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アジア技術共生系の胎動及びマネジメントの課題

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アジア技術共生系の胎動及びマネジメントの課題
Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
MOTアジア連携プログラム−立ち上がるアジア技術共生圏−
モジュール1-14:アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
技術経営コンソーシアム
開発担当者 :九州大学ベンチャービジネスラボラトリー助教授 坂口光一
更新日 February 29, 2004
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
全体の構成
1.技術プラットフォームとしての東アジア
2.アジアワイドな価値連鎖の展開
3.アジア技術共生圏の浮上と課題
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
講義のアウトライン
・経済自由化、グローバル化、情報通信ネットワークが進み、人材流動にともなうR&D能力
の拡散が進行するなかで、東アジアにおいて国と企業のかべをこえた相互補完的な技術提
携・技術結合の選択肢が拡大していること。
• アジアの産業と市場の深化を背景に、オープンな技術戦略の加速が見込まれるプラット
フォーム空間を「アジア技術共生圏」という仮説概念でとらえることで、個別企業・個別
地域の枠を超えた、アジアワイドな技術経営の可能性が開けること。
• アジアワイドな付加価値連鎖が多様な形でが可能となるなかで、競争の主軸が企業内の生
産現場や生産モデルの革新から、オープンなプラットフォームを活用した全体最適の実現
とビジネスモデルの構築に移行していること。
• 今日のアジアは経済圏としてのまとまりのみならず、多様な資源・技術・文化・人材が共
生し、欧米とは異なる次元の独自市場を形成しつつある点を認識・理解する必要があるこ
と(「方法としてのアジア」)。
• 日本主導やテクノ覇権にこだわる従来の展開を、アジア諸地域・諸企業との技術共生・技
術共創へと大胆に転換し、さらなる自立と発展に向け、アジア独自のイノベーション・リ
ズムを形成していくことが必要なこと。
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
1.技術プラットフォームとしての東アジア
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
技術プラットフォームとしての東アジア
東アジアの「海」を取り囲むエリアにおいては、経済自由化の進展を受けながら、一国主義
と企業のかべをこえた、多様な技術の共生・連鎖に向けたうねりを見出すことができる。こ
の環黄海をはじめとする空間が、広域的な技術の「プラットフォーム」 、ビジネスの「開
かれた競技場」となってきた。
・商品の開発・生産・流通をめぐる、
アジアでの地域的なまとまりとダイ
ナミズムの浮上
・成長エンジンとしての中国沿海都市
(上海など)
・北上する中国の開発前線
(シンセン→上海→北京→大連→瀋陽)
・日本を追い上げる韓国、水平分業ビ
ジネスモデルを先導する台湾
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
日系企業のアジア展開─ 電気・電子5社と自動車3社(累積進出件数)
日系企業のアジア展開は件数的
にはASEAN4が中心であるが、
近年は中国への進出が急増して
いる。しかも、中国全土への展
開ではなく、北京経済圏、上海
経済圏や珠江デルタとい
った沿海部を中心とする地域へ
の展開として行われている。
出典:通商白書2002
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Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
Management of Technology 2002 supplementary
日系企業の工程別のアジア進出状況
・多くは製造・販売、統括支社
物流・サービス等であるが、
近年、北京等では研究開発
部門の展開もみられるよう
になった。
・日本の技術力、製品開発力
と、成長する中国の消費市
場との直結に向けた広域・
多層・多元の動き。
・アジアの嗜好や文化を背景
とした独自の最終消費需要。
・アジアの嗜好や文化を背
景とした独自の最終消費需
要。
・欧米化、世界同質化とは異
なる次元での独自の市場対
応が課題に。
出典:通商白書2002
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Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
Management of Technology 2002 supplementary
急増する中国への技術輸出
日系企業の中国進出を反映し、中国への技術輸出が急増。輸出相手国としてアジア第一位のタ
