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若者講座(PDF:908KB)
若者講座 「若者が活きるまちづくりをめざして ~若者に学び、若者を知る~」 1 取組みの概要 今年度は「若者に学び、若者を知る」をテーマとして、前半(9 月~11 月)は市内で活動している若者 の 11 団体(グループ)にヒアリングを行った。若者自身の実情や活動内容、悩み・松本の街への思いな どを聞くことができた。 後半(12 月~2 月)は、公開講座を 3 回実施し、高校生を含む多くの若者が参加する中、ワールドカフ ェ方式等により、リラックスした中にも、充実した熟議が展開された。次年度以降に取り組む、具体的な 提案の絞込みまで進むことができた。 また、ヒアリングや講座の間には、若者との食事会や懇親会をおこない、若者のホンネを聞くことで、 密度の濃いコミュニケーションを築くことができた。 2 趣旨 (1) 取り組む背景 少子高齢化が進み、地域コミュニティの重要性が見直され、活性化が求められている中で社会(地域) に関わりを持たない・持てない若者の存在が指摘されています。 大人からの「どうせ今の若者はこんなだから」 「若者は地域のことを何も知らないから」というような 言葉で片付けられている背景には、大人が若者のことを知らなさすぎる、また知ろうとしないことも考 えられます。また、一方で地域社会とつながりが持ちたいと思いながらも、関わり方が分からない、き っかけがないという若者側の悩みや閉塞感もあるのではないでしょうか。 (2) 目的(3 年間を通じての) 若者を次代の地域づくりを担う主役と位置づけ、若者と地域双方の現状を整理、理解する過程で、持 続可能な地域社会と若者の居場所や自己実現がどのように重なり合うか、互いに歩み寄る糸口は何かを 考え、具体的な取り組みにつなげていきます。 (3) 平成 25 年度の方向性 ①若者は、中学生、高校生、大学生(短大生) 、社会人(概ね 30 代)とする。 ②若者側の考えや現状を把握し、そこから若者同士の理解、共感を図りながら、課題の掘り下げと今 後の講座展開の方向性を探る。 ・ 「若者の 100 の本音」と題し、様々な年齢層、活動分野に属する若者から本音を聴き取る。 ・聴き取り内容からテーマを設定し、若者自身が大人や地域への意見、やりたいこと、関心のあるこ とや現在の取り組みなどを発表・報告を受けグループワーク等を実施する。 3 重点目標 (1) 若者視点での地域や社会の捉え方、また、そこでの居場所や人と人とのつながり方がどのようなもの であるのか理解を深めます。 (2) 持続可能な地域とは何かという問いかけの中で、若者が地域に関わる意義とその中でどのように位 若者|90 置づけられるかを考えます。 (3) 若者自身が現在取り組んでいる活動等を振り返り、新たな発展性や可能性への気づきを得ながら、 地域や社会とのつながり方を議論する。 (4) 上記(1)~(3)の過程から、具体的な取り組みの提案や受け皿である地域のあり方に目を向けていく。 4 実施状況 (1) ヒアリング 月 日 時 間 団体(グループ) 場 所 対象者 会 議 概 要 ・ゆめ実験室のメンバー4名から聞き取り ・ゆめ実験室の活動、参加者の想い等を中心に聞く ・山形村商工会の建石さんとの懇談会 ・松本大学~山形村商工会の話を中心に聞く ・ボランティアグループ ヤンチャVo'sメンバーから聞き取り ・活動のきっかけ、今後の目標や展開を中心に聞く 9月18日 19:00 ~ 20:00 ゆめ実験室 中央公民館 4 9月21日 18:00 ~ 19:30 山形商工会建石様 中央公民館 1 9月27日 19:00 ~ 20:30 やんちゃVo’s 安曇保健福祉 センター 8 9月30日 18:00 ~ 18:30 ジュニアリーダー 中央公民館 12 10月9日 17:30 ~ 20:30 街角コンサート実行委員会 北部公民館 17 10月16日 19:00 ~ 20:00 