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ドリームバイザー・ホールディングス - 独立行政法人 中小企業基盤整備機構

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ドリームバイザー・ホールディングス - 独立行政法人 中小企業基盤整備機構
ドリームバイザー・ホールディングス株式会社
~金融証券市場に関するあらゆる情報をワンストップで提供する中立的なファイナンシャル・メディア~
事業内容
金融証券市場ニュース提供事業、新聞・広告事業、金融コンサルティング事業
本社所在地
東京都千代田区一ツ橋 1-1-1
設立年
1999 年
http://www.dreamvisor.com/
URL
2005 年
株式公開年
市場名
東証マザーズ
資本金(設立年)
167 百万円
資本金(2008 年)
売上高(設立年)
0.6 百万円
売上高(2008 年、連結) 1,181 百万円
従業員数(設立年)
3人
従業員数(2008 年、連結) 45 人
ファンド事業
613 百万円
ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合員名)
投資育成 1 号投資事業有限責任組合(東京中小企業投資育成株式会社)
員からの利用料収入を元に金融証券情報提供
事業概要
事業を行うことで、投資家に対してバイアスの
かからない、真に中立的な情報の提供を行うこ
■中立的な金融証券情報の提供を目指す
とを目指したのである。
当社は、1999 年 12 月、個人投資家向け金融
証券市場関連の情報提供を目的として、ドリー
ムバイザー・ドット・コム㈱として設立された。
金融証券市場に関する情報には、証券会社や
銀行等の金融グループの発信するものや、新聞
等の大手マスコミが発信するものなど様々な
ものがある。しかし、いずれも親会社との関係
や広告主への配慮など様々な要因があり、必ず
しも中立的な情報を提供できているとはいえ
ない。そこで、当社は、広告収入に頼らず、会
<日本証券新聞
イメージ>
■個人・機関投資家向けの総合的なフィ
ナンシャル・メディアに成長
ネット証券会社各社との提携等により、個人
<DreamVisor.com ホームページイメージ>
投資家向けの有料での金融証券市場情報の提
http://www.dreamvisor.com/
供を主力サービスとしているが、順次事業を拡
-1-
大していき、現在は、証券会社への投資支援ア
向けの情報提供事業を行う「ファイナンシャ
プリケーションの提供や、外国為替証拠金取引
ル・メディア」としてのみならず、ファイナン
事業者向けの為替チャート等の投資支援アプ
シャル・アドバイザー業務も手がける、総合フ
リケーションの提供、証券会社・銀行営業職員
ァイナンシャル・サービスを展開している。
向けの情報提供事業、投資信託評価事業等、幅
創業からVCに出会うまでの経緯
広く事業展開を図っている。
また、2007 年には㈱日本証券新聞社を子会
■創業時からVCとコンタクト
社化し、日本証券新聞や書籍等の発行、WEB
サイト「NSJ 日本証券新聞ネット」の提供、セ
99 年 12 月に会社を設立した当初は、友人や
ミナーの開催などができるようになった。これ
知人から出資をしてもらい、資金調達をした。
により、ネット・紙・セミナーなどの媒体を使
しかし、設立当初から株式公開を目指してお
って、金融証券市場に関する様々な情報をワン
り、創業の準備段階から、VC からの資金調達
ストップで提供できる体制が整った。
の道を模索しており、いくつかの VC とは面談
するなどコンタクトを取っていた。
■VC6社からの投資受け入れ
事前に VC とのコンタクトをとっていたこ
ともあり、創業からまもない 2000 年 3 月には、
中小企業基盤整備機構が出資するファンドを
運用する東京中小企業投資育成㈱をリードイ
ンベスターとして、その他 VC2 社と合わせて
VC3 社からの投資を受けることができた。
当社は、資本系列などに左右されない、中
立的な情報の提供を目指しているため、なる
<個人投資家向けの事業概要>
べく中立性の高い VC から投資を受けたいと考
えていた。東京中小企業投資育成㈱は、公的な
■総合ファイナンシャル・サービスの展
開
外部の人からも安心感を持ってもらえる会社
2008 年 7 月に会社分割を実施し、当社はドリ
であることから、東京中小企業投資育成㈱から
ームバイザー・ホールディングス㈱に改称し、
投資を受けられたことは非常にありがたいこ
持ち株会社へ移行、当社が行っていた金融証券
とであった。
要素のある中立的な投資会社であること、また
情報配信事業は㈱日本証券新聞社に移管した。
同時に、ドリームバイザー・ファイナンシャル
その後も 2 回に分けて VC 投資を受け、IPO
までに全部で 6 社の VC から投資を受けた。
㈱を 100%子会社として設立し、金融コンサル
ティング事業にも参入した。
VC等を活用した事業の拡大と成長
創業以来の事業拡大により、現在は、個人投
■資本政策構築のサポート
資家向けだけでなく、外国為替証拠金取引事業
当社は創業時から IPO を念頭に置いていた
者や証券会社・銀行営業職員等あらゆる投資家
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こともあり、資本政策の重要性を認識していた。 の接点を持つことができた。
東京中小企業投資育成㈱には、資本政策立案
たとえば、東京証券取引所公開支援部が開催
のサポートをしていただくだけでなく、2000
するセミナーなどに参加させてもらうことが
年 3 月の投資後も、他の株主の保有株式の取得
できたおかげで、早期に上場担当者と知り合い
や、ワラントの引き受けなどで、実体面として
