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野村ホールディングス株式会社 最終指定親会社及び子法人等の 業務
最終指定親会社及び子法人等の 業務及び財産の状況に関する説明書類 【2015 年3月期】 この説明書は、金融商品取引法第57条の16の規定に基づき、 特別金融商品取引業者である野村證券株式会社及び 野村ファイナンシャル・プロダクツ・サービシズ株式会社の 全ての営業所又は事務所に備え置き、公衆の縦覧に供するために作成したものです。 野村ホールディングス株式会社 目 次 頁 I.最終指定親会社の概況及び組織に関する事項 ……………………………………………………………… 1 1.商号…………………………………………………………………………………………………………… 1 2.最終指定親会社の指定を受けた日………………………………………………………………………… 1 3.沿革及び経営の組織………………………………………………………………………………………… 1 4.株式に係る議決権保有数の上位10位までの株主の氏名又は名称並びにその株式に係る保有数 及び総株主の議決権に占める当該株式に係る議決権の数の割合……………………………………… 4 5.資本金の額 ………………………………………………………………………………………………… 4 6.役員の氏名又は名称 ……………………………………………………………………………………… 4 7.事業の内容 ………………………………………………………………………………………………… 5 8.本店又は主たる事務所の名称及び所在地………………………………………………………………… 5 9.対象特別金融商品取引業者の商号、登録年月日及び登録番号並びに届出日…………………………6 II.最終指定親会社及びその子法人等の概況に関する事項…………………………………………………… 7 1.最終指定親会社及びその子法人等の主要な事業の内容及び組織の構成……………………………… 7 2.最終指定親会社の子法人等に関する事項………………………………………………………………… 8 III.最終指定親会社及びその子法人等の業務の状況に関する事項 ………………………………………… 10 1.直近の事業年度における業務の概要……………………………………………………………………… 10 2.直近の三連結会計年度における業務の状況を示す指標 ……………………………………………… 13 IV.最終指定親会社及びその子法人等の直近の二連結会計年度における財産の状況に関する事項……… 13 1.連結財務諸表 ……………………………………………………………………………………………… 13 2.借入金の主要な借入先及び借入金額…………………………………………………………………… 140 3.保有する有価証券(トレーディング商品に属するものとして経理された有価証券を除く。)の 取得価額、時価及び評価損益 …………………………………………………………………………… 141 4.デリバティブ取引(トレーディング商品に属するものとして経理された取引を除く。)の契約 価額、時価及び評価損益 ………………………………………………………………………………… 141 5.最終指定親会社及びその子会社等が二以上の異なる種類の事業を行っている場合の事業の種類 ごとの区分に従い、当該区分に属する営業収益、経常利益又は経常損失及び資産の額として算出 したもの …………………………………………………………………………………………………… 141 6.連結財務諸表に関する会計監査人等による監査の有無……………………………………………… 141 7.連結自己資本規制比率及び経営の健全性の状況……………………………………………………… 142 V.報酬等に関する事項………………………………………………………………………………………… 204 1.報酬の決定に関する主要な機関等……………………………………………………………………… 204 2.報酬の体系………………………………………………………………………………………………… 205 3.リスク管理との整合性及び業績との連動性…………………………………………………………… 207 4.当期の報酬の種類及び支払総額………………………………………………………………………… 207 5.その他……………………………………………………………………………………………………… 207 I. 最終指定親会社の概況及び組織に関する事項 1.商号 野村ホールディングス株式会社 2.最終指定親会社の指定を受けた日 2011年4月22日(対象特別金融商品取引業者:野村證券株式会社) 2013年12月24日(対象特別金融商品取引業者:野村ファイナンシャル・プロダクツ・サービシズ株式会社) 3.沿革及び経営の組織 (1)会社の沿革 年月 1925年12月 1926年1月 1927年3月 1938年6月 1941年11月 1946年12月 1948年11月 1949年4月 1951年6月 1960年4月 1961年4月 1961年10月 1964年3月 1965年4月 1966年1月 1968年4月 1969年9月 1981年3月 1981年7月 1989年4月 1990年2月 1993年8月 1997年4月 1998年3月 1998年12月 沿革 株式会社大阪野村銀行の証券部を分離して、当社設立。 公社債専門業者として営業開始。(本店:大阪府大阪市) ニューヨーク駐在員事務所を設立。 国内において、株式業務の認可を受ける。 わが国最初の投資信託業務の認可を受ける。 当社の本店を東京都に移転。 国内において、証券取引法に基づく証券業者として登録。 東京証券取引所正会員となる。 証券投資信託法に基づく委託会社の免許を受ける。 野村證券投資信託委託株式会社(1997年10月、野村投資顧問株式会社と合併し社名を野村アセ ット・マネジメント投信株式会社に変更。2000年11月、野村アセットマネジメント株式会社 に社名変更)の設立に伴い、証券投資信託の委託業務を営業譲渡。 香港において、ノムラ・インターナショナル(ホンコン)LIMITEDを証券業現地法人として設立。 当社の株式を東京証券取引所・大阪証券取引所・名古屋証券取引所に上場。 ロンドン駐在員事務所を設立。 当社の調査部を分離独立させて、株式会社野村総合研究所を設立(1988年1月、野村コンピュ ータシステム株式会社と合併)。 当社の電子計算部を分離独立させて、株式会社野村電子計算センターを設立(1972年12月、野 村コンピュータシステム株式会社に社名変更。1988年1月、株式会社野村総合研究所と合併 し社名を株式会社野村総合研究所に変更)。 改正証券取引法に基づく総合証券会社の免許を受ける。 アメリカ、ニューヨーク市において、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルInc. を証券業現地法人として設立。 イギリス、ロンドン市において、ノムラ・インターナショナルLIMITEDを証券業現地法人とし て設立(1989年4月、ノムラ・インターナショナルPLCに社名変更)。 ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル Inc.、ニューヨーク証券取引所会員となる。 アメリカ、ニューヨーク市において、ノムラ・ホールディング・アメリカInc.を米州持株会 社として設立。 オランダ、アムステルダム市において、ノムラ・アジア・ホールディングN.V.をアジア持株 会社として設立。 野村信託銀行株式会社設立。 株式会社野村総合研究所のリサーチ部門を当社に移管し、金融研究所設立。 イギリス、ロンドン市において、ノムラ・ヨーロッパ・ホールディングズPLCを欧州持株会社 として設立。 改正証券取引法に基づく総合証券会社として登録。 ― 1 ― 年月 2000年3月 2000年7月 2001年2月 2001年10月 2001年12月 2001年12月 2003年6月 2004年8月 2006年3月 2006年4月 2007年2月 2007年10月 沿革 野村アセット・マネジメント投信株式会社(2000年11月、野村アセットマネジメント株式会社 に社名変更)を連結子会社とする。これに伴い株式会社野村総合研究所が持分法適用関連会社 となる。 野村バブコックアンドブラウン株式会社を連結子会社とする。 株式会社ジャフコを持分法適用関連会社とする。 会社分割により証券業その他証券取引法に基づき営む業務を野村證券分割準備株式会社に承 継させ、持株会社体制に移行。これに伴い、社名を野村ホールディングス株式会社に変更(同 時に野村證券分割準備株式会社は社名を野村證券株式会社に変更)。 当社がニューヨーク証券取引所に上場。 株式会社野村総合研究所が東京証券取引所に上場。 当社および国内子会社14社が指名委員会等設置会社へ移行。 野村リアルティ・キャピタル・マネジメント株式会社は、野村土地建物株式会社(以下「野 村土地建物」)からファシリティ・マネジメント業務を会社分割により承継し、同時に商号を 野村ファシリティーズ株式会社に変更。 ジョインベスト証券株式会社が証券業登録。 野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリー株式会社設立。 インスティネット社を連結子会社とする。 株式会社プライベート・エクイティ・ファンド・リサーチ・アンド・インベストメンツ設立。 2008年10月 リーマン・ブラザーズのアジア・パシフィックならびに欧州・中東地域部門の雇用等の承継。 2009年11月 2011年5月 野村證券株式会社がジョインベスト証券株式会社を吸収合併。 野村土地建物を連結子会社とする。これに伴い、野村不動産ホールディングス株式会社が連 結子会社となる。 2013年3月 野村不動産ホールディングス株式会社を持分法適用会社とする。 2015年3月末現在 連結子会社等(連結子会社および連結変動持分事業体)の数は1,003社、持分法適用会社数は 15社。 ― 2 ― (2)経営の組織 2015 年 4 月1日現在の組織図は以下のとおりであります。 ― 3 ― 4.株式に係る議決権保有数の上位10位までの株主の氏名又は名称並びにその株式に係る保有数及び総株主の議決権に 占める当該株式に係る議決権の数の割合 2015年3月31日現在 氏名または名称 保有株式数 議決権割合 千株 % 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 148,073 4.12 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 145,364 4.04 49,865 1.39 46,849 1.30 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口5) 41,992 1.17 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口1) 41,966 1.17 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口7) 41,815 1.16 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口6) 41,747 1.16 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口3) 41,340 1.15 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口2) 41,210 1.15 ザ バンク ステート 505234 オブ ニューヨーク ストリート バンク メロン ウェスト エスエー エヌブイ クライアント 10 トリーティー 5.資本金の額 594,493 百万円 6.役員の氏名又は名称 取締役 役 職 (2015年7月1日現在) 名 氏 名 常勤・非常勤の別 注(1) 取締役のうち、坂根正弘、草刈隆郎、藤沼亜起、兼元俊德、 取締役会長 古 賀 信 行 常勤 木村宏、クララ・ファースおよびマイケル・リムは会社法 取締役 永 井 浩 二 常勤 第2条第15号に定める社外取締役であります。 〃 吉 川 淳 常勤 (2) 当社は指名委員会等設置会社であります。委員会体制 〃 鈴 木 之 常勤 〃 デイビッド・ベンソ ン 〃 坂 根 正 弘 非常勤 〃 草 刈 隆 郎 非常勤 〃 藤 沼 亜 起 非常勤 〃 兼 元 俊 德 非常勤 〃 木 村 宏 〃 クララ・ファース 〃 マイケル・リム 非常勤 裕 につきましては次のとおりであります。 常勤 指名委員会 委員長 古賀 信行 委員 坂根 正弘 委員 草刈 隆郎 委員長 古賀 信行 非常勤 委員 坂根 正弘 非常勤 委員 草刈 隆郎 委員長 藤沼 亜起 委員 兼元 俊德 委員 木村 宏 委員(常勤) 鈴木 裕之 報酬委員会 監査委員会 ― 4 ― 執行役 役 職 名 氏 名 代表権の有無 常勤・非常勤の別 代表執行役 グループCEO 永 井 浩 二 有 常勤 代表執行役 グループCOO 吉 川 淳 有 常勤 執行役 ホールセール部門CEO 尾 崎 哲 無 常勤 森 田 敏 夫 無 常勤 渡 邊 国 夫 無 常勤 永 松 昌 一 無 常勤 柏 木 茂 介 無 常勤 執行役 営業部門CEO 執行役 アセット・マネジメント 部門CEO 執行役 コーポレート 統括 執行役 財務統括 責任者(CFO) 7.事業の内容 当社および当社の連結子会社等(連結子会社および連結変動持分事業体、2015年3月末現在1,003社)の主たる 事業は、証券業を中核とする投資・金融サービス業であり、わが国をはじめ世界の主要な金融・資本市場を網羅す る営業拠点等を通じ、お客様に対し資金調達、資産運用の両面で幅広いサービスを提供しております。具体的な事 業として、有価証券の売買等および売買等の委託の媒介、有価証券の引受けおよび売出し、有価証券の募集および 売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱い、自己資金投資業、アセット・マネジメント業およびその他の証券業な らびに金融業等を営んでおります。なお持分法適用会社は2015年3月末現在15社であります。 8.本店又は主たる事務所の名称及び所在地 (1) 国内の主要拠点 当社本社(東京) 野村證券株式会社 本支店(計 159 店:東京都 35 店、関東地方(東京都を除く)37 店、北海道地方 5 店、東北地 方 9 店、北陸地方 4 店、中部地方 16 店、近畿地方 28 店、中国地方 9 店、四国地方 4 店、九州・沖縄地方 12 店) 野村アセットマネジメント株式会社(東京、大阪、福岡) 野村信託銀行株式会社(東京、大阪) 野村ファシリティーズ株式会社(東京) 野村ファイナンシャル・プロダクツ・サービシズ株式会社(東京) (2) 海外の主要拠点 ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル Inc.(アメリカ・ニューヨーク市) ノムラ・インターナショナル PLC(イギリス・ロンドン市) ノムラ・インターナショナル(ホンコン)LIMITED ノムラ・シンガポール LIMITED インスティネット Inc. (アメリカ・ニューヨーク市) ― 5 ― 9.対象特別金融商品取引業者の商号、登録年月日及び登録番号並びに届出日 (1) 商号 ①野村證券株式会社 ②野村ファイナンシャル・プロダクツ・サービシズ株式会社 (2) 登録年月日及び登録番号 ①2007年9月30日 関東財務局長(金商)第142号 ②2012年10月10日 関東財務局長(金商)第2665号 (3) 届出日 ①2011年5月13日 ②2013年11月25日 ― 6 ― II.最終指定親会社及びその子法人等の概況に関する事項 1.最終指定親会社及びその子法人等の主要な事業の内容及び組織の構成 <主要な関係会社> (国内) 野村證券(株)(対象特別金融商品取引業者) 営 業 部 門 他 他 ィ ル デ <主要な関係会社> (国内) 野村アセットマネジメント(株) ッ ー 野 村 ホ マ ネ ア ジ セ メ ン ト ト ・ 部 門 ホ ル セ ー ( 最 終 指 定 親 会 社 <主要な関係会社> (国内) 野村證券(株)(対象特別金融商品取引業者) 野村ファイナンシャル・プロダクツ・サービシズ(株)(対象特別金融商品取引業者) ー ン グ ス 株 式 会 社 ル 部 門 ) そ の 他 (海外) ノムラ・ホールディング・アメリカ Inc. ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル Inc. ノムラ・アメリカ・モーゲッジ・ファイナンス LLC インスティネット Incorporated ノムラ・ヨーロッパ・ホールディングズ PLC ノムラ・インターナショナル PLC ノムラ・バンク・インターナショナル PLC ノムラ・キャピタル・マーケッツ LTD ノムラ・アジア・ホールディング N.V. ノムラ・インターナショナル (ホンコン) LIMITED ノムラ・シンガポール LIMITED 他 <主要な関係会社> (国内) 野村信託銀行(株) 野村ファシリティーズ(株) (株)野村総合研究所 ※ (株)ジャフコ ※ 野村不動産ホールディングス(株) ※ 他 ※持分法適用関連会社 ― 7 ― 2.最終指定親会社の子法人等に関する事項 名称 住所 資本金 または出資金 事業の内容 ※1 ※2 関係内容 東京都中央区 百万円 10,000 証券業 100 100 金銭の貸借等の取引 有価証券の売買等の取引 設備の賃貸借等の取引 事務代行 コミットメントラインの設 定 債務保証 役員の兼任…有 野村アセットマネジメント株 東京都中央区 式会社 百万円 17,180 投 資信託 委託 業 投資顧問業 100 100 設備の賃貸借等の取引 役員の兼任…有 野村信託銀行株式会社 百万円 30,000 銀行業 信託業 100 100 野村ファシリティーズ株式会 東京都中央区 社 百万円 不動産賃貸 および管理業 100 100 野村ファイナンシャル・プロダ 東京都千代田区 クツ・サービシズ株式会社 百万円 151,775 金融業 100 100 ノムラ・ホールディング・アメ アメリカ、 リカ Inc. ニューヨーク市 百万米ドル 4,939 持株会社 100 100 ノムラ・セキュリティーズ・イ アメリカ、 ンターナショナル Inc. ニューヨーク市 百万米ドル 3,650 証券業 ― 100 ノムラ・アメリカ・モーゲッ アメリカ、 ジ・ファイナンスLLC ニューヨーク市 百万米ドル 1,671 持株会社 ― 100 役員の兼任…無 インスティネット Incorporated アメリカ、 ニューヨーク市 百万米ドル 1,311 持株会社 ― 100 役員の兼任…無 ノムラ・ヨーロッパ・ホール ディングズ PLC イギリス、 ロンドン市 百万米ドル 7,523 持株会社 100 100 役員の兼任…有 ノムラ・インターナショナル イギリス、 PLC ロンドン市 百万米ドル 8,302 証券業 ― 100 金銭の貸借等の取引 設備の賃貸借等の取引 債務保証 役員の兼任…有 ノムラ・バンク・インターナシ イギリス、 ョナル PLC ロンドン市 百万米ドル 561 金融業 ― 100 債務保証 役員の兼任…無 ノムラ・キャピタル・マーケッ イギリス、 ツ LTD ロンドン市 百万米ドル 3,123 金融業 100 100 役員の兼任…有 オランダ、 ノムラ・アジア・ホールディン アムステルダム グ N.V. 市 百万円 139,982 持株会社 100 100 増資の引受け 役員の兼任…有 ノムラ・インターナショナル 香港 (ホンコン)LIMITED 百万円 152,711 証券業 ― 100 債務保証 役員の兼任…無 ノムラ・シンガポールLIMITED シンガポール、 シンガポール市 百万シンガ ポールドル 239 証券業 金融業 ― 100 債務保証 役員の兼任…有 野村キャピタル・インベストメ 東京都千代田区 ント株式会社 百万円 金融業 100 100 野村バブコックアンドブラウ 東京都中央区 ン株式会社 百万円 1,000 リ ース関 連投 資 商品組 成販 売業 100 100 野村ファンド・リサーチ・アン 東京都中央区 ド・テクノロジー株式会社 百万円 400 投資運用業、投 資助言・代理業 100 100 設備の賃貸借等の取引 役員の兼任…無 野村プライベート・エクイテ 東京都中央区 ィ・キャピタル株式会社 百万円 1,000 投資運用業、投 資助言・代理業 100 100 設備の賃貸借等の取引 役員の兼任…無 野村ヘルスケア・サポート&ア 東京都千代田区 ドバイザリー株式会社 百万円 150 コ ンサル ティ ング業 100 100 設備の賃貸借等の取引 役員の兼任…無 チャイエックス・ジャパン 株式会社 東京都港区 百万円 証券業 ― 66.2 役員の兼任…無 髙木証券株式会社 大阪府大阪市 百万円 11,070 証券業 ― 29.3 役員の兼任…無 野村證券株式会社 東京都千代田区 480 500 1,360 ― 8 ― 金銭の貸借等の取引 設備の賃貸借等の取引 役員の兼任…有 店舗等の賃貸借および管理 設備の賃貸借等の取引 金銭の貸借等の取引 役員の兼任…無 増資の引受け 金銭の貸借等の取引 設備の賃貸借等の取引 コミットメントラインの設 定 役員の兼任…有 金銭の貸借等の取引 設備の賃貸借等の取引 役員の兼任…有 設備の賃貸借等の取引 債務保証 役員の兼任…無 金銭の貸借等の取引 設備の賃貸借等の取引 役員の兼任…無 金銭の貸借等の取引 設備の賃貸借等の取引 役員の兼任…無 名称 住所 資本金 または出資金 野村ビジネスサービス株式会 東京都中央区 社 百万円 ノムラ・ヨーロッパ・ファイナ オランダ、 アムステルダム ンス N.V. 市 NHIアクイジション・ホール アメリカ、 ディングInc. ニューヨーク市 事業の内容 ※1 ※2 事 務サー ビス 業 100 百万ユーロ 51 金融業 100 百万米ドル 200 持株会社 100 300 100 関係内容 設備の賃貸借等の取引 役員の兼任…無 金銭の貸借等の取引 債務保証 役員の兼任…無 金銭の貸借等の取引 100 役員の兼任…無 情報システムに関する業務 37.9 委託 役員の兼任…無 100 株式会社野村総合研究所 東京都千代田区 百万円 18,600 情 報サー ビス 業 6.4 株式会社ジャフコ 東京都千代田区 百万円 33,252 投 資およ び投 資 事業組 合等 管理運営業 14.0 19.5 役員の兼任…無 百万円 116,189 持株会社 ― 34.1 役員の兼任…無 野村不動産ホールディングス 東京都新宿区 株式会社 ※1:最終指定親会社の議決権保有割合(%) ※2:最終指定親会社及び他の子法人等の議決権保有割合(%) ― 9 ― III.最終指定親会社及びその子法人等の業務の状況に関する事項 1.直近の事業年度における業務の概要 (1) 業績総括 当期の世界経済は、緩やかな回復基調となりました。米国では、量的金融緩和が縮小・終了される中、個人消費や雇 用情勢は堅調に推移しました。欧州は欧州中央銀行(ECB)の一連の金融緩和政策等を受け、2014 年にプラス成長に転じ ました。また、中国を除くアジア新興国は安定した成長を続けました。総じて株式市場は活況を呈し、主要市場に見る 株価指数は期初に対し概ね上昇しました。 一方、日本経済は、年度前半は4月に実施された消費税率引き上げの影響から、個人消費や設備投資といった民間 需要は停滞したものの、10 月に日本銀行が予期されていなかった追加金融緩和政策を決定したことや海外景気の拡大、 円安の進行や原油価格の下落などによる国内経済への期待などを受け、実質 GDP 成長率が 10-12 月期には前四半期比で プラスに転じました。東証株価指数(TOPIX)は、2014 年3月末の 1,202.89 ポイントから期末には 1,543.11 ポイント に、また日経平均株価も 2014 年3月末の 14,827.83 円から期末には 19,206.99 円に上昇しました。前期末に 1 ドル 103 円台で終わった円ドル相場は、年度半ばまで横這い圏での推移が続いたものの、年度後半には一時 1 ドル 121 円台に達 し、その後も 120 円を挟んだ展開となっております。一方、国債利回りは低下傾向を辿り、期初には 0.6%台であった 新発 10 年国債利回りは、2015 年1月には 0.195%と過去最低を更新しました。 金融規制に関しては、金融庁が 2015 年3月にはバーゼル3(金融機関に対する自己資本等に関する規制)に係るレ バレッジ比率に関する告示の適用を開始するなど、国内外の金融機関に対する監督強化のための広範囲な規制改革が具 現化され段階的に導入される過程にあり、引き続き注意深く対応することが必要となっております。 このような環境下、野村グループでは、「すべてはお客様のために」という基本観のもと、お客様にとって付加価値 の高い商品・サービスを提供できるよう努め、収益の拡大に向けて取り組んでまいりました。営業部門ではコンサルテ ィング営業を実践し、アセット・マネジメント部門では運用資産の拡大および運用パフォーマンスの向上に努めました。 また、ホールセール部門では地域間、ビジネス間での連携強化を図り、収益基盤の拡大を進めてまいりました。 その結果、当期の収益合計(金融費用控除後)は、前期と比較して 3.0%増の 1 兆 6,042 億円、金融費用以外の費用 は同 5.2%増の 1 兆 2,574 億円となりました。税引前当期純利益は 3,468 億円、当社株主に帰属する当期純利益は 2,248 億円となり、米国会計基準の適用を開始した 2002 年3月期以降、2006 年3月期に次ぐ高水準となりました。株主資本 利益率(ROE)は 8.6%となり、また、当期の EPS(注)は前期の 55.81 円から 60.03 円となっております。なお、2015 年3月末を基準日とする配当金は、1株当たり 13 円とし、年間での配当は1株につき 19 円といたしました。 (注)希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 連結経営成績 (単位:億円) 第110期 (2013.4.1~ 2014.3.31) (%) 第111期 (2014.4.1~ 2015.3.31) 対前期 比較増減率 収益合計(金融費用控除後) 15,571 16,042 金融費用以外の費用 3.0 11,955 12,574 5.2 税引前当期純利益 3,616 3,468 △4.1 法人所得税等 1,452 1,208 △16.8 当期純利益 2,164 2,260 4.4 29 12 △58.2 当社株主に帰属する当期純利益 2,136 2,248 5.2 株主資本当社株主に帰属する当期純利益率(ROE) 8.9% 8.6% ― 差引:非支配持分に帰属する当期純利益 (2) セグメント情報 当社は、業務運営および経営成績を、営業部門、アセット・マネジメント部門、ホールセール部門の区分で報告してお ります。 ― 10 ― セグメント情報(セグメント合計) (単位:億円) 第110期 (2013.4.1~ 2014.3.31) (%) 第111期 (2014.4.1~ 2015.3.31) 対前期 比較増減率 収益合計(金融費用控除後) 15,463 15,795 2.1 金融費用以外の費用計 11,955 12,574 5.2 3,509 3,221 △8.2 税引前当期純利益 営業目的で保有する投資持分証券の評価損益を含まないセグメント情報(セグメント合計)における当期の収益合計(金 融費用控除後)は前期比2.1%増の1兆5,795億円、金融費用以外の費用は同5.2%増の1兆2,574億円、税引前当期純利益 は同8.2%減の3,221億円となりました。 営業部門 (単位:億円) 第110期 (2013.4.1~ 2014.3.31) (%) 第111期 (2014.4.1~ 2015.3.31) 対前期 比較増減率 収益合計(金融費用控除後) 5,119 4,765 △6.9 金融費用以外の費用計 3,199 3,147 △1.6 税引前当期純利益 1,920 1,618 △15.7 収益合計(金融費用控除後)は、前期比6.9%減の4,765億円、また、金融費用以外の費用は同1.6%減の3,147億円とな りました。税引前当期純利益は同15.7%減の1,618億円となり、日本銀行の大胆な金融緩和により活況を呈した昨年度と 比べると減速しておりますが、2002年3月期以降で3番目に高い水準を確保しております。 お客様一人ひとりの多様化するニーズに対し適切なコンサルティングを行い、サービスや商品ラインナップを提供して まいりました。その結果、投資信託の販売額や投資一任契約額が源泉となる年換算したストック収入は720億円となり、 2016年3月期の目標である696億円を今期に前倒しで達成いたしました。お客様からお預かりしている資産の残高は前期 末の91.7兆円から109.5兆円に増加し、過去最高水準を更新しております。 アセット・マネジメント部門 (単位:億円) 第110期 (2013.4.1~ 2014.3.31) (%) 第111期 (2014.4.1~ 2015.3.31) 対前期 比較増減率 収益合計(金融費用控除後) 805 924 14.8 金融費用以外の費用計 534 603 12.9 税引前当期純利益 271 321 18.4 収益合計(金融費用控除後)は、前期比14.8%増の924億円となりました。また、金融費用以外の費用は同12.9%増の 603億円となりました。その結果、税引前当期純利益は同18.4%増の321億円で、増収増益となりました。 投資信託ビジネスでは、株式投資信託を中心に資金が流入したことやマーケット環境の改善を受けて、運用資産残高が 増加しました。お客様のニーズに応じた新ファンドを提供するとともに、既存ファンドの残高拡大に取組み、インフラ関 連株式・グローバル高配当株等に投資するファンドやファンドラップ向けのファンド等の運用資産が拡大しました。上場 投資信託(ETF)では、伝統的な指数連動型に加え、JPX日経インデックス400や日経平均レバレッジ・インデックス等に 連動する特徴ある商品が注目されました。投資顧問ビジネスでは、日本株や海外債券を中心に海外顧客からの運用の受託 が増加しました。その結果、2015年3月末の運用資産残高は前期末比8.5兆円増の39.3兆円となりました。 ― 11 ― ホールセール部門 (単位:億円) 第110期 (2013.4.1~ 2014.3.31) (%) 第111期 (2014.4.1~ 2015.3.31) 対前期 比較増減率 収益合計(金融費用控除後) 7,651 7,899 3.2 金融費用以外の費用計 6,533 7,077 8.3 税引前当期純利益 1,118 822 △26.5 ホールセール部門は、金融商品の取引、販売および組成に関する業務を行うグローバル・マーケッツ、資金調達やM&A アドバイザリーに関連する業務を行うインベストメント・バンキングの2つのビジネス部門から構成されています。 上半期のホールセール部門においては堅調な収益を確保いたしました。下半期においては、特に10月には金利の急激な 低下やボラティリティの急上昇によりトレーディング環境が大幅に悪化し、欧州や米州で苦戦しましたが、第4四半期で 収益は大幅に改善しました。地域別では、日本およびアジアが部門業績に大きく貢献しました。その結果、収益(金融費 用控除後)は前期比3.2%増の7,899億円となりました。金融費用以外の費用は、効率性向上の施策を通じて費用削減に努 めたものの円安進行の影響を受け、同8.3%増の7,077億円となり、税引前当期純利益は同26.5%減の822億円となりまし た。 【グローバル・マーケッツ】 グローバル・マーケッツの収益は前期比で増収となりました。世界的な金融緩和や株高の継続を背景に、対顧客取引の 拡大ならびに顧客基盤の拡充から、堅調な収益を確保いたしました。フィクスト・インカム関連ビジネスは、第3四半期 に著しく金利が変動したこと等により、一時的に減収となりましたが、第4四半期に大幅に改善し、前期比でプラスを確 保しました。エクイティ関連ビジネスは、市場の活況に伴い、年間を通して安定的に収益を積み上げました。地域別では、 好調な日本とアジアが前期比で大幅増収となり、欧州と米州の減速を下支えしました。 【インベストメント・バンキング】 インベストメント・バンキングでは、日本における安定的な収益基盤を維持するとともに、海外でビジネスを拡大し収 益に貢献しました。日本では、前期と比べ資金調達等が低調となる中、マーケット・シェアの拡大やM&Aおよびファイナ ンスに付随する為替・金利取引等のソリューション・ビジネスの拡大を図りました。海外では、戦略的に拡大を図ってい る米州を中心に実績を積み上げ収益は拡大しました。地域間や部門間の連携を促進するとともに、グローバル化するお客 様のニーズに応えるように努めた結果、案件規模1兆円超となる大型M&A案件やM&Aの複合化案件を多数獲得しております。 その他 (単位:億円) 第110期 (2013.4.1~ 2014.3.31) 収益合計(金融費用控除後) 金融費用以外の費用計 税引前当期純利益 (%) 第111期 (2014.4.1~ 2015.3.31) 対前期 比較増減率 1,888 1,689 2,208 1,748 16.9 3.5 200 460 130.0 収益合計(金融費用控除後)は前期比16.9%増の2,208億円、また金融費用以外の費用は前期比3.5%増の1,748億円、 税引前当期純利益は460億円となりました。 ― 12 ― 2.直近の三連結会計年度における業務の状況を示す指標 収 益 合 計 税 引 前 当 期 純 利 益 当 社 株 主 に 帰 属 す る 当 期 純 利 益 当 社 株 主 に 帰 属 す る 包 括 利 益 純 資 産 額 総 資 産 額 (単位:百万円) 第111期 (2014.4~2015.3) 1,930,588 第109期 (2012.4~2013.3) 2,079,943 第110期 (2013.4~2014.3) 1,831,844 237,730 361,614 346,759 107,234 213,591 224,785 194,988 291,622 347,888 2,318,983 2,553,213 2,744,946 37,942,439 43,520,314 41,783,236 IV.最終指定親会社及びその子法人等の直近の二連結会計年度における財産の状況に関する事項 1.連結財務諸表 ― 13 ― (1) 連結貸借対照表 区分 注記 番号 (資産) 現金・預金: 現金および現金同等物 定期預金 取引所預託金およびその他の顧客分別金 計 貸付金および受取債権: 貸付金 (2014年3月31日現在 303,956百万円、 2015年3月31日現在 317,218百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) 顧客に対する受取債権 (2014年3月31日現在 2,180百万円、 2015年3月31日現在 1,803百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) 顧客以外に対する受取債権 貸倒引当金 計 担保付契約: 売戻条件付買入有価証券 (2014年3月31日現在 1,087,138百万円、 2015年3月31日現在 1,529,451百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) 借入有価証券担保金 計 トレーディング資産およびプライベート・ エクイティ投資: トレーディング資産 (2014年3月31日現在 9,266,192百万円、 2015年3月31日現在 8,114,490百万円の 担保差入有価証券を含む。 2014年3月31日現在 9,156百万円、 2015年3月31日現在 8,133百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) プライベート・エクイティ投資 (2014年3月31日現在 3,476百万円、 2015年3月31日現在 6,539百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) 計 その他の資産: 建物、土地、器具備品および設備 (2014年3月31日現在 350,820百万円、 2015年3月31日現在 383,992百万円の 減価償却累計額控除後) トレーディング目的以外の負債証券 投資持分証券 関連会社に対する投資および貸付金 その他 (2014年3月31日現在 56,976百万円、 2015年3月31日現在 90,984百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) 計 2014年3月31日 2015年3月31日 金額(百万円) 金額(百万円) 1,489,792 363,682 335,836 2,189,310 1,315,408 328,151 453,037 2,096,596 ※7 ※2 1,327,875 1,461,075 ※2 64,070 187,026 1,181,742 △3,009 2,570,678 1,303,576 △3,253 2,948,424 9,617,675 8,481,474 7,729,326 17,347,001 8,238,046 16,719,520 ※2,3 18,672,318 17,260,121 ※2 41,996 48,727 18,714,314 17,308,848 408,917 401,069 1,023,746 136,740 345,434 784,174 948,180 159,755 378,278 822,566 2,699,011 2,709,848 43,520,314 41,783,236 ※2 ※2,5 ※2 ※7,19 ※2,5, 9 資産合計 ― 14 ― 区分 (負債および資本) 短期借入 (2014年3月31日現在 49,279百万円、 2015年3月31日現在 189,018百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) 注記 番号 ※2,10 支払債務および受入預金: 顧客に対する支払債務 顧客以外に対する支払債務 受入銀行預金 計 担保付調達: 買戻条件付売却有価証券 (2014年3月31日現在 530,397百万円、 2015年3月31日現在 982,567百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) 貸付有価証券担保金 その他の担保付借入 計 ※2 2014年3月31日 2015年3月31日 金額(百万円) 金額(百万円) 602,131 662,256 492,516 1,230,176 1,114,181 2,836,873 723,839 1,454,361 1,220,400 3,398,600 13,937,690 12,217,144 2,359,809 814,500 17,111,999 2,494,036 668,623 15,379,803 トレーディング負債 ※2,3 11,047,285 10,044,236 その他の負債 (2014年3月31日現在 1,123百万円、 2015年3月31日現在 15,786百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) 長期借入 (2014年3月31日現在 1,984,986百万円、 2015年3月31日現在 2,578,489百万円の 公正価値オプションの適用により 公正価値評価を行っている金額を含む。) 負債合計 ※2,9 1,141,750 1,217,099 ※2,10 8,227,063 8,336,296 40,967,101 39,038,290 594,493 594,493 683,638 1,287,003 20,636 2,585,770 △72,090 683,407 1,437,940 143,739 2,859,579 △151,805 2,513,680 39,533 2,553,213 43,520,314 2,707,774 37,172 2,744,946 41,783,236 コミットメントおよび偶発事象 ※20 資本: 資本金 無額面: 授権株式数- 2014年3月31日現在 6,000,000,000株 2015年3月31日現在 6,000,000,000株 発行済株式数- 2014年3月31日現在 3,822,562,601株 2015年3月31日現在 3,822,562,601株 発行済株式数(自己株式控除後)- 2014年3月31日現在 3,717,630,462株 2015年3月31日現在 3,598,865,213株 資本剰余金 利益剰余金 累積的その他の包括利益 計 自己株式(取得価額) 自己株式数- 2014年3月31日現在 104,932,139株 2015年3月31日現在 223,697,388株 当社株主資本合計 非支配持分 資本合計 負債および資本合計 ※17 ※16 ― 15 ― 次の表は連結貸借対照表上の連結変動持分事業体の資産および負債を表しております。連結変動持分事業体の資産はその 債権者に対する支払義務の履行にのみ使用され、連結変動持分事業体の債権者は、野村に対して変動持分事業体の所有す る資産を超過する遡及権を有しておりません。詳細は「[連結財務諸表注記]6 証券化および変動持分事業体」をご参照 ください。 (単位:十億円) 2014年3月31日 2015年3月31日 現金・預金 トレーディング資産および プライベート・エクイティ投資 その他資産 18 9 751 1,008 114 40 資産合計 883 1,057 トレーディング負債 42 12 その他の負債 27 3 借入 424 750 負債合計 493 765 関連する連結財務諸表注記をご参照ください。 ― 16 ― (2) 連結損益計算書 自 至 区分 注記 番号 2014年3月期 2013年4月1日 2014年3月31日 自 至 金額(百万円) 2015年3月期 2014年4月1日 2015年3月31日 金額(百万円) 収益: 委託・投信募集手数料 投資銀行業務手数料 アセットマネジメント業務手数料 トレーディング損益 プライベート・エクイティ投資関連損益 ※2,3 金融収益 投資持分証券関連損益 その他 453,401 91,301 95,083 168,683 203,387 476,356 11,392 531,337 5,502 416,350 436,766 15,156 29,410 179,485 175,702 1,831,844 1,930,588 ※9 収益合計 473,121 金融費用 274,774 326,412 1,557,070 1,604,176 人件費 570,058 596,593 支払手数料 111,849 129,977 情報・通信関連費用 192,168 192,300 不動産関係費 80,142 76,112 事業促進費用 38,485 35,230 202,754 227,205 1,195,456 1,257,417 361,614 346,759 145,165 120,780 216,449 225,979 収益合計(金融費用控除後) 金融費用以外の費用: その他 ※9 金融費用以外の費用計 税引前当期純利益 法人所得税等 ※15 当期純利益 差引:非支配持分に帰属する当期純利益 当社株主に帰属する当期純利益 自 至 区分 普通株式1株当たり: 注記 番号 2,858 1,194 213,591 224,785 2014年3月期 2013年4月1日 2014年3月31日 金額(円) 自 至 2015年3月期 2014年4月1日 2015年3月31日 金額(円) ※11 基本- 当社株主に帰属する当期純利益 57.57 61.66 55.81 60.03 希薄化後- 当社株主に帰属する当期純利益 関連する連結財務諸表注記をご参照ください。 ― 17 ― (3) 連結包括利益計算書 自 至 区分 2014年3月期 2013年4月1日 2014年3月31日 金額(百万円) 当期純利益 その他の包括利益: 為替換算調整額(税引後): 確定給付年金制度: 年金債務調整額 繰延税額 計 トレーディング目的以外の有価証券: トレーディング目的以外の有価証券の未実現損益 繰延税額 計 その他の包括利益合計 包括利益 差引:非支配持分に帰属する包括利益 当社株主に帰属する包括利益 関連する連結財務諸表注記をご参照ください。 ― 18 ― 自 至 2015年3月期 2014年4月1日 2015年3月31日 金額(百万円) 216,449 225,979 68,090 110,487 15,093 △5,384 9,709 5,259 △1,854 3,405 3,358 △1,109 27,643 △8,681 2,249 18,962 80,048 132,854 296,497 4,875 291,622 358,833 10,945 347,888 (4) 連結資本勘定変動表 自 至 区分 2014年3月期 2013年4月1日 2014年3月31日 金額(百万円) 自 至 2015年3月期 2014年4月1日 2015年3月31日 金額(百万円) 資本金 期首残高 期末残高 594,493 594,493 594,493 594,493 資本剰余金 期首残高 自己株式売却損益 新株予約権の付与および行使 子会社株式の購入・売却等 期末残高 691,264 △7,647 △210 231 683,638 683,638 △2,417 2,186 - 683,407 1,136,523 213,591 △63,111 - 1,287,003 1,287,003 224,785 △68,627 △5,221 1,437,940 △38,875 66,579 27,704 27,704 105,667 133,371 △28,518 9,709 △18,809 △18,809 3,405 △15,404 9,998 1,743 11,741 20,636 11,741 14,031 25,772 143,739 △70,514 △32,511 9 30,127 799 △72,090 △72,090 △104,047 3 24,226 103 △151,805 2,513,680 2,707,774 24,612 △40 2,858 39,533 △39 1,194 1,511 506 341 9,745 39,533 4,820 4,931 4,889 △18,156 37,172 2,553,213 2,744,946 利益剰余金 期首残高 当社株主に帰属する当期純利益 現金配当金 自己株式売却損益 期末残高 累積的その他の包括利益 為替換算調整額 期首残高 当期純変動額 期末残高 確定給付年金制度 期首残高 年金債務調整額 期末残高 トレーディング目的以外の有価証券 期首残高 トレーディング目的以外の有価証券の未実現損益 期末残高 期末残高 自己株式 期首残高 取得 売却 従業員に対する発行株式 その他の増減(純額) 期末残高 当社株主資本合計 期末残高 非支配持分 期首残高 現金配当金 非支配持分に帰属する当期純利益 非支配持分に帰属する累積的その他の包括利益 為替換算調整額 トレーディング目的以外の有価証券の未実現損益 子会社株式の購入・売却等(純額) その他の増減(純額) 期末残高 資本合計 期末残高 関連する連結財務諸表注記をご参照ください。 ― 19 ― (5) 連結キャッシュ・フロー計算書 自 至 区分 2014年3月期 2013年4月1日 2014年3月31日 金額(百万円) 自 至 2015年3月期 2014年4月1日 2015年3月31日 金額(百万円) 営業活動によるキャッシュ・フロー: 当期純利益 216,449 225,979 減価償却費および償却費 79,468 78,882 ストック・オプション費用 21,091 19,364 投資持分証券関連損益 △15,156 △29,410 持分法投資損益(受取配当金控除後) △29,499 △34,772 8,360 9,690 117,061 26,489 274,593 38,341 △42,403 △66,122 トレーディング資産および プライベート・エクイティ投資 △485,673 2,917,895 トレーディング負債 2,007,807 △1,731,133 売戻条件付買入有価証券および 買戻条件付売却有価証券(純額) △183,884 △1,251,323 △1,604,469 △221,295 7,992 △145,877 貸付金および受取債権(貸倒引当金控除後) 217,397 △92,713 支払債務 278,325 236,029 16,356 △3,659 △87,933 59,931 △338,456 △113,324 457,426 △77,028 当期純利益の営業活動から得た(△営業活動に 使用された)現金(純額)への調整 建物、土地、器具備品および設備の処分損益 繰延税額 営業活動にかかる資産および負債の増減: 定期預金 取引所預託金およびその他の顧客分別金 借入有価証券担保金および 貸付有価証券担保金(純額) その他の担保付借入 賞与引当金 未払法人所得税(純額) その他(純額) 営業活動から得た (△営業活動に使用された)現金(純額) ― 20 ― 自 至 区分 2014年3月期 2013年4月1日 2014年3月31日 自 至 金額(百万円) 2015年3月期 2014年4月1日 2015年3月31日 金額(百万円) 投資活動によるキャッシュ・フロー: 建物、土地、器具備品および設備の購入 △214,336 △209,468 建物、土地、器具備品および設備の売却 176,680 159,480 投資持分証券の購入 △4,799 △354 投資持分証券の売却 6,945 6,977 △10,972 △49,192 △103,187 109,761 - △7,308 43,298 2,212 3,176 229 △103,195 12,337 長期借入の増加 2,140,351 2,974,115 長期借入の減少 △1,594,148 △3,167,956 △149,437 34,041 △23,605 140,571 自己株式の売却に伴う収入 682 387 自己株式の取得に伴う支払 △32,511 △104,047 配当金の支払 △51,947 △55,317 289,385 △178,206 41,089 68,513 現金および現金同等物の増加(△減少)額 684,705 △174,384 現金および現金同等物の期首残高 805,087 1,489,792 現金および現金同等物の期末残高 1,489,792 1,315,408 銀行業務貸付金の増加(純額) トレーディング目的以外の 負債証券の減少(△増加)(純額) 事業の取得および売却(純額) 関連会社に対する投資の減少(純額) その他投資およびその他資産の 減少(純額) 投資活動から得た (△投資活動に使用された)現金(純額) 財務活動によるキャッシュ・フロー: 短期借入の増加(△減少)(純額) 受入銀行預金の増加(△減少)(純額) 財務活動から得た (△財務活動に使用された)現金(純額) 現金および現金同等物に対する 為替相場変動の影響額 ― 21 ― 自 至 区分 2014年3月期 2013年4月1日 2014年3月31日 金額(百万円) 補足開示: 期中の現金支出額- 利息の支払額 法人所得税等支払額(純額) 現金支出を伴わない取引- 自 至 2015年3月期 2014年4月1日 2015年3月31日 金額(百万円) 303,331 364,392 116,037 34,359 事業の取得 2015年3月期、事業の取得により増加した資産の合計金額は現金および現金同等物を除き34,271百万円、増加した 負債の合計金額は18,817百万円であります。 関連する連結財務諸表注記をご参照ください。 ― 22 ― [連結財務諸表注記] 1 会計処理の原則および会計方針の要旨: 2001年12月、野村ホールディングス株式会社(以下「当社」)はニューヨーク証券取引所に米国預託証券を上場するた め、1934年証券取引所法に基づき登録届出書を米国証券取引委員会(以下「米国SEC」)に提出しました。以後当社は、年 次報告書である「様式20-F」を1934年証券取引所法に基づき米国SECに年1回提出することを義務付けられております。 上記の理由により、当社および当社が財務上の支配を保持する事業体(合わせて以下「野村」)の連結財務諸表は、 「連 結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第95条の規定に従い、米国預託証券の 発行に関して要請されている会計処理の原則および手続ならびに表示方法、すなわち、米国において一般に公正妥当と認 められた会計原則(以下「米国会計原則」)に基づき作成されております。なお、2015年3月期において野村が採用してお ります米国会計原則とわが国における会計処理の原則および手続ならびに連結財務諸表の表示方法(以下「日本会計原 則」)との主要な相違点は次のとおりであります。金額的に重要性のある項目については日本会計原則に基づいた場合の 連結税引前当期純利益と比較した影響額をあわせて開示しており、米国会計原則に基づいた場合の税引前当期純利益が上 回る場合には当該影響額の後に「(利益)」と記載し、下回る場合には「(損失)」と記載しております。 ・連結の範囲 米国会計原則では、主に、議決権所有割合および主たる受益者を特定することにより連結の範囲が決定されます。日本 会計原則では、主に、議決権所有割合および議決権所有割合以外の要素を加味した「支配力基準」により、連結の範囲が 決定されます。 また、米国会計原則では投資会社に対する会計指針が適用される投資会社が定義されており、当該指針の対象となる投 資会社における全ての投資は公正価値で計上され、公正価値の変動は連結損益計算書に計上されます。日本会計原則では、 財務諸表提出会社であるベンチャーキャピタルが営業取引としての投資育成目的で他の会社の株式を所有しているなど の場合においては、当該他の会社を支配していることに該当する要件を満たす場合であっても子会社に該当しないものと して取り扱うことができます。 ・投資持分証券の評価差額 証券会社に適用される米国会計原則では、投資持分証券は公正価値で評価され、評価差額は連結損益計算書に計上 されます。日本会計原則では、投資持分証券は公正価値で評価され、評価差額は適用される法人税等を控除しその他 の包括利益に計上されます。2014年3月期および2015年3月期の日本会計原則に基づいた場合の連結税引前当期純利 益と比較した影響額は、10,728百万円(利益)および24,685百万円(利益)であります。 ・営業目的以外の投資持分証券の評価差額 証券会社に適用される米国会計原則では、営業目的以外の投資持分証券は公正価値で評価され、評価差額は連結損 益計算書に計上されます。日本会計原則では、営業目的以外の投資持分証券は公正価値で評価され、評価差額は適用 される法人税等を控除しその他の包括利益に計上されます。日本会計原則に基づいた場合の2014年3月期および2015 年3月期の日本会計原則に基づいた場合の連結税引前当期純利益と比較した影響額は、4,373百万円(利益)および 2,515百万円(利益)であります。営業目的以外の投資持分証券は連結貸借対照表上、その他の資産―その他に含まれ ております。 ― 23 ― ・トレーディング目的以外の負債証券への投資の評価差額 証券会社に適用される米国会計原則では、トレーディング目的以外の負債証券への投資は公正価値で評価され、評 価差額は連結損益計算書に計上されます。日本会計原則では、トレーディング目的以外の負債証券への投資は公正価 値で評価され、評価差額は適用される法人税等を控除しその他の包括利益に計上されます。2014年3月期および2015 年3月期の日本会計原則に基づいた場合の連結税引前当期純利益と比較した影響額は、3,995百万円(損失)および 1,059百万円(損失)であります。 ・退職金および年金給付 米国会計原則では、年金数理上の仮定の変更や仮定と異なる実績から生じた損益は、当該損益の期首時点の残高が 回廊額(予測給付債務と年金資産の公正価値のうち大きい額の10%と定義される)を超過している場合に、当該超過 部分が従業員の平均残存勤務期間にわたって償却されます。日本会計原則では、年金数理差異等は回廊額とは無関係 に一定期間にわたり償却されます。 ・のれんの償却 米国会計原則では、のれんに対しては定期的に減損判定を実施することが規定されております。日本会計原則では、 のれんは20年以内の一定期間において均等償却されます。2014年3月期および2015年3月期の日本会計原則に基づい た場合の連結税引前当期純利益と比較した影響額は、それぞれ3,843百万円(利益)および9,121百万円(利益)であ ります。 ・デリバティブ金融商品の評価差額 米国会計原則では、ヘッジ手段として保有するデリバティブ金融商品を含めすべてのデリバティブ金融商品は公正 価値で評価され、評価差額は、損益またはその他の包括利益に計上されます。日本会計原則では、ヘッジ手段として 保有するデリバティブ金融商品は公正価値で評価され、評価差額は適用される法人税等を控除しその他の包括利益に 計上されます。 ・金融資産および金融負債の公正価値 米国会計原則では、通常は公正価値で測定されない一定の資産と負債を公正価値で測定する選択権(公正価値オプ ション)が容認されております。公正価値オプションが選択された場合、該当商品の公正価値の変動は、損益として 認識されます。日本会計原則では、このような公正価値オプションは容認されておりません。2014年3月期および2015 年3月期の日本会計原則に基づいた場合の連結税引前当期純利益と比較した影響額は、それぞれ11,574百万円(利益) および375百万円(損失)であります。なお、連結財務諸表上公正価値により計上されている市場価格のない株式につ いては、日本会計原則では、減損処理の場合を除き、取得原価で計上されます。 ・特定の契約に関連した相殺処理 米国会計原則では、マスターネッティング契約に基づき資産と負債が純額処理されたデリバティブ商品については、 関連する現金担保の請求権または返還義務も併せて相殺することとなっております。日本会計原則においては、この ような相殺処理は容認されておりません。 ― 24 ― ・新株発行費用 米国会計原則では、新株発行費用を控除した純額で払込金額を資本として計上することとされております。日本会 計原則では、払込金額を新株発行費用を控除する前の金額で資本として計上する一方で、新株発行費用を支出時に全 額費用化するか、または繰延資産に計上して新株発行後3年以内の一定期間において均等償却を行うこととされてい ます。 ・子会社に対する支配の喪失時の会計処理 米国会計原則では、子会社に対する支配を喪失し、持分法適用の投資先になる場合、従前の子会社に対する残余の 投資は、支配喪失日における公正価値で評価され、評価差損益が認識されます。日本会計原則においては、従前の子 会社に対する残余の投資は、連結貸借対照表上、親会社の個別貸借対照表上に計上している当該関連会社株式の帳簿 価額に、当該会社に対する支配を喪失する日まで連結財務諸表に計上した投資の修正額のうち売却後持分額を加減し た、持分法による投資評価額により評価されます。 事業の概況 当社ならびに証券業務、銀行業務およびその他の金融サービス業を行う子会社は、個人や法人、政府などの顧客向け に世界の主要な金融市場において、投資、金融およびこれらに関連するサービスを提供しております。 野村の事業は、主要な商品・サービスの性格、顧客基盤および経営管理上区分された部門に基づいて行われておりま す。野村の業務運営および経営成績の報告は、営業部門、アセット・マネジメント部門およびホールセール部門の区分 で行われております。 営業部門は、主に日本国内の個人投資家等に対し資産管理型営業によるサービスを提供しております。