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22年度クリントン派遣報告書(PDF)
平成 22 年度 青少年海外派遣研修事業 (クリントン村派遣) 財団法人花巻国際交流協会 花巻市・花巻市教育委員会 目次 1. 旅程表 ・・・・・1 2. 派遣生徒等名簿 ・・・・・3 3. 研修報告書 花巻市立花巻中学校 2年 立花 紗小里 ・・・・・4 花巻市立花巻中学校 2年 荒木田 咲希 ・・・・・6 花巻市立花巻北中学校 2年 片島 佳奈 ・・・・・8 花巻市立湯本中学校 2年 佐々木 あすか ・・・・・10 花巻市立矢沢中学校 2年 小原 優奈 ・・・・・12 花巻市立大迫中学校 2年 佐藤 夏帆 ・・・・・14 花巻市立東和中学校 2年 岡田 早希 ・・・・・16 花巻市立東和中学校 2年 入江 茜 ・・・・・18 花巻市立湯口中学校 教諭 高橋 恵 ・・・・・20 表紙の写真:2011 年 1 月 5 日 クリントン・ミドルスクールにて キャロル・ラングリー校長をはじめ、ホストスチューデントらと 旅程表 行先:アメリカ合衆国ウィスコンシン州クリントン村 日程:平成 23 年 1 月 4 日(火)∼1 月 12 日(水)9 日間 No.1 日程 1 月日 発着・滞在地名 1/4(火) 新花巻駅 東京駅 成田空港第 1 ターミナル 成田空港 シカゴ・オヘア空港 ミドルスクール 2 1/5(水) ミドルスクール キムズ・レタリング クリントン・キッチン 図書館 クリントン警察署 クリントン村役場 ミドルスクール 3 1/6(木) ミドルスクール ボーリング場 ミドルスクール ハイスクール 現地時刻 9:50 10:22 13:24 14:03 14:57 17:55 スケジュール 集合 やまびこ 52 号にて東京駅へ 到着後、乗り換え 成田エクスプレス 31 号にて成田空港へ 到着後、出国手続き UA882 にてシカゴ・オヘア空港へ 14:17 18:00 20:00 到着後、入国手続き バスにてクリントン村へ ホストファミリーと対面、各自自宅へ 【ホストファミリー泊】 7:45 9:00 10:10 11:00 12:00 13:30 14:00 14:30 15:10 各自ホストスチューデントと登校 歓迎式 授業・学校見学 お買い物 昼食 施設見学、本の紹介 施設見学 村委員長と対面 到着後、解散 【ホームステイ泊】 各自ホストスチューデントと登校 授業 ゲーム、昼食、施設見学(∼14:45) 到着後、解散 バスケットボール試合① バスケットボール試合② 解散 【ホームステイ泊】 7:45 8:00 11:45 15:10 17:45 19:15 21:00 1 No.2 4 1/7(金) ミドルスクール ホストファミリー家 ミドルスクール 7:45 10:21 11:10 11:55 12:42 13:29 14:16 15:10 17:30 19:00 21:00 各自ホストスチューデントと登校 文化交流授業① カフェテリアにて昼食 文化交流授業② 文化交流授業③ 引率:管理部長と対面 生徒:校舎見学 文化交流授業④ 解散 ポットラック 学校にてダンス 解散 【ホームステイ泊】 ホストファミリーデイ 【ホームステイ泊】 5 1/8(土) ウィスコンシン州 イリノイ州 終日 6 1/9(日) ウィスコンシン州 イリノイ州 終日 ホストファミリーデイ 【ホームステイ泊】 7 1/10(月) ミドルスクール 7:45 9:00 11:00 13:16 8 1/11(火) 成田空港第 1 ターミナル 16:45 18:15 18:30 19:00 22:30 各自ホストスチューデントと登校 お別れ後、シカゴ・オヘア空港へ 到着後、出国手続き UA881 にて成田空港へ 【機内泊】 到着後、入国手続き 成田ビューホテルへ 到着後、チェックイン 夕食 消灯 【成田ビューホテル泊】 朝食 成田空港第 2 ターミナル駅へ 到着後、乗り換え 成田エクスプレス 12 号にて東京駅へ 到着後、乗り換え やまびこ 59 号にて新花巻駅へ 到着後、挨拶、解散 成田ビューホテル 9 1/12(水) 成田ビューホテル 成田空港第 2 ターミナル 駅 東京駅 7:30 8:55 9:15 9:48 10:44 11:40 14:41 新花巻駅 2 派遣生徒等名簿 学校名等 氏名 花巻市立花巻中学校 2年 花巻市立花巻中学校 2年 花巻市立花巻北中学校 2年 たちばな さ お り 立花 紗小里 あ ら き だ さ き 荒木田 咲希 かたしま か な 片島 佳奈 さ さ き 花巻市立湯本中学校 2年 佐々木 あすか 花巻市立矢沢中学校 2年 小原 優奈 花巻市立大迫中学校 2年 佐藤 夏帆 花巻市立東和中学校 2年 岡田 早希 花巻市立東和中学校 2年 入江 花巻市立湯口中学校 教諭 性別 女 女 女 女 派遣生徒 引率教諭 コーディネーター 財団法人花巻国際交流協会 3 おはら ゆ な さとう か ほ おかだ さ き いりえ あかね たかはし めぐみ にさと あや 高橋 茜 恵 似里 彩 女 女 女 女 女 女 平成 22 年度青少年海外(クリントン)研修派遣事業報告書 花巻市立 花巻中学校 2 年 立花 紗小里 1.研修課題 アメリカの生活習慣や文化について 2.課題設定理由 生活習慣や文化において、日本との相違点について知りたかったから。 3.研修報告 (1)家での過ごし方 最初、アメリカでは靴を履いたまま家に入るというイメージが強かったのですが、実際私のホ ストファミリーは靴を脱いで生活していました。時によっては、靴を履いたまま家に入る場合も ありました。この行為は、日本では行儀が悪いとされていますが、クリントン村では日常的でし た。また、日本ではお風呂はお湯をためてゆっくり浸かる人が多数だと思います。しかし、クリ ントン村ではお湯をためる習慣は無く、シャワーのみで軽く済ませていました。バスルームとト イレは同じ部屋にありました。 さらに、クリントン村は酪農が盛んであるため、馬や牛などを飼育している家庭が多く見られ ました。私のホストファミリーは、馬や牛の他に、羊やヤギ、鶏、七面鳥、うさぎなどを飼育し ていました。毎朝毎晩、動物小屋に行き、餌である干し草を食べさせに行きました。決して楽な 仕事ではありませんが、私のホストスチューデントのジェシカはいつも元気に頑張っていました。 その元気の源は、「早寝早起き」にあると思います。早寝早起きが習慣づけられていて、規則正 しい生活を送っていました。また、家事は家族全員で行い、常に助け合っている姿がそこにはあ りました。 (2)学校での過ごし方 ほとんどの生徒がスクールバスか車で登下校していました。バスの中では、DSをしたり、本 を読んだり、お話をしたり、各自自由に過ごしていました。基本的に校則は緩く、私服登校で、 化粧、ピアスなどのアクセサリーを身に着けている生徒もいました。それは、善悪の判断がしっ かりでき、限度が分かる生徒たちであることと、教師が生徒を信頼している証拠だと思います。 もし私の学校の校則が緩かったら、限度を超えてしまうと思います。それは、善悪の判断が自分 自身でできないことが原因だと思います。そこが日本とアメリカの大きな考え方の差であるよう に感じます。 授業では、スクリーンを使う教科が多く見られました。教科ごとに教室があり、先生ではなく、 生徒が教室を移動するというスタイルでした。チャイムが鳴ると、授業の内容が途中でも生徒は すぐに退席していました。それは、授業と授業の間が三分しかない中で、教室の移動や準備を早 くしないといけないからだそうです。 教科書はとても厚く、 “What do you think?” 「あなたはどう思う?」などと自分の意見をし っかり持たせる質問が多く、生徒は積極的に発言していました。「間違えたら嫌だ」、「恥ずかし い」などの気持ちは全く無く、 「自分の意見を聞いてほしい」という強い意志が感じられました。 私の学校にはこの点が欠けていると思うので、見習うべきだと感じました。 学校で必要な道具は、暗証番号付きの自分専用ロッカーに入れて管理していました。そのため、 登下校時の荷物は少なかったです。また、とても愛国心が強く、至る所に国旗が飾ってあり、自 分たちの国を誇りに思っている様子がよく見られました。 部活動は強制参加ではなく、有志を募って行われていました。私のホストスチューデントのジ ェシカは、男子の中女子一人でレスリング部に所属していました。 最後に、この学校は男女や学年を問わずにとても仲が良い生徒たちばかりで、どこを見ても笑 4 顔が絶えない素敵な学校でした。 4.感想 クリントン村で出会った方々は心の温かい方ばかりで、たくさんの友達と思い出ができました。 そんな素敵な友達やホストファミリーと過ごすうえで、日本とアメリカの文化や生活習慣の相違 点を学びました。また、クリントン村の方は初めて会う私たちに日本語で「こんにちは!」など と挨拶をしてくれて、とても暖かい気持ちになりました。楽しく有意義なものとなった今回の研 修を支えて下さった、全ての方々に感謝しています。 5.その他報告したいこと・写真等 クリントン村は本当に素敵な村で、私の第二の故郷になりました。笑顔で別れようと思ってい ましたが、別れ際には泣いてしまいました。またクリントン村を訪れたいです。本当にありがと う!また会おうね。 ボーリング場で友達と!! ウィスコンシン州で有名なチーズハット ジェシカの家で飼っている馬に乗りました ホストファミリーデイに、大好きな博物館に 連れて行ってくれました 5 平成 22 年度青少年海外(クリントン)研修派遣事業報告書 花巻市立 花巻中学校 2 年 荒木田 咲希 1.研修課題 花巻市とクリントン村のエコ活動「ゴミの分別の違い」を知る 2.課題設定理由 花巻市とクリントン村のエコ活動の相違点を詳しく知り、それぞれの特徴を踏まえながら、こ れからのエコ活動に取り入れたほうが良い点を花巻市に広めようと思ったから。 3.研修報告 クリントン村の家庭のゴミの分別について、研修中に学んだことを三点にまとめます。 はじめに、クリントン村と花巻市のゴミの収集方法のちがいについてです。花巻市では各地域 にゴミ置き場があり、燃えるゴミや燃えないゴミを曜日で分けるなど、決まりに従ってゴミを出 し、それをゴミ収集車が収集しています。私はクリントン村も同じ仕組みだと思っていましたが、 少し違う点がありました。ゴミを収集車が収集する点は一緒でしたが、クリントン村では各家庭 の家の前に緑色のゴミ箱があり、家庭でたまったゴミをそのゴミ箱に出して、そのゴミをトラッ クが収集していました。花巻市でいう「ゴミ置き場」に当たるものが各家庭に一つずつあるのだ そうです。 次に、リサイクルについてです。一般的にはリサイクルできるものはスーパーなどにある「リ サイクルボックス」というものに捨てるそうです。リサイクルしない時は、備え付けのゴミ箱に 捨てるということでした。私がお世話になったホストファミリーの家でもゴミの分別をしている ものと予想していましたが、ゴミの分別はペットボトルの分別をする以外は一切していませんで した。私は普段ペットボトルやビン、トレーなどをスーパーに置いてあるリサイクルコーナーに 入れていますが、ホストファミリーの家ではリサイクルできるものであってもペットボトル以外 はゴミ箱に捨てていて、とても不思議でした。しかしそれは各家庭の習慣が違うのだと思いまし た。 最後に、レストランでのテイクアウト(持ち帰り)についてです。クリントン村のレストラン では、食べ切れなかった料理をテイクアウトすることができるようになっていて、食べ残しを減 らすエコ活動が日常的に行われていました。どのレストランでも同じ形のテイクアウト用の容器 が準備されているそうです。私のホストファミリーは当たり前のように食べ残したものをテイク アウトし、後で食べたり冷蔵庫で保存したりしていました。花巻市ではあまり見たことがなかっ たので、初めて見た時はとても驚きました。アメリカは消費する文化の国だと思っていましたが、 食べ物を残さないで食べることについては、日本より意識が高いように感じられました。 4.感想 『心のやさしさ∼人の温かさを学んで∼』 クリントン・ミドルスクールで始めて会った時の出迎えてくれたホストファミリーの笑顔は今 でも忘れられません。二人は私と会えてとても嬉しいと表情で伝えていました。これが“心から の笑顔”と思いました。 ホストファミリーは、どんな時でも家族の一員のように接してくれました。また、ホストファ ミリーは、私が理解できるように簡単な英語を使って私とコミュニケーションを取ってくれたの で、二人にはとても感謝しています。 学校でも人の温かさを学びました。ホストファミリーは私の英語力を理解して話してくれます が、学校では、クリントン・ミドルスクールの先生方や生徒たちに何を質問されているのか分か りませんでした。しかし、廊下を歩いているときに沢山の生徒が笑顔で“Hello”や日本語で「コ 6 ンニチハ」と言ってくれたので、心が温かくなりました。英語の聞き取りもままならない私達に 笑顔で接してくれる、沢山の心の優しい生徒に出会うことができ、研修先としてクリントン村を 選んで良かったと思いました。 