イを抜きそうな勢いである。日本と中国との技術的な相互補完関係の緊密化によって、東アジ
ア圏域でのクロス・ボーダーな技術プラットフォームの形成に拍車がかかっている。
アジア諸国への技術輸出推移
800
700
600
韓国
技
500
術
輸 400
出
額 300
中国
台湾
インドネシア
タイ
シンガポール
200
100
0
1991
92
93
94
95
96
97
98
99
2000
2001
年度
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出典:科学技術白書(2003年版)
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
中国における半導体プラットフォーム ─半導体組立工場とテストハウスの展開─
出典:アムコア・ジャパン提供資料に加筆・修正
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Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
Management of Technology 2002 supplementary
多国籍企業の中国におけるR&D投資
• 近年、IT・電子系を中心に多国籍企業の中国でのR&Dセンター開設が急増。2002年8月時点で
82ヶ所に達した。2003年7月には250ヶ所に増加した見込みで(日中経済協会北京事務所)、
中国が研究開発拠点としても浮上しつつある。
• 立地先は、北京、上海、シンセン、蘇州、西安、青島等、沿海部を中心とする大都市である。
• 欧米の主要企業としてはモトローラ、マイクロソフト、オラクル、シーメンス、ノキア、韓
国のLG電子、三星、日本の松下電器、東芝、ソニーエリクソン、NEC、富士通等。
多国籍企業の中国におけるR&Dセンター設立状況(全82ヶ所,2002.8時点)
本社所在地
12
32
18
アメリカ
ヨーロッパ
日本
その他
20
業種
本社所在地
北京
22 3
3
3
蘇州
49
西安
IT
7
シンセン
5
15
5 21
上海
精密加工
バイオ医薬
9
自動車
青島
58
広州
光学・機電
石油探査
その他
出典:日中経済協会北京事務所
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
2.アジアワイドな価値連鎖の展開
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
中国における市場および生産の深化─現地ヒアリング調査から─
*「最新のものを」という中国ユーザーの要求高度化(大連正興電機)
*携帯の普及加速で市場変化への迅速な「同期化」が必須に(各社)
*中国での開発・製造・販売の一体的展開に向けた体制強化(中国松下)
*「部品供給」から「技術サービス」への分業進化(青島松下電子部品)
*日系のビジネスプロセスの「抜け」を探して新事業(青島扶桑精製)
*JIS基準をクリアして日本国内工場と同じ扱い(青島荏原環境機器)
*全ジャンルの専門人材がいる中国が世界の頭脳拠点に(日中経済協会)
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
日系企業によるサプライチェーン革新
【設計・開発・販売の統括会社を上海に設立】
富士通は中国での半導体事業を統括する会社を上海市に設立した。中国の家電工場などに納めるICを自
ら設計、販売するほか、既に現地に持つ生産拠点や設計センターの活動を一元管理する。シンガポール
と香港の現地法人を経由していた体制を改め、中国市場の開拓を急ぐ。(2003/10/31日本経済新聞)
【サプライチェーン一本化で顧客対応を強化】
セイコーインスツルメンツは、アジア市場での半導体販売を強化する。中国・香港にある現地法人に物流
機能を持たせ、即日出荷体制を構築した。これまで国内の高塚事業所(千葉県)で全世界への製品出荷
に対応していた。香港にも物流拠点を設けて製品在庫を置き、急成長するアジア市場をカバーするのが
狙い。アジア地区でのサプライチェーンを一本化することで、現地で素早く顧客対応できる体制を整え
る。(2003/06/18日刊工業新聞)
【受託製造に購買代行サービスを付加して事業強化】
半導体商社のユーエスシーは中国でEMS(電子機器の受託製造)事業を始めた。受託製造だけでなく、
必要な部材の購買代行業務も組み合わせてサービスを提供する。物流業務だけでは収益増に限界がある
と判断、EMSで収益基盤を強化する。(2003/04/21日経産業新聞)
【日系メーカーへのワンストップサービスの拠点】
半導体製造装置メーカーのアピックヤマダは中国市場の販売戦略を統括する総合販売会社を上海市に設立
する。新会社は半導体組み立て装置、金型、リードフレームという各事業分野の連携を深め、中国生産
を拡大する半導体メーカーに新しい製造方法を提案するほか、アフターサービスを強化する。1 2年後
には半導体製造ラインの総合的な修理・保守、半導体製造装置や関連部品の輸入を始め、半導体メーカー
へのワンストップサービスの拠点にする。(2003/01/31日本経済新聞)
