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全部 - 東北大学 21世紀COE プログラム

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全部 - 東北大学 21世紀COE プログラム
はじめに
拠点リーダーより
東北大学21世紀 COE プログラム
「先端地球科学技術による地球の未来像創出」
拠点リーダー 教授 大谷 栄治
私たちは,本 21 世紀 COE プログラムによって,東北大学の地球惑星科学関連分野の研
究・教育の連携・融合と高度化を目指しています。2005 年度には、この COE の中間評価が行
われ、私たちの21世紀 COE プログラムが高い評価を得ることができました。ここでは,本プロ
グラムの概要と 2005 年度の教育研究活動の成果についてご紹介しましょう。
地球は緩やかに変化したものではなく、種々の激変によって変化してきました。このプログ
ラムでは、マントル対流などの数億年の超長時間変動から小天体衝突現象・地震破壊現象
などのマイクロ秒変動に至る広大な時間スケールの地球変動現象を激変とその緩和・修復
過程と捉え、その現象の要因と進行過程を解明し、地球の進化像・未来像を創出することを
目指しています。本拠点では、地球の核・マントルの変動や地震・火山活動のダイナミクスの
研究、気候変動や太陽・地球系のダイナミクスの研究、小天体衝突などの地球進化への影
響を評価する地球進化史研究などの先端的研究を、理学分野と工学分野の研究者が連携し
て、独自の先端地球科学技術を開発しつつ、これを駆使して推進しています。
このような目標を達成するために、研究教育拠点統括室を設置し、理学研究科や環境科
学研究科などの学内組織、海外研究教育組織と連携して、先端的研究と教育を一体として推
進しています。また、本拠点に先端地球惑星科学拠点大学院コースを設置し、大学院生・博
士研究員の研究・経済支援を強力に行い、高度な研究能力と国際性、理学と工学を包含す
る柔軟な発想を持ち、さらに技術開発力に優れ、高度な観測技術や野外調査能力を有する
独創的な若手研究リーダーを育成する活動を行っています。
2005年度には、2回の国際会議、1回の大学院生教育用ショートコース、短期・長期招聘研
究者等による100回を超える先端地球科学セミナーを開催し、私たちのCOE地球科学の活動
も軌道にのっています。研究面におきましても、グローバルな変動から微小な空間と時間スケ
ールに至るまで様々な研究成果の知見が得られています。また、2005年度に行われた中間
評価では、私たちの21世紀COEプログラムが高い評価を得ることができました。このような中
間評価による高い評価と提言を生かして、さらなるCOEの教育・研究活動の発展を目指した
いと考えております。
この報告では、以上のような教育・研究活動における2005年度の成果の概要をご紹介しま
す。関係する皆様のさらなるご支援をお願いいたしたいと存じます。
<目
次>
拠 点 概 要 ··············································································· 1
構成メンバー ··············································································· 4
2005 年度
活動報告
各種活動リスト ············································································· 9
研究・教育活動
Ⅰ. 教育プログラムと教育支援活動 ············································· 53
Ⅱ. 研究活動成果 ·································································· 70
Ⅲ. COE 研究員 ···································································· 113
Ⅳ. ウェブサイト運営報告 ························································· 152
Ⅴ. 新聞等で報道された研究成果 ················································ 153
論文リスト ··················································································· 159
拠 点 概 要
拠点形成の目的、必要性・重要性
本拠点は、理学・工学研究者が連携した先端地球科学技術の開発を基礎として、地球変動のダイナミクスや
小天体衝突などによる全地球システムの激変とその緩和・修復過程を解明することにより、地球の未来像を
創出する拠点である。本拠点は、固体地球(核マントルダイナミクス・地震火山ダイナミクス)を研究する地震
学、固体地球物理学、火山学、地質学、超高圧地球科学、地球工学などの分野、流体地球・惑星圏(気候変
動ダイナミクス・太陽地球系ダイナミクス)を研究する気象学、海洋物理学、超高層物理学、比較惑星学など
の分野、地球進化史を研究する地史学、地球進化学などの分野をカバーする。
COE の目指すもの
本拠点は、すでに実績のある独自の観測・実験機器開
発や、観測・モニタリングネットワークの構築という先端
的地球科学技術の開発を、さらに理学と工学が連携し
て組織的に強力に推進する。これら他には無い独自技
術に基づいた観測・調査を基礎とし、地球中心から超
高層までを対象とした世界最先端の研究と教育を行う
拠点を形成する。海外研究教育組織とも連携し、国際
共同研究や海外調査研究を促進することで、地球規模
の諸課題に取り組む高度な研究能力と国際性を持ち、
新しい手法開発能力に優れ、幅広い視野と柔軟な発
想、独創性のある研究者を養成する.
本拠点は、(1)地球中心から超高層まで、核進化過程のような数億年から小天体衝突のようなナノ秒イベ
ントに至るまでの広大な時間スケールの地球システム変動を対象とし、その地球変動を激変と緩和・修復過
程と捉えて解明する視点を持つ拠点、(2)理学・工学が連携して先端地球科学技術を開発しつつ、これを活
用して研究教育を推進する拠点、(3)地学、地球物理学、地球工学の3専攻に加えて、世界的に実績のある
地球物理学系3研究センター、流体科学研究所流体融合研究センター、東北アジア研究センターが連携し、
さらに海外の研究教育組織とも連携しつつ研究教育を推進する拠点、さらに(4)最先端の研究を通して、技
術開発力に秀で、高度な観測や野外調査の能力を有し、独創性に溢れ、国際性と高度な研究能力を持つ研
究リーダーを養成する拠点としてユニークである.
COE としてどのような重要性・発展性があるのか
本拠点で行う固体地球、流体地球・惑星圏、地球進化史研究の3研究領域において、先端地球科学技術開
発に基づいた研究が進み、(1)その知見が取り入れられた統合的な新しい地球の未来像が創出される。
(2)新しい世界最高の地球科学技術開発が進み、多くの装置は実用化される。(3)本拠点が「地球惑星シス
テム研究教育機構」に発展し、「先端地球惑星科学拠点大学院コース」が設けられ、地球科学分野の融合的
な研究と教育の基盤が完成する。(4)海外との人材交流が進み、国際ネットワークを活かした国際研究教育
拠点へと発展する。(5)本拠点における研究から、地球環境保全のための社会的貢献をすることができる。
期待される研究・教育の成果
本拠点形成によって、(1)激変と緩和・修復過程としての変動地球像が解明され、新しい地球の未来像が創
出される。(2)理学・工学の連携が進み、本拠点で開発された先端地球科学技術は、環境科学、材料開発、
防災科学など、広範な分野への波及効果が期待できる。さらに、(3)高度な観測や野外調査の能力を有し、
技術開発力に優れたこの分野をリードする若手研究者を多数輩出することによって、我が国の地球科学を
独自性と独創性のある学問分野に発展させることができる。(4)教育においても、理学と工学のさらなる連携
が進み、柔軟な思考力と幅広い知識や視野を持つ若手研究リーダーを養成することができる。
研究拠点形成実施計画
1. 拠点リーダーを中心とする現組織横断型の「研究教育拠点統括室」の設置。非常勤職員(事務補佐員、技
術補佐員)を雇用し、「事務局」を整備。研究に関わる運営全般の重要事項を決定する「研究運営委員会」
の設置。「外部評価委員会」の設置(各年毎の評価と3年目には中間評価)。
2. 外国人研究員の招聘と博士研究員(PD)の任用。
3. 国際シンポジウムや国際会議を開催(毎年仙台で開催)。
海外研究連携拠点の整備(米国アラスカ大学フェアバンクス校は重点拠点校)と国際交流の推進。
教育実施計画
理学と工学が連携した研究活動と大学院教育活動を一体で推進し、幅広い視野と国際性、高い研究能力を
有する人材、高度な観測や野外調査の能力を有し、技術開発能力を備えた独創的な人材の育成を目標とす
る。教育に関わる方針を策定する「教育運営委員会」と、「先端地球惑星科学拠点大学院コース」を新設。
1. 分野横断型の「アドバイザリーボード」の設置。
2. 新たなカリキュラムの導入と既存のカリキュラムの改善と外国人の客員教員および非常勤教員の確保。
3. 大学院生・博士研究員の研究生活面での経済的支援(スーパーDCを設け、国内・国外出張旅費、研究費
を支給)。また、大学院生の早期自立を促すためRAおよびTA制度を活用。
4. 上記コースを、留学生に対する専門コースである「先端理学国際大学院コース」と一体で運用し、英語によ
る授業を行う。
構成メンバー
事業推進担当者
氏 名
所属・身分
専門分野・学位
担当領域・分野
OHTANI EIJI
大谷 栄治
理学研究科 地学専攻・教授
地球物性学・理学博士
拠点リーダー(総括)
核マントル
HASEGAWA AKIRA
長谷川 昭
理学研究科 附属地震・噴火予知
研究観測センター・教授
地震学・理学博士
固体地球研究リーダー
地震火山、核マントル、
地震発生機構
KONDO TADASHI
近藤 忠
理学研究科 地学専攻・助教授
地球物性学・理学博士
核マントル、超高圧実験
SATO HARUO
佐藤 春夫
理学研究科 地球物理学専攻・
教授
固体地球物理学・
理学博士
地震火山、核マントル、
地震波動
FUJIMOTO HIROMI
藤本 博己
理学研究科 附属地震・噴火予知
研究観測センター・教授
海底測地学・理学博士
地震火山、海底地殻変動
NAGAHAMA
HIROYUKI
長濱 裕幸
理学研究科 地学専攻・助教授
地球力学・理学博士
地震火山、岩石破壊学
TSUCHIYA
NORIYOSHI
土屋 範芳
環境科学研究科 環境科学専攻・
教授
地球工学・工学博士
地震火山、地殻内流体
YOSHIDA
TAKEYOSHI
吉田 武義
理学研究科 地学専攻・教授
岩石学・理学博士
地震火山、島弧マグマ学
NISHIMURA
TAKESHI
西村 太志
理学研究科 地球物理学専攻・
助教授
火山物理学・理学博士
地震火山、火山噴火
TANIGUCHI
HIROMITSU
谷口 宏充
東北アジア研究センター
地域環境研究部門・教授
火山科学・理学博士
地震火山、火山爆発
氏 名
所属・身分
専門分野・学位
担当領域・分野
HANAWA KIMIO
花輪 公雄
理学研究科 地球物理学専攻・
教授
海洋物理学・理学博士
流体地球・
惑星圏研究リーダー
海洋物理
NAKAZAWA
TAKAKIYO
中澤 高清
理学研究科 附属大気海洋変動
観測研究センター・教授
気象学・理学博士
気候変動、物質循環
KAWAMURA
HIROSHI
川村 宏
理学研究科 附属大気海洋変動
観測研究センター・教授
衛星海洋学・理学博士
気候変動、衛星海洋
OKAMOTO HAJIME
岡本 創
理学研究科 附属大気海洋変動
観測研究センター・助教授
気象学・理学博士
気候変動、大気物理
YAMASAKI
NAKAMICHI
山崎 仲道
環境科学研究科 環境科学専攻・
教授
資源工学・工学博士
気候変動、深部掘削
IRYU YASUFUMI
井龍 康文
理学研究科 地学専攻・助教授
古生物学・理学博士
気候変動、化石分析
FUKUNISHI HIROSHI
福西 浩
理学研究科 地球物理学専攻・
教授
超高層物理学・
理学博士
太陽地球系、惑星大気
ONO TAKAYUKI
小野 高幸
理学研究科 地球物理学専攻・
教授
惑星物理学・理学博士
太陽地球系、地球電磁気
NAKAMURA
NORIHIRO
中村 教博
総合学術博物館・助手
岩石磁気学・博士(理学)
太陽地球系、惑星電磁気
KAKEGAWA
TAKESHI
掛川 武
理学研究科 地学専攻・助教授
地球化学・Ph.D.
地球進化史研究リーダー
初期地球
MINOURA KOJI
箕浦 幸治
理学研究科 地学専攻・教授
堆積学・理学博士
地球進化史、津波堆積学、
気候史
氏 名
所属・身分
専門分野・学位
担当領域・分野
KAIHO KUNIO
海保 邦夫
理学研究科 地学専攻・教授
古生物学・理学博士
地球進化史、生物事変学
MINGYU SUN
孫 明宇
学際科学国際高等研究センター
(兼)流体科学研究所・学際衝撃波
研究分野・助教授
航空宇宙工学・
工学博士
地球進化史、
衝突シミュレーション、
地震火山
SATO MOTOYUKI
佐藤 源之
東北アジア研究センター
地域環境研究部門・教授
地球工学・工学博士
地球進化史、電磁探査、
衛星計測
事業推進協力者
•
固体地球研究グループ (順不同)
中原 恒, 余 偉明,山本 希(以上,理学研究科 地球物理学専攻), 海野 徳仁, 松澤 暢,
三品 正明, 三浦 哲, 岡田 知己, 矢部 康男, 五十嵐 丈二, 植木 貞人, 田中 聡, 日
野 亮太, 西野 実, 中島 淳一 (以上,地震・噴火予知研究観測センター),大槻 憲四郎,
平野 信一, 村山 良之, 工藤 康弘, 藤巻 宏和, 塚本 勝男, 中村 美千彦, 栗林 貴弘,
大場 司, 鈴木 昭夫, 寺崎 英紀, 今泉 俊文 (以上,理学研究科 地学専攻), 後藤 章夫,
宮本 毅 (以上,東北アジア研究センター), 長瀬 敏郎 (総合学術博物館), 松木 浩二,
坂口 清敏, 木崎 彰久, 平野 伸夫, 高橋 弘, 浅沼 宏, 森谷 祐一, 林 一夫, 関根 孝
太郎, 高橋 亨, 井奥 洪二 (以上,環境科学研究科 環境科学専攻), 栗田 哲 (工学研究
科 都市・建築学専攻)
•
流体地球・惑星圏研究グループ (順不同)
安田 延壽, 岩崎 俊樹, 余 偉明, 松島 大, 須賀 利雄, 木津 昭一, 飯島 雅英, 熊本
篤志, 高橋 幸弘, 藤原 均 (以上, 理学研究科 地球物理学専攻), 青木 周司, 浅野 正
二, 境田 太樹 (以上,大気海洋変動観測研究センター), 森岡 昭, 三澤 浩昭, 土屋 史
紀, 岡野 章一, 坂野井 健 (以上,惑星プラズマ・大気研究センター), 尾田 太良, 中森
亨, 日野 正輝, 平野 信一, 村山 良之, 大月 義徳, 宮澤 仁, 今泉 俊文 (以上,理学
研究科 地学専攻), 山田 努 (大学教育センター), 鈴木 紀毅 (総合学術博物館), 千田
佶, 松木 浩二, 境田 清隆, 上田 元, 関根 良平, 村田 功 (以上,環境科学研究科 環
境科学専攻)
•
地球進化史研究グループ (順不同)
遅沢 壮一, 藤巻 宏和 (以上, 理学研究科 地学専攻), 浅野 正二 (同 地球物理学専攻),
永広 昌之, 島本 昌憲, 佐々木 理, 佐藤 慎一 (以上,総合学術博物館), 千田 佶, 井
奥 洪二 (環境科学研究科 環境科学専攻), 今村 文彦 (災害制御研究センター)
各種委員会
•
統括室
大谷 栄治 (室長), 長谷川 昭, 花輪 公雄, 掛川 武,藤本 博巳, 海保 邦夫,吉田 武義,
佐藤 春夫, 岩崎 俊樹, 小野 高幸, 藤巻 宏和, 土屋 範芳
•
研究運営委員会
藤本 博巳 (委員長), 海保 邦夫 (副委員長), 井龍 康文, 近藤 忠, 高橋 幸弘, 岡本 創,
坂野井 健, 長濱 裕幸, 塚本 勝男, 佐藤 源之, 海野 徳仁, 今村 文彦
•
教育運営委員会
吉田 武義 (委員長), 佐藤 春夫 (副委員長), 西村 太志, 須賀 利雄, 飯島 雅英, 中森 亨,
境田 清隆, 工藤 康弘, 土屋 範芳
•
施設班
掛川 武 (班長), 井龍 康文, 山田 努, 近藤 忠, 三澤 浩昭
•
広報室
木津 昭一 (室長), 掛川 武, 中村 美千彦, 中村 教博, 森谷 祐一
•
事務職員
熊谷 志津子, 佐々木 容子, 目黒 さおり,高橋 陽子
2005 年度
活動報告
各種活動リスト
外国人研究者招聘リスト
セミナー開催リスト
シンポジウム開催リスト・ポスター・プログラム及び開催報告
研究・教育活動
Ⅰ.
教育プログラムと教育支援活動 :
教育活動実績
教育支援活動
Ⅱ.
研究活動成果 :
平成 17 年度の研究活動概要
固体地球研究グループの研究成果概要
流体地球・惑星圏研究グループの研究成果概要
地球進化史研究グループの研究成果概要
Ⅲ.
COE 研究員 :
COE 研究員一覧
平成 17 年度活動報告
Ⅳ.
ウェブサイト運営報告 :
Ⅴ
新聞等で報道された研究成果 :
論文リスト(事業推進担当者)
各種活動リスト
― 各種活動リスト ―
平成17年度 外国人研究者招聘一覧
NO
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
招聘予定者氏名
( フ リ ガ ナ)
Alexander Gusev
官職
教授
(ユアン・ニスベット)
Roger Buick
助教授
教授
教授
遠距離教育センター長
講師
教授
研究リーダー
(ステファン・カービー)
Jeffrey T. Freymueller
教授
主任研究員
教授
契約講師
准教授
助教授
教授
教授
教授
(デイビッド・ドブソン)
5/21-5/28
バース大学
5/20-5/25
カリフォルニア大学サンディエゴ校
6/11-6/19
アメリカ
(9日間)
地質調査所
7/13-7/31
アラスカ大学フェアバンクス校
7/20-7/30
カリフォルニア大学バークレー校
7/20-7/25
オレゴン大学
7/19-7/28
ローマ第三大学
7/18-7/30
レンセレア工科大学
7/20-7/28
フィレンツェ大学
7/19-7/30
アラスカ大学
7/20-7/28
シカゴ大学
7/19-7/26
ワシントン大学
7/19-7/26
アメリカ
リサーチフェロー
(スティーブン・ヤコブセン)
David Dobson
イスラエル・オープン大学
アメリカ
(ケネス・クリーガー)
Steven D. Jacobsen
5/21-5/28
アメリカ
(ブルース・ビュフェット)
Kenneth C. Creager
テルアビブ大学
イタリア
(スティーブン・マクナット)
Bruce Buffett
5/19-5/26
アメリカ
(モーリッツォ・リペペ)
Stephen R. McNutt
Rand Afrikanus Univ.
イタリア
(ディビッド・ウォーク)
Maurizio Ripepe
5/18-5/25
アメリカ
(バレリオ・アコセラ)
David A. Wark
ワシントン大学
アメリカ
(レイ・ウェルドン)
Valerio Acocella
5/18-5/27
アメリカ
(ロバート・ネドゥー)
Ray Weldon
ロイヤル・ホロウェイロンドン大学
アメリカ
(ジェフリー・フライミュラー)
Robert M. Nadeau
(63日間)
イギリス
(ディーン・レミック)
Stephen H. Kirby
ロシア
イスラエル
(マーティン・フルクルク)
Dean H. Roemmich
非常勤講師
イスラエル
(ヨアブ・ヤイル)
Martin Fuellekrug
4/10-6/11
南アフリカ
(コリン・プライス)
Yoav Yair
ロシア科学アカデミー 国名
アメリカ
(ニック・ビュークス)
Colin Price
招聘目的
イギリス
(ロジャー・ビュイック)
Nicolas Beukes
招聘期間
担当教員
(専攻)
佐藤春夫
研究グループリーダー
(アレキサンダー・グセフ)
Euan Nisbet
所属機関
カーネギー研究所
7/20-727
アメリカ
リサーチフェロー
英国ロンドン大学
イギリス
7/20-7/27
(地球物理)
合同大会
掛川武
(千葉、幕張)
(地学)
合同大会
掛川武
(千葉、幕張)
(地学)
合同大会
掛川武
(千葉、幕張)
(地学)
合同大会
高橋幸弘
(千葉、幕張)
(地球物理)
合同大会
高橋幸弘
(千葉、幕張)
(地球物理)
合同大会
高橋幸弘
(千葉、幕張)
(地球物理)
共同研究
須賀利雄
(地球物理)
固体系シンポ
中島淳一
7/22-27
(地球物理)
固体系シンポ
三浦哲
7/22-27
(地球物理)
固体系シンポ
松澤暢
7/22-27
(地球物理)
固体系シンポ
松澤暢
7/22-27
(地球物理)
固体系シンポ
吉田武義
7/22-27
(地学)
固体系シンポ
中村美千彦
7/22-27
(地学)
固体系シンポ
西村太志
7/22-27
(地球物理)
固体系シンポ
西村太志
7/22-27
(地球物理)
固体系シンポ
田中聡
7/22-27
(地球物理)
固体系シンポ
田中聡
7/22-27
(地球物理)
固体系シンポ
鈴木昭夫
7/22-27
(地学)
固体系シンポ
鈴木昭夫
7/22-27
(地学)
― 各種活動リスト ―
平成17年度 外国人研究者招聘一覧
NO
21
22
23
24
25
26
27
28
29
招聘予定者氏名
( フ リ ガ ナ)
Arkady E. Glikin
官職
教授
(アルカディ・グリキン)
Mu Wang
教授
准教授
教授
教授
幹部研究員
講師
10/1-12/3
非常勤講師
イリノイ大学
西オンタリオ大学
カーネギー研究所
国立天文地球物理研究所
上級研究員
米国大気科学センター
10/9-11/20
非常勤講師
(ジョディー・ウェブスター)
ジェイムズ・クック大学
(専攻)
塚本勝男
(地学)
塚本勝男
(地学)
須賀利雄
遅沢壮一
(地学)
11/7-12/9
11/15-11/19
非常勤講師
大谷栄治
(謝金扱い)
(地学)
WD3招待講演
大谷栄治
(地学)
1/20-2/4
共同研究
佐藤源之
(環境・東北アジア)
共同研究
2/17-2/23
アメリカ
講師
担当教員
(地球物理)
エジプト
(ウィリアム・ランデル)
Jody Webster
ノースカロライナ大学
結晶界面鉱物学国際シンポ
(9/28-30)
アメリカ
(マフフーズ・ハフェズ)
William Randel
9/27-10/6
カナダ
(ホークァン マオ)
Mahfooz Hafez
南京大学
結晶界面鉱物学国際シンポ
(9/28-30)
アメリカ
(リチャード・セコ)
Ho-Kwang Mao
9/26-10/10
招聘目的
アメリカ
(マーティン・フラワー)
Richard Secco
セント・ピーターズバーグ大学
中国
(フレデリック・ビンガム)
Martin Flower
国名
招聘期間
ロシア
(ムー・ワン)
Frederick M. Bingham
所属機関
岩崎俊樹
(地球物理)
2/7-2/12
共同研究
オーストラリア
井龍康文
(地学)
平成17年度 外国人国内招聘一覧
NO
1
2
3
4
5
6
招聘予定者氏名
( フ リ ガ ナ)
Bo Qiu
官職
教授
(ボー・キゥ)
Chen Xu
教授
地球物理学研究員
研究員
(ルスタム・オロズバエフ)
共同研究
南京地質学古生物学研究所
地質学核科学研究所
ハワイ大学
研究員
国立放射光科学研究センター
8/8-8/10
共同研究
島根大学大学院
(専攻)
須賀利雄
海保邦夫
(地学)
8/25-8/26
共同研究
三浦 哲
(地物)
11/11-11/12
共同研究
須賀利雄
(地物)
11/15-11/18
WD3招待講演
(台湾)
博士課程
担当教員
(地物)
(ワシントン大学招聘研究員)
(ヨン・カイ)
Rustam Orozbaev
5/23-5/25
(ニュージーランド)
(アニー・ウォン)
Yong Cai
ハワイ大学
招聘目的
(中国)
(ローラ・ウォレス)
Annie P.S. Wong
国名
招聘期間
(アメリカ)
(チェン・シュー)
Laura Wallace
所属機関
大谷栄治
(地学)
1/18-1/20
共同研究
鈴木昭夫
(情報交換、セミナー)
(地学)
― 各種活動リスト ―
平成17年度 21COE先端地球惑星科学セミナー開催リスト
番号
開催日
講演者
所 属
講演題目
#
DATE
LECTURER
AFFILIATION
SEMINAR TITLE
平成17年4月15日
〜
平成17年6月3日
アレキサンダー・グセフ博士
ロシア科学アカデミー
火山・地震学研究所
高周波数地震波の生成と伝播<全8回>
Apr 15, 2005
~
June 3, 2005
Dr. Alexander Gusev
Institute of Volcanology and
Seismology, Russian Academy of
Science (Russia)
High Frequency Seismic Waves: Generation and Propagation
米国地質調査所
世界的にみた,島弧火山活動の傾向と多様性
1
平成17年4月18日 スティーブン・カービー氏
2
Apr 18, 2005
Dr. Stephen H. Kirby
U.S. Geological Survey
Global Order and Diversity of Arc Volcanic Vigor
平成17年4月21日
山本 希 博士
地球物理学専攻
固体地球物理学講座
広帯域地震記録から探る活火山浅部流体系
Apr 21, 2005
Dr. Mare Yamamoto
Solid-Earth Physics, Dept. of
Geophysics
fluid system inferred from broadband seismic signals
平成17年4月27日
中道 治久 博士
米国地質調査所客員研究員
日本学術振興会特別研究員
富士山と南部フォッサ・マグナの3次元速度構造
Apr 27, 2005
Dr. Haruhisa Nakamichi
U.S. Geological Survey
Three-dimensional seismic velocity structure of Mt. Fuji and south Fossa Magna
ロシア科学アカデミー
火山・地震学研究所
シナリオ地震の強震動予測とその不確定性の評価
Institute of Volcanology and
Seismology, Russian Academy of
Science (Russia)
An approach to the simulation of earthquake ground motions for estimating scenario
ground motions and their uncertainty
ロイヤルホロウェイ、ロンドン大
学
アンティークとしてのルビスコ
3
4
平成17年5月2日 アレキサンダー・グセフ博士
5
May 2, 2005
Dr. Alexander Gusev
平成17年5月19日 ユーアン ニスベット博士
6
May 19, 2005
Dr. Euan Nisbet
Royal Holloway,
University of London
The antiquity of Rubisco
平成17年5月24日
ボー・キゥ 教授
ハワイ大学海洋学部
黒潮続流ジェットおよび再循環ジャイア、亜熱帯モード水の十年スケール変動
May24, 2005
Prof. Bo Qiu
Department of Oceanography,
School of Ocean & Earth Science &
Technology, University of Hawaii
Variability of the Kuroshio Extension jet, recirculation gyre and Subtropical Mode Water
on decadal timescales
7
①マイケル・コーン教授
①ドイツ ライプチヒ大学
①ボルン近似を用いた輻射伝達理論に基づく全波形エンベロープの理論合成ーランダ
平成17年5月31日 ②アレキサンダー・グセフ博士 ②ロシア科学アカデミー 火山・地震学研究 ム音響媒質および弾性媒質の場合ー
所
8
May 31, 2005
①Prof. Michael Korn
②Dr. Alexander Gusev
平成17年6月3日 アレキサンダー・グセフ博士
9
①University of Leipzig (Germany)
②Institute of Volcanology and Seismology,
Russian Academy of Science (Russia)
②世界の地震と火山噴火の発生時系列に見られるクラスター性
①Use of Born approximation in radiative transfer theory for the synthesis of complete
wave envelopes in acoustic and elastic random media
②Order Clustering in The Sequences of Earthquakes and Volcanic Eruptions of the
World
ロシア科学アカデミー
火山・地震学研究所
カムチャッカの自然と人
Jun 3, 2005
Dr. Alexander Gusev
Institute of Volcanology and
Seismology, Russian Academy of
Science (Russia)
Views of Kamchatka
平成17年6月13日
ディーン・レミック教授
スクリップス海洋学研究所(米
国)
タスマン海における時間変化する質量・熱収支の評価
Jun 13, 2005
Prof. Dean Roemmich
Scripps Institution of
Oceanography
Closing the time-varying mass and heat budgets for large ocean areas: The Tasman
Box
平成17年6月16日
ディーン・レミック教授
スクリップス海洋学研究所(米
国)
アルゴによる南太平洋亜熱帯循環の10年スケール・スピンアップの解明
Jun 16, 2005
Prof. Dean Roemmich
Scripps Institution of
Oceanography
Argo reveals a decadal spin-up of the deep subtropical South Pacific gyre
平成17年6月16日
杉原 薫 氏
福岡大学理学部(地球圏科学
科)
日本における造礁サンゴ群集の緯度変化と第四紀の気候変動
Jun 16, 2005
Dr. Kaoru Sugihara
Dept. of Earth System Science,
Faculty of Science, Fukuoka
Univ.
Latitudinal changes in coral community structures and their geologic significance for
paleoclimatic reconstructions in Quaternary time
10
11
12
― 各種活動リスト ―
平成17年度 21COE先端地球惑星科学セミナー開催リスト
番号
開催日
講演者
所 属
講演題目
#
DATE
LECTURER
AFFILIATION
SEMINAR TITLE
平成17年6月20日
〜
平成17年6月21日
丸茂 克美 博士
(独)産業技術総合研究所
地質情報研究部門
土壌・地質汚染対策のための地球科学概論<全2回>
June 20, 2005
~
June 21, 2005
Dr. Katsumi Marumo
National Institute of Advanced
Industrial Science and
Technology (AIST)
Role of Earth Sciences to Protect Geological Environments from Pollution
平成17年7月4日
鈕 鳳林 博士
ライス大学(米国)
南アフリカ下の地殻・マントル構造
Jul 4, 2005
Dr. Fenglin Niu
Rice University
Crustal and mantle seismic structure beneath southern Africa
(独)物質・材料研究機構
衝撃圧縮実験と地球科学
13
14
平成17年7月5日 関根 利守 主任研究員
15
東北大学大学院理学研究科客員教授
Jul 5, 2005
Prof. Toshimori Sekine
National Institute for Materials
Science
平成17年7月21日
レイ・ウェルドン 教授
オレゴン大学(米国)
潮位計と水準測量の長期データに基づくカスカディア沈み込み帯における非地震時の隆
起
Jul 21,2005
Prof. Ray J. Weldon II
University of Oregon
Interseismic uplift from historical tide gauges and leveling lines on the Cascadia
subduction zone
平成17年7月22日
ジョン 勝部 氏
カナダ地質研究所(カナダ)
電気探査法の地雷検知、海上掘削危険回避、廃棄物地層処分と金属鉱床探査のため
のバリア評価への応用
Jul 22, 2005
Dr. T. J. Katsube
Geological Survey of Canada
Application of electrical methods to: landmine detection, offshore drilling hazard
prevention, barrier evaluation for nuclear waste and metal mining exploration
スタンフォード大学(米国)
茨城県の下の沈み込み帯荷置ける高分解能の震源分布と速度構造
Graduate School of Science, Tohoku
University
Shock-wave experiments for Earth Science
16
17
平成17年8月1日 ディビッド・シェリー 氏
18
Aug 1, 2005
David Shelly
Stanford University
High-Resolution Subduction Zone Seismicity and velocity Structure Beneath Ibaraki
Prefecture
平成17年8月9日
チェン・シュー 教授
南京地質学古生物学研究所
(中国)
オルドビス紀末における大量絶滅と回復パターンとプロセス(南中国のデータに基づい
て)
Aug 9, 2005
Prof. Chen Xu
State Key Laboratory of Palaeobiology &
Stratigraphy, Nanjing Institute of Geology &
Palaeontology, Chinese Academy of
Sciences
Patterns and Processes of Latest Ordovician Graptolite Extinction and Recovery Based
on the Data From South China
平成17年8月9日
長谷川 拓也 博士
気象研究所海洋研究部
日本学術振興会特別研究員
太平洋熱帯域の季節内スケールから10年スケール変動の研究
Aug 9, 2005
Dr. Takuya Hasegawa
Meteorological Research
Institute
Seasonal-to-Decadal Scale Variations in the Equatorial Pacific Ocean
平成17年8月25日
ローラ・ウォレス 博士
ニュージーランド地質原子科学
研究所(ニュージーランド)
GPS観測によるニュージーランド北島周辺のプレート間カップリング、ブロックモーショ
ン、スロースリップイベント
Aug 9, 2005
Dr. Laura Wallace
Geological and Nuclear
Sciences, NZ
GPS evidence for subduction zone coupling, tectonic block rotations, and slow slop
events in the North Island, New Zealand
平成17年8月23日
トニー・ユー 氏
ストーニーブルック大学(米国)
高温高圧下におけるFeS融体の密度測定
Aug 23, 2005
Mr. Tony yu
Stony Brook University (U.S.A.)
Density measurement of liquid FeS under high pressure and high temperature
ブリストル大学(英国)
流体不混和による地球核組成の制約
19
20
21
22
平成17年8月30日 ジョージ・ヘルフリッチ 教授
23
Aug 30, 2005
Prof. George Helffrich
University of Bristol, UK
Constraints on core composition from liquid immiscibility
平成17年9月8日
藤井 良一 教授
名古屋大学太陽地球環境研究
所(所長)
EISCATレーダーを用いた最近の科学の動向
Sep 8, 2005
Prof. Ryoichi Fujii
Solar-Terrestrial Environment
Laboratory, Nagoya University
Recent research topics studied with the EISCAT radar observations
24
― 各種活動リスト ―
平成17年度 21COE先端地球惑星科学セミナー開催リスト
番号
開催日
講演者
所 属
講演題目
#
DATE
LECTURER
AFFILIATION
SEMINAR TITLE
平成17年9月13日
ケン・コラーソン 教授
クィーンズランド大学
同位体先端研究センター長
(豪州)
東オマーンにおけるレユニオンプリューム由来の非クラトニックキンバーライトについて
Sep 13, 2005
Prof. Kenneth D. Collerson
Director, Advanced Cater for Queensland
University Isotope Research Excellence &
Department of Earth Sciences, The
University of Queensland
Non-cratonic Kimberlite Magmatism in Allochthonous Oceanic Crust, Eastern Oman:
Evidence for Involvement of the Reunion Plume
平成17年9月15日
鷺谷 威 助教授
名古屋大学
大地震の前兆的地殻変動は存在するか?
Sep 15, 2005
Assoc. Prof. Takeshi Sagiya
Nagoya University
Crustal deformations as an earthquake precursor: Do they really exsit?
ローレンス・リバモア国立研究所
(米国、カリフォルニア大学)
バイオ分子モディファイアーのカルサイト結晶などの成長キネティックスへの影響
25
26
平成17年10月4日 ジェームス・J・デヨレオ 博士
27
Sep 04, 2005
Dr. James J. De Yoreo
Director, Biosecurity and Nanoscience
Laboratory, Chemical Biology and Nuclear
Science Division, Lawrence Livermore
National Laboratory, University of California
The effects of biomolecular modifiers on calcite, brushite, and calcium oxalate growth
kinetics
平成17年10月4日
ムー・ワン 教授
南京大学(中国)
微結晶の二次元凝集に際してのロングレンジな力の物理的起源
Oct 4, 2005
Prof. Mu Wang
Nanjing University (China)
Physical origin of long-range-order in lateral development of crystallites
サンクトペテルスブルグ大学
(ロシア)
同形と結晶成長
St. Petersburg University
(Russia)
Isomorphism and Crystal Growth
ノースカロライナ大学
ウィルミントン校(米国)
ノースカロライナの陸棚上でのM2順圧潮流パラメータのモニタリング
28
平成17年10月7日 アルカディ・グリキン 教授
29
Oct 7, 2005
Prof. Arkady Glikin
平成17年10月18日 フレデリック・ビンガム 博士
30
Center for Marine Science
Oct 18, 2005
Prof. Frederick M. Bingham University of North Carolina at
Wilmington
平成17年10月21日 マーティン・フラワー 教授
Monitoring M2 Barotropic Tidal Ellipse Parameters on the North Carolina Continental
Shelf
イリノイ大学シカゴ校(米国)
マグマティズムとウィルソンサイクル:地球氏におけるアクチュアリズムの適用(全15回)
31
Oct 21, 2005
Prof. Martin Flower
University of Illinois at Chicago
Magmatism and the Wilson Cycle: applying actualistic models to Earth history
平成17年10月27日
荒井 章司 教授
金沢大学大学院自然科学研究
科
オフィオライトの本質とIODP戦略
Oct 27, 2005
Prof. Shoji Arai
Kanazawa University Graduate
School of Natural Science &
Technology
Unraveling of ophiolite nature and its bearing on strategy for 21st Mohole of IODP
平成17年11月11日
アニー・ウォン 博士
ワシントン大学海洋学部(米国)
Argo のCTDデータを用いた南インド洋の中層水塊の研究
Nov 11, 2005
Dr. Annie P.S. Wong
School of Oceanography,
University of Washington
Using Argo CTD data to study intermediate-depth water masses in the South Indian
Ocean
イリノイ大学シカゴ校(米国)
衝突によって誘発されたマントル流:郎遺体と地球年代学的証拠
32
33
平成17年11月14日 マーティン・フラワー 教授
34
Nov 14, 2005
Prof. Martin Flower
University of Illinois at Chicago
Collision-induced mantle flow: isotopic and geochronologic evidence
平成17年11月14日
リチャード・セコ 教授
西オンタリオ大学(カナダ)
地球内部における輸送過程(全3回)
Nov 14, 2005
Prof. Richard Secco
University of Western Ontario
(Canada)
Transport Processes in the Earth
平成17年11月18日
ホークァン マオ 博士
カーネギー地球物理学研究所
(米国)
新世紀の高圧力研究:地球惑星科学への影響
Nov 18, 2005
Dr. Ho-kwang Mao
Geophysical Laboratory,
Carnegie Institution of
Washington
High Pressure Research in the New century: Impact to Earth and Planetary science
35
36
― 各種活動リスト ―
平成17年度 21COE先端地球惑星科学セミナー開催リスト
番号
開催日
講演者
所 属
講演題目
#
DATE
LECTURER
AFFILIATION
SEMINAR TITLE
ノースカロライナ大学
ウィルミントン校(米国)
ハリケーン・イザベルの通過に対する沿岸海洋の応答
平成17年11月21日 フレデリック・ビンガム 博士
37
Nov 21, 2005
Dr. Frederick Bingham
Center for Marine Science
University of North Carolina at
Wilmington
Coastal Ocean Response to the Passage of Hurricane Isabel
平成17年12月9日
相木 秀則 博士
海洋研究開発機構
地球環境
フロンティア研究センター
高解像度全球海洋大循環シュミレーションにおける圧力残差抵抗の解析とその応用
Dec 9, 2005
Dr. Hidenori Aiki
Frontier Research Center for
Global Change
JAMSTEC
Residual pressure drag force estimated from a high-resolution oceanic general
circulation model
平成17年12月13日
西澤 修 博士
(独)産業技術総合研究所
地圏資源環境研究部門
岩石物性研究の役割
Dec. 13, 2005
Dr. Osamu Nishizawa
National Institute of Advanced
Industrial Science and
Technology (AIST)
Physics of rocks: Roles for Earth Sciences and Related Fields of Industry
平成17年12月16日
山森 美穂 博士
情報通信研究機構
オゾンゾンデとオゾン同化モデルデータを用いた下部成層圏オゾン分布微細構造の研究
Dec 16, 2005
Dr. Miho Yamamori
National Institute of Information
and Communications Technology
A study on lower stratospheric fine structures by using ozone sonde observation and
ozone reanalysis data
コペンハーゲン大学
(デンマーク)
深層氷床コアの記録;古記録に残されたエキサイティングなニュース
Department of Geophysics
University of Copenhagen
The deep ice core records; exciting news from old archives
島根大学大学院博士課程
キルギスタンのAktyuz変成岩における高圧変成作用
38
39
40
平成17年12月20日 シーファス・ジャンセン 教授
41
Dec 20, 2005
Prof. Sigfus Johnsen
平成18年1月19日 ルスタム・オロズバエフ氏
42
Jan 19, 2006
Mr. Rustam Orozbaev
Shimane University
Metamorphism of HP metamorphic rocks from the Aktyuz Formation in the Northern
Tien-Shan, Kyrgyzstan
平成18年1月26日
杉田 精司 助教授
東京大学大学院
新領域創成科学研究科
Deep Impact探査で彗星の何が分かったのか?
Jan 26, 2006
Assoc. Prof. Seiji Sugita
Graduate School of Frontier
Sciences
The University of Tokyo
What did we find through the Deep Impact Project?
エジプト国立天文地球物理研究
所
エジプトにおける物理探査技術の応用
43
平成18年1月26日 マフフーズ・ハフェズ 博士
44
Jan 26, 2006
Dr. Mahfooz Hafez
National Research Institute of
Astronomy and Geophysics
Application of Geophysical methods for solving Environmental Problem in Egypt
平成18年2月2日
H.U.フレイ 博士
カリフォルニア大学
宇宙科学研究所
オーロラオーバル近傍に発生する局在化したオーロラ
Feb 2, 2006
Dr. H.U.Frey
Space Sciences Laboratory
University of California
Localized aurora beyond the auroral oval
ジェームス・クック大学
太平洋の沈水サンゴ礁ー急激な海水準変化ならびに気候変化の唯一の記録者
James Cook University
Drowned coral reefs in the Pacific Ocean; unique archives of abrupt sea-level and
climate change
45
平成18年2月9日 ジョディー・ウェブスター 博士
46
Feb 9, 2006
Dr. Jody Webster
平成18年2月15日 ジョセフィノ・コミソ 博士 NASA ゴダード宇宙飛行センター
海氷域面積の変動と植物プランクトン濃度との関連について
47
Feb 15, 2005
Josefino C. Comiso
NASA Goddard Space Flight
Center
Variability of the Sea Ice Cover and Relationships with Phytoplankton Concentrations
平成18年2月17日
小埜 恒夫 博士
(独)水産総合研究センター
北海道区水産研究所
北太平洋におけるShallow-overturn変動と溶存酸素・栄養塩量の変動
Feb 17, 2006
Dr. Tsuneo Ono
Hokkaido National Fisheries
Research Institute,
Fisheries Research Agency
Variations of dissolved oxygen and nutrients and their relation to variation of shallowoverturn in the North Pacific
48
― 各種活動リスト ―
平成17年度 21COE先端地球惑星科学セミナー開催リスト
番号
開催日
講演者
所 属
講演題目
#
DATE
LECTURER
AFFILIATION
SEMINAR TITLE
平成18年2月20日
平成18年2月21日
ウィリアム・ランデル 博士
米国立大気研究センター
(1)GPSによる電波掩蔽法を用いた全球対流圏界面の研究
(2)深い対流のアジアモンスーン循環への影響
Feb 20, 2006
Feb 21, 2006
Dr. William Randel
National Center for Atmospheric
Research
(1) Using GPS radio occultation data to study the global tropopause
(2) The influence of deep convention on the Asian monsoon anticyclone
平成18年3月15日
赤祖父 俊一 氏
アラスカ大学フェアバンクス校
国際北極圏研究センター長
北極圏で進行している温暖化
Mar 15, 2006
Dr. Shunichi Akasofu
International Artic Research
Center, University of Alaska,
Fairbanks
Recent rapid warming of the Arctic
49
50
― 各種活動リスト ―
東北大学21COE地球科学関連シンポジウム等開催リスト(平成17年度)
List of Symposiums and workshops supported by COE (for the financial year of 2005)
番号
開催日(期間)
シンポジウム名
主 催
開催場所
#
DATE(PERIOD)
TITLE OF THE SYMPOSIUM
ORGANIZER
VENUE
平成17年
5月20日-22日
3COE合同ワークショップ:初期地球惑星シンポジウム
東北大COE、東工大COE、
東大COE(3COE共催)
海外職業訓練センター
May 20-22, 2005
Early Earth Symposium : Discussion meeting
Collaboration of 3 COE
programs:Tohoku Univ, Tokyo Inst
of Tech, Tokyo Univ
Overseas Vocational Training
Center, Chiba
平成17年
5月23日-24日
初期地球惑星誌:太陽系星雲から生命の誕生に至るまで
東北大COE、東工大COE、
東大COE(3COE共催)
幕張メッセ国際会議場
May 23-24, 2005
Earliest History of the Earth and Planets
Collaboration of 3 COE
programs:Tohoku Univ, Tokyo Inst
of Tech, Tokyo Univ
Makuhari Messe Intenational
Convention Complex, Chiba
平成17年5月23日
スプライトの宇宙及び地上観測
東北大学21世紀COEプログラム
「先端地球科学技術による地球の
未来像創出」
幕張メッセ国際会議場
May 23, 2005
Space and ground measurements of sprites, jets and elves 21COE E-ASTEC Workshop
The 21st Century COE Program
at Tohoku University
'Advanced Science and
Technology Center for the
Dynamic Earth'
Makuhari Messe Intenational
Convention Complex, Chiba
平成17年
7月22日-24日
21COE国際シンポジウム2005
固体地球における時空間的ゆらぎ
-地球の未来像創出をめざして-
東北大学21世紀COEプログラム
「先端地球科学技術による地球の
未来像創出」
仙台市戦災復興記念館
Jul 22-24, 2005
21COE International Symposium 2005
Spatial and Temporal Fluctuations
in the Solid Earth
- Clues to the Future of Our Planet -
The 21st Century COE Program
at Tohoku University
'Advanced Science and
Technology Center for the
Dynamic Earth'
Sendai City War Reconstruction
Memorial Hall
平成17年
7月26日-27日
21COE国際シンポジウム2005
夏の学校
東北大学21世紀COEプログラム
「先端地球科学技術による地球の
未来像創出」
東北大学大学院理学研究科
理学総合棟203号室
Jul 26-27, 2005
Summer school:Recent progress in the studies regarding
spatial and/or temporal fluctuations in the solid earth
The 21st Century COE Program
at Tohoku University
'Advanced Science and
Technology Center for the
Dynamic Earth'
Room#203, Rigaku-Sogo-Tou
Bldg., Graduate School of
Science, Tohoku University
平成17年
8月3日-5日
第2回微化石サマースクール
東北大学大学院理学研究科地圏
環境科学教室、東北大学21世紀
COEプログラム「先端地球科学技術
による地球の未来像創出」
東北大学理学部
地圏環境科学教室
Aug 3-5, 2005
The 2nd Summer School on Micropaleontology
Institute of Geology and Paleontology,
Graduate school of Science,
The 21st Century COE Program 'Advanced
Science and Technology Center for the
Dynamic Earth', Tohoku University
Institute of Geology and
Paleontology, Faculty of Science,
Tohoku University
平成17年
9月28日-30日
結晶界面の鉱物学
主催:塚本勝男、A・グリキン、
共催:東北大学21世紀COEプログラ
ム「先端地球科学技術による地球
の未来像創出」
秋保温泉 ホテル佐勘
Sep 28-30, 2005
Discussion on Interface Mineralogy
Organized by K. Tsukamoto & A. Glikin, in
collaboration with the 21st Century COE
program 'Advanced Science and Technology
Center for the Dynamic Earth'
The HOTEL SAKAN,
Akiu, Sendai
1
2
3
4
5
6
7
― 各種活動リスト ―
東北大学21COE地球科学関連シンポジウム等開催リスト(平成17年度)
List of Symposiums and workshops supported by COE (for the financial year of 2005)
番号
開催日(期間)
シンポジウム名
主 催
開催場所
#
DATE(PERIOD)
TITLE OF THE SYMPOSIUM
ORGANIZER
VENUE
平成17年
9月28日-10日1日
第118回地球電磁気・地球惑星圏学会総会ならびに講演会
Sep 28-Oct 1,
2005
The 118th General Meeting of Society of Geomagnetism and
Earth, Planetary and Space Sciences
Organized by Society of Geomagnetism and
Earth, Planetary and Space Sciences,
supported by the 21st Century COE
Program at Tohoku University 'Advanced
Science and Technology Center for the
Dynamic Earth'
Kyoto University Clock Tower
Centennial Hall
平成17年
11月16日-17日
第3回ウォーターダイナミクス国際ワークショップ
主催:東北大学大学院環境科学研究科
共催:東北大学21世紀COEプログラム「流動ダイ
ナミクス国際研究教育拠点」及び「先端地球科
学技術による地球の未来像創出」
仙台国際センター
Nov 16-17, 2005
3rd International workshop on Water Dynamics
Organized by Graduate School of
Environmental Studies, Tohoku Univ, in
coraboration with the 21st Century COE
programs 'Flow Dynamics Internationl
Research Educational Base' & 'Advanced
Science and Technology Center for
Dynamic Earth Research'
Sendai International Center
平成18年
2月22日-23日
オゾン研究に関するワークショップ
主催:東北大学理学研究科地球物理学専攻
岩崎研究室
後援:東北大学21世紀COEプログラム「先端地
球科学技術による地球の未来像創出」
ホテル松洲(宮城県、松島町)
Feb 22-23, 2006
Ozone in the future
Organized by T. Iwasaki, supported by the
21st Century COE program 'Advanced
Science and Technology Center for the
Dynamic Earth'
Palace Matsushima
(Matsushima, Miyagi)
平成18年
3月2日-3日
第7回東北大学惑星プラズマ・大気研究センター
惑星圏研究会
共催:東北大学大学院理学研究科地球物理
学専攻太陽惑星空間物理学講座
東北大学21世紀COEプログラム「先端地球科
学技術による地球の未来像創出」
東北大学青葉記念会館
Mar 2-3, 2006
A Research Meeting on Planetary Zone
Organized by Planetary Plasma and
Atmospheric Research Center and the 21st
Century COE program 'Advanced Science
and Technology Center for the Dynamic
Earth', Tohoku University
Aoba Memorial Hall
Tohoku Univ.
