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独立行政法人日本貿易振興機構 日 揮 株 式 会 社 伊藤忠商事

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独立行政法人日本貿易振興機構 日 揮 株 式 会 社 伊藤忠商事
禁転載
平成 20 年度 石油資源開発等支援事業
トルクメニスタン・トルクメンバシ製油所近代化調査報告書
平成 21 年1月
経
済
産
業
省
委託先 : 独立行政法人日本貿易振興機構
日 揮 株 式 会 社
伊藤忠商事株式会社
1.1
調査背景と目的
(1) 調査の背景
トルクメニスタン(Turkmenistan)は、世界でも有数な石油とガスの埋蔵量を持つ国
の一つである。
2030 年までの石油ガス産業の発展プログラムが 2006 年に同国で承認されており、今後、
炭化水素資源と石油・ガス製品の生産を高め、世界市場への輸出を増加させていこうと
している。このプログラムでは、2007 年、2015 年、2020 年、2030 年の原油生産量は、
それぞれ 1,000 万t、3,000 万t、5,000 万t、1 億 1,000 万tが目標とされていた。一
方、石油精製量はそれぞれ、800 万t、1,600 万t、2,000 万t、3,000 万tであり、残
りの部分、つまり、2015 年に 1,400 万t、2020 年に 3,000 万t、2030 年には 8,000 万t
の原油が輸出に向けられる計画である。
トルクメニスタンでは、2008 年8月末に「新・炭化水素資源法」が採択された。
旧「炭化水素資源法」は、20 世紀末に採択され、2005 年に一部修正されていたが、今回
大幅に改定された。新たに創設された炭化水素資源庁が、トルクメニスタンの資源開発
政策を一手に担うことになった。
この様な流れの中で、トルクメニスタンにある二つの製油所のうちの一つであるトル
クメンバシ(Turkmenbashi)製油所は自国原油の増産に伴う、製油所の処理能力の増強
計画を進めている。
しかしながら、既存の常圧残渣油の二次処理装置に余剰能力がなく、常圧蒸留装置の
処理能力増強等による常圧残渣油の処理に問題を抱えており、この点が処理能力増強の
ボトルネックとなっている。この常圧残渣油を改質し軽質油に分解する、又は化学製品
を合成することができれば、残渣油処理能力増強及び、製油所の経済性の向上が同時に
可能となる。
(2) 調査の目的
本プロジェクトは、重油流動接触分解コンプレックス及びポリプロピレン製造装置を
既存トルクメンバシ製油所に新規導入し、同製油所から生産される常圧残渣油の分解・
1
改質により、ガソリン、LPG、ポリプロピレン、燃料油の生産を目的とするものであ
る。
最終的には上記可能性を技術的・経済的観点から調査し、トルクメニスタンの石油、
ガス産業に貢献することが目的である。
1.2
調査実施方法、体制、スケジュール
(1) 調査実施方法
トルクメンバシ製油所から当該調査に必要な各種情報の開示、提供を受けた上で、事
業化に向けた各種分析・調査を実施する。具体的には、トルクメンバシ製油所にて現地
調査を実施する他、トルクメンバシ製油所を管轄しているトルクメンバシ・オイル・プ
ロセシング・コンプレックス(Turkmenbashi Oil Processing Complex/TKNPZ)、石
油ガス・鉱物資源省においても意見交換を実施した。
また、トルクメニスタンへの入出国には、査証取得が絶対条件で、トルクメン国内で
自由に行動できるわけではないので、非常に限られていながらも、入手できる各種文献・
公表資料を調査し、又インターネットなどから情報を収集して現地事情の正確な把握に
努めた。
(2) 調査実施体制
日揮と伊藤忠商事が共同提案企業として当調査に従事した。両者共に過去トルクメニ
スタン・ポリプロピレン・ユーティリティー(TPU)プロジェクトに参画しており、
トルクメニスタンにおける各種法律、規制などの知見を共有している。また、伊藤忠商
