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◆創造連携センター 平成23年度年報◆
目次
巻頭言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
田嶋邦彦(創造連携センター長)
活動状況の紹介
-平成23年度活動報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
会議等の記録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
運営組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
産業界との共同研究・受託研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
・産業界との共同研究・受託研究の実績・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
・平成23年度共同研究一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
・平成23年度受託研究一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
科学技術相談室より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
・科学技術相談室報告 行場吉成(産学官連携コーディネーター)
平成23年度共同研究等成果報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
・環境低負荷型コーティング剤の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
山田保治・三木真湖(創造連携センター)
・桑葉に含有されるアルツハイマー病に有効な物質の探索研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
亀井加恵子(大学院工芸科学研究科生体分子工学部門)
学外共同研究者 株式会社ファルマエイト 取締役会長 杉本八郎
(現、同志社大学 脳科学研究科 神経疾患研究センター 教授)
学外共同研究者 株式会社ファルマエイト 研究開発部部長 奥田充顕
CO-RESEARCH 成果報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60
・RNA-タンパク質間相互作用を利用した転写スイッチング・システムの開発・・・・・・・・・・・・60
〜HIV に対する転写阻害剤の開発を目指して〜
山吉麻子(大学院工芸科学研究科生体分子工学部門)
・窒素レーザーを光源とする衝撃波クロマトグラフ装置の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
一ノ瀬暢之(大学院工芸科学研究科物質工学部門)
・樹脂歯車用ダイヤモンドライクカーボン膜の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66
中村 守正(大学院工芸科学研究科機械システム工学部門)
・錦市場活性化にむけてのサイン計画およびオリジナルグッズ開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・70
中野仁人(大学院工芸科学研究科デザイン学部門)
受託研究成果報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
・大腸菌をモデル生物としたポリアミン輸送及び代謝調節機構の解明と制御・・・・・・・・・・・・・・74
〜健康寿命伸長のための腸内ポリアミン濃度コントロール食品の開発を目指して〜
鈴木秀之、根本直樹1、栗原新2、押田麻由、北原譲、林田果乃子、坂井友美、神戸亜也香
(大学大学院工芸科学研究科応用生物学部門)
(現在の所属:
1
千葉工業大学工学部生命環境科学科、2Emory University School of Medicine)
専任教員研究成果報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82
・トリアジン骨格を有する多分岐ポリイミド-シリカハイブリッドの合成と特性・・・・・・・・・・・・82
山田保治(創造連携センター)
・販売される商品の品質に対する社会的な信頼と刑法第233条にいう「信用」・・・・・・・・・・・・・86
稲岡美恵子(創造連携センター)
客員教員研究成果報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94
・イノベーションパラダイムの解析と産学協同体制―技術経営(MOT)、 知的財産権との連関
弘岡正明(創造連携センター)
施設平面図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・97
センターラボの貸出について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99
入居者の紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・101
・デザイナーフーズ株式会社
・株式会社ファルマエイト
巻頭言
創造連携センター長
田 嶋 邦 彦
東日本大震災から一年以上が経過し、復興に向けての力強い歩みの中、
「絆」
の大切さが再確認されてきました。様々な課題が顕在化し、イノベーション
が強く求められる今、創造連携センターが積極的に推し進める産学官の「連
携」がますます重要な役割を担うようになりました。
創造連携センターは、平成2年6月に設立された地域共同研究センターを
前身として、インキュベーションセンターを発展的に統合することで、平成
21年4月に発足しました。本学の産学官連携に係る総合的窓口として機能
すべく、当センターでは本学の教員と産官の関係者が容易にアクセスして自
由闊達な情報交換を行うための交流会、研究会および研修会などを企画・運
営しています。さらに、当センターでは本学教員との共同研究に必要な各種実験室および起業前後
のインキュベート期間を支援する研究室等を提供しています。
本学では、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の各先端科学技術分野
の研究はもちろん、工学、自然科学、人文社会分野での広範囲の研究を実施しています。当センタ
ーでは、この強みを生かした「知の還元」により、特定分野の技術だけでなく、様々な分野を横断
した近年の産業界の技術ニーズに的確に対応する体制を整えています。また、発想を転換し、最先
端の研究を遂行する上での研究者の要望を産業界に伝えることで、学術界・産業界の相互発展につ
ながる連携も進めています。
本学が関わる多分野に亘る工学系の学問領域において、当センターは従来の概念にとらわれない
広い視野に立ち、人類と地球にとって好ましい科学技術を追求するソフトテクノロジーも指向し、
分野をまたぐ横断的で多彩な産学官連携活動を実践します。産学官共同研究等を通して新産業創造
および地域産業の活性化に資することで、大学の三大使命「教育」・「研究」・「社会貢献」を有機的
に関連させ、これらの使命を着実に推進し、延いては、日本の経済、産業、文化、社会の発展に寄
与することのみならず、広く世界の発展に貢献できるものと確信しています。
引き続き、創造連携センターの活動にご支援とご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上
げます。
1
活動状況の紹介
■平成23年度活動報告
◆
学内事業
※敬称略
◆
○KIT-CORESEARCH の実施
本学の産学連携を支援、推進する一環として、特に若手研究者の外部資金獲得のための調査研究活動およ
び共同研究の拡充や受託研究の獲得を支援するため、「KIT-CORESEARCH2011」を実施した。
●産学連携課題(KIT-CORESEARCH2011)の募集
【概要】
本学教員が研究シーズを基礎として新たな展開につなげるための調査研究活動に対する支援及び共同
研究の拡充・拡大や受託研究の獲得を推進するために募集する。
採択された課題、研究プロジェクトに対しては、産学連携支援制度への応募又は外部資金獲得のため
に必要な調査研究活動の費用を補助する。
【応募種別】
次の①又は②に該当する産学連携活動で、競争的資金・外部資金の獲得により、事業化、実用化を目
指す課題、プロジェクトであること。
① 政府・自治体・企業等の産学連携支援制度への応募活動(応募活動事業)
②
共同研究あるいは受託研究として取組みを始めている研究プロジェクトをさらに推進し、本学発産
学連携プロジェクトとして発展させる活動(大学発連携プロジェクト)
3
活動状況の紹介
【応募要件】
次の①~⑤の要件を満たすこと。
①
本学の教員の研究成果に基づく課題であること。
②
事業化、実用化、又は社会貢献につながることが見込まれること。
③
研究主体が本学の教員、又は本学教員が属するグループであること。
④
産業界と連携していること、又は連携の見込みがあること。
⑤
各種政府・自治体等の産学連携支援制度への応募を予定していること、又は現在進行中プロジェク
トであり企業等との産学連携により更なる発展を目指すもの。
【研究調査期間(支援期間)】
採択決定日から平成 24 年 3 月 31 日(土)まで
【募集期間】
平成 23 年 7 月 28 日(木)9 時 ~ 平成 23 年 8 月 18 日(木)17 時まで
【応募方法】
次の書類を研究協力課産学連携係(
「11.問い合わせ先」参照。
)にメール添付により提出
・別紙「平成23 年度産学連携課題(KIT-CORESEARCH2011)申請書」
・補足説明資料〔A4 版:様式自由〕2枚以内【厳守】
【審査及び選考】
審査委員会により書類審査(必要に応じてヒアリングを実施)し、採択案件を選定する。
※この際、本経費の主旨により若手教員に配慮
【採択予定件数】
応募種別2、の①と②を合わせて6件程度
【採択結果通知】
平成23 年9 月上旬予定
【採択課題、プロジェクトの取り扱い】
・採択された課題については、創造連携センターと密接な連携をとり、政府・自治体等の産学連携支
援制度への応募又は企業等との連携により大学発産学連携プロジェクトとして外部資金の獲得に
必要な調査・研究を進めていただく。
・平成24 年度に募集される政府・自治体等の産学連携支援制度に応募又は外部資金獲得の活動をして
いただく。
・研究調査経費として一件について 80 万円を限度として補助する(総額 350 万円程度を予定)
・ 研究調査経費は、研究費、調査旅費、申請書作成・外部資金獲得にむけての資料作成費などに使用
できる。
・研究調査期間終了(平成 24 年 3 月 31 日)後、経費及び活動等に関する報告書を提出いただく。
・研究期間終了後2年間は、結果について追跡調査させていただく。
◆採択テーマ
鈴木秀之(大学院工芸科学研究科応用生物学部門 教授)
「バイオマス資源から化成品の合成中間体を生産する微生物の育種」
山吉麻子(大学院工芸科学研究科生体分子工学部門 助教)
「RNA-タンパク質間相互作用を利用した転写スイッチング・システムの開発
〜HIV に対する転写阻害剤の開発を目指して〜」
和久友則(大学院工芸科学研究科生体分子工学部門 助教)
「がんペプチドワクチン実用化のためのインテリジェントデリバリーデバイスの開発と機能評価」
一ノ瀬暢之(大学院工芸科学研究科物質工学部門 教授)
「窒素レーザーを光源とする衝撃波クロマトグラフ装置の開発」
4
活動状況の紹介
中村守正(大学院工芸科学研究科機械システム工学部門 助教)
「樹脂歯車用ダイヤモンドライクカーボン膜の開発」
久保雅義(大学院工芸科学研究科デザイン経営工学部門 教授)
「近鉄百貨店・阿倍野橋ターミナルタワー館におけるサインのユニバーサルデザイン(以下 UD)計画と
多目的商業施設のサインの UD の構築とガイドライン化」
中野仁人(大学院工芸科学研究科デザイン学部門 准教授)
「錦市場活性化にむけてのサイン計画およびオリジナルグッズ開発」
◆
チャレンジング・サポート(Challenging Support)事業
◆
「創造連携センター事業協力会」(以下、「事業協力会」という。)の支援を得て、会員企業との共同研
究の促進及び事業協力会の発展を図ることを目的として、募集を行った。
○チャレンジング・サポート(Challenging Support)事業の募集について
【目的】
事業協力会会員企業と共同研究を実施する本学教員(研究代表者)に共同研究の促進のため産学連携
助成金を支給し、研究成果の充実及び共同研究の実施に基づいた会員企業の増大を図ることを目的とす
る。
【応募資格】
次のいずれかに該当する共同研究の研究代表者
② 集期間内において事業協力会会員である企業と実施している共同研究
②平成 24 年 1 月 1 日から平成 24 年 5 月 31 日までの間に新たに事業協力会に入会予定の企業
との共同研究
【応募方法及び応募書類提出先】
「チャレンジング・サポート事業申請書」を研究協力課産学連携係(創造連携センター1階)に提出。
なお、応募資格②の場合は企業からの入会の意思を確認できる書類を併せて提出。
また、応募にあたり応募資格の確認及び選考のため当該共同研究の関係書類、共同研究経費の納付状況
等を調査することに同意いただく。
【募集期間】
平成 24 年 3 月 12 日(月)から平成 24 年 5 月 10 日(木)まで
【助成予定件数】
10件程度(各研究代表者の採択は1件とする。応募のあった順に審査を行い助成金を配分する。なお、
予算総額を超えた場合は、次年度事業の応募として取り扱う。)
【助成内容】
採択された共同研究の研究代表者には、産学連携助成金を配分する。
*助成額は、対象となった共同研究経費(合計額)の2分の1の額
(1件あたり上限20万円 総額170万円)
*産学連携助成金は、産学連携に係る寄附金(旧委任経理金)となる。(共同研究経費とは別コードを
作成)
【選考】
創造連携センター運営委員会において、当該共同研究契約書記載事項や共同研究経費の納付状況等を参
考に選考する。
5
活動状況の紹介
【その他】
採択された共同研究の研究代表者は、年1回発行の創造連携センター年報に寄稿。
◆採択テーマ
田嶋邦彦(大学院工芸科学研究科生体分子工学部門 教授)
「電子スピン共鳴装置の高感度・高精度サンプルユニットの新規開発と評価に関する研究」
亀井加恵子(大学院工芸科学研究科生体分子工学部門 教授)
「桑葉に含有されるアルツハイマー病に有効な物質の探索研究」
西川幸宏(大学院工芸科学研究科高分子機能工学部門 准教授)
「フィラー/高分子複合材料のモルフォロジー解析」
澤田祐一(大学院工芸科学研究科機械システム工学部門 准教授)
「次世代搬送機の高密度安全走行を目指したパラメーター同定と車間制御システムの開発」
増田新(大学院工芸科学研究科機械システム工学部門 准教授)
「誘導発熱ロールの振動解析について」
鋤柄佐千子(大学院工芸科学研究科先端ファイブロ科学部門 教授)
「布の官能評価に及ぼす物理的特性に関する研究」
一色俊之(大学院工芸科学研究科数理・自然部門 准教授)
「電子顕微鏡による炭化ケイ素素材評価技術の研究」
○知的財産権研修
日
場
対
時
所
象
主 催
共 催
参加者
プログラム
平成24年1月27日(金)13:30~16:15
総合研究棟 多目的室
京都工芸繊維大学及び連携大学(京都府立医科大学・京都府立大学・京都薬科大学・京都
産業大学)の教職員・学生等
京都工芸繊維大学創造連携センター事業協力会会員企業等
京都工芸繊維大学
京都工芸繊維大学創造連携センター事業協力会
73 名
1.開会の挨拶
理事・副学長 竹永睦生
2.講演1 「「中小企業における事業戦略と知財管理」~当社の戦略と知財管理の実情~」
株式会社最上インクス 代表取締役会長 鈴木三朗氏
3.講演2「ライフサイエンス産業と知財戦略」
タカラバイオ株式会社 代表取締役社長 仲尾功一氏
4.閉会の挨拶
創造連携センター
6
センター長
田嶋邦彦
活動状況の紹介
◆
その他説明会
◆
○平成23年度研究成果最適展開支援事業(A-STEP)学内説明会
日 時
平成23年8月10日(水)10:30~11:30
場 所
創造連携センター2Fプレゼンテーションルーム
主 催
JSTプラザ京都、創造連携センター
参加者
17名
プログラム
1. 概要・申請書類・審査の観点について説明
2. JST 中原氏 概要・申請書類・審査の観点について説明
3. 前回のA-STEP顕在化ステージ採択研究について説明
○産学連携推進金融懇談会
日
場
主
時
所
催
平成24年3月22日(木)13:00~15:00
京丹後キャンパス
京丹後市、創造連携センター
7
活動状況の紹介
○事業経営・技術相談会
日
場
主
◆
時
所
催
平成24年3月23日(金)13:30~16:30
京丹後キャンパス
京丹後市、創造連携センター
KIT産学官連携ワークショップ
◆
○第45回関西バイオポリマー研究会
「バイオマスを利用した新材料の開発」
日 時
場 所
主 催
平成23年6月16日(木)13:25~19:00
総合研究棟 多目的室
関西バイオポリマー研究会、産総研バイオポリマーコンソーシアム、京都工芸繊維大学創造
連携センター
80名
参加者
プログラム
1.挨拶
関西バイオポリマー研究会 代表 小原仁実
2.講演「CO2を直接原料とするポリマー材料の合成」
東京理科大学 杉本 裕
3.講演「バイオマス由来化合物を原料とするアクリル樹脂およびポリカーボネートの開発」
株式会社豊田中央研究所 毛利 誠
4.講演「バイオマスからの新しい資源循環型材料 ポリテトラメチルグリコリド」
九州工業大学 エコタウン実証研究センター 西田治男・安藤義人
5.総会
産総研バイオポリマーコンソーシアム 中山敦好
6.情報交換会
8
活動状況の紹介
○第46回関西バイオポリマー研究会
「バイオマス由来の原料を利用したポリマーの開発」
日 時
場 所
主 催
参加者
プログラム
平成23年12月12日(月)13:10~16:55
地方独立行政法人大阪市立工業研究所 大講堂
関西バイオポリマー研究会、産総研バイオポリマーコンソーシアム、地方独立行政法人大阪
市立工業研究所、京都工芸繊維大学創造連携センター
56名
1.挨拶
関西バイオポリマー研究会 代表 小原仁実
2.講演「超常磁性木質バイオプラスチックの開発」
京都大学大 学院農学研究科 寺本好邦
3.講演「バイオ技術による芳香族化合物の生産基盤の開発− 新規芳香族ポリマーへの
展開を目指して− 」
大阪市立工業研究所
駒 大輔
4.講演「植物由来バニリン酸ポリエステルの開発」
帝人株式会社 融合技術研究所 平川亮太
5.講演「微生物によるPHBとポリ乳酸の生合成」
京都工芸繊維大学 青木隆史
6.おわりに
大阪市立工業研究所 環境技術研究部 部長 酒井清文
○第47回関西バイオポリマー研究会
「再生可能資源が拓く高分子産業」
日 時
場 所
主 催
参加者
プログラム
平成24年3月6日(火)13:15~17:25
産業技術総合研究所 関西センター 基礎融合材料実験棟 多目的ホール
関西バイオポリマー研究会、産総研バイオポリマーコンソーシアム、京都工芸繊維大学創造
連携センター
46名
1.挨拶
関西バイオポリマー研究会 代表
2.講演「天然リグニン誘導体高分子リグノフェノールの応用展開」
三重大学 大学院 生物資源学研究科 舩岡研究室 特任准教授
3.講演「塗料用植物由来ポリエステル材料の開発とその応用」
日本ビー・ケミカル株式会社 技術ブロック 基盤技術チーム
4.講演「バイオディーゼル副産物からバイオプラスチック製造装置の開発」
日立造船株式会社 エンジニアリング本部開発センター
5.講演「次世代バイオマスポリマーの開発をささえるバイオ技術の可能性」
大阪市立工業研究所 環境技術研究部 部長
6.総会
産総研バイオポリマーコンソーシアム
7.情報交換会
○第20回光と色セミナー
日 時
場 所
主 催
共 催
参加者
平成23年7月8日(金)16:10~17:30
1号館3階大学院会議室
光と色研究会
創造連携センター
40名
9
小原仁実
青柳
充
森田晃充
岸田央範
酒井清文
中山敦好
活動状況の紹介
プログラム
1.講演「様々な方面でのカラーとデザインの役割とその実例」
株式会社 Kom&Co.Design 代表/デザインプロデューサー 小牟田啓博
2.講演「au のカラーラインナップへの取り組み実例」
KDDI 株式会社 草野美紀
◆
企業との研究交流会
◆
○ 第14回 KIT-NITTO 包括的研究交流会
日 時
平成24年1月24日(火)13:30~19:00
場 所
創造連携センター2階プレゼンテーションルーム
主 催
日東電工株式会社、京都工芸繊維大学創造連携センター
参加者
42名
プログラム
1.開会挨拶
創造連携センター長 田嶋邦彦
2.特別講演
大学院工芸科学研究科バイオベースマテリアル学部門 教授 木村良晴
3.テーマ発表
報告①:日東電工株式会社 石黒繁樹
大学院工芸科学研究科バイオベースマテリアル学部門 准教授 安孫子淳
報告②:日東電工株式会社 畑中武蔵
大学院工芸科学研究科電子システム工学部門
報告③:日東電工株式会社 浅井量子
大学院工芸科学研究科高分子機能工学部門
助教
上田哲也
教授
猿山靖夫
4. シーズ紹介
紹介①:大学院工芸科学研究科生体分子工学部門
助教 熊田陽一
紹介②:大学院工芸科学研究科バイオベースマテリアル学部門
准教授 麻生祐司
5.閉会挨拶
日東電工株式会社 表 利彦
6.KIT-NITTO懇親会
10
活動状況の紹介
○ 2011年度第1回KIT-KANEKA包括連携企画研究交流会
日 時
平成23年9月14日(水)13:00~19:00
場 所
創造連携センター2Fプレゼンテーションルーム、プラザKIT
主 催
カネカ株式会社、京都工芸繊維大学創造連携センター
参加者
43名
プログラム
1.開会挨拶
創造連携センター長 田嶋邦彦
2.講演
大学院工芸科学研究科バイオベースマテリアル学部門 教授 木村良晴
3.報告
報告①:大学院工芸科学研究科高分子機能工学部門 准教授 田中克史
報告②:大学院工芸科学研究科先端ファイブロ科学部門 准教授 小滝雅也
報告③:大学院工芸科学研究科高分子機能工学部門 教授 高橋 雅興
報告④:学院工芸科学研究科先端ファイブロ科学部門 准教授 奥林里子
4.発表
工芸科学研究科高分子機能工学部門 助教 西川幸宏
5.ラボツアー 大学院工芸科学研究科電子システム工学部門 教授 林康明
6.閉会挨拶
カネカ株式会社 RD推進部長 浅田正博
7.KIT-KANEKA懇親会
11
活動状況の紹介
○ 2011年度第2回KIT-KANEKA包括連携企画研究交流会
日 時
平成24年3月27日(火)13:00~19:00
場 所
創造連携センター2Fプレゼンテーションルーム、プラザKIT
主 催
カネカ株式会社、京都工芸繊維大学創造連携センター
参加者
48名
プログラム
1.開会挨拶
創造連携センター副センター長 森脇一郎
2.報告
報告①:大学院工芸科学研究科高分子機能工学部門 准教授 田中克史
報告②:大学院工芸科学研究科先端ファイブロ科学部門 准教授 小滝雅也
報告③:大学院工芸科学研究科先端ファイブロ科学部門 准教授 奥林里子
報告④:大学院工芸科学研究科高分子機能工学部門 准教授 西川幸宏
報告⑤:大学院工芸科学研究科高分子機能工学部門 教授 高橋雅興
3.シーズ発表
発表①:大学院工芸科学研究科物質工学部門 教授 中建介
発表②:繊維科学センター 特任教授 望月政嗣
4.閉会挨拶
カネカ株式会社 R&D企画部長 角倉護
5.KIT-KANEKA懇親会
12
活動状況の紹介
○第1回KIT-KSPF連携交流会
日 時
平成23年11月11日(金)14:30~19:00
場 所
総合研究棟 多目的室
主 催
京都試作プラットフォーム、公益財団法人京都産業21、京都工芸繊維大学創造連携センター
参加者
57名
プログラム
1.挨拶
創造連携センター長
田嶋邦彦
京都試作グループ代表者会議 代表 鈴木三朗
2.発表「未利用資源の新しい活用方法に関する研究」
大学院工芸科学研究科先端ファイブロ科学部門 教授 木村照夫
3.発表「微細加工技術による表面機能制御」
大学院工芸科学研究科機械システム工学部門 教授 太田 稔
4.発表「バイオキャストセラミックスの創製と多孔体への応用」
大学院工芸科学研究科物質工学部門 准教授 塩野剛司
5.発表「国際宇宙ステーションにおけるプラズマ実験のためのフライトモデル」
大学院工芸科学研究科電子システム工学部門 准教授 高橋和生
6.発表「伝統工芸と新しいデザインの出会い」
大学院工芸科学研究科デザイン学部門 准教授 中野仁人
7.研究室見学
大学院工芸科学研究科電子システム工学部門 准教授 高橋和生
大学院工芸科学研究科機械システム工学部門 教授 太田 稔
8.閉会
9.KIT-KSPF懇親会
13
活動状況の紹介
○第2回KIT-KSPF連携交流会
日 時
平成24年3月6日(火)13:30~19:00
場 所
山本精工株式会社 会議室
主 催
京都試作プラットフォーム、公益財団法人京都産業21、京都工芸繊維大学創造連携センター
参加者
47名
プログラム
1.挨拶
創造連携センター長
田嶋邦彦
京都試作プラットフォーム試作グループ 代表 鈴木三朗
2.企業紹介
「<京都試作ネットメンバー企業>の概要」
山本精工株式会社 代表取締役副社長 山本昌作
「<京都治具ソリューションネットメンバー企業>洛陽プラスチック(株)の概要」
洛陽プラスチック株式会社
代表取締役副社長 本田誠也
3.工場見学 (山本精工株式会社・洛陽プラスチック株式会社)
4.質疑応答
企業紹介及び工場見学に関して
5.発表「歩行困難者用の室内移動ビークルの試作」
大学院工芸科学研究科先端ファイブロ科学部門 教授 森本一成
(総合プロセーシス研究センター長)
6.閉会
7.KIT-KSPF懇親会
14
活動状況の紹介
○京都バイオ計測センター見学会&交流会
日 時
平成24年3月29日(木)14:00~18:30
場 所
京都バイオ計測センター(京都市下京区中堂寺南町134番地 KISTIC4階)
主 催
財団法人京都高度技術研究所、京都市産業技術研究所
本学発表者
7名
プログラム
1.挨拶
京都バイオ計測プロジェクト プロジェクト代表 植田充美
2.発表
(1)「生物資源システム工学研究室の紹介」
大学院工芸科学研究科バイオベースマテリアル学部門 教授 小原仁実
(2)「微生物発酵によるビニルモノマー生産」
大学院工芸科学研究科バイオベースマテリアル学部門 准教授 麻生祐司
(3)「京都工芸繊維大学応用生物学部門染色体工学研究室の研究紹介」
大学院工芸科学研究科応用生物学部門 教授 山口政光
(4)「酵母のmRNA fluxと細胞膜構造におけるストレス応答」
大学大学院工芸科学研究科応用生物学部門 准教授 井沢真吾
(5)「植物の生体防御を担う乳管細胞の分子生物学・生化学研究」
大学院工芸科学研究科応用生物学部門 准教授 北島佐紀人
(6)「酵素配合高分子吸収材を用いた 有害化学物質の除去技術」
大学院工芸科学研究科生体分子工学部門 准教授 田中直毅
(7)「抗メタボリックシンドローム薬の探索」
大学院工芸科学研究科生体分子工学部門 准教授 亀井加恵子
(8)「高等植物のストレス応答に関与する転写因子VOZの研究」
京都府立大学生命環境学部環境・情報科学科植物分子生物学 准教授 佐藤雅彦
(9)「多糖の自己組織性を利用するマテリアル開発」
京都府立大学生命環境学部生命分子化学科機能分子設計化学 准教授 沼田宗典
(10)「イオン液体を用いたバイオリファイナリー技術」
京都府立大学生命環境学部森林科学科森林資源循環学 准教授 宮藤久士
(11)「ガスクロマトグラフィを用いた有機酸分析法の開発」
京都市産業技術研究所 研究員 高阪千尋
(12)「微生物由来タンパク質の二次元電気泳動法による分離」
京都市産業技術研究所 研究員 和田 潤
3. 見学 京都バイオ計測センター