アセット・マ ネジメント部門は、主に投資信託の開発および運用管理ならびに投資顧問サービスを提供しております。ホールセール 部門は、全世界的な規模で債券、株式、デリバティブや為替のセールスおよびトレーディング業務を行うとともに、債 券および株式の引受業務、M&Aの仲介、財務アドバイザリー業務などの多様な投資銀行サービスを提供しております。 連結財務諸表作成上の基礎 連結財務諸表作成にあたっては、当社および当社が財務上の支配を保持している事業体を連結の範囲に含めております。 野村はまず事業体の財務上の支配を保持しているかどうかを決定するため、米国財務会計審議会編纂書(以下「編纂書」) 810「連結」(以下「編纂書810」)の規定に従い、事業体が「変動持分事業体」であるかを判定しております。変動持分事 業体とは、株主が財務上の支配を保持しているとは言えない事業体、あるいは追加の劣後的財務支援がない場合には業務 を遂行のための充分なリスク資本を確保していない事業体であります。野村は変動持分を保有することにより変動持分事 業体の最も重要な活動を支配するパワーを有し、かつ、利益を享受する権利または損失を負担する義務が重要と判定され る持分を有し、かつ受託者として他の受益者のために行動していない場合には当該変動持分事業体を連結しております。 編纂書946「金融サービス―投資会社」(以下「編纂書946」)において投資会社と判定される一定の変動持分事業体、ある いは業界の慣行として編纂書946と同様の判定基準のガイダンスが適用される変動持分事業体については、野村が期待損 失の過半を負担、あるいは期待残存利益の過半を享受、またはそのいずれにも該当する場合には、野村が主たる受益者と なります。 ― 25 ― 野村は、変動持分事業体に該当しない事業体については野村が議決権の過半を所有する場合には通常野村が財務上の支 配を保持しているものと判定しております。 野村が営業上および財務上の意思決定に対し重要な影響力を保持している(通常、会社の議決権の20%から50%または リミテッド・パートナーシップ等の3%以上を保有する場合)事業体へのエクイティ投資については持分法会計を適用し (以下「持分法適用投資」)、その他の資産―関連会社に対する投資および貸付金の勘定に計上するか、または編纂書825 「金融商品」 (以下「編纂書825」)で許容される公正価値オプションを選択し公正価値で計上され、トレーディング資産、 プライベート・エクイティ投資またはその他の資産―その他の勘定に計上しております。それ以外の金融投資は主にトレ ーディング資産に計上されております。野村が財務上の支配も重要な影響力も保持していない事業体へのエクイティ投資 は公正価値で計上され、公正価値の変動は連結損益計算書または連結包括利益計算書で認識されます。 野村の投資先には編纂書946に基づく投資会社がいくつかあります。これら投資会社に対する投資には連結や持分法は 適用されず全て公正価値で計上され、公正価値の変動は連結損益計算書で認識されます。 当社の主要な子会社には野村證券株式会社、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル Inc.、ノムラ・インタ ーナショナル PLCおよび野村ファイナンシャル・プロダクツ・サービシズ株式会社があります。 重要な連結会社間取引および残高は、連結の過程ですべて相殺消去しております。当期の開示様式と整合させるために、 過年度の報告数値の組替えを行っております。 連結財務諸表作成上の見積もり 連結財務諸表の作成に際し、経営者は、特定の金融商品と投資の評価、訴訟および税務調査の結果、のれんの帳簿価額 の回収可能性、貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性および資産負債の報告数値ならびに連結財務諸表の開示内容に影 響を与えるその他の事項について見積もりを行っております。これらの見積もりは、その性質上、判断および入手し得る 情報に基づいて行われることになります。従いまして、実際の結果がこれらの見積額と異なることがあり、結果として連 結財務諸表に重要な影響を与える場合や、近い将来調整が生じる可能性があります。 金融商品の公正価値 野村の金融資産および金融負債の大半は経常的に公正価値で計上され、公正価値の変動は連結損益計算書または連結 包括利益計算書を通じて認識されます。公正価値評価は米国会計原則により明確に適用が要求される場合と、野村が公正 価値オプションを選択できる対象に公正価値オプションを選択して適用する場合があります。 その他の一義的な評価基準が公正価値に基づかない金融資産や金融負債は非経常的に公正価値評価されます。その場 合、公正価値は減損の測定など当初認識以降の限定的な状況で使用されます。 いずれの場合にも、公正価値は編纂書820「公正価値評価と開示」(以下「編纂書820」)に基づき、測定日において市 場参加者の間で行われる通常の取引において金融資産の譲渡の対価として得られると想定される金額または金融負債を 移転するのに必要と想定される金額と定義され、野村が各金融資産または金融負債を取引する場合において主に利用する と想定される市場(当該主要な市場がないときは最も有利な市場)における取引を想定しております。野村が通常扱って いる金融商品のタイプ毎の公正価値評価方法の詳細については、「注記2 公正価値測定」をご参照ください。 ― 26 ― 金融資産の譲渡 野村は金融資産の譲渡について、次の条件を全て満たすことにより野村がその資産に対する支配を喪失する場合には、 売却取引として会計処理いたします:(a)譲渡資産が譲渡人から隔離されていること(譲渡人が倒産した場合または財産 管理下に置かれた場合においても)。(b)譲受人が譲り受けた資産を担保として差し入れる、もしくは譲渡する権利を有し ていること、または譲受人の唯一の目的が証券化やアセットバックファイナンスの場合において、受益持分の保有者が受 益持分を差し入れる、もしくは譲渡する権利を有していること。(c)譲渡人が譲渡資産に対する実質的な支配を維持して いないこと。 証券化活動に関連して、野村は、商業用および居住用モーゲージ、政府債および事業会社の負債証券ならびにその他の 形態の金融商品を証券化するために特別目的事業体を利用しております。野村の特別目的事業体への関与としましては、 特別目的事業体を組成すること、特別目的事業体が発行する負債証券および受益権を投資家のために引受け、売出し、販 売することが含まれております。野村は証券化により譲渡した金融資産に対する支配を喪失したときにオフバランス処理 し、当該特別目的事業体は連結対象としておりません。野村が金融資産に対する持分を保有することもあり、証券化を実 施するために設立された特別目的事業体の残存持分を一般的な市場条件により保有することもあります。野村の連結貸借 対照表では、当該持分は公正価値により評価し、トレーディング資産として計上され、公正価値の変動はすべて連結損益 計算書上、収益―トレーディング損益として認識しております。 外貨換算 当社の子会社は、それぞれの事業体における主たる経済環境の機能通貨により財務諸表を作成しております。連結財務 諸表の作成に際し、日本円以外の機能通貨を持つ子会社の資産および負債は各期末日における為替相場により円貨換算し、 収益および費用は期中平均為替相場により円貨換算しております。この結果生じた換算差額は、当社株主資本に累積的そ の他の包括利益として表示しております。 外貨建資産および負債は、期末日における為替相場により換算しており、その結果生じた為替差損益は、各期の連結損 益計算書に計上されています。 手数料収入 収益―委託・投信募集手数料には証券仲介手数料が含まれ、約定日に認識し、当期の損益に計上しております。収益― 投資銀行業務手数料は、引受手数料およびその他のコーポレート・ファイナンス手数料を含んでおります。引受手数料は 引受けに関するサービスの完了時に、その他の手数料は関連サービスの履行時に認識されます。収益―アセットマネジメ ント業務手数料は、サービス提供期間にわたり認識されるか、または特定の成果要件が満たされたときに認識されます。 トレーディング資産およびトレーディング負債 トレーディング資産およびトレーディング負債は、主に連結貸借対照表上約定日基準で認識される負債証券、持分証券 およびデリバティブならびに決済日基準で認識される貸付金から構成されます。トレーディング資産およびトレーディン グ負債は公正価値で評価され、その変動は連結損益計算書上、収益―トレーディング損益に計上されております。 担保付契約および担保付調達 担保付契約は、売戻条件付買入有価証券に計上される売戻条件付有価証券買入取引および借入有価証券担保金に計上さ れる有価証券借入取引から構成されます。担保付調達は、買戻条件付売却有価証券に計上される買戻条件付有価証券売却 取引、貸付有価証券担保金に計上される有価証券貸付取引およびその他の一定の担保付借入から構成されます。 ― 27 ― 売戻条件付有価証券買入取引および買戻条件付有価証券売却取引(以下「レポ取引」)は、主に有価証券を顧客との間 において売戻条件付で購入する、または買戻条件付で売却する取引であります。当該取引は概ね担保付契約または担保付 調達として会計処理されており、買受金額または売渡金額で連結貸借対照表に計上しております。一部のレポ取引は公正 価値オプションの適用により公正価値で計上されます。担保請求が厳密に行われているため、売戻条件付有価証券買入取 引については、通常、貸倒引当金は計上されません。 担保として差し入れた有価証券の満期がレポ取引の満期と一致する取引(以下「満期レポ取引」)は、編纂書860「譲渡 とサービシング」 (以下「編纂書860」)の金融資産の消滅の要件を満たした場合、売却として会計処理されていましたが、 ASU第2014-11号「満期レポ取引、買戻条件付資金調達および開示」(以下「ASU2014-11」)の適用により、2015年1月1日 以降は担保付借入取引として会計処理されております。満期レポ取引により連結貸借対照表からの消滅を認識した有価証 券は、2014年3月31日において該当ありませんでした。 野村は日本の金融市場において一般的な、日本版のレポ取引(以下「現先レポ取引」)を行っております。現先レポ取 引では、値洗いが要求され、有価証券の差換権があり、また一定の場合に顧客が譲り受けた有価証券を売却または再担保 に提供する権利が制限されております。現先レポ取引は担保付契約あるいは担保付調達として会計処理されており、買受 金額または売渡金額で連結貸借対照表に計上されております。 担保付契約および担保付調達として会計処理される売戻条件付有価証券買入取引および買戻条件付有価証券売却取引 のうち、同一の取引相手とマスター・ネッティング契約を締結しているものは、編纂書210-20「貸借対照表―相殺」(以 下「編纂書210-20」)に定義された特定の条件に合致する場合は、連結貸借対照表上相殺して表示しております。特定の 条件には、取引の満期、担保が決済される振替機関、関連する銀行取決めおよびマスター・ネッティング契約における一 括清算および相殺の法的有効性などに関する要件が含まれます。 有価証券借入取引および有価証券貸付取引は、それぞれ概ね担保付契約および担保付調達として会計処理されておりま す。当該取引は通常、現金担保付の取引であり、差入担保または受入担保の金額は、連結貸借対照表上、それぞれ借入有 価証券担保金または貸付有価証券担保金として計上されております。担保請求が厳密に行われているため、有価証券借入 取引については、通常、貸倒引当金は計上されません。 担保付契約および担保付調達として会計処理される有価証券借入取引および有価証券貸付取引のうち、同一の取引相手 とマスター・ネッティング契約を締結しているものも、編纂書210-20に定義された特定の条件に合致する場合は、連結貸 借対照表上相殺して表示しております。 その他の担保付借入は主にインターバンク短期金融市場における金融機関および中央銀行からの借入であり、契約金額 で計上されております。 譲渡取消による担保付借入は編纂書860において売却取引ではなく金融取引として会計処理された金融資産の譲渡に関 連する負債であり、連結貸借対照表上、長期借入に含まれております。これらには通常、公正価値オプションを適用し、 経常的に公正価値で計上しております。詳細については、 「注記6 証券化および変動持分事業体」および「注記10 借入」 をご参照ください。 ― 28 ― 野村の自己所有の有価証券のうち、取引相手に担保として差し入れ、かつ取引相手が当該有価証券に対し売却や再担保 差入れの権利を有するもの(現先レポ取引にかかる差入担保を含む)は、連結貸借対照表上、トレーディング資産に担保 差入有価証券として括弧書きで記載しております。 詳細については「注記4 担保付取引」をご参照ください。 デリバティブ取引 野村はトレーディング目的およびトレーディング目的以外で、先物取引、先渡契約、スワップ、オプションなどのデリ バティブ取引を行っております。デリバティブ取引はそれぞれ、その貸借対照表日の公正価値が正の価値か負の価値かに より、連結貸借対照表上トレーディング資産またはトレーディング負債として計上されています。仕組債や仕組預金など の複合金融商品に組み込まれた一定のデリバティブは、主契約から区分され公正価値で評価され、主契約の満期日に応じ て短期借入または長期借入に計上されております。 公正価値の変動はデリバティブの使用目的により連結損益計算書または連結包括利益計算書に計上されます。 マスター・ネッティング契約を締結している同一の取引相手とのデリバティブ資産および負債は、編纂書210-20および 編纂書815「デリバティブとヘッジ」(以下「編纂書815」)に定義された特定の条件に合致する場合は、連結貸借対照表上 相殺して表示しております。これらの条件には、マスター・ネッティング契約による取引の一括清算および相殺の法的有 効性などに関する要件が含まれております。さらに、現金担保の請求権(債権)および現金担保の返済義務(債務)の公 正価値も、一定の追加要件を満たした場合、純額処理されたデリバティブ負債および資産と各々相殺しております。 トレーディング目的のデリバティブ取引 区分処理された組込デリバティブを含むトレーディング目的のデリバティブ取引は、公正価値で計上され、公正価値 の変動は連結損益計算書上、収益―トレーディング損益に計上されております。 トレーディング目的以外のデリバティブ取引 野村は、トレーディング目的のほかに、認識された資産・負債、予定取引や確定したコミットメントから生じるリス クを管理するためにデリバティブ取引を利用しております。一部のトレーディング目的以外のデリバティブ取引につい ては編纂書815における公正価値ヘッジや純投資ヘッジとしてヘッジ指定しております。 野村は一定のデリバティブ金融商品を、特定の金融負債から生じる金利リスク管理および保険子会社が保有するトレ ーディング目的以外の特定の外貨建負債証券の為替リスク管理のため、公正価値ヘッジに指定しております。これらの デリバティブ取引は、当該ヘッジ対象のリスク低減に有効であり、ヘッジ契約の開始時から終了時までを通じてヘッジ 対象負債の公正価値の変動と高い相関性を有しております。関連する評価損益はヘッジ対象の金融負債およびトレーデ ィング目的以外の負債証券にかかる損益とともに、連結損益計算書上、それぞれ金融費用および収益―その他に計上さ れております。 ― 29 ― 海外事業への純投資についてヘッジ指定されたデリバティブは、日本円以外が機能通貨である特定の子会社に関連付 けられています。純投資ヘッジの有効性は、スポット・レートの変動によるデリバティブの公正価値の変動部分で判定 されます。有効と判定された部分は当社株主資本に累積的その他の包括利益として計上されております。ヘッジ手段の デリバティブの公正価値の変動のうちフォワード・レートとスポット・レートの変動の差による差額は有効性の判定か ら除かれ、連結損益計算書上、収益―その他に計上されております。 詳細については「注記3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。 貸付金 予見し得る将来にわたって保有することを意図している貸付は貸付金に区分されております。貸付金は公正価値または 償却原価により計上されております。貸付金の利息収入は原則として連結損益計算書上、収益―金融収益に計上されてお ります。 公正価値により計上される貸付金 公正価値ベースでリスク管理している貸付金は、公正価値による測定が選択されております。この公正価値オプション の選択は、貸付金と当該貸付金のリスク低減目的で使用しているデリバティブの測定方法の違いによって生じる連結損益 計算書上の変動軽減を目的としております。公正価値オプションを選択した貸付金の公正価値の変動は、連結損益計算書 上、収益―トレーディング損益に計上されております。 償却原価により計上されている貸付金 公正価値オプションを選択していない貸付金は、償却原価で計上されております。償却原価は、繰延収益および直接費 用ならびに購入した貸付金に関しては未償却プレミアムまたはディスカウントを調整した原価から、クレジット損失の引 当てを控除した価額であります。 ローン貸出手数料収入は貸出に関連する費用を控除後、金利の調整としてローン期間にわたり償却され収益―金融収益 に計上されております。繰延貸出手数料の純額は2014年3月31日においては808百万円、2015年3月31日においては536百 万円であります。 詳細については「注記7 金融債権」をご参照ください。 その他の債権 顧客に対する受取債権には、顧客との有価証券取引に関する債権の金額が含まれており、顧客以外に対する受取債権に は、有価証券の引渡未了(フェイル)にかかる受取債権、信用預託金、デリバティブ取引にかかる現金担保の受取債権、 手数料、未決済有価証券取引の純受取額の金額が含まれております。純額表示される約定見返勘定資産残高は2014年3月 31日においては349,573百万円、2015年3月31日においては315,708百万円が顧客以外に対する受取債権に含まれておりま す。 これらの受取債権のうち、個別に減損が認識されている受取債権については、経営者の最善の見積もりに基づく損失発 生額を反映したクレジット損失の引当てを差し引いた金額で計上されております。クレジット損失の引当ては連結貸借対 照表上、貸倒引当金に計上されております。 ― 30 ― 貸出コミットメント 野村が提供する未実行貸出コミットメントは、簿外債務として処理されるか、またはトレーディング商品への分類も しくは公正価値オプションの選択により公正価値で会計処理されております。 貸出コミットメントは通常貸出が実行された際の貸付金と同様に会計処理されています。貸付金がトレーディング資 産への分類または公正価値オプションの選択により公正価値評価される場合には、貸出コミットメントも通常同様に公 正価値評価され、公正価値の変動は連結損益計算書上、収益―トレーディング損益として認識しております。貸出コミ ットメント手数料はコミットメントの公正価値の一部として収益認識されます。 貸付金が予見できる将来にわたって保有される場合の貸出コミットメントについて、野村はクレジット損失の引当て を連結貸借対照表上その他の負債―その他に計上しており、引当ては経営者の最善の見積もりにより減損していると認 められた貸出コミットメントから発生すると見込まれる損失を反映しております。貸出コミットメント手数料は通常繰 り延べられ、金利の調整として貸出日から契約期間にわたり認識されます。貸出コミットメントから貸出が実行される 可能性がほとんどないと考えられる場合には、貸出コミットメント手数料はコミットメント期間にわたって役務収益と して認識されます。 支払債務および受入預金 顧客に対する支払債務は、顧客との有価証券取引に関する債務の金額が含まれており、通常契約金額で測定されてお ります。 顧客以外に対する支払債務は、有価証券の受入未了(フェイル)にかかる支払債務、デリバティブ取引や一定の担保 付調達および資金調達取引にかかる現金担保の支払債務、未決済有価証券取引の純支払額の金額が含まれており、契約 金額で測定されております。 受入銀行預金は、銀行子会社が受け入れた銀行預金の金額を示しており、契約金額で測定されております。 建物、土地、器具備品および設備 野村が自己使用のために所有する建物、土地、器具備品および設備は、取得価額から減価償却累計額を控除した金額 で計上しております。ただし、土地は取得価額で計上しております。多額の改良および追加投資は、資産計上しており ます。維持、修繕および少額の改良は、連結損益計算書上、当期の費用に計上しております。 2014年3月31日および2015年3月31日の建物、土地、器具備品および設備の内訳は以下のとおりです。 ― 31 ― (単位:百万円) 2014年3月31日 2015年3月31日 土地 94,991 91,055 建物 109,052 105,043 48,101 46,186 156,717 158,348 56 437 408,917 401,069 器具備品および設備 ソフトウエア 建設仮勘定 合 計 野村が所有する資産の減価償却費は、原則として定額法により計算され、各資産の見積耐用年数に基づき認識されま す。野村がリースする資産のうち、編纂書840「リース」(以下「編纂書840」)によりキャピタル・リースに分類される ものの減価償却費は、原則としてリース期間にわたり認識されます。資産の見積耐用年数は、技術革新、経年劣化およ び物理的費消を考慮して決定します。リース物件の改良費は、それ自体の耐用年数またはリース期間のいずれか短い期 間にわたり減価償却されます。 主要な資産の種別の見積耐用年数は以下のとおりです。 建物 5年から50年 器具備品および設備 2年から20年 ソフトウエア 5年以内 自己所有資産およびキャピタル・リース資産にかかる減価償却費は、金融費用以外の費用―情報・通信関連費用に2014 年3月期は57,173百万円、2015年3月期は59,153百万円がそれぞれ含まれており、また、金融費用以外の費用―不動産 関係費に2014年3月期は22,295百万円、2015年3月期は19,729百万円がそれぞれ含まれております。 不動産にかかるリース契約は編纂書840によりオペレーティング・リースまたはキャピタル・リースに分類されます。 オペレーティング・リースの賃料はリース期間にわたり定額法で認識されます。キャピタル・リースの場合には、野村 はリース物件を認識するとともにリース負債を認識します。リース物件は公正価値または最低支払リース料の現在価値 のいずれか低い額をもって認識され、その後定額法により見積耐用年数にわたり減価償却されます。リース対象物件の 建設に野村が一定の関与をする場合には、野村が建設工事の所有者であるとみなされ、建設が完了するまでの間、連結 貸借対照表上リース物件を認識します。建設完了時にリース物件は、編纂書840により野村の当該物件への継続的関与の 度合いにより、売却処理または連結貸借対照表で引き続き認識されます。 のれんおよび非償却性無形資産を除く長期性資産は、帳簿価額が回収可能でない兆候を示す事象や環境変化が生じた 場合には、減損テストの対象となります。将来の資産からの割引前の期待キャッシュ・フローの合計が帳簿価額を下回 る場合には、帳簿価額と公正価値の差額を損失計上しております。 ― 32 ― 野村はソフトウエア、建物、土地、器具備品および設備の評価減による減損費用を、2014年3月期は1,246百万円計 上しております。2015年3月期の減損費用は重要な金額ではありませんでした。それらは連結損益計算書上、金融費用 以外の費用―その他に計上され、セグメント上はその他にて計上されております。これらの資産の評価減後の帳簿価額 は見積公正価値によっております。 投資持分証券 野村は、既存および潜在的な取引関係をより強化することを目的とし、非関連会社である日本の金融機関や企業のエ クイティ証券を一部保有しており、同様に、これらの企業が野村のエクイティ証券を一部保有していることがあります。 こうした株式の持合は日本の商慣行に基づいており、株主との関係を管理する方法のひとつとして用いられております。 野村が営業目的で保有するこれらの投資は公正価値で評価され、連結貸借対照表上、その他の資産―投資持分証券に 分類され、公正価値変動は、連結損益計算書上、収益―投資持分証券関連損益に計上されます。これらの投資は、上場 および非上場の投資持分証券によって構成され、2014年3月期には、それぞれ98,736百万円および38,004百万円、2015 年3月期には、それぞれ121,901百万円および37,854百万円が計上されております。 その他のトレーディング目的以外の負債証券および営業目的以外の投資持分証券 一部のトレーディング活動を行っていない子会社(保険子会社を含む)はトレーディング目的以外の負債証券および 営業目的以外の投資持分証券を保有しております。トレーディング活動を行っていない子会社によって保有されるトレ ーディング目的以外の有価証券は連結貸借対照表上その他の資産―トレーディング目的以外の負債証券およびその他の 資産―その他に計上され、公正価値の変動は連結損益計算書上、収益―その他で認識されております。野村の保険子会 社の保有するトレーディング目的以外の有価証券は同様に連結貸借対照表上その他の資産―トレーディング目的以外の 負債証券およびその他の資産―その他に計上され、未実現の公正価値変動は概ね連結包括利益計算書上、法人税控除後 の金額でその他の包括利益に計上されております。外国為替の公正価値ヘッジに指定されたトレーディング目的以外の 負債証券の公正価値変動のうち、ヘッジされたリスクに対応する部分は収益―その他に、それ以外は法人税控除後の金 額でその他の包括利益に計上されております。トレーディング目的以外の有価証券に関する実現損益は連結損益計算書 上、収益―その他に計上されております。 野村の保険子会社が保有するトレーディング目的以外の有価証券の公正価値が償却原価を下回った場合、当該有価証 券の公正価値の下落が一時的か否かの判定を行っております。野村は、定量的および定性的な要素として、公正価値が 帳簿価額を下回る期間や程度、発行体の財政状態や短期将来見通し、予測される公正価値の回復期間にわたり野村が当 該有価証券を保有する意思と能力などを考慮します。投資持分証券について一時的ではない公正価値の下落があると判 定された場合、当該有価証券は公正価値まで切り下げられ、公正価値と償却原価の差額は連結損益計算書上、収益―そ の他に計上されます。負債証券については、野村に当該負債証券売却の意思がある場合、または償却原価の回復前に売 却を余儀なくされる可能性が高い場合は、一時的ではない減損損失は連結損益計算書上、収益―その他に計上されます。 野村に負債証券の売却の意思がなく、かつ売却を余儀なくされる状況可能性が低い場合は、一時的でない減損損失のう ち信用リスク低下に起因する部分は損益に、それ以外は連結包括利益計算書上、その他の包括利益に計上されます。 詳細については「注記5 トレーディング目的以外の有価証券」をご参照ください。 ― 33 ― 短期および長期借入 短期借入は、借入金のうち要求払のもの、借入実行日において契約満期が1年以下のもの、または契約満期は1年超 であるが借入実行日より1年以内に野村のコントロールが及ばない条件により貸付人が返済を請求できるものと定義し ております。短期および長期借入は、主にコマーシャル・ペーパー、銀行借入、野村および野村により連結される特別 目的事業体により発行された仕組債、編纂書860に基づき売却ではなく金融取引として会計処理された取引から生じた金 融負債(以下「譲渡取消による担保付借入」)により構成されます。これら金融負債のうち、一部の仕組債および譲渡取 消による担保付借入は、公正価値オプションを適用し経常的に公正価値で会計処理されております。それ以外の短期お よび長期借入は償却原価で計上されております。 仕組債とは、投資家への単純な固定または変動金利のリターンを、株価もしくは株価指数、商品相場、為替レート、 第三者の信用格付、またはより複雑な金利等の変数に応じたリターンに変換する特徴(多くの場合、会計上のデリバテ ィブの定義に該当する)が組み込まれた負債証券です。 2008年4月1日以降に野村が発行したすべての仕組債は、公正価値オプションの適用により経常的に公正価値で計上 されております。この仕組債への包括的な公正価値オプション適用の主な目的は、仕組債と当該仕組債のリスク管理に 使用するデリバティブの測定基準の違いから生じる連結損益計算書上の変動軽減と、これら金融商品に適用される会計 処理の全般的な簡素化にあります。 2008年4月1日よりも前に発行された仕組債の一部は既に公正価値で計上されていましたが、それ以外は、現在も引 き続き組込デリバティブを関連する負債主契約から区分処理して計上しております。区分処理されたデリバティブは公 正価値で、負債主契約は償却原価で会計処理されております。 公正価値オプションが選択された仕組債および区分処理された組込デリバティブの公正価値の変動は、連結損益計算 書上、収益―トレーディング損益で計上されております。 詳細については「注記10 借入」をご参照ください。 法人所得税等 資産および負債について会計上と税務上の帳簿価額の差額から生じる一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の将 来の税金への影響額は、各期に適用される税法と税率に基づき繰延税金資産または負債として計上されております。繰 延税金資産は、将来において実現すると予想される範囲内で認識されております。なお、将来において実現が見込まれ ない場合には、繰延税金資産に対し評価性引当金を設定しております。 繰延税金資産および繰延税金負債のうち、特定の課税管轄区域内における同一納税主体に関連するものは、連結貸借 対照表上相殺表示されております。繰延税金資産および繰延税金負債の純額は、連結貸借対照表上、その他の資産―そ の他およびその他の負債にそれぞれ計上されております。 野村は、税務ポジションが将来の税務調査で是認される確率を、専門的な観点から事実および状況ならびに期末日時 点に入手可能な情報に基づき見積もり、未認識の税金費用減少効果(以下「未認識税務ベネフィット」)を認識および測 定しております。野村は、追加情報を入手した、または変更を要する事象が発生した場合、未認識税務ベネフィットの 水準を調整しております。未認識税務ベネフィットの再測定は、発生期における実効税率に重要な影響を及ぼす可能性 ― 34 ― があります。 野村は、法人所得税に関する利息および加算税を、連結損益計算書上、法人所得税等に計上しております。 詳細については「注記15 法人所得税等」をご参照ください。 株式報酬制度 野村により役員または従業員に付与される株式報酬は付与の条件により資本型または負債型として処理されます。 ストック・オプションのように当社株式の交付により決済される予定のある株式報酬は資本型に分類されます。資本 型報酬の総報酬費用は通常付与日に固定され、付与日の公正価値に従業員が支払義務を負う金額および見積権利喪失額 を差し引いて評価されます。 ファントム・ストックやカラー付ファントム・ストックプランのように現金で決済される株式報酬は負債型に分類さ れます。株式報酬以外の報酬制度としてファントム・インデックスプランがあります。これは、Morgan Stanley Capital International社が公表している株価指数の1つに連動し、現金で決済されるため負債型の報酬に分類されます。負債型 報酬は貸借対照表日ごとに見積権利喪失額を差し引いた公正価値で再評価され、最終的な報酬費用の合計は決済額と一 致します。 業績連動繰延報酬で業績の条件が付されており、将来ストック・オプションの付与が見込まれるものは、資本型に分 類され、将来ファントム・ストックプランの付与が見込まれるものは、負債型に分類されます。 資本型および負債型の報酬の双方について、その公正価値は、オプション価格決定モデル、当社株式の市場価額また は第三者機関の株価指数に基づいて適切に測定されます。報酬費用は、必要とされる勤務期間(契約上の受給権確定ま での期間と通常一致する)にわたって連結損益計算書に認識されております。業績連動繰延報酬で業績の条件が付され ているものについても、業績の条件が充足される可能性が高い場合には、必要とされる勤務期間にわたって報酬費用が 認識されます。報酬が段階的に確定する場合には、段階ごとに費用計算が行われます。 2013年5月以降、新たに付与された特定の繰延報酬には、野村での職位と勤務期間にかかる一定の条件を満たした場 合、自己都合退職時点で受給権の確定を認める「フル・キャリア・リタイアメント」条項を含んでおります。これらの 繰延報酬における必要勤務期間は、契約上の受給権確定日または対象者がフル・キャリア・リタイアメントの条件を満 たした日のいずれか早い日に終了します。 詳細については「注記13 繰延報酬制度」をご参照ください。 1株当たり当期純利益 1株当たり当期純利益は期中加重平均株式数に基づいて計算しております。希薄化後1株当たり当期純利益は、希薄 化効果のある全ての有価証券が投資家にとって最も有利な転換価格または行使価格に基づき転換され、かつ転換負債は 転換仮定方式に基づき転換されると仮定して計算しております。 ― 35 ― 詳細については「注記11 1株あたり当期純利益」をご参照ください。 現金および現金同等物 現金および現金同等物には手許現金と要求払銀行預金が含まれております。 のれんおよび無形資産 企業結合の完了時に買収価額と純資産の公正価値との差額がのれんとして認識されます。当初認識以降、のれんは償 却されず、減損の判定がレポーティング・ユニットのレベルで毎年第4四半期に、あるいは減損の兆候の可能性を示す 事象がある場合にはそれ以上の頻度で第4四半期を待たずして行われます。野村のレポーティング・ユニットは事業別 セグメントのひとつ下のレベルになります。 野村は、それぞれのレポーティング・ユニットにつき、まず定性的に事象を検証し、レポーティング・ユニットの公 正価値が簿価を下回っている可能性が高い(50%超)か否かを判断します。公正価値が簿価を下回っていないと判断さ れた場合には、それ以上の分析は必要とされません。公正価値が簿価を下回る可能性が高いと判断された場合には、定 量的な2段階のテストを行います。 まず第1段階ではのれんを含めたレポーティング・ユニットの簿価を現時点での見積公正価値と比較します。ここで もし公正価値が簿価を下回る場合には、第2段階に進みます。第2段階では、レポーティング・ユニットののれんの暗 示的な現時点での公正価値を、あたかもレポーティング・ユニットを企業結合により買収したかのように、レポーティ ング・ユニットの純資産の公正価値とレポーティング・ユニットの公正価値を比較して決定します。のれんの簿価が暗 示的な現時点での公正価値を上回る場合、減損損失が認識されます。 償却されない無形資産(以下「非償却性無形資産」)は、毎年第4四半期に、または減損の兆候の可能性を示す事象 または状況がある場合にはそれ以上の頻度で第4四半期を待たずして、減損の判定が行われます。のれんと同様に、野 村は非償却性無形資産について、まず当該無形資産の公正価値が簿価を下回っている可能性が高い(50%超)か否かを定 性的に判断します。この定性的テストで公正価値が簿価を下回っていないと判断された場合、それ以上の分析は不要と なります。もし公正価値が簿価を下回る可能性が高いと判断された場合、無形資産の簿価は現時点での公正価値と比較 されます。簿価が現時点の公正価値を上回る場合には減損費用が認識されます。 耐用年数に限りのある無形資産(以下「償却性無形資産」)は見積耐用年数にわたって償却され、個別単位または他 の資産と合わせた単位(以下「資産グループ」)で当該無形資産(または資産グループ)の簿価が回収できない可能性を 示す事象または状況がある場合に減損テストが行われます。 償却性無形資産は、その簿価または資産グループの簿価が公正価値を上回る場合に減損されます。減損損失は、無形 資産(または資産グループ)の簿価が回収不可能で、かつ公正価値を上回る場合にのみ計上されます。 のれんと無形資産の両方について、減損損失が計上された場合は新たな取得原価が構築されるため、その後における 当該損失の戻入れは認められません。 ― 36 ― 詳細については「注記9 その他の資産―その他およびその他の負債」をご参照ください。 野村の持分法適用投資について減損の兆候がある場合には、投資総額について一時的な減損か否かが判定されます。 のれんを含む持分法適用投資先の資産に対する個別の減損判定は行われません。 リストラクチャリング費用 事業の撤収活動に関する費用は負債が発生した期に公正価値で認識されます。そのような費用には従業員に提供され る一時的な退職手当、一定の契約を終了させるための費用および従業員の移転費用などが含まれます。従業員に対して 継続給付制度の一部として提供される退職給付は、地域の経営陣がある程度詳細なリストラクチャリングのプランを採 用することを決定した日、または退職勧告の条件が影響する従業員に提示された日のいずれか早い日に負債として認識 されます。従業員との雇用契約に記載されている契約上の退職給付のうち特定の事象の発生により給付されるものにつ いては、負債が発生した可能性が高く、かつその金額を合理的に見積もることが可能となった期に負債として認識され ます。特定の事象に関する退職一時金は、地域の経営陣がある程度詳細なリストラクチャリングのプランを採用するこ とを決定し、かつ退職勧告の条件が影響する従業員に提示された場合に認識されます。 詳細については「注記14 構造改革費用」をご参照ください。 従業員給付制度 野村は、特定の従業員に対して、年金およびその他の退職後給付を含むさまざまな退職給付制度を提供しております。 これらの退職給付制度は、確定給付型制度または確定拠出型制度のいずれかに分類されます。 確定給付型の年金制度またはその他の退職後給付制度にかかる年金資産および予測給付債務ならびに退職給付費用 は、貸借対照表日における、割引率、年金資産の期待運用収益率、将来の給与水準といったさまざまな数理上の見積も りに基づき認識されます。年金数理上の損益のうち予測給付債務または年金資産の公正価値のいずれか大きい額の10% を超える部分および未認識の過去勤務費用は、給付を受ける在籍従業員の平均残存勤務期間にわたって定額法で償却さ れ、退職給付費用に計上されます。年金資産の積立超過または積立不足の状況は、連結貸借対照表上、その他の資産― その他およびその他の負債にそれぞれ計上され、積立状況の変化は、退職給付費用および法人税控除後の金額で連結包 括利益計算書上、その他の包括利益に計上されます。 確定給付型制度にかかる退職給付費用およびその他の給付費用は、従業員が野村へサービスを提供したとき(通常は 制度への掛金拠出時と一致)に、連結損益計算書上、人件費に計上されます。 詳細については「注記12 従業員給付制度」をご参照ください。 会計方針の変更および新しい会計基準の公表 以下の野村に関連する新しい会計基準を、2015年3月期から適用しております。 為替換算調整勘定のリリース 2013年3月、米国財務会計基準審議会は編纂書810-10「連結―全般」 (以下「編纂書810-10」)と編纂書830-30「外貨関 連事項―財務諸表の換算」(以下「編纂書830-30」)を改訂するASU第2013-05号「連結外国企業内の特定の子会社もしく は資産グループ、または外国企業に対する投資の認識の中止時の為替換算調整額に関する親会社の会計処理」(以下 ― 37 ― 「ASU2013-05」)を公表しました。この改訂は親会社が海外の子会社への投資の全てもしくは一部を売却する、または子 会社の支配的財務持分を失う際に、為替換算調整額を損益にリリースするかどうかの決定に、編纂書810-10あるいは編 纂書830-30のどちらを適用すべきかについて実務の統一を図るものです。 ASU2013-05は2013年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より将来にわたって適用され、早期適用が許容 されています。 野村は、ASU2013-05を2014年4月1日より適用しましたが、連結財務諸表への重要な影響はありませんでした。 投資会社会計に関する会計処理の決定 2013年6月、米国財務会計基準審議会は、編纂書946を改訂するASU第2013-08号「投資会社の範囲、測定、開示に関す る規定の修正」(以下「ASU2013-08」)を公表しました。これらの改訂は、非投資会社への支配持分を含めすべての投資を 公正価値評価することが求められる投資会社の範囲を変更するものです。ASU2013-08は他の投資会社への非支配持分を持 分法ではなく、公正価値で評価することを要請するとともに、投資会社が投資先に提供した財務上の支援または提供する ことが契約上要求される財務上の支援に関する情報を含む、一定の新たな開示を要請しています。 ASU2013-08は2013年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用され、早期適用は認められません。 野村は、ASU2013-08を2014年4月1日より適用しましたが、連結財務諸表への重要な影響はありませんでした。 法人所得税 2013年7月、米国財務会計審議会は、編纂書740「法人税」を改訂するASU第2013-11号「繰越欠損金、その他類似の税 務上の繰越損失または繰越税額控除等が存在する場合の未認識税務ベネフィットの表示」 (以下「ASU2013-11」)を公表し ました。ASU2013-11は、繰越欠損金、その他類似の税務上の繰越損失または繰越税額控除等が存在する場合における未認 識税務ベネフィットの表示方法の多様性を削減するものであり、税務ポジションの否認から生じる追加的な法人税支払に 繰越欠損金等を税法上使用できない場合を除き、未認識税務ベネフィットは繰延税金資産からの控除として表示されます。 ASU2013-11は2013年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用され、早期適用が許容されています。 野村はASU2013-11を2014年4月1日から適用しましたが、連結財務諸表への重要な影響はありませんでした。 買戻契約および類似の取引 2014年6月、米国財務会計審議会は、編纂書860を改訂するASU2014-11「満期レポ取引、買戻条件付資金調達および開 示」を公表しました。これらの改訂は、担保として差し入れた金融資産の満期がレポ取引の満期と一致する買戻契約であ る満期レポ取引の会計処理を変更するものです。ASU2014-11により、すべての満期レポ取引は、譲渡金融資産の売却と買 戻しの先渡契約としてではなく、他の多くのレポ取引と同様に担保付借入として会計処理されます。これらの改訂はまた、 金融資産の譲渡と同一相手先とのリバースレポ取引が同時に結ばれる買戻条件付資金調達取引の会計処理を変更します。 ASU2014-11により、すべての買戻条件付資金調達取引は個別に会計処理され、その結果リバースレポ取引による担保付貸 付として会計処理されます。 ― 38 ― ASU2014-11はまた、編纂書860の改訂により、担保付借入として会計処理されたレポ取引および有価証券貸付取引の残 存契約期間および譲渡対象の金融資産の性質に関する新たな開示と、売却として会計処理された金融資産の譲渡のうち、 譲渡人たる野村が、譲渡に伴い結んだ契約により、取引期間中における当該金融資産の経済的リターンに対する実質的に すべてのエクスポージャーを保持する一定の取引に関する新たな開示を要請しています。 満期レポ取引および買戻条件付資金調達取引にかかる会計処理変更は、2014年12月16日以降に開始する四半期または事 業年度から適用され、早期適用は認められません。適用日時点に存在するすべての満期レポ取引および買戻条件付資金調 達取引は、貸借対照表および利益剰余金への累積的影響の修正として会計処理されます。 野村はこれらの会計処理変更を2015年1月1日より適用しましたが、連結財務諸表への重要な影響はありませんでした。 売却として会計処理された金融資産の譲渡で、野村が当該金融資産の取引期間中の経済的リターンに対する実質的にす べてのエクスポージャーを保持する取引にかかる新たな開示要請は、2014年12月16日以降に開始する四半期または事業年 度から適用されます。 野村はこの開示要請を2015年1月1日より適用しました。この改訂は対象取引の会計処理を変更するものではなく、取 引の性質にかかる開示を強化するものに過ぎないため、当該改定の適用は連結財務諸表に重要な影響を与えませんでした。 該当する開示は「注記3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。 担保付借入として会計処理されたレポ契約および有価証券貸付取引の残存契約期間および譲渡対象の金融資産の性質 に関する新たな開示は、2014年12月16日以降に開始する事業年度および2015年3月16日以降に開始する四半期から適用さ れます。 野村はこの開示要請を2015年4月1日より適用し、2015年6月30日に終了する第1四半期の連結財務諸表にて開示を開 始します。この改訂はレポ取引および有価証券貸付取引の会計処理を変更するものではなく、当該取引の開示を強化する ものに過ぎないため、野村は、この開示による連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでおります。 新しい会計基準の進展 将来において適用を予定する、野村に関連する新しい会計基準は以下のとおりです。 抵当権が実行された不動産担保ローン 2014年1月、米国財務会計基準審議会は編纂書310-40「債権―債権者による不良債権のリストラクチャリング」(以下 「編纂書310-40」 )を改訂するASU第2014-04号「消費者向け居住用不動産担保ローンの抵当権実行時の再分類」(以下 「ASU2014-04」)を公表しました。ASU2014-04は、編纂書310-40の規定を充実させ、事実上の再取得または抵当権実行の 発生時期や、債権者が消費者向け住宅ローンの担保不動産を占有した時期に関する指針を提供するとともに、債権者が抵 当権実行により所有した居住用不動産および抵当手続実行中の消費者向け住宅ローンに関する新たな開示を要請してい ます。 ASU2014-04は2014年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用され、早期適用が許容されています。 野村は、ASU2014-04を2015年4月1日より適用しますが、連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでおります。 ― 39 ― 担保権が実行された政府保証付き不動産担保ローン 2014年4月、米国財務会計基準審議会は、編纂書310-40を改訂するASU第2014-14号「抵当権実行時における特定の政 府保証付き不動産担保ローンの分類」(以下「ASU2014-14」)を公表しました。ASU2014-14は、編纂書310-40の規定を充 実させ、政府保証付き不動産担保ローンの抵当権実行にあたり、債権者が不動産の代わりに別個の債権を認識すべき時 期に関する指針を提供しています。 ASU2014-14は2014年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より将来にわたって、または修正遡及法によ り適用され、早期適用が許容されています。 野村は、ASU2014-14を2015年4月1日より適用しますが、連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでおります。 非継続事業の報告 2014年4月、米国財務会計基準審議会は、編纂書205「財務諸表の表示」および編纂書360「有形固定資産」 (以下「編 纂書360」)を改訂するASU第2014-08号「非継続事業の報告および企業の構成単位の処分に関する開示」 (以下「ASU2014-08」) を公表しました。ASU2014-08は非継続事業に該当する処分が少なくなるよう非継続事業の要件を変更するとともに、新 しい表示および開示を要請しています。 ASU2014-08は2014年12月15日以降に開始する事業年度およびその四半期より将来にわたって適用されます。早期適用 が許容されていますが、過去に公表された(または公表できる状態にあった)財務諸表で報告されていない処分(また は売却目的に区分された予定処分)のみが対象となります。 野村は、ASU2014-08を2015年4月1日より適用しますが、連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでおります。 収益認識 2014年5月、米国財務会計基準審議会は、編纂書606「顧客との契約から生じる収益」とともに、編纂書350「無形資 産―のれんおよびその他」、編纂書360および編纂書605-35「収益認識―建設型契約及び生産型契約」を含むその他の基 準書を改訂するASU第2014-09号「顧客との契約から生じる収益」(以下「ASU2014-09」)を公表しました。ASU2014-09は 編纂書605「収益認識」に規定される既存の収益認識基準およびその他の業種特有の収益認識基準を置き換えるとともに、 顧客との契約の獲得または履行のためのコストにかかる会計処理および非金融資産の売却にかかる認識および測定基準 を定めています。ASU2014-09の基本原則は、顧客への財貨またはサービスの提供を、当該財貨またはサービスと引き換 えに企業が権利を得ると見込む対価を反映した金額で会計処理することにあります。ASU2014-09は、この基本原則を達 成するため、顧客との契約および契約に含まれる別個の履行義務の識別方法、取引価格の算定および別個の履行義務へ の配分方法、履行義務の充足時における収益の認識方法などに関する指針を提供しています。 ASU2014-09は2016年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用されます。なお、2015年4月、米国 財務会計基準審議会は、2016年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期からの早期適用を認めつつ、適用日 を2017年12月16日以降に開始する事業年度に延期する提案をしました。この適用延期の提案が米国財務会計基準審議会 に採択された場合、野村は、ASU2014-09を2018年4月1日より適用する予定であり、現在連結財務諸表に与える影響を 分析中です。 ― 40 ― 株式報酬 2014年6月、米国財務会計審議会は、編纂書718「報酬―株式報酬」 (以下「編纂書718」 )を改訂するASU第2014-12号 「必要勤務期間後に達成される可能性のある業績目標を含む株式報酬の会計処理」(以下「ASU2014-12」)を公表しまし た。ASU2014-12は受給権確定に影響し必要勤務期間後に達成される可能性のある業績目標を、当該報酬付与日の公正価 値に影響する非権利確定条件としてではなく、編纂書718の現行規定における業績条件として会計処理することを要請し ています。 ASU2014-12は2015年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用され、早期適用が許容されています。 ASU2014-12は将来的または遡及的のいずれかの方法で適用されます。 野村は、ASU2014-12を2016年4月1日より適用する予定ですが、連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでおり ます。 債務担保事業体 2014年8月、米国財務会計審議会は、編纂書810を改訂するASU第2014-13号「連結された債務担保金融事業体の金融資 産および金融負債の測定」(以下「ASU2014-13」)を公表しました。ASU2014-13は債務担保金融事業体の定義を満たす連 結変動持分事業体の金融資産および金融負債の公正価値の測定について、編纂書820「公正価値評価と開示」(以下「編 纂書820」)を代替する方法を定めています。 ASU2014-13の代替的な測定方法を選択した場合、連結債務担保金融事業体の金融資産および金融負債の公正価値は、 いずれかのうち、より観察可能な方により測定されるため、公正価値を別々に測定した場合に生じうる差異が除去され ます。 ASU2014-13は2015年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用され、早期適用が許容されています。 野村は、ASU2014-13を2016年4月1日より適用する予定であり、現在連結財務諸表に与える影響を分析中です。 連結 2015年2月、米国財務会計審議会は、編纂書810を改訂するASU第2015-02号「連結分析の変更」(以下「ASU2015-02」) を公表しました。ASU2015-02はリミテッド・パートナーシップやそれに類似する事業体など、特定の法的事業体の連結 判定に関する、現行の編纂書810の複雑な指針を簡素化するものです。ASU2015-02は、特に以下の事項を定めています。 ・ 一定の投資会社、マネーマーケットファンド、適格不動産ファンドおよび類似の事業体に適用されるASU第 2010-10号「投資ファンドに関する改訂」が規定した、米国財務会計審議会財務会計基準書第167号「米国財務会 計審議会注釈書46号改訂の変更」の無期限の適用延期を廃止する。 ・ 一定の登録マネーマーケットファンドおよび類似の事業体に連結除外規定を設ける。 ・ 編纂書810におけるリミテッド・パートナーシップおよび類似の事業体が、変動持分事業体または議決権持分事 業体のいずれに該当するかの評価方法を変更する。 ・ 変動持分事業体の連結判定に関して、報酬取決めや関連当事者関係の評価方法を変更する。 ・ 連結除外規定の対象となる一定の登録マネーマーケットファンドおよび類似の事業体への財務支援に関する新 たな開示を要請する。 ― 41 ― ASU2015-02は2015年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用され、四半期からの適用も含め、早 期適用が許容されています。 野村は、ASU2015-02を2016年4月1日より適用する予定であり、現在連結財務諸表に与える影響を分析中です。 負債発行費用の表示 2015年4月、米国財務会計審議会は、編纂書835-30「金利―金利の帰属」(以下「編纂書835-30」)を改訂するASU第 2015-03号「負債発行費用の表示の簡素化」(以下「ASU2015-03」)を公表しました。ASU2015-03は現行の編纂書835-30 では資産として表示される負債発行費用を、負債の割引と同様に、関連する負債の帳簿価額から直接減額することを要 請しています。 ASU2015-03は2015年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用され、早期適用が許容されています。 野村は、ASU2015-03を2016年4月1日より適用する予定ですが、連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでおり ます。 クラウドコンピューティング契約の支払料金に関する顧客の会計処理 2015年4月、米国財務会計審議会は、編纂書350-40「無形資産―のれんおよびその他―自社利用のソフトウエア」を 改訂するASU第2015-05号「クラウドコンピューティング契約の支払料金に関する顧客の会計処理」 (以下「ASU2015-05」) を公表しました。ASU2015-05は第三者からソフトウエア、プラットフォーム、インフラストラクチャーまたはその他の ホスティングサービスが提供されるクラウド・コンピューティング契約に、通常のソフトウエアライセンス購入と同様 に会計処理すべきソフトウエアライセンスが含まれるかの決定に関する指針を提供しています。 ASU2015-05は2015年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用され、早期適用が許容されています。 野村は、ASU2015-05を2016年4月1日より適用する予定ですが、連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでおり ます。 1株当たり純資産価額(または同等の価額)を計算する特定の投資に関する開示 2015年5月、米国財務会計審議会は、編纂書820を改訂するASU第2015-07号「1株当たり純資産価額(または同等の価 額)を計算する特定の投資に関する開示」(以下「ASU2015-07」)を公表しました。ASU2015-07は実務上の簡便法として 公正価値を純資産価額を用いて測定している投資について、公正価値の階層別の開示を不要とするとともに、その他一 定の開示要請を変更しています。 ASU2015-07は2015年12月16日以降に開始する事業年度およびその四半期より適用され、早期適用が許容されています。 野村は、ASU2015-07を2016年4月1日より適用する予定です。これらの変更は実務上の簡便法として公正価値を純資産 価額を用いて測定している投資にかかる一定の開示要請を不要とするものに過ぎず、実務上の簡便法の適用要件に変更 はないため、野村は、当該変更による連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでおります。 ― 42 ― 2 公正価値測定: 金融商品の公正価値 野村が保有する金融商品の多くは公正価値で計上されております。経常的に公正価値で計上される金融資産は、連結貸 借対照表上トレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資、貸付金および受取債権、担保付契約、その他の資 産に計上されており、金融負債は、トレーディング負債、短期借入、支払債務および受入預金、担保付調達、長期借入、 その他の負債に計上されております。 その他の一義的な評価基準が公正価値に基づかない金融資産や負債は非経常的に公正価値評価されます。その場合、公 正価値は当初認識以降の減損の測定など限定的な状況で使用されます。 全ての公正価値は、編纂書 820 の規定に従い、測定日において市場参加者の間で行われる通常の取引において、金融資 産の譲渡の対価として得られるであろう金額または金融負債を移転するのに必要とされるであろう金額と定義されます。 ここでいう取引は、野村が各金融資産または金融負債を取引する場合、主に利用すると想定される市場(当該主要市場が ないときは最も有利な市場)における取引を想定しております。 金融商品の公正価値は原則、金融商品の会計単位と整合したうえで、個別商品ごとに決定されております。ただし、ポ ートフォリオ単位で管理される特定の金融商品は、ポートフォリオ単位で公正価値が測定されております。この場合、公 正価値は、ネット・ロング・ポジション(純額での金融資産)の譲渡の対価として得られるであろう金額、あるいはネッ ト・ショート・ポジション(純額での金融負債)を移転するのに必要とされるであろう金額に基づいており、測定日にお いて市場参加者がネット・エクスポージャーに対して行う評価と整合しております。 公正価値で測定される金融資産には、特定のファンドへの投資も含まれております。こうしたファンドへの投資は、1 株当たり純資産価額が公正価値算定の方法として業界で一般的に使用されている場合には、実務上の簡便的な方法として 1株当たり純資産価額で公正価値を測定しております。 資産負債の公正価値の増減は、野村のポジション、パフォーマンス、流動性および資本調達に大きな影響を与えます。 後述のとおり、採用している評価手法は元来不確実性を内包しているため、将来の市場動向の正確な影響を予測すること はできません。野村は、市場リスクを軽減するために可能な場合には経済的なヘッジ戦略をとっております。ただし、そ れらのヘッジ戦略も予測することのできない市場の動向の影響を受けます。 