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消費者による満足等の評価を活用した 市場の調査・分析

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消費者による満足等の評価を活用した 市場の調査・分析
資料4
消費者による満足等の評価を活用した
市場の調査・分析
平成22年7月5日
商務流通グループ
【目次】
1 .消費者満足度を用いた消費者購買行動調査の
報告(企業毎の調査、昨年度実施)
(1)調査概要
(2)集計結果
(3)分析結果
(4)結論
2.消費者市場環境調査の試行(案)
(1)背景
(2)問題意識
(3)調査(案)
(4)参考:欧州の事例
2
3
1 .消費者満足度を用いた消費者購買行動調査
の報告
1(1)消費者満足度を用いた消費者購買行動調査 実施概要
■調査目的
我が国では、平成21年度第4四半期においてマイナス6.1%
の需給ギャップが存在し、需要不足が鮮明。日本経済が、
デフレから脱却し、成長していくためには、この需要不足を
解消することが重要。
他方、需要の主体の大部分を占める消費者について、その
ニーズが多様化、細分化している。以上を踏まえ、需要喚起
の方策について検討することとしたい。
本検討の際、企業が提供するサービスの品質の向上させる
ことにより、消費者満足が上昇し、この上昇がより高い消費
者の購買を促すという仮説を分析する。
■調査対象者
全国の20∼69歳男女のうち、調査対象企業利用経験者を
複数のインターネットモニターから抽出。
■調査地域・サンプル数
有効回収数:調査対象業種約3000サンプル
1企業あたり300程度のサンプル
■調査方法
複数のインターネットモニターを利用した、インターネットに
よるアンケート調査
■調査実施期間
平成21年6月から平成22年2月までで、3回にわたり、サー
ビス品質(SQ)、消費者満足度(CS)、購買行動等を調査
■活用した指標の測定方法等
4
5
1(1).【参考】消費者満足度(CS)(日本版顧客満足度指数:通称JCSIを活用)
JCSIでは、サービスを多面的に評価するために、顧客満足の原因・結果を含む6つ
の項目について調査し、指数化している。
また、特に知覚品質に関連して、どのような評価が満足に結びついたのかを把握す
るために別途、サービス品質(SQ)を調査。
満足/不満足の原因
サービス品質(SQ)
の詳細な調査
満足/不満足の結果
知覚品質
(利用した際の
品質評価)
クチコミ
(他者への
推奨)
知覚価値
顧客満足
(価格への
納得感)
ロイヤルティ
(継続的な
利用意向)
顧客期待
(利用前の
期待・予想)
影響がとても強い
(0.8以上)
影響が強い
(0.7以上)
影響がある
(0.7∼0.2)
影響が少ない
(0.2以下)
矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。
数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。
1(1).調査・分析の概要
6
<分析の枠組み>
分析②
サービス品質
(SQ)
・企業が提供する各種
サービスの品質。
例)・便利な場所にある
・便利な時間帯に営業する
便利な時間帯に営業する
・清潔感がある
・広告が魅力的な内容で
ある
・アフターサービスが信頼
できる
・接客対応が良い
等
消費者満足度
(CS)
・消費者が感じる総合
的な満足度。
分析①
消費者の
購買行動
・消費者による一定期
間当たり購入金額。
例)・∼についてどの程
度満足している
サービス品質の向上
は、どのように消費者
満足を増加させるか
消費者満足の向上は、
消費者のより高い購
買行動を促すか
1(2).集計結果:各業種のサービス品質の比較
7
○ 各業種共通のサービス品質の項目について、消費者はどのような側面で各業種のサービス品質評価を行ってい
るかを分析するために、因子分析を行ったところ、各業種の品質評価の特徴が現れている。
○ 例えば、コンビニは、他の業種よりも「利便性」の評価が高く、生活雑貨・家具は、他の業種よりも「買い物の楽し
さ」の評価が高い。
各業種について、「利便性」因子と「買い物の楽しさ」因子を散布図化
【小売業_ネット通販除く】 業種別・SQI因子得点平均値
0.8
生活雑貨・家具
0.6
0.4
買
い
物
の
楽
し
さ
衣料品
0.2
カタログTV通販
-0.4
百貨店
0.0
ドラッグストア
-0.2
0.0
0.2
0.4
家電量販店
-0.2
スーパー
コンビニ
ホームセンター
-0.4
利便性
0.6
0.8
1(2).集計結果:各業種の消費者満足度の比較
8
○ 各業種の消費者満足度の指数を見ると、ネット通販、カタログ・TV通販が高く、コンビニ、スーパーが低い。
消費者満足
ネット通販
カタログ・TV
通販
生活雑貨・
家具
ドラッグス
トア
ホームセ
ンター
74.9
71.4
70.2
69.4
68.0
百貨店
衣料品
67.1
67.0
家電
66.5
スーパー