平成18年
2月28日-3月3日
有孔虫・放散虫合同研究集会
東北大学理学部地圏環境科学教室、
大阪微化石研究会、有孔虫研究会、
東北大学21世紀COEプログラム
「先端地球科学技術による地球の未来像創
出」
緑水亭(仙台市秋保町)
東北大学青葉山キャンパス
Joint Meeting on Paleontology
Organized by Dept. of Geo-Environmental
Sciences, Tohoku Univ.
Cohosted by the 21st Century COE
program 'Advanced Science and Technology
Center for the Dynamic Earth', Tohoku
University
Ryokusuitei (Akiu, Sendai)
Graduate School of Science,
Tohoku Univ.
8
9
主催:地球電磁気・地球惑星圏学
会、協賛:東北大学21世紀COEプ
京都大学百周年時計台記念館
ログラム「先端地球科学技術による
地球の未来像創出」
10
11
12
Feb 28-Mar 3,
2006
Early Earth Symposium
2005 M a y, Mak uh ari, Japan
୹ത ᮶ாᕝᴏኬᏕ21ୠ⣎COEࠔᆀ⌣㸯ெࡡపࡳᝠ᫅࠿࡚ࡀࡾࡱ࡚ࠕ
᮶໪ኬᏕ21ୠ⣎COEࠔ඙❻Ⓩᆀ⌣⛁Ꮥᢇ⾙࡞ࡻࡾᆀ⌣ࡡᮅᮮാ๭ฝࠕ
᮶ாኬᏕ21ୠ⣎COEࠔኣᅥᆀ⌣ࢨࢪࢷ࣑ࡡ㐅໩࡛ንິࡡ஢ῼྊ⬗ᛮࠕ
Discussion Meeting
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Planetary Science: Jonathan Lunine (Univ. Arizona), Doug Lin㸝UCSC)
Earth Interior; H.O’Neill (ANU), B.J.Wood (Bristol Univ), S.Karato (Yale Univ):
Early Earth Atmosphere: Jim Kasting (Penn State),
Early Life: Euan Nisbet (Univ. of London), Roger Buick (Univ. of Washington),
Nic Beukes (Rand Afrikanus Univ, South Africa) *************
Discussion Topics
*************
Planet For mation
1) How were the solid Earth and its atmosphere formed? How did they evolve?
2) How was the early differentiation of the planetary interior?
How did the core formation affect the chemistry of the mantle and atmosphere?
3) What were the effects of giant impacts on the early evolution of the Earth?
4) Where did water and other volatile components on the Earth come from?
5) How often are habitable planets in extra-solar planetary systems formed?
Planetary evolution
1) What are the light components in the core? Have the chemical reaction at CMB changed the
composition of the core over the geological time?
2) Does the inner core growth cause exsolution of light components?
Is the inner core necessary for the formation of geodynamo?
3) When and how the redox state of the Earth’s mantle determined?
4) Was the post-perovskite phase-rich layer stable in the hot Hadean Earth?
What changed by the formation of post-perovskite phase-rich layer?
5) Why Earth’s proto-crust (formed during the Hadean) missing?
How tectonics of Hadean Earth different from that in modern Earth?
Evolution o f the Atmospheric E nvironments
1) What is the role of mantle oxidation state in controlling chemistry of atmosphere?
2) Why did atmospheric O2 raise at 2.3 Ga when cyanobacteria appear to have been in existence
at 2.8 Ga or earlier?
3㸞What was the Archean climate like? Was it cooler or hotter?
Are the 2.8Ga diamictites really evidence for glaciation?
4㸞Was methane a key component of the Archean greenhouse?
5) What kept the climate warm and ice-free during the middle Proterozoic?
Early Life
1) When did the earliest oxygenic photosynthesis begin?
2) Are banded iron formations results of oxic seawater produced by photochemical reaction?
3) Was the ocean chemistry important factor for the early biological evolution?
What controlled (e.g. growth of continents) its salinity, pH and other chemistry?
4) Was the early ocean truly depleted in sulfate?
When did sulfate begin to accumulate into oceans?
5) What was the common ancestor? Heterotrophs or autotrophs? Methanogens or others?
開催日時:5月23日~24日
開催場所:幕張メッセ国際会議場
<概要紹介>
セッション番号074
初期地球惑星誌:太陽系星雲から生命の誕生に至るまで (初期地球惑星誌)
Earliest History of the Earth and Planets (Early Earth)
(東北大、東京工業大学、東京大COE合同シンポジウム)
<コンビナー>
高橋 栄一 :東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻
阿部 豊 :東大・理・地球惑星科学
掛川 武 :東北大・理・地球物質
Kasting James.F. :ペンシルバニア州立大・地球科学
We invited papers on the early history of the Earth and planets - spanning
topics from the solar nebula to the birth of primitive life - with a special
emphasis on the conditions that gave rise to life on our planet. Papers from
diverse research fields, including astronomy, planetary science, high-P
experiments, geochemistry, geology, and life and environmental sciences
were anticipated.
Approximately 40 papers were submitted in this session.
Total of 200 people attended during the session.
地球惑星科学関連学会・2005 年合同大会
E103 セッション
他
Joint meeting for Earth and Planetary Science (JEPS) 2005, International Session E103
コンビーナ:高橋幸弘(東北大学・大学院理学研究科・地球物理学専攻),Martin Fuellekrug (バ
ス大学(UK)・電気電子工学科), Yoav Yair (イスラエルオープン大・遠距離教育センター)
オーラル発表:5 月 23 日
13:45〜15:15 および 15:30〜17:00
ポスター発表:5 月 23 日
17:15 - 18:45
場 所:幕張メッセ国際会議場
<概要>
雷雲と電離圏の間の放電発光現象が最初に確認されたのは 1989 年であるが、以来精力的な観
測が世界各地で行われ、スプライト、ブルージェット、エルブス、巨大ジェットなどメカニズム
の異なる様々な形態が存在することが明らかになってきた。最近では、スペースシャトルや人工
衛星による光学観測が行われるようになってきており、これまでの地上からの観測では気象条件
による制約があった発生頻度の世界分布や、正確な発光スペクトル情報が得られつつある。東北
大学は、台湾国立成功大学、カリフォルニア大バークレー校と共に、専用観測器を FORMOSAT-2
衛星に搭載し、大きな成果をあげている。一方、全地球的な VLF・ELF 帯の雷放電観測網の整
備が急速に進み、雷放電活動およびスプライトのグローバルモニターが可能になりつつある。東
北大学が設置を進めている ELF/VLF 観測システムは、データの質と運用安定性に優れており、
世界から大きな期待が寄せられている。本ワークショップでは、この分野の一線で活躍する研究
者を海外から招き、スプライトの衛星観測及び電波による雷放電検出の現状と、現在開発段階に
ある衛星搭載機器による観測戦略や東北大 ELF/VLF データの活用など、今後の国際共同研究の
進め方について、活発な議論が交わされた。
<口頭発表>
Yoav Yair, Colin Price, Peter Israelevich, et al., Space-based Observations of Thunderstorms
and TLEs during the MEIDEX-sprite campaign,
Alfred Bing-Chih Chen, Chiang Po-Shih, Tian-Hsiang Huang , Global distribution of TLEs
and new results from the ISUAL experiment
足立 透、福西 浩、高橋 幸弘、ほか、ROCSAT-2 衛星搭載 ISUAL/Array Photometer を用いて
推定したスプライトの電場
佐藤 光輝、戎崎 俊一、滝澤 慶之、ほか、EUSO 望遠鏡を用いた ISS からの TLEs 観測計画
高橋 久夫、高橋 幸弘、足立 透、ほか、EQUARS 衛星による大気光・スプライト観測
山本 桂、佐藤 光輝、福西 浩、ほか、Characteristics of parent lightning discharges of sprites
estimated by ELF magnetic field data
Martin Fuellekrug, Global remote sensing of the atmospheric electromagnetic environment
Colin Price, Mustafa Asfur, Eran Greenberg, Using Ground-based Lightning Observations to
Study Global Climate Change
大久保 敦史、福西 浩、高橋 幸弘、ほか、スプライト現象を誘発する日本冬季雷に関連した
VLF/ELF 空電の特徴
山本 真行、鈴木 文二、The first sprite detection by high school students
平木 康隆、笠井 康子、福西 浩、Estimation of the effect of sprite streamers on upper
stratospheric ozone chemistry
Fernanda Sao-Sabbas, D Fritts, S Vadas, Effects of Gravity Wave Density Fields on Sprite
Initiation
<ポスター>
近田 昌吾、福西 浩、高橋 幸弘、ほか、ROCSAT-2 / ISUAL が観測した Elves を特徴づけるパ
ラメータと、VLF 空電の関係
高橋 幸弘、山本 桂、大久保 敦史、ほか、地球起源のガンマ線現象とスプライト及び VLF/ELF
放射の関係
シンポジウムのプログラム(口頭発表)
核・マントル における時空間的ゆらぎ
(7 月 22 日)
時刻
09:5009:55
09:5510:00
発表者
所属
タイトル
松澤暢
東北大学 21 世紀
COE 国際シンポジウ
ム 2005 実行委員会
委員長
開会の挨拶
大谷栄治
東北大学 21 世紀
COE プログラム「先端
地球科学技術による
地球の未来像創出」
拠点リーダー
歓迎の挨拶
マントル鉱物と地震学的不連続面
10:0010:35
Kenneth D.
COLLERSON
クイーンズ大学
Heterogeneities in the deep Earth: Chemical
and isotopic constraints from the transition
zone to the core-mantle boundary
10:3511:00
桂智男
岡山大学
Experimental determination of olivinewadsleyite transition in the system
(Mg,Fe)2SiO4 and origin of the 410-km
seismic discontinuity
11:0011:25
Konstantin
LITASOV
東北大学
PInfluence of water on major phase
transitions in the Earth's upper mantle
11:2511:50
末次大輔
IFREE / 海洋研究開
発機構
Seismological evidence for presence of
water in the mantle transition zone beneath
subduction zones
11:5013:00
昼食
下部マントルと核-マントル境界
13:0013:35
Steven D.
JACOBSEN
カーネギー研究所
Identifying hydration in Earth's mantle
13:3514:00
八木健彦
東京大学
High-pressure mineral physics and the
property of the Earth's deep interior
14:0014:25
趙大鵬
愛媛大学
Multi-scale seismic tomography of the
Earth
時刻
発表者
所属
タイトル
14:2514:50
廣瀬敬
東京工業大学
The fate of slab
14:5015:25
David DOBSON
英国ロンドン大学
Could ultra-low-velocity zones be
subducted banded iron formations?
15:2515:35
休憩
シカゴ大学
Core-mantle coupling: Implications for
spatial and temporal variations in the
Earth's interior
核
15:3516:10
Bruce A.
BUFFETT
16:1016:35
平尾直久
兵庫県立大学
Partitioning of potassium between iron and
silicate at the core-mantle boundary:
Implications for potassium in the Earth's
core
16:3517:10
Kenneth C.
CREAGER
ワシントン大学
Anisotropic structure and rotation rate of
the inner core
地震現象 における時空間的ゆらぎ
(7 月 23 日)
時刻
発表者
所属
タイトル
内陸地震の発生モデル I
09:1009:35
中島淳一
東北大学
Upwelling flow in the mantle wedge of NE
Japan and its role on crustal deformation
and shallow seismic activity
09:3510:00
飯尾能久
京都大学
Simple element model of the process by
which intraplate earthquakes are generated
産業総合技術研究所
Style of stress accumulation and release in
northern Honshu Japan: A concept to
explain the coexistence of destructive
inland earthquakes and interplate thrust
earthquakes
10:0010:25
遠田晋次
10:2510:35
休憩
内陸地震の発生モデル II
時刻
発表者
所属
タイトル
10:3511:10
Ray J. WELDON II
オレゴン大学
Earthquake cycle on large fault systems; an
example from the southern San Andreas
fault, California
11:1011:35
中田高
広島工業大学
Geometric pattern of active faults and their
seismogenic behavior
11:3512:00
岡田知己
東北大学
Characteristics of asperities for large
intraplate earthquakes inferred from
detailed seismic velocity structures
12:0013:00
昼食
プレート境界上のアスペリティの繰り返し破壊
13:0013:35
Robert M.
NADEAU
カリフォルニア大学
バークレー校
Spatio-temporal fluctuation of small
repeating earthquakes and non-volcanic
tremors in central California
13:3514:00
加藤尚之
東京大学
Complex earthquake recurrence due to
interaction of slip on asperities: A numerical
study
14:0014:25
松澤暢
東北大学
Rupturing of asperities fostered by slow
slips and its implications in earthquake
prediction
14:2514:50
日野亮太
東北大学
Seismic structure of the seismogenic
subduction plate interface in the
northeastern Japan arc
14:5015:00
休憩
スロー・スリップ・イベントと沈み込むスラブ
15:0015:25
三浦哲
東北大学
Geodetic estimation of slip deficits, co- and
post-seismic slips on the plate boundary
around northeastern Japan arc
15:2516:00
Jeffrey T.
FREYMUELLER
アラスカ大学
Postseismic deformation following large
earthquakes in Alaska
時刻
16:0016:25
16:2517:00
発表者
小原一成
Stephen H. KIRBY
所属
タイトル
防災科学技術研究
所
Slow earthquake families in southwest
Japan subduction zone: Non-volcanic
tremor, slow slip and very low-frequency
earthquake
米国地質調査所
Fluids from above and from below: Possible
roles of seawater infiltration/mineralalteration and deep magmatic CO2 and other
volatiles in the variability of slab seismicity
and arc volcanic activity
火山噴火現象 における時空間的ゆらぎ
(7 月 24 日)
時刻
発表者
所属
タイトル
深部マグマ溜まりの形成とその構造 I
09:1509:50
Valerio
ACOCELLA
ローマ第三大学
Structural control on volcanism in NE Honshu,
Japan
09:5010:25
Dave WARK
レンセレル工科大
学
Mafic recharge of silicic magma chambers:
Insights from zoned quartz phenocrysts
10:2510:50
木村純一
島根大学
Timescale and structure of mantle-crust magma
plumbing system in the Quaternary Norikura
Volcanic Chain, central Japan
10:5011:00
休憩
深部マグマ溜まりの形成とその構造 II
中村美千彦
東北大学
Microstructure of vesiculated crystal mush:
Implications for evolution of silicic magma
chambers
11:2511:50
東宮昭彦
産業総合技術研
究所
Evolution of the magma chamber beneath Usu
volcano since 1663: Systematic change of
phenocryst compositions and textures
11:5013:00
昼食
11:0011:25
火山噴火のモニタリングとモデル化
時刻
発表者
所属
タイトル
13:0013:35
Stephen R.
McNUTT
アラスカ大学
Volcanic activity in Alaska and the Aleutian
Islands, 1989-2005
13:3514:00
井口正人
京都大学
Similarity and difference of source mechanisms
of volcanic explosions at Sakurajima and
Suwanosejima volcanoes in Japan
14:0014:25
野上健治
東京工業大学
Behaviour of fluorine and chlorine in volcanic
ash of Sakurajima volcano, in the sequence of
its eruptive activity
フィレンツェ大学
Monitoring the effusive to explosive transitions
of Stromboli volcano by multiparameter
integrated network
14:2515:00
Maurizio RIPEPE
15:0015:15
休憩
火山噴火機構に関する実験的研究
15:1515:40
鈴木由希
東北大学
Experimental constraints on syneruptive magma
ascent related to the phreatomagmatic phase of
the 2000 A.D. eruption of Usu volcano, Japan
15:4016:05
竹内晋吾
産業総合技術研
究所
Experimental constraints on the low gas
permeability of vesicular magma during
decompression
16:0516:30
後藤章夫
東北大学
Factors controlling the surface phenomena on
explosive volcanism: knowledges from explosion
experiments
16:0516:55
西村太志
東北大学
Complexity and its origin in the Geyser activity:
Results from field observation at Onikobe
geyser
夏の学校のプログラム
7 月 26 日(火)
時刻
講師
10:0012:00
Ray J.
WELDON II
12:0013:00
昼食
13:0015:00
Stephen H.
KIRBY
15:0015:10
休憩
15:1017:10
Steven D.
JACOBSEN
所属
タイトル
オレゴン大学
Quantifying uncertainty in paleoseismic
investigations on the San Andreas fault
米国地質調査所
Global variability in Wadati-Benioff-zone
earthquake distribution and arc volcanic vigor:
the importance of thermal, petrological and
mechanical variablility in oceanic lithosphere
カーネギー研究
所
Elastic wave velocity in mantle minerals
7 月 27 日(水)
時刻
講師
10:0012:00
Kenneth D.
COLLERSON
12:0013:00
昼食
13:0015:00
Dave WARK
15:0015:10
休憩
15:1017:10
Maurizio RIPEPE
所属
タイトル
クイーンズランド
大学
Isotope geochemistry of mantle rocks
レンセレル工科大
学
Experimental perspectives on fluid/melt
distribution and transport in texturally
equilibrated rocks
フィレンツェ大学
Dynamics of Strombolian activity
<開催日時>2005年7月22~27日
<会場>
シンポジウム:仙台市戦災復興記念館
懇親会:仙台ワシントンホテル
巡検:磐梯山
夏の学校:東北大学大学院理学研究科理学総合棟(合同研究棟)203 号室
東北大学 21 世紀 COE プログラム -先端地球科学技術による地球の未来像創出- の主
催による国際シンポジウム「固体地球における時空間的ゆらぎ
-地球の未来像創出を
めざして-(Spatial and Temporal Fluctuations in the Solid Earth - Clues to the
Future of Our Planet -)
」が 2005 年 7 月 22-27 日に開催されました.このシンポジウ
ムでは,固体地球に関わる分野における様々な時空間スケールにわたる固体地球現象に
関する研究成果を,世界の第一線の研究者に紹介していただき,それらの成果を比較検
討することによって,躍動する固体地球の背景にある共通法則を抽出し,地球の未来像
の創出に結びつける事を目標としました.
7 月 22-24 日に仙台市戦災復興記念館で開催されたシンポジウムでは,海外から 13
名,国内から 16 名の研究者に来ていただき,東北大学の 10 名の研究者を合わせて 39
件の口頭発表が行われました(写真1).また主として若手研究者や学生によるポスタ
ー発表も行われました.このポスター発表においては,学生の国際学会での発表を奨励
するために,学外からの招待講演者全員に審査員になっていただき,優秀なポスター発
表を行った学生に Student Award を与える事にしました.シンポジウムの参加人数は
総計 147 名であり(写真2),連日活発な質疑が行われました.
シンポジウムの最終日の 7 月 24 日には仙台ワシントンホテルで懇親会が行われ,91
名の参加者がありました(写真3)
.この懇親会では,Student Award の授与式も行わ
れ(写真4)
,終始笑いの絶えない楽しい懇親会となりました.
懇親会の翌日の 7 月 25 日には,39 名の参加者による磐梯山への巡検が行われ,磐梯
山噴火記念館,銅沼(写真5),磐梯火山観測点等の見学が実施されました.霧の濃い,
あいにくの天候でしたが,参加者からは多くの質問も飛び出し,また,一緒にフィール
ドを歩く事によって研究者と学生との間の会話も弾み(写真6),予定時間を大幅に超
過してようやく仙台に戻りました.
7 月 26,27 日には,理学研究科総合棟 203 号室において夏の学校が開催され,6 名
の海外の研究者によるそれぞれ2時間の講義が行われました.いずれも専門外の院生に
もわかるように,丁寧に講義をしていただきました.毎回 50~80 名程度の参加者があ
り,また活発な質疑も行われました.
このシンポジウムにおいて国内外の研究者との交流が深められた事もさることなが
ら,「固体地球における時空間的ゆらぎ」というテーマのもと,地震,火山,核・マン
トルといった異なる対象を研究している学内の若手研究者同士の交流が深められたの
は,本 21 世紀 COE プログラムをさらに発展させる上で非常に有意義であったと思い
ます.シンポジウムの詳細については,下記の web をご覧ください.
http://aob-new.aob.geophys.tohoku.ac.jp/~matuzawa/21COE2005/
写真1.シンポジウムの講演風景
写真2.シンポジウムの集合写真
写真3.懇親会
写真4.Student Award 授与式
写真5.巡検の集合写真
写真6.巡検での説明中
開催日時:2005 年 8 月 3 日~5 日
開催場所:東北大学理学部地圏環境科学教室
2005 年 8 月 3 日~5 日に東北大学理学部地圏環境科学教室において開催したこのサ
マースクールは,微化石分野の若手の人材育成を目的で開催しました.今回は希望が多
かった有孔虫と石灰質ナンノ化石を対象に,同定実習を通して基本知識の習得と種の決
定方法を学んでもらい,同位体分析に利用する有孔虫や“第四紀”の年代決定に有用な
石灰質ナンノ化石の見分け方を実習いたしました.講師には有孔虫分野からは尾田太良
(東北大)
,根本直樹(弘前大)
,長谷川四郎・秋元和實(熊本大)
,山崎 誠(秋田大)
の5名,石灰質ナンノ化石分野からは佐藤時幸(秋田大)
,亀尾浩司(千葉大)の2名,
また珪質微化石の質問に対応するため,珪藻分野からは丸山俊明(山形大),放散虫分
野から相田吉昭(宇都宮大)と鈴木紀毅(東北大)を揃え,単独の大学だけでは困難な
チーム・ティーチングを試みました.このサマースクールは,当教室と東北大学 21 世
紀 COE「先端地球科学技術による地球の未来像創出」の主催,日本地球掘削科学コン
ソーシアムの後援と,別紙に記しましたように共催1,協賛6,特別協力1のご支援・
ご理解をいただき,開催に至りました.
開催にあたり,顕微鏡の台数に限りがあるので,有孔虫,石灰質ナンノ化石それぞれ
約 15 名で募集したところ,合計 28 名の応募がありました.サマースクールへの総参
加人数は,実習をサポートする側を含めて総勢 48 名となりました.参加した機関は 16
大学・1機関(北海道大,北見工業大,弘前大,秋田大,東北大,山形大,筑波大,茨
城大,新潟大,宇都宮大,千葉大,横浜国立大,九州東海大,金沢大,京都大,熊本大,
福島県立博物館)に達しました.
8月3日午前に,IODP における微化石の果たす役割について佐藤教授の講演をとう
して,IODP への理解を深めてもらい,講師代表が浮遊性有孔虫と底生有孔虫の基礎に
ついて概略を説明し,微化石の基本を参加者に知ってもらいました.3日午後から4日
にかけて,有孔虫と石灰質ナンノ化石の2班に分かれ,実物標本を目の前にしながら同
定方法などの手ほどきをいたしました.受講者は丁寧な指導で期待以上に充実した実習
ができたと好評でした.5日は,試料からの抽出処理や,個人の希望に合わせた個別に
対応した指導をおこない,更に,珪藻と放散虫についても熱心な質問がありました.密
度の濃い実習を行ったが,時間がもっと欲しいとの声が多数あがるほど真剣に受講者は
実習を受けておりました.3日間の日程をこなし,5日正午に受講修了書を渡して盛会
の内に幕を閉じました.
アンケート集計結果では,サマースクールを来年も続けて欲しいと希望する者が多く,
とくに放散虫,貝形虫,珪藻の実習を期待するとの声が多数寄せられました.なお,こ
の微化石サマースクール開催に前後して,参加者の中から微化石専門家が常勤する大学
院への進学希望がよせられ,昨年度の微化石サマースクールとあわせて,効果が現れた
成果といえましょう.
今回のサマースクールの終了後,講師陣で会合を持ち,微化石研究者が IODP 成功に
果たす役割と関わり方について意見交換を行いました.微化石コミュニティーのネット
ワークを拡げて強化する場として,サマースクールを今後も継続したいことで意見の一
致をみました.しかし,15 名の受講希望者を受け入れるだけの顕微鏡など設備面がほ
とんどの機関で不足していることも明らかとなりました.今回の成功は,東北大学
21COE の支援によって設備の充実が図られたことが多大な貢献をしております.
記
主催: 東北大学大学院理学研究科地圏進化学講座
東北大学 21COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創出」
共催: 北海道大学 21COE プログラム「新・自然史科学創出」
協賛: 熊本大学,秋田大学,千葉大学,山形大学,弘前大学,宇都宮大学
特別協力:MRC(微化石リファレンスセンター)
サマースクール集合写真
開催期間:9 月 28 日~30 日
開催場所:ホテル佐勘(仙台、秋保)
仙台市郊外秋保温泉で9月28日~30日の3日間、国際シンポジウム"Interface
Mineralogy"(Chair: A. Putnis and K. Tsukamoto)が開催され8カ国から37名の参加者
が集まり成功裏のうちに終了しました。これは、2006 年8月に開催される IMA-Kobe
2006 の結晶成長セッションのプレミーティングとして開催されたものであるだけで
なく、鉱物、結晶成長分野、地球化学分野、生命科学における固液界面現象を分子レ
ベルで総合的に理解しようという新しい試みのスタートでもあります。今回のシンポ
ジウムを機に今後の継続も合意されました。シンポジウムでは1時間の講演時間のう
ち30分は討論の時間にあてたのでレベルの高い議論が行われました。
詳細→
http://www.ganko.tohoku.ac.jp/shigen/html_tsukamoto/Interface_mineralogy/index.html
集 合 写 真
講 演 風 景
地球電磁気・地球惑星圏学会
Society of Geomagnetism and Earth, Planetary and Space Sciences
(SGEPSS)
第 118 回総会・講演会プログラム
日時 2005年9月28日(水)∼ 10月1日(土)
場所 京都大学百周年時計台記念館
〒606-8501 京都市左京区吉田本町
協賛: 東北大学21世紀COE
東京大学21世紀COE
名古屋大学21世紀COE
京都大学21世紀COE
神戸大学21世紀COE
京都大学 生存圏研究所
9 : 20−10 : 50
9
10
11
12
13 : 40−15 : 10
13
14
A
15 : 20−16: 50 17 : 00−18 : 00
15
16
17
B
磁気圏
磁気圏
C
大気圏・電離圏
大気圏・電離圏
A
C
大気圏・電離圏
D
地磁気・古地磁気・岩石磁気
9月30日(金)
特別セッション:
宇宙進出とSTP科学の接点
A
ポスターセッション2
B
磁気圏
A
C
C
19
20
学会将来構想WG
(会議室I)
ポスターセッション1
B
B
18
宇宙プラズマ理論・シミュレーション
10月1日
(土)
9月29日(木)
9月28日(水)
会場
11 : 00−12 : 30
「先端地球科学技術
地球 未来像創出」
「多圏地球
進化 変動 予測可能性」
「太陽・地球・生命圏相互作用系 変動学」
「活地球圏 変動解明」
「惑星系 起源 進化」
太陽圏
磁気圏
大気圏・電離圏
地磁気・
古地磁気・岩石磁気
田中舘賞 特別
受賞記念 講演会
講演会
総会
(百周年記念ホール)
(百周年記念ホール)
惑星圏
磁気圏
地球・惑星内部電磁気学
惑星圏
宇宙天気・宇宙気候
宇宙天気・宇宙気候
特別セッション:
SGEPSSにおける小型衛星の可能性
A会場:国際交流ホール I B会場:国際交流ホール II C会場:国際交流ホール III D会場:会議室 III
(会場の建物は9時に開きます。朝のセッションに参加される方はご注意ください。)
−
評議員会
(会議室II)
懇親会
(国際交流ホールII・III)
3rd International Workshop
on
WATER DYNAMICS
The Role of Water in Earth Processes, Origin of Life, Energy & Material Design
2005/ November
16
-17
(Wed.)
(Thu.)
Important deadlines
Registration / Abstract : 16 Sep. 12:00 (local time, GMT+9h)
Proceedings :
14 Oct. 12:00 (local time, GMT+9h)
Sendai International Center
Graduate School of Environmental Studies
TOHOKU UNIVERSITY
21st Century COE Program
“Flow Dynamics International Research Educational Base”
“Advanced Science and Technology Center for the Dynamic Earth”
Program
3rd International Workshop on WATER DYNAMICS
Date:
16-17 November,2005
Location: Sendai International Center, SENDAI, JAPAN
* Plenary and Invited lecture : Room "HAGI"
* Poster session : Room 4 & 5
* Registant Index for Poster Presentation
16 Nov (Wed)
9:30-9:55
Poster preparation
10:00
Opening
10:00-10:05
Welcome
Prof. K. Tohji
10:05-10:10
Welcome
Prof. S. Maruyama
10:10-10:15
Welcome
Prof. E. Ohtani
10:20-10:50
Plenary 1
Prof. N. Tsuchiya
Chemical Reaction
Diversity of Geofluid
Prof. D. Elsworth
Stress- and ChemistryMediated Changes in the
Mechanical and Transport
Properties of Porous and
Fractured Rocks:
Observations and Some
Unanswered Questions
10:55-11:25
Invited 1
11:30-12:30
Poster Oral
12:30-13:30
Lunch
13:30-14:40
Poster
14:45-15:15
Invited 2
2min presentation
Prof. P.Grathwhol
Natural Attenuation in
Contaminated Groundwater:
Role of Mass Transfer and
Biochemical Processes
15:20-15:50
Invited 3
15:50-16:05
Break
16:05-16:35
Invited 4
16:40-17:10
Invited 5
18:00
Banquet
Dr.S.Hanada
Search for Unknown
Bacteria in Hot Springs and
Geothermal Aquifer
Prof. N.Shikazono
Water-Rock Interaction,
Mass Transfer and Ore
Formation In Hydrothermal
Systems
Dr. Cornel E.J.de Ronde
Submarine Venting
Associated with the
Kermadec Intra-Oceanic
Arc: a Shallow- to Midwater Source of
Hydrothermal Emissions
and Seafloor Mineralization
Washington Hotel Olive Room
Water DynamicsⅢ 集合写真
17 Nov (Thu)
9:30-10:00
Plenary 2
Prof. E.Ohtani
Effect of Water on Mantle and Core
Dynamics
10:05-10:35
Invited 6
Dr. H. K. Mao
Physics and Chemistry of H2O in
Extensive Pressure and Temperature
10:40-11:10
Invited 7
Dr. Y.Cai
11:10-11:20
Break
11:20-11:50
Invited 8
11:50-12:45
Poster Oral
12:45-13:30
Lunch
13:30-14:25
Poster
14:30-15:00
Plenary 3
15:05-15:35
Invited 9
15:35-15:50
Break
15:50-16:20
Invited 10
16:25-16:55
Invited 11
16:55
Closing
Prof. Y. Fukai
Inelastic X-ray Scattering Studies of Ices
Under High-Pressure and LowTemperature
The Metal-Hydrogen System under
Extended P, T Conditions
2min presentation
Prof. K. Tohji
Hydrogen Production from Water using
Sulfur Circulation
Prof. T.Mizota
Effective Use of Low Temperature Heat
Sources by Using Confined State of
Water in Various Microporous
Absorbents
Prof. R.Secco
Effects of Water on Charge Transport in
LTA Zeolites at High Pressure
Prof. M.Yoshimura
Hydrothermal Processing for
Ceramics(Artificial Minerals,Inorganic
Materials) with Desired Shapes,Sizes and
Locations
開催日時:2005年11月16~17日
開催場所: 仙台国際センター
ポスター発表数:44
参加人数: 150名
CATEGORY A : Water and Materials
"Can in-depth understanding of water rejuvenate Material science?"
CATEGORY B : Water in Earth Science
"Diversity of Water and C-O-H Species in Solid Earth System"
CATEGORY C : Water and Geo/Biosphere Informatics
"Diversith and Activity of Microbes in Subsurface Water"
「みず」を軸に,環境材料,エネルギー,地球プロセス,生態など多元的な分野を横
断的に網羅する野心的な国際ワークショップを企画・主催(組織委員長
プログラム委員長
田路和幸教授,
土屋範芳教授)しました.この国際ワークショップは,東北大学の
2つの21世紀 COE プログラム
(先端地球科学技術による地球の未来像創出(代表
大
谷栄治
流
理学研究科
体科学研究所
教授)
,流動ダイナミクス国際研究教育拠点(代表
圓山重直
教授)
)からの財政支援を受け,それぞれの COE プログラムがフォロ
ーする研究分野を「みず」をキーマテリアルとしてクロスオーバーさせ,
「みず」と「環
境」を包括する新たな学問分野の創出を目指しています.
Water Dynamics 国際ワークショップ集会は既に2回開催されており(第1回
004年3月17日~19日
青葉記念会館,第2回
2
2004年11月11,12日
仙台国際センター),第3回目は2005年11月16,17日に第二回と同じく仙台
国際センターで開催されました.過去二回のワークショップでは,各分野からの
Plenary 講演と招待講演,および国内外から応募のあった研究発表から構成され,各個
別研究はポスターとして発表してもらいました.今回は,東北大学の直接の関係者(田
路教授,大谷教授,土屋教授)を Plenary 講演者とし,これに加えて11名の招待講演
者を加え,Water Dynamics 集会のコンセプトをより明快にし,またこの集会に関わる
東北大の研究コンセプトとアクティビティーを示しました.
ワークショップホームページからさらに詳細な情報を得ることができます.
第1回:http://www.kankyo.tohoku.ac.jp/WD/
第2回:http://er.kankyo.tohoku.ac.jp/WD/
第3回:http://er.kankyo.tohoku.ac.jp/WD3/index.html
Ozone workshop in Matsushima, 22-23 February 2006
Ozone workshop in Matsushima, 22-23 February 2006
- Day 1, 22 February Session 1: Ozone hole, polar vortex
13:40-14:10
“Antarctic denitrification and ozone loss in 2003 observed by ILAS-II onboard the ADEOS-II”
*Hideaki Nakajima (Natl Inst. Environ. Studies)
14:10-14:40
“Three dimensional structure of Antarctic ozone recovery processes revealed by balloon and satellite
observations”
*Kaoru Sato (Univ. Tokyo)
14:40-15:10
“Isolation of the polar vortex estimated by a trajectory analysis of time threshold diagnostics”
*Hiroshi Kanzawa (Nagoya Univ.) and Seiji Sugata (Natl Inst. Environ. Studies)
15:10-15:40
“Vertical and meridional transport in the polar stratosphere in winter/spring using three-dimensional
multi-particle trajectory and equivalent latitude - potential temperature coordinates”
Toshihiro Yahagi (Tohoku Univ.), Hideaki Nakane (Natl Inst. Environ. Studies), *Isao Murata
(Tohoku Univ.), Hiroshi Fukunishi (Tohoku Univ.) and Izumi Ikeuchi (Fujitsu FIP)
15:40-16:00 Coffee break
Session 2: Chemistry/climate modeling
16:00-16:30
“Analysis of mean vertical velocities around the polar vortex with various methods using a global
model data”
*Kazuyuki Miyazaki and Toshiki Iwasaki (Tohoku Univ.)
16:30-17:00
“Preliminary results of the CCMVal scenario runs by MRI-CCM (I): long-term signals”
*Makoto Deushi and Kiyotaka Shibata (Meteorological Research Institute)
17:00-17:30
“Preliminary results of the CCMVal scenario runs by MRI-CCM (II): QBO, volcanic, and solar
signals”
*Kiyotaka Shibata and Makoto Deushi (Meteorological Research Institute)
17:30-18:00
“Changes in the Brewer-Dobson circulation due to the increased CO2”
*Chihiro Kodama, Toshiki Iwasaki (Tohoku Univ.), Kiyotaka Shibata, and Seiji Yukimoto
(Meteorological Research Institute)
- Day 2, 23 February Session 3: Long-term variations
8:50-9:30
"Recent decreases in stratospheric water vapor: links to changes in the tropical tropopause and the
Brewer-Dobson circulation"
*William Randel (National Center for Atmospheric Research)
9:30-10:00
“Long-term trend of stratospheric ozone over Japan with the implication in the changes of Northern
polar vortex”
*Fumio Hasebe and Yu Yoshikura# (Hokkaido University)
# present affiliation: Mazda Motor Corporation
10:00-10:30
“Background aerosol measured from SAGE II - Seasonal cycle and quasi-biennial oscillation (QBO)
–“
*Masanori Niwano (FRCGC/JAMSTEC), Hideharu Akiyoshi (NIES), Masaaki Takahashi
(CCSR/Univ. Tokyo, FRCGC/JAMSTEC), Nozomi Furuya (Matsushita Elect. Com.), and Sachiko
Hayashida (Nara Women's Univ.)
10:30-10:40 Coffee break
Session 4: Stratospheric dynamics, circulation
10:40-11:10
“Modified Lagrangian-Mean analysis of the stratospheric circulation”
*Yoshihiro Tomikawa (National Institute of Polar Research)
11:10-11:40
“Global energy conversion diagnosis based on wave-mean-flow interactions and its application to
the global warming simulation”
*Toshiki Iwasaki, Chihiro Kodama, Yasushi Mochizuki (Tohoku Univ.), Kiyotaka Shibata and
Masayuki Yukimoto (Meteorological Research Institute)
「Ozone in the future」成果報告
開催日時:2006 年 2 月 22 日~23 日
開催場所:パレス松洲(宮城、松島)
2006 年 2 月 22 日から 23 日に、宮城県松島町のパレス松洲において国際
ワークショップ「Ozone in the future」を開催しました。このワークショッ
プは、成層圏大気科学において第一線で活躍されている研究者 Dr. William
Randel(米国立大気研究センター) が COE 招聘研究者として本学に滞在し
ている機会を利用して開催されました。ワークショップには、Randel 氏に
加えて成層圏大気科学に携わる国内の著名な研究者に数多く参加していただ
きました。12 名の研究者にご講演をお願いし、
「成層圏オゾン」、
「大気波動」
をキーワードに、数値モデルおよび観測に基づく最先端の研究成果を紹介し
ていただきました。ワークショップを通して活発な議論が交わされ、非常に
有意義なワークショップとなりました。
会議のプログラムおよびアブストラクトは以下のサイトでご覧下さい。
http://wind.geophys.tohoku.ac.jp/~kmiyaz/ozone_ws.pdf
(ワークショップの様子)
第7回
東北大学惑星プラズマ・大気研究センター
惑星圏研究会
日時:平成 18 年 3 月 2 日 13:00-18:00、3 日 9:00-16:30
場所:東北大学青葉記念会館 4 階 大研修室
共催
東北大学大学院理学研究科 地球物理学専攻 太陽惑星空間物理学講座
東北大学 21 世紀 COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創出」
■ お問い合わせ
〒980-8578
仙台市青葉区荒巻字青葉
東北大学大学院理学研究科惑星プラズマ・大気研究センター
森岡 昭:Tel:022-217-6735 morioka@pparc.geophys.tohoku.ac.jp
岡野 章一:Tel:022-217-6367 okano@pparc.geophys.tohoku.ac.jp
土屋 史紀:Tel:022-217-6738 tsuchiya@pparc.geophys.tohoku.ac.jp
プログラム
3月2日
講演者
時間
講演題目
13:00
世話人あいさつ
13:05
BepiColombo ミッションの現況
早川 基(JAXA/ISAS)
13:20
水星磁気圏探査機MMOのデータ取得計
笠羽康正、早川 基、高島 健(JAXA/ISAS)
画~MMO-SWGへ向けた叩き台案~
13:35
Bepicolomb 計画による水星大気探査
吉川一朗(東京大学)
13:55
水星大気の生成メカニズムに関する研究
彦坂健太郎(東京大学)
14:10
水星大気光撮像用温度調節型ファブリペ
亀田真吾(東京大学)
ロー干渉計の熱真空試験結果
14:25
BepiColombo 水星探査計画における紫外
吉岡和夫(東京大学)
線分光観測装置の開発
14:40
磁気圏対流によって駆動される磁気圏界
寺田直樹(NiCT)、関華奈子(名大 STE 研)、藤本正
面 K-H 不安 定性の絶対成長
樹(JAXA/ISAS)、荻野竜樹(名大 STE 研)、品川裕
之(NiCT)、 松本洋介(名大 STE 研)、D. C.
Delcourt(CETP, France)、田中高史(九州大学)
14:55
休憩
15:15
石垣島天文台の建設状況
渡部潤一(国立天文台)
15:35
ハワイ・ハレアカラでの惑星観測天文台の
岡野章一(東北大学)
新設
15:50
惑星観測用気球搭載望遠鏡
田口 真(国立極地研究所)
16:10
木星オーロラ ~理解はどこまで進んだか
佐藤毅彦(熊本大学)
~
16:30
650-1000nm 帯液晶可変フィルターを用い
松浦浩美、高橋幸弘、福西 浩(東北大学)
た雲頂高度分布のスペクトルイメージング
16:45
17:00
1 次元電流回路モデルによる木星熱圏・
垰 千尋、藤原 均、平木康隆、福西 浩(東北大
電離圏-磁気圏結合過程の考察
学)
イオプラズマトーラスでのマスローディイン
鍵谷将人(東北大学)
グの変動(2004~2005 年)
17:15
高分散分光観測によるイオ起源ナトリウ
青井一紘(東北大学)
ム原子の放出メカニズムとその変動
18:00
懇親会
3月3日
時間
講演題目
講演者
9:00
PLANET-C の現状と世界における金星探
今村 剛(JAXA/ISAS)、PLANET-C チーム
査の動向
9:15
火星大気散逸について
寺田直樹(NiCT)
9:35
金星昼面 1.7μm 分光による雲上 HCl・
岩上直幹、大月祥子、大平紀幸(東京大学)
H2O 定量計画
9:50
すばる望遠鏡による金星赤外撮像
三津山和朗(東京大学)
10:05
IRTF/CSHELL による金星 O2 夜間大気光 大月祥子(東京大学)
の観測
10:20
休憩
10:40
惑星大気観測のための赤外撮像装置の
高橋香代子(東北大学)
開発
10:55
(未定)
高橋幸弘(東北大学)
11:10
惑星・地球大気からのγ線発光検出につ
高島 健(JAXA/ISAS)
いて
11:25
セレーネ衛星による地球周辺プラズマ撮
山崎敦(東北大学)、吉岡 和夫、村上 豪、吉川
像観測計画
一朗(東京大)、三宅 亙 (NiCT)、中村 正人
(JAXA/ISAS)、SELENE/UPI チーム
11:40
昼食
13:00
ソーラーセール計画・木星小オービターの
笠羽康正(JAXA/ISAS)、三澤浩昭(東北大学)、高
検討現状
島 健(JAXA/ISAS)、木星小オービターサブ WG、
ソーラーセール WG
13:15
モジュレーションレーン法で発見された木
今井一雅(高知高専)
星電波アクティブ領域
13:40
電波観測から求めた木星極域電離圏の
三澤浩昭、森岡 昭(東北大学)、野澤宏大(立教
姿
大学)、土屋史紀(東北大学)
有孔虫・放散虫合同研究集会
第4回有孔虫研究集会
第9回放散虫研究集会
於:緑水亭(仙台市)・東北大学青葉山キャンパス
(2006年2月28日−3月3日)
主催:東北大学理学部地圏環境科学教室
大阪微化石研究会
有孔虫研究会
共催:東北大学 21COEプログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創出」
プログラム概要
【2月28日火曜日】
放散虫教科書編集委員会(16:00―17:30)
有孔虫研究会幹事会議(1 6:00―17:30)
【3月1日水曜日】
個人講演(放散虫の部)
(9:00−16:30)
個人講演(有孔虫の部)
(9:00―17:00)
ポスター・セッション (コアタイム12:30−13:30)
大阪微化石研究会ビジネスミーティング(16:40−17:40)
有孔虫研究会ビジネスミーティング(16:20­17:40)
合同懇親会(19:30−21:30)
【3月2日木曜日】
有孔虫・放散虫合同シンポジウム (9:00−17:10)
合同ビジネスミーティング(17:20−18:00)
【3月3日金曜日】
開催校企画(10:00−12:00)
3月3日につきましては,東北大学理学部自然史標本館を無料見学できるようにします(会場で配布する名札持参
のこと)
.
I
開催日時:2006 年 2 月 28 日~3 月 3 日
場
所:緑水亭(秋保町)・東北大学青葉山キャンパス
2006 年2月 28 日から3月3日にかけて,仙台市秋保と東北大学青葉山キャンパスで,有
孔虫・放散虫合同研究集会が開かれました.有孔虫と放散虫は IODP をはじめとする地球科学
分野において,年代決定や古環境解析解析の重要な位置づけにあり,本集会は最新の成果を
報告・討論するものです.東北大学理学部地圏環境科学教室・第9回放散虫研究集会・第4
回有孔虫研究集会主催,東北大学 21COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像
創出」共催で開かれました.