毎期経常的に公正価値評価される金融商品の評価手法 金融商品の公正価値は、市場指数を含む取引所価格、ブローカーやディーラー気配、その時点における市場環境下で当 社が出口価格と推測する見積もり価格に基づいております。現物取引と店頭取引を含めたさまざまな金融商品は、市場で 観察可能なビッド価格とオファー価格を有しています。こうした商品は、ビッド価格とオファー価格の間の野村の見積公 正価値をもっとも良く表している価格で公正価値評価されます。取引所価格もしくはブローカーやディーラー気配が取得 できない場合は、類似する商品の価格や時価評価モデルが公正価値を決定するにあたって考慮されます。 活発な市場の取引価格が取得できる場合、それらの価格で評価された資産もしくは負債の公正価値に調整を加えること はありません。その他の商品については、観察可能な指標、観察不能な指標、またはその両方を含んだ時価評価モデルな どの評価手法が用いられます。時価評価モデルは市場参加者が類似する金融商品を評価する際に考慮するであろう指標を 用いています。 時価評価モデルおよび当該モデルの基礎となる仮定は、未実現および実現損益の金額および計上時期に影響を与えます。 異なる時価評価モデルや基礎となる仮定の使用は、異なる財務上の損益に結びつくことがあります。評価の不確実性は、 評価手法やモデルの選定、評価モデルに用いられる数量的な仮定、モデルに用いられるデータや他の要素などといったさ まざまな要素に起因します。これらの不確実性を考慮したうえで、評価は調整されます。通常用いられる調整としてはモ デル・リザーブ、クレジット・アジャストメント、クローズアウト・アジャストメント、譲渡や売却の制限といった個別 の商品特有の調整が含まれます。 ― 43 ― 評価の調整の程度は概して主観的なものであり、市場参加者が類似する金融商品の公正価値を決定する際に用いるであ ろうと当社が推測する要素に基づくものです。行われる調整のタイプ、それらの調整の計算方法、計算に用いられるデー タなどは、その時々の市場慣行や新たな情報の利用可能状況を反映するように定期的に見直されます。 例えば、ある金融商品の公正価値には、野村の資産に関する取引先の信用リスクと負債に関する自社クレジットの両方 に関連した信用リスクの調整を含んでおります。金融資産の信用リスクは、担保やネッティング契約などの信用補完によ り、大幅に軽減されています。相殺後の信用リスクは、実際の取引先の入手可能で適用可能なデータを用いて測定されま す。野村の資産に対する取引先の信用リスクを測定するのと同様の手法が、野村の金融負債に対する信用リスクを測定す るために用いられています。 こうした時価評価モデルは定期的に市場動向に合うよう見直され、用いられるデータは最新の市場環境とリスクに応じ て調整されます。リスク・マネジメント部門内のグローバル・モデル・バリデーション・グループ(以下「MVG」)が、収 益責任を負う部門から独立した立場で評価モデルをレビューし、モデルの妥当性や一貫性を評価しております。モデル・ レビューにあたっては、評価の適切性や特定の商品の感応度など多くの要素を考慮しております。評価モデルは定期的に 観察可能な市場価格との比較、代替可能なモデルとの比較、リスク・プロファイルの分析により市場に合うよう見直され ます。 上述のとおり、債券、株式、為替、コモディティ市場において変化があれば、野村の将来の公正価値の見積もりに影響 を与え、トレーディング損益に影響を与える可能性があります。また、金融商品の満期日までの期間が長ければ長いほど、 客観的な市場データが得にくくなることから、野村の公正価値の見積もりはより主観的になる可能性があります。 公正価値の階層 公正価値で測定された全ての金融商品(公正価値オプションの適用により公正価値で測定された金融商品を含む)はそ の測定に使用された基礎データの透明度によって3段階のレベルに分類されます。金融商品は、公正価値算定に当たり有 意なデータのうち最も低いレベルによって分類されます。以下のように3段階のレベルに公正価値評価の階層は規定され ており、レベル1は最も透明性の高いデータを有し、レベル3は最も透明性の低いデータを有しております。 レベル1 測定日現在の、野村が取引可能な活発な市場における同一の金融商品の未調整の取引価格。 レベル2 活発でない市場における取引価格、または直接・間接を問わず観察可能な他のデータで調整された取引価格。観察可能 なデータを使用する評価方法は、金融商品の価格付けに市場参加者により使用される仮定を反映しており、測定日におい て独立した市場ソースから入手したデータに基づいております。 レベル3 金融商品の公正価値測定に有意な観察不能なデータ。観察不能なデータを用いた評価方法は、類似する金融商品を他の 市場参加者が評価する際に使用するであろうと当社が仮定する見積もり、および測定日における利用可能な最善の情報に 基づいております。 市場で観察可能なデータの利用可能性は商品によって異なり、種々の要素の影響を受ける可能性があります。以下に限 りませんが、有意な要素には、特に商品がカスタマイズされたものである場合、市場における類似する商品の普及度、例 えば新商品であるかまたは比較的成熟しているかどうかというような市場での商品の様態、現在のデータが取得できる頻 度および量などの市場から得られる情報の信頼性などが含まれます。市場が著しく変動している期間は、利用可能で観察 可能なデータが減少する場合があります。そのような環境の下では、金融商品は公正価値評価の階層の下位レベルに再分 類される可能性があります。 金融商品の分類を決定する際の重要な判断には、商品が取引される市場の性質、商品が内包するリスク、市場データの 種類と流動性、および類似した商品から観察された取引の性質が含まれます。 評価モデルに市場においてあまり観察可能ではないデータあるいは観察不能なデータを使用する場合には、公正価値の 決定過程には当社の重要な判断が含まれます。そのため、レベル1やレベル2の金融商品に比べて、レベル3の金融商品 の評価にはより多くの判断が含まれます。 ― 44 ― 市場が活発であるかどうかを判断するために当社が用いる重要な基準は、取引数、市場参加者による価格更新の頻度、 市場参加者による取引価格の多様性および公表された情報の量などです。 次の表は、野村が保有する毎期経常的に公正価値評価される金融商品の 2014 年3月 31 日および 2015 年3月 31 日現在 のレベル別の金額を示しています。 ― 45 ― (単位:十億円) レベル 1 資産: トレーディング資産および プライベート・エクイティ投資 (2) エクイティ (3) プライベート・エクイティ投資 (3) 日本国債 日本地方債・政府系機関債 外国国債・地方債・政府系機関債 銀行および事業会社の負債証券・ 売買目的の貸付金 商業用不動産ローン担保証券 (CMBS) 住宅用不動産ローン担保証券 (RMBS) 不動産担保証券 債務担保証券 (CDO) 等 (4) 受益証券等 トレーディング資産および プライベート・エクイティ投資合計 デリバティブ資産 (5) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ 取引相手毎および現金担保との相殺 デリバティブ資産合計 小計 貸付金および受取債権 (6) 担保付契約 (7) その他の資産 トレーディング目的以外の負債証券 その他 (3) 合計 負債: トレーディング負債 エクイティ 日本国債 外国国債・地方債・政府系機関債 銀行および事業会社の負債証券 住宅用不動産ローン担保証券 (RMBS) 債務担保証券 (CDO) 等 (4) 受益証券等 トレーディング負債合計 デリバティブ負債 (5) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ 取引相手毎および現金担保との相殺 デリバティブ負債合計 小計 短期借入 (8) 支払債務および受入預金 (9) 担保付調達 (7) 長期借入 (8)(10)(11) その他の負債 (12) 合計 2014年3月31日 取引相手毎 および レベル 2 レベル 3 現金担保と の相殺 (1) 2014年 3月31日 残高 2,176 - 2,587 - 4,615 655 - - 192 1,378 68 42 - - 26 - - - - - 2,899 42 2,587 192 6,019 - - - - - 136 1,735 156 2,221 - 170 87 116 3 3 0 13 30 - - - - - - 1,851 159 2,224 0 183 253 9,514 6,594 301 - 16,409 750 11 4 - 0 - 765 10,279 1,102 19,398 1,268 3,293 0 - 25,061 31,655 70 112 42 19 0 - 243 544 - - - - - △23,764 △23,764 △23,764 1,922 19,521 1,314 3,312 0 △23,764 2,305 18,714 - - 280 1,087 26 - - - 306 1,087 406 358 11,043 615 94 33,731 3 56 629 - - △23,764 1,024 508 21,639 774 3,046 3,831 - - - 76 7,727 132 - 688 396 1 0 12 1,229 1 - - 0 - - - 1 - - - - - - - - 907 3,046 4,519 396 1 0 88 8,957 827 10 4 - 0 - 841 8,568 1,368 19,142 1,582 2,926 0 - 25,018 26,247 59 151 37 14 0 - 261 262 - - - - - △24,030 △24,030 △24,030 2,254 19,303 1,623 2,940 0 △24,030 2,090 11,047 - - - 134 152 8,854 46 0 530 1,439 86 28,348 3 0 - 394 - 659 - - - - - △24,030 49 0 530 1,967 238 13,831 ― 46 ― (単位:十億円) レベル 1 資産: トレーディング資産および プライベート・エクイティ投資 (2) エクイティ (3) プライベート・エクイティ投資 (3) 日本国債 日本地方債・政府系機関債 外国国債・地方債・政府系機関債 銀行および事業会社の負債証券・ 売買目的の貸付金 商業用不動産ローン担保証券 (CMBS) 住宅用不動産ローン担保証券 (RMBS) 不動産担保証券 債務担保証券 (CDO) 等 (4) 受益証券等 トレーディング資産および プライベート・エクイティ投資合計 デリバティブ資産 (5) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ 取引相手毎および現金担保との相殺 デリバティブ資産合計 小計 貸付金および受取債権 (6) 担保付契約 (7) その他の資産 トレーディング目的以外の負債証券 その他 (3) 合計 負債: トレーディング負債 エクイティ 日本国債 外国国債・地方債・政府系機関債 銀行および事業会社の負債証券 住宅用不動産ローン担保証券 (RMBS) 債務担保証券 (CDO) 等 (4) 受益証券等 トレーディング負債合計 デリバティブ負債 (5) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ 取引相手毎および現金担保との相殺 デリバティブ負債合計 小計 短期借入 (8) 支払債務および受入預金 (9) 担保付調達 (7) 長期借入 (8)(10)(11) その他の負債 (12) 合計 2015年3月31日 取引相手毎 および レベル 2 レベル 3 現金担保と の相殺 (1) 2015年 3月31日 残高 1,707 - 2,233 - 3,965 710 0 - 277 1,391 39 49 - - 3 - - - - - 2,456 49 2,233 277 5,359 - - - - - 448 1,786 113 2,496 - 184 120 167 2 1 13 15 4 - - - - - - 1,953 115 2,497 13 199 572 8,353 7,077 293 - 15,723 7 16 5 - 0 - 28 8,381 1,668 31,559 1,066 7,544 0 - 41,837 48,914 72 90 40 33 - - 235 528 - - - - - △40,514 △40,514 △40,514 1,747 31,665 1,111 7,577 0 △40,514 1,586 17,309 - - 304 1,530 15 - - - 319 1,530 342 342 9,065 606 128 51,482 0 57 600 - - △40,514 948 527 20,633 1,027 3,117 3,155 - - - 84 7,383 62 - 904 379 1 3 0 1,349 3 - - 0 - - - 3 - - - - - - - - 1,092 3,117 4,059 379 1 3 84 8,735 18 8 2 - 1 - 29 7,412 1,887 31,555 1,080 6,954 0 - 41,476 42,825 78 112 36 38 0 - 264 267 - - - - - △40,460 △40,460 △40,460 1,983 31,675 1,118 6,992 1 △40,460 1,309 10,044 - - - 80 96 7,588 188 0 983 1,996 108 46,100 1 0 - 525 - 793 - - - - - △40,460 189 0 983 2,601 204 14,021 ― 47 ― (1) デリバティブ資産および負債の取引相手毎の相殺額およびデリバティブ取引純額に対する現金担保の相殺額であ ります。 (2) 公正価値が実務上の簡便法として1株当たり純資産価額で計算された事業体への投資を含んでおります。 (3) 公正価値オプションを選択していなければ持分法を適用していたエクイティ投資を含んでおります。 (4) ローン担保証券(CLO)、資産担保証券(ABS)(クレジットカード・ローン、自動車ローン、学生ローン等)を含みます。 (5) デリバティブ資産および負債の各区分には、複数のリスク区分を複合的に参照するデリバティブも含まれておりま す。例えば金利デリバティブには、金利リスクや為替リスクの複合的なデリバティブや、期中償還率のようなその 他のリスクも同時に参照するデリバティブが含まれております。信用デリバティブには、クレジット・デフォルト・ スワップの他、債券を参照するデリバティブも含まれております。 (6) 貸付金のうち公正価値オプションを選択したものを含んでおります。 (7) 担保付契約および担保付調達のうち公正価値オプションを選択したものを含んでおります。 (8) 公正価値オプションを選択した仕組債等を含んでおります。 (9) 区分処理されている受入預金の組込デリバティブ部分を含んでいるため、野村にとって評価益が評価損を上回る場 合は当該部分が受入預金から控除されております。 (10)区分処理されている発行済み仕組債の組込デリバティブ部分を含んでいるため、野村にとって評価益が評価損を上 回る場合は当該部分が借入から控除されております。 (11)売却取引ではなく金融取引として会計処理された担保付金融取引によって認識される負債を含んでおり、当該負債 について公正価値オプションを選択しております。 (12)公正価値オプションを選択した貸付金の貸出コミットメントを含んでおります。 主要な金融商品の評価手法 金融商品の公正価値評価額の推定にあたり、野村が用いた主要な金融商品種別毎の評価手法、および公正価値階層帰属 先決定にあたって有意となったデータは、以下のとおりです。 エクイティおよびその他の資産に含まれる投資持分証券:エクイティおよびその他の資産に含まれる投資持分証券は、 上場・非上場のエクイティ証券およびファンド投資を含みます。上場エクイティ証券の公正価値は、取引の活発な市場に おける同一証券の取引価格が利用可能であれば、それを用いて決定されております。そのような評価は市場慣行に即して いなければならず、そのためビッド価格もしくは仲値に基づきます。野村は、証券取引の数量および取引頻度によって、 取引の活発な市場であるかどうかを判断しております。これら証券がレベル1の階層に分類される場合、公正価値の調整 は行われません。取引の活発ではない市場で取引されている上場エクイティ証券も同様に通常は取引所価格を用いて評価 され、レベル2に分類されます。非常に稀ながら、実務上、取引の活発ではない市場で取引されている取引所価格が適切 な公正価値を示していないと考えられる場合、取引所価格にディスカウントや流動性アジャストメントを反映させること があります。こうした調整の有無は個別銘柄毎に判断されており、野村の当該銘柄の保有数量は判断の材料とはなってお りません。取引が活発ではない市場で取引される上場エクイティ証券に対するこうした調整について、2014 年3月 31 日 現在および 2015 年3月 31 日現在に認識している金額はありません。非上場エクイティ証券の公正価値は後述のプライベ ート・エクイティ投資と同様の評価手法を用いて決定され、流動性ディスカウントやクレジット・スプレッドのような有 意な評価データが観察不能であるため、通常レベル3に分類されます。実務上の簡便法として、容易に決定されうる公正 価値を持たないファンド投資については、1株当たり純資産価額が取得可能な場合は通常それを用いて評価されます。 日々公表される1株当たり純資産価額を用いて評価されている上場投資信託はレベル1に分類されます。野村が運用会社 に対し貸借対照表日当日あるいは相当の期間内で1株当たり純資産価額にて解約可能なファンド投資はレベル2に分類 されます。野村が相当の期間内で解約することができない場合、あるいはいつ解約が可能か不明なファンド投資はレベル 3に分類されます。不動産ファンドへのエクイティ投資の評価手法には財務成績を計るために純営業収益を使用する直接 還元法(Direct Capitalization Method(以下「DCM」))を用いており、参照する不動産の属性に応じた還元利回りを適用 いたします。DCM を評価に用いるエクイティ投資は、評価する不動産ファンドが保有する不動産ないしは類似した不動産 に対する観察可能な還元利回りが通常入手できないため、一般的にレベル3に分類されます。 プライベート・エクイティ投資:非上場プライベート・エクイティ投資は元来価格の透明性がない、ないしは低いため、 公正価値の決定に際しては当社独自の重要な判断が求められます。プライベート・エクイティ投資は当初は公正価値であ ると見積もられた取得価額で計上されます。第三者取引事例などで価格の変動が明らかな場合には、帳簿価額は調整され ます。第三者取引が存在しない場合でも、予想される出口価格が帳簿価額と異なると判断された場合は、帳簿価額を調整 することがあります。こうした決定に際しては主に、割引現在価値法(Discounted Cash Flow(以下「DCF」))またはマル チプル法を使用します。DCF 法とは適切な成長率に基づいて調整した投資先から生じる予測将来キャッシュ・フローを、 加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital(以下「WACC」))により割り引く内部評価モデルです。マルチプ ル法とは EV/EBITDA、株価収益率、株価純資産倍率、株価潜在価値比率、投資先の財務諸表数値と比較対象となる他社の 株価の関係から導かれるその他の評価倍率などの比較数値を用いた評価手法です。また、投資先特有の属性を反映させる ― 48 ― ため DCF 法ないしはマルチプル法に対して流動性ディスカウントを考慮することがあります。可能な場合にはこうした評 価は、投資先の営業キャッシュ・フローおよび財務業績ないしは予算または見積もりに関連する資産、類似の公開企業の 株価や利益数値、業種または地域内の傾向およびその投資に関連する特定の権利または条件(例えば転換条項や残余財産 分配優先権)と比較されます。プライベート・エクイティ投資は、前述した評価データの多くが観察不能あるいは不確実 性が高いため、通常レベル3に分類されます。 国債、地方債ならびに政府系機関債:日本を含む G7 の政府が発行する国債の公正価値は、主に取引所価格、執行可能 なブローカーやディーラー気配、あるいはこれらに代替し得る価格情報を用いて決定されております。これらの証券は活 発な取引のある市場にて取引されており、したがって公正価値階層においてはレベル1に分類されております。G7 以外の 政府が発行する国債、政府系機関債および地方債については G7 国債同様の価格情報を用いて評価されておりますが、こ れらの債券は取引の活発ではない市場で取引されているため、通常レベル2に分類されております。一部の G7 以外の政 府が発行する証券については、活発な取引のある市場にて取引されているため、レベル1に分類されることもあります。 一部の証券については、取引が頻繁に行われず、比較可能な証券からレベル2に分類するために必要な価格情報が得られ ないため、レベル3に分類されることがあります。これらの証券は発行体のクレジット・スプレッドなどの有意な観察不 能データを含む DCF 法によって評価されます。 銀行および事業会社の負債証券:銀行および事業会社の負債証券の公正価値は、主として DCF 法だけではなく、可能な 場合には当該証券あるいは類似証券のブローカーやディーラー気配、直近の取引事例を用いて決定されております。ブロ ーカーやディーラーの気配については、価格が単なる気配か執行可能かという点、気配を取得できるブローカーやディー ラーの社数、直近の市場動向や代替の価格情報と比較した気配の水準などの特性も考慮されております。DCF 法に用いら れる有意な評価データは、利回り曲線、アセット・スワップ・スプレッド、回収率、発行体のクレジット・スプレッドな どであります。銀行および事業会社の負債証券は通常こうした評価データが観察可能ないしは市場で裏付けがあるため、 一般的にはレベル2に分類されます。しかし、一部の銀行および事業会社の負債証券については、取引が散発的であり、 かつ比較可能な証券からレベル2に分類するために必要な情報が得られないこと、ないしは DCF 法に使用される発行体の クレジット・スプレッドまたは回収率が観察不能であることから、レベル3に分類されることがあります。 商業不動産ローン担保証券(CMBS)および住宅不動産ローン担保証券(RMBS):CMBS および RMBS の公正価値は、主として DCF 法だけではなく、可能な場合には当該証券あるいは類似証券のブローカーやディーラー気配、直近の取引事例を用い て決定されております。ブローカーやディーラーの気配については、価格が単なる気配か執行可能かという点、気配を取 得できるブローカーやディーラーの社数、直近の市場動向や代替の価格情報と比較した気配の水準などの特性も考慮され ております。DCF 法に用いられる有意な評価データは、利回り、期中償還率、デフォルト確率および損失率などでありま す。CMBS および RMBS は通常こうした評価データが観察可能ないしは市場で裏付けがあるため、一般的にはレベル2に分 類されます。しかし、一部の CMBS および RMBS については取引が散発的であり、かつ比較可能な証券からレベル2に分類 するために必要な情報が得られないこと、ないしは DCF 法に使用される1つ以上の評価データが観察不能であることから、 レベル3に分類されることがあります。 不動産担保証券:不動産担保証券の公正価値はブローカーやディーラー気配、直近の市場取引または比較可能な市場指 数を参照して決定されております。ブローカーやディーラーの気配については、価格が単なる気配か執行可能かという点、 気配を取得できるブローカーやディーラーの社数、直近の市場動向や代替の価格情報と比較した気配の水準などの特性も 考慮されております。有意なデータが全て観察可能である場合、当該証券はレベル2に分類されます。一部の証券は直接 的な価格のソースや比較可能な証券や指標が利用できません。そのような証券は DCF 法や DCM を用いて評価されており、 利回りまたは損失率などの有意な観察不能な評価データが含まれるため、レベル3に分類されます。 債務担保証券(CDO)等:CDO 等は、主として DCF 法だけではなく、可能な場合には当該証券あるいは類似証券のブローカ ーやディーラーの気配、直近の取引事例を用いて決定されております。ブローカーやディーラーの気配については、価格 が単なる気配か執行可能かという点、気配を取得できるブローカーやディーラーの社数、直近の市場動向や代替の価格情 報と比較した気配の水準などの特性も考慮されております。DCF 法に用いられる有意な評価データは、信用格付毎の市場 スプレッド、利回り、期中償還率、デフォルト確率および損失率などであります。CDO 等はこうした評価データが観察可 能ないしは市場で裏付けがあるため、一般的にはレベル2に分類されます。しかし、一部の CDO 等については DCF 法に使 用される1つ以上の有意な評価データが観察不能であるため、レベル3に分類されることがあります。 ― 49 ― 受益証券等:受益証券の公正価値は、主に1株当たり純資産価額を用いて決定されております。日々公表されている1 株当たり純資産価額で評価されている上場投資信託は、公正価値階層のレベル1に分類されております。非上場投資信託 について、野村が投信運用会社に対し、貸借対照表日現在の1株当たり純資産価額で当日あるいは相当の期間内に解約し 得る場合はレベル2に分類されます。野村が相当の期間内に解約できないあるいはいつ解約が可能か不明な場合は、レベ ル3に分類されます。受益証券等に計上される特定の投資の公正価値は DCF 法を用いて決定されております。こうした投 資は、発行体のクレジット・スプレッドや相関係数のような有意な観察不能データで評価されているため、レベル3に分 類されます。 デリバティブ(エクイティ・デリバティブ):野村はインデックス・オプション、エクイティ・オプション、エクイテ ィ・バスケット・オプション、インデックス・スワップ、エクイティ・スワップ等の上場デリバティブおよび店頭デリバ ティブを取引しております。上場エクイティ・デリバティブの公正価値は、活発な市場で取引され、取引所価格が公正価 値を表している場合は未調整の取引所価格を用いて決定され、公正価値階層のレベル1に分類されております。取引が活 発でない市場で取引される場合、ないしは取引所価格が公正価値を表していない場合の上場エクイティ・デリバティブの 公正価値はモデル価格を用いて決定され、レベル2に分類されます。店頭デリバティブの公正価値はブラック・ショール ズ・モデル、モンテカルロ・シミュレーション等のオプションモデルにより決定されております。使用される有意な評価 データにはエクイティ価格、配当利回り、ボラティリティおよび相関係数が含まれております。加えて、モデル評価に際 してはデリバティブ資産にかかる取引相手のクレジット・リスクならびにデリバティブ負債にかかる野村の信用リスクを 反映させるために調整を行っております。店頭デリバティブは全ての有意な評価データおよび調整が観察可能ないしは市 場で裏付けがあるため、一般的にはレベル2に分類されます。一部の流動性の低いバニラ型、ないしはエキゾチック型の エクイティ・デリバティブについて配当利回り、ボラティリティ、相関係数などの評価データが有意かつ観察不能である 場合は、レベル3に分類されます。 デリバティブ(金利デリバティブ):野村は金利スワップ、為替スワップ、金利オプション、金利先渡契約、スワップ ション、キャップ取引、フロア取引等の上場デリバティブおよび店頭デリバティブを取引しております。上場金利デリバ ティブの公正価値は、活発な市場で取引され、取引所価格が公正価値を表している場合は未調整の取引所価格を用いて決 定され、公正価値階層のレベル1に分類されております。取引が活発でない市場で取引される場合、ないしは取引所価格 が公正価値を表していない場合の上場金利デリバティブの公正価値はモデル価格を用いて決定され、レベル2に分類され ます。店頭デリバティブの公正価値は、DCF 法や、ブラック・ショールズ・モデル、モンテカルロ・シミュレーション等 のオプションモデルにより評価されております。使用される有意な評価データには金利、先物為替、ボラティリティおよ び相関係数が含まれております。加えて、モデル評価に際してはデリバティブ資産にかかる取引相手のクレジット・リス クならびにデリバティブ負債にかかる野村の信用リスクを反映させるために調整を行っております。店頭デリバティブは 全ての有意な評価データおよび調整が観察可能ないしは市場で裏付けがあるため、一般的にはレベル2に分類されます。 一部の流動性の低いバニラ型、ないしはエキゾチック型の店頭金利デリバティブについて金利、ボラティリティ、相関係 数などの評価データが有意かつ観察不能である場合は、レベル3に分類されます。 デリバティブ(信用デリバティブ):野村は特定の相手先、指数、複数の相手先を参照するクレジット・デフォルト・ スワップ、クレジット・オプション等の店頭デリバティブを取引しております。店頭デリバティブの公正価値は、DCF 法 や、ブラック・ショールズ・モデル、モンテカルロ・シミュレーション等のオプションモデルにより評価されております。 使用される有意な評価データには金利、クレジット・スプレッド、回収率、デフォルト確率、ボラティリティおよび相関 係数が含まれております。加えて、モデル評価に際してはデリバティブ資産にかかる取引相手のクレジット・リスクなら びにデリバティブ負債にかかる野村の信用リスクを反映させるために調整を行っております。店頭デリバティブは全ての 有意な評価データおよび調整が観察可能ないしは市場で裏付けがあるため、一般的にはレベル2に分類されます。一部の 流動性の低いバニラ型、ないしはエキゾチック型の店頭信用デリバティブについてクレジット・スプレッド、回収率、ボ ラティリティ、相関係数などの評価データが有意かつ観察不能である場合は、レベル3に分類されます。 デリバティブ(為替取引):野村は為替先物、通貨オプション等の上場デリバティブおよび店頭デリバティブを取引し ております。取引が活発でない市場で取引される場合、ないしは取引所価格が公正価値を表していない場合の上場デリバ ティブの公正価値はモデル価格を用いて決定され、レベル2に分類されます。店頭デリバティブの公正価値は、DCF 法や、 ブラック・ショールズ・モデル、モンテカルロ・シミュレーション等のオプションモデルにより評価されております。使 用される有意な評価データには金利、先物為替、直物為替、ボラティリティが含まれております。加えて、モデル評価に 際してはデリバティブ資産にかかる取引相手のクレジット・リスクならびにデリバティブ負債にかかる野村の信用リスク を反映させるために調整を行っております。店頭デリバティブは全ての有意な評価データおよび調整が観察可能ないしは 市場で裏付けがあるため、一般的にはレベル2に分類されます。一部のデリバティブについてボラティリティなどの評価 データが有意かつ観察不能である場合は、レベル3に分類されます。 ― 50 ― デリバティブ(商品デリバティブ):野村はコモディティ・スワップ、商品先物、コモディティ・オプション等の店頭デ リバティブを取引しております。店頭デリバティブの公正価値は、DCF 法や、ブラック・ショールズ・モデル、モンテカ ルロ・シミュレーション等のオプションモデルにより評価されております。使用される有意な評価データには商品価格、 金利、ボラティリティ、相関係数が含まれております。加えて、モデル評価に際してはデリバティブ資産にかかる取引相 手のクレジット・リスクならびにデリバティブ負債にかかる野村の信用リスクを反映させるために調整を行っております。 店頭デリバティブは通常こうした評価データおよび調整が観察可能ないしは市場で裏付けがあるため、一般的にはレベル 2に分類されます。 野村は、主要な市場における市場参加者が公正価値を算定するために使用するであろう手法に合致させるため、特定の 店頭デリバティブ取引の公正価値を見積もる際にファンディングコストに基づく評価の調整を行っております。2013 年3 月期に、野村は担保の受け渡しをするデリバティブ取引について、担保の特徴を追加的に組み込むために評価手法を変更 しております。この変更が 2013 年3月期に与えた影響は 11 十億円(損失)でした。また、2014 年3月期より、担保を受 け渡さない特定のデリバディブ取引について、評価を見積もるためにより適切なデータを使用しております。この変更が 2014 年3月期に与えた影響は 10 十億円(損失)でした。この変更は、市場参加者がファンディングコストをデリバティ ブ取引の評価に織り込む手法、すなわちどのように公正価値を見積もるかに関して透明性が増したことに対応したもので あります。市場参加者による継続的な評価手法の見直しの一環として、野村は将来デリバティブの評価手法の更なる変更 を行う可能性があります。 貸付金:トレーディング資産として、あるいは公正価値オプションの適用により公正価値で計上されている貸付金の公 正価値は通常は取引価格が利用できないため、主に DCF 法により決定されております。評価データには銀行および事業会 社の負債証券と同様のデータが用いられております。貸付金は通常こうした評価データが観察可能であるため、一般的に はレベル2に分類されます。しかし、一部の貸付金については取引が散発的であり、当該貸付金と比較可能な負債証券か らレベル2に分類するために必要な情報が得られないため、もしくは DCF 法に使用する発行体のクレジット・スプレッド が有意かつ観察不能であるため、レベル3に分類されます。 担保付契約および担保付調達:公正価値で計上されている売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券は公 正価値オプションを適用しており、公正価値は主に DCF 法により決定されております。評価データには金利、GC 取引や SC 取引の貸借料を含みます。売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券は通常こうした評価データが観察可 能であるため、一般的にはレベル2に分類されます。 トレーディング目的以外の負債証券:トレーディング業務を行わない当社の子会社が保有する負債証券は、前述した国 債、地方債ならびに政府系機関債および銀行および事業会社の負債証券と同様の評価手法により公正価値が決定され、公 正価値階層に分類されております。 短期および長期借入(仕組債):仕組債とは野村および連結変動持分事業体によって発行された負債証券で、投資家に対 し単純な固定あるいは変動金利に代えて、株価または株価指数、商品相場、為替レート、第三者の信用格付、またはより 複雑な金利等の変数によって決定されるリターンが支払われるという特徴が組み込まれたものを指します。仕組債の公正 価値は、活発な取引のある市場における当該債務の取引価格があればそれを用いて評価され、それがない場合は同等債務 が資産として取引された場合における取引価格、類似債務の取引価格、類似債務が資産として取引された場合における取 引価格、仕組債に組み込まれた特徴に応じた DCF 法とオプションモデルによる内部評価モデル等を組み合わせた評価手法 により評価されております。内部評価モデルを使用する場合、野村は負債証券部分と組込デリバティブ部分の両方の公正 価値を評価しております。仕組債のうち、負債証券部分の公正価値を評価するための有意な評価データには利回り、期中 償還率が含まれます。組込デリバティブ部分の公正価値を評価するための評価データには前述した店頭デリバティブと同 様のデータが用いられております。仕組債の公正価値には野村の信用リスクを反映するための調整が含まれており、調整 の結果、2014 年3月 31 日現在の公正価値は 1 十億円増加、2015 年3月 31 日現在の公正価値は 0 十億円減少いたしまし た。この調整は直近の観察可能な流通市場における売買や野村の負債証券を含む執行可能な水準のブローカー気配に基づ いて行われており、一般的にはレベル2として分類されております。仕組債は通常評価データと調整が観察可能であるた め、一般的にはレベル2に分類されます。組込デリバティブの公正価値を評価する際に用いられるボラティリティおよび 相関係数といった観察不能なデータが有意な場合は、レベル3に分類されます。 長期借入(担保付金融取引):担保付金融取引は、金融資産移転取引が編纂書 860 に基づく売却会計処理の要件を満たさ ず、当該取引が担保付資金調達として会計処理される場合に認識される負債であります。これらの債務は、連結貸借対照 表上に残存する移転された金融資産に適用された評価手法と同様の手法を用いて評価されます。したがって、公正価値評 価階層も当該資産と同じレベルに分類されます。野村はこれらの債務に対して一般的な遡及義務を負わないことから、評 価にあたっては野村の信用リスクを反映する調整は行いません。 ― 51 ― 評価プロセス 野村では、公正価値の階層内でレベル3に分類される金融商品を含む、連結財務諸表上に計上される金融商品のあらゆ る公正価値測定の適正性を確保するため、金融商品のリスクを負うトレーディング部門から独立した組織として、公正価 値測定の裁定または検証を行うための管理機能および支援機能を有するガバナンス・フレームワークを運営しております。 評価方針および手続の定義、実行、管理に対して直接責任を有する野村内の部署は、以下のとおりです。 ・財務部門内のプロダクト・コントロール・バリュエーション・グループ(以下「PCVG」)が、一義的には公正価値測定の 決定に関して、評価方針および手続の決定、履行について責任を有しております。特に当該グループが、米国会計原則に 基づき、各タイプ別の金融商品に対する評価方針の文書化を担当しております。トレーディング業務の中でマーケットメ ーカーやディーラー等のトレーディング部門が当社の金融商品の価格を付ける責任を負う一方で、PCVG は独立した立場で その価格の検証および認証を行う責任を負います。意見の相違が生じた場合や公正価値の見積もりに判断が必要な場合に は、連結財務諸表に計上される公正価値は、トレーディング部門から独立したシニア・マネジメントによって評価されま す。PCVG はプロダクト・コントロールのグローバルヘッド、そして最終的に財務統括責任者(以下「CFO」)に報告を行い ます。 ・財務部門内のアカウンティング・ポリシー・グループ(以下「APG」)は、公正価値の決定に関連した編纂書 820 および その他の関連する意見書を含めた米国会計原則に基づいて、野村の会計方針および手続を定めております。APG はアカウ ンティング・ポリシーのグローバルヘッド、そして最終的に CFO に報告を行います。 ・リスク・マネジメント部門内の MVG は、公正価値測定を行うモデルの設計や開発を行う部署とは独立した立場で、当該 モデルの適正性および一貫性を確認しております。MVG はチーフ・リスク・オフィサーに報告を行います。 特にレベル3を中心にした金融商品に対する野村の評価プロセスにおいては、独立した価格評価の検証、プライシング・ モデルの認証および収益の検証における手続が基本的なガバナンス・フレームワークの構成要素となります。 独立した価格評価の検証プロセス 独立した価格評価の検証プロセス(Independent Price Verification Processes(以下「IPV プロセス」))における主要 な目的は、野村のすべての金融商品に適用されている公正価値測定の適正性を検証することです。このプロセスでは、可 能な限り観察可能なデータを用いており、観察不能なデータを必要とする場合には、適用する評価手法およびデータの適 正性、合理性、整合性の確保を行っております。 IPV プロセスは、定期的に外部の水準に対するすべてのポジションの公正価値を検証しようとするものです。このプロ セスには、取引状況、指標、価格などのデータを内部および外部のデータソースから取得し、ポジションを外部価格に置 き換えた場合の影響を調査することを含みます。また、担保の受渡しプロセスにおいて、取引の評価に差異があり、担保 金額の公正価値評価に差異がある場合、適正な公正価値を確定するためにその差異を調査いたします。 ブローカー、ディーラーあるいはコンセンサス・プライシング・サービスに基づいた外部の価格情報を IPV プロセスの 一部として使用する場合、その情報が直近の市場の実勢取引を反映しているか、またはその価格で商品自体ないし類似の 金融商品の取引の執行が現在可能かについて検討を行います。そのような取引や価格の情報がない場合、当該金融商品は 通常レベル3に分類されます。 観察可能な市場情報が公正価値測定のためのデータの中に欠如している場合、PCVG および MVG は比較可能な商品、サー フェス、カーブおよび過去の取引を含めた利用可能な情報を考慮し、データの妥当性を評価します。追加調整は、相関係 数等のデータが不確実な場合、もしくはトレーディング・デスクが市場水準の確認のため取引を行った場合などに行われ ます。 評価モデルのレビューおよび検証 複雑な金融商品に対しては、公正価値評価上プライシング・モデルが使用されます。MVG による独立モデル承認手続き では、モデルの仮定の妥当性がさまざまなパラメーターに対して検討されます。当該プロセスにおける検討事項は次のと おりです。 ・モデルの対象(異なる金融商品にも一貫した評価方法が適用されます) ・数学的あるいは経済的な仮定 ・境界条件や安定性のテスト、シミュレーションの収束性やカリブレーションの質と安定性のテストに加え、独立ベンチ ― 52 ― マーク・モデルとの比較 ・野村のトレーディングおよびリスクシステム内の評価モデルの整合性 ・リスク値の計算およびリスクレポーティング ・ヘッジ戦略/モデルの用途 新しい評価モデルは MVG によってレビューおよび承認されます。その後は最低年1回の頻度で MVG によりレビュー(モデ ルの再承認)が行われます。 収益の検証 プロダクト・コントロール機能は、純収益の日次および定期的な分析・レビューを通じて、野村の評価方針の堅持を行 っております。このプロセスには金利、クレジット・スプレッド、ボラティリティ、為替レートなど参照商品を踏まえた 要因分析を通じて、収益金額の検証を行うことを含んでおります。IPV プロセスとあわせて行われる日次、週次、月次お よび四半期毎に実行される収益検証のためのレビューは、記帳、価値評価もしくはリスク計測の潜在的な問題の特定と解 決に結びついております。 レベル3金融商品 前述のとおり、レベル3金融商品の評価は、市場で観察できない特定の有意なデータに基づいております。活発でない 市場は、金融商品の取引量が少ない、価格の見積もりが最新ではない、価格の見積もりが時間の経過やマーケットメーカ ーにより大幅に変わる、執行可能ではないブローカー気配もしくは情報の公共性がほとんどないという共通する特性を持 ちます。 仮にレベル3金融商品の評価に確定的な根拠が利用できない場合は、公正価値は市場にある他の同等の商品を参考とし て計算されます。特定のレベル3金融商品とベンチマークに適用される金融商品の相関の度合いは、観察不能なデータと してみなされます。市場で観察不能なデータを適切に評価するために使用されるその他の手法では、特定の市場参加者間 のコンセンサス・プライス・データ、過去のトレンド、観察可能な市場データからの推定、市場参加者が類似する商品の 評価に使用すると野村が想定するその他の情報を考慮します。 レベル3金融商品の評価のために適当かつ代替可能なデータの仮定を使用した場合、公正価値の決定に重要な影響を与 えます。最終的には、前述のデータの仮定に関する不確実性は、レベル3金融商品の公正価値が主観的な見積もりである ことを示します。それぞれの金融商品における特定の評価は、野村の定めている評価方針および手続に沿った、一般的な 市場環境下の経営判断に基づきます。 有意な観察不能なデータおよび仮定に関する定量的情報 次の表は、2014 年3月 31 日および 2015 年3月 31 日現在のレベル3金融商品に使用される有意な観察不能なデータお よび仮定に関する情報を示しております。レベル3金融商品は、一般的に公正価値階層のレベル1ないしはレベル2に使 用される観察可能な評価データも含んでおりますが、これらの評価データは表に含まれておりません。また、レベル3金 融商品は多くの場合、レベル1ないしはレベル2に分類される金融商品によってヘッジされております。 ― 53 ― 2014年3月31日 金融商品 公正価値 (十億円) 評価手法 有意な 観察不能データ データの範囲 (1) 加重平均 (2) 68 DCF 流動性ディスカウント 11.0 - 50.0 % 18.1 % DCM 還元利回り 6.8 - 6.9 % 6.8 % マルチプル EV/EBITDA 株価潜在価値比率 4.5 - 11.6 倍 0.4 倍 10.0 倍 0.4 倍 流動性ディスカウント 0.0 - 33.0 % 30.5 % 資産: トレーディング資産および プライベート・エクイティ 投資 エクイティ プライベート・ エクイティ投資 外国国債・地方債・ 政府系機関債 銀行および事業会社の 負債証券・売買目的の 貸付金 商業用不動産ローン 担保証券 (CMBS) 住宅用不動産ローン 担保証券 (RMBS) 債務担保証券(CDO)等 受益証券等 42 26 DCF クレジット・スプレッド 0.0 - 5.9 % 0.5 % 116 DCF クレジット・スプレッド 0.0 - 26.6 % 4.7 % 回収率 0.0 - 74.0 % 57.1 % 3 DCF 利回り 6.2 - 30.4 % 10.1 % 3 DCF 利回り 期中償還率 デフォルト確率 0.3 - 10.7 % 3.8 - 50.0 % 0.0 - 2.0 % 3.7 % 12.8 % 2.0 % 損失率 0.1 - 87.2 % 51.2 % 13 DCF 利回り 0.0 - 90.9 % 11.1 % 期中償還率 デフォルト確率 0.0 - 20.0 % 1.0 - 65.0 % 18.5 % 3.2 % 損失率 30.0 - 100.0 % 47.9 % クレジット・スプレッド 0.0 - 3.5 % 0.1 % 相関係数 0.50 - 0.71 0.61 30 DCF ― 54 ― 2014年3月31日 金融商品 デリバティブ(純額): エクイティ・ デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 貸付金および受取債権 その他の資産 トレーディング目的以外の 負債証券 その他 (3) 有意な 観察不能データ データの範囲 (1) 加重平均 (2) 配当利回り ボラティリティ 0.0 - 8.2 % 6.9 - 59.9 % - - 相関係数 △0.96 - 0.95 - オプション・モデル 金利 0.7 - 5.2 % - オプション・モデル ボラティリティ 10.6 - 23.5 % - 相関係数 △0.45 - 0.99 - 0.0 - 20.9 % 20.0 - 90.0 % 1.0 - 70.0 % - - - 相関係数 0.26 - 0.95 - 公正価値 (十億円) 評価手法 11 オプション・モデル △39 5 DCF/ クレジット・スプレッド DCF/ オプション・モデル 回収率 オプション・モデル ボラティリティ 5 オプション・モデル ボラティリティ 11.2 - 19.1 % - 26 DCF クレジット・スプレッド 0.0 % 0.0 % 3 DCF クレジット・スプレッド 0.1 - 2.5 % 0.8 % 56 DCF WACC 6.1 % 6.1 % マルチプル 負債: 短期借入 3 DCF 長期借入 394 DCF ― 55 ― 成長率 1.0 % 1.0 % 流動性ディスカウント 0.0 - 30.0 % 12.7 % EV/EBITDA 3.6 - 8.3 倍 4.9 倍 株価収益率 9.6 - 60.1 倍 24.0 倍 株価純資産倍率 0.0 - 5.3 倍 1.0 倍 流動性ディスカウント 30.0 % 30.0 % ボラティリティ 相関係数 ボラティリティ 相関係数 15.3 - 55.5 % △0.78 - 0.94 10.6 - 55.5 % △0.78 - 0.99 - - - - 2015年3月31日 金融商品 公正価値 (十億円) 評価手法 有意な 観察不能データ データの範囲 (1) 加重平均 (2) 39 DCF 流動性ディスカウント 4.6 - 40.0 % 21.6 % 49 マルチプル EV/EBITDA 10.0 倍 10.0 倍 資産: トレーディング資産および プライベート・エクイティ投 資 エクイティ プライベート・ エクイティ投資 外国国債・地方債・ 政府系機関債 銀行および事業会社の 負債証券・売買目的の 貸付金 株価潜在価値比率 0.4 倍 0.4 倍 流動性ディスカウント 30.0 - 33.0 % 32.3 % 3 DCF クレジット・スプレッド 0.3 - 6.1 % 1.1 % 167 DCF クレジット・スプレッド 0.0 - 33.4 % 10.4 % 回収率 0.0 - 42.6 % 24.9 % 利回り 18.1 - 50.6 % 15.3 % 商業用不動産ローン 担保証券 (CMBS) 2 DCF 住宅用不動産ローン 担保証券 (RMBS) 1 DCF 不動産担保証券 13 DCF 債務担保証券(CDO)等 15 DCF ― 56 ― 利回り 0.1 - 10.6 % 2.2 % 期中償還率 2.7 - 12.8 % 7.5 % 利回り 損失率 17.0 - 26.0 % 0.0 - 46.8 % 24.3 % 18.6 % 利回り 4.7 - 23.4 % 12.6 % 期中償還率 デフォルト確率 0.0 - 20.0 % 1.0 - 10.0 % 19.0 % 2.2 % 損失率 30.0 - 100.0 % 32.7 % 2015年3月31日 金融商品 デリバティブ(純額): エクイティ・ デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 公正価値 (十億円) 評価手法 △6 オプション・モデル △22 4 DCF/ オプション・モデル 有意な 観察不能データ データの範囲 (1) 加重平均 (2) 配当利回り ボラティリティ 0.0 - 8.4 % 9.2 - 100.2 % - - 相関係数 △0.75 - 0.98 - 金利 ボラティリティ 0.8 - 3.3 % 13.7 - 300.0 % - - 相関係数 △0.30 - 0.99 - 0.0 - 19.9 % 0.0 - 90.0 % - - 1.0 - 70.0 % - DCF/ クレジット・スプレッド オプション・モデル 回収率 ボラティリティ 為替取引 貸付金および受取債権 相関係数 0.37 - 0.95 - △5 オプション・モデル ボラティリティ 0.6 - 16.1 % - 15 DCF クレジット・スプレッド 0.0 - 12.2 % 0.7 % 57 DCF WACC 5.7 % 5.7 % その他の資産 その他 (3) 成長率 1.0 % 1.0 % クレジット・スプレッド 0.6 - 2.4 % 1.3 % 流動性ディスカウント 30.0 % 30.0 % EV/EBITDA 2.9 - 13.5 倍 7.6 倍 株価収益率 11.5 - 83.9 倍 29.3 倍 マルチプル 負債: 短期借入 1 長期借入 525 DCF/ オプション・モデル 株価純資産倍率 0.0 - 5.0 倍 1.1 倍 流動性ディスカウント 20.0 - 30.0 % 29.2 % ボラティリティ 相関係数 15.4 - 47.5 % △0.75 - 0.91 - - DCF/ ボラティリティ 13.7 - 47.5 % - オプション・モデル 相関係数 △0.75 - 0.99 - (1) データ範囲はパーセント、係数、倍の単位で示しており、各金融商品を公正価値評価する有意な観察不能の評価デ ータの最大値および最小値を表しております。データ範囲が広範である事は必ずしも評価データの不確実性や主観 性を示すものではなく、性質の異なる金融商品を含んでいることによるものであります。 (2) 現物取引の金融商品の加重平均数値は、各金融商品の公正価値毎に各評価データを加重平均したものであります。 (3) 連結貸借対照表上、その他の資産に含まれる投資持分証券の評価手法および観察不能データを表しております。 ― 57 ― 有意な観察不能のデータ範囲に関する定性的情報 レベル3金融商品に使用される有意な観察不能のデータ範囲に関する定性的情報は以下のとおりです。 デリバティブ(エクイティ・デリバティブ):有意な観察不能のデータは配当利回り、ボラティリティおよび相関係数 です。配当利回りは、収益が欠如している、または会社が成長ステージにある間は配当を行わない方針などの理由により、 配当を行わず配当利回りがゼロとなる企業を含む一方で、投資家に資金を還元するために多額の配当を支払う企業を含む ためにデータの範囲は変動します。ボラティリティは、満期までの期日が短いあるいは単一のエクイティ証券を参照する エクイティ・デリバティブの方が、満期までの期日が長いあるいは指数を参照するものよりもボラティリテイが高くなる 傾向にあるため、データの範囲は広範になります。相関係数はあるデータと他のデータの関連性(以下「ペア」)を表し ており、正の値にも負の値にもなり得ます。相関係数は、ペアによって異なる関係性を有しており、同一方向に非常に密 接に関連して動くペアが高い正の相関となる一方で、逆方向に非常に密接に関連して動くペアが高い負の相関となるため、 データの範囲は正の値から負の値の間で変動します。 デリバティブ(金利デリバティブ):有意な観察不能のデータは金利、ボラティリティおよび相関係数です。金利は国 や通貨により金利水準は異なっており、絶対的水準が極めて低い国がある一方で、水準が相対的に低くなっている国があ るためにデータ範囲に幅が生じます。ボラティリティは、金利が極めて低い水準にある場合高くなることがあり、一般的 に満期までの期日が長いものよりも短い金利デリバティブの方が高いために、データの範囲は広範になります。相関係数 は、ペアによって異なる関係性を有しており、同一方向に非常に密接に関連して動くペアが高い正の相関となる一方で、 逆方向に非常に密接に関連して動くペアが高い負の相関となるため、データの範囲は正の値から負の値の間で動きます。 データの大部分が範囲の上限から離れているボラティリティを除き、その他の有意な観察不能のデータは当該範囲の中に 偏りなく分布しています。 デリバティブ(信用デリバティブ):有意な観察不能のデータはクレジット・スプレッド、回収率、ボラティリティお よび相関係数です。クレジット・スプレッドのデータの範囲は、ポートフォリオに内在する異なるデフォルトの危険性を 反映します。デフォルトの危険性がほとんどない参照資産の場合はデータの範囲の下限になり、デフォルトの危険性がよ り高い参照資産の場合はデータの範囲の上限になります。回収率は、シニアのエクスポージャーの方が劣後エクスポージ ャーよりも回収率が高くなるため、主に参照資産の優先順位によってデータの範囲は変動します。ボラティリティは、一 般的に満期までの期日が長いものよりも短い信用デリバティブの方が高いために、データの範囲は広範になります。相関 係数は、一般的にクレジット・スプレッドは同一方向に動くため、データの範囲は正の値となります。強い正の相関係数 にある場合、密接に関係して同一方向に動きますが、相関係数が下がると関係は弱くなります。データの大部分が範囲の 上限から離れているボラティリティを除き、その他の有意な観察不能のデータは当該範囲の中に偏りなく分布しています。 デリバティブ(為替取引):有意な観察不能のデータは、ボラティリティです。ボラティリティは、米ドルに対し狭い 範囲で取引される通貨の場合はデータの範囲の下限に近くなり、相対的に低くなります。全ての有意な観察不能のデータ は、当該範囲の中に偏りなく分布しています。 短期借入および長期借入:有意な観察不能のデータは、ボラティリティおよび相関係数です。ボラティリティは、一般 的に満期までの期日が長い金融商品よりも短いものの方が高くなるため、データの範囲は広範になります。相関係数は、 同一方向に非常に密接に関連して動くペアが高い正の相関となる一方で、逆方向に非常に密接に関連して動くペアが高い 負の相関となるため、データの範囲は正の値から負の値の間で変動します。データの大部分が範囲の上限から離れている ボラティリティを除き、その他の有意な観察不能のデータは当該範囲の中に偏りなく分布しています。 ― 58 ― 観察不能なデータの変動に対する公正価値の感応度 野村が使用する有意な観察不能のデータおよび仮定の変動は、上記の表で記載されているそれぞれの分類の金融商品に 対する公正価値測定の決定に影響を与えます。観察不能なデータの変動や連動するデータの変動に対するレベル3金融商 品の公正価値測定の感応度は以下のとおりです。 ・エクイティ、プライベート・エクイティ投資、その他の資産に含まれる投資持分証券:公正価値の決定に DCF 法を用い ている場合、WACC、クレジット・スプレッドおよび流動性ディスカウントの著しい上昇(もしくは低下)は、それぞれ公 正価値評価を著しく減少(もしくは増加)させます。逆に、成長率の著しい上昇(もしくは低下)は、結果として対応す る公正価値評価を著しく増加(あるいは減少)させます。この測定の間に相互関係はほとんどありません。公正価値の決 定にマルチプル法を使用している場合、株価収益率、EV/EBITDA、株価純資産倍率、株価潜在価値比率の著しい上昇(も しくは低下)は、それぞれ公正価値評価を著しく増加(もしくは減少)させます。逆に、流動性ディスカウントの著しい 増加(もしくは減少)は公正価値評価を著しく減少(もしくは増加)させます。収益水準が一定とした場合、一般的にマ ルチプル法に対する仮定の変動は、公正価値の変動に対して同方向の影響を与えます。DCM を使用している場合、還元利 回りの著しい上昇(もしくは低下)は、公正価値評価を著しく減少(もしくは増加)させます。 ・外国国債・地方債・政府系機関債、銀行および事業会社の負債証券・売買目的の貸付金、貸付金および受取債権、トレ ーディング目的以外の負債証券:DCF 法に使用されているクレジット・スプレッドの著しい増加(もしくは減少)は公正 価値評価を著しく減少(もしくは増加)させます。一方で、回収率の著しい上昇(もしくは低下)は公正価値評価を著し く増加(もしくは減少)させます。 ・商業用不動産ローン担保証券(CMBS)、住宅用不動産ローン担保証券(RMBS)、不動産担保証券、債務担保証券(CDO) 等:DCF 法に使用されている利回り、期中償還率、デフォルト確率および損失率の著しい増加(もしくは減少)はそれぞ れ公正価値評価を著しく減少(もしくは増加)させます。一般的に、デフォルト確率は損失率とは同じ方向に、期中償還 率とは反対の方向に変動します。 ・受益証券等:DCF 法に使用されているクレジット・スプレッドの著しい増加(もしくは減少)は、公正価値評価を著し く減少(もしくは増加)させます。また、相関係数の著しい増加(もしくは減少)は、公正価値評価を著しく増加(もし くは減少)させます。 ・デリバティブ:デリバティブの参照リスクがロング・ポジションの場合、金利、クレジット・スプレッドなどのデリバ ティブの参照する原資産の著しい増加(もしくは減少)、もしくは配当利回りの著しい低下(もしくは上昇)は、公正価 値を著しく増加(もしくは減少)させます。デリバティブの参照リスクがショート・ポジションの場合、公正価値の変動 は反対の方向になります。また、オプションリスク、回収率や相関係数がロングとなるポジションの場合、ボラティリテ ィ、回収率や相関係数の著しい上昇(もしくは低下)は、一般的に公正価値を著しく増加(もしくは減少)させます。