勤青ホーム利用者 勤青ホーム 4 10月17日 13:30 ~ 14:10 信州大学学生支援課 信州大学 2 安原公民館 2 11月18日 18:00 ~ 19:30 今井NO-JIN(農人) amijok 1 ・街コン実行委員会の反省会でアンケート調査 ・食事会で高校生(深志、蟻ヶ崎、美須々ヶ丘)の意見を聞く ・勤労青少年ホーム利用者の会の役員の皆さんの意見交換 ・活動をする上でのやりがいや、地域に対し感じることなど ・信州大学学生支援課の、金子課長、降旗さんと打合わせ ・FREE☆DIVISIONサークルを紹介していただく。 ・信州大学のサークルFREE☆DIVISIONのメンバー2名 ・12月からの講座への参加をお願いする ・今井地区の農業後継者等でつくる、NO-JINグループの アート担当の古田さんのヒアリングを実施 11月26日 19:00 ~ 21:00 松本大学 宮田さん ガスト 1 ・酒井和彦さん紹介の宮田さんとの急遽懇談 11月28日 21:00 ~ ガスト 4 ・酒井和彦さん紹介の団体で、主要メンバーと懇談 11月5日 16:30 ~ 17:40 FREE☆DIVISION 1:00 松本若者企画会議 見学 11月29日 20:00 ~ 21:00 <FREE☆DIVISION> 信州大学 14 ・ジュニアリーダー会のメンバー9名にアンケート調査を実施 ・会議の様子を見学、チラシを配布して講座参加依頼 【ヒアリング項目】 (以下の項目をベースに各団体等ヒアリング及び意見交換を実施した) ① 基本項目 ・構成人数 ・参加者の年齢 ・出身地 ・活動内容 ・団体の活動がはじまったきっかけ ・活動の目的 ・活動範囲、活動場所 ② 掘り下げていって ・参加したきっかけ ・活動への参加を続けている理由 ・やりがいは何か ・活動する上での悩みや不満はあるか ゆめ実験室 ・悩んだときや困ったときはどこに相談するか ・活動の中で、どのような人たちと関わるか ・松本市、地区、町会等の地域への印象 ・活動以外に、家族、職場以外の人と関わる機会はあるか ・情報発信(会の広報HP等、必要性がある場合)の有無 発信するツール やんちゃ Vo’s ・現在の活動を更に広めるには、どのような支援が必要か、不要か ③ その他 ・なぜ松本に来た(残った)か ・どんな「まち」であってほしいか ジュニアリーダー 91|若者 ・今後、地域で行ってみたい活動はあるか 【ヒアリング結果】 (各団体等とのヒアリング及び意見交換の内容を集約した) ① 若者の現状 ア 勤労青年層 ・卒業、就職という過程の中で、学生時代の友人と離れる。基本的に孤立。同世代の交友関係の再 構築を強く望んでいる。 (同年代の横のつながりにのみ注力する傾向) ・家と職場を往復するだけの生活に物足りなさを覚え何かしたいという思いを持っている方が多い。 (具体的なイメージやプランまではないことが多い) ② 大学生 ・サークルなどで同年代の者が、同じ目的意識を持って多様な活動をしている。 (勤労青年層と同じく、横のつながりが基本なので、その枠を超えにくい) ・県外出身者も多く、せっかくの機会なので松本のまちの理解を深めたい、活動の範囲を大学の外 に広げたいという声も多く聞かれた。 (方法、きっかけや場所を見つけることが困難) ③ 中学生・高校生 ・部活動や公民館活動を通じて地域行事に参加することがある。 (次第に活動範囲が広がり参加する機会は減っていく) ・大人たちの補助的な協力を得られれば、自分たちで企画する能力はある。 【今後の講座方針】 (各団体等ヒアリング及び意見交換の結果をふまえ、今後の講座を進める) ① 講座を通じて目に見える形で成果を残す。形づくる過程で、松本のまち、社会参画とは何かのイ メージを膨らませたり理解を深めたりする学習と実践を組み込む。 ② 講座の中で「社会参画の定義が分からない」 「地域ってどこ」という発言が示すように、概念的・ 抽象的な問いかけではなく、具体的な投げかけをする。 ③ 講座を受講するメリットという観点から、参加者同士のつながりをつくる、現在の若者の活動が 活かされるようにする。 ④ 受講者が当事者であるという認識、講座を継続する中で成長や積み重ねを実感できる。 (2) 公開講座 講 座 名 開催月日 第1回 若者の現状と活動を知ろう 12月10日 第2回 若者たちの活動から学ぼう 1月25日 第3回 あなたが松本でやりたいこと 2月4日 時 間 場 所 参加人数 あがたの森 19:00~21:00 文化会館 35人 13:30~16:00 31人 松本大学 あがたの森 19:00~21:50 文化会館 24人 講 座 内 容 ・講座概要の説明 ・ヒアリング実施状況の報告 ・ワールドカフェ形式による熟議 ・各グループ発表 ・コーディネーターによるまとめ ・第1回講座の振り返り ・グループワーク ・グループワークの結果発表 ・コーディネーターによるまとめ ・講座の流れの説明 ・ワールドカフェ ・グループワーク ・まとめ ・アンケート記入 若者|92 (3) その他 項 目 開催月日 時 間 第1回 食事会 12月10日 22:00~1:00 第2回 懇親会 1月14日 20:00~23:00 第3回 食事会 1月30日 21:00~1:30 会 場 参加人数 ココズ 10人 アジトスタイル 25人 ココズ 10人 懇 談 内 容 ・第1回講座の反省 ・次回講座への要望 ・若者グループ間の交流 ・若者の思いを熱く語る ・白戸先生のコメント ・第3回講座の内容検討 ・ワールドカフェの進め方 5 成果と課題 (1) 成果 ① 多くの若者のヒアリングをおこない、若者の現状や考え方を知ることができた。 ② 各講座を通して、若者同士の意見交換を行うことができた。 ③ 若者との食事会や懇親会で、コミュニケーションを深めることができた。 ④ 第 3 回目の講座で、次年度実施したい具体的なアイデアが多く出された。 (2) 課題 ① 地域の人(町会の役員等)の意見(課題)の把握が必要である。 ② まだ掘り起こされていない若者の把握が必要である。 ③ 短期間では結論をだせない、時間をかけて取り組む必要がある。 ④ どのように地区公民館活動に反映させていくか、いけるのか。 ⑤ 活動していない(できない)若者に対するアプローチをどのようにするか。 6 今後に向けて (1) 第 3 回講座で出されたアイデアの実現に向け、プロジェクトチームにより検討を進める。 (2) 若者同士が交流・親睦できる「場」つくりを、松本大学と連携・協働して進める。 (3) 講座の開催による学習を計画する。 ① 若者と地域の大人が交流する講座の開催 ② 活動していない(できない)若者に対する取り組み方法の検討 街角コンサート実行委員 93|若者 懇 親 会 第1回 「若者の現状と活動を知ろう」 日 時:平成 25 年 12 月 10 日(火) 会 場:あがたの森文化会館 2-8 教室 参加者:35 人 コーディネータ:白戸 洋(松本大学 総合経営学部 教授) 1 取組み概要 若者の現状と地域に対する意識把握、地域や社会へのつながりへの理解を目的に、9 月~11 月の間に市 内の若者活動団体に対して行った活動内容等のヒアリング結果を報告した後、ワールドカフェ形式のディ スカッションを実施した。話し合いとコーディネータの講評から、若者が機会に恵まれないことや悪いイ メージにより地域参加していない現状と、活動を通して地域とかかわることで新たなつながりを得ること ができることを確認した。 2 ねらい 若者を中心とした参加者から話し合いを通じて意見を出してもらうことで、若者の現状や社会参画・地 域とのつながりに対する意識を整理・把握する。また、事前に行ったヒアリングの結果を聞き、実際にや りたいことを出し合うことで団体同士の活動を共有すると共に、団体の活動を通して地域や社会とつなが ること、地域等とつながることでまちづくりとなることへの理解を深める。 