この合同集会には,北は北海道教育大学岩見沢校から南は鹿児島大学までの教員・学生あ
わせて 60 余名が参加しました.2月28日には有孔虫・放散虫の研究者がそれぞれ将来像に
ついての打ち合わせを行いました.3月1日は,有孔虫,放散虫と分かれて学会講演がおこ
なわれ,あわせて 21 講演が紹介されました.放散虫分野では,ペルム紀末の大量絶滅直後の
放散虫群集,白亜紀から中新世にかけての放散虫深度分布などが紹介されました.有孔虫分
野では有明海,八代海,鹿児島湾などの内湾域の現在の海洋環境と底生有孔虫の応答関係や,
レーザーアブレーション ICP-MS など新技術を用いて殻の微量元素分布を調べて,古環境解析
の基礎をつくる創生技術の紹介がおこなわれました.ポスターセッションは6件おこなわれ,
若手研究者の熱意ある説明・討論が繰り広げられておりました.
3月2日は,合同セッションが開かれ,第1部で「有孔虫と放散虫の最先端研究の一例」
,
第2部では「微化石データベースのありかたを探る」
,第3部で「微化石分野間の交流と将来
像」というテーマで合計9件のご講演がありました.微化石分野における先端地球科学技術
と未来像の創出に相応しい講演が続き,活発に議論がおこなわれました.
当大学の地学専攻地圏進化学講座には,微化石の父,エーレンベルグ博士が 120-170 年前
に採集した試料や退官された教授達が蒐集した貴重な微化石標本が多数所蔵されているので,
3月3日は,東北大学青葉山キャンパスの地学棟に移動し,観察や持参した標本との比較検
討会を行ない,研究者のスキルアップがはかられた.参加者は充実した研究標本に圧倒され
ていました.
有孔虫分野と放散虫分野が合同で研究集会を開いたのは初めてのことでした.今後は,さ
らに発展させ,ケイソウや石灰質ナンノ化石などほかの微化石分野も交えた研究集会を開い
て行きたいと考えています.
講演風景
研究・教育活動
Ⅰ. 教育プログラムと教育支援活動
【教育活動実績】
若手研究者の育成は、本拠点における最重要課題の一つである。そのため、若手研
究者育成のための運営組織として(拠点に)関係するすべての専攻の教務担当教員
と若手教員からなる教育運営委員会を設けて、以下に述べるような様々な大学院生、
PD、若手教員への支援プログラムを実施した。
先端地球惑星科学拠点大学院コース
地学・地球物理学の融合と理学・工学連携の目的を実現するカリキュラムの構築をめ
ざして設置した、地学・地球物理学専攻の大学院博士課程(前期・後期)コースを併せ
た「先端地球惑星科学拠点大学院コース」では、地学・地球物理学・環境科学の3専
攻の専門科目をそれぞれの学生便覧に関連科目として記載することで、相互の単位
取得を可能にしている。また、国内外の研究機関・大学での活躍ならびにフィールド
ワークを奨励するため、授業科目としてインターンシップ研修を導入し単位認定を行
った(平成16年度院学生便覧を改訂)。自分の所属とは異なる研究科の講義も関連
科目指定制度を用いて履修可能としている。こうした、講義に関しての専攻間、研究
科間の乗り入れや、理工連携のシステムは、東北大学においても本COEに特有のも
のである。
また、博士課程後期3年の大学院生の指導に当たっては、各大学院生に対して(原
則として分野横断型の)複数の構成メンバーからなるアドバイザリーボードを設置を
昨年度に引き続き行った。また国内の優秀な研究者を招いたり、外国人フェローによ
ってCOE用の新しい講義も開設した。
先端地球惑星科学特別(特殊)講義1(杉田精司)1単位
先端地球惑星科学特別(特殊)講義3(リタソフ)1単位
地圏環境科学特選科目4(横山拓典)1単位
国際化を目指した先端理学国際コース
理学研究科には、外国人留学生の積極的な受け入れを目指した先端理学国際コー
ス(IGPAS)が2004年10月より設置されており、本拠点の地学・地物2専攻は、平
成16年度秋学期より入学者の受け入れを開始している。これは理学研究科関係の
COEが主体になって、外国人学生を受け入れ、講義、研究指導をすべて英語で行う
プログラムであるが、これにより理学研究科の国際化を計ると同時に、本COEの国
際交流、ならびに日本人学生の国際化にも大いに寄与している。先端理学国際コー
スには、文部科学省が滞在費を保証する国費留学生制度と、理学研究科が奨学金
を授与する複数のサポート体制が敷かれている。2005年度、本COE関係では、国
費留学生が2名、理学研究科奨学生として1名が採用されている。これに関連し、
(A) Origin of the Earth and Life 1(2単位)
(B) Origin of the Earth and Life 2(2単位)
(C) Mineral and Rock Science 1(2単位)
(D) Mineral and Rock Science 3(2単位)
(E) Advanced Lecture on Solid Earth Physics(2単位)
(F) Atmospheric Science(2単位)
(G) Seminar(2単位)
(H)地球科学特別講義2(2単位)
といった英語による授業が開講された。講義は、日本人教員と外国人招聘研究者に
よって行われている。先端地球惑星科学拠点大学院コースの一貫としても、これらの
講義を開講しており、日本人受講者にも単位を出している。その他にも、短期招聘外
国人研究者によるセミナー(先端地球惑星科学セミナー、2005年度延べ50回)や長
期招聘外国人教員(4名)による講義、招聘外国人研究者によるサマースクール(6名
の外国人研究者によって2日間開催、延べ130人の大学院生が受講)等を実施して
いる。もちろん、これらの招聘外国人研究者と大学院生・若手研究者との講義以外で
の個人的な議論、付き合いは日常的になされている。
若手研究者による国際会議企画プログラム
2005年7月開催の国際シンポジウム「固体地球における時空間的ゆらぎ-地球の
未来像創出を目指して」及びサマースクール、2005年11月開催の国際ワークショッ
プ「Water Dynamics 3」については、若手研究者が中心になって企画した。また、200
6年度開催予定の流体地球系国際シンポジウムについても、招聘研究者の決定や、
来日依頼の折衝などを、若手研究者よりなる実行委員会のもとで、実施している。
博士課程後期学生支援プログラム
博士課程後期3年の課程の院生をRAとして雇用し(5万円/月)、研究の実践をサポ
ートするとともに、教育実践の経験を充分に踏めるよう、配慮している(2003年度58
名、2004年度69名、2005年度65名を雇用)。その中から特に卓越した院生(スー
パードクター(SDC)を選抜(2003年度6名、2004年度9名、2005年度15名)し、
通常の2倍額のRA雇用(10万円/月)を行い、優れた若手研究者の研究の進展を、
さらに重点的に支援している(平成15年度より実施)。SDCの選定にあたっては、英
文論文(査読付き)の質と数、国際会議での発表実績、COE研究への貢献度、将来
研究リーダーとして活躍できるか等、を選考基準としている。
若手研究者海外派遣プログラム
7名のPD及び若手教員を海外の研究拠点(コロラド州立大学、ウィスコンシン大学、
アルゴンヌ国立研究所、米国地質調査所、スクリップス海洋研究所等)に派遣して、こ
れらの研究拠点との共同研究を推進している。また、博士課程後期大学院生、COE
研究員(PD)に対して、国際学会での発表のための旅費支援を行っている。PD全員
に、外国出張旅費の支給、博士課程後期学生には、2003年度9名、2004年度25
名、2005年度32名に対して、国際学会での発表のための旅費支援を行っている。
若手教員による研究者招聘プログラム
本COE拠点の運営組織である教育運営委員会と研究運営委員会の委員には、若手
教員を積極的に登用し、招聘研究者の決定等に参加させている。それによって、若手
研究者の研究方向に沿った海外研究者の招聘を可能にするとともに、それを契機と
した若手研究者による海外拠点との国際共同研究の推進を後押ししている(カリフォ
ルニア大学、ワシントン大学等)。
若手研究者連携・交流プログラム
PDやSDCを中心に企画する分野横断ミニシンポジウム(PDセミナー)、専攻横断の
ミニシンポジウムを定例化し、若手研究者による異分野間での研究交流を推進してい
る。
COE研究員(PD)、若手研究者への連携・融合研究支援プログラム
若手の助手やCOE研究員(PD)への研究費の補助(研究費50万円/年、国際会議
出席旅費25万円/年を支給)、ならびに、公募による若手研究者への連携融合研究
費の支援を行ない(2003年度300万円×11件、2005年度13件総額840万)、多
くの成果を挙げている。
その他
以上のようなプログラムの推進によって、大学院生を含む若手研究者の研究のポテ
ンシャルが次第に増加している。例えば、若手研究者による研究奨励賞(高圧学会、
井上財団、農業気象学会)授与や、国際会議でのポスター賞(AGU他)授与等が認
められ、また、SDCやPDからの助手採用、エール大学等、海外の拠点研究機関へ
の博士研究員としての転出などが認められ、若手研究者の流動性が増している。ま
た、学術振興会特別研究員もコンスタントに採用されている(2003年度14名、200
4年度13名、2005年度14名)。これらに関する具体的な事例は、本報告書に掲載
されている通りである。
【教育支援活動】
平成 17 年度 特待大学院生
平成 17 年度の特待大学院生(SDC)を以下の通り決定しました.
選考過程と結果
本COE拠点を構成する部局に所属する,大学院博士課程後期の大学院生を対象として公募し
ました.49名の応募者のなかから
(1)研究の意義と重要性,
(2)英文論文の発表実績,
(3)国際学会における発表の実績,
(4)研究の目的が本COEの方向性と合致するか,
(5)将来的に研究リーダーとして活躍が期待できるか,
の5つの基準に則り厳正に審査した結果,以下の 15 名の方々を特待大学院生(SDC)として選
考するに至り,6 月 1 日付で発令し、その後,7 月 1 日付けで、発令の追加を行いました.
(順不同,敬称略.カッコ内は,専攻・学年,所属研究グループ,受入教員名)
佐野 亜沙美 (地学専攻 博士後期2年,固体地球/核マントル,大谷 栄治)
野澤 純 (地学専攻 博士後期1年,固体地球/核マントル,塚本 勝男)
植原 稔 (地学専攻 博士後期1年,固体地球/地震火山,中村 教博)
川田 祐介 (地学専攻 博士後期2年,固体地球/地震火山,長濱 裕幸)
前野 深 (地学専攻 博士後期3年,固体地球/地震火山,谷口 宏充)
山田 亮一 (地学専攻 博士後期3年,固体地球/地震火山,吉田 武義)
高橋 努 (地球物理学専攻 博士後期3年,固体地球/地震火山,佐藤 春夫)
渡邉 則昭 (環境科学専攻 博士後期2年,固体地球/地震火山,土屋 範芳)
小嶋 正也 (地球物理学専攻 博士後期1年,流体地球・惑星圏/気候変動,浅野 正二)(~H17.9)
杉本 周作 (地球物理学専攻 博士後期1年,流体地球・惑星圏/気候変動,花輪 公雄)
堀井 孝憲 (地球物理学専攻 博士後期3年,流体地球・惑星圏/気候変動,花輪 公雄)
平木 康隆 (地球物理学専攻 博士後期2年,流体地球・惑星圏/太陽地球系,福西 浩)
吉田 純 (地球物理学専攻 博士後期3年,流体地球・惑星圏/太陽地球系,福西 浩)
酒井 孝幸 (地学専攻 博士後期3年,地球進化史,箕浦 幸治)
川内 義一郎 (環境科学専攻 博士後期3年,地球進化史,井奥 洪二)(H17.7~)
平成 17 年度 リサーチアシスタント
平成 17 年度のリサーチアシスタント(RA)を以下の通り決定しました.
選考過程と結果
本COE拠点を構成する部局に所属する,大学院博士課程後期の大学院生を対象として公募し
ました.選考の結果,本COEのプロジェクトメンバーの研究を支援していただくリサーチアシスタ
ント(RA)として,今年度は次の方々(順不同,学年・敬称略)の採用を決定し、6 月 1 日付けで発
令しました.その後,7 月 1 日付及び 8 月 1 日付・9 月 1 日付 11 月 1 日付けで、発令の追加を
行いました.
<地学専攻>
遠藤尚, 石川仁子, 石川弘真, 内田良始, 大金薫, 神谷敏詩, 川添貴章,
Khobaer T.M., 紺谷和生, 境毅, 蘇徳斯琴, 千代延俊, 津野究成, 中倉隆雄,
長嶋剣, 中村一輝, 中村隆志, 中村亮(H17.8~), 畠田健太朗, 森下信人, 山
本和幸, 吉田明弘
<地球物理学専攻>
小淵保幸, Kombiyil Raj Mohan, 齊藤寛子, 沢田雅洋, 高村近子, 張霞, 覃慧
玲, 坪内崇真, 中岡慎一郎, 野村詩穂, 萩原雄一朗, 服部友則, 八木晃司,
八代尚, 矢吹崇, 山本揚二朗, 若林誠, Kalaee Mohammad Javad(H17.11~)
<環境科学専攻>
阿部淳, 株田知到, 高橋唯, 浜崎考(H17.9~), 晴山渉, 村上節明(H17.7~),
山本信(~H17.8), 横澤和憲, 吉田敬, 李志霞
大学院生 国際学会参加旅費支援プログラム
大学院博士後期課程の学生を対象として、海外で開催される国際学会への参加を促進す
る旅費支援プログラムを実施しました。 (支援一覧は次ページ)
平成17年度 大学院生国際学会参加旅費支援一覧
氏名
山田 亮一
Ryoichi YAMADA
専攻
地学
指導教官
吉田 武義
川田 祐介
Yusuke KAWADA
地学
長濱 裕幸
3
中村 亮
Ryo NAKAMURA
地学
大谷 栄治
Vienna
(Austria)
General
Assembly of
EGU 2005
4
千代延 俊
Shun CHIYONOBU
地学
尾田 太良
Bremen
(Germany)
IODP Expedition
303 Sample Mtg.
5
沢田 雅洋
Masahiro SAWADA
地物
岩崎 俊樹
Beijing
(China)
IAMAS 2005
6
ロスビンタルティ・カルティカ・レスタリ
地物
岩崎 俊樹
Beijing
(China)
IAMAS 2005
A GCM Study on the Roles of the Seasonal Marches of the SST and
Land-Sea Heat Contrast in the Onset of the Asian Summer Monsoon
「モンスーンシステムの力学と変動とその気候への影響」
Liquid immiscibility of Fe-FeO and Fe-FeO-FeS system at high pressure
and implication for the terrestrial planets
「高圧下における Fe-FeO 系とFe-FeO-FeS 系の液相不混和と地球型惑星への適用」
1
2
開催地
Suntec
(Singapore)
Vienna (Austria)
学会名
AOGS 2nd
Annual Meeting
General Assembly of
EGU 2005 & DRT2005
Zurich (Switzerland)
Rosbintarti Kartika Lestari
発 表 演 題
Volcanic sequence related to Kuroko mineralization concerning with the island-arc
development process in the northeast Honshu arc、Japan
「東北本州弧の島弧発達過程に関連した黒鉱鉱化作用の火山活動」
①Scaled Langevin equation and the inversion for viscoelastic behaviour of rocks
「岩石の粘弾性挙動に対するスケール化されたランジュヴァン方程式とその逆問題」
②Viscoelastic behaviour of rocks, scaled Langevin equation and the inversion
「岩石の粘弾性挙動,スケール化されたランジュヴァン方程式とその逆問題」
High pressure ices and sulfates in Ganymede's subsurface ocean
「ガニメデ内部海中の高圧氷と硫酸塩」
The calcareous nannofossil biostratigraphy on the IODP Expedition 303
「IODP EXP. 303における石灰質ナンノ化石層序」
Roles of cloud physics in development of tropical cyclone
「台風の発達における雲の役割」
7
津野 究成
Kyusei TSUNO
地学
大谷 栄治
Karlsruhe
(Germany)
AIRAPT 2005
8
川添 貴章
Takaaki KAWAZOE
地学
大谷 栄治
Karlsruhe
(Germany)
AIRAPT 2005
9
永関 浩樹
Hiroki NAGASEKI
地学
掛川 武
Siena
(Italy)
18th ECROFI
若林 誠
地物
小野高幸
Toulouse
(France)
IAGA 2005
Wake effects on the plasma density measurement - results of the S310 sounding rocket
observed by using the on-board impedance probe in the ionosphere
「観測ロケットS310搭載のインピーダンスプローブによる、プラズマ密度測定における航跡効果の検
証」
10
Makoto WAKABAYASHI
Solubility of silicon and oxygen in liquid iron coexisting (Mg,Fe)SiO3-perovskite
and implications for core formation
「(Mg,Fe)SiO3-ペロブスカイトと共存する熔融鉄中の珪素と酸素の溶解度と核形成過程への適用」
Quantitative analysis of fluid inclusions by synchrotron x-ray fluorescence
「放射光蛍光X線による流体包有物の定量分析」
11
チン ホイリン
Qin Huiling
地物
川村 宏
Guiling
(China)
Intl. Workshop on
Marine Environmental
Variability in the South
China Sea
Geostationary satellite products and their applications
in the air-sea interaction research
「静止気象衛星から得られる物理量とそれらを活用した大気海洋相互作用研究」
12
野村 詩穂
Shiho NOMURA
地物
森岡 昭
Leicester
(UK)
2005 MOP
Characteristics of long and short term variations of
the Jovian synchrotron radiation at a frequency of 327MHz
「327MHz帯木星シンクロトロン放射の長期及び短期強度変動特性」
杉本 周作
地物
花輪 公雄
Cairns
(Australila)
Dynamic Planet
2005
(惑星力学2005)
Co-located and Remote Reemergence Areas of Winter Sea Surface Temperature
Anomalies
「冬季海面水温偏差の定在および遠隔再出現海域」
堀井 孝憲
Takanori HORII
地物
花輪 公雄
Cairns
(Australila)
Dynamic Planet
2005
(惑星力学2005)
Morphology of El Nino events
「エルニーニョイベントの形態学」
坪内 崇真
地物
須賀 利雄
Cairns
(Australila)
Dynamic Planet
2005
(惑星力学2005)
Long-term Variability of South Pacific Subtropical Mode Water
「南太平洋亜熱帯モード水の長周期変動」
地物
中澤 高清
Broomfield, Colorado
Seventh
International
Carbon Dioxide
Conference
Seventh
International
Carbon Dioxide
Conference
13
Shusaku SUGIMOTO
14
15
Takamasa TSUBOUCHI
16
中岡 慎一郎
( U.S.A)
Shin-Ichiro NAKAOKA
17
18
中澤 高清
張 霞
Xia Zhang
地物
高橋 努
地物
佐藤 春夫
Santiago
(Chile)
IASPEI2005
環境科学
佐藤 源之
Paris
(France)
European Radar
Conference
(ヨーロッパレーダ学
会)
Applications of Polarimetric Interferometric Ground-Based SAR (GB-SAR) System
to Environment Monitoring and Disaster Prevention
「地表設置型合成開口レーダシステム(GB-SAR)の環境計測及び防災への応用」
環境科学
株田 知到
Tomoyuki KABUTA
土屋 範芳
Reno,Nevada
(USA)
Geothermal Resources
Council 2005
Annual Meeting
(GRC2005年年次会議)
Self-Oxidation and Reduction reaction of Sulfur in Seawater for Georeactor and Hydrogen
Generation
「ジオリアクターと水素製造システムのための海水中における硫黄の自己酸化還元反応」
環境科学
土屋 範芳
Reno,Nevada
(USA)
Geothermal Resources
Council 2005
Annual Meeting
(GRC2005年年次会議)
Numerical Estimation of Aperture Structure and Flow Wetted Field in Rock Fracture
「数値シミュレーションによる岩石き裂内における間隙構造と流体流動状態の推定」
地物
花輪 公雄
Exeter
Second International
Workshop on
Advances in the Use
of Historical Marine
Climate Data
(MARCDAT-II)
Long term variation of winter SST field in the Northern Hemisphere
「北半球冬季SST場における長期変動」
Geothermal Resources
Council 2005
Annual Meeting
(GRC2005年年次会議)
Numerical Analysis for Unsteady State Growth Behavior of Hydraulically-Induced Reservoirs
「水圧破砕による人工貯留層の非定常進展挙動の数値解析に関する研究」
浜崎 考
Tadashi HAMASAKI
20
21
渡邉 則昭
Noriaki WATANABE
22
服部 友則
(UK)
Tomonori HATTORI
23
吉田 敬
Kei YOSHIDA
Broomfield, Colorado
( U.S.A)
Tsutomu TAKAHASHI
19
VARIATIONS OF OCEANIC PCO2 AND AIR-SEA CO2 FLUX IN THE GREENLAND SEA AND THE BARENTS SEA
「グリーンランド海とバレンツ海における海洋中二酸化炭素分圧と大気海洋間二酸化炭素フラックスの変動について」
環境科学
林 一夫
Reno,Nevada
(USA)
Temporal variations of the atmospheric CO2 concentration in the southernmost part of
Japan
「日本の最南端における大気中のCO2濃度の時間変動」
SPECTRAL STRUCTURE OF VELOCITY INHOMOGENEITY BENEATH EASTERN HONSHU, JAPAN REVEALED
FROM THE STOCHASTIC INVERSION ANALYSIS OF S-WAVE ENVELOPES
「S波エンベロープのインバージョン解析から推定した東日本下の速度不均質のスペクトル構造」
平成17年度 大学院生国際学会参加旅費支援一覧
24
氏名
専攻
指導教官
開催地
学会名
クバンザ ムンギヤ
地物
佐藤 春夫
San Francisco
American Geophysical
Union fall meeting
2005 (米国地球物理
学会
秋季大会)
American Geophysical
Union fall meeting
2006 (米国地球物理
学会
秋季大会)
American Geophysical
Union fall meeting
2006 (米国地球物理
学会
秋季大会)
American Geophysical
Union fall meeting
2007 (米国地球物理
学会
秋季大会)
Kubanza Mungiya
25
前野 深
(USA)
地学
谷口 宏充
Fukashi MAENO
26
中村一輝
(USA)
地学
谷口 宏充
境 毅
地学
大谷 栄治
Takeshi SAKAI
28
酒井 孝幸
佐野亜沙美
地学
箕浦 幸治
吉田 純
地学
大谷 栄治
畠田健太朗
地物
福西 浩
大金 薫
Kaoru OGANE
Key Largo, Florida
(USA)
Spatiotemporal evolution of pyroclastic density currents and eruption dynamics during
the 6.5 ka caldera-forming eruption, Kikai volcano, Japan
「6.5ka鬼界カルデラ噴火のダイナミクスと火砕性密度流の時空間変化」
Degassing Processes Of Usu 1977 Plinian Eruption: Implications From Its Pumice
Textures
軽石組織から推定する有珠火山1977年プリニアン噴火におけるマグマの脱ガス過程
Chemical reaction between molten iron and MgSiO3 at the core-mantle boundary
condition
核マントル境界条件下における熔融鉄とMgSiO3の化学反応
The 4th International
Symposium on Terrestrial
Environmental Changes in
East Eurasia and Adjacent
Areas
Limnological Response of the Baikal Drainage Basin for Global Climatic Changes
地球気候変化に対するバイカル湖集水域の陸水学的応答
American Geophysical
Union fall meeting
2007 (米国地球物理
学会
秋季大会)
High-pressure and high-temperature stability field of hydrous phase delta-AlOOH
含水鉱物δ-AlOOH相の高温高圧下における安定領域
Chapman Conference -Exploring
Venus as a Terrestrial Planet(チャップマンカンファレンス -地
球型惑星としての金星探査-)
Venusian Visible Nightglow Observation by PLANET-C
PLANET-Cによる金星可視大気光観測
地学
海保 邦夫 Wellington
(New Zealand)
INTERRAD
(国際放散虫
研究集会)
地学
海保 邦夫 Wellington
(New Zealand)
INTERRAD
(国際放散虫
研究集会)
Kentaro HATAKEDA
32
San Francisco
(USA)
Jun YOSHIDA
31
Gyeongju
(Korea)
Asami SANO
30
San Francisco
(USA)
Takayuki SAKAI
29
San Francisco
(USA)
Kazuki NAKAMURA
27
San Francisco
発 表 演 題
Spatial Distribution of Medium Heterogeneity Beneath Eurasian Continent and Western
Pacific as Revealed From Teleseismic P-coda
「遠地P波から推定されるユーラシア大陸と西太平洋地域下地殻構造の不均質性の
空間分布」
Taxonomy and evolution of Striatojaponocapsa and Praezhamoidellum
(Jurassic three-segmented Nassellaria)
ジュラ紀放散虫Striatojaponocapsa属とPraezhamoidellum属の分類と進化系統
TAXONOMIC REEXAMINATION OF THE DISK-SHAPED RADIOLARIAN SPECIMENS FROM PHILIPPINE SEA IN EHRENBERG COLLECTION
REEXAMINATION OF RADIOLARIAN SPECIMENS OF EHRENBERG COLLECTION
エーレンベルグ・コレクションのフィリピン海より産した円盤状放散虫標本の分類学的再検討
エーレンベルグコレクションの放散虫標本の再検討
平成 17 年度 研究者活動支援
研究者の短期海外派遣を経済支援しました。
-成果報告-
【派遣者氏名】岡本 創(大気海洋変動観測研究センター・助教授)
【派遣先機関と受入研究者】
派遣先機関:Jet Propulsion Laboratory
受入研究者:Dr. Deborah Vane
【派遣時期と期間】
平成 17 年 4 月 26 日から 5 月 1 日(6 日間)
【派遣先における研究活動】
アメリカサンタフェで開催されたJPL Deborah Vane 博士主催の CloudSat 会議に出席し、研究発表を
行うとともに、今後の共同研究の計画について打ち合わせを行った。CloudSat とは、アメリカ NASA が
Earth System Science Pathfinder (ESSP) program のひとつとして2005年8月に打ち上げ予定である衛
星計画のことである。CloudSat ではミリ波のレーダを搭載して全球を観測することになるが、これは世界
で初めての試みとなる。雲レーダを用いることで雲の鉛直方向に情報が得られるため、従来からある受
動型センサーとは全く異なるサイエンスが達成できると期待されている。我々は、CloudSat 衛星と同期
する形で海洋研究開発機構によって運用される観測船「みらい」に同じ周波数を用いた雲レーダとライ
ダを搭載して、日本とサンディエゴを結ぶ観測航海を実施する予定である。この船舶データを用いて、
CloudSat 衛星の校正実験を行うことを第一の目的としている。またワイオミング大では、航空機を利用
した衛星との同期観測が計画されている。これらの観測計画とデータの早期にわたる検証体制につい
て打ち合わせを行った。今回は
1)
船舶観測データから得られる1次成果物、解析を進めて雲物理量等まで求めた2次成果物等
の決定
2)
船舶と同期した衛星データのクイックルックは、データリリースが開始されてからすぐに、アメリ
カ側から我々のグループに送信。
等について決めることができたことが最大の成果であった。
衛星打ち上げをいよいよ数ヶ月後に控え、会議に出席している研究者全体がある種の興奮状態にあ
ったのが印象の残っている。衛星からもたらされる新しいサイエンスについての豊富を語りながら、ニュ
ーメキシコ名産の非常に辛い食事を楽しんだのもいい思い出となった。
【派遣者氏名】岡田 知己(地球物理学専攻・地震・噴火予知研究観測センター・助手)
【派遣先機関と受入研究者】
派遣先機関:ウィスコンシン大学マディソン校
受入研究者:Clifford. H Thurber 教授
会 議 H P:http://www.agu.org/meetings/sm05/ (THE 2005 AGU JOINT ASSEMBLY)
http://quake.usgs.gov/resources/seminars.php?show=2005_archives
(USGS セミナー, 2005 年 6 月 1 日の項を参照。)
【派遣時期と期間】
平成 17 年 5 月 26 日から 6 月 5 日(11 日間)
【派遣先における研究活動】
今回の派遣の主な目的は、共同研究者のウィスコンシン大学の Clifford. H Thurber 教授、Haijiang
Zhang 研究員と、彼らの開発した最新の地震波速度トモグラフィー法である、ダブル・ディファレンス・トモ
グラフィー法とその応用について議論することである。派遣者はダブル・ディファレンス・トモグラフィー法
を用いて、近年日本に発生した内陸地震・スラブ内地震の震源域周辺の地震波速度構造を求め、地震
発生過程との関連を研究している。今回の派遣により、Clifford. H Thurber 教授と Haijiang Zhang 研究員
と議論を重ね、ダブル・ディファレンス・トモグラフィー法の使用法並びにその解釈について理解を深める
ことができた。また、2004 年の9月にアメリカ・サンアンドレアス断層沿いパークフィールドで発生した地
震やサンアンドレアス断層の掘削計画である SAFOD について、彼らの研究成果に基づく最新の知見を
得ることができた。
また、派遣に際しては、米国ルイジアナ州ニューオリンズで開催された AGU の Joint Assembly に参加
し、2004 年新潟県中越地震の特別セッションで、2004 年新潟県中越地震震源域の速度構造とアスペリ
ティに関する研究発表を行い、関係する研究者と議論した。また、米国カリフォルニア州メンロパークに
ある米国地質調査所においてセミナー発表を行い、関係する研究者と議論することができた。週末には、
ニューマドリッド地震やデスバレーの断層の巡検を行い、多くの知見を得た。
【派遣者氏名】寺﨑 英紀(地学専攻・助手)
【派遣先機関と受入研究者】
派遣先機関:Advanced Photon Source, Argonne National Laboratory
受入研究者:Dr. Yanbin Wang
【派遣時期と期間】
平成 17 年 10 月 23 日から 11 月 9 日(18 日間)
【派遣先における研究活動】
アメリカ合衆国シカゴのアルゴンヌ国立研究所の第3世代大型放射光施設 Advanced Photon Source
において、”Measurement of interfacial tension between Fe-S melt and silicate melt at high pressure
using the sessile drop method”という申請課題で、放射光を用いた高温高圧実験をおこなった。
本研究では、地球中心核の形成プロセスを明らかにすることを目的として、X線トモグラフィーによる
静滴法を用いて高温高圧における鉄合金メルトの表面エネルギーに対する軽元素の影響を定量的に
評価しようという試みで実験をおこなった。通常、高圧実験では試料は圧力媒体に封入されており,放
射光による高輝度X線源が無い限り試料のトモグラフィ像を得ることはできない。APS では Wang 博士
のグループが高温高圧X線トモグラフィの手法を世界に先駆けて開発中である。この手法は,高圧条件
下にある試料を高圧発生装置ごと回転させることにより、試料のそれぞれの角度における試料のラジオ
グラフィー画像が得られる。これら画像を再構築することにより、高圧条件下における3次元情報を得る
ことが可能となる。今回の実験では数種類の組成の Fe-S 試料を溶融させた後急冷し、高圧下での試料
のトモグラフィー画像を得ることができた。
また今回は、本実験のみならず、実際の装置を用いて予め加圧・加熱、回転の予備実験をおこない、
また白色-単色X線の切り替えの立ち上げ作業や他のグループの高圧トモグラフィー実験にも参加させ
てもらった。その結果、実験法や解析法についての問題点や今後の展開などについて多くの情報交換
をすることができた。
Fig.1 大型放射光施設 Advanced Photon Source
Fig.2 トモグラフィー用高圧発生装置
【派遣者氏名】佐藤 源之(東北アジア研究センター・教授)
【派遣先機関】
派遣先機関:アジア工科大学(タイ)
【派遣時期と期間】
平成 17 年 11 月 6 日から 11 月 11 日(6 日間)
【派遣先における研究活動】
2005 年 11 月 7-9 日にタイ・バンコック市郊外に位置するアジア工科大学(AIT :Asia Institute of
Technology)において、地中レーダ計測に関する集中講義を行った。
アジア工科大学(AIT)は東北大学と大学間学術交流協定を有し、本学の多くの教員と交流の深い大
学院大学である。その運営は日本、アメリカなど国際的な援助によるものであり、講義はすべて英語で
行われ、教員も多国籍であり、学生もタイ人の割合は比較的多いものの、アジア各国の出身者が集ま
っている。
タイでは現在アジアハイウエーなど高速道路の建設が進められているが、多雨地域であるため路盤
が軟弱で道路建設後の維持管理に大きな問題があった。そこで、高速・高精度の性質を利用した地中
レーダ(GPR)が導入され、特に舗装路面下の空洞検知に利用が始まった。しかし、実際の利用では多く
の問題に直面し、特にレーダ波形がどのような物理的意味をもつか、本質的な理解無しでは解釈が難
しいとの結論に至った。同様に、タイ資源局でも GPR を導入し、都市部の埋設管、ケーブル検知に利用
しているが、同様の問題を抱えていた。
AIT の Guo 助教授と佐藤は以前より国際会議など通じて交流を行っており、Guo 助教授は 2004 年に
東北大学を訪問している。Guo 助教授は上記の問題について相談を受け、またかねてより専門家を招
聘して開催してきた地下計測に関する社会人、大学院学生を対象とするリカレント教育として GPR 技術
の集中講義を行うことを決めた。また Guo 助教授は直流電気探査を利用した抵抗トモグラフィによる地
下構造イメージング方法(Electric Imaging)について、合わせて講義を行うこととした。
講義に先立ちメールで佐藤と Guo 助教授が講義内容について打ち合わせを行い、シラバスを作成し、
受講者を募った。またシラバスに合わせた講義ノートを作成し、講義に使用するパワーポイントスライド
と合わせて配布用テキストを作成した。
講義は3日間行われた。1日半の GPR の講義に続き、AIT 構内で GPR 実機を使ったフィールドデモ
ンストレーションを実施した。周波数の異なる GPR を利用し、構内の埋設管、暗渠などの検知を試みた。
その後、講義室に戻りデータ解析の実習を行った。GPR は非常に高速なデータ取得ができることが大
きな特長であるが、適切な信号処理と組み合わせることで初めて実効的な利用が可能となる。2日間の
講義では GPR の基礎原理から計測、信号処理までの一連の流れを体系的に講義した。3日目には電
気探査について同様の講義と、データ取得のデモンストレーションを行った。
受講者は20人であり、道路局、資源局での GPR 実務に携わる技術者と AIT 大学院学生、他大学教
員が参加した。実務者は GPR のデータ解釈に多くの問題を抱えており、長時間の質疑応答を通じて、
問題解決の糸口を見つけることができた。大学院学生は実務経験を持たないが、講義を通じて物理探
査手法の一例として、物理的性質に基づく地下計測手法に触れられたのではないかと考える。
GPR 指導風景
AIT 講義棟にて
【派遣者氏名】武田 浩太郎(地学専攻・大学院研究生)
【派遣先機関と受入研究者】
派遣先機関:アメリカ合衆国エール大学,及びスミソニアン国立自然史博物館
受入研究者:エレン・トーマス博士,及びブライアン・ヒューバー博士
【派遣時期と期間】
平成 17 年 12 月 12 日から 12 月 24 日(13 日間)
【派遣先における研究活動】
21 世紀 COE プログラム「先端地球科学技術による地球の未来像創出」による研究者の国外派遣プロ
グラムの支援を受け,2005 年 12 月 12 日から 16 日までエール大学に,同年 12 月 16 日から 24 日まで
スミソニアン国立自然史博物館に滞在した.本派遣の目的は,暁新世/始新世境界事変中の底生有孔
虫群集に特徴的な Quadrimorphina profunda,及び Abyssamina 属種の形態比較のためである.
派遣者(武田)は,エール大学に滞在中に共同研究者であるトーマス博士の持つ暁新世/始新世境
界における底生有孔虫群集の標本のうち,大西洋域(ODP Site 525,527,689,690,1262,1263,1265,
1266)及び太平洋域の ODP
Site 865 の標本スライドを合計 137 枚鏡下で観察し,派遣者の持つ太平
洋域(ODP Site 1209,1210,1211,1212)の標本と比較再検討を行った.鏡下観察から,以下の点が明
らかになった: (1)これまでトーマス博士が Abyssamina 属と同定していた種の中にも Q. profunda が含
まれており,従って(2)暁新世/始新世境界での底生有孔虫群集中の Q. profunda の卓越は,太平洋域
だけではなく大西洋域にも認められた,(3)元々形態的によく似ている Abyssamina poagi,A. quadrata,
Q. profunda の間で,中間的な形態を持つ個体が認められた.また観察した個体の殆どがこれらの種の
原記載とは完全に一致せず,改めて原記載標本(Holotype)との比較が重要となった.そこで派遣者は,
スミソニアン自然史博物館滞在中に Schnitker and Tjalsma (1983)で記載された Abyssamina 属種及び
Q. profunda の原記載標本を鏡下観察し,上述の標本スライドの個体と比較した.その結果,以下の点
が明らかとなった:(1)Abyssamina3 属は,形態が非常にバリエーションに富み,原記載標本と完全に特
徴が一致する個体は非常に少なかった,(2)太平洋域で多産する Q. profunda は,Holotype よりも
Paratype として記載された形態の個体が圧倒的に多かった.
以上の鏡下観察の結果を踏まえ,今後は SEM 写真による微細構造や殻内部の構造の観察比較を
行い,Quadrimorphina profunda 及び Abyssamina 属種の形態比較を進めるとともに,これらの種の暁新
世/始新世境界事変中での振る舞いの地域間の違いを明らかにしていく予定です.
目による観察が研究の出発となる古生物学においては,研究者間での種の同定概念の違いがしば
しばの比較研究の障害となってきました.滞在期間中,標本を目の前にして受入研究者のトーマス博士
とは非常に有意義な議論ができ,共通の種の同定概念を持つ事ができたと思います.
【派遣者氏名】内田 直希(地震・噴火予知研究観測センター・COE フェロー)
【派遣先機関と受入研究者】
派遣先機関:米国地質調査所 (United States Geophysical Survey)
受入研究者:W. L. Ellsworth
【派遣時期と期間】
平成 18 年 1 月 6 日から 2 月 1 日(27 日間)
【派遣先における研究活動】
派遣者の COE 研究課題「相似地震解析に基づくプレート間すべりの時間発展の追跡と非地震性すべ
り領域の検出」には,相似地震(小繰り返し地震)を正確に抽出することが非常に重要である. 本滞在
では,小繰り返し地震研究の第一人者であり,走時差データを用いた精密震源決定法
(double-difference method)の開発者でもある Ellsworth 氏とともに,相似地震と断層上の非地震性すべ
りについて議論をおこない,波形の相関を用いた精密震源決定法を習得した.そしてそれを岩手県釜石
沖の相似地震を含む地震クラスタに適用して,最大地震とその周囲の地震の位置関係の検討を行った.
滞在中には派遣者の研究紹介として,「Repeating Earthquakes and Quasi-Static Slip on the Plate
Boundary East off Honshu, Japan」 と題して Earthquake Hazard Team のセミナーをおこなった.この講演
は,USGS のホームページでその録画が現在も利用可能である.
さらに,陸から離れた地震の震源決定法について,S. Ross 氏と議論を行ったほか,J. Hardebeck 氏,
W. Lee 氏などとの議論により double-difference
震源決定法,古い地震記録の活用方法などに
ついて理解を深めることができた.また本滞在
中には,小ワークショップ等を通じ今後の研究
の発展の上で大変有用な最新の研究成果に
触れることができた.
また,COE 長期招聘研究者である S. H. Kirby
氏と沈み込み帯での地震発生機構についての
共同研究に関して議論をおこなった他,スタン
フォード大学の G. Beroza 氏,J. Rubinstein 氏と
相似地震を用いた地殻構造の時間変化につい
ての共同研究に関して議論を行った.
派遣先の米国地質調査所
【派遣者氏名】上原 裕樹(地球物理学専攻・地球環境物理学講座・COE フェロー)
【派遣先機関と受入研究者】
派遣先機関:Scripps 海洋研究所・ハワイ大学(ともに米国)
受入研究者:D. Roemmich 博士・B. Qiu 博士
会 議 H P:http://iprc.soest.hawaii.edu/meetings/discussions.html
【派遣時期と期間】
平成 18 年 2 月 6 日から 2 月 26 日(21 日間)
【派遣先における研究活動】
米国・サンディエゴ市にある, Scripps 海洋研究所の Roemmich 博士を訪問した. 博士は,
現在進め
ている, 「高密度投下式水深水温計(XBT)観測資料を用いた, 北太平洋亜熱帯循環系を横切る海洋
熱・淡水輸送量評価」という研究課題の共同研究者である. 今回は, これまで得られた研究結果につい
ての議論と成果取りまとめの作業を行った. その中で, 使用した海面熱フラックスデータについての疑
問点や, 貯熱量の季節変化の計算方法などについて, 貴重な意見を頂いた. さらに博士のグループが
行っている熱輸送量評価に関する研究の進捗状況や問題点なども伺う事ができ, 私の研究の推進に
大いに役立つものとなった. また, 同研究所で開発されている, 自動 XBT 投下装置の製作工場にて,
装置の仕組みについて説明をして頂き, 博士が中心メンバーの一人となっている国際アルゴ計画の現
況についても話す機会にも恵まれ, 大変勉強になった.
14 日からは, 米国・ホノルル市にある, ハワイ大学の Qiu 博士を訪ねた. 大学内にある国際太平洋研
究センターのセミナーで「日本南岸における黒潮流軸の流速・位置変動に対する, 黒潮再循環域の中
規模渦の影響」という題目でセミナーをさせて頂いた. 同センターは日米共同で設立された研究所で,
当日は多くの研究者にご参加いただいた. セミナー中は, 高・低気圧性渦の果たす役割の差について
の意見などを頂いた. セミナー後は, 黒潮大蛇行を引き起こすメカニズムに関する仮説や, 米国の
Kuroshio Extension System Study 計画の最新の観測結果から得られた知見など, Qiu 博士から今後の
黒潮研究における重要な話を聞くことができた.
その後 20 日から米国地球物理学連合(AGU)主催の Ocean Science Meeting(OSM)に参加し, ハワ
イ大学でのセミナーと同じタイトルでポスター発表を行った. OSM は 2 年に 1 度開かれる大きな大会で,
約 3000 名の海洋学研究者が集まっていた. 自身の発表に対する意見などの収穫もあったが, 海外の
研究者の研究発表を聞き, 直接議論することができたので, 今後の研究活動に良い刺激となった.
Ⅱ. 研究活動成果
【平成17年度の研究活動概要】
研究活動の新たな学術的知見
昨年度に引き続き、それぞれのサブグループにおいて、優れた成果が得られた。そのうち
の幾つかの例を以下に示す。
(1) マントル遷移層の鉱物である Wadsleyite 中の水素拡散速度を測定し、IFREE と
の共同研究として、電気伝導度の測定結果にもとづいて、マントル遷移層の含水
量を推定した(Hae et al., EPSL, 2006)。また、含水マグマの高圧下での密度を測
定し、上部マントル下部でこのマグマが周囲の橄欖岩よりも重く、ここに含水マグマ
が滞留することを示した(Sakamaki et al., Nature, 2006)
(2) ポストペロブスカイト相はペロブスカイト相より相対的に鉄に富む相となる事を明ら
かにした.また,ポストペロブスカイト相と溶融鉄との反応関係を調べ,溶融鉄中に
数%の酸素と珪素が溶け,ポストペロブスカイト相中に溶融鉄が浸透するには1
vol%程度の溶融鉄が共存する必要があることを示した.
(3) 2005 年8月の宮城県沖地震が近い将来発生が懸念されている想定宮城県沖
地震とどう関わるかをアスペリティ・モデルに基づいて解釈し,北側と西側に残
されたアスペリティが現在固着していることを示した。
(4) 宮城県沖の自然地震観測による地震波トモグラフィにより沈み込み帯の深部
構造を明らかにするとともに,昨年 8 月の宮城県沖地震の直前に,震源付近
で,浅い地震が増加していったことを発見した.また、沈み込む太平洋プレート
沿いの地震の震源過程を精査し,見かけ応力(放出エネルギーと地震モーメ
ントの比)に規模依存性があることを発見した.
(5) 断層などの岩盤不連続面におけるき裂間隙構造と流体流路の特性について
実験および数値シミュレーションにより検討し,岩盤不連続面内でのチャネリン
グフローのモデルを提示するとともに,き裂接触面の可視化に成功した.
(6) 冬季海面水温偏差再出現機構の解明,北太平洋冬季海面風応力場の大規
模長期変動の実態把握,全球海面水温場に出現するレジームシフト検出
(7) 気候変動と海面変動が,サンゴ礁の発達に与えた影響の解明や最終氷期最
寒期以降の短周期海洋環境変動(ENSO 等)を復元が行われた.
(8) 太陽活動変動による地球周辺宇宙空間の激変現象として長い研究の歴史を
持つ磁気嵐現象についての理解を大きく変革する研究成果が得られた。
(9) 惑星環境変動として木星の衛星イオの放出する Na 大気のトレースを地上か
らの光学観測によって精度良く求め,惑星からの大気放出のメカニズムを解
明した。
(10) 初期地球システムの構築(生命の起源含む)、大規模氷河—温暖化と生物進
化、小天体衝突と大量絶滅を重点課題とし研究教育を行った。特に、理工連
携のもと衝撃波実験を行い初期地球環境を想定した隕石落下でアンモニが生
成されることを示した。
(11) 海底熱水系での始源的微生物活動を明らかにしてきている。同時に、大陸掘
削をベースに古気候変動・海洋化学変動と生物進化の関連の研究を格段に
進めた。
複数部局の有機的共同および理学・工学の連携
第3回の Water Dynamics 国際シンポジウムを本拠点内の複数専攻の共同作業と
して(核マントル研究、材料科学との融合を目指す試み)実施し、流体科学研究所や
環境科学研究科で行われている材料科学分野とも連携が進んでいる。昨年に引き
続き、フィールド地質学研究と地震観測網を連携させた地学専攻・地球物理学専攻
の共同研究として島弧の地震・火山研究が進展している。また、地学専攻と流体科
学研究所との連携によって衝撃波実験にもとづく小天体衝突のシミュレーション、核
形成過程に関する極限超高圧研究など、この拠点独自の有機的連携による研究を
実施している。
その他、理学系と工学系の複数の部局にまたがる連携研究が進展している。以下に
例を挙げる。
1. 衝撃波実験によるマントル・核構成物質の衝突実験(地学専攻、流体科学研究
所)
2. 核マントル境界の不均質構造とその起源の解明(地学専攻、地球物理学専攻、
地震・噴火予知研究観測センター)
3. 地震発生と水および災害(地球物理学専攻、地震・噴火予知研究観測センター、
地学専攻、環境科学研究科、東北アジア研究センター)
4. 東北日本弧の上部マントル構造と火山の活動の起源(地球物理学専攻、地震・
噴火予知研究観測センター、地学専攻)
5. 気候変動と海面変動が,サンゴ礁の発達に与えた影響の解明や最終氷期最寒
期以降の短周期海洋環境変動(ENSO 等)を復元(地学専攻、地球物理学専
攻)
6. 小天体衝突の影響評価(地学専攻、流体研、災害制御研究センター)
7. 火山爆発メカニズムの解明(東北アジア研究センター、地球物理学専攻、地震・
噴火予知研究観測センター、地学専攻)
8. 地震にともなう地殻の水とガスの挙動の研究(地学専攻、地球物理学専攻、地
震・噴火予知研究観測センター)
9. 過去の火山噴火に伴う津波現象の解明(地学専攻、東北アジア、工学研究科災
害制御研究センター)
10. 学生の有志参加の形態で,第 13 回衛星設計コンテストに工学研究科・航空宇宙
工学のグループと協同で参加し、設計大賞を受賞した.
