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超高速ダイカストマシンの開発と実用例

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超高速ダイカストマシンの開発と実用例
マシンの 開発 と実 用例
超 高 速 ダイカスト
ヒオ
ヨ
す
東 芝 機 械 株 式 会 社
弘
﹂
県
○ 辻
積山
Super High
D eVe l o prlle nt
Speed Die
and Pract
宏司
Casting Machine ;
ical ApplicatiOn
TOSHIBA MACHINE CO,LTD
TOKYO,」 APAN
Its
H iroshi K itmura
O Makoto Tsuji
H iroshi Y okoyama
The defects on die castings include surface defects
and internal porosity Their countermeasures are
usually changing the tooling layout, casting con―
ditlon or die spraying_ Now we have learned s o IIle Of
the defects can be imprOved relllarkably by filling
at a speed IIlu c h higher than conventional inJectlon
speed. Introducing the newly developed real―
t i
feedback controlled super―
high― speed injection and
the precision
■ adle
lll e―
device in practical application.
1_ま えが き
ダイ カス ト鋳造 法は、量産性 、寸法精度 に優 れてい
ることや、 美麗 な鋳肌 面 か得 られ るとい う特 徴 か ら、
製 品の用途が広 く、幅広 く採 用 されて い る。 しか し、
ダイカ ス ト鋳造 品は、 内部 品質 か 安定 せ ず信頼性 が低
い とされ、 一般 的 には強度 気密性 が あ ま り要 求 され
な い範 囲 に限 られ る。 しか し最近 ては、環境 問題 に鑑
みて 自動車産業 を中心 に、製 品の更 な る軽量化 、お よ
び低 コ ス ト化 が 叫 ばれ、 ダイカ ス ト対象製 品の拡 大化
の傾 向が 強 くな って きた。
そ こで、 これ らの動 きに対 して具体 的 に何 が 出来 る
したのが超 高速射 出ダ イカス トマシ ンで あ る。
本機 は、高速応 答大流量油圧 サー ボバ ル プの リアル
タイ ム フィー ドバ ック制御 を行 うこ とで、 当社従 来機
の 2倍 の 10m/sec以 上の射 出速度能 力 を有 し、在来
鋳造 法や超 高速鋳 造法 は勿 論 の こ と幅広 い射 出動作 か
選択 て き る。 また、速度 動作 に全 く影響 され ない増 圧
装 置 を設 ける事で、安定 した昇圧制 御 も可能 として い
る。 同時 に、 安定 した超 高速鋳 造 に欠かせ な い給湯精
度 を、約 10倍 改善 した高精度給湯 装置 も開発 した。
そ こで、 これ らの開発 内容に つい て説明 し、幾 つか
の実鋳造結果 か ら超 高速 鋳造法 の効 果 を紹介 す る。
か を整理 す ると、軽量化 には製 品の超 薄 肉化 、鋳 物の
2.開 発 のね らい
アル ミ合金 化、 マ グネ化があ げ られ、低 コ ス ト化 には
ダイカ ス ト鋳造法 は、 凝 回時 間内 に溶湯 を金 型 キ ャ
ビテ イー 内 に充填 、昇圧加圧 して製 品 を作 る製法で あ
重要保安部 品や耐圧部 品のダイカス ト化、複数 部 品の
一体鋳造化、 バ リ取 りや含浸等の後処 理 レス化 、 小型
マ シンに よる大物製 品の鋳造 等 が あげ られ る。 これ ら