最後に一番人の優しさを感じたのが、日本に帰る日でした。充実した初めてのホームステイで したが、ホストファミリーとお別れすると思うととても悲しかったです。始めは泣くのをこらえ ていましたが、ホストファミリーが私を抱きしめてくれた瞬間、涙が止まりませんでした。短い 時間でしたが、私を心から大切にし、沢山の思い出を作ってくれたホストファミリーに本当に感 謝しています。 また、事前研修から花巻市に帰るまで、安全に、楽しくそして有意義な研修となるようにご指 導してくださった高橋先生、似里さんを始め、このような機会を与えてくださった関係者の皆様 に感謝します。ありがとうございました。 5.その他報告したいこと・写真等 道に置いてあるゴミ箱 外食の持ち帰りBOX My ホストファミリー 学校のカフェテリアにて 7 平成 22 年度青少年海外(クリントン)研修派遣事業報告書 花巻市立 花巻北中学校 2 年 片島 佳奈 1.研修課題 アメリカと日本の習慣の違いを見つけ、比較する 2.課題設定理由 日本に着物などの日本独自の文化や習慣があるように、アメリカにもその地にしかない文化、 習慣がある。それを見つけ比較することによって、今後自分自身の考えがどう変わるのかと思っ たから。 3.研修報告 今回の海外派遣での私のテーマは、アメリカと日本の習慣の違いを見つけ、比較することでし た。私が最も強く違いを感じ取ったのは学校生活です。初めて学校内に入った時は不安でいっぱ いでしたが、生徒の皆さんがすれ違うたびに声をかけてくれたので、すぐに緊張がほぐれ、楽し んで生活することが出来ました。 私は一般的に、日本では周りと合わせようとして、自分から動く人は少ないのではないかと感 じます。恥ずかしい、皆がやっていないからなどといった理由で、自分の本心を隠してしまうこ とが多いようです。しかしクリントン村では、まず自分が一番に動くという考え方で、笑顔で明 るく接してくれたので、こちらも自然に笑顔になりました。私は研修中に出会った人々は心が広 く、他人に対して温かな思いやりがあり、相手に自分の気持ちを伝えるのが上手いと思いました。 そのおかげでこちらも積極的に相手に接するようになり、ホームステイ中も楽しく過ごせました。 また、授業の受け方も印象的でした。授業中にお菓子を食べたり、先生が説明している最中に 勝手に立ち歩いたり、私には絶対に考えられないようなことが当たり前のように行われていまし た。しかし一見自由に行動しているように見えても、授業中に他人との私語はなく、積極的に発 言し、しっかり考えるという授業に対する緊張感も感じられました。私の中学校では自分たちで 行うのではなく、こう言われたからこうする、という状態になっています。一方クリントン・ミ ドルスクールは、自分たちの常識で考えて行動する自立の心が育てられる場所なのだと感じまし た。皆がするからするのではなく、自分はこうすることが正しいと思うからする、といった姿勢 を、私達は見習うべきなのではないかと感じました。 授業といえば、あまりに目立った行動をとる生徒を先生ではなく生徒が注意することも、クリ ントン・ミドルスクールでは当たり前でした。私の中学校はまず先生が注意する事が当然だし、 仕返しが怖い、などといった理由で友達から注意することは滅多にありません。クリントン・ミ ドルスクールでは上下関係があまりなく、お互いに注意できる協調性を持っていました。また、 誰かに言われなくても自分から勉強に取り組む、勉強に対しての自主性と責任感もありました。 生徒たちはお互い注意出来る責任感と協調性を持っているからこそ、学校生活で自由な行動がと れるのだと思いました。 今回の研修で私は、自分の考えをしっかり持ち、同時に相手も思いやるということは、成長す るうえでもっとも基本的で大切であると改めて思いました。この海外派遣に参加し、自己紹介や 日本の文化紹介の時、自分が何を話したいか、自分自身が日本の文化をよく知らないことに気付 きました。自分の主張をきちんと自身が理解し、自分たちが住んでいる国についてよく知ること が国際交流につながっていく第一歩ではないかと感じました。 4.感想 『自分自身を知った旅』 私が今回お世話になったホストファミリーは、お父さん、お母さん、お姉さん、弟の 4 人家族 8 でした。お父さんがボーリング場、お母さんが不動産を営み、さらに親戚と農場を共同経営して いて、毎日とても忙しそうでした。冬だったので放牧はしていませんでしたが、ホストファミリ ーの家で飼っている馬の小屋の掃除や、うさぎの水やりなどの手伝いをさせてもらいました。や り慣れないことはやはり大変で、何度も途中で辞めたいと思いましたが、やり終えた後の達成感 と、ホストファミリーにお礼を言われたことで、また明日も頑張ろうと思えました。 また、お父さんとお母さんは二人共とても忙しく、晩御飯を子供たちだけでつくる日がありま した。私も手伝うとは言ったものの、自分たちだけで本当に出来るのか不安でしたが、言葉がう まく通じない中、協力して行うことが出来ました。 私のホストスチューデントもお姉さんもどちらも自立していて、周りがきちんと見えていまし た。自分が何をしたいのかもはっきり分かっていて、最初から最後まで自分で考え、真剣に取り 組んでいました。両親も二人がやることにはアドバイスは言うけれど、自分で行っていることに 関しては、頑張っている姿を認めてあれこれ口出しせずに見守っている、親子の信頼関係に強い 印象を受けました。 私は出来ないと思ったことは何でも他人に任せてしまう所があり、両親にやってもらうことが 当たり前、時には考えることさえ人任せになる甘えを持っていることに気付きました。まず、そ の時自分は何をするべきなのかを見つけ、自分自身の力と意志で取り組む姿勢を見せなければ、 他人にも認められないし、何より自分の目標にも近づけないと思いました。今の自分を理解する ことが自分の将来に繋がっていくのだと感じることが出来ました。 言葉がうまく伝わるかどうかも分からず不安だらけだった私に対して、家族だけでなく様々な 所で出会った人々も、何回も繰り返し説明してくれたり、ジェスチャーや辞書を使って調べてく れたりと、あらゆる方法で伝えようとしてくれました。私もそれに答えようと日本のことを調べ、 自分の感情を必死に表現しようとするうちに、自分自身についてはもちろん、自分が何をしたい のか理解しようとすることが出来ました。日本や自分自身を見つめ直すきっかけが出来た研修に なったと思います。