国際競争力
事業推進担当者及び協力者が、国際的評価の高い論文誌に発表すること、国際的
に評価の高い国際学会でコンビーナや司会者として企画に積極的に参画することを
奨励している。その結果、1年間で事業推進担当者 24 名-100 編以上の論文を国
際的に評価の高い雑誌に発表した。また、本拠点で活動した日本人及び外国人の若
手研究者が世界の先端的研究機関でポストが得られるように努力している。ロシア科
学アカデミー・シベリア支部、コペンハーゲン大学、COMPRES 等と研究交流協定
(合計 16 件)を結び共同研究を推進し、大学院学生、教員の交流を推進している。
情報発信
平 成 1 7 年 度 に は 年 間 に 1 0 0 編 を 超 え る 論 文 を 国 際 誌 に 発 表 し た 。 Earth’s
fluctuation、 3rd Water Dynamics Symposium などの国際シンポジウムを開催し
た。海外の著名研究者による超高圧実験と地球中心部研究(Dave Mao 博士)、初期
地球進化に関する同位体地球化学(Keneth Collerson 博士)などに関する特別授
業(ショートコース)を開催した。著名研究者の招聘と若手研究者の海外研究機関へ
の派遣を行った。拠点パンフレット、年次報告書、外部評価書を作成し、関係機関に
配布した。国際会議でのコンビーナや事務局長(IMA、AGU、EGU)、国際会議タス
クグループ(IASPEI など)のホームページ運営など、各分野の研究推進に国際的イ
ニシアチブを発揮した。
固体地球研究グループの研究成果概要
【事業推進担当者】
大谷 栄治
長谷川 昭
近藤 忠
佐藤 春夫
藤本 博己
長濱 裕幸
土屋 範芳
吉田 武義
西村 太志
谷口 宏充
山崎 仲道
理学研究科 地学専攻・教授
理学研究科 附属地震・噴火予知研究観測センター・教授
理学研究科 地学専攻・助教授
理学研究科 地球物理学専攻・教授
理学研究科 附属地震・噴火予知研究観測センター・教授
理学研究科 地学専攻・助教授
環境科学研究科 環境科学専攻・教授
理学研究科 地学専攻・教授
理学研究科 地球物理学専攻・助教授
東北アジア研究センター地域環境研究部門・教授
環境科学研究科 環境科学専攻・教授
【研究・教育活動】
固体地球研究グループは,地球内部の大規模な物質とエネルギーの移動,及びその主要
な表れである地震・火山現象の理解を深めることを目的として,広範な研究と教育を行ってき
た.本年度は,教育・研究両面において以下のような様々な取り組みを行った.
2005年7月22-27日に,固体地球研究グループ若手教員の企画による国際シンポジウム
「固体地球における時空間ゆらぎー地球の未来像創出をめざしてー」を開催した.海外から
13名の招待講演者を含め,合計147名の参加者があった.同時に,大学院生のためのサマ
ースクールと巡検を企画し,大学院生への教育,国際交流と国際協力に努めた.サマースク
ールは2日間にわたって開催し,国際シンポジウムに海外から招聘した米国USGSのS.H.
Kirby博士,カーネギー研究所のS.D. Jacobsen博士ら著名な研究者6名の講師にお願いし
て英語による国際授業を行った.2005年11月16-17日には,昨年度の2回にわたる開催に
引き続き,国際シンポジウム「第3回Water Dynamics」を地球進化史グループと共同で開
催した.
また,招聘する外国研究者も17名を越え,そのうち長期にわたって滞在したロシア科学ア
カデミーA. Gusev博士には,大学院生への講義・研究指導を行っていただいた.さらに,外
部から研究者を迎えたCOEセミナーを計23回開催した.各セミナーには研究科・専攻の枠を
超えて多数の参加者があり,特に大学院生には大きな刺激を与えた.
【研究成果概要】
固体地球研究グループは,大規模な地球内部の物質とエネルギーの移動と,その主要な
表れである地震および火山現象の理解を深めることを目的として,地球の表層から地球の中
心部までの広い領域を対象として研究を進めてきた.本グループは,「核マントルダイナミクス
研究サブグループ」と「地震火山ダイナミクス研究サブグループ」の二つのサブグループから
なり,それぞれ意欲的に研究を進めている.
大谷らの核マントル研究グループでは,マントル遷移層核マントル境界部の研究において
大きな進展があった.ウオズレアイト中の水素の拡散速度を決定し,観測されたマントル遷移
層の電気伝導度と決定した拡散係数値からからマントル遷移層の水の存在量を推定するこ
とに成功した.また,含水マグマの密度を決定し,上部マントル最下部において,含水マグマ
が重力的に安定に存在することを明らかにした.地震学的に見出されている上部マントル最
下部の低速度域は,含水マグマが安定に集積していることを示唆している.核マントル境界
に存在するポストペロブスカイト相の元素分配関係,核を作る金属鉄との反応様式を明らか
にした.
近藤らは,下部マントルの主要鉱物である珪酸塩ペロブスカイトと岩塩構造相の鉄分配に
関して調べ,下部マントル全域において鉄は岩塩構造相に濃集し,ポストペロブスカイト相は
ペロブスカイト相より相対的に鉄に富む相となる事を明らかにした.また,ポストペロブスカイ
ト相と溶融鉄との反応関係を調べ,溶融鉄中に数%の酸素と珪素が溶け,ポストペロブスカ
イト相中に溶融鉄が浸透するには 3vol%程度の溶融鉄が共存する必要があることを示した.
この他,新しい含水相であるδ-AlOOH の安定領域を調べ,マントル最下部の 140 万気圧領
域まで安定であることを明らかした.
上部マントル最下部に滞留する含水マグマ
地震火山研究グループでは,長谷川らが,プレート境界地震についてアスペリティ・モデル
が成り立つことを支持する観測事実を示して来たが,2005年8月の宮城県沖地震が近い将
来発生が懸念されている想定宮城県沖地震とどう関わるかをアスペリティ・モデルに基づい
て解釈し,北側と西側に残されたアスペリティが現在固着していることを示した.また,マント
ルウェッジ内の上昇流に対応する傾斜した低速度域が,島弧会合部を越えて北海道下でも
広域に存在すること,この上昇流がモホ面とぶつかる場所に火山フロントが形成されること,
この上昇流の向きはプレートの沈み込み方向ではなく最大傾斜方向であると推定するなど,
3次元的なマグマ生成上昇モデルの重要性を示した.
藤本らは,宮城県沖の自然地震観測による地震波トモグラフィにより沈み込み帯の深部構
造を明らかにするとともに,昨年8月の宮城県沖地震の直前に,震源付近で,浅い地震が増
加していったことを発見した.また,ケーブル式津波計は,沿岸の験潮場より10数分早く津波
の到来を観測することを実証した.宮城県沖の海底地殻変動観測では,太平洋プレートの沈
み込みに伴う上盤プレートの西向きの地殻変動を検出した.熊野灘においても一昨年9月の
紀伊半島南東沖地震に伴う約30cmの南向きの海底地殻変動を観測した.
佐藤らは,沈み込む太平洋プレート沿いの地震の震源過程を精査し,見かけ応力(放出エ
ネルギーと地震モーメントの比)に規模依存性があることを発見した.また,ランダム不均質
構造中を伝播するパルス波は,伝播距離の増加と共に振幅は減衰し主要動経過時間は増
加するが,内部減衰をほとんど考慮することなく,散乱の効果によってこの双方を定量的に説
明できることを示すことに成功した.さらに,不均質構造における地震波のエンベロープ拡大
に関するマルコフ近似に基づく理論を,2次元ランダム弾性媒質を伝播するベクトル平面波に
ついて確立し,差分法による 数値計算によってこれを確かめた.
プレート境界のすべり様式
長濱らは,地震火山ダイナミクス研究の一環として,地殻岩石の流動・破壊に伴う電磁気
現象とそのスケール不変性の解明を目的として研究している.本年度は断層系や地震分布
に関する不均一構造・フラクタル特性を解析するとともに,余震大森則や Benioff 歪緩和則と
地殻粘弾性遷移挙動の時間スケーリング則との関係を明らかにした.また断層岩石英中
hydrogen による地殻強度軟化のメカニズムをカソードルミネッセンス・IR スペクトルマッピン
グ解析から明らかにした.さらに地殻岩石の流動・破壊・摩擦すべりに伴う各種電磁気現象
の発生メカニズムについて言及した.
土屋らは,断層などの岩盤不連続面におけるき裂間隙構造と流体流路の特性について実
験および数値シミュレーションにより検討し,岩盤不連続面内でのチャネリングフローのモデ
ルを提示するとともに,き裂接触面の可視化に成功した.また,日高変成帯内の石英および
珪酸塩鉱物充填脈の調査から,地殻下部から中部にかけての環境下での流体の特性と母
岩の破壊現象との関係を明らかにした.さらに,高温高圧セルを用いて超臨界状態にある薄
膜水の赤外吸収スペクトル計測の精密化を行い,鉱物界面での水の挙動と熱水誘起割れと
の因果関係を求めた.
吉田らは,東北本州弧の地殻・マントル構造を地質学的,岩石学的に検討すると共に,長
谷川グループらと協力しながら,それらを地球物理学的観測データと統合し,地殻・マントル
の3D構造を構築することを目的として研究を進めている.岩石学的に推定された現在のウェ
ッジマントルの温度構造は地震波速度構造とよく対応していること,後期中新世〜鮮新世に
かけて大量に形成された大規模陥没カルデラの地下で起こったであろうマグマの貫入は地殻
内に大規模なマグマ溜りを形成し,地殻内温度構造に多大な影響を与えたと考えられること,
この温度構造撹乱の名残は現在も地震学的に検出できること,東北本州弧の地殻・マントル
温度構造は火成島弧の発展と密接に関連して発達してきたと考えられることを示した.
西村らは,2004年浅間山の噴火過程を地震波解析により調べた結果,一連の火山活動に
より発生した中規模以上のブルカノ式の爆発的噴火は,火口ごく浅部に蓄積された0.2 から
1MPaの圧力の解放過程で記述できることがわかった.蓄積圧力に一桁程度の差が生じた
のは,溶岩ドームの有無による噴出口の強度の違いによると推察された.また,他火山のデ
ータとの比較の結果,今回の一連の浅間山の爆発的噴火は特異なものではなく,爆発的噴
火の力学的規模は火口の大きさに強く依存するという,スケーリング則に従っていることが明
らかとなった.
谷口らは,爆発的噴火活動のダイナミックス理解を目的にして,危険を避け,遠方から噴
火推移の調査や観測が行えるよう,無人火山探査機 MOVE の開発を進めている.今期は内
部に搭載する観測システムの完成と,システムを搭載した状態での MOVE の走行・観測試
験を行い,その結果,約2km離れた地点からの無線操縦や映像・圧力波の送受信などに成
功した.また,中朝国境地帯にある白頭山の 10 世紀爆発的噴火の推移を解明し,同時に,
同山における地震活動活発化にともない,北朝鮮の要請に応じて中国・長春市において噴火
危機に対応するための会議を開催し,日中朝3ヶ国で共同研究推進を行うことの合意をなし
た.
山﨑らは,海底での堆積岩生成(続成作用)の室内模擬装置を用いて,火山灰を模擬した
各種の焼却灰の岩石化を行って来た.プレート沈み込み帯を模擬し,炭酸塩の還元反応を水
熱条件下で行い,二酸化炭素からメタンへの還元を再現し,反応機構を推定した.炭酸カル
シウム粉末にグリシンを添加100℃条件下で水熱圧搾を行い,ペプチド結合の生成を確認
すると同時にカルサイトに比較してアラゴナイト粉末中では圧倒的にペプチド結合を生じやす
く,生命誕生の起点となるたんぱく質の海底での合成を推察した.マグマ生成域を想定し,有
機化合物を高圧下で還元し,ダイヤモンドの生成を確認した.条件から考察して,近年発見さ
れた地殻中でのダイヤモンド生成を裏付ける成果を得た.
大谷 栄治
部局:理学研究科 地学専攻・教授
専門分野:鉱物物理学・高圧地球科学
主な研究課題:核・マントルダイナミクスの研究,地球内部の物質科学、
地球惑星の形成進化、地球内部構造の研究
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:地球内部における揮発性物質の大規模移動の研究
2) 研究目的と成果概要:
本研究は、核・マントルダイナミクス研究の一環として、地球内部への揮発性物質特に水の移動
と循環の過程を解明することを目的としている。本年度は、昨年度に引き続き沈み込むスラブによ
る水の移動と深部マントルにおける水の存在様式と存在度を解明することを目指した。本年度の
成果は以下のようにまとめられる。
1. マントルで生じる重要な相転移である橄欖石からウオズレアイト転移の反応速度に対する水の
影響を明らかにし、水の存在が相転移速度を各段に速めることを明らかにした。プレート内部
の準安定な橄欖石は、含水のスラブでは存在しにくいことを明らかにした(Hosoya et al.,
2005)。
2. マントル遷移層に存在する主要鉱物であるウオズレアイト中の水素の拡散速度を決定した。水
素の拡散は、他の陽イオンの拡散係数に比べて格段に速いことを明らかにした。水素の拡散
は、電気伝導度を決定することが明らかになっている。観測されたマントル遷移層の電気伝導
度と今回決定した拡散係数値からからマントル遷移層の水の存在量を推定した(Hae et al.,
2006)。
3. 含水マグマの密度をダイヤモンドマーカーを用いた浮沈法によって高温高圧条件で決定した。
その結果、上部マントル最下部において、含水マグマが重力的に安定に存在することを明らか
にした。地震学的に見出されている上部マントル最下部の低速度域は、含水マグマが安定に
集積していることを示唆している。(Sakamaki et al., 2006)。
4. 上記の実験結果を総合して、沈み込むスラブによる水の移動過程を明らかにし、水がマントル
遷移層と下部マントルに運ばれることを明らかにした(Ohtani, 2005)。
長谷川 昭
部局: 理学研究科 付属地震・噴火予知研究観測センター・教授
専門分野: 地震学
主な研究課題: 1)地殻・マントル構造,2)沈み込み帯の地震テクトニクス,
3)地震発生予測
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:沈み込み帯における地殻・上部マントル構造と地震発生機構の研究
2) 研究目的と成果概要:
地震発生や火山噴火の予測精度を向上させるためには,地震発生・マグマ生成の場である地
殻・上部マントル構造,その中で起きる地震の発生機構と火山の噴火機構を理解する必要がある.
本研究の目的は(1)プレート沈み込み帯の地殻・上部マントル構造,(2)その中で発生する地震で
あるプレート境界地震,内陸地殻内地震,スラブ内地震それぞれについて,その発生機構,すなわ
ち地震発生に至る応力集中機構の理解を深めることである.
地殻・上部マントル構造の研究では,東北日本で既に見出したスラブの沈み込みに伴う2次対流
の上昇流部分に対応する傾斜したシート状の低速度域が,島弧会合部を経て北海道下でも広域
に存在すること,この上昇流がモホ面とぶつかる場所に火山フロントが生成されることを,サイスミ
ックトモグラフィにより明らかにした.さらに,地震波異方性解析により,この上昇流の向きは,下降
流の向きと考えられるプレートの沈み込み方向ではなく,プレートの最大傾斜方向であると推定す
るなど,3次元的なマグマ生成・上昇モデルの重要性を示した.
プレート境界地震については,アスペリティ・モデルが成り立つことを支持する観測事実をこれま
でに示してきたが,2005年8月16日に発生した宮城県沖地震(M7.2)についての一連の解析によ
り,この地震が近い将来発生が懸念されている想定宮城県沖地震とどう関わるかをアスペリティ・
モデルに基いて解釈した.すなわち,2005年の地震は,前回(1978年)の宮城県沖地震(M7.4)を
起こしたアスペリティのうち,南東部のアスペリティの破壊により発生したと推定されること,従って
その北側と西側に隣接したアスペリティが壊れ残っており,2005年の地震発生によりこれらのアス
ペリティへの応力集中が増大したこと,2005年の地震後,震源域の南側にのみ余効すべりが生じ
たこと,これは北側と南側に壊れ残って現在固着しているアスペリティが存在するという推定と符号
すること等の結果を得た.
さらに,GPS及び相似地震解析により,2003年十勝沖地震(M8.0)後の余効すべりの時空間発
展を明らかにし,時間とともに余効すべりが拡大し,その後それに隣接した地点で2004年釧路沖
地震(M7.1)の発生に至った状況を明らかにした.
スラブ内地震については,北海道から東北日本に至る領域下の稍深発地震活動の特性を抽出
し,スラブ内地震の発生が脱水/脱CO2不安定に起因することを支持する結果を得た.
近藤 忠
部局:理学研究科 地学専攻・助教授
専門分野:核マントル・地球内部物理学・超高圧物理化学
主な研究課題:核マントル境界における安定相と化学反応、
超高圧下の溶融実験、地球核の構造
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル: 核-マントル境界における安定相と反応関係及び核の性質
2) 研究目的と成果概要:
本研究では地球物理学的観測から得られている深部マントルから核に至る様々な不均質構造
や制約条件に対する物質科学的な解明のアプローチとして、現在、静的に唯一地球の核条件を実
験室に再現できるレーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルを用いた実験を行っている。昨年度に引
き続き COE 核マントル分野の研究の一環としてレーザー加熱ダイヤモンドアンビルを用いた高温
高圧実験に放射光を用いたその場観察実験、回収試料の組織観察・各種分光分析・組成分析を
進めた結果、以下の研究成果が得られている。
1. 珪酸塩と溶融鉄の反応に関して、核-マントル境界条件に相当する 140GPa-3000K までの高温
高圧実験を行い、回収試料の分析に収束イオンビーム加工機を導入した結果、これまでにない
広い領域での回収試料の透過電子顕微鏡観察が可能となり、溶融鉄中に珪素と酸素が数%溶
けることを示し、及び溶融鉄とポストペロブスカイト相の濡れ角を実測する事に成功した。
2. 地球核中の熱源として重要な K の鉄中への溶解に関して、核-マントル境界条件における反応
実験を行い、回収試料の透過電子顕微鏡分析から、核中に有意な量(0.8wt%)のカリウムが溶
け手、核中の重要な熱源になっている可能性を示した。
3. 新しい含水鉱物であるδ—AlOOH に関して、放射光を用いたX線その場観察実験を行い、核マ
ントル境界の条件でも安定に存在することを実験的に示した。
4. 下部マントルの代表的鉱物であるペロブスカイトとペリクレース間の鉄分配に関して、放射光を
用いたX線その場観察実験と透過型分析電子顕微鏡を用いた手法により調べ、2000K では
1600Kよりも分配係数の圧力依存性が高いこと、マントル最下部ではペロブスカイト相に殆ど鉄
が入らないことを実験的に示した。
5. Fe-FeS 系の溶融関係に関して約 110GPa までのX線その場観察を行い、幅広い圧力領域で
Fe3S+が見られるが、約 50GPa より高圧側では、異なった回折線が見られることを実験的に示
した。放射光を用いた融点測定の結果はこの系が核-マントル境界では約 2300K で溶けることを
示した。
6. ガス惑星系の対流圏・内部構造に重要な水素—ヘリウム系の実験に着手し、これまで 12 万気圧
程度までしかなかった実験データに対して、室温 30 万気圧までのラマン散乱データを取得し、固
化したヘリウム相に殆ど水素が入らないことを示した。
佐藤 春夫
部局:理学研究科 地球物理学専攻・教授
専門分野:固体地球物理学・地震学
主な研究課題:固体地球の不均質構造の解明
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:固体地球の不均質構造の解明
2) 研究目的:
固体地球のリソスフェアは 3 次元的に複雑でランダムな短波長成分に富む.震源ではパルス的
な地震波も,伝播距離の増加とともに不均質構造による散乱の効果によって大きく崩れ,主要動の
継続時間が大きくなる.本研究では,ランダム不均質構造におけるパルス波の伝播の数理的モデ
ルを構築するとともに,島弧・火山における高周波数地震波のエンベロープ形状から不均質構造を
推定し,強振動の定量的予測の基礎を確立することを目的とする.固体地球深部のマントルにお
いても,その不均質構造の知見は地球の構造と進化の過程を考える上でも重要である.本研究で
は,コア・マントル境界における反射 S 波を含む長い経過時間にわたるコーダ波や地球を周回する
表面波のモデル化と解析から,マントルのランダムな不均質性の定量的記述に取り組む.
成果概要:
今年度の主要な成果を以下に記す.ランダム不均質構造におけるスカラー波のエンベロープに
関する多様なアプローチに関する最新の研究成果を,IASPEI の散乱研究グループで刊行する書
籍(Elsevier)に執筆した[Los Alamos 研,Fehler 博士と共著]. ランダム不均質構造中を伝播す
るパルス波は,伝播距離の増加と共に振幅は減衰し主要動経過時間は増加する.内部減衰をほ
とんど考慮することなく,散乱の効果によってこの双方を定量的に説明できることを示すことに成功
した[前院生・齊藤竜彦との共著].不均質構造における地震波のエンベロープ拡大に関するマルコ
フ近似に基づく理論を,2 次元ランダム弾性媒質を伝播するベクトル平面波について確立し,差分
法による数値計算によってこれを確かめた[COE 招聘研究者・ライプチヒ大学 Korn 教授との共著].
アレイ観測データの F-K 解析から,長周期レーリー波のコーダ・エンベロープには,経過時間
30000s までは基本モードが卓越するが,それ以降では高次モードが卓越することを発見した.こ
れは,下部マントルの低減衰で説明ができる [学振 DC1 院生・前田拓人と共著].世界各地で観測
された地震のコーダ波エンベロープの時間減衰を 2000s を越える経過時間まで測定し,これを理
論的に説明すべく,マントルを上部・下部の 2 層に分けて散乱過程をモンテカルロ法でシミュレーシ
ョンを行った.求められた散乱係数は,リソスフェアのそれよりも 2 桁小さい[学振・外国人特別研究
員・Lee 博士との共同研究]. 沈み込む太平洋プレート沿いの地震の震源過程を精査し,放出エネ
ルギーと地震モーメントの比である見かけ応力に規模依存性があることを発見した[COE-SDC
院生・高橋努と共著].
国際交流:
IASPEI 国際会議(チリ・サンチャゴ,2005 年 10 月)において,弾性波動を用いた地球の不均質
構造の解明の研究を強化することを目的として,Task Group on scattering and heterogeneity
of the Earth の会議を開催した.IASPEI の Commission on Seismological Observation and
Interpretation のメンバーとして次期 IUGG(イタリア・ペルージャ開催)の準備に取りくむ.これに
関連して,IASPEI の Task group on scattering and heterogeneity のホームページを運営
(http://www.scat.geophys.tohoku.ac.jp/index.html).
図説:固体地球の不均質構造表す S 波の散乱
係数(平均自由行程の逆数).周期 1s より短周
期はリソスフェアの測定値,上向三角と下向三
角は,Lee, Sato and Lee [2005]による上部・下
部マントルの測定値.
藤本 博己
部局:理学研究科 付属地震・噴火予知研究観測センター・教授
専門分野:海底測地学
主な研究課題:海底地殻変動観測による沈みこみ活動の研究
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:海底における地震・津波・地殻変動観測による沈みこみ活動の研究
2) 研究目的:
沈み込み帯の海底地震計網による自然地震の長期観測と,ケーブル式津波計による津波の観
測,および GPS 音響結合方式の繰り返し海底測位による海底地殻変動の観測により,日本周辺
海溝域における海洋プレートの沈み込み過程と地震発生機構を解明する.
成果概要:
宮城県沖および岩手県沖の地震観測により得られた自然地震の震源位置を精密に再決定し,
地震波トモグラフィによる地震波速度構造を求め,沈み込み帯の深部構造を明らかにした.その結
果,プレーと境界面頂上の構造不均質と大地震の破壊域との間に相関があることが明らかとなっ
た.宮城県沖において実施している繰り返し海底地震観測により,17 年 8 月の宮城県沖地震の直
前に,震源付近で,微小地震が増加していったことを発見した.またケーブル式津波計により,宮
城県沖で起きた複数の地震に伴う津波を観測し,沿岸の験潮場より10数分早く津波の到来を検
知できる事を実証した.
平成 16 年度より,GPS 音響結合方式の繰り返し測位観測による地殻変動観測を宮城県沖と岩
手県沖で開始しており,17 年度は,宮城県沖の海側のアスペリティの中央部および福島県沖でも
観測を開始し,周辺海域の精密な地形観測や,無人探査艇による海底局の設置状況の調査を行
った.宮城県沖の海底地殻変動観測では,太平洋プレートの沈み込みに伴う上盤プレートの変形
と解釈される西向きの地殻変動を検出した.熊野灘においても, 2004 年 9 月の紀伊半島南東沖
地震の前から GPS 音響結合方式の測位観測を行っており,地震に伴う約 30cmの海底地殻変動
を確認した.日本海溝海側の海底測位観測点周辺海域の精密地形観測を行ったところ,偶然にも
11 月 15 日の日本海溝海側の地震がその海域周辺で起きたので,海溝海側の地震の発生機構の
研究に役立つと期待される.
長濱 裕幸
部局:理学研究科 地学専攻・助教授
専門分野:岩石破壊力学・地球連続体力学
主な研究課題:活断層系の不均質構造と余震分布の解明,地殻の粘弾性遷
移挙動の解明,断層岩石英中の hydrogen 分布と地殻強度
軟化に関する研究,地殻岩石の流動・破壊・摩擦すべりに伴
う電磁気現象に関する研究
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:地殻岩石の流動・破壊に伴う電磁気現象とそのスケール不変性に関する研究
2) 研究目的と成果概要:
本研究は,地震火山ダイナミクス研究の一環として,地殻岩石の流動・破壊に伴う電磁気現象とそ
のスケール不変性の解明を目的としている。本年度は断層系や地震分布に関する不均一構造・フ
ラクタル特性を解析するとともに,余震の大森則や Benioff 歪緩和則と地殻粘弾性遷移挙動の時間
スケーリング則との関係を明らかにした。またカソードルミネッセンス・IR スペクトルマッピングによ
り断層岩石英中の hydrogen がどのように地殻強度軟化を引き起こすかを調べた。さらに地殻岩
石の流動・破壊・摩擦すべりに伴う各種電磁気現象の発生メカニズムを明らかにした。これらの研
究成果を本 COE 拠点特待大学院生・日本学術振興会特別研究員(DC・PD)や大学院生(MC2)
と共に以下の論文で報告した。なお,武藤 潤(日本学術振興会特別研究員 DC)・三浦 崇博士・
荒川一郎教授(学習院大学理学部物理学科)との共同講演"摩擦放電プラズマとフラクタル地震電
磁放射"で平成17年度日本地質学会第 112 年学術大会・優秀講演賞を受賞した。
[参考文献]
J. Muto, H. Nagahama & T. Hashimoto (2005) Water distribution in dynamically recrystallized
quartz grains: cathodoluminescence and micro-infrared spectroscopic mappings, In: D.
Bruhn & L. Burlini (eds.) High-Strain Zones: Structure and Physical Properties.
Geological Society of London, Special Publication, Vol.245, 397-407.
K. Nanjo & H. Nagahama (2005) Symmetropy of fault patterns: Quantitative measurement of
anisotropy and entropic heterogeneity, Mathematical Geology, Vol.37, No.3, 277-293.
J. Muto, H. Nagahama, T. Miura & I. Arakawa (2005) Frictional discharge plasma and origin of
fractal seismo-electromagnetic radiation. 21COE International Symposium 2005,
Spatial and Temporal Fluctuations in the Solid Earth, - Clues to the Future of Our
Planet -, July 22 - 27, 2005, Sendai, Japan.
T. Yajima & H. Nagahama (2005) Seismic ray theory from a view point of Kawaguchi space.
21COE International Symposium 2005, Spatial and Temporal Fluctuations in the Solid
Earth, - Clues to the Future of Our Planet -, pp.122-125, July 22 - 27, 2005, Sendai,
Japan.
Y. Kawada, H. Nagahama & H. Hara (2005) Scaled Langevin equation and the inversion for
viscoelastic behaviour of rocks in seismic time-scale: theoretical approach. 21COE
International Symposium 2005, Spatial and Temporal Fluctuations in the Solid Earth, Clues to the Future of Our Planet -, pp. 158-161, July 22 - 27, 2005, Sendai, Japan.
竹内昭洋・橋本哲夫・長濱裕幸 (2005) 石英からの熱ルミネッセンスの摩砕による影響. 日本放射化学
会誌, 別冊 6, 129.
岩佐直仁・長濱裕幸 (2005) 課題 1. 環境放射線を測る, 東北大学教育科目テキスト・自然科学総合実
験 2005, 東北大学自然科学総合実験テキスト編集委員会(編), 11-32, 東北大学出版会, 仙台.
243pp.
土屋 範芳
部局:環境科学研究科 環境科学専攻・教授
専門分野:地震火山、地殻内流体
主な研究課題:岩石-水相互作用,及び地震発生における水の役割
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル: 地震発生と水の役割
2) 研究目的と成果概要:
地殻内の流体の特性(組成,流動特性)および流体流路,さらに断層などの岩盤不連続面にお
けるアスペリティ分布についての実験的および野外地質学的研究手法から検討した.
超臨界地殻流体の特性を明らかにするため,高温高圧セルを開発し,超臨界状態にある水の赤
外吸収スペクトルを計測し,熱水誘起割れのメカニズム解明をすすめた.その結果,以下のことが
明らかとなった.
400℃,40MPa までの熱水の顕微赤外吸収および顕微ラマン散乱測定装置の反射型の測定装
置システムの開発し,超臨界環境での固体上の薄膜水の赤外吸収スペクトルの測定に世界ではじ
めて成功した.この装置で拡散反射法により超臨界環境下にある薄膜水の赤外吸収スペクトルの
計測が可能となった.この装置を用いた測定から,結晶性物質上の薄膜水は,従来考えられてい
たよりも長い距離(数百 nm 以上)で固体からの拘束を受ける構造化された“かたい水”となってい
ると推定された.本研究成果により,固体界面の水の化学的かつ力学的な多様な働きの解明につ
なげられると期待される.
圧力感応シートを用いて封圧下にある岩石き裂の接触状態を可視化に成功した.これにより,き
裂内流路の推定が可能になるとともに,封圧環境下においての岩石き裂のかみ合わせや,流体流
動に寄与しない間隙と主たる流体流路の推定などが行えるようになった.
研究室ホームページ:http://geo.kankyo.tohoku.ac.jp/
吉田 武義
部局:理学研究科 地学専攻・教授
専門分野:火成岩岩石学および火山学
主な研究課題:島弧マグマ成因論、島弧の形成発達史
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:東北本州弧における火成活動史と地殻・マントル構造
2) 研究目的と成果概要:
本研究の目的は、東北本州弧の地殻〜マントル構造を地質学的、岩石学的に検討すると共に、
それらを地球物理学的観測データと統合し、地殻〜マントルの3D構造を構築することである。
近年の地震波トモグラフィーの発展によって、東北本州弧の地殻・マントル構造を、詳しく可視化
することが可能になった。地質学的データや岩石学的データをあわせ検討することにより、地震波
トモグラフィーは、地殻やマントルの温度構造を明らかにするための有効な道具となる。岩石学的
に推定される現在のウェッジマントルの温度構造は、地震波速度構造とよく対応している。後期中
新世〜鮮新世にかけて大量に形成された大規模陥没カルデラの地下で起こったであろうマグマの
貫入は、地殻内に大規模なマグマ溜りを形成し、地殻内温度構造に、多大な影響を与えたと考えら
れる。この温度構造撹乱の名残りは、現在も地震学的に検出できる。東北本州弧の地殻・マントル
温度構造は、火成島弧の発展と密接に関連して発達してきたと考えられる。
西村 太志
部局:理学研究科 地球物理学専攻・助教授
専門分野:火山物理学
主な研究課題:火山噴火のダイナミクスの研究
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:2004 年浅間山爆発噴火過程の地震学的研究
2) 研究目的と成果概要:
火山噴火のダイナミクスを理解するためには,個々の火山噴火を詳細に調べるだけでなく,火山
噴火を定量的に評価することにより,異なる火山噴火に認められる共通性と相違性を明らかにする
ことが必要である.2004 年9月から 11 月にかけて,浅間山では,中規模から小規模のブルカノ式
の爆発的噴火を5回ほど繰り返した.そこで,本研究では,この爆発的噴火に伴い記録された爆発
地震の波形解析を行い,個々の爆発地震の震源パラメータをシングルフォースモデルにより測定し
た.そして,1983 年の浅間噴火時の爆発地震の解析結果と比較するとともに,他の火山の震源パ
ラメータと比較し,2004 年浅間山の爆発的噴火の特徴を明らかにした.
2004 年の噴火活動では,9月 1 日,23日,29日,10月10日,11 月14日に爆発地震が記録さ
れている.これらの地震は,浅間山から 32km西北西に位置する長野県松代町の気象庁精密地
震観測点(MAJO)では,広帯域地震計に捉えられている.理論波形と観測波形の比較から,これ
らの爆発地震の主要動は,火口浅部に 1010 -1011N の鉛直下向きのシングルフォースが約5秒
間働いたとすることで説明できることがわかった.また,爆発直前に蓄えられていた浅部の圧力は
0.2 MPa から 1MPa であることが明らかとなった.これらの値は,1983 年 4 月8日の爆発的噴火
のときとほぼ同じである.
浅間山の解析結果を細かく見ると,2004 年の爆発的噴火は,力の継続時間はほぼ一定であっ
たものの,力の大きさは1桁ほど変化している.これは火口浅部に蓄えられた圧力の大きさが1桁
程度変化していたことを意味する.9月23日および29日の爆発地震はその他に比べて1桁ほど
大きな圧力値を示すが,ドーム状の溶岩が9月16日の観察時に火口を塞いでいたことから,噴出
口のふたの強度が大きいときに圧力が大きくなったと考えることで説明できる.
十勝岳やセントへレンズ火山,ポポカテペトル火山のこれまでに解析されている爆発地震につい
ては,力の大きさは力の働いた時間の2乗に比例し,爆発地震のシングルフォースモデルから導か
れるスケーリング則(Nishimura and Hamaguchi, 1993)で説明されてきた.今回解析した
2004 年浅間山爆発地震の震源パラメータも,この関係をほぼ満たすことが明らかとなった.爆発
地震の震源パラメータの解析例は少なく,火山の数にすると4例にとどまるが,新たに解析した今
回の結果もこのスケーリング則を満たすということは,ブルカノ式噴火に伴う爆発地震の発生機構
は,概ねシングルフォースモデルで説明できることを意味している.また,噴火直前の火口内部の
圧力が1桁程度しか変化しないという結果は,爆発的噴火の力学的規模は火口の大きさに強く依
存するということを示唆している.
谷口 宏充
部局:東北アジア研究センター 地域環境研究部門・教授
専門分野:火山科学
主な研究課題:爆発的噴火のダイナミックス
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:火山探査移動観測ステーション MOVE の開発
2) 研究目的と成果概要:
爆発的な噴火活動のダイナミックス理解を目的にして、危険を避け、遠方より噴火の推移の調査
や観測を行えるよう、無人火山探査機の開発を進めている。今期は、内部に搭載する観測システ
ム(主としてエネルギー評価のための衝撃波や音波の圧力波形観測と火砕サージの温度や動圧
の計測を目的にしている)の完成と、システムを搭載した状態での MOVE の走行・観測試験を行っ
た。走行試験は 9 月に北海道浦幌町の日立建機のテストフイールドを用い、観測試験は 11 月、北
海道壮瞥町の町営牧場において、ダイナマイトを用いた野外爆発実験の機会を利用して行った(写
真あり)。その結果、約2km離れた地点からの無線操縦に成功し、また、爆発実験に伴う映像や圧
力波の受信にも成功している。
野外爆発実験
山崎 仲道
部局:環境科学研究科 環境科学専攻・教授
専門分野:水熱化学
主な研究課題:地球を循環する水を中心に、
1. 堆積岩生成過程の実験室的再現と応用
2. プレート沈み込み帯を模擬した酸化・還元反応(CO2 の還元、
ダイヤモンドの合成)
3. 高圧高温乾燥蒸気相を利用した物質移動とその応用
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
成果概要:
(1) 海底での堆積岩生成(続成作用)の室内模擬装置を用いて、火山灰を模擬した各種の焼却灰の岩石
化を行って来た。
(2) プレート沈み込み帯を模擬し、炭酸塩の還元反応を水熱条件下で行い、二酸化炭素からメタンへの還
元を再現し、反応機構を推定した。
(3) 炭酸カルシウム粉末にグリシンを添加100℃条件下で水熱圧搾を行い、ペプチド結合の生成を確認す
ると同時にカルサイトに比較してアラゴナイト粉末中では圧倒的にペプチド結合を生じやすく、生命誕生
の起点となるたんぱく質の海底での合成を推察した。
(4) マグマ生成域を想定し、有機化合物を高圧下で還元し、ダイヤモンドの生成を確認した。条件から考察
して、近年発見された地殻中でのダイヤモンド生成を裏付ける成果を得た。
(5) DNAの骨格となる糖と燐酸のエステル化が燐酸カルシウム粉末の水熱固化反応中に生成するか、装
置と方法を準備中である。
流体地球・惑星圏研究グループの研究成果概要
【事業推進担当者】
花輪
中澤
川村
岡本
井龍
福西
小野
中村
公雄
高清
宏
創
康文
浩
高幸
教博
理学研究科
理学研究科
理学研究科
理学研究科
理学研究科
理学研究科
理学研究科
理学研究科
地球物理学専攻・教授
地球物理学専攻・教授
地球物理学専攻・教授
地球物理学専攻・助教授
地学専攻・助教授
地球物理学専攻・教授
地球物理学専攻・教授
地学専攻(総合学術博物館)・助手
その他,理学研究科地球物理学専攻,地学専攻,環境科学研究科環境科学専攻に所属
する教員が協力教員として教育と研究に従事している.
【研究・教育活動】
(1) COE フェロー・特大大学院生等
2005 年度,本グループには,5 名の COE フェローと 1 名の日本学術振興会 COE 特別研
究員が所属し,研究に従事している.また,2005 年度,本グループから特待大学院生
(SDC)として 5 名が採用された.また,大学院生国際学会参加支援プログラムにより,本グ
ループから 11 名の院生が海外で開催された学会やシンポジウム等に参加し,研究発表を行
った.
(2) 海外からの招聘研究者等
2005 年度,本グループは,1 名の長期招聘研究者と 3 名の短期招聘研究者を迎え,本グ
ループ研究者との共同研究を進め,さらにセミナーを多数開催した.また,長期招聘研究者
は,英語による大学院講義を行い,多数の院生が受講した.
(3) シンポジウム等
2005 年 度 , 本 グ ル ー プ 所 属 研 究 者 が 主 催 の 中 心 と な っ て , 「 Space and ground
measurements of sprites, jets and elves - 21COE E-ASTEC Workshop」(2005 年 5 月
23-24 日,千葉・幕張メッセ国際会議場),ワークショップ「Ozone in the Future」(2006 年 2
月 22-23 日,松島・パレス松洲),「惑星圏研究会」(2006 年 3 月 2-3 日,本学・青葉記念館)
を開催した.
(4) COE セミナー等
2005 年度,本グループは,外部からの研究者を迎え,19 回の COE セミナーを開催した.
各セミナーには,研究科,専攻の枠を超えて,また外部研究機関からの参加者もあり,院生
に対して大きな刺激を与えた.
(5)
特記事項
1)本グループ事業担当者の井龍康文助教授のグループが,海洋地質学および古海洋
学分野における最大の国際プロジェクトである統合国際深海掘削計画(IODP)の第
310 次航海,タヒチ島のサンゴ礁掘削に共同主席研究者として参加し,南太平洋の過
去 2 万年間の海洋環境の復元に取り組むことになった.本件は,日本経済新聞や河
北新報ほか,多くの地方紙にも取り上げられた.
2)特に顕著な研究成果をあげた学生に対する学会賞として,地球電磁気・地球惑星圏
学会オーロラメダル1編,東北大学青葉理学振興会賞 1 名の受賞があった.
3)学生の有志参加の形態ではあるが,第 13 回衛星設計コンテストに工学研究科・航空
宇宙工学のグループと協同で参加し設計大賞を受賞した.
【研究成果概要】
「流体地球・惑星圏研究グループ」の目的は,地球の表層から超高層,太陽・惑星圏を対
象として様々な視点から研究を行うことで,気候形成の理解,気候変動の理解,地球温暖化
の理解を深め,地球気候の未来像の構築することである.本グループは,「気候変動ダイナミ
クス」領域,および「太陽地球系ダイナミクス」領域の 2 つのサブグループからなる.
「気候変動ダイナミクス」領域は,地球の気候形成の仕組みを理解し,過去から現代に至る
様々時間スケールでの変動を復元・解明し,さらに数値シミュレーションにより,未来の気候
像を提出することを目的とし,「太陽地球系ダイナミクス」領域は太陽活動変動にともなう,地
球周辺の電磁環境変動(宇宙天気)や地球の気候変動の解明を目指し,また他の惑星にお
ける環境変動とを比較研究することで,広い意味での地球気候システムを理解することを目
的としている.本流体地球・惑星圏研究グループの 2005 年度の主な研究成果は以下のよう
にまとめられる.
「気候変動ダイナミクス」領域では,以下のような研究が事業担当者により行われた.
冬季海面水温偏差再出現機構の解明,北太平洋冬季海面風応力場の大規模長期変動の
実態把握,全球海面水温場に出現するレジームシフト検出の研究が行われた.また,衛星地
球観測技術による新世代海面水温データセットの作成,衛星地球観測技術による新しい赤
潮観測技法の創出,衛星超高解像度観測による沿岸海洋域ヒューマン・ディメンジョン現象
の解明が進展した.仙台,中国,南極昭和基地,北極ニーオルスン基地での地上観測,太平
洋上や日本近海での船舶観測,日本上空やシベリア上空での航空機観測,日本上空での大
気球観測などを実施し,温室効果気体や関連気体の濃度およびそれらの各種同位体比の時
間空間変動を明らかにした.南極ドームふじ深層氷床コアを切削空気抽出法を用いて分析し,
過去 23 万年にわたる CO2 の濃度とδ13C,N2O,O2 濃度などの変動の推定を行うとともに,
以前に求めた融解空気抽出法による結果と比較する事によって,空気抽出法やコアに空気
が保存されている間での変質などについて検討し,より信頼できる変動の復元を図った.観
測船「みらい」搭載雲レーダとライダを用いた熱帯・中緯度・極域の雲とエアロゾルの特性に
関する研究が進展した.さらに,気候変動と海面変動が,サンゴ礁の発達に与えた影響の解
明や最終氷期最寒期以降の短周期海洋環境変動(ENSO 等)を復元が行われた.
「太陽地球形ダイナミクス」領域の惑星圏研究では,太陽活動変動に伴う地球磁気圏・プラ
ズマ圏・電離圏の応答に関する研究の他,太陽活動変動が木星や水星等の惑星や月を含む
衛星の大気・プラズマ環境にもたらす影響を詳細に評価する研究とこの研究課題にかかわる
学生の教育活動が積極的に実施された.2005 年度における主たる研究・教育活動としては,
海外観測(ハワイ大学との協定締結とこれに基づく惑星光学観測,アイスランドにおける太陽
電波並びにオーロラの発光と電波放射観測など),衛星観測(あけぼの衛星,Rocksat-2 衛
星,INDEX 衛星など当研究グループのメンバーが機器開発から衛星運用までを担当してき
た諸衛星よる観測),惑星プラズマ・大気研究センターが保有する電波望遠鏡,光学望遠鏡,
および HF 帯電波観測システムなど惑星圏観測所設備を用いた地上観測,および飛翔体搭
載を目指した先端的観測技術開発研究等を実施した.さらに,これまでに蓄積された膨大な
観測データ・データベースを基にするデータ解析研究やシミュレーション研究が行われた.
惑星圏研究に関する研究・教育の成果としては,学術誌掲載論文 36 編,紀要掲載論文 27
編,国際学会における研究成果の発表 48 編,国内学会・研究会における発表 174 件にのぼ
った.また,惑星圏研究に関わる科学研究費補助金については 12 件取得し,学術振興会特
別研究生在籍者数は 5 名となった.
2005 年度における惑星圏研究成果の中で特に重要とされる事柄は,太陽活動変動による
地球周辺宇宙空間の激変現象として長い研究の歴史を持つ磁気嵐現象についての理解を
大きく変革する研究成果が得られた点である.磁気嵐現象は強い電磁変動や放射線帯粒子
の変動をもたらし,近年では人間活動に最も強く影響する現象として宇宙天気の側面から重
要視されているが,その本質を解く鍵が地球近傍に現れる強い局所電場にあることを明らか
にする事ができた.この成果は,長年のあけぼの衛星観測データを解析することで,磁気嵐
に伴って出現する電場の分布や変動を詳細に分析することで初めて可能となった.一方,惑
星環境変動として木星の衛星イオの放出する Na 大気のトレースを地上からの光学観測によ
って精度良く求め,惑星からの大気放出のメカニズムに関しての基礎研究が大きく進展した
ほか,太陽活動と木星電離圏・磁気圏相互作用に関する新たなモデル構築が進められた.
冬季海面水温偏差の再出現現象.海域によっては,冬季の海面水温偏差が暖候期に亜表
層に保存され,1 年後の寒候期に偏差の信号を海面に露出することがある.左側のパネルは
北太平洋中央モード水の再出現の様子を,右側のパネルは北太平洋亜熱帯モード水の「遠
隔」再出現の様子を示す.上から,ラグゼロ,ラグ 6 か月,9 か月,12 か月の,3 月の海面水
温と亜表層の水温の高い相関を示す層を赤字で示している.黒の実践は混合層深度,濃淡
は密度の鉛直勾配(濃い層ほど低勾配)を示す.
南極ドームふじ深層氷床コア.
花輪 公雄
部局:理学研究科 地球物理学専攻・教授
専門分野:海洋物理学
主な研究課題:大規模大気海洋相互作用,数十年スケール変動
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:大規模大気海洋相互作用による気候変動のダイナミクス
2) 研究目的と成果概要:
一連の研究は,気候システムの主要構成要素である大気と海洋とが相互に作用して起こる季節
から数十年スケールの気候変動のメカニズムを,既存資料の解析と海洋監視手法を駆使して解明
することを課題としている.2005 年に得られた主な研究成果は以下のようにまとめられる.
1. 冬季海面水温偏差再出現機構の研究(Sugimoto and Hanawa, 2005a, b)
冬季海面水温場において,翌年の冬季に前年の冬季と同じ偏差を再び出現させることがある.
これを再出現機構と呼ぶ.これまでの我々の研究により,これらの海域はモード水形成域である
ことが知られているが,今回新たに,北太平洋亜熱帯モード水のような強流帯に位置するモード
水は,移流により海面水温偏差形成域から離れた海域で,偏差を再出現させることが見出された.
我々はこのような再出現海域を「遠隔再出現海域(remote reemergence area)」と名づけた.
一方,モード水形成域ではあるが,北太平洋東部亜熱帯モード水海域や北大西洋マデリアモ
ード水海域などでは,再出現機構が機能していない.そのため,このことの要因を調べた.その結
果,この海域では,大規模海洋3次元循環の結果,モード水下部には低温・低塩分の水塊が分布
するため,モード水下部でソルトフィンガー型の混合が激しく起こっていることにより,水塊の変質
が激しいことを挙げることができる.また,大洋の東部に位置するため,冬季の熱放出が他のモ
ード水海域より弱いことにより,十分に下層水のエントレインメント生じていないこともさらなる要因
として挙げることができる.
