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団塊世代の退職研究 - ハイライフ研究所
「リタイアドシニア研究シリーズ」 平成18年度研究 「団塊世代の退職研究」 総合報告書 平成19年4月 研究体制 株式会社 パワーウィングス 高橋洋一郎 財団法人 ハイライフ研究所 加藤信介 財団法人 ハイライフ研究所 中山 進 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp <はじめに> ハイライフ研究所の団塊世代研究、シニア世代研究も10年近い歴史を持つようになった。第1回 (99年度)-団塊世代「ネオ’50)」分散・分化する中高年世代、第2回(00年度)-団塊世代の女 性、「私達」の履歴書、に始まり、直近では、第7回(05年度)-団塊世代と団塊ジュニアにおける 価値観の世代間比較研究、ハイライフ研究(06年度広報誌)-「団塊世代2007年問題を考える」 まで、18編にわたる研究・調査・セミナー・出版などを行ってきた。この間、少子高齢化社会にお けるよりよい生き方をテーマに取り組んできており、高齢化社会への対応という点で、シニア全体 はもとよりであるが、とりわけその趨勢に大きな影響を及ぼすであろう「団塊世代」に特にスポット を当てた研究を進め、現在に至っている。 団塊世代に対してはその人口ボリュームと高度成長時代を支えた世代ということで、消費の ターゲットとして、またその労働力など、経済的価値から言及されることが多かった。しかしハイラ イフ研究所では、一貫して、社会構造の変化に対応したより良い生活の追及という観点を忘れ ず、「団塊世代のハイライフの可能性」を研究調査に盛り込んできた。 今回の「リタイアドシニア研究」は、団塊世代・シニア世代研究の総合的な到達点となる、「団塊 世代の定年退職調査研究」に取り組むこととなった。団塊世代が高度成長期を支え、またバブル 崩壊以降のリスク社会を生き延び、ここに定年退職期を迎えたのと同じく、当研究所における団 塊世代・シニア世代研究も、一度、中間総括的に整理する必要があると考えた。それと同時に、 団塊世代が第二の人生に積極的に取り組む意思と希望を持つのと同様に、当研究所の次の テーマへの礎石となるべく、団塊世代の退職後の暮らしぶり、消費行動、貯蓄行動に関して一定 の視点を提供したいとも考えた。 そこで、調査研究は、退職直前の団塊世代とすでに退職した先輩たち、そしてそれぞれの妻た ちといった異なる集団に対し、退職前・退職後、夫対妻という視点で、団塊世代の退職を複合的 に浮き彫りにすることを狙った。更に直近の退職者へ追跡調査をおこない、リアルな変化を捉え る試みも行った。結果として5本の調査が実施され、その調査対象者は総数で約1400名を数える こととなった。 結果については、各章において詳述されるが、興味深い事実や分析が行われている。たとえ ば、 1)退職前の団塊世代の希望と不安 2)退職後の夫と妻との気持ちの揺らぎ 3)生活リストラにかかる時間と方法 4)退職前の大きな夢とその実現率 5)夢実現の鍵となる退職金の行方 6)退職後の暮らしを豊かにする消費行動の特徴 7)リタイヤリーの退職後消費の4種の神器 などである。 既存の退職者の行動・意識から団塊世代の退職後の行動・意識を予測するには困難を伴う が、それを補うためにおこなった妻の側の調査や直近退職者の追跡調査も有意義な結果をもた らしている。 最後に、本調査研究を推進するにあたって、ヒアリングやアドバイスをいただいた多くの方々に この場をお借りして御礼申し上げます。 2007年4月 研究員を代表して 高橋洋一郎 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp <総合目次> 第1章 調査研究のまとめ Ⅰ 本調査研究の課題 Ⅱ 調査仮説 Ⅲ 調査概要 Ⅳ 調査結果のまとめ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 1 2 3 4 第2章 「団塊世代の退職予定者および団塊世代の妻への調査」結果報告 <調査概要> Ⅰ 調査結果の要約 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 24 25 28 第3章 「退職者および退職者の妻への調査」結果報告 <調査概要> Ⅰ 調査結果の要約 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 58 59 62 第4章 「退職予定者の退職後の追跡調査」結果報告 <調査概要> Ⅰ 調査結果の要約 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 94 95 97 <別紙 : 調査結果数表> Ⅰ- 1 団塊世代の退職予定者調査数表 Ⅰ- 2 団塊世代の退職予定者の妻調査数表 Ⅱ 退職者および退職者の妻への調査数表 Ⅲ 退職予定者の退職後の追跡調査数表 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 第1章 調査研究のまとめ Ⅰ本調査研究の課題 1)本調査研究の目的と視点 2007年以降、680万人の団塊世代のうち、300万人といわれる給与生活者が退職を迎える。その退職 金は韓国のGDPに匹敵する50兆円という試算もある。その膨大なキャッシュフローは日本経済にとって 大きなインパクトとなるであろう。また団塊世代は数が多いだけではなく、独自の価値観を持つといわ れる。そうであれば、団塊世代の退職後のライフスタイルは従来にない動きとなって現れるに違いな い。いわば、2007年は時代・年代・世代の3重効果が期待できる変節点である。とすれば、ライフスタイ ルとライフステージが関係したいくつもの変化がおこるだろう。 そうした状況で、本研究は団塊世代の退職後のライフスタイル変化およびそれにともなう支出動向を含 めた退職金の行方を占いつつ、来るべき2007年以降の日本社会に大きな影響を与える団塊世代の退 職をめぐる課題に対し実効的な提案を行うことを目的としている。 したがって、本調査研究はいくつかの視点を複合的に持たざるを得ない。それは1)団塊世代は退職後 どのような変化を示すのか。それは現在の退職者とどう違うのかという視点である。この問題の困難な 点は、事後にならないと同一人物の退職前と後とを比較できない点である。いいかえると団塊世代の 退職前に退職後を予想するには、団塊世代の退職前の意図と、既存の退職者とを比較せざるを得な いということなのである。したがって、ある変化が退職による変化なのか、それとも団塊世代特有の変 化なのかの判断が必要になるということだ。2)これを補うために、少数であっても、同一人物のフォ ロー調査が必要である。退職予定者の事前の態度が、退職後にどう変化したか直接追跡することであ る。しかしフォローアップといえども十分ではない。というのも時間枠があり、2007年に退職する団塊世 代の退職予備軍を捉えるには2006年しか余裕がないからである。このため退職後マックス12ヶ月の人 しか対象にできず、やはり団塊世代の退職後数年たった姿は、今すでにいる先輩退職者から推測する しかできないのである。また3)妻の視点が必要である。退職後の生活には妻との関係が大きく影響す るので、夫が退職する前と後とにおいて夫だけでなく妻の側の視点を確保しておかねばならない。こう した複合的視点にたち、きたるべき団塊世代の退職後のあり様の予測を試みてみたい。 2)調査のフレーム 調査のフレームは以下の図で示したとおりである。調査概要の詳細は別途記述した。 定年退職 退職予定者(団塊世代を7 割含む) 2006年以降3年間に退職 予定のある、男性給与生 活者 N=345 団塊世代の妻 1947年−1949年生まれ の給与生活者を夫に持つ 妻 N=275 直近退職予定者(先行指 標) 2006年4−2007年1月定 年退職予定者 比較分析 N=353 比較分析 退職者の妻 57歳∼65歳の退職者男 性の妻 N=236 退職予定者追跡調査 N=127 直近退職者(先行指標) 2006年4−2007年1月退 職者(同一人物) N=55 1 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 退職者 57歳∼65歳の退職者男 性 Ⅱ調査仮説 本調査研究の調査フレームと仮説は次のような図で示される。 A 「定年退職感」は定年前と定年後ではどのように違うのか B 「退職前の夢」は退職後、実現されるのか C 夢の実現のためにどのような「購入したい品目」があり、それは退職後購入されるのか。 「人生上の 位置」 「ライフスタイ ル意識」 「妻の意識」 「満足度」 「自立度」 「外出行動」 影響 「第2の人生 への考え方」 影響 A 「定年退 職感」 「経済的不 安感」 A’「退職後 の定年退職 感」 比較 退職直後→3年未満→3-6年後の B 「退職前 の夢」 変化 定 年 退 職 B’「退職後 の実現」 比較 C 「購入し たい品目」 比較 C’「購入し た品目」 影響 「退職金金 額」 「就労状況」 詳細 D 「車」 「こうありたい 暮らしのキー ワード」 このような仮説と疑問を解決するために、 本調査研究では、5本の調査を実施した。 1) 「退職予定者調査」: 団塊世代の退職予定者を7割含める。 2) 「団塊世代を夫にもつ妻」調査: 退職前の妻の意識を捉える。 3) 「退職者調査」: すでに退職した退職先行者を捉える。 4) 「退職者の妻調査」: 退職者の妻を捉える。 5) 「退職予定者フォロー調査」: 退職予定者のうち2006年度に退職した 同一人物のその後を捉える。 「直近退職者」と呼ぶ。 5本の調査の調査概要は次ページに詳細を掲示した。 2 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp D 「旅行」 D 「リフォー ム」 D 「投資」 Ⅲ調査概要 (1)退職予定者調査 1 2 3 4 5 対象者: 有効回答数: 調査方法: 調査地域: 調査時期: 2006年以降3年間に退職予定のある、男性給与生活者 N=345 インターネット、メール&ウェブ 全国 2006年4月22日∼4月26日 (2)団塊世代を夫にもつ妻調査 1 2 3 4 5 対象者: 有効回答数: 調査方法: 調査地域: 調査時期: 1947年∼1949年生まれの給与生活者の男性を夫に持つ妻 N=275 インターネット、メール&ウェブ 全国 2006年4月22日∼4月26日 (3)退職者調査 1 2 3 4 5 対象者: 有効回答数: 調査方法: 調査地域: 調査時期: 57歳∼65歳の退職者男性 N=353 インターネット、メール&ウェブ 全国 2006年8月12日∼8月15日 (4)退職者の妻調査 1 2 3 4 5 対象者: 有効回答数: 調査方法: 調査地域: 調査時期: 退職の夫を持つ妻 N=236 インターネット、メール&ウェブ 全国 2006年8月12日∼8月15日 (5)退職予定者フォロー調査 1 対象者: 2 有効回答数: 3 調査方法: 4 調査地域: 5 調査時期: 2006年4月実施「退職予定調査」対象者のうち2007年1月までに退職予定ありの人 N=127 実際に2006年4月から2007年1月までに退職した人「直近退職者」:N=55 インターネット、メール&ウェブ 全国 2007年1月22日∼1月23日 3 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp Ⅳ調査結果のまとめ テーマA)定年退職に対する態度はどのように変化するか。 状況1: 定年退職前 これから退職する人は、自分は人生のまだ7合目でしかない。こ れからだ!と考えている。妻もそうだが、下りの7合目という人も 出始めている。 A 1-1 自分は人生の何合目にいるか 2006年以降退職予定男性(N=345) 24.1 (%) 25.0 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 23.3 20.0 20.4 19.3 19.7 14.5 15.0 10.7 9.9 8.4 9.3 10.0 8.7 9.8 7.6 5.0 0.6 0.0 3.6 2.3 く だ り の 1 - 2合 目 く だ り の 3 - 4合 目 く だ り の 5 - 6合 目 く だ り の 7 - 8合 目 くだりの 9-10 合目 登 り の 9 - 1 0合 目 登 り の 7 - 8合 目 登 り の 5 - 6合 目 0.6 登 り の 3 - 4合 目 登 り の 1 ︲2 合 目 0.0 6.2 1.1 ●人生を山登りにたとえて、いまどの辺に差し掛かっているのか、二つの山が出来た。「登りの7-8合目」と 「下りの7-8合目」だ。まだまだ、人生はこれからがある、と考える人と、もう一番よいところは終わった、これか らは下り坂だ、という人とがいるわけだ。男性退職予定者では「上り坂派」は合計54.3%。「下り坂派」は 45.8%。最も多いのは「登りの7-8合目」と考えている人だ。団塊世代を夫に持つ妻だも同様の数字だ。 53.5%vs46.5%。 <Ⅰ-1> 【質問】人生を山登りにたとえると、あなたはいま山の何合目にいると思われますか。 (頂上を10合目とします) (SA) <退職予定男性、団塊世代を夫に持つ妻調査2006年4月> 自分の人生における、「今」の位置づけは、これからの活動に大きな心理的影 響をもたらすだろう。「上り坂派」の方が「下り坂派」より多いということは、今後 の可能性を予想させられる。 4 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマA)定年退職に対する態度はどのように変化するか。 状況1: 定年退職前 A 1-2 大部分の退職予備軍はこれまでの人生への満足度は高い。少 なくとも自分の人生を後悔しているという人は少数派だ。団塊世 代の予備軍もまったく同じである。 自分の人生の満足度(SA) 団塊世代の退職予定者(N=247) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 大変満足している やや満足している あまり満足していない まったく満足していない 9.7 44.9 7.3 53.5 どちらともいえない 23.5 21.8 17.0 15.6 4.9 1.8 ●これまでの自分の人生への満足度は、団塊世代の男性退職予定者においても団塊世代を夫に持つ 妻も、「満足派」が多数を占めている。男性退職予定者の55%は満足派(満足合計)で、団塊世代を 夫に持つ妻では61%が満足派だ。逆に不満足派は男性退職予定者では22%、団塊世代を夫に持つ 妻では17%。 ただし、「大変満足」というわけにはいかないようだ。「やや満足」という人が半分を占めている。自分の歩い た後ろに足跡が出来る。失敗もあったし、完璧でもなかった。しかし大きな失敗や不幸もなく、それなりにこ こまでやってきた、だから「やや満足」だという感想であろうか。 <Ⅰ−2> 【質問】あなたはこれまでのご自分の人生にどの程度満足なさっておられますか。(SA) <退職予定男性、団塊世代を夫に持つ妻調査、2006年4月> これまでに満足しているのなら、これからも「それなりに」満足できるだろう、と 考えるのは人情だ。それと同時に、ある種の保守的な態度を生むことにもなろ う。第2の人生をどう考えるのだろうか。 5 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマA)定年退職に対する態度はどのように変化するか。 状況1: 定年退職前 A 1-3 「退職後や子育て後ににこそ、自分の第二の人生が待っている」 と、第二の人生を期待し、積極的な人が大部分である。とくに「上 り坂派」は積極的だ。 第2の人生への考え方(SA) 大変賛成 やや賛成 あまり賛成ではない まったく賛成ではない どちらともいえない 0.4 団塊世代の退職予定者(N=247) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 34.0 45.3 30.2 48.4 15.4 4.9 16.7 4.0 0 .7 ●第2の人生に対する考え方はどうだろう。「男性退職予定者」も「団塊世代を夫に持つ妻」も「もうひと つの人生がある」という考え方に大部分の人が賛成している。退職後にいろいろな期待をかけているという ことだろう。 ●さらに、自分の人生は「上り坂」と考えている人のほうが、第2の人生に期待している人が多い。退職後 の人生に積極的にかかわって行きたいということだ。 <Ⅰ−3> 【質問】「人生は仕事や子育てがすべてではない、退職後や子供が成長した後にこそ、もうひとつ 自分の人生がある」という考えがありますが、あなたはこの考えについてどう思われますか。(SA) <退職予定男性、団塊世代を夫に持つ妻調査、2006年4月> 基本的には、ほとんどの人が積極的だ。願い事だからである。実際はどうなる のか。暮らしの経済や現実の夫婦関係の中では、どうなのか。 6 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマA)「定年退職に対する態度はどのように変化するか」 状況1: 定年退職前 A 1-4 定年退職後の経済的不安を抱えている団塊世代の退職予備軍 はたいへん多い。団塊世代を夫に持つ妻も同様である。しかし、 それはある意味で「見えない定年後」に対する、不安「感」でしか ない可能性もある。 定年退職後の生活への経済的不安(SA) 団塊世代の退職予定者(N=247) 17.8 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 18.2 大変不安がある やや不安がある あまり不安はない まったく不安はない 48.2 44.4 どちらともいえない 17 17.1 13.4 16.7 3.6 3.6 ●定年退職後の生活への経済的不安感は強い。団塊世代の退職予定者では「不安がある」人は66% にのぼっている。団塊の妻たちも同様だ。過度な経済的将来不安は消費マインドを冷え込ませ、団塊世 代の退職マネーがタンスにしまいこまれてしまう恐れも十分ある、ということだ。 ※予想退職金額が「1500万円以下」では80%の人が不安を感じ、「1500万円‐3000万円以下」の中間 層でも58%、しかも「3000万円以上」のプチ退職金富裕層においても、43%の人が不安感を持っている。 <Ⅰ−4> 【質問】あなたは定年退職後の生活について経済的不安がありますか。(SA) 【質問】あなたは夫の定年退職後の生活について経済的不安がありますか。(SA) <退職予定男性、団塊世代を夫に持つ妻調査、2006年4月> 家計の心理的な先行き不安は団塊消費マインドにネガティブに働く。2007年 以降の退職金フローについて、慎重に考える必要があるが、しかし、「案ずる より生むは易し」の側面もある。消費は順調に進む、という見方もできる。 7 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 夫の定年退職に対しての考え方は、夫と妻とで大きく違う。妻の 側は決して「楽しみにはしていない」のだ。それは夫と毎日顔をあ わせることへのイライラ感が原因だ。 A 1-5 定年退職への態度(SA) 大変楽しみにしている どちらともいえない まったく楽しみにしていない 16.6 団塊世代の退職予定者(N=247) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 20 33.8 (%) 74.4 41.5 21.8 20.4 2.6 14.2 夫の定年退職を楽しみにしている計(N=73) 夫の定年退職を楽しみにしていない計(N=109) 10.3 0.0 4.8 3.4 0.0 15.4 5.1 0.0 0.7 71.2 69.7 56.9 56.2 42.5 8.2 0.0 0.0 0.9 0.0 8.2 47.7 0.0 0.0 3.7 1.4 健 康 が 思 わ し く な い か ら 新 し く 仲 間 が で き そ う だ か ら 夫 に 趣 味 が な い の で 時 間 を も て あ ま し そ う だ か ら 2.7 45.9 夫 の 世 話 を し な け れ ば な ら な い と 思 う か ら 1.4 0.0 ボ ラ ン テ ィ ア な ど 社 会 に 役 立 つ こ と が で き る か ら 夫 や 家 族 と の ん び り と 過 ご せ る か ら 今 ま で で き な か っ た 趣 味 な ど を 楽 し め る か ら 今 ま で で き な か っ た 夫 婦 で の 旅 行 を 楽 し め る か ら 健 康 が 思 わ し く な い か ら 趣 味 が な い の で 時 間 を も て あ ま し そ う だ か ら 働 き た く て も 仕 事 が あ る か 心 配 だ か ら こ れ か ら の 暮 ら し の 経 済 が 心 配 だ か ら 今 ま で の 仲 間 を 失 う か も し れ な い か ら 新 し く 仲 間 を 作 れ る か ら ボ ラ ン テ ィ ア な ど 社 会 に 役 立 つ こ と が で き る か ら か っ た し め る か っ た 楽 し め 妻 や 家 族 と の ん び り と 過 ご せ る か ら 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 こ れ か ら の 暮 ら し の 経 済 が 心 配 だ か ら 0.0 2.6 25.5 夫 が 家 に い て い ら い ら し そ う だ か ら 5.1 10.9 4.9 団塊世代の夫を持つ妻 59.0 44.2 24.7 定年退職を楽しみにしていない計(N=39) 75.5 今 ま で で き な 趣 味 な ど を 楽 か ら 今 ま で で き な 夫 婦 で の 旅 を る か ら 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 42.9 定年退職を楽しみにしている計(N=147) 団塊世代の退職予定者 (%) 6.5 やや楽しみにしている あまり楽しみにしていない ●団塊世代の男性にとって定年退職とは「楽しみにしている」(約6割)ものといえるが、女性にとっては、夫の 定年退職は「楽しみにしているものではない」(約4割)。 ●この違いはどこに由来するのだろうか。団塊世代の男性にとっては、<定年退職が楽しみ>なのは「今ま で出来なかった趣味などを楽しめるから」であり、「夫婦での旅」や「のんびりと過ごせる」からである。一方、女 性にとっては、楽しみにしている人は、「夫婦の旅行」や「のんびりと暮らせる」と考えているからである。 ●逆に、<定年退職を楽しみにしていない>という人は、「暮らしの経済が心配」だからであり、「働きたくて も仕事があるか心配」という、経済的な不安感を持っているからである。また、女性が夫の定年退職を楽し みに出来ない、という理由は、「夫が家にいてイライラしそうだ」、「夫の世話をしなければならない」「夫に趣味 がないので時間をもてあましそう」「暮らしの経済が心配」などがあげられている。夫が突然帰宅して、自分の ペースが乱れ、世話をしなければならない状況になり、しかも毎日顔をあわせるなんて真っ平だ、という本音 がうかがえる。 <Ⅰ−5> 【質問】あなたは(夫の)定年退職についてどのようにお感じになっていますか。(SA) <退職予定男性、団塊世代を夫に持つ妻調査、2006年4月> 定年後の暮らしには、第2の人生への考え方、家計の将来不安、に加え、夫 婦間の新しい関係性が大きく影響する。夫婦関係は夫がどれだけ自立できる か、就労をするかどうかによって違ってくる。 8 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマA)「定年退職に対する態度はどのように変化するか」 状況2: 定年退職前⇒定年退職後 退職後、男性はどの程度自立できるのか。それが妻のハッピー 感に影響する。男性はそれなりにがんばっているが、妻から見 ればまだまだだ。 A 2-1 自分でできる知識があると思うこと 自分で行っていること 100 定年退職予定者(N=345) (%) 53 60 42.3 40 32.9 60.9 37.749.9 退職者男性(N=353) 80 70.3 53.3 41.4 45.5 37.7 39.9 36 定年退職予定者(N=345) 60 58.6 44.9 20 25.5 23.5 37.7 20 2.6 35.4 23.5 34.2 46.2 23.8 25.8 24.1 22 13.9 15.6 13.6 10.6 32.2 41.1 12.3 9.7 15.3 11 27.5 20.82.9 1.4 24.1 該当するものはない 携帯メール 海外への飛行機の予約 百貨店でひとりで似合いの服を 選ぶこと 健康によい食品を見分けること お 買 い 得 な 商 品 .サ ー ビ ス の 選 択 税金の還付手続き 分別ゴミの区分の判断 毎月の家計管理 料理づくり 0 該当するものはない 携帯メール 海外への飛行機の予約 2.8 58 53.9 40 28.4 38.3 39.1 35.4 28 百貨店でひとりで似合いの服を 選ぶこと 健康によい食品を見分けること お 買 い 得 な 商 品 .サ ー ビ ス の 選 択 税金の還付手続き 分別ゴミの区分の判断 毎月の家計管理 料理づくり 0 (%) 退職者男性(N=353) 80 妻からみた退職者の夫(N=236) 100 ●退職男性の自立について検討した。<できると思っていること>と<自分でやっていること>(図の左と 右)を比較してみよう。男性退職者が自分でできると思っているし、実際自分で行っていることは多くはな い。「税金の還付手続き」と「携帯メール」「分別ゴミ区分」だけである。後の項目は<できる知識はある が、実際には行っていない>という人が多い。 ということは、妻の側からみれば、実際にやっていないことは知識があるということにはならなくて、自立してい ることにはならないだろう。逆に夫の側が「できる」と主張すれば、<なぜやってくれないのか>というイライラの 原因になろう。 ●そうはいっても、男性は退職後ずいぶん自立の努力をしている様子が見られる。右図で退職予定男性 と比べ、退職男性が上回っている項目は、「毎月の家計簿」「分別ゴミ」「税金の還付手続き」がある。家 事分野で改善が見られるわけで、そのことは妻も認めている傾向である。 <Ⅱ−12> 【定年予定者&定年者】問17:以下の行動の中で、あなたご自身が「関心があること」「自分でできる 知識があると思うこと」「自分で行っていること」をそれぞれいくつでもお知らせください。(MA) <退職予定男性調査:2006年4月、退職男性調査2006年8月> 自立できない男性に対しては、「できるはずなのに、何でやってくれないの?」 という妻のイライラが生まれよう。 9 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマA)「定年退職に対する態度はどのように変化するか」 状況2: 定年退職前⇒定年退職後 家計の経済的不安についてはどう変わるのか。「疑心暗鬼」だっ た定年前と比べ、経済的不安感はだいぶ和らぐ。しかし、それは 実際の家計収入が増えたためではない。 A 2-2 定年退職後の生活への経済的不安(女性) (SA) 定年退職後の生活への経済的不安(男性) (SA) 大変不安がある やや不安がある あまり不安はない どちらともいえない まったく不安はない 団塊世代の退職予定者 (N=247) 17.8 退職者男性(N=353) 14.2 48.2 41.4 退職男性の就労状況 17 13.43.6 大変不安がある やや不安がある あまり不安はない まったく不安はない 団塊世代の夫を持つ妻 18.2 (N=275) 20.7 20.4 3.4 退職者の夫を持つ妻(N=236) 13.6 就労していない 再雇用の形で元の会社で働いている 臨時雇用の形で元の会社で働いている その他 全体(N=353) 退職後1年未満(N=14) 退職後1-2年(N=71) 42.9 0 46.5 退職後3-4年(N=116) 55.2 退職後5-6年(N=83) 56.6 退職後7年以上(N=69) 58.2 34.3 17.1 16.73.6 19.1 29.2 3.8 17 9.6 2.5 10.5 28.6 14.3 8.5 44.4 収入はないがボランティアで働いている 正規採用の形で別な会社で働いている 臨時雇用の形で別な会社で働いている 6.2 4.5 49.6 どちらともいえない 8.5 0.07.1 5.6 2.8 11.3 16.9 6 1.7 9.5 0.9 11.2 15.5 7.6 4.8 8.4 3.6 10.8 8.7 2.9 8 4.3 7.1 11.9 8 5.5 ●経済的「不安」感は男性・女性ともにやや和らぐ傾向が見られる。「不安がある計」でみると、男性は、退 職前66%⇒62%、女性では63%⇒48%である。おそらく、経済的に楽になったということではなく、実際に 退職経験をしてみると、それなりに暮らしの工夫も会得し、意識の上で自信がもてるようになるからであろう。 ●というのも、退職男性の就労状況は厳しく、就労意向があっても就労率は高くはない。したがって、キャッ シュフローが好転するわけではない。生活費に回るフローは預貯金からが多いわけである。意識の上で不安 感は減るとはいうものの、おそらく団塊世代の退職後でも、今回調査でみられる家計構造にに変化がないで あろうから、将来不安の下で、安易な大型消費に直ちに火が付くという状況になるとは考えにくいところだ。 <Ⅱ−8> 【定年予定者】問9:あなたは定年退職後の生活について経済的不安がありますか。 【退職者】問9:あなたは今後の生活について経済的不安がありますか。(SA) <退職予定男性調査:2006年4月、退職男性調査:2006年8月> だから、退職後には経済的不安感は和らぐといっても、直ちに大型消費へ回 すほど余裕があるわけではない。団塊世代だから、消費に火がつくと言う期待 は根拠が薄い。 10 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマA)「定年退職に対する態度はどのように変化するか」 状況2: 定年退職前⇒定年退職後 A 2-3 夫婦関係は悪化するのか。大部分の人は夫の退職後にも「夫婦 仲」は変わらないとしている。若干「夫婦仲が悪くなった」としてい る人が増えるが、だからといって熟年離婚が増えるとは考えにく い。 退職後の夫婦仲の変化(SA) 仲がよくなった 退職者男性配偶者あり(N=352) 退職者を夫に持つ妻(N=236) 12.5 10.2 熟年離婚への意識(女性)(SA) 仲が悪くなった 6.8 変わらない 80.7 11.4 78.4 大いにその気持ちがある ややその気持ちがある あまりその気持ちはない まったくその気持ちはない 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 9.8 13.1 退職者の夫を持つ妻(N=236) 9.3 13.1 20.7 16.9 26.2 26.3 どちらともいえない 30.2 34.3 ●熟年離婚が取りざたされている。果たして退職後の夫婦仲はそれほど悪化するものなのか。 ●夫婦仲について質問すると、男性と女性とを比べて、男性の方が「夫婦仲がよい」とする傾向が一般にあ る。本調査でも若干その傾向が見られるし、また退職前と退職後とでの夫婦仲の認識についても「かわらな い」が最も多い(約8割)のだが、夫の退職後「仲が悪くなった」とする人が、退職男性よりも退職者男性の 妻の側で5%ほど多くなっている。確かに妻の側のイライラを考えると、妻が「仲が悪くなった」と感じても当然 かもしれない。 ●しかし、その感情が熟年離婚へストレートにつながってしまうとは考えにくい。「子供や経済の問題がないと したら」という条件付で熟年離婚への意識をたずねているが、それでも「大いにその気持ちがある」のは9%強 程度しかない。また、退職者の妻では、むしろ熟年離婚の気持ちは「まったくない」という人が退職前の妻より も、むしろ増えている。さらに、子供や経済の問題のない離婚など、もちろんありえないから、実際の離婚がこ の数字で発生するということは考えにくいということだ。 <Ⅱ−14> 【退職者&退職者の妻】問20:あなたが退職なさった後、夫婦の仲には変化が起きましたか。 (夫が退職すると、夫婦の仲には変化が起きましたか。)(SA) 【団塊の妻&退職者の妻】問21:熟年離婚が増えているといわれていますが、もし、 子どもや経済の問題がないとしたら、あなたにも離婚の気持ちがありますか。(SA) <団塊世代を夫に持つ妻調査:2006年4月、退職者の妻調査:2006年8月> 熟年離婚の問題は、実際に離婚率が高まるか、というより、夫に寄りかかられ たくない、自分の気持ちを分かって欲しい、という妻が増加する、という観点で 捉えた方がよいのではないか。 11 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマA)「定年退職に対する態度はどのように変化するか」 状況2: 定年退職前⇒定年退職後 A 2-4 結局、夫は定年退職後、予想通り「楽しんでいる」人が増える。ま た妻の側も、夫ほど「楽しんでいない」にしろ、退職前の不安を乗 り越え、楽しんでいる人が増える。 定年退職への態度(男性)(SA) 団塊世代の退職予定者(N=247) 大変楽しみにしている/大変楽しんでいる やや楽しみにしている/やや楽しんでいる どちらともいえない あまり楽しみにしていない/あまり楽しんでいない まったく楽しみにしていない/まったく楽しんでいない 16.6 42.9 20.4 退職者男性(N=353) 52.1 定年退職への態度(女性)(SA) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 6.5 退職者の夫を持つ妻(N=236) 7.2 24.7 10.9 4.9 16.7 8.52.3 大変楽しみにしている/大変楽しんでいる やや楽しみにしている/やや楽しんでいる どちらともいえない あまり楽しみにしていない/あまり楽しんでいない まったく楽しみにしていない/まったく楽しんでいない 20 33.8 41.9 25.5 27.1 14.2 17.4 6.4 ●団塊世代の退職予定男性は定年退職を「楽しみにしている計」で約6割、そして退職男性では7割が 「楽しんでいる計」である。退職前に「楽しみにしている」という人より、実際に退職した人はいっそう「楽しんで いる」という人が増えるわけである。 ●また、女性の場合は男性ほど夫の退職を「楽しみにしていない」し、夫の退職後も「楽しんでもいない」。し かし、夫の退職前と退職後とを比較してみれば明らかなように、夫が退職後は、「楽しんでいる」という人がか なり増加する。退職前に妻が予想していた以上に、夫の自立が進んだか、経済的不安が薄らいだか、ある いはその両方だからだ。 <Ⅱ−6> 【定年予定者】問7:あなたは(夫の)定年退職についてどのようにお感じになっていますか。(SA) 【退職者】問7:あなたは(夫の)定年退職について現在どのようにお感じになっていますか。(SA) <退職予定者調査2006年4月、退職者調査2006年8月> つまり、夫にも妻にも退職後、「生活リストラクチャー」が起こるということだ。不 安を乗り越え、新しい生活になじむには一度「生活リストラクチャー」が不可欠 なのだ。 12 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマA)「定年退職に対する態度はどのように変化するか」 状況2: 定年退職前⇒定年退職後 生活リストラを乗り越えるコツは、夫の側では「新しい仲間」をつ くり、「仕事の心配」をやめ、「趣味」など新しいことを始めるこ と。妻の側では、夫との旅などハレの部分より「のんびり過ごせ る」ことを楽しみとし、イライラを減らすことである。 A 2-5 夫の定年退職−楽しみな理由・楽しみでない理由 男性定年退職−楽しみな理由・楽しみでない理由 (MA) 夫の定年退職を楽しみにしている計(N=73) 夫の定年退職を楽しみにしていない計(N=109) 夫の定年退職を楽しんでいる(N=116) 夫の定年退職を楽しんでいない(N=56) 定年退職を楽しみにしている計(N=147) 定年退職を楽しみにしていない計(N=39) 定年退職を楽しんでいる(N=256) 定年退職を楽しんでいない(N=38) 75.5 100.0 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 74.4 59.0 44.2 68.8 68.4 41.5 33.6 41.4 21.8 37.1 5.1 0.0 2.6 0.0 0.0 45.9 47.7 42.5 63.0 56.0 53.6 46.6 40.0 39.3 34.5 0.0 0.0 0.9 1.8 0.0 8.2 0.0 8.2 0.0 0.0 8.6 0.0 8.6 1.8 2.0 1.4 2.7 0.0 0.0 0.9 3.4 2.6 0.0 3.7 1.4 17.9 健 康 が思 わ し く な い か ら 0.0 0.7 56.9 夫 に趣 味 が な い の で時 間 を も てあましそうだから 夫 の世 話 を し な け れ ば な ら な い と思 う か ら こ れ か ら の暮 ら し の経 済 が心 配 だから 夫 が家 に い て い ら い ら し そ う だから 0.0 15.4 69.7 56.2 新 し く仲 間 が で き そ う だ か ら 3.5 30.0 20.0 10.0 0.0 健 康 が思 わ し く な い か ら 5.3 0.4 31.6 3.4 5.1 0.0 10.5 1.6 1.2 趣 味 が な い の で時 間 を も て あましそうだから 働 き た く て も仕 事 が あ る か 心配だから こ れ か ら の暮 ら し の経 済 が 心配だから 今 ま で の仲 間 を失 う か も し れないから 4.8 新 し く仲 間 を作 れ る か ら 10.3 20.4 24.6 2.6 0.0 0.0 ボ ラ ン テ ィ ア な ど社 会 に役 立 つことができるから 妻 や家 族 と の ん び り と過 ご せるから 今 ま で で き な か っ た趣 味 な ど を楽 し め る か ら 今 ま で で き な か っ た夫 婦 で の旅 を楽 し め る か ら 0.0 31.6 71.2 ボ ラ ン テ ィ ア な ど社 会 に役 立 つことができるから 夫 や家 族 と の ん び り と過 ご せ るから 今 ま で で き な か っ た趣 味 な ど を楽 し め る か ら 今 ま で で き な か っ た夫 婦 で の 旅 行 を楽 し め る か ら 100.0 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 0.0 ●退職者男性の妻は夫退職前と比べて、定年退職を「楽しんでいる」人が増えることはわかったが、その理 由はどうなのだろうか。団塊世代を夫に持つ妻と比べ、「楽しんでいる」理由としては「今までできなかった夫 婦の旅」は71%⇒47%と減っているが「夫と家族とのんびり過ごせるから」が56%⇒63%と増えている。夫婦 の旅がそれほど楽しくはなかったのか、あるいはより日常的な日々、夫や家族とのんびりすることの方が「楽し み」なのか。おそらく夫婦の旅のハレよりも、波風のない日々是好日のケの方をいっそう大切に思うのであろ う。 ●一方、「楽しみではない」理由も退職前の意識と比べて変化がある。「いらいら」感は70%⇒56%、「夫の 世話」の負担感46%⇒40%、「夫の時間もてあまし」48%⇒39%と、夫が原因のイライラ感・負担感は減 少する。おそらくは夫の自立や協力もあり、妻の側に余裕が生まれ、「楽しめる」ようになるからであろうか。 <Ⅰ−5、Ⅱ−7> 【定年予定者&団塊の妻、退職男性&退職者の妻調査】:そう思われるのはどのような理由からですか。(MA) <退職予定者、団塊世代を夫に持つ妻調査、2006年4月> <退職者、退職者の妻調査、2006年8月> 退職後ハッピーになるには、仕事観を変え、新しいことを始め、自立する、つ まり「第二の人生」を実行することに尽きる。妻も良妻賢母であることをやめ、 自立型の夫婦関係に作り変えることが、よさそうだ。 13 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマA)「定年退職に対する態度はどのように変化するか」 状況2: 定年退職前⇒定年退職後 A 2-6 ただし、定年退職直後には居場所をなくし、かなり落ち込む人が いる。リタイア生活をほんとうにエンジョイできるようになるのは定 年後3‐4年たってからだ。 定年退職への態度の推移 大変楽しみにしている/大変楽しんでいる どちらともいえない まったく楽しみにしていない/まったく楽しんでいない 団塊世代の退職予定者(N=247) 退職者男性(N=353) 16.6 16.4 退職後1-2年(N=71) 16.2 退職後3-4年(N=116) 16.4 退職後5-6年(N=83) 42.9 20.4 直近退職者(N=55) やや楽しみにしている/やや楽しんでいる あまり楽しみにしていない/あまり楽しんでいない 24.7 52.1 16.7 34.5 26.0 42.3 8.5 2.3 11.1 8.4 12.5 18.1 48.2 4.9 12.0 20.6 52.6 27.7 10.9 11.2 1.7 18.1 6.00.0 ●退職男性はたしかに、リタイア生活をエンジョイしていることは明らかになったが、定年退職を「楽しむ」こと ができるようになるには、実際は退職後どの程度経ってからできることなのだろうか。 ●「直近退職者」「退職後1‐2年」の人たちに関しては、必ずしもエンジョイできない人も多いようだ。退職後 3‐4年、5‐6年たってようやく「楽しんでいる」という人がたいへん多くなる。 ※「直近退職者」とは、退職予定男性の対象者のうち、2007年1月までに実際に退職した人たちで、同一 の質問を繰り返し、退職前と退職後の意識。態度がどう変わったか追跡できる人たちである。 ※比較のために、「直近退職者」の人たちの意識の変化を追跡してみると、 「たいへん楽しみにしている/たいへん楽しんでいる」退職前18.2%⇒退職後16.4% 「やや楽しみにしている/やや楽しんでいる」退職前40.0%⇒退職後34.5% 「あまり楽しみにしていない/あまり楽しんでいない」退職前12.7%⇒退職後12.0 「まったく楽しみにしていない/まったく楽しんでいない」退職前3.6%⇒退職後11.1% と定年退職直後にかなり、落ち込む世界があるようだ。 <Ⅱ−6、Ⅲ−2> 【定年予定者】問7:あなたは定年退職についてどのようにお感じになっていますか。(SA) 【退職者】問7:あなたは定年退職について現在どのようにお感じになっていますか。(SA) <退職予定者:2006年4月、退職者調査:2006年8月、追跡調査2007年1月> 退職直後は厳しいものがある。経済的不安感、夫婦関係、生活リストラと、ア イデンティティの再構築までには時間がかかる。