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2 - 石炭エネルギーセンター

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2 - 石炭エネルギーセンター
石炭基礎講座2012
石炭発電技術
−発電方法、高効率発電技術 他−
電源開発株式会社
技術開発部 若松研究所
2012年2月10日
1
目 次
Ⅰ. イントロダクション
Ⅱ. コンベンショナル発電システム(PCF)
Ⅲ. 高効率発電技術
Ⅳ. 地球温暖化対応
Ⅴ. 多用途利用と技術展開
2
Ⅰ. イントロダクション
3
何故石炭か? -エネルギー資源としての「石炭」の特長‹
‹ 他の化石燃料に比べ、可採年数が長く、資源
他の化石燃料に比べ、可採年数が長く、資源
量が豊富。可採年数は石油の2.6倍、天然
量が豊富。可採年数は石油の2.6倍、天然
ガスの1.9倍。
ガスの1.9倍。
‹
‹ 政情の安定した国を中心に世界中に広く分布。
政情の安定した国を中心に世界中に広く分布。
‹
‹ 他の化石燃料に比べ価格は低位で安定。化
他の化石燃料に比べ価格は低位で安定。化
石燃料間の価格裁定を通じた燃料価格の安
石燃料間の価格裁定を通じた燃料価格の安
定にも寄与。
定にも寄与。
‹
‹ 「エネルギーセキュリティー」上、石炭の占め
「エネルギーセキュリティー」上、石炭の占め
るポジションは重要。
るポジションは重要。
(円/1,000kcal)
燃料価格の推移
12.00
石炭
LNG
石油
10.00
8.00
6.00
4.00
2.00
0.00
1990
1995
2000
資源埋蔵量の地域分布
150
3.4%
9.9%
118年
8.6%
7.9%
32.2%
40.4%
3.8%
0.1%
×2.6倍
100
50
56.4%
46.2年
1 .3 8 兆
バレル
×1.9倍
10.5%
1 87 兆㎥
天然ガス
36.9%
86 0 9 億
トン
33.6%
18.0%
0
石油
2010
出典:日本エネルギー経済研究所
可採埋蔵量と余寿命(R/P)
58.6年
2005
石炭
出典:BP統計2011
アジア太平洋
アフリカ
中東
欧州・ユーラシア
中南米
北米
1.5%
29.7%
5.6%
4.0%
5.3%
石油
天然ガス
石炭
出典:BP統計2011
4
主要国の電源別発電電力量の構成比(2008年)
‹
‹世界の発電電力量の約41%が石炭火力で、最も大きな割合を占めている。
世界の発電電力量の約41%が石炭火力で、最も大きな割合を占めている。
‹
‹石炭火力の割合は、エネルギー消費の大きい中国、インド、米国で高い。
石炭火力の割合は、エネルギー消費の大きい中国、インド、米国で高い。
‹
‹再生可能エネルギーの導入が進むドイツ、デンマークにおいても、約半分は石炭火力
再生可能エネルギーの導入が進むドイツ、デンマークにおいても、約半分は石炭火力
が占める。
が占める。
‹
‹日本では全発電電力量の27%を石炭が供給
日本では全発電電力量の27%を石炭が供給
0%
10%
30%
27%
日本
ロシア
20%
19%
2%
70%
10%
14%
14%
1%
48%
3%
19%
米国
49%
1%
21%
69%
石油
ガス
5%
6%
19%
19%
4%
原子力
4%
11%
79%
中国
3% 4%
1% 1%
16%
23%
デンマーク
2%
16%
28%
21%
100%
7%
16%
5%
インド
90%
24%
24%
46%
石炭
80%
48%
3%
ドイツ
60%
26%
41%
世界計
50%
13%
28%
EU
40%
10%
2%
1% 1% 2%
6% 2%1%
14%
2%
17%
水力
バイオ+廃棄物
風力
その他再生可能
出典:「IEA World Energy Outlook 2010」から作成,ドイツ、デンマークは「IEA Electricity Information 2010」
5
世界の発電において石炭は中心であり続ける
新政策シナリオにおける地域別石炭火力発電量
OECD諸国の石炭火力発電は減少する予想であるが、それを上回る非OECD諸国での増加を予想。
(注)新政策シナリオ:WEO2010における中心的シナリオで、公式に採用されていなものも含めて、各国で最近発表
された公約や計画が慎重に実施されると想定したシナリオ
出典 : World Energy Outlook 2010
6
黒い
古い
(SL)
汚い(煙)
7
【最新の仕様】
SOx : <10ppm
NOx : <13ppm
煤塵 : <5mg/Nm3
発電効率 : 43%HHV
Jパワー橘湾火力発電所(徳島県)
Jパワー磯子火力発電所(神奈川県)
8
各国の石炭火力発電の効率推移
‹
‹日本の石炭火力の発電効率は世界最高水準である。