になることができた。審査の上で関係のあるこ
資本政策をサポートしていただいた。
とではないが、事前情報の全くない企業として
当社は、社長が証券会社で様々な経験をして
上場申請をするよりも、上場申請前に当社の存
きているなど、資本市場に関する知識を有する
在を認識してもらっていたことは、東証マザー
人材が多い。しかし、公開企業と非公開企業で
ズへの上場を目指すなかで有益であったと考
は遵守すべき法令も異なり、IPO を目指すベン
えている。
チャー企業にとって重要なことという点では
IPOによる経営効果と今後の展望
知識が不足していたため、VC からの支援なく
しては、対応に苦慮したことだろう。
■株主への利益還元のため上場
2005 年 6 月、当社は、東証マザーズ市場に上
■税制制度等の情報提供、社内体制整備
の支援
場した。
前述のとおり、当社はワラントの発行なども
事業の内容からしても、知名度があがること
行っていたが、ストックオプションや疑似スト
による、顧客の増加はあまり期待していなかっ
ックオプションの付与など、さまざまなインセ
た。当社としては、主なステイクホルダーであ
ンティブプランを活用した資本政策を立案し
る株主に対して、保有株式の流動性を確保する
ていた。
ことと、株主への利益還元を主たる目的として
しかし、税制改正も多く、どのような仕組み
上場した。
でインセンティブプランを構築すべきか、判断
創業時に出資していただいた方は、額面 5
が難しいがある。
万円で投資しているので、公開直後は株価が
そうしたときに、東京中小企業投資育成㈱か
100 万円を超えた時期もあることから、約束し
ら、税制改正の情報を提供していただき、ワラ
た程度の利益還元はできたと考えている。
ントやストックオプションなどのインセンテ
■社員のモラル向上・人材確保にも貢献
ィブプランの構築に役立てることができた。
当社が上場した目的には、社員のモラル向上
このほか、上場するにあたって厳しく審査さ
という意味合いもあった。
れる社内体制の整備についても支援をしてい
上場企業であるということで、さらに意識を
ただいた。
高く持って仕事に取り組むようになり、社員の
■東証との密な連携によるIPO支援
モラルの向上がみられた。
東京中小企業投資育成㈱は、業歴が長く、
また、大きな変化はなかったものの、やはり
数々の IPO 企業を輩出していることから、東
公開企業である方が、人材確保の容易さ、優秀
京証券取引所とのつながりも深く、上場申請に
な人材の確保などでメリットがあると考えて
至る前の相当早い段階から、東京証券取引所と
いる。
-3-
■メディア部門とファイナンシャル部門
のシナジーを発揮し、100 年続く会社
を目指す
に関する情報提供を担うメディア部門と、それ
らの情報を活用して展開する M&A コンサルテ
ィングなどとのファイナンシャル・サービスを
2008 年 7 月に持ち株会社に転換し、ファイナ
展開し、それぞれの事業の相乗効果を発揮して、
ンシャル・サービスを手がけ始めたところであ
これから 50 年も 100 年も長く続く会社になっ
るため、メディアとファイナンシャル部門のシ
ていきたい。
ナジー効果はまだ現れていない。
しかし、今後は、持ち株会社の特性を生かし
て、ネット・紙・セミナー等での金融証券市場
【プロフィール】
1987 年 4 月、日興證券㈱入社。93 年 12 月、ジャパンバーターネット㈱設立、
代表取締役に就任。96 年 1 月以降、クロスビー証券、ソシエテ ジェネラル
証券を経て、99 年 12 月に当社設立、代表取締役社長に就任(現任)。2007 年
1 月、㈱日本證券新聞社取締役就任し、2008 年 7 月より代表取締役会長に就
任(現任)。また、2008 年 7 月、ドリームバイザー・ファイナンシャル㈱を
設立、代表取締役社長就任(現任)。
【将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス】
代表取締役社長
今年(2008 年)に持ち株会社に転換したばかりであるが、これからメディ
川崎 潮
アとファイナンシャル・サービスのシナジー効果を発揮させていきたい。
自分自身は、一度別の事業を興して失敗したことがあるが、再度起業して今に至っている。
「敗者復
活」はあるので、是非がんばってもらいたい。事業を創造するに当たっては、世間のニーズをよくく
み取り、ひとりよがりではなく、自分のやりたいビジネスと調和させることを考えて、事業展開をは
かることが重要である。また、事業の継続を考えると、目先の利益が得られるリスクの低いビジネス
と、ジャンプアップが期待できるリスクの高いビジネスを組み合わせることが重要である。
《ベンチャーキャピタルの声》
【同社に投資をするに至った判断のポイント】
投資時、ネットによる証券情報の有料提供は、一から市場を創設していく
段階にあった。同社に対する投資については社内でも意見が分かれ、ビジネ
スとして成立しないとの声もあった。しかし、ブロードバンドの普及やネッ
ト証券の台頭を見越し、川崎社長と共に将来を確信し投資に至った。
【VCの視点からみた同社の成功要因】
時代の流れを読み、経営者としての先見性に優れていた点、そして柔軟な
経営戦略で、激動の IT 化の波に上手に乗ったことが成功要因である。無駄な
事業拡大はせず、限られた経営資源で最大の投資効果を出してきた事も、短
期間で株式公開に至った勝因といえる。
東京中小企業投資育成㈱
創業期支援第二部長
田中 保行
この事例は 2008 年度において取材した内容をもとにとりまとめを行っているものです。
従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいま
すようお願いいたします。
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