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ワイン資格への挑戦

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ワイン資格への挑戦
ワイン資格への挑戦
コミック「神の雫」の影響もあり、ワインサービスの専門家としてのソムリエと
いう言葉をよく聞くようになりました。長年、ビールと日本酒を飲み続け、ワインに
はあまり興味のなかった筆者ですが、早期退職後の無聊を慰めるために、ワイン
の講座に通い始めたのがきっかけとなり、ワイン関係の資格を取得。その後、そ
の魅力にはまり、仲間づくり、ヨーロッパのワイナリー訪問と生活圏がおおいに広
がりました。
ここでは日本ソムリエ協会の資格とその受験体験記、ドイツワインの専門家資
格、そしてそこに至るまでの道筋について述べたいと思います。
■JSA 資格
1.はじめに
(社)日本ソムリエ協会の資格について
(社)日本ソムリエ協会(略称:J.S.A.)が認定するソムリエ関連の資格につい
てまず簡単に紹介します(以下、JSA 資格と呼ぶ)。JSA 資格試験は年に 1 回実
施され、8 月に1次、9 月に2次試験があります。この資格には 3 種類があり、職業
によって分けられています。ひとつはソムリエ(レストラン等の飲食業に 5 年以上
勤務のもの)、2 つ目はワインアドバイザー(酒店、ワイン講座の講師等)、そして
3 番目が職業に関係のないワインエキスパートです。筆者はもちろん3番目のワ
インエキスパートの受験となります。
試験の内容は1次試験が筆記で 100 問出題され、各問は 4 択か 5 択です。
2 次試験はヒアリングとティスティン
グで、実際にワイン 3 種類とリキュー
ル1種類をティスティングし、ブドウ
の種類、生産国などを当てます。ソ
ムリエのみ 3 次試験があり、コルクの
抜栓、接客態度の実技試験があり
ます。3 種類とも筆記、ティスティン
グの難易度はほぼ同レベルです。
1
2.受験勉強は大変
覚えなければならない項目は山のようにあります。受験勉強は筆記中心に
一般的に半年から 1 年をかけるようです。試験範囲は多岐にわたり、地理、歴史
の勉強に近いものがあります。右の写真は分かりにくいですけど、フランス・ボル
ドー地方の河に沿った地区、村のシャトーの点在図です。技術士の試験より勉
強をした記憶があります。
一方、ティスティングの準備も大変です。普段から職業でワインを扱うソムリ
エやワインアドバイザーの受験者と違い、ワインエキスパート受験者は好みで好
きなワインを飲んでいるだけなので、品種と味わいなどはあまり考えていません。
したがって、純粋に受験のためだけにいろいろなワインに触れなければならず、
個人ではかなり無理があり、ワイン教室頼みと、あとは受験者同士で何種類かを
購入して訓練することになります。毎回 1 種類を飲むのではなく、3 種類ぐらいを
比較して飲むことになるので、直近 1 カ月は毎日ワイン浸りになります。
準備したティスティング資料は例えば次のような表を各個人で自分の感覚
にあったものを作成します。ノートからの一部抜粋です。 PN、CF、CS はぶどう
の品種名です。品種ごとにその特徴を書き出し、何度も確認します。実際の記
述はもう少し詳しく書いています。
ガメイ
色の濃さ 薄く縁が紫
PN
薄い
タンニン
少ない
ある
酸味
ある
ある
香り
CF
縁に紫
ない
CS
ガーネット
シラー
メルロ
CSに類似 CSに類似
多い
強い
ない
ない
柔らかい
フルーティ 納屋の香り 青ピーマン 青臭さ残る スパイシー 青臭さ無い
3.いざ受験
受験当日は朝早く起きて、品川にある試験会場の高輪プリンスホテルへ。
会場にはすでに多くの受験者が集まっていました。会場は大きく、試験の種類
ごとに千人規模、5百人規模の会場に分かれていました。受験者は若い女性が
多く、異様な雰囲気。今は嫁入り道具にお茶の代わりにワインの資格でも持って
いくのでしょうか。
2
筆者の受験した
2005 年の1次試験は右
のような問題が出ました。
フランス語の地名、ワイ
ン名、品種名が混ざりま
すが、フランス語も慣れ
ると文が出るわけではな
いのでローマ字を読ん
でいるのと同じような感
じで読めます。ただ、内
容は細かいものが多く、
解答に苦慮しました。そ
れでも7割は取れたよう
な気がして、ご機嫌に会
場 を 出た記 憶が あ り ま
す。
試験の終わった後
は顔見知りと品川駅に
あるオイスターバーによ
問 18
次の 1~4 の中からボルドー地方の A.O.C.ワイン
の中からドルドーニュ川とガロンヌ川の間で生産さ
れる甘口ワインを 1 つ選べ。
1. Cérons
2. Entre-Deux-Mers
3. Sainte-Croix-du-Mont
4. Sainte-Foy Bordeaux
問 28
次の 1~4 のブルゴーニュ地方の A.O.C.ワインの
中から白、赤ともに生産が認められているものを 1
