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FEATURE3:地域ブランドを地域活性化の切り札に

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FEATURE3:地域ブランドを地域活性化の切り札に
地 域 活 性 化のカギ
S p e c i a l Fe a t u r e
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地 域 活 性 化のカギ
地域ブランドを地域活性化の切り札に
学習院大学
経済学部 経営学科 教授
青木 幸弘
今なぜ、地域のブランド化なのか?
とは、その対象が工業製品であれ農産物であれ、
あるいは、サービスであれ場所であれ、意識的な差
近年、地域活性化の切り札として、特産品や観光
異化によってユニークな特徴を生み出し、その意
地といった地域資源をブランド化しようとする試み
味や価値を伝えることによって、顧客に選択され続
が活発である。
ける仕組みをつくり出す行為にほかならない。
もちろん、これまでにも、
「関あじ、関さば」といっ
その意味では、本来的に差異性に乏しい農水産
た農水産物のブランド、あるいは、
「湯布院」といっ
物のブランド化においては、その背後にある「地域
た観光地のブランドは存在したが、ここ数年来、こう
性」の打ち出し方こそが差異化のポイントであり、
した分野でのブランド化の試みが、特に地域資源の
また、地域そのものでもある観光地のブランド化に
積極的活用や「地域性」
(自然、歴史、文化、伝統
おいては、
「地域性」のどの部分に焦点を当て顧客
に根ざした「地域らしさ」)の再確認・再発見といっ
にその価値を訴え掛けていくか、あるいは、その地
た動きと呼応しつつ、地域の再生や地域産業の振
域を訪れた人々に独自の経験価値を提供し、いかに
興のための新たな手段として語られ始めてきている
して再訪してもらうかが根本的な課題となる。
のである。
ただ、最近の新たな動きとして、地域経済や地域
ところで、元来、
「ブランド」とは顧客に自らの提
自体の活性化を図るための切り札として、単に地域
供物を識別してもらい、かつ、他者の提供物と区別
特有の農水産物や加工品という意味での特産品だ
してもらうための手段であり、また、品質を保証し、
けでなく、地域の自然、歴史、文化、伝統の実体物
あるいは、価値の提供を約束することで顧客との関係
としての各種観光資源、さらには、質の高いさまざ
性を取り結ぶ手段でもある。従って、
「ブランド化」
まな生活基盤までをも取り込みながら、地域全体を
18 ていくおふ . Autumn 2008
地域ブランドを地域活性化の切り札に
ブランド化しようとする取り組みが、全国各地の自
より、競争力の一層の強化と付加価値の向上を図る
治体等に出始めてきている。また、国も2006 年4月
ことが焦眉の急となってきていると言えよう。
に商標法を改正して「地域団体商標」の登録制度
そこで、本稿においては、このような産地間、地域
を導入、翌 07 年 6月には中小企業地域資源活用促
間の競争から本格的なグローバル競争へと至る大
進法を施行して、農商工連携を前提とした地域ブラ
競争時代に生き残り、勝ち残るための手段として、
ンドづくりの後押しを始めている。
「地域全体のブランド化(地域ブランド構築)
」という
こうした動きの背景には、それが特産品であれ観
新たな地域(経済)活性化の手法を取り上げ、その
光地であれ、従来からの日本国内での産地間・地域
基本的視点や枠組み(基本構図)
、あるいは、具体的
間競争に加えて、諸外国とのグローバルな競争が激
手段としての地域資源のブランド化とそれを連繋・
化してきているという深刻な問題があり、もはや個
統合して地域ブランド構築を行っていく上での道筋
別的な産業振興や特産品等のブランド化では事は
(基本ステップ)
、その結果として地域経済や地域
足らず、総合的な振興策と地域全体のブランド化に
自体の活性化がもたらされるための諸条件(基本
条件)
、といった事柄を中心に議論していきたい。
前節でも述べたように、近年、特産品や観光地と
いった個々の地域資源を個別的にブランド化するだ
けではなく、それらの地域資源ブランドを柱としつ
つ、地域全体をブランド化しようとする動きが全国
各地の自治体等に出てきている。
こうした動きは、自動車や家電、IT などの業界に
おいてグローバル化を目指す多くの企業が、単に個
別の製品ブランドを強化するだけでなく、企業ブラ
ンドの強化やブランド体系の再構築に取り組み始
めていることとも符合して興味深い。今年の年明け
早々、松下電器産業が10 月1日より社名を「パナ
ソニック」に変更すると発表して話題になったが、
今や製造業においても、単に強い製品ブランドを有す
るだけでは事は足らず、企業全体としての組織能力、
あるいは、トータルなビジネス・モデル、事業シス
ていくおふ . Autumn 2008
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地域ブランド構築における基本構図
