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新社内ポータルサイトの現場への定着化
プロジェクト・レポート 新社内ポータルサイトの現場への定着化 ―キリンビール様向け「情報コミュニケーション変革プロジェクト」― 経営統括本部 人事部 人事グループ (キリンビジネスシステム株式会社出向中) 桐山 俊也 2007年7月1日をもってキリンビール株式会社様は持ち株 数約9,000名という大規模な仕組みであるにもかかわらず、 会社制に移行し、キリンホールディングス株式会社ほか、 Wingポータルは、ほとんどトラブルなく、旧ポータルか 各事業カンパニーの分離独立化が行われた。本稿では、 らの移行を果たした。さらに現在は、キリンのグループ企 2006年当時の組織について表記する便宜などから、「キリ 業70社までに利用範囲を拡大している。 ンビール」としている。 今回のプロジェクト・レポートでは、システムの開発で はなく、ポータルサイトの大幅な刷新・移行をスムーズに 1.はじめに 進めるために、どのような施策を講じたかという観点から、 経過と結果を報告する。 2006年8月、キリンビール株式会社様(以下、「キリン」) は、新しい社内ポータルサイト「Wing」(以下、「Wing 2.ポータルサイト刷新の背景と経緯 ポータル」)を始動させた。 旧ポータルサイトはプログラム起動メニューがメイン もともと、キリンの社内連絡文書は「公式文書」と呼ば だったが,Wingポータルはグループ内で流通する電子文 れ、伝達手段にはメールが用いられていた。組織やグルー 書を掲示板やワークフローで集約し、情報資産の適切な管 プ会社をまたがって連絡・指示・依頼を行う場合、まず本 理を目指した仕組みである。 部・本社から各部門・拠点の担当長宛てにメールを発信す Wingポータルは、社員一人ひとりの仕事のやり方、働 き方を大きく変える仕組みであった。そのようなプロジェ クトでは、システムの開発と同様、あるいはそれ以上に、 る。それを担当長がリーダーへ転送し、リーダーが各メン バーへ転送するというバケツリレー方式をとっていた。 担当長やリーダーは、毎日何十通もの公式文書を受け取 スムーズに新しい仕組みへ移行するための諸活動が重要で り、内容を吟味し、自部門における追加指示・補足などを ある。社員全員に新しい仕組みを理解してもらい、受け入 加え、メンバーへの指示として再発信するという役割を れてもらうための活動を導入前から用意周到に進めて行か 担っていた。その処理のためだけに、日に何時間も費やす ないと、社員から「使い方がわからない」、「なぜ今までの こともあったという。 やり方ではいけないのか」といった質問や不満が相次ぐお Wingポータルは、こうした担当長・リーダーの負荷を軽 それがある。新しい仕組みが企業内に定着するまでに、多 減する狙いで、公式文書の伝達を掲示板方式に切り替えた。 くの労力と時間がかかってしまい、最悪は、ユーザーに受 一方、キリン・グループには、電子文書法(民間事業者 け入れられず、使われないシステムとなりかねない。 等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関 Wingポータルの開発は、キリンビジネスシステム株式 する法律)をはじめとするさまざまなコンプライアンス対 会社様(KBS)とCACが共同で進めた。初期のコンセプ 応が求められている。しかし、メールに偏重した情報伝達 ト作り、社員への説明や、意見の収集、システムへの反映、 方式では、社内を流れる重要な情報・文書が個々人のメー 導入後のフォローなども、すべて共同で行なった。 ルボックスに分散し、どこにも集約されない。さらに、 その結果、一斉導入するグループ企業が5社、ユーザー VOL.30, NO.1 メールは転送が容易なので、発信者の意図しない相手に転 55 送されてしまうリスクがあった。Wingポータルは、公式 でなくとも、変革や仕組みの切り替えは、社員に物理的・ 文書、決裁関連文書、その他の共有文書などをすべて 心理的な負担を与えがちである。しかも、コンプライアン EDMS(Electronic Document Management System:電 ス対応策やセキュリティ向上策は、ユーザーの既得権を 子ドキュメント管理システム)に格納する。キリン・グ 奪ったり、利便性を損なうことが多い。総論(コンセプト) ループとして、コンプライアンス維持、セキュリティ向上 に賛成したユーザーであっても、各論(個別の実施策)に を果たす上で重要な仕組みのひとつになっている。 は反対するだろう、ということは容易に予想できた。 3.新ポータル定着のためのさまざまな施策 3.2 Wingポータル定着に向けた取り組み Wingポータルを含めた「情報コミュニケーション変革 3.1 Wingポータルの位置づけ プロジェクト」は、ユーザーの理解と賛同を獲得し、新し キリンの長期戦略から導かれる情報戦略のひとつに い仕組みを現場に定着させるために、さまざまな施策を実 「ワーキングスタイル変革」というテーマがある。これは、 施した点に特徴がある。ユーザーをプロジェクトへ引き入 グループ社員一人ひとりの働き方を変えて、グループ全体 れ、ユーザーとともに新しい仕組みを導入するという手法 の生産性を向上させ、相互のシナジー(相乗効果)を生み を、非常に大掛かりに行った例だともいえる。 出そうという活動である。「社員の働き方」をテーマに取 それらの施策うち、主なものとして具体的には下記の4 り上げているので、OA機器、オフィス空間、会議をはじ つが挙げられる。 めとする仕事のやり方にまで範囲が及ぶ。「情報コミュニ 1)ナレッジ・クリエータ ケーション変革プロジェクト」は、そのうち、情報共有・ 全国9,000人のユーザーの中から、同じ拠点、同じ部門 情報伝達・その他コミュニケーションに特化した一連の施 で働く現場のキーマンを選任して、システム導入の旗振り 策であり、Wingポータルは、それら数多くの施策のひと 役を務めてもらった。 つに過ぎなかった(図1)。 2)説明会 プロジェクト開始当初は、あまりに多くの施策を含むの 数名が全国の拠点を回って、計70回のべ2,000人のユー で、全体像がぼやけてしまうという弊害があった。大がか ザーに、直接、説明して回った。 り、かつ長期の変革活動を続けていくと、多様な施策が実 3)資料提供 施されるため、一般社員が付いて来てくれない恐れがある。 操作マニュアルはもとより、概要紹介、運用ガイド、よ 個々の施策とその狙いがわかりにくくなり、受け入れても くある質問集(FAQ)、卓上用パンフレット、eラーニン らえなくなるのである。また、抽象的な「社員生産性向上」 グ教材、解説ビデオなど、さまざまな手段・形態を使って などを謳っても、現場のユーザーの心には響かない。