つ選べ。
1. Vougeot
2. Gevrey-Chambertin
3. Vosne-Romanée
4. Chambolle-Musigny
問 29
次の 1~4 の中から正しいものを 1 つ選べ。
1. Chambertin は Chambertin-Clos-de
-Bèze を名乗り販売ができる。
2. Rosé des Riceys は Pinot Meunier を
100% 使用しなくてはならない。
3. Champagne のグランクリュ Cramant は
Montagne de Reims 地区に属している。
4. Crus Beaujolais で最も生産量が多いのは、
Brouilly である。
って白ワインと牡蠣を食
しながら答え合わせを行い、一喜一憂。2次試験は 1 次試験合格者だけが約1ヶ
月後に受けられます。幸いにも 1 次試験に合格し、2 次試験に臨みました。当日、
試験の前にちょっと上がってしまい
席を間違え、大変恥ずかしい思い
をしました。
このときに出題されたワインは
4種。ドイツ・ラインガウ地方の白(品
種はリースリング )、米国カリフォル
ニア州ナパの赤(品種はピノノアー
ル)、フランス・ボルドーの赤(品種
3
はカベルネソーヴィニヨン)、ワイン以外はブランデーでした。なぜかワインは全
部当てたのにブランデーを間違えてしまいました。ドイツの白は当たった人があ
まりいなかったようです。
右の写真はブラインド・ティスティングのイメージです(本試験ではなく、講
習会にて撮影したもの)。テーブルに並んだワインをながめ、色、香りで品種の
目安を付け、味わいで確認します。普段はわかっても試験では緊張して、最初
に思い浮かんだ品種名がだんだんと時間がたつにつれ分らなくなってきます。
最後はパニックになります。ティスティングは本当に難しいものです。
4.合格、上位の JSA 資格
発表は合格証が送付されてきます。何歳になっても試験に合格するのはう
れしいもので、よしさらに精進しようという気持ちになります。なお、JSA 資格には
上位の資格としてシニアソムリエ、シニアアドバイザー、シニアエキスパートが用
意されています。受験資格は JSA 資格取得後3~5 年が経過した時点からです。
■ドイツワインの資格
JSA 認定の資格以外にもさまざまなワイ
ン関連の資格がありますが、ドイツワインに関
しては日本ドイツワイン協会連合会が認定す
るドイツワインの文化と知識に関する専門家
資格(ケナーといいます)があります。そのとき
の体験記を「ドイツワイン資格試験で全国 4
位」に述べましたので、そちらをご覧ください。
■最も難しいワインの資格
今まで述べた資格は国内資格ですが、国際的にはアメリカ、イギリスの資格
があり、そして世界で最も難しい資格としては マスター・オブ・ワインというのがあ
ります。これはイギリスの資格で、その難しさは日本の JSA 資格を 10 とするとシニ
ア JSA は 15、マスター・オブ・ワインは約 10 倍の 100 といわれています。保持者
は全世界で数年前に 250 人、アジアは 0 人でした(2009 年の段階では少し増え
4
て 280 人、アジアでは香港在住の韓国人が 1 人取得したという話を最近聞きまし
た)。
ソムリエはサービス業ですが、このマスター・オブ・ワインはサービス業の人
ではなく、たとえばワインのコンクールで数時間の間に 100 本オーダーのティス
ティングを行う、あるいはワインの品質を保証する味覚試験を行う、あるいはワイ
ンの評論などの分野で活躍します。ティスティングの力量だけではなく醸造学に
明るく、ワインに関する論文も書くといった学術的な力もあります。まさに世界トッ
プの資格です。
資格を得るための受験条件は厳しく、2 年間の教育セミナーを受講し、卒業
しなければなりません。お金と時間と学力と、そして鋭い味覚感覚を持ち合わせ
ているごく一握りの人が挑戦できる資格です。日本では堀賢一氏(ワインジャー
ナリスト)、児島速人氏(元 JAL の空飛ぶソムリエと言われた方、ワインスクール校
長)が、この資格に最も近いといわれています。
よく TV で話題になるソムリエの田崎氏とは
違う世界で、その違いはエベレスト登山とオリン
ピックにたとえられます。どちらも厳しい鍛錬の
上で得られる栄光ですが、ワインコンクールの優
勝者はオリンピックのメダリストに似た華やかな
世界です。ソムリエならだれでも参加でき、勝ち
抜いた暁にはマスコミから注目され、何年度の
チャンピオンとして讃えられます。一方、エベレ
ストは多くの登山者が目指しますが、挑戦できる
人は選別され、世間の耳目もあまり集まりません。でも、その世界は大変厳しい
です。そして、彼らの著作は本格的なものが多く、ソムリエが書く料理の写真など
が入った華やかな本ではなく、地味でかつ造詣の深い本が多いです。
5
********************************
豆知識
Q: ワインの保管方法で瓶を寝かせるのはなぜですか?
