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調査対象技術の技術概要(PDF:437KB)

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調査対象技術の技術概要(PDF:437KB)
「遊技機及びその関連技術」の技術概要
以下に技術概要を記載する。
1.パチンコ
パチンコ遊技機には独自の機構もしくは遊技方法、規則、演出等が数多く存在する。
パチンコ機で用いられる技術としては、大当たりの仕組みや遊技機の種別など、パチンコ機独自の
パチンコルール、出力手段や演出、役物などの表示器関連、筐体や枠、基板、音響などの筐体関連の
3 つに大別した形で説明を行っている。
まず、技術の前段階として、パチンコ台の部品配置や構造等の把握を容易にするために全体構造を
紹介する。パチンコ台を構成する部品は、主に遊技機面やハンドル、ガラスなどのプレイヤー側から
見て表面部に露出している部品と、大当たり抽選や演出などを制御する基板群、電源や払出装置など
のプレイヤー側からは見ることが出来ない裏側に配置されている部品に大別され、これらの配置位置
や名称等の説明を行なう。
(図1)パチンコの表部品と裏部品の配置図
表 1 では、パチンコルールとして、パチンコ遊技における一般的な手順、大当たりの種類と発生条
件、抽選方法、種別など、パチンコ機に関わる特定のルールや規則を示す。
パチンコ遊技の基本は、ハンドルを握って盤面上へ遊技球を弾き、特定箇所への入球によって、抽
選もしくは払い出しを受けるシンプルな遊技フローとなるが、大当たり抽選や出玉の獲得プロセスに
よっていくつかの種別に分けられている。現在では種別が撤廃され、表 1 でのいずれの区分にも属さ
ない種別撤廃機も多数登場しているが、いずれの機種も基となるゲーム性はこれらの区分に拠るもの
が大半である。
遊技ルールについては、
「風営適正化法」の「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に基づ
き、抽選確率や出玉に関する射幸性の枠組みがなされ、その範囲内において様々な工夫が施されてい
る。
抽選方法については、公平性を保つ、もしくは不正遊技を抑止するために様々な進化を遂げている。
主基板(メイン基板)における抽選に関しては、係数方式から乱数方式へ、さらにはハード乱数とよ
り高度な技術を用いて抽選が行われている。一方、特定箇所への入球を大当たり条件とする機種では、
役物の周期をランダムにすることで不正遊技の効果を抑制する、もしくは振動や磁石センサーを取り
付けることで不正を行いにくくするなどの対策も採られている。
(表1)
表 2 では大当たりの抽選結果を表示する際に用いられる全般的な技術となる表示器関連を示す。
表示器関連に含まれる種々の要素は、現在のパチンコ台の人気に最も直結する内容でもあり、表示
器の種類、表示内容、告知演出機能、装飾・遊技補助の 4 つのパートに区分される。
表示器に関しては、表示器を搭載したパチンコが出始めたのは、デジパチと称されるジャンルの登
場以降(1980 年~)となり、それ以前はチューリップなどの役物や入賞口が盤面上に配置されている
のみの機種が主流であった。
しかしながら、デジパチと称されるジャンルの登場以降、大当たりの抽選結果を表示する内容やプ
ロセスが重要視され、当たりハズレの結果以外の部分での付加価値を楽しむ、いわゆる演出見たさで
遊技すると言ったパチンコ遊技のスタイルが定着していき、それに伴い7セグやドット、液晶などの
様々な表示器を搭載した機種が登場している。
2007 年現在では液晶表示を採用する機種が全体の約 9 割近くを占めていると言われているが、こ
れは表示器が大当たりの抽選結果を表示するだけの役割から、大当たりするまでのプロセスを演出と
して見せると言う役割に変化し、他の表示器と比較しても液晶表示が有する表現力と自由度の高さが
他の表示器よりも優位であったためである。
表示内容については、2007 年現在のパチンコでは抽選結果を図柄合わせとして表示するのが主流と
なっているが、図柄のデザインや配列、有効ラインなどは非常にバリエーションが多彩で、パチンコ
独自の技術も少なからず存在する。また、CG や実写、ムービー演出などを用いることで、モチーフ
の再現性を高めるだけでなく、水中での図柄変動を表現するために水槽を搭載したり、クレイアニメ
を用いたりするなど、液晶表示の中でも他機種との差別化を図るために、表現内容に対する様々な工
夫が施されている機種も登場している。
表示器の進化と共に、劇的に変化した技術が告知・演出機能である。演出の美麗さやインパクト、
