年度には生涯学習事業を核とした地域の人 材やイベント情報、地域の企業情報、久留米の花であるつつじ情報など多様な地域情報のデータベ ース化に取り組むとともに、文化・体育施設の予約案内システムなどをスタートさせ、自宅にいな がらにしてあらゆる地域情報が入手できる「えーるネット久留米」と呼ぶ地域イントラネットを構 築しました。平成13年度には「ICカードの普及等によるIT装備都市研究事業」に参画し、新 総合計画に掲げる高度医療福祉都市実現に向けての第一歩として、多機能ICカードを活用した「健 康保険資格確認」、「介護保険電子申請」、「健康づくり支援(検診情報参照システム)」の3つ の実証実験に取り組みました。 また、国の e-Japan 戦略に基づき平成14年8月の住基ネットを手始めに、総合行政ネットワー ク接続、公的個人認証サービス開始などに取り組み、電子自治体を構築する上での基盤を整備しま した。 45 ○情報通信基盤の整備 年月 昭和60年11月 主な取組内容 郵政省テレトピアモデル地域指定 「久留米テレトピア計画」に基づき、第3セクターを設立。ビデオテックスや パソコン通信など地域での双方向通信業務を行う久留米・鳥栖広域情報(株)(昭 和60年12月)、都市型ケーブルテレビの(株)ケーブルテレビジョン久留米 (昭和63年8月)。 平成8年4月 地域プロバイダー事業開始 久留米・鳥栖地域インターネット協議会(平成6年6月設立)により地域プロ バイダー事業を開始。地域に低価格・高品質のインターネット接続環境を整備。 ※平成10年4月より、第3セクターの久留米・鳥栖広域情報(株)にプロバイ ダー事業を移管 平成8年9月 CATVインターネット実験開始 「久留米情報みらい21研究プロジェクト」を立ち上げ、放送を目的に敷設さ れたCATV網を、大容量・常時接続の通信網として使うための課題整理、実用 化研究を実施。 ※平成11年6月、第3セクターの(株)ケーブルテレビジョン久留米により事 業化 平成10年12月 コミュニティFM開局 平成10年6月、第3セクター(株)くるめシティエフエムを設立。同年12 月、放送開始。 平成15年6月 コミュニティFMサテライト開設 久留米市六角堂広場内にサテライトスタジオを開設。 平成15年11月 LGWAN接続 総合行政ネットワークシステム(LGWAN)との接続開始。 平成16年1月 公的個人認証サービス開始 住民基本台帳カードを利用した公的個人認証サービスがスタート。 電子証明書を添付することで本人確認を公的に行い、安全に申請手続きなどがで きるようにするもので、行政機関への申請手続きなどが、自宅のパソコンからイ ンターネットを通じてできるようになる。 平成19年3月 サービス未提供地域におけるCATV環境を整備 情報格差是正と地域の活性化のため、サービス未提供地域の一部についてケー ブルテレビによる環境整備を行う。 ※第3セクターの(株)ケーブルテレビジョン久留米により整備を実施 平成22年3月 ICT基盤整備事業着手 田主丸、北野、城島、三潴地域の情報通信基盤整備事業に着手。 46 ○行政サービスの情報化 年月 平成8年4月 主な取組内容 広聴フィードバックシステムを開始 市民の声のデータベース化を行い、各部局からの情報の入力や利用が可能な全 庁的なネットワークを構築。 平成8年4月 インターネットによる情報発信を開始 市にインターネットサーバーを設置し、インターネットによる情報発信を開始。 観光情報、競輪情報、広域圏情報、職員採用、工業団地紹介など通常の情報発信 の他、会議の議事録の公表や各課メールアドレスの公表など先進的な取組も実施。 平成10年4月 情報提供メディアの多様化 CATVによる広報を開始。同年12月からはコミュニティFMによる情報提 供を開始。 平成11年2月 自動交付機導入 自動交付機による住民票、印鑑証明等の発行サービスを開始。 平成11年4月 図書館情報ネットワークシステムスタート 久留米市民図書館所蔵の図書の検索、貸出状況の照会、貸出・返却処理などが 利用者端末機から利用可能に。蔵書検索や新着本紹介などはインターネットによ り自宅などからも利用可能。 平成13年5月 「えーるネット久留米」 生涯学習をはじめとするさまざまな機能を有する複合施設「えーるピア久留米」 を中核的な情報センターと位置付け、市役所や公共施設、第3セクター、久留米 広域市町村圏内の自治体によって構成される地域イントラネット「えーるネット 久留米」を構築。 平成14年3月 「IC カードの普及等による IT 装備都市研究事業」実証実験開始 IC カードを活用したサービスとして、14 年3月より介護保険電子申請・健康情 報サービス、同9月より国民健康保険資格確認の実証実験を行った。 平成14年8月 「住民基本台帳ネットワーク」開始 住民基本台帳ネットワークシステム(いわゆる住基ネット)を開始。 恩給などの行政手続きの際に住民票の提出が不要になったり、法律で定められた 事務を行う際に市役所などに出向いたり、証明を受けに行く負担が軽くなる。 