団塊世代だからといって、こ の時期を経ずにエンジョイできると言う根拠は見当たらない。 14 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマB) 退職前の夢はどの程度実現されるのだろうか。 状況1: 退職前後 退職前に夢みていたことは退職後に必ず実現するとは限らない。 夢は夢、でいいのかもしれない。実現したことは遥かな夢ではなく て、身近な事柄中心だ。 B 1-1 退職後にやりたい夢やアイデア(予定者)・退職後に実現したこと(退職者)(MA) 60 50 (%) 退職者男性(N=353) 団塊世代の退職予定者(N=247) 48.6 44.5 42.5 40 34.4 30 20 22.3 19 24.7 21.5 22.9 21.2 20.1 14.6 8.5 9.3 18.6 6.5 5.4 2.8 0.8 9.6 2.5 31.4 19.3 12.6 10.5 9.1 5.9 8.9 7.7 6.1 5.9 4.8 5.4 3.7 8.9 5.7 2 14.6 11.9 12.7 11.3 8.8 1.7 8.1 その他 ペットと仲良く暮らす 山歩きやトレッキング 絵 画 や 陶 芸 、手 工 芸 を 楽 し む I ・J ・Uタ ー ン で 田 舎 暮 ら し ピ ア ノ や ダ ン ス 、コ ー ラ ス を 楽 し む H Pや イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 資格や免許を取る 日 曜 大 工 や 修 理 、工 作 を す る 研究してきた課題の整理と出版 ガーデニングや野菜つくり 小 説 や エ ッ セ イ 、自 伝 の 執 筆 農業を始める 資産運用など自分なりに研究 スポーツジムでしっかり体作り 大学などでもう一度勉強をする 歴史をたどり史跡を巡る旅 温 泉 め ぐ り ・こ だ わ り の 国 内 旅 行 海外ロングステイや海外移住 英語や英会話など語学を磨く N P Oな ど で の ボ ラ ン テ ィ ア 撮りためたビデオや写真を編集 海外協力隊など海外ボランティア 行き先や日程を決めない気ままな旅 ログハウスなど自然の中で楽しむ ゴルフなどスポーツを楽しむ 車やバイクを楽しむ 楽器の演奏 世界遺産などの海外旅行 0 14.6 15.8 15 31.6 28.9 22.4 15.4 15.9 15 10 24.9 20.2 34.8 34.4 34 ●退職前に見ていた「夢」や「希望」はどの程度「実現」するのだろうか。必ずしも裏付けのある夢や希望で はなかったかもしれないし、同一人物の追跡ではないから、正確には言い切れない。しかし定量としてみる と、退職前の夢が退職後に実現した率は多くの例であまり高くはない。実現したことは、一般的にいって、あ まりとっぴなことや費用のかかることではなく、身近なことであることが多い。 ●退職予定者が夢みる退職後のイベントは、希望の多いものから「行き先や日程を決めない気ままな旅」 (49%)、「世界遺産などの海外旅行」(45%)、「お遍路や温泉めぐりなどこだわりの国内旅行」(43%)、で ある。4割以上の人の心をひきつけている。 ●それに対して、実現できたものは「ホームページ作りなどインターネット・・」(31%)「ガーデニング・・」(29%) など日常の出来事に近いものが多い。 <Ⅱ−5−(1)−①> 【定年予定者】問5:あなたには、「これまでやりたくてもできなかったが、退職後には できればやってみたい。」という夢やアイデアがありますか。(MA) 【退職者】問5:あなたには、「退職前にはやりたくてもできなかったが、退職したのでようやく実現した、 あるいは退職をきっかけに新しく始めた。」ということはありますか。それはどんなことでしょうか。(MA) <退職予定者:2006年4月、退職者調査:2006年8月> 青い鳥は近くにいる、ということか。しかしいつかは夢を実現できるのかもしれ ない。それがウオンツというものなら、きっと何らかの形で(代替物や縮小版 で)実現される可能性がある。 15 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマB) 退職前の夢はどの程度実現されるのだろうか。 状況1: 退職前後 退職後、昔より今の退職者の方が実現率が高くなっているイベン トは今後も伸びるだろう。しかも団塊世代の夢の率がさらに高い のなら、おそらく確実に増加するイベントだ。 B 1-2 退職後に実現したこと(経年別)VS団塊世代の退職後の夢 60.0 50.0 世界遺産などの海外 旅行 40.0 スキー、スキューバダイ ビング、乗馬、ゴルフ、 などのスポーツを楽しむ 行き先や日程を決め ない気ままな旅 30.0 20.0 ログハウスなど自然の 中で楽しむ 10.0 海外ロングステイや海 外移住 団塊世代の退職予定者 ︵N = 2 4 7 ︶ 退 職 後 3年 未 満 ︵N = 8 5 ) 退 職 後 3 - 6年 ︵N = 1 9 9 ) 0.0 資産運用など自分な りに研究 ●退職者が退職前にどのような夢をもっていたか、すでに退職した人の夢についてはわからない。また、団 塊世代の退職予定者が実際にどのようなことを退職後に実現させるかはわからない。しかし、傾向として、 徐々に退職者が時系列的に「何か」を実現することが多くなっているとしたら、また団塊世代の退職前の夢 が、同様に高いとしたら、おそらく団塊世代はさらにその「何か」の夢を実現する割合は高くなるだろう。もち ろん、夢は夢であって、実現するには障害がある。だから夢の率そのものが実現率にはならないだろう。しか し3年前の退職者よりも実現率は高くなってもよいと思われる。 ●そこで、退職者を3‐6年前に退職した人とここ3年以内に退職した人とにわけ、どのようなことを実行す る人が多くなっているのかを見てみよう。さらにその先に団塊世代の夢を置いてみよう。おそらく、ここにあげら れた夢や希望が実現する率は前の年代の退職者よりも大きくなるのではないだろうか。 ●例えば、「気ままな旅」「世界遺産の旅」「資産運用」「スポーツ」「ログハウス」「史跡めぐり」「海外ロング ステイ」など、ここにあげた行動はすべて右肩上がりであって、団塊世代の夢はその上を行っている。 ●団塊世代だから実現するという理由はここでは見つからないが、6年前より3年前のほうが増加している イベントは、2007年以降には実行者が減少するという根拠はないとおもわれる。夢は念じれば実現する という性格もあろう。おそらくここにあげたイベントの実行者はかなり増加すると見るべきだろう。 <Ⅱ−5−(1)−②> <退職予定者:2006年4月、退職者調査:2006年8月> 「気ままな旅」「世界遺産の旅」「資産運用」「スポーツ」「ログハウス」「史跡め ぐり」「海外ロングステイ」。これらは、今後さらに伸びることが確実な夢だろ う。 16 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマC) 退職金はどのように使われるだろうか。 状況1: 退職前⇒退職後 旅・車・住宅など大型消費への支出は、退職前では不安要素が 多くて手控えられる。退職後には確実に支出され、事前には196 万円の予定のところ、退職後3‐6年で400万円を越える。 C 1-1 退職予定者の退職金計画VS退職者の支 出金額 (万円) 1,000 予定者平均金額 947 退職者平均金額 837 800 600 571 460 418 400 200 778 428 422 退職後3年未満(N=79) 退職後7年以上(N=62) 退職後3-6年(N=188) 1,563 (万円) 938 454458477 920 846 751 558 613547587 485 346402 銀 行 ・郵 便 局 な ど の 預 貯 金 日常の生活費 株 ・債 権 ・投 資 信 託 な ど の 投資 旅 行 ・車 ・住 宅 な ど の 大 型 消費 銀 行 ・郵 便 局 な ど の 預 貯 金 日常の生活費 株 ・債 権 ・投 資 信 託 な ど の投資 旅 行 ・車 ・住 宅 な ど の 大 型消費 住宅ローンなどの借入金 返済 0 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 住宅ローンなどの借入金返 済 228 196 退職後の累積支出(退職後年経過別) ●退職予定男性の退職金の予定金額は平均2,052万円。その使途は、400万円ほどの住宅ローンなど の借入金を返して、すぐに大型消費へ走ることなく200万円ほどにとどめ、将来の生活費のためにとりあえず 銀行・郵便局へ800万円ほど預けるが、金利を考えて400万円ほどは投資型の金融商品を買おう、とい うような堅実なプランとして要約される。 ●一方、退職男性は平均2,271万円。退職後今日までの使途を累積金額でたずねた。(退職後経年平 均4.3年) 1)大きく伸びるのは、当然ではあるが日常の生活費である。就労収入や年金収入でまかなっている人が大 部分だろうが、預貯金からの取り崩しからもフローがあるだろう。(日常の生活費だけで月平均18万円)。 2)住宅ローンなどの返済はほぼ予定通り460万円実施されている。 3)旅行・車・住宅などの大型消費へは4.3年後には420万円ほど支出され、予定の2倍となっている。 4)株などの金融商品へは予定が420万円のところ570万円である。 ●退職男性の退職後の経年別に使途の変化を見ると(右図)、確実に増加する支出費目と一度返済・ 購入したら増加しない支出(住宅ローン・株などの投資型金融商品)があるが、旅などの大型消費は確実 に増加するタイプの費目である。 <Ⅱ−18> <退職予定者:2006年4月、退職者調査:2006年8月> 予定は予定であるから、確実なものではない。計画延期もあろうし、計画変更 もあろう。しかし退職予定者の退職金使途計画は堅実だ。借入金返済後、とり あえず預金し、一部を投資へまわす。大型消費はゆっくりと増加すると見られ る。 17 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマC) 退職金はどのように使われるだろうか。 状況1: 退職前⇒退職後 リタイア消費の4種の神器は、「夫婦での国内旅行」「株・債券・ 投資信託などの金融商品」「車」「自宅の改修・リフォーム」であ る。また今後大きく伸びそうなのは、「夫婦での海外旅行」「大型 液晶・プラズマテレビ」である。 C 1-2 定年退職後の生活を豊かにするために購入したい、サービス・商品(MA) 退職後、世帯で購入・支出した商品・サービス(MA) (%) 80 70 60 50 40 30 20 10 0 定年退職予定者全体(N=345) 73.7 60.3 55.2 50.1 退職者男性(N=353) 54.4 その他 リゾートクラブなどの会員権 記念品購入 イ ン テ リ ア ・家 具 液晶プロジェクター 子 の 住 宅 購 入 ・リ フ ォ ー ム 支 援 食器洗浄乾燥機 自宅の新規購入 開 業 ・起 業 支 出 孫の誕生支出 I H電 磁 調 理 器 家族での海外旅行 ホームシアターセット D V Dレ コ ー ダ ー 別荘等田舎暮らしの家 子 や 孫 の 入 学 ・進 学 支 援 趣味関係のイベント支出 家族での国内旅行 デ ジ タ ル 1眼 レ フ カ メ ラ 子どもの結婚支援支出 冷蔵庫など家電の買い替え パソコン 趣 味 関 係 の 道 具 購 入 ・会 費 大 型 画 面 液 晶 ・プ ラ ズ マ テ レ ビ 自 宅 の 改 修 ・リ フ ォ ー ム 車 夫婦での海外旅行 株 ・投 資 信 託 な ど 金 融 商 品 投 資 夫婦での国内旅行 42.2 39.4 39.138.3 37.1 33.4 33.633.6 30.6 26.6 27.827.8 24.9 25.2 19.8 17.8 16.4 18 26.6 15.9 15.4 15.114.2 11.3 12.2 11.611.6 9.9 9.6 9 9.1 8.5 7.9 8.4 8.1 7.5 8.8 16.7 7 7 3.2 2.9 4.6 3.8 6.8 1.7 3.5 3.4 6.2 6.5 1.7 2.8 2 ●退職前の購入意向と退職者の購入した品目にはギャップがある。 ●退職予定男性が購入したいとしているよりも退職男性が多く購入したものは、「パソコン」「夫婦での国 内旅行」「株・債券・投資信託などの金融商品」「車」「自宅の改修・リフォーム」の5品目である。ただし本 調査がネット調査であることを考慮し「パソコン」は例外的に高いことから、これをはずすと、残り4つの商品 が退職後暮らしの<新4種の神器>と言うことになろう。 ●一方、退職予定男性の希望の方が退職男性を上回る品目は団塊世代を7割含む退職予定男性に 特徴的な購入意向品目といえるだろう。それらは「夫婦での海外旅行」「大型液晶・プラズマテレビ」であ る。また購入意向率は少ないが退職予定男性で特徴的に多い品目は、「別荘等田舎暮らしの家」「ホー ムシアターセット」がある。これらの品目も今後伸びていくと見てよいだろう。 ●また、購入率はやや下がるが、退職予定男性と比べ、退職男性で明らかに高い品目は「冷蔵庫など 家電の買い替え」「孫の誕生支出」「DVDレコーダー」である。これらは退職予定男性ではまだ気がつかな いシニアライフステージ品目であって、今後も継続的に期待できる品目といえるだろう。<Ⅱ−19−(1) > <退職予定者:2006年4月、退職者調査:2006年8月> 付け加えると、リタイアメント後のライフステージに特有な消費品目には「家 電の買い替え需要」「孫の誕生支出」などがあり、団塊世代の人口を考慮す ると、花形ではないが無視できない品目となろう。 18 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマC) 退職金はどのように使われるだろうか。 状況1: 退職後の経年変化 退職後の経年変化を見ると、次第に購入する人が増える品目と 増えない品目とがある。増える品目は、「パソコン」「車」「リフォー ム」などの買い替え品目である。増えない品目は「株」「海外旅 行」などセグメントが明瞭な品目である。 C 1-3 退職後の購入品目の経年変化 退職後7年以上(N=69) 退職後3年未満(N=85) その他 いずれもなし 液晶プロジェクター 食器洗浄乾燥機 別荘等田舎暮らしの家 ホームシアターセット 記念品購入 家族での海外旅行 リゾートクラブなどの会員 開 業 ・起 業 支権出 I H電 磁 調 理 器 子 の 住 宅 購 入 ・リ フ ォ ー ム 自宅の新規支 購援 入 子どもの結婚支援 大 型 画 面 液 晶 ・プ ラ ズ マ テ ・進 学 支 援 子や孫の入レ 学ビ イ ン テ リ ア ・家 具 デ ジ タ ル 1眼 レ フ カ メ ラ 孫の誕生支出 趣味関係のイベント支出 家族での国内旅行 D V Dレ コ ー ダ ー 自 宅 の 改 修 ・リ フ ォ ー ム 冷蔵庫など家電の買い替え 夫婦での海外旅行 車 趣 味 関 係 の 道 具 購 入 ・会 費 株 ・投 資 信 託 な ど 金 融 商 品 夫婦での国投 内資 旅行 パソコン 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 退職後3-6年(N=199) 直近退職者(N=48) ●購入品目には退職後時間を経れば、それだけ多くの人が購入する品目と、一方それほど広がらず、限ら れた人が購入する品目とがある。 <時間がたてば広がる品目> 「パソコン」「車」「自宅の改修・リフォーム」「家電の買い替え」「孫の誕生支出」など。これらの品目はそう何 度も同じ分野の商品を購入するわけではなく、1-2度程度であろうから、裾野を広げる努力が必要だろう。 <時間が経っても一定の人以上には広がらない品目> 「株などの金融商品」「趣味関係の道具支出」「「夫婦の海外旅行」「趣味関係のイベント支出」があげら れる。 もっとも、これらの品目は広がりは少なくとも反復頻度は高いであろうから、囲い込むことが重要だ。 <退職後最初の3年以内が特に購入率が高い品目> 「株などの金融商品」「パソコン」「夫婦の国内旅行」「趣味関係の道具支出」「車」「家電の買い替え」「夫 婦の海外旅行」。これらの品目は最初の3年以内に30%程度の人が購入する。早い時期から仕掛ける必 要があろう。 <Ⅱ−19−(2)、Ⅲ−11−(2)> <退職者調査:2006年8月、退職予定者追跡調査:2007年1月> 早期囲い込みとタイミングが重要な品目と、じっくり取り組める品目とがあると いうことだ。特に、株などの金融商品や海外旅行は退職前からのアプローチが 重要だといえるだろう。一方、パソコン・車・リフォーム・家電の買い替えなどは 退職後の生活リストラクチャーを考慮した商品である必要があろう。 19 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマD) 4種の神器へのニーズを探る 状況1: 退職前⇒退職後 退職前の希望車種と、退職後の選択機種とは異なっている。「小 型」「コンパクト」志向が明らかだ。退職金3000万円クラスの人でも 「大型」選択は少ない。夫婦二人のライフスタイルだから。 D 1-1 購入したい車の大きさ(排気量)と支出金額 購入した車の大きさ(排気量)と支出金額 支出金額 軽自動車 小さい車(排気量1500cc以下) 中くらいの車(排気量1500-2500c 支出金額 軽自動車 小さい車(排気量1500cc以下) 中くらいの車(排気量1500-2500cc) 大きな車(排気量2500ccより大きい) 大きな車(排気量2500ccより大きい) 350 (万円) 64.6 300 59.5 50 40 25 16.4 5.2 13.6 0 18.8 20 15 14.6 2.1 250 200 (万円) (%) 40 201 28.6 100 17.2 45.7 47.7 46.4 150 80 170 35 25 40 30.4 27.3 17 0 10.9 20 13 3 0 0 0万 円 以 上 ︵N = 4 6 ) 8 1 5 0 0 - 3 0 0 0万 円 未満 (N=88) 7.8 1 5 0 0万 円 未 満 (N=40) 0 退職者車購入あり (N=192) 0 60 226 208 50 5 3 0 0 0万 円 以 上 ︵N = 2 0 ) 1 5 0 0 - 3 0 0 0万 円 未満 (N=48) 1 5 0 0万 円 未 満 (N=22) 定年退職予定者 車購入意向あり (N=116) 0 60 184 19 350 300 314 249 246 150 100 80 55 250 200 (%) 72.7 0 購入したい(購入した)車のタイプ(SA) セダン 1ボックスカー(ステップワゴンなど) コンパクトカー(ビィッツ、フィットなど) ハッチバック(カローラリンクスなど) その他 定年退職予定者 車購 入意向あり(N=116) 退職者 車購入あり (N=192) ステーションワゴン(カロラフィールダーなど) 4WDカー(パジェロなど) クーペ・スペシャリティカー(フェアレディZなど) 軽自動車 47.4 13.8 35.9 8.3 10.9 2.1 9.5 18.8 8.6 1.64.7 4.3 10.3 4.3 1.7 0 17.2 0.5 ●定年予定者で車の購入意向のある人は<車>に246万円の支出を予定しているが、退職者で車を購入した 人は201万円の支出だった。予定者と退職者とではかなりの差があるといえる。 ●排気量でみると、予定者の6割の人が「中くらいの車(排気量1500-2500cc)」を購入したい、と考えているが、 退職者の購入者は46%でしかない。また予定退職金額3000万円以上の人の55%は「大きな車」を購入した いと考えているが、実際の退職金3000万円以上に人が購入した車で「大きな車」の人は12%でしかない。 ●逆に予定者の意向よりも退職者が購入した方が多かった車は「軽自動車」(5.2%⇒17.2%)、「小さい車」 (16.4%⇒28.6%)である。団塊世代の今の購入意向を持って、退職後の購入を占うのはリスクを伴うということで ある。 ●車種別に見ると、予定者の意向車種は「セダン」が多いが、退職者が購入した車種は「セダン」は相対的に少 なく、その代わり、「コンパクトカー」(+8%)、「軽自動車」(+13%)が多くなっている。夫婦だけの生活に大型車は 要らないと考えるのは当然かもしれない。 <Ⅱ−20−(1)> 20 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマD) 4種の神器へのニーズを探る 状況1: 退職前⇒退職後 D 1-2 海外旅行は順調に伸びるだろう。退職前の希望が全面的にかな うとは思えないが、今までの退職者ほど少ないとも思えない。お そらくはこの中間。問題は、海外旅行に期待するニーズの変化 だ。 海外旅行:金額・回数 金額 回数 (万円) 300 278 7.060.0 6.8 200 退職者 海外旅行経験あり(N=109) 定年退職予定者 海外旅行意向あり(N=146) 8.0 250 53.4 6.050.0 168 5.040.0 41.8 33.6 4.0 150 3.3 30.1 25.3 30.0 100 24.0 19.9 3.0 20.0 2.0 1.0 6.8 50.5 28.4 25.7 19.3 16.5 13.8 11.9 11.0 2.8 2.1 1.8 0.0 1.8 0.0 2.7 0.0 植 物 ・動 物 の 生 態 を 学 ぶ 移住やロングステイの研究 語 学 や 料 理 、ガ ー デ ニ ン グ を 学ぶホームステイ エ ス テ ・ス ポ ー ツ な ど を 体 験 する 鉄道やクルーズでめぐる各地 の旅 音楽や芸術観賞にこだわった 旅 滞在型リゾートでゆっくり過 ごす 退職のため夫婦 の記 念や慰労 海外の家族や友人と会う 不思議な大自然の発見 世界各地の人々の生活や文化 と触れ合う グルメやショッピン グを楽し む 歴 史 建 造 物 ・伝 統 を め ぐ る 観 光 退職者 海外旅行経験あり 定年退職予定者 海外旅行意向あり 0.0 0.0 14.4 13.7 10.0 50 0 海外旅行の目的:退職者と予定者の比較 (回) ●退職予定者は退職後に総額270万円あまりを海外旅行にあてたいと考えているが、退職者は170万円 あまりしか支出していない。また回数も退職予定者では7回あまりを予定しているが、退職者においては3‐4 回あまりである。退職予定者はあくまで希望であって、退職後に実際にはそこまではいかない、と見ることは妥 当だと思うが、しかし、希望は必ず実現するという見方もある。おそらく、予測はその中間で、海外旅行は伸 びることは間違いないが、爆発的にではなく着実に、とみるのが妥当だろう。 ●問題は旅行コンテンツに対するニーズの変化である。退職者の海外旅行の狙いは「歴史建造物・伝統を めぐる観光」が最も多く、また、それに集中する傾向がある。一方退職予定者の狙いはもっとバラエティに富 み、個性的な狙いを持っていると思われる。例えば「不思議な大自然」「滞在型リゾート」「鉄道やクルーズ」 「移住やロングステイ」などリピーターならではのこだわりが見られる。いはば脱パック旅行であって、観光から体 験へ、観光から滞在へと関心がいっそう移行するだろう。 <Ⅱ−22−(1)・(2)> 【定年予定者&団塊の妻】【退職者&退職者の妻】問32-4:退職後、出かけたい海外旅行の狙い は次のどれですか(一番最近行かれた海外旅行の狙いは何ですか)。(3MA) <退職予定者:2006年4月、退職者調査:2006年8月> これからは、もっと目的志向的な、脱パック旅行へ。観光から体験へ、体験か ら滞在へ、とニーズが変化するだろう。 21 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp テーマD) 4種の神器へのニーズを探る 状況1: 退職前⇒退職後 D 1-3 リフォームにかけた費用・内容は、予定者が思っている予定金額・ 内容ともに異なっている。金額では2割ほど少ない支出だ。 リフォームの目的(MA) リフォーム(予定)金額(平均) (万円) 70.0 400 350 60.0 339 (%) 定年退職予定者 リフォーム意向あり(N=116) 58.6 46.6 50.0 300 282 退職者 リフォーム経験あり(N=149) 40.0 39.6 41.4 40.3 34.9 250 33.6 33.6 31.0 30.0 200 16.4 4.7 8.1 2.0 0.9 0.0 ●定年予定者のうちリフォーム予定のある人の平均予定金額は339万円。一方退職者のうちリ フォームした人のかけた金額平均は282万円。やはりリフォームにおいても差は大きい。 ●リフォームの目的は予定者においては「快適な暮らしのため」「内装が汚れたので」「水周りが古く なったので」「高齢対策」となっているが、退職者の目的は「外壁が汚れたので」「快適な暮らし」「内 装」「水周り」となっていて、両グループでの居住形態は違いが少なく、戸建て持ち家が多数派であ るにもかかわらず、意外にも実際にはバリアフリー対策が少ないところ。まだ、その時期ではないと いうことか。 <Ⅱ−21−(1)・(2)> 【定年予定者】【退職者】問31−3:リフォームをなさろうという目的(なさった目的)は何ですか。(MA) <退職予定者:2006年4月、退職者調査:2006年8月> リフォーム内容として、退職前では高齢対策なども視野に入っているが、退職 後の実際は、バリアフリー的な対策は少なく、より現実的な外壁塗り替えなど が主流となるだろう。バリアフリー対策はもう少し後か。 22 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp その他 1.7 環境にやさしくするため 家族構成の変化に合わせるため 地震対策のために 家事をしやすくするため 外壁が汚れたので 安全な暮らしのため 高齢で体が弱ったときに使いやすくす るため 水周りがふるくなったので 内装が汚れたので 退職者 リフォーム経験あり 定年退職予定者 リフォーム意向あり 快適な暮らしのため 50 0 19.0 10.1 8.1 10.0 100 22.4 18.8 16.8 20.0 150 28.4 テーマD) 4種の神器へのニーズを探る 状況1: 退職前⇒退職後 退職者の55%が投資を実施中。退職予定者でまだ始めていない 人が、新しく始めることによって、数年の後には、退職者の6割以 上が金融商品を購入していることになるだろう。 D 1-4 投資型金融商品の知識(男性) かなりある 定年退職 予定者(N=345) 10.1 ある程度ある ほとんどない 39.7 まったくない 30.4 関心のある金融商品のタイプ(MA) (%) 100.0 定年退職予定者 金融商品知識あり&始め たい(N=228) 退職者男性 金融商品知識あり&始めたい (N=227) 88.2 19.7 80.0 81.1 退職者(N=353) 6.5 48.2 30.9 14.4 60.0 46.9 46.7 40.0 28.5 投資型金融商品を始める意向(男性) たいへん思う 定年退職予定者 金融商品知識なし (N=173) ある程度思う 8.1 32.9 まったく思わない 26.4 20.0 団塊世代の夫 4.0 を持つ妻(N=275) 退職者の夫 3.8 を持つ妻(N=236) 32.4 40.3 ある程度ある ほとんどない 35.3 0.9 その他 かなりある 投資型年金保険商 品 投資型金融商品の知識(女性) 債券 47.5 外貨建金融商品 31.3 14.5 4.8 0.0 投資信託 17.5 22.8 1.3 34.7 株式 退職者男性 金融商品知識なし 3.8 (N=160) 24.3 24.7 あまり思わない まったくない 28.4 33.5 22.5 ●投資型金融商品についての知識があるとする人は退職予定者で50%程度。退職者で55%あまり。こ れからは知識のない残りの5割が退職後、どう動くかがキーである。今は知識のない人も、その3割は 「始めたい」としている。つまり、全体では6割以上の人が「投資型金融商品」を実行している予想が立 つ。 ●また、投資型金融商品は男性ほどではないにしろ、女性にも知識や関心がある。団塊世代の夫を持 つ妻では36%が、退職者の妻では44%が、知識がある。退職後は、預貯金の使途も夫婦の協議事項と いうことになろうから、夫が金融資産を勝手に使うことはなかなかむずかしいだろう。だから投資促進へ は夫だけでなく妻も巻き込んだアプローチが必要だ。 <Ⅱ−23> 【定年予定者&退職者】問33:あなたは外貨建金融商品・株式・投資信託などの 投資型の金融商品についてどの程度の知識があると思われますか。(SA) 実は、妻の側にも金融商品の知識があり、夫も妻の了解なしには、勝手に資産 を使うことはできないから、夫と妻を、ともに説得するような促進プログラムが有 効ではないか。生活リストラの一環として、「貯めるから上手に使う」タイプのプロ グラム提案がよいだろう。 23 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 「団塊世代の退職調査研究」 第2章 「団塊世代の退職予定者および団塊世代の妻への調査」 結果報告 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 24 <調査概要> 1)退職予定の男性調査 1 対象者: 2006年以降3年間に退職予定のある、男性給与生活者 2 有効回答数: N=345 3 調査方法: インターネット、メール&ウェブ 4 調査地域: 全国 5 調査時期: 2006年4月22日~4月26日 2)団塊世代の妻調査 1 対象者: 1947年~1949年生まれの給与生活者の男性を夫に持つ妻 2 有効回答数: N=275 3 調査方法: インターネット、メール&ウェブ 4 調査地域: 全国 5 調査時期: 2006年4月22日~4月26日 3)調査項目 目次 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 対象者のプロフィール 団塊世代の男女それぞれの配偶者の年令分布 自分は人生の何合目にいるか 自分の人生への満足度 第2の人生への考え方 60代の生活目標 定年退職への態度 定年退職後の生活への経済的不安 定年退職後の就労予定 退職後にやりたい夢やアイデア 定年退職後の夢の実現に向けての準備 団塊世代を夫に持つ妻の生活スタイル 夫の自立と妻の評価:自分でできること、できると思うこと 男性退職予定者の自立状況:まとめ 自分の居場所 夫婦仲の認識 団塊世代の意識 定年退職後のライフスタイル意識 退職金金額 定年退職金の使途 退職金額別 退職金の使途 定年退職後の生活を豊にするために購入したい、サービス・商品 購入したい車の大きさ(排気量)と支出金額 購入したい車のタイプと重視点 夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :夫婦で乗る車 住宅リフォームの内容 夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :住宅リフォーム 海外旅行への希望 夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :海外旅行 夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :まとめ 夫婦で楽しむこれからの暮らしへのこだわりの重視点(キーワード) 投資型金融商品への関心 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 25 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 3 4 5 5 6 6 7 8 8 9 10 11 13 14 15 15 16 18 22 23 24 25 26 26 27 28 28 29 29 30 32 34 <(1)対象者のプロフィール> 2006年以降退職予定男性 56歳以下 年令別(SA) 57-59歳 22.3 全体(N=345) 71.6 2006年中 退職予定年(SA) 2007-2009年 20.0 全体(N=345) 全体(N=253) 2010年以降 7.2 1500-3000万円未満 32.0 3000万円以上 51.8 夫婦年収(SA) 700万円未満 (不明除く) 700-1000万円未満 27.7 全体(N=332) 6.1 72.8 1500万円未満 退職金額(SA) (不明除く) 60歳 16.2 1000-1500万円未満 36.1 1500万円以上 30.1 6.0 就労パターン(SA) 1社で継続勤務中 籍をかえて関連会社社員として勤務中 その他 籍は元の会社にあるが関連会社へ出向中 前の会社から別会社へ転職 55.4 全体(N=345) 8.7 12.2 20.9 ●本調査の対象者の属性を事前 に見ておこう。 ●退職予定男性は、ここ3年程度 で退職予定があるという限定か ら、57-59才(現在の団塊世代) が72%をしめ、56才以下が22%、 60才が6%を占めている。 ●退職予定年も2007-2009年が 73%、2006年中が20%という構 成である。 ●退職金額の回答を得られたの は345s中253sである。15003000万円が52%をしめるが、1500 万円以下も22%あり、3000万円 以上は16%。 ●夫婦合算額面年収は7001000万円が36%、1000-1500万 円が30%、700万円以下が28% である。 ●その就労パターンは1社で継続 勤務中が55%。何らかの転職・移 籍・出向組みは42%という構成で ある。 2.9 団塊世代の夫を持つ妻 54歳以下 年令別(SA) 44.7 全体(N=275) 55.3 2006年中 夫の退職予定年(SA) (不明除く) 全体(N=193) 55歳以上 13 1500万円未満 24.4 1500-3000万円未満 31.2 夫婦年収(SA) 700万円未満 (不明除く) 全体(N=231) 2010年以降 62.7 夫の退職金額(SA) (不明除く) 全体(N=93) 2007-2009年 3000万円以上 50.5 700-1000万円未満 24.7 18.3 1000-1500万円未満 39.0 1500万円以上 26.8 9.5 ●対照グループとしての妻の側の 属性は以下のようになっている。 ●年令は団塊世代の妻ということ もあって、同年代もかなり含まれて 入るが(後述)、55歳を分岐点とし て、その上、その下がおよそ半分ず つとなっている。 ●夫の退職予定年は、(夫の退職 予定年をわかっている193sについ て)2007-2009年が63%、2010年 以降が24%、2006年中が13%と なっている。 ●夫の退職金額は、(わかっている 92sについて)男性退職予定者の 回答分布と近い。 ●夫婦合算年収も男性退職予 定者調査の回答分布に近い。 夫の就労パターン(SA) 1社で継続勤務中 籍をかえて関連会社社員として勤務中 その他 全体(N=275) 籍は元の会社にあるが関連会社へ出向中 前の会社から別会社へ転職 62.5 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 6.2 5.8 26 16.7 8.7 ●夫の就労パターンも、1社で継 続勤務中が63%と、やや多いもの の、夫側の回答と類似している分 布である。 ※これらから、団塊世代を中心と した夫側と妻側の退職意識を比 較可能と考える。 <(2)団塊世代の男女それぞれの配偶者の年令分布> 団塊世代の男女それぞれの配偶者年令分布 団塊男性の妻の年令(N=245) (%) 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 団塊世代の夫を持つ妻の年令(N=275) 14.7 14.7 13.8 15.5 15.6 11.4 10.9 8.4 6.5 6.5 11.8 12.7 12.4 9.5 5.7 7.8 5.1 3.6 4.1 4.5 1.2 0.4 0.7 0.0 0.4 0.0 0.0 6 5歳 以 上 0.4 6 4歳 0.4 6 3歳 0.4 6 2歳 6 1歳 6 0歳 5 9歳 27 5 8歳 5 7歳 5 6歳 5 5歳 5 4歳 5 3歳 5 2歳 5 1歳 5 0歳 以 下 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 0.4 0.4 Ⅰ.調査結果の要約 1<自分は人生の何合目にいるか> 問1:人生を山登りにたとえると、あなたはいま山の何合目にいると思われますか。(頂上を10合目とします) (SA) 自分は人生の何合目にいるか 2006年以降退職予定男性(N=345) 24.1 (%) 25.0 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 23.3 20.0 20.4 19.3 19.7 14.5 15.0 10.7 9.9 8.4 9.3 10.0 8.7 9.8 7.6 5.0 0.0 1.1 6.2 3.6 2.3 くだりの 1-2 合目 くだりの 3-4 合目 くだりの 5-6 合目 くだりの 7-8 合目 くだりの 91 0合 目 登りの 9-10 合目 登 り の 7 - 8合 目 登 り の 5 - 6合 目 0.6 登 り の 3 - 4合 目 登 り の 1 ‐2合 目 0.0 0.6 ●人生を山登りにたとえて、いまどの辺に差し掛かっているのか、二つの山が出来た。「登りの7-8合目」と「下りの 7-8合目」だ。まだまだ、人生はこれから、と考える人と、これからは下り坂だ、という人とがいるわけだ。男性退職予 定者では「上り坂派」は合計54.3%。「下り坂派」は45.8%。団塊世代を夫に持つ妻も同様の数字だ。53.5%vs 46.5%。 ※退職後、2年、3年と経つうちに、この自分の人生におけるポジションはどう変化するだろうか。ハッピーなはずのリ タイアメントがアンハッピーに転じるのだろうか、それともさらにハッピーになるのだろうか。 2<自分の人生への満足度> 問2:あなたはこれまでのご自分の人生にどの程度満足なさっておられますか。(SA) 自分の人生の満足度(SA) 大変満足している やや満足している あまり満足していない まったく満足していない 団塊世代の退職予定者(N=247) 9.7 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 7.3 どちらともいえない 44.9 23.5 53.5 21.8 17.0 4.9 15.6 1.8 ●これまでの自分の人生への満足度は、男性退職予定者においても団塊世代を夫に持つ妻も、満足派が多 い。男性退職予定者の55%は満足派(満足合計)で、団塊世代を夫に持つ妻では61%が満足派だ。逆に 不満足派は男性退職予定者では22%、団塊世代を夫に持つ妻では17%。 ただし、「大変満足」というわけにはいかないようだ。「やや満足」という人が半分を占めている。自分の歩いた後 ろに足跡が出来る。失敗もあったし、完璧でもなかった。しかし大きな失敗や不幸もなく、それなりにここまでやっ てきた、という感想であろうか。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 28 3<第2の人生への考え方> 問3:「人生は仕事や子育てがすべてではない、退職後や子供が成長した後にこそ、もうひとつ自分の人生がある」と いう考えがありますが、あなたはこの考えについてどう思われますか。(SA) 第2の人生への考え方(SA) 大変賛成 やや賛成 どちらともいえない あまり賛成ではない まったく賛成ではない 34.0 団塊世代の退職予定者(N=247) 30.2 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 0.4 15.4 4.9 45.3 48.4 16.7 4.0 0.7 ●第2の人生に対する考え方はどうだろう。「男性退職予定者」も「団塊世代を夫に持つ妻」ももうひとつの人 生があるという考え方に賛成だ。退職後にいろいろな期待をかけているということだろう。 大変賛成 やや賛成 どちらとも あまり賛成 まったく賛 いえない ではない 成ではな 全体 31.9 46.5 15.8 5.2 0.6 登り派 38.0 44.3 12.9 4.5 0.3 下り派 24.8 49.0 19.2 5.9 1.0 ●さらに、自分の人生は「登り坂」と考えている人のほうが、第2の人生に期待していることが多い。気持ちの持ちよう の重要さが伺われる。 % 4<60代の生活目標> 問4:あなたは60代のご自分の生活についてどのような目標をおもちですか。(SA) 60代の生活目標(SA) 身近な人たちと、なごやかな毎日を送る その日その日を楽しく過ごす しっかりと計画を立てて豊かな生活を築く みんなと力をあわせて、世の中を良くする 団塊世代の退職予定者(N=247) 25.1 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 35.2 34.2 35.2 37.1 4.5 25.8 2.9 ●60代における生活目標は男性と女性との考え方の違いが現れている。男性では60代になっても「利」志向、つまり 「しっかり計画を立てて豊かな生活を築く」と考える人が35%もいるのに対し、女性では26%しかいない。さらに、「和」 志向、つまり「身近な人たちと、和やかな毎日を送る」という項目では男性が25%に対し、女性は34%もいる。「快」 志向(その日その日を楽しく過ごす)も大きい。 <参考> ※ハイライフ研究所では、2005年団 塊世代と団塊ジュニア世代の価値観 比較調査研究を行った。 その結果、団塊世代は「利」志向 (しっかりと計画を立て豊かな生活を 築く」という志向性が昔と比べ、大きく 減少し、「快」志向(その日その日を 楽しく暮らす)志向性が増加する、と いうことが明らかになった。 生活目標の変化 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 40.8 29.6 23.2 12.9 7.1 29 その日その日を楽しく過ご す しっかりと計画を立てて、 豊かな生活を築く 39.2 15年前全体(N=311) ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 41.5 身近な人たちと、なごやか な毎日を送る みんなと力を合わせて、世 の中をよくする 5.8 「団塊世代調査」ハイラ イフ研究所、2005、団 塊世代男女N=311 5<定年退職への態度> 問7:あなたは定年退職についてどのようにお感じになっていますか。(SA) 問7:あなたは夫の定年退職についてどのようにお感じになっていますか。(SA) 定年退職への態度(SA) 大変楽しみにしている どちらともいえない まったく楽しみにしていない 団塊世代の退職予定者(N=247) 16.6 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 6.5 やや楽しみにしている あまり楽しみにしていない 42.9 20 24.7 33.8 10.9 25.5 4.9 ●団塊世代の男性にとって定年 退職とは大方「楽しみにしてい る」(約6割)ものといえるが、女 性にとっては、夫の定年退職は 「あまり/まったく楽しみな」もので はない(約4割)。 