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平成23年度上半期における近畿地区の景品表示法の運用
平成23年度上半期における近畿地区の景品表示法の運用状況 平成23年11月30日 公正取引委員会事務総局 近畿中国四国事務所 消 費 者 庁 景品表示法は、消費者庁及び消費者委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する 法律(平成21年法律第49号)の施行(平成21年9月1日)に伴い、公正取引委員会 から消費者庁に移管された。 消費者庁は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある不当な 表示及び過大な景品類の提供に対して、景品表示法に基づいて厳正・迅速に対処している。 公正取引委員会は、消費者庁長官から景品表示法違反事件に係る調査権限を委任され、 必要な調査を行っている。 平成23年度上半期の公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所(以下「近畿事務所」 という。)による調査の結果を踏まえた消費者庁における近畿地区(福井県、滋賀県、京都 府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県の2府5県)の景品表示法の運用状況は、次の とおりである。 1 概 況 景品表示法違反事件については、違反行為者に対して措置命令を行うほか、違反す るおそれのある行為については関係事業者に対して警告を行い、是正措置を採るよう 指導を、違反につながるおそれがある行為については未然防止を図る観点から関係事 業者に対して注意を行っている。 また、違反行為の未然防止等を図るため、事業者や一般消費者からの景品表示法の 相談についても対応している。 平成23年度上半期における景品表示法の事件処理件数は、措置命令が1件、注意 が34件の計35件となっている(平成23年度上半期の主要な処理事件は、別紙参 照)。 表1 事件処理件数 事 件 (単位:件) 措置命令 警 告 注 意 合 計 22年度 23年度 上半期 22年度 23年度 上半期 22年度 23年度 上半期 22年度 23年度 上半期 表 示 事 件 5 1 0 0 60 33 65 34 景 品 事 件 0 0 0 0 1 1 1 1 5 1 0 0 61 34 66 35 合 計 1 2 表示事件 平成23年度上半期の事件処理件数のうち、表示事件が34件で大半(約97%)を 占めている。その態様の内訳を延べ数でみると、優良誤認(第4条第1項第1号)が12 件(約33%)、有利誤認(第4条第1項第2号)が18件(50%)、原産国告示等(第 4条第1項第3号)が6件(約17%)となっている。 平成23年度上半期においては、学習塾の受講生の大学合格実績に関する不当表示に ついて、近畿事務所が行った調査の結果を踏まえて、消費者庁において措置命令を行っ た。 表2 表示事件の内訳 (単位:件) 措置命令 警 告 注 意 合 計 関 係 法 条 22年度 23年度 上半期 22年度 23年度 上半期 22年度 23年度 上半期 22年度 23年度 上半期 優良誤認 (第4条第1項第1号) 4 1 0 0 28 11 32 12 有利誤認 (第4条第1項第2号) 0 0 0 0 25 18 25 18 原産国告示等 (第4条第1項第3号) 1 0 0 0 8 6 9 6 5 1 0 0 61 35 66 36 合 計(延べ数) (注) 関係法条が2以上にわたる事件があるため、本表の合計は表1の合計と一致しない。 3 景品事件 平成23年度上半期の事件処理件数のうち、景品事件は1件で全体に占める割合は低 く(約3%)なっている。 表3 景品事件の内訳 (単位:件) 措置命令 警 告 注 意 合 計 関 係 告 示 22年度 23年度 上半期 22年度 23年度 上半期 22年度 23年度 上半期 22年度 23年度 上半期 懸賞景品告示 0 0 0 0 0 1 0 1 総付景品告示 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0 1 2 1 2 合 計(延べ数) (注) 関係法条が2以上にわたるため、本表の合計は表1の合計と一致しない。 