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
企業内の国際間・プロセス間分業の展開例(電機A社)
出展:通商白書2002
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Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
Management of Technology 2002 supplementary
アジアワイドで多層化・多元化する分業構造─エレクトロニクス業界の事例─
水平分業モデル(オープンな連携・補完)
ザイリンクス
ARM
IP
IP
プロバイダ
プロバイダ
デザイン
デザイン
ハウス
ハウス
TSMC、SMIC
シリコン
シリコン
Foundry
Foundry
Amkor、ASE
組立専業
組立専業
メーカー
メーカー
垂直統合モデル
ソレクトロン, Kingston
セットEMS
セットEMS
TI、東芝、Sony
IP開発
・差異化技術
・垂直統合の
メリット
LSI設計
半 プロセス開発
導
体 Wafer製造
︵
川
上
︶
Wafer測定
組立
後工程測定
大規模Fab
汎用技術
垂直オープン分業
有効活用
大規模Fab
汎用技術
セ 量産化設計
ッ
ト セル生産
E
M 製品評価
S
︵ デリバリ
川
下
︶
IDM
IDM
(垂直統合メーカ)
(垂直統合メーカ)
有効活用
・必要に応じ
Foundry、
組立専業
メーカーを
有効活用
・設計 デリバリ
サービスまでの
一貫体制
・スピード
・選択と集中
アフターサービス
出典:ソニーセミコンダクタ九州・大津留氏作成の図に一部加筆・修正
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Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
Management of Technology 2002 supplementary
価値連鎖とビジネスモデルの競争
・経済の自由化、グローバル化、情報通信の発展のもとで、携帯・家電などの商品の企画・開発・生産・流
通のプロセスが企業や国の枠をこえ、アジア全域にひろがりを見せている。
・多様なプレイヤーが参画・連携して繰り広げられる今日のイノベーション過程を、企業や国をこえたアジ
アワイドな価値連鎖として定義し、全体最適の実現に向けたビジネスモデルをめぐる競争としてとらえ
る必要がましている。
・価値連鎖、イノベーション創出をめぐるダイナミックな動きを理解するには「技術」のみならず、
「企業」「商品」「地域」など多面的な視点でアプローチしていく必要がある。
コンセプト
・デザイン
・ユーザー課題把握
・what to make 決定
例
中国市場向け
商品の展開
プ
ラ
ッ
ト
フ
ォ
ー
ム
/
開
か
れ
た
技
術
の
競
技
場
システム
・デザイン
生産/組立
開発
・技術仕様実現
・プロトタイプ
・プロセス開発
・技術仕様への翻訳
・アウトソーシング
・変化への瞬時対応
・カスタマイズ
流通
販売/メンテナンス
・在庫圧縮
・短納期
・ブランディング
・顧客満足
A社@日本
A社@日本
A社
B社@日本
C社@中国
D社@日本
A社@日本
P社@日本
Q社@中国
A社
Q社@中国
R社@中国
S社@中国
Q社@中国
米国
競合&提携
台湾・韓国
技術・生産移転、R&D拠点構築
中
国
日本
技術・生産移転、R&D拠点構築
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Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
Management of Technology 2002 supplementary
価値連鎖の革新イメージ
製造中心のモデル
(「生産モデル」志向)
(工程ごとの付加価値追加)
(安定し秩序だったシステム)
従来型
(直線的連鎖)
未来型
(星座的結合)
オープンな技術プラットフォーム
(「ビジネスモデル」志向)
(技術面での選択肢拡大)
(多様な当事者による柔軟な価値共創)
メーカー
日
本
M
M
R&D
S
中
国
米
国
R&D
輸出
キー部品
S-Provider:
サービスプロバイダー SP
S
M
R&D
C
M
カスタマー
カスタマー
戦略
提携
キー部品
(モジュール)
中
国
SP
R&D
サプライヤー
(モジュール)
日
本
ハード的
輸出
M
S
C
組立
サプライヤー
M
M
C
キー
部品
S
・
韓
国
等
カスタマー
カスタマー
C
C
S
S
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・
韓
国
等
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
3.アジア技術共生圏の浮上と課題
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
日中韓にひろがる技術共生の機運
【ソニーとサムスン、液晶パネル合弁生産へ、韓国に工場、2000億円投資】