平成15年8月 住基カードの発行開始 平成 15 年 8 月から住民基本台帳カードの交付及び住民票の広域交付サービス開 始 平成18年10月 電子申請システムの導入 ふくおか電子自治体共同運営協議会の簡易申請システム「ふくおかネット申請」 を導入 平成21年4月 施設予約システムのリニューアル えーるネット久留米で稼動していた施設予約システムをリニューアル 47 資料3 行政情報化のこれまでの取組 本市では、昭和40年度に税関系の業務について委託による電算処理を開始し、昭和43年度に ホストコンピュータを自己導入しました。その後、昭和52年度に税務行政トータルシステムが稼 動し、平成6年度に市民窓口システム(住民記録、印鑑、国保、年金など)の漢字オンライン化を 構築し、主な基幹業務についてのシステム化が完了しました。 また、C/S方式のシステムとしては、平成11年度に介護保険システム、平成14年度に住民基 本台帳ネットワークシステム、戸籍システムが稼動しました。 その後、税賦課システム(固定資産税、市県民税、国保料)の再構築や法改正、制度改正による システム改修、平成17年2月5日の1市4町の合併に伴うシステムの統合や不均一課税に対応し てきました。平成19年度からは、新税収滞納証明システムがC/S方式として稼動し、ホストコン ピュータとの間で、宛名、税情報の連携や大量帳票出力のための処理を行っています。 現在は、18の基幹系業務システムがホストコンピュータ上で稼動し、40の業務システムがC/S 方式で稼動しています。 さらに、庁内LANパソコンの『必要な職員に1人一台』が整い、電子メール、グループウエア を始めとしたイントラネットに活用しています。 ○現行システム一覧 C/Sシステム 基幹系システム(汎用コンピュタ) No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 業 務 名 住民記録 印鑑登録 外国人登録 宛名システム 国民健康保険料 国民年金 固定資産税 市県民税 軽自動車税 公費医療(乳、障、ひとり) 農家台帳 カード管理 口座管理 指定統計・汎用統計 住民管理・住管利用 住居表示 選挙 敬老祝金 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 業 務 名 介護保険 戸籍 住基ネット 自動交付機 財務会計 下水道(受益者負担金) 市営住宅 保育料 児童手当 児童扶養手当 生活保護 障害者(支援) 保健情報 高額療養費 高齢者表彰 固定資産業務支援 家屋評価 人事・給与・経歴管理 競輪事業従事者給与 契約管理 48 No. 業 務 名 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 法人市民税 公費医療 合併浄化槽(城島) 農業集落排水(田主丸、北野) 課税台帳システム 学籍、就学事務支援 税収滞納証明 歳入事務 選挙人名簿 期日前投票 選挙在外管理 後期高齢者医療 母子寡婦福祉資金貸付 畜犬登録 認定審査会 地域包括支援センター事務処理 在宅介護支援 統合型GIS eltax 出退勤システム ○基幹系システムの変遷 年月 主な開発業務 昭和 43 年 各税賦課業務、ガス、水道 昭和 46 年 住民情報管理、人事給与、住宅使用料、選挙等住民マスター利用 昭和 47 年 財務会計、高等学校授業料、農業共済 昭和 48 年 下水道受益者負担金、指定統計 昭和 49 年 児童手当 昭和 50 年 下水道使用料(4 月)、起債管理(6 月) 昭和 52 年4月 税務行政トータルシステム(カナ) 昭和 53 年4月 失業対策賃金 国民年金オンラインシステム(カナ) 昭和 54 年4月 生活保護 昭和 55 年4月 未納状況照会オンライン 昭和 56 年2月 保育 昭和 57 年4月 農家台帳 昭和 59 年4月 * 昭和 61 年 12 月 図書館 昭和 62 年4月 * 道路台帳、健康保険パソコンシステム 昭和 62 年 10 月 * 法人市民税パソコンシステム 下水道パソコンシステム 昭和 63 年4月 文書管理 平成元年7月 * 家屋評価システム 平成2年1月 * 住宅管理パソコンシステム 平成2年4月 ガス営業管理 平成4年3月 市民窓口システム(1期)開発始まる 平成5年1月 人事・給与システム 平成6年1月 市民窓口オンラインシステム稼動(漢字) (住民記録、印鑑、外国人、宛名、国民年金、国保) 平成6年 10 月 新固定資産税登記オンラインシステム稼動 平成7年2月 新固定資産税課税システム稼動 平成7年4月 公費医療オンラインシステム稼動 * 名寄帳検索システム稼動 平成8年3月 償却資産課税システム稼動 平成8年7月 特別土地保有税システム稼動 平成9年1月 コンピュータ関連機器地震対策(端末含む) 平成9月4月 新軽自動車税オンラインシステム稼動 平成9年9月 * 固定資産業務支援システム稼動 * 契約管理システム稼動 