14.2 <その理由> 問8:そう思われるのはどのような理由からですか。(MA) 団塊世代の退職予定者 (%) 定年退職を楽しみにしている計(N=147) 定年退職を楽しみにしていない計(N=39) 74.4 75.5 80.0 70.0 59.0 60.0 50.0 44.2 41.5 40.0 30.0 21.8 20.4 20.0 2.6 0.0 5.1 0.0 0.7 健康が思わしくないか ら 趣味がないので時間を もてあましそうだから 夫の定年退職を楽しみにしている計(N=73) 夫の定年退職を楽しみにしていない計(N=109) 69.7 71.2 70.0 56.9 56.2 60.0 42.5 50.0 3.4 働きたくても仕事があ るか心配だから これからの暮らしの経 済が心配だから 80.0 4.8 0.0 今までの仲間を失うか もしれないから 今までできなかった夫 婦での旅を楽しめるか ら 2.6 新しく仲間を作れるか ら 0.0 0.0 ボランティアなど社会 に役立つことができる から 妻や家族とのんびりと 過ごせるから 5.1 今までできなかった趣 味などを楽しめるから 10.0 団塊世代の夫を持つ妻 (%) 15.4 10.3 45.9 47.7 0.0 0.0 40.0 30.0 20.0 2.7 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 3.7 1.4 30 健康が思わしくないか ら 1.4 夫に趣味がないので時 間をもてあましそうだ から 夫の世話をしなければ ならないと思うから 0.0 これからの暮らしの経 済が心配だから 0.0 新しく仲間ができそう だから 今までできなかった夫 婦での旅行を楽しめる から 0.9 ボランティアなど社会 に役立つことができる から 夫や家族とのんびりと 過ごせるから 0.0 8.2 0.0 今までできなかった趣 味などを楽しめるから 0.0 夫が家にいていらいら しそうだから 8.2 10.0 ●団塊世代の男性にとっては、 定年退職が楽しみなのは「今まで 出来なかった趣味などを楽しめる から」であり(楽しみにしている人の 76%)、「夫婦での旅」や「のんび りと過ごせる」からである。一方、 団塊世代でも、定年退職を楽し みにしていないという人は、「暮ら しの経済が心配」(楽しみにしてい ない人の74%)だからであり、「働 きたくても仕事があるか心配」とい う、経済的な不安感を持っている からである。 ●女性にとっては、楽しみにしてい る人は、「夫婦の旅行」(71%)や 「のんびりと暮らせる」と考えている からである。一方、夫の定年退職 にあたって、定年退職を楽しみに 出来ない、という理由は、「夫が 家にいてイライラしそうだ」(楽しみ にしていない人の70%)、「夫の世 話をしなければならない」「夫に趣 味がないので時間をもてあましそ う」「暮らしの経済が心配」などが あげられている。 夫が家にいる様になり、自分の ペースが乱れ、世話をしなければ ならない。しかも24時間顔をあわ せるなんて真っ平だ、という本音が うかがえる。 6-(1)<定年退職後の生活への経済的不安> 問9:あなたは定年退職後の生活について経済的不安がありますか。(SA) 問9:あなたは夫の定年退職後の生活について経済的不安がありますか。(SA) 定年退職後の生活への経済的不安(SA) 大変不安がある やや不安がある あまり不安はない まったく不安はない どちらともいえない 団塊世代の退職予定者(N=247) 17.8 48.2 17 13.4 3.6 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 18.2 44.4 17.1 16.7 3.6 6-(2)<定年退職への態度×定年退職後の生活への経済的不安> 団塊世代の退職予定者(SA) 大変不安がある やや不安がある あまり不安はない まったく不安はない 定年退職を楽しみにしている計(N=147) 8.8 どちらともいえない 44.9 21.8 56.4 定年退職を楽しみにしていない計(N=39) ●定年退職後の生活への経済 的不安感は団塊世代の退職 予定者では「不安がある」66% にのぼっている。団塊の妻たちも 同様だ。 ※当然ではあるが、推定退職 金額が「1500万円以下」では 80%の人が不安を感じ、「1500 万円‐3000万円以下」の中間 層でも58%、しかも「3000万円 以上」のプチ退職金富裕層にお いても、43%程度が不安感を 持っている。 ●退職金額が少ないということ は、当然退職後の生活をエン ジョイしにくいということで、過度な 将来不安が消費マインドを冷え 込ませ、団塊世代の退職マネー がタンスにしまいこまれてしまう可 能性も十分ある、ということだ。 19.0 5.4 0.0 5.1 2.6 35.9 7<定年退職後の就労予定> 問10:あなたは現在の職場を定年退職した後も、収入を得て働く決まった予定はありますか。(SA) 定年退職後の就労予定(SA) 再雇用の形で今の会社で働くことが決まっている 正規採用の形で別な会社で働く予定が決まっている 決まってはいないし、形はわからないが収入のある形で働くつもりだ 働くつもりはない 定年退職予定者全体(N=345) 定 年 退 職 金 額 夫 婦 合 算 年 収 9.6 3.5 4.31.7 56.2 0.0 1500万円未満(N=81) 3.7 4.9 3000万円以上(N=41) 700万円未満(N=92) 700-1000万円未満(N=120) 1000-1500万円未満(N=100) 1500万円以上(N=20) 9.9 3.1 3.8 3.1 12.2 5.4 2.4 17.1 10.0 4.9 3.0 6.0 2.0 51.0 10.0 5.0 11.1 4.9 3.3 5.0 0.0 3.7 11.5 22.0 3.3 40.0 8.1 12.2 64.1 58.3 5.0 4.6 36.6 0.8 2.51.7 15.0 13.0 3.7 51.9 6.5 4.31.1 12.5 3.5 72.8 0.0 1500-3000万円未満(N=131) 臨時雇用の形で今の会社で働くことが決まっている 臨時雇用の形で別な会社で働くことが決まっている 決まってはいないが、収入はなくともボランティアでも働くつもりだ わからない 13.3 13.0 20.0 9.8 0.0 5.4 7.5 10.0 5.0 ●定年退職後の就労予定においても、格差は存在する。現在の会社、他の会社を問わず、何らかの収入を伴う (「再雇用」「臨時」常雇い」含む)就労予定がある人は、この時点で、19%に過ぎない。一方、「決まっていないが、 収入ある形で働きたい」という人は退職予定者全体の56%にのぼる。「働くつもりはない」人は、13%にすぎない。し かも、退職金額3000万円以上の人の37%は次の就労予定が決まっている一方、1500万円未満の人は9%が決 まっているに過ぎない。2重のギャップが存在するといえるだろう。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 31 8-(1)<退職後にやりたい夢やアイデア> 問5:あなたには、「これまでやりたくてもできなかったが、退職後にはできればやってみたい。」という夢やアイデアがありま すか。それはどんなことでしょうか。(MA) 問5:あなたには、「これまでやりたくてもできなかったが、夫が退職後したときには是非やってみたい。」という夢やアイデア がありますか。それはどんなことでしょうか。(MA) 退職後にやりたい夢やアイデア(MA) 60.0 (%) 50.0 48.6 団塊世代の退職予定者(N=247) 44.5 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 42.5 40.0 43.6 34.8 34.434.4 34.0 40.4 31.6 34.5 30.0 24.7 31.3 22.3 24.7 20.0 20.2 21.5 18.5 15.8 15.4 15.015.0 14.614.614.6 16.7 13.8 10.0 21.5 20.7 18.6 16.0 13.8 12.0 8.4 6.5 6.9 12.6 8.9 8.9 8.5 7.7 10.2 6.5 5.1 4.4 3.6 3.6 0.0 13.1 11.3 10.5 2.2 5.7 4.0 4.7 2.0 とくになし ピ ア ノ や ダ ン ス 、コ ー ラ ス を 楽 し む その他 1.8 研究してきた課題の整理と出版 小 説 や エ ッ セ イ 、自 伝 な ど の 執 筆 シニア海外協力隊など海外でボランティア Iタ ー ン 、Jタ ー ン 、Uタ ー ン な ど 田 舎 暮 し 資格や免許を取る スポーツジムなどでしっかり体作りをする 絵 画 や 陶 芸 、手 工 芸 を 楽 し む 農業を始める ペットと仲良く暮らす 大学などでもう一度勉強をする 英 語 や 英 会 話 。中 国 語 、韓 国 語 な ど 語 学 磨 きティア N P Oな ど で の ボ ラ ン 楽器の演奏 ログハウスなど自然の中で楽しむ 海外ロングステイや海外移住 撮影してきたビデオや写真などを編集 ス ポ ー ツ を 楽 し む (ゴ ル フ 、乗 馬 な ど ) 車やバイクを楽しむ 日 曜 大 工 や 修 理 、工 作 を す る 山歩きやトレッキング 資産運用など自分なりに研究 ガーデニングや野菜つくり 歴史をたどり史跡などを巡る旅 ホームページつくりやインターネットを活 用どこだわりの国内旅 お遍路や温泉めぐりな 行き先や日程を決めない気ままな旅 行行 世界遺産などの海外旅 1.5 8.1 8.0 6.1 ●将来不安や退職金格差、就労格差の存在する中でも、退職はいずれにしろセカンドライフのスタート地点だ。そ れなりに新しいライフスタイルを構築し、消費も起こるだろう。団塊世代の夫と妻は退職後の夢やアイデアとして、どの ようなことを胸に抱いているのだろうか。トップ10をあげてみると・・・ 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 「団塊世代の男性」 行き先も決めない気ままな旅 世界遺産などの海外旅行 こだわりの国内旅行 ホームページつくりなどインターネット 歴史・史跡めぐり ガーデニング・野菜つくり 資産運用研究 山歩き 日曜大工や工作 車やバイク ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 「団塊世代を夫に持つ妻」 行き先も決めない気ままな旅 世界遺産などの海外旅行 こだわりの国内旅行 ガーデニング・野菜つくり 歴史・史跡めぐり 絵画・陶芸・手工芸/資産運用研究 ペットと仲良く暮らす スポーツジムで体つくり ホームページつくりなどインターネット 語学の学習 32 ●夫婦で一緒に出来ることと、夫は夫、妻は妻という夢やアイデアがあるようだ。「気ままな旅」や「海外旅行」「こだわ りの国内旅行」は夫婦に共通する代表的な夢だといえよう。しかし、夫では高いが妻では低い、というアイテムには 「ホームページ」「山歩き」「日曜大工」「車やバイク」「スポーツ」などがある。夫の一人遊びというアイテムだ。妻が高く て夫が低いアイテムは、「スポーツジム」「絵画や陶芸・手工芸」「ペット」「ピアノ・ダンス・コーラス」「語学」などである。 ●トピックス的なアイテムとしては、「海外ロングステイや海外移住」がある。夫・妻ともに14-15%をあげ、かなり共通 の関心となっている様子だ。また、「ログハウス」「農業」「田舎暮らし」では、夫はある程度関心があっても、妻からは 敬遠されている傾向が見える。 8-(2)<定年退職後の夢の実現に向けての準備> 問11:退職後の夢の実現へ向けて、あなたが始められていること、あるいは始めようとしていることをいくつでもお知らせく ださい。(MA) 夢の実現のために準備していること(MA) % 2006年(N=69) 44.0 50.0 40.0 30.0 31.9 27.5 21.5 20.0 20.0 25.5 23.2 16.0 11.6 30.3 17.4 13.0 21.7 16.3 10.0 8.8 家族や関係者への説 得 すでに始めているこ とのスピードを上げ ること 仲間作り 資金をためること 体作り 4.0 特に夢は持っていな い 4.0 3.6 始めるつもりだが 、 まだ何も手をつけて いない 4.3 9.6 調査や資料を収集 0.0 2010年以降(N=25) 37.7 24.0 20.0 2007-2009年(N=251) 40.0 ●退職後の夢の実現のために、準備していることには情報やお金や体力、仲間づくりなどがあるだろう。退職予定年 別に何を準備しているかを見たのが上の図である。「2010年以降」というまだ先の人たちは、「体力つくり」「資金つく り」など基礎的な準備をしているようすだ。また、相対的には「仲間つくり」や、「家族や関係者への説得」などの根回 しもそれとなく進んでいる。かなり用意周到だといえるだろう。 ●「2007-2009年」に退職するという、いわゆる団塊の退職者には「始めるつもりだがまだ何も手をつけていない」 人が30%も存在している。「資金つくり」という人も32%いるが、最後の追い込みというところだろうか。団塊世代と いっても定年退職(早期退職)に関して、意識が十分ではないような気配である。 ●「2006年」には退職するという目前グループでは、もう後は「体つくり」しか残っていない、というか、「すでに始めてい ることのスピードを上げる」ということだろう。 ※団塊世代に関しては、まだ何も手をつけていない、が多いことを反映してか、「体つくり」「仲間つくり」にも十分準備 がすすんでいない傾向がある。退職後はそのときになって考えるさ、という楽観的な考えをしている人が多いともいえる が、退職した途端に道を見失ってしまうことがないか心配になる。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 33 9<団塊世代を夫に持つ妻の生活スタイル> 問13:3時間以上外出した日数は何日ありましたか。(SA) 問15:家の中で大半を過ごしたのは何日ありましたか。(SA) 1週間の平均行動日数 (日) 5.0 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 3時間以上外出した日数 家の中で大半を過ごした日数 3.6 3.5 2.8 2.7 2.6 1.9 夫婦年収合計: 1 5 0 0万 円 以 上 (N = 2 2 ) 夫婦年収合計: 10001 5 0 0万 円 未 満 (N = 6 2 ) 夫婦年収合計: 7 0 0万 円 未 満 (N = 5 7 ) 団塊世代の夫を 持つ妻全体 (N=275) 問14:外出の目的はなんでしたか。 (MA) ●団塊世代の男性はいま、最後のお 勤め中で、生き残りに懸命なところ。さ て「団塊世代を夫に持つ妻」はどんな 日常を送っているのだろうか。 外出目的(MA) 90.0 夫婦年収合計:700万円未満(N=47) (%)80.0 77.3 夫婦年収合計:1000-1500万円未満(N=61) 70.0 73.8 夫婦年収合計:1500万円以上(N=22) 60.0 50.0 51.1 40.0 36.4 20.0 10.0 0.0 ●「外出した日数」と「家にいた日数」 を比べてみよう。 「外出した日数」の平均は3.6日。1 週間におよそ4日は外出。「家で大半 を過ごした日数」の平均は2.8日。お よそ3日、となる。夫婦年収別に見る と、年収が高くなるほど、外出日数が 増える。夫婦合計年収が1500万円 以上の妻では、外出目的が「仕事」と いう人が35%いるので、共働きが多い ことになる。1000万‐1500万円グ ループと700万年以下のグループでは 「仕事」は20%前後で相対的に少な い。 ●外出目的のトップはいずれのグルー プでも「買い物」である。日常をエンジョ イしているのはどのグループなのか、とい 25.5 26.2 24.6 う視点で見ると、それは1000‐1500 万円グループだ。「仲間との集い」「食 21.3 23.0 18.2 18.2 22.7 22.7 19.1 18.0 事会」「趣味の会」「屋内スポーツ」(お 16.4 19.1 そらくジムやスポーツクラブ)「観劇・映 13.6 16.4 14.9 18.2 13.1 画」と週に4日では足りないくらいであ 13.1 14.9 13.6 10.6 9.1 12.8 9.1 10.6 る。プチ裕福な専業主婦たちである。 8.5 8.5 6.6 6.4 4.5 4.5 それに比べて、1500万円以上クラス 4.9 4.5 4.3 8.5 4.5 6.6 6.4 では「旅行」など一度もなく、「趣味の 2.1 2.1 0.0 0.0 4.5 3.3 3.3 4.3 2.1 会」「観劇」も少ない。仕事に時間をと 0.0 0.0 1.6 0.0 1.6 1.6 0.0 られれいる様子。なぜか「ボランティア」 0.0 0.0 0.0 や「地域の集まり」には参加している。 700万円以下のクラスでは、先立つも のが足りないというところで、「買い物」 すくなく、「食事会」「趣味の会」「屋内 スポーツ」などが軒並み最低の活動 だ。「パチンコ」が最も多く、「花・野菜つ くり」など実質的なところも相対的に多 い。 34.4 30.0 4.7 4.0 その他 同窓会 カメラ等の撮影 学 校 ・教 室 34 屋外スポーツ 地域の集まり パチンコなどの遊戯娯 自然探索 楽 花 ・野 菜 作 り ボランティア 図 書 館 ・美 術 館 観 劇 ・映 画 ドライブ 旅行 屋内スポーツ 趣味の会 散歩やウォーキング 食事会 仲間との集い 買い物 仕事 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 問16:主に何をして過ごしていましたか。 (MA) 家の中でしたこと(MA) 100.0 90.2 (%) 90.0 80.0 夫婦年収合計:700万円未満(N=51) 夫婦年収合計:1000-1500万円未満(N=55) 78.2 74.5 75.0 68.6 70.0 70.6 夫婦年収合計:1500万円以上(N=16) 67.3 61.8 ●700万円以下ランクにおいて、 「PC/インターネット」利用が9割に のぼるのに対し、1500万円以上 ランクでは5割でしかない。「テレ ビ・ビデオ」においても1500万円 以下ランクは少ない。「新聞」も少 ない方だ。外で情報に接する機 会が多いから、自宅ではあえて、 関心がないということか。 60.0 50.0 43.8 50.0 50.0 41.2 32.7 32.7 37.5 33.3 40.0 30.0 18.8 25.0 20.0 34.5 25.5 31.3 21.8 23.5 23.6 17.6 15.7 21.6 18.2 17.6 10.0 20.0 18.8 14.5 12.5 12.5 6.3 0.0 ●「団塊世代を夫に持つ妻」の家 の中の行動はどのようなものなの だろうか。 どのグループにおいても「家事」の しめる割合が高いが、「パソコン・ インターネット」の利用、「テレビや ビデオ」の視聴、「新聞」の閲読に おいては、収入ランクによって違い が大きい。 12.5 12.5 何をするということなく その他 自宅で会などを催して 資格などの勉強 友人とお茶やおしゃべりをし て品つくり 工作や趣味の作 家族などと話をして 音楽を聴く 昼寝 ペットと遊ぶ 家族の世話 整理整頓 庭 の 手 入 れ ・ガ ー デ ニ ン グ 読書をする 新聞を読む テレビやビデオを見る パ ソ コ ン ・イ ン タ ー ネ ッ ト 掃 除 ・洗 濯 ・料 理 な ど 家 事 6.3 7.8 3.6 7.3 3.9 1.8 1.8 2.01.8 5.9 3.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ●1500万円以上ランクで特徴 的なのは、「整理整頓」が多いこと だ。普段出来ない整理整頓をま とめて行うということか。そのため、 「読書」「昼寝」「音楽」などの活 動も他のグループと比べて、一般 に少ない。 ●1000-1500万円ランクで は「パソコン・インターネット」「テレ ビ・ビデオ」も多い活動だが、「新 聞」をかなり時間をかけて読んでい ることが特徴的だ。「読書」「庭の 手入れ」「家族の世話」などの行 動がついで多い。専業主婦的とい えるだろう。 ●700万円以下ランクでは「PC/ インターネット」「テレビ・ビデオ」は 多いのだが、「新聞」にかける時間 はかなり少ない。「庭の手入れ」 「家族の世話」「家族と話をする」 などが少ないのが特徴だ。総じ て、非活動的といえるだろう。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 35 10-(1)<夫の自立と妻の評価:自分でできること、できると思うこと> 問17:以下の行動の中で、あなたご自身が「関心があること」「自分でできる知識があると思うこと」「自分で行っている こと」をそれぞれいくつでもお知らせください。(MA) 問17:以下の行動の中で、あなたの夫が「関心があること」「夫が自分でできる知識があると思うこと」「夫が自分で 行っていること」をそれぞれいくつでもお知らせください。(MA) 夫の自立度と妻の評価(1)関心度 退職予定男性の関心があること(N=345) 29.3 15.4 28.7 15.9 14.9 12.0 該当するものは ない 10.5 携帯メール 11.3 パソコンソフト のインストール 9.8 38.2 23.5 29.8 海外への飛行機 の予約 15.3 百貨店でひとり で似合いの服を 選ぶこと 健康によい食品 を見分けること 8.4 24.3 11.3 お買い得な商 品 .サ ー ビ ス の 選択 税金の還付手続 き 5.5 25.8 14.5 分別ゴミの区分 の判断 毎月の家計管理 18.9 夫に関心があると妻が思うこと(N=275) 42.3 39.7 料理づくり % 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 ●人生の折り返し点に近くなり、夫婦はそれぞれ自立して夫婦から個人へ還る時期にある、と指摘される。性別役 割分業から夫婦の役割分業を新しく見つけ出す時期(夫婦リストラ)にあるという指摘である。そのような時期に差し 掛かって、男性はどの程度まで自立しており、妻はそれをどの程度評価しているのだろうか。 家庭内の個々の家事についてはどうなのか、定年前と定年後とではどのように変化するのか、そのあたりを見てみた い。 ●(1)「家事についての関心度」についてはどうか。 一般に夫が関心があるとしていても妻はそうとは見ていない。もちろん関心があるかどうかは、その行動で評価される ものであるから、仮に夫が関心があるといっても、その行動が伴わなければ、関心があるとは見なされない。だから、妻 の側からは夫は家事に協力的ではないと思われるのは当然のことかもしれない。 (2)自分でできると思うこと 男性が自分でできると思うこと(N=345) % 62.0 60.9 42.3 49.9 44.9 37.7 45.5 38.3 37.7 28.4 34.9 30.9 42.5 33.1 27.6 28.4 37.1 12.4 2.6 該当するものはな い 携帯メール パソコンソフトの インストール 海外への飛行機の 予約 13.8 百貨店でひとりで 似合いの服を選ぶ こと 健康によい食品を 見分けること 16.4 お買い得な商品 . サービスの選択 税金の還付手続き 分別ゴミの区分の 判断 12.4 毎月の家計管理 料理づくり 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 夫が自分でできると妻が思うこと(N=275) ●6割以上の男性が自分でできると思っていることは、「税金の還付手続き」「パソコンソフトのインストール」。ほぼ 4ー5割の男性ができると思っていることは「分別ゴミの区分」「携帯メール」「お買い得商品の選択」「料理作り」であ る。 ●一方妻の側からは「パソコン」「携帯メール」はいいとしても、「お買い得な商品の選択」や「税金の還付手続き」な どができるにはあまり高い評価ではない。「百貨店で一人で服を選ぶこと」は男性自身も妻も、夫が一人でできると 思っている人は3割にも満たない。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 36 (3)自分で行っていること 83.8 58.0 53.9 37.7 34.2 24.1 22.0 13.9 17.1 16.4 25.8 23.8 37.8 18.5 20.7 2.9 該当するものはな い 携帯メール パソコンソフトの インストール 海外への飛行機の 予約 6.2 37.1 17.5 百貨店でひとりで 似合いの服を選ぶ こと 健康によい食品を 見分けること 10.9 お買い得な商品 . サービスの選択 税金の還付手続き 分別ゴミの区分の 判断 2.9 毎月の家計管理 12.4 料理づくり % 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 退職予定者:自分でおこなっていること(N=345) 団塊世代の妻:夫が自分でおこなっていると妻が思っていること(N=275) ●自分で実際にやっている家事となると、夫と妻との差はかなり開く結果だ。「パソコン」や「携帯メール」は別とすれ ば、「税金の還付」や「分別ゴミの区分」お買い得商品の選択」など夫はしているつもりでも、妻の側からは十分では ないという評価である。 ●男性は、<やろうと思えばやれるし、実際やっている>という家事も多いのだが、妻の側からは<やろうと思えばで きるのに、関心がないから実際やっていない>という評価となっている。夫の自立という観点からは家事やお金に関わ る分担が退職後には大きな夫婦の課題になろう。退職後の変化については退職者調査で検討を加えたい。 10-(2)<男性退職予定者の自立状況:まとめ> 定年退職予定者全体(N=345) (%) 90.0 自分でできると思うこと 80.0 自分でおこなっていること 70.0 58.0 49.9 42.3 40.0 30.0 20.0 37.7 37.7 45.5 44.9 53.9 28.7 15.4 29.3 24.1 25.8 22.0 28.4 23.8 42.3 25.8 24.3 23.5 15.9 2.9 2.6 該当するものはない 携帯メール 37 パソコンソフトのインストール 海外への飛行機の予約 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 百貨店でひとりで似合いの服を選ぶ こと 健康によい食品を見分けること お 買 い 得 な 商 品 .サ ー ビ ス の 選 択 分別ゴミの区分の判断 11.3 税金の還付手続き 14.5 毎月の家計管理 料理づくり 13.9 38.3 37.7 34.2 39.7 10.0 0.0 83.8 62.0 60.9 60.0 50.0 ●男性で、関心があるという%が 実際にやっている%よりも高い家 事は「料理作り」と「健康によい 食品選び」である。関心がなく て、やっていないという他の家事と 違って、「料理作り」は自分でも できるともおもわれているので、男 性の自立という課題に関しては、 適当な道筋にある家事のひとつ だろう。 関心があること ●毎月の家計管理はもともと関 心がなく、自信を持って自分でも できるという家事ではないので、 実際にやっていないという項目の ようだ。退職後限られた収入に なった退職男性がどれほど家計 管理に乗り出してくるか、関心が あるところだ。 ●一人で似合いの服を選べな い、という男性も多い。もともと服 装にこだわらない、ということではあ るが、自分には出来ない、と思っ ている人も多い。ファッション面か らの自立した生き方についても学 習が必要ということだろうか。 11<自分の居場所> 問18:あなたがそこいるとストレスが癒され、気持ちが安らぐような、あなたの居場所はどこですか。(MA) ●退職を控え、仕事や社会、 夫婦関係にも変化の起こる時 期にあって、退職予定者の居場 所はどこにあるのだろうか。また、 退職後にはどこに居場所を求め るのだろうか。 自分の居場所(MA) (%) 80.0 70.0 60.0 50.0 定年退職予定者全体(N=345) 70.9 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 47.2 47.0 40.3 40.3 40.0 29.3 40.7 30.0 20.0 26.9 25.8 10.0 25.8 24.3 24.7 19.4 21.5 22.9 22.0 11.6 0.0 21.1 8.4 6.7 9.5 5.5 わからない 0.9 1.1 居場所がないように感じる 5.5 0.7 なじみの遊戯店 1.8 1.4 町の雑踏の中 神社仏閣など宗教関係の場 所 子ども達と話せる場所 なじみの飲食店 仕事や趣味仲間と話せる場 所 図書館や美術館 ドライブ中 公園などの近くの自然 自分の書斎 海岸や森などの大自然の中 趣味に没頭できる場所 自宅の居間 2.0 9.6 ●男性にあって、女性にはない 場所は「自分の書斎」である。 一方妻の側で居場所とされてい るのは、「自宅の居間」である。 書斎がないから居間になるの か、もともと居間が居心地がいい のかはわからないが、男性では 一人になれる場所が好まれ、女 性は何かと話ができる場所が好 まれるようだ。 ●「趣味に没頭できる場所」は 夫.・妻にかかわらず居場所と目 されている。何かに没頭してスト レスを癒し、自分を取り戻したい ということだろうか。 ●「大自然の中」については男 性と女性とで差が大きい。 12<夫婦仲の認識> 問19:あなたは一般の夫婦と比べて、夫婦の仲が良い方だと思われますか。それともよい方ではないと思われますか。 (SA) 夫婦仲の認識(SA) たいへん仲がよいほうだと思う どちらともいえない まったくよい方ではないと思う 定年退職予定者配偶者あり(N=332) 13.6 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 13.5 まあよいほうだと思う あまりよい方ではないと思う 50.6 21.4 45.1 27.3 3.6 10.8 9.5 4.7 ●現在の夫婦関係について、どのように認識しているか、夫側と妻側へたずねた。総じて、「よいほうだと思う小計」は 夫側64%、妻側59%となっており、「よいほうではない小計」の夫側14%、妻側14%と比べて、かなり「夫婦仲」はよ い結果である。 ●退職前の、このよい夫婦関係は退職後も持続されるのかどうか。一時は夫婦関係のリストラクチュアがあって、悪く なる可能性はあっても、退職後数年たてば又仲の良い夫婦になるのではないかという仮説を持っているが、あるいは そうではなくて、退職後いっそう夫婦の仲の良い関係は強化されるのかもしれない。退職者調査の結果とこの調査結 果とを後で比較したいと思う。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 38 13<団塊世代の意識> 問22:いろいろな意見があげてあります。あなたはそれぞれの意見にどの程度賛成なさいますか。(SA) (1)全共闘などの学生運動は 自分にとって意味あることだった 団塊世代の退職予定者(N=247) たいへんそう思う ややそう思う あまりそう思わない まったくそう思わない 7.3 22.7 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 3.3 8.7 18.6 21.1 どちらともいえない 21.5 30.0 20.0 46.9 ●団塊世代の男性退職予定者と団塊世代を夫に持つ妻は、団塊世代が持っていたとされる価値観や考え方 について、いまどのような意識でいるのだろうか。 ●「学生運動」について、今の意識をたずねた。 ●学生運動は自分にとって意味あることだったかどうか。意味あることとは、質問としてはダブルミーニングになって いるので、肯定も否定もするわけではない。ただ、自分にとってなんらかの影響があったかどうか、と受け止めるのが よいだろう。 ●男性では、「意味があることだった」30%、「意味があることだった、とは思わない」52%。女性では同様に12% にたいし、67%となっている。もともと学生運動をしていたかどうかは問わないので、全体として、学生運動に意味 があったとは思わないという結果である。 (2)団塊世代は時代のブームを作ってきたと思う たいへんそう思う ややそう思う 団塊世代の退職予定者(N=247) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) どちらともいえない あまりそう思わない 27.5 まったくそう思わない 49.0 20.4 14.2 49.5 16.7 6.13.2 7.6 5.8 ●団塊世代が時代のブームを作ってきたかどうか。これについては男性・妻ともに「そう思う」人はそれぞれ77%、 70%と多い。自分たちが時代の先端を行き、自分たちへ時代がブームを作ってきたという自負なり認識を強く持っ ている。 ●特に団塊男性ではその傾向がある。妻は団塊世代を含むものの、そのやや下の年代であって、そのためにも男 性よりも少ない肯定率となっていると考えられる。 (3)仕事や家族のために自分はずいぶん我慢してきたと思う たいへんそう思う ややそう思う どちらともいえない あまりそう思わない 団塊世代の退職予定者(N=247) 15.8 35.2 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 16.7 32.4 まったくそう思わない 28.3 20.0 16.6 25.1 4.0 5.8 ●団塊世代は高度成長期にあって、会社人間として、あるいは中流を目指す専業主婦として、自分たちのしたい ことを我慢して頑張ってきた、という側面もある、果たしてどうなのか。 ●確かに「ずいぶん我慢してきた」という人は、団塊男性で「そう思う小計」51%、妻で49%と約半数は我慢してき たという意識をもっている。実際はともかく、少なくとも現在そういう意識をもっている団塊世代およびその妻が全体の 半数はいる、という点が重要である。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 39 (4)なんといっても夫婦は運命共同体だ たいへんそう思う ややそう思う あまりそう思わない どちらともいえない まったくそう思わない 団塊世代の退職予定者(N=247) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 20.6 49.0 14.9 18.2 37.1 24.4 9.3 2.8 17.5 6.2 ●団塊世代は友達夫婦とも言われてきた。同年代結婚も多くいたため、価値観の近い夫婦が多かったためとい われている。果たして定年を控えた今、夫婦関係について運命共同体という強い意識はどれほどの人が持ってい るのだろうか。 ●男性では「なんといっても夫婦は運命共同体だ」という人は70%に達する。妻でも62%である。「夫婦仲がよ い」という人はそれぞれ、64%、59%であったから、夫婦仲がよかれ、悪しかれ、運命共同体という意識はさらに強 い、ということになる。ただし、妻の側では「運命共同体・そう思わない」という人が24%いることも見過ごせない。 (5)男は外で働き、女は家庭を守るべきだ たいへんそう思う ややそう思う 団塊世代の退職予定者(N=247) どちらともいえない 8.1 あまりそう思わない 26.3 まったくそう思わない 32.0 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 0.7 16.4 21.5 36.4 28.7 12.1 17.8 ●性による役割分業も高度成長期の家庭規範のひとつだった。生産性向上のための手段として、団塊世代男 性の会社人間化を促進し、女性の専業主婦化を促した考え方だ。 ●今日、団塊世代の男性もその妻もこの考え方に対しては大きな疑問をもっている。男性では「そう思う」人と「そ う思わない」人とは同じ34%である。また妻では賛成派は17%に対し、反対派は46%である。 ※ハイライフ研究所2005年度調査研究「団塊世代と団塊ジュニア世代の価値観比較研究」においても同様の 結果が得られている。 (6)子供はその個性を大切に育てるべきだ たいへんそう思う ややそう思う どちらともいえない 団塊世代の退職予定者(N=247) 31.2 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 29.5 あまりそう思わない まったくそう思わない 0.0 15.0 2.4 51.4 11.6 0.4 1.1 57.5 ●個性重視主義は団塊世代の子育て期の中心的な考え方だった。戦後民主主義教育の基本だったからだ。 ●この考え方は現在も団塊世代が持つ、子どもの教育に対する中心的考え方であることは変わっていない。この 意見に対する肯定派は、男性で83%、妻で87%にのぼる。 (7)多少家庭を犠牲にしても仕事中心であるべきだ たいへんそう思う ややそう思う 団塊世代の退職予定者(N=247) 2.4 どちらともいえない 17.8 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 0.4 12.4 あまりそう思わない 34.0 まったくそう思わない 35.6 42.9 30.9 10.1 13.5 ●仕事中心主義。家庭と仕事では仕事を取る、という考え方。 ●この考え方については否定派が明らかに多くなっている。「そう思わない」人は男性で46%、妻は44%を占めてい る。すでに退職時期に入っている団塊世代にあっては、いまさらこだわるほどの仕事はない、という人が主流であり、 すでに十分やってきたという意識が強いからと考えられる。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 40 (8)努力すれば結果は相応についてくる たいへんそう思う ややそう思う どちらともいえない 団塊世代の退職予定者(N=247) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 8.9 11.3 あまりそう思わない 36.8 まったくそう思わない 31.6 17.4 51.6 25.5 5.3 10.5 1.1 ●努力成果主義は中流を目指した団塊世代の生活信条のひとつだった。右肩上がりの成長の中では、確信に 近い信条だった。 ●今日では、男性の「そう思う」人は46%、「そう思わない」人は23%。女性の「そう思う」63%、「そう思わない」 12%と微妙である。今日までいわば大過なく過ごせてきたという意味では、男性46%がそれなりに結果はついてき た、と考えていることはうなずけるところだが、努力しても報われないものは確かにある、という意味では23%が反対す るところもうなずける。「中流」は果たしたものの、リストラあり、将来不安ありで、このような%に落ち着いたものだろ う。 14<定年退職後のライフスタイル意識> 問23:対になった意見があげられています。あなたはそれぞれどちらの意見に近いでしょうか。(SA) Aにたいへん賛成 Bにやや賛成 A.これからはなるべく夫婦 一緒に行動したい。 Aにやや賛成 Bにたいへん賛成 定年退職予定者全体(N=345) 11.3 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 8.4 38.8 どちらともいえない 8.7 4.9 36.2 20.7 42.9 B.これからはなるべく夫婦 別々に行動したい。 17.5 10.5 ●夫婦での一緒の行動にたいする考え方は、定年退職予定の夫側と妻側では開きがある。「これからはなるべく 夫婦一緒に行動したい小計」は夫側50%に対し、妻側では「同」29%に過ぎず、妻側では逆に「これからはなるべ く夫婦別々に行動したい小計」28%を占める。妻は夫の先を行っており、夫の世話でイライラさせられたくないという 心情がみうけられる。 A.これからも夫婦で力をあ わせて生活したい。 定年退職予定者全体(N=345) 20.6 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 18.2 43.8 38.5 18.6 11.6 5.5 21.5 B.これからは夫婦に頼らず 一人で何でもできるようにした い。 12.4 9.5 ●「これからも夫婦力をあわせて生活したい」「夫婦に頼らず一人で何でも出来るようにしたい」というレベルでは、や や妻の側も「力をあわせて」派が増加し、「一人で何でも」派は減少する。なるべく別々に行動したいが、力をあわせ るときは一緒に、という妻の打算と夫の依頼心が垣間見えるところだ。 A.夫婦でいる方が友達と いるより楽しい。 B.友達といる方が夫婦でい るより楽しい。 定年退職予定者全体(N=345) 9.9 29.9 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 7.3 18.5 41.2 37.8 11.9 7.2 20.0 16.4 ●夫婦別々に行動したい、といっても一人で遊ぶわけではない。妻の側の36%は「友達といる方が夫婦でいるより 楽しい」としている。逆に夫の側は「夫婦でいるほうが友達といるより楽しい」という方が多い(40%) ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 41 A.やむをえなければ夫婦 は離婚しても良い。 Aにたいへん賛成 Bにやや賛成 Aにやや賛成 Bにたいへん賛成 定年退職予定者全体(N=345) 8.4 17.1 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) どちらともいえない 33.6 14.9 34.2 24.6 B.やむをえなくても夫婦は 離婚すべきではない。 16.2 34.5 10.9 5.5 ●実際に離婚するかどうかは別として、その覚悟が出来ているのが妻の側だ。妻は「やむをえなければ夫婦は離婚 しても良い小計」49%と半数は心の中で考え、15%はそう確信している。一方、夫の側は「やむをえなくても夫婦は 離婚すべきではない小計」41%と約半数が考えている。ほぼ正反対の割合である。 A.多少規則に外れてもこ れからは自由にやりたい。 定年退職予定者全体(N=345) 10.1 41.7 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 9.8 37.1 28.7 16.8 2.6 38.9 11.3 2.9 B.これからも規則にしたがっ た生き方を守りたい。 ●会社人間という枠が外れ、自分で自分の暮らしを設計することになる定年退職後、「多少規則に外れてもこれ からは自由にやりたい」と考えるのか、それとも「これからも規則に従った生き方を守りたい」のか。男性も妻もこれから の基調は「しばられない」ことだ。ともに50%前後の人が「多少規則から外れても・・・」と考えている。 A.年相応の生き方をした い。 定年退職予定者全体(N=345) 9.9 45.2 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 6.9 15.4 2.3 27.2 34.5 38.5 B.若さにこだわった生き方を したい。 18.5 1.5 ●むやみに「若さにこだわった生き方をしたい」(2割前後)わけではなく、「年相応の生き方をしたい」(4‐5割)という ことではある。 A.若さとは体が元気なこと だと思う。 定年退職予定者全体(N=345) 7.2 24.6 31.3 25.8 11.0 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 9.5 23.3 32.4 24.7 10.2 B.若さとはこころが元気なこ とだと思う。 ●「若さとは体が元気なことだと思う」(小計32%)と同時に、「若さとは心が元気なことだと思う」(小計37%)から だ。男性も妻も若さについては、体だけではなく、こころの元気が大切であるという認識があり、「年相応の生き方」と はこの二つのバランスをさしているように思う。 A.自分らしさとはもともと 自分が持っている個性 だ。 4.3 定年退職予定者全体(N=345) 12.5 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 11.3 36.2 44.7 29.0 25.5 B.自分らしさとは自分が努 力して作った成果だ。 18.0 16.0 2.5 ●定年後自由に、自分らしく生きる、というときの自分らしさ、とはどのようなものだと考えているのか。「自分らしさと はもともと自分が持っている個性だ」とする人は、男性も妻も5割前後。一方「自分らしさとは自分が努力して作っ た成果だ」という人は2割前後。自分らしく生きるとは、もともとの自分へ帰ることに近く、自分がなしてきた成果を積 み上げることではなさそうである。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 42 A.これまでに、やりたいこと はほとんどやってきた。 Aにたいへん賛成 Bにやや賛成 Aにやや賛成 Bにたいへん賛成 定年退職予定者全体(N=345) 2.6 16.2 27.5 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 2.9 19.3 B.これまでに、やりたくてもで きなかったことがいくつかある。 どちらともいえない 26.2 42.3 11.3 40.7 10.9 ●それでは、「これまでにやりたいことはほとんどやってきた」のか「これまでに、やりたくても出来なかったことがいくつかあ る」のか。男性・妻ともに「やりのこしてきたことがある」という人が5割を越えている。自分らしく生きるとは、だから「やり のこしてきたこと」を取り戻すプロセスにあるのかもしれない。「自分は仕事や家族のためにずいぶん我慢してきた」とい う人が5割を越えていることも思い起こせば、「取り戻す」というキーワードはもっとポジティブな意味合いを含んでいる と思う。 B.自然の豊かなところに住 みたい。 A.便利な都会に住みた い。 定年退職予定者全体(N=345) 10.7 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 24.9 23.3 30.7 31.6 20.6 29.5 13.0 11.6 4.0 ●自然への志向が言われている。「便利な都会に住みたい小計」は男性で36%、妻で54%。逆に「自然の豊かな ところに住みたい小計」は男性では34%、妻では16%。男性と妻との間には大きな違いがある。退職後の夢プラン においても、I/U/Jターンの希望は、男性8.9%に対し、妻2.2%、ログハウスに住む希望は、男性15.4%、妻8.4% である。かならずしも団塊世代が自然志向であるとはいえないところだ。 A.環境やエコロジーを守る 方が便利な暮らしより優先 する。 定年退職予定者全体(N=345) 7.8 33.3 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 6.2 36.0 40.3 43.3 14.8 3.8 B.便利な暮らしをする方が 環境やエコロジーより優先す る。 13.5 1.1 ●ロハスへの志向はとかく、建前に走りがちなところだ。「環境やエコロジーを守るほうが便利な暮らしより優先する」 については男性は小計41%。「便利な暮らしをする方が環境やエコロジーより優先する小計」の18%を大きく上回 る。「便利な都会に住みたい」が36%あるわけだから、比較して少なすぎる。本音と建前の違いと考えられる。 A.組織や団体に属してい る方が好きだ。 10.4 定年退職予定者全体(N=345) 2.9 33.3 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 0.4 40.0 5.5 35.1 18.3 37.8 16.4 B.組織や団体に属さない 方が好きだ。 ●「組織や団体に属する方が好きか」「属さない方が好きか」では、男性でも妻でも「属さない方が好き」が5割を上 回っている。あれほど会社人間だったこの世代の男性でも、この年令、この時期にいたっては、自由さを求める人が これほど多くなった、と見ることが出来るのではないか。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 43 A.人を判断するときに肩 書きや役職名は重要な 要素だ。 Aにたいへん賛成 Bにやや賛成 Aにやや賛成 Bにたいへん賛成 12.5 定年退職予定者全体(N=345) 2.0 20.9 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 1.1 11.6 B.人を判断するときに肩書 きや役職名は重要ではな い。 どちらともいえない 42.0 29.1 22.6 35.3 22.9 ●この年令、退職前のこの時期になって、いやこの時期だからこそか、「人を判断するときに肩書きや役職名は重要 な要素ではない」とする人が男性で6割を越え、妻でも6割近い。自由・自立・自尊の定年退職者が裃を脱いでリ スタートを切ることが出来る可能性をここに見ることが出来る。 A.これからはなるべく海 外のよさを発見したい。 B.これからは日本のよさを 見直したい。 定年退職予定者全体(N=345) 6.1 21.4 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 5.8 20.7 34.5 41.8 24.3 21.1 13.6 10.5 ●「これからは日本のよさを見直したい」という男性が4割近くいても不思議ではないだろう。「海外のよさを発見した い」という男性も3割近くいるが、相対的に少ない。保守化というより、本物・遣り残したもの・自立などの文脈で考 えた方がわかりやすい。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 44 15<退職金金額> 問26:失礼ですが、その額はいくらですか。二度以上受け取ったか、受け取る予定の方はその合計額をお聞かせくだ さい。(SA) 定年退職予定者 退職金受取り予定あり(受け取ったを含む)全体(N=278) (%) 18.7 10.1 10.4 16.9 11.5 8.6 5.4 2.9 4.3 2.2 4 5 0 0万 円 以 上 4 0 0 0 ‐4 5 0 0万 円 3 5 0 0 ‐4 0 0 0万 円 3 0 0 0 ‐3 5 0 0万 円 2 5 0 0 ‐3 0 0 0万 円 2 0 0 0 ‐2 5 0 0万 円 1 5 0 0 ‐2 0 0 0万 円 1 0 0 0 ‐1 5 0 0万 円 5 0 0 ‐1 0 0 0万 円 5 0 0万 円 未 満 20.0 18.0 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 ●すでに受け取った退職金を含む退職金の受け取り予定額の分布は以上の通りである。最頻値・中央値とも「20 00‐2500万円」である。分布では500万年未満や1000万円未満の人も出現しているが早期退職者が該当 していると思われる。(本調査はインターネットに接続された会社員、公務員などの給与所得者の早期退職者を含 む全国男性を母集団としている) 16<年令・夫婦合算年収別> 年令・夫婦合算年収別 退職金金額平均 (万円) 3161.8 2052.4 1810.0 2086.1 2439.2 2350.0 1997.3 1426.5 1 5 0 0万 円 以 上 (N= 1 7 ) 10001 5 0 0万 円 未 満 (N= 7 4 ) 定年退職予定者年令別 700-1000 万 円 未 満 (N= 91 ) 7 0 0万 円 未 満 (N= 6 8 ) 6 0歳 以 上 (N= 20 ) 5 7 - 5 9歳 (N = 183 ) 5 6歳 以 下 (N= 50 ) 定年退職予定者 退職金受取りあり (予 定 を 含 む ) (N= 2 5 3 ) 3500.0 3000.0 2500.0 2000.0 1500.0 1000.0 500.0 0.0 定年退職予定者夫婦合算年収別 ●退職金額の平均は2052万円で、56歳以下では1810万円、団塊世代の57-59才では2086万円、60才以 上では2350万円となっている。また、夫婦合算年収別には、700万円未満で1427万円、700-1000万円で19 97万円、1000‐1500万円においては2439万円、1500万円以上では3162万円となっている。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 45 17<定年退職金の使途> 問28:退職金をどのようにお使いになる予定ですか、あるいはどのようにお使いになりましたか。退職金入手後、1年 間を想定して、それぞれの項目へ割り当てる%をおきかせください。現在しっかりした計画がない場合でも、およその心 積もりで結構ですので、お聞かせください。 ●退職金の使途を5カテゴリーに分 定年退職予定者 退職金受取り予定あり け、それぞれの使途へ予定退職金 (受け取ったも含む)(N=253) のどのように割り振るか、その%を尋 (万円) 37.5 ねる形で質問した。 40.0 (%) 900.0 800.0 平均金額 35.0 700.0 平均割合 30.0 600.0 500.0 25.0 20.5 18.4 400.0 300.0 200.0 428.2 15.0 10.0 422.0 5.0 0.0 銀 行 ・郵 便 局 な ど の 預 貯 金 株 ・債 権 ・投 資 信 託 な ど の 投 資 旅 行 ・車 ・住 宅 な ど の 消 費 227.8 日常の生活費 195.9 住宅ローンなどの借入金返済 (万円) 778.5 9.2 100.0 0.0 20.0 14.4 38.8 40.0 (%) 平均金額 35.0 700.0 平均割合 30.0 500.0 25.0 20.9 17.7 400.0 200.0 795.1 15.0 9.6 447.5 10.0 415.3 5.0 0.0 銀 行 ・郵 便 局 な ど の 預 貯 金 株 ・債 権 ・投 資 信 託 な ど の 投 資 旅 行 ・車 ・住 宅 な ど の 消 費 住宅ローンなどの借入金返済 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 218.0 日常の生活費 210.2 100.0 0.0 20.0 13.1 300.0 46 ●「株・債券・投資信託などの投 資」へは18%、422万円へ振り向 け、「住宅ローン」などの借入金返 済」へは21%420万円、「日常の生 活費」へは14%、227万円。「旅 行・車・住宅などの消費」へは9%、 196万円となった。 ●団塊世代だけについても左表にま とめてある。 800.0 600.0 ●現在まだ退職金を受け取ってお らず、この3年先の退職予定である から、正確な計画はできていないと いうことを反映して、「銀行・郵便局 などの預貯金」が38%、779万円 と、最も多い使途となっている。 ●消費へ回る部分が少ないと感じ るが、まだ支出計画がしっかりしてい ない以上、手控えたいという意識が あるのだろう。 団塊世代の退職予定者 退職金受取り予定あり (受け取ったも含む)(N=183) 900.0 ●定年退職者全体ではその使途 への割り振り%と平均金額は左表 のようになる。 ●大筋において退職予定者全体と 違いはなく、とりあえず「ローンは返済 し」「ある程度は投資にまわし」あとは 様子を見るために「銀行・郵便局」へ 預けておくというところであろう。 18<退職金額別 退職金の使途> 定年退職金額別 退職金の使途 1500万円未満(N=81) 1500-3000万円未満(N=131) 3000万円以上(N=41) (万円)1600.0 1343.7 1400.0 1149.1 1200.0 916.1 1000.0 719.9 800.0 600.0 505.1 437.0 392.8 400.0 200.0 78.9 300.5 119.3 101.2 210.1 269.7 銀 行 ・郵 便 局 な ど の 預 貯 金 日常の生活費 株 ・債 権 ・投 資 信 託 な ど の 投 資 旅 行 ・車 ・住 宅 な ど の 消 費 住宅ローンなどの借入金返済 0.0 192.8 156.2 ●退職金の受け取り予定額別にその使途を見てみよう。 ●「1500万円未満」の人の平均受取額は725万円、「1500‐3000万円」の人の平均金額は2307万円、「3000万 円以上」の人は3860万円である。 ●絶対額に大きな差があるが、とくに差がある使途は株・債券・投資信託などの投資へあてる予定の金額だ。 「3000万円」以上の人は、これに1148万円もあてるが、中間クラスで393万円、少ないクラスでは101万円と開きが 大きい。逆に日常の生活費にあてる予定金額は、「3000万円」クラスでは中間クラスより少ない210万円でしかなく、 少ないクラスとそれほど違いがない。つまり、「3000万円」クラスでは日常の生活費には困らないだろうと考えており、そ こで投資にまわす余裕があるということだ。 ●中間クラスでは銀行・郵便局などの預貯金が相対的に大きい。ローンなどの借入金505万円を返済すると投資 へまわす残りがそれほどあるわけではなく、結局当面の預貯金へ回っているということだ。この中間クラスの数が大きい わけだから、預貯金からどれだけ消費に回るのかが経済的な意味合いでは重要だ。 ●実質的な大型消費は旅行・車・住宅が3大支出先だが、予想外に慎重な支出予定だ。「3000万円」クラスでも 437万円であって、このクラスの平均受け取り予定額の11%でしかない。中間クラスでは192万円(同8%)、少ない クラスでは79万円(同10%)である。退職後の夢やアイデアがいくらあっても、経済的な将来不安が払拭されな限り、 ただちに爆発的な消費が起こるとはいえないだろう。ただし、預貯金へ仮にあてられた金額が退職後どのような時期 に、どのように支出されていくのか見極める必要があろう。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 47 19<定年退職後の生活を豊にするために購入したい、サービス・商品> 問29:退職金や預貯金を使って、退職後の生活を豊かにするために、どのような商品やサービスを購入なさりたいです か。今後購入したい・実行したいとお考えの品目・サービスをすべてお聞かせください。(MA) 定年退職後の生活を豊にするために購入したい、サービス・商品(MA) (%) 60.0 50.1 定年退職予定者全体(N=345) 50.0 40.0 44.0 30.0 39.1 39.6 27.8 27.8 38.3 25.2 31.3 26.5 20.0 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 33.6 33.6 19.6 10.0 18.5 15.4 23.6 18.0 16.0 22.2 21.8 12.2 11.6 11.6 15.1 14.2 10.5 10.2 0.0 7.3 8.4 10.9 7.5 9.5 7.3 9.1 9.0 10.5 7.6 8.1 7.0 7.0 5.8 3.2 2.9 1.8 3.5 その他 記念品購入 リゾートクラブなどの会員権 液晶プロジェクター 4.6 3.8 2.2 0.7 1.7 2.5 子 の 住 宅 購 入 ・改 築 リ フ ォ ー ム 支援 イ ン テ リ ア ・家 具 食器洗浄乾燥機 自宅の新規購入 2.5 開 業 ・起 業 支 出 I H電 磁 調 理 器 孫の誕生支出 家族での海外旅行 ホームシアターセット 2.9 3.3 別荘等田舎暮らしの家 子 や 孫 の 入 学 ・進 学 支 援 支 出 D V Dレ コ ー ダ ー 趣味関係のイベント支出 家族での国内旅行 子どもの結婚支援支出 デ ジ タ ル 1眼 レ フ カ メ ラ 冷蔵庫など旧式になった家電の 買い替え パソコン 趣味関係の道具購入や会費支出 大 型 画 面 液 晶 ・プ ラ ズ マ テ レ ビ 自 宅 の 改 修 ・リ フ ォ ー ム 車 夫婦での海外旅行 株 ・債 券 ・投 資 信 託 な ど の 金 融 商品投資 夫婦での国内旅行 2.9 16.7 9.9 9.6 ●消費へ向かうだろうという退職予定者平均金額約200万円の品目別使途に目安をつけたい。 ●購入したいサービスのトップ10(株・投信などの金融商品を除く)は以下のようになる 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 男性退職予定者 夫婦での国内旅行 50.1% 夫婦での海外旅行 38.3% 車 33.6% 自宅のリフォーム 33.6% 大型画面テレビ 27.8% 趣味関係の道具 27.8% パソコン 25.2% 家電の買い替え 18.0% デジタル一眼レフカメラ 15.4% 子供の結婚支援 15.1% 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 団塊世代の妻 夫婦での国内旅行 夫婦での海外旅行 自宅のリフォーム 大型画面テレビ 子供の結婚支援 家族での国内旅行 車 家電の買い替え 家族での海外旅行 趣味関係の道具 44.0% 39.6% 31.3% 23.6% 22.2% 21.8% 19.6% 18.5% 16.7% 16.0% ●夫婦での「国内」「海外」旅行、「自宅リフォーム」、「大型画面テレビ」がほぼ夫婦共通した購入希望アイテムで あって、男性が希望する割合が高いのが「車」と続いている。 ●後に、海外旅行・リフォーム・車への購入希望の詳細を分析するが、ここでは購入希望者の平均購入(支出金 額)を用いて、退職金の割り振り%から計算した大型消費(上記海外旅行・リフォーム・車)とのバランスをみてみよ う。 ●海外旅行の平均支出希望金額278万円(6.8回)、リフォーム339万円、車246万円であって、それぞれの男性の 購入意向は38.3%、33.6%、33.6%であるから、全体としてはこの3つの合計支出は男性退職予定者平均で314 万円となる。割り振り%からの計算が200万円であったから、それを上回ることになる。 ●もちろん、これらは現在の貯蓄や、いったん預貯金へ回された退職金からも支出されるだろうから、おかしな話では ない。むしろ原資はどこであろうと、この程度の支出はありうると考えられる。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 48 20-(1)<購入したい車の大きさ(排気量)と支出金額> 問30-2:ご購入なさりたい車の大きさ(排気量)をお知らせください。(SA) 問30-4:車の購入に支出してもよいと思われる金額をお知らせください。(SA) ●退職予定者の車への希望の内 容から見ていこう。 購入したい車の大きさ(排気量)と支出金額 支出金額 小さい車(排気量1500cc以下) 大きな車(排気量2500ccより大きい) 72.7 313.8 64.6 59.5 246.1 249.0 184.1 19.0 55.0 13.6 15.0 16.4 14.6 15003 0 0 0万 円 未 満 (N=48) 1 5 0 0万 円 未 満 (N=22) 定年退職予定者 車購入意向あり (N=116) 13.6 5.2 25.0 18.8 3 0 0 0万 円 以 上 (N = 2 0 ) (万円) 350 300 250 200 150 100 50 0 ●車の購入希望者は男性退職 予定者の33.6%。支出しても良い という平均支出予定金額は246万 円。希望サイズは排気量15002500ccの中型車。 軽自動車 中くらいの車(排気量1500-2500cc) 0.0 5.0 2.1 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 ●退職金額別には、3000万円以 上のプチ退職富裕層では排気量 2500ccより大きい大型車への希 望が多く、平均314万円支出して も良いとしている。 (%) ●小型車(排気量1500cc以下) を購入したいという人は、退職金額 の多寡にかかわらず存在しており、 夫婦でのライフスタイルを意識した ものかもしれない。 定年退職金額別 20-(2)<購入したい車のタイプと重視点> 購入したい車のタイプ(SA) セダン 1ボックスカー(ステップワゴンなど) コンパクトカー(ビィッツ、フィットなど) ハッチバック(カローラリンクスなど) その他 定年退職予定者 車購 入意向あり(N=116) ステーションワゴン(カロラフィールダーなど) 4WDカー(パジェロなど) クーペ・スペシャリティカー(フェアレディZなど) 軽自動車 47.4 団塊世代の夫を持つ妻 車購入意向あり(N=54) 13.8 53.7 9.5 20.4 8.6 0.0 1.7 10.3 4.3 4.3 5.6 7.4 3.7 7.4 1.9 0.0 0.0 車を購入する時の重視点(MA) 58.6 51.7 46.6 43.1 32.8 31.9 定年退職予定者 車購入意向あり(N=116) 25.9 25.0 25.0 22.4 19.8 19.0 19.0 18.1 13.8 昔からのこだわりに あっていること 保 証 ・サ ー ビ ス が よ いこと 外観デザインのセン スがあっていること 活動的な暮らしに あっていること 一度は乗ってみたい という満足を満たす 駐車スペースにピッ タリなこと 最新の機器が組み込 まれていること 少し贅沢をできるこ と お得なこと 力強いエンジンなこ と 取り回しが楽なこと エコロジーや省エネ の時代にあっている 夫婦のライフスタイ ルにあっていること 車内がゆったりして いること 安全を重視している こと (%) 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 49 ●購入したい車のタイプは「セダ ン」が最も多く5割前後を占める が、妻では「ステーションワゴン」に も人気がある、一方1ボックスカー や4WDには妻の支持は少ない。 ●車購入時の重視点は「安全 を重視していること」がもっとも多 く、ついで「車内がゆったりしてい ること」「夫婦のライフスタイルに 合っていること」「エコロジーや省エ ネの時代にあっていること」が続 く。「取り回しが楽なこと」も3割 人が支持している。 ●逆に「昔からのこだわり」や「保 証・サービスのよさ」「外観・デザイ ンのよさ」などは下位の重視点と なっている。 ※総じて、機能や能力というよ り、安全性やゆったり感のある車 であることを重視しているといえる だろう。 20-(3)<夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :夫婦で乗る車> 問24:夫婦で楽しむための商品・サービスを選ぶとき、あなたがこだわって重視したいキーワードは以下のどれですか。 あなたの感じに少しでもピンと来るものがあれば、それぞれいくつでもお知らせください。(MA) 夫婦で乗る車を選ぶキーワード % 団塊世代の妻(N=275) 62.2 51.3 33.5 21.7 4.6 17.1 14.2 11.0 22.6 8.7 20.9 20.0 18.6 5.2 3.5 3.5 2.5 13.1 14.2 3.8 7.3 12.7 8.4 26.4 18.2 1.8 人に自慢できる 体の楽な 高機能の 6.4 7.3 自分のペースでやれ る わかりやすい むずかしくない 3.6 6.4 きままな ちょっと贅沢な 2.3 低価格の 若々しい スローな 人間らしい 2.9 3.3 1.8 丁寧な シンプルな 友達や家族と楽しむ 年相応の 5.5 1.5 24.7 上質な いままでにない 9.1 20.4 3.8 先進の 2.5 11.9 10.1 こだわりのある 自然と調和した 安全に気を配った 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 定年退職予定男性(N=345) 1.7 ●<夫婦で乗る車>というコンセプトでのこだわりのキーワードは「安全に気を配った」が最も受容なこだわり点である が、「体の楽な」「シンプルな」「上質な」などのキーワードが続いている。前の重視点の回答と類似した結果となってお り、車選びは夫婦中心のライフスタイルをかなり意識したものだといえるだろう。 21-(1)<住宅リフォームの内容> 問31-2:リフォームにかけてもよいという金額はいくらぐらいでしょうか。(SA) ●住宅リフォームをする予定の人は退 職予定者の33.6%。 リフォームにかけてもよい金額(平均) (万円) 382.8 352.0 339.0 ●退職金額の多寡にはそれほどかか わらず、3‐400万円というところであろう か。 277.8 3 0 0 0万 円 以 上 (N=16) 1 5 0 0 - 3 0 0 0万 円 未 満 (N=51) 1 5 0 0万 円 未 満 (N = 1 8 ) 定 年 退 職 予 定 者 リ フ ォ ー ム 意 向 あ り (N = 1 1 6 ) 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 ●住宅リフォームにかけても良いという 金額はリフォーム予定のある退職予定 者平均で339万円。 定年退職金額別 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 50 問31-3:リフォームをなさろうという目的は何ですか。(MA) ●住宅リフォームの目的は、「快 適な暮らしのため」という項目を 除いて考えると、「内装が汚れた ので」「水周りが古くなったので」 など住宅のネガティブを改修する という側面が多く、「高齢で体が 弱ったときに使いやすくするため」 というバリアフリー対策や「安全 な暮らしのため」という安全対 策、「環境にやさしくするため」の 積極的改修などのポジティブな 側面はやや少なめだ。 リフォームの目的(MA) (%) 70.0 60.0 58.6 団塊世代の夫を持つ妻 リフォーム意向あり(N=86) 46.6 50.0 40.0 定年退職予定者 リフォーム意向あり(N=116) 41.4 47.7 33.6 43.0 33.7 37.2 30.0 32.6 20.0 28.4 22.4 31.0 23.3 19.8 10.0 23.3 19.0 16.4 17.4 8.1 1.2 0.0 1.7 その他 環境にやさしくするため 家族構成の変化に合わせるため 地震対策のために 家事をしやすくするため 外壁が汚れたので 安全な暮らしのため 高齢で体が弱ったときに使いやすくす るため 水周りがふるくなったので 内装が汚れたので 快適な暮らしのため 0.9 ●もっともリフォーム目的は複合 的であろうから、これらの目的が いくつか組み合わさった目的とい うことになろう。 21-(2)<夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :住宅リフォーム> 問24:夫婦で楽しむための商品・サービスを選ぶとき、あなたがこだわって重視したいキーワードは以下のどれですか。 あなたの感じに少しでもピンと来るものがあれば、それぞれいくつでもお知らせください。(MA) 住宅リフォームのキーワード 定年退職予定男性(N=345) % 団塊世代の妻(N=275) 人に自慢できる 体の楽な 高機能の 自分のペースでや れる わかりやすい むずかしくない きままな ちょっと贅沢な 低価格の 若々しい スローな 人間らしい 丁寧な シンプルな 友達や家族と楽し む 年相応の 上質な いままでにない 先進の こだわりのある 自然と調和した 安全に気を配った 70.0 57.5 50.5 60.0 46.2 50.0 32.4 40.0 50.4 24.4 23.8 22.9 18.2 30.0 21.7 18.2 19.1 21.7 36.2 14.2 37.1 12.2 20.0 7.8 9.5 25.8 23.6 5.8 23.8 6.1 1.7 3.8 2.9 1.8 14.9 18.2 10.0 15.3 11.6 14.8 13.1 10.5 11.6 7.3 0.0 5.1 5.2 8.7 2.9 1.5 1.4 1.5 ●夫婦で楽しむ住宅という観点からのリフォームの重視点は、「安全性」「シンプル」「体の楽な」「自分のペースでや れる」「自然と調和した」「上質な」などがキーワードにあげられている。安全性・シンプル・体の楽な、などは基調とな る視点であろうが、「自然との調和」「自分のペースでやれる」という視点は退職後の夫婦の日常生活をかなり意識 した項目ではなかろうか。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 51 22-(1)<海外旅行への希望> 問32-1:退職後、ご夫婦や友人、家族との海外旅行には何回ぐらい出かけたい とお考えですか。(SA) 問32-2:退職後、夫婦や家族、友人との海外旅行に総額どの程度の支出をな さってもよい、とお考えですか。(SA) ●定年退職後の夫婦での海外旅行は退 海外旅行:金額・回数 職予定者38.3%妻39.6%。家族との海外 金額 旅行はそれぞれ9%、16.7%が行きたいとし 回数 (万円) 278.4 (回) 300.0 8.0 ている。 265.0 250.0 ●退職後の海外旅行の希望回数、支出 しても良い平均合計金額は、退職予定者 6.8回、278万円。妻は7回、265万円であっ た。一回あたり35‐40万円を想定しているよ うだ。 7.0 6.8 200.0 7.0 150.0 100.0 6.0 50.0 団塊世代の夫を持 つ 妻 海 外 旅 行 意 向あり (N = 1 2 2 ) 定年退職予定者 海外旅行意向あり (N=146) 0.0 ●出かけたい海外旅行の狙いは「歴史建 造物・伝統をめぐる観光」、「不思議な大自 然発見」、「グルメやショッピングを楽しむ」が 3大目的となっている。 5.0 問32-4:退職後、出かけたい海外旅行の狙いは次のどれですか。(3MA) 海外旅行の目的(MA) (%) 定年退職予定者 海外旅行意向あり(N=146) 80.0 団塊世代の夫を持つ妻 海外旅行意向あり(N=122) 60.0 59.0 40.0 41.8 53.4 20.0 32.8 37.7 30.1 33.6 27.9 28.7 24.0 25.3 23.0 0.0 20.5 14.4 19.9 9.0 18.9 6.8 13.7 2.7 2.1 0.0 0.0 その他 0.7 語 学 や 料 理 、ガ ー デニングを学ぶ ホームステイ 3.3 エ ス テ ・ス ポ ー ツ などを体験する 4.1 植 物 ・動 物 の 生 態 を学ぶ 海外の家族や友人 と会う 音楽や芸術観賞に こだわった旅 移住やロングステ イの研究 鉄道やクルーズで めぐる各地の旅 退職のため夫婦の 記念や慰労 世界各地の人々の 生活や文化と触れ 合う 滞在型リゾートで ゆっくり過ごす グルメやショッピ ングを楽しむ 不思議な大自然の 発見 歴 史 建 造 物 ・伝 統 をめぐる観光 2.5 3.3 22-(2)<夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :海外旅行> % 夫婦で行く海外旅行のキーワード 0.0 人に自慢できる 体の楽な 0.6 高機能の 自分のペースで やれる 6.1 わかりやすい むずかしくない きままな ちょっと贅沢な 低価格の 0.7 若々しい スローな 人間らしい 丁寧な シンプルな 友達や家族と楽 しむ 年相応の 上質な いままでにない 0.9 4.6 先進の こだわりのある 自然と調和した 安全に気を配っ た 定年退職予定男性(N=345) 団塊世代の妻(N=275) 60 44.7 50 39.1 32.4 40 27.6 26.2 30 17.5 19.4 16.7 14.5 16.0 33.5 14.8 12.0 9.8 20 33.3 4.7 8.7 26.4 0.7 4.3 8.7 1.8 5.1 1.4 0.9 10 20.9 16.0 15.9 15.7 15.1 12.8 11.6 14.8 0 2.6 7.8 7.2 3.6 6.5 ●夫婦で楽しむ海外旅行のこだわりのキーワードとしては、「安全に気を配った」「ちょっと贅沢な」「自分のペースでや れる」「体の楽な」「年相応の」「自然と調和した」などがあげられている。パック旅行でも日程や行程に余裕のある商 品が望まれているということになろう。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 52 <夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :まとめ> 問24:夫婦で楽しむための商品・サービスを選ぶとき、あなたがこだわって重視したいキーワードは以下のどれですか。 あなたの感じに少しでもピンと来るものがあれば、それぞれいくつでもお知らせください。(MA) 定年退職予定者(N=345) 夫婦で住む家へリフォームするときのキーワード 夫婦で行く海外旅行を選ぶときのキーワード 60.0 (%) 夫婦で楽しむ大型液晶画面テレビを選ぶときのキーワード 51.3 50.0 40.0 夫婦で乗る車を選ぶときのキーワード 50.4 39.1 37.1 36.2 33.3 33.0 29.6 30.0 20.0 10.0 6.1 0.0 23.8 14.8 12.2 3.5 わからない 人に自慢できる 体の楽な 高機能の 自分のペースでやれ る わかりやすい むずかしくない きままな ちょっと贅沢な 低価格の スローな 人間らしい 丁寧な シンプルな 友達や家族と楽しむ 年相応の 上質な いままでにない 先進の こだわりのある 自然と調和した 安全に気を配った 0.3 22.6 20.6 20.9 20.0 20.9 26.4 21.7 15.7 19.1 15.4 18.6 11.3 15.9 6.4 8.7 8.4 14.2 15.7 1.7 6.1 5.2 2.3 10.4 1.7 1.4 6.4 3.8 1.4 5.2 6.1 0.9 2.6 2.6 0.6 0.6 1.4 1.4 0.6 若々しい 21.7 22.9 19.4 11.6 15.114.8 21.7 11.3 22.6 12.8 7.8 17.1 10.1 8.7 14.8 4.6 11.0 11.9 4.6 5.2 3.8 3.8 3.5 7.8 7.2 3.8 7.2 4.3 2.9 1.2 0.9 2.6 2.0 0.6 18.3 26.4 25.8 26.1 25.5 23.8 ●男性定年退職予定者に絞って、定年後購入意向のある夫婦で楽しむ商品トップ4について、その重視点(こだわ りのキワード)を整理してみよう。 (1)「安全性」:大型画面テレビを除けば、残りの3つ、特にリフォームと車については50%を越えるこだわりを示してい る。「安全性」はいわばこれからの暮らしの原点ともいえることで、いいかえればリスクが少ないことがまず重要ということ になろう。 (2)「シンプル」:「海外旅行」をのぞけば、シンプルという特性もこだわりの重視点である。「リフォーム」や「大型画面テ レビ」や「車」へもこの特性は望まれているところだ。シンプルだから体も楽だし、人間らしいともいえるかもしれない。 (3)「ちょっと贅沢な」:「海外旅行」でよく現れているが、「自分のペースでやれる」「年相応な」「きままな」などのこだ わりと関係していて、単に高額のとか、高級なという意味合いではなさそうだ。 (4)「高機能」:大画面テレビで重視されて入るが、それもたんに機能性が高いだけではなくて、「低価格の」(割安感 のある)、「上質感」が期待され、しかも操作がわかりやすいことが重要である。 23<夫婦で楽しむ商品選定因子> 固有値・寄与率 100 3 2.5 固有値 2 60 1.5 40 1 20 0.5 0 0 1 2 3 4 5 因子 6 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 7 8 53 9 累積寄与率(%) 80 ●夫婦で楽しむこれからの生活 で購入意向の強い「リフォーム」 「海外旅行」「車」「大画面テレ ビ」を選択する因子は第5因子 までが影響しているが、特に第2 因子までが大きく効いているので この2因子で商品ポジションマッ プを描いてみよう。 ●第1因子は「人間らしくやりた いな」因子とでも呼べる因子で、 高機能や先進性を重視しない という因子である。 ●第2因子は同時に「高品質 志向」とでも呼べる因子で、上 質、ちょっと贅沢、ということを重 視する因子である。 夫婦で楽しむ購入意向商品のこだわりの重視点(キーワード) 第1因子:人間らしくや り たいな -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.3 0.4 0.5 0.6 自分のペースでやれる 人間らしい 体の楽な スローな 自然と調和した 安全に気を配った 年相応の きままな シンプルな 丁寧な 友達や家族と楽しむ わかりやすい むずかしくない こだわりのある 若々しい 人に自慢できる ちょっと贅沢な 上質な 低価格の いままでにない 先進の 高機能の 第2因子:高品質志向 -0.1 0 0.1 0.2 高機能の 上質な 先進の ちょっと贅沢な こだわりのある 丁寧な 人に自慢できる いままでにない わかりやすい むずかしくない 若々しい 安全に気を配った 体の楽な 低価格の 友達や家族と楽しむ 自然と調和した 人間らしい きままな スローな 年相応の シンプルな 自分のペースでやれ 商品のポジショニングマップ 1 海外旅行 リフォーム 大型画面テレビ 車 暮らし全般 高 志 品 向 0 質 -1 -1 0 人間らしさ志向 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 1 54 24<夫婦で楽しむこれからの暮らしへのこだわりの重視点(キーワード) > 問24:夫婦でこれからの暮らし楽しむとき、あなたがこだわって重視したいキーワードは以下のどれですか。あなたの感じ に少しでもピンと来るものがあれば、それぞれいくつでもお知らせください。(MA) これからの望ましい暮らしのキーワード % 男性退職予定者(N=345) 団塊世代の妻(N=275) 60.0 50.0 40.0 40.9 23.8 30.0 20.0 25.5 26.2 18.3 12.4 26.1 5.5 32.4 26.5 9.8 7.5 15.6 14.5 14.5 14.8 19.3 35.1 18.6 5.8 14.2 2.6 人に自慢できる 5.5 体の楽な 8 6.2 19.7 高機能の 5.1 10.1 自分のペースでや れる わかりやすい むずかしくない きままな 2.9 ちょっと贅沢な 低価格の 7.5 若々しい スローな 人間らしい 4.9 丁寧な シンプルな 友達や家族と楽し む 年相応の 1.5 37.1 20.6 20.3 上質な いままでにない 先進の こだわりのある 自然と調和した 安全に気を配った 2.9 36.5 28.4 16.5 4.4 2.6 10.0 0.0 41.8 35.6 1.8 ●これからの暮らしの重視点として、暮らし全般について、どのようなキーワードがあげられたのか見てみよう。 ●ある程度、男性も妻も似た傾向があるが、重要なポイントは「安全」「自然との調和」「シンプル」「人間らしい」「自 分のペースでやれる」「体の楽な」となろう。逆にこれからはあまり重視しない、というポイントは「先進の」「今までにな い」「人に自慢できる」「高機能の」「丁寧な」というあたりであろうか。 <これからの暮らしの重要因子> 数量化Ⅲ類による抽出因子 固有値 寄与率 累積寄与率 相関係数 第1軸 0.3356 8.41% 8.41% 0.5793 第2軸 0.2896 7.26% 15.68% 0.5381 第3軸 0.2879 7.22% 22.90% 0.5366 第4軸 0.2672 6.70% 29.59% 0.5169 <第1軸:スローでシンプルに暮らせるかどうか> ●これからの暮らしの重視点を因 子分析した。 ●7軸までの合計因子寄与率は 50%あまりで、十分高いとはいえ ないが、そのうち主要な4軸につい て、見てみよう。残りの因子は4軸 の裏側に相当するものであるよう に判断したためである。 ●<第1軸>は「スローライフ軸」 である。「スロー」で「シンプル」で 「わかりやすい」暮らしを重視した いと考えるか、「先進の」高機能 の」「ちょっと贅沢な」暮らしが良い かという軸である。 スローライフ軸 スローな シンプルな わかりやすい 自分のペースでやれる 年相応の 自然と調和した むずかしくない 体の楽な 友達や家族と楽しむ 人間らしい 安全に気を配った きままな 低価格の 若々しい 丁寧な こだわりのある ちょっと贅沢な 高機能の 上質な 先進の -4 -3 -2 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp -1 0 55 1 <第2軸:マイペースでできるかどうか> マイペース軸 ●<第2軸>は「マイペース軸」 である。「きまま」「自分のペースで やれる」ちょっと「上質な」「丁寧 な」暮らしを重視するか、逆に「低 価格の」「先進の」「若々しい」暮 らしを重視するか、という軸であ る。 きままな 自分のペースでやれる 上質な 丁寧な スローな こだわりのある 自然と調和した 人間らしい ちょっと贅沢な 友達や家族と楽しむ 年相応の 体の楽な 高機能の シンプルな 安全に気を配った わかりやすい むずかしくない 若々しい 先進の 低価格の -5 -4 -3 -2 因子負荷量 -1 0 1 2 3 <第3軸:若々しく付き合えるかどうか> 交際志向軸 ●<第3軸>は「交際志向軸」 である。