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地 域 活 性 化のカギ
テム自体を差異化し、ブランド化していくことが強
ブランド化という性格を有する地域ブランド構築
く求められているのである。
には、
「モノ」のブランド化にはない特殊性が存在
今、このような一般企業との対比において、
「地
する点、②地域ブランド構築においては、地域資源
域ブランド構築」の基本構図を考えるなら、特産
のブランド化を行う上での「基盤」となり「核」とな
品や観光地といった地域資源のブランドは製品ブラ
る地域性、さらには、地域自体のブランド化におい
ンドに対応し、また、地域全体のブランドは企業ブ
て「象徴」ともなる地域性の中身を、再確認、再発見、
ランドに相当するものとして捉えることができる。
再構成することが決定的に重要であるという点 —
従って、新たに構築されるべき「地域ブランド」は、
である。
一般企業における企業ブランドにも似て、個々の地
すなわち、前者はブランディングの「場」として
域資源ブランドを束ね、導いていく存在である必要
の地域とブランディングの「対象」としての地域と
がある。また、各々の地域資源ブランドとそれらを
いう二面性の問題であり、地域という具体的でも
束ねる地域ブランドとは、互いに互いを強め合う関
あり抽象的でもある「場」自体をブランド化すると
係であることが強く求められる。
いう取り組みには、一般企業のブランド構築には
ただ、ここで注意しておくべきことは、①「場」の
図表1 地域ブランド構築の基本構図
20 ていくおふ . Autumn 2008
見られない特殊性が存在するということである。
地域ブランドを地域活性化の切り札に
また、後者は地域資源をブランド化する際に、そこ
ンドとしての地域ブランドを構築していく段階である。
で求められるユニークな特徴の裏付けとしての
改めて言うまでもなく、本稿で言うところの「地
「地域性」や、それら地域資源ブランドを束ねる
域性」とは、当該地域の自然、歴史、文化、伝統に
共通項としての当該地域の「地域性」
、あるいは、
根ざす「地域らしさ」のことであり、人々をして地域
地域全体をブランド化する際に求められる他地域
資源ブランドに対して何かを期待させ、また、地域
には無い独自の特徴としての「地域性」など、異な
資源ブランドを通して実感する当該地域らしさのこ
る次元での「地域性」をどのように捉え、そこにど
とである。前述のように、製品ブランドに対して上
のような形で一貫性や整合性を持たせていくかとい
位に位置する企業ブランドにも似て、地域ブランド
う根本的な問題でもある。
は地域資源ブランドを束ね導く存在であり、当該地
ちなみに、図表1は、このような「基盤」
「核」
域が提供する価値の総体を地域ブランドが象徴す
「象徴」という地域性についての 3 つの視点を基
ることによって、そこに強い相補効果、相乗効果が
軸に、地域ブランド構築における基本構図を示した
生まれる可能性がある。
第 3 ステップは、地域ブランドによる地域資源ブ
ンド化に始まる一連のプロセスの中で、地域全体を
ランドの強化と底上げの段階であり、当該地域が
ブランド化し、それを地域の活性化につなげていく
提供する価値の総体が1つの地域ブランドによっ
上での基本的ステップを表したものである。
て縮約され象徴される時、人々の各地域資源ブラ
まず第1ステップは、ブランド化が可能な個々の
ンドに対する期待価値は地域ブランドのバックアッ
地域資源を選び出し、それをブランディングの基盤
プによって高まる。もとより、地域ブランドを構成
ないし背景としての「地域性」を最大限に活用しつ
する柱は地域資源ブランドであるが、実は、このよ
つブランド化していく段階である。一般的に、地域
うに地域ブランドが確立されることによって地域
ブランド構築において柱となり得る地域資源と
資源ブランド自体も強化され底上げされるという
しては、農水産物、加工品、商業集積、観光地(場合
構図が成り立つ。もちろん、そのような後光効果
によっては生活基盤なども含む)といったものが考
(
「親の七光り」的効果)が作用するためには、地域
えられるが、そのブランド化に当たっては、単に知名
ブランドが象徴する地域性と各地域資源ブランド
度を上げるだけではなく、農水産物であれば「産地
に共通する核となる地域性、あるいは、その基盤に
的な正当性、独自性」
、観光地であれば「自然、歴史、
ある地域性との間に一貫性、整合性が存在する必
文化的な差別性」といった「地域性」を生かした形
要がある。
でのブランド化が重要になる。
最後の第 4ステップは、底上げされた地域資源ブ
次の第 2ステップは、前段階で確立された地域資
ランドによって、地域経済や地域自体が活性化され
源ブランドを柱としつつ、そこに共通する当該地域
る段階である。実際問題として地域に経済的価値
の「地域性」を1つの核ないし焦点として、
「傘」ブラ
をもたらすのは各地域資源ブランドであり、地域ブ