日本の石炭火力の発電効率は世界最高水準である。
‹
‹CO
CO2の主要排出国である米国、中国、インドの石炭火力の効率は相対的に低い。
の主要排出国である米国、中国、インドの石炭火力の効率は相対的に低い。
2
各国の石炭火力平均熱効率(LHV、発電端)
45%
43%
J-POWER
日本
ドイツ
英国・アイルランド
米国
中国
豪州
インド
発電端効率(LHV,%)
41%
39%
37%
35%
33%
31%
29%
27%
1989
1991
1993
1995
1997
1999
2001
2003
2005
2007
出典 「Ecofys International Comparison of Fossil Power Efficiency and CO2 Intensity 2010(電事連提供)」から作成
9
火力発電電力量あたりSOx、NOx排出(環境性能)の国際比較
‹日本の水準は他の主要先進国と比べて圧倒的に低い水準を達成している。
‹日本の水準は他の主要先進国と比べて圧倒的に低い水準を達成している。
〔g/kWh〕
5.0
硫黄酸化物(SOx)
4.5
窒素酸化物(NOx)
4.0
3.5
3.4
3.3
3.4
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.6
1.4 1.4
1.2
0.7 0.8
1.0
0.8 0.6
0.5
0.0
0.2
米国
(2005)
カナダ
(2005)
英国
(2005)
フランス
(2005)
ドイツ
(2005)
イタリア
(2005)
0.2
日本
(2007)
0.06
0.01
磯子
(2007)
出典: 電気事業連合会資料より。日本は10電力+J-Power。磯子は2007年度実績値
10
Ⅱ. コンベンショナル発電システム(PCF)
11
コンベンショナル石炭火力発電システム系統
J-POWER 教育資料C
12
石炭前処理系統-1
Coal silo / yard
Coal bunking
Coal ship
Coal conveyer
Coal stack
/storage
Unloading
Coal bunker
Transporting
boiler
Coal
feeder
Mill
(pulverizer)
Drying and
milling
13
石炭前処理系統-2
Unloader
Mill
Coal silo
J-POWER 教育資料C
14
排煙処理系統-1
De-NOx
EP
AH
De-SOx
IDF
FDF
GRF
Coal
Bunker
Mill
GRF:ガス再循環ファン
FDF:押込通風機
IDF:誘引通風機
De-NOx:脱硝装置
AH:空気予熱器
EP:電気式集塵器
O
De-Sox:脱硫装置
15
排煙処理系統-2
De-NOx
De-SOx
EP
J-POWER 教育資料C
16
ボイラ、水・蒸気系統-1
Governor valve
凡 例
boiler
HPT : high-pressure turbine
IPT : intermediate-pressure turbine
LPT : low-pressure turbine
Super
heater
G
IPT
LPT
Reheater
generator
See water
for cooling
condenser
Fuel
Air
HPT
Dearator
P
evaporator
Condensate
pump
P
Heat
exchanger
Boiler feed
pump
Heat
exchanger
17
ボイラ、水・蒸気系統-2
ボイラ火炉の
写真 or 構造図
Burner
J-POWER 教育資料C
18
ボイラ、水・蒸気系統-3
Generator
LPT
LPT
IPT
HPT
J-POWER 教育資料C
19
ユニット制御系統
Load
demand
Boiler/Turbine
cooperative
Fx
Fx
±
±
±
Turbine governor
control
Load
Boiler feed
water control
Fuel control
O2 concentration
in flue gas
Governor valve Steam pressure
Steam temperature
G
boiler
generator
condenser
Condensate
pump
Air control
Super
heater
Reheater
Dearator
P
Flue gas
Air
evaporator
Fuel
Heat
exchanger
Boiler feed pump
P
Heat exchanger
20
Ⅲ. 高効率発電技術
21
石炭利用発電における高効率化技術の系譜
▲11% CO2
微粉炭燃焼
超臨界圧