のニ ー ズに対 し種 々の試みが なされて い るが、数 例 を
り、充填行程 で形状 を、 昇圧加圧行程 て 内部 品質 を作
ると言われて い る。実際 に 品質 につ いて は、昇圧 力E圧
行程 であ る溶 湯 へ の圧 力有効伝達 時間 が 長 い と、 内部
1)従
除 き従来 の低速 高速 昇圧 の 3変 化 射 出方式 のダイカ
ス トマシ ンで は、 限界 があ り実現化が 困難 とされて い
欠陥量 が 減少 す る とい う報 告 も有 る。
る。 そ こで 、 これ らの幅広 いニ ー ズに応 え るべ く開発
分 、昇圧 加圧 時 間 を長 くて きることは、 内部 品質 の安
FBl充
って、短時
填 すなわ ち超高速射 出て充填 し、充填 時 間の短縮
定化 に とっては重要であ る。 また、超 高速 射 出化 に よ
り、巻込巣 やス リー プ内で形成 され た凝 固片 が微細拡
充 填 完 了時
図 1に 従来法 と超 高速法 の巻込業 の形 態 を概 念的 に
● ●
● ●
散 され、組織 の均 一化 が 図 られ、機械 的強度 、気密性
が 安定 す ることも期待 出来 る。
凝 固完 了時
瘍
●
●
●
●
示す。充填 時の両者の巣体積 は、 同 じと仮 定 して巣 の
個数 を変 えて い る。従来 法では、昇圧 加圧 時間 が充分
取れな い関係 て巣が完全 に圧 縮 され る前 に 凝 固 が完 了
《期待効果》 ‐内部欠陥の減少イ
ヒ
・ 組織の均一化
【
従来法】
以上、超高速法のね らい を記 したが、超 高速 射 出を
実現 す るには、射 出シ リンダ を急減速 して バ リ吹 きを
防止 す る減速技 術 が必要 とな る。そ こて 、短 時 間 にお
いて超 高速域 に達 した後 、充填完 了間際 に急激 な減速
0 ● 0
に圧縮 て きることを示 して い る。
● 0 ●
0 ▲︶ 0
し、超 高速 法では、 よ り長 い昇圧加圧 時 間で巣 を完全
超高速法】
【
図 1 従来法 と超高速法の巻込巣の概念
(単 位休積 あた りの巻込巣が同量 とした場合 )
が 出来 る高速応 答大流量 油圧サ ー ボバル ブ と制御装 置
の開発 が 最重要課題 とな る。 また、安定 した昇圧加圧
を可能 とす る増圧装 置 も必要 とな って くる。
3 要素開発
3_1 高速応答 大流量油圧 サーボ バル プ
1/min
100
ダイカス トマ シンて 要求 され るサ ーボバ ル プが、 如
何 に高応 答 大流量であ るか を示 すデ ‐ 夕を、 図 2に
g .。
示す。 ダイカス トマ シンは、 一般産業用 と して最 も大
瑯 ,。
流量 を必要 とし、 これは射 出動作 にお いて 、短 い 区間
0 2。
lo
ではあ るが瞬 FB5的 に膨 大 な作動油 を必要 とす ることを
意味す る。応 答性 につ いては 、流量 レベル が高 く制御
±
条件 が厳 しい最高速応 答 のパル ブが要求 され て い る。
“
口
したが つて、現状 の技術 レベル では、 ダ イカ ス トマ
開発 にあた って は、安全性 、安定生産 、悪環境下 で
の使用、 及 び メ ンテナ ンス性 を考慮 して、 以下 の事 に
留意 した。
(1)安 全 安定性 の重視 :2方 弁方式
(2)空 打 ち最大射 出速度仕様 :10m/sec以 上
(3)高 応答性 :0→ 10m/secを 2 0 msec以 下 で応答
(4)バ ル ブ 自体 の定期 メ ンテ不要
(5)作 動 油管理 が 容易で、不燃性 油対応 可
結 果 と しては、 パ ル プメーカー と共 同開発 した超 高
速射 出用 サ ーボパ ル プは、高応 答て 70001ん inの
,
=
卜
2
卜 量 Ц ヽ
シンの射 出制御 は、難 しい技術 であ るこ とが分 か る。
,
1
`
図
2
10
2, ,0
60 ,0 100 200
400
1000
位相遅 れ 90・ 時 のサポハルプの応答周 波数 Hz
産業界 の代 表 的サ ー ボバル ブ使 用状況 ')4)
m/sec
12
