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EPCISとは - 一般財団法人流通システム開発センター
EPCISとは 一般財団法人 流通システム開発センター 物流の状況を相互に把握するためには、 企業からの製品の移動 データを相互に参照するしくみが必要です。 運輸業 資材・原材料製造業 卸売業 製造業 小売業 データベース事業者 サービス業 A社 C社 販売 入庫 入荷 出荷 出庫 ピッキング 入庫 入荷 出荷 タグ貼付 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター B社 1 EPCglobalでは、モノの移動情報を相互に 参照するための仕様を規定しています。 この仕様の集まりをEPCglobalアーキテクチャと呼び、 この仕様で規定されるネットワークをEPCglobalネットワークと呼びます。 EPCglobal仕様には、電子タグの読み込み方法、プロトコル、データ変換の仕方、 データストアの仕方、データの取り出し方等、多くのことが規定されています。 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 2 EPCglobalネットワークとは・・ 巨大なデータベースではないし、専用のネットワーク回線でもありま せん。可視化システムを作るにあたって必要となる仕様のあつまり です。 また、企業が可視化システムを作る上で必要となる仕様の全部を規定しているわけではありま せん。たとえば、課金方法など規定していないこともたくさんあります。 データベース ただし、今後世界標準とすべき部分が生じた場合には、EPCglobalでは、それを世界標準にするプロセスを用 意しています。 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 3 EPCISとは・・ EPCglobalアーキテクチャの中核となる仕様です。 タグから読み取った製品情報、リーダの位置情報等をサーバ上のデータベース(リポジトリ)にストアす る方法やデータベース(リポジトリ)にストアしたデータを取り出す方法が規定されています。 つまりリーダから読み込んだ情報について、何の製品(What)が、いつ(When)、どこのリーダ (Where)で読まれ、(それが、荷受け、出荷か等)どういう場面で読まれたか(Why)を、規定すれば、 異なる国、異なる企業で、製品の移動情報が共有化できるといった考え方であり、これを定めた仕 様がEPCISです。 EPCIS リポジトリ EPCIS リポジトリ EPCIS リポジトリ 製品の移動 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 4 EPCISとは? EPCISは3つの部分で成り立っています ③ ストアされた データの取り出し 方、参照の仕方 を規定 ③ EPCIS リポジトリ ② EPCIS リポジトリ ① EPCIS リポジトリ ② リポジトリに ストアするデー タの表現形式 を規定 ① リポジトリに データをストア する方法を規 定 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 5 EPCISには、リポジトリにデータをストアするための インタフェースが用意されている EPCIS リポジトリ リーダがタグを呼んだ時、タグの情報やリーダの位置情報、時刻などは、まと めてイベントという呼び、特定のフォーマット(表現形式)にして、EPCISが備 えているキャプチャリング・インタフェースに渡します。 キャプチャリング・インタフェース イベント ① What (製品情報) Where (位置情報) When (時刻) Why (場面) イベントの中にあるWhy(場面)とは、リーダが製品を読み取ったことが、出荷なのか入庫 なのか、つまりサプライチェーンのどの場面にあたるかの情報が含まれています。このこと は、リーダがタグを読んだときに発生する機械的な情報だけではイベントデータを作成す ることができず、そのタグを読みこんだ行為を人間が場面として判断して始めてイベント データが作成することになります。多くの場合、プログラム中に、このWhy情報を埋め込ん で、機械が読み込んだ製品情報等に足してイベント情報を作成しています。また、この Why情報は、同じ行為を違う名前で呼ばないように、コア・ビジネス・ボキャブラリと呼び 国際的に業界別に管理しています。 場面:出荷、入荷、受け入れ等 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 6 EPCISリポジトリに入るデータ ② EPCIS リポジトリ リーダから取り込まれたイベントデータは、データチャプチャ・インターフェースを介して EPCISリポジトリに蓄えられます。