平成 10 年1月 農家台帳システム稼動 平成 10 年 10 月 * 財務会計システム稼動 49 年月 主な開発業務 平成 11 年1月 * 自動交付機稼動 平成 11 年2月 * 障害者支援システム稼動 平成 11 年3月 * 図書館システム稼動 平成 11 年 10 月 * 介護保険システム稼動 * 市営住宅システム稼動 平成 12 年4月 新国民健康保険システム稼動 * 生活保護システム稼動 * 保健情報システム稼動 * 競輪事業従事者給与システム稼動 平成 12 年6月 * 下水道(施設管理)システム稼動 平成 13 年6月 * 選挙(期日前投票)システム稼動 平成 13 年 12 月 * 児童保育システム稼動 平成 14 年4月 * 下水道受益者負担金システム稼動 * 高額医療費システム稼動 平成 14 年5月 * 戸籍システム稼動 平成 14 年6月 * 児童扶養手当システム稼動 平成 14 年8月 * 住基ネット一次稼動 平成 14 年 10 月 * 地番図GISシステム稼動 平成 15 年3月 * 児童手当システム稼動 平成 15 年4月 * 開発行為台帳管理システム稼動 * 農業集落排水システム(北野)稼動 平成 15 年8月 * 住基ネット二次稼動 平成 16 年4月 * 人事経歴管理システム稼動 平成 16 年 11 月 * 法人市民税システム稼動 平成 17 年2月 合併に伴うシステム変更 4町普徴・4町固定システム稼動、 * 農業集落排水(田主丸)、*浄化槽(城島)システム稼動 平成 18 年1月 * 個人市民税課税資料イメージ管理システム稼動 平成 18 年4月 * 包括支援センターシステム稼動 平成 19 年1月 包括アウトソース業務委託開始 * 新税収納・滞納・証明システム稼動 平成 20 年4月 * 後期高齢者医療システム稼動 平成 21 年4月 固定資産税評価統一 平成 21 年 10 月 「業務・システム全体最適化基本計画」策定 ※*印はパソコンやCS(クライアント・サーバー方式)のシステム。それ以外は汎用機処理 50 ○情報系システムの変遷 年月 主な内容 平成7年 11 月 Windowsパソコン30台 を初 めて導 入 平成8年2月 庁内LAN構築、インターネット接続 平成8年4月 久留米市ホームページ開設、電子メール運用開始 平成 10 年 10 月 庁内LANに光ケーブルを導入しギガビットLAN構築 平成 13 年2月 インターネット機器リプレースによりセキュリティ対策強化 平成 13 年6月 Microsoft Office バージョンアップ(95→2000) 平成 14 年6月 課長級職員にパソコン1人一台配布 平成 14 年 11 月 インターネット接続回線速度を128Kbpsから10Mbpsに増速 平成 14 年 12 月 出先機関接続回線速度を64Kbpsから10Mbpsに増速 平成 15 年 10 月 総合行政ネットワーク(LGWAN)接続 平成 16 年5月 グループウェア「くるめ~る」導入 平成 17 年 10 月 必要な職員にパソコン1人一台体制確立(約2,000台) 全職員(学校・保育園等一部を除く)に電子メールアドレス付与 平成 18 年2月 インターネット機器リプレースによりセキュリティ対策強化 平成 19 年6月 セキュリティ向上のためデータ保存を課の PC から全庁サーバへ移行 平成 20 年 10 月 庁内LANサーバ及び庁内LANネットワーク機器リプレース 平成 22 年 1 月 グループウェア「くるめーる」リプレース 51 資料4 久留米市高度情報化戦略の推進体制の整備に関する規程 (趣旨) 第1条 この規程は、情報通信技術の飛躍的発展とインターネットに代表される情報通信ネットワー クの急速な普及による社会・経済構造の変化に対応した豊かな市民生活の実現を目的として、久 留米市が実施する情報化施策を迅速かつ重点的に推進するための体制の整備について必要な事項 を定めるものとする。 (定義) 第2条 この規程において、「情報化施策」とは、市民の利便性の向上、行政運営の簡素化及び効率 化、地域産業の活性化等を図るために情報通信ネットワークその他の情報技術を用いて行政の情 報化を行う施策をいう。 2 この規程において、「IT戦略」とは、久留米市高度情報化戦略をいう。 (IT戦略推進統括会議の設置) 第3条 IT戦略に関する基本的な方針を決定し、その方針に基づく情報化施策の進ちょく状況を総括 するため、IT戦略推進統括会議(以下「統括会議」という。)を置く。 (統括会議の組織) 第4条 統括会議は、市長、副市長、企画財政部長及び総務部長をもって組織する。 (IT戦略推進本部の設置) 第5条 統括会議で決定した基本方針に基づく情報化施策を総合的かつ計画的に推進するため、IT戦 略推進本部(以下「推進本部」という。)を置く。 (推進本部の所掌事務) 第6条 (1) 推進本部は、次に掲げる事務をつかさどる。 統括会議が決定した方針に基づき、久留米市高度情報化戦略推進計画(以下「IT戦略推進計 画」という。)