4. 閉会
5. 交流会
15
活動状況の紹介
○第19回<けいはんな>新産業創出交流センターシーズフォーラム
日 時
平成23年4月26日(火)13:30~18:30
場 所
関西経済連合会 29階会議室
主 催
財団法人 関西文化学術研究都市推進機構 新産業創出交流センター
参加者
158名
プログラム
1.挨拶
財団法人関西文化学術研究都市推進機構 大阪オフィス所長
佐藤有彦
2.シーズ紹介
(1)「有機と無機を元素レベルで融合させた改革的材料の開拓」
大学院工芸科学研究科物質工学部門 教授 中 建介
(2)「人体近傍電界通信技術」
大学院工芸科学研究科電子システム工学部門 教授 門 勇一
(3)「布から得られる感性情報を融合した物性評価」
大学院工芸科学研究科先端ファイブロ科学部門 教授 鋤柄佐千子
(4)「大阪府立産業技術総合研究所繊維部門のシーズ紹介-最近の研究開発技術から-」
大阪府立産業技術総合研究所 化学環境部繊維応用系 統括 赤井智幸
(5)「ナノカーボン材料開発事業の紹介」
大阪府立産業技術総合研究所 化学環境部 部長 野坂俊紀
(6)「耐熱性高分子微粒子の創製および機能化」
大阪府立産業技術総合研究所 化学環境部化学材料系 主任研究員 吉岡弥生
3.名刺交換会
16
活動状況の紹介
○「京の知恵」キックオフイベント(京都市産業技術研究所との連携)
日 時
平成23年10月4日(火)16:10~17:40(17:40~懇親会)
場 所
60周年記念館1階記念ホール
主 催
京都工芸繊維大学創造連携センター
プログラム
1.挨拶
京都工芸繊維大学 学長 江島義道
京都市産業技術研究所 所長 西本清一
2.講義開講目的 経緯の説明
工芸科学部長 森迫 清貴
3.オリエンテーション
(1)「オリエンテーション -履修についての注意事項、成績評価の方法・基準ー」
創造連携センター 准教授 稲岡美恵子
(2)「本講義のねらい、京都市産業技術研究所の概要」
京都市産業技術研究所 研究担当課長 主任担当講師 早水 督
(3)「鉄(鐵)は金属の王なり」
京都市産業技術研究所 研究部長 西内滋典
(4)「酵素が乾かす、酵素で固める塗料」
京都市産業技術研究所 研究部長 大藪 泰
(5)「実用化近いセルロースナノファイバー」
京都市産業技術研究 所研究部長 北川和男
(6)「生活を豊かにする機能性繊維」
京都市産業技術研究所 研究担当課長補佐 杉浦和明
(7)「織物を創る」
京都市産業技術研究所 元研究部長 土屋朝義
(8)「染色加工技術の今むかし -京友禅からデジタルプリントへ-」
京都市産業技術研究所 研究担当課長 早水 督
(9)「バイオ産業 -その伝統と未来-」
京都市産業技術研究所 主席研究員 山本佳宏
(10)「すばらしいめっきの世界 -大仏様から電子部品まで-」
京都市産業技術研究所 室長 水谷 泰
(11)「京焼・清水焼からファインセラミックス 1」
京都市産業技術研究所 研究担当課長 横山直範
(12)「京焼・清水焼からファインセラミックス 2」
京都市産業技術研究所 研究担当課長 佐藤昌利
(13)「見学について」
京都市産業技術研究所 研究担当課長 早水 督
4.懇親会
17
活動状況の紹介
○第一回おおた研究・開発フェア~新製品・新技術展~
日 時
平成23年10月11日(火)~12日(水)10:00~18:00
場 所
大田区産業プラザPiO 1F大展示ホール
主 催
大田区、公益財団法人大田区産業振興協会
参加者
1211名(2日間)
プログラム
●オープン・イノベーションマッチングin大田
パナソニック・三菱電機・ホンダ技術研究所など19社が提示するニーズと
全国の中小企業のシーズを結びつけるマッチング会
●国際取引商談会in大田
台湾・中国・タイ、米国の発注企業と大田区企業の商談会
●研究開発マッチングセミナー
ベンチャー企業、中小企業が高収益企業へとなるための技術マネジメント、
組織作りについての講演
●第43回モノづくり受発注大商談会in大田
全国の発注企業100社と全国の受注企業250社が一堂に会する大田区伝統の商談会
シーズ紹介
「超精密加工による鏡面加工技術および表面機能創成技術」
大学院工芸科学研究科機械システム工学部門 助教 山口桂司
18
活動状況の紹介
○京阪神地区大学【大阪開催】新技術説明会
日 時
場 所
主 催
参加者
技術説明
平成23年11月22日(火)10:00~16:20
大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
京都大学、大阪大学、神戸大学、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学、甲南大学、
神戸学院大学、大阪市立大学、京都府立医科大学、大阪府立大学、京都産業大学、兵庫県立大学、
京都工芸繊維大学、独立行政法人科学技術振興機構
163名
「有機無機ハイブリッドデンドリマーによる固体導電材料」
大学院工芸科学研究科物質工学部門 教授
「高速度3次元動画像計測技術」
大学院工芸科学研究科電子システム工学部門 准教授
○日東電工とのテーマ創出フリーディスカッション
日 時
場 所
主 催
参加者
平成23年11月30日(水)13:30~17:30
日東電工株式会社 茨木事業所
日東電工株式会社、京都工芸繊維大学若手研究者
30名
本学からの参加者
山雄
健史(高分子機能工学部門)
西川
幸宏(高分子機能工学部門)
熊田
陽一(生体分子工学部門)
山吉
麻子(生体分子工学部門)
浅岡
定幸(生体分子工学部門)
田中
直毅(生体分子工学部門)
井沢
真吾(応用生物学部門)
塩野
剛司(物質工学部門)
麻生
祐司(バイオベースマテリアル学部門)
19
中
建介
粟辻安浩
活動状況の紹介
◆
パネル展出展等
○科学・技術フェスタin京都2011
(パネル展への出展)
日
時
平成23年12月17日(土)~18日(日)
場
所
国立京都国際会館
主
催
内閣府、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省、科学技術振
興機構、情報通信研究機構、日本学術振興会、理化学研究所、物質・材料研究機構、宇宙航
空研究開発機構、海洋研究開発機構、日本原子力研究開発機構、産業技術総合研究所、国立
高等専門学校機構、京都産学公連携機構(京都府、京都市、京都商工会議所等)、国立京都
国際会館、日本学術会議、関西経済連合会、世界化学年2011日本委員会、稲盛財団
出展者
電子システム工学専攻、高分子機能工学専攻、機械システム工学専攻、
学専攻
20
先端ファイブロ科
活動状況の紹介
○イノベーション・ジャパン2011-大学見本市
(パネル展への出展・シーズプレゼンテーション)
日 時
平成23年9月21日(水)~9月22日(木)
場 所
東京国際フォーラム
主 催
独立行政法人科学技術振興機構、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
出展者
パネル展示①
大学院工芸科学研究科物質工学部門 教授 一ノ瀬暢之
パネル展示②
大学院工芸科学研究科電子システム工学部門 助教 上田哲也
パネル展示③
大学院工芸科学研究科生体分子工学部門 助教 熊田陽一
21
活動状況の紹介
○中信ビジネスフェア2011
(パネル展への出展、学生デザインコンテストへの応募)
日 時
場 所
主 催
後 援
協 賛
出展者
平成23年10月19日(水)~20日(木)
京都府総合見本市館(パルスプラザ)
京都中央信用金庫
近畿経済産業局、京都府、京都市、京都商工会議所、(社)京都経済同友会
日本フルハップ、京都中央信用金庫関連会社
創造連携センター
・「中信学生デザインコンテスト」で優秀賞等を受賞
中信ビジネスフェア2011と同時開催で「中信学生デザインコ
ンテスト」も開催されました。同コンテストは、「京都の伝統文化に
育まれた学生の斬新・創造的なデザインを発掘し、地域の中小
企業との出会いの場をセッティングすることで、新たな『京都ブラ
ンド商品』を創り出す一助とする」ことを目的として開催され、4回
目となる今年も「京風」をテーマとしたパッケージデザインの募集
が行われました。
応募のあった全25点のうち、本学の鬼頭昌大さん(デザイン科
学専攻2回生)の作品「Butterflipper(バタフリッパー)」が見事、
最優秀賞を受賞したほか、本郷陽平さん(デザイン科学
専攻1回生)の作品「京野菜段ボール」が努力賞を受賞しました。
22
活動状況の紹介
○びわ湖環境ビジネスメッセ2011
(パネル展への出展)
日
時
平成23年10月19日(水)~21日(金)
場
所
滋賀県立長浜ドーム
主
催
滋賀環境ビジネスメッセ実行委員会
後
援
後援:経済産業省、環境省、近畿経済産業局、日本貿易振興機構(ジェトロ)、
(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構
関西支部、(独)中小企業基盤整備機構 近畿支部、
(独)科学技術振興機構、関西広域連合、地球環境関西フォーラム、(公社)関西経済連合会、
(公財)関西生産性本部、(社)関西ニュービジネス協議会、(財)新エネルギー財団、
(財)日本環境協会、(財)クリーン・ジャパン・センター、(社)産業環境管理協会、
(社)全国建設産業団体連合会、(公社)全国産業廃棄物連合会、(社)日本有機資源協会、
グリーン購入ネットワーク
23
活動状況の紹介
○2011異業種交流農商工連携・地域資源活用・新連携フォーラム・
第15回異業種京都まつり (パネル展への出展)
日
場
主
時
所
催
平成23年10月13日(木)
京都全日空ホテル
独立財団法人中小企業基盤整備機構近畿支部、京都府異業種交流会連絡会議、京都府、
公益財団法人京都産業21
○京都産学公連携フォーラム2011
(パネル展への出展・シーズプレゼンテーション)
日
場
主
時
所
催
平成23年11月18日(金)
京都工業会館
京都産業大学、京都大学、京都府立医科大学、京都府立大学、同志社大学、立命館大学、
龍谷大学、京都府、京都市、京都商工会議所、社団法人京都工業会、京都工芸繊維大学
24
活動状況の紹介
○きょうと連携交流ひろば2012(京都ビジネス交流フェア2012)
(パネル展への出展)
日
場
主
時
所
催
平成24年2月23日(木)~24日(金)
京都府総合見本市会館(パルスプラザ)
京都府、財団法人京都産業21
○大学シーズ説明発表会
(講演・パネル展への出展)
日
場
主
時
所
催
平成24年1月27日(金)
京都リサーチパーク
「京都発未来創造型産業創出連携拠点」推進委員会
○産学官金連携セミナー
(パネル展への出展)
日
場
主
時
所
催
平成24年3月9日(金)
京都銀行本店東館
京都銀行
25
会議等の記録
□創造連携センター運営委員会
平成23年度第1回運営委員会(メール会議)
1.受託研究の受け入れについて
議 題
平成23年度第2回運営委員会
日 時
平成 23 年 5 月 25 日(水)
場 所
創造連携センター 会議・研修室
議 題
1.平成 22 年度創造連携センター事業報告について
2.平成 22 年度決算概要及び平成23年度事業予算について
3.創造連携センター事業協力会総会等の開催について
4.創造連携センターからの学部授業提供について
5.その他
報告
1.平成23年度年間スケジュールについて
2.その他
平成23年度第3回運営委員会
日 時
平成 23 年 7 月 27 日(水)
場 所
創造連携センター 会議・研修室
議 題
1.寄附金の申し込みについて
2.CO-RESEARCH2011 について
3.その他
報告
1.平成 23 年度客員教授等任用計画について
平成23年度第4回運営委員会(メール会議)
議 題
1.寄付金の受け入れについて
平成23年度第5回運営委員会
日 時
平成 23 年 9 月 6 日(火)
場 所
創造連携センター 会議・研修室
議 題
1.京都試作プラットフォームとの交流事業について
2.CO-RESEARCH2011 について
3.その他
報告
1.おおた研究・開発フェアへの出展について
2.その他
平成23年度第6回運営委員会
日 時
平成 23 年 11 月 22 日(火)
場 所
創造連携センター 会議・研修室
議 題
1.創造連携センター専任教授の人事について
2.その他
報告
1.その他
平成23年度第7回運営委員会
日 時
平成 24 年 1 月 10 日(火)
場 所
創造連携センター 会議・研修室
議 題
1.平成 24 年度創造連携センター客員教員の推薦について
2.京都工芸繊維大学創造連携センター規則第 3 条第 1 項第 2 号職員推薦に係る
申し合わせについて
3.その他
26
会議等の記録
報告
1.大学発掘技術シーズの活用支援事業について
2.その他
平成23年度第8回運営委員会
平成 24 年 2 月 14 日(火)
日 時
場 所
創造連携センター 会議・研修室
議 題
1.平成 24 年度創造連携センター客員教員について
2.その他
報告
1.その他
平成23年度第9回運営委員会(メール会議)
議 題
1.寄附金の受け入れについて
平成23年度第10回運営委員会
日 時
平成 24 年 3 月 8 日(火)
場 所
創造連携センター 会議・研修室
1.センター専任教授について
議 題
2.次期創造連携センター長・副センター長候補者の選出について
3.平成24年度創造連携センター客員教員について
4.創造連携センター特任専門職(産学官連携マネージャー)について
5.寄付金の受け入れについて
6.チャレンジングサポート事業について
7.その他
報告
1.その他
平成23年度第11回運営委員会
日 時
平成 24 年 3 月 22 日(木)
創造連携センター 会議・研修室
場 所
議 題
1.創造連携センター特任教員について
2.その他
報告
1.その他
平成23年度第12回運営委員会(持ち回り)
日 時
平成 24 年 3 月 27 日(火)
議題
特任教員候補者の選考について
27
会議等の記録
□京都工芸繊維大学創造連携センター事業協力会
日 時
場 所
議 題
平成 23 年 5 月 31 日(火)
京都工芸繊維大学 60 周年記念館(小セミナー室)
1.平成 22 年度事業報告について
2.平成 22 年度決算報告及び監査報告について
3.平成 23 年度役員の選出について
4.平成 23 年度顧問の委嘱について(役員会のみ)
5.平成 23 年度事業計画(案)について
6.平成 23 年度予算(案)について
7.その他
□京都工芸繊維大学創造連携センター事業協力会
日 時
場 所
議 題
平成23年度役員会
平成23年度総会
平成 23 年 5 月 31 日(火)
京都工芸繊維大学 60 周年記念館(大セミナー室)
1.平成 22 年度事業報告について
2.平成 22 年度決算報告及び監査報告について
3.平成 23 年度役員の選出について
4.平成 23 年度事業計画(案)について
5.平成 23 年度予算(案)について
6.その他
28
会議等の記録
□第23回国立大学法人共同研究センター長等会議
日 時
平成 23 年 11 月 24 日(木)~25 日(金)
場 所
オークラアクトシティホテル浜松
プログラム
-11 月 24 日(木)-
1.学長挨拶
静岡大学 学長
2.基調講演「産学官連携の戦略的展開」
文部科学省 科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課長
3.全体協議「次期当番校について」
第24回国立大学法人共同研究センター専任教員会議報告
4.分科会
1)分科会A「大学の連携体制について」
(1)広域連携による産学官連携の在り方
(2)国際連携による産学官連携の在り方
2)分科会B「産学官連携による成果の指標について」
(1)産学官連携の費用対効果
(2)産学官連携活動による教育・研究等への波及効果
5.情報交換会
-11 月 25 日(金)-
1.特別講演①「遠州が生んだ『世界新商品』開発ものがたり」
静岡大学 産学官連携コーディネーター (元ヤマハ発動機株式会社)
2.特別講演②「イノベーション・エコシステムを確立する産学官連携」
早稲田大学学事顧問、放送大学学園理事長(前早稲田大学総長、科学技術・
学術審議会 技術・研究基盤部会 第 5 期産学官連携推進委員会主査)
3.分科会 A、B まとめ報告
4.次期当番校挨拶
5.閉会
主 催
国立大学法人静岡大学(当番校)
出席者
創造連携センター長
田嶋 邦彦
創造連携センター 専任准教授
稲岡美恵子
研究協力課 産学連携係長
中道 秀久
伊東幸宏
池田貴城
藤田武男
白井克彦
□第12回四工大地域共同研究センター等会議
日 時
場 所
出席校
議 題
主 催
出席者
平成 23 年 11 月 25 日(金)
オークラアクトシティホテル浜松
東京農工大学、名古屋工業大学、九州工業大学、京都工芸繊維大学
1.各大学からの報告(近況報告等)
2.各大学における近況、産学連携等の体制、組織、現状について
~産学連携、知的財産、地域貢献・社会貢献、ベンチャー支援等に対する各大学
の体制、組織等の現状、課題、問題点の意見交換~
3.その他
東京農工大学(当番校)
創造連携センター長
田嶋 邦彦
創造連携センター 専任准教授
稲岡美恵子
研究協力課 産学連携係長
中道 秀久
29
会議等の記録
□第24回国立大学法人共同研究センター専任教員会議
日 時
平成 23 年 9 月 1 日(木)~ 2 日(金)
場 所
ホテルモナーク鳥取
プログラム
-9 月 1 日(木)-
1.開会挨拶
鳥取大学 副学長 岸田 悟
2.全体会
1)趣旨説明
2)基調講演「産学官連携の現状と今後の展望」
文部科学省科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室
井上弘亘
3.分科会
分科会Ⅰ.これからの専任教員会議
分科会Ⅱ.専任教員の教育的役割
分科会Ⅲ.金融機関との連携の在り方
分科会Ⅳ.産学連携の戦略的推進
分科会Ⅴ.知的財産の価値評価と自律的な運
4.情報交換会
-9 月 2 日(金)-
1.全体会
1)分科会報告・討論
2)次年度の開催当番校及び幹事の選出
2.鳥取大学乾燥地研究センターの視察(研究紹介・施設見学)
3.鳥取砂丘・ジオパークセンターの視察
主 催
鳥取大学(当番校)
出席者
創造連携センター 専任准教授
稲岡美恵子
30
運営組織
■センター運営メンバー■
(H24.1.1.現在)
○センター長
○副センター長
○専任准教授
○産学官連携コーディネーター
○産学官連携マネージャー
○客員教授
オムロン株式会社 特別顧問、
財団法人京都高度技術研究所
京都環境ナノクラスター事業総括
田
森
稲
行
片
嶋 邦 彦
脇 一 郎
岡 美恵子
場 吉 成
山
茂
市 原 達 朗
○客員教授
パナソニック株式会社 本社R&D部門
顧問
大 嶋 光 昭
○客員教授
Quergen pharama co-founder、
Betal co-founder and chief scientific officer、
Flaxan co-founder and chief scientific officer、
Boston Tech Consulting President
小 野 光 則
○客員教授
独立行政法人科学技術振興機構
研究開発戦略センター
フェロー
金 子 直 哉
○客員教授
杉本特許事務所
弁理士
杉 本 勝 德
○客員教授
村田機械株式会社 専務取締役・
技術総括/犬山R&Dセンター所長
林
孝 雄
○客員教授
有限会社テクノ経済研究所
代表取締役
弘 岡 正 明
○客員教授
弁護士法人淀屋橋・山上合同
弁護士・弁理士
藤 川 義 人
○客員教授
株式会社島津製作所
顧問・技監
吉 田 多見男
○客員准教授
大西特許事務所
弁理士
大 西 雅 直
○客員教授
京都市産業技術研究所
研究部長
西 内 滋 典
○客員教授
京都市産業技術研究所
研究部長
大 藪
泰
○客員教授
京都市産業技術研究所
企画情報室研究部長
北 川 和 男
31
運営組織
○客員准教授
京都市産業技術研究所
究所研究担当課長補佐
杉
○客員准教授
元京都市産業技術研究所
研究部長
土
○兼 非常勤講師(現職:繊維科学センター特任准教授)
京都市産業技術研究所
研究担当課長
早
○客員准教授
京都市産業技術研究所
主席研究員
山
○客員准教授
京都市産業技術研究所
情報企画室長
水
○客員准教授
京都市産業技術研究所
研究担当課長
横
○客員准教授
京都市産業技術研究所
研究担当課長
佐
浦
和 明
屋
朝 義
水
督
本
佳 宏
谷
泰
山
直 範
藤
昌 利
田
森
吉
松
久
福
山
山
稲
石
嶋
脇
本
野
保
田
田
田
岡
川
邦
一
昌
謙
雅
民
石
井
人
中
中
給
河
川
上
見
道
嶋
田
辺
均
裕 之
比呂司
秀 久
剛 大
律 子
奈 々
◆運営委員会
○委員長
○委 員
○委 員
○委 員
○委 員
○委 員
○委 員
○委 員
○委 員
○委 員
創造連携センター長
創造連携センター 副センター長
大学院工芸科学研究科 教授
大学院工芸科学研究科 教授
大学院工芸科学研究科 教授
大学院工芸科学研究科 教授
環境科学センター
教授
創造連携センター
教授
創造連携センター 専任准教授
研究協力課長
彦
郎
広
一
義
郎
悦
保 冶
美恵子
均
◆センター事務職員
○研究協力課長
○研究協力課 研究協力室長
○研究協力課 主査
○研究協力課 産学連携係長
○研究協力課 産学連携係員
○研究協力課 産学連携係員
○創造連携センター
32
運営組織
■組織図
センターの諸活動を円滑に推進するため、当センターは図のような組織で運営しています。
(24.1.1.現在)
33
産業界との共同研究・受託研究
○産業界との共同研究・受託研究の実績
共同研究及び受託研究件数の推移
平成23年度学域等別内訳
共同研究
基礎科学
系
3%
造形科学
系
2%
教育研究
センター
等
9%
基礎科学
系
2%
受託研究
教育研究
センター
造形科学
等
系
7%
3%
生命物質
科学系
27%
設計工学
系
34%
設計工学
系
59%
34
生命物質
科学系
54%
平成23年度共同研究一覧
研究題目
研究代表者
藤の花酵母の探索
大学院工芸科学研究科
准教授 井沢 真吾
高性能で安定供給可能なウサギモノクローナル抗体の開発
大学院工芸科学研究科
助教 市川 明
γ グルタミル基含有化合物の製法開発
大学院工芸科学研究科
教授 鈴木 秀之
宇宙環境下におけるカイコ卵遺伝子の発現解析
大学院工芸科学研究科
助教 長岡 純治
宇宙環境を利用した高品質タンパク質結晶生成(第4回実験)と精密立体構造の解析
大学院工芸科学研究科
教授 原田 繁春
宇宙環境を利用した高品質タンパク質結晶生成(第5回実験)と精密立体構造の解析
大学院工芸科学研究科
教授 原田 繁春
神経変性疾患関連モデルショウジョウバエの開発とその利用
大学院工芸科学研究科
教授 山口 政光
癌・代謝関連疾患モデルショウジョウバエの開発及び疾患モデルショウジョウバエ 大学院工芸科学研究科
教授 山口 政光
の創薬応用研究
高温液体クロマトグラフィー分離に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 池上 亨
桑葉に含有されるアルツハイマー病に有効な物質の探索研究
大学院工芸科学研究科
准教授 亀井 加恵子
桑葉成分の季節変化に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 亀井 加恵子
超早期診断技術開発プロジェクト
脳・心臓・血管系等に関連する生体情報を無侵襲・低侵襲で継続的に計測するための 大学院工芸科学研究科
高感度な計測技術とデバイスの開発
教授 岸本 通雅
(アルツハイマー病・パーキンソン病などを早期に発見する無侵襲計測システムの開発)
35
研究題目
研究代表者
PS-tagを利用した抗体固定化技術による新規レクチンイムノアッセイ法の開発
大学院工芸科学研究科
助教 熊田 陽一
ESR関連分析試薬の開発に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 田嶋 邦彦
電子スピン共鳴装置(ESR)新規付属装置の設計・試作・評価に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 田嶋 邦彦
電子スピン共鳴法による青果物の系統的な抗酸化活性評価に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 田嶋 邦彦
電子スピン共鳴装置の高感度・高精度サンプルユニットの新規開発と評価に関する研
究
大学院工芸科学研究科
教授 田嶋 邦彦
金属イオン高速透過膜の開発
大学院工芸科学研究科
教授 吉川 正和
繊維配向と力学特性の相関の研究
大学院工芸科学研究科
准教授 西川 幸宏
フィラー/高分子複合材料のモルフォロジー解析
大学院工芸科学研究科
准教授 西川 幸宏
X線CTによる高分子・複合材料の評価・解析
大学院工芸科学研究科
准教授 西川 幸宏
ポリマー材料のX線CT解析
大学院工芸科学研究科
准教授 西川 幸宏
高配向有機結晶デバイスの作製と基礎物性評価
大学院工芸科学研究科
教授 堀田 収
光反応を利用したポリマーブレンドの構造制御および機能性付与に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 宮田 貴章
36
研究題目
研究代表者
フタロシアニン薄膜の光初期過程に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 池田 憲昭
フッ素系界面材料の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 老田 達生
"Structural analysis by X-ray absorption spectroscopy of chalcogenide compounds for
application to high performance thin film switching devices"
大学院工芸科学研究科
「高性能薄膜スイッチング素子への応用のためのカルコゲン化物のX線吸収スペクトル 教授 角野 広平
による構造解析」
高強度、高熱伝導率アルミナ系セラミックス材料に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 塩野 剛司
局在型表面プラズモン共鳴を利用した有機水素化合物の検知に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 高廣 克己
リアルナノ・サブナノ・原子スケール分析を目指した光電子分光および光吸収分光の確 大学院工芸科学研究科
立(サブナノ粒子の光電子分光およびオージェ電子分光)
教授 高廣 克己
光デバイスのための汎用性のある低反射率光透過フィルムの量産化新技術開発
大学院工芸科学研究科
教授 塚原 安久
カーボンナノチューブ表面の化学修飾技術開発
大学院工芸科学研究科
教授 塚原 安久
銀錯体の構造解析
大学院工芸科学研究科
教授 中 建介
機械的結合型樹脂材料の合成
大学院工芸科学研究科
教授 三木 定雄
リビングラジカル重合による組成均一性重合体の開発
大学院工芸科学研究科
教授 箕田 雅彦
ポリビニルエーテル型マクロモノマーの精密合成およびその利用による機能性材料の合成
大学院工芸科学研究科
教授 箕田 雅彦
37
研究題目
研究代表者
アミノ酸残基を有する機能性材料の合成と評価
大学院工芸科学研究科
准教授 青木 隆史
ポリ乳酸オリゴマーからのラクチド生成触媒開発
大学院工芸科学研究科
准教授 安孫子 淳
新規難燃剤の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 安孫子 淳
外用製剤のミクロ構造がその機能に及ぼす影響
大学院工芸科学研究科
教授 浦川 宏
バイオ接着剤の研究
大学院工芸科学研究科
教授 小原 仁実
ステレオコンプレックス型PLA樹脂の評価・配合剤研究
大学院工芸科学研究科
教授 木村 良晴
塩基性染料を用いた染毛に於ける染色条件と染色性の研究
大学院工芸科学研究科