2. 北太平洋冬季海面風応力場の大規模長期変動(Ishi and Hanawa, 2005)
北太平洋冬季海面風応力カール場の,大規模でかつ長期の変動の実態を調べた.その結果,
経験的直交関数(EOF)解析,回転 EOF(REOF)解析の第1モードから第4モードまで,それぞ
れ,PNA,WP,TNH,EP テレコネクションパターンに対応する変動であることがわかった.また,
冬季アリューシャン低気圧の消長を表現する北太平洋指数(PNI)は,EOF 第1モードの変動を
表すとともに,亜熱帯循環系および亜寒帯循環系の西岸境界流(すなわち,それぞれ黒潮と親
潮)のスベルドラップ輸送量の変動を表す良い指標であることも見出した.さらに,黒潮と親潮に
対応する位置でのスベルドラップ輸送量は,互いに逆相関であることもわかった.このことは,アリ
ューシャン低気圧が強化(弱化)している時期は,亜熱帯循環系,亜寒帯循環系がともにスピンア
ップ(スピンダウン)していることを意味している.
3. 全球海面水温場に出現するレジームシフト(Yasunaka and Hanawa, 2005)
1910 年から 1990 年代における全球の海面水温場に発生したレジームシフトの同定を試みた.
その結果,1925 年,1942 年,1957 年,1970 年,1976 年の 5 回,海面水温場にレジームシフト
が起こったことが見出された.これらのレジームシフトには,いずれも ENSO イベントが関与して
いることもわかった.また,これらのレジームシフト時には,全球的な大気循環場の変動モードで
ある北極振動(AO)や北太平洋振動(NP)も,同期して位相の逆転が生じていた.
4. XBT-T7 プローブの落下式の検討(Kizu, Yoritaka, and Hanawa, 2005)
通常の投下式の測器(expendable-type)による計測では,水深はプローブが着水してからの
経過時間によって推定される.この推定式を「落下式(fall rate equation)」と呼ぶ.この研究で
は,公称 1830m まで水温を計測する XBT T-5 型プローブの落下式の検討を,XBT-CTD(電気
伝導度水温水深計)比較実験をもとに行った.その結果,メーカの提出している落下式とは異なる
式が得られた.また,落下速度は,水温に強く依存していることも見出され,今後,水温分布の効
果も加味した落下式の導出が検討課題であることが示唆された.
中澤 高清
部局:理学研究科 付属大気海洋変動観測研究センター・教授
専門分野:大気物理学・気象学
主な研究課題:大気組成の変動と気候影響
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:温室効果気体の変動と循環
2) 研究目的と成果概要:
人間活動に伴う気候変動に対応するためには,CO2 や CH4,N2O などの温室効果気体の変動
と循環を理解し,それらの増加原因を定量的に理解する必要がある.本研究においては,大気中
の温室効果気体と関連気体の濃度および同位体比の変動を詳細に把握し,その結果を循環モデ
ルを開発・利用して解析する事により,全球にわたる循環の解明と収支の評価を行う.また,極域
で掘削された氷床コアを分析することによって過去における大気組成の変動を復元し,気候・環境
への関わりを明らかにする.これらの目的を達成するために本年度に実施した研究とその成果の
概要は以下の通りである.
仙台,中国,南極昭和基地,北極ニーオルスン基地での地上観測,太平洋上や日本近海での
船舶観測,日本上空やシベリア上空での航空機観測,日本上空での大気球観測などを実施し,温
室効果気体や関連気体の濃度およびそれらの各種同位体比の時間空間変動を明らかにした.特
にニーオルスン基地で観測した CH4 濃度とδ13C の同時解析を行い,近年における CH4 収支を評
価するとともに,年々変動の原因について新たな知見を得た.また,これまで困難とされてきた成
層圏における CH4 濃度および CO2 のδ13C の経年変化を初めて定量的に検出し,成層圏での CH4
起源の H2O の寄与を評価した.さらに,オンライン法による微少試料に対する CH4 のδ13C とδD の
高精度計測技術を確立し,成層圏大気の測定に適用するとともに,大気中 O2 の高時間分解変動
を明らかにするために自動連続測定装置の開発に着手し,世界で最も高精度な装置の実用化に
成功した.
南極ドームふじ深層氷床コアを切削空気抽出法を用いて分析し,過去 23 万年にわたる CO2 の
濃度とδ13C,N2O,O2 濃度などの変動の推定を行うとともに,以前に求めた融解空気抽出法によ
る結果と比較する事によって,空気抽出法やコアに空気が保存されている間での変質などについ
て検討し,より信頼できる変動の復元を図った.
大気中の濃度や同位体比を基にして温室効果気体の変動と循環を解析するために,全球 3 次
元大気輸送モデルの高分解能化と高度化を行った.CO2 については,逆解法によって 1988-2001
年における世界 64 地域のフラックスの時間変動を推定し,1990-2000 年の平均的な海洋と陸上
生物の吸収量が 1.9CtC/yr と 1.2GtC/yr であると評価した.また,N2O の循環を取り扱うモデルを
新たに着手し,基本的なフレームワークの構築を終えた.メタンについては,濃度のみならずδ13C
と 14C,δD を用いて,前進計算法による変動と放出源強度の解析を行った.
川村 宏
部局:理学研究科 付属大気海洋変動観測研究センター・教授
専門分野:海洋物理学
主な研究課題:気候変動、衛星海洋
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:衛星地球観測技術による地球の未来像創出
2) 研究目的:
衛星地球観測技術がもたらす、高解像度広域海洋情報を活用することにより、海洋環境の実態
を明らかにし、その未来像を創出する。
成果概要:
1. 衛星地球観測技術による新世代海面水温の創出:
現在、世界中で開発が進む新しい高解像度海面水温開発は、本研究者らが中心となった日本
の成果が世界をリードする。複数の赤外衛星観測にマイクロ波センサーによる海面水温を融合す
ることにより、新世代海面水温が実現できることを実証し、さらにその技術を用いて毎日の高解像
度海面水温ディジタル情報をリアルタイムで作成し、一般に公開した。衛星地球観測技術を活用
し、新しい情報創出に関する科学研究と技術開発を完成させ、大学による毎日の情報発信を実
現し、海面水温観測に関する新しい未来像を創出した。
2. 衛星地球観測技術による新しい赤潮観測技法創出:
赤潮現象は、世界中で顕在化する海洋環境悪化の指標である。本研究者のグループでは、複
数の衛星観測を合わせて用いることで、赤潮現象の検出、メカニズム解明ができることを示し、そ
の学際的な研究に道を開いた。衛星海色観測データを用いて、東南アジア海域(南シナ海・タイ
湾)の顕著な植物プランクトン・ブルーム現象を記述し、そのメカニズムを明らかにした。
3. 衛星超高解像度観測による沿岸海洋域ヒューマン・ディメンジョン現象の科学創出:
沿岸域で複雑に変動する海上風と波浪場は、その複雑さゆえいまだ観測が難しく、未知の学問
領域として残されている。合成開口レーダーを本格的に活用し、他の衛星搭載マイクロ波センサ
ーを有効に組み合わせることで、高解像度海上風・波浪場の実態が的確に把握できることを示し、
新しい学問領域創出の切っ掛けをつかんだ。さらに数値海洋モデルを組み合わせることでヒュー
マン・ディメンジョン現象のメカニズム解明が可能であることを示し、新しい科学分野の創出に貢
献。
岡本 創
部局:理学研究科 付属大気海洋変動観測研究センター・助教授
専門分野:気候変動、大気物理
主な研究課題:アクティブセンサーを用いた雲・エアロゾルの研究
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:観測船「みらい」搭載雲レーダとライダを用いた熱帯・中緯度・
極域の雲とエアロゾルの特性に関する研究
2) 研究目的と成果概要:
雲とエアロゾルの鉛直分布の観測データと気候モデルとの比較を通して、気候変動の最大の不
確定性要素の一つである雲のパラメタリゼーションと、エアロゾルと雲との相互作用に関する知見
を獲得することを目的としている。海洋研究開発機構の観測船「みらい」に、95GHz 帯(波長
3.2mm)を用いる雲レーダと可視と赤外波長を用いるライダという2つのアクティブセンサを搭載し、
海上での同時観測を実施し、これら観測による雲とエアロゾルの物理特性を複数のアルゴリズム
の適用により抽出した。2005 年度の成果としては、特に(1)レーダのマルチパラメータ観測から、積
雲対流を含む光学的に厚い雲の放射特性を導出できるようになったこと(2)高出力ライダを用いて
熱帯の圏界面付近に存在する巻雲についての観測ができたこと(3)エアロゾルの間接効果の見積
もりのため、雲パーセルモデルを作成し、鉛直流とエアロゾルに観測値を用いた初めての数値実
験が実施できたこと、が挙げられる。
(1)の結果と観測船みらいの航路に沿って観測と同期する形で実施された大気大循環モデルベ
ースの 3 次元エアロゾル輸送モデル SPRINTASR との比較を実施し、モデルの微物理特性の分
散が非常に観測値より狭いこと、中心が大きい値によっていることなど再現性に大きな問題のある
ことが示された。
(2)に関しては、エアロゾルに関しては、初めてライダの 2 波長や赤外温度放射計を用いた観測
から sub-visiual cirrus と呼ばれる雲の微物理特性抽出に初めて成功した(図1)。
(3)に関して、エアロゾルから下層雲を生成する雲粒子ビンモデルを組み込んだパーセルモデ
ルを開発した。これをもとに、各種の感度実験を実施しエアロゾル間接効果の見積もりを行った。ま
た我々のグループで開発したアルゴリズムをライダ観測データに適用して得られた雲底下のエアロ
ゾルの個数密度と、雲レーダのドップラー観測から得られた上昇流を初めて使用することで、雲の
再現実験を実施、雲の再現性にまだ問題の残ることを示した。
図1 観測船「みらい」に搭載した2波長偏光
ライダによって 2004 年 12 月 21 日に観測さ
れた巻雲の有効半径の時間—高度断面。
井龍 康文
部局:理学研究科 地学専攻・助教授
専門分野:炭酸塩堆積学・地球化学,古生物学
主な研究課題:炭酸塩堆積物および炭酸塩生物殻を用いた古環境復元
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:
1. タヒチ島における海水準変動(国際統合深海掘削計画第 310 次航海)
2. 琉球弧におけるサンゴ礁前線の移動:北西太平洋域での第四紀気候変動に対する高緯度域サ
ンゴ礁の呼応の解明(COREF Project)
3. 礁の誕生,発達,崩壊のダイナミクス ━北大東島を例にして━
2) 研究目的と成果概要:
1. タヒチ島における海水準変動(国際統合深海掘削計画第 310 次航海)
国際統合深海掘削計画第 310 次航海(タヒチ島の海水準変動)の共同主席研究者として,研究
を推進中である.本航海は,40 年近くにおよぶ深海掘削計画史上初のサンゴ礁掘削であり,炭
酸塩堆積学・地球化学の分野における記念碑的なプロジェクトである.本航海の主目的は,以下
の 3 項目である.
(1) 23,000 年前の最終氷期最寒期以降の海水準の上昇過程を復元するとともに,海水準の上
昇に伴って、海洋表層の海水温変化を復元すること.
(2) 気候変動と海面変動が、サンゴ礁の発達に与えた影響を解明すること.
(3) 最終氷期最寒期以降の短周期海洋環境変動(ENSO 等)を復元すること.
2005 年 10 月 6 日〜11 月 16 日の 42 日間に渡って,タヒチ島周辺の 22 地点で 37 孔を掘削
し,全長 632 m のコア試料を採取した(Offshore Party).次いで,2006 年 2 月 13 日〜3 月 14
日に,ブレーメン大学において,採取試料の検討とサンプリングを実施した(Onshore Party).な
お,本航海の詳細は,欧州海洋研究掘削コンソーシアム(http://www.ecord.org/exp/tahiti/310.html)
およびブレーメン大学(http://www.rcom-bremen.de/English/Tahiti_Sea-Level_Expedition_2005.html)ホ
ームページに紹介されている.
2. 琉球弧におけるサンゴ礁前線の移動:北西太平洋域での第四紀気候変動に対する高緯度域
サンゴ礁の呼応の解明(COREF Project)
サンゴ礁堆積物は,温暖化・寒冷化や海水準の上昇・下降が繰り返して起きた地質時代である
第四紀における熱帯〜亜熱帯の気候および浅海環境の変動を解明するために,最適の情報源
である.なかでも,サンゴ礁の分布の北限や南限付近に位置するものは,熱帯低緯度のサンゴ礁
の分布の中心域のものに比べ,環境の変化に対してより敏感に応答し,成立・発達・消滅を繰り
返したと推定される.そこで我々の研究グループは,サンゴ礁の分布の北限・南限(以下,「サン
ゴ礁前線(coral-reef front)」と呼ぶ)の移動の復元に基づく亜熱帯域における気候および浅海
環境の変動の詳細な復元と,さまざまな時間スケ-ルの環境変動に対するサンゴ礁生態系の応
答の解明を目的とする国際共同研究チームを立ち上げ,研究を推進している(COREF Project).
このプロジェクトでは,北西太平洋におけるサンゴ礁の分布の北限が位置する琉球列島において,
国際陸上科学掘削計画(ICDP)と国際統合深海掘削計画(IODP)により,陸域から海域にかけ
て浅層多孔掘削を行い,試料を採取することを目指している.現在,その先行研究を実施中であ
り,本年度は,沖縄本島本部半島および伊江島に分布する第四紀サンゴ礁性堆積物を検討し,
琉球列島においてサンゴ礁が形成され始めた時期と形成が活発化した時期を特定した.
3. 礁の誕生,発達,崩壊のダイナミクス ━北大東島を例にして━
我々の研究グループでは,10 万年~100 万年スケールでの炭酸塩岩の堆積過程および続成
過程を知るために,1992 年より北大東島試錐試料および同島の表層試料の堆積学的・同位体地
質学的・古生物学的研究を行っている.本年は,同島の表層に分布するサンゴ化石群集を検討し,
古環境の復元と群集の成立過程を明らかにした.
福西 浩
部局:理学研究科 地球物理学専攻・教授
専門分野:超高層物理学
主な研究課題:雷放電発光現象の研究、磁気圏・電離圏結合とオーロラ現象の
研究、惑星電磁圏・大気圏の研究
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:太陽活動変動と気候変動のリンクにおける雷活動の役割の研究
2) 研究目的と成果概要:
謎として残されている「太陽活動変動と気候変動のリンクのメカニズム」において、雷活動が果た
す役割を明らかにすることを研究目的とする。具体的には、雷雲・電離圏間の放電発光現象(スプ
ライト、エルブス、ブルージェット、巨大ジェット等)を地上および衛星から観測し、「太陽活動―雷活
動―気候変動」のリンクの存在の証拠を見つけることを目指す。そのために地上観測では、ELF
帯(1~100 Hz)の磁場水平2成分(南北と東西)の波形を連続でモニターするサーチコイル磁力計
をグローバルに配置された 3 ヶ所、すなわち南極昭和基地(69.0S, 39.6E)、スウェーデン・
ESRANGE(67.9N, 21.1E)、東北大学女川観測所(38.4N, 141.5E)に設置し、地球全域の雷活
動をリアルタイムでとらえるシステムを完成させた。昭和基地のデータはインテルサット衛星経由で
国立極地研究所に送られ、その後インターネットで東北大学まで送られる。一方キルナのデータは
インターネットで直接東北大学に送られる。これらのデータを統計的に解析することによって、全球
雷発生率が太陽自転周期(27 日)で変動し、さらに全球高層雲雲量と逆相関の関係にあることを
明らかし、太陽活動変動が雷活動を介して地球のアルベード変動を引き起こしている可能性を指
摘した。この成果をまとめた論文は Geophysical Research Letters [Sato and Fukunishi,
2005]に掲載された。
衛星観測に関しては、台湾の国立成功大学と国家宇宙計画室(NSPO)、カリフォルニア大学宇
宙 科 学 研 究 所 、 東 北 大 学 が 共 同 で 開 発 し た ISUAL 観 測 器 を 搭 載 し た 台 湾 の 人 工 衛 星
FORMOSAT-2 が 2004 年 5 月 20 日に打ち上げられ、雷雲・電離圏間の雷放電発光現象の宇宙
からのグローバル観測が世界で初めて実現した。東北大学は、ISUAL を構成する 3 つの観測器
の 1 つ、アレイフォトメーターを開発したことから、このデータ解析を中心に研究を進めており、これ
までに得られた約1年半年分のデータから、スプライト・エルブスのグローバル分布、発光のスペク
トル、発光に関与する電子のエネルギー、放電開始に必要な電場強度の高度分布が明らかになり
つつある。さらに上述の地上 ELF 帯ネットワーク観測データを用い、FORMOSAT-2 衛星で観測さ
れたスプライト・エルブスを引き起こす落雷の極性と電荷モーメントを求め、エルブスとスプライト・ヘ
イローが主に海上での小・中規模の落雷によって、スプライト・ストリーマーが大陸上の大規模な落
雷によって発生する状況を明らかにした。
これらの先進的な研究成果は国際的に高い評価を受けており、2005 年 10 月 23-29日にニュー
デリーで開催された第 28 回電波科学国際連合(URSI)総会で招待講演を行った。
小野 高幸
部局:理学研究科 地球物理学専攻・教授
専門分野:惑星プラズマ物理学
主な研究課題:太陽活動変動に伴う内部磁気圏電磁プラズマ現象の研究
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:太陽活動変動に伴う内部磁気圏電磁プラズマ現象の研究
2) 研究目的と成果概要:
本研究は,磁気嵐時に内部磁気圏に生じる大きな電磁場変動とそれに伴う高エネルギー粒子の
運動,及びこれらの高エネルギー粒子と磁気赤道域プラズマ波動の関連性について究明を行うも
のである。
第一の課題として,まず Akebono/EFD 観測器のデータを用いて磁気嵐時の強い電場の統計解
析を行った。その結果,静穏時の電場は共回転電場,電離圏から投影される Sq 電場,磁気圏対流
電場の重ね合わせで表現されることが分かった。また,磁気嵐時には朝側と夕方側の 2<L<8 の局
在した領域に 1.5 から 4.0 mV/m の強い電場が誘起されることが示された。この電場の起源につい
ての検討を行った結果,磁気嵐時には対流電場の他に環電流粒子の電荷分離による電場が存在
することが判明した。
これらの強い背景電場を用いて,磁気嵐時に観測される電場に伴う環電流粒子と放射線帯電子
の運動を,相対論的 guiding center 方程式を用いて数値計算した。その結果,静止軌道で 10keV
の O+イオンは強い E×B ドリフトによって 2 時間以内に L=3 まで輸送され,エネルギーは 75 keV
に増大した。これは Volland-Stern 形の電場モデルを用いた数値計算結果[Jordanova and
Miyoshi, 2005]よりも 1RE 程度地球に近く,また CRRES 衛星による観測結果とよく一致している。
電子について初期 pitch 角 45°で同様の計算をした結果,4 時間以内に L=2.0 まで注入され,断
熱不変量の保存則より pitch 角が 89.6°まで増大し,磁気赤道域に局在する電子分布が得られた。
これは,後に解析する磁気赤道域プラズマ波動強度増大現象(EPWAT)の自由エネルギー源にな
っていることが強く示唆される。
放射線帯電子について観測される電場中での電子の運動を解析した結果,静止軌道で 500keV
以下の電子は強い E×B ドリフトによって 6 時間以内に L=4.7 まで輸送され,エネルギーは 1MeV
程度まで増大した。LANL 衛星により静止軌道で観測された flux を境界条件として内部磁気圏の
放射線帯電子 flux を数値計算した結果,CRRES 衛星で観測されたエネルギースペクトルとよい一
致を示す。この結果は,強い背景電場による磁気圏尾部からの粒子輸送で放射線帯が形成可能で
あることを表し,また従来考えられてきた内部加速,従来の動径方向拡散過程よりも効率的に放射
線帯粒子を生成可能であることを示している。
この磁気圏尾部からの粒子輸送により放射線帯が形成される可能性は,実際に観測される位相
空間密度分布からも支持されている。CRRES 衛星で観測される放射線帯電子 flux と磁場強度デ
ータを用いて磁気赤道域での位相空間密度を解析した結果,磁気嵐回復相の初期において L 値の
増大と共に位相空間密度が単調増加することが示された。これは高エネルギー粒子が外側の領域
から内側へと輸送されていることを表し,内部磁気圏で直接放射線粒子を生成する内部加速説と
は矛盾したものとなっている。
次に背景磁場変動と放射線帯電子 flux,pitch 角分布との対応を解析し,背景磁場の高エネル
ギー粒子に対する効果を調べた。Akebono 衛星と CRRES 衛星で観測される磁気赤道域の pitch
角分布の変動を解析した結果,内帯とスロット領域で pitch 角分布が磁気嵐の発達によく対応して
pancake 型から dumbbell 型へと変化し,再び pancake 分布へと変化する様子が見られた。これ
は第一断熱不変量保存則から解釈でき,背景磁場が大きい領域でも磁場変動の効果が放射線帯
粒子の運動に重要であることを示した。
外帯では地磁気擾乱時の背景磁場の減少によく対応して放射線帯 flux が減少することを
GOES 衛星の観測データから示し,外帯領域でも背景磁場の効果が重要であることを示した。しか
し,磁場が静穏時の値に回復しても放射線帯電子 flux は擾乱前のレベルに戻らず,地磁気擾乱の
過程で完全な断熱過程には従わないことが明らかとなった。guiding center 方程式を用いた数値
計算の結果,磁場減少に伴って粒子は磁気圏の外側領域へと輸送され,外帯外縁部の粒子から
順に磁気圏界面へと流出することが示された。これは Akebono 衛星による観測結果とよい一致を
示した。
中村 教博
部局:理学研究科 地学専攻(総合学術博物館)・助手
専門分野:地球惑星磁気学
主な研究課題:隕石やシュードタキライトを用いた古磁場環境の研究
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:岩石磁性から探る原始太陽系磁場・衝撃プラズマ磁場と高圧磁性
2) 研究目的と成果概要:
初期地球や原始太陽系の磁場環境を、隕石やシュードタキライトといった岩石から復元すること
を目的として研究をおこなっている。本年度はインド・ジャンジ地域で新たに発見された原生代隕石
孔周辺のシュードタキライトとスウェバイト(衝突蒸発雲の堆積物)の組
織観察と古地磁気測定をおこなった。さらに、隕石中のコンドリュールや
衝撃脈といった幅数ミリメートルスケールの磁気分布をその場測定する
ために、新たに走査型MI磁気顕微鏡の試作(写真)やグリーンレーザー
と反射顕微鏡を利用したその場スポット加熱装置も試作した。また、一
昨年度のCOE研究費で作成したダイアモンドアンビルセルを用いた高
圧帯磁率測定装置の発展研究として、磁鉄鉱の低温構造相転移(ファ
ラウェイ転移)に関する圧力の影響を調べ、異常な2つの低温相転移が
存在することを実験的に再現することに成功した。また、野島断層帯の古地磁気測定から、地震時
に断層面に垂直な方向に電流が流れたと考えられる残留磁化特性もみいだした。本年度の成果
は以下のとおりである。
1. サドバリー隕石孔のシュードタキライト試料の古地球磁場強度推定実験から、18億5千万年前の
隕石衝突時の地球磁場強度が現在の半分程度である事を解明した(Nakamura and Iyeda,
2005)。
2. 始原的コンドライト隕石中の‘ダスティーオリビン’コンドリュールが強い保持力と熱安定性を持ち、
還 元 状 態 の 原 始 太 陽 系 磁 場 を 推 定 で き る 可 能 性 を 示 し た ( Uehara and Nakamura,
submitted)。
3. 花崗岩体の斜長石中で微小離溶した磁鉄鉱の結晶方位を非履歴性残留磁化異方性によって定
量化することで、帯磁率異方性が示す磁性鉱物配列とは異なる、花崗岩マグマの流動方向をあ
らわす斜長石の鉱物配列を解明した(Usui et al., under revision)。
地球進化史研究グループの研究成果概要
【事業推進担当者】
掛川
箕浦
海保
佐藤
孫
武
幸治
邦夫
源之
明宇
理学研究科 地学専攻・助教授
理学研究科 地学専攻・教授
理学研究科 地学専攻・教授
東北アジア研究センター 地域環境研究部門・教授
学際科学国際高等研究センター、(兼)流体科学研究所・
学際衝撃波研究分野・助教授
【研究成果概要】
(1)
概要
地球進化史研究グループは、初期地球システムの構築(生命の起源含む)、大規模氷河—
温暖化と生物進化、小天体衝突と大量絶滅を重点課題とし研究教育を行ってきている。特に
2005 年度は理工連携のもと衝撃波実験を行い初期地球環境を想定した隕石落下でアンモ
ニアが生成されることを示したり、海底熱水系での始源的微生物活動を明らかにしてきてい
る。同時に、大陸掘削をベースに古気候変動・海洋化学変動と生物進化の関連の研究を格
段に進めた。2005 年度の目標は、おおむね達成してきている。理工連携も東北大学大学院
理学研究科—流体科学研究所—物質材料研究機構—環境科学研究科の間で進行している。
科研費も基盤研究 S, 基盤研究 A,B、萌芽など潤沢である。教育においても先端理学国際コ
ースと連携した英語授業や先端地球惑星科学特殊講義(新設講義)など開講し、研究内容を
教育に還元してきている。「地球・生命—その起源と進化」(大谷・掛川共著、共立出版)を出
版し異分野間の概念の統合につとめた。
(2)
大学院学生の活動
博士学生が1名特待大学院生として研究活動を行った。博士学生が日本学術振興会特別
研究員に選出された。学生1名が Early Earth Symposium で Best Question Award を受
賞した。
(3)
ポストドクトラル・フェローの活動
日本人2名(新妻・石田)を COE 経費で雇用しており。外国における初期地球環境調査な
どに参加したり、隕石衝突時のエアロゾルの影響を研究して来ている。その他、日本学術振
興会特別研究員を受け入れ研究体制を整えている。
(4)
シンポジウムと国際共同研究
2005 年 5 月に開催された Early Earth Symposium と地球惑星関連学会合同大会国際
セッションでは地球進化史研究グループが主導になりシンポジウムを行った。3 名の外国人
(Nisbet, Buick, Beukes)を招聘した。その他 1 名の外国人を招聘し講義セミナーなどを行っ
た。
掛川 武
部局:理学研究科 地学専攻・助教授
専門分野:地球進化
主な研究課題:初期地球環境の復元、生命起源に関する化学進化
連絡先:E-mail:[email protected].jp
[研究報告]
1) 研究活動:
1. 2005年の研究は掛川が代表である科学研究費課題に基づいて行われた。継続課題である基
盤研究 A「上部地殻内でのポリペプチド・ポリヌクロチドの生成」では高温高圧条件で9量体ま
でアミノ酸の重合に成功した。また初期地球環境の隕石重爆撃を模擬した実験において、水存
在下では隕石物質が簡単に蒸発する事、そこで同時にアミノ酸が生成される事を示した。その
成果の一部は EPSL に発表した。
2. 基盤研究新規研究課題として2件採択された。基盤研究 B「世界最古の生物起源グラファイトの
探査に関する国際共同研究」では、掛川がグリーンランドのイスア地域から見いだした、新しい
地層を詳細に調査する課題である。7月〜8月の3週間にわたりグリーンランドの調査を行った。
帰国後の様々な分析により生物起源と思われるグラファイトの証拠を得た。また比較研究のた
めカナダ・スティープロック地域の調査も行った。
3. 萌芽研究「海底熱水系における分子レベルでの微生物・鉱物相互作用」では、JAMSTEC 公募
航海(YK05-09 と NT05-16 航海)で得られた試料を詳細に分析する課題である。人工的に掘
削された掘削孔に微生物マットが発達していることを世界で初めて認識し、その試料の採集に
成功した。この試料に対し電子顕微鏡観察、極微少量同位体分析などを行ってきている。ナノ
スケールレベル、分子レベルで微生物が鉱物に依存して生息する姿が具体化された。
2) 理工連携による研究:
物質材料研究機構の関根利守博士と衝撃波発生装置を用いた海洋隕石衝突実験を行った。物
質材料研究機構とは共同研究協定を結んでいる。同時に関根利守博士を東北大学連携大学院教
授として学生の指導にもあったてもらっている。一段式ガス銃試料保管庫に改良を加えるなど新し
い実験手法も開発している。
3) 国際交流:
1. 1月に第一回日独先端科学シンポジウム(Japan
German Frontier of Science)がドイツ・マインツで
開かれた。日本学術振興会とフンボルト財団の共同
企画である。掛川はここで、ゲストスピーカーとして
招待講演を行った。同時に第3回の企画、責任を負
う PGM 兼主査に任命された。
2. 5 月 に 千 葉 県 幕 張 に お い て Early Earth
Symposium および Discussion Meeting を責任者
として企画した。これは東京工業大学、東京大学
COE と 共 同 で 行 っ た 。 地 球 惑 星 連 合 合 同 大 会 の 国 際 セ ッ シ ョ ン も 兼 ね る 物 で あ っ た 。
Symposium で は 延 べ 3 0 0 名 、 Discussion Meeting で は 8 0 名 の 参 加 者 が あ っ た 。
Disucssion meeting では掛川が指導する学生が Best Question Award を受賞した。
3. コペンハーゲン大ローシング博士と共同でグリーンランドの調査を行った。ロイヤルホロウェイ
大のニスベット博士を8月に訪問した、同時にイギリスロイヤルアカデミー主催 2007 年
discussion meeting の共同提案を行った。
小惑星・隕石の落下を
模擬した理工連携による
さまざまな衝撃圧縮実験
やシミュレーション研究
現在の海底熱水系
に生きる微生物から
初期生命体の活動様
式を探る研究
JAMSTEC 提供
(伊豆小笠原弧水曜海山
初期地球環境で形成
された岩石から初期地
球環境やそこで生息し
ていた生物の活動様
式を読み取る研究
(グリーンランド・イスア地域)
箕浦 幸治
部局:理学研究科 地学専攻・教授
専門分野:地球科学
主な研究課題:地質学、古生物学
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:講演(招待のみ)・講義
・「Sedimentation caused by a tsunami of non-earthquake source」
In NSF (National Scientific Found) -sponsored workshop on tsunami deposits and
their role in tsunami hazard assessment and preparedness. June 12 - June 15, 2005
at the University of Washington、SEATTLE
・ 「Slope failure and coastal erosion around the Marmara Sea」
In CGET (Chamber of Geological Engineers of Turkey) -sponsored symposium on the
geology of Istanbul. December 16 - December 18, 2005, at the Istanbul University,
ISTANBUL.
2) 研究目的と成果概要:Sediment cores recovered from Lake Baikal were studied to clarify
environmental influences on planktonic diatoms in the lake. For the purpose of
making clear the planktonic diatom succession and paleolimnological changes, I
analyzed the stratigraphic occurrence of fossil planktonic diatoms, grain-size
composition, biogenic silica content, pollen concentration, and organic geochemistry of
core samples. Through these analyses, I revealed paleoenvironmental change and its
influence on the planktonic diatoms in Lake Baikal. In glacial periods, the drainage
basin was poorly vegetated and covered by thin soils, which caused limited nutrient
supply from the watershed to the lake. As a result, Lake Baikal was oligotrophic in
glacial periods. However, mountain glaciers denuded the basement rocks, resulting in
a supply of Fe-rich terrestrial materials to the lake. Morphological characteristics of
planktonic diatoms changed synchronously with glacial–interglacial cycles, reflecting
oligotrophic conditions during glacial periods. Planktonic diatoms in glacial sediment
samples indicate relatively large size of cell diameter with reflecting sufficient
dissolved iron, which is necessary for metabolism and photosynthesis of
phytoplankton. From palynological analysis, the vegetation history of the drainage
basin indicates a trend toward aridification during the last 230 ka. The decreasing
trend of humidity decreased the amount of snow accumulation on top of the frozen
surface of the lake, allowing solar radiation to penetrate the ice in winter, thus
enhancing the production of diatoms, which caused blooming under the ice. Changes of
limnological conditions around Lake Baikal also significantly influenced the
planktonic diatoms. Disruption of the fluvial outflow of lake water in the Late
Pleistocene caused the lake level to rise and reduced the area of shallow water in the
near shore zone, which altered the generic composition of planktonic diatoms. In this
context, environmental changes in and around Lake Baikal have greatly influenced
the planktonic diatom diversity and speciation.
海保 邦夫
部局:理学研究科 地学専攻・教授
専門分野:微古生物学、古海洋学
主な研究課題:生物の大量絶滅の原因とプロセスの解明
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:大量絶滅の原因とプロセスの解明
2) 研究目的:成果概要
数値計算・実験と堆積物分析の結果から、小天体衝突により形成される成層圏エアロゾルが、
生物と地球環境に及ぼした影響を明らかにする。堆積物分析の結果からは、大量絶滅の原因と環
境激変の実態を明らかにする。
1. 改善した 2D モデリングによるより精度のよい衝突シミュレーションを行ない、20km の小惑星と
13km の彗星の地球への衝突により成層圏に上がる海水、地殻、マントルの量を求めた。
2. 小天体衝突成層圏硫酸エアロゾルによる太陽光反射後の晴れ上がり時の紫外線量増加現象
を計算により発見した。
3. 暁新世/始新世境界(5500 万年前)の極端温暖化の時期に浮遊性有孔虫化石のサイズが極
大になり、底生有孔虫化石のサイズが極小になることを発見した。
4. ペルム紀末の史上最大の大量絶滅と硫酸塩硫黄同位体比の減少が同時であることを明らか
にした。
5. ペルム紀末から初期三畳紀にかけての硫酸塩硫黄同位体比変動が、当時の2つの大洋であ
るパンサラッサ海とテチス海で異なることを明らかにした、
佐藤 源之
部局:東北アジア研究センター 地域環境研究部門・教授
専門分野:電波応用計測
主な研究課題:地中レーダ、合成開口レーダ
連絡先:E-mail:[email protected]
[研究報告]
1) 研究タイトル:
1. ボアホールレーダによる地下環境計測
2. 地中レーダによる地下水計測
3. 地中レーダによる地雷検知・除去
2) 研究目的と成果概要:
1. ボアホールレーダによる地下環境計測
地下10m以上の深度では精密な地下計測を地表から行うことは難しい。ボアホールを利用し
た地中レーダ計測であるボアホールレーダの利用により、詳細な地下き裂分布と水みち推定か可
能となる。我々が開発している光電界センサを利用した新しいレーダシステムの評価実験を岩手
県釜石鉱山内東北大学実験フィールドにおいて実施したデータを利用し、反射波の到来方向を推
定するアルゴリズムを開発し、データに適用した結果、基本的な特性は確認できた。また地下き裂
からの反射波の偏波特性を詳細に検討するレーダポーラリメトリ手法を利用し、き裂表面の形状
粗さを推定するアルゴリズムを開発し、実データに適用したところ、水理計測データと良い一致を
みた。
一方、ボアホールを利用して対象物を挟み込むように計測ができる場合、電波の到達範囲が
長くなるためイメージングに有利と考えられる。一般にはトモグラフィなどの再構成手法で画像化
を行うが実際には土壌の減衰によって、強い制約を受けることがわかった。対象物がパイプやト
ンネルなど形状の既知な場合について、対象物の位置だけを正確に推定する逆散乱問題アルゴ
リズムを開発した。この結果、20m間隔のボアホール計測で 50cm 程度の精度でトンネル位置推
定が可能となった。
2. 地中レーダによる地下水計測
地中レーダを利用して土壌汚染を推定するアルゴリズムを考案した。土壌汚染からのレーダ反
射波は微弱で、また形状も不定である。データの空間相関性を利用したアルゴリズムによって、土
壌サンプルの化学分析とレーダ観測によい相関がみられた。
地中レーダを利用した地下環境計測は多くのアジア諸国でも非常に重要な技術となる。2005
年 11 月、佐藤源之は COE の支援を受け、アジア工科大学(AIT:タイ)において、地中レーダ技術
の集中講義を行った。
3. 地中レーダによる地雷検知・除去
世界の紛争地に残る対人地雷の除去を支援するため開発した新型探知機 ALIS は作業効率
を上げるため、従来の金属探知機に地中レーダを搭載している。2005 年度はイタリア、スエーデ
ン、オランダの研究機関に開発した ALIS 装置を持ち込み、評価実験を行った。またエジプト、クロ
アチアの地雷被災国において ALIS の現地評価実験を実施して、実用化を進めている。
孫 明宇
部局:学際科学国際高等研究センター、
(兼)流体科学研究所・学際衝撃波研究分野・助教授
専門分野:衝撃波工学、流体工学、数値流体力学
主な研究課題:衝撃波を含む高速衝突に関する数値的ならびに実験的研究
連絡先:E-mail:sun@ cir.tohoku.ac.jp
[研究報告]
1) 研究タイトル:極低温環境下における高速衝突現象に関する実験的研究
2) 研究目的と成果概要:
小天体衝突による惑星表層環境激変過程を数値模擬アプローチによる研究は,生命起源と初
期進化様式,その後の生物絶滅の解明に不可欠の手段になっている。過去の数値模擬の検証は
主に常温環境下で行われていた。しかし、実際の惑星は日照面では極端な高温となり、また日陰面
では極低温環境下に曝される。これらの極限環境下では、 材料物性値は常温のそれとは異なる
ため、衝突による破壊挙動も異なることが予想される。そのため、より精確な数値模擬のために、こ
のような環境下における衝突実験は緊急にデータベース化されることが要請される。しかし、これら
の検証を試みた研究は、現在限られた数しか存在しない。 本研究では、極低温環境下における高
速衝突現象を解明するため、液体窒素回流型クライオスタットを用いてアルミニウム板を 120K まで
に冷却し、二段式軽ガス銃を用いて高速衝突実験を行い、デブリクラウドの形成過程の可視化を行
った。常温環境下でも同様の実験を行い、結果を比較した。結論は以下の通りである。 広い速度
域においてデブリ雲の時系列的な可視化に成功し、温度の違いにより、デブリ雲内の破片分布及
び飛散分布が異なることを明らかにした。
z
高速衝突の貫通孔には温度依存性があり、同一衝突速度では温度が上昇すれば貫通孔は大
きくなる
低温環境下において、高速衝突速度で断面に亀裂が生成
(速度 3.39km/s; 温度 118.8K)
貫通孔面積の温度依存性
Ⅲ. COE研究員
― COE研究員一覧 ―
固体地球研究グループ
鈴木 由希,博士(理学)
(地震火山ダイナミクス, 受入: 吉田武義)
内田 直希,博士(理学)
(地震火山ダイナミクス, 受入: 長谷川昭)
根本 克己,博士(学術)
(地震火山ダイナミクス, 受入: 土屋範芳)
宮原 正明,博士(理学)
(核マントルダイナミクス, 受入: 大谷栄治) 2005 年 4 月 1 日から
Konstantin Litasov, Ph. D (核マントルダイナミクス, 受入: 大谷栄治)
流体地球・惑星研究グループ
上原 裕樹,博士(理学)
(気候変動ダイナミクス, 受入: 花輪公雄)
石戸谷 重之,博士(理学)(気候変動ダイナミクス, 受入: 中澤高清)
浅海 竜司,博士(理学)
山﨑 敦,
(気候変動ダイナミクス, 受入: 井龍康文)
博士(理学) (太陽地球系ダイナミクス,受入: 岡野章一)
地球進化史研究グループ
石田 春磨,博士(理学)
(受入: 浅野正二)
新妻 祥子,博士(理学)
(受入: 掛川武)
日本学術振興会 COE 枠 博士研究員
宮崎 和幸
(気候変動ダイナミクス, 指導: 岩崎俊樹)
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
す ず き
ゆ
き
鈴木 由希
受入教員名:吉田 武義
研究グループ名:固体地球研究グループ(地震火山ダイナミクス)
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【研究内容】
(1)
研究課題または研究目的
噴火現象•機構の理解を目的とし,火山下でのマグマプロセスの物質科学的研究を
課題とした.研究対象は,1)マグマ溜りでのプロセス,マグマ溜りの深度•構造•時間発
展と,2)溜りよりも浅所での,噴火に際したマグマ挙動(上昇速度,停滞深度•時間)と
マグマでの現象(減圧による結晶作用,発泡),に大きく二分される.1)が 2)の出発点と
いう点で,二つの課題は互いに切り離せない関係にある.
(2)
平成 17 年度研究活動の概要・進捗状況
課題 2)(浅所でのマグマ挙動)については,A)マグマの減圧で起きる現象について
の研究と,B)特定火山での事例研究,を並行し進めている.A)については過去に行っ
た実験的研究(Suzuki et al. in review)の結果を元に,減圧に伴う結晶作用の普遍
性を探った.火山噴出物から,マグマ挙動の情報をより良く抽出できるようにすることを
目的としている.B)については有珠火山を対象とし,共同研究を進めている.近年の 2
噴火(2000,1977)を引き起こしたマグマは,溜りでの温度,圧力条件が似ているので,
組織比較によって容易にマグマ挙動の相違を明らかにすることができる.これにより噴
火様式や位置の決定要因と深度を探ることを主な目的としている(鈴木•中村;合同大
会 2006 発表予定).加えて,中村氏の博論テーマである 77 年噴火に対しても,2000
年噴火の成果(Suzuki et al. in review)や A)の結晶作用の知見を元に,助言や分析
指導を行なっている.
課題 1)(マグマ溜りプロセス)について,榛名,新島での事例研究(後者は吉木氏修
論)を行った.榛名では一噴火を対象とし噴火誘発プロセスを,新島では一火山のマグ
マ供給系の進化の研究を,それぞれ行った.
さらに火山岩分析で頻用される WDS について,試用と分析値評価を開始した.
【研究成果】
(1)
成果概要
噴火に際しマグマの減圧によって起きる結晶作用について,理論•実験的研究並び
に事例研究のレビューを行った(発表並びに論文作成).火山噴火を理解する上での,
物質科学データと地球物理学データ融合の重要性を鑑み,結晶組織からマグマ挙動を
より良く読み取るための改善点と課題を提案した.榛名火山の研究では,混合マグマ
から端成分マグマの情報を注意深く読み取ることで,同火山のマグマ供給系を明らか
にした.同時に溜り周辺でのマグマのダイナミックス(溜りへの注入,溜りでの移動,溜
りからの上昇)の記録を解読し,噴火準備過程について,より具体的な実像を与えた.
以上の研究により,歴史時代噴火がなく近代的な観測のなかった同火山でも,噴火現
象をより良く理解できるようになる.すなわち上の物質科学的成果を元に,将来の噴火
に際し起きる地震活動や地殻変動を評価し,噴火予知を行うことが可能になる.
他のテーマについても,内外の学会で発表した.
(2)
業績リスト
【論文】
Yuki Suzuki, James E. Gardner and Jessica F. Larsen: Experimental
constraints
on
syneruptive
magma
ascent
related
to
the
phreatomagmatic phase of the 2000 A.D. eruption of Usu volcano,
Japan. Bull. Volcanol. (in review).
Yuki Suzuki and Setsuya Nakada: Magma plumbing system and eruption
mechanism in recent eruptions of Haruna volcano, central Japan.
Journal of Petrology (will be submitted soon).
鈴木由希: 噴火に際したマグマ挙動の物質科学的研究-結晶組織・組成の役割と,
減圧結晶化実験-, 火山(平成17年度中に投稿)
【学会やシンポジウム等での発表】
鈴木由希,榛名火山のマグマ供給系と噴火メカニズム,地球惑星科学関連学会,
東京,2005 年 5 月.
吉木佳奈・鈴木由希・中村美千彦,伊豆新島火山のマグマ供給系の進化,地球惑
星科学関連学会,東京,2005 年 5 月.
Yuki Suzuki , Experimental constraints on syneruptive magma ascent
related to the phreatomagmatic phase of the 2000 A.D. eruption of
Usu volcano, Japan, 21COE International Symposium 2005, Sendai,
July, 2005.
鈴木由希,噴火に際したマグマ挙動の物質科学的研究-結晶組織・組成の役割と,
減圧結晶化実験-,火山爆発夏の学校,伊香保,2005年9月.
鈴木由希・Gardner James E.・Larsen Jessica F., 珪長質メルトの減圧結晶化実
験-噴火に際したマグマ上昇過程の物質科学的研究への示唆-,日本火山学
会秋季大会,札幌,2005 年 10 月.
Yuki Suzuki, Magma plumbing system and eruption mechanism in recent
eruptions of Haruna volcano, central Japan, AGU Fall Meet, San
Francisco, December, 2005.
Kazuki Nakamura, Yuki Suzuki and Hiromitsu Taniguchi, Degassing
processes of Usu 1977 Plinian eruption: Implications from its pumice
textures, AGU Fall Meet, San Francisco, December, 2005.
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
う ち だ
な お き
内田 直樹
受入教員名:長谷川 昭
研究グループ名:固体地球研究グループ(地震火山ダイナミクス)
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【研究内容】
(1)
研究課題または研究目的
相似地震解析に基づくプレート間すべりの時間発展の追跡と非地震性すべり領域
の検出
(2)
平成 17 年度研究活動の概要・進捗状況
北海道南東沖の相似地震解析から 2003 年に発生した十勝沖地震(M8.0)後の準
静的すべりの加速(余効すべり)が,2004 年 11 月 29 日に M7.1 の地震が発生した根
室半島沖付近まで達しており,準静的すべりの加速がこの地震の発生時期に影響を
与えた可能性を示した.この結果について,AGU にて口頭発表し,論文を準備中であ
る.
相似地震自動検知システムの構築と改良を行い,4 月より毎月ホームページにて相
似地震によるプレート間すべりのモニタリングの結果の公開を開始した.また,このシ
ステムの概要と結果について,地震学会にて「小繰り返し地震による千島・日本海溝
沿いプレート境界の準静的すべりモニタリング」と題して招待講演を行った.同発表に
ついては,2006 年 5-6 月頃刊行予定の雑誌月刊「地球」の特集号への原稿依頼を受
け執筆中である.
2005 年 8 月 16 日に宮城県沖で発生した M7.2 の地震について,この地震後の余
効すべりがあまり顕著でないことを相似地震解析から示した.この結果について,
AGU 及び地震学会にて発表し, EPS 誌への論文を執筆中である.
2006 年 1 月に COE の若手研究者の海外派遣制度により米国地質調査所におい
て W. L. Ellsworth 氏および S. Kirby 氏と共同研究・議論を行った.
研究課題「相似地震解析による北海道南東沖プレート境界での準静的すべりの推
定」が平成 17 年度科学研究費補助金の若手研究 B に採択され,精力的に研究を行
った.
また,国内外の学会や研究集会での成果の発表を積極的に行った.
【研究成果】
(1)
成果概要
平成 17 年度の研究活動により主に以下のような成果があった.
・ 2003 年十勝沖地震の震源域の周辺でのプレート間すべりの時間発展の推定
2003 年十勝沖地震の震源域近くにおいては,本震後相似地震活動が活発化し,準
静的すべり(余効すべり)が推定された.そのすべり量は本震アスペリティの海溝側や
東側で比較的大きい.2003 年十勝沖地震後の準静的すべりの加速は,2004 年 11
月 29 日に M7.1 の地震が発生した根室半島沖付近まで達しており,準静的すべりの
加速がこの地震の発生時期に影響を与えた可能性が考えられる.2003 年十勝沖地
震,及び 2004 年 11 月 29 日の地震の余効すべりは 2005 年のおわりの時点でも継
続しているようにみえる.