を策定すること。 (2) IT戦略推進計画に基づく情報化施策を推進するための重要な事項を審議すること。 (3) 情報化施策の実施のために必要となる庁内の情報システムの整備その他必要な措置につい て審議すること。 (IT戦略推進本部の組織) 第7条 2 推進本部は、次に掲げる者をもって組織する。 (1) 副市長 (2) 教育長 (3) 企業管理者 (4) 企画財政部長 (5) 総務部長 (6) 会計管理者 (7) その他市長が指名する職員 推進本部に本部長及び副本部長を置き、本部長は総務部を担任する副市長を、副本部長はその他 の副市長をもって充てる。 3 本部長は、推進本部の事務を統括する。 4 副本部長は、本部長を補佐し、本部長に事故があるとき、又は本部長が欠けたときは、その職務 を代理する。 52 (IT戦略推進委員会) 第8条 2 推進本部にIT戦略推進委員会(以下「推進委員会」という。)を置く。 推進委員会は、推進本部の所掌事務のうち、次に掲げる事項を処理することとする。 (1) 電子計算機を使った業務の新規開発及び重要な情報システムの変更について調査審議する こと。 (2) 庁内LAN及び外部とのネットワークの接続並びにインターネットに係る運用管理(情報セキ ュリティ(情報資産の機密性、完全性及び可用性を維持し、並びに定められた範囲での利用可能 な状態を維持することをいう。)の実効性の確保のために必要な措置に関することを含む。)に ついて調査審議すること。 3 推進委員会は、前項に定めるもののほか、推進本部の事務を適正かつ円滑に処理するため、推進 本部が所掌する事務に関し、事前の調査を行う。 4 5 推進委員会は、次に掲げる者をもって組織する。 (1) 企画財政部長 (2) 総務部長 (3) 企画調整課長 (4) 財政課長 (5) 行政改革推進課長 (6) 人事厚生課長 (7) 情報政策課長 (8) その他本部長が指名する職員 推進委員会に委員長及び副委員長を置き、委員長は企画財政部長を、副委員長は総務部長をもっ て充てる。 6 委員長は、推進委員会の事務を統括する。 7 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、その職務 を代理する。 (IT戦略会議の設置) 第9条 IT戦略の推進に関し、有識者の意見を求めるため、推進本部にIT戦略会議を置くことができ る。 2 IT戦略会議は、次に掲げる者のうちから市長が指名するものをもって構成する。 (1) 関係行政機関の役職員 (2) 公共団体又は公共的団体の役職員 (3) 学識経験者 (4) その他市長が適当と認める者 (情報化推進委員) 第10条 部(本市(委員会、委員その他の実施機関を含む。)に置かれる部又は部に相当する室をいい、 それらに相当する組織を置かない実施機関については、その事務局をいう。以下同じ。)における 情報化の推進を図るため、推進委員会に情報化推進委員を置く。 2 情報化推進委員は、情報化の推進について、次に掲げる事務を処理する。 (1) その属する部における情報施策の調整に関すること。 (2) その属する部における情報施策の実施に関し、必要な指導、助言を行うこと。 53 3 情報化推進委員は、部の総務を担当する課等の職員のうちから当該部の長がそれぞれ指名するも の1人をもって充てる。ただし、総務部、秘書室、監査委員事務局、選挙管理委員会事務局及び公 平委員会事務局については総務部総務課の職員のうちから、農政部及び農業委員会事務局につい ては農政部の総務を担当する課等の職員から各1人を充てるものとする。 (ワーキンググループ) 第11条 IT戦略推進計画に係る専門的事項及び各部にわたる横断的な処理を要する事項に関し、調 査、研究及び検討の作業を行うため、推進委員会にワーキンググループを置くことができる。 2 ワーキンググループは、推進委員会の委員長が指名する職員及び推進委員会の要請に応じて各部 の長が推薦した職員で組織する。 (推進本部の庶務) 第12条 推進本部の庶務は、総務部情報政策課において処理する。 (委任) 第13条 附 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。 則 この規程は、平成16年11月1日から施行する。 附 則 この規程は、平成17年4月1日から施行する。 附 則 この規程は、平成17年7月29日から施行する。 附 則 この規程は、平成18年6月1日から施行する。 附 則(平成19年3月30日規程第8号)抄 (施行期日) 1 この規程は、平成19年4月1日から施行する。 (久留米市高度情報化戦略の推進体制の整備に関する規程に関する経過措置) 4 収入役在職期間中に限り、第4条の規定による改正後の久留米市高度情報化戦略の推進体制の整 備に関する規程第7条第1項の規定は適用せず、同条の規定による改正前の久留米市高度情報化戦 略の推進体制の整備に関する規程第7条第1項の規定は、なおその効力を有する。