准教授 安永 秀計
ナノクレーのアクリルゴム及び機能薬品への応用展開
大学院工芸科学研究科
教授 山根 秀樹
デジタルホログラフィック3次元動画像計測装置の実用化に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 粟辻 安浩
デジタル無線信号の光伝送特性の研究
大学院工芸科学研究科
教授 大柴 小枝子
研究企画における価値創造支援システムの研究
大学院工芸科学研究科
教授 門 勇一
次世代給配電システム構築に向けた検証研究
大学院工芸科学研究科
教授 門 勇一
38
研究題目
研究代表者
高クロック動作時でも高いエラー耐性を持つ耐ソフトエラーフリップフロップ技術
大学院工芸科学研究科
教授 小林 和淑
多目的実験ラック利用を目指したプラズマ発生装置の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 高橋 和生
解凍プロセスにおける電磁界と熱の混成シミュレーション
大学院工芸科学研究科
助教 田村 安彦
プラズマパラメータ計測技術に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 政宗 貞男
SiC複合基板の生産に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 吉本 昌広
半絶縁SiC基板に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 吉本 昌広
半導体接合に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 吉本 昌広
車載通信線による高速多重通信の検討
大学院工芸科学研究科
准教授 梅原 大祐
CANの高速多重通信の検討
大学院工芸科学研究科
准教授 梅原 大祐
ヒューマンロボットインタラクションにおける語彙学習手法の研究
大学院工芸科学研究科
教授 岡 夏樹
3次元CTの画質向上を目的とした画像解析システムの開発
大学院工芸科学研究科
教授 中森 伸行
豚肉エックス線三次元再構成画像からの位置情報抽出の研究
大学院工芸科学研究科
教授 中森 伸行
39
研究題目
研究代表者
ソフトウェアテスト工数簡易見積もり器の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 水野 修
OFDM復調技術に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 若杉 耕一郎
セルロース系材料の成形に関する技術開発
大学院工芸科学研究科
准教授 飯塚 高志
自動車部品のマイクロ・ナノ表面加工
大学院工芸科学研究科
教授 太田 稔
汎用の金属用工作機械の操作技術の習得によるものづくり技術者育成プログラムの研 大学院工芸科学研究科
究
教授 太田 稔
大学院工芸科学研究科
教授 太田 稔
高能率微細加工技術の研究
次世代搬送機の高密度安全走行を目指したパラメーター同定と車間制御システムの開 大学院工芸科学研究科
発
准教授 澤田 祐一
高密度化バイオマス資源の燃焼特性に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 高倉 章雄
汎用射出成形機での製造を目指した過熱蒸気処理竹粉-樹脂複合体の開発
大学院工芸科学研究科
教授 高倉 章雄
未利用バイオマス・ホットプレス成型燃料製造システムの技術開発
大学院工芸科学研究科
教授 高倉 章雄
フィルム乾燥時の表面構造に関する数値的研究
大学院工芸科学研究科
教授 西田 秀利
スイミングゴーグルおよびスイミングキャップの水流抵抗の計測に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 萩原 良道
40
研究題目
研究代表者
スイミングゴーグルおよびスイミングキャップの水流抵抗の計測に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 萩原 良道
誘導発熱ロールの振動解析
大学院工芸科学研究科
准教授 増田 新
パンタグラフ接触力のアクティブ制御に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 増田 新
熱交換器内の流動シミュレーション技術の研究
大学院工芸科学研究科
教授 松野 謙一
タイヤ内部の空気流れに関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 村田 滋
金属材料の熱処理に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 森田 辰郎
高強度および低フリクションを併せ持つ熱処理の複合化に関する技術の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 森田 辰郎
チタン製パイプの開発
大学院工芸科学研究科
准教授 森田 辰郎
チタン合金の疲労特性に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 森田 辰郎
レシプロ圧縮機の冷媒脈動流の数値計算に関する研究Ⅳ―吸入吐出弁の弾性変形を 大学院工芸科学研究科
伴う非定常圧縮性粘性流解析の圧縮機全体モデルの確立―
教授 森西 晃嗣
歯車転造の研究
大学院工芸科学研究科
教授 森脇 一郎
内歯車の高能率歯切り加工法の開発
大学院工芸科学研究科
教授 森脇 一郎
41
研究題目
研究代表者
不等速比オフセットフェースギヤ精度管理法に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 森脇 一郎
Zerol Miter Gear歯面解析と加工法に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 森脇 一郎
歯車の高速加工に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 森脇 一郎
内歯車の高能率歯切り加工法の開発
大学院工芸科学研究科
教授 森脇 一郎
今後の結婚式の企画・開発
大学院工芸科学研究科
助教 木谷 庸二
サスティナブルデザイン教育プログラムの展開による地域創生に関する人材育成プログ 大学院工芸科学研究科
ラムの研究
教授 久保 雅義
中国におけるオリジナルブランド製品販売の調査研究
大学院工芸科学研究科
准教授 坂本 和子
Webプロモーションにおける動画表現の効果検証
大学院工芸科学研究科
准教授 坂本 和子
組織・個人の知識創造活動を支援するワークプレイスに関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 仲 隆介
新世代オフィスの記述手法開発とプロトタイプ構築に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 仲 隆介
顧客価値創造を促進させるための働き方と環境の提案
大学院工芸科学研究科
教授 仲 隆介
仕事をより面白くするワークプレイス/ワークスタイルに関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 仲 隆介
42
研究題目
研究代表者
知識創造活動をより面白くするワークプレイスに関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 仲 隆介
ガスヒートポンプエアコン室外機のデザイン開発
大学院工芸科学研究科
教授 藤戸 幹雄
客席用埋込コンロのデザイン開発
大学院工芸科学研究科
教授 藤戸 幹雄
車両デザイン委員会の開催(部外デザイナーによるデザイン提案及びアドバイス)
大学院工芸科学研究科
教授 藤戸 幹雄
機能材料をベースにした技術関連の将来市場調査と商品企画等の提案についての研
究
大学院工芸科学研究科
教授 藤戸 幹雄
かがり火デザイン
大学院工芸科学研究科
教授 藤戸 幹雄
ペーパー触媒の研究開発
大学院工芸科学研究科
助教 井野 晴洋
ケブラー繊維の表面改質に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 奥林 里子
超臨界二酸化炭素によるポリマーの高機能化
大学院工芸科学研究科
准教授 奥林 里子
超臨界二酸化炭素を用いた合成吸着剤への機能剤の含浸方法の検討
大学院工芸科学研究科
准教授 奥林 里子
ウールリサイクルによる商品開発
大学院工芸科学研究科
教授 木村 照夫
カーペットを用いた繊維およびゴムのリサイクル
大学院工芸科学研究科
教授 木村 照夫
43
研究題目
研究代表者
回収CFを用いた成形品の評価
大学院工芸科学研究科
教授 木村 照夫
未利用古着の色相分別手法
大学院工芸科学研究科
教授 木村 照夫
長寿命自発光ボラード・ウェルネスタイプの開発
大学院工芸科学研究科
准教授 桑原 教彰
エレクトロスピニング装置の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 小滝 雅也
プラスチック成形品の表面/界面特性に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 小滝 雅也
ナノファイバーのモルフォロジー制御技術に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 小滝 雅也
エレクトロスピニングにより作製する機能性ナノ繊維の研究
大学院工芸科学研究科
准教授 小滝 雅也
塗膜のスクラッチ挙動に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 小滝 雅也
スクラッチ特性評価手法の確立
大学院工芸科学研究科
准教授 小滝 雅也
ポリオレフィン材料の表面・界面に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 小滝 雅也
布の官能評価に及ぼす物理的特性に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 鋤柄 佐千子
大学院工芸科学研究科
視覚、触覚情報を融合した羊毛織物の品質評価」及び「ウールの質感の物性評価 教授 鋤柄 佐千子
大学院工芸科学研究科
と質感に関する印象評価
教授 佐藤 哲也
44
研究題目
研究代表者
温水用コンパウンド樹脂の開発
大学院工芸科学研究科
教授 西村 寛之
温水用樹脂管の耐久性評価
大学院工芸科学研究科
教授 西村 寛之
難燃性を有する高機能樹脂加工品の研究
大学院工芸科学研究科
教授 西村 寛之
植物由来樹脂アロイの成形加工と物性に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 西村 寛之
CO2輸送への高分子材料適用に関する技術課題調査
大学院工芸科学研究科
教授 西村 寛之
環境負荷の低減に向けた樹脂材料の用途開発と物性評価
大学院工芸科学研究科
教授 西村 寛之
「一方向性CFRTP中間基材の設計・開発」
「CFRTP中間基材の高速内圧成形技術の開発」
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
エンジニアリングプラスチック樹脂及び繊維に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
PET超延伸シートを用いた複合材料の基礎的研究
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
耐高速衝撃性に優れたプラスチックの新規形状・構成に関するシュミレーション検討
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
大学院工芸科学研究科
横編機ニット骨材を使った複合材料の基本特性検証、並びに実用化に向けた研究 教授 濱田 泰以
プラスチック成形加工に関するトレーニングカリキュラムの開発
45
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
研究題目
研究代表者
天然繊維充填生分解性樹脂複合材料の開発
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
寿司皿の画像識別
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
衝撃吸収特性に優れた複合体構成に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
高分子フィルム成形における数値解析法
大学院工芸科学研究科
准教授 横山 敦士
ゴム材料の押し出し成形用金型の最適設計法に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 横山 敦士
フラップ開閉機構の最適構造設計に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 横山 敦士
家庭用コージェネ用リモコンのデザイン開発
大学院工芸科学研究科
教授 櫛 勝彦
モニター色測定器『プリズモモニタ(仮称)』に係る研究開発
大学院工芸科学研究科
教授 山本 建太郎
蒸暑期にも有効な超高断熱・高気密住宅(パッシブハウス)に関する技術開発
大学院工芸科学研究科
准教授 芝池 英樹
小型イオン注入装置の開発と応用
大学院工芸科学研究科
准教授 一色 俊之
金属-高分子複合材料の構造評価法に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 一色 俊之
電子顕微鏡による炭化ケイ素結晶評価技術の研究
大学院工芸科学研究科
准教授 一色 俊之
46
研究題目
研究代表者
触媒微粒子構造体の形態解析
大学院工芸科学研究科
准教授 一色 俊之
SiC基板の欠陥評価手法の研究
大学院工芸科学研究科
准教授 一色 俊之
琵琶湖水深別水質の把握
環境科学センター
教授 山田 悦
改良ポリ乳酸の応用研究
繊維科学センター
特任教授 望月 政嗣
ポリ乳酸樹脂の結晶化に与えるチラバゾールの添加効果
繊維科学センター
特任教授 望月 政嗣
伝統産業としての新しい生糸の生産
生物資源フィールド科学教育
研究センター
准教授 一田 昌利
繭タンパク質及び副産物の利用に関する研究
生物資源フィールド科学教育
研究センター
准教授 一田 昌利
ブレージングシャフトの研究
伝統みらい教育研究セン
ター
准教授 仲井 朝美
繊維強化複合材料の力学的評価と応用
伝統みらい教育研究セン
ター
准教授 仲井 朝美
熱可塑性樹脂の異形織物構造体の成形技術及び高速引抜き成形技術に関する研究
伝統みらい教育研究セン
ター
准教授 仲井 朝美
有限要素法による圧力容器の解析
伝統みらい教育研究セン
ター
准教授 仲井 朝美
ポリエステル繊維及び混紡繊維の分解処理実用化研究
ナノ材料・デバイス研究プロ
ジェクトセンター
特任教授 河合 富佐子
47
研究題目
研究代表者
新規糖類ポリマーの創製と機能性材料への応用
ナノ材料・デバイス研究プロ
ジェクトセンター
特任教授 小林 四郎
相同DNA組換えに働く遺伝子とタンパク質に関する研究
遺伝資源キュレーター教育
研究センター
特任教授 草野 好司
新規機能性材料の創生
創造連携センター
教授 山田 保治
高機能ハイブリッド樹脂の開発研究
創造連携センター
教授 山田 保治
メタン・二酸化炭素ガス分離膜用のポリイミド-シリカハイブリッド樹脂、並びに当該樹脂 創造連携センター
を原料とする直接紡糸法による中空糸膜及びモジュール成形技術の開発
教授 山田 保治
48
平成23年度受託研究一覧
研究題目
研究代表者
メーターへの蟻進入に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 秋野 順治
蟻入り耐性評価試験に関する研究
大学院工芸科学研究科
准教授 秋野 順治
新規マーカー遺伝子の創製と革新的選択法の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 片岡 孝夫
細胞増殖制御能を持つ機能性絹糸開発に向けたカイコの分子育種
大学院工芸科学研究科
准教授 小谷 英治
大腸菌をモデル生物としたポリアミン輸送及び代謝調節機構の解明と制御
大学院工芸科学研究科
教授 鈴木 秀之
キシロースを糖源としてエタノール発酵する微生物の育種
大学院工芸科学研究科
教授 鈴木 秀之
微生物酵素による味噌のコク味増強法の開発
大学院工芸科学研究科
教授 鈴木 秀之
「核酸およびレドックス調節パスウェイを標的とする抗トリパノソーマ薬の開発」
(核酸およびレドックス調節パスウェイ標的酵素群のX線解析)
大学院工芸科学研究科
教授 原田 繁春
蛋白質分子固定化ハイスループットスクリーニング用チップの開発
大学院工芸科学研究科
教授 森 肇
昆虫ウイルスの微結晶を用いたタンパク質の構造と機能解析
大学院工芸科学研究科
教授 森 肇
カイコウイルス多角体の構造改変によるタンパク質の効率的生産・回収技術の開発
大学院工芸科学研究科
教授 森 肇
ショウジョウバエ腸幹細胞増殖・分化のエピジェネティック制御とその老化による変化
大学院工芸科学研究科
教授 山口 政光
49
研究題目
研究代表者
光捕集アンテナ構造を組み込んだ光合成型光電変換デバイスの創製
大学院工芸科学研究科
准教授 浅岡 定幸
ショウジョウバエモデルとベトナム由来天然物のヒト疾患研究への応用
大学院工芸科学研究科
教授 亀井 加恵子
表面プラズモン共鳴-表面プラズモン励起蛍光複合装置の開発
大学院工芸科学研究科
教授 岸本 通雅
一本鎖抗体集積化チップを用いるバイオマーカー糖鎖プロファイリング診断システムの 大学院工芸科学研究科
開発
助教 熊田 陽一
光応答性架橋型核酸プローブの開発と、RNAマニピュレーションへの応用
大学院工芸科学研究科
准教授 小堀 哲生
ナノ組織化シャペロンペプチドによるアルツハイマー病の制御
大学院工芸科学研究科
准教授 田中 直毅
リアルタイム遺伝子発現イメージングシステムの開発
大学院工芸科学研究科
教授 村上 章
高速応答性有機フォトリフラクティブポリマーの創製と先進情報通信技術の開発
大学院工芸科学研究科
教授 堤 直人
大学院工芸科学研究科
准教授 西川 幸宏
歯科用CTにおけるメタルアーティファクト低減技術
高感度示差走査熱量計のための温度走査技術
大学院工芸科学研究科
准教授 八尾 晴彦
太陽型高分子を用いた選択的ナノ粒子捕集材料の開発
大学院工芸科学研究科
助教 足立 馨
シール材料の研究開発動向調査
大学院工芸科学研究科
准教授 池田 裕子
50
研究題目
研究代表者
グリーン製品製造に不可欠なゴム網目制御技術の確立
大学院工芸科学研究科
准教授 池田 裕子
紫外レーザー駆動衝撃波クロマトグラフィー法の開発
大学院工芸科学研究科
教授 一ノ瀬 暢之
光デバイスのための汎用性のある低反射率光透過フィルムの量産化新技術開発
大学院工芸科学研究科
教授 塚原 安久
有機無機ハイブリッドデンドリマーによる革新型次世代リチウムイオン電池用固体電解
質の開発
大学院工芸科学研究科
教授 中 建介
微生物発酵によるアクリル酸生産法の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 麻生 祐司
バイオベースマテリアルを用いた安全な染毛料の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 安永 秀計
研究開発項目④化学品原料の転換・多様化を可能とする革新グリーン技術の開発/高 大学院工芸科学研究科
性能ポリ乳酸の研究開発・製造プロセス開発と実用化技術開発
教授 山根 秀樹
大学院工芸科学研究科
「生体吸収性ポリマー技術を用いた生体吸収性ステントの改良及び製品化」(高強度ポリL乳酸繊維の開発)
教授 山根 秀樹
フェムト秒4次元動画像計測技術とその装置の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 粟辻 安浩
デジタルホログラフィック超高速度3次元動画像計測システムの開発
大学院工芸科学研究科
准教授 粟辻 安浩
回折領域境界の波長依存性を利用したRGBカラー分解素子に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 裏 升吾
ディペンダブルVLSIプラットフォーム信頼性向上技術の検討
大学院工芸科学研究科
教授 小林 和淑
51
研究題目
研究代表者
大表面積配向カーボンナノチューブの作製とスーパーキャパシタへの応用
大学院工芸科学研究科
教授 林 康明
表裏一括プラズマ処理装置の市場性調査
大学院工芸科学研究科
教授 吉本 昌広
DICOM-STL変換支援及び変換ソフトの研究開発
大学院工芸科学研究科
准教授 福澤 理行
鋼管製造における回転式連続プレス加工法の開発
大学院工芸科学研究科
教授 秋山 雅義
マイクロバブルの利用による高効率伝熱促進技術の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 北川 石英
未利用バイオマス・ホットプレス成型燃料製造システムの技術開発
大学院工芸科学研究科
教授 高倉 章雄
微量ガス成分の高速・高感度in-lineモニタリングを可能とする光ファイバレーザ分光式
マイクロセンサの開発
大学院工芸科学研究科
准教授 西田 耕介
農業廃棄物を利用したナノグリーンコンポジットの創製
大学院工芸科学研究科
准教授 奥林 里子
糸への連続式電子線グラフト重合法による高耐久性高機能繊維の開発
大学院工芸科学研究科
准教授 奥林 里子
身体負荷の高い看護・介護技術習得のための自習支援システムの開発
大学院工芸科学研究科
准教授 桑原 教彰
組紐技術を用いた長尺FRP製品の開発
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
医療・化粧品用の共重合体化による新規なリサイクル技術を用いた透明RPETの研究開 大学院工芸科学研究科
発
教授 濱田 泰以
52
研究題目
研究代表者
異種材料複合編製コア高分子ナノファイバー医療用チューブの開発
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
漆調射出成形体に関する研究
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
京都祇園祭山鉾の懸装品に用いられた朝鮮毛綴の材質分析
大学院工芸科学研究科
教授 濱田 泰以
可視光レーザーによるナノホールアレイ基板の創製
大学院工芸科学研究科
助教 山田 和志
建築的仕掛けと概念、日仏の空間性に関する比較研究
大学院工芸科学研究科
准教授 西田 雅嗣
伝統的構法における土壁の性能検証実験
大学院工芸科学研究科
教授 森迫 清貴
InN膜の結晶性・光学物性ラマン評価
大学院工芸科学研究科
教授 播磨 弘
ショウジョウバエ遺伝資源の収集・総合的維持管理・提供
ショウジョウバエ遺伝資源セ
ンター
教授 山本 雅敏
編物技術を用いた環境対応型耐熱材・断熱材の開発
伝統みらい教育研究セン
ター
准教授 仲井 朝美
非磁性・非電導構造物に用いる新しい熱可塑性樹脂連続繊維補強材の開発
伝統みらい教育研究セン
ター
准教授 仲井 朝美
京都環境ナノクラスター
創造連携センター
教授 山田 保治
大学院工芸科学研究科
教授 吉本 昌弘
教授 木村 良晴
53
科学技術相談室より
■
科学技術相談室報告
■
産学官連携コーディネーター 行場
吉成
平成 23 年度の科学技術相談の件数は 81 件だった。平成 21 年度が 81 件、22 年度が 82 件と 3 年
連続で 80 件台の前半で推移している。企業規模別の内訳は、中小・ベンチャー企業(個人を含
む)65 件、大企業 16 件(みなし大企業を含む)となり、全体の約 80%を中小・ベンチャー企業が
占めた。行政の産業支援機関や金融機関等からの紹介は 15 件(約 18・5%)で、前年度(約
20%)に比べて低下したものの一定の水準で推移しており、特徴の一つと考えられる。主な機関は
京都府中小企業技術センター、財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)、公益財団法人京都産業
21 で、金融機関は京都信用金庫、京都中央信用金庫、京都銀行など。相談内容は例年通り繊維に
関するものが散見されるが、それ以外では大きな特徴はなく、数年前に多かったマーケティングや
経営に関する相談はほとんどなかった。
地域別では近畿圏内(2 府 5 県)が 69 件で、なかでも京都府内が 47 件となり 3 年連続で全体の
半数を超えた。2 位は大阪府の 14 件、3 位が滋賀県、東京都の 5 件となった。相談は直接、メール
や電話で大学に問い合わせがあるものに加えて、地元の金融機関や公設試験研究機関などの中小企
業支援機関から紹介されて大学を訪れるケースも数多くあり、地域の相談窓口として一定の役割を
果たしているものと考えられる。
科学技術相談から共同研究や奨学寄付金、公募等への申請につながったケースは昨年度と同数の
11 件となった。中小企業は自己資金での共同研究が難しいケースがあり、テーマによっては公募
申請の支援を行っている。科学技術相談をベースにした公募申請は企業側のニーズが明確なので採
択率も高く、研究期間終了後も連携を続ける企業が多い。平成 23 年度の採択実績は 3 件で、現在
審査中の案件が 2 件。なお、平成 18 年から始めた京丹後市での「技術・経営相談会」は、平成 23
年度も 7 月、3 月に京丹後キャンパスで実施し、合計 4 件の相談があった。この相談会は、京丹後
市との包括協定に基づいて行っているもので、実施にあたっては研究協力課の協力を得ている。
~『技術・経営相談会』~
【京丹後キャンパスにて】
54
科学技術相談室より
・相談室設立の趣旨
近年、科学技術の高度化、複合化の進展は、著しいものがあります。このような状況下にあって、
本学のように伝統の上に立ちながら時代の進展と共に自己改革を進め発展を続けてきた工学系の大
学に対する産業界の期待は一段と大きくなってきております。大学は、本来の使命として研究と人
材養成だけでなく「開かれた大学」として、その高度な専門的知識と技術を社会に還元し、地域の
発展に貢献することも重要な役割と考えます。このような現状をふまえ、平成元年12月に、科学
技術相談室を設置し、広く産業界、学外の公的機関等からの技術相談に応じております。なお、相
談は無料です。
・相談室受付の流れ
創造連携センター
専任教員
①相談申込
科学技術相談室
産学官連携コーディネーター
③諾否回答
相談者
②依頼と
相談内容の通知
④相 談
⑥報
告
担当教員
(各専門分野)
⑤回 答
・科学技術相談実績(件数の推移)
**** * * 相談申込先 * * ****
京都工芸繊維大学 創造連携センター
〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎御所海道町
TEL (075)724 - 7933
FAX
(075)724 - 7930
E-Mail [email protected]
55
平成 23 年度共同研究成果報告
環境低負荷型コーティング剤の開発
創造連携センター
山田保治・三木真湖
【緒言】
化石資源の枯渇や地球環境の観点から、石油原料に変わる天然資源への移行が叫ばれ
ている。石油系プラスチックに変わる素材としてバイオベースポリマーが期待され、多
種多様なバイオベースポリマーが開発されている。これらの中でポリ乳酸は、 カーボン
ニュートラルで再生産可能であること、生分解性を有し加工性に優れる ことから石油由
来にわる新規の汎用プラスチックとして大いに期待されている。しかしポリ乳酸は、従
来の汎用プラスチックと比較して耐熱性や耐久性、強度等がいずれも劣ることが問題と
な っ て い る 。こ う し た 材 料 特 性 の 改 善 法 と し て 、他 の ポ リ マ ー と の 共 重 合 化 お よ び 有 機 /