今度またアメリカに行く機会が出来た時は、自分の気持ちを表現するために 自分自身を知るのはもちろんですが、自分自身を認めてくれる周りも見わたせるような視野の広 さが大切だと気付きました。 興味があっただけという気持ちも強かったこの研修でしたが、文化も習慣も違う場所で自分自 身を見つめなおすことが出来た旅となりました。このような貴重なチャンスを与えてくれた関係 者、支えてくれた両親、全ての方に感謝します。ありがとうございました。 5.その他報告したいこと・写真等 ホストファミリーの農場にて ダンスパーティーにて 9 平成 22 年度青少年海外(クリントン)研修派遣事業報告書 花巻市立 湯本中学校 2 年 佐々木 あすか 1.研修課題 クリントン・ミドルスクールでの授業、ホストファミリーとの生活を通して文化の違いを肌で 感じる 2.課題設定理由 私は今回の海外派遣が初のホームステイであり、他国から日本を、そして今住んでいる地域を 見つめ直すきかっけになると考えたから。 3.研修報告 今回の海外派遣でのテーマは研修を通して文化の違いを肌で感じ、自分自身の視野を広げるこ とでした。中でも一番驚きを感じ、今後の生活に役立てたいと感じた点は三つあります。 一つ目は上下関係についてです。私が初めて学校に通うことになった日、ホストスチューデン トが年上の友達を紹介してくれました。その友達とホストスチューデントは本当に仲が良く、楽 しそうに話していました。私たちの住んでいる地域の学校ではどうでしょうか。先輩や目上の方 と話す時に気を使いすぎてコミュニケーションをうまくとることができない、などということが よくあるのではないでしょうか。学校や学級の目標で「上下関係をしっかりと」という目標をよ く見ます。私達の学校では、「先輩には必ず敬語を使い、会釈などをして礼儀正しくする」とい うことが「しっかり」の部分にかかわっていると思います。しかしミドルスクールで私が感じた 「しっかり」は、 「礼儀正しく」など、堅苦しい挨拶や行動などでなく、 「お互いが気を遣わず楽 しそうにする」ことでした。しっかりした上下関係を保つこともとても大切なことですが、それ 以上にコミュ二ケーションをとることが大事だと思いました。このことから私達も上下関係を徹 底させることだけを考えるのではなく、クリントン・ミドルスクールのように友達としての関係 を高めあうことを取り入れていくべきだと思いました。 二つ目は授業での発言についてです。私の学校では授業の半分以上が先生の話で終わり、発言 する人が限定されているように感じます。クリントン・ミドルスクールでは先生が授業を進める のではなく、ほとんどが生徒の質問などで授業が進んでいました。それも一人や二人の限定した 人だけが発言をするのではなく、教室にいる全員が手を挙げ、全員で授業を進めていました。こ のような積極性は本当に素晴らしいと思います。私の中学校とクリントン・ミドルスクールでの 授業態度の違いは、一人一人の授業に対する意識の違いというものに感じられました。意識が高 いからこそ、アメリカの生徒はみんな楽しそうに発言をするのだと思います。やらされている授 業という意識を捨て、自ら学びに行くという意識を持って学校生活を送ることが大切なのだと感 じました。 他にも授業ではたくさんの驚きがありました。私が研修中に初めて受けた授業は理科です。日 本の理科の教室にはたくさんの科学実験用の機械が置いてあり、アメリカでも同じだと最初は思 っていました。しかし実際には飾りつけがきれいにしてある教室での授業でした。授業の内容が 違うのは予想していましたが、教室の雰囲気まで違っていたので驚きました。 三つ目は人を思いやる点です。ホームステイ先の家では家族全員で協力し合って手伝いをして いたところが印象的でした。私の家では夕食を子供だけで作るということはあまりしません。し かしホームステイ先の家では自分から進んで夕食を作ったり、皿を運んだり、しまったりしてい るところを見て、私もやるべきだと思いました。また、先ほど敬語について挙げましたが、アメ リカでは言葉だけではなく、こういった行動で敬意を表しているのだと思いました。ただ言葉だ けで伝えるよりも行動に表わすことによってさらに思いが伝わると思うし、何より敬意を表され たほうがより良い気持ちになると思います。今日からでも両親や学校の先生方への敬意や感謝の 10 気持ちを、ただ言葉だけではなく、自ら行動に移して伝えていこうと思いました。 4.感想 今回の海外派遣を通してクリントン村の興味深い、素晴らしい文化をたくさん見つけることが できました。それと並行し、私たちの住む、岩手、花巻そして湯本のいいところもたくさん見つ けられたと思います。「クリントン村、そしてアメリカの文化が素晴らしい」と思えるのは私が 普段住み馴れている花巻の隠された良いところにまだ気気付けていなかったからだと改めて思 いました。私は今回「別の視点から自分の住む地域を見る」という特別な経験をすることができ ました。その視点を生かして故郷の独自の文化にもっと触れていきたいと思います。そして少し でも多くのことを見つけ、それを紹介できるようになりたいです。 最後にこの海外派遣にかかわってくれたすべての方々、本当にありがとうございました。 5.その他報告したいこと・写真等 ホームステイ先の家族 ダンスパーティーでクリントンの学校の友達と 11 平成 22 年度青少年海外(クリントン)研修派遣事業報告書 花巻市立 矢沢中学校 2 年 小原 優奈 1.研修課題 日本とアメリカの生活や文化の違いについて 2.課題設定理由 アメリカの人たちと私の生活を比べてどういうところが違ってどういう生活をしているのか を実際に体験してみて学びたいと思ったから。 3.研修報告 私の今回の研修でのテーマは、生活や文化の違いを知ることでした。ホストファミリーの皆さ んは着いた時から親切にで、常にフレンドリーに接してくれました。日本では初対面だと遠慮が ちになってしまいますが、まずはそこが違う点だと感じました。 はじめに食事についてです。日本では栄養や味、見た目など様々なことに気を遣っているのに 対して、私がホームステイをした家庭では、朝食はシリアルやパンに飲み物というように、手間 のかからないものでした。栄養面はあまり気にせず、おいしいものを楽しく食べることができれ ばいいといった印象を受けました。朝食は、私の身の回りにもその考え方が広がってきていると 思います。 次に授業についてです。日本では私自身も含めて、自分から手を挙げたり意見を発表したりす ることはあまりなく、積極的に授業を受けていません。しかしクリントン・ミドルスクールの授 業では、生徒が自分から答えや意見をはっきり発表していました。