この場合におい て、同項第1号中「助役」とあるのは「副市長」とする。 附 則(平成19年6月29日規程第12―3号) この規程は、平成19年7月1日から施行する。 54 資料5 用 語 説 明 ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line) 「エー ディ エス エル」と読む。 既設の銅線の電話線を使って、高速デジタル伝送を可能にする技術。 ASP(Application Service Provider) 「エー エス ピー」と読む。 インターネット技術を活用し、ネットワーク経由でソフトの機能だけを提供するサービス。利用 者は、自前でサーバを持つ必要がなく、ソフトの最新版への切り替えもサービス提供側が行うた め、安価に最新の情報システムを使うことが出来る。 CATV(CAble TeleVision) 有線テレビ。「シー エー ティ ビー」あるいは「ケーブル テレビ」と読む。 電波ではなく、ケーブルを利用してテレビ番組を送信するシステム。テレビ放送の難視聴地域 対策が始まりだが、都市の情報インフラとして位置づけられた都市型CATVもある。CATV は回線容量の大きいケーブルを利用することにより、数十チャンネルの放送が可能になる。 CMS(Content Management System) コンテンツマネジメントシステム。「シー エム エス」と読む。 Web コンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合・体系的に管理し、 配信など必要な処理を行うシステムの総称。 CSS(Client Server System) クライアントサーバシステム。「シー エス エス」、あるいは略して「シー エス」と読む。 サーバと呼ばれるコンピュータがプログラムや機器などのコンピュータ資源を集中管理し、ク ライアントと呼ばれるコンピュータがサーバの管理する資源を利用する形で運用する。 EC → 「電子商取引」の項参照 FTTH(Fiber To The Home) 「エフ ティー ティー エイチ」と読む。 光ファイバーによる家庭向けのデータ通信サービス。元は、一般家庭に光ファイバーを引き、電 話、インターネット、テレビなどのサービスを統合して提供する構想の名称だったが、転じて、 そのための通信サービスの総称として用いられるようになった。 FWA(Fixed Wireless Access) 無線により高速なデータ通信を行うことが出来る方式の一つ。「エフ ダブリュ エー」と読む。 55 HTML(Hyper Text Markup Language) ホームページの記述などに使うコンピュータ言語。「エッチ ティ エム エル」と読む。 最近は、この言語を覚えなくてもホームページ作成ソフトに自動的にHTMLを作成する機能 があり、ワープロ感覚でホームページを作成することができる。 ICカード 名刺大のプラスチック製カードにIC(集積回路)を埋め込んだもの。「アイ シー カード」 と読む。 磁気データに比べて100倍以上の情報量を記憶でき、多様な処理が可能である。また、偽造 が困難であり、磁気に強いという特徴がある。現在、磁気カードに代わるものとして、クレジッ トカードなどに一部実用化されている。 ID(Identity) 利用者を識別するための符号。「アイ ディ」と読む。 複数の利用者がコンピュータを利用する場合などに用い、通常、パスワードと対になっている。 利用者が限定されたサービスの利用等の場合には、IDとパスワードが、あらかじめ登録された 本人のものであることを確認後にサービスを提供する。 IDC(Internet Data Center) 顧客のサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスなどを提供する施設。 建物の耐震性や機器保管場所の安全性が非常に高く、市町村がシステム共同利用を行う際このよ うな施設にシステムを構成する機器を設置する。「アイ ディ シー」と読み、「インターネット データセンター」とも呼ばれる。 ISDN(Integrated Services Digital Network) 総合デジタル通信網。「アイ エス ディ エヌ」と読む。 電話、電信、データ通信、ファクシミリなどの異なる通信サービスを、ひとつのネットワーク で、デジタル形式で統合的に提供するサービス。ADSLや光ファイバーによる高速通信サービ スが出てくるまではインターネットを高速で使うための主要なインフラだった。 IT(information technology) 「アイ ティー」と読む。直訳すると「情報技術」。情報通信分野の技術的な話しから情報の活 用の仕方まで、広い範囲で使われている。 ITは産業構造や社会生活などに大きな変革をもたらしており、このことを「IT革命」と呼ん でいる。 