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平成20年度 事業計画
平成20年度 事業計画 基本方針 政府の平成20年度経済見通し(平成19年12月19日閣議了解)では、『世界 経済の回復が続く下、19年度に引き続き企業部門の底堅さが持続するとともに、家 計部門が緩やかに改善し、「自立と共生」を基本とした改革への取組の加速・深化など により我が国経済も民間需要中心の経済成長になる』と予測しており、実質成長率(G DP)もプラス(+2.0%程度)を見込んでいる。 一方、ツーリズム産業を取り巻く経済環境も好転を続けており、2007年には、 「観光立国推進基本法の施行・観光立国推進基本計画の閣議決定」はもとより、政府 の積極的な観光立国政策のもとに展開されている「ビジット・ジャパン・キャンペー ン」などの効果により訪日外国人数が過去最高の約835万人(対前年113.8%)、 日本人の海外出国者数も前年より減少したものの約1,730万人(対前年98.7%) と史上四番目を記録するなど概ね好調に推移した。 2008年は、原油価格高騰・株価低迷などマイナス要因が極めて多いものの一方 では、「日韓観光交流年」、「日仏観光交流年」、「日伯交流年・ブラジル移住10 0周年」などであるとともに「北京オリンピック開催」「北海道洞爺湖サミット開催」 さらには「観光庁の新設」などツーリズム産業を活性化する内外のプラス要因も数多 く、業界を取り巻く環境は総じて好転するものと予想される。 このような状況を踏まえ、平成20年度のTIJ事業展開の基本目標を『ツーリズ ム産業の連帯と拡大を図り、観光立国の実現を目指す。』とし、具体的には、4本 柱事業(休暇改革、訪日ツーリズム、広報啓発、産学連携)の強力な推進と本格的な 組織拡大事業の展開による発信力の確立等を図る。 具体的には、休暇改革事業については、「秋休みキャンペーン」を発展させた「1 ウィークバカンスキャンペーン」を新たに展開し、年間にわたる長期休暇の取得促進 と旅行需要の平準化に取り組む。また、訪日ツーリズム事業については、VJC実施 本部事務局業務のJNTO移管に対応し、ツーリズム産業界の提言をVJC事業に的 確に反映すべく委員会組織・機能の改編を実施する。産学連携事業については、新た に首都大学東京における寄附講座の開設等を行い、同事業の拡充を図る。さらに、組 織拡大事業については、ツーリズム産業界全体の大同団結と拡大を目指し、「観光関 係団体会長連絡会議」を活用した観光関係団体とのより一層の連帯・活動強化を図る。 なお、あわせて公益法人の指導監督基準等にも積極的に対応し、適正かつ適法な組 織運営にも努めることとする。 以 上 個別の事業計画 1. 休暇改革事業 (1)休暇制度のあり方についての社会的なコンセンサスづくり ①「観光立国推進基本計画」及び「国内旅行需要喚起のための休暇のあり方懇 談会」の答申に基づき、有給休暇の連続取得の推進・分散化の実現を目指す。 ァ 有給休暇の取得を促進し、取得率の向上(5 年後に 60%、10 年後に 100% *内閣府指針)を目指すとともに、企業等の優良取組みの紹介等を行う。 ィ 学校の秋休みや二学期制、地域行事に連動した学校休業など、学校休業の 多様化と柔軟化を進めるための具体的施策を検討する。 ②長期連続休暇取得の法制化等早期の義務付けは難しいが、その契機となるよ うな調査・研究を継続するとともに出来得る範囲での連続取得を目指す。 ァ 年次有給休暇を年に1回は1週間程度以上連続取得することを奨励する。 ィ ロングステイや二地域居住促進のための長期滞在型ツーリズムの役割を検 討する。 ゥ 旅行を促進するための新たな制度(バカンスチケット制等)を研究する。 (2)観光旅行の促進のための環境整備について ①地域の魅力や観光、家族旅行の意義等を家庭や地域、学校等に啓発し、普 及・促進を図る(旅育)。 ②体験型、交流型等の特色を有する新たな旅行形態(ニューツーリズム)の 開拓と普及を図る。 ③旅行需要端境期の解消に努め、観光旅行需要の平準化を図る。 (3) 2008年度新キャンペーンへの取り組み 新たな休暇シーズンとしての「秋休み」の定着には一定の成果を得た「秋休 みキャンペーン」の運動は継承する。