画面内における探究的要素などが多様な表現技術によって盛り込まれ、さらにアニメーションや芸能
人などのタイアップ機種の登場により、従来の勝ち負けを重視するファンだけでなく、演出見たさに
よる遊技を行なうファンを生み出したのは、告知・演出機能の進化がもたらした一つの結果であり、
演出を魅せることによる技術革新は、娯楽機ならではの特性と言える。
さらには、独自の入力装置を活用した演出が多数盛り込み、パチンコにおける遊技スタイルが受動
型から能動型にシフトしつつある点も看過できない要素である。反面、玉の動きを楽しむ、入球過程
を注視するといったパチンコ本来の楽しみ方ができる機種は減少し、2007 年現在ではアナログ的な演
出からデジタル的な演出、さらにはプレイヤー参加型の演出への転換期を迎えていると言っても過言
ではないだろう。
(表 2)
表 3 では筺体全般の機構関連を示す。筐体関連は盤面の構成部品、パチンコ台の枠、大当たりの抽
選や演出等を制御する音響・基板などの 3 つのパートに区分される。
盤面を構成する部品自体は、強度や精度、素材等の改良は見られるものの、旧来からの変化は少な
く、素材も含め一定の水準で作られている。
枠関連については、プレイヤーの利便性向上を図るためにハンドルや皿など、プレイヤーが操作す
る部分の技術も進歩しているが、この中でも特に入力装置の進歩は特筆に値する。入力装置は未だパ
チンコの遊技スタイルとしては定着しきれていない未成熟な部分での装置と言えるが、今後は演出に
対する付加価値を高める機能として、さらにその存在価値を高める可能性を秘めた装置と言えるだろ
う。
基板・音響・その他の項目で説明している技術のうち、基板と不正防止装置に関しては、機能の目
的上、及び不正防止の観点から技術の方向性と目的、さらに概略と現状を説明するに留めている。音
響に関しては、サブ基板(音源基板)と高性能スピーカーの搭載によって幅広い演出が可能となり、
さらには使用音源も FM 音源から PCM 音源へと発展を遂げ、オーディオ機器と同程度の音響効果が
見込める機種も登場している。
(表 3)
大分類
中分類
小分類
分類番号 技術分類
筐体関連
機構関連
盤面関連
分離筐体
セル盤
レール
釘・風車
4-1-1-1
4-2-1-1
4-2-2-1
4-2-3-1
分離筐体
セル盤
レール
釘・風車
構造物
4-2-4-1
可動式
4-2-4-2
非可動
枠・皿
4-3-1-1
枠・皿
ガラス等
4-3-2-1
ガラス
4-3-3-1
発射方式
ウエイトボタン
4-3-3-2
4-3-3-3
4-3-3-4
4-3-3-5
4-3-4-1
飛距離調整方式
タッチセンサ
付加機能
玉送り装置
ウエイトボタン
プレイヤー参加型機能
4-3-5-1
入力装置
玉抜きレバー
玉処理機能
ランプ
その他付属品
4-3-6-1
4-3-7-1
4-3-8-1
4-3-9-1
玉抜きレバー・ボタン
払い出し
ランプ
灰皿・煙草置き場
音響
4-4-1-1
スピーカー
4-4-1-2
4-4-2-1
4-4-2-2
4-4-3-1
4-4-3-2
4-4-3-3
4-4-4-1
音源
センサー
ベニヤ防犯
メイン基板
サブ基板
基板間通信・外部出力手段
錠
枠関連
ハンドル
基板・音響・その他
不正防止装置
基板
錠
2.パチスロ
パチスロ遊技機はアメリカの「スロットマシン」を原型とし、オリンピアマシン、アップライト型
と進化を続け、現在の箱型と呼ばれる形態に進化した。そのため、パチンコ機とは異なり、パチスロ
機のルーツは異国が発祥と言え、パチンコ機にはない独自の機構、遊技方法、規則、演出等も数多く
存在する。
表 1 では、まず、パチスロ機の主な構造や遊技手順等の把握を容易にするための説明として主な構
造の概要と遊技ルールの紹介、さらに内部構造として、ボーナス等を含めた当選役の種類や、抽選の
方法、リールの制御方法などを紹介する。
なお、ルールに関しては「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下
風営適正化
法)」の第 20 条第 3 項で定められているように、
「国家公安委員会規則 6」にて定める「遊技機の認定
及び型式の検定等に関する規則」を基準に定義されているものを中心に行なう。
この他にも、パチスロ機には遊技機メーカーが参画する協会等でも、前述の法律を基に独自の規則
を作成している場合もある。独自の規制に含まれる内容としては、役の種類・ボーナスタイプ、パチ
スロ特有となるリール制御、プレイヤー側に訴求する上で重要となるサポート機能などの4つ(いず
れも小分類)が主に挙げられる。