無機ハイブリッド化が挙げられる。我々は、ポリ乳酸とシリカとのハイブリッドからな
るバイオマスプラスチック製品で、透明性、表面硬度に優れた新規な環 境低負荷型ハー
ドコーティング剤を開発した(バイオマスプラスチック製品(日本バイオマスプラスチ
ッ ク 協 会 ):製 品 中 の バ イ オ マ ス プ ラ ス チ ッ ク 度( バ イ オ マ ス プ ラ ス チ ッ ク の 重 量 含 有 率
[wt%]) が 25%以 上 の プ ラ ス チ ッ ク 製 品 )。
PLLA含有
ハードコート剤
光重合反応
PLLA含有
ハイブリッド・ハードコート
有機/無機
ハイブリッド化
Scheme 1 PLA-シリカハイブリッドハードコート剤の合成模式図
【実験】
直鎖および分岐型ポリ乳酸をラクチドの開環重合により合成し(Linear PLLA, Branched PLLA)、
さらに methacryloyl chloride を用いてその末端をメタクリル化した(M-Linear PLLA, M-Branched
PLLA)。得られた末端メタクリル化ポリ乳酸と多官能アクリルモノマー、予め 3-methacryloyl
propyl trimethoxy silane(MPS)による表面修飾を施したコロイダルシリカを任意の割合で混合し、
光重合開始剤を添加してハードコーティング剤を調製した。これを PMMA 板にスピンコートし、
56
平成 23 年度共同研究成果報告
UV(254nm)を照射して光ラジカル重合を行い、ハードコーティング層を作製した。また、得られ
たハードコーティング層について、光学特性および表面特性を評価した。
【結果・考察】
PLLA‐シリカハイブリッドは、バイオマスプラスチッ
ク製品となる組成で無色透明となり、UV 硬化後も高い
透明性(全光線透過率:97%以上・Haze 値 2.5 以下)を
示した(Fig.1)。PLLA 含有量の増加と共に、コーティン
グ層の Haze 値(曇価)は上昇する傾向を示した。これは、
PLLA 組成の高い系において、PLLA の結晶化が起こって
いるためだと考えられる。また、PLLA 含有量の増加に
従い、コーティング層に PLLA の脆弱性が付与され、表
Fig.1 Transparency of PLLA-silica hybrid coatings
面硬度の低下がみられた。
シリカを 20wt%導入したコーティング剤は、任意の PLLA 組成範囲で無色透明となり、UV 硬化後
も高い透明性(全光線透過率:97%以上・Haze 値 2.5 以下)を示した。このことから、コーティン
グ層中でシリカがナノスケールを保持しつつ良好に分散していることが示唆された。しかし、シリ
カを 50wt%導入したコーティング剤は PLLA 組成の高い範囲で白濁し、UV 硬化後のコーティング層
も白濁した。これは、PLLA とシリカの相溶性の低さにより、コロイダルシリカがコーティング剤中
で凝集したためだと考えられる。
シリカを 20wt%導入した系では、コロイダルシリカの表面修飾率が高い系ほど、より低い Haze 値
を示した。これは、MPS による表面修飾によってコロイダルシリカ表面の反応点が増加し、シリカ
と有機成分(PLLA・アクリル樹脂)との相溶性が向上した
ためだと考えられる。
また、シリカの導入により表面硬度は向上する傾向を示
した(Fig.2)。これは、シリカの無機的性質の付与および架
橋密度の上昇によるものと考えられる。さらに、コロイダ
ルシリカの表面修飾率が高い系ほど、コーティング層の表
面硬度は向上し、最高で 5H の高い表面硬度を保持した。
これは、コロイダルシリカ表面の反応点が増えることで、
有機/無機間の共有結合の数が増加し、架橋密度が上昇した
結果、ポリマー鎖がより強く束縛されたためと考えられる。
57
Fig.2 Pencil hardness of PLLA-silica
hybrid coatings
【Copolymer:M-Branched PLLA】
平成23年度共同研究成果報告
桑葉に含有されるアルツハイマー病に有効な物質の探索研究
研究代表者
学外共同研究者
生体分子工学部門 教授 亀井加恵子
株式会社ファルマエイト 取締役会長 杉本八郎
(現、同志社大学
学外共同研究者
脳科学研究科
神経疾患研究センター
株式会社ファルマエイト 研究開発部部長
教授)
奥田充顕
超高齢化社会において、健康に過ごせる健康寿命を延ばすことが重要な課題となっている。その
中で、我々はメタボリックシンドロームおよびアルツハイマーに着目している。これらの疾病の治
療にかかる医療費は莫大であり、現代社会において経済的にも影響を与える深刻な問題である。
本研究で着目した NADPH オキシダーゼは、活性酸素種(ROS)を産生する酵素で、様々な生物
種に広く保存されている。食細胞内で ROS を産生し、体内に侵入したバクテリアを殺す生体防御へ
の関与が本来の機能と考えられていた。しかし、近年、我々の体の全ての細胞にそのホモログ
(Nox1~5 および Duox1/2 の 7 種) が存在し、増殖因子やサイトカインの刺激に応じて ROS を産生す
ることが明らかになってきた。産生された ROS は、細胞内セカンドメッセンジャーとして機能し、
シグナル伝達経路や転写因子の活性化を制御する。一方、体内で過剰に産生された ROS は強い酸化
ストレスを引き起こすため、メタボリックシンドロームやアルツハイマーを含む種々の疾病の原因
になっている。例えば、メタボリックシンドロームから 2 型糖尿病への進行に伴い NADPH オキシ
ダーゼの発現量が上昇し、それによって産生される ROS が肝臓や膵臓β細胞に傷害を与えることが
報告されている。また、肥満モデルマウスにおいて桑葉の経口投与がメタボリックシンドローム抑
制に有効であるが、その作用機構の一つに NADPH オキシダーゼの発現抑制と ROS の消去が関与し
ていることを、我々は明らかにしている。したがって、メタボリックシンドロームやアルツハイマ
ーに有効な治療薬や機能性食品の開発において、NADPH オキシダーゼの発現抑制や活性阻害は重要
なターゲットである。
本研究では、治療薬のシーズ化合物をスクリーニングする系として、ショウジョウバエを用いた。
58
平成23年度共同研究成果報告
その利点として、飼育が容易で低コストであること、ショウジョウバエの栄養吸収や貯蔵、代謝の
制御器官がヒトと類似していることが挙げられる。また、ショウジョウバエは全ゲノム配列が解析
され、ヒト遺伝子を含む任意の遺伝子を発生時期かつ組織特異的に発現、あるいはノックダウンさ
せる方法が確立されている。
NADPH オキシダーゼファミリーの 1 つである Dual oxdase 2 (Duox2)の発現を抑制する物質のスク
リーニング系を構築することを目的として、ショウジョウバエに Duox2 プロモーターと EGFP
(enhanced green fluorescent protein 遺伝子) の融合遺伝子を導入し、NADPH オキシダーゼ発現モニタ
ーショウジョウバエの樹立を試みた。NADPH オキシダーゼプロモーター下流に EGFP を接続するこ
とで、発現した EGFP が発する蛍光によって Duox2 のプロモーター活性をモニターできる。
ヒト Duox2(hDuox2)およびショウジョウバエ Duox(dDuox)のゲノムよりプロモーター領域を
クローニングした。それらを EGFP の上流に接続し、融合 P-エレメントプラスミドを作製した。リ
ポフェクチン等を用いてショウジョウバエ胚由来 S2 細胞にプラスミドを導入した結果、hDuox2 プ
ロモーターは昆虫細胞内ではほとんど機能しないことが分かった。一方、dDuox プロモーターは期
待通りに機能することが明らかになったため、以後の実験には dDuox プロモーターを用いることと
した。構築した dDuox プロモーターを含む融合 P-エレメントプラスミドをショウジョウバエ受精卵
にマイクロインジェクションし、ショウジョウバエを形質転換した。樹立した組換えショウジョウ
バエは、腸管で強い蛍光を示した。これは、dDuox が担う腸管での生体防御という機能によるもの
であり、dDuox の発現モニターとしてのショウジョウバエの樹立に成功したと考えられる。Duox 発
現阻害物質をスクリーニングする際、培養細胞を用いた一次スクリーニングの後、本ショウジョウ
バエを用いた二次スクリーニングを行うことで、腸での吸収を含めた生体内で有効に機能する物質
のスクリーニングが可能となる。今後、本研究の共同研究者が保有している桑葉を含む天然物、さ
らには化合物ライブラリーや天然物ライブラリーから Duox の発現を抑制する物質のスクリーニン
グを開始し、メタボリックシンドロームやアルツハイマーの治療薬の開発へと繋げる予定である。
59
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
RNA-タンパク質間相互作用を利用した転写スイッチング・システムの開発
〜HIV に対する転写阻害剤の開発を目指して〜
生体分子工学部門
山吉麻子
1. ヒト免疫不全ウィルス(HIV)と HIV 感染症について
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)は、ヒトの免疫細胞に感染して免疫細胞を破壊し、後天性免疫不全
症候群(AIDS)を発症させるウイルスである。現在、全世界における HIV 感染者は累計 5 千万人に
達すると言われており、HIV 感染者ならびに AIDS 罹患者に対する治療法が求められている。
一般的に、HIV をはじめとするウィルス群は、多くの細菌とは異なりそれ単独での自己増殖能は
ない。ウイルスが増殖するためには、宿主細胞の助けが必要である。HIV のライフサイクルを図1
に示す。まず HIV は宿主細胞に対し ①固有のレセプターを介して結合し、②細胞内へ侵入•脱殻す
る。その後、③ウイルス遺伝子(RNA)が逆転写酵素により DNA へと置き換わり、④宿主ゲノムへ
挿入され、宿主の増殖機構を利用してウイルス遺伝子とウイルス蛋白の産生が行われる。増幅され
たウイルス RNA はウイルスタンパク質と会合し、⑤新たなウィルスとして成熟した後、細胞外へ放
出される。
現在、HIV のライフサイクル着目した5種類の阻害剤(侵入阻害剤、融合阻害剤、プロテアーゼ
阻害剤、逆転写酵素阻害剤、インテグラーゼ阻害剤)が開発されているが、HIV は突然変異を起こ
しやすいため、単一の薬剤ではすぐに薬剤耐性ウィルスの発生を誘導してしまう。そこで、複数の
薬剤を組み合わせた多剤併用
療 法 ( HAART: highly active
anti-retroviral therapy)が AIDS
の治療に採用されている。しか
し、AIDS 治療が積極的に進め
られてきた先進諸国では、新た
な薬剤耐性 HIV による感染が
問題となっている。本研究では、
抗 HIV 薬として新たなクラス
となる『転写阻害剤』の開発を
目指した。
Fig.1 HIV に対する既存の5つの阻害剤の作用模式図
(1:侵入阻害剤、2:融合阻害剤、3:プロテアーゼ阻害剤、4:逆転写酵
素阻害剤、5:インテグラーゼ阻害剤)。
本申請課題では、6つめの新たなクラスとなる『転写過程を標的とした複製阻
害剤』の開発を目指した。
60
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
2.転写を抑制する機能を持つ non-coding RNA ~7SK~
新規転写阻害剤の分子骨格として、生体内に存在する『7SK』という機能性 RNA に着目した。7SK
RNA は細胞内に大量(2 X 105 コピー/細胞)に発現している低分子 RNA である。331nt から成り、
進化的に非常によく保存されていることから重要な働きをしていることが予測されてきた。2001 年、
7SK は転写を抑制する機能を持っており、
HIV 感染細胞では、7SK の機能が不活性化されているため、
ウィルス複製を促進していることが明らかとなった(Yang, Z., et al.: Nature, 414, 317-322, 2001)。
すなわち、7SK は、宿主細胞が備えている天然の「HIV 転写阻害剤」であると考えられる。そこで
我々は、7SK の転写抑制能を模倣する短鎖の機能性核酸(7SK mimic)を合成し、HIV プロモーター
に対する転写抑制剤としての有効性評価を行うことにした。
図2
(A) HIV 感染細胞における 7SK 不活性化の機構
7SK は、HEXIM1 というタンパク質を介して、転写伸長因子である P-TEFb と結合し、P-TEFb の機能を阻害することで
転写を抑制している。しかし、HIV 感染細胞では、Tat タンパク質が 7SK の機能を不活性化しているため、HIV プロ
ウィルス遺伝子の転写が促進されている。
(B) 7SK mimic を細胞内に導入し、転写活性を阻害することで HIV プロウィルス遺伝子の転写過程を阻害する。
3.7SK mimic の設計
7SK は 332nt の RNA であり(図 3)、HEXIM1 というタンパク質と結合することによって、転写
伸長因子である p-TEFb と相互作用し、
転写伸長反応を抑制する(図 2)
。
HEXIM1 は、単独では p-TEFb
へ結合することは出来ず、7SK と結合することによって、初めて p-TEFb への結合能を獲得するこ
とが出来る。すなわち、7SK は HEXIM1 の転写抑制能をスイッチングする分子となっている。この 7SK
の特異な能力を模倣する分子を人工的に創製するため、まず我々は、7SK の転写抑制能において重
61
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
要な役割を担っている領域の絞込みを行った。pHIV-Luc(HIV-LTR プロモーターの下流にルシフェ
ラーゼ遺伝子を有するプラスミド)を用い、アンチセンス核酸を用いた 7SK の機能阻害実験を行っ
た結果、7SK の 4 つの hairpin 構造のうち、2 つを標的としたアンチセンス核酸を用いた場合に、
ルシフェラーゼの発光強度が 6-8 倍に増大するという結果が得られた。そこで、この領域を骨格と
した 7SK mimic を設計し(図 3)
、ルシフェラーゼレポーターアッセイにより HIV プロモーター特
異的な転写に対する抑制能を評価した。
(A)
図3
(B)
(A) 7SK の2次構造(Joan A. Steitz, et al., Mol. Cell. Biol., 11, 3432-3445)とアンチセンス核酸の標的部位
(B) 7SK mimic として採用した領域
4.7SK mimic の HIV プロモーターに対する転写抑制能
設計した 7SK mimic を pHIV-Luc (HIV-LTR プロモーターの下流にルシフェラーゼ発現遺伝子を
有するプラスミド)と共に培養細胞 (HEK293T) に導入し、HIV-LTR プロモーターに対する転写抑制
効果をルシフェラーゼ レポーターアッセイにより評価した。その結果、31nt-75nt の Hairpin 構造
を模倣した 7SK mimicB が、HIV-LTR 依存的な転写活性を顕著に阻害することを見出した(図4)。
また、HIV ウィルス産物であり、HIV-LTR 依存性の転写を促進する Tat を共発現させた場合にも、
7SK mimic は転写抑制能を示すことが明らかとなった。さらに、HIV-LTR 以外のプロモーターに対
し、7SK mimic B がどの様な影響を与えるか評価したところ、7SK mimic B は、HIV-LTR 以外のプ
ロモーター依存的な転写活性に対し、ほとんど影響を与えないことが確認された。
7SK mimic B の 骨 格と な っ てい る Hairpin 構 造 は 、HEXIM1 タ ン パ ク 質 と相 互 作用 す る領
域 で あ るこ と が報 告 され て お り、 Hairpin 構造 が mimic の 転 写抑制 能 に 重要 で ある こ とが
考 え ら れ る 。 よ っ て 今 後 、 7SK mimic の 核 酸 末 端 を ア ル キ ル リ ン カ ー 等 に よ り 架 橋 し 、
Hairpin 構 造 の 安 定化を 図 る 。 また、現在、7SK mimic の機能評価実験は、レポーター遺伝子を
用いたモデル実験系で行っているが、より実際的な系として、HIV ウィルス感染細胞系で 7SK mimic
の評価を行う。
62
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
(A)
図4
(B)
HIV プロモーターに対する 7SK mimic の転写抑制効果
(A)Tat を共発現させない場合、(B)Tat を共発現させた場合
7SK mimic B が HIV プロモーターからの転写を顕著に抑制していることがわかる。
7SK mimics: 80 pmol/well (130nM)、pHIV-luc: 0.4 μg/well
Lipofectamine 2000: 1.0 μl/well、導入時間: 4 h
5.おわりに
多剤併用療法(highly active anti-retroviral therapy: HAART)が HIV/AIDS の標準的な治療法とし
て 1997 年に導入されてから HIV 感染症の予後は大きく改善された。しかしながら、HIV は突然変異
を起こしやすいため、抗 HIV 治療が積極的に進められてきた先進諸国では、薬剤耐性 HIV による新
たな感染の発生が問題となっている。
本研究で提案する 7SK mimic は、既存にはない、新たなクラスとなる『HIV の転写過程を標的と
した阻害剤』となる。既存の薬剤は、ウィルス産物そのものを標的としたものであったが、これで
は変異を獲得しやすい HIV に対抗することが難しくなっている。筆者らは、宿主が本来備えている
ウィルス防御機構から分子デザインの骨格を得た。筆者らが着目した 7SK は、進化的に非常によく
保存されていることから重要な働きをしていることが予測されてきた。RNA の特性として,特定の
高次構造を形成することで、抗体に匹敵する高い認識能や、酵素の様に核酸を切断する機能を発現
する性質が挙げられる。RNA アプタマー、リボスイッチ、リボザイムなどがその例である。よって、
特定の高次構造を有する RNA は、自然が生み出した「テーラーメード」の遺伝子発現制御分子とな
りうる可能性を秘めている。7SK は、まさに、その代表例といえる分子である。7SK mimic と HAART
とを組み合わせることによって、
『HIV』および『かつて死の病であった AIDS』に対抗する有効な治
療法として展開出来ると期待される。
63
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
窒素レーザーを光源とする衝撃波クロマトグラフ装置の開発
物質工学部門
一ノ瀬 暢之
1. 緒 言
溶液中にパルスレーザーを集光することにより、液
中の微小なプラズマ発生を経由して発生させた衝撃
波は、マイクロ秒程度の寿命を持ち、その液中での伝
播方向にナノメートルサイズの分子や粒子をサブミ
リメートル移動させる。この移動距離は分子サイズあ
るいは分子量により異なる[1, 2]。我々は、顕微鏡下に
おけるナノメーターサイズの物質の超高速・超小型ク
ロマトグラフィー法として、この移動現象を、水を満
たした中空キャピラリと試料導入用ゲルを用いる手
法により実証し、レーザー誘起衝撃波クロマトグラフ
ィー法と名付けた[3]。
これまでの波長1064 nm、
パルス幅5-6 nsのYAG
レーザーにより構築される装置の試作および分離実
験では、分子量 30kDa ~ 540 kDa のタンパク質、核
酸フラグメント、半導体ナノ粒子について分子量(サ
イズ)による分離を行い、実用化の可能性を示す性能
を得たと考えている。これをさらに発展させ、市販可
能な完成度の装置化に目標設定を行い、現在の測定条
件の最適化による改良で生体高分子、ナノ粒子・分子
材料の汎用分析装置として実用化を目指すことを計
画した。そのひとつの方法として、液体のイオン化を
起しやすい紫外短パルスレーザー光を光源として、プ
ラズマ発生―衝撃波発生を起こすことで装置の効率
化、高性能化を目論んだ。また、最も安価な紫外レー
ザーである窒素レーザーに注目し、レーザー誘起衝撃
波クロマトグラフィー法の光源として使用し装置の
低価格化も含めて検討することを計画した。なお、こ
の研究は、
平成23年度採択の科学技術振興機構
(JST)
の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP 探索タ
イプ)
、課題番号:AS231Z03153B、課題名「紫外レ
ーザー駆動衝撃波クロマトグラフィー法の開発」によ
る装置開発の一環として実行した。
CCD カメラ
観察用対物レンズ
試料
ステージ
集光用対物レンズ
レーザーミラー
レーザーミラー
空間モードフィルター
レーザー光
図1.プラズマ発生用光学系
面よりレーザー光を入射させた。
試料のレーザー光によるブレークダウンによるプ
ラズマ発生の観測は、正立顕微鏡(BX-61, Olympus),
蛍光励起用 LED, CCD カメラ(BS-40L , BITRAN)を
組み合わせて試料ステージの上から行い、照射パルス
数に対するプラズマ発生数の比を入射レーザー強度
の関数として調べ、プラズマ発生のしきい値を 50%
のプラズマ発生で定義した。
3. 結果及び考察
我々の装置構成において、波長 1064 nm、パルス幅 5
-6 ns のYAG レーザーによるプラズマ発生では、パ
ルスあたり 200 J 程度の試料への入力が必要である。
このため、我々は、紫外パルスレーザーを用いること
により、溶媒のイオン化、プラズマ発生を容易にし、
40 J 程度の入力とするとともに、集光スポットを約
10 m 程度から 4 m 程度の大きさにし、発生する衝
撃波の強度を 2-3 倍大きくし、試料の移動距離や分離
における分解能を2-3倍程度大きくすることを期待し
た。しかし、気体放電を基にしている窒素レーザーで
は、固体レーザーに比べてコヒーレント長が短く、ビ
ームの広がり角が広い。また、ビームが長方形であり、
モードの特性が良くないことや、パルスの出力、ポイ
ンティングの安定性に欠ける点が問題点として予想
される。そこで、空間モードフィルターを通してレー
ザー光を使用したが、紫外光であるため、空気のブレ
ークダウンによる光路やレーザー強度の不安定を招
き、
フィルターを通した後のレーザー光の強度が30%
程度減少した。また、光イオン化が有利であると予想
されたにも関わらず、プラズマ発生は純水中では起こ
らず、プラズマ・衝撃波発生は、純水―ガラス界面で
優先して起こった。
2. 実験方法
用いた装置の構成は図 1 の通りである。
プラズマ発
生のためのレーザーには単一ガウシアンモードの
YAGレーザーの3倍波(355 nm, 4 ns, 300 J, Polaris,
NewWave)および窒素レーザー(337 nm, 300 ps, 200
J, LN103 PRA)を用いた。レーザーパルスは、焦
点距離 100 mm、
200 mm のレンズと直径 50m ピン
ホールによる空間モードフィルターを通して空間モ
ードを整形し、対物レンズ(LMH-20X-1064, OFR)を
用いて試料ステージに入射させた。
試料は、スライドガラス上に O-リングを置き、水
を入れてカバーガラスで蓋をすることにより作成し
たプール(深さ約 2 mm)を用い、スライドガラス下
64
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
この原因として、プラズマ・衝撃波発生では、媒
質の誘電破壊、あるいは媒質のイオン化の初期過
程より、放出された電子のレーザー光の電場によ
る加速・カスケードイオン化の後続過程がより重
要であり、短波長、短パルスであるが、尖頭値が
低い 200J 程度の窒素レーザーでは、カスケー
ドイオン化を起こすことができなかったものと
結論した。このことは、試料を純水からプラズモ
ン増強電場によりイオン化が起こりやすいと考
えられる、パラジウムなどの金属コロイドを分散
させた水、アルコールや無機塩類を加えた水溶液
などでのプラズマ・衝撃波発生の検討においても、
窒素レーザーを用いた場合、プラズマ発生は観測
できなかったことや、YAG レーザーの 3 倍波を
用いた実験においても、3 倍波発生のため、ビー
ムパターンの劣化の影響もあり、プラズマ発生の
しきい値は 190 J 程度と、1064 nm 光の場合
(200 J 程度)と比べて大きく減少していない
ことからも支持された。
以上のことから、ナノ秒レーザーでは水からの
電子放出が多光子イオン化ではなく、誘電破壊に
よるものであることが強く示唆される。もしくは、
YAG レーザーの 3 倍波光は、多光子吸収により
媒質のイオン化を起こしやすいが、光の振動数が
3 倍になるため、水から放出された電子がレーザ
ー光の電場によって加速される時間が基本波の
場合の 1/3 になり、加速された電子がさらに媒質
との衝突によるイオン化を次々に起こす、カスケ
ードイオン化を不利にするためであることが結
論できる。
現在、蛍光染色したタンパク質をゼラチンゲル
薄膜上に展開し、固定し、内径 140 m の溶媒を
満たしたガラスキャピラリー内にゲルとともに
導入した後、ゲルの加熱・溶解による試料を遊離
させ、直後にパルスレーザーをキャピラリ内に集
光・衝撃波・分子(粒子)移動の従来の方法[3]
により、3 倍波の YAG レーザーパルスによる分
子の移動について定量的に評価することを検討
している。しかし、今のところ、YAG レーザー
の 3 倍波の使用が、特に移動距離や分解能の向上
をもたらしているとは言い難く、光学系の損傷を
考えると、従来の YAG レーザーの基本波を用い
ることが望ましいと考えられる。このため、光源
から検出系や試料導入方法等の開発に方向を向
けて行く予定である。
65
4. 結 論
以上の結果から、レーザークロマトグラフィー
装置に紫外レーザー光源として、安価な小型窒素
レーザーを衝撃波発生用光源として組み込むこ
とは好ましくないこと、YAG レーザーを 3 倍波
に変換することは、非線形結晶を導入するコスト
とともに、基本波をそのまま使用することに比べ
て 3 倍波発生の際のビームパターンの劣化のた
め有利ではないことが結論された。また、レーザ
ークロマトグラフィー法に用いる衝撃波発生用
レーザーとしては、近赤外領域の短パルスレーザ
ーが有利であることが再確認され、現在レーザー
による衝撃波発生でよく用いられているナノ秒
およびピコ秒 YAG レーザー、フェムト秒チタン
サファイアレーザーなどが適していることを支
持する。また、近年開発されつつあるレーザー結
晶端面をキャビティーとするダイオードポンプ
固体レーザー(パルス幅 50-200 ps)も、今後の
低価格化に伴い光源の候補として期待できるが、
現在の価格は2千万円程度であり、ナノ秒 YAG
レーザーの約 10 倍である。したがって、現在の
ところ、従来から使用しているナノ秒 YAG レー
ザーの基本波をモードの良い状態で用いること
が最良の選択であることが結論される。また、こ
のことは、衝撃波発生のための光学系については、
これまでの研究でほぼ最適化されていることを
示し、今後は試料回りや検出方法などの技術開発
に重点を移すことが、より実用化に近づくために
必要であるものと考えられる。
最後に、本研究課題に関連して、平成 24 年度
から 2 年間、科学研究費補助金「挑戦的萌芽研究」
(課題名:衝撃波を用いた分子量分析と質量シフ
ト法の開発)を受け、高感度検出器を購入しレー
ザークロマトグラフィー法を用いた、より精度の
高い迅速な分子量分析法の開発を行う予定であ
る。
引用文献
[1] N. Ichinose, Y. Nonoguchi, and T.
