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情報の統合化と相互評価の導入的実習

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情報の統合化と相互評価の導入的実習
Model 4 (大阪府立K高等学校実践事例)
1. 主題
情報の統合化と相互評価の導入的実習
2.
学習指導要領との関連
情報A (3)情報の統合的な処理とコンピュータの活用
ア コンピュータによる情報の統合
コンピュータの機能とソフトウェアとを組み合わせて活用することを通して、コンピュータは多
様な形態の情報を統合できることを理解させる。
イ 情報の統合的な処理
収集した多様な形態の情報を目的に応じて統合的に処理する方法を習得させる。
本実践研究は、ア・イの導入的な実習と位置付けている。
したがって、「文書・写真・イラスト等を自由に配置して、自分の住む街の自慢となる景観・町並
みや祭りや行事等について、他の町の人にわかり易く伝える。」という説明にとどめて実習を行った。
3.
展開例
(1)指導のねらい
町の自慢や経験を図や写真等を組み合わせた文書として表現し、お互いの作品を評価し合うこと
によって、効果的な情報伝達のために必要な情報の統合化やプレゼンテーションの技法の基礎を学
習させる。
(2)指導時間数
全 4 時間
第1時∼第4時
導入︵1︶
展開︵2∼3︶
まとめ︵1︶
l
学習内容
学習活動
指導上の留意事項
資料など
・情報の分類
市の公報や旅行のパンフレット、新 ど ん な 情 報 が ど の よ 公報
聞広告等の情報に含まれる情報の うに配置され、どんな パ ン フ レ ッ
分類をする。
効果が期待されてい ト
るか考える。
・情報の統合
・読み取り装置について理解し、使
う。
・画像の編集をする。
・画像ファイルの扱いについて理解
する。
・ネットワークの共有フォルダでの
データの保存と複写について理解
し、操作する。
・画像の文書への貼り付けをする。
・自己評価シートに記入する。
・相互評価シートに記入する。
・自己評価
・相互評価
使用ソフトウェア
作 品 の ど の 点 を 評 価 評価シート
するのかを明確にす
る。
Microsoft Word,Microsoft Photo Editor,Microsoft Paint
4.本時までの経緯
(1) 基本操作
情報の統合の方法
副読本
色やレイアウトの効
果に注目させる。
2時間
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キーボード、マウス、日本語入力(MSIME)
(2) 画像処理(Microsoft Paint , Pixia)2 時間
直線・曲線の描き方、画像の編集、ツールの使い方
(3) 文書処理(Microsoft Word)8 時間
文章入力(書式設定、複写、移動、削除、編集)
表作成(罫線書式、行列の挿入削除)
図形描画(ワードアート、オートシェイプ、画像の貼り付け)
文書の保存と読み込み
文書の印刷
(4) 表計算(Microsoft Excel)8時間
データ入力(入力、消去、複写、移動、修正)
ワークシート編集(行列の挿入削除、オートフィル、書式設定)
関数(合計、平均、最大、最小、件数、判定)
グラフ(棒グラフ、折線グラフ、円グラフ)
データベース(並べ替え、フィルター機能、自動集計)
5.学習者の状況
・ 情報機器の操作能力及びソフトウェアの操作能力
年々、生徒の操作能力は高くなっている。昨年と比較してみると、1 学期中間までの実授業は
約 12 時間。前年と同じ実習教材を使い、Word を一通りやり終えた。期末までの 8 時間を使って
Excel の基本(グラフ作成まで)をやり終えた。昨年の倍の速さになっている。
・ その実習を実施する前の生徒の興味・関心
興味・関心の高いのは、画像の処理である。逆に低いのは、文字入力とデータ入力である。文
字入力の練習では、興味のある題材が必要である。
6.授業展開の詳細(全4時間)
(1)第1時
市の広報や旅行のパンフレット、新聞広告等の情報に含まれる情報について、どんな情報がど
のように配置され、どんな効果が期待されているか考える。
(2)第2・3時
イメージスキャナやディジタルカメラの使い方・画像の編集・ネットワーク上でのデータの共
有について理解し、情報の統合の実習を行う。色やレイアウトの効果に注目させる。
(3)第4時(本時)
用意した評価シートで、評価の観点について理解し、相互評価によって、情報伝達の在り方に
ついて考える。
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学習内容と学習活動
指導上の留意点・評価
導入
展
開
ま と め
相互評価シートを配布し、評価の観点と方
法について説明する。
作品の何を評価するのかを明確にする。
・相互評価シートを使って、作品の評価を行
う。
・独自の評価項目を設定し、作品の評価を行
う。
・相互評価シートを作品毎に回収する。
自己評価(情報の送り手)と相互評価(情
報の受け手)を比較し、感じたことをまとめ
る。
相互評価の項目は、多くしない。
選択式の他コメント欄を設定する。
情報の受け手としての評価をする。
情報の送り手と受け手を意識させる。
評価項目の設定についても評価させる。
より良い評価とは何か考えさせる。
7.結果と分析
・ 目標の達成度
概ね初期の目標には達した。
文書や画像などを一つにまとめるということの意義は理解できた。
まだ、他人のまねごとの域を出ていないので、今後の課題とする。
・ 時間配分の評価
段取りが悪く、結局 5 時間かけたが、もう少し早くから課題について説明し、写真やイラスト
も、授業の中の実習課題で作らせれば、2∼3 時間でこの実習はできる。
・ 教材についての評価
導入的な実習であり、今回は資料等の著作権については触れていない。今後の授業で著作権等
に触れていくつもりである。
「町の自慢」というテーマが比較的身近なもので、多くの生徒が市の広報などを参考にしなが
ら意欲的に取り組んでいた。他の生徒が作っているのを見ながらも独自性をなんとか出そうとし
ていた。
イメージスキャナが1台しかなかったので、順番待ちとなった。全員の生徒に操作をマスター
させることはできなかった。また、イメージスキャナがつながっているパソコンから、自分のパ
ソコンにファイルをコピーしたり、共有フォルダを使って、友達にファイルを送ったりできたこ
とで、ネットワークの利便性を体感できた。
【評価シートについて】
作品の良いところを見るように指示したので、比較的無難な評価をしている。また、同じクラ
スの生徒の評価なので、あまり悪い評価はしにくい。
▲
独自の評価項目
ユーモアのセンス(読み手を楽しませる)
文章のオリジナル性(自分の言葉で伝える)
▲
相互評価
色使い、印象、レイアウト、文字の種類、写真の使い方、情報の内容など
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