それ ユーザーへの情報提供を行なった。 4)課題アンケート 本稼動後にアンケートを行い、寄せられた意見・要望を 電子 メール メッセン ジャー Web 会議 KVネット 会議 キリン& グループ 内線& アドレス 帳 Know Who チーム サイト IP電話 Wing 電話 デジタル コミュニ ケーション お気に入り 利便性 お知らせ 掲示板 個人 お気に入り &気づき 情報コミュニ ケーション 格子型 コラボ 情報共有 情報交換 以下、個々の施策について詳述する。 プレゼンス メッセージ 交換 グループ 情報協働 セキュア セキュ ア Tドライブ 2次リリース版に反映した。 部署/拠点 担当/チ ーム ワーク フロー 情報 セキュリティ ィ マーケット 確保 ファイルバンクク Work ファイルバン (一般文書) ドライブ ファイルバンク 「情報コミュニケーション変革プロジェクト」の推進体 制は図2のような形である。 特徴的なのは、プロジェクト・チームとユーザーとの間 である。彼らは現場の代表であるとともに、現場における 司令塔である。 情報入手 保存& 利活用 ナレッジ・クリエータ に現場キーマン(ナレッジ・クリエータ)を置いている点 多機能 検索 プル型 3.3 ポータル Notes Domino (仮) (公式・決裁) プロジェクトにおける開発チームとユーザーとのパイプ 役は、情報企画部が担当し、筆者もそこに参画した。しか し、対象が全社およびグループ会社にわたるので、数名の 担当者ではフォローしきれない。そこで、部門や拠点ごと にキーマンを選出してもらい、現場内のフォローをお願い するとともに、プロジェクトへのご意見番になってもらう 図1 「情報コミュニケーション変革プロジェクト」の全貌 56 ことにした。それがナレッジ・クリエータである。 SOFTECHS ない/やりたくない」という思惑が背景にある疑問、苦言 キリン情報企画部 Mgr リ リーダー ーダー であることも多かった。頭から否定することはもちろんで 本社管理部門 きない。私達はそれらすべてに逐一回答し、プロジェク 各事業本部 KBS開発チーム Mgr ベンダー リ リーダー ーダー やっているか、有限の期間と費用の条件下でどこまで期待 してもらって良いか、などを伝えた。 グループ会社 メ メンバー ンバー メンバー ト・チームが何を目指しているか、何を考えて、いま何を 工場 研究所 リーダー その他 支援部門 営業拠点 ナレッジ・クリエータへの主な返信内容は、下記のよう ナレッジ・クリエータ なことである。 (約200名) ・機能・仕様に関する単純な質問への回答 一般社員 サポー ト サポー トデス デスク ク ・機能を現在の仕様に決定した根拠 (約9000名) 注1) KBS=キリンビジネスシステム株式会社 ・未決定事項、検討中事項に関する現時点の見解 注2) アミかけ部分はCACが担当 ・苦言に対する真摯な詫び 図2 「情報コミュニケーション変革プロジェクト」 ・意見を踏まえて対処する場合の約束 推進体制 ・要望が採用できない場合の理由・根拠 これらのやり取りは、当然、他のナレッジ・クリエータ ナレッジ・クリエータの役割は、主に次の2つである。 の目にも触れる。その結果、ユーザー部門間でお互いの状 1)プロジェクトに関する情報を部門・拠点内へ説明・ 況・考え方も情報共有されるという副次効果を生んだ。具 周知する 体的には、次に挙げるような事柄である。 ・同じ課題が他部門にもあること 2)部門・拠点内における課題をプロジェクト・チーム ・逆に、ある要望が自部門だけの言い分であること へフィードバックする ・自部門の要望が他拠点の要望と相反すること 当初は工場、研究所、営業拠点、本部など、全国で約 200名のナレッジ・クリエータに現場支援をお願いした。 これは両刃の剣である。場合によっては、仕様の未検討 もちろん全ユーザー9,000人に比べれば少ないというだけ な部分を突っ込まれる。プロジェクトの進捗がオープンな で、相互の意思疎通は容易ではない。 ので、足元をすくわれかねない。実際、「当然、∼してく そこで、Wingポータルと併せて導入予定だった Microsoft Windows SharePoint Servicesの「チームサイト」 れるんですよね?」といった脅迫めいた要望のあがること もあった。あるいは電話で怒鳴りつけられることもあった。 を先行的に立ち上げ、全国のナレッジ・クリエータとプロ 「現場の意見を無視しようというのか?」 ジェクト・チームとの情報交換の場とした。ここに各種の 「何を考えているんだ!」 資料、カレンダーなどを公開するとともに、「ご要望・ご プロジェクトに関する現場意見を取りまとめ、スムーズ 意見はコチラ」という書き込み可能な掲示板を設けて、ナ な立ち上げと移行を推進する上で、現場キーマン(ナレッ レッジ・クリエータに自由に書き込んでもらった。 ジ・クリエータ)の果たした役割は大きい。しかし、単に システムのパイロット版を公開したり、さまざまな情報 依頼して任せるのではなく、キーマンを支援し、時には対 を発信してゆく過程で、各拠点からは疑問や要望があがる。 峙し、必要な対応には彼ら以上のエネルギーを使う覚悟が 当初、そういう場合は200人が入れ替わり立ち代り、情報 なければ、現場キーマンを活かすことはできない。 企画部へメールや電話をよこしてきた。3人(実質2人)で それらにすべて対応していたが、同じ質問や要望が寄せら 3.4 説明会の実施 れることも少なくない。2つ以上の相反する要望があげら 導入前の数ヵ月間で、私達は非常に多くの情報をナレッ れることもある。そこで、これらをチームサイトの掲示板 ジ・クリエータに提供した。中には、デザイナーを起用し という公開の場に持ち込んだ。 て、見目麗しく作った資料もあった。だが、ナレッジ・ク 集まった意見・要望は、開発チームと検討し、重要な事 リエータが、それらすべてを噛み砕いて十分に理解し、拠 項は可能な限りシステムへ反映した。リリース時点までに、 点内・部門内に説明しきることは難しい。ナレッジ・クリ 二百数十件にのぼる投稿がよせられていた。開発チームと エータは、もちろん専任ではない。普段は、各部門・拠点 ユーザーは、同じ場にこそいないが、ともに試行錯誤を繰 の企画業務、総務、営業事務などを担当しており、本来の り返しながら、詳細機能を詰めていったのである。 業務のかたわら、「情報コミュニケーション変革」を支援 改革に臨むと、ユーザーはえてして、今のやり方を変え してくれているのだ。実際、「わからない」「とても部内に たくないと考え、保守的になる。どんどん寄せられる投稿 説明できない」という意見が寄せられており、そろそろ全 は、質問という形こそ取っているが、「できっこない/やら 国的な説明会の実施が必要な時期になっていた。 