ICT(Information and Communication Technology) 「アイ シー ティー」と読む。 情 報 (information) や 通 信 (communication) に 関 す る 技 術 の 総 称 。 同 様 の 言 葉 と し て IT(Information Technology:情報技術) が用いられていたが、近年ではICTという言葉が用い られるようになっている。また、国際的には ICT の方が通りがよい。 56 LAN(Local Area Network) 「ラン」と読む。 同一建物内、事業所の構内など、限られた空間でのコンピュータ・ネットワーク(コンピュー タやプリンタなどを通信回線で接続し、情報のやり取りをできるようにしたもの)。 LGWAN → 「総合行政ネットワーク」の項参照 OS(Operating System) コンピュータを動作させるための基本となるソフト。「オー エス」と読む。 プログラムの実行管理や周辺装置の管理を行い、コンピュータシステムを出来るだけ効率的に 使うように設計されている。MS-DOS、Windows、Mac OS、UNIX などがある。 SE(System Engineer) コンピュータシステムの設計や解析を行う技術者。「エス イー」と読む。 業務の内容及びシステムの解析から導入に至るまでの幅広い知識と経験が必要とされる。 VPN(Virtual Private Network) 仮想の私設ネットワーク。「ブイ ピー エヌ」と読む。 公衆回線をあたかも専用回線であるかのように利用できるサービス。最近ではインターネット 上で暗号化等を用いて保護された仮想的な専用回線を提供するサービスもある。 WAN(Wide Area Network) 広域ネットワーク。「ワン」と読む。 LANに比べて、より広い地域に構築されるネットワークで、公衆回線網などを利用する。 WWW(World Wide Web) 全世界的に広がっているインターネット上の情報網。「ダブル ダブル ダブル、あるいは最後 の文字だけ拾って ウェブ」と読む。 広義のホームページの集合体を指し、ネットワーク上に散在する様々な情報を、誰もがアクセ スできる情報として公開するためのメカニズム。「Web」とは「クモの巣」のことで、世界中にク モの巣を張ったように、様々な情報のリンクが張り巡らされているため、このような名前がつけ られている。 アウトソーシング(Outsourcing) 外部資源の活用。 情報システムの構築・運用を外部専門業者に委託すること。 アクセシビリティ(Accessibility) アクセシビリティは接近できること・入手可能なことなどの意。 障害の有無や年齢などの条件に関係なく,だれもが同じようにインターネット上で提供される情 報を利用できること。また,ウェブ-ページに対するアクセスと利用のしやすさの度合いをいう 57 アナログ(Analog) 数量を連続的な物理量で表現する方式。 「デジタル」に対応する言葉。針のついた時計のように、明確な数値ではなく、連続的な変化 を表現する。 アプリケーション(Application) 特定目的のために開発されたソフトの総称。 ワープロソフト、表計算ソフト、データベースソフトなど汎用性を持ったものや、経理処理な ど特定業務向けに開発されたものがある。 インターネット(Internet) コンピュータ・ネットワーク間のネットワーク。 世界各国のコンピュータ・ネットワークを接続して、ひとつのネットワークシステムとして利 用するもの。相手先のアドレスさえわかれば、世界中のどことでも通信することが可能。インタ ーネットの利用形態として、電子メール、ネットニュース、ファイル転送、WWWなどがある。 イントラネット(Intranet) インターネット技術の組織内利用形態。 インターネットの環境を組織内での情報共有化に利用したもので、組織内の情報交換をブラウ ザや電子メールなどを用いて行う。 インフラ/インフラストラクチャ(Infrastructure) 都市構造の基盤となる道路、鉄道等の施設。コンピュータ・システムにおいては、システムを 実現するためのソフトウェア及びハードウェアの基盤を指す。 オープンシステム(Open System) 様々なメーカーのソフトウェアやハードウェアを組み合わせて構築されたコンピュータシステ ム。各メーカーのソフトウェアやハードウェアの仕様が公開されていることが、その構築の前提 となる。 オンライン(On-line) コンピュータがネットワークに接続され、サービスを受けられる状態にあること。 ホストコンピュータと端末機がネットワークで結ばれており、リアルタイム(即時的)にデー タが処理される。 カスタマイズ(Customize) 利用者が、自分の好みに合わせて、ソフトフェアやハードウェアの設定を変更すること。メー カーが顧客の要望に応じて行うものと、利用者自身が行うものがある。 霞ヶ関WAN 中央省庁のコンピュータネットワークを相互接続した広域ネットワーク。