「若々しい」「人間らしい」 「友達や家族と楽しむ」ことの出 来る付き合いを重視するという暮 らしか、逆になるべく人との付き合 いを避け「シンプル」に、無駄を避 けた「低価格の」「スローな」暮ら しを望むか、という軸である。 若々しい 人間らしい 友達や家族と楽しむ 自分のペースでやれる こだわりのある 年相応の 安全に気を配った ちょっと贅沢な 自然と調和した 体の楽な 先進の きままな 高機能の 丁寧な わかりやすい 上質な むずかしくない スローな 低価格の シンプルな -2 -1 0 因子負荷量 1 2 3 4 5 <第4軸:年相応に暮らせるかどうか> 年相応軸 ●<第4軸>は「年相応に」「安 全に気を配った」そういう意味で 「高機能な」「自然と調和した」そ れなりの年相応な安定した暮ら しを重視するか、もしくは「若々し く」活動的な「こだわりを持って」 物事を割り切った「シンプル」で行 動的な暮らしを望むか、という軸 である。 年相応の 安全に気を配った 高機能の 自然と調和した 体の楽な 上質な 人間らしい 先進の 友達や家族と楽 ちょっと贅沢な わかりやすい むずかしくない スローな 丁寧な 自分のペースでや 低価格の きままな こだわりのある シンプルな 若々しい ※これら4軸で全ての「これからの 暮らし」の重視点を説明できるわ けではないが、主要なポイント(こ だわり)は抽出されているように思 う。 -4 -3 -2 因子負荷量 -1 0 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 1 56 2 3 25<投資型金融商品への関心> 問33:あなたは外貨建金融商品・株式・投資信託などの投資型の金融商品に ついてどの程度の知識があると思われますか。(SA) 投資型金融商品の知識 かなりある 定年退職予定者全体(N=345) 10.1 ある程度ある ほとんどない まったくない 30.4 19.7 39.7 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 4.0 32.4 35.3 28.4 問34:今後2‐3年の間で、預貯金以外に投資型の金融商品を始めてみようと 思われますか。(SA) 投資型金融商品への関心 たいへん思う 定年退職予定者 金融商品 知識なし(N=173) 8.1 団塊世代の夫を持つ妻 金 4 融商品知識なし(N=175) ある程度思う 24.3 あまり思わない まったく思わない 32.9 18.9 34.7 31.4 45.7 関心のある金融商品のタイプ(MA) 100.0 90.0 88.2 定年退職予定者 金融商品知識あり&始めたい(N=228) 80.0 70.0 団塊世代の夫を持つ妻 金融商品知識あり&始めたい(N=140) 73.6 60.0 55.7 50.0 46.9 40.0 28.5 30.0 22.8 20.0 14.5 23.6 20.0 10.0 10.0 0.0 57 2.1 1.3 その他 投資型年金保険商品 債券 外貨建金融商品 投資信託 株式 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp ●一方、株や投資信託に知識 がない人について、今後の投資 型の金融商品への投資意向に ついてたずねた。 結果的には、知識がない人も男 性で、そのうち32%の方は関心 を持って投資して見たいと思って いる。妻の方はややそれより少な いが、そのうち23%の人は始めて みたいとしている。 ●どのような金融商品に関心が あるのかをたずねている。 問35:どのタイプの金融商品にご関心がありますか。(MA) (%) ●株や投資信託に関する知識 の有無についてはどうか。 ●「ある小計」で男性は約 50%、妻では36%の人が、「ある 程度ある」も含めて、知識を持つ 人が存在している中で、株や投 資信託を購入したいという人は、 男性定年退職予定者では 39%、妻では27%あった。 ●男性も妻も同様の傾向である が、金融商品に対する知識があ るか、もしくは知識はなくとも始め たいとする人への関心は、株式へ と向かっていることが最も多い。つ いで投資信託であり、その他の 金融商品はかなりな知識のある 人が関心を持っている様子であ る。 「団塊世代の退職調査研究」 第3章 「退職者および退職者の妻への調査」 結果報告 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 58 <調査概要> 1)退職者の男性調査 1 2 3 4 5 対象者: 有効回答数: 調査方法: 調査地域: 調査時期: 57歳~65歳の退職者男性 N=353 インターネット、メール&ウェブ 全国 2006/8/12-8/15 2)退職者の夫を持つ妻調査 1 2 3 4 5 対象者: 有効回答数: 調査方法: 調査地域: 調査時期: 退職の夫を持つ妻 N=236 インターネット、メール&ウェブ 全国 2006/8/12-8/15 比較として 2006年4月実施の「退職予定者および団塊世代の夫を持つ妻調査」の結果も併載した。 ①今後3年間に定年退職(早期退職を含む)を予定している男性給与所得者:有効回収345s ②団塊世代(56-58歳)を夫に持つ妻:有効回収275s 3)調査項目 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 対象者のプロフィール 自分は人生の何合目にいるか 自分の人生への満足度 第2の人生への考え方 60代の生活目標 退職後にやりたい夢やアイデアと実現したこと 定年退職への態度 定年退職後の生活への経済的不安 定年退職後の就労 定年退職者と妻の生活スタイル 夫の自立と妻の評価:自分でできること、できると思うこと 自分の居場所 夫婦仲の認識 団塊世代の意識 定年退職後のライフスタイル意識 退職金金額 定年退職金の使途 定年退職後の生活を豊にするために購入したい、サービス・商品 購入したい車の大きさ(排気量)と支出金額 購入したい車のタイプと重視点 夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :夫婦で乗る車 住宅リフォームの内容 夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :住宅リフォーム 海外旅行への希望 夫婦で楽しむ商品サービスへのこだわりの重視点(キーワード) :海外旅行 投資型金融商品への関心 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 59 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 60 62 63 64 65 66 69 71 72 73 76 77 78 79 80 82 83 84 88 88 89 90 90 91 92 93 <(1)「退職男性および退職者を夫に持つ妻への調査」(2006年8月):対象者のプロフィール> <退職者男性> <退職者を夫に持つ妻> 年令別(SA) 57歳 58歳 59歳 60歳 3.4 全体(N=353) 2.5 4.2 10.8 9.9 61歳 62歳 63歳 16.1 12.5 19.5 64歳 60歳以上 21.0 合計(N=236) 12.7 61.4 25.8 夫の退職年(SA) 1997年以前 2001年 2005年 1998年 2002年 2006年 1999年 2003年 8.8 3.77.1 10.2 13.3 15.0 1997年以前 2001年 2005年 2000年 2004年 17.8 11.6 8.5 4.0 1500万円未満 3000万円以上 23.4 合計(N=329) 22.5 1999年 2003年 15.3 2000年 2004年 15.7 14.8 9.3 夫の退職金額(SA) 1500-3000万円 わからない 48.9 1998年 2002年 2006年 合計(N=236) 5.92.54.7 8.9 7.2 15.7 退職金額(SA) 夫婦年収(SA) 55-59歳 65歳 退職年(SA) 全体(N=353) 54歳以下 年令別(SA) 1500万円未満 5.2 1500-3000万円 24.5 合計(N=204) 3000万円以上 36.8 17.6 わからない 21.1 夫婦年収(SA) 700万円未満 1000-1500万円未満 わからない 81.9 全体(N=353) 700万円未満 1000-1500万円未満 わからない 700-1000万円未満 1500万円以上 70.8 合計(N=236) 9.3 3.7 0.8 4.2 700-1000万円未満 1500万円以上 11.4 4.7 1.311.9 夫の就労パターン(SA) 就労パターン(SA) 就労していない 再雇用の形で元の会社で働いている 就労していない 再雇用の形で元の会社で働いている 臨時雇用の形で元の会社で働いている 正規採用の形で別な会社で働いている 臨時雇用の形で元の会社で働いている 正規採用の形で別な会社で働いている 臨時雇用の形で別な会社で働いている 収入はないがボランティアで働いている 収入はないがボランティアで働いている その他 臨時雇用の形で別な会社で働いている その他 4.5 全体(N=353) 49.6 2.5 9.6 10.5 6.2 合計(N=236) 17.0 44.9 5.94.2 14.8 16.9 2.510.6 ●対象者の年令 退職者男性は90%以上が60歳以上。妻は74%が60歳未満。 ●退職年 退職者男性において、2年未満(2005年以降)が13%、2‐3年(2003‐4年)が29%あまり、4‐5年(2002‐ 2001年)が28%あまり、それ以上前が約30%となっている。妻の調査では夫の退職年は2年未満が25%程度を 占めており、2‐3年の夫が、同様に30%を占めるところから、比較的最近の退職者を夫に持つ妻である。 ●退職金額 退職者男性においては1500‐3000万円のグループが最も多く、49%を占める。妻の調査では「わからない」とす る人も多い。 ●夫婦年収 退職者男性、妻ともに700万円以下が最も多い。退職金金額と同様に、妻では「わからない」と回答する人が多 い。 ●就労パターン 退職者男性の就労の有無をみると、「就労していない」が約5割、なんらかの(元の会社、別の会社合計)形で正 規雇用の人は14%、臨時雇用の形では13%、となっている。収入がないがボランティアで働いている人は6%、その 他が17%である。 妻の調査では「就労していない」45%、正規雇用21%、臨時雇用やはり約20%あまり、となっている。夫の年令が 相対的に若いせいか、多少就労率が高い傾向である。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 60 <(2)「退職予定者および団塊世代の夫を持つ妻への調査」(2006年4月):対象者のプロフィール> <2006年以降退職予定男性> <団塊世代の夫を持つ妻> 56歳以下 年令別(SA) 全体(N=345) 22.3 退職予定年(SA) 全体(N=345) 退職金額(SA) 全体(N=253) 全体(N=332) 60歳 71.6 2006年中 6.1 2007-2009年 20.0 7.2 1500-3000万円未満 32.0 700万円未満 1000-1500万円未満 27.7 全体(N=93) 700-1000万円未満 1500万円以上 30.1 44.7 6.0 夫婦年収(SA) 全体(N=231) 就労パターン(SA) 55歳以上 55.3 13 2007-2009年 2010年以降 62.7 1500万円未満 夫の退職金額(SA) 16.2 36.1 54歳以下 夫の退職予定年(SA) 2006年中 全体(N=193) 3000万円以上 51.8 年令別(SA) 全体(N=275) 2010年以降 72.8 1500万円未満 夫婦年収(SA) 57-59歳 24.4 1500-3000万円未満 31.2 3000万円以上 50.5 700万円未満 1000-1500万円未満 24.7 39.0 18.3 700-1000万円未満 1500万円以上 26.8 9.5 夫の就労パターン(SA) 1社で継続勤務中 籍は元の会社にあるが関連会社へ出向中 1社で継続勤務中 籍は元の会社にあるが関連会社へ出向中 籍をかえて関連会社社員として勤務中 前の会社から別会社へ転職 籍をかえて関連会社社員として勤務中 前の会社から別会社へ転職 その他 全体(N=345) その他 55.4 8.7 12.2 20.9 2.9 全体(N=275) 62.5 6.25.8 16.7 8.7 ●対象者の属性を事前に見ておこう。 <2006年以降3年以内の退職予定男性> ●退職予定男性は、ここ3年程度で退職予定があるという限定から、57-59才(現在の団塊世代)が72%をしめ、 56才以下が22%、60才が6%を占めている。 ●退職予定年も2007-2009年が73%、2006年中が20%という構成である。 ●退職金額の回答を得られたのは345s中253sである。1500-3000万円が52%をしめるが、1500万円以下も22% あり、3000万円以上は16%。 ●夫婦合算額面年収は700-1000万円が36%、1000-1500万円が30%、700万円以下が28%である。 ●その就労パターンは1社で継続勤務中が55%。何らかの転職・移籍・出向組みは42%という構成である。 <団塊世代の夫を持つ妻> ●年令は団塊世代の妻ということもあって、同年代もかなり含まれて入るが(後述)、55歳を分岐点として、その上、 その下がおよそ半分ずつとなっている。 ●夫の退職予定年は、(夫の退職予定年をわかっている193sについて)2007-2009年が63%、2010年以降が 24%、2006年中が13%となっている。 ●夫の退職金額は、(わかっている92sについて)男性退職予定者の回答分布と近い。 ●夫婦合算年収も男性退職予定者調査の回答分布に近い。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 61 Ⅰ.調査結果の要約 1<自分の人生の何合目にいるか> 【全対象者】問1:人生を山登りにたとえると、あなたはいま山の何合目にいると思われますか。(頂上を10合目としま す) (SA) 自分の人生の何合目にいるか(男性) 2006年以降退職予定男性(N=345) (%) 30.0 退職者男性(N=353) 24.1 25.0 21.8 19.7 18.4 20.0 16.4 14.5 15.0 16.1 10.0 10.7 9.9 9.3 8.4 11.3 3.7 7.4 5.0 0.6 0.6 0.0 ●自分は今人生の何合目にいるか。退職者 男性では「くだりの7‐8合目」とする人が最も多 く、22%あまり。「下り合計」では68%の人がそ う認識している。 一方(比較のために)退職予定者では「のぼり の7‐8合目」という人が24%と最も多く、「登り 合計」では64%いる。退職というイベントが男 性の「のぼり」「くだり」認識の分水嶺となってい る。 3.7 2.3 くだりの 1 - 2合 目 くだりの 3 - 4合 目 くだりの 5 - 6合 目 くだりの 7 - 8合 目 くだりの 9 - 1 0合 登りの 91 0合 目 登りの 78合 目 登りの 56合 目 登りの 34合 目 登りの 12合 目 0.6 0.6 ●女性ではどうなのか。やはり退職というイベ ントは人生の上り下り意識に影響があるもの なのか。 自分の人生の何合目にいるか(女性) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 退職者の夫を持つ妻(N=236) (%) 30.0 23.3 25.0 23.7 20.4 25.4 19.3 20.0 12.7 15.0 8.7 13.1 10.0 5.0 9.8 7.6 11.0 6.8 3.6 6.2 0.0 1.1 5.5 0.0 1.7 く だ り の 1 - 2合 目 く だ り の 3 - 4合 目 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp く だ り の 5 - 6合 目 く だ り の 7 - 8合 目 く だ り の 9 - 1 0合 目 登 り の 9 - 1 0合 目 登 り の 7 - 8合 目 登 り の 5 - 6合 目 登 り の 3 - 4合 目 登 り の 1 - 2合 目 0.0 0.0 62 退職者男性を夫にもつ妻で最も多いのはや はり「くだりの7‐8合目」25%、あるいは「くだり の9‐10合目」24%。「下り合計」で70%と なる。他方団塊世代の夫を持つ妻はどうだろ うか。最も多いのは「のぼりの7‐8合目」 23%、あるいは「のぼりの9‐10合目」20%で ある。「登り合計」は54%しかない。「くだりの 7‐8合目」という人も19%存在している。 もちろん夫の退職が原因かどうかは最終的に は不明であるが、のぼりとくだりの意識には多 少なりとも夫の退職が原因している可能性 は高い。 2<自分の人生への満足度> 【全対象者】問2:あなたはこれまでのご自分の人生にどの程度満足なさっておられますか。(SA) 自分の人生の満足度(男性)(SA) 大変満足している やや満足している あまり満足していない まったく満足していない 団塊世代の退職予定者(N=247) 9.7 44.9 退職者男性(N=353) 8.2 49.0 どちらともいえない 23.5 17.0 4.9 24.9 15.6 2.3 自分の人生の満足度(女性)(SA) 大変満足している やや満足している あまり満足していない まったく満足していない 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 7.3 どちらともいえない 53.5 退職者の夫を持つ妻(N=236) 7.6 21.8 57.6 ●「自分のこれまでの人生にど の程度満足しているか」 退職者男性では57%が「満足 している」であるし、退職予定 者でも55%あまりが「満足」で ある。 15.6 1.8 19.1 ●女性の側でもこの傾向は同 様である。 退職者男性の妻では65%が 「満足」であり、団塊世代の夫 を持つ妻においても61%が「満 足」している。 13.62.1 自分の人生の満足度(退職者男性退職後経過年別)(SA) 大変満足している やや満足している あまり満足していない まったく満足していない 退職後1年未満(N=14) 7.1 退職後1-2年(N=71) 9.9 退職後3-4年(N=116) 9.5 退職後5-6年(N=83) 4.8 退職後7年以上(N=69) 8.7 どちらともいえない 64.3 49.3 46.6 0.0 7.1 21.4 16.9 22.4 21.1 2.8 19.8 1.7 51.8 28.9 12.0 2.4 46.4 33.3 8.7 2.9 ●退職者男性の退職後の経過年数によって、この満足度は変化するものだろうか。退職直後(1年未満)の人 は、N数は少ないが、概して満足度は高い。しかし、1‐2年経過すると「不満度」が増加する。しかしそれも徐々 に収まってきて、決して「満足」感が深まるわけではないが、「どちらともいえない」が増加していく。なんらかの理由 によって、不満を解消していく傾向があると読むことができるだろうか。 たとえば、退職直後の自由感は満足度を高めるが、その自由感がある期間経過すると、逆に飽きや不充足感 を生じ、いらいらやフラストレーションの元になる。しかし適当な趣味や活動、外出などを発見し、満足感を高める わけではないが、不満を忘れさせている、ということがいえそうである。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 63 3<第2の人生への考え方> 【全対象者】問3:「人生は仕事や子育てがすべてではない、退職後や子供が成長した後にこそ、もうひとつ自分の人 生がある」という考えがありますが、あなたはこの考えについてどう思われますか。(SA) 第2の人生への考え方(男性)(SA) 大変賛成 やや賛成 あまり賛成ではない まったく賛成ではない 団塊世代の退職予定者(N=247) 退職者男性(N=353) どちらともいえない 34.0 45.3 28.3 49.6 0.4 15.4 4.9 18.1 2.5 1.4 第2の人生への考え方(女性)(SA) 大変賛成 やや賛成 あまり賛成ではない まったく賛成ではない どちらともいえない 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 30.2 48.4 0.7 16.7 4.0 退職者の夫を持つ妻(N=236) 31.4 46.6 18.6 3.4 0.0 ●「第2の人生」への考え方は 基本的には前向きである。 退職者男性よりも退職予定者 の方が、やや積極的のようなの は、これからの第2の人生なの で期待値も大きいということだろ う。 ●女性でも同様である。 8割の人は積極的にかかわろうと いう姿勢でいる。 退職者男性の妻も退職予定者 の妻も前向きである。 第2の人生への考え方(退職者男性退職後経過年別)(SA) 大変賛成 やや賛成 あまり賛成ではない まったく賛成ではない 退職後1年未満(N=14) 28.6 退職後1-2年(N=71) 31.0 退職後3-4年(N=116) 24.1 退職後5-6年(N=83) 31.3 退職後7年以上(N=69) 29.0 どちらともいえない 0.0 7.1 7.1 57.1 43.7 4.2 18.3 2.8 56.0 0.9 16.4 2.6 1.2 19.3 1.2 47.0 46.4 21.7 0.0 2.9 ●退職後、経年によって第2の人生への考え方に変化が起こるだろうか。 基本的には第2の人生を前向きに捉えていこう、という姿勢に変化はないが、多少、最初の勢いは減少するの かもしれない。しかし基本的には、いくつになっても人生張り切っていきたい、という前向きな姿勢を示す人が大勢 を占める。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 64 4<60代の生活目標> 【全対象者】問4:あなたは60代のご自分の生活についてどのような目標をおもちですか。(SA) 60代の生活目標(男性)(SA) 身近な人たちと、なごやかな毎日を送る その日その日を楽しく過ごす しっかりと計画を立てて豊かな生活を築く みんなと力をあわせて、世の中を良くする 団塊世代の退職予定者(N=247) 25.1 退職者男性(N=353) 28.3 35.2 35.2 37.4 4.5 25.8 8.5 60代の生活目標(女性)(SA) 身近な人たちと、なごやかな毎日を送る その日その日を楽しく過ごす しっかりと計画を立てて豊かな生活を築く みんなと力をあわせて、世の中を良くする 34.2 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 37.1 39.8 退職者の夫を持つ妻(N=236) 25.8 25.4 27.5 2.9 7.2 60代の生活目標(退職者男性退職後経過年別)(SA) 身近な人たちと、なごやかな毎日を送る その日その日を楽しく過ごす しっかりと計画を立てて豊かな生活を築く みんなと力をあわせて、世の中を良くする 退職後1年未満(N=14) 退職後1-2年(N=71) 退職後3-4年(N=116) 退職後5-6年(N=83) 退職後7年以上(N=69) 26.8 35.2 20.3 29.6 37.1 35.3 25.3 14.3 7.1 42.9 35.7 19.8 30.1 33.7 43.5 29 8.5 7.8 10.8 ●60代の生活目標は退職予 定者と退職者男性とでは多少 変化が見られる。 それは退職予定者では35%あっ た「しっかり計画を立てて、豊か な生活を築く」という目標が、退 職者男性では26%まで大幅に 減少することである。逆にいえば 退職予定者はまだ、現役であっ て、これから退職するわけである から、この生活目標はまだ捨てて いないということである。 ●女性においては、この「しっかり 計画、豊かな生活」という目標に 関して、団塊世代の夫を持つ妻 と退職者男性の妻とでは違いが ない。男性と比べて違いがあるの は、「身近な人たちとなごやかな 毎日を送る」と「その日その日を 楽しく暮らす」という目標である。 それぞれ、男性よりもかなり多く なっている 退職者男性の妻では「身近な 人となごやかな・・」という目標が 最も支持され、一方団塊世代 の夫を持つ妻では「その日その日 を楽しく・・」を支持する人が多 い。 【快】志向から【愛】志向へと軸 足が変化するのであろうか。 7.2 ●退職者男性の経年変化で目標の変化をたどってみると、あまりはっきりとではないが、「その日その日を楽しく暮ら す」という目標がしっかり定着していく傾向が見られる。退職直後はある種、浮かれ気分で「楽しく」「なごやかな」が 目標となっているが、1‐2年後には「しっかり計画」を立てることの重要性に気がつき、再構築期が来るようだ。そし て、「しっかり計画しながら」「その日その日を楽しくすごそう」という落ち着きが戻ってくる。そんな足跡が見受けられそ うだ。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 65 5-(1)-①<退職後にやりたい夢やアイデアと退職後に実現したこと> 【定年予定者】問5:あなたには、「これまでやりたくてもできなかったが、退職後にはできればやってみたい。」という夢やア イデアがありますか。(MA) 【退職者】問5:あなたには、「退職前にはやりたくてもできなかったが、退職したのでようやく実現した、あるいは退職をきっ かけに新しく始めた。」ということはありますか。それはどんなことでしょうか。(MA) 退職後にやりたい夢やアイデア(男性)(MA) 60.0 退職者男性(N=353) (%) 50.0 団塊世代の退職予定者(N=247) 48.6 44.5 42.5 40.0 34.4 34.8 34.4 34.0 31.6 31.4 30.0 20.0 19.0 22.4 24.9 22.3 20.2 15.0 15.4 15.9 15.0 24.7 21.220.1 15.8 14.6 14.6 2.5 22.9 10.5 9.1 8.5 9.3 18.6 6.5 5.4 9.6 10.0 28.9 19.3 12.7 14.6 12.6 5.9 8.9 7.7 6.1 5.9 4.8 5.4 3.7 2.8 0.8 21.5 8.9 5.7 11.3 8.8 11.9 8.1 2.0 1.7 0.0 ペットと仲良く暮らす その他 山歩きやトレッキング 絵 画 や 陶 芸 、手 工 芸 を 楽 し む ピ ア ノ や ダ ン ス 、コ ー ラ ス を 楽 し む I ・J ・Uタ ー ン で 田 舎 暮 ら し H Pや イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 資格や免許を取る 日 曜 大 工 や 修 理 、工 作 を す る 小 説 や エ ッ セ イ 、自 伝 の 執 筆 研究してきた課題の整理と出版 農業を始める ガーデニングや野菜つくり 資産運用など自分なりに研究 大学などでもう一度勉強をする スポーツジムでしっかり体作り 海外ロングステイや海外移住 歴史をたどり史跡を巡る旅 温 泉 め ぐ り ・こ だ わ り の 国 内 旅 行 英語や英会話など語学を磨く N P Oな ど で の ボ ラ ン テ ィ ア 撮りためたビデオや写真を編集 海外協力隊など海外ボランティア ログハウスなど自然の中で楽しむ 行き先や日程を決めない気ままな旅 ゴルフなどスポーツを楽しむ 車やバイクを楽しむ 楽器の演奏 世界遺産などの海外旅行 ●退職前に見ていた「夢」や「希望」はどの程度「実現」するのだろうか。必ずしも裏付けのある夢や希望ではなかっ たかもしれないし、同一人物の追跡ではないから、正確には言い切れない。しかし定量としてみると、退職前の夢が 退職後に実現した率はあまり高くはない。実現したことは、一般的にいって、あまりとっぴなことや費用のかかることで はなく、身近なことであることが多い。 ●退職予定者が夢みる退職後のイベントは、希望の多いものから「行き先や日程を決めない気ままな旅」(49%)、 「世界遺産などの海外旅行」(45%)、「お遍路や温泉めぐりなどこだわりの国内旅行」(43%)、である。4割以上の 人の心をひきつけている。時間や費用もかかるであろうそれらに次いで、3割台の期待イベントは、「ホームページづく りなどのインターネット活用」「ガーデニングや野菜作り」「歴史や史跡を巡る旅」「資産運用など自分なりに研究」 「山歩きやトレッキング」と続く。 ●それに対して、実現できたものは「ホームページ作りなどインターネット・・」(31%)「ガーデニング・・」(29%)など日 常の出来事に近いものが多い。「気ままな旅」も、それに次いで実現されているが、おそらく期待値よりも規模は縮小 しているのではあるまいか。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 66 5-(1)-②<退職後にやりたい夢やアイデアと退職後に実現したこと:続き> 【退職者】問5:あなたには、「退職前にはやりたくてもできなかったが、退職したのでようやく実現した、あるいは退職をきっ かけに新しく始めた。」ということはありますか。それはどんなことでしょうか。(MA) 【定年予定者】問5:あなたには、「これまでやりたくてもできなかったが、退職後にはできればやってみたい。」という夢やア イデアがありますか。(MA) 退職後に実現したことVS団塊世代の退職後の夢 実現 60.0 夢 世界遺産などの海外 旅行 50.0 40.0 スキー、スキューバダイ ビング、乗馬、ゴルフ、 などのスポーツを楽しむ 30.0 20.0 行き先や日程を決め ない気ままな旅 10.0 団塊世代の退職予定者 (N = 2 4 7 ) 退 職 後 3年 未 満 (N = 8 5 ) 退 職 後 3 - 6年 (N = 1 9 9 ) 0.0 ログハウスなど自然の 中で楽しむ 海外ロングステイや海 外移住 資産運用など自分な りに研究 ●退職者が退職前にどのような夢をもっていたか、すでに退職した人の夢についてはわからないが、何を退職後に実 現させたかについてはわかる。また、団塊世代の退職予定者が実際にどのようなことを退職後に実現させるかはわか らない。しかし、傾向として、徐々に退職者が時系列的に「何か」を実現することが多くなっているとしたら、また団塊 世代の退職前の夢が、同様に高いとしたら、おそらく団塊世代はさらにその「何か」の夢を実現する割合は高くなるだ ろう。もちろん、夢の率そのものが実現率にはならないだろう。しかし3年前の退職者よりも実現率は高くなる可能性 は高い。 ●そこで、退職者を3‐6年前に退職した人とここ3年以内に退職した人とにわけ、どのようなことを実行する人が多く なっているのかを見てみよう。さらにその延長戦上に団塊世代の夢を置いてみよう。おそらく、ここにあげられた夢や希 望が実現する率は前の年代の退職者よりも大きくなるのではないだろうか。 ●例えば、「気ままな旅」「世界遺産の旅」「資産運用」「スポーツ」「ログハウス」「史跡めぐり」「海外ロングステイ」な ど、ここにあげた行動はすべて右肩上がりであって、団塊世代の夢はその上を行っている。 ●団塊世代だから実現するという理由はここでは見つからないが、6年前より3年前のほうが増加しているイベント は、2007年以降には実行者が減少するという根拠はないとおもわれる。夢は念じれば実現するという性格もあろ う。おそらくここにあげたイベントの実行者はかなり増加すると見るべきだろう。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 67 5-(2)<夫の退職後にやりたい夢やアイデアと夫の退職後実現したこと> 【団塊の妻】問5:あなたには、「これまでやりたくてもできなかったが、夫が退職したときには是非やってみたい。」という夢 やアイデアがありますか。(MA) 【退職者の妻】問5:あなたには、「夫の退職前にはやりたくてもできなかったが、退職したのでようやく実現した。あるいは 退職をきっかけに新しく始めた。」ということはありますか。それはどんなことでしょうか。(MA) 退職後にやりたい夢やアイデア(女性)(MA) 50.0 (%) 45.0 退職者の夫を持つ妻(N=236) 43.6 40.4 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 40.0 34.5 35.0 31.3 30.0 24.7 25.0 20.0 21.5 19.9 18.5 16.9 16.0 15.0 12.0 10.0 5.0 2.1 6.5 4.7 3.6 3.4 8.4 5.1 3.0 20.7 16.7 13.8 13.1 11.9 10.2 11.4 11.0 8.9 6.5 0.8 1.7 17.8 13.8 7.6 12.3 21.5 20.3 8.9 5.5 2.5 6.9 4.4 3.6 4.0 3.0 1.8 0.8 1.3 0.8 1.5 0.8 1.7 0.0 2.2 0.0 8.1 10.2 4.7 4.7 その他 ペットと仲良く暮らす 山歩きやトレッキング 絵 画 や 陶 芸 、手 工 芸 を 楽 し む ピ ア ノ や ダ ン ス 、コ ー ラ ス を 楽 し む Iタ ー ン 、Jタ ー ン 、Uタ ー ン な ど で 田 舎 暮 ら し を する ホームページつくりやインターネットを活用 資格や免許を取る 日 曜 大 工 や 修 理 、工 作 を す る 研究してきた課題の整理と出版 小 説 や エ ッ セ イ 、自 伝 な ど の 執 筆 農業を始める ガーデニングや野菜つくり 資産運用など自分なりに研究 スポーツジムなどでしっかり体作りをする 歴史をたどり史跡などを巡る旅 大学などでもう一度勉強をする お遍路や温泉めぐりなどこだわりの国内旅行 海外ロングステイや海外移住 英 語 や 英 会 話 。中 国 語 、韓 国 語 な ど 語 学 を 磨 く N P Oな ど で の ボ ラ ン テ ィ ア 撮影してきたビデオや写真などを編集 シニア海外協力隊など海外でボランティア ログハウスなど自然の中で楽しむ 行き先や日程を決めない気ままな旅 ス キ ー 、ス キ ュ ー バ ダ イ ビ ン グ 、乗 馬 、ゴ ル フ 、な どのスポーツを楽しむ 車やバイクを楽しむ 楽器の演奏 世界遺産などの海外旅行 ●女性も男性と似たような傾向を示している。 ●団塊世代を夫に持つ妻が、夫が退職後にしたい3大夢といえば、「気ままな旅」(44%)、「世界遺産の旅」 (40%)、「こだわりの国内旅行」(35%)である。一方、退職者男性の妻において、実現した夢は「ガーデニング」 (20%)、「世界遺産の旅」(20%)、「資産運用」(18%)、「こだわりの国内旅行」(17%)となっており、夢と実現 率との間の差は大きい。 ●また男性と比べると、総じて、女性の方が夢見る率も実現率も低い傾向がみられる。おそらく退職が男性ほど身 近且つ絶対的なものではないため、夫の退職後といってもあまり実感が湧かないか、あるいはそもそも夫の退職後に はそれほど期待していないか、のどちらかであろう。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 68 6<定年退職への態度> 【定年予定者】問7:あなたは定年退職についてどのようにお感じになっていますか。(SA) 【退職者】問7:あなたは定年退職について現在どのようにお感じになっていますか。(SA) ●団塊世代の退職予定男性 定年退職への態度(男性)(SA) 大変楽しみにしている/大変楽しんでいる は定年退職を「楽しみにしてい やや楽しみにしている/やや楽しんでいる る計」で約6割、退職男性は7 どちらともいえない 割が「楽しんでいる計」である。 あまり楽しみにしていない/あまり楽しんでいない 総じて、退職男性は定年をエン まったく楽しみにしていない/まったく楽しんでいない ジョイしているわけだし、退職予 定男性も一般的には楽しみた 団塊世代の退職予定者(N=247) 16.6 42.9 24.7 10.9 4.9 いと思っているわけだ。 退職者男性(N=353) 20.4 52.1 16.7 8.5 2.3 【団塊の妻】問7:あなたは夫の定年退職についてどのようにお感じになっていますか。(SA) 【退職者の妻】問7:あなたは今、定年退職後の夫との生活についてどのようにお感じになっていますか。(SA) 定年退職への態度(女性)(SA) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 6.5 大変楽しみにしている/大変楽しんでいる やや楽しみにしている/やや楽しんでいる どちらともいえない あまり楽しみにしていない/あまり楽しんでいない まったく楽しみにしていない/まったく楽しんでいない 20 退職者の夫を持つ妻(N=236) 7.2 33.8 25.5 41.9 27.1 14.2 17.4 ●女性の場合は男性ほど「楽し みにしていない」し「楽しんでもい ない」。特にこれから退職する夫 をもつ妻は、むしろ「楽しみでは ない」人が4割を占めている。た だし、夫が退職後は、なんとか 「楽しんでいる」という人が増加 する。 6.4 7<定年退職への態度、その理由> 【定年予定者&団塊の妻】問8:そう思われるのはどのような理由からですか。(MA) 団塊世代の退職予定者(MA) (%) 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 定年退職を楽しみにしている計(N=147) 定年退職を楽しみにしていない計(N=39) 74.4 75.5 59.0 44.2 41.5 21.8 5.1 2.6 20.4 10.3 2.6 0.0 0.0 15.4 4.8 3.4 0.0 5.1 0.7 0.0 健康が思わしくないから 趣味がないので時間をも てあましそうだから 働きたくても仕事がある か心配だから これからの暮らしの経済 が心配だから 今までの仲間を失うかも しれないから 新しく仲間を作れるから ボランティアなど社会に 役立つことができるから 妻や家族とのんびりと過 ごせるから 今までできなかった趣味 などを楽しめるから 今までできなかった夫婦 での旅を楽しめるから ●退職予定男性が「楽しみにしている」という理由は「今までできなかった趣味を楽しめるから」(76%)であり、少数 派ではあっても「楽しみにしていない」理由は「これからの暮らしの経済が不安」(74%)、「働きたくても仕事があるか 心配」(59%)である。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 69 団塊世代の夫を持つ妻(MA) (%) 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 夫の定年退職を楽しみにしている計(N=73) 夫の定年退職を楽しみにしていない計(N=109) 71.2 69.7 56.9 56.2 45.9 42.5 0.9 0.0 0.0 8.2 1.4 2.7 3.7 0.0 1.4 健康が思わしくないから 夫に趣味がないので時間 をもてあましそうだから 0.0 夫の世話をしなければな らないと思うから これからの暮らしの経済 が心配だから 夫が家にいていらいらし そうだから 0.0 新しく仲間ができそうだ から ボランティアなど社会に 役立つことができるから 夫や家族とのんびりと過 ごせるから 今までできなかった趣味 などを楽しめるから 今までできなかった夫婦 での旅行を楽しめるから 0.0 8.2 47.7 ●一方、これから退職する団塊世代を夫に持つ妻に関してはどうだろうか。夫の定年退職を「楽しみにしている」理由 は、「今までできなかった夫婦での旅行ができるから」(71%)、「夫や家族とのんびりできるから」(56%)となっていて、 夫との関係が良好である条件が大きい。一方「楽しみにしていない」理由は「夫が家にいていらいらしそうだから」 (70%)、「暮らしの経済が心配」(57%)、「夫が時間をもてあましそうだから」「夫の世話をしなければならないから」で ある。妻の側は経済的理由だけでなく、家へ帰ってくる<夫>との関係で<いらいら>や<憂鬱>を予想しているわ けだ。 退職者の夫を持つ妻(MA) (%) 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 退職者妻:夫の定年退職を楽しんでいる(N=116) 退職者妻;夫の定年退職を楽しんでいない(N=56) 56.0 53.6 63.0 46.6 40.0 34.5 39.3 17.9 8.6 8.6 1.8 0.0 3.4 2.6 0.0 健康が思わしくないから 0.0 夫に趣味がないので時間 をもてあましそうだから 夫の世話をしなければな らないと思うから これからの暮らしの経済 が心配だから 夫が家にいていらいらす るから 1.8 新しく仲間を作れるから 0.0 ボランティアなど社会に 役立つことができるから 夫や家族とのんびりと過 ごせるから 今までできなかった趣味 などを楽しめるから 今までできなかった夫婦 での旅を楽しめるから 0.0 0.9 ●退職者男性の妻は夫退職前と比べて、定年退職を「楽しんでいる」人が増えることはわかったが、その理由はどう なのだろうか。団塊世代を夫に持つ妻と比べ、「楽しんでいる」理由としては「今までできなかった夫婦の旅」は71%⇒ 47%と減っているが「夫と家族とのんびり過ごせるから」が56%⇒63%と増えている。夫婦の旅がそれほど楽しくはな かったのか、あるいはより日常的な日々、夫や家族とのんびりすることの方が「楽しみ」なのか。おそらく夫婦の旅のハレ よりも、波風のない日々是好日のケの方をいっそう大切に思うのであろう。 ●一方、「楽しみではない」理由も退職前の意識と比べて変化がある。「いらいら」感は70%⇒56%、「夫の世話」の 負担感46%⇒40%、「夫の時間もてあまし」48%⇒39%と、夫が原因のイライラ感・負担感は減少する。おそらくは 夫の自立や協力もあり、妻の側に余裕が生まれ、「楽しめる」ようになるからであろうか。ただし、「暮らしの経済への心 配」感はそのままである。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 70 8<定年退職後の生活への経済的不安> ●定年退職後の経済的不安 について特にとりあげてみよう。 【定年予定者】問9:あなたは定年退職後の生活について経済的不安がありますか。 ●団塊世代の退職予定男性 【退職者】問9:あなたは今後の生活について経済的不安がありますか。(SA) では66%が「不安がある」として いる。「不安がない」という人は 定年退職後の生活への経済的不安(男性)(SA) 17%でしかない。これは退職を 大変不安がある やや不安がある どちらともいえない 「楽しみにしている」という人も実 あまり不安はない まったく不安はない は密かに「不安」を抱えていると いう数字だ。