大流 量 を実現 した。 方法 は、高応答 て最 もllコ ンタ ミ
性 に優 れた ポイス コ イル型サ ーボバ ル プをバ イ ロ ッ ト
弁 と して使 用 し、大流量 メイ ン弁 と して は、 閉時 の リ
ー ク量 が少な く、原 点調 整が簡便 で安定性 のあ る 2方
ヨ
弁 を採用 した。パ イ ロ ッ ト弁 と して採用 したボ イス コ
イル型サ ーボバル プは、 内部 フィル ター、ノズル、オ リ
毅
8
フィス を持 たない構 造で あ り、耐 コ ンタ ミ性 では他 の
サーボバ ル ブ と比 して この構 造の違 い に起 因す る優位
ヨ
4
ミ
,
2)、
性 を有 し
また、水 ― ク リコール仕様 に も対応 で き
る。サ ーボバル プには 、多種 の方式 が あ るが、 それ ら
の特性 を表 1に 示 す。今 回採 用 したボ イス コイル方式
は、 他 と比較 して高 コス トて │よ あ るが、応 答 │■ 、安定
生産性 に最 も優 れて い る。
8
0
0
m∞
0∞
時
図
3
∞
70
間
射 出 の応 答特性
∞
,∞
llsec
図 3は 、 本 開発 サ ー ボバル プで
10m/sec設 定 の 空
打 ち射 出時 の応 答性 を評 価 す るため の シ ミュ レー シ ョ
レ仁置
嗜li点 くlう oHレ 崎欄
ン結果である。10m/secの 速度指令をステップ入力
した時 に、約 2 0 msec後 に設定速度 に到達 して い る。
この結果 は、ほ li実 測値 と一 致 した。
1
表
サ ーボ方式 と特性 比較
ルフコスト
Eコ ンタミ
ヤ菫 パ
応答性
制御 性
イスコイ
ル方式
◎
◎
◎
△
′
和フラフト方式
○
○
△
◎
ェッロ プ方式
△
O
○
△
△
◎
,イ
モタ方式〕
(ト ホ
O
O
3.2
制御装 置
本機 ,よ 、ダイカス トマ シン トー タル 制御装 置 (TO
SCAST)に よ リー括制御 されて い る。 ここで は、
射 出行程 制御 のみ につい て説明 す る。
射 出行程制御 には 、速度制御 と圧 力制御 の 2段 階 が
あ り、前段階 の速度 制御 は、 エ アー混入 を最 少限 に す
図
mm
3
杓
3
こ
設定 方法 と しては、 プラ ンジ ヤー位 置 に対 す る速度値
をポイ ン トと して入 力 し、 ポイ ン ト間 では直線 補 間 を
ヽ
10ポ イ ン トまでの入 力 を可能 と した。
位 置、速度値共 にデ ジタル 数値 入 力 と し、簡 単 に速
,
度設定波形 を作成 出来 るように した。 これ に よ り、 自
在 な加速、減速 が可能 とな り、普通 法 や最高 10m/s
超 高速 射 出設定 専 用画 面
ビ
スタ
ット
厚設
定:33皿
鋳込み
重量:5 2k
チッ
プ経:80φ
●
るス ムーズな射 出動作 で溶湯 を金型 キ ャ ビテ イー 内 に
極 力最短 時間で充填 させ るものであ る。制御装 置 へ の
行 い最大
4
3
ヽ
3
К
2
5
10
15
20
連続 鋳 造 シ ョ ッ トNo
図
5
高精 度給 湯装 置のテ ス ト結果
の超高速 法だけては な く幅広 い射 出動作 設定 が 可能 と
な った 。
充填 抵抗が時々亥J々 に 変化 す る射 出動 作 において 、
設定波形 と実動作 との偏差が最 小 とな るよ うに、 プラ
ンシヤー位置 によ る リアル タイ ムフ ィー ドバ ックを行
つてい る。 また安全性 を考慮 して、最 終 区間で 必 ず減
速 す るように、 10ポ イ ン トロの速度 上 限値 を規制 し
、安全 及 び機械破 損 の FT護 を ソフ ト的 に行 つて い る。
速 度制御 完 了後 は、後 段階で あ る圧 力制御 に切 り換
える。圧 力制御 は、 バ リ発生 を押 えて 内部 品質 を高め
るために増圧機構 を制御 す るもので あ り、鋳 造圧 力 と
昇圧 時 間を前カット
計 測値か ら学 習制御 を して い る。
別 に研 究用 として 、充填完 了か らの 時間 に対 す る鋳
造圧 力値 をポイ ン トとして入力 して、 ポ イ ン ト間は 直