VOL.30, NO.1 57 私達はひとつ、大きな誤りを犯していた。それは、プロ を説くばかりではなく、開発中の現物によるデモンスト ジェクトの全貌、全施策を余さず伝えようと躍起になりす レーションを披露して、実感をつかんでもらうことにも努 ぎて、専門的で詳細な資料ばかりを作っていたのである。 めた。何より、部門・拠点やナレッジ・クリエータによっ 例えば、P.56に図1として示した蜂の巣型のダイヤグラム て、施策の理解度や情報の普及度に濃淡がある。そうした も、作った本人(筆者)は、全体が整理されてわかりやす 点をこの機会にケアする必要があった。そこで、説明会の いと自負していたが、実際にナレッジ・クリエータに説明 希望を募る際には、拠点ごとに、重点的に説明してほしい してみると、「一般社員に説明するための資料は、当然、 ポイント、時間配分などの希望を聞き、説明資料を各拠点 もっとわかりやすいのを用意してくれるんですよね?」と 別に版を起こして対応した。 地方説明は、筆者を含めた2名で主に担当し、開催日時 切り返されてしまった。 思いが先行すると手段が独善化する。コンセプト主導プ も拠点の都合を最優先する方針を貫いた。そのため、午 ロジェクトの陥りやすい罠にはまっていると実感した。苦 前・午後で北へ南へと飛び回る日程になった。たとえばあ 労して蜂の巣を作ってはみたものの、概念のわかりやすさ る週は、札幌→千歳→東京→仙台→名古屋→神戸→東京→ と細部の正確さとのバランスが悪かったのだ。数日間、苦 栃木→横浜→東京と、半日単位で移動した。 慮した末、37あったタングラムを、図3のとおり、7つに集 同時並行で、本社部門に向けては、掲示板方式へと代わ る公式文書の発信方法を説明する会も開催した。双方で、 約した。 実はそれまで、活動自体の名称も「情報コミュニケー ション変革」ではなく、戦略テーマである「ワーキングス のべ2,000人に対し、70回を超える説明会を開催した。 全国のユーザーやキーマンと、実務の現場で会うのは、 タイル変革」を用いていた。そのため、「働き方」全般に そう多くは持てない貴重な機会である。普段はメールや電 関する話と混同されることが多く、当座のポータル導入を 話でもっぱら苦言的な意見を寄せる工場のナレッジ・クリ 理解してもらう上での妨げとなっていた。それに気がつい エータが、説明に出向くと、にこやかに迎えてくれたりす て急遽、「情報コミュニケーション変革」と改名した。な る。いちど顔を合わせただけで、以後、プロジェクト全般 んともやぼったい、座りの悪い名称だが、社員間の情報伝 を通じた意思疎通が格段にしやすくなっていった。 達と電子コミュニケーション、両方の意味をこめた苦肉の 命名である。名称を変えるだけで、活動のフォーカスは絞 3.5 資料提供 Wingポータルは、本稼動時点で9,000人が利用するシス られた。 現場に対する説明会の準備は、システム導入の2ヵ月ほ ど前から開始した。大掛かりなシステム導入においては必 須のネゴシエーションだが、コンセプト・必要性・有効性 テムである。説明会だけでは心もとない。打てる手はすべ て打とうということで、私達は情報発信に努めた。 ちなみに、2007年6月現在、利用するグループ会社が増 えてWingポータルの利用者数は12,000人になっている。 操作マニュアルは機能別に用意した。だが詳細なマニュ 施策1: ひとりひとりが 一人ひとりが 自主的に情報を 入手する仕組み ねらい2: 利用者の利便性 と操作性を向上 させる ねらい1: キリンおよびキ リン・グループ として電子文書 の管理とセキュ リティを強化 ねらい と 施策 施策3: パソコンをもっ とコミュニケー ションに活用で きる仕組み アルで全貌をつかむことは難しい。1機能あたり30∼40 ページ(しかも、ページは左右2カラム構成!)におよぶ大 部なものである。これを全員に読んでもらい、理解を強い 施策2: 部門、場所を越 えて活発に情報 共有する仕組み るのはまず不可能である。概要・コンセプト編を何種類か 用意して、リファレンスとした。 全社員に配布する卓上用のパンフレットも別途に用意し た。A3の厚紙を半折りにした、A4・4ページものである。 施策の概要、何が変わるのか、これからどうすればいいか、 ねらい3: 部署/場所/担当 チーム間の情報 コミュニケーシ ョンを促進 などをクイック・リファレンス形式にまとめた。こちらか ら提供している情報の多くは、電子的な媒体によるもので ある。だから、物理的に各自の手元に届く「モノ」があれ ば、外勤の多い営業マンや、工場のライン担当者にも変革 を意識してもらえると考えた。 また、全社員を対象に、3分∼10分程度のeラーニング教 材を用意し、受講してもらった。ワークフローに関しては、 一般ユーザー向け、発信者・申請者向け、承認・決裁者向 図3 58 わかりやすさを優先したダイヤグラム けとカリキュラムを細かく分け、必要なものだけを受講す SOFTECHS 社長メッセージや人事異動通知をしのぐアクセス数であっ れば良いようにした。 た。その後、機能拡張や新しい施策のたびに、各テーマご そうする間に、Wingポータルの本稼動日を迎え、シス テムはほとんどトラブルなく離陸した。あっけないスター とのFAQ集を公開するように努め、2007年6月現在では、 トだった。しかし、ポータルが動き始めても、プロジェク Vol.6まで作成されている。 トは終わらない。ナレッジ・クリエータと開設したチーム 3.6 サイト、そして今回専用に設けたサポートデスクには、 稼動後アンケート 本稼動から1ヵ月ほど経過したころ、各拠点にアンケー 日々続々と、実際のシステムを利用し始めて気づいた問題 について、多くの疑問・意見・苦言などが寄せられていた。 トをとった。実際にシステムを利用し始めてみると、事前 集まる質問や意見には、マニュアルに盛り込めない機微 には察知できなかった不都合・不便・疑問・機能不足など な内容も多く、今後も逐次増えてゆくことが容易に予想さ が見えてくる。これをユーザーに問い、今後機能改善すべ れた。そこで、こうした意見に対する回答は別冊で提供し き重点ポイントを明らかにしようと考えた。本稼動後、す たほうが良いと考え、FAQ(よくある質問集)を用意す ぐに2次改善の準備に入ったが、充てられる予算は初期開 ることにした。 発に比べればわずかである。本当に困っていること、多くの ユーザーが改善を望んでいる点に重点を絞る必要があった。 いざFAQを作ってみると、それ自体が30ページに及ぶ 大部なものになった。マニュアルに記載のある事項であっ 各拠点には、重要な改善要望を10項目に絞って寄せてほ ても、質問が上がったということは理解しにくいのだと受 しいと依頼した。しかし実際に返却されたアンケートでは、 け止め、あらためて解説した。