経済的不安感は 17.8 48.2 17 13.4 3.6 消費の先延ばしや貯蓄の積み 団塊世代の退職予定者(N=247) 増しを生み、必ずしも2007年以 降の退職金を巡る消費ブーム 41.4 20.7 20.4 3.4 退職者男性(N=353) 14.2 に対しポジティブ要因とはならな い。 ●団塊世代を夫に持つ妻につ 【団塊の妻】問9:あなたは夫の定年退職後の生活について経済的不安がありますか。 いても男性と同様に63%の人 【退職者の妻】問9:あなたは今後の生活について経済的不安がありますか。(SA) が実は「不安」を抱えている。 ●それでは退職者の意識はどう 定年退職後の生活への経済的不安(女性)(SA) なるのか。 大変不安がある やや不安がある どちらともいえない ●「不安」感は男性・女性とも あまり不安はない まったく不安はない にやや和らぐ傾向が見られる。 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 18.2 44.4 17.1 16.7 3.6 「不安がある計」でみると、男性 は、退職前66%⇒62%、女性 では63%⇒48%である。おそら 退職者の夫を持つ妻(N=236) 13.6 34.3 19.1 29.2 3.8 く、経済的に楽になったということ ではなく、実際に退職経験をし てみると、それなりに暮らしの工 夫も会得し、意識の上で自信 をもてるようになるからであろう。 【退職者】問36:あなたの(あなたの夫)現在の就労パターンをお知らせください。(SA) 退職男性の就労状況 就労していない 再雇用の形で元の会社で働いている 臨時雇用の形で元の会社で働いている その他 全体(N=353) 退職後1年未満(N=14) 退職後1-2年(N=71) 収入はないがボランティアで働いている 正規採用の形で別な会社で働いている 臨時雇用の形で別な会社で働いている 49.6 42.9 6.2 4.5 0 14.3 46.5 8.5 退職後3-4年(N=116) 55.2 退職後5-6年(N=83) 56.6 退職後7年以上(N=69) 58.2 9.6 2.5 10.5 28.6 8.5 17 0.07.1 5.6 2.8 11.3 16.9 6 1.7 9.5 0.9 11.2 7.6 4.8 15.5 8.4 3.6 10.8 8.7 2.9 8 4.3 7.1 11.9 8 5.5 ●退職男性の就労状況は厳しく、就労意向があっても就労率は高くはない。したがって、キャッシュフローが好転する わけではない。生活費に回るフローは預貯金からが多いわけである。意識の上で不安感は減るとはいうものの、おそ らく団塊世代の退職後でも、今回調査でみられる家計構造に変化がないであろうから、将来不安の下で、安易な 大型消費に直ちに火が付くという状況とは考えにくいところだ。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 71 9<定年退職者の就労意欲> 【退職者】問12:あなたは何らかの形で就労したいですか。(SA) 定年退職者の就労意欲(SA) 退職者男性全体(N=353) 男性:退職後1年未満(N=14) 定 年 退 職 後 年 数 25.8 7.1 男性:退職後1-2年(N=71) 男性:退職後3-4年(N=116) 22.4 21.4 定 1500万円未満(N=77) 年 退 1500-3000万円(N=161) 職 金 3000万円以上(N=74) 額 700万円未満(N=289) 700-1000万円未満 (N=33) 1000-1500万円未満 (N=13) 1500万円以上(N=3) 27.5 7.1 19.7 22.4 15.7 27.5 25.3 18.6 33.3 全体(N=353) 退職後1年未満(N=14) 退職後1-2年(N=71) 退職後3-4年(N=116) 退職後5-6年(N=83) 15.6 32.4 25.3 18.2 2.9 6.5 19.9 4.3 20.3 4.1 19.0 42.4 5.5 15.2 23.1 0.0 2.4 13.0 28.0 23.5 15.4 19.3 23.4 20.3 23.1 5.2 24.6 28.6 26.6 8.5 19.0 31.9 29.2 21.2 19.7 30.2 37.3 26.0 4.8 7.1 32.4 23.3 23.0 19.5 57.1 19.7 男性:退職後5-6年(N=83) 男性:退職後7年以上(N=69) 夫 婦 合 算 年 収 働きたくない 収入を得る目的で働きたい 収入よりも生きがいを目的に働きたい 収入や生きがいというより、生活を規則正しくするために働きたい わからない 38.5 66.7 非就労率 就労意向 ギャップ(ポ (%) 率(%) イント) 49.6 69.4 19.8 42.9 85.8 42.9 46.5 71.8 25.3 55.2 72.4 17.2 56.6 60.3 3.7 ●追加的に退職男性の就労意向を見てみよう。上表参照。 ●全体から「働きたくない」と「わからない」を除いた、何らかの目的で就労意向のある人は、対象者全体で 69%、一方、就労していない率(前表で「就労していない」の%)は全体で50%。単純に就労意向率から就 労していない率を引くと、上表の「ギャップ」となる。退職後年数を経るにしたがって、就労意向は減少するし、 就労していない率は増加する。したがって、「ギャップ」は徐々に埋まっていくのだが、退職後2-3年は年金の満 額受給前でもあり、かなり家計のリストラクチュアリングが必要な状況と予想される。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 72 3.0 0.0 0.0 10<退職者男性の生活スタイル> (1)外出頻度/家にいた頻度 【退職者】問13:3時間以上外出した日数は何日ありましたか。(SA) 【退職者】問15:家の中で大半を過ごしたのは何日ありましたか。(SA) ●退職者男性の暮らしぶりを1週間 の外出日数、家の中にいた日数とで 見てみよう。 3時間以上外出した日数 家の中で大半を過ごした日数 1週間の平均行動日数 ●外出(1日3時間以上の日数)に 関しては、退職男性平均で3.8日。 家にこもっていた日数(ほとんどの時 間を家の中で過ごしたに数)は2.7日 となる。 6.7 (日) 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 5.2 3.8 3.6 2.7 2.9 1.4 ●年収が高いほど外出日数は増し (おそらくは仕事目的)、退職後経年 数が少ないほど、家の中で過ごした 日数が少ない。逆に言って、年収が 少なく、定年後経過年数が増えるほ ど、家の中にいることが多くなる、とい うことだ。 外出するということは、活動力のバロ メーターであると同時に。何らかの消 費のバロメーターでもある。だから、大 いに外出してもらいたいところだが、一 種のひきこもりが、退職後、年数を経 るにつれ起こってくることが心配であ る。 夫婦年収合計: 1 5 0 0万 円 以 上 (N = 3 ) 夫婦年収合計: 1000-1500 万円未満 (N = 1 3 ) 夫婦年収合計: 7 0 0万 円 未 満 (N = 2 8 9 ) 退職者男性全体 (N = 3 5 3 ) 1週間の平均行動日数 3時間以上外出した日数 家の中で大半を過ごした日数 4.0 3.0 2.8 2.5 退 職 後 3 - 6年 (N = 1 9 9 ) 退 職 後 3年 未 満 (N = 8 5 ) ●「買い物」「散歩やウォーキング」 「仕事」が3大外出目的である。しか し、外出目的はかなりいろいろとバラ エティーに富んでいて、様々な交友・ 学習・スポーツなどへ参加していること が分かる。 3.8 3.7 退 職 後 7年 以 上 (N = 6 9 ) (日) 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 1.0 (2)外出目的 【退職者】問14:外出の目的はなんでしたか。 (MA) 外出目的(MA) 退職後3年未満(N=84) 100.0 (%) 退職後3-6年(N=185) 80.0 60.0 47.6 40.5 38.1 40.0 20.0 42.7 29.7 31.4 0.0 8.1 7.0 4.9 8.1 3.8 1.6 13.5 12.4 13.0 9.5 16.2 その他 学 校 ・教 室 パチンコなどの遊戯 娯楽 旅行 73 屋外スポーツ ボランティア 観 劇 ・映 画 カメラ等の撮影 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 8.6 自然探索 7.6 9.2 同窓会 13.0 17.8 17.8 12.4 15.7 地域の集まり 3.6 屋内スポーツ 7.1 花 ・野 菜 作 り 7.1 ドライブ 8.3 食事会 8.3 趣味の会 8.3 仲間との集い 9.5 図 書 館 ・美 術 館 仕事 散歩やウォーキング 買い物 23.8 19.0 19.0 19.0 15.5 15.5 15.5 14.3 14.3 13.1 (3)家の中でしたこと 【退職者】問16:主に何をして過ごしていましたか。 (MA) 家の中でしたこと(MA) 100.0 85.3 80.0 91.5 (%) 退職後3年未満(N=75) 69.3 退職後3-6年(N=177) 57.3 60.0 44.0 71.2 33.3 58.2 40.0 24.0 23.7 0.0 24.0 22.7 36.7 35.0 20.0 29.3 15.8 21.5 18.1 14.7 14.7 12.0 10.7 13.3 0.0 10.2 0.0 7.9 0.6 何をするということ なく その他 0.0 自宅で会などを催し て 0.6 4.0 工作や趣味の作品つ くり 7.3 5.3 友人とお茶やおしゃ べりをして 2.8 家族の世話 5.3 資格などの勉強 ペットと遊ぶ 家族などと話をして 掃 除 ・洗 濯 ・料 理 な ど家事 整理整頓 音楽を聴く 庭 の 手 入 れ ・ガ ー デ ニング 昼寝 読書をする 新聞を読む テレビやビデオを見 る パ ソ コ ン ・イ ン タ ー ネット 5.3 ●家の中で主にしていたこともそれぞれであるが、「パソコン・インターネット」「テレビ・ビデオ」「新聞」が3大ツールであ る。家遊び的な活動はその他にもいろいろ挙げられているが、友人などと過ごす時間は比較的少なく、一人でする遊 び(たとえば、読書、昼ね、庭に手入れ、音楽を聴くなど)が多いのが特徴である。 11<妻の生活スタイル> (1)外出頻度/家にいた頻度 【団塊の妻&退職者の妻】問13:同上質問(SA) 1週間の平均行動日数(妻) 3時間以上外出した日数 家の中で大半を過ごした日数 3.6 2.8 3.1 3.2 退職者を夫に持 つ妻全体 (N = 2 3 6 ) 団塊世代の夫を 持つ妻全体 (N=275) 7 6 5 4 3 2 1 0 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 74 ●妻の側を見てみよう。 ●全体としては男性より外出頻度が少なく、家 にいる率が高い。 ●団塊世代を夫に持つ妻の方が、若いせいだ ろうか、退職者男性の妻よりも外出頻度が高 い。団塊世代の夫を持つ妻は今が人生の自由 時間といってよいライフステージの踊り場にいる。 したがって食事会、ショッピングと外出頻度は高 くなるはずである。それが夫が退職すると同時に なにやら不自由になる。妻が夫に自立して欲し いということの裏側には妻の側にも理由もあると いうことだ。 (2)外出目的 【団塊の妻&退職者の妻】問14:外出の目的はなんでしたか。 (MA) 外出目的(MA) 団塊世代の夫を持つ妻全体(N=254) 100.0 (%) 80.0 66.9 退職者を夫に持つ妻全体(N=223) 60.0 40.0 58.7 30.3 25.2 22.4 27.4 20.0 21.7 22.4 17.0 21.5 0.0 16.1 13.4 12.2 15.7 12.1 12.1 12.6 11.2 11.8 8.7 9.4 7.5 9.0 5.9 5.1 1.3 1.3 18.4 1.3 0.8 13.8 同窓会 その他 1.6 カメラ等の撮影 2.2 2.0 学 校 ・教 室 1.8 3.6 2.4 屋外スポーツ 3.1 地域の集まり 3.1 パチンコなどの遊戯娯 楽 自然探索 花 ・野 菜 作 り ボランティア 図 書 館 ・美 術 館 ドライブ 観 劇 ・映 画 屋内スポーツ 旅行 散歩やウォーキング 趣味の会 食事会 仲間との集い 仕事 買い物 2.2 5.8 3.5 ●妻の側の外出目的は、団塊世代を夫に持つ妻においては、「買い物」「仕事」「仲間との集い」が3大目的。 ●退職者男性の妻においては、「買い物」「趣味の会」「食事会」がトップ3を占める。 ●男性と比べると、ほとんどの項目で、頻度が少ない中、「仲間との集い」「食事会」「趣味の会」など友人知人と一 緒にする行動が多いことが特徴で、逆に「散歩やウォーキング」など一人でする活動が少ない傾向。 (3)家の中でしたこと 【団塊の妻&退職者の妻】問16:主に何をして過ごしていましたか。 (MA) 家の中でしたこと(MA) 100.0 (%) 団塊世代の夫を持つ妻全体(N=240) 81.2 78.4 77.5 76.3 80.0 60.0 69.6 64.2 40.0 退職者を夫に持つ妻全体(N=218) 49.5 49.2 20.0 34.4 32.5 30.3 31.2 28.4 26.6 21.7 29.2 28.8 27.9 0.0 15.1 21.7 19.6 18.8 17.0 15.4 11.0 8.8 6.9 1.4 6.9 0.4 0.0 何をするということなく 5.0 その他 0.4 自宅で会などを催して 1.7 資格などの勉強 友人とお茶やおしゃべり をして 工作や趣味の作品つくり 家族などと話をして 音楽を聴く 昼寝 ペットと遊ぶ 家族の世話 整理整頓 庭 の 手 入 れ ・ガ ー デ ニ ン グ 読書をする 新聞を読む テレビやビデオを見る パ ソ コ ン ・イ ン タ ー ネ ッ ト 掃 除 ・洗 濯 ・料 理 な ど 家 事 4.6 2.8 ●家の中でしたことのトップ3は「掃除・洗濯・料理などの家事」「パソコン・インターネット」「テレビ・ビデオ」である。団 塊世代を夫に持つ妻と退職者男性の妻の間にそれほど大きな違いはない。 ●トップ3に関して、男性と違うのは、男性が「新聞」を読む時間が長いのに対し、(その間)女性は家事をしていると いうことである。あるいは、そんな瞬間に妻のイライラが生じるのかもしれない。(「早く外にでも出て行って頂戴、私の 時間を取り戻したいから・・」) ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 75 12<自分でできること、できると思うこと(男性)> 【定年予定者&定年者】問17:以下の行動の中で、あなたご自身が「関心があること」「自分でできる知識があると思 うこと」「自分で行っていること」をそれぞれいくつでもお知らせください。(MA) ●定年退職男性の自立度は、定年 関心があること 定年退職予定者(N=345) 前と比べて向上するのだろうか。 100.0 (%) 退職者男性(N=353) 80.0 60.0 40.0 20.0 35.1 22.4 32.6 32.6 34.0 29.3 25.8 28.7 23.8 11.6 23.5 15.9 12.7 該当するものはない 携帯メール 海外への飛行機の予約 11.3 19.0 24.3 18.7 百貨店でひとりで似合 いの服を選ぶこと 健康によい食品を見分 けること お 買 い 得 な 商 品 .サ ー ビスの選択 税金の還付手続き 14.5 分別ゴミの区分の判断 15.4 毎月の家計管理 料理づくり 0.0 39.7 自分でできる知識があると思うこと 100 (%) 定年退職予定者(N=345) 退職者男性(N=353) 80 53.0 60 40 20 32.9 37.7 36.0 60.9 58.6 49.9 41.4 44.9 39.9 37.7 35.4 該当するものはない 携帯メール 53.3 34.2 32.2 41.1 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 76 20.82.9 1.4 該当するものはない 百貨店でひとりで似合い の服を選ぶこと 23.5 携帯メール 22.0 9.7 35.4 海外への飛行機の予約 12.3 健康によい食品を見分け ること 毎月の家計管理 37.7 46.2 25.8 23.8 24.1 15.6 11.0 15.3 27.5 お 買 い 得 な 商 品 .サ ー ビ スの選択 24.1 13.6 13.9 10.6 53.9 税金の還付手続き 23.5 58.0 分別ゴミの区分の判断 25.5 料理づくり 0.0 2.6 退職者男性(N=353) 70.3 60.0 20.0 2.8 定年退職予定者(N=345) 80.0 40.0 39.1 妻からみた退職者の夫(N=236) 100.0 (%) 38.3 45.5 海外への飛行機の予 約 自分で行っていること 28.4 28.0 百貨店でひとりで似 合いの服を選ぶこと 健康によい食品を見 分けること お買い得な商品 . サービスの選択 税金の還付手続き 分別ゴミの区分の判 断 毎月の家計管理 料理づくり 0 42.3 ●定年後の幸福感は夫婦関係のよ さと大きな関係がある。夫婦関係の よさは、家計の見通しと夫の自立と 関係する。したがって、退職後夫の 自立が進むことが期待される。 ●主として家事や買い物に関してど の程度自立しているのかを検討した。 ●男性が関心のある事柄は、総じて 多くはなく、ほとんどの項目で2-3割 程度である。退職予定男性において は、「料理づくり」は若干高い関心が あるようだ。逆に「百貨店でひとりで似 合いの服を選ぶこと」には関心が薄 い。 ●自分でできると考えていることは、 やや増加し、本当にできるかは別とし て、ほとんどの項目で4-5割の人が できるとしている。ほとんどの項目で関 心はないけれど、やろうと思えばでき る、と考えている様子である。「料理」 は関心はあるけれど「知識が足りな い」としている。 ●実際の行動面ではどうか。 自分でできると思っているし、実際自 分で行っていると、男性退職者が考 えていることは、多くはない。「税金の 還付手続き」と「携帯メール」だけであ る。後の項目は<できる知識はある が、実際には行っていない>という人 が多い。 ということは、妻の側からみれば、実 際にやっていないことは知識があると いうことにはならなくて、自立している ことにはならないだろう。逆に夫の側が 「できる」と主張すれば、<なぜやって くれないのか>というイライラの原因に なろう。 ●しかし、男性は退職後ずいぶん自 立の努力をしている様子が見られ る。退職予定男性と比べ、退職男 性が上回っている項目は、「毎月の 家計簿」「分別ゴミ」「税金の還付手 続き」がある。家事分野で改善が見 られるわけで、そのことは妻も認めてい る傾向である。 13<自分の居場所> 【全対象者】問18:あなたがそこいるとストレスが癒され、気持ちが安らぐような、あなたの居場所はどこですか。(MA) 自分の居場所(男性)(MA) 定年退職予定者(N=345) (%) 100.0 退職者男性(N=353) 80.0 60.0 47.2 47.0 40.0 51.3 50.4 40.3 40.3 46.5 37.7 20.0 29.3 31.4 25.8 24.3 27.2 23.8 22.0 19.4 9.6 19.5 0.0 15.3 7.1 8.4 9.1 6.7 0.8 1.7 0.6 わからない 1.4 居場所がないように感じ る 0.9 なじみの遊戯店 町の雑踏の中 神社仏閣など宗教関係の 場所 子ども達と話せる場所 なじみの飲食店 仕事や趣味仲間と話せる 場所 図書館や美術館 ドライブ中 公園などの近くの自然 自分の書斎 海岸や森などの大自然の 中 趣味に没頭できる場所 自宅の居間 4.5 2.0 ●自分の居場所を退職者はなくしているのではないか、という仮説がある。 ●確かに、給与生活者だった男性は仲間と働き甲斐を共に失い、アイデンティティをなくす人も3割見られる(ハイラ イフ研究所「定年期夫の妻”光と影”」に関する調査研究2003年参照)。家へ帰ってきた男性には家では居心 地の悪さを感じる人も多い。果たして居心地のよい場所はどこにあるのだろうか。 ●退職男性に関して言えば、ひとりになれる場所、趣味に没頭できる場所が居心地よい場所となるようだ。書斎が ある人は書斎がそうだ。 自分の居場所女性(MA) (%) 100.0 80.0 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 70.9 60.0 40.0 58.5 退職者の夫を持つ妻(N=236) 40.7 48.7 26.9 20.0 19.5 0.0 25.8 24.7 28.8 24.2 22.9 22.0 21.5 19.9 21.1 16.1 11.6 5.5 5.5 0.7 1.8 1.1 5.1 3.8 4.2 0.8 3.0 1.7 15.7 わからない 居場所がないように感じ る なじみの遊戯店 町の雑踏の中 神社仏閣など宗教関係の 場所 なじみの飲食店 自分の書斎 子ども達と話せる場所 ドライブ中 図書館や美術館 仕事や趣味仲間と話せる 場所 海岸や森などの大自然の 中 公園などの近くの自然 趣味に没頭できる場所 自宅の居間 9.5 ●妻の方はどうなのだろうか。 ●夫が定年前の団塊世代を夫に持つ妻は「自宅の居間」が居心地のいい場所だ。しかし、夫が帰ってきた退職者 男性の妻は居場所を居間から「趣味に没頭できる場所」へと変えるようだ。居間に夫がいれば、そこを占領された気 持ちになるのかもしれない。こうした遠慮やイライラを脱出するために、夫も妻もやはり外出は有効な手段となるだろ う。外で活動するサークルや仲間を見つけ、話をする、そういう場所は、だから、夫よりも妻の居場所なのだ。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 77 14<夫婦仲の認識> 【全対象者】問19:あなたは一般の夫婦と比べて、夫婦の仲が良い方だと思われますか。それともよい方ではないと思 われますか。(SA) 夫婦仲の認識(男性)(SA) たいへん仲がよいほうだと思う まあよいほうだと思う どちらともいえない あまりよい方ではないと思う まったくよい方ではないと思う 3.6 定年退職予定者配偶者あり(N=332) 13.6 退職者男性配偶者あり(N=352) 13.4 50.6 21.4 10.8 2.0 夫婦仲の認識(女性)(SA) 56.5 19.6 たいへん仲がよいほうだと思う まあよいほうだと思う あまりよい方ではないと思う まったくよい方ではないと思う 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 13.5 退職者の夫を持つ妻(N=236) 12.3 8.5 どちらともいえない 45.1 45.3 27.3 9.5 4.7 29.7 6.8 5.9 【退職者&退職者の妻】問20:あなたが退職なさった後、夫婦の仲には変化が起きましたか。(夫が退職すると、夫婦 の仲には変化が起きましたか。)(SA) 退職後の夫婦仲の変化(SA) 退職者男性配偶者あり(N=352) 退職者を夫に持つ妻(N=236) 仲がよくなった 12.5 10.2 仲が悪くなった 6.8 変わらない 80.7 11.4 78.4 【団塊の妻&退職者の妻】問21:熟年離婚が増えているといわれていますが、もし、子どもや経済の問題がないとした ら、あなたにも離婚の気持ちがありますか。(SA) 熟年離婚への意識(女性)(SA) 大いにその気持ちがある ややその気持ちがある あまりその気持ちはない まったくその気持ちはない 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 9.8 13.1 退職者の夫を持つ妻(N=236) 9.3 13.1 20.7 16.9 26.2 26.3 どちらともいえない 30.2 34.3 ●熟年離婚が取りざたされている。果たして退職後の夫婦仲はそれほど悪化するものなのか。 ●夫婦仲について質問すると、男性と女性とを比べて、男性の方が「夫婦仲がよい」とする傾向が一般にある。本調査でも若干 その傾向が見られるし、また退職前と退職後とでの夫婦仲の認識についても「かわらない」が最も多い(約8割)のだが、夫の退職 後「仲が悪くなった」とする人が、退職男性よりも退職者男性の妻の側で5%ほど多くなっている。確かに妻の側のイライラを考える と、妻が「仲が悪くなった」と感じても当然かもしれない。 ●しかし、その感情が熟年離婚へストレートにつながってしまうのであろうか。「子供や経済の問題がないとしたら」という条件付で 熟年離婚への意識をたずねているが、それでも「大いにその気持ちがある」のは9%強程度しかない。しかも子供や経済の問題の ない離婚など現実にはありえないから、実際に離婚がブームになるとは考えにくいところだ。 ●問題は熟年離婚発生率なのではなく、「大いにその気持ちがある」という意識は、実は何を示しているか、ということではなかろう か。この問題は、今後、頼り頼られる夫婦べったりの<演歌型夫婦関係>から男女共に自立した<自立型夫婦>が増加する 傾向にある、と読み解くのがよいのではないか。<自立型夫婦>とはそれぞれの個性や生きがいを重視し、自分でできることは相 手に頼らずに、互いに感謝しつつ今日の生活を送る大人の夫婦ということだ。定年前の少なからず夫唱婦随的価値観によってい た(その前提にある性による役割分業)夫婦関係の枠組みを脱皮し、それぞれが付かず離れずで共同する新しい夫婦の枠組み を再構築することが必要だろう。実は妻の側のイライラ感も夫の世話をしなければならないという性による役割分業価値観を妻の 側も引きずっているという証明なのだから。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 78 15<団塊世代の意識(男性)> 【定年予定者&退職者】問22:いろいろな意見があげてあります。あなたはそれぞれの意見にどの程度賛成なさいます か。(SA) ●団塊世代の退職予定者と退 ややそう思う どちらともいえない 職男性との意識や価値観の違い (1)全共闘などの学生運動は たいへんそう思う 自分にとって意味あることだった あまりそう思わない について検討しよう。 まったくそう思わない 団塊世代の退職予定者(N=247) 7.3 22.7 退職者男性(N=353) 3.1 10.8 18.6 21.5 21.5 30.0 22.4 42.2 (2)団塊世代は時代のブームを作ってきたと思う 27.5 団塊世代の退職予定者(N=247) 退職者男性(N=353) 49.0 10.2 40.5 21.8 14.2 6.13.2 21.0 6.5 (3)仕事や家族のために自分はずいぶん我慢してきたと思う 15.8 団塊世代の退職予定者(N=247) 退職者男性(N=353) 35.2 11.3 28.3 39.4 16.6 24.1 19.8 4.0 5.4 (4)なんといっても夫婦は運命共同体だ 団塊世代の退職予定者(N=247) 20.6 退職者男性(N=353) 49.0 30.6 18.2 48.2 9.3 2.8 15.6 4.2 1.4 (5)男は外で働き、女は家庭を守るべきだ 団塊世代の退職予定者(N=247) 8.1 退職者男性(N=353) 9.1 26.3 32.0 36.0 21.5 30.6 12.1 18.1 6.2 (6)子供はその個性を大切に育てるべきだ 団塊世代の退職予定者(N=247) 31.2 51.4 退職者男性(N=353) 29.2 56.1 0.0 15.0 2.4 13.0 1.4 0.3 (7)多少家庭を犠牲にしても仕事中心であるべきだ 団塊世代の退職予定者(N=247) 2.4 17.8 退職者男性(N=353) 2.8 34.0 28.9 35.6 38 10.1 23.2 7.1 (8)努力すれば結果は相応についてくる 団塊世代の退職予定者(N=247) 退職者男性(N=353) 8.9 13.6 36.8 31.6 49.3 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 17.4 24.1 79 5.3 9.3 3.7 ●(1)および(2)は団塊世代の 位置づけに関する質問。 全共闘運動に対する評価は団 塊世代ではある程度自分にとっ て意味あることだと考えられている が、退職男性にとってはほとんど 意味を成さないことだ。 団塊世代がブームを作ってきたと いうことに関しては退職男性もあ る程度認めるし、団塊世代にお いてはかなりな賛成を得ている。 団塊世代のある種の自負が見受 けられる。 ●仕事や家族の犠牲になったと 感じているかどうか。団塊世代と その先輩退職男性とではあまり差 がないが、少なくとも我慢してきた 人は我慢してきたとは思わない人 の2.5倍いるということになる。 ●夫婦は運命共同体という意識 は、いまだ主流の考え方である が、団塊世代では、退職男性よ りもかなり少なくなっている。 ●(5)(6)(7)(8)は高度成長 期に日本株式会社をささえた家 庭内規範の4つの標準装置であ る。 <性による役割分担> 「男は外で女は家庭を守るべき だ」に関しては、退職男性におい ては賛成する人が反対する人を 上回る。団塊世代ではほぼ同数 にまで反対する人が増加してい る。 <個性主義> 「子供は個性を大切に・・」に関し ては団塊世代も退職男性も大い に賛成であって、民主教育の基 礎は退職男性も同じであるという こと。 <仕事中心主義> これは団塊世代において反対率 が高い。退職男性では「どちらと もいえない」と仕事人間の残滓が うかがえる。 <努力成果主義> 20年前の団塊世代ではこの価 値観はたいへん高かったが、今日 の団塊世代においては減少す る。リストラをはじめ、人生には必 ずしも公正なことだけではないと、 ある種の挫折感を感じている様 子である。 16<定年退職後のライフスタイル意(男性) 【定年予定者&退職者】問23:対になった意見があげられています。あなたはそれぞれどちらの意見に近いでしょうか。 (SA) 次ページグラフ参照 50%以上の多数意見 49%未満の少数意見 ○人を判断するときに肩書きや役職名 は重要ではない(65%) ○これまでに、やりたくてもできなかっ たことがいくつかある(54%) ○組織や団体に属さない方が好きだ (53%) ○多少規則に外れてもこれからは自由 にやりたい(52%) ○自分らしさとはもともと自分が持って いる個性だ(49%) ○若さとはこころが元気なことだと思う (37%) ○便利な都会に住みたい(37%) ○これからはなるべく海外のよさを発 見したい(28%) ○やむをえなければ夫婦は離婚しても 良い(26%) ○友達といる方が夫婦でいるより楽し い(19%) ○これからは夫婦に頼らず一人で何で もできるようにしたい(17%) ○これからも夫婦で力をあわせて生活 したい(73%) ○これからはなるべく夫婦一緒に行動 したい(55%) ○やむをえなくても夫婦は離婚すべき ではない(44%) ○これからは日本のよさを見直したい (43%) ○若さとは体が元気なことだと思う (37%) ○自然の豊かなところですみたい (35%) ○これまでに、やりたいことはほとんど やってきた(23%) ●これからの定年退職を迎えて、退職予定男性は意識の上でもいままでのサラリーマン根性を脱皮しよう としていると見える。 「肩書きはいらない」「組織や団体に属さない方が好きだ」「これまでにできなかったことがいくつかある」か ら「これからは多少規則に外れても自由にやりたい」という人が多い。というのも「自分らしさはもともと自分 で持っているもの」だし「若さとは心の元気」のことだから、という意識があるからだ。これらのライフスタイル 意識を退職予定男性の50%を越える人が持っているということは主流派だということだ。「チョイ悪おやじ」 という命名があったが、これまでの退職者男性にはない行動が今後多く見られることだろう。 それは肩書きのない世界で組織や団体に属さずにやりたくても出来なかったことを、いまからとり返そうとい う活動だ。世界遺産の旅、楽器の演奏、気ままな旅、こだわりの旅であり、本調査の「退職後やりたい夢や アイデア」の項目で挙げられたようなイベントになるだろう。 ●また、退職予定男性においても「これからも夫婦で力をあわせて生活したい」といった夫婦一体主義は多 数派であるが、しかし、少数派ではあるが、退職男性と比べて、夫婦関係に対する気持ちの持ち方は違っ てきている。多数派ではないにしろ自立型の夫婦を目指している男性は退職男性よりも多く、退職後の夫 婦リストラにおいて、この20%あまりの自立志向の男性が、夫婦の新しい関係をどう築き上げるかが注目さ れるところだ。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 80 A.これからはなるべく夫婦 一緒に行動したい。 A.これからも夫婦で力をあ わせて生活したい。 A.便利な都会に住みた い。 Aにたいへん賛成 Aにやや賛成 Bにやや賛成 Bにたいへん賛成 38.8 定年退職予定者全体(N=345) 11.3 退職者男性(N=353) 14.4 定年退職予定者全体(N=345) 20.6 退職者男性(N=353) 23.8 定年退職予定者全体(N=345) 10.7 24.9 A.年相応の生き方をした い。 定年退職予定者全体(N=345) 9.9 30.7 A.これからはなるべく海外 のよさを発見したい。 定年退職予定者全体(N=345) 6.1 21.4 34.8 定年退職予定者全体(N=345) 8.4 17.1 A.組織や団体に属してい る方が好きだ。 定年退職予定者全体(N=345) 2.910.4 A.これまでに、やりたいこと はほとんどやってきた。 定年退職予定者全体(N=345) 2.6 16.2 A.若さとは体が元気なこと だと思う。 定年退職予定者全体(N=345) 7.2 A.人を判断するときに肩書 きや役職名は重要な要素 だ。 定年退職予定者全体(N=345) 2.012.5 20.9 A.環境やエコロジーを守る 方が便利な暮らしより優先 する。 定年退職予定者全体(N=345) 7.8 A.夫婦でいる方が友達と いるより楽しい。 定年退職予定者全体(N=345) 9.9 29.9 退職者男性(N=353) 9.6 30.9 28.6 退職者男性(N=353) 0.611.0 27.8 33.3 退職者男性(N=353) 11.6 32.0 81 31.3 B.これからは日本のよさを見 直したい。 B.自分らしさとは自分が努 力して作った成果だ。 30.6 15.6 11.3 11.0 B.若さとはこころが元気なこ とだと思う。 8.2 42.0 22.6 35.4 25.2 39.7 B.これまでに、やりたくてもで きなかったことがいくつかある。 7.9 24.4 40.3 B.組織や団体に属さない 方が好きだ。 18.3 25.8 43.6 B.若さにこだわった生き方を したい。 21.8 2.5 37.1 41.2 B.これからも規則にした がった生き方を守りたい。 B.やむをえなくても夫婦は離 婚すべきではない。 18.0 4.3 42.3 32.0 B.自然の豊かなところです みたい。 17.3 34.6 27.5 24.6 退職者男性(N=353) 8.2 16.2 35.1 38.8 退職者男性(N=353) 2.8 20.1 13.6 24.6 31.4 33.3 B.これからは夫婦に頼らず 一人で何でもできるようにした い。 12.7 1.1 15.9 29.0 37.7 退職者男性(N=353) 0.310.8 2.3 15.4 26.9 36.2 B.これからはなるべく夫婦 別々に行動したい。 15.6 3.4 27.5 33.6 37.1 退職者男性(N=353) 6.5 16.8 2.6 24.3 36.3 定年退職予定者全体(N=345) 12.5 11.6 29.2 34.5 A.自分らしさとはもともと自 分が持っている個性だ。 23.5 27.2 45.3 退職者男性(N=353) 3.4 15.3 13.0 38.8 45.2 退職者男性(N=353) 4.5 15.9 20.6 28.7 35.4 退職者男性(N=353) 11.6 5.5 12.7 12.51.4 41.7 退職者男性(N=353) 6.8 11.0 1.4 18.6 11.6 49.6 定年退職予定者全体(N=345) 10.1 8.74.9 32.3 43.8 A.多少規則に外れてもこ れからは自由にやりたい。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 36.2 40.8 退職者男性(N=353) 9.3 20.7 A.やむをえなければ夫婦は 離婚しても良い。 どちらともいえない B.人を判断するときに肩書 きや役職名は重要ではな い。 14.8 3.8 13.3 B.便利な暮らしをする方が 環境やエコロジーより優先す る。 3.4 11.9 7.2 12.5 3.4 B.友達といる方が夫婦でい るより楽しい。 17<退職金金額> 【定年予定者】問26:失礼ですが、その額はいくらですか。二度以上受け取ったか、受け取る予定の方はその合計額を お聞かせください。(SA) 【退職者】問26:失礼ですが、その額はいくらですか。二度以上受け取った方はその合計額をお聞かせください。(SA) 退職金受取り金額(予定ありを含む) 定年退職予定者全体(N=278) 退職者男性全体(N=329) (%) 25.0 20.0 15.0 10.1 7.3 10.4 8.6 8.2 7.9 16.915.2 11.511.9 5.4 8.5 6.7 2.9 4.3 3.6 2.2 3.6 4 5 0 0万 円 以 上 4 0 0 0 ‐4 5 0 0万 円 3 5 0 0 ‐4 0 0 0万 円 3 0 0 0 ‐3 5 0 0万 円 2 5 0 0 ‐3 0 0 0万 円 2 0 0 0 ‐2 5 0 0万 円 1 5 0 0 ‐2 0 0 0万 円 1 0 0 0 ‐1 5 0 0万 円 5 0 0 ‐1 0 0 0 万円 5 0 0万 円 未 満 10.0 5.0 0.0 21.9 18.7 <年令別(定年退職予定者)> 年令別 退職金金額平均 (万円) 2,500 2,350 2,086 2,052 ●退職金額を退職予定男性と退職 男性とにたずねている。 1,810 2,000 1,500 1,000 500 6 0歳 以 上 (N=20) 5 7 - 5 9歳 (N=183) 5 6歳 以 下 (N=50) 定年退職予定者 退職金受取りあり (予 定 を 含 む ) (N=253) 0 定年退職予定者年令別 <退職後経過年別(退職者)> 経年別 退職金金額平均 (万円) 2,500 2,271 2,345 2,258 ●退職金の行方について検討した い。 2,175 2,385 2,000 1,500 ●退職予定男性と退職男性とを比 較すると、退職予定男性には早期 退職予定者も含まれているので、退 職予定男性の金額分布は、やや左 側へ偏っている。つまり、退職男性よ りも退職金が少ない人は多く、多い 人は少ない。 平均値で見ると、退職予定男性で は2052万円にたいし、退職男性では 2271万円である。 あるいは退職金格差がここ数年で大 きくなっているということかもしれない。 ●退職予定者の受け取り予定金額 は56歳以下の早期退職者で1840万 円。60歳以上の(2次退職者=退職 金受け取り2回目以上を含めた)退 職予定者で2350万円。団塊世代の 退職予定者で2086万円である。 1,000 500 退職者退職後経過年別 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 82 男 性 :退 職 後 1 2年 (N = 6 3 ) 男 性 :退 職 後 3 4年 (N = 1 0 6 ) 男 性 :退 職 後 5 6年 (N = 7 4 ) 男 性 : 退 職 後 7年 以 上 (N = 6 0 ) 退職者 (N=312) 0 ●すでに退職した退職者の退職年 別にはそれほど大きな違いはなく、平 均2271万円である。 18<定年退職金の使途> 【定職予定者】問28:退職金をどのようにお使いになる予定ですか、あるいはどのようにお使いになりましたか。退職金 入手後、1年間を想定して、それぞれの項目へ割り当てる%をおきかせください。現在しっかりした計画がない場合でも、 およその心積もりで結構ですので、お聞かせください。 【退職者】問28:退職してから現在までの、あなたの世帯の合計支出金額についておたずねします。(合計が退職金総 額を越えても結構です。) (万円) 1,000 40.0 (%) 37.5 947 予定者平均金額 退職者平均金額 予定者平均割合 800 600 ●退職金の行方はどこへ 定年退職予定者の退職金計画と 退職者の使い道 837 35.0 30.0 25.0 571 20.5 18.4 460 418 20.0 14.4 400 778 15.0 9.2 200 428 10.0 422 1,563 ●退職男性の退職後の経年別に 使途の変化を見てみよう。 0.0 銀 行 ・郵 便 局 な ど の 預 貯 金 日常の生活費 株 ・債 権 ・投 資 信 託 な ど の 投 資 旅 行 ・車 ・住 宅 な ど の 大 型 消 費 住宅ローンなどの借入金返済 退職後7年以上(N=62) ●それでは退職男性はどのように 退職金を使ったか。退職後今日ま での累積金額をたずねた。(退職 後経年平均4.3年) 1)大きく伸びるのは、当然ではある が日常の生活費である。就労収入 や年金収入でまかなっている人が 大部分だろうが、退職金を含めた 預貯金からの取り崩しからもフロー があるだろう。(日常の生活費だけ で月平均18万円)。 2)住宅ローンなどの返済はほぼ予 定通り460万円実施されている。 3)旅行・車・住宅などの大型消費 へは4.3年後には420万円ほど 支出され、予定の2倍となってい る。 4)株などの金融商品へは予定が 420万円のところ570万円であ る。 5.0 228 196 0 退職者の使い道(退職後年経過別) 退職後3年未満(N=79) 退職後3-6年(N=188) 938 株 ・債 権 ・投 資 信 託 な どの投資 346 402 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 751 846 920 485 銀 行 ・郵 便 局 な ど の 預 貯金 613 547 587 日常の生活費 558 旅 行 ・車 ・住 宅 な ど の 大型消費 住宅ローンなどの借入 金返済 (万円) 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 454 458 477 600 400 200 0 ●退職金を受け取る前の退職予 定男性の退職金の予定使途は、 400万円ほどの住宅ローンなどの 借入金を返して、すぐに大型消費 へ走ることなく200万円ほどにとど め、将来の生活費のためにとりあえ ず銀行・郵便局へ800万円ほど 預けるが、金利を考えて400万円 ほどは投資型の金融商品を買お う、というような堅実なプランとして要 約されるだろう。 