Nakayama, International application No.
PCT/JP2007/059385; International publication
No. WO2007129667; Japanese Patent No.
5035855; US Patent No. US8045166B2; EP
application No. 07742820.9.
[2] N. Ichinose, T. Nagahara, Japan
application No. 2009-082602.
[3] T. Nagahara, N. Ichinose, and S.
Nakamura., Anal. Chem., 83, 2416-2419
(2011).
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
樹脂歯車用ダイヤモンドライクカーボン膜の開発
機械システム工学部門
助教 中村 守正
1. 緒言
近年、プラスチック歯車が様々な機械装置において多く用いられるようになってきた大きな理由
の一つは、いわゆるドッグギヤと呼ばれる、諸元の異なる歯車を一体成型可能であるということで
ある。このような歯車を金属歯車で実現しようとする場合、歯切り加工では困難である場合が多い
ため、鍛造加工が適用される場合が多い。ただし、鍛造加工で製造された歯車は、精度が低いこと
が欠点であり、鍛造加工後そのまま機械装置に組み付けても機能しないため、そのような歯車に対
して他の仕上げ加工が行われる。そのため、製造コストが高くなってしまう。その観点から考える
と、プラスチック歯車は射出成形で製造されることが多く、成形用金型を製作すれば複雑形状の歯
車も成形可能であり、さらに低コストである。ただし、プラスチック材料は金属と比べて強度が低
いため、動力伝達用歯車材料としてはなかなか用いることができない。ところが、最近では、プラ
スチック材料の開発が進み、動力伝達用としても十分な強度を有するプラスチック歯車の適用が検
討され始めている。
プラスチック歯車の中でも、ポリアセタール(POM)歯車は、日本で最もよく用いられている。
しかしながら、POM歯車を過酷な条件下で運転すると、運転開始後早期に歯が折損したり溶融した
りする。POM歯車の耐久性を向上させるには、歯面のしゅう動性をより一層向上させることが有効
であると考えられる。
本研究では、低摩擦係数、耐摩耗性に優れたダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を、UBM ス
パッタ法を用いて、化学的に安定で異種材が付着しにくい POM 歯車歯面に形成する方法を検討し
た。また、DLC 膜を形成した歯車対の耐久性を、実験的に検証した。
2. 実験の詳細
2.1 成膜方法
DLC 成膜には、UBM スパッタ装置(㈱神戸製鋼所
製、UBMS202)を用いた。Ar および CH4 の混合ガス雰
囲気下でのグラファイトターゲットに対するアンバランス
ドマグネトロン(UBM)スパッタリングにより、ポリアセタ
ール(POM)歯車歯面に DLC 膜を形成した。DLC 成
膜前に、POM 歯車を有機溶剤中で 10 分間の超音波
洗浄により脱脂する。その後 POM 歯車を真空装置内
に導入し、1.0×10-3Pa まで排気した後、DLC 成膜プロ
セスを開始した。成膜中は、基板を装置内で拘束する
治具近傍に熱電対を挿入した SUS304 製の短冊状の
板を設置して処理中の温度変化をモニタリングして、
POM の融点を考慮し 150℃を超えないように注意した。
a-C:H 層は、表 1 に示す条件で作製した。
2.2 運転試験装置
図 1 に、実験に用いた動力吸収式歯車運転試験
機を示し、表 2 に試験機の仕様を示す。図 1 は
室温での実験の様子であるが 、この試験機の歯
車取り付け部周囲に石膏製の覆いを取り付け熱
風発生器で熱風を送り込むことで、500K までの
雰囲気温度での運転試験が可能である。また、
66
表 1 DLC 成膜条件
Parameter
a-C:H
Sputtering power, Ws (kW)
3.0 for Carbon target
Substrate bias voltage, Vb(V)
0, -50
Gas flow rate, Vp (ml/min)
Ar : 30
CH4 : 1.5
Heater temperature, T (℃)
0.0
Deposition time, td (min)
180
2
11
4
1
3
10
9
8
7
6
5
Drive motor, Sliding table, Pulley, , Test gear,
Hot temperature room, Acceleration pick up,
Microphone, Torque meter, Motor for torque absorption,
Hot air transducer
図 1 プラスチック歯車耐久試験機
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
歯面温度の測定は、赤外線放射温度計を用いて行い、かみ合い部近傍の温度でそれを評価した。
2.3 運転試験方法
軸の全振れを 20μm 以下にして、適切なバックラッシ
表 2 プラスチック歯車耐久試験機の性能
を与え、過度の片当たりが生じないように、被動側に
Max. temperature K
500
試験歯車、駆動側に相手歯車、または試験歯車対をそ
Max. power kW
1.57
れぞれ組み付け、運転試験を開始した。運転試験開始
-1
Max.
rotation
speed
min
3000
後、速やかに決定した回転速度まで加速するとともに、
Max. center distance mm
100.0
目標のトルクまで負荷を増加させた。プラスチック材
Max. torque Nm
5.0
料は、一般に線膨張係数が大きいため、運転試験中、
軸穴部の隙間が大きくならないよう、またバックラッ
シが小さくならないように注意した。運転試験中は、試験歯車回転速度を±3%以内に制御するとと
もに、負荷トルクも±5%以内に制御した。また雰囲気温度の変動は、±2%以内になるようにした。
プラスチック歯車の運転試験は、試験歯車回転速度、負荷一定の下で試験歯車に損傷が生じるか、
または試験歯車のかみ合い回数が打ち切り値に達するまで行った。試験歯車の歯の損傷は、目視に
より観察し、歯元に発生したき裂、または歯の折損が確認された時点で試験歯車の寿命と判断し、
運転試験を終了した。運転試験中は、負荷トルクに加え、試験歯車のかみ合いに起因すると考えら
れる振動、騒音、温度上昇などを監視して、できるだけ初期のき裂発生時で試験を終了できるよう
にした。
2.4 試験歯車
試験歯車は、ポリアセタール(POM-C)製であり、モジュール 1、歯数 48、歯幅 8mm の、非転位
標準平歯車であり、射出成形により作製された後、雰囲気温度 23±2℃、相対湿度 50±5%で 24 時間
以上状態調節したものを用いた。高温環境下で運転試験を行う歯車は、状態調節後、ゆっくりと加
熱し、10 分以上保持した後、運転試験を開始した。相手歯車も試験歯車と同一である。
2.5 運転試験条件
運転試験条件は、設定トルク 3.0Nm、回転速度 3000min-1、室温環境下、無潤滑である。歯車対の
中心距離は 48.3mm であり、法線方向バックラッシは理論上約 0.1mm である。中心距離は、DLC 膜
の厚さを考慮して大きくしなければならない可能性があるが、DLC 膜の厚さが約 1μm 程度であるこ
とから、今回は DLC 膜形成前の POM 歯車対を用いる場合の耐久試験時の中心距離と同じ 48.3mm
とした。
3. 実験結果および考察
3.1 DLC 成膜法の検討
POM の融点を考慮して、アセトン洗浄の後、一般
的に酸化膜やコンタミナントの除去などを目的に
行われる加熱処理、及びボンバード処理、さらに
密着性を向上させるための中間層の被覆を行わず
に DLC 膜を POM 歯車歯面に形成したが、良好な
密着性を有する DLC 膜が得られなかった。また、
シランカップリング処理、予備加熱、ボンバード
処理をそれぞれ単独で行い、密着性の改善を図っ
たが、わずかな密着性の改善を認めるのみであっ
た。そこで、DLC 成膜前処理として、アセトン、
n-ヘキサンを用いた超音波洗浄による脱脂、硝酸液
への浸漬を行った。その後、成膜装置に POM 歯車
をセットし、真空排気後 Ar ボンバード処理を行い、
Cr/C 傾斜中間層、DLC 膜の順で被覆したところ、
67
図 2 DLC 成膜後の POM 歯車歯面
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
歯面に DLC 膜を被覆することができた。図
2 に、DLC 成膜後の POM 歯車歯面の実体
顕微鏡写真を示す。
Temperature ( K )
400
380
3.2 作製した DLC 成膜 POM 歯車の耐久性能
3・1 で述べた方法で作製した DLC 成膜
360
POM 歯車対を、運転試験に供した。運転試
340
験は、自作の動力吸収式プラスチック歯車
耐久試験装置を用いて、負荷トルク 3N・m、
320
回転速度 3000min -1、無潤滑、室温条件で行
った。図 3 に、耐久試験から得た、横軸に
3
10
損傷までのかみ合い回数、縦軸に歯車温度
をプロットしたものを示す。かみ合い回数
約 6.0×104 回で損傷し運転できなくなり、
DLC 膜を形成していない POM 歯車対の耐久性能との有
意差は認められなかった。このことから、運転試験中に
DLC 膜がはく離、もしくは摩耗して、運転性能の向上に
つながらなかったものと考えた。歯車温度については、
絶対値は放射温度計による測定値であるので参考程度に
しかならないが、相対的な温度差は、DLC 成膜歯車どう
しをかみ合わせた時の方が POM 歯車どうしをかみ合わ
せた場合よりも低いようである。したがって、歯車温度
が向上することを抑制することに対しては、DLC 膜の高
いしゅう動性が機能したものと考える。
運転試験開始中の POM 歯車上の DLC 膜の様子を確認
するため、負荷トルク 2.0N・m、回転速度 3000min -1 の条
件で DLC 成膜 POM 歯車対を用いて耐久試験を行い、所
定の試験時間毎に試験を停止して、歯面の様子を観察し
た。その結果、DLC 膜は運転試験開始後約 1 分で歯面か
ら消失し始め、その後運転時間の増加とともに消失が進
行することがわかった。図 4 に、運転試験開始前、開始
後 1 分、5 分での、被動側の DLC 成膜 POM 歯車歯面の
実体顕微鏡写真を示す。1 分後には歯面から DLC 膜がす
でに消失しており、5 分後には、歯面の DLC 膜はピッチ
点付近よりも歯底側で多くの DLC 膜が消失しているよ
うに見える。ただし、ピッチ点付近、及びピッチ点より
歯先側の歯面においては、DLC 膜が消失せず残留してい
ることが認められる。しかしながら、歯面において、す
べりを伴ってかみ合う、特に歯底側の領域では、歯面か
ら DLC 膜が多く消失しているように見える。成膜時、
DLC 膜の元となるスパッタ粒子は歯先側に多く付着す
ると推測できるので、膜厚が歯先側よりも歯底側の方が
小さいと予想できる。歯元側で DLC 膜の消失が多かった
理由の一つは、膜厚が小さかったことの可能性がある。
またこのような様子は、駆動側の歯車歯面ではより顕著
であり、駆動側の歯面の方が多くの DLC 膜が消失していた。
68
T=3N m
n = 3000 min-1
: Drive _POM, Driven_ POM
: Drive_DLC coated POM, Driven_DLC coated POM
10
4
10
5
10
6
Cycles to failure
図 3 耐久試験結果
(a) 試験前の DLC 成膜歯面
(b) 試験後 1 分での DLC 成膜歯面
(c) 試験後 5 分での DLC 成膜歯面
図 4 DLC 成膜歯面の変化
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
このことから、今後、DLC 膜の耐摩耗性を向上させる被覆方法について検討すること、歯面にお
いて膜厚の分布が少ない、膜厚が均一な DLC 膜を形成すること、相手歯車に、DLC 膜が形成された
同種の POM 歯車だけでなく、DLC 膜が形成されていない POM 歯車や鋼歯車を用いること、またそ
れらの組み合わせを駆動側、被動側で入れ替えて耐久試験を行い、詳細な調査を行う。
4. 結言
(1)有機溶剤を用いた脱脂,ボンバード処理、Cr/C 傾斜中間層を被覆することで、POM 歯車歯面
上に DLC 膜を形成できた。
(2)DLC 成膜POM 歯車対の耐久性は、DLC 成膜前のPOM 歯車対のそれとほとんど差がなかった。
(3)歯面において、すべりを伴ってかみ合う領域、特に歯底側で多くの DLC 膜が消失していた。
一方、ピッチ点、及び歯先側では DLC 膜が残留していることが認められた。
今後、DLC 膜の耐摩耗性を向上させる被覆方法について検討する。また、相手歯車に異種材のも
のを用いた場合の耐久性能についても実験的に検証する予定である。
69
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
錦市場活性化にむけてのサイン計画およびオリジナルグッズ開発
デザイン学部門
中野仁人
■ プロジェクトの概要
京都を代表する市場である錦市場商店街は、同時に日本を代表する市場でもある。江戸時代から京
都の食文化を支える台所的な役割を果たしてきた。しかし近年は、メディアでよく取り上げられる
ことから、観光客が多く訪れる場となり、各店舗の業態も変わりつつある。また古くから店を構え
る老舗も存在する一方で、錦以外の業者の転入、さらには東京等他地域の資本による店舗の進出な
ど、錦市場のあり方を問い直す状況になって来ている。
こういった問題点を踏まえ、研究室ではすでに 2006 年から、錦市場協同組合と連携し、毎年秋に
イベントを開催して来た。そこでは、市場側からでは見過ごしがちな問題点を、市場の利用者の目
線で調査し、錦市場の魅力を引き出す提案を行なっている。そして、錦市場の本来の姿を見直すこ
とと、それに合致したアイデンティティを確立すべく、錦市場全体のイメージ統一を図るとともに、
各店舗の強固な結びつきを目指して、錦オリジナルグッズの開発をおこなうことを進めてきた。
■これまでの研究成果
2006 年から京都の料理や食材をテーマにしたポスターを作成し、各店舗の店頭に展示したり
(2006)、錦市場ゆかりの画家・伊藤若冲をモチーフにしたオリジナルグッズをデザインしたり
(2007)、各店舗の商品のための期間限定オリジナルパッケージをデザインし、実際使用して頂いた
りしてきた(2008)
。その中には、若冲の絵の特徴を分析し、色彩や細部の表現を抽出してパターン
化し、スカーフのデザインに展開したものや、若冲の絵のモチーフを分解整理し、トランプとして
再構成した若冲トランプなどは好評を博し、大きな反響を得た。
70
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
また、2009 年からは各店舗のためのオリジナルてぬぐいのデザインを研究室の学生たちが一人一
店舗ずつ担当し、お店の方々の声を聞きながらの制作をおこなっている。てぬぐいを各店舗の店頭
に展示すると同時に量産し、店舗のプロモーション活動等に活用して頂いた。また、11 月の1週間
には錦市場内に特設ブースを設け、制作したてぬぐい全てを一同に展示するとともに、錦市場イメ
ージのグラフィカルな展開を提示し、市場全体の統一的なイメージのアピールを図ってきた。
■ 2011 年度の取組み
以上のようなこれまでの活動をベースに、2011 年の5月に研究室の博士前期1回生 10 名が中心
となり、プロジェクトを開始した。まず、錦市場の現状を探るために、京都駅および錦市場内で観
光客を対象にアンケートによる意識調査をおこなった。そこから導きだされた観光客、錦の買物客、
そしてお店側の意識のずれを認識し、市場側に提示した上で、錦市場活性化のために必要な項目を
検討した。そして、錦市場共同組合ならびに商店街青年部の方々と数度の会合を持ち、年度内に行
なう内容について整理していった。その後、研究室の3回生から博士後期課程までのほぼ全員の学
生にプロジェクト内容を周知させ、分担を決めた上で、各自のデザインへの取組みを進めた。
2011 年度は、以下の事業をおこなった。
1. 錦てぬぐいあわせ 2011 (2011.11/1〜11/10)
錦市場内の商店 130 店舗のうち、
約 80 店舗分のオリジナルてぬぐいのデザインをおこなった。
また、アーケード天井から吊るすバナーとして、オリジナルてぬぐいを拡大プリントし、期間
中掲示した。そして、てぬぐい図案を掲載したパンフレットを作成し、錦市場を訪れた一般の
方々に配布した。
71
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
2. オリジナルカレンダー 2種の制作
ひとつは、錦市場で売られている食材をモチーフにして、季節の旬の食べ物を親子で学べるよ
うな構成のカレンダーをデザインした。
もうひとつは、若冲の水墨画に注目し、その筆致の多様性を分析した上で、印象的な描写のパ
ーツを選択し、オリジナルな画面構成のデザインで若冲カレンダーを作成した。
3. 錦市場商店街アーケード・タペストリーのデザイン
錦市場の統一的なイメージを構築するために、伊藤若冲の作品をキーイメージにしながら、高
倉通り側の商店街入口部分のタペストリーデザインをおこなった。この事業は 2012 年度にも
継続し、アーケード内の各通りの交差点に、通り名を明記したタペストリーをシリーズ展開し
ていく。
72
平成 23 年度 CO-RESEARCH 成果報告
4. 伊藤若冲生誕の地サインのデザイン
若冲が錦市場の出身であることは、よく知られているが、実際の生家の場所がわからないとい
う観光客が多い。そのため、生誕の地である錦通り高倉角にわかりやすい案内サインを設置す
ることを提案、そのデザインに着手した。2013 年度までに設置すべく、調査、資料収集を進め
ている。
■ 本事業の評価
11 月の錦てぬぐいあわせ開催中には、特設ブースに1日に 200 人を越える非常に多くの来客があ
り、評判となった。また京都新聞で取り上げられた他、インターネット上の多くのサイトで紹介さ
れた。そして期間中に錦市場と姉妹提携を結んでいるイタリア・フィレンツェのサンロレンツォ市
場とネット中継でつなぎ、イタリアの人々にもこのプロジェクトについて紹介した。
また、てぬぐい作成とタペストリー作成に関しては、毎日放送のテレビ番組「魔法のレストラン」
でも取り上げられ、紹介された。
さらに、オリジナルてぬぐいのデザインが反響を呼び、本学のオリジナルてぬぐいの製作、なら
びに京都府立医科大学のてぬぐい制作へと発展した。
■ 今後の展開
今回の取組みの一つである錦市場商店街のサイン計画は、組合と話合いを重ね,多年度にわたる
事業として実現に向けて進めている。特に伊藤若冲をキーイメージにしながらシンボル的なサイン
を設置し、それを中心にして商店街全体イメージ統一を図ることは、商店街の各店舗の横の繋がり
を高めることにも結びつくものと思われる。また、商店街は2年後に組合結成50周年を迎えるが、
その記念イベントに向けて、さらなるオリジナルグッズの制作を計画している。本研究室と組合が
連携しながら、実現に向けて検討を進めていく。今後もこの一連のプロジェクトを通じて、錦市場、
ひいては京都市の観光誘致に大きく貢献出来るものと思われる。
73
平成 23 年度受託研究成果報告
大腸菌をモデル生物としたポリアミン輸送及び代謝調節機構の解明と制御
〜健康寿命伸長のための腸内ポリアミン濃度コントロール食品の開発を目指して〜
鈴木秀之、根本直樹1、栗原新2、押田麻由、北原譲、林田果乃子、坂井友美、神戸亜也香
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科応用生物学部門微生物工学研究室
(現在の所属:
1
千葉工業大学工学部生命環境科学科、2Emory University School of Medicine)
はじめに
ビフィズス菌 LKM512 を摂取するとマウスの腸内菌叢が大きく変動し、この結果、腸内ポリアミン
濃度が上昇し、ポリアミンによるバリア機能の充実(回復)と慢性炎症の軽減により健康寿命が伸
長するというデータが本プロジェクト全体の代表者である協同乳業研究所技術開発室の松本光晴博
士の研究グループによって得られていた。腸内ポリアミン濃度は、腸内細菌によりコントロールさ
れている。そこで、このプロバイオティクスとともに腸内細菌に働きかけ、腸内ポリアミン濃度を
高めに誘導するような成分(ポリアミン制御物質とこの報告では述べる)を含む食品を開発するこ
とがこのプロジェクト全体の目的であったが、ほとんどの腸内細菌のポリアミンの取り込み・排出
に関する知見は皆無であった。そこで、大腸菌のポリアミン代謝について研究を進めていた京都工
芸繊維大学の鈴木グループが、腸内細菌の一種でありモデル細菌である大腸菌を用いて、ポリアミ
ン輸送とポリアミン代謝の調節機構の解明と制御を明らかにするという課題を分担した。
腸内細菌叢は、1,000 種類程度の細菌が存在する複雑系であるため、腸内におけるポリアミン収支の
全体像を把握するための基礎的知見を得ることが目的であった。
結果と考察
プトレッシン排出トランスポーター(エキスポーター)の同定
大腸菌は菌体外にポリアミンを排出したり、菌体外からポリアミンを取り込んだりする。従って、
ポリアミンエクスポーター遺伝子破壊株は、菌体外のポリアミン濃度が低くなるはずである。そこ
で、大腸菌のトランスポーターをコードするあるいはコードすると予想される遺伝子の破壊株コレ
クションを用いて、菌体外のポリアミン濃度を測定するというスクリーニングの結果、プトレッシ
ンエクスポーターである可能性があるトランスポーターとして SapBCDF を選抜した。反転膜を作成
し、RI ラベルしたプトレッシンを用いたトランスポートアッセイの結果、sapB+C+D+F+株を用いて作
74
平成 23 年度受託研究成果報告
成した反転膜では微量のプトレッシン取り込み(反転していない膜、すなわち正常状態においては
SapBCDF によるプトレッシン排出)が見られ、sapBCDF 株では少し減少、
pACYC184-sapB+C+D+F+/sapBCDF 株ではより多くのプトレッシンが取り込まれた。しかし、ここで