一度友達同士でうるさくなっ ても、先生が説明を始めるとすぐに静かになり、授業に集中していました。ホストスチューデン トの生活を見ていると、学校から出される宿題が少ないように感じましたが、授業でしっかり学 んでいるので必要がないのだろうと感じました。 私がホームステイした家庭の子供たちは、私に比べしっかりしていて、自分を持っていると強 く感じました。家の中では、自分の部屋の中のことはすべて自分で済ませているし、両親に全く 迷惑をかけていませんでした。また、ミドルスクールで生徒を見ていて、学校でのルール(日本 での校則)がなくても、悪いことについては自分たちで注意し合っていて、しっかりした生活を することができていてすごいと思いました。そんな生活ができるのは、小さい時から自分のこと は自分でするのが当たり前だと育てられてきたから、そして、自分だけでなく周りの人ことも考 えることができるからだと思います。私はこの研修に行く前、アメリカの人々は自分の考えだけ を強く主張すると言うイメージを持っていましたが、実際会って生活してみて、予想とは全く違 い、周囲を気遣って、相手の意見などを受け入れられることがすごいと思いました。 また、自分の気持ちを素直に伝えていることが印象的でした。日本での私の身の回りや私自身 も、相手に対し気を遣ってしまいがちですが、アメリカで私が出会った人々は、相手のことをし っかり考えて理解しようとし、受け入れられるからこそ、自然と素直な表現ができるのだと思い ました。 4.感想 ホームステイ先では、ホストスチューデントとお姉さんととても仲良くなり、楽しく過ごすこ とができました。お父さんとお母さんも私にとてもよくしてくださり、お父さんの仕事場に連れ て行ってもらったり、アメリカのことをたくさん教えてもらったりしました。私の部屋はお姉ち ゃんと同じ部屋でしたが、お姉さんは自分のことをしっかりとこなしていて、私も自分のことは 自分でやらなければという気持ちになりました。 また、私は普段スポーツをあまり観ませんが、研修中はスポーツに触れる機会が多くありまし 12 た。テレビでアメリカンフットボールの観戦をしたり、ホストスチューデントのバスケットボー ルチームの観戦をしたり、ホストファミリーや周りの人たちと一緒に、すごく白熱して応援をし て、とても楽しめました。 クリントン・ミドルスクールに行って生徒と交流をしましたが、みんな気軽に明るく声をかけ てきてくれたので、自分からも話しかけやすく、すぐに仲良くなりました。特にダンスは生徒が 教えてくれて、とても盛り上がりながら交流ができたのでとてもいい思い出です。 ホストファミリーの皆さんをはじめ、クリントン村の人々は日本にも興味を持ってくれて、日 本のことを伝えてくることもできました。また、アメリカの文化に触れ、私が見習いたいと思う ことなど、たくさんのことを学んできました。また、アメリカのことについて知ることで、日本 の人々が礼儀を大切にするということなど、日本についても改めて気付くことができました。 ホストファミリーの皆さんやこの研修をしてくれたみなさんには、本当に感謝しています。今 回の研修で一番印象的だったことは、素直に自分の考えを伝え、相手のことを受け入れられたこ とです。私もこれからの生活に今回の研修で学んだことを生かしていきたいです。また、周りの 人たちにも今回学んだことを伝えていきたいと思います。 5.その他報告したいこと・写真等 ホストスチューデントと ホストスチューデントのお姉さんと 13 平成 22 年度青少年海外(クリントン)研修派遣事業報告書 花巻市立 大迫中学校 2 年 佐藤 夏帆 1.研修課題 日本とアメリカの生活習慣の違いについて知る 2.課題設定理由 本やテレビだけでは分からない、実際に体験してみないと分からないアメリカの生活について 知ることによって、今後の自分の生活に生かしていける部分が見つかるのではないかと思ったか ら。 3.研修報告 今回の海外派遣での私のテーマは、日本とアメリカの生活習慣の違いについて知ることでした。 そこで、私はアメリカの生活を衣食住の3つに分けてみました。 (1)アメリカの「衣」 私たちが行ったクリントン村は花巻市よりもずっと寒いところでした。しかし、住んでいる人 たちはみんなとても薄着でした。学校には制服がなく、みんな私服でしたが半数の生徒が半そで で授業を受けていました。その他の生徒も T シャツの上に薄い上着を羽織っている程度でした。 おそらく、その理由はどの施設にもある整った暖房設備にあると思います。どこに行っても屋内 はとても暖かく、寒いクリントン村の土地柄に合わせてあります。また、学校は体育館も暖かい ので、体育の授業はみんな半そでにハーフパンツで受けていました。 (2)アメリカの「食」 私がお世話になったホストファミリーの家では、毎日様々な食べ物が出ました。朝食は日本で はおやつで食べるような、ワッフルやマフィンなどが多かったです。昼食はハンバーガーや給食 で出たポテトチップスなどでした。日本の給食でポテトチップスが出るというのは考えられない ことなのでとても驚きました。夕食はパスタやピザなどでした。基本的にはとてもボリュームが あるのですが、給食でも飲食店でも大きなバケツが置いてあり、食べ残した場合はそこに捨てて 行っていいということになっていました。日本には「出されたものはすべて食べ切る」という考 えや、「もったいない」という考えがあるので給食を残すということはあまりないのかな、と感 じました。 また、私が研修中に出会った方々が思っている日本食は私たちが普段食べているものと大きく 異なっていることが分かりました。たとえば、 “sushi”です。日本ではのり巻きであったら酢飯 の中に魚介類などの具が入っていて、それをのりで巻いたものです。しかし、アメリカのものは 中の具がニンジンなどの野菜で、のりの代わりにレタスが巻いてありました。日本食はアメリカ では違うように伝わっていました。他にも、ファストフードのお店では、パンの種類から中に入 れる具材まで自分で好きに選択できる、というシステムになっていました。 (3)アメリカの「住」 私が研修中に訪問した建物は、どこもとても暖房が効いていました。家や公共施設はもちろん、 学校の廊下や体育館まで暖かかったです。日本では、学校のどこにいても暖かいというのはまず あまりないと思います。また、学校も含めてほとんどの建物が1階建てでした。アメリカの土地 は広大なので日本よりも比較的安価なところが多く、日本のように建物を高くして広くするとい う考えではなく、建物そのものを大きく造って広くするという考えだそうです。 