その上で、キャンペーンの期間をより 広範囲にした「新たなキャンペーン」を立ち上げ、1週間程度の長期連続休 暇の取得に対応する旅行商品を造成し、新規旅行需要を喚起するとともに、 旅行需要の平準化を実現し、ツーリズム産業の活性化に寄与する。 ①キャンペーン名称:「1ウィークバカンスキャンペーン(仮称)」 ②キャンペーン期間:平成20年9月1日~3月31日 ③キャンペーン目的:休暇取得促進による旅行需要の掘り起こし・平準化 ④コンセプト: ァ「キャンペーンポスター、ロゴ」を中心に告知を徹底する。 ィ「キャンペーン商品」の展開を行い、TIJ会員全体での 販売促進を実現する。 ゥ「私の1ウイークバカンスプラン」コンテストを実施する。 ェ「キャンペーンクイズ&アンケート」を実施する。 (4) 行政機関や関係団体が推進する休暇改革に関わる事業を協力・支援する。 ①「ワークライフバランス推進会議」と連動して事業推進に協力・支援する。 ②「海の月間」の事業に協力・支援する。 ③「サマータイム法」の法制化に向けた動きにタイムリーに対応する。 2.訪日ツーリズム事業 (1) VJC支援活動・インバウンド推進に向けた新たな展開 インバウンド全般(VJC事業を含む)に関する課題を訪日ツーリズム委員会で 議論し、国土交通省・JNTO等に対する提言を行う。 (2) 2010年以降のVJCビジョンに関する提言 2010年に1,000万人を達成した後の訪日促進活動はどうあるべきか、観 光関連団体とも協議の上、あるべき姿を国土交通省に提言する。 (3) VJC事業支援のための事業活動展開 ① 旅行エージェントを利用しない個人旅行(FIT)/個人型観光の動向・需要等の 実態調査実施の検討 ② 外国語表示の標識や訪日環境整備項目(空港CIQ、観光ガイド等)の問題点 を洗い出し、関連組織に対する提言を行う。 ③ JNTOが運営するインバウンドウェブサイトのコンテンツ拡充に対する提 言ならびに支援を行う。 ④ 地域活性化活動を展開する具体的地域の選定、及び人選を行い、支援活動の 展開を検討する。 ⑤ 他の観光組織(東京・千葉・神奈川3県、JNTO、TCVB等)と連携し つつ、MICE促進取り組みプランの作成を開始する。 ⑥ Yokoso!Japan Weeks(YJW)等、VJC事業の国内活動支援を行う。 (4)秋葉原新発見ツアーの後援 秋葉原観光推進協会が主催する標記ツアーの実施を後援する。 3.広報・啓発事業 (1)ツーリズム産業の自立をめざしたアピール活動 ツーリズム産業のトップクラスの方々を対象としたハイレベルなシンポジウム 「ツーリズムサミット2008」を開催する。 ①日程 平成20年12月予定 ②主催 日本ツーリズム産業団体連合会 ③後援 国土交通省、(社)日本経済団体連合会 ④会場 東京プリンスホテル ⑤テーマ 「農林水産業とツーリズム」(仮称) 等 (2)ツーリズム産業がもたらす経済波及効果についての啓発活動 ツーリズム産業の経済波及効果を解説した広報・啓発パンフレット2008年版 を制作、配布する。 (国土交通省総合政策局観光経済課の「旅行・観光産業の経 済効果に関する調査研究 2007年版」のデータを使用予定) (3)ツーリズム産業界人の資質向上とモチベーションアップを目指した活動 ・「TIJセミナー」の開催を予定 ①日程 年3回 開催予定 ②時間 15:00~18:00 予定 ③会場 会員団体・企業の会議室を予定 ④対象 会員団体・企業の実務者を中心に 50~100 名募集 (4)児童および社会人に対する啓発活動の推進 ①「旅育」の実施 ・ 小中学校の児童を対象に、総合的学習の時間や社会科の授業にTIJか ら講師を派遣し、旅の意義・楽しさ、旅の効用、ツーリズム産業の重要 性(経済波及効果など)を通じて、国際理解、環境、職業観についての 授業の手伝いをすると共に、ツーリズム産業への認識度を向上させる。 特に今年度は、前年度のトライアルの実績データを活用し、より充実し た授業を実施する。また、本事業を平成 21 年度までの3ヶ年継続し、 実施効果等を検証し、その後の実施継続の可否を検討する。 ②「出前たび講座」の実施 ・ 市民講座やサークル、講演会、教育機関などの求めに応じ、TIJから 講師を派遣し、旅の効用、旅のマナー、ツーリズム情報の提供などを行 い、ツーリズム産業に対する認識度を向上させる。 ③「講師バンク」の設置 ・TIJ内に「講師バンク」を設置し、上記講座等に講師を派遣する仕組を 構築する。 (5)その他の広報 ①タイムリーなニュースリリースの実施 ②ホームページによる情報提供、および会員相互の情報交換の活性化 ③マスコミとの連携強化 4.産学連携事業 (1)早稲田大学との産学連携事業(継続) ① 寄付講義「ツーリズム産業論」の開講(春季:4月10日~7月10日) 科目名 ツーリズム産業論 担当教員 長谷川惠一(早稲田大学商学部教授・教務主任) 学期・時間 春季(4月から7月)木曜5時限(計13コマ) 単位数 2単位 講師 航空会社、鉄道会社、旅行会社等の経営幹部、及び 観光関係の学識経験者 ②「講義録」の作成(平成20年8月完成予定) (2)一橋大学との産学連携事業(継続) ① 寄付講義「ツーリズム産業論」の開講(夏学期:4月14日~7月14日) 科目名 ツーリズム産業論 担当教員 岡本純也(一橋大学商学部 学期・時間 夏学期(4月から7月)月曜4時限(計12コマ) 単位数 2単位 講師 航空会社、鉄道会社、旅行会社等の経営幹部、及び 准教授) 観光関係の学識経験者 ②「講義録」の作成(平成21年3月完成予定) (3)首都大学東京との産学連携事業(新規) ① 寄付講義「ツーリズム産業論」の開講(後期:10月1日~12月24日) 科目名 ツーリズム産業論 担当教員 井出 学期・時間 後期(10月から12月)水曜3時限(計13コマ) 単位数 2単位 講師 航空会社、鉄道会社、旅行会社等の経営幹部、及び 明(観光科学専修・准教授) 観光関係の学識経験者 ②「講義録」の作成(平成21年3月完成予定) (4)第5回産学連携オープンセミナーの開催(平成21年2月予定) 第4回までの実績に基づき、運営方法全般(主催・開催場所・開催時期等)、 告知方法等の見直しを行い、新たな形式によるオープンセミナーを開催する。 (5)地方オープンセミナーの開催の検討 既存の東京でのオープンセミナーの開催に加えて、財団法人江頭ホスピタリ ティ事業振興財団、及び九州観光推進機構の協力を得て、地方(福岡)でのオ ープンセミナーの開催を検討し、実施する。 (6)大学・大学院に対する講師派遣等の支援 既存の大学および観光関連学部・学科、あるいは研究科等を新設する大学・ 大学院に対する支援としてTIJ会員企業・団体から講師等を派遣する仕組を 構築するとともに、学科等新設のためのプロジェクト・研究会等に積極的に参 画する。 (7) 観光関係人材育成のための産官学連携検討会議の開催 平成18年度から始まった国土交通省から受託した「観光関係人材育成のため の産官学連携会議」の開催運営を行うとともに、あわせて全国の観光学部・学 科がある大学・大学院との連携・交流をより一層深めることとする。また、平 成19年度に実施したインターンシップワーキンググループの検討をもとに、 観光関係のインターンシップ制度の確立に協力する。 (8)副読本(データブック)の作成 今年度から寄附講義用データブックを作成し、寄附講義受講者に配布すると ともに、内容を再吟味し、平成21年度用データブックの製作に着手する。 5.組織拡大事業 (1)組織強化と会員の拡大 ①年間を通じた会員入会の促進 ②地方広域観光推進機構等との連携を通じた地方会員入会促進 ③広報・啓発委員会との連携による、会員への情報提供の充実 (2)観光関係団体との連携強化 「観光関係団体会長連絡会議」の事務局運営を通じて、観光関係団体との連 携を強化するとともに共同事業展開の可能性を探る。 (3)公益法人改革への対応 公益法人改革に対する対応策、実施時期ならびに地方組織設置、事務局機能 強化等の検討を行う。 (4)中長期計画の策定 TIJが今後目指すべき方向についての議論を深め、中長期プランの策定を開 始する。 6.その他の事業 (1)JATAが推進する「ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)」に対 する全面的な支援と協力 (2)「旅フェア2008(平成20年6月)」ならびに「JATA世界旅行博 (平成20年9月)」の開催に向けた、全面的な支援と協力 (3) 「観光立国推進基本計画」の5大目標値達成に向けた積極的な提言・支援活 動の実施 以 上