1997 年 1 月から運用 58 されており、28 機関が接続されている。2002 年からは、地方自治体間の相互接続ネットワークで ある LGWAN(行政総合ネットワーク)とも接続されている。 コミュニティFM 出力10W以下の小規模FM放送局のこと。地域に密着したきめ細かな情報を提供する。 コンテンツ(Contents) 情報の具体的な中身・内容のこと。 コンピュータ・ウィルス(Computer Virus) コンピュータシステムに害を与えるプログラム。 ネットワークや記憶媒体等を通じて外部から侵入し、増殖し、コンピュータシステム上のデー タなどを破壊することから、病原体のウィルスになぞらえられている。 コンピュータ・セキュリティ(Computer Security) 事故や犯罪に対して、コンピュータの安全を守ること。コンピュータの装置や設備を盗難や不 正使用から守ることや、そこに貯えられたデータやプログラムの盗難や改ざんを防ぐことを指す。 コンピュータ・ネットワーク(Computer Network) コンピュータ同士を通信回線で接続したシステム。単にネットワークと略すこともある。デー タやプログラムをやりとりしたり、一つの仕事を複数のコンピュータで処理するなど、処理効率 の向上やシステムとしての信頼性を高めることができる。規模によりLANやWANなど、様々 な形態がある。 サーバ(Server) データを供給するコンピュータ。 データ等の保管や管理を集中的に行うなど、ネットワーク上で中核的な役割を果し、他のコン ピュータ(「クライアント」と呼ばれる)へそれらを供給する。 ソフトウェア コンピュータを利用するために使うプログラム等。「ソフト」と略す。 コンピュータ機材そのものを「ハードウェア」と呼ぶことに対比して用いられる。 情報リテラシー 情報を理解し活用する能力のこと。 「リテラシー」とは「読み書き能力」のことだが、ここでは ①パソコンなどの情報通信機器を操作する能力 ②ソフトやネットワークが提供するサービスを自在に活用する能力 ③情報化に関するしくみや法制度などについての知識 の全てを兼ね備えた、情報化社会に対応するための基礎的な能力のことを言う。 59 総合行政ネットワーク LGWAN(Local Government WAN) 地方自治体のコンピュータネットワークを相互接続した広域ネットワーク。都道府県、市区町 村の庁内ネットワークが接続されており、中央省庁の相互接続ネットワークである霞ヶ関WAN にも接続されている。 ダウンサイジング(Downsizing) コンピュータの小型化。 パソコン等の飛躍的な性能向上により、大型コンピュータで集中的に電算処理していたものを、 比較的小規模のワークステーションやパソコン等による分散処理に移行させることが可能となっ た。 データベース データの集合体。 相互に関連のある大量のデータを整理した形で蓄積しておき、必要に応じて直ちに取り出せる ようにした仕組み。 デジタル(Digital) 有限桁数による数値表示形式。 数字や指を表わす「デジット」から来た言葉。例えば、デジタル式の時計では、時分秒を整数 値で明瞭に表示するが、秒と秒の間の微妙な値を表現することが困難である。これに対する言葉 として「アナログ」があるが、アナログ式の時計では、時分秒の読み取りに(デジタル式と比べ て)時間がかかるものの、秒と秒の間さえも連続的に表現することができる。現在のコンピュー タは、ほぼすべてが「0(無電)」か「1(通電)」かという2進数のデジタル信号によって内 部的な処理を行っている。 デジタル・ディバイド インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者の間に生じる格 差。 テレトピア 旧郵政省が地域情報化推進のために打ち出した施策。これまでに全国 218 地域(521 市区町村)が テレトピア地域に指定され、ケーブルテレビ、インターネット、コミュニティ放送等の情報通信 メディアを活用した地域社会の活性化が図られた。 電子決済 物品やサービスなどの取り引きで生じる代金の引渡しを電子的に行うこと。その代表的なもの が電子マネー。 電子商取引(Electronic Commerce) 情報通信ネットワークを介した商取引。EC(イー シー)と略す。 企業間で商取引に関するデータのやり取りによって、伝票処理の省力化等を行ったり、企業と 60 消費者の間でインターネット等を介して商取引を行ったりすることを指す。 電子申告 インターネットを使って、電子的に納税申告の手続きを行うこと。 専用のソフトウェアを利用して申告データを作成でき、税務署に訪れることなくいつでも自宅 や職場から申告書を送信できる。経理の電子化を行っている企業では、経理処理から税の申告ま での一連の作業を電子的に処理することができる。申告書は電子署名をして送信することになる ため、事前に電子証明書を取得する必要がある。 電子入札・開札 調達機関と応札者の間で行われていた入札・開札業務を、簡易化、透明化を図ることを目的に インターネット上で実現すること。 