65.5
コンビニ
63.4
【小売業】 業種別・消費者満足度
(消費者満足)
76.0
74.9
74.0
71
71.44
72.0
70.0
68.0
70.2
69.4
68.0
67.1
67.0
66.5
66.0
65.5
63.4
64.0
62.0
60.0
58.0
56.0
ネット通販
カタログ・TV通販 生活雑貨・家具 ドラッグストア ホームセンター
百貨店
衣料品
家電
スーパー
コンビニ
1(2).集計結果:各業種の月間購入額の比較
9
○ 各業種の消費者一人についての月あたり購入額は、スーパー、百貨店、家電が高く、衣料品、ホームセンターが
低い。
月あたり購
入額(円)
(円)
9,000
スーパー
百貨店
家電
生活雑貨・
家具
コンビニ
ドラッグス
トア
カタログ・TV
通販
ネット通販
ホームセ
ンター
衣料品
8,460
7,856
7,583
5,707
5,190
3,884
3,811
3,702
3,308
2,854
【小売業】 業種別 月あたり購入額
8,460
7,856
8,000
7,583
7,000
7 000
5,707
6,000
5,190
5,000
3,884
4,000
3,811
3,702
3,308
3,000
2,854
2,000
1,000
0
スーパー
百貨店
家電
生活雑貨・家具
コンビニ
ドラッグストア カタログ・TV通販
ネット通販
ホームセンター
衣料品
※月あたり購入額
JCSI付属設問の利用頻度と1回あたり購入額から推計。
10
1(3)分析①:消費者満足の向上は、
消費者のより高い購買行動を促すか
分析②
サービス品質
(SQ)
消費者満足度
(CS)
分析①
消費者の
購買行動
消費者満足の向上は、
消費者のより高い購買
行動を促すか
1(3)分析結果①:消費者満足の向上は、消費者のより高い購買行動を促すか
○ 小売業における各業種において、満足度の高い消費者ほど、月あたり購入額が概ね高額である。
消費者満足度の向上は、消費者の購入額を増加させ、売上高増大への寄与が期待できる。
消費者満足度と月あたり購入額との関係
※月あたり購入額
JCSI付属設問の利用頻度と
1回あたり購入額から推計。
11
12
1(3)分析②:サービス品質の向上は、
どのように消費者満足を増加させるか
分析②
サービス品質
(SQ)
分析①
消費者満足度
(CS)
サービス品質の向上は、
どのように消費者満足
を増加させるか
消費者の
購買行動
1(3)分析結果②:サービス品質の向上は、どのように消費者満足を増加させるか
13
○ コンビニ業を例として、サービス品質の項目と、消費者満足度との関係を調査した。その結果、消費者からの評
価の高いサービス項目と、消費者満足度と相関が高いサービス項目とが異なる結果となった。
「便利な場所にある」、「便利な時間帯に営業」よりも、「居心地が良い」、「ついでに購入・利用したいサービスあ
り」といったサービス項目は、消費者満足度の向上に寄与する。
順位
サービス品質の項目ランキング(左:消費者からの評価順、右:消費者満足度との相関順)
順位
消費者満足との相関の強さで並べ替え
平均値
SQIを評価の高さ順で並べ替え
1 便利な場所にある
2 便利な時間帯に営業
3 干渉されずに気ままに買い物ができる
4 いつでも安心して利用できる
5 欲しいものがどこにあるかわかりやすい
これらの項目は消費者か
6 清潔感ある
ら高く評価されている
7 どこでも安心して利用できる
8 速やかに対応してくれる
9 利用しやすいレイアウト
10 料金支払いがスムーズ
11 接客対応が良い
12 料金プランの表示・説明が適切
13 ついでに購入・利用したい商品サービスあり
14 器具類使いやすい
15 サービス内容理解
16 居心地が良い
17 新製品・新サービスの取り扱いが早い
18 他にはない特徴
19 商品選ぶ楽しさ
20 プライバシー保護を配慮
消費者からは、あまり高く
21 自然環境保護の取り組みを評価
評価されていない項目
22 初めて見聞きする発見ある
(改善の余地がある)
23 今後購入したい商品あり
24 広告・チラシが魅力的な内容
25 アフターサービス体制信頼できる
26 今後利用してみたい機能・サービスあり
27 購入・利用後の問題の問い合わせ先を知っている
5.71
5.70
5.49
5.34
5.03
5.01
4.95
4.88
4 88
4.88
4.88
4.73
4.71
4.59
4.52
4.51
4.47
4.37
4.15
4.02
3.96
3.87
3.64
3.57
3.55
3.51
3.34
2.78
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
居心地が良い
いつでも安心して利用できる
ついでに購入・利用したい商品サービスあり
接客対応が良い
利用しやすいレイアウト
料金プランの表示・説明が適切
評価を高めることが、
どこでも安心して利用できる
消費者満足の向上に
サービス内容理解
直結する項目
速やかに対応してくれる
商品選ぶ楽しさ