一 方、オプションリスク、回収率や相関係数がショートとなるポジションの場合は、公正価値の変動は反対の方向になりま す。 ・短期借入および長期借入:DCF 法およびオプションモデルを使用している場合、オプションリスクや相関係数がロング となるポジションに対するボラティリティや相関係数の著しい上昇(もしくは低下)は、一般的に公正価値を著しく増加 (もしくは減少)させます。オプションリスクや相関係数がショートとなるポジションの場合、公正価値の変動は反対の 方向になります。 レベル3金融商品の推移 次の表は、毎期経常的に公正価値評価されるレベル3金融商品の2014年3月期および2015年3月期の損益と推移を示し ております。レベル3金融商品は多くの場合、レベル1または2の金融商品によってリスクヘッジされております。以下 の表の損益はこうしたヘッジ資産負債の損益を含んでいません。また、レベル3金融商品の公正価値は、市場で観察不能 なデータと観察可能なデータの両方を使用して算定されます。したがって、以下の表は観察不能なデータの変動による実 現および未実現損益と観察可能なデータの変動による実現および未実現損益の両方が反映されております。 2015 年3月期において、レベル3金融商品の損益は、野村の流動性と資金調達の管理に重要な影響を及ぼしませんでし た。 ― 59 ― (単位:十億円) 2014年3月期 2014年 3月期 期首残 高 当期 純利益 に含ま れる額 (1) その他 の包括 購入/ 利益に 発行 含まれ (2) る額 売却/ 償還 (2) 現金 の 授受 為替の レベル レベル 2014年 3 3 変動に への からの 3月期 よる 期末残 移動 移動 影響 高 (3) (3) 資産: トレーディング資産および プライベート・エクイティ 投資 129 11 - 21 △105 - 6 7 △1 68 87 0 △1 - - - 1 - △11 - - - 6 - - - △40 △0 42 - 91 21 - 516 △540 - - 8 △70 26 69 5 - 221 △167 - 3 32 △47 116 6 △0 - 7 △11 - 0 2 △1 3 4 △0 - 1 △3 - 0 3 △2 3 68 12 13 1 △1 0 - - - 0 23 24 △69 △21 △6 - - - 0 1 0 - 6 - - △7 △1 0 13 30 479 36 - 814 △933 - 16 58 △169 301 5 △54 25 △3 △0 △27 452 △8 △1 △5 △1 0 △15 21 - - - - - - - - - - - - - 814 - - - - - - △933 △2 19 △16 13 0 14 14 2 △1 3 0 △0 4 20 7 △6 0 △4 0 △3 55 7 4 △2 △0 - 9 △160 11 △39 5 5 0 △18 283 3 △0 - 13 △2 - 1 20 △9 26 4 60 519 △1 4 24 △0 △0 △0 - 3 830 △0 △9 △944 - - 14 0 0 21 - - 75 - △2 △171 3 56 368 エクイティ 銀行および事業会社の 負債証券 0 △0 - 1 △0 - 0 0 △0 1 0 0 - 0 △0 - 0 0 △0 0 トレーディング負債合計 0 △0 - 1 △0 - 0 0 △0 1 短期借入 支払債務および受入預金 長期借入 その他の負債 合計 4 1 222 0 227 △0 0 △29 - △29 - - - - - 3 △0 424 1 429 △3 △1 △259 △1 △264 - - - - - - - 3 △0 3 1 - 42 - 43 △2 △0 △67 - △69 3 0 394 - 398 エクイティ プライベート・エクイティ 投資 日本地方債・政府系機関債 外国国債・地方債・ 政府系機関債 銀行および事業会社の 負債証券・売買目的の貸付金 商業用不動 産ローン 担保証券 (CMBS) 住宅用不動 産ローン 担保証券 (RMBS) 不動産担保証券 債務担保証券(CDO)等 受益証券等 トレーディング資産および プライベート・エクイティ 投資合計 デリバティブ取引(純額) (4) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ デリバティブ取引(純額)合計 小計 貸付金および受取債権 その他の資産 トレーディング目的以外の 負債証券 その他 合計 負債: トレーディング負債 ― 60 ― (単位:十億円) 2015年3月期 当期 2015年 純利益 3月期 に含ま 期首残高 れる額 (1) その他 の包括 利益に 含まれ る額 購入/ 発行 (2) 売却/ 償還 (2) 現金 の 授受 為替の レベル レベル 3 3 2015年 変動に への からの 3月期 よる 移動 移動 期末残高 影響 (3) (3) 資産: トレーディング資産および プライベート・エクイティ 投資 エクイティ プライベート・エクイティ 投資 日本地方債・政府系機関債 外国国債・地方債・ 政府系機関債 銀行および事業会社の 負債証券・売買目的の貸付金 商業用不動産ローン担保証券 (CMBS) 住宅用不動産ローン担保証券 (RMBS) 不動産担保証券 債務担保証券(CDO)等 受益証券等 トレーディング資産および プライベート・エクイティ 投資合計 デリバティブ取引(純額) (4) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ デリバティブ取引(純額)合計 小計 貸付金および受取債権 その他の資産 トレーディング目的以外の 負債証券 その他 合計 68 1 - 28 △52 - 2 3 △11 39 42 - 2 - - - 6 0 △2 0 - - 1 - - - 0 - 49 - 26 8 - 150 △152 - - 7 △36 3 116 8 - 200 △154 - 15 33 △51 167 3 0 - 6 △9 - 0 2 0 2 3 0 13 30 △1 0 △5 3 - - - - 1 4 44 1 △5 △24 △43 △11 - - - - - 1 4 0 4 34 20 0 △1 △2 △18 △19 1 13 15 4 301 16 - 440 △452 - 23 103 △138 293 11 △39 5 5 0 △18 283 △2 △27 △13 △1 0 △43 △27 - - - - - - - - - - - - - 440 - - - - - - △452 △14 39 13 △12 0 26 26 0 1 0 1 0 2 25 △10 △3 0 1 0 △12 91 9 7 △1 1 - 16 △122 △6 △22 4 △5 0 △29 264 26 △1 - - △14 - 4 0 - 15 3 56 368 0 1 △27 0 1 1 - 3 443 △3 △5 △474 - - 26 0 1 30 - - 91 - 0 △122 0 57 336 負債: トレーディング負債 エクイティ 銀行および事業会社の 負債証券 債務担保証券(CDO)等 トレーディング負債合計 1 0 - 4 0 - 0 0 △2 3 0 - 1 0 0 0 - - - 0 1 5 0 △1 △1 - - - 0 0 0 0 - 0 0 - △2 0 - 3 短期借入 支払債務および受入預金 長期借入 合計 3 0 394 398 △1 0 △83 △84 - - - - 1 0 419 425 △2 0 △467 △470 - - - - 0 0 8 8 0 - 121 121 △2 0 △33 △37 1 0 525 529 ― 61 ― (1) 主に四半期連結損益計算書のトレーディング損益、プライベート・エクイティ投資関連損益に計上されており、投 資持分証券関連損益、収益―その他および金融費用以外の費用―その他、金融収益および金融費用に計上されてい るものも含みます。 (2) 「購入/発行」にはトレーディング負債の増加、「売却/償還」にはトレーディング負債の減少を含みます。 (3) 「レベル3への移動」および「レベル3からの移動」は、金融商品がレベル3から他のレベルに移動した四半期お よび他のレベルからレベル3に移動した四半期の期首現在の公正価値で記載されております。したがって金融商品 が他のレベルからレベル3に移動した場合、表に当該四半期の損益は含まれ、金融商品がレベル3から他のレベル に移動した場合、表に当該四半期の損益は含まれません。 (4) デリバティブ取引の各区分には、複数のリスク区分を複合的に参照するデリバティブも含まれております。例えば 金利デリバティブには、金利リスクや為替リスクの複合的なデリバティブや、期中償還率のようなその他のリスク も同時に参照するデリバティブが含まれております。信用デリバティブには、クレジット・デフォルト・スワップ のほか債券を参照するデリバティブも含まれております。 ― 62 ― レベル3金融商品に含まれる未実現損益 次の表は、野村が公正価値階層の中でレベル3として分類し、貸借対照表日現在で保有している金融商品に関連する 2014年3月期および2015年3月期の未実現損益を示しております。 (単位:十億円) 2014年3月期 2015年3月期 未実現損益 (1) 資産: トレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資 エクイティ プライベート・エクイティ投資 日本地方債・政府系機関債 外国国債・地方債・政府系機関債 銀行および事業会社の負債証券・売買目的の貸付金 商業用不動産ローン担保証券(CMBS) 住宅用不動産ローン担保証券(RMBS) 不動産担保証券 債務担保証券(CDO)等 受益証券等 トレーディング資産および プライベート・エクイティ投資合計 デリバティブ取引(純額) (2) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ デリバティブ取引(純額)合計 小計 7 △6 0 △1 △0 1 △0 △0 △0 0 △4 2 0 1 0 0 0 △1 △3 4 1 △1 22 △1 2 △0 △0 23 △1 △11 △13 △5 0 24 △30 △31 貸付金および受取債権 その他の資産 △1 0 トレーディング目的以外の負債証券 その他 合計 △0 1 24 0 1 △30 トレーディング負債 エクイティ 銀行および事業会社の負債証券 - △0 0 0 トレーディング負債合計 △0 0 短期借入 支払債務および受入預金 長期借入 合計 △0 0 △33 △33 0 0 △14 △14 負債: ― 63 ― (1) 連結損益計算書のトレーディング損益、プライベート・エクイティ投資関連損益、投資持分証券関連損益、収益― その他および金融費用以外の費用―その他、金融収益および金融費用に計上されている損益を含みます。 (2) デリバティブ取引の各区分には、複数のリスク区分を複合的に参照するデリバティブも含まれております。例えば 金利デリバティブには、金利リスクや為替リスクの複合的なデリバティブや、期中償還率のようなその他のリスク も同時に参照するデリバティブが含まれております。信用デリバティブには、クレジット・デフォルト・スワップ のほか債券を参照するデリバティブも含まれております。 階層間の移動について 野村では金融商品があるレベルから他のレベルに移動した場合、移動した四半期の期首に移動が生じたものと仮定して おります。したがって、下記で述べている金額は、移動が生じた四半期の期首の金融商品の公正価値となります。 レベル1とレベル2間の移動 2014年3月期において、合計492十億円の金融資産(デリバティブ資産を除く)がレベル1からレベル2へ移動いたし ました。このうち479十億円はトレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資のうち主にエクイティによるも のであり、観察可能な市場における取引が活発ではなくなったためです。また、5十億円はその他の資産のうちその他に 含まれる投資持分証券によるものであり、観察可能な市場における取引が活発ではなくなったためです。一方で同時期に おいて、合計38十億円の金融負債(デリバティブ負債を除く)がレベル1からレベル2へ移動いたしました。このうち36 十億円はトレーディング負債のうち主にエクイティのショート・ポジションによるものであり、これは観察可能な市場に おける取引が活発ではなくなったためです。 2015 年3月期において、合計 218 十億円の金融資産(デリバティブ資産を除く)がレベル1からレベル2へ移動いたし ました。このうち 199 十億円はトレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資のうち主にエクイティによるも のであり、これは観察可能な市場における取引が活発ではなくなったためです。また、6 十億円は外国国債・地方債・政 府系機関債によるもの、8 十億円は受益証券等によるもの、4 十億円はその他の資産のうちその他に含まれる投資持分証 券によるものであり、いずれも観察可能な市場における取引が活発ではなくなったためです。一方で、同期間において、 合計 41 十億円の金融負債(デリバティ負債を除く)がレベル1からレベル2へ移動いたしました。このうち 39 十億円は トレーディング負債のうちエクイティのショート・ポジションによるものであり、これは観察可能な市場における取引が 活発ではなくなったためです。 2015年3月期において、407十億円のエクイティ・デリバティブ資産および362十億円のエクイティ・デリバティブ負債 がレベル1からレベル2へ移動いたしました。特定の上場エクイティ・デリバティブの公正価値は取引所価格ではなくモ デル価格を用いて決定しております。原資産である株式の取引高が大きいことおよびその取引頻度が高いことから、モデ ル価格を使用する方が取引所価格よりも公正価値を適切に表していると考えております。 2014年3月期において、合計856十億円の金融資産(デリバティブ資産を除く)がレベル2からレベル1へ移動いたし ました。このうち832十億円はトレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資のうち主にエクイティによるも のであり、観察可能な市場における取引が活発になったためです。また、19十億円は受益証券等のうち上場投資信託によ るもの、5十億円はその他の資産に含まれる投資持分証券によるものであり、これらは観察可能な市場における取引が活 発になったためです。一方で同時期において、合計92十億円の金融負債(デリバティブ負債を除く)がレベル2からレベ ル1へ移動いたしました。このうち90十億円はトレーディング負債のうち主にエクイティのショート・ポジションによる ものであり、これは観察可能な市場における取引が活発になったためです。 ― 64 ― 2015 年3月期において、合計 125 十億円の金融資産(デリバティブ資産を除く)がレベル2からレベル1へ移動いたし ました。このうち 103 十億円はトレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資のうち主にエクイティによるも のであり、これは観察可能な市場における取引が活発になったためです。また、6 十億円は銀行および事業会社の負債証 券・売買目的の貸付金によるもの、11 十億円は受益証券等によるもの、4 十億円はその他の資産のうちその他に含まれる 投資持分証券によるものであり、いずれも観察可能な市場における取引が活発になったためです。一方で、同期間におい て、合計 69 十億円の金融負債(デリバティブ負債を除く)がレベル2からレベル1へ移動いたしました。このうち 68 十 億円はトレーディング負債のうちエクイティのショート・ポジションによるものであり、これは観察可能な市場における 取引が活発になったためです。 レベル3からの移動 2014年3月期において、合計180十億円の金融資産(デリバティブ資産を除く)がレベル3から移動いたしました。こ のうち70十億円は外国国債・地方債・政府系機関債によるものであり、関連するクレジット・スプレッドが観察可能にな ったため、47十億円は銀行および事業会社の負債証券・売買目的の貸付金のうち主に負債証券と貸付金によるものであり、 関連するクレジット・スプレッドおよび回収率が観察可能になったためです。また、7十億円は債務担保証券(CDO)等によ るものであり、関連する利回り、期中償還率、デフォルト確率および損失率が観察可能になったため、40十億円はプライ ベート・エクイティ投資によるものであり、活発かつ観察可能な市場における取引が開始したため、9十億円は貸付金お よび受取債権のうち、主に貸付金によるものであり、関連するクレジット・スプレッドが観察可能になったためです。一 方で、同期間において合計69十億円の金融負債(デリバティブ負債を除く)がレベル3から移動いたしました。このうち 67十億円は長期借入のうち主に仕組債によるものであり、関連するボラティリティおよび相関係数の評価データが観察可 能になったためです。 2014年3月期において、合計9十億円のデリバティブ負債(純額)がレベル3から移動いたしました。このうち7十億円 はエクイティ・デリバティブ負債(純額)が関連する配当利回り、ボラティリティおよび相関係数の評価データが観察可 能になったためです。 2015 年3月期において、合計 138 十億円の金融資産(デリバティブ資産を除く)がレベル3から移動いたしました。こ のうち 11 十億円はエクイティによるものであり、関連する流動性ディスカウントが観察可能になったため、36 十億円は 外国国債・地方債・政府系機関債によるものであり、関連するクレジット・スプレッドが観察可能になったためです。ま た、51 十億円は銀行および事業会社の負債証券・売買目的の貸付金のうち、主に負債証券によるものであり、関連するク レジット・スプレッドおよび回収率が観察可能になったためです。18 十億円は債務担保証券(CDO)等が関連する利回り、 期中償還率、デフォルト確率および損失率が観察可能になったため、19 十億円は受益証券等が関連するクレジット・スプ レッドおよび相関係数の評価データが観察可能になったためです。一方で同期間において、合計 37 十億円の金融負債(デ リバティブ負債を除く)がレベル3から移動いたしました。このうち 33 十億円は長期借入のうち、主に仕組債によるも のであり、関連するボラティリティおよび相関係数の評価データが観察可能になったためです。 2015 年3月期において、合計 16 十億円のデリバティブ負債(純額)がレベル3から移動いたしました。このうち 9 十 億円はエクイティ・デリバティブ負債(純額)が関連する配当利回り、ボラティリティおよび相関係数の評価データが観 察可能になったため、7 十億円は金利デリバティブ負債(純額)が関連する金利、ボラティリティおよび相関係数の評価 データが観察可能になったためです。 レベル3への移動 2014年3月期において、合計78十億円の金融資産(デリバティブ資産を除く)がレベル3へ移動いたしました。このう ち7十億円はエクイティが関連する流動性ディスカウントおよび還元利回りが観察不能になったため、32十億円は銀行お よび事業会社の負債証券・売買目的の貸付金のうち主に貸付金によるものであり、関連するクレジット・スプレッドが観 察不能になったため、8十億円は外国国債・地方債・政府系機関債によるものであり、関連するクレジット・スプレッド が観察不能になったためです。また、6十億円は債務担保証券(CDO)等によるものであり、関連する利回り、期中償還率、 ― 65 ― デフォルト確率および損失率の評価データが観察不能になったため、20十億円は貸付金および受取債権のうち、主に貸付 金と貸出コミットメントによるものであり、関連するクレジット・スプレッドが観察不能になったためです。移動が生じ た四半期で認識した損益は、エクイティ、事業会社の負債証券・売買目的の貸付金、外国国債・地方債・政府系機関債、 債務担保証券(CDO)等、貸付金および受取債権のいずれも重要な金額ではありませんでした。一方で、同期間において合 計43十億円の金融負債(デリバティブ負債を除く)がレベル3へ移動いたしました。このうち42十億円は長期借入のうち 主に仕組債によるものであり、関連するボラティリティおよび相関係数の評価データが観察不能になったためです。長期 借入において、移動が生じた四半期で認識した損益は重要な金額ではありませんでした。 2014年3月期において、合計3十億円のデリバティブ負債(純額)がレベル3へ移動いたしました。このうち7十億円は エクイティ・デリバティブ資産(純額)が関連する配当利回り、ボラティリティおよび相関係数の評価データが観察不能 になったため、6十億円は金利デリバティブ負債(純額)が関連する金利、ボラティリティおよび相関係数の評価データ が観察不能になったためです。移動が生じた四半期で認識した損益は、エクイティ・デリバティブにおいて7十億円の損 失、金利デリバティブにおいては重要な金額ではありませんでした。 2015 年3月期において、合計 103 十億円の金融資産(デリバティブ資産を除く)がレベル3へ移動いたしました。この うち 7 十億円は外国国債・地方債・政府系機関債によるものであり、関連するクレジット・スプレッドが観察不能になっ たため、33 十億円は銀行および事業会社の負債証券・売買目的の貸付金のうち主に貸付金によるものであり、関連するク レジット・スプレッドおよび回収率の評価データが観察不能になったためです。また、34 十億円は不動産担保証券が関連 する利回りおよび損失率が観察不能になったため、20 十億円は債務担保証券(CDO)等が関連する利回り、期中償還率、 デフォルト確率および損失率の評価データが観察不能になったためです。移動が生じた四半期で認識した損益は、外国国 債・地方債・政府系機関債、銀行および事業会社の負債証券・売買目的の貸付金、不動産担保証券および債務担保証券(CDO) 等のいずれも重要な金額ではありませんでした。一方で、同期間において、合計 121 十億円の金融負債(デリバティブ負 債を除く)がレベル3へ移動いたしました。このうち 121 十億円は長期借入のうち主に仕組債によるものであり、関連す るボラティリティおよび相関係数の評価データが観察不能になったためです。移動が生じた四半期で認識した損益は重要 な金額ではありませんでした。 2015 年3月期において、合計 12 十億円のデリバティブ負債(純額)がレベル3へ移動いたしました。このうち 10 十億 円はエクイティ・デリバティブ負債(純額)が関連する配当利回り、ボラティリティおよび相関係数の評価データが観察 不能になったためです。移動が生じた四半期において、5 十億円の利益を認識しております。 1株当たりの純資産価額を計算する事業体への投資 通常の営業活動で野村は、公正価値を測定するのが難しい投資会社の定義に該当するもしくは類似する性質を有する非 連結の事業体に投資しております。それらの投資の公正価値は一般的に1株当たり純資産価額を用いて決定されており、 そのうち一部では、編纂書 820 に基づき 1 株当たり純資産価額は実務上の簡便法として使用されております。それらの投 資のいくつかは1株当たり純資産価額とは異なる価格で償還されます。 次の表は、2014 年3月 31 日および 2015 年3月 31 日現在の1株当たり純資産価額で計算または注記されている投資に ついての情報を記載しております。ビジネスの性質やリスクに関連させた主要なカテゴリー別に記載しております。 ― 66 ― 公正価値 ヘッジファンド ベンチャー・キャピタル・ファンド プライベート・エクイティ・ファンド リアル・エステート・ファンド 合計 66 4 42 3 115 (単位:十億円) 2014年3月31日 償還頻度(2) コミットメ (現在償還 償還通知 ント残高(1) 可能なもの 時期(3) のみ) 0 1 17 - 18 月次 - 四半期 - 当日-95日 - 30日 - (単位:十億円) 公正価値 2015年3月31日 償還頻度(2) コミットメ (現在償還 ント残高(1) 可能なもの のみ) 償還通知 時期(3) ヘッジファンド ベンチャー・キャピタル・ファンド 98 3 0 1 月次 - 当日-90日 - プライベート・エクイティ・ファンド リアル・エステート・ファンド 47 1 20 - - - - - 149 21 合計 (1) 投資先に野村が支払わなくてはならない契約上のコミットメント残高を示しております。 (2) 野村が投資の繰上償還等を受けられる頻度を示しております。 (3) 償還が可能になる前に義務付けられている通知の時期を示しております。 ヘッジファンド: これらのファンドには、さまざまな資産クラスに投資するファンド・オブ・ファンズへの投資が含まれております。これ らの投資の公正価値は1株当たり純資産価額を用いて決定されております。大部分のファンドは6ヶ月以内に償還するこ とができますが、契約上の理由、流動性および償還制限などのため6ヶ月以内に償還することができないファンドもあり ます。なお、償還停止中あるいは清算中のファンドについて償還時期を判断することはできません。これらのファンドに は、第三者への譲渡制限が設けられているものがあります。 ベンチャー・キャピタル・ファンド: これらのファンドには、主にスタートアップのファンドが含まれております。これらの投資の公正価値は1株当たり純資 産価額を用いて決定されております。大部分のファンドは6ヶ月以内に償還することができません。償還停止中あるいは 清算中のファンドについて償還時期を判断することはできません。これらのファンドは、第三者への譲渡に制限が設けら れております。 プライベート・エクイティ・ファンド: これらのファンドは、主に欧州、米国、日本のさまざまな業界に投資をしております。これらの投資の公正価値は1株当 たり純資産価額を用いて決定されております。これらのファンドの多くは中途償還に制限が課されています。これらのフ ァンドには第三者への譲渡に制限が設けられているものがあります。 リアル・エステート・ファンド: これらのファンドには、商業用不動産やその他の不動産への投資が含まれております。これらの投資の公正価値は1株当 たり純資産価額を用いて決定されております。これらのファンドの多くは中途償還に制限が課されています。これらのフ ァンドは第三者への譲渡に制限が設けられております。 ― 67 ― 金融商品の公正価値オプション 野村は編纂書 815 および編纂書 825 で容認された公正価値オプションを選択することにより公正価値で測定された特定 の適格の金融資産と金融負債を有しております。野村が適格項目について公正価値オプションを選択した場合、当該項目 の公正価値の変動は、損益において認識されます。公正価値オプションの選択は通常、その商品に対する会計上の取り扱 いを改定させる事象が生じた場合を除いて、変更することはできません。 野村が公正価値オプションを適用している主な金融資産と金融負債および適用趣旨は以下のとおりであります。 ・トレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資およびその他の資産に計上されている、公正価値オプション を選択していなければ持分法を適用していた投資で、恒久的に保有する目的ではなく、値上がり益や配当収入を得る目的 で保有され、出口戦略を有する投資。野村はこれらの投資目的をより忠実に連結財務諸表に反映させるために公正価値オ プションを選択しております。 ・貸付金および受取債権に計上されている、公正価値ベースでリスク管理をしている貸付金および貸出が実行された際に 公正価値オプションが選択される貸出コミットメント。野村は、貸付金とリスク管理目的で取引しているデリバティブの 価格変動によって生じうる損益の変動を軽減するため、公正価値オプションを選択しております。 ・担保付契約および担保付調達に計上されている、公正価値ベースでリスク管理をしている売戻条件付買入有価証券およ び買戻条件付売却有価証券。野村は、売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券とリスク管理目的で取引し ているデリバティブの価格変動によって生じうる損益の変動を軽減するため、公正価値オプションを選択しております。 ・短期借入および長期借入に計上されている、2008 年4月1日以後に発行されたすべての仕組債。仕組債および仕組債の リスク軽減目的で取引しているデリバティブの価格変動によって生じる損益の変動を軽減することを主に目的として公 正価値オプションを選択しております。また、同様の目的により連結変動持分事業体が発行した社債や 2008 年4月1日 より前に発行された一部の仕組債に対しても、公正価値オプションを選択しております。 ・長期借入に計上されている、編纂書 860 の規定上、金融資産の譲渡が担保付金融取引として処理される金融負債。野村 は、公正価値オプションを選択しない場合に生じる損益の変動を軽減する目的で、公正価値オプションを選択しておりま す。当該取引に伴う金融資産については、野村のエクスポージャーが通常ない、もしくはほとんどないものの、連結貸借 対照表に公正価値で計上され、公正価値の変動は損益で認識されます。 公正価値オプションを適用した金融商品から生じる利息および配当金は、金融収益、金融費用またはトレーディング損 益に計上されます。 次の表は、2014年3月期および2015年3月期において、公正価値オプションを使って公正価値で測定されている金融商 品の公正価値変動による損益を表示しております。 ― 68 ― (単位:十億円) 2015年3月期 2014年3月期 損益 (1) 資産: トレーディング資産およびプライベート・エクイティ 投資 (2) トレーディング資産 プライベート・エクイティ投資 貸付金および受取債権 担保付契約 (3) その他の資産 (2) 合計 負債: 短期借入 (4) 担保付調達 (3) 長期借入 (4)(5) その他の負債 (6) 合計 0 △0 3 4 17 0 1 4 4 6 24 15 0 △3 11 0 11 △2 △7 0 8 2 (1) (2) (3) (4) (5) 主に連結損益計算書のトレーディング損益、収益―その他に計上されております。 公正価値オプションを選択していなければ持分法を適用していたエクイティ投資を含んでおります。 売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券を含んでおります。 仕組債とその他の金融負債等を含んでおります。 金融資産の移転が譲渡に該当しないため、担保付金融取引として取り扱われることに伴い認識される負債を含んで おります。 (6) 貸付金の貸出コミットメントを含んでおります。 野村は 2014 年3月 31 日および 2015 年3月 31 日現在、普通株式への出資比率が 37.1%である株式会社足利ホールディ ングス(以下「足利ホールディングス」)への投資に対して公正価値オプションを適用しております。当該投資は連結貸 借対照表上、その他の資産―その他に含まれております。 日本会計原則に基づく足利ホールディングスの 2014 年3月期業績は、収益合計 108 十億円、費用合計 80 十億円、税引 後当期純利益 24 十億円となりました。2014 年3月 31 日の総資産および総負債は、それぞれ 5,612 十億円と 5,371 十億円 となっております。日本会計原則に基づく足利ホールディングスの 2015 年3月期業績は、収益合計 97 十億円、費用合計 76 十億円、税引後当期純利益 17 十億円となりました。2015 年3月 31 日の総資産および総負債は、それぞれ 5,864 十億 円と 5,577 十億円となっております。 野村は公正価値オプションを適用した一部の金融負債に対する自社クレジットの変化による影響額を、観察可能な自社 クレジット・スプレッドの変動を反映したレートを用いた DCF 法により計算しております。公正価値オプションを適用し た金融負債に関して、自社クレジットの変化に起因する 2014 年3月期の損益は、主にクレジット・スプレッドの縮小に より 9 十億円の損失、2015 年3月期の損益は、主にクレジット・スプレッドの拡大により 2 十億円の収益となりました。 また、公正価値オプションを適用した金融資産の商品固有の信用リスクに関しては、重要な影響はありませんでした。 2014 年3月 31 日において、公正価値オプションを選択した貸付金および受取債権のうち、契約上元本が保証されてい る未回収元本総額の公正価値は、その未回収元本総額に対して 1 十億円上回っております。また、公正価値オプションを 選択した長期借入のうち、契約上元本を保証している未償還元本総額の公正価値は、その未償還元本総額を 17 十億円上 回っております。公正価値オプションを選択した貸付金および受取債権に関して、90 日以上の延滞が生じたものはありま せんでした。 ― 69 ― 2015 年3月 31 日において、公正価値オプションを選択した貸付金および受取債権のうち、契約上元本が保証されてい る未回収元本総額の公正価値は、その未回収元本総額に対して 1 十億円上回っております。また、公正価値オプションを 選択した長期借入のうち、契約上元本を保証している未償還元本総額の公正価値は、その未償還元本総額を 1 十億円上回 っております。公正価値オプションを選択した貸付金および受取債権に関して、90 日以上の延滞が生じたものはありませ んでした。 信用リスクの集中 信用リスクの集中は、トレーディング業務、証券金融取引および引受業務から生じる場合があり、また政治的・経済的 な要因の変化によって影響を受けることがあります。野村は、日本国政府、米国政府、欧州連合(以下「EU」)加盟各国政 府およびその地方自治体、政府系機関が発行した債券に対して、信用リスクが集中しております。こうした信用リスクの 集中は一般的に、トレーディング目的有価証券の保有により発生しており、連結貸借対照表上トレーディング資産に計上 されています。担保差入有価証券を含む政府、地方自治体および政府系機関の債券が当社の総資産に占める割合は、2014 年3月期末に 20%、2015 年3月期末に 19%となっております。 次の表は、野村が保有する政府、地方自治体および政府系機関債関連のトレーディング資産の地域別残高内訳を示して おります。デリバティブ取引の信用リスクの集中については、「注記3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照 ください。 (単位:十億円) 政府債・地方債および政府系機関債 日本 2,779 2014年3月31日 米国 EU 1,666 3,968 日本 2,510 2015年3月31日 米国 EU 1,815 3,098 その他 385 合計 (1) 8,798 (単位:十億円) 政府債・地方債および政府系機関債 その他 446 合計 (1) 7,869 (1)上記金額のほかに、連結貸借対照表上その他の資産―トレーディング目的以外の負債証券に国債・地方債および政 府系機関債が2014年3月期末に756十億円、2015年3月期末に635十億円含まれております。これらの大部分は日本 における国債・地方債・政府系機関債で構成されております。 公正価値評価されない金融商品の見積公正価値 一部の金融商品はトレーディング目的として保有されず、公正価値オプションが選択されないため、連結貸借対照表上 毎期経常的には公正価値評価されておりません。こうした金融商品は一般的に契約上の満期金額、ないしは償却原価で計 上されております。 下記に詳述する大部分の金融商品の帳簿価額は、本来短期であり、ごくわずかな信用リスクしか含まないため、公正価 値に近似しております。これらの金融商品は連結貸借対照表上、現金および現金同等物、定期預金、取引所預託金および その他の顧客分別金、顧客に対する受取債権、顧客以外に対する受取債権、売戻条件付買入有価証券ならびに借入有価証 券担保金として計上される金融資産と短期借入、顧客に対する支払債務、顧客以外に対する支払債務、受入銀行預金、買 戻条件付売却有価証券、貸付有価証券担保金およびその他の担保付借入として計上される金融負債を含んでおります。こ うした金融商品は、公正価値の階層において一般的にレベル1もしくはレベル2のどちらかに分類されます。 本来長期または少なからず信用リスクを含む可能性があるその他の金融商品の公正価値は、帳簿価額と異なることがあ ります。このような金融資産は連結貸借対照表上、貸付金に計上され、また金融負債は連結貸借対照表上、長期借入に計 上されております。公正価値オプションを選択しない貸付金の公正価値は、毎期経常的に公正価値評価される貸付金と同 様の手法で推計されております。取引所価格が取得可能な場合には当該市場価格を見積公正価値としております。公正価 値オプションを選択しない長期借入の公正価値は、利用可能な取引所価格を用いることにより、または DCF 法により、毎 期経常的に公正価値評価される長期借入と同様の手法で推計しております。金融資産と金融負債は、公正価値オプション を選択した場合に適用されるものと同様の手法に基づいて、公正価値階層において一般的にレベル2またはレベル3に分 類されております。 ― 70 ― 次の表は、2014 年3月 31 日および 2015 年3月 31 日現在における、帳簿価額と公正価値、および特定の金融商品の区分 ごとの公正価値階層内の分類を示しております。 (単位:十億円) 2014年3月31日 (1) 帳簿価額 資産: 現金および現金同等物 定期預金 取引所預託金およびその他の顧客 分別金 貸付金 (2) 売戻条件付買入有価証券 借入有価証券担保金 レベル別公正価値 公正価値 レベル1 レベル2 レベル3 1,490 364 1,490 364 1,490 - - 364 - - 336 336 - 336 - 1,327 9,618 7,729 1,326 9,618 7,729 - - - 1,068 9,618 7,729 258 - - 合計 20,864 20,863 1,490 19,115 258 負債: 短期借入 受入銀行預金 買戻条件付売却有価証券 貸付有価証券担保金 長期借入 602 1,114 13,938 2,360 8,227 602 1,114 13,938 2,360 8,202 - - - - 134 599 1,114 13,938 2,360 7,674 3 0 0 - 394 合計 26,241 26,216 134 25,685 397 (単位:十億円) 2015年3月31日 (1) 帳簿価額 資産: 現金および現金同等物 定期預金 取引所預託金およびその他の顧客 分別金 貸付金 (2) 売戻条件付買入有価証券 借入有価証券担保金 公正価値 レベル別公正価値 レベル1 レベル2 レベル3 1,315 328 1,315 328 1,315 - - 328 - - 453 453 - 453 - 1,460 8,481 8,238 1,460 8,481 8,238 - - - 1,141 8,479 8,238 319 2 - 合計 20,275 20,275 1,315 18,639 321 負債: 短期借入 受入銀行預金 買戻条件付売却有価証券 貸付有価証券担保金 長期借入 662 1,220 12,217 2,494 8,336 662 1,220 12,217 2,494 8,365 - - - - 80 661 1,220 12,214 2,494 7,760 1 0 3 - 525 合計 24,929 24,958 80 24,349 529 (1) 経常的に公正価値評価される金融商品を含みます。 (2) 帳簿価額は貸倒引当金を控除した後の金額です。 ― 71 ― 野村の保険子会社の引き受けた保険契約のうち、投資契約に該当する負債の見積公正価値につきましては、 「注記9 そ の他の資産―その他およびその他の負債」をご参照ください。 非経常的に公正価値評価される資産および負債 野村は毎期経常的に公正価値評価される金融商品に加えて、一義的には公正価値以外の方法で計測され、毎期経常的に は公正価値評価されない資産および負債を有しております。公正価値は当初取得時認識の後、減損を認識するなど特定の 場合にのみ用いられます。 2014 年3月 31 日現在、特定のレポーティング・ユニットにおけるのれんが非経常的に公正価値で評価されております。 当該のれんは連結貸借対照表上のその他の資産―その他に計上されており、公正価値評価後の簿価は減損の結果、3 十億 円となりました。公正価値は DCF 法に基づいて評価されており、結果としてレベル3に区分されるデータによって公正価 値評価がなされております。 2015年3月31日現在、非経常的に公正価値評価される資産および負債は、重要な金額ではありませんでした。 3 デリバティブ商品およびヘッジ活動: 野村は、トレーディング目的およびトレーディング目的以外として先物、先渡、オプションおよびスワップを含む多 様なデリバティブ金融商品取引を行っています。 トレーディング目的のデリバティブ 通常の営業活動の中で野村は、顧客ニーズの充足のため、もしくは野村のトレーディング目的のためまたは金利・為替 相場・有価証券の市場価格等の不利な変動により野村に生じる損失発生リスクの低減のため、デリバティブ金融商品の取 引を行っております。当該デリバティブ金融商品には、金利支払の交換、通貨の交換、または将来の特定日に特定条件で 行う有価証券およびその他金融商品の売買等の契約が含まれております。 野村は、多様なデリバティブ取引において積極的にトレーディング業務を行っております。野村のトレーディングは、 大部分が顧客ニーズに応えるものであります。野村は、証券市場において顧客の特定の金融ニーズと投資家の需要を結び つける手段として多様なデリバティブ取引を活用しております。また野村は、顧客が市場変化に合わせてそのリスク特性 を調整することが可能となるよう、有価証券およびさまざまなデリバティブのトレーディングを積極的に行っております。 こうした活動を行うにあたり野村は、資本市場商品の在庫を保有するとともに、他のマーケットメーカーへの売買価格の 提示および他のマーケットメーカーとのトレーディングにより、市場において流動性を継続的に確保しております。こう した活動は、顧客に有価証券およびその他の資本市場商品を競争力のある価格で提供するために不可欠なものであります。 先物および先渡取引は、有価証券、外貨またはその他資本市場商品を将来の特定の日に特定の価格で購入または売却す る契約であり、差金授受または現物受渡により決済が行われるものであります。外国為替取引は、直物、先渡取引を含み、 契約当事者が合意した為替レートでの2つの通貨の交換を伴うものであります。取引相手が取引契約上の義務を履行でき ない可能性および市場価格の変動からリスクが発生します。先物取引は規制された取引所を通じて行われ、当該取引所が 取引の決済および取引相手の契約履行の保証を行うことになります。したがって、先物取引にかかる信用リスクはごくわ ずかであると考えられます。対照的に先渡取引は、一般的に当事者間で相対で取り決めるものであるため、該当する取引 相手の契約履行の有無に影響されることになります。 ― 72 ― オプション取引は、オプション料の支払を対価として、買い手に対し特定の期間または特定の日に特定の価格で金融商 品をオプションの売り手から購入するかまたは当該売り手に売却する権利を付与する契約であります。オプションの売り 手は、オプション料を受領し、当該オプションの原商品である金融商品の市場価格が不利な変動をするリスクを引き受け ることになります。 スワップ取引は、合意内容に基づいて当事者が将来の特定の日に一定のキャッシュ・フローを交換することに同意する 契約であります。契約によっては、金利と外貨とが組み合わされたスワップ取引になる場合もあります。スワップ取引に は、取引相手が債務不履行の場合に損失を被るという信用リスクが伴っております。 こうしたデリバティブ金融商品により、野村が保有する金融商品または有価証券ポジションが経済的にヘッジされてい る場合には、総合的にみた野村の損失リスクは全面的にまたは部分的に軽減されることとなります。 野村は、デリバティブ金融商品の利用から生じる市場リスクを、ポジション制限、監視手続、多様な金融商品において 相殺的なもしくは新たなポジションを保有する等のヘッジ戦略を含むさまざまな管理方針および手続により最小限にす るよう努めております。 トレーディング目的以外のデリバティブ 野村がトレーディング目的以外でデリバティブを利用する主な目的は、金利リスクを管理し、特定の金融負債にかかる 金利の性質を変換し、特定の外貨建負債証券の外国為替リスクを管理し、特定の在外事業体から発生する為替の変動によ る純投資分の変動を管理し、従業員等に対して付与される株価連動型報酬にかかる株価変動リスクを削減することであり ます。こうしたトレーディング目的以外で行うデリバティブ取引に伴う信用リスクについては、トレーディング目的で行 うデリバティブ取引に伴う信用リスクと同様の手法により管理統制しております。 野村はデリバティブ金融商品を、特定の金融負債から生じる金利リスク管理および特定の外貨建負債証券から生じる外 国為替リスク管理のため、公正価値ヘッジとして指定しております。これらのデリバティブ取引は、当該ヘッジ対象のリ スクを減少させる面で有効であり、ヘッジ契約の開始時から終了時までを通じてヘッジ対象資産負債の公正価値の変動ま たは為替変動と高い相関性を有しております。関連する評価損益はヘッジ対象資産負債にかかる損益と共に連結損益計算 書上、金融費用または収益―その他として認識しております。 海外事業への純投資についてヘッジ指定されたデリバティブは、日本円以外が機能通貨である特定の子会社に関連付け られています。純投資ヘッジの有効性判定では、スポット・レートの変動により、デリバティブの公正価値の変動のうち の有効部分が判定されます。有効と判定された損益は当社株主資本の累積的その他の包括利益に計上されております。ヘ ッジ手段のデリバティブの公正価値の変動のうちフォワード・レートとスポット・レートの変動の差による差額は有効性 の判定から除かれ、連結損益計算書上、収益―その他に計上されております。 デリバティブの信用リスクの集中 次の表は、野村の店頭デリバティブ取引における、清算機関で清算される取引を含めた金融機関への重要なエクスポー ジャーの集中について示したものであります。デリバティブ資産の公正価値の総額は、取引相手が契約条件に従った債務 を履行できず、かつ受け入れている担保やその他の有価証券が無価値であったと仮定した場合に野村が被る最大限の損失 を示しております。 ― 73 ― (単位:十億円) 2014年3月31日 デリバティブ資産の 公正価値の総額 マスター・ネッティング デリバティブ取引純額 信用リスクに対する に対する 契約に基づく エクスポージャー純額 担保の相殺額 取引相手毎の相殺額 20,355 金融機関 △18,481 △936 938 (単位:十億円) 2015年3月31日 デリバティブ資産の 公正価値の総額 金融機関 マスター・ネッティング デリバティブ取引純額 信用リスクに対する に対する 契約に基づく エクスポージャー純額 担保の相殺額 取引相手毎の相殺額 33,930 △31,773 △1,713 444 デリバティブ活動 次の表は、デリバティブの想定元本と公正価値により、野村のデリバティブ活動の規模を示しております。それぞれの 金額は、取引相手毎のデリバティブ資産およびデリバティブ負債の相殺前、およびデリバティブ取引純額に対する現金担 保の相殺前の金額となっております。 (単位:十億円) 2014年3月31日 デリバティブ資産 想定元本 公正価値 トレーディング目的およびトレーディング目的以 外のデリバティブ取引 (2)(3) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ デリバティブ負債 想定元本 (1) 公正価値 (1) 15,761 1,132,306 38,136 108,595 46 1,922 19,459 1,314 3,312 0 14,911 1,098,406 40,310 113,915 37 2,254 19,249 1,623 2,938 0 1,294,844 26,007 1,267,579 26,064 金利デリバティブ 為替取引 2,143 109 62 0 296 116 2 2 合計 2,252 62 412 4 1,297,096 26,069 1,267,991 26,068 合計 ヘッジ会計を適用しているデリバティブ取引 デリバティブ取引合計 ― 74 ― (単位:十億円) 2015年3月31日 デリバティブ資産 想定元本 トレーディング目的およびトレーディング目的以 外のデリバティブ取引 (2)(3) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ デリバティブ負債 公正価値 想定元本 (1) 公正価値 (1) 20,681 1,367,970 30,055 136,683 13 1,747 31,611 1,111 7,576 0 20,431 1,343,616 29,689 126,750 39 1,983 31,691 1,118 6,990 1 1,555,402 42,045 1,520,525 41,783 金利デリバティブ 為替取引 1,741 177 54 1 199 161 0 2 合計 1,918 55 360 2 1,557,320 42,100 1,520,885 41,785 合計 ヘッジ会計を適用しているデリバティブ取引 デリバティブ取引合計 (1)編纂書815に基づき区分処理された組込デリバティブの金額を含んでおります。 (2)デリバティブ取引の各区分には、複数のリスク区分を複合的に参照するデリバティブも含まれております。例えば 金利デリバティブには、金利リスクや為替リスクの複合的なデリバティブや、期中償還率のようなその他のリスク も同時に参照するデリバティブが含まれております。信用デリバティブには、クレジット・デフォルト・スワップ のほか債券を参照するデリバティブも含まれております。 (3)トレーディング目的以外のデリバティブで、公正価値ヘッジないし純投資ヘッジを適用していないものの金額を含 んでおります。2014年3月31日および2015年3月31日現在において、これらの金額は重要ではありませんでした。 デリバティブ関連の公正価値の変動はデリバティブの使用目的に応じて、損益もしくはその他の包括利益に計上されて おります。 デリバティブ取引の相殺 野村は、デリバティブ金融商品から生じる取引相手のクレジットリスクを与信審査、リスク上限の設定および モニタ リングによって管理しております。また、債務不履行時のリスクを低減させる目的で、一定のデリバティブ取引について 主に現金や国債等の担保を徴求しております。場合により、野村は、取引相手の債務不履行時に野村による担保管理を可 能とする契約のもと、当該担保の外部カストディアンへの差入れに同意することがあります。野村は、経済的観点から関 連する担保を考慮した上で債務不履行時のリスクの評価を行っております。さらに店頭デリバティブについては通常、業 界標準のマスター・ネッティング契約を交しており、取引相手がデフォルトした場合は取引金額および担保金額の一括清 算および相殺が認められるため、クレジット・エクスポージャーは軽減されております。特定の清算機関で清算される店 頭デリバティブ取引および取引所で取引されるデリバティブ取引についても、清算機関または取引所がデフォルトした場 合に同様の権利が認められる清算契約または参加者契約を結んでおります。野村では通常、前述した契約に含まれている 取引の一括清算および相殺の法的有効性を裏付けるための法律意見書を外部より取得しております。 特定の取引相手および特定の地域において、野村は、マスター・ネッティング契約を交わさずにデリバティブ取引を行 うことがあります。また、マスター・ネッティング契約を交わしている場合でも、野村は、一括清算および相殺の法的有 効性を裏付ける十分な証拠を未入手または入手できないことがあります。このような状況は、各国の法律が一括清算およ び相殺を明確に禁止している場合や、相殺の法的有効性に関する法律が複雑、不明確または存在しない場合に起こり得ま ― 75 ― す。また、当該状況は、特定の政府、政府系機関、地方自治体、清算機関、取引所または年金ファンドとのデリバティブ 取引について生じる可能性があります。 野村は、マスター・ネッティング契約の法的有効性を考慮して、特定の取引相手との取引から生じる信用リスクのヘッ ジ方法、取引相手のクレジット・エクスポージャーの算定方法およびリスク上限の設定方法、ならびに取引相手に徴求す る担保の量および質を決定しております。 連結貸借対照表上では、マスター・ネッティング契約を締結している同一の取引相手とのデリバティブ資産および負債 は、編纂書210-20および編纂書815に定義された特定の条件に合致する場合は相殺して表示しております。これらの条件 には、マスター・ネッティング契約による取引の一括清算および相殺の法的有効性などに関する要件が含まれております。 さらに、現金担保の請求権(債権)および現金担保の返還義務(債務)も、一定の追加要件を満たした場合、純額処理さ れたデリバティブ負債および資産と各々相殺しております。 次の表は連結貸借対照表に計上されるリスク区分ごとのデリバティブ商品の相殺および関連する担保に関する情報を 表しております。取引相手がデフォルトした場合に追加的にデリバティブと担保の相殺が認められるマスター・ネッティ ング契約を締結している取引先、清算機関および取引所とのデリバティブ取引に関する情報も含んでおります。なお、マ スター・ネッティング契約下にない、または一括清算および相殺の法的有効性を裏付ける十分な証拠がないマスター・ネ ッティング契約下にあるデリバティブ取引は、下表の中で相殺されておりません。 ― 76 ― 2014年3月31日 デリバティブ デリバティブ 資産 負債 (1) (単位:十億円) 2015年3月31日 デリバティブ デリバティブ 資産 負債 (1) エクイティ・デリバティブ 相対で決済される店頭デリバティブ取引 清算機関で清算される店頭デリバティブ取引 取引所で取引されるデリバティブ取引 金利デリバティブ 相対で決済される店頭デリバティブ取引 1,162 - 760 1,418 - 836 1,191 - 556 1,349 - 634 10,485 10,281 12,421 12,580 清算機関で清算される店頭デリバティブ取引 9,025 8,961 19,226 19,102 11 9 18 9 1,180 130 4 1,491 128 4 1,003 103 5 1,023 93 2 3,296 12 4 2,923 13 4 7,562 10 5 6,977 10 5 0 - 0 0 - 0 0 - 0 0 - 1 26,069 △23,764 26,068 △24,030 42,100 △40,514 41,785 △40,460 連結貸借対照表上に表示されている取引純額 (4) 2,305 2,038 1,586 1,325 (控除)連結貸借対照表上相殺されていない金額(5) 非現金担保 現金担保 △168 △0 △44 △0 △252 - △53 △4 純額合計 2,137 1,994 1,334 1,268 取引所で取引されるデリバティブ取引 信用デリバティブ 相対で決済される店頭デリバティブ取引 清算機関で清算される店頭デリバティブ取引 取引所で取引されるデリバティブ取引 為替取引 相対で決済される店頭デリバティブ取引 清算機関で清算される店頭デリバティブ取引 取引所で取引されるデリバティブ取引 商品デリバティブ 相対で決済される店頭デリバティブ取引 清算機関で清算される店頭デリバティブ取引 取引所で取引されるデリバティブ取引 デリバティブ取引総額合計 (2) (控除)連結貸借対照表上相殺されている金額(3) (1)編纂書815に基づき区分処理された組込デリバティブの金額を含んでおります。 (2)マスター・ネッティング契約締結の有無、または当該契約の法的有効性を裏付ける十分な証拠の入手の有無に関わ らず、全てのデリバティブ資産総額およびデリバティブ負債総額を含んでおります。2014年3月31日において、マ スター・ネッティング契約下にない、または法的有効性を裏付ける十分な証拠を未入手のマスター・ネッティング 契約下にあるデリバティブ資産総額およびデリバティブ負債総額はそれぞれ744十億円および808十億円です。2015 年3月31日において、同様のデリバティブ資産総額およびデリバティブ負債総額はそれぞれ298十億円および447十 億円です。 (3)編纂書815に基づき、野村が法的有効性について十分な証拠を入手しているマスター・ネッティング契約あるいは 同等の内容の契約により、同一の取引相手とのデリバティブ資産と負債の相殺および相殺されたデリバティブ取引 純額と現金担保との相殺を表します。2014年3月31日において、野村はデリバティブ負債に対する差入現金担保を 1,283十億円相殺し、デリバティブ資産に対する受入現金担保を1,017十億円相殺いたしました。また2015年3月31 日において、野村はデリバティブ負債に対する差入現金担保を1,830十億円相殺し、デリバティブ資産に対する受 入現金担保を1,884十億円相殺いたしました。 (4)相殺されたデリバティブ資産および負債は連結貸借対照表上それぞれ、トレーディング資産およびプライベート・ エクイティ投資―トレーディング資産とトレーディング負債に計上されております。区分処理された組込デリバテ ィブは参照している原契約の満期に応じて、短期借入ないしは長期借入に計上されております。 (5)編纂書210-20および編纂書815に基づいた連結貸借対照表上の相殺表示が認められていないものの、取引相手がデ フォルトした場合は法的に有効性のある相殺権を有する金額を表しております。相殺の法的有効性について十分な 証拠を未入手のデリバティブおよび担保契約にかかる金額は含まれておりません。なお、2014年3月31日において、 デリバティブ取引純額と相殺されなかった差入現金担保および受入現金担保はそれぞれ203十億円および643十億 円です。2015年3月31日において、デリバティブ取引純額と相殺されなかった差入現金担保および受入現金担保は それぞれ223十億円および757十億円です。 ― 77 ― トレーディング目的のデリバティブ取引 区分処理された組込デリバティブを含むトレーディング目的のデリバティブ金融商品は公正価値で計上され、公正価値 の変動は連結損益計算書の収益―トレーディング損益に計上されます。 次の表は、連結損益計算書に含まれるトレーディング目的およびトレーディング目的以外のデリバティブ関連の損益を、 元となるデリバティブ取引の種類に応じて表しております。 (単位:十億円) 2014年3月期 トレーディング目的およびトレーディング目的以外の デリバティブ取引 (1)(2) エクイティ・デリバティブ 金利デリバティブ 信用デリバティブ 為替取引 商品デリバティブ 合計 2015年3月期 △91 102 △123 △30 1 △141 △9 △105 11 △17 △2 △122 △128 (1)デリバティブ取引の各区分には、複数のリスク区分を複合的に参照するデリバティブも含まれております。例えば 金利デリバティブには、金利リスクや為替リスクの複合的なデリバティブや、期中償還率のようなその他のリスク も同時に参照するデリバティブが含まれております。信用デリバティブには、クレジット・デフォルト・スワップ のほか債券を参照するデリバティブも含まれております。 (2)トレーディング目的以外のデリバティブで、公正価値ヘッジないし純投資ヘッジを適用していないものの損益を含 んでおります。2014年3月期および2015年3月期のこれらの損益は重要な金額ではありませんでした。 