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ものである。また、図中の矢印は、地域資源のブラ
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地 域 活 性 化のカギ
ランドが確立され、各地域資源ブランドの競争力が
をブランド化していくことである。すなわち、一般
増し高付加価値化が進むことによって、地域経済の
企業において、強い製品ブランドを持たずして企業
活性化や地域自体の活性化が進んでいくことが期
ブランドの強化が困難なのと同様に、まずは強固な
待される。具体的には、農産物や加工品のブランド
地域資源ブランドを確立し、あるいは、既に存在す
が域外で売れることや、買物客や観光客の流入に
る強固な地域ブランドを活用しつつ、それを柱にし
よる直接的な経済効果が期待されるが、各地域資
て地域全体のブランド化につなげていくことが重要
源ブランド間の相互関係が強ければ波及効果も大
である。
きく、結果的に地域自体が活性化されることになる。
ただ、ここで注意すべきは、いかに強固な地域
そして、このような地域(経済)の活性化は、地域資
資源ブランドであっても、その強さが価格要因のみ
源ブランドの基盤として「地域性」の強化にもつな
に基因し、何ら地域性を感じさせなかったり、ある
がり、循環的な効果が期待できるのである。
いは、反対に、地域性を感じさせはするものの、
価値を担保するシステムを欠いていたり、リピート
個別地域資源のブランド化を考える
につながるだけの十分な経験的価値を生み出せて
いない場合にも、ここで言う地域資源ブランドとし
これまでの議論からも明らかなように、地域ブラ
ンド構築における最初の第1歩は、個別の地域資源
ての適格性を欠いていると言わざるを得ない。
冒頭でも述べたように、元来、ブランドというも
のは、品質を保証し、あるいは、価値の提供を約束
することによって顧客との長期的な関係を取り結ぶ
ための手段であり、その意味では、たとえそれが農
水産物であったとしても、価値担保システムはブラ
ンド構築における必須条件だといえる。
例えば、高級魚としてブランドを確立したことで
知られる「関さば」の場合、
「一本釣り(魚の疲労
度を抑え、損傷を防ぐ)
」
「面買い(計量をせず見た
だけで値決めをすることによって魚の疲労と損傷
を防ぐ)
」
「活けじめ(出荷時に血抜きをすることに
よって魚の鮮度を保つ)
」
といった品質維持と価値担
保のための仕組みをしっかりした形で有している。
だがその一方で、潮流の速い佐賀関沖に棲み付く
「瀬付き魚(一般的な回遊魚のさばではない)
」であ
るが故に、身が締まっておいしいという「産地的な
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地域ブランドを地域活性化の切り札に
図表2 地域ブランドのタイプとブランドの方向性
おいては、提供する価値の中身と提供の仕方の双
は知る人ぞ知るといった形で、首都圏を中心に1匹
方において、
「地域性」の打ち出し方が決定的に重
5,000 〜6,000 円という高付加価値の設定と維持に
要であると言える。
成功したのである。
また、図表2では、地域ブランド構築における位置
同様のことは、観光地ブランドとして不動の地位
付けの違いから、これら地域資源ブランドを「送り出
を確立した「湯布院」についても言える。1,584 m
すブランド」と「招き入れるブランド」という2 つの
の由布岳の望む盆地に位置し、全国第 3 位の湧出量
タイプに大別している。すなわち、農水産物や加工
を誇る温泉であり、隠れキリシタンの里であったと
品ブランドは、首都圏をはじめとする域外での消
いう歴史など、その特有の地域性に裏付けられなが
費を前提に作り出され、送り出されており、当該地
らも、1976 年から始まった「湯布院映画祭」などを
域に関する情報発信に寄与するとともに、地元に富
うまく活用しながら、訪れる人たちに対して、感動
をもたらす。一方、商業地や観光地のブランドは、
と経験的な価値を提供する仕掛けをつくり上げてき
域外から買物客や観光客を招き入れ、人々の経験
たのである。
や感動を生み出すとともに、地元に賑わいと富をも
ちなみに、図表 2 は、地域資源のタイプごとに
たらす。
ブランド化の方向性を示したものであるが、少なく
もちろん、地域ブランド構築の最終目標が地域の
とも、地域ブランド構築という全体的枠組みの中に
活性化にあるとするならば、これら2つのタイプの
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正当性、独自性」を有し、その「地域性」から当初
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地 域 活 性 化のカギ
図表3「人を呼ぶ地域ブランド」から「人が住む地域ブランド」へ
出所:和田充夫「ブランド価値共創」、194ページ
地域資源ブランドが有機的に連関し、ヒト、モノ、
いずれにせよ、地域資源のブランド化において、
カネ、情報が活発に行き来する状態が望ましいの