事はトルクメニスタンに現地事務所を有しており、日揮、伊藤忠商事、伊藤忠商事現地
事務所の3箇所の体制で調査を行った。主に日揮が技術的検討、伊藤忠商事が経済性検
討、伊藤忠商事現地事務所が現地情報の収集を行った。
具体的には、図1.2-1の通りである。
2
図1.2-1
調査実施体制
PJ 計画立案アシスタント
PM 技術部〔日揮〕
PJ 計画立案
LNGビジネス戦略部(日揮)
PJ 計画立案アシスタント
装置エンジニアリング部(日揮)
プロジェクトマネージャー
エネルギー部門アシスタント
リファイナリープロセス部
メインプロセス担当(日揮)
エネルギー部門担当
ニューエネルギープロセス部
(日揮)
投資戦略・市場開発部(日揮)
リファイナリープロセス部
エネルギー部門アシスタント
ユーティリティー担当(日揮)
アシスタント
投資戦略・市場開発部(日揮)
投資金額算出担当
コストエンジニアリング部
(日揮)
投資金額算出担当
コストエンジニアリング部
(日揮)
プラント・プロジェクト第一部
財務・経済分析・市場調査担当
(伊藤忠商事)
財務・経済分析・市場調査担当
プラント・プロジェクト第一部
(伊藤忠商事)
環境社会分野担当
プロジェクト第 2 部(日揮)
LNGビジネス戦略部(日揮)
トルクメニスタン折衝
全体取りまとめ担当
中東営業一部(日揮)
トルクメニスタン折衝
全体取りまとめ補佐 ( 日揮 )
(3) 調査実施スケジュール
調査は、以下のスケジュールにて遂行した。
図1.2-2
調査実施スケジュール
08/10月
【国内作業】
①市場調査
②メインプロセス検討
③ユーティリティー検討
④プロジェクト計画立案
⑤環境評価
⑥プラントコスト算出
⑦経済性検討
⑧最終レポート翻訳製本
【現地調査】
①情報収集(トルクメニスタン)
②環境評価(トルクメニスタン)
③結果報告会(トルクメニスタン)
3
11月
12月
09/1月
1.3
調査内容と結果
(1) 調査内容
本調査では、トルクメンバシ製油所の近代化プロジェクトを技術的・経済的観点から
その実施可能性について検討を行っており、具体的には以下の内容を含む。
尚、環境社会的側面の検討については、後述1.5章を参照のこと。
(a)石油製品・石油化学製品(ポリプロピレン)の市場調査(需給、価格)
トルクメニスタン及びその近隣諸国における原油・石油製品、及び石油化学製品(ポ
リプロピレン)の市場調査は、国内における文献調査に加え、伊藤忠商事本社および海
外事務所からの情報及び現地調査による入手情報を総合的に活用し、その需給、価格動
向について調査を行った。
(b)設備検討(プロセス設備、ユーティリティ・オフサイト設備、その他の付帯設備)
設備検討にあたり、本プロジェクトにおいては、世界で実績が多く汎用性のあるプロ
セス技術・設備の適用を考慮し、現地調査(トルクメンバシ製油所の現状の運転状況や、
原料・製品の性状、及び当製油所関係者との協議等)によって得られた情報を加味して、
装置キャパシティ、本プロジェクトから生産される製品の生産量、操業において必要な
用役量などの技術検討を行った。
(c)プロジェクト実施計画(プロットプラン、プラント建設スケジュール)
本プロジェクトの候補地について、現地調査でトルクメンバシ製油所関係者に確認を
行ったが、現在の所最適な候補地の選定までには至っていないとの事により、本プロジ
ェクトで新たに設置される重油流動接触分解コンプレックスなどのプロセス設備、及び
必要となるユーティリティ・オフサイト設備の必要敷地面積の検討を行い、この情報を
基にトルクメンバシ製油所関係者により、今後最適な候補地を選定して行くとの結果と
なった。
また、本プロジェクトの建設期間並びにその実施スケジュールを、現在の機材及び建
4
設マーケットの状況を踏まえ検討を行った。
(d)プロジェクト費用推算
プロジェクト費用については、各プロセス装置・主要設備のキャパシティ・仕様を勘
案し、トルクメニスタンを含む海外でのプラント建設実績から蓄積されたインハウスデ
ータを基に推算した。操業費用についても同様に、過去の調査をベースに推算した。
(e)経済性分析