A: 瓶を寝かせるのはコルク栓を乾燥させないためです。乾燥すると酸素が入り
酸化が進むといわれています。(あと、栓を抜きにくくなりますね)。
すぐ飲む、デイリーなワインは(何年も置くわけでないので)立てておいても良
いと思います。
なお、栓を抜いた後は立てておくのが良いです。これは液面を出来るだけ空
気に触れさせない
ようにして、酸化を遅らせるためです。
Q:
気軽に飲めるワインで美味しいと評判のものがありますか。
A: 気軽に飲めるワインで美味しいものを見つけるのは結構むずかしいですね。
よく月に3本ぐらい頒布される金賞受賞というのが広告で入っていますが、あ
れなどは良いかもしれません。
(金賞受賞は実は安いワインです。高く、ある程度評価の定まったワインはそ
もそもコンクールに応募しません)。
よく参考にする、「家庭で飲むワインベスト10」(日経新聞)という記事がありま
すので、ネットで検索してみてください。
なかなか手に入らないワインばかりですが、この中のカリフォルニアワインの
「カレラ」は手に入りやすく、赤も白も非常に美味しいです。お酒のスーパー
「やまや」で売っています(「やまや」が輸入しているワインです)。
********************************
6
ドイツワイン資格試験で全国 4 位
昨年(2008 年)、ドイツワインの資格試験「上級ケナー」を上位で合格しまし
た。この資格試験は「ケナー」と「上級ケナー」の 2 種類があり、主催元は日本ド
イツワイン協会連合会です。試験は年 1 回 10 月に開催され、受験資格はケナー
の方は誰でも可ですが、上級ケナーはケナー資格者のみとなります。
難しさの程度ですが、J.S.A.の資格よりは範囲が狭い分覚えることは少ない
ですが、内容が深く、ソムリエ資格者でもこの資格向けにかなり準備をしないと受
かりません。試験の方法は筆記と試飲があり、筆記は 60 問、試飲は 5 種類のワ
インのブドウ品種、とその栽培地域、料理との相性を答えます。例えば、筆記の
問題は次のようなものが出ます。
―――――――――――――――――――――
①Liebfraumilch はドイツワイン 13 生産地域のうちライン川沿いの特定 4 地域の
みに生産が認められている。そのすべての地域を解答欄に記入しなさい。(ドイ
ツ語で)
②Badisch-Rotgold は Spätburgunder と他の品種を一緒に圧搾し醗酵させたもの
です。その品種は次のどれですか?(選択)
―――――――――――――――――――――
たぶん、さっぱりわからないと思います。普通のソムリエでもマニアックすぎてわ
かりません。
一方、試飲はあらかじめ白 6
種類、赤 3 種類が指定されていま
す。どの品種も栽培地域によって
香り、色、味わいが微妙に異なり
ますが、その違いを見分けるのは
かなり難しいです。試験では 5 個
のグラスに注がれているワイン を
40 分で当てます。今回の課題は
極めて判別の難しい種類が出て、
7
かなりの受験者が外しました(意図的に引っかけたそうです)。私も最後まで迷っ
て結果的には外してしまいました(当たれば優勝だったかも)。
**********************************
今回は上級ケナーを 4 位で合格し、商品をいただきました(写真)。優勝者
はドイツのワインアカデミーで 2 週間の研修とワイナリー訪問に招待されます(実
は狙っていたのですが、10 月半ばはリーマンショックで持株が大暴落したため、
勉強をする気力が失せてしまい、やっと受験したありさまです。
この資格はマイナーですが、この資格を取るメリットとしては、ドイツワイン愛
好会の飲み会で大きい顔ができること、ドイツへ行くとワイナリーで厚遇される(ら
しい)、そして女性にもてる(ような気がする)、などです。セカンドライフの楽しみ
方の一つとして、趣味の領域の資格取得はたいへん有意義なもの、と思います。
若い友人(男女とも)が沢山できることもあり、人生を豊かにすることうけあいです。