なお、技術分類は 1992 年から 2004 年 6 月までの前規則(4 号機)に則した形式となっているため、
現行規則(5 号機)には含まれない技術内容も多いが、現在は旧規則(4 号機)から現行規則(5 号機)
に対応する機種への移行期にあたるため、敢えてこのような形式を採っている。
(表 1)
表 2 ではパチスロ機の当否判定に係わるリール演出や、液晶やドットによる付加的演出などの技術
である表示器関連を示す。パチスロ機の表示器としては、リールがボーナスや小役といった払い出し
に係わるメインの表示器となる。リール以外の表示器としては、液晶やドットなどのパチンコ機で用
いられている表示器が挙げられるが、リール以外の表示器が本格的に搭載されるようになったのは
1999 年以降となっており、現在でもリール以外の表示器を搭載していないパチスロ機も多い。また、
パチンコ機と比較すれば、表示器のサイズも小さめで、表示内容や機能、種類はパチンコ機のほうが
一日の長がある。
また、パチスロ機がパチンコ機と比較して、表示器の面での多様性に欠ける一つの理由としては、
パチスロ機における表示器とは、内部抽選の結果を報知するに留まらず、払い出しに直接的に係わる
ためであり、
「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」上に一定の規則が存在することが挙げら
れる。従って、パチスロ機においては、メイン表示器はリールであることが前提となっており、リー
ル以外の表示器は、内部抽選の当選役の報知などの補助的に用いられるからでもある。
しかしながら、今後はパチンコ機同様、表示器の機能向上とプレイヤーの嗜好の変化に伴い、ゲー
ム色を強めた傾向を反映して、液晶等での表示機能が演出の中心となるような機種がパチスロ機の一
つのジャンルとして定着する可能性も高いと言えるだろう。
(表 2)
表 3 ではパチスロ機の筐体や基板、音響などの技術が含まれる筺体関連を示す。大別すると、入力
と出力に係わる機構関連と、音響、基板などの基板・音響その他の 3 つに区分される。
機構関連に関しては、オリンピアマシンと称される機種の特徴とも言えるアップライト型から一般
的な箱型、ゲーム機のようなベガスロ機まで、幅広いタイプが存在する。また入力機器から投入口、
ホッパーに至るまで、メーカーごとに趣向を凝らした技術や機能が搭載されている。その反面、各遊
技機メーカーによる統一性が図られていないだけでなく、同一メーカーによっても機種によっては異
なる機能を搭載しているため、まさに機能は千差万別と言えるだろう。実際、現在でも筺体部分に関
しては、新しい機能を搭載した機種のリリースが絶えず行われているのが現状である。
基板・音響その他に関しては、前規則に充当する 4 号機時代に抽選に係わるメイン基板と、演出に
係わるサブ基板とが別途搭載された以外は 1 号機(1985~1988 年)時代と比べても、大きな変化は
見られていない。ただし、不正防止装置に関しては、新たな不正が発生するたびに、その対策技術は
日々進化している。
(表 3)
大分類
中分類
小分類
筐体関連
機構関連
箱型
入力
出力
遊技者の補助
基板・音響その他
補給
その他付属品
音響
内部機構
不正防止装置
外部出力手段
基盤
分類番号 技術分類
3-1-1-1
3-1-2-1
3-1-2-2
3-1-2-3
3-1-3-1
3-1-3-2
3-1-4-1
3-1-4-2
3-1-4-3
3-1-5-1
3-1-6-1
3-2-1-1
3-2-2-1
3-2-3-1
3-2-3-2
3-2-3-3
3-2-3-4
3-2-4-1
3-2-5-1
3-2-5-2
筐体の種類
入力機器
投入口
クレジット
ホッパー
受け皿
目押し補助機能
演出キャンセル
BGMの変更など
コインタンク
遊技者への補助設備
スピーカー
リールの駆動方式
侵入防止
体感器防止
警告音
その他
ホールコンピューターへの出力、出力内容
メイン基板
サブ基板
3.周辺設備
パチンコホールにおいては、営業を補助するための様々な設備が設置されている。それら設備機器
は遊技客の利便性に基づいて発展した設備、営業上の作業を簡略化するための設備、営業管理を容易
にするための設備などに分類され、近年、急速かつ複合的に発展を遂げている。
遊技客の利便性に基づいた設備には、会員システム、情報表示システムなどが挙げられる。会員シ
ステムでは、遊技客はパチンコホールの会員に登録する事によって、そのホールのイベント情報など
が入手できるとともに、獲得した玉(メダル)を預けておく貯玉・再プレイシステムを利用すること
なども可能である。会員システムは営業管理にも密接に関係しており、会員登録した遊技客が会員シ