マニュアルだけでは実際の 1つの記入欄へ4∼5件の要望を詰め込んで記載している例 業務に適用できないことも多い。「こうすればできる・こ も少なくなかった。また、全拠点から要望を集めてみると、 うすればいい」という記述スタンスがシステム寄りだから ひとつの現象に対して、別々の拠点から互いに相反する要 である。そこでFAQでは、「機能・仕組み・ルールはこう 望があがっているケース、方法の異なる改善要望が複数の なので、実際の業務においては、∼と解釈して適用してほ 拠点から何種類か挙げられているケースなどが少なくな しい」という解説に重きを置いた。こうした説明をキリン かった。改善を希望する機能や部分を指摘しているだけの では「運用解釈」という。 もの、改善方法を具体的に提案しているものなど、レベル もさまざまだった。 FAQでは、各拠点のさまざまな不満や疑問に逐一回答 筆者は「因数分解」と称して、1項目にいくつも盛り込ま している。苦言に対する謝罪返答も盛り込んでしまった。 「どうして∼ができなくなるのか」「今までの∼といった れている個別の要望をあえて分離し、さらに、すべての意見 ケースに対応できないので困る」といった意見は、潜在的 を出現箇所、問題、原因、改善課題、対処方法などのカテゴ に抱いている人が多いはずである。決して無視せず、現場 リー別に分類して、ヒエラルキーに整理しなおした(図4) 。 具体例を挙げると、次のようなことである。 の立場で考え方を答えるように努めた。この資料は、公開 から数週間の間に2,000回を超えるダウンロードがあった。 #1681, #1684, #1270, #1804(全般) #1682 おし ら せボッ クスAに #1683, #1741 おし ら せボッ クスBに ×不要・不急情報 が多い/ 増え た #1673, #1669, #1670, #1672, #1671, #1674 アク セス 権不備の文書 #1756, #1734 #1442, #1443 (全般) #1352 配信を抑制し て 重複文書 追加配信 によ る 重複 必要部署 へ確実に #1052 新規に月次掲載 配信漏 れがないよ うに #1813 配信先は広めに #1001 お知 ら せボッ クスを 廃止 #1651, #1652, #1653, #1819×なくて見られない #1252 #1867, #1336 #1339, #1868 #1031 場所内はメール運用し たい #1035 Wn i g⇔Out Look #1341, #1350, #1349, #1343, #1482 (全般) #1049 KEC a) 配信者への要望 転送が必要な いよ うに #1050 #1865, #1866 #1192 #1485 #1733 検索機能を 充実 #1468 #1470, #1471 #1646, #1647, #1648 #1644 #1008 b)お 知らせボッ クス #1759 階層化 #1264, #1009 #1007 #1690, #1754, #1755 ワン クリッ クで表示 #1780, #1781 「次へ」「 前 へ」ボタン #1782 3 . 文書閲覧 #1481 #1779 #1006 #1030, #1032, #1033, #1034, #1450, #1628,#1629, #1630, #1631, #1632, #1895 (全般) d)備忘録メール #1451, #1035, #1633 直接発信 メール転送を簡略化 #1025 #1024 確認操作を簡略に #1599 ページ指定可に #1600 To/ Ccで #1600 宛先 で #1014 e))「配信先照会」画面 #1020 #1601 活用法ガイ ド #1018 「人別」照会画面 #1076 #1785 過去文書 を 閲覧可能に #1786 発信者別一覧 を #1081, #1080 g)追加配信 カラーで #1131 内線& アドレ ス 帳 #1083 メッ セージ 引用機能を アンケ ート 機能 #1132 未承認 BOX #1113 部門メニ ュ ー を タ ブ 分割 #1095 サイズ 行間拡大 e)レ イア ウト 通知 雇用形態別(役割) 「原籍会社雇用形態」#1492 出向者用を区別 「勤務先雇用形態」 #1492 KCS量販事業部: KB社からの出向者 d)ユ ーザーグループ KCS関連(役割) #1254 #1614 KCS料飲事業部 エ リ ア担当: KB社からの出向者 KCSの 料飲事業部(販推担当) KB社から : の出向者 #1614 #1614 「統括支社長・支社長」 を 追加 #1488 #1291 役割 「販推本部長・流通本部長」 を分割 #1498 社員マスタ から自動生成 #1497 #1311 同時申請可 に #1582, #1491 #1583 「原籍会社」 #1492 #1279 #1296 メール通知情報 を 充実 地域別に詳細化 #1227 リン クを 付加 #1233, #1234 内容を 付加 #1235, #1236 ⇒Uドライ ブアク セス 権 複数ユーザ一括申請 #1229, #1230, #1231 任意グループ 並び順変更可 に #1494 #1612, #1573, #1473 複数メンバーの申請を簡略化 個人用設定 を可 に 一括申請可 に #1493, #1474 #1571, #1572 #1232 #1228 ユーザー ID申請 操作を簡略に #1240 #1427 前回申請 のコピー機能 でユーザ 検索可能に 直接入力 #1237 ユーザー 選択ツリーに[戻る] を #1238 派遣以外 にも 対応 #1242 日付を 直接入力可能 に #1298 申請∼完了 の リードタイ ムを短縮 #1282 文書の参照回数 を確認可 に #1796 g)配信後確認 添付ナシ #1777, #1602 未読数/配信先数 を確認可に #1589 KBからの出向者 受け入れ出向者 #1271 申請完了時 にメッ セージを #1260 決裁申請書 の配信状況 を 確認可に 表示拡大 報告/決裁 の選択方法 保管先 を自部門に初期設定 #1847, #1846 #1586 #1489 登録されてる個人・部署 が分かるよう に KBSで一括変更 を #1226 入社後、 即、 PC利用可 に ユーザー の検索失敗時、戻 り可能に 個人属性情報 #1243 #1244 #1324 #1326 削除申請は 即時有効に #1490 カス タマイ ズ 可能に #1096, #1097, #1098, #1765フォ ント #1102 クリッ クすると拡大する 機能 #1123 更新を 促 すメ ッ セージを #1088, #1089 自動更新 し て 重要度 タイムア ウト を1時間に 延長 簡素化 #1090, #1091, #1092 アイ コン 中心に #1121 決裁申請書 利用頻度レポート を 名称をわかりやすく #1496, #1495 配信先設定方法#1257 決裁結果「保留」 を適切な表現に 7. その他ワークフロー ★不具合 #1205 #1290, #1363 #1289, #1884 戻り 元 の画面情報 を保持 #1328 #2001 #1580, #1904 #1268 エ ビデン スPDFに糊付け・ひ 綴 も じ部を確保 #1215, #1216, #1896, #1217, #1218, #1219, #1874, #1850, #1241, #1874, #1849,#1850 申請前、戻 っ て確認可に 承認前、戻 っ て確認可に ブラウザの「 戻る」で も情報保持可能 に 画面を 集約 #1876 #1099, #1093, #1100, #1094 レイ アウト Wng以 i 外 文書識別 を 容易に #1789, #1790,#1791転送要or業務指示か否か 戻り ヘルプ #1852 #1214 再申請の時も一時保存 を 有効に 全画面で戻り可能に f) 画面遷移 チームサイト 「読 み込み中」 バー 閲覧 #1587 #1265 申請者表記 に連絡先をリン ク #1239 て も公開日が不正にな ら ないよ う 後日呼び出 し サポート デスク への案内 #1114, #1115, #1116, #1117, #1118, #1119, #1120, #1765 フォ ント 拡大 Out Look #1186 PCをグレ ード アップ #1784 追加配信コメン トを 目立つ位置に #1735, #1736, #1737 露出配置 検索機能を 『配信先 の設定ボタン を右 』 に #1266, #1327, #1325, #1299, #1303, #1304 #1608 #1607 #1590 #1907, #1604, #1579 一括選択可 に #1267 #1255 削除 表示期間 を短 く #1293, #1295, #1294 添付ファイル「ナシ」を 禁止 備考欄を 追加 #1307 #1206, #1207, #1208, #1209, #1210, #1211, #1212, #1213 手順を簡略化 一時保存 呼び出し 露出配置 プログラ ムラ ンチ ャー うに ちゃ んと 消えるよ 申請 決裁申請書 #1872, #1415, #1430, #1878, #1873, #1871, #1851 ユーザーID申請でも一時保存可 に #1122 (全般) メッ セージ作成時 メールを エ ク スポート したい マウス ポイ ンタ戻り位置正常化 Wndow i s #1017 モ バイルアクセ ス を 簡略化 #1453, #1456, #1454, #1783, #1457, #1455 [誰が誰に] を 追加配信か否か 上に #1130 上 に #1136 #1280 一時保存を全画面に ファイ ルバンク 赤レン ガ KCS #1941 TOをCCに 一括切替え可に 桁数短縮 #1292 承認フローのテンプ レートを共有 #1288, #1287, #1309, #1286, #1220, #1562, #1838, #1308 フ ァイル 後付 け 決裁申請取 り消 し 乾サポ #1103, #1104, #1105, #1106, #1107, #1108, #1109, #1110, #1111, #1112 スク ロール不要に #1085 リード タイムを短縮 #1012 #1015 #1460, #1448 表題で 抑制配置 #1137 トッ プ画面に表示 d)関連他シ ステ ム チームサイト #1086 引き戻し表示期間短縮&削除申請時 追加配信の記録・保管可 に To/ Cc #1792, #1794, #1793, #1795, #1446, #1444,#1458, #1459, #1445 ( 全般) 下に 場所単位 に #1251, #1305, #1281 ア クセス 権修正 削除でき る 特権ユーザ を置く 表示抑制 「未処理案件」 に 残らないよ う 操作を 簡略に 工場用決裁申請書 シ ート を #1250, #1249 消し 承認/決裁/配信後配信取り d)パーツ 配置 途中まで の承認コ メン ト は残す 連結番号 #1938 再承認ナシ で追加配信★追加配信 で 可能 #1101 抑制配置 ガイ ド・教育プロ グラ ム エク スポート可に #1360, #1361, #1258, #1334 表示枠拡大 小さ いボタンに 社内アドレ ス帳O ( ut Look) アク セスカ ウン タ 機能 グラ フ機能を強化 #1084 一時保存機能 を 転送先を グループ 単位で 登録可に #1889 #1449 履歴 #1650 表題で 文書閲覧数 の #1082 #1344, #1437 追加配信時 のアク セス 権変更可 に #1461 #1078 追加配信コメン ト #1133 #1087 投稿文書を 表題のみ表示可に #1079 訪問数の ファイ ル添付/リン ク を可に コ メン ト 機能を #1888 [かな入力]を初期設定 に お知 らせボッ クス c)配信先設定操作 #1302 申請者から差し戻 し請求可能 に 差戻し ・引戻 し #1619, #1221, #1620, #1622, #1623, #1624, #1621 #1767, #1768 行数 #1077 未読マ ーク 機能 f)「一覧」画面 #1635 未読数を 表示 #1441 #1438 #1447 ハイパーリ ンク 対応 役職毎グループ を 復活 (全般) #1766 行間 Uド ライブ #1875 #1269, #1222, #1259, #1877, #1362 #1880, #1879 保存期間延長 #1881 e)変更・取 り消 し #1762, #1763, #1764, #1765, #1758 横幅 オ フィス コミュ ニケータ #1472 詳細情報は変更不可に 本所属へ表示(兼務 の場合) #1570 組織ツ リーに隠れた部署の人もリス ト する #1649 保管期間延長 ー 徹底 ア ナウン ス・フ ォロ #1021 初期設定理由 の 案内 並び替え方法を追加 #1760, #1761 運用 ルールが必要 再申請手順 を 簡略に 差し戻し・未承認 も通知 承認」「決裁」者 「 も修正可能 に 露出表示 ( 全般) #1844, #1883, #1882 Wor kshop 代理承認も通知 表示抑制 上に #1835 状況反映 をタ イムリ ーに #1738 上下入 れ替え #1128 サポート デス ク #1565, #1564, #1566, #1567, #1568, #1836, #1480, #1521 #1834 KEC [全員]を[ 社員相当] の下に #1222 ポッ プアップで通知 未承認BOX 承認後は即時配信 社長メッ セージ #1297 更新権は本人に限定 セ キュ リテ ィレ ベル を細分化 6 .