観察された SapBCDF によると考えられるプトレッシン取り込み値はすでにプトレッシンエクスポ
ーターとして知られている PotE で報告されている値と比較して 10 分の 1 程度であった。さらに、
DNA マイクロアレイの結果からプトレッシンエクスポーターであると予想された MdtJI についても、
mdtJ 株を作成し培養上清のプトレッシン濃度を測定したが、mdtJ+株と比較して培養上清のプトレ
ッシン濃度に変化は見られなかった。本研究でポリアミン濃度制御物質候補として特定したアルギ
ニン添加条件下でプトレッシンを排出している時の菌体から RNA を調製し、マイクロアレイによる
遺伝子発現解析を行った結果、新たなプトレッシンエクスポーター候補として、YdiN が見つかった。
アルギニン添加時のydiN 株の菌体外プトレッシン濃度は、野生株と比べて半分程度であることが
分かった。しかし、ydiN 遺伝子を予想プロモーター領域と共にプラスミド上にクローニングして、
ydiN 株に導入したが、ydiN 欠損によるプトレッシン放出量の減少は相補されなかった。
ポリアミン取り込みトランスポーター(インポーター)の同定
YeeF を新規プトレッシンインポーターと同定し、その速度論的解析を行い、Km 値( )およ
び Vmax 値(9.3 nmol/min/mg protein)を得た。Vmax 値に関してはこれまで大腸菌のプトレッシンイン
ポーターとして報告のある PotFGHI、PotABCD、PuuP、PotE と同程度であり、このことは YeeF が
新規の主要なプトレッシンインポーターであることを示していた。しかし、Km 値はこれまでに報告
のあったプトレッシンインポーターと比べて 40〜300 倍も大きい値であり、これまでに報告のある
プトレッシンインポーターには見られなかった基質親和性の極めて低いプトレッシンインポーター
であることが明らかとなった。多くの場合、糞便中のプトレッシン濃度は、数百
にも達するこ
とから、YeeF が発現する条件においては、YeeF のプトレッシンに対する低親和性はあまり問題にな
らず、YeeF は Vmax に近い速度でプトレッシンを取り込んでいると考えられる。YeeF(PlaP と名称変
更することを提唱)に関する論文を作成し、Journal of Biological Chemistry 誌に発表した(成果論文
2)。
転写調節因子 PuuR の機能解明
大腸菌とその近縁種は、プトレッシンをγ-グルタミル化し、γ-アミノ酪酸を経てコハク酸に代謝す
る Putrescine utilization pathway (Puu 代謝経路)を持つことを本研究室ですでに発見していた(図1)
1−4)
。Puu 代謝経路はプトレッシンを C 源および N 源として利用するための経路であるが、大腸菌
がどのような環境下に置かれたときにプトレッシンを異化するかを知ることは、腸管内(つまり、
菌体外)のプトレッシン濃度を制御するために重要である。
75
平成 23 年度受託研究成果報告
他の Puu 代謝系遺伝子と同じクラスターを形成す
る遺伝子 puuR の産物 PuuR が Puu 代謝系遺伝子の
発現を制御する転写調節因子であると予想して制
御機構解明を目的に実験を行った。このように考え
た理由は、puuD と puuR を 1 つのプラスミド上にク
ローニングしても PuuD つまりγ-グルタミル
-GABA 加水分解酵素の活性はそれほど上昇しなか
ったが、puuD のみをクローニングした株では PuuD
活性の著しい上昇が見られたこと 1)、さらに、puuR
の遺伝子欠損株および機能欠損株を作成したとこ
ろ、これらの株では Puu 代謝系遺伝子の発現が上昇することが分かったからである 2-4)。つまり、PuuR
は負に転写制御を行う転写調節因子であることが分かった。PuuR による puuE(Puu 代謝経路の最後の
ステップを触媒する酵素をコードする遺伝子)の調節についての論文を作成し、Journal of Bacteriology
誌に発表した(成果論文1)
。
Puu 遺伝子クラスターのど
こに PuuR が結合するかを
ゲルシフトアッセイおよび
フットプリントアッセイに
より調べた。まず、Puu 代
謝系遺伝子クラスター内の
3カ所の PuuR 結合候補領
域 ( puuP-puuA
間 、
puuA-puuD 間、puuR-puuC 間)に対して DIG ラベ
ルしたプローブを作成し、ゲルシフトアッセイを
行ったところ、puuA-puuD 遺伝子間領域に特異的
に PuuR が結合し、puuP 上流、puuC 上流には結
合しないことが分かった(図2)
。次いで、放射
性標識した puuA-puuD 遺伝子間領域のプローブ
を作成し、DNase I フットプリント解析を行い、
PuuR の結合領域を同定した。約 200 bp の
puuA-puuD 遺伝子間に4カ所の PuuR 結合領域を
見いだし、さらに PuuR の認識配列モチーフとし
76
平成 23 年度受託研究成果報告
て、15 塩基からなる共通配列を見いだした(図3)。
puuA と puuD の転写開始点を各々プライマーエクステンション法
で決定し、プロモーター領域を推定した(図4)
。遺伝子上流域の
長さを変えたプラスミドを作成してプロモーターアッセイを行い、
プロモーター領域と PuuR 結合領域がそれぞれ確かに機能している
ことを確認した。また転写単位を調べると少なくとも一部は puuD
から puuE まで1本の mRNA として、また puuA, puuP 遺伝子につ
いても少なくとも一部は1本の mRNA として転写されていること
が RT-PCR の結果から分かった(図2-A, C)
。puuDRCBE と puuAP
遺伝子は、
逆向きに 5’末端が向かい合う形で並んでいることから、
puuA-puuD 遺伝子間に PuuR が結合することで、全ての Puu 代謝系
関連遺伝子が効率よく発現制御されていると考えられる。
次に、PuuR が特定の DNA 配列に結合・解離するための条件を調べた。精製 PuuR と DIG ラベルし
た puuA-puuD 遺伝子間領域のプローブを調製し、Puu 代謝系の初発物質であるプトレッシンの存在
下でゲルシフトアッセイを行った。アッセイの結果、プトレッシン濃度を高くすると 10 mM では変
化しないが、それ以上のプトレッシン濃度では PuuR が解離し始めることが明らかとなった(図5)
。
プトレッシンは Puu 代謝経路の最初の基質
であるため、プトレッシン存在下では Puu
代謝系を誘導するために PuuR が解離する
ものと考えられた。一方、Puu 代謝系抑制
効果のあるエフェクター探索のために、
Puu 代謝経路の代謝産物であるコハク酸に
よって PuuR 結合が促進するか、同様に実
験を行ったが、試みた実験条件下では効果
はみられなかった。以上から、PuuR は大腸菌内で、通常の条件
下では特定の配列に結合して Puu 代謝系の発現を抑制しているが、
細胞内プトレッシン濃度が高くなると DNA 上から解離して Puu
代謝系を誘導し、それによりプトレッシンが代謝される。そして
プトレッシン濃度が低下すると PuuR が再び puuA-puuD 間の特定
配列に結合し、Puu 代謝系遺伝子の発現を抑制するという転写因
子 PuuR による Puu 代謝系発現制御機構が明らかになった(図6)。
PuuR による Puu 代謝系の発現調節機構に関する論文を作成し、
Journal of Bacteriology に発表した(成果論文3)
。
77
平成 23 年度受託研究成果報告
糞便メタボローム解析により発見されたポリアミン濃度制御物質候補の評価
協同乳業研究所技術開発室によるヒト糞便のメタボローム解析を用いたスクリーニングの結果、28
種類の物質の濃度がプトレッシン濃度と相関性のあることが分かった。その中から、食品に添加す
ることが許されている物質であり、かつ価格的にも食品に添加可能な8種類の物質をプトレッシン
濃度制御物質候補として、大腸菌野生株の純粋培養系を用いて評価した。3種類の培地(M9-グルコ
ース-塩化アンモニウム、M9-トリプトン-塩化アンモニウム、M9-グルコース-トリプトン)を用い、
嫌気(アネロパック使用)
、好気(高振とう条件)で培養した。培養液を経時的にサンプリングし、
培養上清のプトレッシン濃度をポリアミンパックを装着した HPLC で解析した。候補物質の評価は、
最もプトレッシンを排出した時の排出量(培養上清のプトレッシン濃度)を、その時の菌体量当た
りの値(最大プトレッシン排出量)として算出し、各候補物質添加時の最大プトレッシン排出量を
比較することで行った。その結果、アルギニン、フマル酸、リジン、γ-アミノ酪酸、アスパラギン
酸を添加した培養系において、細胞当たりの最大プトレッシ
ン排出量が高い値を示した。中でもアルギニンを添加した場
合は、培地の組成や通気条件にかかわらず安定して培養上清
のプトレッシン濃度が上昇した(図7)
。大腸菌において、
プトレッシンはアルギニンからアグマチンを経て合成され
る経路とオルニチンの脱炭酸経路が存在することが知られ
ている。そこで、アグマチンあるいはオルニチンを培地に添
加したところ、アルギニンを添加した場合と同様、培養上清
のプトレッシン濃度上昇効果が見られた。
大腸内のポリアミン濃度は、腸内菌叢を構成する細菌それぞ
れのポリアミン合成、分解、取り込み、排出の平衡状態に依
存する。アルギニン添加による細胞外プトレッシン濃度上昇
に関連する遺伝子を同定する目的でアルギニン添加、無添加
の培地で培養した大腸菌について DNA マイクロアレイ解析
を行い、複数のプトレッシンエクスポーター候補遺伝子を見
出した。大腸菌の遺伝子破壊株コレクションから、各遺伝子
の破壊株を取り寄せて、アルギニン添加時の培養上清へのプ
トレッシン排出量を親株と比較することで、プトレッシンエ
クスポーター遺伝子候補を絞り込んだ。
78
平成 23 年度受託研究成果報告
ポリアミン合成系について、大腸菌では既にアルギニンからのプトレッシン合成経路が知られており、
関与する合成系遺伝子(speA, speB)も知られている。そこで、好気条件下、M9-グルコース-塩化アンモ
ニウム培地を基本培地とし、アルギニンを添加した場合と無添加の場合の speA, speB 遺伝子の転写量
をリアルタイム PCR で比較した。その結果、培養開始 2.5 時間後の対数増殖期において、アルギニン
を添加した場合、無添加の場合と比べて、約2倍の遺伝子発現量の上昇が検出され、アルギニンによ
るプトレッシン合成の促進が確認された(図7C)。この時の菌体外のプトレッシン濃度の差(約8倍)
に比べると遺伝子の転写量の上昇は小さかったが、これは mRNA からの翻訳効率や生成した酵素の安
定性が関与するためと考えられる。
プトレッシンインポーター遺伝子(yeeF, ydcSTUV, puuP, potE)についても同様にリアルタイム PCR 解析
を行ったところ、培養開始 2.5 時間後ではプトレッシンインポーター遺伝子の転写量はいずれも約2
倍の上昇が見られた。菌体外プトレッシン濃度がピークに達する5時間後には転写量はアルギニン無
添加条件と逆転し、さらに培養を続けた対数増殖期後期の8時間後には、転写量が約3倍から 7.5 倍
上昇することが分かった。プトレッシンインポーター遺伝子の発現変動がこのように著しいことは予
想外であり解釈が難しいが、恐らく培養開始 2.5 時間後ではアルギニン添加条件下で培地中のプトレ
ッシン濃度が大きく上昇するため、菌株自身のプトレッシンエクスポーターで排出したにも関わらず、
細胞外の増えたプトレッシンを取込むためにプトレッシンインポーターが発現したと考えられる。一
方、5時間後にはアルギニン添加条件下ではプトレッシンの排出がやや弱まるが、アルギニン無添加
条件下では量は少ないながらもプトレッシンを排出し続けているため相対的にアルギニン無添加条件
下でのプトレッシンインポーターの発現が高くなったと考えられる。また8時間後の結果からは、ア
ルギニン添加条件下では、細胞外のプトレッシンを菌株自身のエクスポーターで排出したにも関わら
ず、インポーター遺伝子を強く発現させてプトレッシンを菌体内に取込むことが示唆された。アルギ
ニン添加時の培養上清のプトレッシン濃度は好気条件下では5時間でピークを迎えた後に減少してい
る。これは恐らく培養後5時間以降菌体数が急激に増えたために培地中の栄養源(炭素源および窒素
源)が枯渇し始め、菌体外のプトレッシンを栄養源として用いる目的でインポーターを強く発現させ、
菌体内へプトレッシンを取込んで、Puu 代謝経路で異化(代謝・分解)していると考えられた。Puu
代謝系の遺伝子である puuA, puuD の遺伝子発現量を同様に調べたところ、プトレッシンインポーター
の発現とほぼ一致していることが分かった(図7C)
。以上により、
「ポリアミン濃度制御物質である
アルギニン添加および無添加条件で培養した大腸菌のポリアミン関連遺伝子の発現変動解析から、培
地に添加したアルギニンから speA, speB が関わるプトレッシン合成経路でプトレッシンが産生され、
未知のプトレッシンエクスポーターを含めた3種のプトレッシンエクスポーター候補(SapBCDF,
MdtJI, YdiN)によって菌体外に排出される。一方、菌体外のプトレッシン濃度の上昇あるいは、栄養源
の枯渇に伴う細胞外プトレッシンの取込みが、今回新たに同定した2種を含むプトレッシンインポー
ター(YeeF, YdcSTUV, PuuP, PotE)によって菌体内に取込まれ、Puu 代謝経路によって異化されている」
という大腸菌をモデルとしたプトレッシンの菌体内外の動態が理解できるようになった(図8)。
79
平成 23 年度受託研究成果報告
大腸内のプトレッシン濃度をよ
り効率的に制御するためには、プ
トレッシンインポーター・エクス
ポーターと Puu 代謝経路によるプ
トレッシンの異化をコントロー
ルすることによって菌体内外の
プトレッシン濃度を調節する必
要があることが確認できた。
引用文献
1. S. Kurihara, S. Oda, K. Kato, H. G. Kim, T. Koyanagi, H. Kumagai, H. Suzuki. A novel putrescine utilization
pathway involves -glutamylated intermediates of Escherichia coli K-12. Journal of Biological Chemistry
280: 4602-4608 (2005).
2. S. Kurihara, S. Oda, H. Kumagai, H. Suzuki. -Glutamyl--aminobutyrate hydrolase in the putrescine
utilization pathway of Escherichia coli K-12. FEMS Microbiology Letters 256: 318-323 (2006).
3. S. Kurihara, S. Oda, Y. Tsuboi, H. G. Kim, M. Oshida, H. Kumagai, H. Suzuki. -Glutamylputrescine
synthetase in the putrescine utilization pathway of Escherichia coli K-12. Journal of Biological Chemistry
283: 19981-19990 (2008).
4. S. Kurihara, Y. Tsuboi, S. Oda, H. G. Kim, H. Kumagai, H. Suzuki. The putrescine importer PuuP of
Escherichia coli K-12. Journal of Bacteriology 191: 2776-2782 (2009).
本プロジェクトの成果論文
1. S. Kurihara, K. Kato, K. Asada, H. Kumagai, H. Suzuki. A putrescine-inducible pathway comprising
PuuE-YneI in which γ-aminobutyrate is degraded into succinate in Escherichia coli K-12. Journal of
Bacteriology (Impact Factor = 3.94) 192: 4582-4591 (2010年9月).
2. S. Kurihara, H. Suzuki, M. Oshida, Y. Benno. A novel putrescine importer required for type 1
80
平成 23 年度受託研究成果報告
pili-driven surface motility induced by extracellular putrescine in Escherichia coli K-12. Journal of
Biological Chemistry (Impact Factor = 5.33) 286: 10185-10192 (2011年3月).
3. N. Nemoto, S. Kurihara, Y. Kitahara, K. Asada, K. Kato, and H. Suzuki. Mechanism for regulation of the
putrescine utilization pathway by the transcription factor PuuR in Escherichia coli K-12. Journal of
Bacteriology (Impact Factor = 3.94) 194: 3437-3447 (2012 年 6 月).
特筆すべき成果
・農芸化学会シンポジウムに採択
農芸化学会 2012 年大会の公募シンポジウムに「ポリアミンが調節する生命現象と健康長寿社会への
ポリアミンの応用」
(世話人:京都工芸繊維大学・鈴木秀之、理化学研究所・辨野義己)が採択され、
本研究成果を中心にポリアミンの機能性を紹介した。
・受賞
1. 本プロジェクトの研究補助者であった大学院生 押田麻由が、2009年度日本生化学会大会(神戸国際
会議場)において本研究の成果発表を行い、優秀プレゼンテーション賞を受賞した。
「大腸菌におけるPuuAの酸化修飾と分解」 押田麻由、栗原新、鈴木秀之(2009年10月)
2. 本プロジェクトの博士研究員であった栗原新が、2010年度日本農芸化学会大会(東京大学駒場)に
おいて本研究の成果発表を行い、トピックス賞を受賞した。
「大腸菌の細胞外プトレッシンによって誘導される遊走に必要な新規プトレッシントランスポータ
ーYeeF」 栗原新、鈴木秀之、押田麻由、岩井杏依子、辨野義己(2010年3月28日)
3. 本プロジェクトの博士研究員であった根本直樹が、第 4 回トランスグルタミナーゼ研究会&日本ポリ
アミン学会合同学術集会(京都工芸繊維大学 60 周年記念館)において本研究の成果発表を行い、優
秀ポスター賞を受賞した。
「転写抑制因子 PuuR による大腸菌プトレッシン代謝制御」 根本直樹、栗原新、北原譲、朝田圭、
加藤健二、鈴木秀之(2011 年 9 月 20 日)
本稿は、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センターのイノ
ベーション創出基礎的研究推進事業(発展型研究一般枠)の平成21〜23年度の委託研究として採択
された「健康寿命伸長のための腸内ポリアミン濃度コントロール食品の開発」
(代表者 協同乳業研究
所技術開発室・松本光晴)の分担課題「大腸菌をモデル生物としたポリアミン輸送及び代謝調節機構の
解明と制御」の研究成果をまとめたものです。
81
専任教員研究成果報告
トリアジン骨格を有する多分岐ポリイミド-シリカハイブリッドの
合成と特性
教授 山田 保治
1.緒言
ポリイミドは、耐熱性、機械特性および電気特性等に優れた高性能・高機能材料であ
り、航空宇宙分野や情報通信分野などのハイテク産業を支える先端材料として注目され
ている。我々はこれまでに、フェニル系多分岐ポリイミドの諸物性および気体輸送特性
について報告してきた。一方、芳香族高分子にトリアジン環を導入することにより、耐
熱性や溶解性が向上する他、無機物との複合化が容易となるという報告がある[1]。本研
究では、トリアジン骨格を有する新規の多分岐ポリイミドおよび多分岐ポリイミド-シ
リカハイブリッドを合成し、トリアジン骨格がポリマーの諸特性に及ぼす影響について
検討した。
2.実験
DMAc
に 溶 解 し た 酸 二 無 水 物
4,4’-(hexafluoroisopropylidene)diphthalic
anhydride(6FDA)に、予め DMAc に溶解し
た ト リ ア ミ ン 1,3,5-tris(4-aminophenoxy)
triazine
(TAPOTZ) ま た は
2,4,6-tris
[(3-aminophenyl)amino]-1,3,5-triazine
(TAATZM)を徐々に加え 25℃で 3 時間攪拌
し た 後 、 3-aminopropyltrimethoxysilane
Figure 1 Chemical structures of monomers.
(APTrMOS)を加え更に1時間攪拌し、シラン末端多分岐ポリアミド酸を合成した。こ
の反応溶液に、水および tetramethoxysilane(TMOS)を加えて 24 時間攪拌した後 PET
シート上にキャストして乾燥し、得られた膜を窒素雰囲気下で熱イミド化することで、
HBPI-SiO2 HBD 膜を調製した。
得られた各 HBPI- SiO2 HBD 膜について FT-IR 測定、
UV-VIS 透過率測定、TG-DTA 測定、DMA 測定、気体透過測定を行い芳香族系 HBPISiO2 HBD と諸特性の比較を行った。
3.結果と考察
3.1. FT-IR 測定
各サンプルのイミド化の進行および、ハイブリッド化の進行を確認するために、
82
専任教員研究成果報告
FT-IR 測定を行った。得られた
FT-IR スペクトルを Figure 2 に
示す。いずれのサンプルにおいて
もポリアミド酸に特徴的なピー
ク(νC=O;1650cm-1 付近)は見
られず、ポリイミドに特徴的なピ
ー ク ( ν asC=O ; 1780cm-1 、 ν
sC=O;1720cm-1、δC=O;720cm-1)
が観測されたことから、イミド化
の進行が確認できた。また、ベー
Figure 2 FT-IR spectra of HBPI-SiO2 HBD membranes.