ステムを使用する事によって、自店顧客の会員管理が可能となる。情報開示システムでは、遊技客が
特定の遊技台の遊技履歴を閲覧する事が可能となる。
営業上の作業を簡略化する設備には、玉(メダル)貸機、補給・回収・研磨システム、紙幣搬送シ
ステムなどが挙げられる。玉(メダル)貸機では、従業員が玉(メダル)を手動で貸出していた作業
を簡略化している。補給・回収・研磨システムでは、遊技機への玉(メダル)補給・回収、回収した
玉(メダル)の研磨の作業を簡略化している。紙幣搬送システムでは遊技客が使用した紙幣を島端な
どで一括回収する事で、紙幣の回収作業を簡略化している。
営業管理を容易にするための設備には、ホールコンピューター、景品 POS システム、異常検知シ
ステム、監視システムなどが挙げられる。ホールコンピューターでは、各遊技機の遊技履歴などを管
理し、営業情報の管理を容易にしている。景品 POS システムも同様に、景品の使用情報などの管理
を容易にする。異常検知システム、監視システムでは、目視で行なっていた不正の監視を機械化する
事によって、監視の精度を向上させている。
上記した各システムは表 1 の様に分類され、各々細分化される。
(表 1)
大分類
島関連システム
中分類
玉補給・回収・研磨(洗浄)システム
小分類
島概要と玉補給・回収・研磨(洗浄)システム
島
補給シュート 補給カウンター
パルスボックス 研磨(洗浄)リフト
メダル補給・回収・研磨(洗浄)システム
計数システム
紙幣搬送システム
営業管理関連機器
メダル搬送 研磨(洗浄)機
リフト
計数システムの概要 玉計数機
メダル計数機
チケット発行機能
紙幣搬送システムの概要 紙幣搬送機構
ホールコンピューター
紙幣搬送用島金庫 島リサイクル紙幣両替機 ホールコンピューターの概要
景品POSシステム関連
島ユニット 景品POSシステムの概要 会員システム関連
景品POS端末 景品払出機
会員システムの概要
貯玉・再プレイシステム 異常検知システム
監視システム
異常検知システムの概要 アラームサーバー セキュリティーセンサー 画像サーバー 監視システムの概要
カメラシステム
記録システム
情報表示システム
遊技環境関連
ホール設備システム相関図
モニター データ表示機
パチンコ玉関連 メダル関連
吸殻自動回収システム 店内外モニター 共有データ・台上データ表示機 パチンコ玉 メダル 吸殻自動回収システムの概要 台間分煙機器
ホール設備システム相関図
台間空気清浄機 ホール設備システム相関図
「調査対象技術の樹形図」∼「遊技機の年表」作成上の参考情報
「調査対象技術の樹形図」、「技術対応表」、「調査対象技術の技術概要」、「遊技機の年表」
を作成するにあたり、下記の文献及びホームページを参考とした。
参考文献
「パチンコ必勝ガイド爆裂年鑑2001」
成澤浩一編 (2001年2月 9日発行) 株式会社白夜書房
「パチンコ必勝ガイド爆裂年鑑2002」
成澤浩一編 (2002年1月26日発行) 株式会社白夜書房
「パチンコ必勝ガイド爆裂年鑑2003」
成澤浩一編 (2003年1月27日発行) 株式会社白夜書房
「パチンコ必勝ガイドスーパーリーチ年鑑2004」
成澤浩一編 (2004年1月29日発行) 株式会社白夜書房
「パチンコ必勝ガイドパチンコ年鑑2005」
成澤浩一編 (2005年1月25日発行) 株式会社白夜書房
「パチンコ必勝ガイドパチンコ年鑑2006」
成澤浩一編 (2006年1月22日発行) 株式会社白夜書房
「別冊グリーンべると パチンコ百年史」
山田清一、今泉秀夫編 (2002年8月発行) 株式会社アド・サークル
「パチスロ大図鑑2001」
吉良誠二編 (2001年5月12日発行) 株式会社白夜書房
参考ホームページ
http://www.nichidenkyo.or.jp/frame.htm
日本電動式遊技機工業協同組合ホームページ
http://www.toyoukyo.or.jp/nenpyo2.html
東京都遊技業協同組合ホームページ
http://www.nichiyukyo.or.jp/toc/history.html
社団法人日本遊技関連事業協会ホームページ
http://www.yugitsushin.jp/data/
株式会社遊技通信社ホームページ
http://www.wakonet.co.jp/
パーラーWAKOホームページ
http://slothistory.com/
パチスロ業界初まとめ
※その他、第1部∼第3部中に出典として挙げた文献及び、メーカー各社のホームペー
ジも参考とした。
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