公正価値ヘッジ 野村は日本円もしくは外国通貨建ての固定ならびに変動金利債を発行しており、通常、発行社債にかかる固定金利の支 払義務についてスワップ契約を締結することにより変動金利の支払義務に変換しております。また、保険子会社の保有す るトレーディング目的以外の外貨建負債証券に対して、為替先物取引を利用した為替ヘッジを行っております。野村はこ れらの取引に対しヘッジ会計を適用しており、公正価値ヘッジとして指定されたデリバティブ取引は公正価値で計上され、 その公正価値の変動は、ヘッジ対象の資産負債にかかる損益と共に連結損益計算書の金融費用または収益―その他に計上 されています。 次の表は、連結損益計算書に含まれる公正価値ヘッジとして指定されたデリバティブ関連の損益を、元となるデリバテ ィブ取引の種類とヘッジ対象の性質に応じて表しております。 (単位:十億円) 2014年3月期 ヘッジ会計を適用しているデリバティブ取引 金利デリバティブ 為替取引 合計 ヘッジ対象の損益 長期借入 トレーディング目的以外の負債証券 合計 ― 78 ― 2015年3月期 2 - 2 29 △1 28 △2 - △2 △29 1 △28 純投資ヘッジ 野村は一部の重要な為替リスクをもつ在外事業体に対して、為替先物取引ならびに外貨建長期負債を利用した為替ヘッ ジを行っており、これにヘッジ会計を適用しております。ヘッジ手段として指定されたデリバティブ取引およびデリバテ ィブ取引以外の金融商品から発生する為替換算差額については、ヘッジが有効である部分につき、連結包括利益計算書の その他の包括利益―為替換算調整額(税引後)に計上されています。これは当該在外事業体を連結する際に発生する為替 換算差額と相殺されております。 次の表は、連結包括利益計算書に含まれる純投資ヘッジとして指定されたデリバティブ取引およびデリバティブ取引以 外の損益を表しております。 (単位:十億円) 2014年3月期 ヘッジ手段 為替取引 合計 2015年3月期 △12 △12 7 7 (1)ヘッジの非有効部分の損益およびヘッジの有効性評価から除外した部分は、連結損益計算書の収益―その他に含ま れております。2014年3月期および2015年3月期の損益は重要な金額ではありませんでした。 信用リスクに関する偶発事象に関する要項を含んだデリバティブ 野村は信用リスクに関する偶発事象についての要項を含んだ店頭デリバティブやその他の契約を結んでいます。これら の契約は、最も一般的には当社の長期信用格付けの引き下げといった信用リスクに関わる事象が発生した場合に追加担保 やポジションの決済を求めることがあります。 2014年3月31日現在の負債側に計上されている信用リスクに関する偶発事象要項を含んだデリバティブ商品の公正価 値の総計は973十億円となり、747十億円の担保を差し入れております。2014年3月31日時点における長期格付が1ノッチ 引き下げられた場合、追加担保の差入もしくは取引を決済するために求められる金額は102十億円です。 2015年3月31日現在の負債側に計上されている信用リスクに関する偶発事象要項を含んだデリバティブ商品の公正価 値の総計は874十億円となり、708十億円の担保を差し入れております。2015年3月31日時点における長期格付けが1ノッ チ引き下げられた場合、追加担保の差入もしくは取引を決済するために求められる金額は19十億円です。 クレジット・デリバティブ クレジット・デリバティブとは、その原商品の1つあるいは複数が、ある特定(もしくは複数)の参照企業の信用リス ク、もしくは企業群の信用リスクに基づく指数に関連するデリバティブ商品であり、契約に特定されている信用事由が発 生するとクレジット・プロテクションの売り手は損失を被るリスクがあります。 野村が売り手となるクレジット・デリバティブは野村が保証型の契約の保証者として、あるいはオプション型の契約や クレジット・デフォルト・スワップ、あるいはその他のクレジット・デリバティブ契約の形態においてクレジット・プロ テクションを提供するものとして、第三者の信用リスクを引き受ける契約やそうした契約を内包するものであります。 野村は通常のトレーディング業務の一環として、信用リスク回避目的、自己勘定取引および顧客ニーズに対応する取引 目的でクレジット・デリバティブを取引しており、クレジット・プロテクションの買い手もしくは売り手となっておりま す。 ― 79 ― 野村が主として使用するクレジット・デリバティブの種類は特定の第三者の信用リスクに基づき決済が行われる個別ク レジット・デフォルト・スワップです。また、野村はクレジット・デフォルト指数に連動するものの販売やその他の信用 リスク関連ポートフォリオ商品の発行を行っております。 契約で特定された信用事由が発生した場合、野村はクレジット・デリバティブ契約の履行をしなければなりません。信 用事由の典型的な例には、参照企業の破産、債務不履行や参照資産の条件変更などがあります。 野村が売り手となるクレジット・デリバティブ契約は現金決済あるいは現物決済の契約になっております。現金決済の 契約では、参照債務の不履行など信用事由の発生により支払いがなされた後は契約終了となり、野村による更なる支払い 義務はなくなります。この場合、野村は通常支払いの対価としてカウンターパーティーの参照資産を受け取る権利は有し ておりませんし、参照資産の実際の発行体に対して直接支払い金額を請求する権利も有しません。現物決済の契約では、 信用事由発生により契約額全額が支払われた場合に対価として参照資産を受け取ります。 野村は継続的にクレジット・デリバティブのエクスポージャーをモニターし管理しています。野村がプロテクションの 売り手となった場合、プロテクションの対象と同一の参照資産、あるいはプロテクションの対象となる参照資産と発行体 が同一であり、かつ当該資産と高い相関を有する価値変動を示すだろうと予想される資産を対象としたクレジット・プロ テクションを第三者から購入することでリスクを軽減することができます。したがって、野村が売り手となったクレジッ ト・デリバティブの支払い額を第三者からの支払いによって補填するために用いられるリコース条項としては、当該デリ バティブ契約によってというよりむしろ、同一あるいは高い相関を有する参照資産を対象としたクレジット・プロテクシ ョンを別途購入することによる場合が最も一般的です。 野村は、購入したクレジット・デリバティブの想定元本を、次の表中に「クレジット・プロテクション買付額」として 表示しています。これらの数値は売建クレジット・デリバティブの参照資産と同一の資産に対し、第三者から購入したク レジット・プロテクションの購入額であり、野村のエクスポージャーをヘッジするものです。野村が売り手であるクレジ ット・デリバティブに基づいて支払いを履行しなければならなくなる場合には、通常、その金額に近い金額を購入したク レジット・プロテクションから受け取る権利が発生します。 クレジット・デリバティブで明記される想定元本額は、契約に基づき野村が支払いをしなければならない場合の最大限 の金額となります。しかしながら、クレジット・プロテクションの購入に加えて、支払いが起きる可能性や支払額を減ら す下記のリスク軽減要素があるため、想定元本額は通常野村が実際に支払う金額を正確に表すものではありません。 信用事由の発生可能性:野村はクレジット・デリバティブの公正価値評価をする際に、参照資産に信用事由が発生し、 野村が支払いをしなければならなくなる可能性を考慮しています。野村のこれまでの経験と野村によるマーケットの現状 分析に基づきますと、野村がプロテクションを提供している参照資産の全てについて1つの会計期間において同時に信用 事由が発生する可能性はほとんど無いと考えています。したがって、開示されている想定元本額は、こうしたデリバティ ブ契約にかかる野村の実質的なエクスポージャーとしては、相当に過大な表示となっています。 ― 80 ― 参照資産からの回収価額:ある信用事由が発生した場合に、野村の契約に基づく債務額は、想定元本額と参照資産から の回収価額の差額に限定されます。信用事由が発生した参照資産からの回収価額がわずかであるにしても、回収価額はこ れらの契約に基づいて支払う金額を減少させます。 野村は、野村が売り手となっているクレジット・デリバティブに関連して資産を担保として受け入れています。しかし ながら、それらはクレジット・デリバティブに基づいて野村が支払う金額の回収に充てられるものではなく、相手方の信 用事由の発生により、契約に基づいた野村への支払いに対して生じる経済的な損失リスクを軽減するためのものです。担 保提供義務は個別契約ごとではなくカウンターパーティーごとで決定され、また通常クレジット・デリバティブだけでは なく全ての種類のデリバティブ契約を対象としております。 2014年3月31日および2015年3月31日現在の野村が売り手となるクレジット・デリバティブの残高および同一参照資産 のクレジット・プロテクションの買付金額の残高は次のとおりであります。 (単位:十億円) 2014年3月31日 帳簿価額(1) (△資産)/ 負債 潜在的な最大支払額または想定元本額 想定元本額 満期年限 1年以内 1~3年 3~5年 クレジット・プロテ クション買付額 計 5年超 クレジット・デフォルト・ スワップ(個別) △235 21,070 4,167 8,306 6,610 1,987 18,689 クレジット・デフォルト・ スワップ(指数) △32 9,082 1,215 3,552 3,582 733 7,704 その他のクレジット・リスク関 連ポートフォリオ商品 123 1,574 523 398 201 452 1,097 クレジット・リスク関連オプシ ョンおよびスワップション △1 676 - - 504 172 548 △145 32,402 5,905 12,256 10,897 3,344 28,038 合計 (単位:十億円) 2015年3月31日 帳簿価額(1) (△資産)/ 負債 潜在的な最大支払額または想定元本額 想定元本額 満期年限 計 1年以内 1~3年 3~5年 5年超 クレジット・プロテ クション買付額 クレジット・デフォルト・ スワップ(個別) △21 18,808 4,146 7,396 5,657 1,609 16,519 クレジット・デフォルト・ スワップ(指数) △22 6,044 919 1,926 2,462 737 5,240 その他のクレジット・リスク関 連ポートフォリオ商品 △8 673 324 217 117 15 293 クレジット・リスク関連オプシ ョンおよびスワップション 0 300 - - 255 45 255 △51 25,825 5,389 9,539 8,491 2,406 22,307 合計 (1) 帳簿価額は、取引相手毎または現金担保との相殺前のデリバティブ取引の公正価値であります。なお、資産残高は 参照資産のクレジット・スプレッドが取引開始時よりタイトニングしたことによるものです。 ― 81 ― 次の表は、野村が売り手となるクレジット・デリバティブの参照資産の外部格付ごとの情報を表しております。格付は、 Standard & Poor'sによる格付、同社による格付がない場合はMoody's Investors Serviceによる格付、両社による格付が ない場合にはFitch Ratings Ltd.または株式会社日本格付研究所による格付を使用しております。クレジット・デフォル ト・スワップ(指数)についてはポートフォリオまたは指数に含まれる参照企業の外部格付の加重平均を使用しております。 (単位:十億円) 2014年3月31日 潜在的な最大支払額または想定元本額 AAA AA A BBB BB クレジット・デフォルト・ スワップ(個別) クレジット・デフォルト・ スワップ(指数) その他のクレジット・リスク関連 ポートフォリオ商品 クレジット・リスク関連オプション およびスワップション 2,125 1,331 86 合計 その他(1) 合計 5,232 7,362 3,231 1,789 21,070 23 4,445 2,884 1,341 303 9,082 22 - 1 - 4 1,547 1,574 - - 387 195 94 - 676 2,233 1,354 10,065 10,441 4,670 3,639 32,402 (単位:十億円) 2015年3月31日 潜在的な最大支払額または想定元本額 クレジット・デフォルト・ スワップ(個別) クレジット・デフォルト・ スワップ(指数) その他のクレジット・リスク関連 ポートフォリオ商品 クレジット・リスク関連オプション およびスワップション 合計 AAA AA A BBB BB 1,768 1,418 85 その他(1) 合計 4,766 6,722 2,526 1,608 18,808 14 3,936 1,306 376 327 6,044 38 - 1 4 1 629 673 - - 277 - - 23 300 1,891 1,432 8,980 8,032 2,903 2,587 25,825 (1) その他には、参照資産の外部格付が投資不適格であるものおよび参照資産の外部格付がないものが含まれておりま す。 金融資産の売却に伴い取引されるデリバティブ 野村は第三者への金融資産の譲渡に伴い別個の契約を同一相手先と結ぶことで、取引期間中における当該金融資産の実 質的にすべての経済的リターンに対するエクスポージャーを野村が保持する取引を行うことがあります。これらの取引は 主として相対のトータルリターンスワップまたは実質的なトータルリターンスワップであるデリバティブを伴う有価証 券の売却取引により行われます。 これらの取引は、編纂書860における金融資産の消滅の要件を満たした場合には有価証券の売却およびデリバティブと して別々に会計処理されます。金融資産の消滅の要件を満たさない場合、金融資産の譲渡とデリバティブは単一の担保付 資金調達取引として会計処理され、連結貸借対照表上、長期借入―譲渡取消による担保付借入として計上されます。 2015年3月31日現在、担保付資金調達取引ではなく売却として会計処理されているトータルリターンスワップまたは実 質的なトータルリターンスワップを伴う売却取引は該当ありませんでした。 ― 82 ― 4 担保付取引: 野村は、主に顧客のニーズを満たす、トレーディング商品在庫を利用して資金調達を行う、および決済のために有価 証券を調達するという目的で、売戻条件付有価証券買入取引および買戻条件付有価証券売却取引、担保付有価証券借入取 引および担保付有価証券貸付取引ならびにその他の担保付借入を含む担保付取引を行っております。 売戻条件付有価証券買入取引および買戻条件付有価証券売却取引、担保付有価証券借入取引および担保付有価証券貸付 取引は通常、業界標準のマスター・ネッティング契約を交わしており、取引相手がデフォルトした場合は取引および担保 の一括清算および相殺が認められるため、クレジット・エクスポージャーは軽減されております。特定の清算機関で清算 される売戻条件付有価証券買入取引および買戻条件付有価証券売却取引についても、清算機関がデフォルトした場合に同 様の権利を認める清算契約または参加者契約を結んでおります。野村では通常、前述した契約に含まれている取引の一括 清算および相殺の法的有効性を裏付けるための法律意見書を外部より取得しております。 特定の取引相手および特定の地域において、野村は、マスター・ネッティング契約を交わさずに売戻条件付有価証券買 入取引、買戻条件付有価証券売却取引、担保付有価証券借入取引および担保付有価証券貸付取引を行うことがあります。 また、マスター・ネッティング契約を交わしている場合でも、野村は、一括清算および相殺の法的有効性を裏付ける十分 な証拠を未入手または入手できないことがあります。このような状況は、各国の法律が一括清算および相殺を明確に禁止 している場合や、相殺の法的有効性に関する法律が複雑、不明確または存在しない場合に起こり得ます。また、当該状況 は、特定の政府、政府系機関、地方自治体、清算機関、取引所または年金ファンドとの売戻条件付有価証券買入取引、買 戻条件付有価証券売却取引、担保付有価証券借入取引および担保付有価証券貸付取引について生じる可能性があります。 野村は、マスター・ネッティング契約の法的有効性を考慮して、特定の取引相手との取引から生じる信用リスクのヘッ ジ方法、取引相手のクレジット・エクスポージャーの算定方法およびリスク上限の設定方法、ならびに取引相手に徴求す る担保の量および質を決定しております。 こうした取引において野村は、日本および海外の国債、地方債および政府系機関債、不動産ローン担保証券、銀行およ び事業会社の負債証券ならびに投資持分証券を含む担保の受入れまたは差入れを行っております。ほとんどの場合野村は、 受け入れた有価証券について、買戻契約の担保として提供すること、有価証券貸付契約を締結することまたは売建有価証 券の精算のために取引相手へ引渡しを行うことが認められております。売戻条件付有価証券買入取引および買戻条件付有 価証券売却取引では、一般的に受け渡される担保は有価証券であり、担保価値は受け渡される現金の金額よりも通常大き くなります。野村が有価証券を借り入れる場合、通常担保金もしくは代用有価証券を差し入れる必要があります。また逆 に野村が有価証券を貸し付ける場合、通常野村は担保金もしくは代用有価証券を受け入れます。野村は取引期間を通じて 受け入れまたは差し入れている有価証券の市場価額を把握し、必要な場合には取引が十分に保全されるよう追加の担保金 もしくは代用有価証券を徴求しております。 担保付取引の相殺 連結貸借対照表上では、マスター・ネッティング契約を締結している同一の取引相手との売戻条件付有価証券買入取引 および買戻条件付有価証券売却取引、担保付有価証券借入取引および担保付有価証券貸付取引は、編纂書210-20に定義さ れた特定の条件に合致する場合は相殺して表示しております。特定の条件には、取引の満期、担保が決済される振替機関、 関連する銀行取決め、マスター・ネッティング契約における一括清算および相殺の法的有効性などに関する要件が含まれ ます。 ― 83 ― 次の表は、連結貸借対照表上のこうした担保付取引の相殺に関する情報を表しております。取引相手がデフォルトした 場合に追加的に相殺が認められるマスター・ネッティング契約を締結している取引に関する情報も含んでおります。なお、 マスター・ネッティング契約下にない、または一括清算および相殺の法的有効性を裏付ける十分な証拠がないマスター・ ネッティング契約下にある取引は、下表の中で相殺されておりません。 (単位:十億円) 2014年3月31日 取引総額 (1) (控除)連結貸借対照表上相殺されている金額 (2) 連結貸借対照表上に表示されている取引純額 (3) (控除)連結貸借対照表上相殺されていない額 (4) 非現金担保 現金担保 純額合計 売戻条件付 有価証券買入 取引 担保付 有価証券借入 取引 買戻条件付 有価証券売却 取引 担保付 有価証券貸付 取引 20,244 △10,626 9,618 7,729 △5 7,724 24,564 △10,626 13,938 2,602 △5 2,597 △7,930 △0 △5,725 - △9,867 △0 △2,235 - 1,688 1,999 4,071 362 (単位:十億円) 2015年3月31日 取引総額 (1) (控除)連結貸借対照表上相殺されている金額 (2) 連結貸借対照表上に表示されている取引純額 (3) (控除)連結貸借対照表上相殺されていない額 (4) 非現金担保 現金担保 純額合計 売戻条件付 有価証券買入 取引 担保付 有価証券借入 取引 買戻条件付 有価証券売却 取引 担保付 有価証券貸付 取引 25,532 △17,051 8,460 △242 29,268 △17,051 2,924 △242 8,481 8,218 12,217 2,682 △6,295 △1 △6,531 - △10,058 - △2,371 - 2,185 1,687 2,159 311 (1)マスター・ネッティング契約締結の有無、または当該契約の法的有効性を裏付ける十分な証拠の入手の有無に関わ らず、全ての取引残高を含んでおります。公正価値オプションの選択により公正価値で計上されている取引を含ん でおります。2014年3月31日において、マスター・ネッティング契約下にない、または法的有効性を裏付ける十分 な証拠を未入手のマスター・ネッティング契約下にある売戻条件付有価証券買入取引および買戻条件付有価証券売 却取引の総額はそれぞれ1,278十億円および3,918十億円です。2014年3月31日において、マスター・ネッティング 契約下にない、または法的有効性を裏付ける十分な証拠を未入手のマスター・ネッティング契約下にある担保付有 価証券借入取引および担保付有価証券貸付取引の総額はそれぞれ1,751十億円および137十億円です。2015年3月31 日において、マスター・ネッティング契約下にない、または法的有効性を裏付ける十分な証拠を未入手のマスター・ ネッティング契約下にある売戻条件付有価証券買入取引および買戻条件付有価証券売却取引の総額はそれぞれ 1,979十億円および2,091十億円です。2015年3月31日において、マスター・ネッティング契約下にない、または法 的有効性を裏付ける十分な証拠を未入手のマスター・ネッティング契約下にある担保付有価証券借入取引および担 保付有価証券貸付取引の総額はそれぞれ1,507十億円および52十億円です。 (2)編纂書210-20に基づき、野村が法的有効性について十分な証拠を入手しているマスター・ネッティング契約あるい は同等の契約により、取引相手ごとに相殺した金額を表します。相殺した金額には、公正価値オプションの選択に より公正価値で計上されている取引を含みます。 (3)売戻条件付有価証券買入取引および担保付有価証券借入取引は、連結貸借対照表上それぞれ担保付契約―売戻条件 付買入有価証券と担保付契約―借入有価証券担保金に計上されております。買戻条件付有価証券売却取引および担 保付有価証券貸付取引は、連結貸借対照表上それぞれ担保付調達―買戻条件付売却有価証券と担保付調達―貸付有 価証券担保金に計上されております。また、担保付有価証券貸付取引には、野村が貸し出した有価証券の担保とし て、売却または担保差入可能な有価証券を受け入れる取引を含んでおります。野村は受入れた有価証券を公正価値 ― 84 ― で認識しており、同額を返還義務のある有価証券として負債に計上しております。当該負債は連結貸借対照表上、 その他の負債に計上されております。 (4)編纂書210-20に基づいた連結貸借対照表上の相殺表示が認められていないものの、取引相手のデフォルト発生時に は法的に有効性のある相殺権を有する金額を表しております。相殺の法的有効性について十分な証拠を未入手取引 にかかる金額は含まれておりません。 担保として受け入れた資産 野村が担保として受け入れた有価証券および有担保・無担保の貸借契約に基づき受け入れた有価証券のうち野村が売却 または再担保の権利を有しているものの公正価値、ならびにそのうちすでに売却されもしくは再担保に提供されている額 はそれぞれ以下のとおりであります。 (単位:十億円) 2014年3月31日 2015年3月31日 野村が担保として受け入れた有価証券および有担保・無担保 の貸借契約に基づき受け入れた有価証券のうち野村が売却 または再担保の権利を有しているものの公正価値 35,530 45,397 上記のうちすでに売却され(連結貸借対照表上ではトレーデ ィング負債に含まれる)もしくは再担保に提供されている額 28,959 39,165 担保として差し入れた資産 野村は、買戻契約およびその他の担保付資金調達取引の担保として、自己所有の有価証券を差し入れております。担保 受入者が売却または再担保に差し入れることのできる担保差入有価証券(現先レポ取引分を含む)は、連結貸借対照表上、 トレーディング資産に担保差入有価証券として括弧書きで記載されております。野村が所有する資産であって、売却また は再担保に差し入れる権利を担保受入者に認めることなく証券取引所および決済機関などに対して担保として差し入れ られているものの概要は、それぞれ以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月31日 2015年3月31日 トレーディング資産: エクイティおよび転換社債 174,753 95,331 政府および政府系機関債 991,430 1,122,308 銀行および事業会社の負債証券 150,183 139,062 商業用不動産ローン担保証券(CMBS) 35,671 32,894 住宅用不動産ローン担保証券(RMBS) 1,141,726 1,391,414 債務担保証券(CDO)等 (1) 82,237 104,877 受益証券等 18,503 45,619 2,594,503 2,931,505 4,630 - トレーディング目的以外の負債証券 42,087 47,959 関連会社に対する投資および貸付金 28,642 32,034 合 計 取引所預託金およびその他の顧客分別金 (1) ローン担保証券(CLO)、資産担保証券(ABS)(クレジットカード・ローン、自動車ローン、学生ローン等)を含みま す。 ― 85 ― 前頁で開示されているものを除く担保提供資産は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月31日 貸付金および受取債権 トレーディング資産 141 1,220 1,293,036 1,833,959 5,236 5,362 370,239 264,685 78 34 1,668,730 2,105,260 建物、土地、器具備品および設備 トレーディング目的以外の負債証券 その他 合 計 2015年3月31日 上記の資産は主にその他の担保付借入および連結変動持分事業体の担保付社債、トレーディング目的担保付借入を含む 担保付借入ならびにデリバティブ取引に関して差し入れられているものであります。トレーディング目的担保付借入 については「注記10 借入」の記述をご参照ください。 5 トレーディング目的以外の有価証券: 2014年3月31日および2015年3月31日現在における、保険子会社が保有するトレーディング目的以外の有価証券の原価 または償却原価、公正価値、未実現利益および未実現損失は以下のとおりです。 (単位:百万円) 2014年3月31日 原価または 償却原価 未実現損益 未実現利益 未実現損失 公正価値 政府債・地方債および政府系機関債(1) 138,973 842 86 139,729 その他負債証券(2) 129,311 6,851 91 136,071 38,157 14,508 43 52,622 306,441 22,201 220 328,422 投資持分証券(3) 合計 (単位:百万円) 2015年3月31日 原価または 償却原価 未実現損益 未実現利益 未実現損失 公正価値 政府債・地方債および政府系機関債(1) 106,785 5,123 36 111,872 その他負債証券(2) 161,631 22,717 95 184,253 40,315 22,751 230 62,836 308,731 50,591 361 358,961 投資持分証券(3) 合計 (1)主に日本における国債・地方債・政府系機関債で構成されております。 (2)主に事業債で構成されております。 (3)主に日本における株式で構成されております。 ― 86 ― 2014年3月期においてトレーディング目的以外の有価証券を138,231百万円売却しており、実現利益は4,405百万円、実 現損失は81百万円であり、売却にかかる収入額は142,554百万円であります。2015年3月期においてトレーディング目的 以外の有価証券を75,745百万円売却しており、実現利益は5,008百万円、実現損失は15百万円であり、売却にかかる収入 額は80,738百万円であります。なお、実現損益は移動平均法を用いて計算されております。 2015年3月期において、トレーディング目的以外の有価証券からトレーディング資産への振替はありませんでした。 下記の表は、2015年3月31日現在におけるトレーディング目的以外の負債証券の公正価値を満期年限別に表しておりま す。実際の満期は、一部の負債証券が早期償還条項を有するため、契約上の満期と異なることがあります。 (単位:百万円) 2015年3月31日 満期年限 合計 トレーディング目的以外の負債証券 1年以内 296,127 1~5年 35,755 5~10年 138,531 10年超 86,566 35,275 下記の表は、2014年3月31日および2015年3月31日現在で未実現損失を有するトレーディング目的以外の有価証券につ いて、その未実現損失の状況が継続している期間別に公正価値および未実現損失の金額を表しております。 (単位:百万円) 2014年3月31日 12ヵ月未満 公正価値 政府債・地方債および政府系 機関債 その他負債証券 投資持分証券 合計 12ヵ月以上 合計 未実現損失 公正価値 未実現損失 公正価値 未実現損失 54,007 82 2,294 4 56,301 86 8,106 91 ― ― 8,106 91 498 43 ― ― 498 43 62,611 216 2,294 4 64,905 220 (単位:百万円) 2015年3月31日 12ヵ月未満 12ヵ月以上 合計 公正価値 未実現損失 公正価値 未実現損失 公正価値 未実現損失 政府債・地方債および政府系 機関債 17,536 5 13,127 31 30,663 36 その他負債証券 12,814 95 - - 12,814 95 2,064 230 - - 2,064 230 32,414 330 13,127 31 45,541 361 投資持分証券 合計 2014年3月31日現在において、未実現損失を有するトレーディング目的以外の有価証券の銘柄数はおよそ60銘柄であり ます。2015年3月31日現在において、未実現損失を有するトレーディング目的以外の有価証券の銘柄数はおよそ26銘柄で あります。 ― 87 ― 2014年3月期において、一時的ではないと判断される価値の下落により特定のトレーディング目的以外の投資持分証 券に対して認識した減損は79百万円であります。2014年3月期において、信用リスクの低下による一時的ではないと判断 される価値の下落により特定のトレーディング目的以外の負債証券に対して認識した減損は25百万円であります。 2014年3月期において、信用リスクの低下には起因しないものの一時的ではないと判断される価値の下落により政府 債・地方債および政府系機関債およびその他負債証券に対してその他の包括利益で認識した減損およびその後の公正価値 の変動額は△55百万円であります。その他のトレーディング目的以外の有価証券の未実現損失については、価値の下落は 一時的と考えております。 2015年3月期において、一時的ではないと判断される価値の下落により特定のトレーディング目的以外の投資持分証 券に対して認識した減損は16百万円であります。2015年3月期において、信用リスクの低下による一時的ではないと判断 される価値の下落により特定のトレーディング目的以外の負債証券に対して認識した減損は98百万円であります。 2015年3月期において、信用リスクの低下には起因しないものの一時的ではないと判断される価値の下落により政府 債・地方債および政府系機関債およびその他負債証券に対してその他の包括利益で認識した減損およびその後の公正価値 の変動は31百万円であります。その他のトレーディング目的以外の有価証券の未実現損失については、価値の下落は一時 的と考えております。 6 証券化および変動持分事業体: 証券化業務 野村は、商業用および居住用モーゲージ、政府系機関債および社債、ならびにその他の形態の金融商品を証券化するた めに特別目的事業体を利用しております。これらは、株式会社、匿名組合、ケイマン諸島で設立された特別目的会社、信 託勘定などの形態をとっております。野村の特別目的事業体への関与としましては、特別目的事業体を組成すること、特 別目的事業体が発行する負債証券および受益権を投資家のために引受け、売出し、販売することが含まれております。野 村は金融資産の譲渡について、編纂書860の規定に基づき処理しております。編纂書860は、野村の金融資産の譲渡につい て、野村がその資産に対する支配を喪失する場合には、売却取引として会計処理することを義務付けております。編纂書 860は、(a)譲渡資産が譲渡人から隔離されていること(譲渡人が倒産した場合もしくは財産管理下に置かれた場合にお いても)、(b)譲受人が譲り受けた資産を担保として差し入れるまたは譲渡する権利を有していること、もしくは譲受人 が証券化または担保付資金調達の目的のためだけに設立された特別目的事業体の場合において、受益持分の保有者が受益 持分を差し入れるまたは譲渡する権利を有していること、 (c)譲渡人が譲渡資産に対する実質的な支配を維持していない ことという条件を満たす場合には支配を喪失すると規定しております。野村は特別目的事業体を使った証券化の際の留保 持分など、こうした事業体に対する持分を保有することがあります。野村の連結貸借対照表では、当該持分は、公正価値 により評価し、トレーディング資産として計上され、公正価値の変動はすべて収益―トレーディング損益として認識して おります。証券化した金融資産に対して当初から継続して保有する持分の公正価値は観察可能な価格、もしくはそれが入 手不可である持分については野村は、最善の見積もりに基づく重要な仮定を用いて、将来キャッシュ・フローを現在価値 に割り引くことによって計算される価格を公正価値としております。その仮定には、見積もり信用損失、期限前償還率、 フォワード・イールド・カーブ、それに含まれるリスクに応じた割引率が含まれます。これ以外に特別目的事業体に対し て譲渡した金融資産に関連するデリバティブ取引を行うことがあります。 ― 88 ― 以上のように、野村は特別目的事業体へ譲渡した金融資産に対し、継続的関与を持つ場合があります。野村が2014年3 月期および2015年3月期において、新たな証券化により特別目的事業体から譲渡対価として得たキャッシュ・インフロー は365十億円、261十億円であり、野村からの資産の譲渡により認識した利益はありませんでした。さらに2014年3月期お よび2015年3月期において、譲渡対価として受け取った特別目的事業体が発行する負債証券の当初の公正価値は1,423十 億円、1,276十億円であり、当該負債証券の第三者への売却により得たキャッシュ・インフローは830十億円、823十億円 となっております。2014年3月31日現在および2015年3月31日現在において、継続的関与を持つ特別目的事業体に、野村 が売却処理した譲渡金融資産の累計残高はそれぞれ5,035十億円、5,656十億円となっております。また、2014年3月31日 現在および2015年3月31日現在において、野村はこれらの特別目的事業体に対してそれぞれ215十億円、233十億円の持分 を当初から継続的に保有しております。2014年3月期および2015年3月期において、これらの継続して保有している持分 に関連して特別目的事業体から受け取った金額はそれぞれ40十億円、23十億円となっております。 野村は2014年3月31日現在および2015年3月31日現在において、これらの特別目的事業体との間に、毀損した担保資産 を入れ替える契約およびクレジット・デフォルト・スワップ契約をそれぞれ4十億円、2十億円結んでおりますが、その他 契約外の財務支援は行っておりません。 次の表は、野村が継続的関与を持つ特別目的事業体に対する持分を保有するものの公正価値、およびその公正価値のレ ベル別の内訳を当該特別目的事業体に譲渡した資産の種類別に表しております。 (単位:十億円) 2014年3月31日 うち、 投資格付が 適格なもの それ以外 195 195 ― 0 0 ― 0 19 1 20 1 19 214 1 215 196 19 レベル1 レベル2 レベル3 国債・地方債、および政府系機関債 ― 195 ― 事業債 ― ― モーゲージ関連商品 ― 合計 ― 合計 (単位:十億円) 2015年3月31日 うち、 投資格付が 適格なもの それ以外 231 231 - 0 0 - 0 2 0 2 0 2 233 0 233 231 2 レベル1 レベル2 レベル3 国債・地方債、および政府系機関債 - 231 - 事業債 - - モーゲージ関連商品 - 合計 - 合計 次の表は、公正価値の測定に用いている主要な経済的仮定、およびそれら経済的仮定が10%および20%不利な方向に変 動した場合における、継続して保有している持分の公正価値に与える影響を表しております。 ― 89 ― (単位:十億円) 重要な継続して保有している持分 (1) 2014年3月31日 2015年3月31日 継続して保有している持分の公正価値 (1) 201 208 加重平均残存期間(年数) 7.5 5.4 6.2% 6.1% 10%不利な方向に変動した場合の影響額 △2.3 △2.3 20%不利な方向に変動した場合の影響額 △4.0 △4.3 5.3% 2.4% 10%不利な方向に変動した場合の影響額 △1.5 △0.9 20%不利な方向に変動した場合の影響額 △2.6 △1.8 期限前償還率 割引率 (1)2014年3月31日現在において、継続して保有している持分215十億円のうち、重要な継続して保有している持分201十 億円のみ感応度分析を行っております。2015年3月31日現在において、継続して保有している持分233十億円のうち、 重要な継続して保有している持分208十億円のみ感応度分析を行っております。 野村は譲渡資産の性質上、上記の継続して保有している持分に対して予測される信用損失の発生確率およびその金額 は軽微であると考えております。 表上では経済的仮定が10%および20%不利な方向に変動した場合を想定していますが、公正価値の変動と仮定の変動は 線型な関係に必ずしもないことから、一般的に正確な数値を推定することはできません。特定の経済的仮定に対する影響 額は、他の全ての経済的仮定が一定であると想定し、算出しております。この理由から、経済的仮定が同時に変動した場 合において、その影響額の計算が過大または過少になる場合があります。感応度分析はあくまでも仮説的条件に基づいた ものであり、野村のリスク・マネジメントにおけるストレス・シナリオ分析を反映しているものではありません。 次の表は、金融資産を特別目的事業体に譲渡したが、編纂書860上は譲渡の要件を満たさずトレーディング資産となっ たもの、また、それにより担保付金融取引として会計処理されたために長期借入とされたものの金額およびその区分を表 しています。なお、表上の資産はすべて同負債の担保となるもので、野村が資産を自由に処分することも、遡及されるこ ともありません。 (単位:十億円) 2014年3月31日 2015年3月31日 資産 トレーディング資産 株式関連商品 99 83 債券関連商品 64 26 モーゲージ関連商品 23 22 7 - 合計 193 131 長期借入 182 129 長期貸付金 負債 ― 90 ― 変動持分事業体 野村は通常の証券化およびエクイティ・デリバティブ業務の中で、変動持分事業体に対して金融資産の譲渡、変動持分 事業体が発行したリパッケージ金融商品の引受け、売出し、販売を行っております。野村はマーケット・メーク業務、投 資業務および組成業務に関連し、変動持分事業体にかかる変動持分の保有、購入、販売を行っております。 野村が変動持分事業体の持分を保有し、その事業体にとって最も重要な活動に支配力を持ち、その事業体にとって重要 な便益を享受する権利または損失を被る義務が生じる場合、且つ野村が他の投資家の受託者たる要件を満たせない場合、 野村は主たる受益者でありその事業体を連結しなければなりません。野村の連結変動持分事業体には、事業会社の発行す る転換社債型新株予約権付社債やモーゲージおよびモーゲージ担保証券をリパッケージした仕組債を、投資家に販売する ために組成されたものが含まれます。航空機のリース事業や、その他のビジネスに関連する変動持分事業体も連結してお ります。野村はまた、投資ファンド等、野村が主たる受益者となる場合は連結しております。 最も重要な決断を下すパワーには、変動持分事業体のタイプによりさまざまな形態があります。証券化、投資ファンド、 CDO等の取引においては、担保資産の管理やサービシングが最も重要な決断を下すパワーであると野村は考えます。した がって、野村が担保資産の管理者やサービサーではなく、担保資産管理者やサービサーを交替させる権利や事業体を清算 する権利を持たない限り、そのような変動持分事業体を連結いたしません。 変動持分事業体が利用される住宅不動産ローン担保証券の再証券化等の多くの取引において、取引期間中に重要な経済 的意思決定が行われず、どの投資家も変動持分事業体を清算する一方的な力を持たない場合があります。そのような場合、 野村は取引開始前になされた意思決定を分析し、変動持分事業体が保有する原資産の性質、変動持分事業体の仕組みへの 第三者投資家の関与、第三者投資家の当初投資額、野村や第三者投資家が保有する変動持分事業体が発行した受益持分の 金額と劣後構造といったさまざまな要素を考慮します。野村はこれまで、数多くの再証券化に出資しており、そのうちの 多くの場合、事業体にとって最も重要な意思決定への支配力を第三者の投資家と共有していることから、野村は主たる受 益者ではないと判断してきました。しかしながら、第三者投資家の当初投資額が重要ではない等、投資家が変動持分事業 体の仕組みに関与していないと判断される場合は、野村はそのような変動持分事業体を連結しております。 次の表は、連結財務諸表上の連結変動持分事業体の資産および負債の金額、その区分を表しております。なお、連結変 動持分事業体の資産はその債権者に対する支払義務の履行にのみ使用され、連結変動持分事業体の債権者は、野村に対し て変動持分事業体の所有する資産を超過する遡及権を有しておりません。 ― 91 ― (単位:十億円) 2014年3月31日 連結貸借対照表上の変動持分事業体の資産 現金および現金同等物 トレーディング資産 株式関連商品 債券関連商品 モーゲージ関連商品 デリバティブ取引 プライベート・エクイティ投資 売戻条件付買入有価証券 建物、土地、器具備品および設備 その他(1) 合計 2015年3月31日 18 9 289 393 66 2 1 32 12 70 461 473 71 2 1 1 15 24 883 1,057 33 9 23 1 11 1 424 4 750 2 493 765 連結貸借対照表上の変動持分事業体の負債 トレーディング負債 債券関連商品 デリバティブ取引 買戻条件付売却有価証券 借入 長期借入 その他 合計 (1)航空機予約金を2014年3月31日現在5十億円含んでおります。2015年3月31日現在は、航空機予約金はありませんで した。また、当該予約金に関連した航空機購入コミットメント契約の詳細は「注記20 コミットメント、偶発事象お よび債務保証」をご参照ください。 野村は変動持分事業体と継続的な関与がある限り、最新の事実と状況を基に、野村が主たる受益者であるかどうか当初 の判定を継続的に見直しております。この判断は、変動持分事業体の構造や活動を含む仕組みの分析、野村や他者が保有 する重要な経済的決定を下すパワーや変動持分の分析に基づいております。 野村が主たる受益者ではない場合でも変動持分事業体に対し変動持分を保有することがあります。そのような変動持分 事業体に対し、野村が保有する変動持分には、商業用および居住用不動産を担保とした証券化やストラクチャード・ファ イナンスに関連した優先債、劣後債、残余持分、エクイティ持分、主に高利回りのレバレッジド・ローンや格付けの低い ローン等を購入するために設立された変動持分事業体に対するエクイティ持分、変動持分事業体を利用した航空機のオペ レーティング・リースの取引に関する残余受益権、また事業会社の取得に関わる変動持分事業体への貸付や投資が含まれ ます。 次の表は非連結の変動持分事業体に対する変動持分の金額と区分、および最大損失のエクスポージャーを表しておりま す。なお、最大損失のエクスポージャーは、不利な環境変化から実際に発生すると見積もられる損失額を表したものでも、 その損失額を減少させる効果のある経済的ヘッジ取引を反映したものでもありません。変動持分事業体に対する野村の関 与にかかわるリスクは帳簿価額、以下に記載されておりますコミットメントおよび債務保証の金額、およびデリバティブ の想定元本に限定されます。しかしながら、野村は、デリバティブの想定元本額は一般的にリスク額を過大表示している と考えております。 ― 92 ― (単位:十億円) 2014年3月31日 連結貸借対照表上 の変動持分 資産 トレーディング資産および負債 株式関連商品 債券関連商品 モーゲージ関連商品 受益証券等 デリバティブ取引 プライベート・エクイティ投資 貸付金 その他 貸出コミットメント、その他債務 保証 合計 7 2015年3月31日 最大損失の エクスポー ジャー 負債 連結貸借対照表上 の変動持分 資産 最大損失の エクスポー ジャー 負債 67 211 2,308 185 0 25 175 4 ― ― ― ― ― ― ― ― 67 211 2,308 185 4 25 175 4 123 237 2,521 387 0 24 314 4 - - - - - - - - 123 237 2,521 387 2 24 314 4 ― ― 49 - - 40 2,975 ― 3,028 3,610 - 3,652 金融債権: 通常の営業活動の中で野村は、顧客に対して主に貸付契約および売戻条件付買入有価証券取引や有価証券借入取引とい った担保付契約の形で融資を行っております。これらの金融債権は野村の連結貸借対照表上、資産として認識されており、 要求払いまたは将来の確定日もしくは特定できる決済日に資金を受け取る契約上の権利をもたらすものです。 担保付契約 担保付契約は、連結貸借対照表上、売戻条件付買入有価証券に計上される売戻条件付買入有価証券取引および借入有価 証券担保金に計上される有価証券借入取引から構成されており、この中には現先レポ取引が含まれております。売戻条件 付買入有価証券取引および有価証券貸借取引は、主に国債あるいは政府系機関債を顧客との間において売戻条件付で購入 する、または現金担保付で借り入れる取引です。野村は、原資産である有価証券の価値を関連する受取債権(未収利息を 含みます)とともに日々把握し、適宜追加担保の徴求または返還を行っております。売戻条件付買入有価証券取引は通常 買受金額に未収利息を加味した金額で連結貸借対照表に計上されております。有価証券借入取引は、通常現金担保付の取 引であり、差入担保の金額が連結貸借対照表に計上されております。担保請求が厳密に行われていることから、これらの 取引については通常貸倒引当金の計上は行われておりません。 貸付金 野村が有する貸付金は、主に銀行業務貸付金、有担保短期顧客貸付金、インターバンク短期金融市場貸付金、および企 業向貸付金から構成されております。 銀行業務貸付金は、野村信託銀行やノムラ・バンク・インターナショナル PLCといった野村の銀行子会社によって実行 された、個人向けおよび商業向けの有担保および無担保の貸付金です。不動産ないしは有価証券により担保されている個 人向けおよび商業向けの貸付金に対して、野村は担保価値が下落するリスクを負うことになります。銀行業務貸付金には、 関係を維持する目的で投資銀行業務の取引先に対して提供する無担保の商業向け貸付金も含まれます。通常、投資銀行業 務の一環として提供している貸付金については相手先の信用力が高いことがほとんどですが、野村は相手先の債務不履行 リスクを負うことになります。保証付き貸付金については保証人により保証が履行されないリスクを負うことになります。 ― 93 ― 有担保短期顧客貸付金は、野村の証券仲介業務に関連した顧客に対する貸付金です。このような貸付金は顧客が有価証 券を購入するための資金を提供しております。取引の開始にあたっては一定の委託保証金(担保適格有価証券または現金) の差し入れが必要であり、また購入有価証券を取引期間中担保として預かっております。さらに当該有価証券の一定以上 の公正価値の下落にあたっては、貸付金に対して担保価値が特定の割合を維持するように適宜委託保証金の追加差し入れ を徴求することができるため、野村が負うリスクは限定されております。 インターバンク短期金融市場貸付金は、短資会社を経由する短期(翌日および日中決済)取引が行われるコール市場に おいて実行される、金融機関に対する貸付金です。コール市場の参加者は特定の金融機関に限定されており、かつこれら の貸付金は翌日決済またはきわめて期間が短いものであるため、野村が負うリスクは軽微と考えております。 企業向貸付金は、野村の銀行子会社以外によって実行される、主に法人顧客に対する商業向け貸付金です。企業向貸付 金には、不動産または有価証券により担保されている有担保貸付金と、関係を維持する目的で投資銀行業務の取引先に対 して提供する無担保の商業向け貸付金が含まれます。これらの貸付金に対して、野村は上記の銀行業務貸付金に含まれる、 商業向け貸付金によって生じるリスクと同様のリスクを負うことになります。 上記の貸付金に加え、野村は関連会社に対する貸付金を有しております。これらの貸付金は原則無担保であるため、野 村は相手先の債務不履行リスクを負うことになります。 連結貸借対照表上、貸付金または関連会社に対する投資および貸付金に計上されている貸付金の種類別残高は以下のと おりです。 (単位:百万円) 2014年3月31日 償却原価 公正価値(1) 合計 貸付金 銀行業務貸付金 274,966 44 275,010 有担保短期顧客貸付金 421,809 - 421,809 42,885 - 42,885 284,259 303,912 588,171 1,023,919 303,956 1,327,875 5,797 - 5,797 1,029,716 303,956 1,333,672 インターバンク短期金融市場貸付金 企業向貸付金 貸付金合計 関連会社に対する貸付金 合計 ― 94 ― (単位:百万円) 2015年3月31日 償却原価 公正価値(1) 合計 貸付金 銀行業務貸付金 324,503 - 324,503 有担保短期顧客貸付金 425,245 - 425,245 16,995 - 16,995 377,114 317,218 694,332 1,143,857 317,218 1,461,075 2,104 - 2,104 1,145,961 317,218 1,463,179 インターバンク短期金融市場貸付金 企業向貸付金 貸付金合計 関連会社に対する貸付金 合計 (1) 公正価値オプションを選択した貸付金および貸出コミットメントであります。 2014年3月期において、企業向貸付金の重要な購入金額は92,760百万円でした。重要な貸付金の売却はありません。ま た、同期間において、貸付金のトレーディング資産への重要な組替はありません。 2015年3月期において、企業向貸付金の重要な購入金額は79,811百万円でした。企業向貸付金の重要な売却金額は 15,187百万円でした。また、同期間において、貸付金のトレーディング資産への重要な組替はありません。 貸倒引当金 野村は、償却原価で計上されている貸付金に対して、発生の可能性が高い損失につき最善の見積もりを行い貸倒引当金 を計上しております。貸付金に対する貸倒引当金は下記の2つから構成されており、連結貸借対照表上の貸倒引当金に含 めて計上しております。 ・個別に減損を判定している貸付金に対する個別引当金 ・個別に減損を判定していない貸付金に対し、過去の貸倒実績に基づき総合的に見積もられる一般引当金 個別引当金は、個別に減損を判定している貸付金から発生すると見積もられる損失を反映しております。貸付金は、現 在の情報と事象に基づき、貸付契約の契約期間において貸付金の全額を回収できない可能性が高い場合、減損が認識され ます。減損を決定するにあたっての当社の最善の見積もりには、債務者の支払能力の評価が含まれ、評価にあたっては貸 付金の特性、過年度の貸倒実績、現在の経済状況、債務者の現在の財政状態、担保の公正価値等のさまざまな要素が考慮 されております。重要でない返済遅延や返済不足が生じたのみでは、減損を認識する貸付金には分類されておりません。 減損は個々の貸付金ごとに、貸付金の帳簿価額を、期待将来キャッシュ・フローを実効利子率で割り引いた現在価値、貸 付金の市場価格、または担保で保全されている貸付金の場合は担保の公正価値のいずれかに調整することによって測定さ れております。 一般引当金は、個別に減損を判定している貸付金以外の貸付金に対する引当金であり、期末日における入手可能な情報 に基づく回収可能性の判断および基礎的前提に内在する不確実性を含んでおります。また、一般引当金は過去の貸倒実績 を基に、現在の経済環境などの定性的要素を調整して測定されております。 ― 95 ― 貸倒引当金の見積もりは、測定時点における入手可能な最善の情報に基づいていますが、経済環境の変化、当初の予測 と実績との乖離等により、将来の修正が必要となる可能性があります。 野村は、貸付金が回収不能と判断した時点で、当該貸付金を償却しております。このような判断は、債務者の財政状態 に重大な変更が生じたため債務を履行することができない、あるいは担保処分により回収できる金額が貸付金の返済に不 十分である等の要素に基づきなされております。 次の表は、2014年3月期および2015年3月期における、貸倒引当金の推移を示しております。 (単位:百万円) 2014年3月期 貸付金に対する引当金 有担保 短期顧客 貸付金 インターバンク 短期金融市場 貸付金 789 △109 26 61 - - 95 △13 29 △28 939 △89 1,319 960 2,258 871 貸倒償却 △2 - - - - △2 △146 △148 その他(1) △0 - - 0 - 0 28 28 期末残高 678 87 - 82 1 848 2,161 3,009 期首残高 繰入 企業向 貸付金 関連会社 に対する 貸付金 貸付金以外の 債権に対する 引当金 銀行業務 貸付金 小計 合計 (単位:百万円) 2015年3月期 貸付金に対する引当金 有担保 短期顧客 貸付金 インターバンク 短期金融市場 貸付金 678 61 87 53 - - 82 △3 1 0 848 111 2,161 254 3,009 365 貸倒償却 - - - - - - △189 △189 その他(1) - 2 - 0 - 2 66 68 期末残高 739 142 - 79 1 961 2,292 3,253 期首残高 繰入 企業向 貸付金 (1) 外国為替の変動による影響を含んでおります。 ― 96 ― 関連会社 に対する 貸付金 貸付金以外の 債権に対する 引当金 銀行業務 貸付金 小計 合計 次の表は、2014年3月31日および2015年3月31日現在における引当方法別の貸倒引当金残高および貸付金残高を、貸付 金の種類別に表示しております。 (単位:百万円) 2014年3月31日 銀行業務 貸付金 インターバンク 短期金融市場 貸付金 有担保 短期顧客 貸付金 企業向 貸付金 関連会社に 対する貸付金 合計 貸倒引当金残高: 個別引当 3 - - 7 - 10 一般引当 675 87 - 75 1 838 合計 678 87 - 82 1 848 個別引当 4,374 103,345 42,885 275,753 882 427,239 一般引当 270,592 318,464 - 8,506 4,915 602,477 合計 274,966 421,809 42,885 284,259 5,797 1,029,716 貸付金残高: (単位:百万円) 2015年3月31日 銀行業務 貸付金 有担保 短期顧客 貸付金 インターバンク 短期金融市場 貸付金 企業向 貸付金 関連会社に 対する貸付金 合計 貸倒引当金残高: 個別引当 3 84 - 7 - 94 一般引当 736 58 - 72 1 867 合計 739 142 - 79 1 961 個別引当 4,929 172,259 16,995 369,113 174 563,470 一般引当 319,574 252,986 - 8,001 1,930 582,491 合計 324,503 425,245 16,995 377,114 2,104 1,145,961 貸付金残高: 利息計上中止および延滞貸付金 個別に減損を認識している貸付金については、野村所定の方針に従い、利息の計上中止に関する判定を行っております。 判定の結果として利息計上を中止した場合、既に計上されている未収利息は、その時点で振戻しを行います。利息の計上 の再開は、原則、貸付金が契約条件に則って履行されるようになったと認められる場合、すなわち延滞した元利金が全額 返済された場合に限り行われます。貸付金の支払いが契約条件に則って履行されていない場合でも、元利金を合理的な期 間内に全額回収できると合理的に見込める場合、または債務者が一定の期間継続して返済を行っている場合など特別な状 況下においては利息の計上を再開する場合があります。 2014年3月31日現在、利息計上を中止している貸付金は6,022百万円であり、主に有担保企業向貸付金であります。90 日以上の延滞が発生している貸付金の残高は重要ではありません。2015年3月31日現在、利息計上を中止している貸付金 の残高は重要ではありません。90日以上の延滞が発生している貸付金の残高は重要ではありません。 貸付金の減損が認識され利息の計上が中止された時点から、その後の利息収益は現金主義により認識されます。 ― 97 ― 貸付金の減損および不良債権のリストラクチャリング 通常の営業活動の中で野村は、トレーディング目的以外で保有する貸付金を減損することがあり、また、これらについ て債務者の財政難、市場環境の変化ないしは取引維持などの理由により、リストラクチャリングを行う場合があります。 不良債権のリストラクチャリング(Troubled Debt Restructuring (以下「TDR」))とは、債務者の財政難に関連して、債 権者である野村が、経済的または法的な理由により譲歩を与えるものであります。 TDRに該当する貸付金は、通常すでに減損が認識され、貸倒引当金が計上されております。他の貸付金と合算して減損 判定を行う場合などで減損が認識されていない貸付金が、TDRに該当する貸付金となった場合は、速やかに減損貸付金に 分類されます。資産による貸付金の全額または一部の弁済ではなく、単なる条件変更によってTDRに該当することとなっ た貸付金に対する減損金額は、他の減損貸付金と同様の方法で測定されます。TDRに際し、貸付金の全額または一部の弁 済として受け取った資産は公正価値で認識されます。 2014年3月31日および2015年3月31日において、貸倒引当金を計上していない減損貸付金の残高は重要ではありません。 貸倒引当金を計上している減損貸付金の帳簿価額、未回収元本およびこれにかかる貸倒引当金は重要ではありません。 2014年3月期および2015年3月期において発生したTDRの金額は重要ではありません。 信用の質の指標 野村は、債務者の信用力の低下または破綻等による債権の価値の下落や債務不履行といった信用リスクに晒されており ますが、貸付等に関する信用リスク管理は、内部格付に基づく与信管理を基礎として、融資実行時の個別案件毎の綿密な 審査と融資実行後の債務者の信用力の継続的なモニタリングを通じて行われております。 次の表は、公正価値で評価されたものを除く貸付金について、野村の内部格付またはそれに類する子会社の審査基準の 区分により貸付金を種類別に表示しております。 (単位:百万円) 2014年3月31日 AAA-BBB BB-CCC CC-D その他(1) 合計 有担保銀行業務貸付金 98,356 33,669 - 34,740 166,765 無担保銀行業務貸付金 108,199 - 2 - 108,201 有担保短期顧客貸付金 - - - 421,809 421,809 有担保インターバンク 短期金融市場貸付金 12,885 - - - 12,885 無担保インターバンク 短期金融市場貸付金 30,000 - - - 30,000 有担保企業向貸付金 136,302 107,141 5,719 1,938 251,100 無担保企業向貸付金 3,395 26,902 - 2,862 33,159 関連会社に対する貸付金 合計 4,915 594 - 288 5,797 394,052 168,306 5,721 461,637 1,029,716 ― 98 ― (単位:百万円) 2015年3月31日 AAA-BBB BB-CCC CC-D その他(1) 合計 有担保銀行業務貸付金 100,927 38,373 - 39,186 178,486 無担保銀行業務貸付金 141,395 4,620 2 - 146,017 有担保短期顧客貸付金 - - - 425,245 425,245 有担保インターバンク 短期金融市場貸付金 7,249 - - - 7,249 無担保インターバンク 短期金融市場貸付金 9,746 - - - 9,746 有担保企業向貸付金 249,046 117,255 1,141 2,298 369,740 無担保企業向貸付金 3,619 - - 3,755 7,374 関連会社に対する貸付金 1,929 175 - - 2,104 513,911 160,423 1,143 470,484 1,145,961 合計 (1) 主に所定の担保率が維持されている貸付金であります。 野村は、債務者および債権に関する財務情報ならびにその他の情報に基づき、最低年1回、内部格付の見直しを行って おります。また、リスクが高いまたは問題がある債務者については、より頻繁に内部格付の見直しを行うとともに、債務 者の信用力に関する重大な事実が明らかになった際には、すみやかに内部格付の見直しを行うこととしております。 8 リース: 貸主側 野村は、オペレーティング・リースにより、国内外で不動産および航空機の賃貸を行っております。賃貸にかかる資産 については、土地を除き取得価額から減価償却累計額を控除した金額で、また、土地については取得価額で、連結貸借対 照表上のその他の資産―建物、土地、器具備品および設備に計上しております。 次の表は、オペレーティング・リースにより賃貸している資産を種類別に表示しております。 (単位:百万円) 2015年3月31日 取得価額 不動産(1) 航空機 合計 減価償却 累計額 帳簿価額 (純額) 3,448 △1,443 2,005 11,432 △503 10,929 14,880 △1,946 12,934 (1) 不動産の取得価額、減価償却累計額、帳簿価額(純額)の金額は、自社利用分を含んでおります。 野村は、オペレーティング・リースにかかる資産の受取リース料として2014年3月期および2015年3月期にそれぞれ 1,579百万円、1,659百万円を計上しており、これらは、連結損益計算書の収益―その他に含まれております。 ― 99 ― 2015年3月31日現在における解約不能オペレーティング・リースにかかる将来受け取る最低受取リース料の金額は 12,348百万円となっております。受取年限別に集計すると、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 受取年限 合計 最低受取リース料 12,348 1年以内 1~2年 2~3年 3~4年 4~5年 1,091 1,090 1,088 1,085 1,085 5年超 6,909 借主側 野村は、国内外でオフィスおよび特定の従業員用住宅、施設等を解約可能オペレーティング・リースにより賃借してお り、当該契約は契約期間満了時に更新されるのが慣行になっております。また野村は、国内外で特定の器具備品および施 設を解約不能オペレーティング・リースにより賃借しております。これらにかかる支払リース料は、転貸収入を控除し、 2014年3月期が46,600百万円、2015年3月期が47,217百万円となっております。 次の表は、2015年3月31日現在における残存契約期間が1年超の解約不能オペレーティング・リース契約に基づき将来 支払われる最低支払リース料の金額を示しております。 (単位:百万円) 2015年3月31日 最低支払リース料 171,746 控除:転貸収入 △8,080 最低支払リース料純額 163,666 2015年3月31日現在の上記最低支払リース料の金額を支払年限別に集計すると、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 支払年限 合計 最低支払リース料 171,746 1年以内 1~2年 2~3年 3~4年 4~5年 20,410 17,925 16,797 15,454 12,860 5年超 88,300 また、野村は国内外で特定の器具備品および施設をキャピタル・リースにより賃借しております。キャピタル・リース の場合には、リース物件の公正価値または最低支払リース料の現在価値のいずれか低い価額をもってリース資産を認識し ます。野村のキャピタル・リース資産総額は、2014年3月31日および2015年3月31日時点で33,294百万円、34,428百万円 であり、減価償却累計額はそれぞれ4,579百万円、6,171百万円であり、連結貸借対照表上のその他の資産―建物、土地、 器具備品および設備に計上しております。 次の表は、2015年3月31日現在におけるキャピタル・リース契約に基づき将来支払われる最低支払リース料の金額を示 しております。 ― 100 ― (単位:百万円) 2015年3月31日 最低支払リース料 66,840 控除:利息相当額 △36,229 最低支払リース料純額の現在価値 30,611 2015年3月31日現在の上記最低支払リース料の金額を支払年限別に集計すると、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 支払年限 合計 最低支払リース料 1年以内 1~2年 2~3年 3~4年 4~5年 3,750 4,436 4,349 4,196 4,485 66,840 5年超 45,624 なお、特定のリース契約には、更新選択権条項または維持費用、公共料金および税金の増加に基づく支払リース料の引 上げを定める段階的引上条項が規定されております。 9 その他の資産―その他およびその他の負債: 連結貸借対照表上のその他の資産―その他、およびその他の負債には、以下のものが含まれております。 2014年3月31日 (単位:百万円) 2015年3月31日 連結貸借対照表上のその他の資産―その他: 受入担保有価証券 236,808 187,753 のれんおよびその他の無形資産 115,143 123,486 22,018 19,718 133,742 162,644 8,778 10,741 267,685 318,224 784,174 822,566 236,808 187,753 31,630 48,632 その他の未払費用 396,677 446,920 その他 (2) 476,635 533,794 1,141,750 1,217,099 繰延税金資産 営業目的以外の投資持分証券 (1) 前払費用 その他 合 計 連結貸借対照表上のその他の負債: 受入担保有価証券返還義務 未払法人所得税 合 計 (1) その他の資産―その他には、トレーディングおよび営業目的以外の市場性・非市場性の投資持分証券が含まれてお ります。これらの投資は、上場および非上場の投資持分証券で構成され、2014年3月期にはそれぞれ114,582百万 円および19,160百万円、2015年3月期にはそれぞれ140,024百万円および22,621百万円が含まれております。これ らの証券は、連結貸借対照表上、公正価値で評価しており、公正価値の変動は、連結損益計算書上、収益―その他 で認識しております。 ― 101 ― (2) 野村の保険子会社の引き受けた保険契約のうち、投資契約に該当するものを含んでおります。投資契約に該当する 保険負債の帳簿価額および見積公正価値はそれぞれ、2014年3月31日現在270,950百万円および274,991百万円、 2015年3月31日現在258,310百万円および261,039百万円となります。見積公正価値は将来のキャッシュ・フローを 割り引くことにより推計しており、一般的に公正価値階層のレベル3に分類される評価データを用いております。 のれんとは、企業結合に伴い、被取得企業の買収価額と買収時の被取得企業の識別可能な純資産の公正価値の差額とし て認識されます。のれんに対して償却は行われず、各事業年度の第4四半期または特定の状況がある場合、例えば不利な 方向に経営環境が変動した場合等にはより高い頻度で減損判定を行います。 連結貸借対照表上のその他の資産―その他に含まれるのれんの変動は以下のとおりです。 (単位:百万円) 2014年3月期 期首残高 ホールセール その他 合計 期中増減 取得価額 減損累計額 帳簿価額 (純額) 79,249 △11,031 68,218 6,024 ― 85,273 △11,031 期末残高 その他(2) 取得価額 減損累計額 帳簿価額 (純額) ― 5,916 85,951 △11,817 74,134 6,024 △2,840 419 6,549 △2,946 3,603 74,242 △2,840 6,335 92,500 △14,763 77,737 減損(1) (単位:百万円) 2015年3月期 期首残高 ホールセール その他 合計 期中増減 取得価額 減損累計額 帳簿価額 (純額) 85,951 △11,817 74,134 6,549 △2,946 92,500 △14,763 期末残高 その他(2) 取得価額 減損累計額 帳簿価額 (純額) ― 11,578 97,529 △11,817 85,712 3,603 △3,188 63 6,612 △6,134 478 77,737 △3,188 11,641 104,141 △17,951 86,190 減損(1) (1) 2014年3月期および2015年3月期に事業セグメント上その他に含まれているのれんの減損を認識しており、金額は それぞれ2,840百万円、3,188百万円であります。これらは、経済環境の変化から想定したキャッシュフローを獲得 できなくなり、公正価値の減少が起こったレポーティングユニットが生じたことによるものです。これらの減損損 失は連結損益計算書上、金融費用以外の費用―その他に計上しております。なお、公正価値はDCF法により決定さ れています。 (2) 為替換算による増減であります。 2014年3月31日および2015年3月31日現在の償却無形資産の内訳は以下のとおりです。 (単位:百万円) 2014年3月31日 顧客関連無形資産 その他 合計 2015年3月31日 取得価額 償却累計額 帳簿価額 (純額) 64,214 △35,641 28,573 71,445 △43,839 27,606 690 △237 453 473 △294 179 64,904 △35,878 29,026 71,918 △44,133 27,785 ― 102 ― 取得価額 償却累計額 帳簿価額 (純額) 2014年3月期および2015年3月期の償却無形資産の償却額はそれぞれ5,423百万円、4,979百万円です。また翌連結会計 年度以降5年間の見積償却額は以下のとおりです。 (単位:百万円) 連結会計年度 2016年3月期 見積償却額 2017年3月期 5,893 2018年3月期 5,315 2019年3月期 5,315 3,920 2020年3月期 2,616 のれんを除く非償却無形資産の金額は、2014年3月31日現在8,380百万円、2015年3月31日現在9,511百万円であります。 のれんを除く非償却無形資産には主に商標権が含まれております。 10 借入: 野村の2014年3月31日現在および2015年3月31日現在の借入は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月31日 2015年3月31日 短期借入(1): コマーシャル・ペーパー 246,866 252,858 銀行借入金 303,583 217,013 51,682 192,385 602,131 662,256 2,787,729 3,140,531 日本円建 1,432,388 1,528,529 日本円建以外 1,340,495 1,102,125 324,279 465,296 85,805 150,055 1,367,051 1,017,380 707,754 798,857 5,257,772 5,062,242 8,045,501 8,202,773 181,562 133,523 8,227,063 8,336,296 その他 計 長期借入: 銀行およびその他の金融機関からの 長期借入金(2) 社債発行残高(3) 固定金利債務: 変動金利債務: 日本円建 日本円建以外 インデックス/エクイティ・リンク債務: 日本円建 日本円建以外 小計 譲渡取消による担保付借入 計 (1) 担保付借入(2014年3月31日現在10,715百万円、2015年3月31日現在17,284百万円)を含んでおります。 (2) 担保付借入(2014年3月31日現在139,270百万円、2015年3月31日現在251,486百万円)を含んでおります。 (3) 担保付借入(2014年3月31日現在423,994百万円、2015年3月31日現在749,839百万円)を含んでおります。 ― 103 ― 譲渡取消による担保付借入 譲渡取消による担保付借入は、金融資産移転取引が編纂書860に基づく売却会計処理の要件を満たさず、当該取引が担 保付資金調達として会計処理される場合に認識される負債であります。当該借入は、野村の資金調達を目的としたもので はなく、金融資産により担保された金融商品を販売し利益を得るために行うトレーディングに関連したものであります。 長期借入は、以下の内訳からなっております。 (単位:百万円) 2014年3月31日 2015年3月31日 当社の借入債務残高 3,823,410 3,863,436 子会社の借入債務残高(当社が保証するもの) 2,372,412 1,885,256 子会社の借入債務残高(当社が保証しないもの)(1) 2,031,241 2,587,604 8,227,063 8,336,296 計 (1) 譲渡取消による担保付借入を含んでおります。 2014年3月31日現在、長期借入の固定金利債務の満期の範囲は2014年~2043年、利率の範囲は0.00%~12.66%となっ ております。変動金利債務は一般にLIBORを基準としており、満期の範囲は2014年~2052年、利率の範囲は0.00%~6.18 % となっております。インデックス/エクイティ・リンク債務の満期の範囲は2014年~2044年、利率の範囲は0.00%~28.50% となっております。 2015年3月31日現在、長期借入の固定金利債務の満期の範囲は2015年~2045年、利率の範囲は0.00%~12.66%となっ ております。変動金利債務は一般にLIBORを基準としており、満期の範囲は2015年~2052年、利率の範囲は0.00%~9.02% となっております。インデックス/エクイティ・リンク債務の満期の範囲は2015年~2045年、利率の範囲は0.00%~28.50% となっております。 子会社の特定の借入契約には、当該借入が借入人の選択により満期前の特定期日に償還可能である旨の条項が含まれて おり、また、エクイティあるいはその他の指数に連動する商品を含んでおります。 野村は、金利および通貨リスクを管理するためにスワップ契約を締結しております。基本的にそうしたスワップ契約に より、野村の発行社債は実質的にLIBORベースの変動金利債務に変換されております。長期借入の帳簿価額は公正価値ヘ ッジを反映するための調整を含んでおります。 借入の実効加重平均金利(一部のものについてはヘッジ効果考慮後)は、以下のとおりであります。 2014年3月31日 2015年3月31日 短期借入 0.40% 0.37% 長期借入 1.69% 0.78% 固定金利債務 2.34% 1.18% 変動金利債務 0.86% 0.82% インデックス/エクイティ・リンク債務 1.72% 0.34% ― 104 ― 長期借入の満期年限別金額 2015年3月31日現在の公正価値ヘッジに関連する調整および公正価値測定の対象となっている負債を含む長期借入の 満期年限別金額は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2016年3月期 982,982 2017年3月期 995,463 2018年3月期 1,054,430 2019年3月期 1,084,714 2020年3月期 1,119,360 2021年3月期以降 2,965,824 小計 8,202,773 譲渡取消による担保付借入 133,523 合計 8,336,296 借入ファシリティ 野村の未使用借入枠は、2014年3月31日現在65,000百万円、2015年3月31日現在15,000百万円であります。 なお、この未使用借入枠については現状の借入金と比較して条件は大きく異なりません。 野村は年度毎に過度な満期日の集中を防ぐため、満期日が年間を通じて均一に分散されるように計画された、 借入ファシリティを保有しております。これらのファシリティは、慣例的な貸付条件、条項にしたがっております。 劣後借入 劣後借入は、2014年3月31日現在509,210百万円、2015年3月31日現在489,888百万円であります。 11 1株当たり当期純利益: 基本および希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は、連結損益計算書に記載されております。基本1株 当たり当社株主に帰属する当期純利益は当社株主に帰属する当期純利益を期中加重平均株式数で割ることで求められま す。希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は、希薄化効果を有するすべての有価証券等につき、潜在的な普 通株式が期中に割り当てられると仮定した調整が加えられた加重平均株式数を用いて、基本1株当たり当社株主に帰属す る当期純利益と同様に求められます。加えて、当社株主に帰属する当期純利益について連結子会社および関連会社が発行 する希薄化効果のある有価証券等を転換させたと仮定した場合の損益への影響を反映しております。 基本および希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益の計算に用いられた金額および株式数の調整計算は以 下のとおりであります。 ― 105 ― (単位:百万円) (1株当たり情報 単位:円) 2014年3月期 2015年3月期 基本- 当社株主に帰属する当期純利益 加重平均株式数 213,591 224,785 3,709,830,989 3,645,514,878 57.57 61.66 213,561 224,726 3,826,496,369 3,743,690,088 55.81 60.03 1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 希薄化後- 当社株主に帰属する当期純利益 加重平均株式数 1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 2014年3月期および2015年3月期の当社株主に帰属する当期純利益に対する希薄化は、連結子会社および関連会社が発 行するストック・オプションの行使を仮定した場合の利益の減少により生じます。 2014年3月期および2015年3月期の希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益の計算に用いられる加重平均 株式数は、新株予約権を発行する株式報酬制度により潜在株式数が増加しましたが、希薄化後1株当たり当社株主に帰属 する当期純利益に与える影響は僅少です。 2014年3月31日および2015年3月31日現在で、それぞれ8,967,300株および9,745,800株の普通株式を購入する権利を有 する新株予約権において逆希薄化効果を有しているため、希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益の計算から 除いております。 決算日後に生じた事項 当社は、2015年5月20日から2015年5月29日の期間にわたり自己株式の取得を実施いたしました。詳細は、 「注記17 株 主資本」をご参照ください。 当社は、2015年5月18日、ストック・オプションの目的で新株予約権を発行することを決議いたしました。詳細は、 「注 記13 繰延報酬制度」をご参照ください。 12 従業員給付制度: 野村は、世界各地でさまざまな退職給付制度を提供しております。加えて、野村證券健康保険組合(以下「健保組合」) を通じて、特定の在籍する従業員および退職した従業員に対し医療給付を行っております。 確定給付型年金制度 当社および国内会社の一部は、一定の受給資格を満たす従業員について、外部積立型の退職給付制度である退職年金制 度を設けております。この制度からの給付は、勤続期間、退職時の年齢、従業員の選択等に基づき、年金あるいは一時金 として行われております。給付額は就業規則に定められた役職、勤続期間、退職事由等に基づいて計算されております。 上記年金制度に加えて、一部の国内会社は、非積立型の退職一時金制度を設けております。この制度のもとでは、原則と して、勤続期間が2年以上の従業員に対し、退職時に一時金が支給されます。給付額は就業規則に定められた役職、勤続 期間、退職事由等に基づいて計算されております。また退職年金制度の年金資産への拠出は、国内での基準を満たす額を ― 106 ― 毎年拠出していくという方針で行われております。2008年12月、国内会社の一部は、外部積立型の退職年金制度と非積立 型の退職一時金制度につき変更を行い、キャッシュ・バランス・プランを採用いたしました。キャッシュ・バランス・プ ランにおきましては、参加者はおのおの口座を与えられ、最新の給与と実勢利率により再評価された率に基づいて毎年計 算された金額が、その口座に加算されます。 一部の海外子会社は、確定給付型制度を、一定の従業員に対し提供しております。2014年3月31日および2015年3月31 日現在で、退職給付にかかる資産をそれぞれ10,441百万円、10,652百万円計上しております。 期間退職・年金費用 国内会社における確定給付型の退職給付制度にかかる期間退職・年金費用(純額)の主な内訳は以下のとおりでありま す。なお野村は、国内会社の確定給付型年金制度においては3月31日を測定日としております。 (単位:百万円) 2014年3月期 2015年3月期 勤務費用 8,438 7,800 利息費用 3,441 3,090 △4,971 △5,732 2,767 2,127 △1,149 △1,148 8,526 6,137 年金資産の期待収益 年金数理上の損失の償却 過去勤務費用の償却 期間退職・年金費用(純額) 過去勤務費用の償却は、在籍する従業員の平均残存勤務期間にわたって定額法で行っております。また、予測給付債務 と年金資産の公正価値のうちいずれか大きい金額の10%を超える年金数理上の損益は、在籍する従業員の平均残存勤務期 間(11年)にわたって償却しております。 給付債務および制度の財政状況 次の表は、国内会社の制度における予測給付債務および年金資産の公正価値の変動状況および財政状況の概要を示した ものであります。 ― 107 ― (単位:百万円) 2015年3月期 および 2015年3月31日 2014年3月期 および 2014年3月31日 予測給付債務の変動: 予測給付債務期首残高 234,399 233,885 勤務費用 8,438 7,800 利息費用 3,441 3,090 年金数理上の損益 △2,697 6,106 支払給付 △9,708 △10,070 12 47 233,885 240,858 191,674 220,873 年金資産運用収益 14,317 15,660 事業主拠出 23,278 5,914 支払給付 △8,396 △8,610 年金資産の公正価値期末残高 220,873 233,837 制度の財政状況 △13,012 △7,021 連結貸借対照表で認識された金額 △13,012 △7,021 連結範囲の異動等 予測給付債務期末残高 年金資産の変動: 年金資産の公正価値期首残高 国内会社の制度における累積給付債務は、2014年3月31日現在233,885百万円および2015年3月31日現在240,858百万円 であります。 国内会社の制度における予測給付債務および累積給付債務が年金資産の公正価値を上回っている年金制度について、予 測給付債務、累積給付債務および年金資産の公正価値は以下のとおりです。 (単位:百万円) 2014年3月期 2015年3月期 累積給付債務が年金資産の公正価値を上回っている制度 予測給付債務 27,160 29,643 累積給付債務 27,160 29,643 - - 予測給付債務 27,160 29,643 累積給付債務 27,160 29,643 - - 年金資産の公正価値 予測給付債務が年金資産の公正価値を上回っている制度 年金資産の公正価値 ― 108 ― 国内会社の制度における期間退職・年金費用(純額)の構成要素として認識されていない累積的その他の包括利益(税 引前)の金額は以下のとおりです。 (単位:百万円) 2015年3月期 未認識年金数理上の損失 41,594 未認識過去勤務費用 △9,385 合計 32,209 2016年3月期において、国内会社の制度における期間退職・年金費用(純額)の構成要素として認識されると予想され る累積的その他の包括利益(税引前)の金額は以下のとおりです。 (単位:百万円) 2016年3月期 未認識年金数理上の損失 1,451 未認識過去勤務費用 △1,148 合計 303 見積もり 次の表は、国内会社の制度における期末日の予測給付債務の現在価値を決定する際に用いられた見積もり数値の加重平 均を示しております。 2014年3月31日 2015年3月31日 割引率 1.4% 0.9% 昇給率 2.5% 2.5% 次の表は、国内会社の制度における各年度の期間退職・年金費用を決定する際に用いられた見積もり数値の加重平均を 示しております。 2014年3月期 2015年3月期 割引率 1.4% 1.4% 昇給率 2.5% 2.5% 年金資産の長期期待運用収益率 2.6% 2.6% 通常、野村は確定給付制度における割引率の決定に関して長期の高格付債券の指標を参考にしており、決定された割引 率が、確定給付制度の債務の期間に応じて調整された後の指標を上回っていないことを確認しております。 野村は、年金資産の期待運用収益を計算するために、長期期待運用収益率を使用しております。そして、長期期待運用 収益率を決定する際は、過去の金融市場の傾向が将来にわたって継続するという仮定のもと、過去の長期運用収益率の実 績に基づくことを基本方針としております。 ― 109 ― 年金資産 野村は、年金給付等の支払を将来にわたり確実に行えるよう、長期的に必要となる年金資産の確保を目的として運用し ております。長期的な目標収益率を達成することを前提としつつも、リスクが分散されたポートフォリオを構築すること により、短期的変動を抑えた運用を目指しております。年金資産は、このポートフォリオの方針に基づいて、分散投資し ております。 野村の国内会社のポートフォリオは、エクイティ(プライベート・エクイティ含む)17%、負債証券45%、生保一般勘 定20%、その他18%に投資することを基本的目標としております。基本ポートフォリオは、原則として5年毎の財政再計 算およびポートフォリオ策定時に設定した前提条件等に大きな変化があった時に見直しを行います。 公正価値の測定に使用されるデータの3つのレベルの区分については、「注記2 公正価値測定」に記載しております。 次の表は国内会社の制度の年金資産の公正価値について、2014年3月31日および2015年3月31日のレベル別の金額を資 産のカテゴリー別に示しております。 年金資産: (単位:百万円) 2014年3月31日 エクイティ プライベート・エクイティ 日本国債 銀行および事業会社の負債証券 受益証券等 (1) 生保一般勘定 その他 合計 レベル1 26,730 - 62,088 1,842 - - - レベル2 - - - 2,312 19,383 42,735 41,728 レベル3 - 12,235 - - 11,820 - - 期末残高 26,730 12,235 62,088 4,154 31,203 42,735 41,728 90,660 106,158 24,055 220,873 年金資産: (単位:百万円) レベル1 2015年3月31日 レベル2 レベル3 期末残高 エクイティ プライベート・エクイティ 日本国債 銀行および事業会社の負債証券 受益証券等 (1) 生保一般勘定 その他 23,665 - 67,066 2,183 - - - - - - 2,502 18,457 48,989 15,637 - 6,793 - - 48,545 - - 23,665 6,793 67,066 4,685 67,002 48,989 15,637 合計 92,914 85,585 55,338 233,837 (1)主に、ヘッジファンドおよび不動産ファンドが含まれております。 海外制度における年金資産の2014年3月31日現在の公正価値は、レベル1が107百万円、レベル2が32,953百万円、レ ベル3が6,535百万円、2015年3月31日現在の公正価値は、レベル1が4,222百万円、レベル2が136百万円、レベル3が 43,851百万円であります。 ― 110 ― レベル1に該当する資産は、主に株式や国債で、測定日において取引可能な活発な市場における同一の資産に対する未調 整の取引価格で評価しております。レベル2に該当する資産は、主に受益証券、社債および生保一般勘定であります。受 益証券は、運用機関により計算された純資産価値により評価しております。生保一般勘定は、転換価格で評価しておりま す。 次の表は、国内会社の制度におけるレベル3に該当する年金資産の2014年3月期および2015年3月期の損益と推移を示 しております。 (単位:百万円) 2014年3月期 2014年 3月期 期首残高 実現 および 未実現損益 購入/売却 2014年 3月期 期末残高 プライベート・エクイティ 12,323 1,550 △1,638 12,235 受益証券等 15,035 33 △3,248 11,820 合計 27,358 1,583 △4,886 24,055 (単位:百万円) 2015年3月期 2015年 3月期 期首残高 実現 および 未実現損益 購入/売却 2015年 3月期 期末残高 プライベート・エクイティ 12,235 △2,147 △3,295 6,793 受益証券等 11,820 3,936 32,789 48,545 合計 24,055 1,789 29,494 55,338 海外制度における年金資産でレベル3に該当するものは主に年金保険投資であり、2014年3月31日現在の残高は6,535 百万円、2015年3月31日現在の残高は43,851百万円であります。2014年3月期において、レベル3に該当する資産を2,185 百万円売却しており、2015年3月期において、レベル3に該当する資産を36,634百万円購入しております。2014年3月期 および2015年3月期における当該資産にかかる実現および未実現損益、上記以外の購入・売却、レベル1、2からレベル 3間の移動で重要なものはありません。 ― 111 ― キャッシュ・フロー 国内会社の制度において、退職年金制度の年金資産への拠出は、国内での基準を満たす額を毎年拠出していくという方 針に基づき、2016年3月期において5,918百万円を年金資産に対して拠出する予定であります。 国内会社の制度における今後5年間の予測給付額および6年後から10年後までの合計予測給付額は以下のとおりであ ります。 (単位:百万円) 2016年3月期 12,191 2017年3月期 14,115 2018年3月期 14,606 2019年3月期 14,769 2020年3月期 13,672 2021年3月期~2025年3月期 69,034 確定拠出年金制度 確定給付型年金制度に加えて、当社、野村證券株式会社および他の国内子会社、海外子会社は確定拠出年金制度を採用 しております。 国内会社の確定拠出年金制度に対する拠出費用は、2014年3月期が3,425百万円、2015年3月期が3,488百万円でありま す。 海外子会社の確定拠出年金制度に対する拠出費用は、2014年3月期が8,667百万円、2015年3月期が10,382百万円であ ります。 医療給付制度 当社および特定の子会社は、健保組合を通じ在籍する従業員および退職従業員に対し一定の医療給付も行っております。 また当社および特定の子会社は、退職従業員に対する一定の医療給付の提供を支援しており(以下「特別制度」)、こうし た退職者は全額負担条件で、すなわち1人当たり見積給付費用に基づく負担に応じることにより特別制度への加入を継続 することができます。特別制度の管理が健保組合および国との共同で行われており、また特別制度の財政状況は別個に計 算されていないため、特別制度は複数事業主退職後給付制度に該当します。このため、当社および特定の子会社は、退職 者医療給付の費用のうち退職者負担により賄われない額の一部を負担しておりますが、将来の費用の引当てを行っており ません。医療給付費用は要拠出額と等しくなり、2014年3月期が6,834百万円、2015年3月期が7,116百万円であります。 ― 112 ― 13 繰延報酬制度: 野村は役員もしくは従業員に対し、株式報酬を付与しております。これらの株式報酬の一部は、優秀な人材を確保し、 業績向上へのインセンティブを高めるため、株価と連動しております。 株式報酬制度には、ストック・オプションAプラン、Bプラン、ファントム・ストックプランおよびカラー付ファントム・ ストックプラン、業績連動繰延報酬(マルチイヤー・パフォーマンス・デファーラルプラン)があります。ストック・オ プションAプランは実質的にストック・オプションですが、ストック・オプションBプラン、ファントム・ストックプラン およびカラー付ファントム・ストックプランは、リストリクテッド・ストック(譲渡制限期間付きの株式)に類似する報 酬制度です。業績連動繰延報酬は、一定以上の職責につく役職員向けに設定した野村の業績に連動する業績連動型報酬制 度になります。また、その他の報酬制度として、Morgan Stanley Capital International社が公表している株価指数の1 つに連動するファントム・インデックスプランがあります。 2014年3月期以降に付与された特定の繰延報酬には、ある一定の職位と役務提供期間の条件を充たした場合、自己都合 退職時点で受給権の確定を認める「フル・キャリア・リタイアメント」条項を含んでおります。 ストック・オプションAプラン 当社は、実質的にストック・オプションといえる普通株式の新株予約権を発行しております。このストック・オプショ ンは、付与日の約2年後に受給権が確定し行使可能となり、一定事由による退職等もしくは付与日の約7年後に失効しま す。行使価額は、基本的に付与日における当社の普通株式の公正価値以上の価格となっております。 付与日のストック・オプションの公正価値は、ブラック=ショールズのオプション価格決定モデルを用い、以下の仮定 に基づき算定されております。 ・予想ボラティリティは、当社の普通株式の過去のボラティリティに基づいております。 ・予想配当利回りは、付与時の配当利回りに基づいております。 ・付与されたオプションの予想残存期間は、過去の実績を基に決定しております。 ・安全利子率の見積もりは、オプションの予想残存期間と等しい満期の円スワップレートに基づいております。 2014年3月期、2015年3月期の付与日におけるオプションの加重平均公正価値は1株あたりそれぞれ272円、201円でし た。各期における加重平均価格の見積もりに使用した仮定は、以下のとおりです。 2014年3月期 予想ボラティリティ 予想配当利回り 予想残存期間 安全利子率 2015年3月期 45.97% 45.26% 1.00% 2.39% 7年 7年 0.51% 0.43% ― 113 ― 次の表は、2015年3月期におけるストック・オプションAプランの実施状況を示しております。 発行済 (株式数) 2014年3月31日 加重平均 行使価格 (円) 加重平均 契約残存年数 (年) 15,959,500 791 付与 2,728,500 747 行使 △1,073,200 328 失効 △59,400 883 △1,906,000 1,874 15,649,400 683 3.8 10,223,600 624 2.5 行使期限満了 2015年3月31日 うち、行使可能な ストック・オプション 3.8 2014年3月期および2015年3月期において行使されたストック・オプションAプランの本源的価値の総額は、それぞれ 591百万円および401百万円でした。 2015年3月期の期末におけるストック・オプションAプランの本源的価値および行使可能なストックオプションの本源 的価値は、それぞれ2,068百万円および2,068百万円でした。 2015年3月期においてストック・オプションAプランに関連する未認識報酬費用の合計額は647百万円でした。当該費用 は1.5年の加重平均期間にわたって認識される予定です。期中に受給権が確定したストック・オプションAプランの確定日 時点の公正価値の総額は、2014年3月期および2015年3月期において、それぞれ1,403百万円および1,211百万円となって おります。 ストック・オプションBプラン 当社は、実質的に株式報酬といえる新株予約権を発行しております。この株式報酬は、付与日の約6ヶ月後から約5年 後に受給権が確定し行使可能となり、一定事由による退職等もしくは付与日の約5年6ヶ月から約10年後に失効します。 行使価格は、1株当たり1円となっております。 付与日のストック・オプションBプランの公正価値は、当社の普通株式の公正価値に基づき決定されます。 次の表は、2015年3月期におけるストック・オプションBプランの実施状況を示しております。 発行済 (株式数) 付与日における 1株当たりの 加重平均公正価値 (円) 加重平均 契約残存年数 (年) 2014年3月31日 92,621,100 474 付与 44,339,900 483 行使 △35,387,800 471 失効 △1,176,500 498 △7,700 2,358 100,389,000 478 5.4 22,668,800 453 3.5 (1) 行使期限満了 2015年3月31日 うち、行使可能な ストック・オプション 5.3 (1) 2015年3月期において付与されたストック・オプションBプランには、業績連動繰延報酬からの転換分を含みます。 転換分の株式数は18,315,000株、付与日における1株当たりの加重平均公正価値は298円です。 ― 114 ― 2014年3月期、2015年3月期の付与日における1株あたりの加重平均公正価値はそれぞれ782円、483円でした。 2014年3月期、2015年3月期において行使されたストック・オプションBプランの本源的価値の総額は、それぞれ33,951 百万円、23,673百万円でした。 2015年3月期の期末におけるストック・オプションBプランの本源的価値および行使可能なストックオプションの本源 的価値(2015年3月期における業績連動繰延報酬からの転換分を含む)は、それぞれ70,794百万円および15,986百万円で した。 2015年3月期においてストック・オプションBプランに関連する未認識報酬費用(2015年3月期における業績連動繰延 報酬からの転換分を含む)の合計額は5,902百万円でした。当該費用は1.7年の加重平均期間にわたって認識される予定で す。期中に受給権が確定したストック・オプションBプランの確定日時点の公正価値の総額は、2014年3月期および2015 年3月期において、それぞれ34,943百万円および27,662百万円となっております。 連結損益計算書上、金融費用以外の費用―人件費に含まれるストック・オプションAプランおよびBプランにかかる費用 の総額(2015年3月期における業績連動繰延報酬からの転換分を含む)は、2014年3月期および2015年3月期において、 それぞれ19,458百万円および19,364百万円となっております。 2015年3月期において、ストック・オプションAプランおよびBプランの行使によって受け取った現金は387百万円であ り、ストック・オプションの行使から実現した税効果は2,620百万円でした。 ファントム・ストックプランおよびカラー付ファントム・ストックプラン ファントム・ストックプランおよびカラー付ファントム・ストックプランは株価に連動する現金決済型の報酬制度です。 ファントム・ストックプランおよびカラー付ファントム・ストックプランは、付与日から約5年にわたり受給権が確定し、 一定事由による退職等により失効します。ファントム・ストックプランは新株予約権で決済されるストック・オプション Bプランと同じ特徴を持つ報酬制度です。カラー付ファントム・ストックプランはファントム・ストックプランと同様に 株価に連動しますが、連動幅が一定の範囲に制限されます。 ファントム・ストックプランおよびカラー付ファントム・ストックプランの公正価値は当社の普通株式の市場価格に基 づき決定されます。 次の表は、2015年3月期におけるファントム・ストックプランおよびカラー付ファントム・ストックプランの実施状況 を示しております。 ― 115 ― カラー付ファントム・ ストックプラン 残高 株価 (単位数) (円) ファントム・ストックプラン 残高 (単位数) 株価 (円) 2014年3月31日 51,695,211 652 50,697,928 429 付与(1) 29,845,622 623 (2) 23,863,468 674 (2) 確定 △31,829,763 632 (3) △31,863,838 495 (3) 失効 △1,591,537 2015年3月31日 48,119,533 △1,516,480 693 (4) 41,181,078 524 (4) (1) 2015年3月期において付与されたファントム・ストックプランには、業績連動繰延報酬からの転換分を含みます。 転換分の株式数は5,389,800単位、付与日における1株当たりの加重平均公正価値は615円です。 (2) 付与数量を決定するために使用された当社普通株式の加重平均市場価格となっております。 (3) 現金決済金額を決定するために使用された当社普通株式の加重平均市場価格となっております。 (4) 2015年3月31日現在において、権利未確定の報酬を公正価値で再評価するために使用された当社普通株式の市場 価格となっております。 連結損益計算書上、金融費用以外の費用―人件費に含まれる各ファントム・ストックプランにかかる費用の総額(2015 年3月期における業績連動繰延報酬からの転換分を含む)は、2014年3月期および2015年3月期において、それぞれ37,396 百万円および39,366百万円となっております。 2015年3月31日におけるファントム・ストックプランの公正価値に基づく未認識報酬費用の合計額(2015年3月期にお ける業績連動繰延報酬からの転換分を含む)は4,144百万円でした。当該費用は0.9年の加重平均期間にわたって認識され る予定です。期中に受給権が確定したファントム・ストックプランの確定日時点の公正価値の総額は、2014年3月期およ び2015年3月期において、それぞれ23,066百万円および20,116百万円となっております。 2015年3月31日におけるカラー付ファントム・ストックプランの公正価値に基づく未認識報酬費用の合計額は4,360百 万円でした。当該費用は1.0年の加重平均期間にわたって認識される予定です。期中に受給権が確定したカラー付ファン トム・ストックプランの確定日時点の公正価値の総額は、2014年3月期および2015年3月期において、それぞれ17,868百 万円および15,762百万円となっております。 業績連動繰延報酬 2013年3月期において、野村は一定以上の職責につく役職員に対し、新規に業績連動繰延報酬(マルチイヤー・パフォ ーマンス・デファーラルプラン)を導入いたしました。このプランにおいて、当社は対象者に野村グループ、あるいは、 特定の事業セグメントの業績に数量が連動する繰延報酬の権利を付与し、2014年3月末までの2年間の業績測定期間終了 の後に当該業績目標の達成度合いに応じて数量を調整した後、ストック・オプションBプランまたはファントム・ストッ クプランに転換いたします。業績連動報酬にかかる繰延報酬は、一定事由による退職等により失効します。 2014年6月において、業績連動繰延報酬にかかる繰延報酬は、すべてストック・オプションBプランまたはファントム・ ストックプランに転換されました。 ― 116 ― 次の表は、2015年3月期における業績連動繰延報酬の実施状況を示しております。 付与日における 1株当たりの 加重平均公正価値 (円) 発行済 (株式数) 2014年3月31日(1) 失効 ストック・オプションBプランまたはファン トム・ストックプランへの転換(2) 25,766,250 298 △2,061,450 △23,704,800 298 ― ― 2015年3月31日 (1) 業績測定期間終了後ストック・オプションBプランまたはファントム・ストックプランに転換されると見込まれ る数量を記載しております。 (2) 期中におけるストック・オプションBプランまたはファントム・ストックプランへの実際の転換数量を記載して おります。 連結損益計算書上、2014年3月期における金融費用以外の費用―人件費に含まれる業績連動繰延報酬にかかわる費用は、 期末時点の業績達成度合いを考慮し、1,633百万円となっております。また、2015年3月期における金融費用以外の費用 ―人件費に含まれる業績連動繰延報酬に関わる費用は、それぞれ転換先のストック・オプションBプランまたはファント ム・ストックプランに含めて開示しております。2015年3月31日における未認識報酬費用の合計額および当該未認識報酬 費用が認識される加重平均期間についても同様です。 ストック・オプションAプラン、Bプランおよび業績連動繰延報酬にかかる費用に対して認識した税務ベネフィットの金 額は、2014年3月期および2015年3月期において、それぞれ1,992百万円および1,422百万円でした。発行した株式報酬制 度の希薄化についての影響は、希薄化後1株当たり当期純利益の計算に用いる加重平均発行済株式数に含まれております。 ファントム・インデックスプラン 上述の繰延報酬に加え、野村は一定以上の職責につく役職員に対し、ファントム・インデックスプランを導入しており ます。Morgan Stanley Capital International社が公表している株価指数の1つに連動する現金決済型の報酬制度となり ます。ファントム・インデックスプランは、付与日から約5年にわたり受給権が確定し、一定事由による退職等により失 効します。ファントム・インデックスプランの公正価値は参照株価指数に基づき決定されます。 次の表は、2015年3月期におけるファントム・インデックスプランの実施状況を示しております。 残高 (単位数) インデックス価格 (米ドル)(1) 2014年3月31日 37,102,579 4,354 付与 23,536,020 4,501 (2) 確定 △25,680,065 4,601 (3) 失効 △1,511,292 2015年3月31日 33,447,242 4,650 (4) (1) 単位価額はインデックス価格の1,000分の1を用いて決定しております。 (2) 付与数量を決定するために使用された加重平均インデックス価格となっております。 (3) 現金決済金額を決定するために使用された加重平均インデックス価格となっております。 (4) 2015年3月31日現在において、権利未確定の報酬を公正価値で再評価するために使用されたインデックス価格と なっております。 ― 117 ― 連結損益計算書上、金融費用以外の費用―人件費に含まれるファントム・インデックスプランにかかる費用の総額は、 2014年3月期および2015年3月期において、それぞれ15,388百万円、12,900百万円となっております。 2015年3月31日におけるファントム・インデックスプランの公正価値に基づく未認識報酬費用の合計額は2,926百万円 でした。当該費用は1.0年の加重平均期間にわたって認識される予定です。期中に受給権が確定したファントム・インデ ックスプランの確定日時点の公正価値の総額は、2014年3月期および2015年3月期において、それぞれ14,651百万円およ び12,966百万円となっております。 ファントム・ストックプラン、カラー付ファントム・ストックプラン、ファントム・インデックスプランにかかる費用 に対して認識した税務ベネフィットの金額は、2014年3月期および2015年3月期において、それぞれ1,767百万円および 1,252百万円でした。 決算日後に生じた事項 2015年5月18日、当社はストック・オプションの目的で2015年6月5日を割当日として、第63回から第67回新株予約 権を当社および当社の子会社の取締役、執行役および使用人等に対して発行することを決議いたしました。当決議にもと づき発行された新株予約権の総数は255,813個で、その目的である普通株式は25,581,300株です。行使価額は1株当たり 1円となっております。新株予約権は発行決議日より約6か月から約3年間権利行使を制限される繰延報酬です。なお、 権利行使期間は、権利行使開始より5年間です。 2015年5月、野村は役員および従業員に対し、ファントム・ストックプラン、カラー付ファントム・ストックプラン、 ファントム・インデックスプラン(総額41十億円、支給までの期間は最長で約3年間)を将来支給することを決定いたし ました。 これらの繰延報酬には、野村での職位と勤務期間にかかる一定の条件を満たした場合、自己都合退職時点で受給権の確 定を認める「フル・キャリア・リタイアメント」条項を含んでおります。なお、2015年3月期に対応する繰延報酬より「フ ル・キャリア・リタイアメント」を適用する場合には、受給者が6月25日までに当該条項の適用を届け出ることを条件と するよう変更いたしました。 14 構造改革費用: 野村は、2013年3月期第2四半期より、ビジネスモデルと業務の効率性向上等による費用構造の見直しを、ホールセー ル部門を対象に実施いたしました。当該費用構造の見直しは、当連結会計年度中に完了しております。 当該費用構造の見直しにより、2014年3月期に2,650百万円の退職関連費用を計上しておりますが、2015年3月期には追 加費用は発生しておりません。当連結会計年度末累計で18,238百万円の退職関連費用を計上しております。当該退職関連 費用は、主に連結損益計算書の金融費用以外の費用―人件費に含まれております。2014年3月期末および2015年3月期末 における退職関連費用にかかる為替換算調整後の負債残高はそれぞれ、3,760百万円、2,326百万円であり、当連結会計年 度において1,704百万円の支払いが完了しております。 ― 118 ― 15 法人所得税等: 2014年3月期および2015年3月期における連結損益計算書に記載されている法人所得税等の内訳は、以下のとおりです。 (単位:百万円) 2014年3月期 2015年3月期 当年度分 国 内 21,558 80,760 海 外 6,546 13,531 28,104 94,291 当年度分計 繰延分 国 内 109,037 23,309 海 外 8,024 3,180 繰延分計 117,061 26,489 法人所得税等計 145,165 120,780 2014年3月期および2015年3月期の法人所得税等(繰延分)のうち、税務上の繰越欠損金にかかる税務ベネフィットの 認識額は、それぞれ△26,990百万円および△3,888百万円となりました。 当社および日本の100%子会社は、日本における連結納税制度を導入しております。この連結納税制度は、国税だけを 対象としています。 2011年および2014年税制改正により当社の法定実効税率は、2012年4月1日以降2014年3月31日までの間は38%、2014 年4月1日以降は36%となっております。 「所得税法等の一部を改正する法律」 (平成27年法律第9号)および「地方税等の一部を改正する法律」(平成27年法律 第2号)が2015年3月31日に公布され、2015 年4月1日以後に開始する事業年度から法人税率の引下げ等が行われること となりました。これに伴い、繰延税金資産および繰延税金負債を計算する法定実効税率は従来の36%から、2015年4月1 日に開始する事業年度に解消すると見込まれる一時差異等については33%に、2016年4月1日に開始する事業年度以降に 解消すると見込まれる一時差異等については32%になっております。また、欠損金の繰越控除制度における控除限度額は、 2015年4月1日以後に開始する事業年度からは、その繰越控除をする事業年度の繰越控除前の所得の金額の65%が控除限 度額とされ、2017年4月1日以後に開始する事業年度からは、その繰越控除をする事業年度の繰越控除前の所得の金額の 50%が控除限度額とされました。この改正の影響により、繰延税金負債の純額は4,674百万円減少し、法人税等調整額は 同額減少しております。 海外子会社は、各会社が事業を行う国の法人税率の適用を受けております。法人所得税等と会計上の税引前当期純利益 (損失)との関係は、さまざまな税額控除、課税所得に影響しない特定の収益、税務上控除されない特定の費用、評価性 引当金の増減、および海外子会社に適用される税率の相違等、多様な要因の影響を受けております。 2014年3月期および2015年3月期における連結損益計算書に記載されている法人所得税等の負担税率と当社の法定実 効税率との差異の内訳は、以下のとおりであります。 ― 119 ― 2014年3月期 当社の法定実効税率 2015年3月期 38.0% 36.0% 影響要因: 評価性引当金の増減 △9.8 5.1 益金に加算される項目 0.4 0.3 損金に算入されない費用項目 7.7 5.9 益金に算入されない収益項目 △8.0 △4.7 - 0.0 海外子会社の未分配所得の影響 3.5 0.0 海外子会社の所得(欠損金)に適用される税率差異 6.3 △1.4 国内の税制改正の影響 0.6 △1.4 繰越欠損金の期限切れ 0.7 0.0 子会社・関連会社株式等の評価減の税務上の認容見込み 1.4 - △0.7 △5.0 海外子会社からの配当 その他 実効税率 40.1% 34.8% 2014年3月31日および2015年3月31日現在の特定の税務管轄地域内における同一納税主体に関連するものを相殺する 前の繰延税金資産および負債の内訳は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月31日 2015年3月31日 繰延税金資産 減価償却、その他の償却、および固定資産の評価 12,604 14,692 子会社・関連会社株式投資 54,678 33,553 金融商品の評価差額 46,321 56,566 未払退職・年金費用 7,850 10,335 未払費用および引当金 102,922 123,567 繰越欠損金 437,899 466,531 3,991 4,356 666,265 709,600 控除: 評価性引当金 △490,603 △565,103 繰延税金資産合計 175,662 144,497 107,020 109,087 54,524 56,808 736 735 21,204 20,644 4,899 8,670 繰延税金負債合計 188,383 195,944 繰延税金資産(負債)の純額 △12,721 △51,447 その他 繰延税金資産小計 繰延税金負債 子会社・関連会社株式投資 金融商品の評価差額 海外子会社の未分配所得 固定資産の評価 その他 ― 120 ― 連結貸借対照表のその他の資産―その他として記載されている特定の税務管轄地域内における同一納税主体に関連する ものを相殺した後の繰延税金資産の純額は、それぞれ2014年3月31日現在22,018百万円、2015年3月31日現在19,718百万 円となりました。また、連結貸借対照表のその他の負債として記載されている特定の税務管轄地区域内における同一納税 主体に関連するものを相殺した後の繰延税金負債の純額は、それぞれ2014年3月31日現在34,739百万円、2015年3月31日 現在71,165百万円となりました。 2015年3月31日現在、予見可能な将来に配当支払が予想されていない海外子会社の未分配所得の合計額2,853百万円に 対して繰延税金負債の計上は行われておりません。これらすべての海外子会社の所得が配当される際の税額を見積もるこ とは現実的ではありません。 2014年3月期および2015年3月期における繰延税金資産にかかる評価性引当金の推移は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月期 期首残高 522,220 期中の純増減額 △31,617 (1) 期末残高 490,603 2015年3月期 490,603 74,500 (2) 565,103 (1) 海外子会社では、主に繰越欠損金の増加による評価性引当金の計上により29,134百万円の増加となり、将来の実現 可能性の見直しおよび海外子会社の清算等の影響により、評価性引当金が47,263百万円減少しました。また、当社 および国内子会社では繰越欠損金以外の要因による評価性引当金の将来の実現可能性を見直した結果、評価性引当 金が13,488百万円減少したため、全体で31,617百万円の減少となりました。 (2) 海外子会社では、主に繰越欠損金の増加による評価性引当金の計上により85,403百万円の増加となり、将来の実現 可能性の見直しおよび海外子会社の影響により、評価性引当金が2,921百万円減少しました。また、当社および国 内子会社では、主に国内の税制改正の影響により繰越欠損金にかかる評価性引当金が減少した結果、評価性引当金 が7,982百万円減少したため、全体で74,500百万円の増加となりました。 2015年3月31日現在、野村は、2,099,334百万円の税務上の繰越欠損金を有しております。このうち、当社および国内 子会社に関連するものが589,272百万円、英国に所在する海外子会社に関連するものが742,535百万円、米国に所在する海 外子会社に関連するものが484,573百万円、香港に所在する海外子会社に関連するものが202,806百万円、その他の地域に 所在する海外子会社に関連するものが80,148百万円であります。当該欠損金については、無期限に繰越が可能な1,021,835 百万円を除き、2015年から2024年までに760,972百万円、2025年以降316,527百万円が税務上の効果を失うことになります。 野村は、2015年3月31日現在の評価性引当金の計上にあたり、当社および当社の国内子会社および海外子会社の税務管 轄地域内おける繰延税金資産の回収可能性に関連する入手可能なあらゆる肯定的および否定的証拠を適切に検討してお ります 。 日本およびその他の税務管轄地において、近年、野村の国内子会社および海外子会社は累積的な繰越欠損金を計上して おります。これは繰延税金資産の回収可能性に関連する入手可能な最も否定的な証拠が入手可能な肯定的な証拠を上回っ ているためであります。 一方、野村は、特定の税務戦略は将来繰越欠損金を使用するために充分な課税所得を生み出すための潜在的な資源と考 えております。しかし、この税務戦略は、2014年3月期および2015年3月期において、野村が業務を行っているすべての 主要な税務管轄地において、評価性引当金の減少をもたらす肯定的な証拠ではありません。加えて、これらの税務管轄地 において、2014年3月期および2015年3月期において、肯定的および否定的証拠の適用度合の変更による評価性引当金の ― 121 ― 減少はありませんでした。 