(SC)
(蒸気条件向上)
38%
亜臨界圧
(Sub-C)
次世代USC
(A-USC)
超々臨界圧
(USC)
41%
46%~ @700℃
▲17% CO2
:石炭
▲13% CO2
:LNG
▲25%∼ CO2
34 ~ 36%
参 考
天然ガス火力
石炭ガス化
1300℃ GT
1500℃ GT
1300℃ IGCC
1700℃ GT
1500℃ IGCC
46 ~ 48%
43 ~ 44%
1700℃ IGCC
50%~
(複合化)
燃料電池
MCFC
SOFC
(高温形燃料電池)
表示は送電端効率(HHVベース)
石炭ガス化燃料電池
複合発電 (IGFC)
> 55%
22
コンベンショナル発電の高効率化(USC)-1
T
1
Wturbine
qin
G
4
temperature
Boiler
Turbine
Wpump
P
3
Super heat
q in
W turbine
Evaporate
4
2
qout
Pump
1
W pump
3
Condenser
p1
(Constant
pressure)
q out
entropy
2
p2
(Constant
pressure)
s
図 ランキンサイクル
23
コンベンショナル発電の高効率化(USC)-2
T
p1
(Constant pressure)
Increase of steam
pressure
q
1
Super heat
in
Increase of steam
temperature
Evaporate
W
4
W pump
turbine
p2
(Constant pressure)
2
3
q
out
Reduce condensate temperature
s
24
世界最高レベルの超々臨界圧(USC)技術の適用
石炭火力 蒸気条件の推移
45
超々臨界圧(USC)
橘湾
(105万kW×2U)
600/610℃
25.0MPa
三隅1号
(100万kW)
600/600℃
24.5MPa
発電効率の向上方策
■ 蒸気条件の向上
■ プラント規模の大型化
磯子新1号
(60万kW)
600/610℃
25.0MPa
苓北2号
松浦2号
(70万kW)
(100万kW)
593/593℃
593/593℃
24.1Mpa
24.1MPa
40
温度・
圧力︶
蒸気条件
蒸気条件 ︵主蒸気/再熱蒸気
超臨界圧(SC)
亜臨界圧(ドラム式)
松島
(50万kW)
538/538℃
24.1MPa
竹原1号
(25万kW)
566/538℃
16.6MPa
35
1965年
1970年
松浦1号
(100万kW)
538/566℃
24.1MPa
1980年
1985年
1050MW
(2000)
磯子新2号
(60万kW)
600/620℃
25.0MPa
41∼43%
広野5号
(60万kW)
600/600℃
25.0MPa
40∼42%
苫東厚真4号
(70万kW)
600/600℃
25.0Mpa
38∼40%
1000MW
(1990)
500MW
(1981)
1975年
設計熱効率(%)
発電端・HHV
石炭火力の単機容量推移
1990年
1995年
2000年
2005年
2010年
(注)亜臨界圧(Sub-Critical、ボイラの型式がドラム式) ・・・蒸気圧力が22.1MPa未満
超臨界圧(SC:Super Critical) ・・・貫流型ボイラ。蒸気圧力が22.1MPa以上かつ蒸気温度が566℃以下
超々臨界圧(USC:Ultra Super Critical)・・・貫流型ボイラ。超臨界圧(SC)のうち、蒸気温度が593℃以上のものを特にUSCと呼びます。
25
石炭ガス化複合発電システム
(参考)
ガス化炉
蒸気タービン(ST)
発電
ガスタービン(GT)
発電
(燃料電池(FC))
石炭
発電
図 EAGLEの発電∼石炭ガス化∼
石炭ガス化複合発電(IGCC):ST + GT
石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC):ST + GT + FC
少ない燃料(石炭)で発電し、CO2排出量を減らす
(参考)
ボイラ
蒸気タービン(ST)
発電
石炭
図 コンベンショナル石炭火力発電∼微粉炭燃焼∼
26
参考:加圧流動床 (PFBC) ‒セミコンバインドサイクル(蒸気タービン + 膨張タービン)
Ceramic
Tube
Filter
Ceramic Tube
Filter
Air
Air
Gas Turbine
Expander
∼
∼
14.8
14.8MW
MW
Steam
Steam Turbine
Turbine
56.2
56.2MW
MW
Ash
Ash
Intercooler
Intercooler
Coal
Coal
Limestone
Limestone
Water
Water
P
Air
Air
Dea.
Dea.