3 概略 (1) 講座概要について説明 (2) 松本市内の若者活動団体に行ったヒアリング実施状況の報告 (3) ワールドカフェ形式による、グループディスカッション (4) ワールドカフェの結果発表 (5) コーディネータによる講評・論点整理 4 内容説明 (1) 講座概要について説明 若者と地域がつながることを考えるために、若者と地域双方の現状を把握・整理するにあたり、まず 若者側の現状や地域・社会への参画に対するイメージを聴き取りや意見交換で把握し、理解する旨を説 明した。 (2) 松本市内の若者活動団体に行ったヒアリング実施状況の報告 [詳細別紙資料] 9月~11月にかけて行った、 松本市内で活動する11の若者の団体に対するヒアリング結果を発表した。 (3) ワールドカフェ形式による、グループディスカッション ア 人数 各テーブル 5 名 イ 時間 25 分×2 ラウンド ウ テーマ 第 1 ラウンド「この講座に参加した理由(動機) ・目的と若者の現状」 第 2 ラウンド「若者の社会参画について、抱いているイメージ、どのようなことをやりたいか。 」 若者|94 (4) ワールドカフェの結果発表 [一部抜粋] ア 講座に参加した理由(動機) ・目的 ・若者とのかかわり方、若者の考え方を知りたいから。 ・若者と一緒に活動したいから。 ・若者を地域に取りこむにはどうすれば良いか知りたいから。 ・自分の団体活動の参考にしたいから。 ・他の団体がどんなことをしているか知りたいから。 ・自分の周り以外の若者がどんな考えでいるのか興味があったから。 ・身内での交流が主であり、交流の輪を広げる機会が欲しかったから。 ・若者の意見を届けたいと思ったから。 イ 若者の現状 ・地域に出てこない、関わりを持たない。 →地域には魅力がないと思っている。 ・学生が地域に見えてこない。 →高校生以上になると地域事業への参加がなくなり、地域とのかかわりがなくなる。 ・横のつながり(同年代)はあるが、縦のつながり(年代の違う世代)のつながりはない。 ・地域の受け入れ方に問題があるので、地域参画しない。 →高齢者主体となっているところにどう若者が参画するかが課題である。 ・意欲はあるが、挑戦する機会や場がない、見つけられない。 →自分から知ろうとしないと地域の情報が入らず、公民館をはじめ、地域のことを知らない。 →地域への参加の仕方が分からず、相談するや参加する場を見つけることもできない。 →地域活動に参加するきっかけも見つからず、結果として地域で何もできない。 ・つながりや仲間を求めている。 →情報機器の発達により、インターネット上の仲間は増えているが、実際に一緒に活動をする等の 仲間はほとんどいない。 ・時間やお金の制約が強く、余裕がない。 →仕事に多忙であったり、就職難などにより自分自身に精一杯な部分が強く、周りに目を向けてい る余裕がない。 ・楽しいこと、興味のあることでなければ集まらない。 →楽しいこと、興味のあることであれば、時間を作って参加をする。積極性もある。 ウ 若者の社会参画に対するイメージ ・上の年代とのしがらみがあって、意見が潰されてしまう。 →地域活動を仕切っているのが高齢者層であり、 若者の意見は最初から通らないと思った方が良い。 ・ 「若者の社会参画」自体がよく分からない。 →定義が分からず、難しいイメージ。 ・参画することには勇気がいる。 ・若者が社会参画をするには、先輩の理解が必要。 エ やりたいこと ・若者がしたいことをできる場を作ること。 95|若者 →住んでいる地域でやりたいことが見つかる取り組みをしたい。 ・お年寄りから子どもまで参加できる事業や活動の実施。 ・年代別、ターゲットを絞った事業の実施。 →若者の意見を取り入れた、若者の出たくなる講座など。 ・世代間交流として地域で飲み会などの実施。 ・地域や他の団体との交流、つながりを作る場づくり。 →フランクな雰囲気で行う飲み会や交流会。 →スポーツ等のサークル活動。 →若者同士が楽しんでつながれるコミュニティづくり。 →若者が集まるフリースペースづくり。 →地域貢献をしていくために、活動団体の土台作りとして横のつながり、結束感、信頼関係を築い ていきたい。 ・地域のイベントへの参画 →地元の文化祭への出典。 →松本ボンボンや子どもまつりへの参加。 →松本の現状をもっと知って、地元の事業や文化活動、学習会への参加。 ・若者側から社会参画へのアプローチをする。 ・やりたいことがある人を刺激して活動させるような工夫。 オ その他 ・講座や事業が若者まで周知できるような工夫が必要。 →周知方法の IT 化をする等。 ・若者が地域に参画することがあっても、その後の意見が聞かれない。 ・あまり失敗できない雰囲気もあるが、実験することも大切。 ・ 「若者が活きる」には、やりたいことがある若者がやりたいことで活動をできている状態と、やりた いことを見つけられていない若者が、やりたいことを見つけて活動する状態の二つがあると思う。 ・ 「つながり」という言葉が意見交換での一つのキーワード (5) コーディネータによる講評・論点整理 ・若者が地域に参加するメリットは、何かを一緒にやることで人とつながり、幅が広がり、仕事や学校 以外のつながりを持てることである。 ・地域にとっての若者価値は、同じ想いを抱いた若者が目の前にいるだけで大きな力になること。 ・地域は若者に役割があるのかを、若者は地域とつながる機会があるのかを考える必要がある。 ・若者は楽しいと動き、時間も作るため、地域の魅力や面白さを出すにはどうすれば良いかが大切であ る。少なくとも、大人がダメと言っているようでは魅力がなくなる。 5 アンケート [一部抜粋] ・初めてのワールドカフェが新鮮で良かった。コミュニケーションが良く取れた。 ・各々の視点での、地域に対して話をできた。 ・もう少し時間があれば良かった。主旨は良かった。 ・深く討論ができなかった。 若者|96 ・各場の発表内容が同じ。違う意見を言って欲しかった。 ・もう少し若者の意見が欲しかった。 ・講座、公民館、社会参画などを考えると、どうしてもよそ行きの意見になってしまう。 6 まとめ 若者の現状として、地域とかかわる機会や窓口が見えないこと、悪いイメージが先行して楽しみや 面白みを見出せないために地域に興味を持てないという実態が把握できた。また、地域にかかわるこ とにより、若者がこれまでになかったつながりを得ることができるため、活動をすることで地域に貢 献できるだけでなく、若者自身にもメリットがあることが分かった。加えて、社会参画が分からない という意見が多数寄せられたことから、社会参画の定義を確認する必要性を感じた。 ワールドカフェの様子 白戸教授による講評 第2回 「若者の活動から学ぼう」 日 時:平成 26 年 1 月 25 日(土) 会 場:松本大学 512 教室 参加者:31 人 コーディネータ:白戸 洋 (松本大学 総合経営学部 教授) 1 取組み概要 第 2 回講座では、第1回講座において参加者より「社会参画」とはどのような事を指すのか分からない という意見が寄せられたことから、まずコーディネータの白戸先生より「社会参画」の意味や方法につい て話があり、 「社会参画」や「地域とのつながり」に対するイメージを参加者が共有した。また、若者の 団体の活動を発表してもらい、現在若者が行っている活動への理解を深めた。 2 ねらい 「社会参画」や「地域とのつながり」に対するイメージを参加者が共有する。また、講座に参加してい る若者の団体の活動を発表してもらい、現在、松本で若者が行っている活動への理解を深めるとともに、 それぞれの活動の課題や今後の可能性等を話し合い、今後の活動に活かしてもらう。 97|若者 3 概略 (1) 第1回講座の振り返り (2) グループワーク (4) グループワークの結果発表 (5) コーディネータによる講評・論点整理 4 内容説明 (1) 第1回講座の振り返り 第 1 回の講座において参加者より「社会参画」とはどのような事を指すのか分からないという意見が 寄せられたことから、コーディネータの白戸先生より、社会参画をすることにどのような意味がある のか、具体的にどのようにすればよいのかというお話があった。 (2) グループワーク ア 人 数 各テーブル 6~8 名 イ 時 間 90 分 ウ テーマ 「若者の活動から学ぼう」 各グループの若者から若者自身が行っている活動を発表してもらい、グループごとに それぞれの活動の良い点、課題、今後の可能性や気を付けるべきことなどについて話し 合いを行った。 エ その他 今回の講座には、長野県梓川高校の高校生も参加し、高校と地域の連携の状況等を発表し てもらった。 (3) グループワークの結果発表 [一部抜粋] ① それぞれの活動の良い点 ・ボランティア活動を通して地域の人に支えられているありがたさを改めて実感することができた。 ・文化祭の際の来校者数が増加した。 ・学校内では学べないことが学べる。 ・各サークルを繋ぎ、一つの大きな力にするという発想がすごい。 ・若者自身から発信される活動である。 ・交流が欲しい人にとっては面白い場である。 ・メンバーが地元の人間で活動場所も小さな地区なので、地区内の他の年代の人の情報もわかる。 ② 課題 ・活動の外への発信や交流ができていない。 ・活動人数が少ない。 ・熱心に活動をしている半面、活動が忙しすぎて負担になっている。 ・資金不足。 ・活動をする時間がない。 ③ 今後の可能性 ・子どもからお年寄りまで集まれるイベントの企画。 ・地域の活性化のきっかけになる。 ・先生や公民館職員を積極的に巻き込むと活動が広がる。 若者|98 ・地域の人たちと協力し環境の整備を行う。 ・卒業生にもかかわってもらう。 ・松本の若者がパワーを発揮できる場所に育っていく可能性がある。 ・若者が社会とつながる場所になる可能性がある。 ・誰でも参加でき、楽しめる場づくり。 ・ 「何かやってみたい」という人が最初に行ける場所になる。 ・若い世代と上の世代の繋がりをつくると活動が広がる。 ・若者が集まる機会を設け、参画への一歩になればよい。 ④ 気を付けるべきこと ・活動を継続していけるように色々な意見を取り上げ、新しい参加者も入れるグループにする。 (4) コーディネータによる講評・論点整理 意識は行動を変えないが、東日本大震災後の節電の行動を見ても分かるように行動は意識を変える。 大切なのは具体的に始めること。この講座には高校生、若い人や公民館職員等、様々な人が集まって いるが、こういう繋がりを作ろうと思ってもなかなか作れない。せっかくの機会なので、参加者自身 が具体的に来年できることを考えて計画をつくる、あるいはこの講座自体どのようにするのかという 計画を考える場にしたい。 まずはこの講座から社会参画を始め、広げていけば大きなうねりになると思っている。 5 アンケート [一部抜粋] ・ 「地域で自分がどう生きるか」という言葉が良かった。自分も楽しみながら活動して良いんだという気 持ちになれた。 ・今後の活動の方向について少し先がみえてきた。 ・自分がやっている活動を十分に発表でき、それに対する多くの意見をもらえた。自分のために活動をや る、意識は行動にならないなど今後役に立ちそうなことを聞けた。 ・普段、何気なく生活している中で知らなかった地域の活動を知ることができた。 ・他の見方、客観的視点を得ることができました。 ・様々な年代の方々からの意見が聞けてためになった。 ・高校生や若者団体の取組みを知ることができた。人材バンクという具体的なワードも出てきた。 ・アドバイスや色々な意見を聞けたので実践していきたいです。 ・他団体の意見を聞ける貴重な時間ができた。 ・これからの活動に役立つアドバイスをいただくことができました。 ・多くの人で若者のことを考えることができた。グループワークが有意義だった。 ・初めて参加したが、自分の意見を発言でき、他の人の意見なども聞け今後の活動をよりよくできそうな 気がしました。今後は活動を積極的にし、意識を変えていきたい。 ・今日の話し合いで学んだことを活かしていきたいと思います。参加してよかったと思う。 ・多くの世代と関わる事のできる場を作りあげたい。 ・この場にいるのはしっかりした考えや意見を持っている若者ばかりで、とても感心しました。 