ブランディングの場としての地域の特性、すなわち、
であろうし、その行き着く先は、多くの人がそこに
自然、歴史、文化、伝統に根ざした「地域らしさ」
住むことを望む「地域」という姿があるのかも知
としての地域性の再確認、再発見、場合によっては、
れない。
(図表 3)
再構成が不可欠なのである。
最後に、地域資源のブランド化とは言うものの、
地域には十分に活用されていない、あるいは、活用
地域全体のブランド化と地域活性化に向けて
されなくなった未利用資源が多数存在するだろう。
これら未利用な地域資源は、その「凡(ありきたり)
」
以上、本稿においては、地域活性化の手法として
「負(マイナスのイメージ)
」
「廃(見捨てられた)
」と
最近注目されている地域全体のブランド化(地域ブ
いった性格 1 によってブランド化の対象とされてこ
ランド構築)の問題を取り上げ、まず基本構図とい
なかったわけであるが、それらのブランド化を促進
う形で視点や枠組みを示すとともに、その具体的な
する上でも、大きな役割を果たすのは「地域性」で
手段としての地域資源のブランド化に始まり、それ
あろう。
らを連繋、統合して地域ブランドを構築していく道
1 三井情報開発株式会社総合研究所編著「いちから見直そう!地域資源」、ぎょうせい
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地域ブランドを地域活性化の切り札に
筋(基本ステップ)
、そして、個別地域資源のブラン
「地域団体商標」の登録件数も2008 年3月末現在
ド化の方向性等について検討してきた。
で 371 件となっている。だが、現状、筆者の見ると
繰り返し強調してきたことであるが、地域全体を
ころ、多くの取り組みは、地域全体のブランド化、活
ブランド化していく試みにおいて、最も重要なことは、
性化を目指しつつも、未だに地域資源のブランド化
一連のブランディングの場でもありブランディング
といった段階に止まっていると言わざるを得ない
の対象でもある当該地域の「地域性」を、どのよう
(ただし、昨年から今年にかけて、中小企業地域資
に把握、認識し、ブランド構築のプロセスの中で、
源活用促進法や農商工連携関連二法など、立法を
その「基盤」
「核」
「象徴」として再確認、再発見、
伴う農商工連携を前提とした新たな地域ブランド
再構成していくか、ということである。
づくりの動きがあることは特筆される)
。
ところで、これまで明確な議論を避けてきた問題
改めて言うまでもなく、地域ブランドを構築する
として、地域ブランドの構築における「主体」の問
ということは、単に認証制度を定め、マークを決め
題と「地域」の捉え方の問題とがある。 ることではない。もちろん、パンフレットを作り、キャ
ラクターを決め、広告を行うことでもない。たとえ
ンドのアイデンティティを構想し、実現に向けてさ
地域団体商標の登録といえども、それらは単なる手
まざまな活動をコントロールしていく構築主体が必
段、手法にしか過ぎず、重要なことは、地域資源へ
要であるが、それは自治体(県あるいは市町村)な
の人々の期待価値を高め、継続的な関係を築き上げ
のか、商工会、商工会議所等の団体なのか、あるい
ていく上で必要な「地域らしさ(地域性)
」を見極め、
はNPOといった組織なのか。また、ブランド化の
引き出し、伝え、残していくことなのである。
対象となる「地域」とは、通常の行政圏を前提とし
ブランドは、一朝一夕にできるものではなく、まし
たものなのか、あるいは、それとは異なり、より広
てや地域ブランドはなおさらである。さまざまな関
い(あるいは、狭い)範囲なのか、といった諸問題は、
係者や要因が複雑に絡み合う中、真に地域の活性
地域ブランドが構築されていくプロセスとゴールを
化につながるような地域ブランドをいかにして構築
規定する大問題である。
していくか。今まさに、構築主体の「構想力」と「調
いずれにせよ、ブランド構築の成否は、主体的役
整力」が問われている。
割を果たす組織の意志とビジョンによって決まるし、
地域ブランドのありさまは、
「地域」の捉え方、
「地域
性」の捉え方のいかんによって変わり得るものだ、
PROFILE
ということを十分に認識する必要がある。
青木 幸弘(あおき・ゆきひろ)
1956年群馬県生まれ。78年
冒頭でも述べたように、既に少なからぬ数の自治
体が、専門の部署を設置するなどして組織横断的に
地域全体のブランド化に取り組み始めている。また、
学習院大学経済学部経営学科卒業。83年一橋大学大学院商
学研究科博士課程単位修得後、一橋大学商学部助手。84 年
関西学院大学商学部専任講師、88年関西学院大学商学部助
教授を経て、95年学習院大学経済学部経営学科教授(現職)
。
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S p e c i a l Fe a t u r e
すなわち、通常、ブランド構築においては、ブラ
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