・ 相似地震自動検知システムの構築と改良
日本海溝沿いに加え,千島海溝沿い(北海道南東沖)において相似地震のモニタリ
ングができるようになった.今後は,東北地方南部(茨城・千葉県沖)への解析領域の
拡大,及び検知システムの安定化のため改良を行う予定である.
・ 相似地震の精密な震源決定
波形の相似な地震のなかから,同じアスペリティの繰り返し破壊を正確に抽出する
ことは本研究課題の目的を達成する上で非常に重要である.平成 17 年度の COE の
若手研究者の海外派遣制度による米国地質調査所滞在により,波形の相関を用い近
接した地震の走時差を正確に求める手法を習得した.今後この手法を用いて相似地
震の精密な震源の決定を行う予定である.
(2)
業績リスト
【論文】
Uchida, N., T. Matsuzawa, A. Hasegawa, and T. Igarashi, Recurrence
intervals of characteristic M4.8±0.1 earthquakes off Kamaishi, NE
Japan - Comparison with creep rate estimated from small repeating
earthquake data, Earth Planet. Sci. Lett., 233, 155-165, 2005.
Hasegawa, A., N. Uchida, T. Igarashi, T. Matsuzawa, T. Okada, S. Miura
and Y. Suwa, Asperities and quasi-static slips on the subducting plate
boundary east off Tohoku, NE Japan, SEIZE volume,Columbia
University Press, in press 2006.
Okada, T., N. Umino, T. Matsuzawa, J. Nakajima, N. Uchida, T. Nakayama,
S. Hirahara, T. Sato, S. Hori, T. Kono, Y. Yabe, K. Ariyoshi, S. Gamage,
J. Shimizu, J. Suganomata, S. Kita, S. Yui, M. Arao, S. Hondo, T.
Mizukami, H. Tsushima, T. Yaginuma, A. Hasegawa, Y. Asano,
Aftershock distribution and 3D seismic velocity structure in and
around the focal area of the 2004 mid Niigata prefecture earthquake
obtained
by
applying
double-difference
tomography
to
dense
temporary seismic network data., Earth Planet. Space, 57, 435-440,
2005.
Umino,N., T. Kono, T. Okada, J. Nakajima, T. Nakajima, T. Matsuzawa, N.
Uchida, A. Hasegawa, Y. Tamura, G. Aoki, Revisit to the 1930s’ three
Miyagi-oki earthquakes with magnitude more than 7 : Possible
rupturing of asperities that caused the 1978 M7.4 Miyagi-oki
earthquake, submitted to Earth Planet, Space, 2006.
Nishimura, T., S. Tanaka, T. Yamawaki, H. Yamamoto, T. Sano, M. Sato, H.
Nakahara, N. Uchida, S. Hori and H. Sato, Temporal changes in
seismic velocity of the crust around Iwate volcano, Japan, as inferred
from analyses of repeated active seismic experiment data from 1998 to
2003., Earth Planet. Space, 57,491-505, 2005.
岡田知己・海野徳仁・松澤暢・中島淳一・内田直希・中山貴史・平原 聡・柳沼直・長
谷川昭・浅野陽一・Zhang Haijiang・Thurber Clifford H.,DD トモグラフィ
によって推定された 2004 年新潟県中越地震の断層の微細構造,月刊地球,
号外 53 号,2-10,2005.
【学会やシンポジウム等での発表】
Uchida, N., T. Matsuzawa, S. Hirahara, T. Igarashi, M. Kasahara, A.
Hasegawa, Quasi-static Slips Around the Source Areas of the 2003
Tokachi-oki (M8.0) and 2005 Miyagi-oki (M7.2) Earthquakes, Japan
Estimated From Small Repeating Earthquakes, AGU 2005 Fall
Meeting, San Francisco, California, December 2005. (Oral)
Uchida, N., T. Matsuzawa, T. Nakayama, A. Hasegawa, Y. Motoya, M.
Ichiyanagi, M. Takada, M. Okayama, M. Kasahara, Quasi-static slips
before and after the 2003 Tokachi-oki and November 29, 2004
off-Kushiro earthquakes at SE off Hokkaido, Japan estimated from
repeating earthquakes, AOGS 2005, Singapore, June 2005 (Invited).
Uchida, N., T. Matsuzawa, T. Nakayama, A. Hasegawa, Y. Motoya, M.
Ichiyanagi,
M.
Takada,
M.
Okayama,
and
M.
Kasahara,
Spatio-temporal distribution of inter-plate quasi-static slip southeast
off Hokkaido, Japan, estimated from repeating earthquakes, 21COE
International Symposium 2005 Spatial and Temporal Fluctuations in
the Solid Earth - Clues to the Future of Our Planet -, Sendai, Sendai
City War Reconstruction Memorial Hall, July, 2005. (Poster)
Uchida, N., T. Matsuzawa, S. Hirahara, T. Igarashi, A. Hasegawa, and M.
Kasahara, Monitoring of quasi-static slip along the subducting plate
boundary of NE Japan by small repeating earthquake analysis, Asian
Academic Seminar JASS05, Nagoya, Nagoya University, October,
2005. (Poster)
内田直希・松澤暢・平原聡・長谷川昭,小繰り返し地震による千島・日本海溝沿いプ
レート境界の準静的すべりモニタリング,2005 年日本地震学会秋季大会,札
幌市 北海道大学 ,2005 年 10 月(招待講演).
内田直希・松澤暢・平原聡・長谷川昭,2005 年 8 月 16 日宮城県沖の地震(Mj7.2)
周辺の相似地震活動,2005 年日本地震学会秋季大会,札幌市 北海道大
学 ,2005 年 10 月 (ポスター).
内田直希・松澤暢・中山貴史・長谷川昭・本谷義信・一柳昌義・高田真秀・岡山宗
夫・笠原稔, 相似地震活動から推定された過去約 10 年間の十勝沖~釧路沖
の準静的すべり, 2005 年球惑星科学関連学会,千葉県幕張メッセ国際会議
場 ,2005 年 5 月 (口頭).
内田直希・松澤暢・平原聡・五十嵐俊博・長谷川昭・笠原稔, 小繰り返し地震による
東北日本沈み込み帯の準静的すべりのモニタリング, 研究集会「地殻活動デ
ータに基づく予測シミュレーションモデル構築に向けて」 , 東京, 東京大学地
震研究所, 2005 年 11 月.
Matsuzawa, T., N. Uchida, T. Okada, K. Ariyoshi, T. Igarashi, and A.
Hasegawa, Quasi-static slips before and after large interplate
earthquakes inferred from small repeating earthquake data, The 4th
International Workshop on Statistical Seismology, Kanagawa,
Shonan Village campus, January, 2006
S Kirby, T Okada, N Uchida, A Hasegawa, T Matsuzawa, R Hino, Supraslab
earthquakes above the Pacific-plate slab in NE Japan: A possible
graveyard of detached seamounts and volcanic ridges?, AGU 2005 Fall
Meeting, San Francisco, California, December 2005.
Miura, S., S. Yui, N. Uchida, and A. Hasegawa, Spatio-temporal Evolution
of Postseimic Slip Following the 2003 Tokachi-oki Earthquake (M8.0)
Estimated by GPS and Repeating Earthquakes, AOGS 2005,
Singapore, June 2005.
Matsuzawa T., N. Uchida, T. Okada, A. Hasegawa, and T. Igarashi,
Rupturing of asperities fostered by slow slips and its implications in
earthquake prediction, 21COE International Symposium 2005 Spatial
and Temporal Fluctuations in the Solid Earth - Clues to the Future of
Our Planet -, Sendai , Sendai City War Reconstruction Memorial Hall,
July, 2005.
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
ね も と
かつみ
根本 克己
受入教員名:土屋 範芳
研究グループ名:固体地球研究グループ(地震火山ダイナミクス)
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【研究内容】
(1)
研究課題または研究目的:地震発生メカニズムにおける岩石-水相互作用
(2)
平成 17 年度研究活動の概要・進捗状況
<概要>
断層における地震発生メカニズムに対する流体(主に水)の影響を明らかにするた
めには、まず、断層内の流体流動特性を把握することが必要である。そのために、岩
石き裂内における流体移動場としての間隙構造の把握、ならびに流動現象としての流
体流路、流速分布の理解を目的として、垂直応力下においてせん断(かみ合わせ)変
位を有する引張き裂の接触分布、ならびに間隙分布の定量評価を実施した。また、間
隙分布の定量評価結果にもとづく流動シミュレーションによる流体流動特性の評価を
行った。
さらに、流体流動をともなう断層における摩擦すべり挙動の解明を目的として、封圧
下において流体流動をともなう模擬断層の摩擦すべり実験装置を構築し、すべり特性、
流動特性を評価する摩擦すべり実験を実施した。
また、研究により得られた結果を、学会発表・論文発表を通して公表し、国内外の研
究者と議論するとともに、今後の研究に還元できるよう情報収集を行った。
<その他の研究活動>
国際ワークショップ(3rd International Workshop on WATER DYNAMICS)を
開催し、研究成果の発表・討論を行った。また、本 WS において実行委員として運営に
も参加した。
アメリカ合衆国地質調査所 (USGS, Denver)を訪問し、以前本 COE 招聘研究員と
しての経歴を持つ Brian Rusk 博士ならびに彼の所属する研究グループのメンバー
と、物質分析装置(LA-ICP-MS;レーザー削孔誘導結合プラズマ質量分析装置)の仕
様について情報収集を行うとともに、その装置を使用した分析手法について議論し
た。
<進捗状況>
・100MPa までの垂直応力において、3 mm 程度までのせん断(かみ合わせ)変位を
有する岩石試料内既存き裂面の接触分布測定を実施した。さらに接触分布の測定
結果を元にして、上述の条件における不連続面の間隙分布の評価を行った。本間隙
分布の評価結果に基づいて流体流動シミュレーションを実施し、100MPa の垂直応
力、3 mm 程度のせん断(かみ合わせ)変位条件における既存き裂面の流動分布を
明らかにした。
・封圧下において流体流動をともなう模擬断層の摩擦すべり模擬実験装置を構築し、
本実験装置を使用して、封圧 5 MPa、すべり速度 0.001 mm/s の条件において定常
的な流体供給を受ける模擬断層の摩擦すべり挙動、ならびに透水性を評価する岩石
実験を実施した。本実験においては、摩擦すべりと透水性との密接な相関を示唆す
る結果が得られている。今後、さらに実験を進め、摩擦すべり挙動に対する流体流動
の影響を明らかにする。
【研究成果】
(1)
成果概要
・垂直応力下(~100 MPa)においてせん断(かみ合わせ)変位を有する引張き裂内
の流体流動を明らかにするために、まず流動場となるき裂の間隙構造を、接触分布
を測定することにより評価した。この結果、間隙構造は、き裂に加わる垂直応力の増
加にともない、間隙部が孤立していくことが明らかとなった。また、せん断(かみ合わ
せ)変位の増加にともない、間隙部の著しい増加が生じ、かつ、せん断変位方向に対
し垂直方向に間隙部の連結度が増加することが観察された。本結果を、国際学会に
おいて論文投稿するとともに、口頭発表した。
・上記のき裂接触分布の測定結果にもとづいて、コンピュータ上で再現したき裂間隙
を用いてき裂内流動シミュレーションを行い、流速分布の推定を行った。これにより、
き裂内流動に対する垂直応力、せん断(かみ合わせ)変位の影響を評価した。その
結果、
1.垂直応力の増加にともない、き裂透水性が減少する
2.せん断(かみ合わせ)変位の増加にともない、き裂透水性が増加する
3.き裂内の高透水方向がせん断変位の方向に依存する
ことが明らかとなった。本結果により、ある応力条件にある不連続面において、せん
断変位にともなう流体流動特性が明らかとなった。本結果を国際ワークショップにプ
ロシーディングを投稿するとともに、ポスター発表した。また、国内学会において口頭
発表した。
(2)
業績リスト
【投稿論文】
Nemoto, K., H. Oka, N. Watanabe, N. Hirano and N. Tsuchiya (2005),
Measurement of hydraulically ineffective area on a fracture under
normal stress condition, Geothermal Resources Council Trans., 29,
413-417
【プロシーディング】
Watanabe, N., N. Tsuchiya, N. Hirano and K. Nemoto (2005), Flow path
and distribution of permeability in single rock fracture based on flow
experiment using rubber-confining pressure vessel, Proc. of the 1st
workshop on IODP physical property measurement, 8-15
Nemoto, K., H. Oka, N. Watanabe, N. Hirano and N. Tsuchiya (2005),
Evaluation of fluid flow path in a single fracture undergoing normal
stress and shear offset, Proc. of 3rd International Workshop on
WATER DYNAMICS, (Submitted)
【学会やシンポジウム等での発表】
根本克己,岡秀行、渡邉則昭、平野伸夫、土屋範芳 (2005), 単一き裂の接触分布
測定とき裂内流路構造の推定,2005 年度日本地熱学会学術講演会予稿集
(2005 年 11 月、雲仙)
Nemoto, K., H. Oka, N. Watanabe, N. Hirano and N. Tsuchiya (2005),
Evaluation of fluid flow path in a single fracture undergoing normal
stress and shear offset, Proc. of 3rd International Workshop on
WATER DYNAMICS, Tohoku University, Sendai, Japan
長谷川 昭・海野徳仁・松澤 暢・三浦 哲・日野亮太・岡田知己・内田直希・河野俊
夫, 2005 年 8 月 16 日宮城県沖地震(M7.2)について-想定宮城県沖地震と
の関連, 第 24 回日本自然災害学会 学術講演会, 仙台市, 東北大学, 2005
年 11 月
海野徳仁・河野俊夫・岡田知己・中島淳一・松澤 暢・内田直希・長谷川昭・田村良
明・青木元,過去の宮城県沖地震の震源再決定,2005 年日本地震学会秋季
大会,札幌市 北海道大学 ,2005 年 10 月
岡田知巳・柳沼直・北佐枝子・海野徳仁・松澤暢・中島淳一・内田直希・河野俊夫・
長谷川昭,2005 年,1978 年宮城県沖地震の余震分布の比較-余震活動域
の時間的保存性,2005 年日本地震学会秋季大会,札幌市 北海道大学 ,
2005 年 10 月
飯尾能久・片尾浩・上野友岳・Bogdan Enescu ・平野憲雄・岡田知巳・内田直希・
植平賢司・松本 聡・松島 健・清水 洋,福岡県西方沖地震の余震の応力降
下量分布,2005 年日本地震学会秋季大会,札幌市 北海道大学 ,2005 年
10 月
清水洋,高橋浩晃,岡田知己,金沢敏彦,飯尾能久,宮町宏樹,松島健,一柳昌義,内田
直希,岩崎貴哉,片尾浩,後藤和彦,松本聡,平田直,中尾茂,植平賢司,篠原雅尚,
八木原寛,亀伸樹,卜部卓,松尾のり道,山田知朗,渡邉篤志,中東和夫,Bogdan
Enescu,内田和也,橋本信一,平野舟一郎,八木健夫,河野裕希,上野友岳,齊藤
政城,堀美緒, 福岡県西方沖地震・緊急観測の概要および地震活動, 2005 年
球惑星科学関連学会,千葉県幕張メッセ国際会議場 ,2005 年 5 月
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
みやはら
まさあき
宮原 正明
受入教員名:大谷 栄治
研究グループ名:固体地球研究グループ(核マントルダイナミクス)
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【研究内容】
(1)
研究課題または研究目的
研究課題Ⅰ: 環状暗視野走査透過電子顕微鏡法(ADF-STEM)の地球科 学への
応用
研究課題Ⅱ: 収束イオンビーム(FIB)法による鉱物の TEM 薄膜作製
研究課題Ⅲ: 含水リングウーダイトの TEM 観察
研究課題Ⅳ: テクタイト成因の解明
(2)
平成 17 年度研究活動の概要・進捗状況
研究課題Ⅰ:ADF-STEM は結晶中のナノレベルの界面や欠陥の識別に大きな力
を発揮し、原子分解能像観察と微小領域の分光分析が同時に行える電子顕微鏡法
である。最近、研究代表者は比較的低倍率(数万倍)での ADF-STEM が地球科
学系試料の微少部二次元解析(組織観察・格子像・元素の定量分析・元素マッピン
グ・元素の存在状態解析等)に極めて有効であること明らかにしつつある。
ADF-STEM と FIB を併用することで,地球惑星物質進化解明に劇的な進展が期
待される。しかし、低倍率での ADF-STEM は未知領域で、その有用性、像解釈及
び結像原理は未解明の部分が多い。そこで、これらの点を明らかにする為に、積層
欠陥をもつ層状珪酸塩鉱物及び連晶鉱物への ADF-STEM 適用を試みた。
研究課題Ⅱ:現在、FIB 法による鉱物の TEM 薄膜作製が急速に発展しつつある。
しかし、FIB 法による TEM 薄膜作製はごく一部の鉱物に適用されたのみで,未だ
その技術は確立されていない。また,FIB 法で作製された TEM 薄膜は、その膜厚
が厚い(120-130 nm)上に、ガリウム・スパッタ物質等による汚染の為、高分解能観
察及び高精度分析には不向きである。FIB 法の適用範囲を広げる為にはこれらの
点を解決する必要がある。そこでまず,様々な形態の試料から TEM 薄膜を作製し,
さらに,TEM 薄膜をより薄くし(100 nm >),汚染部の除去を行う為の手法の確立を
試みた。
研究課題Ⅲ:高圧・高温合成実験の結果から,リングウーダイトには最大で 2.8%の
H2O が含まれうることが知られている。しかし,リングウーダイト中の水の存在形態
については明確にされていない。そこで,0.10~1.9 wt%の H2O を含むリングウー
ダイトを TEM で観察し,リングウーダイト中の水の存在形態について検討した。
研究課題Ⅳ:地球上の特定の地域にはテクタイトと呼ばれるガラス質物質が存在し,
その成因は謎である。テクタイトには様々な極微少包有物があり,これらが成因解
明の鍵となる可能性がある。そこで、FIB,TEM 及び ADF-STEM によりテクタイト
中の極微少包有物を探索し、その成因解明を試みる。
【研究成果】
(1)
成果概要
研究課題Ⅰ:積層欠陥をもつ層状珪酸塩鉱物及び連晶鉱物の格子像とこれに対応
する化学組成情報の同時取得に成功し,元素の挙動・分布と結晶構造との関係が
明確になった。ADF-STEM が電子線に弱い鉱物の解析に有効であることが判明し
た 。 ADF-STEM の 地 球 科 学 系 試 料 に お け る 有 用 性 が 確 認 さ れ , 今 後
ADF-STEM が地球科学において急速に普及することが予想される。なお,これら
の研究成果の一部を 13th International Clay Conference で発表し、平成17年度
日本粘土学会優秀講演賞を授与された。
研究課題Ⅱ:バルク試料及びダイアモンド・マルチアンビルセルで高温高圧合成さ
れた試料の FIB 法による TEM 薄膜作製に成功した。FIB 加工時の試料へのダメ
ージを最小にする手順を確立した。FIB で試料から 10×15×1.0μm 程度のブロッ
クを切り出し、これを半月状グリッド先端部に取り付ける手法を確立した。この手法
により FIB 加工後のクリーニングが可能となった。
研究課題Ⅲ:含水リングウーダイト結晶内に数 10~100 nm の Mg 相を見出した。
また,結晶間隙にも Mg 相を見出した。
研究課題Ⅳ:中国産及びカンボジア産テクタイト3試料を入手し、一部試料でナノ鉱
物を確認した。
(2)
業績リスト
【論文:査読有り】
Miyahara1, M., Uehara, S., and Kitagawa, The application of ADF-STEM
with EDS analysis to an intergrowth mineral, to be submitted.
Miyahara1, M., Uehara, S., Takahashi, Y. and Kitagawa, Two-dimensional
high-resolution
element
distribution
in
chlorite-vermiculite
mixed-layer mineral - The experimental utilization of ADF-STEM
with EDS analysis-, to be submitted.
宮原正明・松井章弘・北川隆司・西戸裕嗣・地下まゆみ, 六甲花崗岩中に発達する
粘土細脈の構成粘土鉱物種と形成年代, 投稿中.
Ohta, E., Miyahara, M., Ohkawa, M. and Hoshino, K. Fe-deficient,
Si-substituted magnetite and accompanying Fe oxides and hydroxides
from the Kumano mine, Yamaguchi Prefecture, Japan: Reappraisal of
the maghemite (γ-Fe2O3) ore, submitted.
Miyahara, M., Kitagawa R. and Uehara, S. (2005) Chlorite in metabasites
from the Mikabu and North-Chichibu belts, Southwest Japan. Clays
and Clay Minerals, Vol. 53, pp.466-477.
宮原正明・宇野洋平・末峰宏一・地下まゆみ・北川隆司・矢田部龍一 (2005) 四国
中央部の三波川,御荷鉾及び秩父帯に産する粘土鉱物について-善徳,怒
田・八畝,蔭,西の谷地すべり及び桧山トンネルより得られたボーリングコア
の分析結果-. 地すべり. Vol. 42, pp.53-60.
【論文:査読無し】
宮原正明・上原誠一郎・北川隆司(2005)TEM-EDS による元素マッピングの緑泥
石・バーミキュライト混合層鉱物への適用.九州大学超高圧電子顕微鏡室研
究報告書,No. 29,pp.85-86.
【学会及びシンポジウム等での発表】
Miyahara, M. and Uehara, S., 2-D high-resolution element distribution
image of phyllosilicates - Application of ADF-STEM with EDS
analysis -, to be submitted (The 16th international Microscopy
Congress).
Miyahara, M., Uehara, S., Takahashi, Y., and Kitagawa, R. (2005)
Alteration process from chlorite to chlorite-vermiculite mixed-layer
mineral due to weathering - A front–line high-resolution chemical
analysis by STEM-EDS -. The 3rd International Workshop on Water
Dynamics, Abstracts and Program, p.79.
太田絵里・宮原正明・大川真紀雄・星野健一(2005)Siに富む磁鉄鉱及びその変質
鉱物(赤鉄鉱・針鉄鉱)-山口県熊野鉱山産磁赤鉄鉱鉱石(?)の再検討-.
日本鉱物学会2005年度年会講演要旨集,p.154.
宮原正明・大谷栄治・下宿彰・工藤貴英(2005)Hydrous RingwooditeのTEM観
察.日本鉱物学会2005年度年会講演要旨集,p.33.
Miyahara, M., Uehara, S., Takahashi, Y. and Kitagawa, R. ( 2005 )
Interpretation of vermiculitization of Mg-chlorite using element
distribution map obtained by STEM-EDX. The proceeding of annual
meeting of the Mineralogical Society of Japan, p.111.
Miyahara, M., Uehara, S., Takahashi, Y., Zheng, G. and Kitagawa, R.
(2005) Vermiculitization mechanism of Mg-chlorite formed in
metabasalt. The 13th International Clay Conference, abstract,
pp.123-124.
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
リ タ ソ フ
コ ン ス タ ン チ ン
Litasov Konstantin
受入教員名:Ohtani Eiji
研究グループ名:Core-Mantle
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【Research activity】
(1)
Research title/topic or purpose of your research
Influence of water and other volatiles on phase relation in the Earth’s mantle and
deep water cycle.
(2)
Outline/summary of your research activity in 2005
① In situ X-ray diffraction study of olivine-wadsleyite phase transformation in
anhydrous and hydrous peridotite with implication to 410-km seismic
discontinuity.
② Water partitioning between olivine and wadsleyite.
③ P-T-V equation of state of superhydrous phase B and phase D.
④ Phase relation in peridotite-CO2 system to 20 GPa.
【Result of your research activity in 2005】
(1)
Summary of the results
We performed high-pressure high-temperature experiments on olivine-wadsleyite
phase transformation in anhydrous and hydrous pyrolite compositions using in situ
X-ray diffraction technique. In the anhydrous run at 1673-1773 K we observed
nucleation of wadsleyite in olivine-bearing assemblage at 14.2 GPa and 1673 K.
Then, we heated the sample to 1773 K and released pressure to observe reverse
transformation. Growth of olivine peaks in wadsleyite-bearing assemblage we
detected at 14.4 GPa and 1773 K. Although we did not determine the Clapeyron
slope of the OWT boundary precisely, it was found to be consistent with the
Clapeyron slope in (Mg,Fe)2SiO4 determined by Katsura et al. [2004]. Applying their
Clapeyron slope we can obtain linear equation for OWT boundary in pyrolite as P
(GPa) = 0.0039 T (K) + 7.47 using the Au pressure scale [Tsuchiya, 2003]. The
observed interval of olivine and wadsleyite coexistence was about 0.2-0.3 GPa in
present experiment.
In hydrous pyrolite system (with about 3 wt.% of H2O) we performed two
preliminary experiments approaching the phase transformation boundary both from
the fields of the olivine and wadsleyite stability at 1423 K. In the experiment on
olivine to wadsleyite transformation we observed appearance of minor wadsleyite
peaks at 12 GPa and 1423 K. In the experiment on the transformation from
wadsleyite to olivine we observed appearance of olivine peaks at 12.4 GPa at 1423 K.
Based on these experiments we estimated insignificant shift of olivine stability
boundary to the lower pressures for less than 0.5 GPa, but clear broadening of the
interval of olivine-wadsleyite transition loop for about 1.2 GPa in the hydrous system.
Since we determined phase transition in hydrous pyrolite only at 1423 K we could
not determine the effect of water on the Clapeyron slope of olivine-wadsleyite
transformation boundary.
In order to evaluate influence of water on the pressure and transition interval of
the olivine-wadsleyite transition, synthesis experiments were carried out in hydrous
Forsterite90 composition at 9-16 GPa and 1273-1873 K. Three additional starting
materials, representing (a) Mg2SiO4, (b) San-Carlos olivine (Fo89) and (c)
CaO-MgO-Al2O3-FeO-SiO2 peridotite, were loaded in every experimental assembly
simultaneously. We observed significant expansion of olivine + wadsleyite stability
loop to the lower pressure for 2-3 GPa at 1473 K, whereas there was no significant
shift of the phase transition boundary at 1873 K. These results are consistent with
thermodynamic calculations made by Wood [1995] and inconsistent with recent
experimental data by Chen et al. [2002]. We report here preliminary results on water
content of coexisting phases. Water solubility of olivine increases with pressure up to
0.15 wt.% H2O at 14 GPa. At 12-15 GPa H2O content of olivine is almost the same at
temperatures from 1373 to 1773 K, whereas the H2O content of wadsleyite decreases
from about 2.1 wt.% at 1373 K to 0.7 wt.% at 1773 K. We determined the partition
coefficient of H2O between two phases. Dwd/ol is 11.8 at 1473 K, 7.2 at 1673 K and 4.5
at 1773 K. However if we apply recent calibration of H2O content in olivine by Bell et
al. [2003] these Dwd/ol values are three times lower.
We have conducted two in situ X-ray diffraction experiments on PVT-equation of
state of superhydrous phase B. We collected volume data for Fe-free and Fe-bearing
superhydrous phase B along TP-paths from 25 to 0 GPa and up to 1000oC. These
results are now in preparation.
(2)
Publications
【Papers】
Litasov, K.D., Litasov, Yu.D., Malkovets, V.G., 2005. Metasomatism and
transformations of the upper mantle beneath the southern Baikal territory:
evidence from xenoliths of the Bartoy Volcanic Area. Geochem. Int., 43: 242-267.
Litasov, K.D., Ohtani, E., 2005. Phase relations in hydrous MORB at 18-26 GPa:
Implications for heterogeneity of the lower mantle. Phys. Earth Planet. Inter., 150:
239-263.
Litasov, K.D., Ohtani, E., Sano, A., Suzuki, A., Funakoshi, K., 2005. Wet
subduction
versus
cold
subduction.
Geophys.
Res.
Lett.,
32,
L13312,
doi:10.1029/2005GL022921.
Litasov, K.D., Ohtani, E., Sano, A., Suzuki, A., Funakoshi, K., 2005. In situ X-ray
diffraction study of post-spinel transformation in a peridotite mantle: Implication
to the 660-km discontinuity. Earth Planet. Sci. Lett., 238, 311-328.
Lakshtanov, D., Vanpeteghem, C.B., Jackson, J.M., Bass, J.D., Shen, G.,
Prakapenka, V., Litasov, K.D., Ohtani, E., 2005, The equation of state of
Al-H-bearing SiO2 stishovite to 60 GPa. Phys. Chem. Miner., in press.
【Papers in press】
Litasov, K.D., Litasov, Yu.D., Ivanov, A.V., Rasskazov, S.V., Yurimoto, H.,
Demonterova, E.I., Sharygin, V.V., Mal’kovets, V.G., 2006, Upper mantle beneath
Udokan volcanic field: Study of peridotite xenoliths in Late Cenozoic basaltoids,
Russ. Geol. Geophys., 47 (1), in press.
Vanpeteghem, C.B., Angel, R.J., Ross, N.L., Jacobsen, S.D., Litasov, K.D., Ohtani,
E., 2006, Al-Fe-substitution in MgSiO3-perovskite structure: a single-crystal X-ray
diffraction study, Phys. Earth Planet. Inter., in press.
Malkovets, V.G., Griffin, W. L., O’Reilly, S.Y., Litasov, K.D., Agashev, A.M., 2006,
Structure and Composition of the Mezozoic Upper mantle beneath the North
Minusinsk depression, South Siberia, Jour. Petrol., in press.
Litasov, K.D., Ohtani, E., 2006, Effect of water on the phase relations in the
Earth’s mantle and deep water cycle, in Geol. Soc. Amer. Spec. Paper, in press.
Litasov, K.D., Ohtani, E., Sano, A., 2006, Influence of water on major phase
transitions in the Earth's mantle, in “Earth deep water cycle”, S.D. Jacobsen and S.
van der Lee editors, American Geophysical Union, Geophys. Monogr., in press.
Litasov, K.D., Ohtani, E., Kagi, H., and Ghosh, S., 2006, Influence of water on
olivine-wadsleyite phase transformation and water partitioning near 410-km
seismic discontinuity, in Proceeding of 3rd International Workshop on Water
dynamics, Amer. Inst. Phys., in press.
【Conference presentations】
Litasov, K., Ohtani, E., Sano, A., Suzuki, A., Funakoshi, K., 2005, Influence of
water on post-spinel transformation in a peridotite mantle: in situ X-ray
diffraction study, European Geoscience Union, 2005 General Assembly, Vienna,
Austria, CD-edition.
Litasov, K., Ohtani, E., Sano, A., Suzuki, A., Funakoshi, K., 2005, Post-spinel
phase transformation in dry and hydrous peridotite mantle, Abst. 2005 Japan
Earth and Planetary Science Joint Meeting, Makuhari-Messe, Chiba, CD-edition.
Sano, A., Ohtani, E., Litasov, K., Kubo, T., Kikegawa, T., Funakoshi, K., 2005, The
effect of water on post-garnet phase transformation in MORB and dynamics of
subducting slab at 660 km, Abst. 2005 Japan Earth and Planetary Science Joint
Meeting, Makuhari-Messe, Chiba, CD-edition.
Lakshtanov D.L., Sinogeikin S.V., Litasov K.D., Ohtani E., Bass J.D, 2005, Effect
of Al3+ and H+ on elasticity of stishovite, Abst. 15th W.M. Goldschmidt Conference,
Moscow, Idaho, USA, A254.
Litasov, K., Ohtani, E., Sano, A., Suzuki, A., Funakoshi, K., 2005, Influence of
water on major phase transformations in the Earth’s upper mantle, Ext. Abst. of
21th Century COE International Symposium “Spatial and Temporal Fluctuations
in the Solid Earth, Clues to the Future of Our Planet”, Sendai, Japan, p.8-11.
Ghosh, S., Ohtani, E., Litasov, K., Suzuki, A., Terasaki, H., 2005, Phase relations
in peridotite-CO2 system to 20 GPa: preliminary results, Ext. Abst. of 21th
Century COE International Symposium “Spatial and Temporal Fluctuations in the
Solid Earth, Clues to the Future of Our Planet”, Sendai, Japan, p.36-38.
Sano, A., Ohtani, E., Litasov, K., Kubo, T., Hosoya, T., Funakoshi, K., Kikegawa, T.,
2005, Garnet-perovskite transformation in hydrous Mid_Ocean Ridge basalt, Ext.
Abst. of 21th Century COE International Symposium “Spatial and Temporal
Fluctuations in the Solid Earth, Clues to the Future of Our Planet”, Sendai, Japan,
p.48-49.
Kawazoe, T., Ohtani, E., Sano, A., Terasaki, H., Litasov, K., Suzuki, A., 2005, In
situ X-ray observation of eutectic temperatures and solid phases in Fe-FeS system
under high pressures, Abst. Vol. of Ann. Meeting of Japanese Soc. of Mineral.
Petrol. Econ. Geol., Ehime Univ., Ehime, Japan, CD-edition.
Ghosh, S., Ohtani, E., Litasov, K., Suzuki, A., Terasaki, H., 2005, Phase relations
in peridotite-CO2 system to 20 GPa, Abst. Vol. of Ann. Meeting of Japanese Soc. of
Mineral. Petrol. Econ. Geol., Ehime Univ., Ehime, Japan, CD-edition.
Ohtani, E., Litasov, K.,Sano,A.,Funakoshi,K., 2005, In situ X-ray diffraction study
on the effect of water on the phase transitions in the mantle and its implications
for the slab dynamics, Abst. Vol. of Ann. Meeting of Japanese Soc. of Mineral.
Petrol. Econ. Geol., Ehime Univ., Ehime, Japan, CD-edition.
Litasov, K.D., Ohtani, E., Suzuki, A., Terasaki, H., Funakoshi, K., 2005, In situ
X-ray diffraction study of influence of water on major phase transitions in the
Earth’s upper mantle, Abstract of 46th High Pressure Conference of Japan, Rev.
High Pressure Sci. Tech., v.15, p.280.
Ghosh, S., Ohtani, E., Litasov, K., Suzuki, A., Terasaki, H., 2005, Phase relations
and melt compositions in peridotite-CO2 system to 20 GPa, Abstract of 46th High
Pressure Conference of Japan, Rev. High Pressure Sci. Tech., v.15, p.110.
Litasov, K.D., Ohtani, E., Kagi, H., Ghosh, S., 3rd International workshop on
Water Dynamics, Abstracts and program, Sendai, Japan, p.45.
Litasov, K.D., Ohtani, E., 2005, Influence of water on the phase transitions of
olivine and its polymorphs in the Earth's mantle, AGU Fall Meeting, San
Francisco, USA.
Ghosh, S., Ohtani, E., Litasov, K., Suzuki, A., Terasaki, H., 2005, Carbonate
stability and melt composition in peridotite-CO2 system to 20 GPa, AGU Fall
Meeting, San Francisco, USA.
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
うえはら
ひろき
上原 裕樹
受入教員名:花輪 公雄
研究グループ名:流体地球・惑星圏研究グループ(気候変動ダイナミクス)
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【活動内容】
(1)
研究課題または研究目的
① 観測資料を用いた北太平洋亜熱帯循環系を横切る熱・淡水輸送量評価, および数
値モデルの出力データ解析による輸送量評価方法の検証
② 音波流向流速計および衛星海面高度計データを用いた, 黒潮流軸 (最強流部)
の流速・位置変動の考察
平成 17 年度研究活動の概要・進捗状況
(2)
課題①については, 昨年度に続き, 北太平洋における高密度投下式水深水温計
資料を用い, 北太平洋亜熱帯循環系を横切る熱・淡水輸送量の時間平均の評価,およ
び北太平洋北部・西部海域における海洋熱収支の定量化の研究に従事した. 本年度
は, 評価方法における改善点 (衛星海面高度計データを用いた, 地衡流計算の検証・
後方散乱計データ (風応力) の活用など) について取り組んだ. これらは, 6 月に短期
招聘された, 米国・スクリップス海洋研究所の Roemmich 博士の提案によるものであ
る. その後この解析が進んだため, 2 月に博士の研究室を訪問し, 最終的な取りまとめ
を行う予定である. 熱輸送量評価手法の検証研究に関しては, 昨年度まで用いたモデ
ルの出力データのみでは十分な検討が出来ない課題 (鉛直流の水平分布の計算な
ど) があったため, 気象研究所より新たなデータの提供を受け, 再度解析を行ってい
る.
本年度は, 課題①と並行し②に取り組んだ. 東京-小笠原間フェリーに搭載された
音波流向流速計と衛星海面高度計資料を用い, 黒潮の流軸 (最も流速が大きい部分)
の流速・位置に見られる, 数ヶ月程度のスケールの変動について考察した. また気象
研究所から提供された海面高度の客観内挿データを用い, この黒潮流軸の変動に対
し, 黒潮再循環域に数多く見られる中規模渦が重要な役割を果たすことが分かった.
【研究成果】
(1)
成果概要
課題①は, (2)で述べた改善点に関連する解析は完了し, 論文原稿を準備中であり
(1 月現在), 2 月中に Journal of Oceanography 誌に投稿を予定している. また, 課
題②については, 流向流速計の資料解析から得られた黒潮流軸の変動特性に関する
結果を日本海洋学会で, これに海面高度資料の解析を合わせ, 中規模渦が流軸変動
に与える影響について考察した結果を, 米国地球物理学会主催の国際学会などで発
表する予定である.
(2)
業績リスト
【論文:課題①に関するもの】
Uehara, H., S. Kizu, D. Roemmich and K. Hanawa, 2005: Heat transport
across the PX-40/37 line in the North Pacific subtropical gyre. J.
Oceangr., in preparation.
【学会やシンポジウム等での発表:課題②に関するもの】
上原・木津・花輪・吉川, TOLEX 測線における黒潮流速・流軸の変動特性, 2005
年度秋季海洋学会, 仙台, 2005 年 9 月.
Uehara, H., S. Kizu, Y. Yoshikawa, and K. Hanawa, Velocity and position
variations of the Kuroshio axis south of Japan influenced by
mesoscale eddies in the Kuroshio recirculation region, 2006 Ocean
Science Meeting, Honolulu, Febraury 2006.
Uehara, H., S. Kizu, Y. Yoshikawa, and K. Hanawa, Velocity and position
variations of the Kuroshio axis south of Japan influenced by
mesoscale eddies in the Kuroshio recirculation region, IPRC seminar,
Honolulu, Febraury 2006.
上原・木津・花輪・吉川, TOLEX 測線における黒潮流速・流軸の変動特性 (II),
2006年度春季海洋学会, 東京, 2006年3月
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
いし ど
や
し げ ゆき
石戸谷 重之
受入教員名:中澤 高清
研究グループ名:流体地球・惑星圏研究グループ(気候変動ダイナミクス)
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【研究内容】
(1)
研究課題または研究目的:大気中酸素濃度の高精度計測に基づく全球炭素循環の
解明
(2)
平成 17 年度研究活動の概要・進捗状況
人為起源の温室効果気体の中で、気候変動への影響が最も大きい二酸化炭素
(CO2)は、そのリザーバーである大気、海洋、陸上植物圏間の分配量が未だ十分な
精度で求められたとは言えない状態にあり、将来の濃度予測の上で大きな問題を残し
ている。この問題の解決に貢献するため、本研究では、近年注目を集めている大気中
酸素(O2)濃度(δ(O2/N2))の高精度観測を基にした CO2 循環の研究を平成 16 年度に
引き続いて以下のように推進した。
・仙台市郊外、北極スバルバール諸島ニーオールソン基地、および南極昭和基地にお
ける地上観測を継続するとともに、岐阜県高山の森林における観測を新たに開始した。
また日本上空の航空機観測を、観測高度を拡充し継続した。これらの観測から
δ(O2/N2)の 3 次元的な時空間変動を明らかにし、経年変化に基づく人為起源 CO2 収
支の解析を行った。
・岩手県三陸上空および南極昭和基地上空の成層圏において過去に採取した成層圏
大気試料の分析を進め、世界に先駆けて中部成層圏におけるδ(O2/N2)の経年変化を
明らかにし、過去約 10 年間の人為起源 CO2 収支の解析に応用した。
・より高精度で時間的に密なδ(O2/N2)の変動を検出するために開発した連続観測装
置の分析条件を決定するとともに、値の基準となる標準ガスを新たな手法で大量生産
した。開発した装置を用いて仙台市郊外において試験的な観測を開始した。
・δ(O2/N2)測定の標準ガスの国際統一基準を確立し全球的なデータベースの構築を
目指すため、Scripps 海洋研究所、Max Plank 研究所、Princeton 大学他、計 10 機
関とスケールの相互比較実験を行った。実験はフラスコに充填した試料と高圧シリン
ダーに充填した試料とを用いて行った。
【研究成果】
(1)
成果概要
地上観測と日本上空の航空機観測から得られた対流圏のδ(O2/N2)は、全ての観測
基地において明瞭な経年減少を示した。仙台市郊外および日本上空の観測結果から
推定された1999年10月から2005年2月の期間の陸上生物圏と海洋によるCO2吸収
量は、それぞれ1.4±0.4GtC/yr、および1.8±0.7GtC/yrであった。
重力によるO2とN2の拡散分離による影響を補正した成層圏のδ(O2/N2)と、同時に
観測した成層圏と対流圏のCO2濃度から推定した成層圏の空気塊の平均年代とを用
いることで、1993年10月から2001年9月の期間の過去のδ(O2/N2)の経年変化を推定
した。結果から、同期間の陸上生物圏と海洋によるCO2 吸収量を、それぞれ1.1±
1.3GtC/yr、および1.8±1.3GtC/yrと見積もった。
開発したδ(O2/N2)連続観測装置に、測定試料の温度や圧力の厳密な安定化など
の改良を加え、±2.5 per meg の精度を達成した。この精度は東北大における従来の
測定法に比べてさらに高精度である。また JFP 小山工場と共同で、目標値から約
30per meg 以内のδ(O2/N2)値を持つ標準ガスを、47L シリンダーに 15MPa の高圧で
充填して大量生産する方法を開発した。仙台市郊外における試験的な連続観測結果
から、冬期のδ(O2/N2)と CO2 濃度の関係に日変化が見られ、化石燃料消費と大気海
洋間のガス交換の両方の影響を反映している可能性が示唆される。
得 ら れ た 結 果 を 、 Geophysical Research Letters に 投 稿 し た 。 ま た 7th
International Carbon Dioxide Conference 、 13th WMO/IAEA Meeting of
Experts on Carbon Dioxide Concentration and Related Tracer Measurement
Techniques、および第 11 回大気化学討論会において発表した。その他各研究に共
著者として貢献した。
(2)
業績リスト
【論文】
Ishidoya, S., S. Suhawara, G. Hashida, S. Morimoto, S. Aoki, T. Nakazawa
and T. Yamanouchi, Vertical profiles of the O2/N2 ratio in the
stratosphere over Japan and Antarctica, Geophys. Res. Lett.,
submitted.
【学会やシンポジウム等での発表】
・国際学会
Ishidoya, S., S. Suhawara, G. Hashida, S. Morimoto, S. Aoki, T. Nakazawa
and T. Yamanouchi, Vertical profiles of the O2/N2 ratio in the
stratosphere over Japan and Antarctica, Seventh International
Carbon Dioxide Conference, September 25-30, 2005.
Sugawara, S., S. Aoki, T. Nakazawa, J. Tang, D. Zhang, G. Shi, Y. Liu, S.
Morimoto, S. Ishidoya, T. Saeki, T. Hayasaka, and M. Ishizawa,
Observation of atmospheric CO2 concentration and its carbon isotopic
ratio in China, Seventh International Carbon Dioxide Conference,
September 25-30, 2005.
S. Ishidoya, T. Nakazawa and S. Aoki, Preparation of a large amount of
standard aiir for atmospheric O2/N2 measurements, 13th WMO/IAEA
meeting of experts on carbon dioxide concentration and related tracer
measurement techniques, Boulder, Colorado, USA, September 19-22,
2005.
・国内学会
石島健太郎、Prabir K. Patra、滝川雅之、秋元肇、中澤高清、青木周司、石戸谷
重之、Shamil Maksyutov、町田敏暢、菅原敏、橋田元、森本真司、大気中
N2O 濃度の空間分布と季節変動について— 観測とモデルの比較—、大気化
学シンポジウム、豊川、2006 年 1 月 11−13 日
町田敏暢,青木周司,中澤高清,豊田栄,巻出義紘,菅原敏,石戸谷重之,橋田元,
森本真司,本田秀之,並木道義,飯島一征,山上隆正,三陸上空と昭和基地
上空で観測された水素濃度の鉛直分布,大気球シンポジウム,相模原,
2006 年 1 月 23−24 日
菅原敏,青木周司,中澤高清,石戸谷重之,弦間康二,町田敏暢,橋田 元,森本
真司,豊田栄,本田秀之,並木道義,飯嶋一征,井筒直樹,山上隆正,クライ
オ実験によって得られた日本上空成層圏大気中の微量気体の長期変動,大
気球シンポジウム,相模原,2006 年 1 月 23−24 日
菅原敏,青木周司,中澤高清,石戸谷重之,町田敏暢,橋田元,森本真司,本田秀
之,日本上空の成層圏における二酸化炭素濃度の長期変動と対流圏成層圏
の非平衡について,日本気象学会 2005 年度秋期大会,神戸,2005 年 11 月
20−22 日
佐伯田鶴,菅原敏,青木周司,中澤高清,石戸谷重之,Jie Tang,Dongqi Zhang,
Guang-Yu Shi,Yu-Zhi Liu,森本真司,早坂忠裕,石澤みさ,中国における
温室効果気体の観測,日本気象学会 2005 年度秋期大会,神戸,2005 年 11
月 20−22 日
高村近子,中澤高清,村山昌平,石島健太郎,石戸谷重之,青木周司,森林生態
系における酸素濃度と二酸化炭素濃度の変動について,日本気象学会 2005
年度春期大会,東京,2005 年 5 月 15−18 日
菅 原 敏 , 青 木 周 司 , 中 澤 高 清 , 石 戸 谷 重 之 , Jie Tang , Dongqi Zhang ,
Guang-Yu Shi,Yu-Zhi Liu,森本真司,佐伯田鶴,早坂忠裕,石澤みさ,中
国における大気中の二酸化炭素とメタンの観測,日本気象学会 2005 年度春
期大会,東京,2005 年 5 月 15−18 日
石戸谷重之,菅原敏,橋田元,森本真司,青木周司,中澤高清,弦間康二,山内恭,
本田秀之,三陸および南極昭和基地上空における成層圏大気中の酸素濃度
の分布,第 11 回大気化学討論会,奈良,2005 年 6 月 15−17 日
豊田栄,吉田尚弘,菅原敏,石戸谷重之,弦間康二,青木周司,中澤高清,橋田元,
森本真司,山内恭,鈴木香寿恵,町田敏暢,本田秀之,南極昭和基地上空に
おける成層圏大気中一酸化二窒素アイソトポマー比の分布と変動,第 11 回
大気化学討論会,奈良,2005 年 6 月 15−17 日
菅原敏,石戸谷重之,橋田元,青木周司,中澤高清,弦間康二,森本 真司,山内
恭,町田敏暢,豊田栄,吉田尚弘,本田秀之,南極昭和基地上空の成層圏に
おける CO2 および SF6 の濃度とその平均年代についての考察,第 11 回大気
化学討論会,奈良,2005 年 6 月 15−17 日
菅 原 敏 , 青 木 周 司 , 中 澤 高 清 , 石 戸 谷 重 之 , Jie Tang , Dongqi Zhang ,
Guang-Yu Shi,Yu-Zhi Liu,森本真司,佐伯田鶴,早坂忠裕,石澤みさ,中
国における二酸化炭素濃度とその炭素同位体比の観測,第 11 回大気化学
討論会,奈良,2005 年 6 月 15−17 日
佐伯田鶴,菅原敏,青木周司,中澤高清,石戸谷重之,Jie Tang,Dongqi Zhang,
Guang-Yu Shi,Yu-Zhi Liu,森本真司,早坂忠裕,中国における大気中メタ
ンの観測,第 11 回大気化学討論会,奈良,2005 年 6 月 15−17 日
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
あ さ み
りゅうじ
浅海 竜司
受入教員名:井龍 康文
研究グループ名:流体地球・惑星圏研究グループ(気候変動ダイナミクス)
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【研究内容】
(1)
研究課題または研究目的:造礁サンゴ骨格の地球化学的記録を用いた古海洋環
境解析
(2)
平成 17 年度研究活動の概要・進歩状況
平成 17 年度では,主に,グアム島で採取した造礁サンゴ骨格から得られた高時間
分解能の炭素・酸素同位体比データ(1787 年から 2000 年)に基づいて,西太平洋域
の海洋環境変動(特に,数年スケール〜数十年スケールの気候変動)を復元する研
究に取り組み,得られた結果を論文に公表し,学会で発表した.また,過去数百年間
の西太平洋域の海洋環境変動を空間的に復元することを目的として,サイパン島から
得られた造礁サンゴ骨格の炭素・酸素同位体比および金属元素濃度の分析を行っ
た.