2014年3月31日および2015年3月31日現在、重要な未認識税務ベネフィットはありません。また、2014年3月期および 2015年3月期において、重要な未認識税務ベネフィットの変動および未認識税務ベネフィットにかかる利息および加算税 はありません。野村は、日本の国税庁ならびに主要な業務を行っている税務管轄地におけるその他の税務当局より、継続 的に税務調査を受けております。野村はそれぞれの税務管轄地において追加的に徴収される可能性と連結財務諸表におけ る影響額を定期的に評価しております。期末日以降12ヶ月の間に、未認識の税務ベネフィットが著しく増加する可能性は ありますが、現時点では潜在的な結果が不確実なため、定量的に見積もることは出来ません。しかしながら、未認識税務 ベネフィットの変動が当社の連結財政状態に重要な影響を与えるとは考えておりません。 野村は複数の税務管轄地において業務を行っており、移転価格税制、費用の控除可能性、外国税額控除、その他多くの 問題について、それぞれの税務当局からの調査に応じなければなりません。 次の表は、2015年3月31日現在、野村が業務を行っている主要な税務管轄地において、税務調査が未了となっている最 も古い年度を表しています。なお香港の税制上、繰越欠損金がある場合、当局による更正の期間制限がないため、記載し ておりません。 税務管轄地 年度 日本 英国 米国 2010年 2014年 2012年 (1) (1) 移転価格税制にかかる最も古い調査未了年度は、2009年となります。 16 その他の包括利益: 累積的その他の包括利益の変動は以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月期 期首残高 組替調整前 その他の 包括利益 累積的 その他の包括利 益からの 組替調整額 当期純変動額 期末残高 為替換算調整額 △38,875 66,707 △128 66,579 27,704 年金債務調整額 △28,518 8,708 1,001 9,709 △18,809 9,998 3,342 △1,599 1,743 11,741 △57,395 78,757 △726 78,031 20,636 トレーディング目的以外の 有価証券の未実現損益 累積的その他の包括利益 ― 122 ― (単位:百万円) 2015年3月期 期首残高 累積的 その他の包括利 益からの 組替調整額 組替調整前 その他の 包括利益 当期純変動額 期末残高 為替換算調整額 27,704 110,679 △5,012 105,667 133,371 年金債務調整額 △18,809 2,768 637 3,405 △15,404 トレーディング目的以外の 有価証券の未実現損益 11,741 16,588 △2,557 14,031 25,772 累積的その他の包括利益 20,636 130,035 △6,932 123,103 143,739 重要な累積的その他の包括利益からの組替調整額は以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月期 2015年3月期 累積的その他の 包括利益からの 組替調整額 累積的その他の 包括利益からの 組替調整額 連結損益計算書に 影響する項目 為替換算調整額: 128 5,995 収益―その他 ― △983 法人所得税等 128 5,012 当期純利益 ― ― 128 5,012 非支配持分に帰属する 当期純利益 当社株主に帰属する 当期純利益 (単位:百万円) 2014年3月期 2015年3月期 累積的その他の 包括利益からの 組替調整額 累積的その他の 包括利益からの 組替調整額 連結損益計算書に 影響する項目 トレーディング目的以外の有価 証券の未実現損益: 詳細は「注記5 4,220 4,879 収益―その他 △2,065 △1,481 法人所得税等 2,155 3,398 △556 △841 1,599 2,557 トレーディング目的以外の有価証券」をご参照ください。 ― 123 ― 当期純利益 非支配持分に帰属する 当期純利益 当社株主に帰属する 当期純利益 17 株主資本: 発行済株式数(自己株式控除後)の変動は以下のとおりであります。 (単位:株) 2014年3月期 発行済株式数(自己株式控除後)期首残高 2015年3月期 3,710,960,252 3,717,630,462 取得 △40,054,831 △155,232,995 売却 1,920,457 5,251 44,689,800 36,461,000 114,784 1,495 3,717,630,462 3,598,865,213 自己株式: 従業員等に対する発行株式 その他の増減(純額) 発行済株式数(自己株式控除後)期末残高 日本の会社法において、配当および自己株式取得は分配可能額の範囲で行うことができます。資本剰余金および利益剰 余金には日本の会社法に基づく準備金が含まれ、当該準備金の金額は分配可能額には含まれません。分配可能額は日本で 一般的な会計原則および慣行にしたがって作成されている当社の個別財務諸表に基づいており、2014年3月31日現在 583,354百万円、2015年3月31日現在735,394百万円であります。連結財務諸表には記載しているものの個別財務諸表には 計上されていない米国会計原則上の調整額は、当該分配可能額に影響を与えておりません。 利益剰余金には、持分法により会計処理されている投資先の未分配利益に対する野村の持分が、2014年3月31日現在 136,112百万円、2015年3月31日現在164,311百万円含まれております。 1株当たり普通株式の配当金は、2014年3月期は17.0円、2015年3月期は19.0円であります。 自己株式の変動には、株式報酬制度に基づき従業員等に自己株式を付与することによるもの、単元未満株式を有する株 主からの買増請求により自己株式を売却することによるもの、および単元未満株主から株式を買い取ることによるものが 含まれております。また、自己株式に含まれている関連会社が保有する株式は、2014年3月31日現在1,143,181株、2,120 百万円であり、2015年3月31日現在1,141,686株、2,017百万円であります。 決算日後に生じた事項 2015年5月19日開催の取締役会において、会社法459条第1項の規定による定款の定めに基づき、自己株式の取得に かかる事項を決議しました。その内容は、(a)取得する株式の総数の上限は25,000,000株、(b)株式の取得価額の総額は上 限20,000百万円、(c)期間は2015年5月20日から2015年7月28日まで、というものであります。 上記の決議に従い、2015年5月20日から2015年5月29日までの期間にわたり、当社は総数24,331,100株を取得価額総額 19,977百万円で取得しております。これをもって、上記の取締役会決議に基づく自己株式の取得は終了しております。 ― 124 ― 18 法的規制: 2011年4月から、当社は、金融商品取引業者の親会社に対する連結自己資本規制の適用を受ける最終指定親会社の指定 を受け、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本 の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準を定める件」(平成二十二年金融庁告示第百三十号、以下「川 上連結告示」といいます。)により、バーゼルⅡに基づく連結自己資本規制比率の計測を開始しました。なお、川上連結 告示はバーゼル2.5およびバーゼルⅢに対応した改定を行っており、2013年3月末以降、当社はバーゼルⅢに基づく連結 自己資本規制比率を算出しております。 当社は、川上連結告示第2条の算式に従い、普通株式等Tier1資本の額、Tier1資本の額、総自己資本の額、信用リスク・ アセットの額、マーケット・リスク相当額およびオペレーショナル・リスク相当額をもとに連結自己資本規制比率を測定 しております。2014年3月31日および2015年3月31日現在の野村の連結普通株式等Tier1比率、連結Tier1比率、連結総自 己資本規制比率は、川上連結告示の定める要件をそれぞれ満たしました。なお、2015年3月31日現在、川上連結告示の定 める要件は、連結普通株式等Tier1比率について4.5%、連結Tier1比率について6.0%、連結総自己資本規制比率について 8.0%となっております。 金融商品取引法に基づき、野村證券株式会社および野村ファイナンシャル・プロダクツ・サービシズ株式会社は金融庁 による自己資本規制の適用を受けております。この規制により自己資本規制比率、即ち数量化した事業リスク合計に対す る控除後自己資本の比率が120%を下回らない状態を維持するよう求められております。控除後自己資本は、純資産(資 本金、投資有価証券の評価差額、準備金および劣後債務を含む)から控除資産を控除したものと定義されております。事 業リスクは、(1)市場リスク、(2)取引先リスクおよび(3)基礎的リスクという三つのカテゴリーに区分されておりま す。この規制においては、自己資本規制比率が120%を超えている限り当該会社の行う業務への制約はありません。野村 證券株式会社の自己資本規制比率は、2014年3月31日現在および2015年3月31日現在ともに120%を超えております。ま た、野村ファイナンシャル・プロダクツ・サービシズ株式会社の自己資本規制比率は、2014年3月31日現在および2015年 3月31日現在ともに120%を超えております。 日本の金融商品取引業者は金融商品取引法に基づき、証券取引に関する顧客から預った現金を分別する必要があります。 2014年3月31日現在野村證券株式会社は、現金の代用物として市場価額456,070百万円の債券および市場価額7,656百万円 の株式を分別しております。2015年3月31日現在野村證券株式会社は、現金の代用物として市場価額433,011百万円の債 券を分別しております。これらは連結貸借対照表のトレーディング資産に含まれているものあるいは有価証券貸借契約に より借り入れられたものであります。 米国において、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル Inc.(以下「NSI」)は、1934年証券取引所法下の証 券会社として、また米国先物取引委員会(以下「CFTC」)における先物取引業者として登録されております。NSIは、自主 規制組織として指定された金融取引業規制機構(以下「FINRA」)およびシカゴ・マーカンタイル取引所(以下「CME Group」) の規制も受けております。NSIは、米国SECの統一自己資本規制(ユニフォーム・ネット・キャピタル・ルール、規制15c3-1) および関連するその他規制の適用を受けております。当該規制は、代替方法により定義される自己資本が、1,000,000ド ルもしくは顧客取引から発生する負債項目の総額の2%のいずれか大きいほうの金額を維持することを要求しております。 また、NSIはCFTC規則1.17号の適用を受けております。当該規制は、自己資本を定義上の顧客口座および非顧客口座に存 在するすべてのポジションの8%を超過するトータル・リスク・マージン規制、もしくは現金1,000,000ドルのうちいずれ か大きいほうの金額を維持することを要求しております。NSIは米国SEC、CFTCあるいはさまざまな他の取引所の規制のう ち、最も大きい金額を満たす自己資本を維持することを求められております。また、ノムラ・グローバル・ファイナンシ ― 125 ― ャル・プロダクツ Inc.(以下「NGFP」)は、1934年証券取引所法下のOTCデリバティブ・ディーラーとして登録されてお ります。NGFPは、規制15c3-1のAppndixFの適用を受けております。NGFPは、SECより20,000,000ドルの自己資本を維持す ることを求められております。その他の米国子会社として、インスティネット,LLC(以下「ILLC」)は、米国SECから証券 会社として登録されており、FINRAの会員となっております。さらに、ILLCは、CFTCにおける仲介ブローカーとして登録 されており、米国先物機構や、その他のさまざまな取引所の会員となっております。ILLCは、米国SECの規制15c3-1の適 用を受けております。当該規制は、代替方法により定義される自己資本が、1,000,000ドル、顧客取引から発生する負債 項目の総額の2%もしくはCFTC最低要件のいずれか大きいほうの金額を維持することを要求しております。ILLCはCFTCの 要求する、最低自己資本額の要求を受けております。CFTCが認定する仲介ブローカーとして、最低45,000ドルの純資産の 維持が求められており、調整後純資産額と純資産額は、規制15c3-1(a)が要求する水準が求められております。2014年3 月31日および2015年3月31日現在、NSI、NGFP、ILLCは適用されるすべての自己資本規制要件を充足しております。 欧州において、ノムラ・ヨーロッパ・ホールディングズ PLC(以下「NEHS」)は、その連結子会社を含む連結ベースで、 英国プルーデンス規制機構による監督下にあり、自己資本規制を受けております。NEHSの最も重要な連結子会社でありま すノムラ・インターナショナル PLC(以下「NIP」)は、証券仲介・売買業務を行っており、英国プルーデンス規制機構に よる規制を単体でも受けております。また、NEHSの別の連結子会社でありますノムラ・バンク・インターナショナル PLC (以下「NBI」)も同様に英国プルーデンス規制機構による規制を単体で受けております。これらの規制によって、NEHSお よびその連結子会社は、最低資本要件の充足が義務付けられております。2014年3月31日および2015年3月31日現在、NEHS は連結上、NIPおよびNBIは単体上、それぞれ適用されるすべての自己資本規制に関する要件を充足しております。 アジアにおいて、ノムラ・インターナショナル(ホンコン)LIMITED(以下「NIHK」)およびノムラ・シンガポール LIMITED (以下「NSL」)は、それぞれの当局により規制を受けております。NIHKは香港証券先物委員会の監督下で、証券取引、先 物取引、証券・先物取引に関する助言業務、およびコーポレートファイナンスに関する認可を取得しております。2013年 4月22日より、NIHKは兄弟会社であるノムラ・セキュリティーズ(ホンコン)LIMITEDから香港証券取引所における取引 参加者、およびオプション取引参加者、香港先物取引所における先物取次業者、香港証券清算機構、SEHK商品清算機構お よびHKFE清算機構における清算参加者としての業務を引き継いでおります。NIHKは台湾に支店を有しており、支店もまた 各国当局の規制を受けております。支店を含むNIHKの活動は、証券先物(ファイナンシャル・リソーシズ)規制(以下「FRR 規制」)により、常時、定められた流動資本要求額を下回ることのない流動資本を維持した上でなされること、とされて おります。流動資本とは、流動資産額が認定負債額を越える部分を指します。流動資本要求額はFRR規制によりあらかじ め決められた条件により計算されます。NSLはシンガポール通貨監督庁(以下「MAS」)の監督下にあるアジア通貨単位の 認可を受けた投資銀行として、主に有価証券売買の仲介および証券取引等を行っております。当該規制はNSLに対し、最 低15,000,000シンガポールドルの資本を維持することを要求しております。NSLはシンガポールにおいてMASにより規制さ れているため、単体として最低自己資本比率を課されております。2014年3月31日および2015年3月31日現在、NIHKおよ びNSLは適用されるすべての資本規制に関する要件を充足しております。 19 関連会社およびその他の持分法投資先: 野村の重要な関連会社およびその他の持分法投資先には、株式会社ジャフコ(以下「ジャフコ」)、NRI、野村不動産ホ ールディングスがあります。 ― 126 ― ジャフコ ジャフコは、日本の上場企業であり、さまざまなベンチャー・キャピタル・ファンドの運用および投資先会社へのプラ イベート・エクイティ関連投資サービスの提供を行っております。 2014年3月、当社はジャフコの普通株式2,200,000株を売却しました。売出しの結果、野村のジャフコに対する持分は、 2013年3月末の24.4%から19.4%に低下しました。野村は依然としてジャフコの営業上および財務上の意思決定に対し重 要な影響力を保持しているため、ジャフコを引き続き持分法にて会計処理しております。 2015年3月31日現在、野村のジャフコに対する持分は19.5%であり、ジャフコから発生する持分法によるのれんの未償 却残高はありません。 NRI NRIは、情報システムの開発・運用処理業務および調査研究・経営コンサルティング業務を行っております。野村は、 NRIの主要顧客のひとつであります。 2015年3月31日現在、野村のNRIに対する持分は37.9%であり、NRIから発生する持分法によるのれんの未償却残高は 57,210百万円であります。 フォートレス フォートレスは世界的な資産運用会社であり、プライベート・エクイティ・ファンド、ヘッジファンドの資金調達から 投資・運営を行い、オルタナティブ投資を行っております。フォートレスへの投資は、リミテッド・パートナーシップへ の投資として扱われ、持分法が適用されていました。 2014年2月13日、野村は保有するフォートレスに対する持分をすべてフォートレスに売却しました。持分の売却に伴い、 フォートレスは野村の持分法適用対象ではなくなっております。 野村不動産ホールディングス 野村不動産ホールディングスは、野村不動産グループの持株会社であり、主な事業内容は、住宅事業、賃貸事業、資産 運用事業、その他不動産に関連する業務となっております。 2015年3月31日現在、野村の野村不動産ホールディングスに対する持分は34.1%であり、野村不動産ホールディングス から発生する持分法によるのれんの未償却残高は11,012百万円であります。 要約財務情報 ジャフコ、NRI、野村不動産ホールディングスを合計した要約財務情報は以下のとおりです。 ― 127 ― (単位:百万円) 2014年3月31日 2015年3月31日 資産合計 2,089,844 2,268,874 負債合計 1,247,768 1,308,632 (単位:百万円) 2014年3月期 2015年3月期 収益 947,213 781,110 金融費用以外の費用 779,690 610,747 87,261 119,838 当該会社に帰属する当期純利益 フォートレスの要約財務諸表は以下のとおりです。 (単位:百万円) 2014年3月期(1) 収益 144,349 金融費用以外の費用 89,338 当該会社に帰属する当期純利益 20,071 (1) フォートレスの財務情報は2013年12月期の年度決算数値を使用しております。 野村は3ヶ月の遅れをもってフォートレスの経営成績を取り込みます。 「注記8 リース」に開示されているNRIからのリース料の受取りを除く、関連会社およびその他の持分法投資先との債 権債務および取引の概要は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月31日 関連会社に対する投資 2015年3月31日 339,637 376,174 関連会社に対する貸付金 5,797 2,104 関連会社に対するその他の債権 6,919 2,328 関連会社に対するその他の債務 9,344 6,720 (単位:百万円) 2014年3月期 収益 2015年3月期 411 688 金融費用以外の費用 57,687 48,176 ソフトウエア、有価証券および有形固定資産の購入 26,655 26,772 関連会社およびその他の持分法投資先に対する投資のうち取引所価格のあるものの帳簿価額および公正価値の総計は、 以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月31日 2015年3月31日 帳簿価額 330,983 362,984 公正価値 429,854 530,570 ― 128 ― 上記に記載の会社を含む持分法投資先からの投資利益は、2014年3月期が37,805百万円の利益、2015年3月期が43,028 百万円の利益となっております。持分法投資利益は連結損益計算書上、収益―その他に計上されております。持分法投資 先からの配当額は、2014年3月期が8,306百万円、2015年3月期が8,256百万円となっております。 20 コミットメント、偶発事象および債務保証: コミットメント 信用および投資関連コミットメント 野村は、銀行もしくは金融業務の一環として、貸出コミットメントを行っており、この契約義務には一般に固定満期日 が設定されております。投資銀行業務に関連して、野村は顧客により発行されうる債券を引き受けることを保証する契約 を結んでおります。この契約のもとでのコミットメント残高は貸出コミットメントに含まれております。 また野村は、主にマーチャント・バンキング業務に関連して、パートナーシップ等に投資するコミットメントを行って おります。また当該投資に関連しパートナーシップ等に資金提供するコミットメントを行っております。この契約のもと でのコミットメント残高はパートナーシップ等へ投資するコミットメントに含まれております。 野村の連結変動持分事業体には、航空機の購入およびオペレーティング・リース事業に投資する特別目的事業体が含ま れており、それらの中には、航空機を購入するコミットメント契約を結んでいるものがあります。この契約のもとでのコ ミットメント残高は航空機購入コミットメントに含まれております。 2014年3月31日および2015年3月31日において、上記の各コミットメントの残高は、それぞれ以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月31日 貸出コミットメント パートナーシップ等へ投資するコミットメント 2015年3月31日 479,634 421,526 18,460 20,710 4,409 - 航空機購入コミットメント 2015年3月31日現在の上記コミットメントを満期年限別に集計いたしますと、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 満期年限 契約金額 貸出コミットメント パートナーシップ等へ投資する コミットメント 航空機購入コミットメント 1年以内 1~3年 3~5年 5年超 421,526 50,395 74,747 181,211 115,173 20,710 2,676 318 6,462 11,254 - - - - - こうした貸出コミットメントにかかる契約金額は、契約がすべて実行され、取引相手先が債務不履行の状態となり、既 存担保が無価値になったと仮定した場合に想定される、野村の信用関連損失の最大値を表しております。締結された契約 が実行されることなく契約義務が満期を迎える場合もあるため、こうした信用関連コミットメントの契約金額は将来の現 金所要額を必ずしも表わしているわけではありません。こうした契約義務にかかる信用リスクは、顧客の信用力および受 入担保の価値によって異なるものになります。野村は、各顧客の信用力を個別に評価しております。信用供与に際して必 ― 129 ― 要と考えられる場合に野村が取引相手から受け入れる担保の金額は、取引相手の信用力評価に基づいております。 その他のコミットメント 建物設備等の工事、広告宣伝、コンピュータ・IT関連の維持管理などに関する契約を含む物品およびサービスを購入す る義務は、2014年3月31日現在15,901百万円、2015年3月31日現在18,779百万円となっております。 野村は担保付契約および担保付調達に関連する金額を含む売戻契約および買戻契約を結ぶ義務を負っております。これ らのコミットメントは2014年3月31日現在、売戻契約に対して2,365十億円および買戻契約に対して771十億円、2015年3 月31日現在、売戻契約に対して3,140十億円および買戻契約に対して1,296十億円となっております。 日本では、参加者が金融機関との間で債券・株式の貸借取引を無担保で行う市場があります。この取引に基づき、野村 は無担保で借入れた債券・株式を返済する義務を2014年3月31日現在259十億円、2015年3月31日現在358十億円負ってお ります。 証券決済機関および取引所の会員として、野村は当該決済機関および取引所に対して債務不履行となった他の会員の財 務上の義務の一部を支払うことを要求される可能性があります。これらの保証は一般的に会員契約の下で求められます。 これらのリスクを軽減するために取引所および決済機関はしばしば会員に担保を差し入れることを求めます。このような 保証の下で野村が支払いを行う可能性は低いと考えられます。 偶発事象 訴訟その他法的手続き 野村は、グローバルな金融機関として通常の業務を行う過程で訴訟およびその他の法的手続きに関係せざるを得ません。 その結果として、野村は罰金、違約金、賠償金または和解金もしくは訴訟費用または弁護士費用等の負担を強いられるこ とがあります。 これらの訴訟や法的手続きの結果を予想することは難しく、とりわけ、巨額の賠償請求または金額未定の賠償請求の場 合、法的手続きが初期段階にある場合、新たな法的論点が争われている場合、多数の当事者が手続きに関与している場合、 複雑または不明確な法律が適用されている国外の法域で手続きが進められる場合等には特に困難であるといえます。 当社は外部弁護士と協議の上でそれら法的手続きならびに請求を個々の事案について定期的に評価を行い、それらの損 失額の水準や範囲を見積もることが可能かどうか査定しております。当社は、編纂書450「偶発事象」(以下「編纂書450」) に従い、個々の事案について損失が生じる蓋然性が高く、かつそのような損失の金額を見積もることが合理的に可能な場 合にはこれら個々の事案について損失リスクに関する負債を計上します。負債計上される金額は少なくとも四半期ごとに 見直され、新たな情報をもとに修正されます。個別の事案についてこれらの基準が満たされない場合、例えば、損失が生 じる可能性はあるものの、その蓋然性が高いとまでは言えないような場合、負債は計上されません。しかし、重大な損失 が発生する合理的な可能性がある場合、当社はその法的手続きまたは請求の詳細を以下において開示します。編纂書450 において合理的な可能性がある場合とは当社に対する損失の発生の蓋然性は高くはないが、その可能性が低いとまでは言 えない場合であると定義されております。 ― 130 ― 野村に対する主な訴訟および法的手続きの概要は以下のとおりです。連結財務諸表の作成基準日時点の情報に基づき、 当社は、これらの法的手続きの解決が当社の財務状況に重大な影響を与えるものではないと考えています。しかしながら、 これらの事案の結果が、特定の四半期または事業年度の連結損益計算書やキャッシュ・フローに重大な悪影響を及ぼす可 能性もあります。 以下の野村に対する主な訴訟および法的手続きの一部について、当社は、負債計上されている額(もしあれば)を超え て合理的に発生する可能性のある損失額または合理的に発生する可能性のある損失の範囲を見積もることができます。こ れらの見積もりは、連結計算書類の作成基準日時点の情報に基づき算出されています(各事案において野村に対して主張 されている特定の損害額や請求を含みますがこれらに限りません)。2015年6月25日現在、当社は、合理的に発生する可 能性のある損失の範囲を見積もることができるこれらの事案において、負債計上されている額を超えて合理的に発生する 可能性のある最大損失額の合計は、約450億円であると見積もっています。 その他の主要な訴訟および法的手続きについて、当社は合理的に発生する可能性のある損失額やその範囲を見積もるこ とができません。その理由としては、とりわけ①法的手続きが初期段階にあり、主張されている請求に根拠があるかどう かを判断する情報が十分にないこと、②損害を相手方が明らかにしていないこと、③損害に根拠がないこと、または損害 が誇張されていること、④係属中の控訴または申立ての結果が不確かであること、⑤時効の適用などを含め、請求の却下 にもつながる重要な法律問題が解決されていないこと、または⑥請求に関連してこれまでに議論されなかったまたは未解 決の法的な論点が争われていることなどが挙げられます。 2008年1月、ノムラ・インターナショナル PLC(以下「NIP」)は、イタリア共和国ペスカーラ県の租税局から、二重課 税にかかる英伊租税条約(1998年)に反した行為があったとする通知を受領しました。その通知の内容は、イタリア株式 の配当金に関して、NIPが既に還付金として受領した約33.8百万ユーロおよび金利の返還を求めるものでした。NIPは同県 租税裁判所の租税局の主張を認める決定を不服としその取り消しを求めております。 2010年10月および2012年6月に、Fairfield Sentry およびFairfield Sigmaの2つのファンド(共に清算手続き中。以 下総称して「Fairfield」)が過去にNIPに支払った償還金の返還を求めて、2件の訴訟がNIPに対して提起されています。 Fairfieldは、米国のBernard L. Madoff Investment Securities LLC(米国証券投資者保護法に基づき2008年12月より清 算手続き中。以下「BLMIS」)を主たる運用先としていました。1件目の訴訟は2010年10月にFairfieldの清算人が米国の 州裁判所に提起したもので、その後、米国の連邦破産裁判所に移送されました。2件目の訴訟はBLMISの破産管財人(以 下「Madoff管財人」)が米国の連邦破産裁判所に提起した訴訟で、2012年6月に、NIPが被告として追加されたものです。 これら2件の訴訟は、同じ約35百万米ドルの償還金の返還を請求するものです。 2011年3月、インドネシアの銀行、ピーティー・バンク・ムティアラ(以下「バンク・ムティアラ」)は、NIPが設立し た特別目的事業体に対してスイス・チューリッヒ州裁判所に訴訟を提起しました。当該特別目的事業体はNIPの連結対象 となっております。本件訴訟は、当該特別目的事業体による第三者(テルトップ・ホールディング・リミテッド(以下「テ ルトップ」))へのローンの担保権の帰属をめぐる係争であり、担保の対象は、スイスのある銀行口座の預金約156百万米 ドル相当であります。テルトップは現在清算中であります。当該特別目的事業体は、バンク・ムティアラによる担保権主 張には根拠がないと考えており、預金の引渡しを求めています。2014年10月2日、NIPは、預金は当該特別目的事業体の みに帰属すると認めた裁判所の判決文を受領しました。当該判決に対し、バンク・ムティアラは上告しており、NIPはこ れに対し従来どおり預金は当該特別目的事業体に帰属する旨主張してまいります。 ― 131 ― 2011年4月、ボストン連邦住宅貸付銀行は住宅用不動産ローン担保証券(以下「RMBS」)の発行体、スポンサー、引受 人ならびにそれらの親会社など多数の者に対してマサチューセッツ州裁判所に訴訟を提起しました。その中にはノムラ・ アセット・アクセプタンス・コーポレーション(以下「NAAC」)、ノムラ・クレジット&キャピタルInc.(以下「NCCI」)、 ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル Inc.(以下「NSI」)およびノムラ・ホールディング・アメリカInc.(以 下「NHA」)が含まれております。ボストン連邦住宅貸付銀行はNAACが発行したRMBSを購入したが、募集資料の中に、証券 の裏付けとされているそれぞれのローンを最初に貸付けた業者の貸付基準ならびにそれらローンの特性に関連して不実 記載があった、または重要事実が記載されていなかったと主張しています。ボストン連邦住宅貸付銀行は州法に基づき購 入の取り消しまたは損害賠償を請求しています。ボストン連邦住宅貸付銀行はNAACが発行した約406百万米ドルの証券を 4回にわたる募集において購入したと主張しています。現在、証拠開示手続きが行われております。 2011年7月、ウエスタン・コーポレート連邦信用組合(Western Corporate Federal Credit Union(以下「WesCorp」)) の清算人である米国信用組合管理機構(National Credit Union Administration Board(以下「NCUA」))はRMBSの発行体、 スポンサー、引受人などに対してカリフォルニア中部地区連邦地方裁判所に訴訟を提起しました。その中にはNAACおよび ノムラ・ホーム・エクイティ・ローンInc.(以下「NHEL」)が含まれております。WesCorpは募集資料の中に、証券の裏付 けとされているそれぞれのローンを最初に貸付けた業者の貸付基準に関連して不実記載があった、または重要事実が記載 されていなかったと主張しています。WesCorpは2回にわたる募集において約83百万米ドルの証券を購入したと主張し、 購入の取り消しまたは損害賠償を請求しています。裁判所はNHELに対するNCUAの請求を却下しましたが、NCUAは第9巡回 区控訴裁判所において控訴しています。また、NAACに対するNCUAの請求については、訴訟が係属しており、現在、証拠開 示手続きが行われております。 2011年9月、連邦住宅抵当公庫(Federal National Mortgage Association)ならびに連邦住宅金融抵当金庫(Federal Home Loan Mortgage Corporation) (以下総称して「政府系機関」)の財産管理人である米連邦住宅金融局(Federal Housing Finance Agency)は、RMBSの発行体、スポンサー、引受人ならびにそれらの親会社などに対してニューヨーク南部地区連 邦地方裁判所に訴訟を提起しました。その中には当社の米国子会社であるNAAC、NHEL、NCCI、NSIおよびNHAが含まれてお ります。政府系機関はNAACおよびNHELが発行したRMBSを購入したが、募集資料の中に、証券の裏付けとされているそれぞ れのローンを最初に貸付けた業者の貸付基準ならびにそれらローンの特性に関連して不実記載があった、または重要事実 が記載されていなかったと主張しています。政府系機関は7回にわたる募集において約20億46百万米ドルの証券を購入し たと主張し、購入の取り消しを請求しています。2015年3月16日から裁判官による審理が行われ、2015年4月9日に最終 弁論が終了しました。2015年5月15日、裁判所の判決が言い渡され、裁判所は政府系機関が被告らに対し訴訟の対象とな っているRMBSを引き渡す代わりに、被告らが政府系機関に対し 806百万米ドルを支払うよう命じました。当社米国子会社 らは2015年6月10日に控訴しました。 2011年10月、米国中央連邦信用組合(U.S. Central Federal Credit Union(以下「U.S. Central」))の清算人である 米国信用組合管理機構(National Credit Union Administration Board)はRMBSの発行体、スポンサー、引受人などに対 してカンザス地区連邦地方裁判所に訴訟を提起しました。その中にはNHELが含まれております。U.S. CentralはNHELが発 行したRMBSを購入したが、募集資料の中に、証券の裏付けとされているそれぞれのローンを最初に貸付けた業者の貸付基 準に関連して不実記載があった、または重要事実が記載されていなかったと主張しています。U.S. Centralは1回の募集 において約50百万米ドルの証券を購入したと主張し、購入の取り消しまたは損害賠償を請求しています。当社の米国子会 社らからの請求却下の申立ては、一審ならびに第10巡回区控訴裁判所において棄却され、上告していましたが、連邦最高 裁判所は控訴審判決を破棄し、同控訴裁判所に直近の最高裁判決を基に再考するよう、差し戻しました。同控訴裁判所は、 請求却下の申立てを再度棄却し、現在、証拠開示手続きが行われています。 ― 132 ― 2011年11月、NIPはBLMISの破産手続きのために、ニューヨーク南部地区米国破産裁判所によって任命されたMadoff管財 人からの訴状の送達を受けました。Madoff管財人は同様の訴訟を多数の法人に対して提起しています。Madoff管財人は、 NIPがBLMISに投資を行うフィーダー・ファンドであったHarley International (Cayman) Limitedから償還金を2008年12 月11日(BLMISに対して破産手続きが開始された日)以前の6年間に受け取ったと主張し、これを返還するよう、連邦破 産法ならびにニューヨーク州法に基づいて求めています。Madoff管財人によるNIPに対する返還請求の金額は、約21百万 米ドルです。 2012年8月、米国プルデンシャル保険会社(The Prudential Insurance Company of America)およびその関連会社(以 下総称して「プルデンシャル」)は、RMBSの発行体、スポンサーおよび引受人であるNHEL、NCCIおよびNSIに対して、ニュ ージャージー州裁判所に訴訟を提起しました(その後、訴訟は連邦裁判所に移送されています)。プルデンシャルは、RMBS を5回にわたる募集において約183百万米ドル購入したが、募集資料の中に、証券の裏付けとされているローンの貸付行 為および質について重大かつ詐欺的な表明保証違反があったと主張しています。プルデンシャルは、詐欺的行為、不実表 示および組織的犯罪処罰法違反があったと主張し、損害賠償等を求めています。裁判所は、当社の米国子会社による請求 却下の申立てを棄却し、現在、証拠開示手続きが行われています。 2013年3月、モンテパスキ銀行(以下「MPS」)は、MPSの元役員2名およびNIPに対してイタリアの裁判所に訴えを提起 しました(以下「MPS訴訟」)。この訴えにおいてMPSは、当該銀行の元役員が2009年に不正にNIPとのデリバティブ取引を 締結したと主張し、元役員の違法行為につきNIPは、連帯して責任を負うと主張しています。また、その損害額は少なく とも963百万ユーロであると主張しています。2013年7月、MPSの大株主(Fondazione Monte dei Paschi di Siena(以下 「FMPS」))は、MPSの元役員およびNIPに対してMPS訴訟と同様の訴えを提起しました(以下「FMPS訴訟」)。この訴えにつ いて、FMPSは損害額を特定していません。2013年4月15日、イタリアのシエナ地方検察当局(以下「検察当局」)は、MPS およびMPSの元役員らが当該デリバティブ取引において果たした役割等の解明のため捜査を開始しており、検察当局は、 当該デリバティブ取引についてイタリア法上の違法行為があった可能性があるとして、NIPおよび英国銀行法人のノム ラ・バンク・インターナショナルPLC(以下「NBI」)が、イタリア国内で管理する、または今後イタリア国内で受領する 資産18億ユーロ超に関する資産凍結の命令を発令しました。しかしながら、イタリアの裁判所はこれまで当該資産凍結命 令を有効と認めておらず、検察当局は上告していましたが、2014年3月25日にローマの最高裁判所での上告審が行われ、 裁判所は当該申立ての一部を棄却し、一部については事実認定を下級裁判所が行うべきと判断しました。2014年9月17日 の資産凍結命令の再審理において、検察当局は資産凍結命令に関する上告を取り下げました。これにより、NIPおよびNBI に対する資産凍結命令に関する手続きは、当該命令が有効になることなく終了しましたが、本件に関する捜査はミラノ地 方検察当局に引き渡されました。2015年4月3日、ミラノ地方検察当局は、予備捜査を終了する通知を発出しました。検 察当局は、2009年のMPSの会計に関して不正会計および相場操縦があったとして、MPS、MPSの元役員3名、NIPおよびNIP の元役員ならびに職員の2名の起訴に向けて手続きを進めています。2015年10月12日より、起訴の是非を判断する裁判所 の予備審問が開始される予定です。更に、2013年3月、NIPは、MPSとの取引が有効であり法的拘束力がある旨を確認する ため、MPSに対して英国の裁判所に訴えを提起しました。2014年3月、MPSは反論書を提出し、取引が違法であり無効であ ると主張するとともに、NIPは当該取引の下で受け取った約15億ユーロを返還するべきと主張しています。2014年6月、 NIPはMPSの主張に対する反論書を提出し、これらの訴訟におけるNIPの主張が正当であると主張しています。 ― 133 ― 2014年7月15日、NIPは、イタリアのシチリア地方裁判所より事前通告無く、2005年および2006年に締結された金利ス ワップ取引にかかるシチリア州のNIPに対する利払い、6.9百万ユーロに関して2014年7月7日付けの資産差押命令を受領 しました。更に、2014年7月25日、NIPは、同じくシチリア地方裁判所より事前通告無く、2001年から2006年に締結され た取引についてNIPが不当に利得したとされる98.3百万ユーロの現金および他の金融資産に関して2014年7月23日付けの 資産差押命令を受領しました。これらの資産差押命令に対するNIPの主張が認められ、イタリアの裁判所により資産差押 は解除されております。シチリア州との取引は有効です。また、現時点においてNIPに対する民事訴訟も提起されており ません。 野村證券株式会社(以下「野村證券」)は日本を代表する証券会社であり、同社の顧客口座数は約526万口座におよびま す。同社の顧客との多くの取引において、顧客の投資損失などをめぐっての係争が、場合によっては訴訟になることがあ ります。その中には、2012年4月に野村證券に対して提起された、法人顧客からの損害賠償請求訴訟で、2003年から2008 年にかけて購入した為替関連の仕組み債16銘柄を償還期限前に売却した際に発生した損失額等の5,102百万円の賠償を求 めるもの、2013年4月に法人顧客より提起された2005年から2011年にかけて行われた為替デリバティブ取引およびエクイ ティ関連の仕組み債11銘柄の売却や償還により発生した損失額等の10,247百万円の損害賠償を求めるもの、2014年10月に 法人顧客より提起された2006年から2012年にかけて行われた為替デリバティブ取引により発生した損失額等の2,143百万 円の損害賠償を求めるものが含まれます。これらの訴訟の顧客は、取引契約時点における、野村證券による説明義務違反 等を主張していますが、同社はこれらの顧客の主張には理由が無いと考えております。 上記に記載したいずれの訴訟においても、当社は、当社子会社による主張が正当に認められるものと確信しております。 上記以外の米国における不動産証券化商品に関する偶発債務 当社の米国子会社では、住宅用不動産担保ローンをRMBSとする証券化を行っておりました。これらの子会社では、原則 として、不動産を担保に自ら貸付を行うのではなく、第三者であるローン組成業者(以下「オリジネーター」)から不動 産担保付ローンを購入しておりました。ローンの購入に際しては、オリジネーターから、ローン債権の内容に関する表明 保証(representations)を受け入れておりました。証券化にあたって子会社が行った表明保証は、オリジネーターから 受け入れた表明保証の内容をそのまま反映させたもので、その内容は概ね以下のとおりです。 不動産担保ローンの証券化のためのローン債権に関して提供される表明保証とは、個々のローン債権に関する詳細なも ので、ローンの借り手および当該不動産の特性に応じたものです。これらの表明保証には、借り手の信用状態、対象不動 産価値のローン債権額に対する比率、対象不動産の所有者による当該不動産の居住利用状況、抵当権の順位などの情報、 オリジネーターのガイドラインに従ってローンが組成された事実、ならびにローンが関連法令に従い適法に組成された旨 の事実等が含まれます。子会社組成のRMBSの中には、いわゆるモノラインの保険会社が保険を付与して信用が補完された ものもありました。 子会社の中には、証券の信託受託者から、ローンを買戻すように請求を受けているものがあります。これらの請求は保 険提供者であるモノラインや、投資家の要請によるものがあると思われます。各証券化から6年以内に当社子会社らが買 戻し請求を受けたローンの元本合計金額は3,203百万米ドルです。表明保証違反に基づく請求に適用される時効成立後に 買戻し請求を受けたものについては、当社子会社らは買戻しに応じていません。6年以内に買戻し請求を受けたものにつ いては、当社子会社らは個々の請求を精査し、請求の根拠がないと考えられるものについては異議を唱え、一定の意義を 見出せる請求についてはローンの買戻しに応じています。当社子会社らが買戻しに応じなかった請求の一部については、 ― 134 ― 契約違反として証券の信託受託者から訴訟が提起されているものもあります。契約違反に関する請求に適用される6年の 時効成立前に提起された訴訟については、却下されることなく初期段階にあります。これらの訴訟は事実に基づく情報が 欠如し法的に不確定な部分が多く存在するため、当社は負債計上されている額を超えて合理的に発生する可能性のある損 失額を見積もることはできません。 債務保証 編纂書460「保証」は、債務保証をすることに伴い認識される義務に関する開示を規定し、債務保証義務の公正価値を 負債として認識することを要求しております。 野村は、通常の業務の一環として、スタンドバイ信用状およびその他の債務保証の方法で取引相手とさまざまな債務保 証を行っており、こうした債務保証には一般に固定満期日が設定されております。 加えて、野村は債務保証の定義に該当する一定のデリバティブ取引を行っております。こうしたデリバティブ取引は被 債務保証者の資産、負債または持分証券に関連する原証券の変動に伴って債務保証者が被債務保証者に支払いを行うこと が偶発的に求められるようなデリバティブ取引であります。野村は顧客がこれらのデリバティブ取引を投機目的で行って いるのかまたはヘッジ目的で行っているかを把握していないため、債務保証の定義に該当すると考えられるデリバティブ 取引に関して情報を開示しております。 一定のデリバティブ取引によって、野村が将来支払わなければならない潜在的な最大金額の情報として契約の想定元本 額を開示しております。しかしながら、金利キャップ売建取引および通貨オプション売建取引のような一定のデリバティ ブ取引に対する潜在的な最大支払額は、将来の金利または為替レートにおける上昇が理論的には無制限であるため、見積 もることができません。 野村はすべてのデリバティブ取引を連結貸借対照表に公正価値で認識しております。また、想定元本額は一般的にリス ク額を過大表示していると考えております。デリバティブ取引は公正価値で認識されているため、帳簿価額は個々の取引 に対する支払、履行リスクを最も適切に表すものと考えております。 債務保証の定義に該当すると考えられる野村のデリバティブ取引およびスタンドバイ信用状およびその他の債務保証 は以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2014年3月31日 潜在的な 最大支払額 または契約額 帳簿価額 デリバティブ取引(1)(2) スタンドバイ信用状および その他の債務保証(3) 2015年3月31日 潜在的な 最大支払額 または契約額 帳簿価額 5,155,198 195,466,506 7,961,476 253,243,082 276 11,509 291 9,494 ― 135 ― (1) クレジット・デリバティブは「注記3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」で開示されており、上記デリバティ ブ取引には含まれておりません。 (2) 主にエクイティ・デリバティブ、金利デリバティブおよび為替取引で構成されております。 (3) スタンドバイ信用状およびその他の債務保証に関連して保有される担保は2014年3月31日においては6,487百万 円でした。2015年3月31日現在においては7,041百万円となっております。 2015年3月31日現在の債務保証の定義に該当すると考えられる野村のデリバティブ取引およびスタンドバイ信用状お よびその他の債務保証にかかる満期年限別の情報は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 潜在的な最大支払額または契約額 満期年限 帳簿価額 デリバティブ取引 1年以内 1~3年 3~5年 5年超 7,961,476 253,243,082 92,239,350 76,301,785 22,716,918 61,985,029 291 9,494 13 8 - 9,473 スタンドバイ信用状およびそ の他の債務保証 21 計 セグメントおよび地域別情報: 【事業別セグメント】 野村の業務運営および経営成績の報告は、営業部門、アセット・マネジメント部門、ホールセール部門の区分で行われ ております。野村の事業別セグメントの構成は、主要な商品・サービスの性格および顧客基盤ならびに経営管理上の組織 に基づいております。 セグメント情報の会計方針は、以下の処理を除き、実質的に米国会計原則に従っております。米国会計原則では税引前 当期純利益(△損失)に含まれる営業目的で保有する投資持分証券の評価損益の影響は、セグメント情報に含まれており ません。 各事業セグメントに直接関わる収益および費用は、それぞれのセグメントの業績数値に含め表示されております。特定 のセグメントに直接帰属しない収益および費用は、経営者がセグメントの業績の評価に用いる野村の配分方法に基づき、 各事業セグメントに配分されるかあるいはその他の欄に含め表示されております。 次の表は、2014年3月期および2015年3月期における事業別セグメントの業績を示したものであります。経営者は経営 の意思決定上、金融費用控除後の金融収益を利用しているため、純金融収益が開示されております。総資産についての事 業別セグメント情報は、経営者が経営の意思決定上当該情報を利用していないため経営者に報告されていないことから、 開示されておりません。 ― 136 ― (単位:百万円) アセット・ マネジメント 部門 ホールセール 部門 505,911 77,354 637,987 183,514 1,404,766 6,005 3,126 127,110 5,335 141,576 収益合計(金融費用控除後) 511,916 80,480 765,097 188,849 1,546,342 金融費用以外の費用 319,915 53,373 653,299 168,869 1,195,456 税引前当期純利益(△損失) 192,001 27,107 111,798 19,980 350,886 471,565 88,802 626,228 282,542 1,469,137 4,940 3,552 163,639 △61,777 110,354 収益合計(金融費用控除後) 476,505 92,354 789,867 220,765 1,579,491 金融費用以外の費用 314,675 60,256 707,671 174,815 1,257,417 税引前当期純利益(△損失) 161,830 32,098 82,196 45,950 322,074 営業 部門 その他 (消去分 を含む) 計 2014年3月期 金融収益以外の収益 純金融収益 2015年3月期 金融収益以外の収益 純金融収益 事業セグメント間の取引は、通常の商取引条件によりそれぞれのセグメント業績に計上されており、消去はその他の欄 において行われております。 次の表は、その他の欄の税引前当期純利益(△損失)の主要構成要素を示したものであります。 (単位:百万円) 2014年3月期 経済的ヘッジ取引に関連する損益 営業目的で保有する投資持分証券の実現損益 関連会社損益の持分額 本社勘定 その他 (1) 計 2015年3月期 17,403 15,120 4,428 4,725 28,571 42,235 △38,772 △20,119 8,350 3,989 19,980 45,950 (1)その他には自社の信用リスクによる影響額等が含まれております。 次の表は、前出の表に含まれる合算セグメント情報の、野村の連結損益計算書上の収益合計(金融費用控除後)、金融 費用以外の費用計ならびに税引前当期純利益(△損失)に対する調整計算を示したものであります。 ― 137 ― (単位:百万円) 2014年3月期 収益合計(金融費用控除後) 2015年3月期 1,546,342 1,579,491 10,728 24,685 連結収益合計(金融費用控除後) 1,557,070 1,604,176 金融費用以外の費用計 1,195,456 1,257,417 ― - 1,195,456 1,257,417 350,886 322,074 10,728 24,685 361,614 346,759 営業目的で保有する投資持分証券の評価損益 営業目的で保有する投資持分証券の評価損益 連結金融費用以外の費用計 税引前当期純利益 営業目的で保有する投資持分証券の評価損益 連結税引前当期純利益 【地域別情報】 野村の識別可能な資産、収益および費用の配分は、一般にサービスを提供している法的主体の所在国に基づき行われて おります。ただし、世界の資本市場が統合され、それに合わせて野村の営業活動およびサービスがグローバル化している ため、地域による厳密な区分は不可能な場合があります。こうしたことから、以下の地域別情報の作成に際しては複数年 度にわたり一貫性のあるさまざまな仮定をおいております。 次の表は、2014年3月期および2015年3月期における地域別業務ごとの収益合計(金融費用控除後)および税引前当期 純利益(△損失)ならびに2014年3月末および2015年3月末時点での野村の業務にかかる長期性資産の地域別配分を示し たものであります。米州および欧州の収益合計(金融費用控除後)は、主にそれぞれ米国および英国における事業から構 成されております。なお、地域別配分方法において、収益合計(金融費用控除後)および長期性資産については外部顧客 との取引高を基準とし、税引前当期純利益(△損失)においては、地域間の内部取引を含む取引高を基準としております。 2014年3月期 (単位:百万円) 2015年3月期 収益合計(金融費用控除後)(1): 米 州 262,684 207,859 欧 州 232,735 201,278 62,622 86,746 558,041 495,883 アジア・オセアニア 小 計 日 本 999,029 1,108,293 連 結 1,557,070 1,604,176 (1) 単独で重要とみなされる外部の顧客との取引から生ずる収益はありません。 ― 138 ― (単位:百万円) 2014年3月期 2015年3月期 税引前当期純利益(△損失): 米 州 29,472 △27,575 欧 州 △48,911 △23,455 △5,247 34,594 △24,686 △16,436 アジア・オセアニア 小 計 日 本 386,300 363,195 連 結 361,614 346,759 2014年3月31日 (単位:百万円) 2015年3月31日 長期性資産: 米 州 133,147 146,758 欧 州 93,111 88,928 16,163 14,891 242,421 250,577 アジア・オセアニア 小 計 日 本 281,780 274,202 連 結 524,201 524,779 ― 139 ― 【借入金の主要な借入先及び借入金額】 「注記10 借入」をご参照ください。 野村ホールディングス(単体)に係る主要な借入先等は以下のとおりです。 (単位:百万円) (2014 年3月 31 日現在) 借 入 先 借入金の種類 借入金の残高 長期借入金 274,896 短期借入金* 101,440 長期借入金 295,000 株式会社三菱東京 UFJ 銀行 株式会社みずほ銀行 短期借入金** 76,440 長期借入金 290,576 短期借入金* 80,864 長期借入金 40,000 短期借入金* 30,000 長期借入金 120,000 長期借入金 70,000 短期借入金* 30,000 みずほ信託銀行株式会社 長期借入金 30,000 株式会社千葉銀行 長期借入金 42,000 長期借入金 10,000 短期借入金* 25,000 長期借入金 20,000 短期借入金* 10,000 第一生命保険株式会社 長期借入金 40,000 日本生命保険相互会社 長期借入金 30,432 株式会社三井住友銀行 株式会社りそな銀行 三井住友信託銀行株式会社 三菱 UFJ 信託銀行株式会社 株式会社静岡銀行 株式会社八十二銀行 (注) 1. 借入金の種類欄の*は 1 年以内返済期限到来の長期借入金です。 2. 借入金の種類欄の**は 1 年以内返済期限到来の長期借入金 25,000 百万円を含みます。 ― 140 ― (単位:百万円) (2015 年3月 31 日現在) 借 入 先 借入金の種類 借入金の残高 長期借入金 398,897 短期借入金 24,020 長期借入金 361,055 短期借入金 30,025 株式会社三井住友銀行 長期借入金 390,100 株式会社りそな銀行 長期借入金 50,000 三井住友信託銀行株式会社 長期借入金 152,010 三菱 UFJ 信託銀行株式会社 長期借入金 100,000 みずほ信託銀行株式会社 長期借入金 35,000 株式会社千葉銀行 長期借入金 42,000 株式会社静岡銀行 長期借入金 35,000 株式会社八十二銀行 長期借入金 30,000 農林中央金庫 長期借入金 54,045 第一生命保険株式会社 長期借入金 40,000 明治安田生命保険相互会社 長期借入金 34,020 日本生命保険相互会社 長期借入金 33,015 株式会社三菱東京 UFJ 銀行 株式会社みずほ銀行 3.保有する有価証券(トレーディング商品に属するものとして経理された有価証券を除く。)の取得価額、時価及び 評価損益 「注記5 トレーディング目的以外の有価証券」をご参照ください。 4.デリバティブ取引(トレーディング商品に属するものとして経理された取引を除く。)の契約価額、時価及び評価 損益 「注記3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。 5.最終指定親会社及びその子会社等が二以上の異なる種類の事業を行っている場合の事業の種類ごとの区分に従い、 当該区分に属する営業収益、経常利益又は経常損失及び資産の額として算出したもの 「注記21 セグメントおよび地域別情報」をご参照ください。 6.連結財務諸表に関する会計監査人等による監査の有無 本説明書に記載の連結財務諸表は、金融商品取引法第 193 条の2第1項の規定に基づき、新日本有限責任監査 法人の監査を受けており、同監査法人より適正意見が表明されております。なお、当社は、会社法第 444 条第4項 の規定に基づき、連結計算書類について会計監査人(新日本有限責任監査法人)の監査を受けております。 ― 141 ― 7.連結自己資本規制比率及び経営の健全性の状況 第1部 自己資本の構成に関する開示事項 (単位:百万円、%) 2014 年 12 月末 項目 2015 年3月末 経過措置によ る不算入額 経過措置によ る不算入額 国際様式の 該当番号 普通株式等 Tier1 資本に係る基礎項目 (1) 普通株式に係る株主資本の額 2,548,078 2,553,498 1a+2-1c-26 うち、資本金及び資本剰余金の額 1,276,418 1,277,900 1a うち、利益剰余金の額 1,391,625 1,427,402 2 119,965 151,805 1c うち、社外流出予定額(△) - - 26 うち、上記以外に該当するものの 額 - - - - うち、自己株式の額(△) 普通株式に係る新株予約権の額 その他の包括利益累計額及びその他公 表準備金の額 25,756 普通株式等 Tier1 資本に係る調整後非 支配株主持分の額 - - 経過措置により普通株式等 Tier1 資本 に係る基礎項目の額に算入されるもの の額の合計額 5,700 4,524 普通株式等 Tier1 資本に係る基 (イ) 礎項目の額 2,579,534 103,025 47,187 1b 70,780 3 5 103,025 2,605,209 70,780 6 普通株式等 Tier1 資本に係る調整項目(2) 無形固定資産(モーゲージ・サービシン グ・ライツに係るものを除く。)