上述(a)の石油製品・石油化学製品の市場調査の結果を基に、原油・石油製品・石油化
学製品の想定価格を設定し、(d)のプロジェクト費用・操業費用、及びファイナンス費用、
トルクメニスタン国での税制を踏まえた経済性分析を行った。
また、上記に加え、プロジェクト費用、原料・製品価格の感度分析もあわせて行った。
(2) 調査結果
(a)石油製品・石油化学製品(ポリプロピレン)の市場調査(需給、価格)
トルクメニスタンの 2005 年の石油需給を表1.3-1にまとめる。石油製品の国内消
費は、2ヶ所の製油所(トルクメンバシ製油所、セイディ(Seidi)製油所)からの石油
製品と輸入でまかなわれる。IEAの最新の資料によれば、2005 年には、ガソリンのお
よそ 60%、ディーゼルの 37%と燃料油の 55%は、国内で消費された。実質的に、残りは
輸出された。
5
表1.3-1
トルクメニスタンの石油需給–2005 年
(1,000 t)
Production
Domestic Demand
Import
Export
Crude
9,100 (183Kb/d)
6,590 (132Kb/d)
-
2,510 (50Kb/d)
NGL
694 (16Kb/d)
694 (16Kb/d)
-
-
Crude & NGL
9,794 (200Kb/d)
7,284(148kb/d)
-
2,510 (50Kb/d)
LPG
-
80
80
-
Naphtha
-
-
-
-
Gasoline
1,313
758
-
555
Jet/Kero
307
307
-
-
Gas/Diesel
2,606
962
-
1,644
Fuel oil
1,811
997
-
814
Product Total
6,037 (122Kb/d)
3,104
80
3,013 (61Kb/d)
*陸路での LPG 車によるイラン向け輸出が盛んだが数量は公表されていない。
(出典:IEA)
トルクメンバシ製油所の拡張・近代化を実現し、そこから生産される石油製品の余剰
分を近隣諸国及び国際市場に輸出することを想定した場合に留意すべきポイントは次の
とおりである。
① 近隣諸国向けの販売は限定的である。
② イラン向けは中期的には拡販の余地が大きい。
③ 地中海・黒海マーケットを含む国際市場への販売可能性は大きい。
本調査ではトルクメンバシ製油所から余剰の石油製品を輸出する場合、最も競争的か
つ現実的な仕向け先は(イラン(Iran)と並んで)地中海東部の市場であると想定し、石
油製品輸出の際の販売価格を推定した。
また、表1.3-2にトルクメニスタン国内のポロプロピレンの需要をまとめるが、
国内需要は、年間1万t以下と推定されるように、生産能力に対して非常に少ないため
生産量の大部分をトルコ(Turkey)や近隣諸国に輸出している。
6
表1.3-2
トルクメニスタンのポリプロピレン需要
(1,000t)
2003
2004
2005
2006
2007
2010
2015
Capacities
-TURKMENBASHI
90
90
90
90
90
90
90
-
-
-
-
-
-
268
Total Capacity
90
90
90
90
90
90
358
Total Production
75
86
81
86
88
88
356
Imports
-
-
-
-
-
Exports
26
31
63
60
65
Apparent Consumption
49
55
18
26
23
5
7
8
9
10
13
18
-TURKMENBASHI (New)
Real Consumption
(出典:TECNON Consulting Group, Italy and Itohchu)
ポリプロピレンの価格は、おもに世界の需給バランスと生産コストの2つの要素で
決まる。生産コストは、ポリプロピレンの原料であるプロピレンの価格、それは原油価
格に大きく依存するが、表1.3-3に示すように2008年7月にはポリプロピレン
の価格は1t当たり 2,000USドルを超えた地域もあった。
7
表1.3-3
ポリプロピレンの 2003 年から 2008 年までの価格
(USドル/t)