83 確実に増加する日常生活費と一 度返済・購入したら増加しない支 出(住宅ローン・株などの投資型金 融商品)があるが、旅などの大型 消費は確実に増加するタイプの費 目である。 団塊退職者の支出先は具体的に はどこになるのだろうか。何に消費さ れるのだろうか。 以下のページで検討したい。 19-(1)<定年退職後の生活を豊にするために購入したい、サービス・商品>(全体) 【定年予定者】問29:退職金や預貯金を使って、退職後の生活を豊かにするために、どのような商品やサービスを購入 なさりたいですか。今後購入したい・実行したいとお考えの品目・サービスをすべてお聞かせください。(MA) 【退職者】問29:退職後、あなたの世帯で購入・支出なさったものを以下の商品やサービスのなかからすべてお知らせく ださい。(MA) 定年退職後の生活を豊かにするために購入したい、サービス・商品(MA) 退職後、世帯で購入・支出した商品・サービス(MA) (%) 80.0 定年退職予定者全体(N=345) 73.7 退職者男性(N=353) 70.0 60.3 60.0 50.0 55.2 54.4 50.1 42.2 39.1 38.3 40.0 39.4 37.1 33.6 33.6 27.8 27.8 30.0 16.7 10.0 24.9 25.2 26.6 20.0 33.4 30.6 0.0 26.6 記念品購入 その他 リゾートクラブなどの会員権 子 の 住 宅 購 入 ・リ フ ォ ー ム 支 援 液晶プロジェクター イ ン テ リ ア ・家 具 食器洗浄乾燥機 開 業 ・起 業 支 出 自宅の新規購入 孫の誕生支出 I H電 磁 調 理 器 家族での海外旅行 ホームシアターセット 別荘等田舎暮らしの家 子 や 孫 の 入 学 ・進 学 支 援 D V Dレ コ ー ダ ー 趣味関係のイベント支出 家族での国内旅行 子どもの結婚支援支出 デ ジ タ ル 1眼 レ フ カ メ ラ 冷蔵庫など家電の買い替え パソコン 趣 味 関 係 の 道 具 購 入 ・会 費 大 型 画 面 液 晶 ・プ ラ ズ マ テ レ ビ 自 宅 の 改 修 ・リ フ ォ ー ム 車 夫婦での海外旅行 夫婦での国内旅行 株 ・投 資 信 託 な ど 金 融 商 品 投 資 19.8 17.8 18.0 16.4 15.9 15.4 15.1 14.2 11.3 11.6 12.2 8.8 9.1 11.6 9.9 9.6 9.0 8.5 7.9 8.4 8.1 7.5 7.0 7.0 3.2 2.9 4.6 3.5 6.8 3.8 6.5 6.2 3.4 1.7 1.7 2.8 2.0 ●退職予定男性と退職男性について、退職後の生活を豊かにするために購入したい(購入した)商品・サービスにつ いて検討しよう。 ●退職予定男性が購入したいとしているよりも退職男性が多く購入したものは、「パソコン」「夫婦での国内旅行」 「株・債券・投資信託などの金融商品」「車」「自宅の改修・リフォーム」の5品目である。ただし本調査がネット調査 であることを考慮し「パソコン」は例外的に高いことから、これをはずすと、残り4つの商品が退職後暮らしの<新4種 の神器>と言うことになろう。 ●一方、退職予定男性の希望の方が退職男性を上回る品目は団塊世代を7割含む退職予定男性に特徴的な 購入意向品目といえるだろう。それらは「夫婦での海外旅行」「大型液晶・プラズマテレビ」である。また購入意向率 は少ないが退職予定男性で特徴的に多い品目は、「別荘等田舎暮らしの家」「ホームシアターセット」がある。これら の品目も今後伸びていくと見てよいだろう。 ●また、購入率はやや下がるが、退職予定男性と比べ、退職男性では明らかに高い品目は「冷蔵庫など家電の買 い替え」「孫の誕生支出」「DVDレコーダー」である。これらは退職予定男性ではまだ気がつかないシニアライフステー ジ品目であって、今後も継続的に期待できる品目といえるだろう。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 84 19-(2)<定年退職後の生活を豊にするために購入したい、サービス・商品>(退職後経年別) 【退職者】問29:退職後、あなたの世帯で購入・支出なさったものを以下の商品やサービスのなかからすべてお知らせく ださい。(MA) 退職後、世帯で購入・支出した商品・サービス(退職後経過年別)(MA) (%) 退職後7年以上(N=69) 100.0 退職後3-6年(N=199) 89.9 退職後3年未満(N=85) 90.0 80.0 74.9 71.0 70.0 62.8 57.8 62.3 60.0 50.0 57.6 52.9 52.9 40.0 53.6 49.3 43.5 58.3 50.7 41.230.4 30.0 35.7 31.8 20.0 35.3 10.0 0.0 39.1 37.7 45.2 33.3 その他 液晶プロジェクター 別荘等田舎暮らしの家 食器洗浄乾燥機 ホームシアターセット 家族での海外旅行 リゾートクラブなどの会員権 開 業 ・起 業 支 出 I H電 磁 調 理 器 記念品購入 子 の 住 宅 購 入 ・改 築 リ フ ォ ー ム 支 援 子どもの結婚支援支出 自宅の新規購入 大 型 画 面 液 晶 ・プ ラ ズ マ テ レ ビ 子 や 孫 の 入 学 ・進 学 支 援 支 出 イ ン テ リ ア ・家 具 デ ジ タ ル 1眼 レ フ カ メ ラ 孫の誕生支出 趣味関係のイベント支出 家族での国内旅行 D V Dレ コ ー ダ ー 自 宅 の 改 修 ・リ フ ォ ー ム 夫婦での海外旅行 車 冷蔵庫など旧式になった家電の買い替え 趣味関係の道具購入や会費支出 夫婦での国内旅行 株 ・債 券 ・投 資 信 託 な ど の 金 融 商 品 投 資 パソコン 29.1 36.7 22.1 23.2 23.2 20.3 31.7 12.9 26.6 20.3 17.4 27.1 27.1 25.9 29.0 15.1 13.0 14.1 22.4 21.2 21.2 11.6 10.1 11.6 17.6 2.9 2.911.6 9.5 4.7 18.8 17.4 25.1 7.2 9.0 4.3 4.3 14.1 14.1 2.0 1.5 5.5 11.8 11.8 16.6 16.5 10.6 8.0 7.2 7.1 7.1 6.0 7.1 7.1 6.0 7.0 5.9 1.5 3.5 3.5 2.4 1.2 1.2 2.4 ●購入品目には退職後時間を経れば、それだけ多くの人が購入する品目と、一方それほど広がらず、限られた人 が購入する品目とがある。 <時間がたてば広がる品目> 「パソコン」「車」「自宅の改修・リフォーム」「家電の買い替え」「孫の誕生支出」など。これらの品目はそう何度も同 じ分野の商品を購入するわけではなく、買い替えが主流である。 <時間が経っても一定の人以上には広がらない品目> 「夫婦の国内旅行」「株などの金融商品」「趣味関係の道具支出」「「夫婦の海外旅行」「趣味関係のイベント支 出」があげられる。 もっともこれらの品目は広がりは少なくとも反復頻度は高いであろうから、囲い込むことが重要だ。 <退職後最初の3年以内が特に購入率が高い品目> 「パソコン」「夫婦の国内旅行」「株などの金融商品」「趣味関係の道具支出」「車」「家電の買い替え」「夫婦の海 外旅行」。これらの品目は最初の3年以内に30%程度の人が購入する。早い時期から仕掛ける必要があろう。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 85 19-(3)<定年退職後の生活を豊かにするために購入したい、サービス・商品>(女性) 【団塊の妻】問29:退職金や預貯金を使って、退職後の生活を豊かにするために、どのような商品やサービスを購入な さりたいですか。今後購入したい・実行したいとお考えの品目・サービスをすべてお聞かせください。(MA) 【退職者の妻】問29:夫の退職後、あなたの世帯で購入・支出なさったものを以下の商品やサービスのなかからすべて お知らせください。(MA) 定年退職後の生活を豊かにするために購入したい、サービス・商品(MA) 夫の退職後、世帯で購入・支出した商品・サービス(MA) (%) 団塊世代の夫を持つ妻(N=275) 80.0 退職者の夫を持つ妻(N=236) 70.0 60.0 49.6 50.0 44.1 43.2 38.1 40.0 20.0 29.2 29.2 30.0 24.6 44.0 24.2 25 22.9 39.6 31.3 10.0 20.8 19.1 26.5 23.6 22.2 21.8 15.3 9.7 19.6 18.5 16.7 16.0 6.8 0.0 13.6 8.9 10.2 8.9 8.5 8.1 4.7 その他 リゾートクラブなどの会員権 記念品購入 開 業 ・起 業 支 出 液晶プロジェクター 別荘等田舎暮らしの家 デ ジ タ ル 1眼 レ フ カ メ ラ 子 の 住 宅 購 入 ・改 築 リ フ ォ ー ム 支 援 ホームシアターセット 食器洗浄乾燥機 D V Dレ コ ー ダ ー I H電 磁 調 理 器 イ ン テ リ ア ・家 具 自宅の新規購入 子 や 孫 の 入 学 ・進 学 支 援 支 出 パソコン 趣味関係のイベント支出 孫の誕生支出 家族での海外旅行 趣味関係の道具購入や会費支出 冷蔵庫など旧式になった家電の買い替え 家族での国内旅行 車 子どもの結婚支援支出 大 型 画 面 液 晶 ・プ ラ ズ マ テ レ ビ 自 宅 の 改 修 ・リ フ ォ ー ム 株 ・債 券 ・投 資 信 託 な ど の 金 融 商 品 投 資 夫婦での海外旅行 夫婦での国内旅行 3 9.3 10.9 10.5 7.2 10.5 10.2 9.5 9.1 7.6 7.3 7.3 5.8 3.3 2.9 2.9 2.5 2.2 1.8 0.7 2.5 1.7 2.1 0.8 0.4 ●妻の側から見た、夫退職後の購入品目を見てみよう。 ●購入品目トップ5は「パソコン」「夫婦での国内旅行」「株などの金融商品」「車」「自宅のリフォーム」である。世帯で の購入品目であるから、夫と差はない。 ●団塊世代を夫に持つ妻が購入したいとするトップ5は「夫婦での国内旅行」「夫婦での海外旅行」「自宅のリフォー ム」「株などの金融商品」「大型画面テレビ」であるが、とくにこれから退職する団塊世代を夫に持つ妻が希望する品 目は「夫婦での海外旅行」である。また旅行では「家族での海外旅行」にも希望が大きい。これまで退職者の妻が購 入した「夫婦での海外旅行」よりもたいへん高い希望となっており、実現するとすれば、たいへん大きな市場となる。 ●夫の退職前にはそれほど支出予定として意識していなかったが、退職後に実際に支出したという品目は「家電の買 い替え」「趣味関係の道具購入」「孫の誕生支出」などである。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 86 19-(4)<定年退職後に購入した商品・サービス>(退職金額別) 【退職者】問29:退職後、あなたの世帯で購入・支出なさったものを以下の商品やサービスのなかからすべてお知らせく ださい。(MA) 定年退職後に購入した商品・サービス 定年退職金額別(MA) 1500万円未満(N=77) (%) 90.0 1500-3000万円(N=161) 3000万円以上(N=74) 80.0 77.0 70.3 70.0 73.3 60.0 62.2 63.4 67.5 60.9 54.7 59.5 57.1 50.0 51.9 40.0 40.3 30.0 20.0 10.0 0.0 その他 リゾートクラブなどの会員権 液晶プロジェクター ホームシアターセット 別荘等田舎暮らしの家 I H電 磁 調 理 器 開 業 ・起 業 支 出 記念品購入 家族での海外旅行 子 の 住 宅 購 入 ・改 築 リ フ ォ ー ム 支 援 自宅の新規購入 趣味関係のイベント支出 家族での国内旅行 食器洗浄乾燥機 イ ン テ リ ア ・家 具 大 型 画 面 液 晶 ・プ ラ ズ マ テ レ ビ デ ジ タ ル 1眼 レ フ カ メ ラ 子 や 孫 の 入 学 ・進 学 支 援 支 出 子どもの結婚支援支出 孫の誕生支出 夫婦での海外旅行 D V Dレ コ ー ダ ー 趣味関係の道具購入や会費支出 冷蔵庫など旧式になった家電の買い替え 自 宅 の 改 修 ・リ フ ォ ー ム 夫婦での国内旅行 車 株 ・債 券 ・投 資 信 託 な ど の 金 融 商 品 投 資 パソコン 44.143.2 41.9 43.2 36.5 36.5 35.1 42.9 37.3 35.1 39.1 31.7 29.7 29.2 39.0 29.2 24.3 32.3 23.0 21.6 21.6 28.6 29.9 18.2 21.6 26.1 17.6 18.0 14.9 23.4 16.116.1 14.3 10.8 10.8 10.8 16.819.5 8.7 21.1 9.1 16.9 8.1 4.3 9.1 17.6 8.7 14.3 18.2 4.1 4.1 4.1 4.1 9.3 5.2 10.4 9.1 8.7 6.8 5.2 6.5 5.0 6.5 6.5 7.5 3.9 5.0 5.4 1.9 2.6 3.7 0.0 1.3 0.6 2.6 ●退職金額の違いはどのような支出品目の違いとなっている現れるだろうか。 ●退職金額の多少によって変わってくる品目は「株などの金融商品」「趣味関係の道具支出」「夫婦での海外旅 行」「子や孫の入学・進学支援支出」「インテリア・家具」など高額品や余裕品目である。 ●逆に退職金額の多少にかかわらず支出された品目は「パソコン」「夫婦での国内旅行」「自宅のリフォーム」「家電 の買い替え」「孫の誕生支出」「子どもの結婚支出」「デジタル1眼レフカメラ」「趣味関係のイベント支出」などとなっ ている。普及品や必需品への支出が多くなっている。また「家族での国内旅行」「夫婦での国内旅行」は特徴的 で、退職金額が1500‐3000万円未満の中間層において、特に支出率が高くなっている。いわばボリュームゾーンの 商品である。余裕品だけの取り揃えだけではなく、数的に多いボリュームゾーンにも目をやる必要があるということだ。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 87 20-(1)<車の購入に関して> 【定年予定者】【退職者】問30-2:ご購入なさりたい(なさった)車の大きさ(排気量)をお知らせください。(SA) 【定年予定者】【退職者】問30-4:車の購入に支出(なさった)してもよいと思われる金額をお知らせください。(SA) 購入した車の大きさ(排気量)と支出金額 購入したい車の大きさ(排気量)と支出金額 支出金額 軽自動車 小さい車(排気量1500cc以下) 中くらいの車(排気量1500-2500c 支出金額 軽自動車 小さい車(排気量1500cc以下) 中くらいの車(排気量1500-2500cc) 大きな車(排気量2500ccより大きい) 大きな車(排気量2500ccより大きい) 350 300 (万円) 64.6 59.5 50 60.0 19.0 16.4 5.2 13.6 0.0 (万円) 40.0 201 150 28.6 100 20.0 15.0 14.6 2.1 47.7 46.4 200 25.0 18.8 (%) 80.0 300 250 184 40.0 170 35.0 25.0 17.2 208 45.7 226 27.3 30.4 17.0 10.9 8.0 13.0 60.0 40.0 20.0 50 5.0 0.0 3 0 0 0万 円 以 上 (N = 4 6 ) 1 5 0 0万 円 未 満 (N=40) 退職者車購入あり (N=192) 1 5 0 0 - 3 0 0 0万 円 未満 (N=88) 7.8 0 0.0 3 0 0 0万 円 以 上 (N = 2 0 ) 1 5 0 0 - 3 0 0 0万 円 未満 (N=48) 1 5 0 0万 円 未 満 (N=22) 定年退職予定者 車購入意向あり (N=116) 0 350 249 246 150 100 80.0 314 55.0 250 200 (%) 72.7 0.0 購入したい(購入した)車のタイプ(SA) セダン 1ボックスカー(ステップワゴンなど) コンパクトカー(ビィッツ、フィットなど) ハッチバック(カローラリンクスなど) その他 定年退職予定者 車購 入意向あり(N=116) 退職者 車購入あり (N=192) ステーションワゴン(カロラフィールダーなど) 4WDカー(パジェロなど) クーペ・スペシャリティカー(フェアレディZなど) 軽自動車 47.4 35.9 13.8 8.3 10.9 2.1 9.5 18.8 8.6 1.64.7 4.3 10.3 4.3 1.7 0.0 17.2 0.5 ●退職消費の<4種の神器>のうち<車>について検討しよう。 ●定年予定者で車の購入意向のある人は<車>に246万円の支出を予定しているが、退職者で車を購入した 人は201万円の支出だった。予定者と退職者とではかなりの差があるといえる。 ●排気量でみると、予定者の6割の人が「中くらいの車(排気量1500-2500cc)」を購入したい、と考えているが、退 職者の購入者は46%でしかない。また予定退職金額3000万円以上の人の55%は「大きな車(排気量2500cc 以上)」を購入したいと考えているが、実際の退職金3000万円以上に人が購入した車で「大きな車」の人は12%で しかない。 ●逆に予定者の意向よりも退職者が購入した方が多かった車は「軽自動車」(5.2%⇒17.2%)、「小さい車」 (16.4%⇒28.6%)である。団塊世代の今の購入意向を持って、退職後の購入を占うのはリスクを伴うということであ る。 ●車種別に見ると、予定者の意向車種は「セダン」が多いが、退職者が購入した車種は「セダン」は相対的に少な く、その代わり、「コンパクトカー」(+8%)、「軽自動車」(+13%)が多くなっている。夫婦だけの生活に大型車は要ら ないと考えるのは当然のように思える。小型車、軽自動車でもどのようなコンセプトが受け入れられるのか。この背景 にあるニーズを次に検討したい。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 88 20-(2)<車の選択理由> 【定年予定者&退職者】問24:夫婦で楽しむための商品・サービスを選ぶとき、あなたがこだわって重視したいキーワー ドは以下のどれですか。あなたの感じに少しでもピンと来るものがあれば、それぞれいくつでもお知らせください。(MA) ●「夫婦で乗る車」にたいするこだ わりのキーワードは、「「安全に気を 配った」「体の楽な」「低価格の」 「上質な」「シンプルな」あたりが上 位を占める。 意味的に矛盾することもあるが、そ れが矛盾していないような車へニー ズが向かっているということだろう。 夫婦で乗る車を選ぶときのキーワード 定年退職予定者(N=345) 60.0 56.7 (%) 退職者男性(N=353) 51.3 40.0 26.9 25.5 22.6 21.7 21.8 20.0 20.7 5.1 10.2 3.8 10.1 0.0 4.6 20.9 17.8 9.6 9.1 9.1 17.6 17.6 11.0 17.1 11.9 11.3 5.2 3.5 3.5 9.3 3.8 2.3 3.7 6.4 6.4 3.1 2.8 3.1 1.4 2.0 8.4 10.8 4.2 体の楽な 自分のペースでやれ むずかしくない ●また「外観・デザインのセンス」に ついても購入理由の重要な項目に なっている。いままで買いたくても買 えなかったスポーツカーなどに相当 するだろう。 車を購入する(した)時の選択理由(MA) (%) 定年退職予定者 車購入意向あり(N=116) 70.0 60.0 退職者 車購入あり(N=192) 58.6 51.7 46.6 50.0 43.1 40.0 32.8 31.9 25.9 30.0 20.0 28.1 23.4 25.0 25.0 31.3 20.3 10.0 22.4 19.8 20.8 17.7 13.0 10.4 19.0 18.1 16.7 19.0 16.1 10.4 20.8 11.5 10.4 13.8 89 昔からのこだわりにあっている こ と (昔 か ら の こ だ わ り ) 7.8 保 証 ・サ ー ビ ス が よ い こ と (保 証 ・サ ー ビ ス が よ さ そ う だ っ た から ) 活動的な暮らしにあっているこ と (活 動 的 な 暮 ら し を し た か っ たから ) 外観デザインのセンスがあって い る こ と (外 観 デ ザ イ ン の セ ン スが好きだったから ) 一度は乗ってみたいという満足 を 満 た す こ と (一 度 は 乗 っ て み たかったから ) 駐車スペースにピッタリなこと (駐 車 ス ペ ー ス に ピ ッ タ リ だ っ たから ) 最新の機器が組み込まれている こ と (最 新 の 機 器 が 組 み 込 ま れ ていたから ) 少 し 贅 沢 を で き る こ と (少 し 贅 沢をしたかったから ) ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp お 得 な こ と (お 得 だ っ た か ら ) 力 強 い エ ン ジ ン な こ と (力 強 い エンジンだったから ) 取 り 回 し が 楽 な こ と (取 り 回 し が楽だから ) エコロジーや省エネの時代に あ っ て い る こ と (エ コ ロ ジ ー や 省エネの時代だから ) 夫婦のライフスタイルにあって い る こ と (夫 婦 の ラ イ フ ス タ イ ルにあっているから ) 車内がゆったりしていること ( 車 内 が ゆ っ たりしているか ら ) 安 全 を 重 視 し て い る こ と (安 全 を重視したかったから ) 0.0 10.4 わからない 1.7 ちょっと贅沢な 若々しい 人間らしい シンプルな 年相応の いままでにない こだわりのある 安全に気を配った <車を購入した時の選択理由> 26.4 20.0 18.6 ●車購入時の選択理由(下図)で みると、退職予定者においては、 「安全性重視」「車内ゆったり」「夫 婦のライフスタイルにあっていること」 「エコロジーや省エネ」が主要な選 択理由であるが、退職者において は「夫婦のライフスタイルにあってい ること」「がまずあげられている特徴 がある。「車内ゆったり」「安全性」 「お得だったから」とつづく。「室内 ゆったり」とは贅沢や裕福を求めて いるのではなく「体が楽な」ことを意 <購入した車のタイプ> 味しているとおもわれる。 21-(1)<住宅リフォームへの支出に関して> 【定年予定者】【退職者】問31-2:リフォームにかけてもよいという金額(かけた金額)はいくらでしょうか。(SA) リフォームにかかった支出金額(平均) リフォームにかけてもよい金額(平均) 予定定年退職金額別 (万円) 定年退職金額別 (万円) 450 400 352 339 400 300 150 100 100 50 50 0 0 1 5 0 0 - 3 0 0 0万 円 未 満 (N=51) 1 5 0 0万 円 未 満 (N = 3 3 ) 150 291 288 227 退 職 者 リ フ ォ ー ム 経 験 あ り (N = 1 4 9 ) 200 3 0 0 0万 円 以 上 (N=16) 200 1 5 0 0万 円 未 満 (N = 1 8 ) 250 定 年 退 職 予 定 者 リ フ ォ ー ム 意 向 あ り (N = 1 1 6 ) 250 282 3 0 0 0万 円 以 上 (N=32) 350 278 300 450 1 5 0 0 - 3 0 0 0万 円 未 満 (N=71) 350 383 21-(2)<住宅リフォームの目的> 【定年予定者】【退職者】問31-3:リフォームをなさろうという目的(なさった目的)は何ですか。(MA) ●<自宅のリフォーム>について検討しよう。 退職者 リフォーム経験あり(N=149) リフォームの目的(MA) 70.0 60.0 (%) 定年退職予定者 リフォーム意向あり(N=116) 58.6 46.6 50.0 41.4 40.3 40.0 39.6 34.9 33.6 33.6 31.0 30.0 28.4 22.4 18.8 19.0 16.4 16.8 20.0 8.1 10.1 8.1 10.0 2.0 4.7 0.9 0.0 90 その他 環境にやさしくするため 家族構成の変化に合わせるため 地震対策のために 家事をしやすくするため 外壁が汚れたので 安全な暮らしのため 高齢で体が弱ったときに使いやす くするため 水周りがふるくなったので 内装が汚れたので 快適な暮らしのため ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 1.7 ●定年予定者のうちリフォーム予定のある人の 平均予定金額は339万円。一方退職者のうち リフォームした人のかけた金額平均は282万円。 やはりリフォームにおいても差は大きい。3000万 円以上の退職金があった人でも288万円しか 支出していない状況。 ●リフォームの目的は予定者においては「快適 な暮らしのため」「内装が汚れたので」「水周りが 古くなったので」「高齢対策」となっているが、退 職者の目的は「外壁が汚れたので」「快適な暮 らし」「内装」「水周り」となっていて、両グループ での居住形態は違いが少なく、戸建て持ち家 が多数派であるにもかかわらず、意外にも実際 にはバリアフリー対策が少ないところ。まだ、その 時期ではないということか。 22-(1)<海外旅行への支出に関して> 【定年予定者】【退職者】問32-1:退職後、ご夫婦や友人、家族との海外旅行には何回ぐらい出かけたいとお考えで すか(何回ではけられましたか)。(SA) 【定年予定者】【退職者】問32-2:退職後、夫婦や家族、友人との海外旅行に総額どの程度の支出をなさってもよ い、とお考えですか(いくら支出なさいましたか)。(SA) 海外旅行:金額・回数 海外旅行:金額・回数 金額 回数 回数 (万円) 300 278 8 265 (万円) (回) 7 250 7.0 6.8 3 100 2 50 7 168 169 3.3 3.7 退職者の夫を持つ妻 海外旅行経験あり (N = 6 3 ) 0 1 退 職 者 海 外 旅 行 経 験 あり (N=109) 定 年 退 職 予 定 者 海 外 旅行意向あり (N=146) 団塊世代の夫を持つ妻 海外旅行意向あり (N = 1 2 2 ) 0 3 2 50 1 5 4 150 4 100 (回) 6 200 5 150 8 300 250 6 200 0 金額 0 22-(2)<海外旅行の狙い> 【定年予定者&団塊の妻】【退職者&退職者の妻】問32-4:退職後、出かけたい海外旅行の狙いは次のどれです か(一番最近行かれた海外旅行の狙いは何ですか)。(3MA) ●<海外旅行>も退職者の4種の神器の一つだ。 海外旅行の目的(3MA) (%) 60.0 50.0 53.4 50.5 退職者 海外旅行経験あり(N=109) 定年退職予定者 海外旅行意向あり(N=146) 41.8 40.0 30.0 20.0 33.6 30.1 25.3 24.0 25.7 28.4 19.3 11.9 13.8 19.9 14.4 16.5 13.7 11.0 10.0 2.8 0.0 6.8 0.0 2.7 2.1 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 3.7 0.0 0.7 その他 語 学 や 料 理 、ガ ー デ ニ ン グ を 学 ぶ ホームステイ エ ス テ ・ス ポ ー ツ な ど を 体 験 す る 植 物 ・動 物 の 生 態 を 学 ぶ 海外の家族や友人と会う 音楽や芸術観賞にこだわった旅 鉄道やクルーズでめぐる各地の旅 移住やロングステイの研究 退職のため夫婦の記念や慰労 世界各地の人々の生活や文化と触 れ合う 滞在型リゾートでゆっくり過ごす グルメやショッピングを楽しむ 不思議な大自然の発見 歴 史 建 造 物 ・伝 統 を め ぐ る 観 光 0.0 1.8 1.8 91 ●退職予定者は退職後に総額270万円あまりを海外 旅行にあてたいと考えているが、退職者は170万円あま りを支出したとしている。また回数も退職予定者では7 回あまりを予定しているが、退職者においては3‐4回あ まりである。退職予定者はあくまで希望であって、実際 にはそこまではいかない、と見ることは妥当だと思うが、し かし、退職者と同じレベルだとも思えない。傾向として世 界遺産などの海外旅行の希望者は増加しているし、海 外旅行のエキスパートはシニアにはめずらしいことではな い。団塊世代を中心とした退職者の増加は間違いない として、どのような狙いを持って海外旅行をするかという ニーズが問題であろう。 ●その点を検討しよう。まず退職者の海外旅行の狙い は「歴史建造物・伝統をめぐる観光」が最も多く、また、 それに集中する傾向がある。一方退職予定者の狙いは もっとバラエティに富み、個性的な狙いを持っていると思 われる。例えば「不思議な大自然」「滞在型リゾート」 「鉄道やクルーズ」「移住やロングステイ」などリピーターな らではのこだわりが見られる。いはば脱パック旅行であっ て、観光から体験へ、観光から滞在へと関心がいっそう 移行しているように思われる。 海外旅行の狙い(団塊世代の夫を持つ妻VS退職 者の妻) (%) ●女性の側にもそのことはいえそうだ。団塊世代を夫に 持つ妻の方が退職者の妻よりも、旅の狙いは多様化 し、いっそう目的がはっきりしてきているようだ。 退職者の夫を持つ妻 海外旅行経験あり(N=63) 団塊世代の夫を持つ妻 海外旅行意向あり(N=122) 59 ●ただし、男性と違っているのは、退職者の妻では「退 職のため夫婦の記念や慰労」という目的が2番目の理 由となっていることだ。夫の退職旅行という側面を男性 より強く意識しているということができるかもしれない。 60 55.6 50 37.7 40 32.8 25.4 25.4 23 20.5 19 19 20 12.7 18.9 11.1 9 10 4.8 6.3 6.3 2.5 3.3 4.1 3.3 1.6 1.6 0 その他 0 語 学 や 料 理 、ガ ー デ ニ ン グ を 学 ぶ ホームステイ エ ス テ ・ス ポ ー ツ な ど を 体 験 す る 植 物 ・動 物 の 生 態 を 学 ぶ 海外の家族や友人と会う 音楽や芸術観賞にこだわった旅 移住やロングステイの研究 鉄道やクルーズでめぐる各地の旅 退職のため夫婦の記念や慰労 世界各地の人々の生活や文化と触 れ合う 滞在型リゾートでゆっくり過ごす グルメやショッピングを楽しむ 不思議な大自然の発見 歴 史 建 造 物 ・伝 統 を め ぐ る 観 光 0 ●<夫婦で行く海外旅行を選ぶ時のキーワード>は 「ちょっと贅沢な」「安全に気を配った」「自分のペースで やれる」「年相応の」「体の楽な」がキーワードである。退 職予定男性と退職男性との間には顕著な差は見られ ないし、男性と女性でも大きな違いは見られない。 こうしたキーワードで示されているコンセプトは、やはり パック旅行のようにひとまとめにされたくない、自分のペー スで日程を組め、観光を欲張らずに疲れてしまわないよ うにしたい、やはり年相応に扱ってくれるような旅でありた い、ということである。それがちょっと贅沢という意味では なかろうか。 27.9 28.7 30 0 【定年予定者&退職者】問24:夫婦で楽しむための商品・サービスを選ぶとき、あなたがこだわって重視したいキーワー ドは以下のどれですか。あなたの感じに少しでもピンと来るものがあれば、それぞれいくつでもお知らせください。(MA) ②夫婦で行く海外旅行を選ぶときのキーワード 定年退職予定者(N=345) 60.0 (%) 退職者男性(N=353) 39.1 40.0 37.4 28.9 33.3 25.5 20.0 0.0 23.8 34.3 26.4 21.0 20.9 わからない 人に自慢できる 高機能の 体の楽な わかりやすい 92 自分のペースでやれる きままな むずかしくない ちょっと贅沢な 若々しい ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 低価格の 人間らしい スローな シンプルな 丁寧な 友達や家族と楽しむ 上質な 年相応の 先進の いままでにない こだわりのある 安全に気を配った 自然と調和した 17.0 15.7 19.3 15.1 14.8 19.4 13.9 15.9 14.4 12.8 8.2 14.8 7.8 7.2 8.7 14.7 5.9 6.8 12.7 15.7 2.3 0.9 4.3 1.4 7.6 7.6 6.5 6.1 0.6 4.6 2.8 2.6 0.9 0.6 1.4 0.6 23<投資型金融商品に関して> 【定年予定者&退職者】問33:あなたは外貨建金融商品・株式・投資信託などの投資型の金融商品についてどの 程度の知識があると思われますか。(SA) ●投資型金融商品についての 投資型金融商品の知識(男性) 知識があるとする人は退職予 かなりある ある程度ある ほとんどない まったくない 定者で50%程度。退職者で 55%あまり。退職予定者では 定年退職 10.1 39.7 30.4 19.7 予定者(N=345) 「まったくない」人が20%あまり いて、これからどう動くかが気に なるところ。 48.2 30.9 14.4 退職者(N=353) 6.5 【定年予定者&退職者】問34:今後2‐3年の間で、預貯金以外に投資型の金融商品を始めてみようと思われます か。(SA) 投資型金融商品を始める意向(男性) ●金融商品について知識のない 人にたいして、今後2‐3年以内に 投資型金融商品を始める意向 定年退職予定者 をたずねた。退職予定者ではそ 24.3 32.9 34.7 金融商品知識なし 8.1 (N=173) の32%あまりに、また退職者では 21%に意向があった。全体として 退職者男性 31.3 47.5 金融商品知識なし 3.8 17.5 は退職予定者の15%、退職者 (N=160) の9.5%である。したがって、2‐3 年後には投資型の商品を購入 する60‐65才の退職者の人は 【定年予定者&退職者】問35:どのタイプの金融商品にご関心がありますか。(MA) 60%を越えることになろう。 関心のある金融商品のタイプ(MA) ●どの金融商品に関心を持って (%) 定年退職予定者 金融商品知識あり&始め 100.0 88.2 いるかといえば、それは圧倒的に たい(N=228) 株式である。それ以外にも投資 退職者男性 金融商品知識あり&始めたい 80.0 (N=227) 信託にも関心が向かっているとこ 81.1 ろだ。 60.0 46.9 たいへん思う 40.0 ある程度思う あまり思わない まったく思わない 28.5 46.7 20.0 26.4 24.7 22.8 14.5 1.3 4.8 0.0 その他 投資型年金保険商 品 債券 外貨建金融商品 投資信託 株式 0.9 ●また、男性ほどではないにし ろ、女性にも知識や関心がある。 団塊世代の夫を持つ妻では 36%が、退職者の妻では44%が 知識あり、としている。 退職後は、預貯金の使途は、夫 婦の協議事項ということになろう し、夫が金融資産を勝手に使う ことはなかなかむずかしいだろうか ら、投資へは夫だけでなく妻も巻 き込んだアプローチが有効となろ う。 【団塊の妻&退職者の妻】問33:あなたは外貨建金融商品・株式・投資信託などの投資型の金融商品についてどの 程度の知識があると思われますか。(SA) 投資型金融商品の知識(女性) かなりある 団塊世代の夫 4.0 を持つ妻(N=275) 退職者の夫 3.8 を持つ妻(N=236) ある程度ある 32.4 40.3 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp ほとんどない 35.3 まったくない 28.4 33.5 22.5 93 「団塊世代の退職調査研究」 第4章 「退職予定者の退職後の追跡調査」 結果報告 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 94 <調査概要> 1)退職予定者追跡調査 1 対象者: 2006年4月実施「退職予定調査」対象者のうち2007年1月までに退職予定ありの人 2 有効回答数: N=127 実際に2006年4月から2007年1月までに退職した人「直近退職者」:N=55 3 調査方法: インターネット、メール&ウェブ 4 調査地域: 全国 5 調査時期: 2007年1月 2)調査項目 目次 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 対象者のプロフィール 退職前の夢と退職後の現実 定年退職への態度 定年退職後の生活への経済的不安 定年退職後の生活スタイル 定年退職後の自立:自分でできること、できると思うこと 自分の居場所 夫婦仲の認識 団塊世代の意識 定年退職後のライフスタイル意識 暮らしへのこだわりの重視点(キーワード) 退職金金額 定年退職金の使途 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 95 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 96 97 98 99 100 101 102 102 103 104 106 107 107 (1)<対象者のプロフィール> 年令別(SA) 59才以下 41.8 直近退職者(N=55) 58.2 定年退職時期(SA) 2006年6月以前 直近退職者(N=48) (不明除く) 27.1 700万円未満 1500万円以上 直近退職者(N=55) ●<退職時期> 2006年4-6月の人が58%。最長 定年期間は9ヶ月。2006年7月 以降2007年1月までの人が 42%。最長6ヶ月から最短1ヶ月 未満。 41.8 1500万円未満 3000万円以上 退職金額(SA) 夫婦年収(SA) 2006年7月以降 58.2 直近退職者(N=55) 「直近退職者」のプロフィールを 見ておこう。 ●<年令> 59才以下と60才以上とでは60 才以上58%、59才以下の早期 退職は42%。 60才以上 1500‐3000万円 わからない 43.8 27.1 700-1000万円 わからない・答えたくない 50.9 2.1 1000-1500万円 29.1 12.7 5.5 1.8 世帯保有金融資産(SA) なし 500-1000万円未満 3000-4000万円未満 わからない・答えたくない 0.0 直近退職者(N=55) 1.85.5 14.5 1-200万円未満 1000-2000万円未満 4000-5000万円未満 21.8 18.2 200-500万円未満 2000-3000万円未満 5000万円以上 10.9 3.6 12.7 10.9 就労状況(SA) 就労していない 臨時雇用の形で元の会社で働いている 臨時雇用の形で別な会社で働いている その他 30.9 直近退職者(N=55) 再雇用の形で元の会社で働いている 正規採用の形で別な会社で働いている 収入はないがボランティアで働いている 30.9 7.3 18.2 3.6 9.1 0.0 未就労者の就労希望(SA) 働きたくない 収入を得る目的で働きたい 収入よりも生きがいを目的に働きたい 収入や生きがいというより、生活を規則正しくするために働きたい 35.3 17.6 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 96 未就労者全体(N=17) 23.5 23.5 ●<退職金金額> 直近退職者55名のうち退職金 をもらった人は48名(87%)。 ●<夫婦年収> 700万円未満51%。 ●<世帯金融資産> 平均2400万円強。 ●<就労状況> 「就労なし」31%、「再雇用で以 前の会社で働いている」31%、 「正規採用で別な会社で働いて いる」18%という状況。何らかの 形で就労収入がある人は6割で ある。 ●<未就労者の就労希望> 「収入目的で働きたい」35%、 「生きがい目的で働きたい」 18%、「生活を規則正しくする目 的で働きたい」24%、「働きたく ない」24%である。働きたいとす る人合計77%。 Ⅰ.調査結果の要約 1<定年退職前の夢と退職後の実現> 問5:退職なさる前、あなたは退職したら「こんなことをしたい、やりたい」という希望や夢をお持ちでしたか。それはどんなこと でしたか。できたらいいな、ということも含め、いくつでもお聞かせください。(MA) 問6:それでは、「退職したのでようやく実現した、あるいは退職をきっかけに新しく始めた。」ということはありますか。それはど んなことでしょうか。いくつでもお聞かせください。(MA) 退職前の夢と夢の実現状況(1年&3年) (参考)退職後3年未満(N=85) 直近退職者(N=55) 定年退職前の夢(N=55) 60.0 50.0 45.5 45.5 43.6 41.8 41.8 40.0 40.0 30.0 29.1 25.9 20.0 24.7 14.5 10.9 12.7 16.410.9 10.9 15.3 2.4 9.4 5.5 5.5 1.2 5.9 8.2 4.7 20.0 18.2 14.5 9.1 9.1 11.8 16.4 11.8 7.3 7.3 7.1 9.1 5.5 3.5 5.5 14.1 7.1 5.5 0.0 12.9 12.7 9.1 3.5 ペットと仲良く暮らす 山歩きやトレッキング 絵 画 や 陶 芸 、手 工 芸 を 楽 し む ピ ア ノ や ダ ン ス 、コ ー ラ ス を 楽 し む 7.3 10.9 4.7 1.8 8.2 1.2 5.5 1.8 1.8 0.0 0.0 Iタ ー ン 、Jタ ー ン 、Uタ ー ン な ど で 田 舎 暮 ら し をする ホームページつくりやインターネットを活用 日 曜 大 工 や 修 理 、工 作 を す る 資格や免許を取る 研究してきた課題の整理と出版 0.0 0.0 小 説 や エ ッ セ イ 、自 伝 な ど の 執 筆 ガーデニングや野菜つくり 農業を始める 資産運用など自分なりに研究 スポーツジムなどでしっかり体作りをする 大学などでもう一度勉強をする 歴史をたどり史跡などを巡る旅 0.0 5.5 25.9 21.8 22.4 21.2 お遍路や温泉めぐりなどこだわりの国内旅行 1.8 海外ロングステイや海外移住 0.0 英 語 や 英 会 話 。中 国 語 、韓 国 語 な ど 語 学 を 磨 く 撮影してきたビデオや写真などを編集 1.8 1.8 N P Oな ど で の ボ ラ ン テ ィ ア シニア海外協力隊など海外でボランティア ログハウスなど自然の中で楽しむ 行き先や日程を決めない気ままな旅 0.0 0.0 0.0 ス キ ー 、ス キ ュ ー バ ダ イ ビ ン グ 、乗 馬 、ゴ ル フ 、 などのスポーツを楽しむ 車やバイクを楽しむ 0.0 楽器の演奏 世界遺産などの海外旅行 1.8 27.1 30.9 34.1 31.8 29.1 21.8 10.9 15.3 10.0 0.0 29.4 ●定年退職前に願っていた夢は、その後実現しているだろうか。