スポリマーだけでなくハイブリッド系のスペクトルにおいても、トリアジン環に由来す
るピーク(νC-N ;1360 cm-1、νC=N ;1560 cm-1)が観測されたことから、sol-gel 反
応、熱イミド化後もトリアジン環が維持されていることが確認できた。また、シリカ含
有量の増加に伴い Si-O-Si 結合に基づくピーク(νSi-O-Si ;1000-1100 cm-1)の増大が
見られ、sol-gel 反応の進行によるシリカネットワークの形成が確認された。
3.2. 紫外‐可視光透過率測定
紫外‐可視光透過率測定より得られた各サンプ
ルの波長 600nm における、膜厚補正(20µm)後の
光透過率をシリカ含有量に対してプロットした結
果を Figure 3 に示す。いずれのサンプルも 85%
以上の高い光透過率を示していることから、ポリ
マー中にシリカ成分がナノスケールで良好に分散
していることが示唆された。また、光透過率はシ
リカ含有量の増加に伴い上昇した。これは、微小
に分散したシリカ成分により単位体積あたりのイ
ミド基密度が低下したためと考えられる。
Figure 3 Transmittances of HBPI-SiO2
HBD membranes at 600nm.
3.3. TG-DTA 測定
TG-DTA 測定より得られた TG 曲線から求めた
各サンプルの 5%重量減少温度(Td5[℃])をシリカ含
有量に対してプロットした結果を Figure 4 に示す。
HBPI(6FDA-TAPOTZ)の T
d 5
は
HBPI(6FDA-TAPOB)よりも低い値を示した。この
ことからトリアジン環がフェニル環よりも熱的に
不安定であることが示唆された。また、
HBPI(6FDA-TAATZM)の Td5 は、
HBPI (6FDA-TAPOTZ)よりも高い値を示した。
83
Figure 4 5% weight-loss temperatures(Td5s)
of HBPI-SiO2 HBD membranes.
専任教員研究成果報告
これは、TAATZM 内の-NH-による水素結合で高分子鎖の運動性が低下するためと考え
られる。また、Td5 はシリカ含有量の増加に伴い上昇した。これは、シリカの無機的性
質が付与され、また、シリカネットワークにより高分子鎖の運動が抑制されたことで分
解速度が低下したためと考えられる。
3.4. TMA 測定
TMA 測定より得られた各サンプルのガラス転移温度(Tg[℃])をシリカ含有量に対
してプロットした結果を Figure 5 に示す。なお、HBPI(6FDA-TAPOTZ)のシリカ含有
量 20wt%以上のサンプルは膜が脆く、測定できなかった。HBPI(6FDA-TAATZM)の Tg
は HBPI(6FDA-TAPOTZ)、HBPI(6FDA-TAPOB)よりも高い値を示した。これは、
TAATZ 内の-NH-の存在により分子内、分子間に水素結合が形成され分子鎖の運動性が
低下するためと考えられる。また、Tg はシリカ含有量の増加に伴い上昇したことから、
シリカネットワークによる高分子鎖の運動の抑制が示唆された。
TMA 測 定 よ り 得 ら れ た 各 サ ン プ ル の 100-150 ℃ に お け る 線 熱 膨 脹 係 数
(CTE[ppm/℃])をシリカ含有量に対してプロットした結果を Figure 6 に示す。CTE は
シリカ含有量の増加に伴い低下した。これは、ハイブリッド化によりシリカを介した分
子間架橋が形成され高分子鎖の運動が強固に抑制されたこと、また、シリカ自体の低熱
膨張性が反映されたことによると考えられる。
Figure 5 Glass transition temperatures
(Tgs) of HBPI-SiO2 HBD membranes.
Figure 6 Coefficients of thermal expansion
(100-150℃) of HBPI-SiO2 HBD membranes.
3.5. 気体透過測定
気体透過測定より得られた各サンプルにおける CO2 の気体透過係数(P) をシリカ含
有量に対してプロットした結果を Figure 7 に示す。トリアジン系 HBPI はフェニル系
HBPI よりも低い P を示した。
これは、
トリアジン環および-NH-結合(6FDA-TAATZM)
の存在により、分子鎖のパッキングが密になるためと考えられる。また、いずれのサン
プルにおいてもシリカ含有量の増加に伴い P は上昇した。これは、シリカネットワー
クによって分子鎖の運動性が抑制されたこと、またシリカ‐ポリマー界面に新たな空孔
が形成されたことによると考えられる。
84
専任教員研究成果報告
次に、気体透過測定より得られた各サンプルにおける分離係数α[CO2/CH4]と P(CO2)
の関係を Figure 8 に示す。α[CO2/CH4]および P(CO2)はシリカ含有量の増加に伴いと
もに向上し、高シリカ含有量のサンプルでは upper bound(1991)を超える高い分離特性
を示した。このことから、ハイブリッド化により新たに形成された空孔は CO2/CH4 分
離に有効なサイズであり、かつ空孔径の均一性が高いことが示唆された。
Figure 7 CO2 gas permeability coefficients
of HBPI-SiO2 HBD films.
Figure 8 CO2/CH4 selectivity of HBPI-SiO2
HBD
films
plotted
against
CO2
permeability coefficient.
4.まとめ
本研究では、新規なトリアジン系 HBPI-SiO2 HBD を合成し、トリアジン骨格がポリ
マーの特性に及ぼす影響を検討した。得られたトリアジン系 HBPI は良好な製膜性と高
い透明性を有していた。トリアジン系 HBPI はフェニル系 HBPI(6FDA-TAPOB)に比
べ低い分解温度を示し、トリアジン環が熱的に不安定であることが示唆された。ハイブ
リッド系ではシリカ含有量の増加に伴い、Td5 と Tg のいずれもが上昇したことから、シ
リカとのハイブリッド化により HBPI の耐熱性が向上することが示された。トリアジン
系 HBPI の気体透過係数はフェニル系 HBPI よりも低い値であった。しかしながら、
シリカ含有量の増加に伴い気体透過係数と CO2/CH4 選択性が共に上昇したことから、
トリアジン系 HBPI とシリカとのハイブリッド化により、分子鎖間およびシリカポリマ
ー界面に新たな空孔が形成され、この空孔は CO2/CH4 分離に有効なサイズであること
が示唆された。
5.参考文献
[1] Kudo T, Oishi Y, Oravec J,J.Photopolym Sci Technol.,17(2004)259
[2] L. M. Robeson, J. Membrane Sci., 62 (1991) 165
[3] L. M. Robeson, J. Membrane Sci., 320 (2008) 390
85
専任教員研究成果報告
販売される商品の品質に対する社会的な信頼と
刑法第233条にいう「信用」
創造連携センター
准教授
稲岡 美恵子
1. はじめに
不正競争防止法第 2 条 1 項 14 号では「競争関係にある他人の営業上の信用を害する
虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」、いわゆる営業誹謗行為を不正競争行為と規
定している。本論文では、権利侵害警告と不正競争防止法第 2 条 1 項 14 号の営業誹謗
行為の成否の問題を検討するにあたり、刑法の信用毀損(第 233 条)の「信用」の意
義について大審院判例を変更した最高裁判決*1 の考察を試みるものである。
2. 事案の概要
被告人は、コンビニで購入した紙パック入りのオレンジジュースに家庭用洗剤を入れ
て、購入前から異物が混入されており、それを子供が飲んだことを公表させようとして、
大阪市の病院において、警察官に対し「子供にコンビニで購入したオレンジジュースを
飲ませたところ、口の中がヒリヒリすると言い、夫も口にしたが、異変に気付いて吐き
出した」旨の虚偽の事実を申告した。この申告内容を警察職員が報道機関に発表し、報
道機関がコンビニで異物が混入されたジュースが陳列・販売されていた旨の虚偽の報道
をした。以上のとおり、被告は、虚偽の風説を流布して、コンビニの信用を毀損すると
ともにその業務を妨害した。
3.争点
商品の品質に対する社会的な信頼を害したことについて、刑法第233条の信用棄損罪
が成立するか否か。
4.判旨
「所論引用の大審院判例のうち、大審院大正5年(れ)第2605号同年12月18日判決・刑
録22輯1909頁及び大審院昭和8年(れ)第75号同年4月12日判決・刑集12巻5号413頁は、人
の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼を毀損しない限り、信用毀損罪成立しな
いとしたものであるから、原判決は、上記大審院の各判例と相反する判断をしたものと
いわなければならない。
*1
最高裁平成 15 年 3 月 11 日第三小法廷判決
平成 14 年(あ)第 1198 号、第 1239 号、信用毀損・業務妨害・窃盗被告事件
刑集 57 巻 3 号 293 頁、判時 1818 号 174 頁、判タ 1119 号 116 頁
86
専任教員研究成果報告
しかし、刑法第 233 条が定める信用棄損罪は、経済的な側面における人の社会的な
評価を保護するものであり、同条にいう「信用」は、人の支払い能力又は支払意思に対
する社会的な信頼に限定されるべきものではなく、販売される商品の品質に対する社会
的な信頼も含むと解するのが相当であるから、これと異なる上記大審院の各判例は、い
ずれもこれを変更し、原判決を維持すべきである。」
5.下級審の判断
(1)大阪地方裁判所 平成13年12月11日
弁護人が、判例は、真実に反して商品を粗悪不良と批判しこれを不特定多数の人に伝
播する行為について信用毀損罪に該当しないと判示しており、通説も、信用の意義につ
いて人の支払能力又は支払意思に対する他人の信頼と解していることからすれば、商品
が粗悪品であるという虚偽の事実を流布した場合には信用毀損は成立しない旨主張し
ているのは、採用できない。
(2) 大阪高等裁判所
平成14年6月13日
所論は、被告人が虚偽の申告をすることによってコンビニエンスストアCの支払能力
や支払意思に対する他人の信頼を害したわけではないから、「信用」を毀損したことに
はならない旨主張する。
しかしながら、信用毀損罪は、人の経済的側面における価値を保護することを目的と
するものであるから、刑法第233条の「信用」とは、人の支払能力や支払意思に対する
他人の信頼を含むことは当然であるが、それにとどまるものではなく、扱う製品の質、
アフターサービスの良否、経営姿勢等を含んだ人の経済生活上の評価と解するのが相当
である。そして、被告人が申告した内容に照らすと、被告人の上記行為は、コンビニエ
ンスストアCで販売される飲食物の品質や同店の商品管理に関する社会的評価を低減
せしめる可能性のあるものといわなければならず同店の「信用」を毀損するものという
ことができるから、所論は採用できない。
(3) 上告趣意
弁護人は、上告趣意で、信用毀損にいう「信用」の意義に関する原判決の判断につい
て、以下のような判例違反、単なる法令違反を主張した。
原判決は、信用毀損にいう「信用」の意義を「扱う製品の質、アフターサービスの良
否、経営姿勢等に対する経済生活上の評価」と解している。しかしながら、大判明治4
4年2月9日刑録17輯52頁は、人の信用を毀損するとは、人の社会における財産上の信用
を害することをいうとしており、大判明治44年4月13日刑録17輯557頁は、人の経済的方
面における価値を減少させるおそれがあるとき、人の信用を毀損したことに当たるとし
ており、大判大正5年12月18日刑録22輯1909頁は、大判昭和8年4月12日刑集12巻5号413
頁は、いずれも、信用毀損にいう「信用」は人の支払能力や支払意思に対する信頼をい
うとしている。そうすると、原判決は、信用毀損にいう「信用」の意義について、これ
87
専任教員研究成果報告
らの大審院の判例に反する誤った解釈をしている。
学説でも、通説は、信用毀損にいう「信用」を人の支払能力や支払意思に対する他人
の信頼と解しており、原判決がいう「扱う製品の質、アフターサービスの良否、経営姿
勢等に対する経済生活上の評価」は、人の社会的な評価にほかならず、名誉毀損で保護
されるべきものである上、人の業務を妨害する危険を含んでおり、業務妨害によって保
護されるべきものでもあり、信用棄損によって保護されるべきものではないから、原判
決には法令違反がある。
6.検討
本件で問題となったのは、刑法第233条の信用毀損罪における「信用」の意義である。
大審院判例(下記判例②③④⑤⑥)は、信用毀損罪にいう「信用」は、人の支払意思又
は能力をいうと解している。学説も通説(団藤、大塚、植松、前田)は、判例と同様に
人の支払意思又は能力に関する社会的信頼と解している。学説のなかには、判例・通説
の「信用」の定義は、表現として不適切である(鴨、柏木)とか、これに限定されない
(西田、坪内)とする立場もある。
(1) 判例・学説
<判例>
① 大判明治44年2月9日 刑録17輯52頁
人の信用を毀損するとは、人の社会における財産上の信用を害することをいうと
しており「信用」を必ずしも人の支払能力又は支払意思に限定してはいない。
② 大判明治44年4月13日 刑録17輯557頁
薪炭を病院に納入するにあたって不正の方法により暴利を得ている等と中傷した
もので、信用とは人の経済的方面における価値を指称し、その価値を減少させる
おそれがある場合には信用を毀損したと評価できるとした上で、経済的方面にお
ける価値の意義について「其の人が業務上弁済の能力及び意思につき他人より受
ける信憑を指称するもの」旨判示した。
③ 大判大正5年6月1日 刑録22輯854頁
多額の借財を負っている旨の記事を発表したところ名誉毀損罪で訴追された事案
で、刑法第230条第1項の名誉毀損罪は事実の有無を問わず全て公然事実を摘示し
て人の社会生活上の地位又は価値に侵害を加えることによって成立し、同法233
条の信用毀
損罪は虚偽の風説を流布し又は偽計を用いて人の支払能力もしくは
支払意思を有することに対する他人の信頼に危害を加えることによって成立する
ところ、破産に瀕することを意味する程度に達しないものである場合には名誉毀
損罪は成立せず、信用毀損罪の成否が問題となる旨判示した。
④ 大判大正5年6月26日 刑録22輯1153頁
刑法233条の信用毀損罪は故意に虚偽の事実を伝播して人の支払資力又は支払意
思に対する他人の信頼に危害を加えることによって成立する旨判示し、刑法の解
88
専任教員研究成果報告
釈上信用毀損罪における信用は性質上これを財産的法益の一種と認めるのが妥当
であり、信用毀損罪における信用は名誉毀損罪における名誉の一部に属するもの
ではない旨判断
を示した上で、信用毀損罪は成立せず名誉毀損罪が成立する
旨判示した。
⑤ 大判大正5年12月18日 刑録22輯1909頁
酒店の酒が腐っているという虚偽の風説を流布した事案について、
「信用毀損罪は虚偽の風説を流布し若しくは偽計を用い弁済能力もしくは弁済意
思に対する信頼を害することに因りて成立するを以て、他人の業務に関し真実に
反して商品を粗悪不良なりと批判し若しくは取引に不正行為ありと非難しこれを
不特定多数人に伝播する行為の如きは信用毀損罪に該当せず業務の執行経営を阻
害する行為にして業務妨害
罪をもって論ずべきものとす」旨判示した。
⑥ 大判昭和8年4月12日 刑集12巻5号413頁
労働争議を支援するに際し、争議中の経営者と町内の旅館経営者親戚関係にあっ
たことから、争議を従業者に有利に解決しようと企て、「客は逃出す神山旅館、
お客と争議団の総検束、上へ下への神山旅館、泊るな神山危険な旅館、首切りの
尻押、客をゴマかす」等と記載した宣伝ビラを電柱に貼付したり散布したりした
事案につき、
「刑法 233 条の信用毀損罪は、人の経済方面における価値すなわち人の支払能力
又は支払意思に対する社会的信頼を失墜せしむるおそれある行為を為すによりて
成立するものなれば、本件におけるがごとく単に虚偽の事項を記載したる宣伝ビ
ラを貼付又は散布して旅館経営を阻害するの行為にでたる場合において、これを
目して信用毀損罪を構成するものと解すべからず」と、信用毀損罪を構成す
ることなく、業務妨害を構成ことになる旨判示した。
<学説>
(ア) 信用毀損罪における「信用」の意義(保護法益)
①通説(多数説)
・団藤重光『刑法綱要各論(第三版)』533頁
「信用」とは、経済的信用、すなわち人の支払能力又は支払意思に関する他人の
信頼である。
・大塚仁『刑法各論(改訂版)』326頁
人の経済的方面における価値、すなわち、支払能力又は支払意思に対する社会的
信頼を意味する。
・植松正『全訂刑法概論Ⅱ各論』345頁
「信用」とは人の支払能力または支払意思を有することに対する社会的信頼を謂う。
・前田雅英『刑法各論講義(第三版)』131頁
人の経済面における価値、つまり支払能力、又は支払意思に対する社会的信頼
をいう。
89
専任教員研究成果報告
② 少数説
・鴨良弼「信用毀損罪及び業務妨害罪」刑事法講座第7巻1650頁
「ここに信用とは、専ら財産上の義務履行について受ける社会的信頼を云うので
ある。一般に学者が信用について支払能力又は支払意思に対する社会的信頼と
いう定義を与えているが右と同意義である。信用は人の経済的給付能力につい
て受ける社会的評価」
・柏木千秋『刑法各論再版』416頁
「判例は支払能力又は支払意思といっている。そして学説も多くはこれを用いて
いるが適な表現ではない。・・・信用とは経済的義務履行の能力・意思に対す
る一般の信頼をいう。」
・西田典之『刑法各論(第二版)』23頁
「より広く商品の品質・効能、人の技量についての信用も含むと解すべきであろう」
・坪内利彦・松本裕『大コンメンタール刑法(第二版)第12巻』79頁
「人の経済的側面における信頼の対象は、単に支払の意思・能力に限られず、納
入する製品の質、アフターサービスの良否、経営姿勢等を含むもの」
(イ) 信用毀損の罪質
① 財産罪説
信用は財産の一種であり、信用毀損罪は財産罪である。
信用毀損は、業務妨害と統一的に理解されるべき経済的な保障であると解し、信
用毀損は、債務の履行に対する信頼それ自体に財産的な価値を認め、このような
財産的な 価値に対する侵害を保護するものと考えられる。(判例④)
宮本英修「刑法大綱」410頁
大場茂馬「刑法各論上巻11版」758頁
木田純一「信用および業務妨害」刑法講座第5巻274頁
② 名誉毀損罪説
信用は名誉の一種であり、名誉毀損罪は一般法、信用毀損罪はその特別法である。
信用毀損が業務妨害とは別に規定されているため、「信用」は業務妨害による業務
の遂行の保護とは別の観点から、社会的な評価である「名誉」の一部として保護さ
れるものと解する。
滝川幸辰「刑法各論」101頁、
植松正『全訂刑法概論Ⅱ各論』345頁、
柏木千秋「刑法各論再版」415頁
③ 独立罪説(多数説)
信用は財産ではなく、また名誉にも属さない独自の法益である。
さらに、この独立罪説の中に
ⅰ 人格的法益・財産的意義併有説
信用毀損罪は人格に対する社会的評価という人格的法益を基本とし、同時にそ
れが経済的評価であることから財産的意義をも有すると解するもの
90
専任教員研究成果報告
小野清一郎「新訂刑法講義各論第三版」221頁
団藤重光『刑法綱要各論(第三版)』511頁
大塚仁「注解刑法」1023頁
ⅱ 社会的・経済的活動の自由説
信用毀損罪は、社会的・経済的活動そのものを直接妨げる罪ではないが、社会
的・経済的活動の条件である信用を害する罪であるとして、信用毀損罪も業
務妨害罪もともに社会的・経済的活動の自由を保護するものとして統一的に
捉えると解するもの
佐伯千仞「刑法各論新訂版」153頁
木藤繁夫「大コンメンタール刑法(第二版)」74頁
ⅲ 準名誉毀損罪説
信用毀損罪は業務妨害罪とは異質の罪であるとし、信用毀損罪を人に対する社
会的信頼の保護という点で共通的要素を有する名誉毀損罪と統一的に把握す
ると解するもの
鴨良弼「信用毀損罪及び業務妨害罪」刑事法講座第7巻1650頁
本判決では、「刑法第233条が定める信用棄損罪は、経済的な側面における人の社会
的な評価を保護するものであり、同条にいう「信用」は、人の支払い能力又は支払意思
に対する社会的な信頼に限定されるべきものではなく、販売される商品の品質に対する
社会的な信頼も含むと解するのが相当であるから、これと異なる上記大審院の各判例は、
いずれもこれを変更し、原判決を維持すべきである」と判示された。
上述したように、従来の大審院判例においては、「信用」の意義を、人の支払意思又
は能力に限定して解釈しているため、従来の判例・通説の立場によれば、商品の品質に
対する社会的信頼が害されたとしても、それが直ちに支払能力・支払意思に対する社会
的信頼が害されたことに直結するものでない以上、信用毀損罪は成立しないということ
になるであろうと考えられる。
しかしながら、判時・判タでのコメント「大審院の判例のように「信用」の意義を人
の支払意思又は能力と解するのは、経済活動が多様化してきている近年においては、信
用毀損が対象としている社会現象の一面しかとられていないきらいがあるように思わ
れる」とあるように、現代社会においては、商品の品質が悪いという風評が立てば、消
費者はその商品の購入を控え、いったん崩れた品質に対する信頼を回復することは容易
なことではなく、経営状態に影響が生じ、場合によっては企業が倒産することさえある。
このような現代社会における「商品の品質に対する社会的な信用」は、企業において重
要なものであり、現代の商取引の実態を踏まえれば、従来の解釈を変更(拡大)し、「商
品の品質」を信用毀損罪における信用の内容に加えることは妥当であると考える。
一方で、本判判決は、信用毀損にいう「信用」の意義についての一般的な定義づけは
行っていない。これについて、山口*2は『人の経済的な側面での評価ということ自体が、
*2
山口雅高
時の判例 ジュリスト
1251 号 176 頁
91
専任教員研究成果報告
必ずしも明確ではないため、信用毀損にいう「信用」の外縁部分を明らかにすることに
は、困難が少なくないと考えられ、そうすると、「信用」の意義について、外縁部分が
明確になるような過不足のない定義をすることも容易ではないと考えられる。また、人
の経済的な側面での社会的な信頼といのは、いくつかの観点から複合的な要素を考慮し
て判断されるべきものとも考えられるから、信用毀損にいう「信用」は統一的な定義付
けができる性質のものではないとも考えられる。結局、信用毀損にいう「信用」の意義
については、個別的な判断の集積によって、その内容が明らかにされるほかないものと
考えられる。』と述べている。
(2) 信用毀損罪と名誉毀損罪との関係
そこで、問題となってくるのが、信用毀損罪と名誉毀損罪との関係である。両罪はい
ずれも、社会的な評価を保護する点においては共通しているが、判例・学説ともに、信
用毀損罪は人の経済的評価を保護し、名誉毀損罪は人の人格的な評価を保護するもので
あるとして区別している。
大塚は「名誉の内容としての人の価値は、人の行為又は人格に対する倫理的価値に
限らず、政治的、社交的、学問的、芸術的能力はもちろん、身体的、精神的な資質、職
業、身分、血統など広く社会生活上認められる価値を含む。ただ、人の支払能力及び支
払意思に対する社会的評価は、信用として信用毀損罪の法益とされているから、ここに
いう名誉からは除外される。」としている。
また、要件として、信用毀損罪は、事実の虚偽性を要件としている点が相違している。
名誉毀損罪は社会的評価が低下すれば嘘名であっても保護するのに対し、信用毀損罪は
嘘名を保護しない。信用毀損罪の成立が虚偽の摘示に限られているのは、経済的側面に
おける社会的評価が名誉とは区別されて保護されていること意味するものであろう。
しかしながら、両者は完全に区別された関係にあるのではないと考える。