4.感想 私がこの海外派遣で1番感じたことは、クリントン・ミドルスクールの生徒達はみんなお互い のことを認め合っているということです。例えば授業中、先生が何か生徒全員に質問をしたとし 14 ます。日本の私たちの中学校ならば、分かる人がいれば何か発言することもありますが、ほとん どの人は「みんなに注目されるのはいやだな」とか「もし間違っていたら恥ずかしい」という気 持ちが先行して、結局何も答えないまま終わってしまいます。つまり、人目を気にして生活して いるのです。しかし、ミドルスクールの生徒達は違います。答えがわかったらどんどん発言して いました。みんなが積極的に発言するのを見ていると、私たちのように人目を気にするような姿 勢は全く感じられません。それは、生徒たちはみんな誰かが発言するということを認め、受け入 れているからです。だから自分の考えを伝えることができるのです。私は、私達が通う中学校で はみんなと違うものは遠ざけられてしまうと思っているのではないかと思います。みんなの意見 と違う意見、みんなと違う容姿・・・違うものはすべておかしい、間違っている、とみんなが思 っているので、人目を気にしてばかりいる生活になってしまうように感じます。そんな世界では どんなにいい意見があったとしてもみんなの視線や考えにおしつぶされ、埋もれたまま終わって しまいます。ミドルスクールの生徒達のように違う意見もあっていい、ひとそれぞれだとお互い を認め合う心があればたくさんの新しい意見が生まれると思います。 私は今回の海外派遣を通して日本とアメリカの生活習慣の違いについて知り、そこから日本と は違った素晴らしい考えを感じることができました。また、アメリカの文化を知り、日本の文化 を見つめ直すことができました。もしアメリカの人たちが日本に来たら今度はアメリカにはない 日本の生活習慣や文化についても知ってほしいです。今回学んだ多くのことは、これからの生活 に生かしていけることばかりでした。生かしていくことによって、自分の生活が今までの何倍も 輝いたものになると思います。このような貴重な機会を与えてくださった方々、今回お世話にな ったすべての方々には本当に感謝しています。 ありがとうございました。 5.その他報告したいこと・写真等 ホストファミリーたちとその友達と ウィスコンシン州議事堂で 家でホストファミリーとつくった とても大きなピザ 15 平成 22 年度青少年海外(クリントン)研修派遣事業報告書 花巻市立 東和中学校 2 年 岡田 早希 1.研修課題 クリントン・ミドルスクールの生徒の学校生活を見学し、特徴を学ぶ 2.課題設定理由 クリントン・ミドルスクールの学校通学体験を通し、私自身の学校生活にも取り入れられるこ とを学びたかったから。 3.研修報告 私はクリントン村で過ごし、学校通学体験をした中で、クリントン村ならではのところを見つ けました。その中で特に印象的だったことは三つあります。 一つ目は、学校の規則が基本的に自由なのは、生徒一人一人がけじめをつけて生活しているか らなのだということです。私のホストスチューデントのマッケンジーに、日本の学校では授業中 に勝手に立ち上がったりお菓子を食べたりしないと伝えたら、それは正しいと思うという意見が 返ってきました。マッケンジーのような考えを持っている人もいるから、自由にできるのだと思 います。日本の学生は、規則の中で生活しているのではないかと私は考えます。しかし、クリン トン村の生徒は自由の中でもけじめを持って、自分で考えて生活していました。また、私たち日 本の生徒は、勉強しないといけないのでしているように感じますが、彼女たちは自分自身がもっ と学びたいと思って自主的に勉強しているように見えました。 二つ目は、クリントン・ミドルスクールの生徒は、アメリカの国旗や、国歌を誇りに思い大切 にしていることです。国歌は学校の中でも流れていました。国旗は校内、また町の中でも様々な 場所にあり、日本より沢山の場所で見かけました。文化交流授業でも、アメリカの国旗について 説明してくれました。50 の州一つ一つが輝くように、50 の星のマークが付けられているそうで す。素敵な由来だと思いました。 三つ目は、それぞれが自分の考えやスタイルを持っていることです。学校にも町にも様々な人 がいました。人の真似をするのではなく、人は人、自分は自分と考えている人が多く、私にはみ んな堂々としているように見えました。個々に考えを持っているからこそ授業中の発言もとても 活発でした。もちろん、自分以外の人と対立する時もありますが、その時は自分の考えも持ちな がら、相手の意見も聞いていました。これは、人と人とのコミュニケーションの中で大切なこと です。 また、家を離れホームステイをした中で、日本の良いところも再確認できました。何より私は お風呂に入ることは素晴らしい文化だと思いました。また、クリントン村での文化交流授業で私 は習字を紹介しましたが、喜んでもらえて誇らしく思えました。 4.感想 私は今回クリントン村で、ミドルスクールでの学校通学体験やバスケットボールの試合観戦、 生まれて初めてのダンスパーティーへの参加、ゼリービーンズの工場見学、マッケンジーと一緒 に行ったショッピングなど、沢山のことを体験しました。特に、馬の調教師のお母さんに馬の乗 り方を習い、その後馬の世話をさせてもらったことはいい思い出です。毎日が刺激的で感動の連 続でした。私はマッケンジーをはじめ、多くの人々と出会い貴重な時間を過ごしました。ホスト ファミリーにはとても良くしていただき感謝しています。 今回の研修テーマはクリントン・ミドルスクールの生徒の学校生活を見学し、特徴を学ぶこと でした。研修中に真似したいと思うところは、探せば探すほど見つかりました。初対面の人とで も常に笑顔で接し、時には「こんにちは」と挨拶してくれたクリントン村の人々の温かさは、今 16 でも強く心に残っています。目が合えば笑顔を向けてくれる優しさに私の緊張はすぐになくなり、 八日間ずっと笑顔で過ごせました。 この研修で学んだ「自由の中のけじめ」 「母国への誇りと自信」 「自分自身を持ち、アピールす ること」、そして「世界共通の笑顔の力」は、私の将来において必要になってくると思います。 また、今回学んだことを私が実行し、すぐには難しいかもしれませんが多くの人々に伝えていき たいです。この八日間は、忘れられない一生の思い出です。 私は今回クリントン村へ行って良かったと心から思います。しかしここまで沢山の人々に助け てもらい、自分はまだ半人前だと実感しました。