PP-H C&F FEA S
PP-H C&F SEA
PP-H FDL NWE
PP-H FOB NWE
PP-H FOB USG
Low
High
Low
High
Low
High
Low
High
Low
High
2003
695.06
713.17
697.35
715.47
875.16
868.87
703.63
751.13
672.94
707.13
2004
944.34
959.90
952.13
966.40 1,080.17 1,101.99
953.13
980.33
925.78
954.43
2005 1,062.81 1,077.02 1,069.31 1,082.40 1,287.40 1,311.22 1,039.29 1,061.25 1,093.12 1,161.11
2006 1,224.02 1,232.44 1,225.54 1,233.63 1,467.92 1,487.01 1,254.96 1,271.63 1,152.98 1,186.48
2007 1,319.42 1,327.79 1,323.73 1,332.21 1,662.99 1,672.43 1,449.32 1,458.51 1,305.86 1,325.16
Jan-08 1,447.50 1,455.00 1,467.50 1,475.00 1,847.25 1,853.25 1,562.75 1,572.75 1,539.33 1,559.33
Feb-08 1,470.00 1,480.00 1,499.00 1,505.00 1,878.20 1,884.00 1,553.80 1,563.80 1,463.60 1,485.60
Mar-08 1,517.50 1,527.50 1,528.75 1,538.75 1,955.50 1,962.00 1,548.75 1,558.75 1,489.25 1,511.25
Apr-08 1,555.00 1,563.75 1,565.00 1,572.50 1,951.25 1,958.25 1,602.50 1,612.50 1,494.75 1,516.75
May-08 1,654.00 1,664.00 1,659.00 1,669.00 1,863.20 1,870.60 1,605.00 1,615.00 1,581.40 1,603.40
Jun-08 1,927.50 1,937.50 1,930.00 1,940.00 1,878.25 1,885.50 1,742.50 1,752.50 1,803.00 1,825.25
Jul-08 2,017.50 2,027.50 2,017.50 2,027.50 2,045.25 2,051.75 1,956.25 1,966.25 2,034.50 2,055.50
Aug-08 1,802.00 1,812.00 1,804.00 1,814.00 1,998.60 2,005.40 1,871.00 1,881.00 1,913.20 1,935.40
Sep-08 1,482.50 1,492.50 1,497.50 1,507.50 1,886.50 1,893.50 1,670.00 1,680.00 1,611.75 1,633.75
Oct-08 1,330.00 1,340.00 1,395.00 1,405.00 1,824.00 1,831.00 1,555.00 1,565.00 1,609.00 1,631.00
Nov-08
Average-08
700.00
710.00
720.00
1,514.86
1,524.52
1,529.20
730.00 1361.00 1367.50
1,538.39
1,849.75
1,856.43
736.25
746.25
742.25
761.25
1,563.35
1,573.07
1,559.35
1,580.84
(注:Prices from 2003 to 2007 in the table are the averages of the monthly reported data.)