その他には,炭酸塩岩中の金属元素濃度の定量化学分析の手法を習得するため
に群馬大学に赴いた。また,サーモエレクトロン株式会社に赴いて,ICP-MS を用いた
高性能・高分解能分析に関するワークショップに参加した.
さらに,統合国際深海掘削計画・IODP Expedition 308 South Pacific Sea Level
(Tahiti)の Off Shore Party に参加するためにブレーメン大学に赴き,南太平洋のタ
ヒチで掘削された炭酸塩堆積物や化石サンゴ骨格の地球化学的記録を抽出する研究
に携わった.
【研究成果】
(1)
成果概要
グアム島のサンゴ骨格の同位体比記録に基づいた過去 213 年間の古海洋環境変動
復元に関する研究の成果を,国際学術雑誌(Asami et al., 2005, J. Geophys. Res.)
に発表し,NOAA(アメリカ大気海洋庁)のデータセンターに公表した.また,この成果
の一部を日本地質学会第 112 年年会で発表し,優秀講演賞が授与された.また,造礁
サンゴ骨格の長期記録に関するレビュー論文を国内学術雑誌に投稿した(浅海ほか,
revised,地球化学).
(2)
業績リスト
【学術雑誌:査読あり】
Ryuji Asami, T. Yamada, Y. Iryu, T. M. Quinn, C. P. Meyer and G. Paulay,
2005. Interannual and decadal variability of the western Pacific sea
surface condition for the year 1787-2000: Reconstruction based on
stable isotope record from a Guam coral, Journal of Geophysical
Research, 110 (C5), C05018, doi: 10.1029/2004JC002555.
浅海竜司・山田 努・井龍康文:過去数百年間の古気候・古海洋変動を記録する現
生サンゴー数年〜数十年スケールの変動と長期変動の復元ー,revised,地
球化学.
【その他】
Ryuji Asami, T. Yamada, Y. Iryu, T.M. Quinn, C.P. Meyer and G. Paulay,
2005. Guam Coral Oxygen Isotope Data for 1790 to 2000, IGBP
PAGES/World Data Cenceter for Paleoclimatology Data Contribution
Series # 2005-051. NOAA/NGDC Paleoclimatology Program, Boulder
CO, USA. http://www.ngdc.noaa.gov/paleo/coral/guam.html.
【学会やシンポジウム等での発表】
浅海竜司:サンゴ骨格に基づいた古気候復元,IODP Expedition 308 South
Pacific Sea Level (Tahiti)シンポジウム,東京大学,2005 年.
浅海竜司・山田努・井龍康文:過去 200 年間の古エルニーニョ記録,日本地質学会,
京都大学,2005 年.
浅海竜司・山田努・井龍康文・G. Camoin:タヒチ化石サンゴの地球化学的記録が
語る第四紀の海洋環境変遷—IODP Expedition 310 Tahiti Sea Level の
展望—,日本地球化学会,琉球大学,2005.
浅海竜司・山田努・井龍康文:西太平洋域における 18 世紀末以降の海洋環境変動
—グアム島のサンゴ骨格記録からの復元—,日本地球化学会,琉球大学,
2005.
山田努・邊見紗知・浅海竜司・井龍康文:サンゴ礁の生物から読み取る高分解能環
境情報—シャコガイ殻の成長線と同位体比の例—,日本地球化学会,琉球
大学,2005.
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
やま ざ き
あつし
山﨑 敦
受入教員名:岡野 章一
研究グループ名:流体地球・惑星圏研究グループ(太陽地球系ダイナミクス)
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【研究内容】
(1)
研究課題または研究目的:プラズマ可視化の研究
より具体的には、「太陽地球系物理学においてダイナミックに変化する中性粒子や荷電
粒子(プラズマ)の大局的な空間構造を把握するための、共鳴散乱光を用いたリモートセン
シング観測機器の開発」。
(2)
平成 17 年度研究活動の概要・進捗状況
現在進行中の月周回衛星ミッションにプラズマイメージャーとしてヘリウムイオンおよび
酸素イオン共鳴散乱光を検出する極端紫外光望遠鏡を搭載予定である。観測に成功すれ
ば、世界初となる電離圏から散逸する酸素イオンの散乱光画像を取得でき、酸素イオン流
出量の磁気活動度依存性、プラズマ圏の境界域と散逸経路の関係が明らかになる。また、
リングカレント発達時の酸素イオン供給メカニズム、電離圏へ戻る荷電粒子の流入経路・過
程の解明につながる成果を得られると考えられる。本年度は、観測器フライト品の電気性
能試験および較正試験、打上環境試験および熱環境試験を行うと同時に、オンボードプロ
グラム・地上系ソフトウェアの作成を行った。
同様の技術は他惑星の電離圏・磁気圏撮像においても有効である。金星・火星電離圏
観測が可能となる観測機器の設計を行い、国内外の惑星探査計画に有意義な観測提案を
行った。しかし、希薄な酸素イオンの撮像には克服すべき困難な課題が残っている。酸素イ
オン共鳴散乱光に隣接する波長域に存在し、非常に強度の強くノイズ源となる水素のライ
マンα線を如何に除去するかという課題である。解決案として、光学系の反射鏡コーティン
グの改良に着手した。
また、われわれの開発した多波長オーロラカメラを搭載した INDEX 衛星の打上が 2005
年 8 月に行われ、過去に例をみない時間分解能のオーロラ観測に成功し、オーロラ発光粒
子の同時観測に成功した。衛星運用を日夜行うとともに、観測データ評価・解析を行ってい
る。
さらに、「のぞみ」衛星で観測した惑星間空間のヘリウム散乱光データを用いて、ヘリウ
ムの 3 次元分布を求め、緯度・経度方向に非対称性があることがわかった。太陽光の緯度
依存性がこの分布非対称性をもたらすとの結論を得た。米国学術誌への投稿論文を投稿
し、修正中である。
また、金星電離圏界面の太陽風磁場依存性と水星ナトリウム大気観測に関する共同研
究および地球磁気圏界面のリモートセンシング観測に関する共同研究を行いそれぞれ米
国学術誌に投稿した。
【研究成果】
(1)
成果概要
SELENE 衛星搭載プラズマイメージャーの開発行い、可視光望遠鏡の較性試験・極端
紫外光望遠鏡の較性試験・地上系および搭載系ソフトウェアの開発を完了した。
共著も含め米国学術誌に 4 編の論文を投稿した。
(2)
業績リスト
【論文】
Kanao, M., N. Terada, A. Yamazaki, I. Yoshikawa, T. Abe, and M. Nakamura
(2006), The effect of the motional electric field on the Venus nightside
ionopause, Journal of Geopysical Research, in press.
Taguchi, S., K. Hosokawa, A. Nakao, M. R. Collier, T. E. Moore, A. Yamazaki, N.
Sato, and A. S. Yukimatu (2005), Neutral atom emission in the direction of
the high-latitude magnetopause for northward IMF: Simultaneous
observations
from
IMAGE
spacecraft
and
SuperDARN
radar,
GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, in press.
【投稿中論文】
Yamazaki, A., I. Yoshikawa, K. Shiomi, Y. Takizawa, W. Miyake, and M.
Nakamura, Latitudinal variation of the solar He I 58.4 nm irradiance from
the optical observation of the interplanetary He I emission, submitted to
Journal of Geophysical Research.
Yoshikawa, I., H. Nozawa, S. Kameda, H. Misawa, S. Okano, and A. Yamazaki,
Which is a substantial source of sodium in the exosphere of Mercury ?,
submitted to Journal of Geophysical Research.
【特許出願中】
酸素イオン共鳴散乱光撮像装置
【紀要】
山崎 敦, 三宅 亙 (2005), 紫外光観測器の 感度アップ , ISAS ニュース , ISSN
0285-2861.
【学会やシンポジウム等での発表】
山崎 敦, 三澤 浩昭, 土屋 史紀, 笠羽 康正, 高島 健, 小オービターによる「木星電
磁圏」探査計画~モデルペイロードの検討状況(撮像系)~, 地球惑星科学関連
学会 2005 年合同大会, 幕張メッセ.
山崎 敦, 三澤 浩昭, 土屋 史紀, 笠羽 康正, 高島 健, 中川広務, 木星電磁圏の直
接探査 ~リモートセンシングと粒子の同時観測~, 第 118 回地球電磁気・地球惑
星圏学会講演会, 京都大学.
山崎 敦, 田口 聡, 細川 敬祐, 中尾 昭, 藤田 茂, 田中 高史, マグネトポーズ境界で
発生する高速中性粒子について ~三次元シミュレーションと IMAGE/LENA 観
測からの考察~, 第29回極域宙空圏シンポジウム, 国立極地研究所.
山崎 敦, リモートセンシング観測(光学)と解析の現状と数値シミュレーション, 平成17
年度 名古屋大学太陽地球環境研究所 研究集会 「宇宙プラズマ/太陽系環境
研究の将来構想座談会4 ~数値実験とのシナジー研究の開拓に向けて~」, 伊
良湖ガーデンホテル.
平原 聖文, 藤川 暢子, 坂野井 健, 小淵 保幸, 井野 友裕, 山崎 敦, 浅村 和史,
笠羽 康正, 岡田雅樹, れいめい衛星による理学観測の初期結果, 第6回 宇宙
科学シンポジウム, 宇宙科学研究所.
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
い し だ
は る ま
石田 春磨
受入教員名:浅野 正二
研究グループ名:地球進化史研究グループ
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【研究内容】
(1)
研究課題または研究目的
地球史においては巨大な隕石の衝突が幾度かあり、地球環境、ひいては生物進化
の過程に激変をもたらしたことが判っている。中でも、隕石衝突の際に発生するエアロ
ゾルは、太陽光の入射を長期にわたって遮断し、地表の生物圏に大きな損傷を与えた
と考えられている。本研究では、隕石衝突起源のエアロゾルが放射収支に与える影響
を、放射伝達計算モデルから定量的に評価し、隕石衝突と地球の気候変動、そして生
物絶滅との関係を評価することを目的とする。
(2)
平成 17 年度研究活動の概要・進捗状況
前年度までに、エアロゾルの微物理特性および光学特性を考慮した一次元の放射
伝達モデルを構築し、エアロゾルの種類や発生量を変化させて放射収支計算を実行
できるようにした。これによって、エアロゾルが放射収支に与える影響を定量的に評価
することを可能にした。今年度は、紫外線域や可視光線領域といった細かい波長帯毎
においても放射収支が計算できるように放射伝達計算モデルを改良した。また、エア
ロゾルの化学組成の変化も考慮できるようにした。更に、エアロゾルが存在する大気
における加熱率の鉛直プロファイルの計算を可能にした。
【研究成果】
(1)
成果概要
硫酸エアロゾルがオゾン層の破壊を通して、紫外線の入射量にどの程度影響を与
えるかについて評価するため、エアロゾルの発生量と成層圏中のオゾン量を変化させ
ながら、太陽放射を紫外線領域、可視光線領域、および近赤外線領域の各波長帯毎
に分けて反射率、透過率、吸収率を計算した。その結果、地表面に到達する可視光線
域の入射量は、ほとんどエアロゾル量にのみ依存するのに対し、紫外線域においては、
エアロゾル濃度が小さいとき(約 10-4 g/cm2 以下)ではオゾン濃度の変化にも大きく依
存した。これは、オゾン量低下による紫外線の増加の影響は、エアロゾルが多い場合
はほとんど無いことを示唆している。またエアロゾルによる可視光線域、近赤外域の
吸収量は、エアロゾル濃度に比例していたが、紫外線域ではエアロゾル濃度が 10-4
g/cm2 付近で極大になることが判った。紫外線域の透過および吸収は、エアロゾルの
存在高度にも依存していることが示された。
エアロゾルが存在する大気における加熱率の鉛直プロファイルを波長帯毎に計算し
た結果、10-2 g/cm2 程度のエアロゾルが成層圏中部に存在している場合は、加熱率は
一日あたり 30K 以上にもなることがわかった。これはおもに近赤外領域のエアロゾル
による吸収によって引き起こされていた。一方、エアロゾル層の上層では、主に可視光
線域における吸収によって、一日あたり約 3K の加熱が存在していた。これは、エアロ
ゾルによって反射された太陽光をオゾンが吸収することによって引き起こされると考え
られる。また、エアロゾル層がオゾン極大層より下に存在する場合は、紫外線はオゾン
に吸収される前にエアロゾルによって反射されてしまうため、紫外線による加熱率は
大きくないことが判った。
(2)
業績リスト
【論文】
H. ishida and S. Asano, 2005, A quasi-analytic solution of the radiative
transfer equation for three-dimensional, heterogeneous atmospheres.
Proceeding of IRS 2004 (in press).
H. ishida and S. Asano, 2005, A quasi-analytic solution of the radiative
transfer equation for three-dimensional atmospheres. Journal of
Quantitative Spectroscopy and Radiative Transfer (revised).
【学会やシンポジウム等での発表】
Scientific Assembly of the International Association of Meteorology and
Atmospheric Sciences 2005 (Beijing): A solution of the 3-D radiative
transfer equation by using the wavelet function.
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
にいつま
さ ち こ
新妻 祥子
受入教員名:掛川 武
研究グループ名:地球進化史研究グループ
在任期間:平成 17 年 4 月 1 日~平成 18 年 3 月 30 日
【活動内容】
(1)
研究課題または研究目的:初期地球における地球磁場と生命の進化
(2)
平成 17 年度研究活動の概要・進捗状況
地球磁場が生命に及ぼした影響をとらえるため,地球磁場発生初期に相当する約
35〜27 億年前の堆積岩と火山岩について古地磁気・岩石磁気・鉱物学的・地球化学
的な研究を行った.この研究は,西オーストラリア・ピルバラ地塊で掘削されたコア試
料を用いて,H16 年度から鹿児島大学根建心具教授との共同研究として進めている.
東北大学では,TEM 観察,SEM 観察,EPMA,XGT 分析に従事した.また,全国共
同利用施設・高知大学海洋コア総合研究センターにて,試料の収集,古地磁気・岩石
磁気実験を行い,古地磁気の検出,岩石中に含まれる磁性鉱物のキュリー点ならび
に磁気特性を測定した.27 億年前の堆積岩に含まれる Ni の起源を推定するため,同
位体測定の予備実験を行った. また,30 億年前の古地磁気は未だ報告されていな
いことから,カナダ・オンタリオ州のスティープロック鉱山で,30 億年前の堆積岩,炭酸
塩岩,火山岩の試料を採取し,予察的に古地磁気測定を行った.
【研究成果】
(1)
成果概要
27.7 億年前の西オーストラリア Mt. Roe Basalt とこれに挟在する堆積岩から古地
磁気方位を検出することに成功した.変質の少ない玄武岩のブロッキング温度
450-600˚C の古地磁気成分は,これまで報告されている Mt. Roe Basalt の古地磁気
方位と良く一致し,磁鉄鉱が初生的な古地磁気を保存していることから,今後,テリエ
法などを用いた古地球磁場強度の復元に用いることができる.
一方,変質した玄武岩,凝灰岩,堆積岩の古地磁気成分は,450˚C 以下のブロッキ
ング温度で,現在の地磁気方向や掘削方向の上向きに近い方向を示し,ばらつきも
大きい.これらの古地磁気成分の解釈としては,次の3つが考えられる.(1)初生的な
磁鉄鉱が変成作用によってキュリー点より低いブロッキング温度の古地磁気成分を獲
得した.(2)磁鉄鉱が低温酸化によりマグへマイト化し,変質後に再帯磁した.(3)キ
ュリー点 320˚C の磁硫鉄鉱が古地磁気成分を獲得した.いずれの場合も,玄武岩の
冷却に伴う古地磁気獲得以後の履歴を保存していると考えられる.
磁硫鉄鉱は,主に堆積岩中と,堆積岩に接する玄武岩中に産する.堆積岩中に含
まれる磁硫鉄鉱は,石英と共存する数 100µm 程度の砕屑性粒子と自生のノジュール
(〜数 cm)がある.前者は,磁硫鉄鉱(Fe7S8)より鉄に富む組成をもち,後者は,磁硫
鉄鉱(Fe7S8)に近い値をもつことから両者で生成環境が異なると考えられる.前者は
現在の酸化的な大気中では不安定な鉱物であるため,当時の後背地,砕屑物の供給
過程,堆積環境を復元に重要な意味をもつ.後者は,Ni を数%含む磁硫鉄鉱など非
化学量論的な硫化鉱物が多いことから,100˚C 以下の低温で生成し,初期生命(硫酸
還元菌など)の関与を記録している可能性がある.どちらの硫化鉱物にもペントランダ
イトが含まることが特異な点で,太古代の環境復元や生命と鉱物の相互作用の結果
が,Ni の同位体分別効果などとして記録されていることが期待できる.
(2)
業績リスト
【論文】
Niitsuma, S., Kakegawa, T., Nagase, T., Nedachi, M., Occurrence of
meta-stable sulfide minerals in organic carbon-rich sedimentary
rocks of the 2.77 Ga Mt. Roe Basalt in Western Australia(投稿準備
中).
Niitsuma, S., Sakaki, H., Nedachi, M. et al., Paleomagnetism of the Mt.
Roe Basalt in the Pilbara Craton, Western Australia(投稿準備中).
Suganuma, Y., Hamano, Y., Niitsuma, S., Hoashi, M., Hisamitsu, T.,
Niitsuma, N., Kodama, K., and Nedachi, M., Paleomagnetism of the
Marble Bar Chert Member, Western Australia: implications for an
Apparent Polar Wander Path for Pilbara craton during Archean(投稿
準備中).
日本地質学会 編(2006)日本地方地質誌 4・中部地方,朝倉書店,東京,p 564.
分担執筆.
Niitsuma, S., Ford K. H., Iwai, M., Chiyonobu S. and Sato, T.
Magneto-biostratigraphy correlation in pelagic sediments, ODP Site
1225, eastern equatorial Pacific, Proceedings of the Ocean Drilling
Program, Scientific Results Volume 201 (revised).
【学会やシンポジウム等での発表】
Suganuma, Y., Hamano, Y., Niitsuma, S., Hoashi, M., Hisamitsu, T.,
Niitsuma, N., Kodama, K., and Nedachi, M., 2005. Paleomagnetism of
the Marble Bar Chert Member, Western Australia: implications for an
Apparent Polar Wander Path for Pilbara craton during Archean. AGU
fall meeting (December, 2005. San Francisco).
Niitsuma, S., Kakegawa, T., Nagase, T., Nedachi, M., 2005. Occurrence of
meta-stable sulfide minerals in organic carbon-rich sedimentary rocks
of the 2.77 Ga Mt. Roe Basalt in Western Australia. 2005年度日本質量
分析学会同位対比部会(2005年11月高知).
新妻祥子・掛川武・長瀬敏郎・根建心具,2005. 西オーストラリアMt. Roe Basalt
(27.7億年前)に挟在する堆積岩中の準安定な硫化鉱物とその意義.日本地
質学会第112年学術大会講演要旨,59(2005年9月京都).
菅沼悠介,浜野洋三,新妻祥子,帆足雅通,久光敏夫,新妻信明,小玉一人,根建
心具,2005. 太古代におけるピルバラ地塊の仮想古地磁気極移動曲線の復
元と大陸移動速度.日本地質学会第112年学術大会講演要旨,61(2005年9
月京都).
Niitsuma, S., Kakegawa, T., Nagase, T., Nedachi, M., 2005. Discovery of
greigite from Archean rock?, 地球惑星科学関連学会合同大会要旨,
B001-004
(2005年5月千葉幕張).
Niitsuma, S., Kakegawa, T., Nagase, T., Nedachi, M., 2005. Significance of
nickel-rich sulfides in the 2.77 Ga Mt. Roe sedimentary rocks.
Abstracts 2005 Japan Earth and Planetary Science Joint Meeting,
P074P-007 (May, 2005. Chiba).
菅沼悠介,浜野洋三,新妻祥子,帆足雅通,久光敏夫,新妻信明,小玉一人,根建
心 具 , An apparent polar wander path for Pilbara craton during
Archean, 地球惑星科学関連学会合同大会要旨, E012-012 (2005年5月千
葉幕張)
Suganuma, Y., Hamano, Y., Niitsuma, S., Hoashi, M., Hisamitsu, T.,
Niitsuma, N., Kodama, K., and Nedachi, M., 2005. Paleomagnetism of
the Marble Bar Chert Member, Pilbara craton, Western Australia,
Abstracts 2005 Japan Earth and Planetary Science Joint Meeting,
P074P-010 (May, 2005. Chiba).
平成 17 年度 COE フェロー活動報告
みやざき
かずゆき
宮崎 和幸
指導教員名:岩崎 俊樹
研究グループ名:流体地球・惑星圏研究グループ(気候変動ダイナミクス)
身分:日本学術振興会特別研究員(DC3)
採用期間:平成 15 年 10 月 1 日~平成 18 年 3 月 31 日
【研究内容】
(1)
研究課題または研究目的
本研究の目的は、成層圏および対流圏における大気微量成分の子午面輸送・混合
過程を明らかにすることである。時空間に連続した輸送解析を行うため、大気大循環
モデルに結合した3次元化学輸送モデルにより構成される大気微量成分の再解析シ
ステムを構築した。また、物質輸送過程を適切に理解するために、独自の子午面輸送
診断手法の開発にも取り組んだ。
(2)
平成 17 年度研究活動の概要
まず、数値モデルを用いて観測データの不足を補い時空間に連続した輸送解析を
可能とするために、ナッジング大気大循環モデルにより駆動される化学輸送モデルを
使用して過去 10 年程度について大気微量成分の再解析を実施した。高精度の再解
析を実施するために気象場を同化する手法について最適化を図った結果、再現され
る微量成分分布および子午面循環は同化気象変数と同化緩和時定数に強く依存する
ことを明らかにした。
次に、微量成分の子午面輸送を診断する手法として、質量重み付き帯状平均に基
づく輸送方程式を用いた独自の手法を提案した。この解析手法は従来の解析手法と
比較して幾つかの利点が示し、物質輸送過程の厳密な診断と新たな理解が可能とな
ると考えられる。
開発した再解析システムにより再現された微量成分分布に独自の輸送診断ツール
を適用し、オゾンなど大気微量成分の輸送・混合過程の理解に向けたいくつかの研究
に取り組んだ。まず、子午面オゾン輸送の季節変動とそのオゾン全量への寄与、子午
面におけるオゾンのライフサイクルを明らかにした。更に、子午面での大気混合輸送
の基本的概観を理解するため、微量成分分布から算出される水平拡散係数の物質依
存性と共通性を明らかにした。長寿命化学種は共通する拡散係数の時空間変動を示
し、その特徴は大気混合輸送の基本的様相を示すと考えられ、大気寿命が数年よりも
短い化学種では、非線形効果のために拡散係数は大きな値になり物質間の共通性は
失われることを明らかにした。また、成層圏亜熱帯および極渦縁辺付近で観測される
長寿命化学種の急な南北濃度勾配の変動メカニズムを明らかにするため、化学種濃
度勾配変動に対する輸送過程の役割を定量的に診断した。その結果、鉛直移流およ
び水平混合が成層圏における長寿命化学種の南北濃度勾配の変動に対して支配的
であり、濃度勾配の発達・減衰は子午面循環および大気波動の砕波に伴う混合の季
節変動と関連して説明されることを明らかにした。
【研究成果】
(1)
成果概要
オゾンなど成層圏の大気微量成分の輸送・混合過程に関する研究成果をいくつか
の国際学会や学術誌に発表し、多くの研究者と議論を持つことができた。更に、高精
度な微量成分の再解析への提言として、微量成分の再解析システムに関する論文も
学術誌に発表し、その結果はデータ同化に関する国際学会でも発表した。また、本年
度に取り組んだ成層圏の輸送・混合過程に関する研究の未発表部分については今後
論文としてまとめる予定である。
(2)
業績リスト
【論文】
Miyazaki, K. and T. Iwasaki, Diagnosis of meridional ozone transport based
on mass weighted isentropic zonal means, J. Atmos. Sci., 62,
1192-1208, 2005.
Miyazaki, K., T. Iwasaki, K. Shibata and M. Deushi, Roles of transport in
the seasonal variation of the total ozone amount, J. Geophys. Res., 110,
D18309, 1029/2005JD005900.
Miyazaki, K., T. Iwasaki, K. Shibata, M. Deushi and T. Sekiyama, The
impact of changing meteorological variables to be assimilated into
GCM on ozone simulation with MRI CTM, J. Meteor. Soc. Japan, 83,
909-918, 2005.
【学会発表】
Miyazaki, K., and T. Iwasaki, Diagnosis of meridional ozone transport
based on mass weighted isentropic zonal means, 2005/6/13-17, AMS
13th Conference on Middle Atmosphere, Cambridge, Massachusetts,
USA.
Miyazaki, K., T. Iwasaki, K. Shibata and M. Deushi, The roles of
transports in seasonal variation of total ozone amount, 2005/6/13-17,
AMS
13th
Conference
on
Middle
Atmosphere,
Cambridge,
Massachusett, USA.
Miyazaki, K., T. Iwasaki, K. Shibata, M. Deushi and T. Sekiyama,
Choosing meteorological variables to be assimilated into CTM
driven by GCM for ozone reanalysis, 2005/6/13-17, AMS 13th
Conference on Middle Atmosphere, Cambridge, Massachusetts,
USA.
Miyazaki, K., and T. Iwasaki, Diagnosis of meridional ozone transport
based on mass weighted isentropic zonal means, 2005/7/18-29, The
IAGA Scientific Assembly, Toulouse, France.
Miyazaki, K., T. Iwasaki, K. Shibata and M. Deushi,, The roles of
transports in the seasonal variation of the total ozone amount,
2005/7/18-29, The IAGA Scientific Assembly, Toulouse, France.
Miyazaki, K., T. Iwasaki, K. Shibata, M. Deushi, T. Sekiyama and T.
Sasaki, Choosing meteorological variables to be assimilated into
CTM driven by GCM for ozone reanalysis, 2005/9/12-15, Third
Stratospheric Processes And their Role in Climate (SPARC) Data
Assimilation (SPARC-DA3) Workshop, Banff, Canada.
Miyazaki, K., and T. Iwasaki, Diagnosis of mean-meridional circulation
and meridional constituent transport based on mass weighted
isentropic zonal means, 2005/9/12-15, Third Stratospheric Processes
And their Role in Climate (SPARC) Data Assimilation (SPARC-DA3)
Workshop, Banff, Canada.
Miyazaki, K., T. Iwasaki, K. Shibata, M, Deushi, T. Sekiyama, H. Akiyoshi,
M. Takigama, Diagnostic tool for meridional constituent transport
based on mass-weighted isentropic zonal means: Intercomparison of
MRI
and
NIES
chemical
transport
models,
2005/10/17-19,
CCMVal2005, Boulder, USA.
宮崎和幸, 岩崎俊樹, 大気組成から算出される拡散係数の物質依存性と共通性,
2005/11/20-22, 日本気象学会 2005 年秋季大会, 神戸
宮崎和幸, 岩崎俊樹, 柴田清孝, 出牛真, 関山剛, ナッジング化学輸送モデルを
用いた大気組成シミュレーション- 気象場同化手法の検証 - ,
2006/1/11-13, 第 16 回大気化学シンポジウム, 豊橋
Ⅳ. ウェブサイト運営報告
本COEで開設した以下の公式ウェブサイトの運営状況について,報告する.
URL : http://www.21coe.geophys.tohoku.ac.jp/
(平成 17 年 1 月から)
【更新状況】
昨年度(平成 16 年度)に引き続き、独立のサーバーによるウェブサイト運営を継続した。
2005 年 4 月から 2006 年 2 月 20 日までの月別の新規掲載記事数は以下の通りで、合計 194
件を数える。また、2005 年 8 月からは、記事に付随する写真のトップページ掲載を開始した。
アクセス状況の分析から、昨年度と同様、本 COE のウェブサイト運営が事業関係者間の情
報流通や対外的な活動報告において一定の役割を果たし続けていることがうかがわれた。
本COE広報室室長 木津昭一(理学研究科 地球物理学専攻)
年
月
2005 04
2005 05
2005 06
2005 07
2005 08
2005 09
2005 10
2005 11
2005 12
2006 01
2006 02
合計
更新件数
19
18
37
16
16
19
16
12
12
20
9
194
Ⅴ. 新聞等で報道された研究成果
大谷 栄治
読売新聞 2006 年 1 月 12 日
「マグマ地下400キロにも 東北大研究グループ解明」
朝日新聞 2006 年 1 月 12 日 夕刊
「はるか地下のマグマ 浮上しないのな~ぜ? 東北大学教授ら解明」
河北新聞 2006 年 1 月 14 日 朝刊
「マグマ地下410キロに滞留か「東北大・大谷教授ら実験で判明」構造解明
の手掛かりに」
科学新聞 2006 年 2 月 3 日
「含水マグマの密度 高温高圧下で測定に成功「東北大」マントル深部にマグ
マ溜まり 可能性示す」
NHK 総合 2006 年 1 月 12 日放送 番組名「てれまさむね TODAY」
「地下 400 キロ マントルの中にマグマが」
長谷川 昭
朝日新聞 2005 年 6 月 3 日 夕刊
「(動く大地 見えてきた「新しい地震像」:3) ウサギとカメ 眠る震源、GPS
で探知」
朝日新聞 2005 年 7 月 3 日 朝刊
「地下の「古傷」、地震起こした 新潟中越や宮城北部、東北大など調査」
朝日新聞 2005 年 8 月 22 日 夕刊
「宮城県沖地震に別の見方浮上 東北大は「36年型と類似」 「想定地震」前
提揺らぐ」
河北新報 2005 年 9 月 1 日 「M7.5 発生 可能性残す」
岩手日報 2005 年 12 月 8 日 「宮城県沖いつでも 「8.16」が発した警告」
藤本 博己
河北新報 2005 年 8 月 20 日
「8.16 宮城地震 海底地殻変動を観測 東北大グループ GPS 使い前後比
較」
岩手日報 2005 年 8 月 20 日 朝刊
「震源域の動きを解明 衛星システムで観測 宮城県沖震源地震で東北大」
NHK(TV,ラジオ) 2005 年 11 月 10 日 NHKスタッフが航海に参加
放映他多数
谷口 宏充
伊達民報 2005 年 11 月 18 日
「実験室で爆発再現 火山観測ロボット展示 27 日に公開講演会」
北海道新聞・毎日新聞・読売新聞北海道版・室蘭民報 その他
NHK
11 月 29 日 朝のニュース番組
札幌テレビ・北海道テレビなど
爆発実験等報道多数 以下 URL をご参照下さい。
「http://www.ganko.tohoku.ac.jp/touko/tokutei/usu/usu05_pre.html」
井龍 康文
<国際統合深海掘削計画第 310 次航海関連> 下記以外にも多数
日本経済新聞 2005 年 9 月 25 日 朝刊
「タヒチの海の環境変化 サンゴ礁掘り調査 日米欧の国際チーム」
ドイツ紙 WESERKURIER 2005 年 11 月 11 日
ドイツ紙 WESERKURIER 2006 年 3 月 3 日
ドイツ TV 局 「3sat」 2006 年 1 月 8 日放送 番組名「Die Zeitenfischer」
福西 浩
朝日新聞 2006 年 1 月 11 日 朝刊
「北極が激変、研究加速を―気温の大幅上昇、永久凍土の融解...」
佐藤 源之
朝日新聞 2006 年 2 月 1 日
「地雷効率よく探知 電磁波で形を画像化、JST 開発 クロアチアで検証へ」
フランス紙 地雷探知機関連
読売新聞 2006 年 1 月 12 日
河北新報 2005 年 9 月 1 日
岩手日報 2005 年 8 月 20 日
伊達民報 2005 年 11 月 18 日
日本経済新聞 2005 年 9 月 25 日
朝日新聞 2006 年 2 月 1 日
論文リスト
(事業推進担当者)
−論文リスト−
【2005年度以降】
<固体地球研究グループ>
(1) ISI登録論文
1.
Ohtani, E., Hirao, N., Kondo, T. Ito, M. and Kikegawa, T. (2005), Iron-water reaction
at high pressure and temperature, and hydrogen transport into the core. Phys. Chem.
Minerals, 78, 2, 77-82,
2.
Litasov, K.D. and Ohtani, E. (2005), Phase relation in hydrous MORB at 18-28
GPa:Implications for heterogeneity of the lower mantle. Phys. Earth Planet. Inter, 150,
4, 239-263.
3.
Litasov, K.D., Ohtani, E., Sano, A., Suzuki, A. and Funakoshi, K.(2005), In situ
X-ray diffraction stuffy of post-spinel transformation in a peridotite mantle:
Implication for the 660-km discontinuity. Earth Planet. Sci. Lett., 238, 3-4, 311-328.
4.
Asahara, Y., Ohtani, E., Kondo, T., Kubo, T., Miyajima, N., Ngase, T., Fujino, K.,
Yagi, T. and Kikegawa, T. (2005), Formation of metastable cubic-perobskite in
high-pressure phase transformation of Ca(Mg, Fe, Al)Si2O6., American Mineralogist,
90, 457-462.
5.
Suzuki, A., Ohtani, E., Terasaki, H., Funakoshi, K. (2005), Viscosity of silicate melts
in CaMgSi2O6–NaAlSi2O6 system at high pressure, Phys. Chem. Minerals, 32, 2,
140-145.
6.
Kobayashi, Y., Kondo, T., Ohtani, E., Hirao, N., Miyajima, N., Yagi, T., Kikegawa, T.
(2005), Fe- Mg partitioning between (Mg, Fe) SiO3 post- perovskite, perovskite, and
magnesiowüstite in the Earth’s lower mantle. Geophys. Res. Lett., 32,
doi:10.1029/2005GL023257.
7.
Hosoya, T., Kubo, T., Ohtani, E., Sano, A., Funakoshi, K. (2005), Water controls the
fields of metastable olivine in cold subducting slabs. Geophys. Res. Lett., 32, doi:
10.1029/2005GL023398.
8.
Litasov., K., Ohtani, E., Sano, A., Suzuki, A., Funakoshi, K. (2005), Wet subduction
versus cold subduction, Geophys. Res. Lett., 32, doi:10.1029/2005GL022921.
9.
Lakshtanov, DL, Vanpeteghem, CB., Jackson, JM., Bass, JD., Shen, GY., Prakapenka,
VB; Litasov, K., Ohtani, E. (2005), The equation of state of Al,H-bearing SiO2
stishovite to 58 GPa., Phys. Chem. Minerals, 32, 466-470.
10. Hae, R., Ohtani, E., Kubo, T., Koyama,T., Utada, H. (2006), Hydrogen diffusivity in
wadsleyite and water distribution in the mantle transition zone, Earth Planet. Sci. Lett,
243, 141-148.
11. Sakamaki, T., Suzuki, A., Ohtani, E. (2006), Stability of hydrous melt at the base of
−論文リスト−
the Earth’s upper mantle. Nature, Vol.439, 192-194.
12. Nakajima, J., Y. Takei, and A. Hasegawa, Quantitative analysis of the inclined
low-velocity zone in the mantle wedge of northeastern Japan: A systematic change
of melt-filled pore shapes with depth and its implications for melt migration, Earth
Planet. Sci. Lett., 234, 59-70, 2005.
13. Uchida, N., T. Matsuzawa, A. Hasegawa, and T. Igarashi, Recurrence intervals of
characteristic M4.8+/-0.1 earthquakes off Kamaishi, NE Japan - Comparison with
creep rate estimated from small repeating earthquake data, Earth Planet. Sci. Lett.,
233, 155-165, 2005.
14. Hasegawa, A. , J. Nakajima, N. Umino, and S. Miura, Deep structure of the
northeastern Japan arc and its implications for crustal deformation and shallow
seismic activity, Tectonophysics, 403/1-4, 59-75, 2005.
15. Okada, T., N. Umino, T. Matsuzawa, J. Nakajima, N. Uchida, T. Nakayama, S.
Hirahara, T. Sato, and S. Hori, T. Kono, Y. Yabe, K. Ariyoshi, S. Gamage, J.
Shimizu, J. Suganomata, S. Kita, S. Yui, M. Arao, S. Hondo, T. Mizukami, H.
Tsushima, T. Yaginuma, A. Hasegawa, Y. Asano, Aftershock distribution and 3D
seismic velocity structure in and around the focal area of the 2004 mid Niigata
prefecture earthquake obtained by applying double-difference tomography to dense
temporary seismic network data, Earth Planets Space, 57, 435-440, 2005.
16. Okada, T., T. Yaginuma, N. Umino, T. Kono, T. Matsuzawa, S. Kita, and A.
Hasegawa, The 2005 M7.2 Miyagi-Oki Earthquake, NE Japan:Possible Re-Rupturing
of one of asperities that caused the previous M7.4 Earthquake , Geophys. Res. Lett.,
32, L24302, doi:10.1029/2005GL024613, 2005.
17. Baris, S., J. Nakajima, A. Hasegawa, Y. Honkura, A. Ito, and S. B. Ucer,
Three-dimensional structure of Vp, Vs and Vp/Vs in the upper crust of the Marmara
region, NW Turkey, Earth Planets Space, 57, 1019-1038, 2005.
18. Suwa, Y., S. Miura, A. Hasegawa, T. Sato, and K. Tachibana, Interplate coupling
beneath NE Japan inferred from three dimensional displacement fields, J. Geophys.
Res., 111, doi:101029/2004JB003203, 2006.
19. Nakajima, J., J. Shimizu, S. Hori, and A. Hasegawa, Shear-wave splitting beneath
the southwestern Kurile arc and northeastern Japan arc: A new insight into mantle
return flow, Geophys. Res. Lett., 33, doi:10.1029/2005GL025053, 2006.
20. Takahashi T., H. Sato, K. Ohtake and K. Obara, 2005, Scale dependence of apparent
stress for earthquakes along the subducting Pacific plate in northeastern Honshu,
Japan, Bull. Seis. Soc. Am., 95, doi: 10.1785/012004075.
−論文リスト−
21. Maeda, T., H. Sato and M. Ohtake, Constituents of vertical-component coda waves at
long periods, Pure and Appl. Geophys., 163, doi: 10.1007/s00024-005-0031-9, 2005
22. Lee, W. S., H. Sato and K. Lee, Scattering coefficients in the mantle revealed from the
seismogram envelope analysis based on the multiple isotropic scattering model, Earth
Planet. Sci. Lett., 241/3-4, 888-900, doi:10.1016/j.epsl.2005.10.035, 2005.
23. Korn, M. and H. Sato, Synthesis of plane vector wave envelopes in two-dimensional
random elastic media based on the Markov approximation and comparison with
finite-difference simulations, Geophys. J. Int., 161, 839-848, 2005.
24. Saito, T., H. Sato, M. Ohtake, and K. Obara, Unified Explanation of Envelope
Broadening and Maximum-Amplitude Decay of High-Frequency Seismograms based
on the Envelope Simulation using the Markov Approximation: Forearc Side of the
Volcanic Front in Northeastern Honshu, Japan, J. Geophys. Res., 110, B01304,
doi:10.1029/2004JB003225, 2005.
25. K. Nanjo & H. Nagahama (2005) Symmetropy of fault patterns: Quantitative
measurement of anisotropy and entropic heterogeneity, Mathematical Geology,
Vol.37, No.3, 277-293.
26. Bayaraa Batkhishig, Greg Bignall and Noriyoshi Tsuchiya, Hydrothermal Quartz
Vein Formation, Revealed by Coupled SEM-CL Imaging and Fluid Inclusion
Microthermometry: Shuteen Complex, South Gobi, Mongolia. [Resource Geology, 55
(1), (2005), 1-8]
27. J. Hara and N. Tsuchiya , An Experimental and Modeling Study of Na-rich
Hydrothermal Alteration. [Geofluids, 5, (2005), 251-263]
28. Honda, S. and Yoshida, T. (2005) Application of the model of small-scale convection
under the island arc to the NE Honshu subduction zone. Geochem. Geophys. Geosyst.,
6, Q01002, doi:10.1029/2004GC000785.
29. Nishimoto, S., Ishikawa, M., Arima, M. and Yoshida, T. (2005) Laboratory
measurement of P-wave velocity in crustal and upper mantle xenoliths from
Ichino-megata, NE Japan: ultrabasic hydrous lower crust beneath the NE Honshu arc.
Tectonophysics, 396, 245-259.
30. Kimura, J., Stern, R.J. and Yoshida, T. (2005)Reinitation of subduction and magmatic
responses in SW Japan during Neogene time.Geol. Soc. America Bull., 117, 7/8,
959-986.
31. Honda, S. and Yoshida, T. (2005)Effects of oblique subduction on the 3-D pattern of
small-scale convection within the mantle wedge.Geophysical Research Letters, 32,
1-4(L13307, doi:10.1029/2005GL023106, 2005).
32. Nishimura, T., S. Tanaka, T. Yamawaki, H. Yamamoto, T. Sano, M. Sato, H.
−論文リスト−
Nakahara, N. Uchida, S. Hori and H. Sato, Temporal changes in seismic velocity
of the crust around Iwate volcano, Japan, as inferred from analyses of repeated active
seismic experiment data from 1998 to 2003, Earth Planets Space,57,491-505, 2005
33. A.Yokoo, H. Taniguchi, A. Goto and M. Ichihara (2005) Atmospheric pressure waves
in the field of volcanology. Shock Waves
34. F. Maeno and H. Taniguchi (2005): Marine silicic lava dome in the 1934-1935 Showa
Iwo-jima eruption, Kikai caldera, south of Kyusyu, Japan. Bull. Volcanology , DOI
10, 1007/s00445-005-0042-5 (0nline)
35. A. Goto, H.Taniguchi and A. Kitakaze (2005) : Viscosity measurements of hydrous
rhyolitic melts using the fiber elongation method, Bull. Volcanol., 1432-0819
(Online)
(2) それ以外の査読付き論文
1.
Ohtani, E. (2005), Water in the Mantle. Elements, 1, 25-30.
2.
Ohtani, E., Suzuki, A., Ando, R., Urakawa, S., Funakoshi, K. and Katayama, Y.
(2005), Viscosity and density measurements of melts and glasses at high pressure and
temperature by using the multi-anvil apparatus and synchrotron X-ray radiation
(2005), Advances in High-pressure Technology for Geophysical Applications, Edited
by Chen, Wang, Duffy, Shen, Dobrzhinetskaya, Elsevier Publ. , 195-209.
3.
Ohtani E., Recent progress in experimental mineral physics: Phase relations of
hydrous systems and the role of water in slab dynamics (2005), Geophysical
Monograph 160 (Title of Publication: Earth’s Deep Mantle: Structure, Composition,
and Evolution.), 321-334.
4.
近藤忠(2005), レーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルにおける温度制御
(Temperature Control for Laser-Heated Diamond Anvil Cell), 高圧力の科学と技
術、第15巻、第1号、22-28.
5.
清水淳平・中島淳一・長谷川昭・小原一成, 2006, 北海道および東北日本沈み
込み帯における S 波偏向異方性とマントルウエッジ内の二次対流, 地震 2, 58,
153-164,2005.
6.
岡田知己・海野徳仁・松澤暢・中島淳一・内田直希・中山貴史・平原聡・佐
藤俊也・堀修一郎・河野俊夫・柳沼直・長谷川昭・浅野陽一・H. Zhang,C. H.
Thurber, 稠密余震観測データを用いたダブル・ディファレンス・トモグラフ
ィー方による 2004 年新潟県中越地震の震源断層のイメージング, 地震 2,
58,
7.
283-295,
2005.
J. Muto, H. Nagahama & T. Hashimoto (2005) Water distribution in dynamically
recrystallized quartz grains: cathodoluminescence and micro-infrared spectroscopic
−論文リスト−
mappings, In: D. Bruhn & L. Burlini (eds.) High-Strain Zones: Structure and Physical
Properties. Geological Society of London, Special Publication, Vol.245, 397-407.
8.
J. Muto H. Nagahama, T. Miura & I. Arakawa: Frictional discharge from sheared
asperity: Implication for fractal seismo-electromagnetic radiation. IEEJ Trans. A
(Elect. Eng. Jpn.), Vol.126, No.4, 2006.
9.
竹内昭洋・橋本哲夫・長濱裕幸 (2005) 石英からの熱ルミネッセンスの摩砕に
よる影響. 日本放射化学会誌, 別冊 6, 129.
10. B. Rusk, M. Reed, D. Krinsley, G. Bignall, N. Tsuchiya , Natural and Synthetic
Quartz Growth and Dissolution Revealed by Scanning Electron Microscope
Cathodoluminescence. [Proc. 14th Int. Conference on the Properties of Water and
Steam, (2005), 296-302]
11. H. Lin, Z. Li, K. Tohji, N. Tsuchiya, N. Yamasaki , Reaction of Sulfur with Water
under Hydrothermal Conditions. [Proc. 14th Int. Conference on the Properties of
Water and Steam, (2005), 365-368]
12. H. Kato, Y. Jin, I. Korablova, L. Liu, K. Ioku, A. Minagawa, G. Bignall, N. Tsuchiya,
N. Yamasaki, Formation of Aluminum Silicate Film on Ni alloy Surface in the
System of Granite-Cu under Low Pressure-Hydrothermal Conditions.
[Proc.14th Int.