線補 間を行 い、最大 7ボ イ ン トまで入 力 出来 る機械 も
対策 の 一例 と して、場 先 の通過 を電気 的 に検知 で き
るセ ンサー を金型 の ケ ー ト近傍 に 設 置 し、 その検 出位
置 を基 準 に射 出設定 波 形 を シフ トす る方法が あ る。
この 方法は理 に適 つた もの と思 わ れたが、 テス トを
実施 した結 果、以下 の問題 点が分 か つた。
(1)セ ンサ ー設 置場 所 や検 出時 の プラ ンジヤー速 度
値 に よっては、湯 先 の波 立 ち によ る検 出誤 差 が
大幅 に生 し、 給 湯誤差以上 の 誤差 とな る。
(2)悪 環境 下 ての使用 であ り、 セ ンサ ー の断線 に よ
り誤動作 が起 きる。
(3)金 F_l段 替時 の脱 着操 作 に よ る断線
7」
k多
く、特別
な メンテナ ンスが 必要で あ る。
そ こで、我 々は 違 った観 点か らこの問題 を解 決 す る
事 と した。それは 、誤差 その もの を無 くす事で あ り、
開発 中で あ る。 これは、 リアル タイム フ ィー ドバ ック
に よ り、 ダイカス ト金 型 固有の パ リ吹 き臨界 曲線 に極
絶 対 的 に給湯量 を安 定 させ る事 であ る。
力漸近 した最適昇圧 制御 を可能 に す るための もので あ
上 │ザ 、 また大 幅 に ラ ドル形状 を改 良 した。
結 果 と して は、 実 欝造 時 での給 湯精度 が ± 0
る。 図 4に 、その設定 専用画面 を示 す。
3.3
手 法 と して は、機 械 的 に ラ ドル 計 量 角度 の分解能 を
2%
高精度 給湯装 置
超 高速 鋳造 において 、給湯量 のパ ラ ツキは安定 生産
で あ った。 これは 、 当社 従来機 の精 度 が ± 2%で あ る
お よび品 質 に非常 に悪 影響 を及 ぼ す。多 す ぎ る場合 に
は、減速 が遅 れた こ と と同 して、 大量 のパ リの発 生 を
弓 き起 こ して危険で あ る。 また少な い場合 には、 減速
図 5に 、その評価の一例 として、高遠速度 6m/sec
で連続鋳造 した時の ビスケ ット厚 さの変化 を示す。
鋳造状態は、剛性 の高 い金型 と減速制御 によ り、バ
が早め に効 いた こ とと同 して、充填 不 良 とな る。
リ吹 きはほ とん ど無い状態であった。
こ とか らす る と、約
10倍 改善 され た こと とな る。
5
射 出能 力
空 打 ち時 の速度 と して 10m/secの 射 出能 力 を持 つ
超 高速 ダイカス トマ シ ンが 実現 した7Jl、 実鋳造 では溶
場 の 充填 抵抗 を考慮 した実鋳造速 度 を算 出す る必要が
あ る。 そ こで、 マ シ ン能 力線 図 (P― Q'線 図 )を 用 い
1)ダ イカス トマ シ ンの溶湯 の充 填能 力
ス リー プ内の溶湯 の充填圧 力 (P)と 充填 され る溶
場の流 量 (Q)と の関係 は次式 で表 され る。
As
Ap
―
マ
シ
雅力
優2)… ① 来
(従
)
射 出 シ リンダ断 面積
チ ップ断面 li(ス リー プ断 面積 )
射 出 シ リンダのヘ ッ ト側圧 カ
Ps
QO
PO
P。
/ 1
. ヽ
P
p
ヽ一
A
P=
R ] さ 釈
て、従 来機 との比較 を行 い、超 高速 ダイカス トマ シ ン
の射 出能 力 を、金 型特性 との関係 を交 えて検 討 す る。
O
図
Q。
8
2
4Q。
2
溶湯 流量 の 2乗 :Q' (1/sec)2
マ シン能 力線 図 (P― Q2線 図 )の 検討
空 打速 度 で充填 され る溶湯流量
射 出単動 シ リンダに よる鋳 造圧 カ
、 油圧 力 (ACC圧 )を 高 くして能 力向上 を図 るこ とも
で き る。 しか し、 この方 法 は、 エ ネル ギ ー消 費長が多
=全 奎 Ps
k、
従来機 の溶場 の充填能 力
・ 」 ① 式 で表 され るとす る
と、超 高速 マ シンで は、 Q。 が 2倍 にな る。