写真は認定証と賞品のワイン、バッチ、ちなみに右側のバッチはソムリエバッチ
(正確にはワインエキスパート)です。
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ワインエキスパートへの道程
1.最初の仲間と研さん
常陽芸文センターのワイン入門講座に入ったのは、早
期退職をしてすぐでした。会社勤めとは異なる今までにない
新鮮な気持ちで半年間の入門講座を受講し、講座も終わる
ころ、もう少し勉強しようという話が受講者の中から自然に持
ち上がりました。ワイン教室に同時期に入門したメンバーはそれまでの経験(飲
んでいた量)に違いはあるものの、知識は似たり寄ったりなので、さらに勉強とワ
インを楽しむことを目標にワイン会を 1、2 カ月に 1 回程度、幹事持ち回りで開く
ことになりました。
毎回のテーマは幹事一任で、同じぶどう品種のワインを違う地域のものと飲
み比べる、逆に同一地域の異なるぶどう品種を比べる、あるいはぶどう品種を当
てるブラインド・ティスティングなど、真面目な飲み会となりました。おおよそ4年ぐ
らい続いたあとは断続的に講座の先生の知人がチーフソムリエを務めるレストラ
ンに赴き、フォーマルな場を楽しむことになりました。訪れたところは恵比寿の
「ジョエル・ロブション」、銀座の「ロオジェ」、世界ソムリエ大会日本代表ソムリエ
佐藤陽一氏の「マクシヴァン」などに行きました。このうち最初の 2 か所がその後
ミシュランの 3 つ星に選ばれたのは驚きでした。ちなみに 2009 年の 3 つ星は 11
店ですが、フランス料理はこの 2 店を含む 3 店です。
2.資格取得へ
何事もそうですが、初心者のみであるとなかなか物事が発展しません。そこ
で勉強会では講師の先生と(先生が仕事などで不在の場合を考え)、 JSA の資
格(「ソムリエ資格への挑戦」参照)を持った方(女医さん)に最初から参加してい
ただき、いろいろと指導をしてもらうことになりました。そのためか、次々と同期入
門者の中から JSA 資格を取る人が出てきました。仲間にレストラン勤務者がいて、
資格取得に意欲があったこともいい刺激でした(その後彼はワインバーのオーナ
ーになりました)。
9
筆者も 2002 年に入門し 2005 年に JSA 資格を取得できました。資格をいっ
たん取ると自信にもつながり、2006 年にはワインエキスパートのコンクールにも
参加しましたが、これは全く歯が立ちませんでした。このとき水戸会場の隣席で
参加した方(勉強会で指導してくださった方)が、全国準優勝という輝かしい成
績を収めました。なお、講座の先生は日本ソムリエ協会の常務理事で、ドイツワ
インコンクールで世界第 4 位を獲得した飛田先生です(水戸駅前のワインバー
「ヴァー・ナ・バン・ピノ」のオーナー、兼エスポアとびたオーナー)。この御二方か
ら薫陶を受けたわけで、あらためて水準の高い指導を受けていたことを認識いた
しました。
このあとは 2007 年に日本ドイツワイン協会連合会主催のドイツワインのケナ
ー(専門家)、2008 年に同じく上級ケナーの資格を取りました。上級ケナーを取
得したときの模様を「ドイツワイン資格試験で全国 4 位」に再録いたしましたので
ご覧ください。
3.その後の活動など
どのようなホビーもそうですが、ワインもだんだんと分かってくると誰かにそ
の楽しさを教えたくなるようです。ワインの資格を取ったことがきっかけになって、
いろいろなグループでワインの話をしてみたいと思っていると、簡単な講習会を
開く機会が出てきました。以下に、その一端をあげてみます。
(1)NPO 法人なかなかワーク 総会 2005 年 5 月 28 日(土) 勝田ワークプラザ
この時はまだ資格を持っていませんでしたが、NPO 総会でのワイン講演会の
アレンジをやって
みました。同期でワインバー<アグレアブル>のオーナーになった清水さん
を招き、講演会を企
画し、抜栓などの補助を務めました。
(2)NPO 法人 ITC 茨城
総会 2006 年 5 月 13 日(土)
ユードム会議室