CP
CP
P
SCR
P
Paste
Pumps
Paste Pumps
P
M-BFP
M-BFP
Heaters
Heaters
Stack
Stack
図 71MW PFBC実証試験システム (J-POWER若松研究所)
27
石炭ガス化の原理
+ 酸素
石炭
凡例:代表的石炭性状
部分燃焼
Coal
CO2 + H2O + Heat
固定炭素:40-50%
揮発分:30-40%
灰分:1-15%
水分:1-15%
熱分解
Coal
CH4 + H2 + Char
2次反応
石炭灰
(溶融スラグ)
Char + CO2
Char + H2O
CO + H2O
2CO
CO + H2
CO2 + H2
一酸化炭素、水素
を主成分とする、
ダストを含まない
可燃性ガス
Char:未燃カーボンと石炭灰の混合物
石炭をガス化することでガスタービンや燃料電池に使用可能
〔その他、化学原料等にも利用可能〕 ⇒ 多目的利用
28
石炭ガス化プラントの例-150t/d EAGLEパイロットプラント-
石炭ガス化設備
空気分離設備
ガス精製設備
ガスタービン設備
180m×100m×60m(H)
CO2分離回収設備(化学吸収法)
敷地面積 約18,000m2
図 EAGLEパイロット試験設備(J-POWER 若松研究所)
29
150t/d EAGLEパイロット試験設備構成
脱硫プロセス
*物理吸収設備は現在建設中
排熱回収ボイラ
給水
ST
G
(若松EAGLE設備には未設置)
(注) CO2分離回収には多大なエネルギーが必要であり、発電事業者としてその低減が大きな課題である。
30
ガス化反応のイメージ
1室2段旋回型噴流床ガス化炉(EAGLE炉)
4×上段バーナー
(微粉炭+酸素)
4×下段バーナー
(微粉炭+酸素)
2×チャーバーナー
(チャー)
スラグタップ部
(スラグ抜出穴)
CH4/H2 等
石炭ガス化
進行イメージ
CO/H2 等
灰 分
微粉炭粒子
揮発成分が抜けた穴
固定炭素
チャー
スラグ
(灰分が溶けたもの)
31
Ⅲ. 地球温暖化対応
32
石炭は二酸化炭素(CO2)を出しやすい
33
石炭火力の地球環境問題への対応
○ 高効率化
○ カーボンフリー燃料混焼による原単位削減
1. 蒸気サイクル効率向上(USC)
1. 木質バイオマス混焼(産業系ごみ)
2. 複合化(石炭でGT/STを稼動)
2. 下水汚泥、一般廃棄物の炭化、混焼
(1) PFBC
(公共・都市系ごみ)
(2) Advanced PFBC
低温炭化へのチャレンジ
(3) IGCC / IGFC
○ CCS (CO2 Capture & Storage)
1. CO2分離・回収
“Increasing renewable utilization”
○ CCTの展開方策(京メカ活用など)
1. CDM
(1) 燃焼前回収法
2. JI
(2) 燃焼後回収法
3. その他
(3) 酸素燃焼法
(注)運用管理ノウハウ含む
2. 輸送・貯留 (別途仕組み作り必要)
“Best practice by applying BAT”
34
CCS技術の概念図
CCS: Carbon dioxide Capture and Storage
CCSは「分離・回収」→「輸送」→「貯留」の一貫処理システムがあって成立する
発電プロセス
例)分離回収設備付
石炭火力発電所
(Generation)
分離・回収
(Capture)
CCS技術
輸送(パイプライン,船舶)
輸送
(Transportation)
パイプライン
海洋
貯留
枯渇油・ガス田、(EOR)等
炭層固定
貯留
(Storage)
帯水層貯留
出典: “Solutions for the 21st Century, Zero emissions technologies for Fossil Fuels”,
International Energy Agency 2002を一部加筆・修正
35
石炭利用発電システムからのCO2分離回収
概念図
方 式
蒸気
CO/H2
加圧工程(2.5MPa)
ガス精製
酸素
ASU
シフト反応
空気
CO2分離 H2リッチ
圧縮・冷却
石炭
CO2貯留
ガスタービン
燃焼器
(Pre-Combustion)
ガス化炉
燃焼前回収
N2/H2O/O2
H2/CO2(約40%)
N2/H2O/O2
CO2(12-15%)
(Post-Combustion)
常圧工程(0.1MPa)
燃焼前回収は、
ガス中のCO2分圧が最も高いことから、
最も効率的にCO2を分離回収可能な
手段である
ボイラ
燃焼後回収
空気
常圧工程(0.1MPa)
○分圧 : 濃度と圧力の積で、分離の
し易さに関係する指標
CO2貯留
CO2(70-80%)