いくつかのイベントがありますが、ここではオブジェクト・ イベントを例にします。 リポジトリ EPCIS イベント・データ 説明 EPCリスト WhatすなわちEPCを記述する(複数個記述可能) アクション その商品(モノ)がはじめて生じたか、継続して確認されているか、消えたか? 初めて(add),観測中(observe),消失(delete) ビジネス・ステップ Why(ビジネスのステップ(場面)をIDとして記述 (コアビジネスボキャブラリで規定) ディスポジションID 同じくWhyの一部として、Active, in_transit, in_progress等を記述 (コア・ビジネス・ボキャブラリで規定) リード・ポイントID Whereつまりリードが発生した場所のID (リード・ポイント) ビジネス・ロケーションID Where情報をビジネスから見て記述 たとえば、Shippingのため倉庫Aに入る ビジネス・トランザクションリス ト ビジネス・トランザクション・テーブルと紐づけられる ビジネストランザクションテーブルに注文書が入るなら、特定の注文書番号と 紐付が可能になる When:つまり時間情報は、オブジェクト・イベントが指し示すEPCISEventテーブルの中に書かれます。 つまり、オブジェクト・イベントとEPCISEventは、セットです。 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 7 EPCISには、リポジトリにストアされているデータを参 照するためのクエリーインタフェースが用意されている ③ クエリー・インタフェース EPCIS リポジトリ ① © EPCglobal Japan 流通システム開発センター これにより、通常のデータベース上のデータを参照する方法(クエリーイン ターフェース)でEPCISリポジトリのデータを参照することが可能になる。 補注) EPCISリポジトリが複数あり、どこのEPCISに何のデータが書かれているかわからない場合 には、ディスカバリーサービスという別の仕組みを使い、該当するEPCISのアドレスを調べ る方法がとられる 8 EPCglobalネットワークのメリット EPCIS リポジトリ EPCIS リポジトリ EPCIS リポジトリ 製品の移動 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 9 EPCglobalネットワークは既存システムと共存します。 物流を可視化するために既存システムを 最初から作り直す必要はありません 新システム 既存システム 拡張 追加 EPCIS © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 追加 EPCIS 追加 EPCIS 10 既に開発用にJavaで書かれた フレームワークが用意されています。 http://www.fosstrak.org/ ユーザガイド 開発者ガイド 無料でダウンロードでき、 簡単なユーザガイドや開発者ガイドもあります。 可視化のプログラムを作成する場合、Javaは自由度が高す ぎて(大きなサブルーチンでも、小さいサブルーチンでも自 由に書けるという意味で)、多くの場合どこからスタートして いいか書くのに困ってしまいます。EPCISは、フレームワーク が用意されているので、早く、簡単に作れるメリットがありま す。また、こちらのフレームワークを参照して作成すれば(プ ログラムの顔つきが似てくるという意味で)メンテナンスや、 拡張、他社の可視化プログラムの取り込み等が用意になり ます。 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 11 EPCglobalネットワークを導入すれば 商品の移動がサプライチェーン全体で把握できるので、 出荷・受け入れ 発注・補充計画 プロモーション 製造業 小売業 無駄な輸送費が減らせる 受け入れ時の確認業務を少なくす る クレーム時に物流情報が得られる 正しい注文が得られる 突出したセールス期間を短縮 製品の数量ベリファイ オーダエラーを減らせる 在庫数量を減らせることが可能 生産計画が正しく立てられる 在庫管理の効率化、自動化 資産管理の効率化 発注計画の向上 資産利用率の向上 補充操作の効率アップ 見通しの良い販売計画 在庫利用率アップ 販売促進時期に柔軟に対応 店舗利益の向上 販売計画とおりの売り上げ 管理在庫の安全性 販売促進(売り上げ向上) 社内で閉じたネットワークでは、本当の意味の効率化を図るのが難しいです。 © EPCglobal Japan 流通システム開発センター 12