ソニーと韓国サムスン電子が薄型テレビ向けなどの液晶パネルを韓国で合弁生産することで基本合意した。
折半で総額二千億円を投じ、来年にも第七世代と呼ぶ大型液晶パネルの生産を始める。
(2003/10/17 日本経済新聞)
【日中韓「脱ウィンドウズ」新OS開発で連携、技術共有化へ】
日本、中国、韓国の三国政府と産業界は共同で、マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」
に代わる新たなOSづくりに乗り出す。三国間で開発情報や技術を共有化。リナックスなどの公開型O
Sを改良し、安価で信頼性の高いソフトの開発をめざす。 主要国が新OSの開発で連携するのは初めて。
まず九月中旬にソウルで局長級の三カ国協議を開き、枠組みを決める。11月中旬には三国の民間企業で
構成する推進協議会を発足、具体策の検討に入る。日本からはNTTデータ、松下電器産業、NEC、
日立製作所、富士通などが参加する予定だ。
(2003/08/31 日本経済新聞)
【三洋電機・ハイアール・サムスン電子、ネット家電の通信規格共通化へ 】
中国市場を開拓 三洋電機 と中国家電大手の海爾(ハイアール)集団、韓国サムスン電子の三社はエアコ
ンなどの家電を通信技術を使って制御するネットワーク家電事業で提携する。三社で互いに接続可能な
家電製品を開発、日中韓各国で使えるネット家電の製品化を目指す。・・・三洋の井植敏会長はハイアー
ルとの提携以降、「(中韓メーカーと協力し)アジアンスタンダードを確立したい」としており、今後
も三社による新たな提携につながる可能性もある。
(2003/08/21 日本経済新聞)
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Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
Management of Technology 2002 supplementary
キャッチアップ型工業化モデルの進化
・これまでの産業発展モデルは、米国→日本→NIES→ASEAN→中国という順番で、技術が順繰りに移転・
拡散し、産業拠点がシフトしていくというものであった(キャッチアップ型工業化)。
・「国」を基本単位とする雁行型の産業発展は、産業内・企業内の国際分業によって多層化し、高付加価値
製品・研究開発分野での中国の「とびこえ現象」によって多元化の度をましている。
・アジアの産業と市場の深化によって、企業間競争の位相も産業・技術のオープンな「プラットフォーム」
(競技舞台)における、アジアワイドでの革新と富の創出ゲームへと変貌している。
ASEAN
4
A
中国
A
台湾
韓国
日本
アメリ
カ
A
A
B
A
B
C
B
C
D
<中国の底力>
B
時間軸/製品の技術集約度
・国民党時代からの
産業集積
・社会主義政権下の
工業集積
・外資進出による
技術の多層集積
引用;末廣昭『深化する多国籍企業』
(岩波書店、2003.11)
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Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
Management of Technology 2002 supplementary
日中韓R&Dベンチャーネットワーク─東工大発ベンチャーBeyondLSI社の例─
*日本BeyondLDIは2001年11
月に、東京工業大学の集積
システム専攻の教員等によっ
て設立。
日本
欧米
*國枝研究室の関係者・留学
卒業生が中国(瀋陽)、韓
国(ソウル)にもR&Dベン
チャー企業を設立し、国際
的なネットワーク型研究開
発ビジネスを展開。
研究・開発
BeyondLSI社
@東京
・技術力
・商品力
・市場はローカル
・高い人件費
*世界最先端の指紋認証組込
システム技術で世界市場を
狙う。2005年のIPOめざす。
中国
開発・生産
・安い人件費
・世界の工場から
設計センターへ
・大きな市場
市場連携技術
連携
韓国
・IT市場先行
・応用開発
応用・開発
BLK 社
BeyondLSI社
@東北・瀋陽
@ソウル
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20
Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
「シリコンシーベルト福岡」構想
福岡県におけるLSI設計開発の知的集積を核に、世界的な半導体生産ベルト地帯となったア
ジアにおける設計開発拠点をめざす。
*情報社会の基盤としての半導体集積
回路は21世紀の基幹産業
*従来のメモリやマイクロプロセッサ
中心の部品産業からシステムLSIを
中心とするシステム産業への転換
*製造技術中心の産業から企画・設計
技術が付加価値を与える産業へ
韓国
九州
上海
沖縄
台湾
香港・広州
シンガポール
マレーシア
シリコンシーベルト
*世界の半導体の約40%を生産
*今後は、設計拠点としての成
長が見込まれる
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21