電子納税 納税者が通信機器ないしは情報機器を利用し、ネットワークを経由して税金を電子的に支払う制 度。 電子マネー インターネットなどで流通するお金。貨幣価値をデジタルデータとして扱い、暗号化して送受 信することによって、送金、決済、支払等を行う。 電子メール(Electronic Mail) 電子的な手紙。「E-mail(イー メール)」ともいう。 インターネット等を通じて、特定の相手とメッセージをやり取りする。相手先の「メールアド レス」を指定して、メッセージを送信すると、相手側の「メールボックス」にそのメッセージが 蓄積され、相手方は、好きな時にそのメッセージを取り出して読むことができる。 トラフィック(Traffic) 通信回線上を行き来するデータの量。 一定時間に流れる情報の量が多くなることをトラフィックが多くなると言い、情報の遅延や損 失の可能性が高くなる。 ネットワーク(Network) → コンピュータ・ネットワーク ネットショッピング インターネット上に開設した店舗(店舗サイト)を利用した買い物をすること。 ハードウェア(Hardware) コンピュータを構成している機械や装置の総称。「ソフトウェア」と対照的な言葉。 パスワード(Password) 61 ネットワークサービス等を利用する時に、正規の利用者であることを証明するために用いる文 字列。サービス等を申し込む時にあらかじめ登録しておき、これと照合することによって不正使 用を防ぐ。キャッシュカード等を使う時に用いる「暗証番号」と趣旨は同じだが、多くの場合で 数字だけではなく英字等も使用できる点が異なる。 光ファイバー 光信号を伝達するために作られたガラスあるいはプラスチックを素材とする細い線。光ファイ バを心線とする通信ケーブルを光ファイバ・ケーブルといい、長距離を高速にデータの伝送がで きる。 ファイアーウォール(Firewall) ネットワーク上の防火壁。 インターネットに接続されたネットワークは、外部から侵入される危険性があるため、それを 防ぐために設けられるシステム。これを設置することによって、外部利用者が勝手に内部のネッ トワークに入り込めないようにする。 ブラウザ(Browser) インターネット上でホームページを見るためのソフトの総称。 ブログ(Blog) 狭義には World Wide Web 上のウェブページの URL とともに覚え書きや論評などを加えログ(記 録)しているウェブサイトの一種である。「Web を Log する」という意味で Weblog(ウェブログ) と名付けられ、それが略されて Blog(ブログ)と呼ばれるようになった。 プロバイダー(Provider) インターネット接続業者。インターネットに接続するためには、プロバイダーとの契約が必要。 プロトコル(Protocol) データ通信の際に必要な通信規約・通信形式。 ブロードバンド(broadband) 高速な通信回線の普及によって実現されるネットワークと、その上で提供される大容量のデー タを活用した新たなサービス。概ね 500kbps 以上の通信回線をブロードバンドと呼ぶ。 ホームページ(Homepage) ウェブサーバに置かれたデータで、インターネット上での情報提供を行う。 「ホームページ」の狭義の意味としては、一連の情報提供ページの「表紙ページ」を指すが、 最近では一連の情報提供ページそのものを指すことが多い。 マルチメディア(Multimedia) 情報を伝達する媒体を、文字、画像、音声、映像などの単一の媒体ではなく、複数の媒体をデ 62 ジタル情報の形で統合したもの。 メーリングリスト(Mailing List) インターネット上で、登録した利用者全員にメールを一斉に送ることができるシステム。 発言内容がメンバー全員に共有化されるため、お知らせや情報交換などに適するほか、議論の 経過を全員が知ることができることから、意見交換の場ともなる。 メールマガジン(Mail Magazine) 電子メールを利用して発行される雑誌。発行者が購読者に定期的にメールで情報を届けるシス テムのこと。メルマガと略される。 ユニバーサル・デザイン 障害者・高齢者・健常者の区別なしに,すべての人が使いやすいように製品・建物・環境などを デザインすること。1974 年,アメリカのメースによって提唱された概念。 ユビキタス・ネットワーク 「いつでも、どこでも、誰でも、何にでもアクセス可能」なネットワーク環境。なお、「いたる ところに偏在する」という意味のラテン語に由来した言葉。 【参考文献】 ・株式会社インセプト「IT用語辞典 e-Words」 ・ASCII.jp「デジタル用語辞典」 ・技術評論社「パソコン用語事典」 ・日経BP社 「デジタル大事典」 63 久留米市新 新情報化推進計画書 平成23年2月 策定 久留米市総務部情報政策課 〒830-8520 久留米市城南町15-3 ☎ 0942-30-9060 ✉ [email protected]