異文化に触れてと題し、資格の話やワインの選択について話をしました。通常
の総会では IT
技術の話がメインなため、受講者の方はだいぶ新鮮な感じを受けたようでした。
(3)日本経営士会茨城県支部 例会
2006 年 10 月 21 日(土) 勝田商工会議
10
所
例会で講話をすることになり、上記の(2)の話を修正して 2007 年問題とワイン
について話をして
みました。どのあたりが分かりにくいかの感触が得られてきました。
(4)日本経営管理協会茨城支部 例会
2007 年 1 月 10 日 大観荘
上記の(3)からワインの部分を抜き出し、話をまとめてみました。そのときのレ
ジメに少し読み
やすくするための言葉を追加し、資料(「ワインの話」)として掲載しましたので
参考までにご覧く
ださい。
(5)同 例会 2009 年 4 月 25 日 いこいの村涸沼
この ときはワインを飲み
ながらの話になりました。や
はり実際にワインは見て・
飲んで、の方が話も分かり
やすくなる、と言う貴重な経
験をしました。右はそのとき
の写真です。この時は赤、
白を各 2 本ずつ(価格合計
10,000 円)用意し、約 10 名
参加者で行いました。そのときの資料(「シニア向けミニワイン講座」)も掲載しま
したので参考までにご覧ください。
以上、ワインエキスパートの資格を取るまでとその後についてふり返ってみまし
たが、これからも上位の資格への挑戦とワインの楽しさを広めていく活動を続け
て行きたいと考えています。
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2007.1.10
日本経営管理協会茨城支部例会 資料
ワインの話
1.JSA の資格・・・・・・ J.S.A.すなわち(社)日本ソムリエ協会が認定する資格
・この資格には 3 種類があり、ひとつはソムリエ(レストラン等の飲食業)、 2 つ
目はワインアドバイザー(酒店、ワイン講座の講師等)、そして 3 番目が職業に関
係のないワインエキスパート。
・試験の内容は 1 次試験が筆記で、2 次試験はヒアリングとティスティング。ソム
リエのみは 3 次試験で抜栓がある。筆記、ティスティングの難易度はほぼ同レベ
ルである。
2.ワイン購入の仕方・・・・・・普段飲むワイン:1000~2000 円前後で美味しいの
を見つける方法。
・ラベルで判断する。フランスは AOC の表記。ドイツはキャップに VDP(わしの
マーク)がある。
・国別ではフランスは高い。カリフォルニア、チリ、ニュージーランド、オーストラ
リアがお勧め。
3.ワイン法と格付け
・各国にワインの法律がある。基本は EC ワイン法。日本にはこの種の法律は
ない。
・ワインの種類を質で上級と日常の 2 つに分けている。上級は産地を限定する
地域限定ワインで、日常は地酒、テーブルワインという。これらは購入時にラベ
ルで判断できる。
・ワイン法での上級ワインのラベル記述
フランス:AOC、イタリア:DOCG、ド
イツ:QmP
・分かりにくくさせているもの:ワイン法とは別に各国、各地域でブランド戦略の
格付けがある。
・代表的な格付け:
*フランス(ボルドー:メドック、サンテミリオン等地区ごとに定まっている)
メドック格付け(1855 年パリ博で約 2000 シャトーの中から1~5 級を格付
け。マルゴーなど)
12
*ドイツ VDP(ハウデーペー:ドイツ高品質醸造家協会) ドイツ全体の 4%
(300 社)が参画。
4.レストランでのマナー
・ホストティスティングでは「ブショネ」(コルク病)以外は基本的に OK を出す。
感想はいわない。
全てソムリエにお任せ(ソムリエはサーバント)がよい。ただし、赤か白、赤な
ら軽いか重いか(渋み)、白なら、爽やかかコクがあるか、の指定は必要(と思う)。
・ワインの価格は料理と同じぐらいがよい。お店の価格は卸の2~3 倍(日本は
比較的安価)。
・自分ではワインをつがない(ソムリエがつぐ)。 お互いに注し注され、の世界
ではない。
5.料理との組み合わせ
・料理の国にあわせる。パスタにはイタリアワインなど。 高級ワインは家庭に