中森は「純然たる信用毀損は名誉毀損罪を成立させない。しかしながら、一個の行為
が、信用とそれ以外の名誉の双方を同時に侵害する場合には、どちらの罪も単独ではそ
の行為を評価し尽すことができないので、両者が観念的競合の関係で成立すると考えら
れる」と述べており、また、判例において東京地判昭和56年1月29日は、被告人が発行
する新聞に、証券会社の代表取締役らが会社を私物化しているなどとして、代表取締役
らの私事に関する虚偽の記事を掲載した行為に対して、証券会社に対する信用毀損罪お
よび名誉毀損罪、代表取締役らに対する名誉毀損罪が成立するとした。
(3) 不正競争防止法との関係
不正競争防止法第2条1項14号では「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽
の事実を告知し、又は流布する行為」、いわゆる営業誹謗行為を不正競争行為と規定し
ている。同条でいう「営業上の信用を害する」の意義を検討するに際し、刑法における



大塚仁「刑法各論(改訂版)」326 頁
中森喜彦「大コンメンタール刑法9」34 頁
判時 1029 号 134 頁
92
専任教員研究成果報告
信用毀損罪(刑法第233条)の「信用」に意義について検討を行った。
なお、平成22年度創造連携センター年報では、平成14年最高裁判決「新・ゴーマニズ
ム宣言名誉毀損事件」を取り上げて、民法における名誉毀損の不法行為(民法709条)
について述べた。
7.参考文献
山口 雅高
最高裁判所判例解説
刑事編平成15年度 法曹会 93頁
山口 雅高
木村 光江
時の判例 ジュリスト
1251号175頁
「信用毀損罪における「信用」の意義」 研修 681号3頁
野々上 尚 「刑法233条における信用には人の支能力又は支払意思に対する社会的な
信頼のほか、販売する商品の品質等に対する社会的な信頼が含まれると
した控訴審判決につき、これは大審院判例と相反する判断をしたものと
しつつ、同大審院判例を変更して同控訴審判決を維持すべきとした事
例」
研修
660号13頁
内藤 惣一郎 「販売される商品の品質に対する社会的な信頼は、刑法233条にいう「信
用」に含まれるとした最高裁判決」
法律のひろば
56巻12号58頁
山本 光英 「販売される商品の品質に対する社会的な信頼と刑法233条にいう「信用」
判例時報 1858号204頁
内海 朋子 「販売される商品の品質に対する社会的な信頼は、刑法233条にいう「信
用」に含まれるとされた事例」 現代刑事法
61号76頁
松澤 伸
「販売される商品の品質に対する社会的な信頼と刑法233条にいう「信用」
大山 徹
ジュリスト 1286号128頁
「販売される商品の品質に対する社会的な信頼と刑法233条にいう「信用」
判例セレクト2003(法学教室282号) 31頁
浅井 弘章
「販売される商品の品質に対する社会的な信頼と刑法233条の「信用」
門田 成人
銀行法務21 630号114頁
「信用の解釈変更と遡及処罰禁止原則」 法学セミナー 586号109頁
93
平成24 年 7 月 20 日
京都工芸繊維大学 創造連携センター
客員教授 弘岡 正明
平成 23 年度教育研究報告
研究の主要課題:イノベーションパラダイムの解析と産学協同体制
-技術経営(MOT)、知的財産権との連関
客員教授在籍期間での教育・研究動向
平成 23 年 4 月~24 年 3 月(2011 年度)
1)平成 23 年 5 月 23 日、知的財産権特論 7、大学院講義
2) 平成 23 年 6 月 6 日、知的財産権特論9、大学院講義
3)毎月 2 回程度、創造連携センター、山田保治教授と共同研究討議実施
4) 平成 24 年 3 月 18 日、第 16 回進化経済学会発表
平成 23 年 5 月 23 日(月)
知的財産権特論 7、大学院講義
「特許からみた技術革新と経済発展」
近代工業化社会形成の過程で、特許がどのような経緯で取得されてきたのか、イノベーシ
ョンの経過の中での特許のタイミングと展開の経緯について解明した。近代工業化の黎明
期は産業革命によって始まった。その推進の鍵を握ったのが特許制度であった。1623 年英
国議会で専売所有権制度が成立、発明と新規事業に 14 年間の独占権が認められ、近代的な
特許概念が確立、その後の産業革命の推進に大きな役割を果たした。英国に次いでフラン
ス、プロシャでも特許法が成立し、1883 年にパリ条約が締結され、特許についての国際的
な合意が成立した。具体的に合成染料、バイオテクノロジー、エレクトロニクスの技術革
新で特許がどのような役割を果たしてきたのか検証した。さらに、イノベーションの過程
でベンチャービジネスがどのように発展してきたかを解析し、企業家のタイミングについ
ての知見をまとめた。さらに、タイプライター、自動車、合成染料におけるイノベーショ
ンの過程で企業数がどう推移してきたかを明らかにした。
平成 23 年 6 月 6 日(月)
知的財産権特論9、大学院講義
「研究開発と特許の体験」
演者が企業の研究部門に在籍していた時の研究開発と特許出願の体験を具体的な例を述
べながら解説した。当時の時代的背景の中で、化学工業の技術導入と自社技術開発の狭間
にあって、どのような対応を必要としたのか、導入技術に対していかに自社技術を確立し
94
て行ったのか、その過程と問題点をまとめた。自社技術を確立した時の具体的な特許出願
と外部発表とのタイミングについて経験を述べ、特に海外への出願と発表のタイミング、
その結果の具体的な反響について整理した。国内特許出願から一年以内に外国出願をする
が、アメリカ、ヨーロッパでの特許法の違い、出願にあたっての弁理士の使い方、特許異
議申し立てに関する経験と、アメリカでの特許庁審査官とのインタービュの経験などをま
とめた。海外発表により大きな反響があり、海外企業からのサンプル依頼や特許ライセン
スの契約など、具体的な体験を整理した。また、アメリカ化学会でのシンポジウムでの講
演と Gordon Research Conferences への招待などの経緯を述べた。さらに、日本の高分子
学界の実力と国際的な評価について触れた。日本の高分子研究はアメリカを含む世界各国
の中でも最も論文発表件数が多く、1970 年代半ばでは世界の 42%を占め、アメリカの 20%
を大きく凌駕した。1954 年にイタリアで発見されたポリプロピレンの技術は日本企業 3 社
が導入したが、その後の技術は日本が大きくリードし、その触媒効率は世界一高い実績を
達成した。高分子研究の先駆者はドイツの Staudinger であり、高分子の概念を確立し、ノ
ーベル賞を受賞したが、当時、日本の多くの碩学が彼の研究室に学び、数々の成果を上げ、
日本の高分子研究の礎を築いた。工業的にも 1937 年に早くも化学繊維生産高が世界一とな
っている。
平成 24 年 3 月 18 日(日)
第 16 回進化経済学会大阪大会発表
セッション8.エネルギー問題とそのガバナンス
演題:21 世紀のエネルギー・資源問題-トリウム原子炉
報告要旨:これからの世界経済は、人口の増大と発展途上国の近代化の推移に伴う資源・
エネルギーの消費量が爆発的に増大するシナリオを考えなければならない。エネルギー・
資源問題を論じ、今後の対応を考える。石油の大油田発見の経緯と確認埋蔵量の推移をみ
ると石油がもはや多くを望めす、枯渇に向けた減耗の時代に移行していることを示してい
る。その根拠として、Hubbert Peak の概念がある。これは石油の産出経過が左右対称の
釣鐘型になり、その半分の採掘時にピークとなることから、最終埋蔵量が予測できるとい
うものである。世界のピークは 2006 年であったと見積もられ、中東でも 2009 年にピーク
となったと考えられる。日本ではこのような石油枯渇に対する危機感がなく、問題意識が
乏しい。それでは今後のエネルギー問題はどうなるのか、福島原発の事故以前には、原子
力発電が将来を担う最有力候補であり、大きな期待があったが、今回の事故でその期待が
大きく損なわれた。しかし、原子力発電は安価で効率的なので、これに代わる代替案は難
しい。太陽光発電に代表される自然エネルギーは極めて効率が悪く、量的に原子力発電を
代替できる規模は期待できないし、コストも高い。その他、地熱発電、風力発電、波力発
電、潮汐発電などがあるが、いずれも規模に問題があり、採算性が低く、到底原子力発電
を代替できる代物にはならない。一つの有力候補として、トリウム溶融塩原子炉がある。
95
これは 1960 年ごろに、
米国エネルギー省オークリッジ研究所が実験炉として 5 年間運転し、
成功裏に終了したプロジェクトである。その成功にもかかわらず、現在に至るも採用にな
っていないのは、ウラン原子炉が先行して実用化してきたことにある。日本では、1980 年
代初頭、京大教授、南極越冬隊長として活躍した西堀栄三郎が安全な原子炉として推奨し
てきた経緯がある。従来のウラン軽水炉には多くの問題点があると西堀は指摘する。スリ
ーマイル島の原発事故で原子力発電の安全性が問われる事態となり、チェルノブイリ事故
で、多大の犠牲者が出た。特に日本では福島原発の事故で、西堀の懸念が現実となり、原
発に対する大きな拒否反応を生み出した。西堀の指摘する問題点とは、軽水炉の燃料が濃
縮ウランの固体燃料棒であることである。これに対して、トリウム溶融塩炉は、固体燃料
ではないので、炉心溶融のような致命的な事故が原理的に起こりえず、安全な操業が保証
される。なぜ、こんな優れた炉が採用に至らなかったのか。それはまさにタイミングの問
題で、濃縮ウラン軽水炉がすでに実用化の段階に入っていたことが、決定的な要因であっ
た。いまや日本は長期的展望の下に、エネルギー政策を再構築する時であり、その視点に
立てばトリウム溶融塩炉を重点的に再検討する必要がある。
96
施設平面図
(平成24年4月1日現在)
創造連携センター南側建物・・・共同研究・受託研究実験室、センター教員研究室など。
*実験室 附帯設備
第4実験室(共同研究員室)
・事務机 12台
・キャスター付き椅子 12脚
・書類庫 2台
・更衣ロッカー 4台
第5実験室
・事務机 9台
・キャスター付き椅子 10脚
・書類庫 3台
・保管庫 2台
・更衣ロッカー 2台
第6実験室
・事務机 2台
・ミーティングテーブル 2台
・椅子 8脚
・キャスター付き椅子 2脚
・書類庫 2台
・更衣ロッカー 2台
玄関
実験室(第1実験室)
第1実験室
・中央実験台 3台
・ドラフトチャンバー 3台
・水道 2箇所
第2実験室
・実験台 4台
(中央 3台、サイド 1台)
・ドラフトチャンバー 1台
・流し台 1台
・事務机 2台
・棚 3台
・丸椅子 6脚
・キャスター付き椅子 2脚
第3実験室
・ドラフトチャンバー 1台
・水道 1箇所
97
施設平面図
創造連携センター北側建物・・・インキュベーション施設、研究推進課事務室など。
*実験室・研究室 附帯設備
第1研究室~第6研究室
・事務机 1台
・キャスター付き椅子 5脚
・書類庫 1台
・更衣ロッカー 1台
・ミーティングテーブル 1台
研究室(第4研究室)
第7実験室(バイオ系)
・実験台 4台
(中央 2台、サイド 2台)
・事務机 2台
・備品棚 2台
・更衣ロッカー 2個
・安全キャビネット 1台
・クリーンベンチ 1台
実験室(第7実験室)
第8実験室(デバイス系)
・実験台 4台
(中央 2台、サイド 2台)
・事務机 2台
・備品棚 2台
・更衣ロッカー 2個
・ドラフトチャンバー 1台
・クリーンベンチ 1台
第9実験室(材料系)
・実験台 4台
(中央 2台、サイド 2台)
・事務机 2台
・備品棚 2台
・更衣ロッカー 2個
・ドラフトチャンバー 2台
98
玄関
センターラボの貸出について
○共同研究・受託研究の実施、また、大学発ベンチャー企業の創出・育成を目指し、実験室・研究
室の貸出を行っています。
1. 利用目的
① 本学共同研究規則に基づく共同研究又は本学受託研究規則に基づく受託研究の実施
② 本学の研究成果等に基づいた実用化研究又は起業化の実施
2.利用できる者
(1)本学職員
(2)本学学生
(3)共同研究規則に基づいて受け入れる共同研究員
(4)その他学長が特に認めた者
3.申請等について
(1)申請者:本学の職員とする。
(2)条件:申請は1申請者につき、「2.利用目的」の①②それぞれ1件とする。
※なお、「2.利用目的」が①の場合は、契約額が2,000千円以上/件の共同研究又は
受託研究のいずれか1件で申請すること。
(3)申請方法:以下の書類を、研究協力課産学連携係(創造連携センター1階)へ提出してく
ださい。
1.利用目的が①の場合
・利用申請書(様式1)※添付省略
・利用料金等負担経費調書(様式3)※添付省略
1.利用目的が②の場合
・利用申請書(様式2)※添付省略
・利用料金等負担経費調書(様式3)※添付省略
4.利用の決定方法等
申請書に基づき、審査委員会で審査の上、学長が許可を決定する。
なお、審査段階で申請内容についてヒアリングを実施する場合がある。
5.審査委員会での主な審査項目
利用目的が1.の①の場合
(1)当該研究の概要及び期待できる成果
(2)当該研究に係る共同研究、受託研究の契約手続き
状況
(3)当該研究がセンターラボを特に必要とする理由
利用目的が1.の②の場合
(1)事業内容
(2)事業計画(資金計画含む)
(3)研究開発能力
(4)アイディアの独創性
(5)事業達成の可能性
99
センターラボの貸出について
6.利用料金等
部屋代:利用面積1㎡当たり月額200円
光熱水料:実費(但し、計量装置のない、第1~第6実験室は、利用面積1㎡当たり
月額200円)
納付方法:学内予算振替(原則として、基盤研究経費)
納付時期:各年度当初又は入居早々に一括納付、(但し、計量装置のある第1~6研究室及び
第7~第9実験室の光熱水料は利用月の翌月に納付)
7.その他
① 研究室・実験室の利用申請にあたり、各実験室・研究室の下見が可能です。
② 利用許可にあたり、他の利用者との調整のため、申請の面積及び場所に変更がある場合があ
ります。
③ 提出書類は本審査以外に使用しません。また、提出書類は返却しません。
④ 審査(ヒアリングを含む)内容は公開しません。
⑤ 利用を許可した場合、利用者、研究題目、事業概要、利用実験室等名、利用期間を公表しま
す。
⑥ 申請者は、利用が許可された後は利用責任者となります。
⑦ 実験室を複数の利用者で利用する場合、備え付けの設備(水道、ドラフトチャンバー等)に
ついては、実験室利用者間で協議の上、利用してください。また、機密管理については各自
で対応願います。
⑧ 退去時には、原状回復をして退去していただきます。
100
入居者の紹介
Ⅰ.企業名
デザイナーフーズ株式会社
Ⅱ.教員名(貸与申請者)及び企業(事業)との関わり
生体分子工学部門 教授 田嶋邦彦先生が開発されました流通系 ESR を用いたフリーラジカル消去活
性測定法を、デザイナーフーズ株式会社が取り組んできた青果物の活性酸素消去活性評価へ応用する事
を目的としています。
Ⅲ.事業概要
青果物流通業のデリカフーズ株式会社の子会社として、研究開発を行っています。青果物を販売する
上で、見た目だけの野菜ではなく、中身の科学的な裏付けのある野菜を販売していきたいと考えていま
す。青果物の持つ機能性は「抗酸化力」
「免疫力」「解毒力」など様々なチカラがあり、このチカラにつ
いて研究を行っています。また、基礎研究だけではなく、機能性を非破壊で測定する機械開発を行って
います。そして、その技術やノウハウを用いて、六本木にある野菜のショールーム「ベジマルシェ」に
て価値ある青果物の販売を行っています。
青果物の機能性である「抗酸化力」
「免疫力」「解毒力」について研究を行っていますが、特に抗酸化
力(DPPH 法)については、10 年以上前から分析を行っており、日本で流通する様々な青果物のデータ
を産地情報や生産者情報と併せて 20,000 検体のデータを保有しています。また、DPPH 法だけでなく、
ORAC 法や ESR スピントラッピング法でも測定しており、多面的な抗酸化力の評価を行っております。
抗酸化力の他にも、GC/MS、HPLC などの分析機器も保有し、様々な角度から青果物やメニューなどの
食品の研究・分析を行っています。
Ⅳ.会社概要
企業名
本社所在地
デザイナーフーズ株式会社
〒464-0858 愛知県名古屋市千種区千種2-22-8 NALIC207
電話
052-745-3255
担当部署名
研究開発室
資本金
20,000,000 円
株主
主
要
株
主
代表者(役職・氏名) 代表取締役 小笠原 真清
持株数
デリカフー
400
ズ株式会社
FAX
052-745-3315
担当者(役職・氏名) 主任 服部 玄
15 名
従業員数
比率
100%
業種
事
業
内
容
内研究開発担当
青果物の機能性研究・販売・コンサルティング
業務
主要製品
・各種成分・機能性受託分析
・食におけるコンサルティング
・青果物販売
■沿革・業績
企業沿革
年
月
1999 年 11 月
10 名
主な事項
デザイナーフーズ株式会社設立
101
入居者の紹介
2004 年 4 月
デリカフーズ株式会社による完全子会社化
2010 年 12 月
東京六本木に野菜のショールーム「ベジマルシェ」を開設
■研究開発体制・実績
研究開発体制・スタッフ等
保有研究施設、機器等
青果物及び食品における機能性分析・成分
電子スピン共鳴装置、蛍光マイクロプレートリーダー、吸光
分析とそれらの受託研究を研究開発室 10
マイクロプレートリーダー、分光光度計、HPLC、GC、
名で従事している
GC/MS、サーマルサイクラー等
研究開発委託事業・補助事業実施実績
事業名
実施期間
新たな農林水産政策を
2009
~
成果
2011
推進する実用技術開発
メタゲノム線虫診断の導入による殺線虫剤使用量の
30%削減
事業
研究成果差異的展開支
2012
~
2013
電気デバイスを用いた簡易型抗酸化力測定の開発
援プログラム(A-STEP)
その他の
これまで 10 年以上にわたり国内で流通している青果物の機能性を分析しており、総検
研究開発事例
体数は 20,000 検体に及ぶ。少なくとも国内においてこれほどの蓄積データを保有する
機関は無い。
Ⅴ.平成23年度の活動内容
近年、青果物のトレーサビリティが注目されるにつれて、青果物の機能性を統一的に評価する必要性
が広く認識されています。この様な状況を鑑み、本研究では青果物の機能性として活性酸素ラジカル
(Reactive Oxygen Species)消去活性を系統的に評価する方法論および解析法の確立を目指しています。
ROS 消去活性の分析には、田嶋研究室にて独自開発した最新の流通型電子スピン共鳴装置(ESR)を
応用しています。本研究の意義は、ROS 消去活性を青果物の機能性の指標として、育成条件が異なる市
場の青果物を分類し、ROS 消去活性と青果物の生育条件などを明らかにすることです。これまでの基礎
研究によって、ホウレン草などの抗酸化活性は、収穫時期によって変動し、その活性は旬と呼ばれる1
月頃が最大値に達することが明らかにされています。このような季節に依存する抗酸化活性の変動は、
高い抗酸化活性を有する物質量の増減を反映している可能性があります。その詳細を明らかにするには、
ホウレン草に含まれる主要成分ごとの ROS 抗酸化活性を評価する必要があります。本研究では、カラム
溶出物の抗酸化活性をオンライン分析できる HPLC-ESR 分析法を青果物の抗酸化活性評価法に応用し
ています。そして、ホウレン草などの青果物の ROS 抗酸化活を左右する主要成分の分離と同定などが本
研究によって期待される成果の一つです。
平成 23 年度の活動によって、青果物に含まれる ROS 消去活性成分において、高分子物質及び低分子
物質が含まれている事が明らかとなりました。また、これら成分はスーパーオキシドラジカル及びヒド
ロキシルラジカルに対する反応性の違いも明らかとなりました。今後は、産地の違いや品種の違い、成
長段階の違いなどに着目し、抗酸化力の変化や、寄与する成分、ROS 消去活性に特徴的な成分を明らか
にして参ります。
102
入居者の紹介
Ⅰ.企業名
株式会社ファルマエイト
Ⅱ.教員名(貸与申請者)及び企業(事業)との関わり
生体分子工学部門・亀井加恵子教授および生物資源フィールド科学教育研究センター・一田昌利
准教授と(株)ファルマエイト代表取締役社長杉本八郎(京都大学大学院薬学研究科最先端研究センタ
ー客員教授兼務)は過去、桑葉に含有されるアルツハイマー病に有効な物質について共同研究を実施し、
その研究成果を下記論文として発表しました。
1)NeuroReport 2007, 18:813-816
2)NeuroReport 2009, 20:1214-1218
3)Journal of Insect Biotechnology and Sericology 2009, 78:173-176
上記研究成果をさらに進展させ、有用物質を医薬品あるいは健康食品として開発すべく共同研究を継
続実施しています。
Ⅲ.事業概要
1.
天然物ライブラリーを使用した医薬品開発
・アルツハイマー病根本治療薬の研究開発
当社は、アルツハイマー病根本治療薬の開発を最重点としています。当社取締役会長(平成 23 年11
月就任)である杉本八郎はエーザイ株式会社在籍中に開発した塩酸ドネペジル(商品名アリセプト)を
開発しましたが、対症療法の治療薬であり今日に至るまでアルツハイマー病を根本的に治療する薬は登
場していません。
当社では、東洋医学において広く使われているウコンに注目し、その生理活性物質であるクルクミン
を創薬シーズとして取り上げました。東京工業大学発ケミカルベンチャーである(株)ケムジェネシス
社との共同研究で、クルクミンを基本骨格とする 1000 化合物を越えるポリフェノール誘導体をスクリー
ニングし、アルツハイマー病の原因物質とされるβアミロイドの凝集とタウ蛋白質の凝集を同時に抑制
する化合物を見出しました。この化合物の最適化研究を実施しております。
2.
化合物ライブラリーの提供及びスクリーニング受託
当社は、リピンスキールールに準じた約 7 万化合物のライブラリーを保有しており、その販売及びス
クリーニング受託を行っています。
103
入居者の紹介
Ⅳ.会社概要
会社名
株式会社ファルマエイト
代表者
代表取締役社長
取締役会長
宗像 敬一
杉本 八郎
(京都大学大学院薬学研究科最先端創薬研究センター客
員教授兼務。平成 24 年3月末退任。
)
本社
京都府京都市上京区御車道清和院口上る東側梶井町 448 番地 5
クリエイション・コア京都御車 310 号室
TEL/FAX : 075-634-7178
研究施設
京都研究開発部
(生物実践室)
京都市上京区御車道清和院口上る東側梶井町 448 番地 5
(合成実験室)
クリエイション・コア京都御車 310 号室
京都府京田辺市興戸地蔵谷1同志社業成館
D-egg 209 号室 TEL : 0774-62-1528
事業内容
1.天然物ライブラリーをシーズとした医薬品開発
・アルツハイマー病治療薬の開発
2.化合物ライブラリーの販売
設立
平成 16 年 8 月
資本金
3 億 7745 万円
従業員
18 名(平成 24 年3月末現在。役員及び派遣社員を含まない)
Ⅴ.平成23年度の活動内容
Ⅲの事業概要で記述した研究活動のほか、沖縄生物資源からアルツハイマー病治療薬のリード化合
物を見出すべく、探索研究を実施しました。複数の海洋生物、微生物、陸上植物エキスにβアミロイド
の凝集あるいはタウ蛋白質の凝集抑制活性を見出しました。
一方、亀井研究室では生活習慣病(動脈硬化、糖尿病)の治療薬を開発するため、生活習慣病関連遺伝
子を導入あるいはノックダウンした病態モデルショウジョウバエ系統を作出しています。いくつかの病態モデ
ルショウジョウバエ系統において、複眼や体長などに異常な表現型を示すものが得られました。今後、これら
の病態モデルショウジョウバエを用いて、天然物ライブラリーおよび化合物ライブラリーからのスクリー
ニングを実施する予定です。
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