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
Management of Technology 2002 supplementary
経済圏・技術圏を支える航空ネットワーク
・世界不況の影響から航空路は一時期減少傾向にあったが、最近は中国における空港整備や旅行自由化もあって、中国航路を
中心に新増設が相次いでいる。
・そのなかで、福岡空港が東京(成田)、大阪(関空)につぐアジア・ネットワークの拠点空港として独自のポジションを形
成しつつある。ソウル、プサン、大連、青島、上海、台北とは2時間以内で結ばれ、ソウル、プサン、台北とは日帰りビジネ
スが可能である。東北アジアのなかで、福岡・九州を起点とする一体的なビジネス圏が明確な輪郭を描きつつある。
東京
韓国
中国
台湾
東南アジア
名古屋
大阪
福岡
ソウル
36 → 25 → 30
プサン(空路)
4 → 5 → 7
プサン(海路)
0 → 0 → 0
瀋陽
0 → 0 → 1
大連
1 → 4 → 6
北京
11 → 14 → 17
天津
0 → 0 → 0
青島
0 → 2 → 3
煙台
0 → 0 → 0
上海
3 → 11 → 22
廈門
0 → 3 → 2
香港
38 → 37 → 24
広州
0 → 0 → 4
武漢
0 → 0 → 0
西安
0 → 2 → 4
7 → 7 → 7
0 → 3 → 3
0 → 0 → 0
0 → 0 → 0
0 → 0 → 2
0 → 0 → 3
0 → 2 → 1
0 → 0 → 0
0 → 0 → 0
0 → 0 → 7
0 → 3 → 0
8 → 0 → 4
0 → 0 → 0
0 → 0 → 0
0 → 0 → 1
7 → 32 → 18
7 → 7 → 6
0 → 0 → 0
0 → 0 → 2
0 → 2 → 4
4 → 5 → 8
0 → 2 → 0
0 → 1 → 2
0 → 0 → 1
5 → 15 → 14
0 → 3 → 1
9 → 23 → 14
0 → 4 → 4
0 → 0 → 0
0 → 0 → 0
6 → 7 → 7
7 → 2 → 2
* → * → 12
0 → 0 → 1
0 → 3 → 2
0 → 0 → 4
0 → 0 → 0
0 → 2 → 2
0 → 0 → 0
0 → 0 → 6
0 → 0 → 0
7 → 7 → 4
0 → 0 → 1
0 → 0 → 1
0 → 0 → 1
成都
0 → 0 → 3
桂林
0 → 0 → 0
海口
0 → 0 → 0
混明
0 → 0 → 0
高雄
3 → 3 → 2
台北
21 → 23 → 26
クアラルンプール 6 → 10 → 6
ジャカルタ
0 → 7 → 3
0 → 0 → 0
0 → 0 → 0
0 → 0 → 2
0 → 0 → 0
0 → 0 → 0
0 → 0 → 1
0 → 0 → 0
0 → 0 → 0
0 → 0 → 1
0 → 0 → 0
0 → 2 → 1
0 → 0 → 0
0 → 0 → 9
3 → 0 → 0
0 → 0 → 0
0 → 7 → 6 14 → 14 → 10 0 → 3 → 6
0 → 1 → 1
0 → 1 → 4
0 → 0 → 0
0 → 0 → 0
7 → 0 → 2
0 → 0 → 0
シンガポール
20 → 28 → 15
バンコク
12 → 27 → 16
ホーチミンシティ 0 → 2 → 5
マニラ
7 → 15 → 17
2 → 1 → 2
0 → 4 → 2
0 → 0 → 0
0 → 4 → 4
5 → 18 → 6
0 → 9 → 11
0 → 0 → 3
0 → 2 → 4
0 → 0 → 2
0 → 0 → 2
0 → 2 → 1
0 → 0 → 2
(備考)1.数字は、1991年の便数→2001年の便数→2003年の便数(日間・往復)を示す。 数字は切り上げで整数化。
2.表中の網掛けは毎日2便以上の就航がある航空路
(資料)通商白書2002の掲載表(国土交通省調査から作成)に2003年実績を加筆。
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Management of Technology 2002 supplementary
Module Title :アジア技術共生圏への胎動とマネジメント課題
アジア技術共生圏への課題
*「開かれたアジア」 「成長するアジア」に対応した、水平・垂直両方向でのオープン技
術戦略の展開。
*国境をこえた企業アライアンス、産業クラスター間ネットワークを軸としたクロス
ボーダーな能力構築。
*供給サイドにたった企業内の「生産モデル」から、多様なプレイヤーによる付加価値連鎖
を具体化する「ビジネスモデル」への経営の軸足転換。
*アジアの経済リズムと同期できるスピーディな意志決定の実現と、現場への権限委譲。
「中国のことは中国人にまかせる」組織マネジメントの実現。
*国をこえた共働の技術開発、モノづくりを通じた相互認識の再構築。「アジアの課題をア
ジアで解く」「アジア発の世界規格づくり」の気運醸成。
*価値創造の担い手としての大学のR&D資源活用と、アジア技術共生圏をリードするR&Dベ
ンチャーのネットワーク構築。
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