配信先・ ア クセス 権設定 #1276 [ 必須] ではなく [ 任意]に メールで通知 d)承認・決裁 情報マーケ ット 復活 #1685, #1686 タ イト ルバー固定 #1019 複数ID所有者のセキュ リテ ィ 対策 #1013 承認コメン ト ヘッ ドライ ン 月替わりイメージバー #1134 ×記述不整合 チ ームサイト: リードタイム #1593, #1594 検索機能を 決裁申請書雛形 コピー可に 停止 障害情報 表示抑制( カ ンパニー情マ) #1135 下に #1566 個人単位の設定可に き め細かい指定可に #1382 #1848 個人別に承認者を初期設定 Win ng g への要望 Wngロ i ゴを 表示 #1381 別メニュー化 通常時は畳む c)推進・展開 マ ニュ アル #1022 対応品質向上 #1591, #1592,#1634 階層構造化 クリッ ク不要に #1125 カレ ンダ ー に リン ク #1129 ×記述不足 チームサイト: 権限指定 決裁申請書:事前協議・ コン サルの操作 #1023 社外送付 を 有効に #1810, #1806, #1811, #1598,#1596, #1597 (全般) #1595 設定部門のみ表示 #1127 #1366 フ ォロー 教育 フ ォロー徹底 打ち 合 わせした い #1029 再申請の方法 過去文書 コピー・ 再利用可に その他 #1611 #1833 #1569 ( 全般) b)アクセ ス 権設定操作 #1422, #1421 #1885, #1204, #1886 #1367 周知範囲記入欄 を追加★代替可 5 .文書発信・申請 「利益管理 シ ステム」 #1126 公式文書:文字化 け 2. ト ッ プ 画面 任意グループ を指定可に #1316, #1399 情報マーケ ッ ト全体検索 × グループ 「 全員」= KRNグループ 全員 ×「 単位組織」=場所部門長#1584 #1333, #1499, #1563, #1524 #1837, #1839, #1542, #1668, #1479, #1523, #1577, #1942 ( 全般) ア クセ ス権に関する理解促進・周知徹底 #1667, #1666 KEC リス トからク リ ッ クで選択可 に #1203 [ 必須]ではなく [ 任意] に ×決裁申請中 に フリーズ 「他場所 フォルダ」 未公開一覧 を 編集可に #1310, #1610, #1908, #1581, #1475, #1843 個人用 ×ア クセス権不備…の筈がない ア クセ ス権は不要 #1503, #1502, #1504, #1501, #1505, #1506, #1508, #1513, #1511, #1509, #1514,#1510, #1512, #1507, #1515,#1516, #1605, #1606, #1613, #1609, #1477, #1901, #1843, #1845, #1906, #1202, #1520, #1518, #1517, #1519 ( 全般) #1486, #1487, #1578, #1585, #1887, #1903, #1909 組織ツリーの紛らわしさを な くす #1398, #1397 #1400, #1316 #1312 決裁申請書保管庫全体検索 #1897 組織・役割 から個人を選択可に #1318, #1320, #1319, #1322, #1323, #1321 キーワード 検索を トッ プ画面から 全体検索を可に #1898, #1900 [ 必須]ではなく [ 任意] に パターン 選択に #1944 #1200, #31187, #91096 #1315, #1365,#31187, #91096 #1317 (全般) ( リリー ス催促) #1899 文字数上限枠 を拡大 改訂理由(情報 マーケ ット ) 情報自体orア クセ ス 権 のどちら がないか #1201 配信先の表示欄 を 拡大 全角/半角を 区別しな い フ ァイルバンク #1893, #1413 #1545, #1546, #1547, #1548, #1549, #1550, #1551, #1552, #1553, #1554, #1555,#1556,#1557, #1558 #1500, #1560, #1559, #1841, #1842, #1840 決裁申請書:写 し送付先 #1522 #1524, #1525, #1528, #1537, #1529, #1526, #1535, #1534, #1539, #1478,#1836, #1531, #1536, #1530, #1538, #1533, #1527,#1532, #1540, #1541, #1576,#1942 テ ンプレート #1409 「該当 データ がありません」の 意味を 明確 に リス ト印刷可に 「詳細」 ポッ プ画面 #1412, #1384 検索機能 ハイパーリ ンクに対応 申請コ メン ト 「サス ケ」 ( 全般) 申請書等 の雛型 #1588, #1544 個人別 の初期値 必須写 し送付先(決裁申請) 文書一覧 「詳細」 クリッ クでリス ト 先頭頭に戻 ら ないよ う #1225, #1894, #1419 #1891, #1892 #1414 改行を 有効に 配信コメン ト c)プ ログラ ムラ ンチャ ー 「W or kshop」 すみずみ君」 「 「マ イ・ド キュメン ト」 #1176 不要 #1027 決裁申請書 #1026 決裁申請取 り消し 分かりやすい 機能名称 に #1625 ボタ ン サイズを 大きく #1627 追加 #1175 不要 休職・旧性等 に対応 人事対応 #1436, #1338 #1028 アクセ ス権は簡略表示 c)「お知らせ表示画面」 添付ファイルはワンク リッ クで #1626 1. 