99|若者 6 まとめ 若者の団体の活動を発表してもらい、若者が現在行っている活動への理解を深めることができた。また、 参加者が若者の活動を学ぶだけでなく、それぞれの活動の課題や可能性などを話し合う事で、若者にとっ ても今後活動を展開していく上でのヒント等を得る機会になった。 若者の活動の現状や課題等をふまえた上で、3 回目の講座では来年度に向けた具体的なアクションプラ ンを考えていきたい。 第3回 「あなたが松本でやりたいこと」 日 時:平成 26 年 2 月 4 日(火)午後 7 時~9 時 30 分 会 場:あがたの森文化会館 2-8 教室 参加者:24 名 コーディネータ:白戸 洋(松本大学 総合経営学部 教授) 1 取組みの概要 第 2 回講座で課された宿題「次年度この講座で取り組みたいこと」について、各参加者が考えてきたイ メージを共有し、さらに膨らませるためにワールドカフェ形式のディスカッションを行った。その後、ブ レインストーミング及びKJ法の手法を用いたグループワークを行い、各グループから 2 つずつプランを 発表した。 2 ねらい これまでの 2 回の講座では「若者の社会参画」 「地域とのつながり」 「まちづくり」を参加者の日々の生 活や各々の活動状況に照らし合わせて考えてみたが、言葉の意味も漠然としていることもあり、自身と地 域・社会との接点からまちづくりにつながる流れをイメージすることが難しかった。 次年度に向けたアクションプランを企画・実践する中で、前述の 3 つの視点について理解を深める。 3 概略 (1) 司会から講座の流れを説明 (2) ワールドカフェ (3) グループワーク (4) コーディネータによる講評・論点整理 4 内容説明 (1) 講座の流れを説明 第 1 回、第 2 回講座を振り返り、次年度のアクションプランを企画するグループワークの構成と流れ を説明した。 (2) ワールドカフェ ア 人数 各テーブル 4 名、5 テーブル イ 時間 25 分/回×3 ラウンド (3) グループワーク 若者|100 ア 人数 各テーブル 7 名、3 グループ イ 時間 60 分 ウ 進行方法 ・ブレインストーミングの手法で思いつく限り付箋に企画を書きだしていく ・意見交換や質疑応答を繰り返し、個々のアイデアをつなげたり、膨らませたりしていく ・必要に応じて企画の修正や追加を行う ・KJ法を用いてグループ分けをしていく ・各テーブルから 2 つのプランを発表する 5 アンケート(抜粋) (1) ワールドカフェについて ・やりたいことを聞けた、言えた。 ・ワールドカフェを 3 ラウンドでき多くの意見が聞けた。 ・自分以外の考えにふれる機会は必要だと思いました。 (2) グループワークについて 付箋に書かれた企画を整理中 ・モデル作りは良い。 ・充分話し合いができた。 ・パワーバランスが難しい。他人の意見も受け入れる容量を!と思うときもあった。 6 コーディネータの講評・論点整理 (1) 講座全体について ・ 「公民館の学びがつなぐ、松本らしい地域づくり人づくり」の全 7 講座の中で、この若者の社会参画 講座が合計 3 回の開催となり、一番ゆっくり実施した講座であったと思う。 ・若者から見た社会参画ではなく、大人から見た社会参画を議論していたので、当初は「社会参画とは 何か?」という戸惑いに陥ったのではないか。 ・第 1 回、第 2 回目の講座はもっと上手く展開できたのではないかという反省もあるが、地域の中では どれだけ「無駄」を積み重ねたが重要。この繰り返し(試行錯誤)が後々活きてくる。 ・若者が地域で何かをするにあたり新しいことをする必要はないのかもしれない。代わりに若者と地域 のつながり方を変えれば良い。年代の違う人、地域から評価をしてもらうことで、やりがいと新しい 視点を得られるのではないか。 ・地域には泥臭い人間関係、理不尽な部分もある。そうしたところを踏まえて若者を地域つなぐ窓口が 公民館ではないか ・若者だけでやる、地域だけでやるのではなく、若者と地域が一緒に考え、実行していく自然な流れ、 関係づくりが次年度はできれば良いと思う。 ・次年度は女性(おばちゃん)をメンバーにいれていきたい。 7 まとめ グループワークの結果を付箋に書かれたコメントをそのままに、以下のとおりジャンル別に整理した。 曖昧または明確、単発的または継続的、単独または共同など事業の性質は様々で、可能性も未知なもの 101|若者 が多いが、若者らしい柔軟で大胆なアイデアが多数出されたように思う。各ジャンルは独立排他的なもの ではなく、互いに重なり合う部分も大きいと思われる。今後の企画段階でさらに検討を加え、それぞれの 長所を上手く織り交ぜた「若者の社会参画」を実践から学ぶことのできる事業へとつなげていきたい。 (1) イベント 趣 旨 若者企画の多彩なイベントを実施する 若者ゲーム大会 逃走中 カラオケ大会 駅前等でフラッシュモブ 具体例 縄手通りの橋をイルミネーション アニメ、マンガ、ゲーム または 駅前を利用した音楽企画 35 地区大運動会 要 素 山雅ツアー あがたの森イルミネーション ゴミでスポーツ 若者何でもフェスティバル この若者の社会参画講座に集まった若者で一緒に何かやる (2) 若者サミット 趣 旨 若者同士の交流を通じて、つながりや活動の共有を図りながら事業の企画する 若者討論会(10 代しゃべり場みたいなもの) 各地区で座談会 or グループワーク 具体例 自然の中でやる 若者が松本の魅力をプレゼン または コミュニティ活動団体会議 若者だけの集まり 要 素 小布施若者会議みたいなイメージ 若者会議 中高生を企画から参加させる 企画主体は若者 (3) 情報発信 趣 旨 具体例 または 要 素 松本を中心に若者の活動を発信する 発信できる場づくり Youtube で世界発信 地域情報コンテスト 青年の主張コンテスト 若者の活動PVづくりと松本城で放映 企画集づくり HPの情報発信 情報共有 (4) 地区単位の活動 趣 旨 具体例 または 要 素 地区公民館をはじめとする各地区での取り組みに若者が参画 公民館ツアー 高校生を公民館に呼ぶ 地区×高校文化祭 地区文化祭に若者が参画 若者月間をつくる 地区のことを知る地区探検 全 35 地区館で若者が入るワールドカフェ 公民館を(若者の)居場所にする (5) まち歩き 趣 旨 具体例 または 要 素 若者の事業企画の前提となる情報を収集するため、松本のまちへの理解を深める たからさがし あやしいところツアー 松本の穴場さがし 若者から見た良いものガイドブック 若者がガイドする街歩き 子どもから老人まで地区を見て歩こう とびだせ公民館! 文化を知る 若者|102 (6) 世代間交流 趣 旨 具体例 または 要 素 様々な年代の交流を傾聴の手法も交えながら実施する 傾聴会、話し相手、悩み相談 子育ての親からひたすら話を聞く会 オーラルヒストリー 松本の歴史を調べる会 文化、技術、知恵の伝承と勉強会 シニア(60 代以上)と若者交流会 ゲーム交流会 高齢者を誘う、遊ぼう キャンプ 麻雀、囲碁、将棋を教える遊ぶ 技術や魅力を受け継ぐ場づくり (7) 居場所づくり 趣 旨 具体例 または 要 素 たまり場、つながる場、発信できる場づくり 駅前に空き家マンガ喫茶 カフェ・BARの経営 空き家利用の若者スペース 学生のアンテナショップ マンガ喫茶、ダーツバー 大学生、社会人若者の遊び・福祉の場 世代を問わず集まるカフェ (8) 食べ物 趣 旨 具体例 または 要 素 食べ物を通じた学習、情報発信やイベントを実施する 山賊焼き食べ比べ 流しそば 山辺ワイナリー 山賊焼き若者向け料理教室 松本地酒、利き酒 かき氷屋運営 おやき屋運営 (9) 子ども 趣 旨 勤労青年層より年齢の低い学生を対象とした事業を実施する 具体例 子ども出店 夏祭りで子ども出店 きもだめし 小中高生を絡めたもの または 要 素 (10) その他 103|若者 趣 旨 上記(1)~(9)に該当しないもの 具体例 日本の聖地づくり 三ガク(学・岳・楽)めぐり または 農業体験(運営・企画) 日曜日に実施 要 素 日曜日にやる