欲しいものがどこにあるかわかりやすい
清潔感ある
他にはない特徴
料金支払いがスムーズ
干渉されずに気ままに買い物ができる
新製品・新サービスの取り扱いが早い
初めて見聞きする発見ある
器具類使いやすい
高い評価を得ても、消
今後購入したい商品あり 費者満足向上には結
プライバシー保護を配慮 びつかない項目
自然環境保護の取り組みを評価
便利な時間帯に営業
アフターサービス体制信頼できる
広告・チラシが魅力的な内容
今後利用してみたい機能・サービスあり
便利な場所にある
購入・利用後の問題の問い合わせ先を知っている
相関係数
0.611
0.610
0.581
0.562
0.531
0.526
0.525
0.524
0 523
0.523
0.519
0.516
0.509
0.487
0.484
0.473
0.472
0.408
0.378
0.367
0.362
0.341
0.338
0.330
0.323
0.305
0.256
0.122
1(3)分析結果②:サービス品質の向上は、どのように消費者満足を増加させるか
○ SQI平均値を縦軸に、SQIと消費者満足の相関を横軸にとると、消費者満足向上のために取り組むべき品質項
目が見えてくる。
70
便利な場所にある
便利な時間帯に営業
65
干渉されず気ままに買い物ができる
いつでも安心して利用できる
60
清潔感ある
器具類使いやすい
50
20
25
30
欲しいものがどこにあるかわかりやす
い
どこでも安心して利用できる
料金支払いがスムーズ
利用しやすいレイアウト
55
速やかに対応してくれる
接客対応が良い
料金プランの表示・説明が適切
35
40
45
50
︵
S
Q
I
平
均
値
これ以上向上させても、
消費者満足の向上には結
びつかない品質項目
ついでに購入したい商品あり
サービス内容理解
居心地が良い
新製品・新サービスの取り扱い早い
55
60
65
70
他にはない特徴
45
偏
差
値
商品選ぶ楽しさ
プライバシー保護を配慮
︶
自然環境保護の取り組みを評価
今後購入したい商品あり
40
初めて見聞きする発見ある
広告・チラシが魅力的な内容
アフターサービス体制信頼できる
今後利用したい機能・サービスあり
35
30
購入・利用後の問題の問い合わせ先
を知っている
25
SQIと消費者満足の相関(偏差値)
これらの品質項目の向上
は、消費者満足の向上に
直結が期待できる
14
1(3)分析結果②:サービス品質の向上は、どのように消費者満足を増加させるか
○ 消費者からの評価の高い「便利な場所にある」と消費者満足と相関が強い「居心地が良い」という項目について、
評価の高さで消費者を3グループに分割し、各グループの全体に対する割合と、グループごとの週当たりの購入
額を見ると、
「居心地が良い」項目は、中程度の評価をする消費者の割合が最も多く、企業がこうした消費者からより高い評
価を受けられるよう、「居心地が良い」と感じられるサービスに注力することにより、売上高が増加する余地がある
ことが示された。
コンビニ業におけるサービス品質項目に係る消費者の評価と消
費者の購買行動の関係
(円)
「便利な場所にある」評価別 週あたり購入額、構成比率
「居心地が良い」評価別 週あたり購入額、構成比率
1,800
1,800
1,600
1,600
1,400
(円)
1,353.0円,
(62.6%)
1,518.2円,
(23.4%)
1,400
1,200
1,200
986.3円,
(28.9%)
1,000
改善の余地が
大きい
大き
773.4円,
(8.5%)
800
1,111.3円,
(57.0%)
1,000
1,066.1円,
(19.6%)
800
600
評価高(7∼6)
評価中(5∼4)
評価低(3∼1)
600
評価高(7∼6)
評価中(5∼4)
評価低(3∼1)
15
1(4)結論:消費者満足に寄与するサービス品質の向上により、売上高増が期待できる
○ 2つの分析を通じて、消費者満足度が向上すると、消費者は購買行動を増大させ(分
析①)、かつ、消費者満足度への寄与度合いは、サービス品質の項目により異なる(分
析②)との結論を得た。
企業は、消費者満足度と相関の高いサービス品質の向上に注力することにより、消費
者の満足度を向上させることができ、それは消費者のより高い購買行動を促し、売上高
を増大させることが期待できる。
「居心地が良い」、「ついでに購入・利用
したいサービスあり」といったサービス
項目は、消費者満足度の向上に寄与
する
サービス品質
(SQ)
分析②
消費者満足度の向上は、消費者の購入額
を増加させ、売上高増大への寄与が期待
できる
消費者満足度
(CS)
分析①
消費者の
購買行動
16
17
2.消費者市場環境調査の試行(案)
2(1).背景 消費者は依然、消費意欲を持つが、その内容は変化。
○お金の使い途について、「趣味」、「食事」、「旅行」、 「本・雑誌」をはじめとして生活を楽しむものにお金を支
出する傾向が強くなっている。この動向に企業・産業サイドが適応できないと販売に支障が生じうる。
現在、お金をかけているものは?