全般 文書サイズ を統一 #1010, #1332 (全般) 表示期間 を延長 #1802 ⇒ 任意 #1416 クリッ クで宛先を詳細表示 #1797 「N ews」 「 PROCEED」 追加 #1172 追加 #1278 退職を考慮 ( 全般) #1800, #1801 ⇒締め切り日 #1171 #1173 追加 #1174 異動の前後タ イミン グ を 考慮 #1329 カンパニー/ Wor kshop と 連動 順次閲覧 を 簡易に (全般) #1798, #1799 #1167, #1168, #1170, #1169 追加 部門名 を詳細表示 #1937 #1223, #1275, #1224 コメン ト可 に(情報マーケ ット ) 並び順を合理的に 任意延長可 に 配信期間 保管場所 を統一 #1273 その場で内容確認可 に 添付ファイル リン ク 埋込み[可]へルール変更 「M S- Wor d」 #1016 お気に入りに入れたい 選択後は自動ク ローズ #1636, #1484 ア クセス権表示 #1814, #1815, #1245, #1246, #1247 発信者 の個人名を表示 プレ ビュー 可に ルール変更 ファ イル数の上限枠拡大 c)申請・投稿 「M S- Excel」 #1166 追加 余計なIME制御を しない(「ユーザ 検索」) ダイ ヤロ グ #1615, #1637, #1638, #1817, #1245, #1246, #1247 発信元表示 表示カ スタ マイズ 可に #1687, #1688 4 . 情報共有 #1425, #1902 本人 自動連動 #1390 フ ォ ルダ更新日 を 表示 #1936 #1574 a)設定操作共通配信先⇔ア クセス 権 整合チェッ ク #1392 #1385, #1386 場所別フ ォ ルダを 字数制限 エ ラー 時 に内容を 消さない 本紙[ 不要] に 「C REDIT」 「I BMメ ニュ ー」 「L ot us-Not es」 追加 #1164, #1165 追加 #1616, #1617, #1641, #1285, #1640, #1807, #1812, #1301, #1245, #1247, #1808,#1803, #1809, #1805, #1354, #1476, #1483, #1484, #1306 閲覧時 配信先表示 #1639, #1283, #1284, #1337配信設定時 #1757 カテ ゴラ イズ 投稿時の 表示どおり に ( 全般) 自動追加 #1389 分かりやすい フォ ルダ名に フォ ルダ階層 #1935 【対処済 み】 #1543, #1575 初期設定を変更 #1411, #1418 並び・ 階層を統一 #1917 ht t psも可能に カスタ マイズ 可に #1161 不要 #1162, #1163 #1925, #1919, #1918, #1272, #1274 #1383 個人設定 #1388, #1391,#1387, #1394, #1411, #1393 全フォルダ表示可に #1931, #1934, #1933, #1930, #1932, #1929 文字数上限枠 を 拡大 情報シス テム( NEXT) #1153, #1154 #1159, #1160 追加 多言語対応 #1364 戻らず 再検索可能 に(「 ユーザ 検索」) 未読マーク 任意変更可 に #1830, #1831, #1778 マーク を復帰可に #1772, #1773,#1776, #1775, #1774並べ替え 要旨欄 追加 履歴学習機能 #1428, #1905, #1261, #1561, #1429 #1371, #1370, #1369 #1373, #1378, #1376, #1372,#1374, #1377, #1424, #1423, #1375, #1379, #1406 シ ン プル 構造に 情報マーケ ット #1923, #1921, #1920, #1922 Wor d と 連携・ Wor dから生成 「すみずみ 君」 #1417, #1368 フ ォント拡大 可 に お 知らせボッ クス に出 す項目 #1927, #1924, #1926, #1928 ファ イル貼り付け リッ チテキス ト化 #1402, #1403, #1404, #1405,#1406, #1407, #1408 カ ラー 表示カスタマ イ ズ 既読/未読 を識別可能 に (全般) 入力枠拡大 #1401 修正方法を 簡略化 新着情報機能 を #1263, #1262, #1300 #1420 b) プルダウン メニ ュー 「天気情報」 #1277 #1256 #1313, #1314 #1914, #1845, #1916, #1915, #1911, #1844, #1845 #1913, #1912 部門別に細分化 表題を分かりやすく 「B TS-WEB」 #1155, #1156, #1157, #1158 追加 b)機能・性能 文字化け解消 備忘録メール IEの初期文字 コード を適正に #1939 仏語 #1818, #1675, #1677, #1676, #1678, #1679, #1680 参照不可 でも 消去 #1689 サブタイ トル・ 要旨を #1940 操作を簡略に ( 決裁申請書作成) テキス ト 領域にチ ェッ ク機能を 自部門を自動選択 スペースを有効文外 に #1940 在庫管理速報( SNEB) #1642 (全般) #1645 分類掲載可 に #1199 整理・保存・管理 を可能に フ ォ ルダ階層を企業別に リス トに申請者を 表示 表題 営業「画像 データ 」 #1433, #1431, #1432, #1434 #1426 操作を簡略に 公式文書保管庫 露出表示 KLC用申請ページ へ 初期値を Aに 選択可能 に 決裁申請書保管庫 b)保管フ ォルダ 操作を 簡略に 「全場所 ガイ ド」 #1152 医薬ポータル へ #1843, #1248 お気に入り機能を #1770 #1827, #1829, #1828 #1145 #1003 よく使う機能のピック アップ 機能を A・B名称変更 文書区分追加 #1769, #1816 不在時転送機能 を a)配信先ボッ クス ( 情報マ ーケ ット ) 訃報 「営業」 #1149 バージョン アッ プ以降、ひどい ×動作不安定 未読マ ーク消去可に 上に #1144 スタ ンバイから復帰時のエ ラー を 回避 #1005, #1004 ( 全般) 文書の性質で #1853 #1146 #1463, #1467, #1465, #1464, #1469, #1466 (全般) A・ Bを ひと つに A・ Bボッ クス #1854 #1771 上に #1193 モ バイル用の軽い画面を #1821, #1825, #1822, #1824, #1823, #1618 即時消去 #1832 A/ B連動消去 ×パフォ ーマ ンス #1148 上に 検索機能 文書種類 労使交渉 よく 使 う 機能を露出 #1147 トッ プ画面に #1739, #1740 場所専用ボッ クス #1820, #1826 自動消去 顕著 ユーザー ID申請時 外出し で #1855 場所⇔全社別 に #1862 #1151 添付ファ イル で #1190, #1197, #1198, #1910 