55人の直近退職者について追跡した。 ●定年退職後最長9ヶ月、最短1ヶ月の人たちであるため、夢の実現はまだまだという結果であった。参考の ため2006年8月実施の「退職者調査」から退職後3年未満の人の実施率を併載した。 ●55人の夢は「世界遺産などの海外旅行」「行き先を決めない気ままな旅」「資産運用など自分なりに研究」 「こだわりを持った国内旅行」「ホームページづくりやインターネットを活用」「ガーデニングや野菜つくり」を実現 したい、ということであった。これは2006年4月実施の「退職予定者調査」とほぼ同じ傾向で、55人は特別な 人ではない。 ●実現率はまだまだ低く、「資産運用研究」や「ホームページつくりなどインターネット」がやや実施されている 割合が高い程度である。「世界遺産などに海外旅行」「行き先を決めない気ままな旅」は0%-2%程度。「こだわ りの国内旅行」も7%あまりしかなく、先延ばしの状況。まだ定年退職になれていないせいか、「日曜大工」、 「ガーデニング」など日常の延長にあるイベントしか手をつけていないということだろう。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 97 2<定年退職への態度とその理由> 問7-1:あなたは定年退職について現在どのようにお感じになっていますか(SA) ●定年退職への態度はこの19ヶ月でどのように変わったので あろうか。 大変楽しみにしている/大変楽しんでいる やや楽しみにしている/やや楽しんでいる どちらともいえない あまり楽しみにしていない/あまり楽しんでいない まったく楽しみにしていない/まったく楽しんでいない 定年退職への態度(SA) 16.4 直近退職者(N=55) 34.5 25 2006年6月以前退職(N=32) 2006年7月以降退職(N=23) 4.3 37.5 30.4 28.9 仕事なし(N=17) 5.9 9.1 10.9 25 6.3 6.3 13 17.4 34.8 21.1 仕事あり(N=38) 29.1 36.8 47.1 11.8 5.9 10.52.6 29.4 参考:2006年4月7月調査との比較 直近退職者(N=55) 16.4 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 18.2 40.0 25.5 12.7 3.6 団塊世代の退職予定者(N=247) (参考:2006年4月調査) 16.6 42.9 24.7 10.9 4.9 退職者男性(N=353) (参考:2006年7月調査) 34.5 29.1 20.4 52.1 9.1 10.9 16.7 8.5 2.3 ●「直近退職者」全体では51% あまりが「楽しんでいる」としてい るが、退職後間もない7月以降 退職者は、まだ慣れていないせ いか、「楽しんでいる」という人は 35%しかいない。また、「仕事な し」の人では「楽しんでいない」 人が35%もいて「仕事あり」の人 が退職を楽しんでいるのに比 べ、対照的だ。 ●退職直前の<退職予定者調 査:2006年4月>において、同じ 人は「楽しみにしている」58%、 「楽しみにしていない」16%であっ たのに対し、退職後では「楽しん でいない」という人がやや増えて いる。直後ということもあって、 戸惑いを感じている様子。 問7-2:そう思われるのはどのような理由からですか。(MA) 定年退職への態度、その理由(MA) (参考:2006年4月調査の今回対象者) 定年退職への態度、その理由(MA) (%) 定年退職を楽しんでいる(N=28) 楽しみにしている(N=32) 定年退職を楽しんでいない(N=11) 楽しみにしていない(N=9) 100.0 (%) 80.0 67.9 88.9 100.0 81.3 80.0 63.6 60.0 66.7 60.0 40.0 28.6 36.4 35.7 27.3 28.6 25.0 10.7 3.6 0.0 0.0 98 0.0 0.0 6.3 0.0 0.0 健康が思わしくないから 0.0 3.1 趣味がないので時間をもてあまし そうだから 働きたくても仕事があるか心配だ から これからの暮らしの経済が心配だ から 今までの仲間を失うかもしれない から 0.0 ボランティアなど社会に役立つこ とができるから 妻や家族とのんびりと過ごせるか ら 今までできなかった趣味などを楽 しめるから 今までできなかった夫婦での旅を 楽しめるから 0.0 新しく仲間を作れるから 健康が思わしくないから ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 11.1 0.0 0.0 0.0 趣味がないので時間をもてあまし ているから 働きたくても仕事がないから これからの暮らしの経済が心配だ から 今までの仲間を失ったから 新しく仲間ができたから ボランティアなど社会に役立つこ とを始めたから 妻や家族とのんびりと過ごせるか ら 今までできなかった趣味などを楽 んでいるから 今までできなかった夫婦での旅を 楽しんでいるから 0.0 11.1 15.6 20.0 3.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 40.6 40.0 18.2 20.0 44.4 43.8 3<定年退職後の生活への経済的不安> 問8:あなたは定年退職後、将来の生活についてどの程度経済的不安がありますか。(SA) 定年退職後の生活への経済的不安(SA) 大変不安がある やや不安がある 直近退職者(N=55) 2006年6月以前退職(N=32) どちらともいえない 27.3 14.5 10.9 5.5 43.8 47.8 23.7 34.2 仕事なし(N=17) 35.3 定年者59才以下(N=23) 34.8 定年者60才以上(N=32) まったく不安はない 41.8 12.5 2006年7月以降退職(N=23) 仕事あり(N=38) あまり不安はない 25.0 12.5 6.3 39.1 0.08.7 4.3 21.1 15.8 5.3 5.9 0.0 58.8 30.4 21.9 8.7 50.0 17.4 8.7 18.8 6.3 3.1 参考:2006年4月7月調査との比較 直近退職者(N=55) 27.3 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 団塊世代の退職予定者(N=247) (参考:2006年4月調査) 退職者男性(N=353) (参考:2006年7月調査) 41.8 31.7 22.0 17.8 14.2 14.5 10.9 5.5 24.4 48.2 41.4 17.1 4.9 17.0 20.7 ●特に経済的不安についてみ てみよう。 ●N数が少ないので、参考値で はあるが、「直近退職者」は7割 が不安感を持っている。4月調 査のときは54%であったから、 16ポイントも増えている。特に、 「仕事なし」「7月以降に退職」の 人が不安感を抱いている。 ●7月実施の退職男性調査の 結果からは不安感は徐々に払 拭されていくことが分かってい るが、また、それは就労できる 人が増えるからではないと分 かっているが、当面、「直近退 職者」が不安感を持って生活し ていることは事実である。する と、不安感が提言するまでは、 そのストックマネーが早い時期 に消費へは回りにくい、というこ とを示しているかもしれない。 13.4 3.6 20.4 3.4 4-(1)<退職者男性の生活スタイル> 問10:最近1週間を振り返って、3時間以上外出した日数は何日ありましたか。 問12:最近1週間を振り返って、家の中で大半を過ごしたのは何日ありましたか。 問11:外出の目的はなんでしたか。 (MA) 問13:主に何をして過ごしていましたか。 (MA) ●退職者の消費は、1)家計の将来見通し 2)夫婦 関係のよさ 3)健康状態 と大きく関係するという仮 1週間の平均行動日数 説がある。 3時間以上外出した日数 また夫婦関係のよさは、1)夫の自立 2)外出頻度 家の中で大半を過ごした日数 と大きく関係するといわれる。 5 4.44 (日) 4.5 そこで、「外出頻度」と「夫の自立」と「夫婦関係」に 4.05 3.76 4 3.53 ついて、退職後にどんな変化があるのか見てみた 3.5 い。 2.71 3 1.8 2.2 ●「直近退職者」は1週間のうち3.5日は外出し、2.2 日は家にいる. 外出日数は「退職者全体」と比べて、やや少ない傾 向がある。 1.49 退 職 者 男 性 全 体 (N = 353 ) (参 考 : 2 0 0 6年 7月 調 査 ) 定年退職していない (N= 7 2 ) 直 近 退 職 者 (N= 55 ) 全 体 (N= 1 2 7 ) 2.5 2 1.5 1 0.5 0 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 99 4-(2)<退職者男性の生活スタイル 2006年7月調査との比較 家の中でしたこと:定年退職者(MA) 外出目的:定年退職者(MA) 60.0 (%) 100.0 90.8 直近退職者(N=50) 52.0 50.0 退職者男性全体(N=337) (2006年7月調査) 44.5 80.0 40.0 30.0 82.6 70.3 50.0 18.4 20.0 0.0 何をするということなく その他 自宅で会などを催して 友人とお茶やおしゃべりをして 資格などの勉強 工作や趣味の作品つくり ペットと遊ぶ 家族の世話 家族などと話をして 100 2006年6月以前退職(N=30) 53.3 50 2006年6月以前(N=25) 85.7 (%) 2006年7月以降(N=21) 80 2006年7月以降退職(N=20) 80 50 60 36.7 35 35 30 音楽を聴く 家の中でしたこと(MA) 外出目的(MA) 40 昼寝 掃 除 ・ 洗 濯 ・料 理 な ど 家 事 庭 の 手 入 れ ・ガ ー デ ニ ン グ 整理整頓 読書をする テレビやビデオを見る パ ソ コ ン ・イ ン タ ー ネ ッ ト その他 学 校 ・教 室 同窓会 ボランティア 花 ・野 菜 作 り カメラ等の撮影 屋外スポーツ パチンコなどの遊戯娯楽 地域の集まり 自然探索 屋内スポーツ 観 劇 ・映 画 図 書 館 ・美 術 館 趣味の会 旅行 食事会 ドライブ 散歩やウォーキング 買い物 仕事 仲間との集い 17.8 18.0 13.9 12.8 14.5 12.5 16.9 11.012.8 9.5 8.3 16.0 7.7 14.8 8.0 7.4 4.7 5.3 10.010.0 10.0 2.1 8.08.0 7.4 6.06.0 4.0 4.0 4.0 2.0 0.0 0.0 0.0 18.0 新聞を読む 36.4 36.7 39.1 26.9 32.6 32.6 19.3 18.7 15.2 10.9 22.2 9.5 10.9 10.8 17.4 3.21.9 17.415.215.2 4.3 0.0 10.9 8.28.7 7.0 2.2 0.00.02.2 0.3 40.0 30.0 0.0 55.4 32.3 35.336.0 10.0 (%) 退職者男性全体(N=316) 60.0 20.0 60 直近退職者(N=46) (%) 26.7 20 10 40 23.3 20 16.7 10 10 52.4 44 48 20 20 13.3 10 10 10 13.3 6.76.76.7 10 3.3 9.5 12 4 9.5 8 8 8 8 0 0 4 8 その他 何をするということなく 自宅で会などを催して 資格などの勉強 0 0 0 0 0 友人とお茶やおしゃべりをして 家族などと話をして ペットと遊ぶ 音楽を聴く 工作や趣味の作品つくり 家族の世話 庭 の 手 入 れ ・ガ ー デ ニ ン グ 掃 除 ・ 洗 濯 ・料 理 な ど 家 事 昼寝 4.8 整理整頓 新聞を読む 読書をする 0 0 0 0 19 36 28 38.1 20 23.8 23.8 28.6 14.3 14.3 12 9.5 0 その他 学 校 ・教 室 0 0 0 同窓会 6.7 3.3 ボランティア 花 ・野 菜 作 り 屋外スポーツ 自然探索 0 0 パチンコなどの遊戯娯楽 旅行 食事会 0 地域の集まり 屋内スポーツ 観 劇 ・映 画 趣味の会 ドライブ 仲間との集い 散歩やウォーキング 仕事 買い物 0 0 0 5 テレビやビデオを見る パ ソ コ ン ・イ ン タ ー ネ ッ ト 5 0 15 カメラ等の撮影 図 書 館 ・美 術 館 10 10 40 ●<外出目的> 「直近退職者」はまだ仕事を持っている人が多いので、退職男性全体と比べるとまだ「仕事」が断然多く、外遊 びの広がりはまだまだ少ない。また、さらにこの6ヶ月以内に退職した直近の退職者はほとんど仕事中心から 抜け出ていないが、9ヶ月以内となるとさすがにリタイア生活に慣れるためか、「ドライブ」「仲間との集い」「趣 味の会」屋内スポーツ」と広がってくる。 ●<家でしたこと> 「PC・インターネット」「テレビ・ビデオ」「新聞」が御三家であるが、退職男性と比べると、「直近退職者」の実施 率は少なく、決して余裕のあるものではない。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 100 5<自分でできること、できると思うこと> 問14:以下の行動の中で、あなたご自身が「関心があること」「自分でできる知識があると思うこと」「自分で行っているこ と」をそれぞれいくつでもお知らせください。(MA) 自分で行っていること(参考:2006年4月調査との比較) 直近退職者(N=55) (%) 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 80.0 40.0 25.5 20.0 21.8 38.2 10.9 72.7 40.0 40.0 23.6 15.6 23.5 12.7 35.4 56.4 56.4 46.2 携帯メール パソコンソフトの インストール 9.1 海外への飛行機の 予約 10.9 46.2 24.1 20.0 18.2 百貨店でひとりで 似合いの服を選ぶ こと 健康によい食品を 見分けること お買い得な商品 . サービスの選択 税金の還付手続き 分別ゴミの区分の 判断 7.3 毎月の家計管理 料理づくり 0.0 18.2 58.2 41.8 23.5 78.2 70.3 65.5 53.3 60.0 退職者男性(N=353) 自分で出来る知識があるとおもうこと(参考:2006年4月調査との比 較) 直近退職者(N=55) (%) 65.5 58.2 41.8 47.3 41.8 41.8 43.6 29.1 38.2 25.5 25.5 41.8 56.4 32.7 40.0 3.6 該当するもの はない 携帯メール パソコンソフ トのインス トール 海外への飛行 機の予約 毎月の家計管 理 36.4 30.9 百貨店でひと りで似合いの 服を選ぶこと 健康によい食 品を見分ける こと お買い得な商 品 .サ ー ビ ス の選択 税金の還付手 続き 27.3 58.2 分別ゴミの区 分の判断 32.7 料理づくり 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 1.8 関心があること(参考:2006年4月調査との比較) 直近退職者(N=55) (%) 45.5 43.6 43.6 50.9 41.8 32.7 34.5 20.0 18.2 34.5 32.7 32.7 14.5 27.3 10.9 27.3 20.0 7.3 該当するものはな い 101 携帯メール パソコンソフトの インストール ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 41.8 海外への飛行機の 予約 14.5 百貨店でひとりで 似合いの服を選ぶ こと 健康によい食品を 見分けること お買い得な商品 . サービスの選択 税金の還付手続き 14.5 分別ゴミの区分の 判断 14.5 毎月の家計管理 料理づくり 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) ●退職後の自立度は、退職した 直後から上昇するのだろうか、 それともやはり、退職後ある程 度の時間が経ってから自立する のだろうか。 ●<自分で行っていること> 端的に言って、「直近退職者」は ほとんど自立できていない。 退職予定男性調査の時点、つま り退職直前と退職直後とでは、 自立度に差がなく、学習してい ないとも言える結果。 さすがに退職男性全体では、退 職後数年経っている人が多いた め、「家計簿」「分別ゴミ」「税金 還付」などは自分でするように なっている人が増えるが、「直近 退職者」でまだだめということ だ。 ●それは「知識がない」からなの か「関心がない」からなのか。 それは「知識がない」からではな くて「関心がない」からである。 関心が知識を上回るのは、ここ では「料理つくり」と「健康によい 食品を見分けること」だけであ る。いわば知恵が追いついてい ない、ということを認める事柄 だ。 しかし「家計簿」「分別ゴミ」税金 還付手続き」「お買い得」「自分 の服を選ぶ」「携帯メール」いず れも、自分がすることではない、 と考えるのか、知恵はあっても 関心は低く、自分でやる人が少 ない。 これは妻に任せればよい、とし ている意識が背景にある。仮に 妻の側が自分でやってもらいた いと考えていてもである。 夫に退職があるとするなら、妻 にも退職がある、という意識は 当然のことだ。妻の意識としてあ りうることだ。 こうした背景から、退職後の夫 婦を見てみよう。 6<自分の居場所> 問15:あなたがそこにいるとストレスが癒され、気持ちが安らぐような、あなたの居場所はどこですか。(MA) 自分の居場所(参考:2006年4月調査との比較) 直近退職者(N=55) 60.0 (%) 47.3 40.0 45.5 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 47.3 45.5 41.8 38.2 36.4 29.1 29.1 34.5 34.5 21.8 18.2 27.3 25.5 25.5 20.0 20.0 10.9 12.7 16.4 9.1 9.1 0.0 0.0 0.0 1.8 わからない 1.8 居場所がないように感じる 1.8 なじみの遊戯店 1.8 3.6 町の雑踏の中 子ども達と話せる場所 神社仏閣など宗教関係の場所 なじみの飲食店 仕事や趣味仲間と話せる場所 図書館や美術館 公園などの近くの自然 ドライブ中 趣味に没頭できる場所 海岸や森などの大自然の中 自分の書斎 自宅の居間 1.8 ●それでは、退職後自分の居場 所は夫はどこに求めたらよいの か。 ●居場所意識は退職前と直後 ではどうも変化するようだ。 退職前には「自宅の居間」以外 に「海岸や森などの大自然」「公 園などの自然」が自分の気持ち が安らぐ居場所だ、としていた同 じ人がそうは思わなくなったり、 「趣味に没頭できる場所」といっ ていた人が、そうは思わなくなっ たり、どうも余裕を失っている感 がする。退職直後は何かに追わ れる気持ちなのであろうか。 ※ハイライフ研究所の「退職後 の夫と妻”光”と”影”研究」にお いて、夫たちが退職後アイデン ティティを失っている(つまり居場 所を失っている)ことが示されて いる。 7<夫婦仲の認識> 問16:あなたは一般の夫婦と比べて、夫婦の仲が良い方だと思われますか。それともよい方ではないと思われますか。 (MA) 夫婦仲の認識(SA)(2006年4月調査との比較) たいへん仲がよいほうだと思う どちらともいえない まったくよい方ではないと思う 直近退職者(N=54) 9.3 11.1 夫婦仲の認識(SA) 44.4 42.6 たいへん仲がよいほうだと思う どちらともいえない まったくよい方ではないと思う 直近退職者(N=54) 9.3 2006年6月以前(N=31) 9.7 2006年7月以降(N=23) 8.7 仕事あり(N=37) 8.1 仕事なし(N=17) 11.8 定年者59才以下(N=22) 4.5 定年者60才以上(N=32) 12.5 44.4 38.7 52.2 48.6 35.3 まあよいほうだと思う あまりよい方ではないと思う 31.5 27.8 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 14.8 3.7 まあよいほうだと思う あまりよい方ではないと思う 31.5 38.7 13.01.9 0.0 12.9 21.7 13.0 4.3 27.0 13.5 2.7 41.2 59.1 34.4 13.01.9 22.7 37.5 102 0.0 11.8 0.0 13.6 12.5 3.1 ●自立も進まず、アイデンティ ティを失っている人も少なくない 「直近退職者」の夫婦関係はど のようなものだろうか。 ●幸いなことに、夫婦仲が悪く なっている傾向は見られない。 むしろ退職後の方が若干、「夫 婦仲がよい方ではない」という 人は減ってさえいる。 8<団塊世代の意識> 問17:いろいろな意見があげてあります。あなたはそれぞれの意見にどの程度賛成なさいますか。(SA) (1)全共闘などの学生運動は 自分にとって意味のあることだった 直近退職者(N=55) たいへんそう思う どちらともいえない まったくそう思わない 7.3 18.2 7.3 ややそう思う あまりそう思わない 20.0 23.6 14.5 29.1 25.5 27.3 27.3 (2)団塊世代は時代のブームを作ってきたと思う 27.3 直近退職者(N=55) 43.6 20.0 47.3 16.4 9.1 3.6 23.6 3.6 5.5 21.8 0.0 10.9 (3)仕事や家族のために自分はずいぶん我慢してきたと思う 25.5 直近退職者(N=55) 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 41.8 21.8 40.0 25.5 9.1 3.6 (4)なんといっても夫婦は運命共同体だ 29.1 直近退職者(N=55) 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 45.5 21.8 20.0 40.0 30.9 0.0 5.5 5.5 1.8 (5)夫婦の役割は分業して果たすべきだ 直近退職者(N=55) 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 14.5 60.0 7.3 29.1 20.0 27.3 25.5 0.0 5.5 10.9 (6)子供はその個性を大切に育てるべきだ 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 0.0 9.11.8 52.7 36.4 直近退職者(N=55) 32.7 49.1 12.7 5.5 0.0 (7)多少家庭を犠牲にしても仕事中心であるべきだ 直近退職者(N=55) 5.5 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) 0.0 (参考:2006年4月調査) 21.8 36.4 23.6 27.3 25.5 34.5 10.9 14.5 (8)努力すれば結果は相応についてくる 直近退職者(N=55) 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 16.4 9.1 30.9 41.8 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 36.4 12.7 3.6 29.1 14.5 5.5 103 ●「直近退職者」は1946年生ま れの人であるが、国勢調査で は1946年7月生まれの人から突 然人口が前年同月比128%で 増加を始める。じつは団塊世代 はここから誕生始める。した がって、本調査の「直近退職 者」はすでに団塊世代の退職 者といえる。 その団塊世代の先触れ退職者 は、その同じ人が退職の前後 でどう意識が変わったか。 ●退職後に意識が強まった意 見は次のようなものだ。 ○なんといっても夫婦は運命共 同体だ(+12.7ポイント) ○子供はその個性を大切に育 てるべきだ(+7.3P) ○多少家庭を犠牲にしても仕 事中心であるべきだ(-12.6P) ○仕事や家族のために自分は ずいぶん我慢してきたと思う (+5.5P) 退職後、夫婦である意識がか なり強くなるとともに、当然かも しれないが、仕事中心意識が 弱くなることが明らかだ。 ※「夫婦の役割は分業して果た すべきだ」は事前と事後では ワーディングが少し異なってい るので、ここでは分析の対象に しない。 9<定年退職後のライフスタイル意識> 問18:対になった意見があげられています。あなたはそれぞれどちらの意見に近いでしょうか(SA) Aにたいへん賛成 A.これからはなるべく夫婦 一緒に行動したい。 A.これからも夫婦で力をあ わせて生活したい。 A.便利な都会に住みた い。 Aにやや賛成 どちらともいえない 直近退職者(N=55) 9.1 40.0 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) 5.5 (参考:2006年4月調査) 直近退職者(N=55) 20.0 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 18.2 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) 7.3 (参考:2006年4月調査) 20.0 27.3 25.5 36.4 直近退職者(N=55) 16.4 B.自然の豊かなところです みたい。 20.0 18.2 7.3 23.6 43.6 14.5 1.8 27.3 16.4 1.8 B.若さにこだわった生き方を したい。 12.7 9.1 36.4 29.1 Aにやや賛成 Bにたいへん賛成 16.4 34.5 25.5 18.2 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) 7.3 (参考:2006年4月調査) 20.0 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 12.7 3.6 29.1 52.7 直近退職者(N=55) 7.3 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) B.これからは夫婦に頼らず 一人で何でもできるようにした い。 B.これからも規則にしたがっ た生き方を守りたい。 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) 7.3 (参考:2006年4月調査) 直近退職者(N=55) A.自分らしさとはもともと自 分が持っている個性だ。 25.5 30.9 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) 3.6 (参考:2006年4月調査) A.やむをえなければ夫婦は 離婚しても良い。 40.0 B.これからはなるべく夫婦 別々に行動したい。 9.13.6 12.7 12.7 3.6 25.5 Aにたいへん賛成 Bにやや賛成 A.これからはなるべく海外 のよさを発見したい。 50.9 20.0 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 18.2 1.8 41.8 直近退職者(N=55) 7.3 直近退職者(N=55) 10.9 A.年相応の生き方をした い。 Bにたいへん 30.9 40.0 直近退職者(N=55) 9.1 A.多少規則に外れてもこ れからは自由にやりたい。 Bにやや賛成 12.7 どちらともいえない 21.8 36.4 32.7 32.7 40.0 21.8 0.0 18.2 23.6 21.8 21.8 29.1 B.これからは日本のよさを 見直したい。 10.9 20.0 B.やむをえなくても夫婦は 離婚すべきではない。 18.2 14.5 3.6 B.自分らしさとは自分が努 力して作った成果だ。 14.5 36.4 104 29.1 16.4 3.6 <定年退職後のライフスタイル意識>(続き) Aにたいへん賛成 A.組織や団体に属してい る方が好きだ。 Aにやや賛成 どちらともいえない 直近退職者(N=55) 3.69.1 34.5 3.67.3 29.1 直近退職者(N=55) 3.6 14.5 A.これまでに、やりたいこと はほとんどやってきた。 A.若さとは体が元気なこと だと思う。 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) 3.6 (参考:2006年4月調査) 直近退職者(N=55) 0.014.5 A.人を判断するときに肩書 きや役職名は重要な要素 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) 1.812.7 だ。 38.2 21.8 40.0 38.2 30.9 23.6 10.9 10.9 25.5 30.9 B.これまでに、やりたくてもで きなかったことがいくつかある。 14.5 20.0 29.1 27.3 B.組織や団体に属さない 方が好きだ。 20.0 43.6 34.5 27.3 Bにたいへん賛成 32.7 27.3 団塊世代の退職予定者の内、 1.89.1 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 直近退職者(N=55) 3.6 Bにやや賛成 10.9 B.人を判断するときに肩書 きや役職名は重要ではな い。 27.3 40.0 B.若さとはこころが元気なこ とだと思う。 21.8 (参考:2006年4月調査) A.環境やエコロジーを守る 方が便利な暮らしより優先 する。 A.夫婦でいる方が友達と いるより楽しい。 直近退職者(N=55) 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 直近退職者(N=55) 14.5 9.1 9.1 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) 5.5 (参考:2006年4月調査) 36.4 32.7 40.0 38.2 0.0 9.1 B.便利な暮らしをする方が 環境やエコロジーより優先す る。 16.4 3.6 25.5 49.1 12.7 3.6 32.7 40.0 16.4 5.5 B.友達といる方が夫婦でい るより楽しい。 ●ライフスタイルに関する退職前と後での意識比較では、かなり変化しているものがある。 ●退職前より退職後で強くなるライフスタイル意識は次のようなものだ。 ○これからはなるべく夫婦一緒に行動したい(+12.7P) ○これからも夫婦で力をあわせて生活したい(+12.7P) ○これまでに、やりたいことはほとんどやってきた(+7.2P) ここでもやはり夫婦で協力して生活したい、という仲よし夫婦志向が退職後かなり強くなる変化が見られる。 一方、退職後、退職前と比べて少なくなるライフスタイル意識は次のようなものだ。 ◆多少規則に外れてもこれからは自由にやりたい(-14.5)逆に、これからも規則にしたがった生き方を守りたい (+9.2P) ◆便利な暮らしをする方が環境やエコロジーより優先する(-10.9P)しかし、環境やエコロジーを守る方が便利 な暮らしより優先する(+9.1P)と考え方は分離する傾向。 ◆組織や団体に属さない方が好きだ(-7.3P)が、組織や団体に属している方が好きだ、が増加するわけでは ない。 総じて、退職前と比べてかなり保守的というか、守勢に回ったライフスタイル志向となっている。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 105 10<暮らしのキーワード> 問19:あなたがこうありたいと思う、暮らしのキーワードは何ですか(MA) 暮らしのキーワード(MA) (%) 80.0 直近退職者(N=55) 60.0 47.3 45.5 36.4 21.8 27.3 20.0 21.8 45.5 32.7 29.1 7.3 9.1 16.4 38.2 29.1 21.8 29.1 23.6 25.5 27.3 21.8 16.4 20.0 7.3 16.4 5.5 9.1 5.5 3.6 23.6 7.3 5.5 12.7 5.5 1.8 わからない 3.6 1.8 人に自慢できる 体の楽な 高機能の 自分のペースでやれ る わかりやすい むずかしくない きままな ちょっと贅沢な 低価格の 若々しい スローな 人間らしい 丁寧な シンプルな 友達や家族と楽しむ 年相応の 上質な いままでにない 先進の こだわりのある 自然と調和した 安全に気を配った 1.8 1.8 23.6 18.2 10.9 0.0 72.7 52.7 50.9 47.3 45.5 40.0 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) ●こうありたいと思う、暮らしのキーワードは退職前よりかなり鮮明になってくる。 ●退職前に考えていた暮らしのキーワードから大きくずれることはないが、さらに強く意識されるキーワードと、 それほど変化しないキーワードとがあるようだ。 ●いっそう強くこうありたい(+10P以上)とされるキーワードは次の通り。 ○自分のペースでやれる(+27.2P) ○シンプルな(21.8P) ○年相応の(20.0P) ○人間らしい(14.5P) ○上質な(+12.7P) いずれも退職前でもかなり多くの人がそう思っていたキーワードだ。 ●いっぽう、あまり変わらないキーワードもある。 ◆自然と調和した(+-0) ◆こだわりのある(+-0) ◆体の楽な(+-0) ◆丁寧な(+1.9P) ◆高機能の(+1.8P) 自然と調和した、は多くの人がこうありたい、と思っている要素だが、おそらく基本的要素なので、変化がない のだと思われる。丁寧な、高機能の、に関しては、もともと関心が薄いせいか、変化が見られない。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 106 11-(1)<退職金金額> 問21:失礼ですが、その額はいくらですか。二度以上受け取った方はその合計額をお聞かせください。(SA) 退職金金額(2006年4月調査は、予定金額) 直近退職者(N=48) 加重平均退職金金額2244.8万円 (%) 20.0 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=54) (参考:2006年4月調査) 加重平均退職金金額2083.3万円 18.8 16.7 14.8 14.6 14.8 15.0 13.0 12.5 11.1 10.4 10.0 8.3 7.4 10.4 8.3 8.3 7.4 6.3 5.0 5.6 4 5 0 0万 円 以 上 4 0 0 0 ‐4 5 0 0万 円 3 5 0 0 ‐4 0 0 0万 円 3 0 0 0 ‐3 5 0 0万 円 2 5 0 0 ‐3 0 0 0万 円 2 0 0 0 ‐2 5 0 0万 円 1 5 0 0 ‐2 0 0 0万 円 1 0 0 0 ‐1 5 0 0万 円 5 0 0 ‐1 0 0 0万 円 5 0 0万 円 未 満 わからない 0.0 11-(2)<定年退職金の使途> 問24:退職してから現在までの、あなたの世帯の合計支出金額について おたずねします。 定年退職金の使途 直近退職者(N=48) 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=52) (参考:2006年4月調査) (退職金の使途予定金額) (万円) 1000 889 890 800 600 400 704 593 401 439 241 203 239 224 200 107 銀 行 ・郵 便 局 な ど の預貯金 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 日常の生活費 株 ・債 権 ・投 資 信 託などの投資 旅 行 ・車 ・住 宅 な どの大型消費 住宅ローンなどの 借入金返済 0 ●同じ人であるし、直近・直後で あるから、もし関心があるのであ るとすれば、かなり退職金金額は 事前に分かっているであろうか ら、金額にそれほど差が出るとは 考えづらいが、平均2083万円予 想に対し、実際には平均2245万 円である。誤回答している可能性 も否定できないが、N数が少ない からともいえる。 3.7 2.1 3.7 1.9 0.0 ●受け取った退職金金額と受け 取るだろうと考えていた退職金金 額とには差が生じている。 ●退職金の使途は、その意味で は事前の計画と事後とではそれ ほど違いがないといえる。 ●ローン返済は400万円あまりで あり、大型消費へはあまりまわら ず230万円あまりで日常生活費 へは200万円あまり。 違いがあるのは株などの投資金 額と預貯金である。退職後には 退職金金額が予定より多かった 分、投資に+300万円あまり、預 貯金へ+200万円あまり積み増さ れているという構造だ。 問24:退職後、あなたの世帯で購入・支出なさったものを以下の商品やサービスのなかからすべてお知らせください。 (MA) 退職後、世帯で購入した商品やサービス (%) 直近退職者(N=48) 60.0 54.5 49.1 団塊世代の退職予定者の内、 今回対象者(N=55) (参考:2006年4月調査) 50.0 40.0 30.9 29.1 29.1 29.2 29.1 14.5 12.7 20.0 25.0 12.7 7.3 16.7 5.5 6.3 0.0 9.1 10.9 9.1 16.7 5.5 8.3 8.3 4.2 12.7 4.2 6.3 12.5 3.6 12.5 6.3 8.3 3.6 5.5 いずれもなし 記念品購入 0.0 その他 開 業 ・起 業 支 出 趣味関係のイベント支出 趣味関係の道具購入や会費支出 2.1 リゾートクラブなどの会員権 子 や 孫 の 入 学 ・進 学 支 援 支 出 孫の誕生支出 子どもの結婚支援支出 0.0 12.5 10.9 10.9 6.3 株 ・債 券 ・投 資 信 託 な ど の 金 融 商 品 投資 家族での国内旅行 家族での海外旅行 夫婦での国内旅行 夫婦での海外旅行 イ ン テ リ ア ・家 具 I H電 磁 調 理 器 冷蔵庫など旧式になった家電の買い 替え 2.1 食器洗浄乾燥機 0.0 ホームシアターセット 液晶プロジェクター D V Dレ コ ー ダ ー デ ジ タ ル 1眼 レ フ カ メ ラ パソコン 2.1 10.9 5.5 10.4 6.3 2.1 23.6 21.8 16.4 10.4 1.8 8.3 大 型 画 面 液 晶 ・プ ラ ズ マ テ レ ビ 子 の 住 宅 購 入 ・改 築 リ フ ォ ー ム 支 援 別荘等田舎暮らしの家 自宅の新規購入 自 宅 の 改 修 ・リ フ ォ ー ム 車 0.0 2.1 27.3 29.2 21.8 ●退職後購入したいもの、と購入したもの、についてみてみよう。 ●「直近退職者」においても、多数の退職者と同様に退職後購入したい品目は「株などの金融商品」「夫婦で の国内旅行」「自宅のリフォーム」「車」「大型画面テレビ」「パソコン」である。 ●また、実際に購入率が高い(20%以上)品目は、「株などの金融商品」「夫婦での国内旅行」「パソコン」「車」 である。 ●したがって、詳細に見ると、退職後9ヶ月以内に予定通り購入という、早い時期に購入するものと、購入意向 はあっても様子を見ているものとがある。 ●退職後9ヶ月以内にほぼ予定通り購入という品目は以下の通り。 ○株などの金融商品、パソコン、車 ●購入意向はあっても様子を見ているものは以下の通り。 ○夫婦での国内旅行、夫婦での海外旅行、大型画面テレビ、自宅リフォーム これらの違いがなぜ生じるのかは定かではないが、比較的夫だけで購入意思決定できそうな品目とか、金額 が明確に分かっているものとか、比較的低額で負担感が少ないものとか、が早期に購入され、夫婦で相談す る必要があるものとか、まだ先行き価格低下しそうなものとか、が手控えられている可能性がある。また「直近 退職者」とはいえ、まだ就労率も高く、70%が就労している状況では、自由時間がまだ取れないということも旅 行などの消費を遅延させる理由でもある。 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 108 11-(3)<定年退職金の使途> 問24:退職後、あなたの世帯で購入・支出なさったものを以下の商品やサービスのなかからすべてお知らせください。 また。その金額を万円単位でお知らせください。(MA) 購入支出平均金額 (万円) 900.0 172.5 283.3 300.0 805.3 そ の 他 (N= 3 ) 記 念 品 購 入 (N= 2 ) 開 業 ・起 業 支 出 (N= 4 ) 趣 味 関 係 の イ ベ ン ト 支 出 (N= 3 ) 趣 味 関 係 の 道 具 購 入 や 会 費 支 出 (N= 6 ) リ ゾ ー ト ク ラ ブ な ど の 会 員 権 (N= 1 ) 子 や 孫 の 入 学 ・進 学 支 援 支 出 (N= 6 ) 子 ど も の 結 婚 支 援 支 出 (N= 3 ) 株 ・債 券 ・投 資 信 託 な ど の 金 融 商 品 投 資 (N= 24 ) 家 族 で の 国 内 旅 行 (N= 4 ) 家 族 で の 海 外 旅 行 (N= 2 ) 夫 婦 で の 国 内 旅 行 (N= 1 4 ) 夫 婦 で の 海 外 旅 行 (N= 4 ) イ ン テ リ ア ・家 具 (N= 5 ) 冷 蔵 庫 な ど 旧 式 に な っ た 家 電 の 買 い 替 え (N= 8 ) 食 器 洗 浄 乾 燥 機 (N= 3 ) I H電 磁 調 理 器 (N= 1 ) 液 晶 プ ロ ジ ェ ク タ ー (N= 1 ) D V Dレ コ ー ダ ー (N= 5 ) デ ジ タ ル 1眼 レ フ カ メ ラ (N= 1 ) パ ソ コ ン (N= 1 4 ) 大 型 画 面 液 晶 ・プ ラ ズ マ テ レ ビ (N= 4 ) 子 の 住 宅 購 入 ・改 築 リ フ ォ ー ム 支 援 (N= 3 ) 109 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp 28.0 12.7 5.7 50.0 126.7 130.0 200.0 52.5 28.0 27.0 21.5 15.0 8.2 10.0 30.0 9.3 16.1 51.0 67.5 100.0 別 荘 等 田 舎 暮 ら し の 家 (N= 1 ) 自 宅 の 改 修 ・リ フ ォ ー ム (N= 8 ) 車 (N= 1 2 ) 0.0 475.0 500.0 800.0 800.0 700.0 600.0 400.0 353.8365.0 221.7