英語だけでなく社会の常識や礼儀も勉強し、も う一度クリントン村へ行きたいです。可能であれば、今回の派遣生徒八人でまた一緒に行きたい と思います。 最後に、似里さん、高橋先生をはじめ、この事業に携わっていただいた全ての方々に感謝しま す。大変ありがとうございました。 5.その他報告したいこと・写真等 優しい Timp Family☆ 右下がマッケンジーで 右からお姉さん、お母さん、お父さん、妹と愛猫 CAPITOL でルーカスとジェシカの家族と 17 親友 Mckenzie と 文化交流の授業風景 平成 22 年度青少年海外(クリントン)研修派遣事業報告書 花巻市立 東和中学校 2 年 入江 茜 1.研修課題 アメリカと日本の食文化について 2.課題設定理由 日本と比べてアメリカはどのようなものを食べるのか、どのように食べるのかを知りたかった からです。 3.研修報告 ホストスチューデントと食べた朝食はとても軽いものでした。ホストファミリーの中にはいつ も食べない人もいました。食べるものはパンやクッキー、シリアルなどどれも甘く、日本では主 にお菓子と考えられているものでした。また、朝食は早く起きた人から順に自分で食べ物と飲み 物を準備して食べていました。私のホストファミリーは、朝食をあまり家族で一緒に食べること はしませんでした。 昼食はハンバーガーやピザをいただきました。学校の給食はバイキング形式で、タコス、とう もろこし、ポテト、クッキー、ミルクなどでした。給食を食べない生徒は、パンやポテトチップ スなどを自宅から持ってきて食べていました。生徒は給食を食べたのかどうかを先生にチェック されていました。 家で夕食を食べる時はほとんどがピザやタコスでした。また夕食を外食したのは一週間の中で 三回ありました。ほとんど毎週土日は外食しているそうです。ホストファミリーの食べる夕食の 量がとても多くて驚きました。しかし、一方でチキンナゲットだけの時もありました。そんな時 はみんなで間食をしていました、また、食事のほとんどはカロリーがどれも高い物でした。また、 脂っこい物が多かったです。 三日目にホストファミリーと大きなスーパーに行きました。冬のせいもあり野菜類の種類はそ んなに多くはありませんでした。また、魚や海藻類もあまり見かけませんでした。魚の変わりに、 お肉が大きな塊で、たくさん売ってありました。スーパーで売っていた物の多くは、クッキーな どのお菓子や冷凍食品、缶詰め、果物などでサラダなどでした。お総菜の量り売りのコーナーも ありました。大きな売り場にリンゴが 50 種類ぐらい並べられていたことには驚きました。 日本の食事では野菜がいろいろな状態で料理としてあるのですが、アメリカの食事では野菜が ポテト、玉ネギ、ニンジンぐらいしかなく、葉っぱ類はレタス、ブロッコリーぐらいしかありま せんでした。それでもレタスの入っているハンバーガーは少なかったです。私が普段食べている 給食と比べてあまり野菜がなかったり、脂っこい物が多かったりとあまり栄養面のことを考えて いないように感じました。さらに間食が多かったです。 クリントン村は五大湖の近くなので魚はたくさんあるのかと思っていたのですが、花巻のスー パーとは違い生の魚も缶詰の魚もあまり見かけませんでした。代わりにお肉がたくさん売ってい ました。 飲み物は主に炭酸水でした。お店の中には、炭酸飲料しかないお店もありました。水は、水道 水は飲めず、お店で売っているペットボトルやタンクなどを買って飲んでいました。また、クリ ントン村の人たちは飲み物をたくさん飲んでいました。カップの大きさがとても大きいのにさら にお代わりまでしていました。 ご飯の時や、家の中でおやつを食べる時など、何かものを食べる時は、必ず個人個人にお皿と 紙ナプキンが用意されていました。けれど、フォークとナイフの置き方はきちんと決まっている わけではいようで、あまり厳しくありませんでした。しかし、スープやシリアルなどの時は食器 を口につけて食べることはなく、必ずスプーンできれいに食べていました。 18 4.感想 クリントン・ミドルスクールに行き驚いたことは二つあります。一つ目は、授業中にお菓子を 食べる人、お菓子を買いに行った人がいたことです。もう一つは授業に積極的に参加していたこ とです。私の通っている学校では、授業中にお菓子を食べたり、お菓子を買いに行ったりするこ とはないので不思議に思いました。授業中にお菓子を食べることは文化の違いなのだと思いまし た。それでも授業には積極的で、一時間の授業の中でみんな挙手をしていたほどでした。しかし、 学べること、見習えるところはたくさんありました。例えば、クリントン村の人たちはみんなフ レンドリーでいつも笑顔だったことです。また、授業でも挨拶の時でもみんなが積極的で驚きま した。廊下ですれ違った時に「こんにちは」とみんなが日本語で挨拶してくれた時は、とてもう れしかったです。私がクリントン村に行き、クリントン村を好きになった理由の一つは、やはり クリントン村の人たちの笑顔と優しさでした。私はクリントン村という場所でたくさんのことを 学んでくることが出来ました。ありがとうございました。 5.その他報告したいこと・写真等 クリントン・ミドルスクールで食べた給食 野菜がピクルスしかありませんでした 滞在2日目に校長先生が連れて行ってくれて 食べたハンバーガー。自分で具をはさんで 食べました クリントン・ミドルスクールでのパソコンの 授業。教室に入ったらみんながこんにちはと 挨拶してくれました ホストスチューデントと、今度日本に来る生徒 と撮った集合写真 19 平成 22 年度青少年海外(米国クリントン)研修派遣を振り返って 花巻市立 湯口中学校 教諭 高橋 恵 今年度の米国クリントン村への派遣は、花巻市内の 6 中学校から集まった 8 名の女子生徒の参 加となりました。事前研修会では、派遣生徒同士の交流や現地での発表の準備をする時間も限ら れ、また、派遣期間中の行動予定も確定していない部分があり、引率する側として心配な点があ りました。しかし、どんなときでも笑顔を絶やさず、仲間を思いやり、意欲を持って活動に取り 組んでいた生徒たちの姿はすばらしかったです。短い滞在期間でしたが、米国の一見華やかな表 面の部分への憧れだけに終始せず、人間の本質に関わる奥深い部分を感じ取ったり、「日本」を 再認識したり、自分自身を見つめ直したりした様子が見られ、とてもうれしく思います。何らか の形で、研修の成果がこれからの生活の中で発揮されることを願い、それを楽しみにしたいと思 います。 この研修を大まかに振り返ると、次のようになります。 1 月 4 日、多くの方々に見送られて花巻を発ちました。