従 って 、超高速 マシ ンの 溶湯 の充填能 力 は、
P=全 £ Ps(11ザ
送≒))②
(超 高速 マシン能 力 )
で表 す こ とがで きる。
(2)金 型 の特性
(P)と 、 そ
(Q)と の 関係 は次式 で表 され る。
金 型 固有の特性 と して、 あ る充 填圧 力
の時の限 界 流最
させて射 出能 力 を向上 させ て い るが 、別 の方 法 と して
P=洗 `器 … ③喫特
0
γm
溶場 の比重量
g
Ag
Cg
重 力加速度
金型 の グー ト面積
ケー ト部 の流量 係数
(3)射 出能 力の検 .●
縦軸 を充填圧力 (P)、 横軸 を充填 され る溶湯流量
の 2乗 (Q2)と して① 、②、③式 を表現すると図 8
の様 にそれそれ直線で表す事 が 出来 る。①、②式 の直
線は各 マ シンの最大能力 (射 出ll,フ 開度全開時 )を 示 し
縦軸 と横軸 とに囲 まれた領域がマシンの溶湯充填可能
範囲であ る。従 って、金型固有の特性線図③ との交点
の Qを チ ップ断面積 で除 した値 が、 この金型での従
来 マシ ンおよび超 高速 マ シンの実打最高射 出速度であ
り、その差が超高速 マ シン化 による射 出能力の向上 を
示 してい る。以上の様 に本開発 は、空打 ち速度 を増大
くな り、高圧 であれ ば油 洩 れの増 大が懸念 され る。
ここで、 本 開発機 て最 も効率 の良 い超 高速射 出化 を
実現 す るため に、金型 特 性 が射 出速度 に与 え る影響 に
つ い て検 討 す る。金 型特 性 には、金 型 ケー ト面積 (Ag)
とチ ップ断 面積 (Ap)が 関係 してお り、これ らが如何 に
射 出速度 と関係 して い るか を個 々につい て調 べ る。
まず、③ 式 の金型 グー ト面積 (Ag)を 変 え ると、金
型特性 線 図の傾 きが図示 の傾向て 変化 す る。 これは 、
同 一 マ シ ン能 力 に於 いて は、グー ト面積 が大 きい と溶
湯 流量 が増 え、逆 に小 さ い と溶湯 流量 が 減 少 す る事 を
意味 す る。
次 に、 ② 式 のチ ップ断 面積 (Ap)を 変えて い くと、ダ
イカ ス トマ シ ンの能 力線 図 が図示 の方向 に移 動 す る。
これ は、金 型特性 線 図 との交点 を高溶 湯流量tE」 へ移
動 出来 る事 を意味 す るが、 Apを との様 に変 えれば増
減 す るか は、 金 型特性 線 図 の傾 きに依存 す るので 一概
には言 えな い 。 しか し、 仕 事率 (PXQ)か ら考 え ると
、金型特 性線 図 とマ シ ン能 力線 図の 交点 の Pで あ る
充填 圧 力 が (2/3)P。 の時がマ シ ンの最大能 力が発
揮 出来 る条件 であ り、 そ の ようなマ シン能 力線 図 とな
るチ ップ断 面積 を選択 すれ ば最 大溶 湯流量 を得 るこ と
が 出来 る。従 って、 効 率 の 良 い超 高速鋳 造 を行 う場合
には、 ます 目標 溶湯流 量 を定 め、 マ シン能 力線 図 か ら
判 断 して不足 していれ ば グ ー ト面積 とチ ップ断面積 の
変更 を検 討 すれ ばいい。 世 し、検討 時 には 下記項 目も
考慮 す る必 要 があ る。
1)チ ツプ断 面積 が マ シ ン仕様 範国 内で あ る
2)マ シ ン応 答性 を考慮 した高速 区間を確保 す る
3)グ ー ト速 度 とケー ト部 の焼付 、金型 の溶損 の関係
図 9に 、 これ らの検 討事例 を示 す。
I→ Π→ lIと 溶湯流量が大 きくな る
① l→ II:グ ー ト面積拡 大
② II→ Ill:チ ップ断面積拡大
(充 填圧力が2P。 '/3時 が効率良 い)
愴 √
高 速射 出速 度
角
2m/sec
L ν
ヽヽ ド
ヽ
坐
3
4111/sec
②
OL_____→
湾■拶 Q o2一
溶湯流量 の 2乗 :Q2
図
6
9
Qo'′
(1/sec)2
効 率の良 い超 高速 鋳造 の検 討
611/sec
実 鋳造 結果 と考察