配信先・ アク セス 権設定 で 一致させて 本紙配信欄 と 実際の配信先を ンツ/ 人事通知 a)コンテ 客 セン 日報 #1138, #1139 検索機能を付与 #1150, #1440 #1194, #1195, #1196 #1731, #1732 表題検索機能 を 配信不要 #1140, #1141 固定・全表示 にする HTML記法が冗長 #1191 時間帯で プ ログラ ムラ ン チャー 旧掲示板 配信不要 配信方法統一 #1142, #1143 (全般) #1187 PROCEEDで #1189 転送の要/不要 配信コメン トを 書く 追加配信 コ メン トを 必ず記載 #1348 配信時間厳守 #1890 #1396, #1395 #1188 X21で は非力 本紙ではなく 要旨欄に #1330, #1340 周知範囲を 要旨欄に 記載 #1347, #1346, #1047KEC送付済 みか否か #1070, #1071, #1072 #1073, #1074, #1075 Wn i g未導入会社 へも同報可能に KLC #1185 #1353 表題を簡潔に 復活 #1069 配信方法統一 #1177, #1178, #1179, #1180, #1181, #1182, #1183, #1184 (全般) To⇔Cc #1358 単に送付状的 な本紙の 厳禁 旧フ ァイ リン グシ ステム 配信ルール明確化・徹底 #1058, #1059, #1060, #1061, #1062, #1063, #1064, #1065, #1066, #1067, #1068 要配信 #1048, #1051 ( 全般) 使 い分けを 徹底 #1858, #1860, #1859, #1864,#1862, #1856, #1861, #1857, #1863 A⇔B #1342 a)公式文書配信方法 #1037, #1038, #1039, #1040, #1041, #1042, #1043, #1044 KLC #1356, #1357, #1355, #1345通知⇔直接通知全員宛て⇔担当長宛 て #1359 Wn i g導入会社範囲 を 拡大 グループ の 新商品情報 #1054, #1055, #1056 #1057 (全般) #1036 KBC #1870, #1869 公式文書⇔情報 マ ーケ ット #1053 実装 メールとの 併用に #1030, #1351, #1045, #1331 要転送・業務指示 はメールで ×広 すぎ て危 ない ( 全般) Out Lookに 送らないで #1943 専用情報提供機能 #1011, #1002, #1435 メール配信を復活 アク セス 権 を広 めに #1335, #1462 ×狭くて転送でき ない #1124 分類・整理 画面更新 即時更新 し て #1603 過去文書(90日超) の配信先 #1742, #1745, #1743, #1750, #1749, #1751,#1748, #1753, #1747, #1752, #1746,#1744, 整理・保存機能 #1410 を #1730 非表示可に #1725, #1709, #1708, #1717, #1727, #1711, #1713, #1715, #1719, #1710, #1722,#1726, #1720, #1721, #1716, #1728, #1707, #1729, #1712,#1724, #1718, #1706, #1723, 既読・不要文書 #1714, #1788, #1380 削除可に #1654, #1664, #1662, #1661, #1659, #1655, #1658, #1657,#1663, #1660, #1656,#1665, #1787, ア ク#1439 セス で きな い 文書 #1691, #1695, #1698, #1694, #1701, #1692, #1702, #1700,#1699, #1703, #1704,#1693, #1705, #1697, #1696 マ ーキン グ/ カラ ーリ ング 可に 全部で約400の枝がある。類似の要望が多いと、要望ごとの通し番号が横に並ぶため、長い枝になっている。 図4 VOL.30, NO.1 意見・要望の整理ツリー 59 ◎・ ・ ・対処済/今回対処、○・ ・ ・対処予定、 ◇・ ・ ・調整のうえ検討、△・ ・ ・代替手段提供/既存、 ─・ ・ ・対応困難 図5 特に多かった要望を集計して提示 ユーザーはえてして、思いつきや自分の業務視点だけか 例) 「配信先照会画面の操作を簡略にしてほしい」 ら意見や要望を挙げてくる。有限のリソース(時間・人・ …(全15件) 金)の範囲内で対処しなくてはならない開発チームは、と 内訳: もすればそれを雑音のように受け止めてしまいがちであ 特定機能への言及なし…(6件) る。合理的な理由や優先度判断があるにもかかわらず、そ ページ指定を可能に……(1件) れを開発チーム内だけで納得し、開発を進めていると、 階層構造化して欲しい…(3件) ユーザーの不満はつのる一方だ。やむなく却下する場合で 検索機能が欲しい………(2件) あっても、「聞いています」というアンサーが大切である。 その他の実現方法………(3件) こうして因数分解によって整理された意見・要望は、の 4.終わりに べ977件にのぼった。それぞれに、類似要望が何件あげら れているかを集計し、それを優先度判断の尺度として示し システムはユーザーと作るものである。「情報コミュニ た。その上で「対処済み」「対処予定」「要調整」「代替手 ケーション変革」プロジェクトは、まさにユーザーとのコ 段がある」「対応困難」といった区分けをした。 ミュニケーションに多くのエネルギーを注いだプロジェク 要望の中には、諸般の事情や制約により対処できないも トであった。現在、Wingポータルは、キリン・グループ の、仕様や機能の誤解なので対処不要なものが、2割ほど 70社が利用する情報共有空間に発展し、これからさらに、 含まれていた。既に対処済みのもの、または今後の対処に ユーザーを増やそうとしている。「情報コミュニケーショ 織り込み済みのものなどをも数値化して、すべてをユー ン変革」そのものは、いったん収束したが、新生KBSでは ザーに報告した(図5)。 「ワーキングスタイル変革グループ」という常設組織が設 こうして、他の拠点も自分同様に考えている、自分の要 けられた。これからも引き続き、ユーザーとの対話をベー 望が少数意見である、といった状況をオープンに出した結 スに、絶え間なく変革活動を続け、グループ全体の生産性 果、2次改善で対処した機能はわずか数項目であったにも 向上を目指すのである。 かかわらず、ユーザーの納得度は高かった。 60 SOFTECHS