ボイラ
(Oxyfuel)
○シフト反応 : CO+H2O→CO2+H2
圧縮・冷却
石炭
【言葉の定義】
酸素燃焼
CO2分離
排煙処理
排煙処理
酸素
循環ガス
空気
ASU
圧縮・冷却
CO2貯留
石炭
J-POWER若松研究所では、世界初の試みとして発電用途石炭ガス化ガスからのCO2
分離回収試験を実施中 → 発電システムにおける最適な運用手法の確立を目指す
36
CO2分離回収設備(化学吸収法)例 -EAGLECO2分離回収設備
シフト反応設備
リサイクルガス
圧縮機
H2リッチガス
吸収液:MDEA
CO2ガス
冷却器
加熱器
バイパス弁
蒸気
電気
ヒータ
H2S
吸着器
冷却器
加熱器
精製ガス
冷却器
HTS
反応器
冷却器
HTS
反応器
冷却器
LTS
反応器
シフト反応 CO+H2O⇔CO2+H2
高温シフト触媒(HTS):Fe-Cr系
低温シフト触媒(LTS):Cu-Zn系
処理ガス流量
CO2回収量
リボイラ
フラッシュ
ドラム
加熱器
吸収塔
ポンプ
冷却器
CO2吸収工程
再生塔
CO2脱離工程
(再生塔再生・加熱フラッシュ再生)
: 1,000m3N/h (石炭ガスの一部を分岐)
: 1t/h (最大回収時)
37
次世代IGCC向けCO2分離回収設備(物理吸収法)例 -EAGLESelexol設備
CO2ガス
H2リッチガス
シフト反応設備
CO2
吸収塔
シフト反応 CO + H2O ⇔ CO2 + H2
H2S
リッチガス
電気
ヒータ
圧縮機
CO2フラッシュ
ドラム
蒸気
圧縮機
シフト
反応器
シフト
反応器
シフト
反応器
リボイラ
再生塔
H2S
吸収塔
石炭ガス
サワーシフト触媒(HTS):Co-Mo系
処理ガス流量
系統圧力
CO2回収量
吸収液:ポリエチレングリコールジメチルエーテル
CH3-O-(CH2-CH2-O)n-CH3
: 1,000m3N/h (石炭ガスの一部を分岐)
: 2.4 ‒ 4.0 MPa
: 24t/day (最大回収時)
38
CO2分離回収時のCO2発生原単位と効率試算
CO2 Recovery [%]
60
0
30
60
90
DOE/NETL report
Net efficiency (HHV) [%]
55
50
IGCC
45
DOE/Shell IGCC
(41.1, 0.79)
40
SC/USC
(PC)
35
Δ9
.1%
DOE/PCF
SC:593/593℃
(39.1, 0.83)
Δ1
30
25
1.2
1.0
0.8
0.6
DOE/Shell IGCC
(32.0, 0.10)
1.9
%
0.4
CO2 emission intensity [kg-CO2/kWh]
0.2
0.0
DOE/PCF
SC:593/593℃
(27.2, 0.12)
39
Ⅳ. 多用途利用と技術展開
40
酸素吹石炭ガス化技術の多様性
酸素吹石炭ガス化技術は、IGFCに至る「高効率発電技術」、石油代替の「合成燃料製造」、
「水素製造」、効率的な「CO2分離回収」など多様な用途に展開できる。
FC
石炭
AC
石炭ガス化炉
GT
ST
高効率発電
IGCC、IGFC
Gas Clean Up
HRSG
酸素
合成燃料
GTL、DME等
合成燃料製造
空気分離装置
シフト反応器
水素製造
シフト反応
CO + H2O ⇒ CO2 + H2
触媒
CO2分離
CO2
帯水層
炭 層
CO2貯留
41
クリーンコール技術で世界のCO2削減に貢献
国内でのクリーンコール技術の開発・実証・商業化を推進。成果を海外に技術移転し世界の
CO2を削減。
国内の石炭火力の新設、リプレースを活用し、国内排
国内の石炭火力の新設、リプレースを活用し、国内排
出の削減とともに、新たなクリーンコール技術の開発・
出の削減とともに、新たなクリーンコール技術の開発・
実証・商用化を積極的に推進。
実証・商用化を積極的に推進。
日 本
更なるクリーンコ
ール技術の開発
最新クリーンコール
技術の確立・普及
IGCC、IGFC、A-USC等
政府
多国間/二
国間合意
支援、環境作り
ビジネスリターン、
クレジット移転等
USC
技術移転、
事業参加等
政府
途上国など
CO2クレジット
CDM、二国間オ
フセット等の市場
メカニズム
最新のクリーンコー
ル技術の積極適用
石炭消費量の抑制
CO2排出削減
日本の持つ最新のクリーンコール技術を、新設火力と老
日本の持つ最新のクリーンコール技術を、新設火力と老
朽化した低効率石炭火力のリプレースに適用することで、
朽化した低効率石炭火力のリプレースに適用することで、
エネルギー消費の低減とCO
排出削減を推進。
エネルギー消費の低減とCO2排出削減を推進。
2
42
Fly UP