ダイ カス トマ シ ンユ ーザ ー数社 の御協 力 を得 て、 現
状 生産 してい る約
10金 型 につい て、実鋳造 トライを
円
実施 した。
6.1
外 観観察
従来 法 の高速射 出速度 2m/sか ら超 高速法 の 6m/sま
での製 品外 観 は、 ほ とん との場 合、速度 の上 昇 と共 に
全体 的 に湯 しわや湯境 な どが減少 して光 沢 の有 る良 好
な鋳肌 とな る傾 向が見 られ た。 しか し、湯 しわが、従
来 問題 とされ た部位 か らは無 くな り、若 千で はあ るが
問題 とされて い ない他 の部位 に移 El」 した例 が あ った 。
これ は、 射 出高速 化 に よ り湯流れ性 が 変 わ り、最 終
充填 部 が 変化 した もの と思 われ る。従 つて 、超 高速 射
出化 に は金型 方案 も含 め た検 討 が必 要で あ る と思 われ
る。
6_2
マ ク ロ組織 観 察
図 10は 、高速 射 出速度 と巣 の状態 の関係 を示 すマ
ク ロ組 織 写真で あ る。箇所 は、 昇圧加圧 に とって最 も
悪条件 箇所 で あ る最 終充填 部 のオ ーバ ー フ ロー 近傍 で
あ る。超 高速化 に ともな い、巣 の数 が増加 す るものの
10
図
6 3
マ ク ロ組 織 に及 ぼす高速射 出速度 の影 響
ミク ロ組 織 観察
11は 、 高速射 出速 度 と凝固組 織 の関係 を示 した
ロ
ミク 組 織 写真で あ る。超 高速 射 出の方 がデ ン トライ
図
トセル組 織 が 微細化 して い る。 これ は、超 高速射 出の
充填 時 間が従来 の半 分程 度 とな り、 溶湯が よ り高 温状
態 で キ ャ ビテ イー 内に充 填 され る事 や、早期 の昇圧 加
圧 で型接触状 態 が 密 とな り、熱伝達 率の上昇 か ら凝 固
時 の 冷去
「 温度 勾配 が 若 干 な りとも急 とな り組 織 が微組
化 され た もの と思 われ る。 図 12に 、 ミク ロ組織 の粗
さ (DAS)に 及 ぼ す高速 射 出速度 の影響 を示 す。
この 結 果か らも射 出速 度 の高速 化 に ともない、急 冷
組 織 とな って い るこ とが確 認て きる。
組織 か 微細 で あ ると機 械 的強度 が 優れて い ると言 わ
れ てい る。 こ とか ら、伸 び、弓張強 さにつ い て調査 し
個 々の大 きさが速度 とともに小さ くな り、総 面積 も減
少 して い る。 これは 、超 高速 時 には葉 が微細拡 散 し、
短 時 間充填 であ るが故 に 巣 の圧縮 行程 であ る昇圧加圧
時間 を長 く取 れ、 充 分巣 を圧縮 出来 るためで あ り、逆
に従 来速度 程度 では、巣 か 微細化 出来 ず、 また圧 縮過
程 にお いて 凝 固が完 了 して 完全 に圧 縮 しきれ なか った
もの だ と思われ る。 従 つて 、超高速射 出化 に よ り、 巣
が 微細 拡散 、圧縮 され、 巣 の総 面積 が 減少 して、均 ―
化 した安定組織 とな って い る。
巣 の微細拡散 化の メカ ニ ズムについては、
・ l● 湯 のグ
ー ト流速 あ るいは グー ト流量が 関係 してい るもの と思
われ るが、今 回は確 認で きてお らず今後 の研 究 が必 要
2111/sec
で あ る。
図
11
6111/sec
ミク ロ組 織 に及 ぼす高速射 出速度 の影響
7.工 業所有 権
本開発 に関連 した工 業 所 有権 の国 内特許 出願 は 8件
で あ る。 海外 特許 は米 国 3件 ,韓 国 3件 ,が 登録 済み
で あ る。
8.結 言
∽
超 高速射 出 ダイカ ス トマ シン と高精度 給 場装 置の開
発 を行 い、 そ の有効 性 の 評価 を実鋳 造 トライ にて 実施
く
∩
した結 果 、以 下 の ことが 明 らか とな った。
1)リ ルタイムフィート
パックに よ る空 打 ち 10m/sec以 上 の射 出
能 力 を有 す る超 高速射 出ダ イカス トマ シン と、給 場精