2 4 景品表示法に関する相談 平成23年度上半期に受け付けた相談件数は328件となっている。具体的な相談内 容としては、商品の効果・性能の表示に関する相談、食品の表示に関する相談、商品を 販売する際の二重価格表示に関する相談、商品の原産国の表示に関する相談、景品類の 提供限度額に関する相談等が挙げられる。 【問合せ先】 消費者庁表示対策課 担当者:佐藤(佑)、宮原 電話 03-3507-9233 ホームページ 3 http://www.caa.go.jp/ 別紙 平成23年度上半期の主要な処理事件 1 措置命令(優良誤認) 事件名 事 件 概 要 ㈱ウィザスに対 ㈱ウィザスは、自社が経営する「第一ゼミナール」と称する学習塾、「第 する件 一ゼミ予備校」と称する学習塾及び「ファロス個別指導学院」と称する学習 (23.4.26) 塾において大学入試受験対策に係る役務を提供するに当たり、「第一ゼミナ ール」、 「第一ゼミ予備校」及び「ファロス個別指導学院」の名称が記載され た新聞折り込みチラシ等において、「2010年度合格速報」と題する大学 合格実績を表示していた。しかし、この大学合格実績は、他の事業者が経営 する学習塾の受講生及び自社が経営する本件3学習塾以外の学習塾の受講 生の大学合格実績を加算していたものであった。 (注) 本事件の詳細については、http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110426premiums_1.pdf 2 主要な注意事件 消費者庁は、違反行為の存在を疑うに足る証拠は得られなかったが、景品表示法違 反につながるおそれのある行為がみられた場合には、未然防止の観点から注意を行っ ている。主要な注意事件は以下のとおり。 (1) 表示事件 ア 優良誤認(第4条第1項第1号) 注 意 の 内 容 飲食店を営むA社に対し、店頭に掲示したポップ等において、実際には、サーモントラウト (ニジマス)が使用されているにもかかわらず、料理について、 「秋鮭のムニエルカレーソース」又は「紅鮭のムニエルカレーソース」 と示す表示は、景品表示法違反につながるおそれがある旨注意した。 木材等の販売業を営むB社に対し、自社ウェブサイトにおいて、実際には、一部の商品は不 燃木材としての認定基準に達していないものであるにもかかわらず、木材について、 「国土交通大臣不燃材料認定」等 と示す表示は、景品表示法違反につながるおそれがある旨注意した。 イ 有利誤認(第4条第1項第2号) 注 意 の 内 容 家具の販売業を営むC社に対し、学習机を販売するに当たり、ウェブサイトにおいて、 実際には、 「通常価格」と称する価格による販売実績はなかったにもかかわらず、 「通常価格:105,600(税込)」、 「特別価格:41,790(税込)」 と示す表示は、景品表示法違反につながるおそれがある旨注意した。 呉服の卸売業を営むD社に対し、景品を提供するに当たり、呉服店を通じて配布した応募用 紙において、実際には、新作着物の提供を受けるためには、別途、仕立て・加工代金を支払う 必要があるにもかかわらず、 「応募者の中から抽選で新作きものプレゼント!」 と記載した上で、その下に 「※但し、転売防止の為、お仕立て(裏地・加工)は当方が承ります。」 と示す表示は、景品表示法違反につながるおそれがある旨注意した。 ウ 原産国告示(第4条第1項第3号) 注 意 の 内 容 スポーツウェアの製造販売業を営むE社に対し、アウトドアシャツに添付した下げ札におい て、実際には、中華人民共和国において製造されたものであるにもかかわらず、 「MADE IN JAPAN」 と示す表示は、景品表示法違反につながるおそれがある旨注意した。 4 (2) 景品事件 懸賞景品告示及び総付景品告示 注 意 の 内 容 呉服の卸売業を営むF社に対し、呉服店を通じて応募用紙を配布し、 先着1,000名に対して200円相当を超えるTシャツ等(2,000円相当)を、 更に抽選により2,000円相当を超える新作着物(147,000円相当)を、 それぞれ提供することは、景品表示法違反につながるおそれがある旨注意した。 (取引の価額:100円、総付景品告示により提供できる景品類の最高額:200円、懸賞景 品告示により提供できる景品類の最高額:2,000円) 5