はなじまない。
・色に合わせる。赤身の刺身に赤ワイン(軽いもの)など。
6.味わい方
・香り 爽やかなフルーツやブドウの香り、熟成香、複雑な官能の香りを楽しむ。
・ワインは高ければ高いほど美味しい(美味しさが分かれば)。 意識して訓練
して数年かかる。
7.終わりに
・女性と飲む機会が増える。話題が豊富でないとだめ。
・日本酒より 人生を豊かにする 様に感じる。(ワインパーティ、海外ワイナリ
ー訪問など)。
13
2009.4.25
日本経営管理協会茨城支部 資料
シニア向けミニワイン講座
==ワインの勧め==
1.健康とワイン
◆フレンチパラドックス
1992 年、フランスのボルドー大学の科学者セルジュ・レヌーが、「フランス、ベル
ギー、スイスに住む人々は、ほかの西欧諸国の人々よりもチーズやバターといっ
た乳脂肪、肉類、フォアグラなどの動物性脂肪を大量に摂取しているにもかかわ
らず、心臓病の死亡率が低い」という説を打ち出し、彼らが日常的に飲んでいる
赤ワインに着目。人間を始めとする動物が、赤ワインに豊富に含まれる「ポリフェ
ノール」を摂取すると、動脈硬化や脳梗塞を防ぐ抗酸化作用、ホルモン促進作
用が向上すると発表した。
◆最近の説
スーパー 300 万件のレシート調査 その分析結果:ワインを飲む人は鳥肉、植物
オイル、低脂肪
を好む。ポリフェノールではなく食べ物の好みが影響。
◆アルコールと健康
1 日 30cc のアルコール
日本酒で 1 日 0.5~1 合が
よい。
◆地中海式ダイエット
地中海沿岸の食習慣 オリーブオイル文化圏
次の図はハーバード大作成。<WHO>、<FAO>推薦。 (出典:小島速人 ワイ
ンの教本 2007)
14
15
2.ワインの選び方
飲酒ライフの幅を広げよう
◆どういうワインを買うか
・フランスワイン:赤:料理との組み合わせ
ボルドー(メドック:1 級から 5 級 60 シャトー)、サンテミリオン他)、ブルゴ
ーニュ、
シャンパーニュ、ロワール、ラングドック他
・ドイツワイン:白 終戦 50 年時のエピソード 100 年前世界最高峰のワイン
・イタリアワイン: 生産量はフランスと互角、
・チリ、NZ、カリフォルニア、オーストラリア
◆料理との組み合わせ(マリアージュという)
・無限の組み合わせ
・通説:肉に赤、魚に白
赤いものに赤、白いものに白
牡蠣にシャブリ(シャルドネという品種)
・その土地の料理とワインが一番相性いい。では和食に会うものは何か⇒日
本のワイン!
・ワイン単独でもおいしいものはあるか:
ドイツワイン 白、甘口 暑い日に冷やして飲むモーゼルワインは最高。
・年をとると味覚が落ちるが、トータルの雰囲気を味わう。
3.ティスティング
◆ブドウの品種にはどういうのがあるか
・約 60 系統あるが、ワインになるものはほぼ1種類:ヨーロッパ系のヴィテス・ヴ
ィニフェラ
・このヴィテス・ヴィニフェラには約 3,000 種類の品種がある。
(注)米国系、
野生系もある。
・主要品種: (白) シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、シュナン・
ブラン、セミヨン
(赤) カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノアール、シラー
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◆主な品種の味わい
◆抜栓
ソムリエナイフを使う。
◆ティスティングの方法
ティスティンググラス:ISO 認定の INAO グラスを使用する。
色、香り、味わい
4.本日のワインの紹介
白:イタリア(辛口)、ランク IGT(テーブルワイン)
白:ドイツ(中甘口)、ランク カビネット
⇒ 誰が飲んでもおいしいワイン
赤:フランス(ブルゴーニュ)、ランク AOC ブルゴーニュ
赤:フランス(ボルドー)、ランク AOC
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