%:N=3000
「現在お金をかけているもの」のスコアで降順
18
19
2(1).背景 企業にとっての消費者情報の入手は限定的。
○約9割の企業が、「消費者対応部門」から情報を入手。「販売員セールスマンなどの
従業員に直接寄せられる情報」は約8割が入手。
○しかし、ネット上のサイトへの書き込みの確認や消費者調査といった積極的な情報
収集は半分以下の企業の対応に留まっている。
消費者情報の入手経路
情報を入手している
89.6
消費者対応部門に、寄せられる情報(n 250)
消費者対応部門に、寄せられる情報(n=250)
従業員に直接寄せられる情報(n=250)
10.4
18.4
81.6
59.6
40.4
会員登録から得られる情報(n=250)
48.8
51.2
消費者調査を通じて得られる情報(n=250)
57.6
42.4
ネット上の書込みから得られる情報(n=250)
70.4
29.6
消費者団体/行政から得られる情報(n=250)
その他(n=250)
情報を入手していない
3.6
96.4
20
2(1).背景 生活関連分野毎に消費者の満足度は様々。
消費者満足度による比較
21年 6月調査
21年10月調査
22年 1月調査
100点
80
70
60
証券
クレジットカード
損害保険
通信・物流系 健康・教育系
生命保険
銀行
学習塾・通信教育
フィットネスクラブ
介護サービス
病院
宅配便
観光・飲食・交通系
携帯電話
小売系
近郊鉄道
0点
国内交通︵
長距離︶
国際航空
レジャーイベント
旅行︵ネットサイト含︶
カフェ
ビジネスホテル
飲食
シティホテル
通信販売
生活雑貨・
家具専門店
衣料品専門店
ドラッグストア
ホームセンター
家電量販店
コンビニエンスストア
スーパーマーケット
百貨店
50
金融系
(サービス産業生産性協議会のJCSI(日本版顧客満足度指数)調査による。
※同調査は企業別に調査。棒グラフの上端は業界内で最も顧客満足度が高かった企業、下端
は低かった企業の値。
は中央値で各業界の中で順位が中央に位置する企業の値。)
21
2(2).問題意識 消費者視点による市場のチェックの必要性
・市場が健全に機能し消費者が望む製品・サービスが企業により
提供されることは、消費者の生活の質の向上・幸福につながり、同
時に国の経済の活性化にも資する。
・そのためには、企業・消費者・行政の間で生活関連の各市場にお
いて、消費者にとってどのような課題があるのか情報を共有してい
ることが重要。(必ずしも十分ではないのではないか。)
・生活関連の各分野を消費者の視点で評価した場合の課題を調
査することが重要ではないか。
2(2).問題意識 消費者視点による市場のチェックの必要性
(消費者の生活の分野毎の市場をチェック)
交流する
身にまとう
食べる
食
育てる・介護する
消費者
住む
学ぶ
遊ぶ
働く
2(3).消費者市場環境調査の試行(案)
○趣旨
・生活に関連した製品・サービス毎の購買に関し、消費者の満足や
品質・価格の比較容易さ、商品の選択肢が十分にあるか等につい
て、消費者による評価を行い、また個別の製品・サービスの今後の
課題やニーズを分析する。
・調査結果は、行政、消費者、企業間で共有し、消費者志向に立っ
た製品・サービス供給の促進につなげる。企業による消費者志向
の自主的な取組を促すため、企業・消費者・行政間の対話のツー
ルとして活用されることを第一に目指す。また政府の不断の政策見
直しに活用する。
24
2(3).消費者市場環境調査の試行:設計イメージ(案)
・消費者を対象にアンケート調査や少人数グループ面接等をして
調査。
・日本版顧客満足度指数(JCSI)や消費者相談データベース(PI
Oネット)等の既存のデータ等も分析のために活用。
調査項目の例(イメージ)
(1)満足・期待
・事前の期待に対する納得の程度
事前の期待に対する納得の程度
・JCSI(日本版顧客満足度指数)によるデータの活用
(2)比較容易性
・品質の比較のしやすさ
・価格の比較のしやすさ
(3)選択可能性
・選択の範囲と選択の可能性
(4)消費者権利の保護
・消費者権利が保護されている信用の程度
(5)広告等
・広告・マーケティングが信用に値するかどうかの程度
(6)トラブル・苦情
・苦情を行ったか、苦情に発展しうるトラブルの経験をしたか。