(出典:Based on Platts)
(b)設備検討(プロセス設備、ユーティリティ・オフサイト設備、その他の付帯設備)
本プロジェクトで主原料となる常圧残渣油の供給量は、225 万 t/年となり、この原料
性状をベースにしたプロセス技術検討の結果、本プロジェクトは以下のプロセス装置で
構成される。
-
重油流動接触分解コンプレックス
-
ポリプロピレン製造装置
8
また、上記プロセス装置の運転に必要な用役を供給するユーティリティ設備、原料供
給・製品貯蔵のためのオフサイト設備は以下で構成される。
-
タンク設備
-
廃水処理設備
-
発電設備
-
蒸気発生設備
-
海水取水、淡水化設備
-
冷却水設備
-
その他(不活性ガス、空気、燃料供給システム 等)
以上のプロセス設備、ユーティリティ設備、オフサイト設備の導入により、本プロジ
ェクトで新たに生産される石油製品量を表1.3-4にまとめる。
表1.3-4
本プロジェクトにおける石油製品量
項目
製品量(トン/年)
ポリプロピレン
268,200
C3 LPG(プロパン)
82,700
C4 LPG(ブタン)
62,700
ガソリン
1,158,400
ヒーティングオイル
368,300
重油
181,100
(c)プロジェクト実施計画(プロットプラン、プラント建設スケジュール)
プロセス設備、ユーティリティ・オフサイト設備を一つのエリアに集約して建設可能
という想定にて検討を行い、必要敷地面積としては 400m x 800m が必要と考えられる。
また、契約発効からプレコミッショニング作業完了まで48ヶ月が必要と考えられる。
(d)プロジェクト費用推算
プロジェクト費用は、プラント建設費及び操業前費用で構成され、調査実施時点では、
30億USドル規模と推算した。また、操業後に必要となる変動費、固定費をそれぞれ
年間 1,000 万USドル、1億USドル規模と推算した。
9
(e)経済性分析
本プロジェクトの内部収益率(IRROI)が15%を満たす原料常圧残渣油のコス
トを検討した。また、本プロジェクト経済性に与える諸要因の感度分析を行った結果、
本プロジェクト経済性に与える主要因は、製品収入、原料(常圧残渣油)価格、プラン
トコストの順となっていることが確認された。収益性の向上は本プロジェクトの実現性
を一段と高めるため、引き続き次の段階で精査していく必要がある。
1.4
調査結果の活用と見込み
トルクメニスタンでは、石油の増産に伴う、製油所の処理能力の増強を進めている。
他方、既存の常圧残渣油の二次処理装置に余剰能力がなく、市場ニーズに合った経済性
の高い製油所にするには、常圧蒸留装置の処理能力増強等により増産される常圧残渣油
に問題を抱えている。同国としては、本調査結果を踏まえ、詳細な検討に値するという
結論となれば、国内承認を経てプロジェクト実行段階に入ると考えられる。
本プロジェクト実現により、トルクメンバシ製油所の付加価値の低い常圧残渣油を原
料として、高付加価値の石油製品および石化製品、とりわけポリプロピレンを生産し、
これら製品を海外に輸出し外貨を稼ぐことができると考えられる。さらに将来的には、
国内のプラスチック産業を育成し、裾野産業の発展に寄与させ、輸入代替も図ることが
できるなど同国の経済開発への貢献が期待されるものである。また、日本からトルクメ
ニスタンへの石油関連の技術移転と技術者の育成に資するものである。そして、トルク
メニスタンの石油・ガス産業と日本との関係が重層的になることが期待される。さらに
は、本プロジェクトに日本からの融資が実行されるなら、トルクメニスタン政府と日本
との間のパイプをより強化でき、将来も含め、より一層のトルクメニスタンと日本の交
流拡大が期待される。
10
1.5
環境社会的側面の検討
環境社会的側面の検討にあたり、現地調査、トルクメニスタンからの情報提供及び
国内での文献情報を活用し、総合的な検討を行った。環境スクリーニング及び環境チェ
ックリストは国際協力銀行(JBIC)フォーマットを用いた結果、現段階では大きな
問題点は発見されていないが、これは限られた時間内の調査結果であり、今後更なる調
査が必要であろう。
トルクメニスタンでは、各種工場を新設、増設する場合に、その設計基準に採用され
るべき公害制御について、プロジェクトを実行に移す段階で環境汚染源となる物質の排
出値を政府参加の委員会に他のプロジェクト資料と一緒にプロジェクト申請書として
提出し、審査を受けることになる。
本プロジェクト実施により、ガス廃棄物、液体廃棄物、固体廃棄物等の環境廃棄物が
排出される。従って、次の段階では、これら環境廃棄物の具体的抑制方法、国際的プロ
ジェクトでの採用基準を参考にした具体的な設計ベースとなる環境基準値を設定し、精
査する必要があると考えられる。
11
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