予定通りに成田空港を出発し、シカゴ・ オヘア国際空港に到着しましたが、入国審査がたいへん混雑していて、空港を出るまでにかなり 時間がかかりました。空港の出口では、これからお世話になるクリントン・ミドルスクールのキ ャロル・ラングリー校長先生が笑顔で待っていてくださいました。街の夜景やクリスマスのイル ミネーションの余韻を窓越しに眺めながら、スクールバスでクリントン村へ向かいました。予定 時刻をかなり過ぎてクリントン・ミドルスクールに着きましたが、やはり笑顔で待っていてくれ たホストファミリーと緊張の対面をし、ホームステイが始まりました。翌日から 3 日間の学校生 活も始まりました。皆、スクールバスやホストファミリーの車でホストスチューデントと一緒に 登下校しました。1 日目は、体育館で歓迎式が行われ、私たちは、約 370 名の全校生徒の前で自 己紹介をし、「翼をください」の合唱を披露しました。クリントン・ミドルスクールの生徒たち は、合奏や歌、プレゼントなどで歓迎してくれ、私たちの緊張が少しほぐれました。その後、各 自ホストスチューデントと一緒に授業に参加しました。午後は校長先生に連れられてクリントン 村の中心部を訪れました。昼食はレストランでハンバーガーとフライドポテトを食べ、店に寄っ たり、図書館と警察署を見学したりしました。2 日目は、午前は授業に参加し、午後はホストス チューデントたちとボーリング場へ行き、昼食にはピザを食べ、楽しくボーリングをして交流を 深めました。夜はクリントンハイスクールの体育館で高校生のバスケットボールの試合を観戦し、 チアリーダーやブラスバンドとともに応援を盛り上げ、会場の熱気を体感しました。3 日目は、 アメリカ史の授業で日本文化について紹介しました。漢字やマンガ、習字、折り紙等、各自準備 してきた道具や説明文をもとにしてプレゼンテーションを行いました。緊張感いっぱいの中で分 担した発表や実演をし、皆で力を合わせて成功させました。アメリカ文化の紹介も行われ、互い に文化交流ができた有意義な時間となりました。昼食はクリントン・ミドルスクールのカフェテ リアでのランチを体験しました。夕方から夜にかけては、あるホストファミリーのお宅で行われ たポットラックパーティに参加し、その後、クリントン・ミドルスクールで行われたダンスパー ティーに参加しました。土曜日と日曜日は、各自ホストファミリーと一緒に近郊の街へ出かけた り、施設見学や買い物をしたりして、ホームステイ最後のひとときを過ごしました。米国での生 活に慣れ始めた頃、最終日の月曜日を迎えました。米国南部を襲った大寒波による飛行機への影 響が懸念され、出発を急遽早めることになり、少々慌ただしい朝になりました。クリントン・ミ ドルスクールに集まり、玄関先でホストスチューデントたちと涙、涙のお別れをし、名残が尽き ない中、校長先生と一緒にスクールバスでシカゴ・オヘア国際空港へ向かいました。搭乗の手続 きが始まるまで見届けてくださった校長先生ともお別れをし、寂しさが一層増しました。予定通 りの便で成田へ帰ってきた後、さまざまな思いを胸にしながらホテルで一晩過ごしました。翌日 花巻へ戻り、また多くの方々に出迎えていただき、全行程を順調に終えることができました。 イリノイ州との境に位置するウィスコンシン州クリントン村は、コーンベルトと呼ばれる地域 20 の一部で、トウモロコシ畑が一面に広がっています。サイロのある家も見られ、自然豊かで牧歌 的な雰囲気に包まれていました。冬の寒さはとても厳しく、積雪もありますが、私たちが訪れた とき、雪は少なかったです。クリントン・ミドルスクールの生徒たちは明るく、いつも私たちに 気軽に声をかけたり、手を振ったりしてくれました。クリントン・ミドルスクールで過ごしてみ て私が興味深く感じたことが 2 つありました。1 つは、教室の緊急避難の表示に「竜巻」とあっ たことです。竜巻のときは体勢を低くして防御の姿勢を取るのだそうです。私は、ホストファミ リーに 2010 年 11 月に竜巻が直撃したイリノイ州カレドニア村に連れて行ってもらい、未だ残る 竜巻の爪痕を見てきましたが、凄惨な状況を思うと言葉もありませんでした。教室の表示も、竜 巻がよく発生する米国中西部ならではのものだと感じました。もう 1 つは、 「忠誠の誓い(Pledge of Allegiance)」です。話には聞いていましたが目にするのは初めてでした。毎朝授業開始前に校 内放送で合図があり、生徒たち全員が直立不動で右手を胸に当て、教室前方隅に掲げられてある 星条旗に向かって唱えていました。世界各地からいろいろな人々が集まるアメリカ合衆国という 国の一端をうかがうことができました。また、ある教室には、2010 年 1 月に起きたハイチ地震 で自分の家族を失い、心に深い傷を負ったものの、今は新しい家族と暮らし、表情も明るくなっ てきて勉強にも一生懸命取り組んでいるという女子生徒の姿もありました。 私のホストファミリーは、両親と高校生(9 年生)の娘と中学生(7 年生)の息子の仲の良い 4 人家族でした。両親は仕事を持っていましたが、娘がフィギュアスケートやダンス等を習ってお り、レッスンのある日はイリノイ州の会場まで車で送迎していました。朝 4 時半に出発したり、 夜 11 時に帰宅したりすることもあり、両親から「実はたいへんだ」と聞きましたが、子どもの ために頑張っているようでした。また、必ず毎晩子どもたちに「ホームワークは終わったか」と 声をかけ、内容を確認し、寄り添い、勉強が終わるまで見届けていました。大学進学や将来のこ となども、親子で資料を集め、具体的に話し合い、目標を明確にしていました。勉強については、 「目標を達成するために今必要なことをやっているのだ」というように言っていました。私が以 前米国でホームステイしたときのホストファミリーの親子も、家庭学習に同様に取り組んでいた ことを思い出しました。国や家庭によって事情が違うとは言え、今回のホームステイでも、親の 子どもに対する思いや期待、愛情は普遍なのだと実感する場面が随所に見られました。 中学生の海外研修の引率は私にとって初めての経験であり、自分に務まるだろうかという不安 と緊張を抱えてこの研修に臨みましたが、これまでクリントン村と友好的な関係を築いて来られ た関係者の方々を始め、クリントン村の人々の気さくな人柄や温かい心、派遣生徒たちの団結や 熱意、そして、花巻国際交流協会の似里さんの細やかな準備や配慮等、多くの方々のお力添えに より、天候にも恵まれ、何物にも代えがたい日々を過ごすことができました。ありがとうござい ました。 21