・国民生活センターによるPIOネットによる消費者相談データの活用
(7)要望・ニーズ
・解決すべき課題、将来にわたる要望・ニーズ 等
2(4).参考:欧州の事例① デンマーク・英国による消費者事情指標・調査
25
○デンマークの例:
デンマークでは、政府による消費者市場のモニターのため、CCI(Cosumer Conditions Index:消費者事情指標)を
用いて毎年調査をしている。
CCIは市場の透明性(価格/品質の比較容易性、価格情報、競争/公正価格)、信用(期待・マーケティング・消費
者保護に対する)に加えて市場での苦情のアクセス等を加えて指数化している。国内の製品・サービス毎の57の市
場で調査。
例:デンマークの消費者事情指標(一部を抜粋)
Market
Air transport
Attorneys
Audio-visual, photographic
and music equipment
Banks
Betting and lotteries
Bicycles and mopeds
Books
Bricklayers
Carpenters and joiners
Cars and motor cycles
Childrens articles
Cinemas, theatres and music
Cleaning services
Transparency
Consumer Conditions Index 2009
Consumer Access to CCI score
confidence complain
2009
Ranking
2009
Ranking
2008
Ranking
2007
7,29
5,08
7,3
7,27
7,18
7,2
4,16
5,3
4,55
7,1
6,57
7,25
24
40
18
12
28
25
8
31
35
5,67
7,11
7,22
7,71
6,15
6,45
7,21
7,11
7,49
6,32
6,6
7,14
7,61
7,99
6,87
7,29
7,35
7,18
8,04
6,8
5,15
3,04
4,55
5,04
5,04
4,75
4,41
4,81
4,81
3,04
6,51
6,45
7,39
8,01
6,8
6,99
7,21
7,27
7,83
5,94
41
42
11
1
33
29
20
17
2
51
31
50
8
2
35
29
33
17
1
51
34
46
7
4
40
37
28
25
2
49
例:英国の消費者事情調査の集計結果(2008年)
○英国の例:
英国では、デンマークの消費者事情指標を参
考にして類似の調査を実施。
国内の製品・サービス毎の45の市場における
消費者の信用、認識されている透明性、消費者
苦情等についての事情を評価し、データを集め
消費者政策の議論に資することを目的としてい
る。
6つの主要指標として①品質の比較容易性、
②価格の比較容易性、③選択の範囲と選択の
可能性、④事前の期待に対する納得程度、⑤消
費者権利が保護されている信用程度、⑥広告・
マーケティングが信用に値するかを調査し
マ
ケティングが信用に値するかを調査し、加え
加え
て苦情状況なども調査。
関係者間での消費者向けの取組・政策につい
ての議論と改善のための基礎情報として活用。
※右表は、消費
者により評価され
た指数を基に3
段階(高い、中間、
低い)に分けてま
とめたもの。
26
2(4).参考:欧州の事例② EUの消費者市場スコアボード
27
欧州委員会では、財・サービスの消費者市場において市場が健全に機能していない分野を特定し分析するため、ま
たEUの小売市場の統合の進捗をフォローし、国別の消費者市場と政策のベンチマーク調査のため消費者市場スコア
ボードの作成を試みる。
2008年より現在までに計3回作成し、①苦情、価格帯、満足、買い換え、安全等の指標での製品・サービス毎の調
査、②小売域内市場の統合に向けた苦情・不正除去、法執行等の調査、③加盟国別の消費者環境のベンチマーク調
査等を実施。EU委員会が何らかの行動をとる必要がある市場を明らかにすることに役立てる予定。
例:19種の製品・サービス毎に消費者満
足を調査
例:EU域内の加盟国間の比較
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