Conference on the Properties of Water and Steam, (2005),369-372]
13. Junko HARA and Noriyoshi Tsuchiya, Numerical Analysis of Spatial-Temporal
Changes of Argillite Alteration Zoning Based on Dynamic Function of Solid-Fluid
Interface. [Geothermal Resources Council Transactions, 29, (2005), 235-238]
14. Hirano, N., Y. Ota, N. Tsuchiya, Measurement of CO2 - NaCl - H2O Fluid Mixture
Critical Point by Direct Observation Using the Visible-Type Autoclave. [Geothermal
Resources Council Transactions, 29, (2005), 251-254]
15. Nemoto, K., H. Oka, N. Watanabe, N. Hirano and N. Tsuchiya, Measurement of
hydraulically ineoeective area on a fracture under normal stress condition.
[Geothermal Resources Council Transactions, 29, (2005), 413-417]
16. Watanabe, N,. N. Hirano, T. Tamagawa, K. Tezuka, and N. Tsuchiya, Numerical
Estimation of Aperture Structure and Flow Wetted Field in Rock Fracture.
[Geothermal Resources
Council Transactions, 29, (2005), 431-436]
17. Kabuta, T., Y. Suto, N. Tsuchiya, Self-Oxidation and Reduction Reaction of Sulfur in
Seawater for Georeactor and Hydrogen Generation. [Geothermal Resources Council
Transactions, 29, (2005), 747-750]
18. 平野伸夫, 渡邊則昭, 土屋範芳, ゴムを圧力媒体とした封圧発生装置の開発お
よび透水試験. [資源と素材, 121 (10,11), (2005), 484-488]
19. 吉田武義、中島淳一、長谷川昭、佐藤比呂志、長橋良隆、木村純一、田中明子、
−論文リスト−
Prima,O.D.A、大口健志(2005) 後期新生代、東北本州弧における火成活動史
と地殻・マントル構造
第四紀研究、44、4、195-216
20. 西村太志・内田東,2004年浅間山で発生した爆発地震のシングルフォースモデ
ルによる解析,火山,50,387-391,2005.
21. 前野
深、谷口宏充(2005):薩摩硫黄島におけるカルデラ形成期以降の噴火
史、火山、50、71-85.
22. 横尾亮彦、前野
深、谷口宏充(2005):浅間山2004年9月1日噴火の窓ガラス
被害報告と爆発エネルギー推定,火山,50、195-201.
(3) 査読なし論文および著書
1.
Sano, A., Ohtani, E., Suzuki, A., Terasaki, H., Kawazoe, T., Ando, R. and Allwardt,
J., Post-garnet transformation in hydrous MORB system, SPring-8 User Experimental
Report 2004B, 14, 45, 2005.
2.
Ando, R., Suzuki, A. and Ohtani, E., In situ X-ray diffraction measurements to
basaltic melts at high pressure., SPring-8 User Experimental Report 2004B, 14, 45,
2005.
3.
Terasaki, h., Ohtani, E., Suzuki, A., Ando, R., Allwardt, J., Tsuno, K., Sano, A.,
Funakoshi, K. and Nozawa, A., Viscosity measurements of liquid FeS up to 18 GPa.,
SPring-8 User Experimental Report 2004B, 14, 46, 2005.
4.
Kondo, T., Hirao, N., Kobayashi, Y., Sakai, T., Ohtani, E., Sata, N. and Ohishi, Y.,
Stability limit of NiAs phase in (Mg, Fe)O., SPring-8 User Experimental Report
2004B, 14, 74, 2005.
5.
Ando, R., Urakawa, S., Ohtani, E., Katayama, Y., In situ density measurements of
basaltic melts at high pressure by X-ray absorption method. SPring-8 User
Experimental Report 2004B, 14, 129, 2005.
6.
Ohtani, E., Kawazoe, T., Sano, A., Terasaki, H., Litasov, K., Suzuki, A., Tange, Y.,
and Funakoshi, K., In situ X-ray observation of melting relations in iron-light element
systems at high pressure and temperature., SPring-8 User Experimental Report 2005A,
15, 45, 2005.
7.
Litasov, K., Ohtani, E., Suzuki, A., Terasaki, H. and Ghosh, S., In situ X-ray
determination of the decomposition boundary of superhydrous phase B and Phase D
in natural peridotite., SPring-8 User Experimental Report 2005A, 15, 45, 2005.
8.
Terasaki, H., Suzuki, A., Ohtani, E., Nishida, K., Shindo, S., Sakamaki, T., Litasov,
K., Ghosh, S. and Sano, A., Viscosity measurement of liquid Fe-S at 20 Gpa using
cBN anvils., SPring-8 User Experimental Report 2005A, 15, 45, 2005.
9.
Suzuki, A., Ohtani, E., Terasaki, H., Sakamaki, T. and Nishida, K., Viscosity and
−論文リスト−
structure of silicate melt in NaAlSi2O6-H2O system at high pressure and high
temperature., SPring-8 User Experimental Report 2005A, 15, 46, 2005.
10. Hirao, N., Kondo, T., Ohtani, E., Sata, N. and Ohish, Y., High pressure and
temperature experiments on iron to 2 Mbar, SPring-8 User Experimental Report
2005A, 15, 69, 2005.
11. Kondo ,T., Sakai, T., Kobayashi, Y., Hirao, N., Ohtani, E., Sato ,N. and Ohishi, Y.,
Melting relation of Fe-FeS system under ultra-high pressures., SPring-8 User
Experimental Report 2005A, 15, 71, 2005.
12. Urakawa, S., Sakamaki, T., Suzuki, A., Ohtani, E. and Katayama, Y., Density
measurement of Na2Si2O6-FeO melts by high-pressure X-ray abosorption technique.,
SPring-8 User Experimental Report 2005A, 15, 127, 2005.
13. 長谷川昭,2003 年宮城県沖地震(M7.1),月刊地球,27,No.1, 3-7, 2005.
14. 岡田知己・長谷川昭,2003 年宮城県沖地震の震源過程と余震の震源分布,月
刊地球,27,No.1, 23-28, 2005.
15. 油井智史・諏訪謡子・三浦哲・長谷川昭,測地インバージョンによる 2003
年 5 月 26 日宮城県沖地震(M7.1)の断層モデルの推定,月刊地球,27,No.1,
35-38, 2005.
16. 迫田浩司・岡田知己・菅ノ又淳一・長谷川昭,二重深発地震面上面の活動と
2003 年宮城県沖地震,月刊地球,27,No.1, 49-55, 2005.
17. 長谷川昭,2003 年宮城県北部地震(M6.4),月刊地球,27,No.2, 75-80, 2005.
18. 海野徳仁・岡田知己・中島淳一・掘修一郎・河野俊夫・中山貴史・内田直希・
迫田浩司・清水淳平・菅ノ又淳一・N.G.Sunil Shantha・長谷川昭・浅野陽一,
稠密地震観測に基づく 2003 年宮城県北部地震の余震分布とメカニズム解分
析,月刊地球,27,No.2,81-85,2005.
19. 岡田知己・海野徳仁・長谷川昭,ダブルディファレンス法による 2003 年宮城
県北部地震の本震・前震・余震の分布と破壊過程,月刊地球,27,No.2,86-91,
2005.
20. 三浦哲・諏訪謡子・佐藤俊也・立花憲司・長谷川昭,測地インバージョンに
よる 2003 年宮城県北部地震のすべり分布,月刊地球,27,No.2,116-120,
2005.
21. 三浦哲・油井智史・長谷川昭・佐藤俊也・立花憲司,宮城県沖およびその周
辺における最近の地震活動と地殻変動,月刊地球,27,No.2,126-131,2005.
22. 岡田知己・長谷川昭・菅ノ又淳一・海野徳仁・Haijiang Ahang・Clifford Thurber,
ダブルディファレンストモグラフィー法による震源断層のイメージング,月
刊地球,27,No.2,132-138,2005.
−論文リスト−
23. 浅野陽一・小原一成・中島淳一・長谷川昭,宮城県北部およびその周辺域の
地殻不均質構造と地震活動,月刊地球,27,No.2,144-149,2005.
24. 海野徳仁・中島淳一・岡田知己・長谷川昭・堀内茂木・吉本和生・井川猛,
長町−利府断層およびその周辺域の地震学的構造について,月刊地球,号外,
No.50,58-64,2005.
25. 中島淳一・長谷川昭・堀内茂木・吉本和生.吉田武義・海野徳仁,長町−利
府断層周辺の 3 次元地震波速度構造,月刊地球,号外,No.50,65-70,2005.
26. 三浦哲・佐藤俊也・諏訪謡子・長谷川昭・立花憲司,GPS 連続観測網により
得られた東北日本弧の歪分布−火山フロントに沿う歪集中帯−,月刊地球,
号外,No.50,83-88,2005.
27. 吉本和生・藤澤宏篤・岡田知己・海野徳仁・長谷川昭・小原一成・汐見勝彦・
塚原弘昭・岡本茂・川中卓・佐藤比呂志・佐藤春夫・西原太志・大竹政和, レ
シーバ関数から推定される中部地域の地殻・最上部マントル構造,月刊地球,
号外,No.50,139-144,2005.
28. 長谷川昭, パークフィールド地震から学ぶもの, 地震ジャーナル, 39, 1-11,
2005.
29. 岡田知己・海野徳仁・松澤暢・中島淳一・内田直希・中山貴史・平原聡・柳
沼直・長谷川昭・Zhang Haijiang・Thurber Clifford H., DD トモグラフィによっ
て推定された 2004 年新潟県中越地震の断層の微細構造,月刊地球,号外,
No.53,2-10,2005.
30. 長谷川昭,兵庫県南部地震以降の地震・地殻変動観測,月刊地球,28,No.3,
163-170, 2006.
31. 藤本博巳,GPS/音響測距結合方式による海底地殻変動観測,地質と調査,通
巻第 105 号,10-13, 2005.
32. 藤本博巳・三浦哲・日野亮太・木戸元之・長田幸仁,海底地殻変動観測による
沈み込みの現場観測,月刊地球,号外 No.51,188-192, 2005.
33. 日野亮太・藤本博巳・桑野亜佐子・西野実・金沢敏彦・酒井慎一・中尾茂、三
陸沖光ケーブル式海底地震・津波観測システムによる津波観測、月刊地球、37
(3), 190-196, 2005.
34. J. Muto, H. Nagahama, T. Miura & I. Arakawa (2005) Frictional discharge plasma
and origin of fractal seismo-electromagnetic radiation. 21COE International
Symposium 2005, Spatial and Temporal Fluctuations in the Solid Earth, - Clues to
the Future of Our Planet -, July 22 - 27, 2005, Sendai, Japan.
35. T. Yajima & H. Nagahama (2005) Seismic ray theory from a view point of
Kawaguchi space. 21COE International Symposium 2005, Spatial and Temporal
Fluctuations in the Solid Earth, - Clues to the Future of Our Planet -, pp.122-125,
−論文リスト−
July 22 - 27, 2005, Sendai, Japan.
36. Y. Kawada, H. Nagahama & H. Hara (2005) Scaled Langevin equation and the
inversion for viscoelastic behaviour of rocks in seismic time-scale: theoretical
approach. 21COE International Symposium 2005, Spatial and Temporal Fluctuations
in the Solid Earth, - Clues to the Future of Our Planet -, pp. 158-161, July 22 - 27,
2005, Sendai, Japan.
37. 岩佐直仁・長濱裕幸
(2005) 課題 1. 環境放射線を測る, 東北大学教育科目テ
キスト・自然科学総合実験 2005, 東北大学自然科学総合実験テキスト編集委
員会(編), 11-32, 東北大学出版会, 仙台. 243pp.
38. Greg Bignall, Bayaraa Batkhishig and Noriyoshi Tsuchiya, THE SHUTEEN CU-AU
PORPHYRY DEPOSIT. [IAGOD Guidebook Series, 11, (2005), 193-201]
39. 中島淳一、長谷川昭、堀内茂木、吉本和生、吉田武義、海野徳仁(2005)長町利府断層周辺の3次元地震波速度構造.月刊地球号外、50、65-70.
40. 吉田武義、本多了(2005) 新生代、東北本州弧の火成活動史.月刊地球号外、52、
23-28.
41. 本多了、吉田武義(2005) 東北本州弧、背弧拡大期以降における温度構造の時空間
変化モデル
月刊地球号外、52、29-33.
42. 木村純一、吉田武義(2005) 島弧のマスバランス ̶東北本州弧第四紀火山岩類を
例にして̶. 月刊地球号外、52、34-38.
43. 山田亮一、吉田武義(2005) 黒鉱鉱床形成場の島弧発達過程における位置付け.
月刊地球号外、52、39-46.
44. 「日本の火山性地震と微動」西村太志・井口正人著,京大出版,pp236, 2006
45. K. Litasov, Yurimoto H., Litasov, Y., Rasskazov S., Malkovets, V. and Taniguchi, H.
(2005): Trace element study of clinopyroxenes from garnet and spinel peridotite
xenoliths of the Burkal river (Khentey dome, South Transbailalia, Russia ), Northeast
Asian Studies, 9, 159-178.
46. S. Rasskazov, Taniguchi H., Goto A. and Litasov K. (2005):
Magmatic expression
of platesubduction beneath East Asia in the Mesozoic through Cenozoic, Northeast
Asian Studies, 9,
179-221.
47. 小山将明、谷口宏充(2005):阿蘇火山中岳最新期火砕丘の火山地質、東北ア
ジア研究、9、221-242.
48. 前野深、横尾亮彦、菅野繁広、紺谷和生、小暮昌史、谷口宏充(2005):通信
調査にもとづく浅間山2004年9月1日噴火における空気振動の分布域、東北アジ
ア研究、9、243-252.
49. S.G. Catane, H. Taniguchi, A. Goto, A. P. Givero and A.A. Mandanas (2005) :
Explosive volcanism in the Philippines. CNEAS Monograph Series, 18, pp. 146.
−論文リスト−
<流体地球・惑星圏研究グループ>
(1) ISI登録論文
1.
Sugimoto, S., and K. Hanawa, 2005: Remote reemergence areas of winter sea surface
temperature anomalies in the North Pacific. Geophys. Res. Lett., 32(1), L01605, doi:
10. 1029/2004GL021410.
2.
Sugimoto, S., and K. Hanawa, 2005: Why does reemergence of winter sea surface
temperature anomalies not occur in eastern mode water areas? Geophys. Res.
Lett., 32(15), L15608, 10.1029/2005GL
3.
022968.
Ishi, Y., and K. Hanawa, 2005: Large-scale variabilities of wintertime wind stress curl
field in the North Pacific and their relation to atmospheric teleconnection patterns.
Geophys. Res. Lett., 32(10), L10607, doi:10.1029/2004GL022330.
4.
Yasunaka, S., and K. Hanawa, 2005: Regime shifts and ENSO events in the Global
SSTs. Int. J. Climatol., 25, doi:10.1002/joc.1172, 913-930.
5.
Kizu, S., H. Yoritaka, and K. Hanawa, 2005: A new fall rate for T-5 expendable
bathythermograph (XBT) by TSK. J. Oceanogr., 61(1), 115-121.
6.
S. Nakaoka, S. Aoki, T. Nakazawa, G. Hashida, S. Morimoto, T.
Yamanouchi and
H. Inoue-Yoshikawa, Temporal and spatial variations of oceanic pCO2 and air-sea
CO2 flux in the Greenland Sea and the Barents Sea, Tellus, B58, 148-161, 2006.
7.
S. Morimoto, S. Aoki, T. Nakazawa and T. Yamanouchi, Temporal variations of the
carbon isotopic ratio of atmospheric methane observed at Ny Ålesund, Svalbard from
1996 to 2004, Geophys. Res. Lett., 33, L01807, doi:10.1029/2005GL024648, 2006.
8.
S. Kawagucci, U. Tsunogai, S. Kudo, F. Nakagawa, H. Honda, S. Aoki, T. Nakazawa
and T. Gamo, A novel analytical system for determining δ17O of CO2 using CF-IRMS,
Anal. Chem., 14, 4509-4514, 2005.
9.
P. K. Patra, S. Maksyutov and T. Nakazawa, Analysis of atmospheric CO2 growth
rates at Mauna Loa using inverse model derived CO2 fluxes, Tellus, B57, 357-365,
2005.
10. P. K. Patra, S. Maksyutov, M. Ishizawa, T. Nakazawa and G. Inoue, Effects of
biomass burning and meteorological conditions on land-atmosphere CO2 flux from
atmospheric CO2 inverse modelling, 19,GB3005, doi:10.1029/2004GB002258,
Global Biogeochemical Cycle, 2005.
11. P. K. Patra, S. Maksyutov, M. Ishizawa, T. Nakazawa, T. Takahashi and J. Ukita,
Interannual and decadal changes in the sea-air CO2 flux from atmospheric CO2
inverse modelling, Global Biogeochemical Cycle, 19, GB4013,
doi:10.1029/2004GB002257, 2005.
−論文リスト−
12. T. Ikeda-Fukuzawa, K. Fukumizu, K. Kawamura, S. Aoki, T. Nakazawa and T.
Hondoh, Effects of molecular diffusion on trapped composition in polar ice cores,
Earth Planet Sci. Lett., 229, 183-192, 2005.
13. Hosoda, K. and H. Kawamura (2005): Seasonal variation of space/time statistics of
short-term sea surface temperature variability in the Kuroshio region, J. Oceanogr.,
61(4), 709-720.
14. Hinata, H., T. Yanagi, T. Takao and H. Kawamura (2005): Wind-induced Kuroshio
warm water intrusion into Sagami Bay, J. Geophys. Res., 110, C03023,
doi:10.1029/2004JC002300.
15. Shimada, T. and H. Kawamura (2005): Statistical compartmentalization of surface
wind field over coastal seas using high-resolution SAR-derived winds, Geophys. Res.
Letter. 32, L05607, doi:10.1029/2004GL022231
16. Kawai, Y. and H. Kawamura (2005): Spatial and temporal variations of
model-derived diurnal amplitude of sea surface temperature in the western Pacific
Ocean, J. Geophys. Res., 110, C08012, doi:10.1029/2004JC002652.
17. Shimada, T., F. Sakaida, H. Kawamura and T. Okumura(2005): Application of an
edge detection method to satellite images for distinguishing sea surface temperature
fronts near the Japanese coast, Remote Sensing of Environment, 98, 21-34,
doi:10.1016/j.rse.2005.05.018.
18. Sakaida, F., K. Hosoda, M. Moriyama, H. Murakami, A. Mukaida and H. Kawamura
(2005): Sea surface temperature observation by Global Imager (GLI)/ADEOS-II –
Algorithm and accuracy of the product, J. Oceanogr
19. Tang, D. and H. Kawamura, I. S. Oh and J. Baker (2005): Satellite evidence of a
harmful algal blooms and related oceanographic features in the the Bohai Sea during
autumn 1998, Advances in space research
20. Ming-AN Lee, Yi Chang, Futoki Sakaida, Hiroshi Kawamura, Jui-Wen Chan,
Chao-Hsiung Cheng and Iris Huang (2005): Validation of the satellite-derived SSTs
in the waters around Taiwan, T Terrestrial, Atmospheric and Oceanic Sciences
21. Yamaguchi, S. and H. Kawamura (2005): Influence of orographically steered winds
on Mutsu Bay surface currents, J. Geophys. Res., 110, C09010,
doi:10.1029/2004JC002462.
22. Isoguchi, O., H. Kawamura, and K. Ku-Yaacob (2005): El Nino-related offshore
phytoplankton bloom events around the Spratley Islands in the South China Sea,
Geophys. Res. Lett
23. Shimada, T., F. Sakaida, H. Kawamura, T. Okumura (2005): Application of an edge
detection method to satellite images for distinguishing sea surface temperature fronts
−論文リスト−
near the Japanese coast, Remote Sensing Environ, 98(1), 21-34,
doi:10.1016/j.rse.2005.05.018.
24. Iwasaki, S., H. Okamoto, H. Hanado, K. K. Reddy, H. Horie, H. Kuroiwa, and H.
Kumagai, 2005: Retrieval of Raindrop and Cloud Particle Size Distributions with 14
GHz and 95 GHz Radars, J. Meterol. Soc. Jpn., 83, 771-782.
25. Suzuki, Y., Iryu, Y., Inagaki, S., Yamada, T., Aizawa, S. and Budd, D.A. (2006)
Origin of atoll dolomites distinguished by geochemistry and crystal chemistry:
Kita-daito-jima, northern Philippine Sea. Sedimentary Geology, vol. 183, p. 181-202.
26. Ohkubo, A., H. Fukunishi, Y. Takahashi, and T. Adachi (2005), VLF/ELF sferic
evidence for in-cloud discharge activity producing sprites, Geophys. Res. Lett., 32(4),
L04812,doi:10.1029/2004GL021943.
27. Sakanoi, K, H.Fukunishi, Y. Kasahara (2005), A possible generation mechanism of
temporal and spatial structures of flickering aurora, J. Geophys.
Res., 110(A3), A03206, doi: 10.1029/2004JA010549.
28. Okazaki. Y, H. Fukunishi, Y. Tahakashi, M. Taguchi, and S. Watanabe (2005),
Lyman alpha imaging of solar activity on the interplanetary hydrogen screen for
space weather forecasting, J. Geophys. Res., 110(A3), AO03104, doi:
10.1029/2004JA010828.
29. Tong, L. Z., K. Nanbu, and H. Fukunishi (2005), Randomly stepped model for
upward electrical discharge from top of thundercloud, J. Phy. Soc. Japan, 74 (4),
1093-1095.
30. Adachi, T., H. Fukunishi, Y. Takahashi, M. Sato, A. Ohkubo, and K. Yamamoto
(2005),Characteristics of thunderstorm systems producing winter sprites in Japan, J.
Geophys.Res., 110(D11), D11203, doi: 10.1029/2004JD005012.
31. Engebretson, M. J., T. G. Onsager, D. E. Rowland, R. E. Denton, J. L. Posch, C. T.
Russell, P. J. Chi, R. L. Arnoldy, B. J. Anderson, and H. Fukunishi (2005), On the
source of Pc1-2 waves in the plasma mantle, J. Geophys. Res., 110 (A6), A06201,
doi: 10.1029/2004JA010515
32. Sato, M., and H. Fukunishi (2005), New evidence for a link between lightning
activity and t ropical upper cloud coverage, Geophys. Res. Lett., 32(12), L12807,
doi:10.1029/ 2005GL022865.
33. Frey, H. U., S. B. Mende, S. A. Cummer, A. B. Chen, R. -R. Hsu, H. –T. Su, Y. -S.
Chang, T. Adachi, T., H. Fukunishi, and Y. Takahashi (2005), Beta-type stepped
leader of elve-producing lightning, Geophys. Res. Lett., 32(13), L13824,
doi:10.1029/2005GL023080.
34. Hirano, Y., H. Fukunishi, R. Kataoka, T. Hasunuma, T. Nagatsuma, W. Miyake, and
−論文リスト−
A. Matsuoka (2005), Evidence for the resonator of inertial Alfven waves in the cusp
topside ionosphere, J. Geophys. Res., 110(A7), A07218, doi:10.1029/2003JA010329.
35. Tong, L. Z., Y. Hiraki, K. Nanbu, and H. Fukunishi (2005), Release of positive
charges producing sprite halos, J. Atmos. Solar. Terr. Phys., 67 (10), 829-838.
36. Tong, L. Z., K. Nanbu, and H. Fukunishi (2005), Simulation of gigantic jets
propagating from the top of thunderclouds to the ionosphere, Earth Planets Space, 57
(7): 613-617.
37. Adachi T, H. Fukunishi, Y. Takahashi, M. Sato, A. Ohkubo, K. Yamamoto (2005),
Characteristics of thunderstorm systems producing winter sprites in Japan, J. Geophys.
Res., 110 (D11), D11203.
38. Kuo C. -L, R. –R. Hsu, A. B. Chen, H. –T. Su, L. –C. Lee, S. B. Mende, H. U. Frey,
H. Fukunishi, Y. Takahashi (2005), Electric fields and electron energies inferred from
the ISUAL recorded sprites, Geophys. Res. Lett., 32 (19), L19103.
39. Tao C., R. Kataoka, H. Fukunishi, Y. Takahashi, and T. Yokoyama (2005), Magnetic
field variations in the Jovian magnetotail induced by solar wind dynamic pressure
enhancements, J. Geophys. Res., 110 (A11), A11208.
40. Mende, S. B., H. U. Frey, R. –R. Hsu, H. –T. Su, A. B. Chen, L. –C. Lee, D. D.
Sentman, Y. Takahashi,and H. Fukunishi (2005), D region ionization by
lightning-induced electromagnetic pulses, J. Geophys. Res., 110 (A11), A11312.
41. Liu, N. Y., V. P. Pasko, D. H. Burkhardt, H. F. Frey, S. B. Mende, H. –T. Su, A. B.
Chen, R. –R. Hsu, L. –C. Lee, H. Fukunishi, and Y. Takahashi (2006), Comparison of
results from sprite streamer modeling with spectrophotometric measurements by
ISUAL instrument on FORMOSAT-2 satellite, Geophys. Res. Lett., 33(1), L01101.
42. Takahashi, Y. O., H. Fujiwara, and H. Fukunishi (2006), Vertical and latitudinal
structure of the migrating diurnal tide in the Martian atmosphere: Numerical
investigations, J. Geophys. Res., 110 (A11), A11312.
43. Kobayashi, T., and T. Ono, Estimation of surface roughness using radio sounder
A-scope data, J. Geophys. Res. 2005.
44. Nishimura, Y., T. Ono, M. Iizima, A. Shinbori, A. Kumamoto, and H. Oya, Statistical
studies of fast and slow Z-mode plasma waves in and beyond the equatorial
plasmasphere based on the long-term Akebono observations, Earth Planets Space, 58,
343-346, 2006.
45. Wakabayashi, M., T. Ono, M. Yamamoto, T. Yokoyama, and M. F. Larsen,
Multilayer structure of mid-latitude Sporadic-E observed during the SEEK-2
campaign, Ann. Geophys., 23, 2347–2355, 2005.
46. Wakabayashi, M., T. Ono, T. Mori, and Paul A. Bernherdt, Electron density and
−論文リスト−
plasma waves measurement in mid-latitude Sporadic-E layer observed during the
SEEK-2 campaign, Ann. Geophys., 23, 2335–2345, 2005.
47. P. A. Bernhardt, C. A. Selcher, C. Siefring, M.Wilkens, C. Compton, G. Bust, M.
Yamamoto, S. Fukao, T. Ono, M.Wakabayashi, and H. Mori, Radio tomographic
imaging of sporadic-E layers during SEEK-2, Ann. Geophys., 23, 2357-2368, 2005.
48. Katoh, Y., T. Ono and M. Iizima, A Numerical Study on the Resonant Scattering
Process of Relativistic Electrons via Whistler-mode Waves in the Outer Radiation
Belt, The inner magnetosphere: Physics and Modeling, Geophysical Monograph
Series 155, AGU, 33-39, 2005.
49. Shiokawa, K., K. Seki, Y. Miyoshi, A. Ieda, T. Ono, M. Iizima, T. Nagatsuma, T.
Obara, T. Takashima, K. Asamura, Y. Kasaba, A. Matsuoka, Y. Saito, H. Saito, M.
Hirahara, Y. Tonegawa, F. Toyama, M. Tanaka, M. Nose, Y. Kasahara, K. Yumoto,
H. Kawano, A. Yoshikawa, Y. Ebihara, A. Yukimatsu, and the Inner Magnetosphere
Subgroup in the Society of Geomagnetism and Earth, Planetary and Space Sciences,
ERG -- a small-satellite mission to investigate the dynamics of the inner
magnetosphere, Advances in Space Research, 2005.
50. Shinbori, A., T. Ono, M. Iizima, and A. Kumamoto, Enhancements of
magnetospheric convection electric field associated with sudden commencements in
the inner magnetosphere and plasmasphere regions, submitted to Advances in Space
Research, 2005.
51. Shinbori, A., Y. Nishimura, T. Ono, M. Iizima, A. Kumamoto, and H. Oya,
Electrodynamics in the duskside inner magnetosphere and plasmasphere during a
super magnetic storm on March 13–15, 1989, Earth Planets Space, 57, 643-659, 2005.
52. Katoh, Y., T. Ono, and M. Iizima, Numerical experiment of resonant scattering
process of high energetic electrons in the outer radiation belt, Earth Planets Space,
117-124, 2005.
53. Nakamura, N. and Iyeda, Y. (2005), Magnetic properties and paleointensity of
pseudotachylytes from the Sudbury structure, Canada: Petrologic control,
Tectonophysics, v.402, p.141-152.
(2) それ以外の査読付き論文
1.
Okamoto, H., T. Nishizawa, H. Kumagai, N. Sugimoto, T. Takemura, and T.
Nakajima , 2005: Study of cloud microphysical structure with cloud profiling radar
and lidar: Mirai cruise, IRS 2004: Current problems in Atmospheric Radiation
2.
Nishizawa, T., H. Okamoto, T. Takemura, N. Sugimoto, I. Matusi, and A. Shomizu,
2005: Retrieval of aerosol optical properties from dual-wavelength polarization lidar
−論文リスト−
measurements, IRS 2004: Current problems in Atmospheric Radiation
3.
Sato, K., and H. Okamoto, 2005: THE EFFECTS OF NONSPHERICITY AND
VARIATION IN ICE CRYSTAL BULK DENSITY ON 95 GHZ CLOUD RADAR
SIGNALS, IRS 2004: Current problems in Atmospheric Radiation
4.
Sugimoto, N, H. Okamoto, S. Satake, I. Matsui, A. Shimizu, I. Uno, Y. Fujiyoshi, S.
Toriyama, and K. Cho, 2005: Asian dust phenomena of April 30, 2005 in Sendai
observed by lidar, 天気, 52, 11, 829-830
5.
6.
7.
気象ハンドブック第3版(編集
新田,野瀬,伊藤, 住), 46.4章 レーダ, 岡本創,
847-849,朝倉出版 2005
気象ハンドブック第3版(編集 新田,野瀬,伊藤, 住)46.5 章 可視波長, , 岡本
創, 849-851,朝倉出版 2005
小松原純子・佐藤時幸・中川洋・松本良・井龍康文・松田博貴・大村亜希子・
小田原啓・武内里香(2005)沖縄本島南部に分布する島尻層群新里層最上部お
よび知念層の堆積残留磁化測定.堆積学研究,no. 61, p. 5-13.
8.
山本和幸・井龍康文・佐藤時幸・阿部栄一(2005)沖縄本島本部半島北部に分
布する琉球層群の層序.地質学雑誌,vol. 111, no. 9, p. 527-546.
9.
村岡暖子・井龍康文・小田原啓・山田努・佐藤時幸(2005)沖縄本島真栄田岬
一帯の琉球層群の層序.Galaxea(日本サンゴ礁学会誌),no. 7, p. 23-36.
10. 前杢英明・前田安信・井龍康文・山田努(2005)沈み込み帯沿岸の地殻変動を
記録する古潮位計としての完新世温暖帯石灰岩に関する予察的研究.地理科学,
vol. 60, no. 3, p. 4-10.
11. 小田原啓・工藤茂雄・井龍康文・佐藤時幸(2005)沖縄本島読谷村一帯の座喜
味層および琉球層群の層序.地質学雑誌,vol. 111, no. 6, p. 313-331.
12. 小田原啓・井龍康文・松田博貴・佐藤時幸・千代延俊・佐久間大樹(2005)沖
縄本島南部米須・慶座地域の知念層および 赤色石灰岩 の石灰質ナンノ化石
年代.地質学雑誌,vol. 111, no. 4, p. 224-233.
13. 福西浩
(2006):雷雲から超高層大気への上方放電発光現象の研究―2004 年度
堀内賞受賞記念講演, 天気, 53(1), 7-18.
14. Ono, T., Topside Sounder Observations on-board the Japanese Scientific Satellites,
IRI News, 12, 7-11, 2005.
15. 中村教博・植原稔(2005), 古地磁気情報源としてのシュードタキライト・隕石,
地学雑誌. v. 114, pp. 223-238.
(3) 査読なし論文および著書
1.
新世代海面水温と新しい海洋学
川村宏、境田太樹
月刊海洋
号外(40)
27-33
2.
沿岸海洋観測システムにおける数値モデルの役割-COOP を中心に-
川村宏
−論文リスト−
月刊海洋
3.
37(9)
690-694
Okamoto, H., T. Nishizawa, K. Sato, T. Takemura, H. Kumagai, N. Sugimoto, T.
Takano, and T. Nakajima, 2005: Cloud properties by shipborne radar and lidar on the
Research Vessek Mirai: Validation of general circulation model, 2nd EarthCARE
workshop, NICT/APRS Report 06-01, 145-150
4.
Nishizawa, T., H. Okamoto, T. Takemura, N. Sugimoto, I. Matsui, and A. Shimizu,
2005: Development of aerosol retrieval algorithm from dual-wavelength polarization
lidar data and the application to the observational data, Proceedings, 2nd EarthCARE
workshop, NICT/APRS Report 06-01, 175-180
5.
Takano, Y., K. Akita, H. Kubo, Y. Kawamura, H. Kumagai, T. takamura, Y.
Nakanishi, T. Nakajima, N. Sugimoto, Y. Fujiyoshi, and H. Okamoto, 2005:
Observations of cloud properties with the developed millimeter-wave FM-CW radar
at 95GHz, 2nd EarthCARE workshop, NICT/APRS Report 06-01, 87-92
6.
Fukunishi, H., Y. Hiraki, L. Tong, K. Nanbu, Y. Kasai, and A. Ichikawa (2005),
Atomic and molecular processes in lightning-induced sprite events, Atomic and
Molecular Data and Their Applications, edited by T. Kato and H. Funaba, and D.
Kato, American Institute of Physics Conference Proceedings, 771, 101-107, Melville,
New York.
7.
Ono, T., M. Hirahara, K. Kasaba, A. Matsuoka, K. Shiokawa, K. Seki, and Y.
Miyoshi, ERG satellite mission to study formation of the radiation belts, Proceedings
ICLCPM2005,
8.
2005.
Kitagawa, T. and Nakamura, N. (2005), Paleomagnetic constraints of seismic thermal
signatures in the Nojima fault gouge, Abstracts of the international symposium on
"Spatial and temporal Fluctuations in the Solid earth -clues to the future of our planet",
Sp-30.
9.
Usui, Y. and Nakamura, N. (2005), Complex magnetic susceptibility measurements at
high pressure in a diamond anvil cells: basic design and techniques, Abstracts of the
international symposium on "Spatial and temporal Fluctuations in the Solid earth
-clues to the future of our planet", Cp-13.
10. Uehara, M. and Nakamura, N. (2005), Experimental and magnetic study of "dusty
olivine" in chondrules: candidate of a reliable magnetic recorder of the early solar
nebula, Abstracts of the international symposium on "Spatial and temporal
Fluctuations in the Solid earth -clues to the future of our planet", Cp-02.
11. Kitagawa, T. and Nakamura, N. (2005), Paleomagnetic constraints of seismic thermal
signatures and coseismic geo-current in the Nojima fault gouge, Japan, Abstracts of
American Geophysical Union fall meeting, GP13A-0034.
−論文リスト−
<地球進化史研究グループ>
(1) ISI登録論文
1.
Nakazawa H., Sekine T., Kakegawa T., Nakazawa S.
(2005) High yield shock
synthesis of ammonia from iron, water and nitrogen available on the early Earth.
Earth
2.
and Planetary Science Letters 235, 356-360.
Hara K., Kakegawa T., Yamashiro K., Maruyama A., Ishibashi J., Marumo K., Urabe
T., Yamagishi A. (2005) Analysis of the archaeal sub-seafloor community at Suiyo
Seamount on the Izu-Bonin Arc.
3.
Advances in Space Research 35, 1634-1642.
Sakai, T., Minoura, K., Soma, M., Tani, Y., Tanaka, A., Nara, F., Itoh, N., and Kawai,
T., 2005, Influence of climate fluctuation on clay formation in the Baikal drainage
basin. Journal of Paleolimnology, vol 33, p. 105-121.
4.
Minoura, K., Imamura, F., Kuran, U., Nakamura, T., Papadopoulos, G.A., Takahashi,
T., and Yalciner, A.C., 2005, A tsunami generated by a possible submarine slide:
Evidence for slope failure triggered by the North Anatolian fault movement. Natural
Hazards, vol. 36, Number 3, p. 297-306.
5.
Chen Z. Q., Canpi, M.J., Shi G.R., Kaiho K. 2005. Post-extinction brachiopod faunas
from the Late Permian Wuchiapingian coal series of South China. Acta Palaeontol.
Pol. 50, 343-363.
6.
Kaiho, K., Chen, Q-Z., Ohashi, T., Arinobu, T., Sawada, K., Cramer, B.S., 2005. A
negative carbon isotope anomaly associated with the earliest Lopingian (Late
Permian) mass extinction. Palaeogeogr., Palaeoclimatol., Palaeoecol. 223, 172-180.
7.
Arinobu, T., Ishiwatari, R., Kaiho, K., Lamolda, M.A., Seno, H., 2005. Abrupt and
massive influx of terrestrial biomarkers into the marine environment at the
Cretaceous-Tertiary boundary, Caravaca, Spain. Palaeogeogr., Palaeoclimatol.,
Palaeoecol. 224, 108-116.
8.
Chen Z.Q., Kaiho K., George, A.D., 2005. Survival strategies of brachiopod faunas
from the end-Permian mass extinction. Palaeogeogr., Palaeoclimatol., Palaeoecol. 224,
232-269.
9.
Chen Z.Q., Kaiho K., George, A.D., 2005. Early Triassic recovery of the brachiopod
faunas from the end-Permian mass extinction: A global review. Palaeogeogr.,
Palaeoclimatol., Palaeoecol. 224, 270-290.
10. Mingyu Sun, Tsutomu Saito, K. Takayama and H. Tanno,Unsteady drag on a sphere
by shock loading,Shock Waves, (2005), Vol.14, pp. 3-9
−論文リスト−
11. M. Viren, G. Jagadeesh, KPJ Reddy, Mingyu Sun, K. Takayama,Visualization of
shock waves around hypersonic spiked blunt cones using electric discharge,Journal of
Visualization, 8, (2005), pp.65-72
12. Mingyu Sun, Tsutomu Saito, P. A. Jacobs, E. Timofeev, K. Takayama,A benchmark
test: axisymmetric shock wave interaction with a cone,Shock Waves, Vol 14, (2005),
pp. 313-331
(2) それ以外の査読付き論文
1.
Sugawara, D., Minoura, K., Imamura, F., Takahashi, T., and Shuto, N., 2005, A huge
sand dome formed by the 1854 earthquake tsunami in Suruga Bay, central Japan.
Gupta, V. K.
and Tinti, S. (eds.) Tsunami Seismic Hazard (ISET Journal 2005
special issue).
2.
Motoyuki Sato, Zheng-Shu Zhou, Tadashi Hamasaki and Wolfgang-Martin Boerner,
Development of a Ground?Based Synthetic Aperture Radar (GB-SAR) System and its
applications to environment monitoring, URSI Commission F Symposium on
Microwave Remote Sensing of the Earth, Oceans, Ice, and Atmosphere, Barza d'Ispra
(Varese, Italy), April, 2005
3.
X. Feng, Z. Zhou, T. Kobayashi, T. G. Savelyev, J. Fujiwara, M. Sato, Estimation of
ground surface topography and velocity model by SAR-GPR and its application to
landmine detection, Proc. Defense and Security Symposium 2005, March, 2005
4.
Myeong-Jong Yi, Jung-Ho Kim, Seong-Jun Cho, Motoyuki Sato, Integrated
Application of Borehole Radar Reflection and Resistivity Tomography Delineate
Fractures at a Granite Quarry, Subsurface Sensing Technologies and Applications,
Vol.6 No.1, 89-100, January, 2005
5.
Seong-Jun Cho, Ryohei Tanaka, Motoyuki Sato, Bistatic GPR by using an optical
electric field sensor, Proc. IGARSS2005, Seoul, DVD, July, 2005
6.
Kazunori Takahashi and Motoyuki Sato, Estimation of a Buried Pipe Location by
Borehole Radar, Proc. IGARSS2005, Seoul, DVD, July, 2005
7.
Takuya Takayama and Motoyuki Sato, Evaluation of an Array Type Directional
Borehole Radar System, Proc. IGARSS2005, Seoul, DVD, July, 2005
8.
Ralf Herrmann and Motoyuki Sato, Image Reconstruction by a Ground-Based SAR
System, Proc. IGARSS2005, Seoul, DVD, July, 2005
9.
Xuan Feng and Motoyuki Sato, Landmine imaging by a Hand-held GPR and metal
detector sensor (ALIS), Proc. IGARSS2005, Seoul, DVD, July, 2005
−論文リスト−
10. Tadashi Hamasaki, Motoyuki Sato, L. Ferro-Famil, and Eric Pottier, Natural Objects
Monitoring Using Polarimetric Interferometric Ground-Based SAR (GB-SAR)
System, Proc. IGARSS2005, Seoul, DVD, July, 2005
11. Tadashi Hamasaki, Motoyuki Sato, L. Ferro-Famil, and Eric Pottier, Polarimetric
SAR Stereo Using Pi-SAR Square Loop Path, Proc. IGARSS2005, Seoul, DVD, July,
2005
12. Sixin LIU, Zhaofa ZENG and Motoyuki Sato, Subsurface Water-filled Fracture
Detection by Borehole Radar: a Case History, Proc. IGARSS2005, Seoul, DVD, July,
2005
13. M. Sato and X. Feng, GPR migration algorithm for landmines buried in
inhomogeneous soil, Proc. IEEE Antennas and Propagation Int. Symp.(Washington
D.C.), 1B, 206-209, July, 2005
14. Motoyuki Sato, Xuan Feng,Jun Fujiwara, Handheld GPR and MD sensor for
landmine detection, Proc. IEEE Antennas and Propagation Int. Symp.(Washington
D.C.), 3B, 104-107, July, 2005
15. Takuya Takayama and Motoyuki Sato, Development of a borehole radar system using
a optical electric filed sensor, Proc. Int. Symp. Antennas and Propagation (ISAP2005),
Seoul, 1273-1276, August, 2005
16. 佐藤源之, 地中レーダ・波動情報処理の地雷検知への応用, シンポジウム「電
波科学の歩みと将来展望」, 箱根, , July, 2005
17. Motoyuki Sato, Xuan Feng, , Takao Kobayashi, Zheng-Shu Zhou, Timofei G.
Savelyev, Jun Fujiwara, Evaluation of an array-antenna GPR system (SAR-GPR),
Proc.HUDEM2005, Tokyo, 15-20, June, 2005
18. Motoyuki Sato, Jun Fujiwara, Xuan Feng, ,Zheng-Shu Zhou. Takao Kobayashi,
Evaluation of a Hand-held GPR MD sensor system (ALIS), Proc.HUDEM2005,
Tokyo, 21-26, June, 2005
19. Tadashi Hamasaki, Laurent Ferro-Famil, Eric Pottier, and Motoyuki Sato,
Applications of Polarimetric Interferometric Ground-Based SAR (GB-SAR) System
to Environment Monitoring and Disaster Prevention, European Radar Conference
2005 (EuRAD 2005), Octorbar, 2005
20. Jian-Guo Zhao, Motoyuki Sato, Radar polarimetry analysis applied to Single-hole full
Polarimetric Borehole Radar, Proc. 11th Formation Evaluation Symposium of Japan,
Chiba, Japan, October, 2005
21. 佐藤源之、
鹿琪, 土壌・地下水汚染の GPR 計測, 物理探査, Vol.58, No.5, 511-519,
October, 2005
−論文リスト−
22. Qi Lu, Motoyuki Sato, Application of electromagnetic exploration techniques to oil
contaminated soil, Buturi-Tansa, Vol.58, No.5, 545-554, October, 2005
(3) 査読なし論文および著書
1.
大谷栄治,掛川武(2005)地球・生命−その起源と進化.共立出版,P190.
2.
佐藤源之、浜崎考、Ralf Hermann, 地表設置型合成開口レーダによる斜面、環
境計測, 物理探査学会第 112 回学術講演会論文集, 230-233, May, 2005
3.
佐藤源之、Feng Xuan(東北大学),
藤原純(東京ガス)、 三浦秀敏(テラ),
ハンドヘルド GPR(ALIS)を用いたアフガニスタンにおける地雷検知検証実験,
物理探査学会第 112 回学術講演会論文集, 242-245, May, 2005
4.
佐藤源之、小林敬生、高橋一徳、Feng Xuan,
T.サバリエフ(東北大学)、藤
原純(東京ガス), SAR-GPR による地雷検知検証実験, 物理探査学会第 112 回
学術講演会論文集, 238-241, May, 2005
5.
Zhao Jianguo, Motoyuki Sato, Antenna characteristic compensation techniques and
polarimetry image reconstruction for single-hole polarimetry borehole radar system,
物理探査学会第 112 回学術講演会論文集, 58-61, May, 2005
6.
園田潤、佐藤源之, 高次 FDTD 法の並列計算による大規模電波伝搬解析と光電
界センサを用いた室内 UWB パルス伝搬実験, 電気学会電磁界理論研究会資料,
EMT05-25, 1 月 6 日, July, 2005
7.
Qi Lu, Kazunori Takahashi, Masaki Takahashi, Motoyuki Sato, Mapping method for
LNAPL contaminated area in the subsurface by ground penetrating radar, 物理探査
学会第 113 回学術講演会論文集, Okinawa, Japan, 285-288, October, 2005
8.
Hee Joon Kim, Qi Lu, Motoyuki Sato, Direct Detection of LNAPLs with Ground
Penetrating Radar and Electromagnetic Methods, 物理探査学会第 113 回学術講演
会論文集, Okinawa, Japan, 289-292, October, 2005
9.
Xuan Feng, Takao Kobayashi, Motoyuki Sato, GPR imaging algorithm by ALIS and
SAR-GPR for landmine detection, 物理探査学会第 113 回学術講演会論文集,
Okinawa, Japan, 332-335, October, 2005
10. Jian-Guo Zhao, Motoyuki Sato, Subsurface fracture characterization based on radar
polarimetry by borehole radar, Proc. of the 8th Workshop on Subsurface
Electromagnetic Measurement, Nagasaki, Japan, 113-118, October, 2005
11. X. Feng, M. Sato, Development of ALIS and the evaluation tests in Afghanistan and
Egypt, Proceedings of the 8th Workshop on subsurface Electromagnetic
Measurement, 53-58, Oct., 2005
−論文リスト−
12. 高橋一徳,金喜俊,佐藤源之, 初動走時を用いたクロスホールレーダによる地
下空洞位置推定, 電磁界理論シンポジウム, EMT-05-61∼82, 105-108, Nov,
2005
13. Jian-Guo Zhao, Motoyuki Sato, Subsurface fracture characterization by a fully
polarimetric borehole radar and its polarimetric analysis, 3rd International Workshop
on WATER DYNAMICS, Sendai, Japan, November, 2005
14. M.Sato, J.Fujiwara, X.Feng, Z.Zhou and T.Kobayashi, GPR development for
landmine detcetion, Mulli-Tamsa(Korean SEG), Vol.8 No.4, 270-280, , 2005
15. S.Liu and M.Sato, Transient radiation from an unloaded, finite dipole antenna in a
borehole: Experimental and numerical results, Geophysics, Vol.70, No.6, K43-K51,
December, 2005
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