0
図
12
2
4
6
高速射 出速度
Vsec
ロ
ミク 組織 の粗 さ (DAS)に 及 ぼ す
高速 射 出速度 の影響
度 が上02%以 下 の高 精度 給 場装 置 を確 立出来 た。
2)効 率 良 い超 高速射 出化 には 、金 型の特性 に 関係 す
るグー ト面積 とチ ップ断 面積 の検 討 が重 要 であ る。
3)湯
しわや 湯境 が減 少 す るが、場 流れ性 が 変 わ る場
合 には金 型方 案 の変更 が必 要 で あ る。
たが、 高速射 出速度差 の影響 が 認 め られ なか った。
充填 時間 の短縮 で得 られ る程 度 の 微細化 で は、機 械
的強度 の改 善 か期 待で きない もの と思 われ る。
4)巣 が微細 拡 散
圧縮 されて、巣 の総体 積 が 減少 し
―
ロ
た均 なマ ク 組 織 が得 られた。
5)凝 固組織 は 微細化 す る傾 向 が あ るが、 現時点 で は
しか し、超 高速 射 出機 は 、幅広 い射 出動 作 が で き、
注湯 か ら充填 完 了 までの 時間短縮 が可能 で あ り、 よ り
、機 械的強度 の改 善 は図れ なか った 。
6)機 械 的強度 の改 善 を考 え るには、射 出動作 全 体で
微細化 の ため の射 出条件 の検討 が必要 であ る。
6 4 新 ニ ーズの トライ
の時 間短縮 を図 り、 冷却 温度勾 配 を急激 に した凝 回組
織 の微細 化が 必要 で あ る。
7)複 数部 品 の 一 体鋳造 や 小型 マ シ ンに よ る大 物製 品
複数部 品の 一 体鋳造 トライ は、 一例 では あ るが実施
した。その 結果 としては、 高速速 度 6m/secの 条件 で
鋳造 す ると、 一 部分 を除 けばは ほ 要求 品質 を満足 す る
の鋳造 といっ た新 ニー ズ の実現化 が 、可能 とな って き
た。
ことが で きた。今後 、場流 れ性 の改善 と昇圧 加圧 条件
8)最 後 に
の見 直 して対応 可能 と思 われ る。
今 回は、在 来 金 型 にて 低 速 高速 昇圧 の 3変 化射 出
方式 の高速射 出条件 のみ を変更 して鋳造 を行 い 、上記
小型 マ シ ンによ る大物製 品の鋳造 トライ は、従来 鋳
造 では、 800ト ンマ シンで 生産 して いた 薄肉 ケー ス 2
製品 を、鋳造圧 力 を下 げて 2ラ ンク下 の500ト ンの超
結 果 を得 るこ とが で きた が、 本機 は、在 来 鋳造 法 や超
高速 鋳造 法だ けで はな く幅広 い射 出動作 が選 択 可能 で
高速射 出機 で、成形 を可能 と した。
図 13に その製 品写真 の 一例 を示 す。 この 製 品 は、
あ り、今 後 そ れ らの効果 を評価 し、 よ り安定 したダイ
カ ス ト鋳造 法 の技 術 を確 立 して い きた い と考 え る。
鋳 造 した も の で あ る。
9_参 考文献
1)岩 堀 弘昭
高速速度 7 4m/sec,鋳 造圧力 40MPaの 条件で
1 10cm l
:第 1回 ダ イカ ス トの鋳 造欠 陥 と対策
研 究部会 資料
2)田 村博 久
(1994)
:サ ー ボ弁 の基 礎的 な し くみ と課 題
油空圧技 術
(1994)8
3)佐 々木勝 美 :電 気油圧サ ーボ弁 の歴 史 と現 代
4)日 本 ムー グ (株 ):カ タ ログ NO,1000394」
5)西 直美 ,佐 々木 英 人 ,平 原 俊之 ,高 橋 庸 輔
:
鋳 物 60(1988)777
10.謝 辞
本論 文 を借 りて 、本機 の 開発 に ご支援 ご助 言 いた
だ い た皆様 に感 謝 の意 を表 します。 また、 評価 の ため
の実鋳造 トライや、論 文執 筆 にあた り資料 の ご提 供 を
い たたいたユ ーザ ー各社 の方 々に、 心 よ り御 礼 申 し上
げ ます。
図
13
中型 マ シ ンに よ る大 物 製 品 の 鋳 造例
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