の額の 合計額 45,489 181,955 90,516 135,774 8+9 うち、のれんに係るもの(のれん 相当差額を含む。)の額 17,299 69,195 34,476 51,714 8 うち、のれん及びモーゲージ・サ ービシング・ライツに係るもの以 外の ものの額 28,190 112,760 56,040 84,060 9 繰延税金資産(一時差異に係るものを除 く。)の額 1,646 6,583 1,442 2,163 10 - - - - 11 7,805 31,219 16,217 24,326 12 証券化取引に伴い増加した自己資本に 相当する額 - - - - 13 負債の時価評価により生じた時価評価 差額であって自己資本に算入される 額 4,191 16,766 5,377 8,066 14 前払年金費用の額 5,546 22,185 13,310 19,965 15 自己保有普通株式(純資産の部に計上さ れるものを除く)の額 204 816 2,879 4,319 16 意図的に保有している他の金融機関等 の普通株式の額 - - - - 17 10,428 41,714 - - 18 繰延ヘッジ損益の額 適格引当金不足額 少数出資金融機関等の普通株式の額 ― 142 ― (単位:百万円、%) 2014 年 12 月末 項目 2015 年3月末 経過措置によ る不算入額 経過措置によ る不算入額 国際様式の 該当番号 特定項目に係る十パーセント基準超過 額 - - - - 19+20+21 うち、その他金融機関等に係る対 象資本調達手段のうち普通株式 に該当するものに関連するもの の額 - - - - 19 うち、無形固定資産(モーゲー ジ・サービシング・ライツに係る ものに限る。)に関連するものの 額 - - - - 20 うち、繰延税金資産(一時差異に 係るものに限る。)に関連するも のの額 - - - - 21 特定項目に係る十五パーセント基準超 過額 - - - - 22 うち、その他金融機関等に係る対 象資本調達手段のうち普通株式 に該当するものに関連するもの の額 - - - - 23 うち、無形固定資産(モーゲー ジ・サービシング・ライツに係る ものに限る。)に関連するものの 額 - - - - 24 うち、繰延税金資産(一時差異に 係るものに限る。)に関連するも のの額 - - - - 25 その他 Tier1 資本不足額 19,372 普通株式等 Tier1 資本に係る調 (ロ) 整項目の額 94,682 16,267 301,238 146,008 27 194,612 28 普通株式等 Tier1 資本 普通株式等 Tier1 資本の額 ((イ)-(ロ)) (ハ) 2,484,853 2,459,201 29 その他 Tier1 資本調達手段に係る株主 資本の額 - - 31a その他 Tier1 資本調達手段に係る新株 予約権の額 - - 31b その他 Tier1 資本調達手段に係る負債 の額 - - 特別目的会社等の 発行するその他 Tier1 資本調達手段の額 - - その他 Tier1 資本調達手段に係る調整 後非支配株主持分等の額 1,838 1,942 34-35 適格旧 Tier1 資本調達手段の額のうち その他 Tier1 資本に係る基礎項目の額 に含まれる額 - - 33+35 うち、最終指定親会社及び最終指 定親会社の特定目的会社等の発 行する資本調達手段の額 - - 33 その他 Tier1 資本に係る基礎項目 (3) 30 ― 143 ― 32 (単位:百万円、%) 2014 年 12 月末 項目 2015 年3月末 経過措置によ る不算入額 経過措置によ る不算入額 うち、最終指定親会社の連結子法 人等(最終指定親会社の特別目的 会社等を除く。)の発行する資本 調達手段の額 - - 経過措置によりその他 Tier1 資本に係 る基礎項目の額に算入されるものの額 の合計額 103,025 70,780 うち、その他の包括利益累計額及 びその他公表準備金の額 103,025 70,780 その他 Tier1 資本に係る基礎項 (ニ) 目の額 104,863 72,723 国際様式の 該当番号 35 36 その他 Tier1 資本に係る調整項目 自己保有その他 Tier1 資本調達手段の 額 - - - - 37 意図的に保有している他の金融機関等 のその他 Tier1 資本調達手段の額 - - - - 38 少数出資金融機関等のその他 Tier1 資 本調達手段の額 832 3,328 - - 39 その他金融機関等のその他 Tier1 資本 調達手段の額 1,000 4,001 2,001 3,001 40 経過措置によりその他 Tier1 資本に係 る調整項目の額に算入されるものの額 の合計額 122,403 86,989 うち、無形固定資産(のれんに係 るものに限る)の額 69,195 51,714 うち、無形固定資産(のれん及び モーゲージ・サービシング・ライ ツに係るものを除く)の額 20,833 15,046 うち、期待損失額の対適格引当金 超過額を 2 で除した額 15,609 12,163 うち、負債の時価評価により生じ た時価評価差額であって自己資 本に算入される額 16,766 8,066 - - Tier2 資本不足額 その他 Tier1 資本に係る調整項 (ホ) 目の額 124,235 7,330 88,989 42 3,001 43 その他 Tier1 資本 その他 Tier1 資本の額((ニ)- (ヘ) (ホ)) - - 44 2,484,853 2,459,201 45 Tier2 資本調達手段に係る株主資本の 額 - - Tier2 資本調達手段に係る新株予約権 の額 - - 169,221 168,895 - - Tier1 資本 Tier1 資本の額((ハ)+(ヘ)) (ト) Tier2 資本に係る基礎項目 (4) Tier2 資本調達手段に係る負債の額 特別目的会社等の発行する Tier2 資本 調達手段の額 ― 144 ― 46 (単位:百万円、%) 2014 年 12 月末 項目 2015 年3月末 経過措置によ る不算入額 経過措置によ る不算入額 国際様式の 該当番号 Tier2 資本調達手段に係る調整後非支 配株主持分等の額 433 457 48-49 適格旧 Tier2 資本調達手段の額のうち Tier2 資本に係る基礎項目の額に含ま れる額 230,229 207,103 47+49 うち、最終指定親会社及び最終指 定親会社の特定目的会社等の発 行する資本調達手段の額 121,760 106,540 47 うち、最終指定親会社の連結子法 人等(最終指定親会社の特別目的 会社を除く。)の発行する資本調 達手段の額 108,469 100,563 49 一般貸倒引当金 Tier2 算入額及び適格 引当金 Tier2 算入額の合計 - - 50 うち、一般貸倒引当金 Tier2 算入 額 - - 50a うち、適格引当金 Tier2 算入額 - - 50b - - 399,883 376,455 経過措置により Tier2 資本に係る基礎 項目の額に算入されるものの額の合計 額 Tier2 資本に係る基礎項目の額 (チ) 51 Tier2 資本に係る調整項目 自己保有 Tier2 資本調達手段の額 - - - - 52 意図的に保有している他の金融機関等 の Tier2 資本調達手段の額 - - - - 53 少数出資金融機関等の Tier2 資本調達 手段の額 11,875 47,498 - - 54 その他金融機関等の Tier2 資本調達手 段の額 73 292 130 194 55 経過措置により Tier2 資本に係る調整 項目の額に算入されるものの額の合計 額 21,220 15,164 うち、他の金融機関等の資本調達 手段の額 5,610 3,001 うち、期待損失額の対適格引当金 超過額を 2 で除した額 15,609 12,163 Tier2 資本に係る調整項目の額 (リ) 33,167 15,293 57 366,715 361,162 58 2,851,568 2,820,363 59 Tier2 資本 Tier2 資本の額((チ)-(リ))(ヌ) 総自己資本 総自己資本合計((ト)+(ヌ))(ル) リスク・アセット (5) 経過措置によりリスク・アセットの額に 算入されるものの額の合計額 121,512 95,460 うち、無形固定資産(のれん及び モーゲージ・サービシング・ライ ツに係るものを除く)の額 91,928 69,014 ― 145 ― (単位:百万円、%) 2014 年 12 月末 項目 2015 年3月末 経過措置によ る不算入額 うち、繰延税金資産(一時差異に 係るものを除く)の額 経過措置によ る不算入額 6,583 2,163 22,185 19,965 うち、自己保有普通株式(純資産 の部に計上されるものを除く)の 額 816 4,319 リスク・アセットの額の合計額 (ヲ) 19,793,160 18,929,189 うち、前払年金費用の額 国際様式の 該当番号 60 連結自己資本規制比率 連結普通株式等 Tier1 比率((ハ)/ (ヲ)) 12.5% 12.9% 61 連結 Tier1 比率((ト)/(ヲ)) 12.5% 12.9% 62 連結総自己資本規制比率((ル)/(ヲ)) 14.4% 14.8% 63 少数出資金融機関等の対象資本調達手 段に係る調整項目不算入額 235,245 204,916 72 その他金融機関等に係る対象資本調達 手段のうち普通株式に係る調整項目不 算入額 102,820 105,878 73 無形固定資産(モーゲージ・サービシン グ・ライツに係るものに限る。)に係る 調整項目不算入額 - - 74 繰延税金資産(一時差異に係るものに限 る。)に係る調整項目不算入額 22,613 12,782 75 調整項目に係る参考事項(6) Tier2 資本に係る基礎項目の額に算入される引当金に関する事項 (7) 一般貸倒引当金の額 - - 76 一般貸倒引当金に係るTier2資本 算入上限額 - - 77 内部格付手法採用最終指定親会社にお いて、適格引当金の合計額から事業法人 等向けエクスポージャー及びリテール 向けエクスポージャーの期待損失額の 合計額を控除した額(当該額が零を下回 る場合にあっては、零とする。) - - 78 適格引当金に係るTier2資本算入 上限額 - - 79 適格旧 Tier1 資本調達手段に係る算入 上限額 - - 82 適格旧 Tier1 資本調達手段の額から適 格旧 Tier1 資本調達手段に係る算入上 限額を控除した額(当該額が零を下回る 場合にあっては、零とする。) - - 83 適格旧 Tier2 資本調達手段に係る算入 上限額 249,055 217,923 84 適格旧 Tier2 資本調達手段の額から適 格旧 Tier2 資本調達手段に係る算入上 限額を控除した額(当該額が零を下回る 場合にあっては、零とする。) 30,340 45,660 85 資本調達手段に係る経過措置に関する事項 (8) ― 146 ― 第2部 1. 定性的な開示事項 連結の範囲 (1) 連結自己資本規制比率告示第2条に規定する連結自己資本規制比率を算出する対象となる会社の集団(以下、 「当グループ」といいます。)に属する会社と連結財務諸表提出会社として作成された連結財務諸表における連 結の範囲(以下、「会計連結範囲」といいます。)に含まれる会社との相違点及び当該相違点の生じた原因 連結保険子法人等について、連結自己資本規制比率告示第3条第3項に基づき、連結自己資本規制比率算出 においては非連結子会社としての取り扱いをしております。 また、連結変動持分事業体(以下、「VIE」といいます。 )については、経済実態に即し、連結自己資本規制比 率算出においては非連結子会社としての取り扱いを行っております。具体的には、当グループ内エンティテ ィとの間のカウンター・パーティ・リスクは内部消去を行わずにこれを信用リスク・アセットの額として算 出し、同じく当グループ内エンティティによる当該 VIE の運用する資産に対する投資については、信用リス ク・アセットの額又はマーケット・リスク相当額を算出しております。 (2) 会社グループのうち、連結子会社の数並びに主要な連結子会社の名称及び主要な業務の内容 2015 年 3 月末において、野村證券株式会社(日本・証券業)、ノムラ・インターナショナル PLC(英国・証 券業)、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル Inc.(米国・証券業)、ノムラ・インターナショ ナル(ホンコン)LIMITED(香港・証券業)、野村ファイナンシャル・プロダクツ・サービシズ株式会社(日 本・証券業)など 207 社。 (3) 連結自己資本規制比率告示第9条の規定が適用される金融業務を営む関連会社等の数並びに当該金融業務を営 む関連会社等の名称、貸借対照表の総資産の額及び純資産の額並びに主要な業務の内容 該当ありません。 (4) 会社グループに属する会社であって会計連結範囲に含まれないもの及び会社グループに属しない会社であって 会計連結範囲に含まれるものの名称、貸借対照表の総資産の額及び純資産の額並びに主要な業務の内容 当グループに属する会社であって会計連結範囲に含まれないものについては、該当ありません。 当グループに属しない会社であって会計連結範囲に含まれるものについては、2015 年 3 月末において、朝日 火災海上保険株式会社(日本、保険業、総資産 4,266 億円、純資産 599 億円)、ノムラ・リインシュアランス ICC Limited(ガーンジー、保険業、総資産 0.6 億円、純資産 0.5 億円)、ノムラ・リインシュアランス 1 IC Limited(ガーンジー、保険業、総資産 12 億円、純資産 12 億円)、ノムラ・リインシュアランス3 IC Limited (ガーンジー、保険業、総資産 167 億円、純資産 4 億円)、US CB リインシュアランス 1IC Limited(ガーン ジー、保険業、総資産 12 億円、純資産 10 億円)、US CB リインシュアランス 2IC Limited(ガーンジー、保 険業、総資産8億円、純資産7億円)、その他 VIE789 社が該当します。 (5) 当グループ内の資金及び自己資本の移動に係る制限等の概要 当グループの持株会社並びに子会社等に適用される法令の要件を適切に満たす自己資本の額が確保されるこ と、また、各会社の業務の運営を損なうことなくかつ支払い能力・流動性・収益性に悪影響が及ばないこと 等を十分考慮した上で適切に運営されております。 2. リスク管理の概要 当グループの事業活動は、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、その他外生的事象に起因するリス クなどの様々なリスクに晒されています。当グループでは、財務の健全性を確保し、企業価値を維持・向上するため に、これらのリスクを総合的にコントロールし、モニタリングし、報告するためのリスク管理体制を構築しています。 (1) リスク管理の基本理念 当グループでは、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、モデル・リスクなど業務運営によ ― 147 ― って生じる不測の損失により当グループの資本が毀損する可能性、自社の信用力の低下又は市場環境の悪化 により円滑な資金調達ができなくなるという資金流動性リスク及び収益環境の悪化又は業務運営の効率性も しくは有効性の低下により収益がコストをカバーできなくなるというビジネス・リスクをリスクとして定義 しています。 その上で、当グループでは、全社員が自らリスク管理を行う主体であると認識し、リスクに適切に対処する ことを基本理念としています。 当グループでは、組織内の全階層において積極的なリスク管理がなされるよう推進し、かつ、リスクをリス ク・アピタイトの範囲内に抑制するよう浸透に努めています。 当グループのリスク管理の枠組みはリスク・アピタイト、リスク管理のガバナンス及び監督、財務的経営資 源の管理、全てのリスク・カテゴリーの管理、及びリスクの計測及び管理プロセスで構成されています。こ れら主要な項目については次に詳述いたします。 (2) リスク・アピタイト 当グループは、規制上の資本、流動性、業務環境によって決定される制約条件を勘案の上、最大限取りうる リスク水準の範囲内で、戦略的な目標と事業計画の達成のために許容するリスクの種類及びリスク量を、リ スク・アピタイト・ステートメントとして定めています。リスク・アピタイト・ステートメントは、チーフ・ リスク・オフィサー(CRO)および財務統括責任者(CFO)により提案され、経営会議が承認することにより 決定されます。リスク・アピタイト・ステートメントには、自己資本充実度とバランスシート、流動性リス ク、市場及び信用リスク、オペレーショナル・リスク、モデル・リスクが含まれ、原則として定量的項目と 定性的ステートメントによって構成され、当グループの事業遂行に伴うリスクが表されています。またリス ク・アピタイトの各項目の主管部署は、定期的にモニタリングを行い、違反が発生することがないよう、適 切に管理を行う必要があります。 当グループのリスク・アピタイト・ステートメントについては、経営会議において年一回見直しがなされて います。見直しは必要に応じて臨時で実施し、当グループの戦略に重大な変更があった場合には必ず見直し を行うことになっております。リスク・アピタイトは、当グループのリスク管理体制の基礎をなすものです。 (3) リスク管理の組織体制 当グループでは、効果的な事業運営とリスク管理のための会議体が設置されています。リスク管理体制は以 下のとおりです。 ― 148 ― 取締役会 取締役会は、当グループの業務執行方針、その他法令に定められた事項について決定し、取締役及び執行役 員の職務執行状況を監督します。また取締役会は、経営会議規則の採用、変更または廃止について決定する 権限を有しております。 経営会議 経営資源の有効活用と業務執行の意思統一を図ることにより、当グループにおける経営戦略及び経営資源の 配分並びに経営に係る重要事項を審議し、株主価値の増大に努めます。またリスク管理に関する審議事項の 決定権限を統合リスク管理会議に委譲します。 統合リスク管理会議 業務の健全かつ円滑な運営に資することを目的として、経営会議の委任を受け、当グループの統合リスク管 理に係る重要事項の審議もしくは決定をします。統合リスク管理会議は、当グループのリスク・アピタイト に整合した統合リスク管理の枠組みの整備を行います。 また、リスク管理の枠組みを整備することを通じて当グループのリスク管理を監督します。リスク管理に関 する重要な事項その他議長が必要と認める事項について、取締役会及び経営会議に報告します。 加えて、統合リスク管理会議は、経営会議の委譲を受け、リスク管理規程を策定し、リスク管理の基本方針 を含む当グループのリスク管理の枠組みについて定めております。 リスク審査委員会 統合リスク管理会議の委任を受けたリスク審査委員会は、統合リスク管理会議が定める当グループの戦略的 なリスク配分、リスク・アピタイトに基づいて、当グループの市場リスク、信用リスク、レピュテーショナ ル・リスクに係る重要事案を審議・決定し、業務の健全かつ円滑な運営に努めております。審議内容や議長 が必要と認める事項について、統合リスク管理会議に報告します。 アセット・ライアビリティ・コミッティー アセット・ライアビリティ・コミッティーは、統合リスク管理会議の委任を受け、経営会議が定める当グル ープのリスク・アピタイトに基づきバランス・シート管理体制、財務的経営資源の配賦、流動性管理などを 審議します。審議内容や議長が必要と認める事項について、統合リスク管理会議に報告します。 グローバル・リスク分析委員会及びモデル・リスク分析委員会 グローバル・リスク分析委員会及びモデル・リスク分析委員会は、リスク審査委員会の委任を受け、当グル ープにおけるリスク・モデル及び評価モデルの開発、管理及び方針に関する重要事項の審議・決定をします。 両委員会は、新規モデルや既存モデルの大幅な変更の承認など、リスク・モデルの管理における統制及び監 督について責任を有します。重要事項の審議や決定について、定期的にリスク審査委員会に報告します。 グローバル・リスク案件会議 グローバル・リスク案件会議は、リスク審査委員会の委任を受け、当グループにおける健全かつ円滑な業務 運営を目的として、リスク・アピタイトの範囲内で個別取引の審議・承認を行います。 担保運営管理委員会 担保運営管理委員会は、リスク審査委員会の委任を受け、担保集中、流動性、担保再利用、リミット及びス トレス・テストを通じた担保リスク管理について審議または決定を行います。また当グループの担保戦略の 方向性を示し、担保の規制要件を確実に遵守します。 ― 149 ― チーフ・リスク・オフィサー チーフ・リスク・オフィサー(以下、「CRO」といいます。)は、当グループのリスク・マネジメント部門を統 括し、収益責任を負う部門等から独立した立場で、リスク管理の枠組みの実効性を維持する責任を負います。 また、リスク管理の状況について、定期的に統合リスク管理会議へ報告するほか、リスク管理上必要な対応 策の実施について統合リスク管理会議への付議又は報告を行います。 財務統括責任者 財務統括責任者(以下、「CFO」といいます。)は、当グループの財務戦略を統括します。また、経営会議の 委任を受け、財務的経営資源の配賦及び管理に関する業務、資金流動性管理に関する業務の執行権限と責任 を有します。また、経営会議により制定されたリスク・アピタイトに基づき、必要に応じて CRO と協議の上、 財務的経営資源の管理を行います。 (4) リスク・マネジメント部門 リスク・マネジメント部門は、収益責任を負う部門等から独立して設置された、リスク管理を担当する部署 又は組織で構成されています。リスク・マネジメント部門は、リスク管理に係るプロセスの構築と運用、方 針及び規程類の整備と周知、手法の有効性の検証に責任を負うほか、グループ各社からの報告の受領や、担 当役員及び統合リスク管理会議等への報告や、行政当局への報告及びリスク管理手法等の承認申請も必要に 応じて行います。 (5) リスク・ポリシー管理の枠組み ガバナンス上必要不可欠なツールであるリスク・マネジメント部門の規程や実施手続きには当グループのリ スク管理を円滑に行うための基本方針、規則、基準や特定のプロセスが定義されております。リスク・マネ ジメント部門は、リスク管理に関する規程及び実施手続きを策定するための共通の枠組みとして基本原則、 プロセス及び手続きを明確に規定したリスク・ポリシー管理の枠組みを定めております。リスク管理に関す る規程及び実施手続はすべて当該枠組みに準拠し、適用除外事項については所定の手続に従うものとします。 (6) モニタリング、報告及びデータ管理 リスクに関する経営情報(以下、 「マネジメント・インフォメーション」といいます。)の算出と集計、報告 及びモニタリングは、適切なリスク管理体制に不可欠です。マネジメント・インフォメーションの目的は、 適切な上申と意思決定及び対応策の策定に資する情報を提供することです。リスク・マネジメント部門及び ファイナンス部門は、リスク・アピタイトに対応するポジションの状況に関するマネジメント・インフォメ ーションを定期的に取りまとめる責任を有します。マネジメント・インフォメーションは、リスク・カテゴ リー全般にわたる情報を含み、また各リスクの特定及び評価のための様々なリスク管理手法を使用して作成 されます。リスク・マネジメント部門は、マネジメント・インフォメーションに関するデータを適切に管理 する責任を有します。 (7) 財務的経営資源の管理 当グループは、財務的経営資源を適切に使用するため、財務的経営資源の管理体制を構築しております。経 営会議は、期初に、各部門に財務的経営資源の配賦を行います。各営業部門では、財務的経営資源の配賦に より収益予算の策定を行います。財務的経営資源の主要な構成要素は以下のとおりです。 リスク・ウェイティド・アセット リスク・ウェイティド・アセットは連結自己資本規制比率の計測に用いられるリスク相当額から算定された 金額です。経営会議は、NHI 連結ベースでの健全性基準に基づき、各部門及び下位レベルの組織階層に対し、 リスク・ウェイティド・アセットの配賦を行い、ファイナンス部門は、リスク・ウェイティド・アセットの 使用額をモニタリングし、経営会議へ報告する責任を有します。 ― 150 ― 経済資本 当グループの経済資本である Nomura Capital Allocation Target(以下、「NCAT」といいます。)は、当グ ループがビジネスを行うにあたり必要となる資本に関する内部指標であり、当グループにとって深刻な不利 益を被るシナリオにより 1 年間に発生しうる予期せぬ損失を吸収するために必要な資本として計測されま す。この深刻な不利益を被るシナリオとは、信頼水準 99.95%で 1 年間に発生しうる損失として定量化され るものと定義されます。NCAT は、ポートフォリオ NCAT 及びノン・ポートフォリオ NCAT により構成されま す。ポートフォリオ NCAT は、市場リスク、信用リスク、イベント・リスク、集中・流動性リスク、プリン シパル・ファイナンス/プライベート・エクイティに関するリスク及び投資有価証券に関するリスク等、当 グループの資産価値に直接影響を及ぼすリスクを構成要素とし、ノン・ポートフォリオ NCAT は、ビジネス・ リスク及びオペレーショナル・リスク等、特定の資産価値に直接的には影響を及ぼさないリスクを構成要素 とします。NCAT リミットは経営会議の承認により設定され、各部門やそれ以下の階層に配賦されます。 社内資金 財務統括責任者は、部門等に無担保で提供される資金の上限を決定し、経営会議は部門への配賦額を決定し ます。グローバル・トレジャリーは部門毎の資金使用量をモニタリングし、経営会議に報告します。 レバレッジ・エクスポージャー レバレッジ・エクスポージャーは連結レバレッジ比率の計測に用いられるエクスポージャーの額から算定さ れた金額です。経営会議は、NHI 連結ベースでの健全性基準に基づき、各部門及び下位レベルの組織階層に 対し、レバレッジ・エクスポージャーの配賦を行い、ファイナンス部門は、レバレッジ・エクスポージャー の使用額をモニタリングし、経営会議へ報告する責任を有します。 (8) リスクの種類と定義 当グループでは、リスクを以下の通り分類、定義した上で、各リスクを管理する部署又は組織を設置してい ます。 リスク・カテゴリー 市場リスク 信用リスク オペレーショナル・リス ク モデル・リスク 資金流動性リスク ビジネス・リスク リスクの概要 市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券の価格等)の変動 により、保有する金融資産及び負債(オフ・バランスを含む)の価値 が変動し、損失を被るリスクをいいます。 債務者又はカウンターパーティが、債務不履行、破産、又は法的手続 等の結果として、予め合意した条件通りに契約上の義務を履行できな いことにより、損失を被るリスクをいいます。信用リスクはオンバラ ンス・オフバランスのエクスポージャー双方を含みます。また当該リ スクは、カウンターパーティの信用力低下を反映したクレジット・バ リュエーション・アジャストメント(以下、「CVA」といいます。)に より損失を被るリスクを含みます。 内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しな いこと、または外生的事象が生起することから損失を被るリスクをい います。当該リスクには、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定に より損失を被るリスク)は含まれませんが、法令や規制等の違反に係 るリスク、オペレーショナル・リスクの顕在化に起因する当グループ 各社のレピュテーションの悪化に係るリスクを含みます。 モデルの誤謬、又はモデルの不正確もしくは不適切な適用により、損 失を被るリスクをいいます。モデル・リスクには、経済的損失、ビジ ネスや戦略における不適切な意思決定、開示上の修正、規制上のペナ ルティや会社の信用低下をもたらす虞があります。 自社の信用力の低下又は市場環境の悪化により必要な資金の確保が 困難になる、又は通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくさ れることにより損失を被るリスクをいいます。 収益環境の悪化又は業務運営の効率性もしくは有効性の低下により、 収益がコストをカバーできなくなるリスクをいいます。当グループの 経営陣はビジネス・リスクを管理する責任を有します。 ― 151 ― 3. 当グループの自己資本の充実度に関する評価方法の概要 当グループは、リスク・アピタイトに基づくリスク管理体制の下で、連結自己資本規制比率に基づく規制資本の観点 から自己資本充実度の評価を実施しております。また、ストレス・テストによりストレス環境下における自己資本充 実度の評価も実施しております。 規制資本に基づく自己資本充実度評価は、連結自己資本規制比率告示において規定されるリスク・アセットの合計額 (信用リスク・アセットの額の合計額、マーケット・リスク相当額の合計額を8パーセントで除して得た額、オペレ ーショナル・リスク相当額の合計額を8パーセントで除して得た額の和をいいます。)と自己資本の額から算定され る連結自己資本規制比率、Tier1資本とリスク・アセットの合計額の比率、Tier 1 資本と米国会計基準に定められた レベル3資産の比率および連結レバレッジ比率等により行っております。 ストレス・テストは、当グループのポートフォリオを包括的にカバーする前提(シナリオ)の元で定期的に実施して います。具体的には、2008年後半のグローバルな信用危機を参考とし、それが顕在化した場合に被りうるストレス損 失がもたらす資本への影響度を計測しております。計測の際には各ポートフォリオの特性(プロダクトや保有目的な ど)を踏まえ、ヘッジ効果の考慮の有無や、実際に損益が顕在化するまでの期間がどの程度か、などを考慮し、計測 結果の蓋然性を高めるようにしております。また保有ポジションに対してのみでなく、オペレーショナル・リスクや、 イベント発生後の手数料収入の減少を想定し、当グループに与える総合的なインパクトを加味した上で、自己資本充 実度の確認を行っております。 4. 市場リスク管理の概要 市場リスクは、市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券等の価格)の変動により、保有する金融資産及び 負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクです。 (1) 市場リスク管理プロセス 市場リスクを適切に管理するためには、複雑かつ不断に変動する市場環境をグローバルに分析し、損失に繋 がる可能性のある傾向を把握したうえで、適時に適切な対応を取る能力が必要となります。当グループでは 継続して市場リスクを統計的に計測・モニタリングする主要な手段として、バリュー・アット・リスク(以 下、「VaR」といいます。)、ストレス VaR(以下、「SVaR」といいます。)及び追加的リスク(以下、「IRC」と いいます。)を利用しております。また感応度分析やストレス・テストも市場リスクを評価・分析する手段 として利用しています。感応度は、市場リスク・ファクターの単位当たりの変動によるポートフォリオ価値 変化を示す尺度として利用されます。感応度は、資産種別によって異なり、通常、異なるリスク・ファクタ ーに関する感応度を合算することはできません。ストレス・テストにおいては、ポートフォリオ・リスクや テイル・リスクをその非線形な性質を含めて分析し、当グループから各部門、個々のトレーディング・デス クに到るあらゆる階層で、市場リスク・ファクターを横断した合算が可能となります。市場リスクは、ビジ ネス部門やシニア・マネジメントに報告される日次レポートその他の経営情報により、社内手続きに基づい て承認されたリミット内であるかどうかモニタリングされます。 (2) VaR VaR は、株価、金利、クレジット・スプレッド、為替レート、コモディティ価格とこれらのボラティリティ や相関を含む市場要因の不利な動きにより発生しうる損失額を計測するものです。 VaR メソドロジーの前提 当グループは、グループ全体のトレーディングに関する VaR の計測にあたり、グローバルに実装された単一 の VaR モデルを利用しています。当グループは、ヒストリカル・シミュレーション法を採用しており、過去 2 年間のヒストリカルな市場の動きを、当グループの現在のエクスポージャーに適用することにより収益分 布を構成します。この分布を利用して、将来発生しうる損失を必要な信頼水準(確率)において推定するこ とが出来ます。VaR モデルが市場変動性の変化を反映するようシナリオの重みを付ける手法を採用しており ます。 また当グループは、同一の VaR モデルを、社内におけるリスク管理と規制上の報告の双方に使用しています。 保有期間 1 日の VaR は、リスク管理やリスク・リミットに対するモニタリングに利用され、保有期間 10 日 の VaR は規制資本の計算に利用されます。保有期間 10 日の VaR は、実際の 10 日間における市場変動のヒス トリカル・データを利用して計算されます。 ― 152 ― 当グループは、バーゼル 2.5 規制のもとで VaR を補完するために SVaR の計算を行っています。SVaR はスト レス下にある金融市場のある1年間のデータを利用して計測されます。この SVaR の対象期間は、定期的に 調整されますが、SVaR に利用されるヒストリカル・データは、VaR の場合のように重みを付けていません。 当グループの VaR モデルは、可能な限り、個々のヒストリカル・データを利用します。しかし、高品質な個 別データが存在しない場合、代理変数ロジックに従って当該エクスポージャーに適切なヒストリカル・デー タを割り当てます。代理変数の水準は、内部のリスク管理プロセスを通じて慎重にモニタリングされると共 に、VaR 計算に利用されるヒストリカル・データの拡大にも継続的に取り組んでおります。 VaR バック・テスティング 当グループの VaR モデルのパフォーマンスが、目的に合致しているかは、継続的にモニタリングされており ます。VaR 検証の主な方法は、日次バックテスト損失の絶対額とそれに対応する VaR 値の比較(バックテス ティング)です。当グループは、VaR モデルのバックテスティングを、異なるレベルでも行っており、バッ クテスティングの結果はリスク・マネジメント部門が月次でレビューしております。 2015年3月期において、グループ・レベルで信頼水準99%のVaRの超過が1回ありました。 VaR の限界と利点 VaR の主な利点は、様々な資産区分のリスクの合算が可能であることです。しかしながら、リスク計測方法 としての VaR には、リスク計測に利用する際に留意すべき点としてよく知られている限界があります。主な 限界のひとつは、過去データに基づいたリスク計測であることです。つまり、目先の市場変動を推測する場 合、直近の変動要因に基づく分布及び相関から推測することが適していることを暗黙のうちに仮定しており ます。 また、VaR は流動性のある市場におけるリスクの把握に適しておりますが、急に不連続に変動する市場要因 の把握には適しておりません。それゆえに、VaR は厳しい事象の影響について、全てを表しているとは言え ません。 当グループは VaR モデルが有する限界を認識しており、VaR を多様なリスク管理プロセスのひとつの要素と してのみ利用しております。 (3) 追加的リスク 追加的リスク(インクリメンタル・リスク・チャージ、以下「IRC」といいます。)として知られる手法は、VaR や SVaR に対する追加的リスク要素として、クレジット感応度の高いポジションに関するデフォルトや格付遷 移のリスクを捕捉するものです。IRC は、信頼区間 99.9%、保有期間 1 年の場合における非証券化商品のデフ ォルトやクレジット低下を推定するものです。 (4) 包括的リスク 包括的リスク(コンプリヘンシブ・リスク・メジャー、以下「CRM」といいます。)として知られる手法は、 VaRやSVaRに対する追加的リスク要素として、コリレーション・ポートフォリオのデフォルトやプライシン グのリスクを捕捉するもので、信頼区間99.9%、保有期間1年の場合における包括的リスクを推定するもので す。 (5) ストレス・テスト 当グループは、VaR や感応度分析が全てのポートフォリオ・リスクやテイル・リスクを捕捉出来ないと いう限界を有することから、市場リスクのストレス・テストを行っております。このストレス・テストは、 日次や週次で行われ、ストレス・シナリオはトレーディング・ストラテジーの特性に応じて柔軟に設定され ます。当グループでは、デスク・レベルのみならず、市場変動が当グループ全体に与える影響を把握するた めにグローバルに統一されたシナリオによるグループ・レベルでのストレス・テストも行っています。 ― 153 ― 5. 証券化エクスポージャー管理の概要 (1) リスク管理の概要 4. 市場リスク管理の概要で述べたリスク管理の枠組みを有しており、市場リスクを適切に管理するための、 複雑で絶えず変化する世界の市場環境を分析し、損失に繋がる可能性のある傾向を把握し、適時に適切な対 応を取る能力は証券化エクスポージャーにおいても有効と考えております。当グループでは、VaR、ストレス・ テスト、感応度分析等、多くの手段を用いて市場リスクを評価し管理しています。 (2) 体制の整備及びその運用状況最終指定親会社の保有する証券化エクスポージャーについて、包括的なリスク特 性に係る情報を継続的に把握するために必要な体制 最終指定親会社の保有する証券化エクスポージャーについて、包括的なリスク特性に係る情報を継続的に把 握するために必要な体制を整備しております。また、最終指定親会社の保有する証券化エクスポージャーの 裏付資産について、包括的なリスク特性及びパフォーマンスに係る情報を適時に把握するために必要な体制 を整備しております。それらは、当該証券化エクスポージャーに係る証券化取引についての構造上の特性を 把握することや、当該証券化取引の裏付資産の一部又は全部となっている証券化エクスポージャーに係る裏 付資産について、 包括的なリスク特性及びパフォーマンスに係る情報を適時に把握することを可能としてお ります。 (3) 信用リスク削減手法として証券化取引を用いる場合の方針 証券化商品を信用リスク削減手法として用いておりません。 (4) 証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出に使用する方式の名称 該当ありません。 (5) 証券化エクスポージャーのマーケット・リスク相当額の算出に使用する方式の名称 外部格付準拠方式 (6) 証券化目的導管体を用いて第三者の資産に係る証券化取引は行っておりません。 (7) 証券化取引に関する会計方針 日々時価評価を行っております。 (8) 証券化エクスポージャーの種類ごとのリスク・ウェイトの判定に使用する適格格付機関の名称 株式会社格付投資情報センター、株式会社日本格付研究所、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・イ ンク、スタンダード・アンド・プアーズ・レーティングズ・サービシズ、およびフィッチレーティングスリ ミテッドの 5 社の格付を使用しています。 (9) 内部評価方式を用いている場合には、当該内部モデルの概要 内部評価方式は用いておりません。 (10) 定量的な情報に重要な変更が生じた場合には、その内容 定量的な情報に重要な変更もございません。 ― 154 ― 6. 信用リスク管理の概要 信用リスクとは、債務者又はカウンターパーティが、債務不履行、破産、又は法的手続等の結果として、予め合意 した条件通りに契約上の義務を履行できないことにより、損失を被るリスクをいい、オフ・バランス資産に係る損 失を含みます。当該リスクはまた、カウンターパーティの信用力低下を反映した CVA により損失を被るリスクを含 みます。なお、当グループでは、グローバル及びリーガル・エンティティ単位で信用リスクを管理しています。 (1) 信用リスク管理体制 当グループにおける信用リスクの計測、モニタリング及び管理に関する事項は、グローバル・ポリシー、プ ロシージャーで規定しています。クレジット・リスク・マネジメント部門は、リスク・マネジメント部門内 のグローバルな組織として、これらのポリシーやプロシージャーの実装及び維持、管理に責任を負います。 信用リスク管理の基本方針を定めたこれらのポリシーは、統合リスク管理会議、グローバル・リスク・スト ラテジック・コミッティ(以下、 「GRSC」といいます。)の承認を受けて制定され、それに基づき所定の承認 権限を付与されたクレジット・オフィサーの承認により、カウンターパーティに対するクレジット・リミッ トを設定しています。 信用リスク・エクスポージャーは、クレジット・リスク・マネジメント部門並びに、グローバル及び地域の 各種リスク・コミッティにより管理されており、重大な信用リスクの把握やクレジット・リミットの遵守の 徹底のほか、多額の与信の提供に関する承認やシニア・マネジメントがリスクの集中に関する承認を行う態 勢を確保しています。 (2) 信用リスク管理プロセス クレジット・リスク・マネジメント部門は、リスク・マネジメント部門内の信用リスクを管理するための組 織であり、CRO に報告します。当グループにおける信用リスク管理プロセスには、以下を含みます。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ カウンターパーティの債務不履行の可能性の評価 全てのアクティブなカウンターパーティに対する内部格付の付与 与信の供与及びクレジット・リミットの設定に関する承認 時価及び将来のポテンシャル・エクスポージャーの計測、モニタリング及び管理 契約書における信用リスクに関する条件の設定(担保条件を含む) 一括清算、担保徴求及びヘッジを含む適切な信用リスク削減手法の活用 信用リスク管理の対象には、カウンターパーティとの取引に加えて、債券や株式、さらにローン、プライベ ート・エクイティ投資、ファンド投資、投資有価証券のほか、信用リスク管理が必要と考えられる取引や商 品を含みます。 カウンターパーティの信用力の評価は、対象先の事業環境、競争力、経営陣や財務面での強みや柔軟性に関 する詳細なデュー・ディリジェンスや分析に基づき行います。また、クレジット・アナリストは、当グルー プの組織体制や、直接又は間接の信用補完も考慮します。なお、クレジット・リスク・マネジメント部門は、 カウンターパーティのみでなく、カウンターパーティ・グループ単位でも信用リスクを評価します。 クレジット・リスク・マネジメント部門は、信用分析の結果に基づき、カウンターパーティ又は債務者のデ フォルト確率を評価し、格付機関と同様のアルファベット記号や所定の番号を付与します。クレジット・ア ナリストは、内部格付を付与するとともに、年 1 回以上、見直しを行う責任を負います。当グループの内部 格付制度では、様々な格付モデルを使用して、グローバルに一貫性と正確性を確保しています。これらのモ デルは、リスク・メソドロジー・グループにより開発され、見直しが行われています。内部格付は、当グル ープにおけるカウンターパーティの信用リスク管理における重要な構成要素として、以下のように活用され ています。 ・ ・ ・ ・ ・ 個々のカウンターパーティ又はカウンターパーティ・グループに対して当グループが許容するカウン ターパーティ・クレジット・リスクの上限額の設定(クレジット・リミットの設定) クレジット・リミット設定の承認権限の委譲に係る基準額の決定(テナーを含む) クレジット・レビュー(クレジット・リミットの見直し)の頻度の決定 カウンターパーティ・クレジット・リスクに関する当グループのシニア・マネジメント向けの報告 カウンターパーティ・クレジット・リスクに関する当グループ以外の関係者向けの報告 ― 155 ― 信用リスク管理部署(以下、 「CRCU」といいます。)は、クレジット・リスク・マネジメント部門から独立し た立場で、当グループの内部格付制度に関する検証が適切に実施され、問題の速やかな解決のために、シニ ア・マネジメントに報告する態勢を確保しています。CRCU は、内部格付制度が正確、かつリスクを予知で きるものであることを確認し、シニア・マネジメントに対して報告を行います。 当グループは、クレジット・リスクを評価するための統一的、網羅的、かつ客観的な枠組みとして、内部格 付制度を設置しています。内部格付は、債務者格付、案件格付、特定貸付債権格付に区分され、それぞれの 格付は、デフォルト確率、資本構成に基づく回収率の水準、又は特定貸付債権の条件に基づく債務履行の可 能性を適切に示す指標として使用されています。 当グループでは、自己資本規制比率算出における信用リスク・アセット額の算出手法として、2011 年3月末 より基礎的内部格付手法を採用しています。但し、信用リスク・アセット額の算出において重要度が低いと 認められた一部の事業単位又は資産区分については、標準的手法を適用しています。 (3) クレジット・リミット / リスク計測 内部格付は、カウンターパーティに対してクレジット・リミットを設定するために必要不可欠なものです。 また、当グループのクレジット・リミットの枠組みは、リスク・アピタイトに沿って、適切に信用リスクを 取ることができるように設計されています。グローバルのクレジット・ポリシーでは、内部格付に基づき、 個々のカウンターパーティ・グループに対して設定できるクレジット・リミット及びテナーの上限を定めた 承認権限の表を定めています。 当グループでは、カウンターパーティ・エクスポージャーは、主にデリバティブ取引、証券貸借取引(以下、 総称して「デリバティブ等取引」といいます。)により発生しています。カウンターパーティに対して発生 するクレジット・エクスポージャーは、個々のカウンターパーティの信用力の分析に基づき設定するクレジ ット・リミットにより管理しています。信用リスクは、設定したクレジット・リミットによるクレジット・ エクスポージャーのモニタリングや、カウンターパーティの信用力に関する継続的なモニタリングを通して、 日次で管理しています。特定のカウンターパーティ、セクター、産業又は国に対する当グループのリスク・ アピタイトを変更させるような状況下では、その内容、程度に応じて、内部格付やクレジット・リミットの 変更を行います。 当グループのグローバル・クレジット・マネジメント・システムには、カウンターパーティに対する全ての クレジット・リミット及びクレジット・エクスポージャーが記録されています。これにより、クレジット・ リスク・マネジメント部門は、クレジット・リミットの使用状況を把握、監視、管理し、リミット超過が発 生した場合、適切に報告を行う態勢を確保しています。 当グループでは、デリバティブ等取引については、主に所定の信頼水準でのポテンシャル・エクスポージャ ーを計測するモンテ・カルロ・シミュレーション・モデルで信用リスクを計算しています。 信用リスク管理に使用されるエクスポージャー計測モデルは、2012 年 12 月末より、期待エクスポージャー 方式による自己資本規制比率算出に係る与信相当額の算出にも使用されています。 なお、ローン及びローン・コミットメントは、使用分及び未使用分の双方について、計測及びモニタリング を行っています。 (4) ロング・ウェイ・リスク ロング・ウェイ・リスクは、カウンターパーティに対するエクスポージャーが、当該カウンターパーティの 信用力の悪化と高い相関関係にある場合に発生するリスクをいいます。当グループは、ロング・ウェイ・リ スクを管理するためのグローバルなポリシーを設置しています。また、ポートフォリオのロング・ウェイ・ リスクの評価ではストレス・テストも活用し、クレジット・エクスポージャーや規制自己資本について必要 に応じて調整を行っています。 ― 156 ― (5) ストレス・テスト ストレス・テストは、当グループの信用リスク管理において必要不可欠であり、定期的に実施するストレス・ テストにより、カウンターパーティ、セクター、及び地域ごとの信用リスクの評価を行っています。なお、 ストレス・テストには、リスク・ファクター、デフォルト確率又は格付遷移に一定のストレスを与えること でリスクの集中度合いを確認するテストも含まれます。 (6) リスク削減手法 当グループでは、信用リスク管理において、金融商品、契約書、さらに一般的な取引慣行を活用しています。 当グループは、多くのカウンターパーティとの間で、国際スワップデリバティブ協会(以下、「ISDA」とい います。)の基本契約書、又はそれに準ずる契約書(以下、総称として「マスター・ネッティング契約」と いいます。)を締結しています。マスター・ネッティング契約を締結することで、債権、債務を相殺し、カ ウンターパーティのデフォルトにより発生する潜在的な損失額を減少させています。また、信用リスクを更 に削減するため、担保契約も活用し、取引開始時、又はエクスポージャーの水準、格付の変更、もしくはそ の他の事由が発生した際に、カウンターパーティから担保を受領できるようにしています。 7. オペレーショナル・リスク管理の概要 当グループはオペレーショナル・リスクを、内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しない こと、又は外生的事象が生起することから損失を被るリスクと定義しています。この定義には、戦略リスク(経営陣 の不適切な意思決定により損失を被るリスク)は含まれませんが、法令や規制等の違反に係るリスク、オペレーショ ナル・リスクの顕在化に起因する当グループ各社のレピュテーションの悪化に係るリスクを含みます。 (1) 三段階管理 当グループは、業界標準である、以下の三段階管理で、オペレーショナル・リスク管理を行うこととしてい ます。 1) 2) 3) 第一段階:ビジネス・ユニットは自らリスク管理を行います。 第二段階:オペレーショナル・リスク管理部署は、オペレーショナル・リスク管理の中長期的方針と 枠組みを策定し、その運用を推進します。 第三段階:内部監査及び外部監査は、独立した立場でオペレーショナル・リスク管理の枠組みの確認 を行います。 (2) 当グループにおけるオペレーショナル・リスク管理の枠組み 当グループは、オペレーショナル・リスクの特定、評価、管理、モニタリング、報告が可能となるオペレー ショナル・リスク管理の枠組みを整備するためにオペレーショナル・リスク管理のフレームワークを構築し ております。経営会議より委任を受けた統合リスク管理会議がこの枠組みに基づくオペレーショナル・リス ク管理全般を監督しています。 オペレーショナル・リスク管理の枠組みは、以下のように構成されております。 管理の枠組みの基盤 ポリシー・フレームワークの構築と維持: オペレーショナル・リスク管理に関して定められた各種 基本的事項をポリシー等として明文化します。 研修および理解の促進: オペレーショナル・リスク管理について、当グループ内の認識を高めるた めの取組みです。 主要な管理活動の実施 Risk & Control Self Assessment(リスクとコントロールの自己評価、以下、「RCSA」といいます。): 自らの業務におけるオペレーショナル・リスクや、リスク削減のために導入されているコントロール を特定、評価し、更なるリスク削減に向けた対応策を策定するために、ビジネス・ユニットが用いる プロセスです。 ― 157 ― シナリオ分析:低頻度であるが大規模な損失をもたらす、いわゆる「テイル・リスク」を特定、分析 するプロセスです。 損失事象等の報告:当グループ内で発生した事象および他社で発生した事象を収集し、業務改善に資 する情報を得るプロセスです。将来における同様な事象の発生を防止または低減するために、適正な 対応策を策定する重要なステップとなります。 Key Risk Indicator(リスク指標、以下、「KRI」といいます。 ): オペレーショナル・リスクにかか る主要な計数の収集と監視を行い、予め定めた水準を超えた場合には必要な対応を行うプロセスです。 管理活動結果の活用 分析及び報告:オペレーショナル・リスク管理部署の主要な役割として、ビジネス・ユニットからも た らされるオペレーショナル・リスク情報について、事実確認や原因分析を行った上で経営陣等へ報告 を行います。 所要資本の計算と配賦:バーゼル規制及び地域規制当局の要件に基づき、オペレーショナル・リスク に係る所要自己資本を計算しております。 (3) オペレーショナル・リスクの所要自己資本額計算 当グループでは、連結自己資本規制比率告示における粗利益配分手法に基づいてオペレーショナル・リスク に係る所要自己資本額を算出しています。粗利益配分手法では、業務区分に配分した粗利益に金融庁により 定められた一定の掛目を乗じたものの過去3年間の平均値を計算し、オペレーショナル・リスク相当額とし ています。 当グループでは、所要自己資本額を算出する際に用いる粗利益として、連結ベースの金融費用控除後の収益 を用います。ただし、一部の子会社については、売上総利益を粗利益として用いております。この金融費用 控除後の収益を、管理会計上のセグメント情報を用いて、下表の業務区分に配分します。 業務区分及び適用する掛目 業務区分 内容 掛目 リテール・バンキング コマーシャル・バンキング 決済業務 リテール・ブローカレッジ トレーディング及び セールス コーポレート・ファイナン ス 代理業務 資産運用 リテール向け預貸関連業務等 リテール向け以外の預貸関連業務等 顧客の決済に係る業務 主として小口の顧客を対象とする証券関連業務 特定取引に係る業務および主として大口の顧客を 対象とする証券・為替・金利関連業務等 企業の合併・買収の仲介、有価証券の引受・売出・ 募集の取扱い、その他顧客の資金調達関連業務等 顧客の代理として行う業務 顧客のために資産の運用を行う業務 12% 15% 18% 12% 18% 18% 15% 12% (4) オペレーショナル・リスク所要自己資本額の計算プロセス 各業務区分に配分された金融費用控除後の収益額と、上表のとおり各区分に設定された掛け目をそれぞれ 乗じることにより「業務区分配分値」を算出します。いずれの業務区分にも配分されない収益額について は18%を乗じ、「配分不能値」を算出します。 これらの業務区分配分値と配分不能値をすべての業務区分について合計することにより、「年間合計値」 を算出します。この年間合計値を直近3年間について計算し、それらの平均値がオペレーショナル・リス クに相当する所要自己資本の額となります。年間合計値が負の場合にはゼロとして平均値を算出します。 業務区分配分値を合計する際、ある業務区分配分値が負であった場合には、他の区分における正の業務区 分配分値と相殺します。ただし、配分不能値が負の場合には、相殺は行わず、ゼロとして取り扱います。 オペレーショナル・リスク所要自己資本額の計算基準時点は3月末と9月末であり、年2回計算されます。 ― 158 ― 8. モデル・リスク管理 モデル・リスクとは、モデルの誤謬、またはモデルの不正確もしくは不適切な適用から生じるリスクをいいます。 モデル・リスクは、経済的損失、ビジネスや戦略における不適切な意思決定、社内報告や社外報告の修正、規制 上のペナルティや当社の信用低下をもたらす虞があります。 モデルの誤謬は、前提条件を設定し実装するまでのいかなる時点においても、発生する可能性があります。また、 モデルの出力結果は入力データの質に依拠しているため、入力データにも注意を払う必要があります。さらに、 基本的には妥当なモデルであり、モデルの設計目的に合った正確な出力がされる場合であっても、不適切に使用 又は誤って適用された場合、高いモデル・リスクを生じる可能性があります。 (1) モデル管理の枠組み 当社のモデル管理の枠組みの下では、モデルは以下のどちらかに該当するものとして定義されます。 評価モデル、すなわち、当社が保有するポジションの価格及びリスク感応度を算出するためのモデル リスク・モデル、すなわち、リスク・マネジメント部門において、特定のタイプのリスクにより被る 潜在的損失を算出しポートフォリオのリスクを定量化するために、また、規制資本及び経済資本算出、 リミットのモニタリング、取引承認又は経営陣への報告を行うために使用されるモデル モデルの公式使用に先立ち、モデル検証グループは、モデルの健全性及び包括性について、モデルの開 発者から独立した立場で検証を行う責任を有しております。この検証手続きの一環として、グローバル・ モデル検証グループは複数の分析を通しモデルの適合性を評価し、モデル・リスクの定量化を図ります。 モデル・リザーブや資本調整を適用することにより、モデル・リスクは軽減されることがあります。評 価モデルはビジネス部門により、また、リスク・モデルはリスク・マネジメント部門内のリスク・メソ ドロジー・グループにより開発され、維持管理されます。またある種のモデルは、外部業者により開発 されることもあります。リスク・メソドロジー・グループはリスク・モデルと当グループにおけるリス ク計測メソドロジーの継続的な改良や改善に対して、一義的な責任を担っております。全てのモデルは また、適切性を保つためモデル検証グループによる年次再承認手続きを受けなければなりません。リス ク審査委員会からの権限委譲に基づき、モデル・リスク分析委員会とグローバル・リスク分析委員会は、 それぞれ評価モデルとリスク・モデルに関するモデル管理の統制、監督に責任を有します。 (2) 評価モデルとリスク・モデルの変更 当グループは統合リスク会議管理委員会、GRSC リスク審査委員会のいずれか、または双方により承認さ れた各種規程類と実施手続を文書化しており、評価モデルまたリスク・モデルの変更時の手続や検証の 必要性について規定しております。モデル変更により重要度に関する閾値を超える影響が生じる場合に は、モデル承認が必要となります。 この重要度に関する閾値は、モデル検証グループが管理する実施手続において定義され、また当グルー プのモデル・リスク・アピタイトに反映されます。リスク・モデルに対するある種の重要な変更に対し ては、新旧モデルの同時運用と新しいモデルのバック・テスティングとストレス・テストがモデル承認 に先立ち必要とされます。 9. トレーディング業務以外の出資等又は株式等エクスポージャー トレーディング業務に該当しない出資等又は株式等エクスポージャーについては、投資時点における判断及び期 中管理の実施を組み合わせたリスク管理を行っています。投資時点においては、当グループもしくは当グループ 内の各社が定める稟議規程に基づいて、出資形態・金額等により定められた回覧者並びに決裁者による稟議又は CRO が議長を務めるリスク審査委員会等による審議及び議決を必要とする等、透明性の高い承認手続きを構築し、 運営しています。 また、期中においては、投資対象の属性、保有の形態等に応じ、VaR 方式または残高ベースにより、個別投資額 や株式等総額のリスク量を認識し、シニア・マネジメント、フロント・オフィス、ミドル・オフィス、バック・ オフィスで共有化することで、タイムリーなリスク管理を実施しています。 プライベート・エクイティ投資においては、基礎的内部格付手法に基づき算出する株式等エクスポージャーの信 用リスク・アセットの額を定期的に算出するとともに、連結自己資本規制比率告示に定める自己資本の額との比 率をモニタリングし、投資残高の管理を行っています。 ― 159 ― 10. トレーディング業務以外の取引から生じる金利リスク管理に関する事項 当グループは、トレーディング業務を主たる業務としており、金利リスクは市場リスク管理の枠組みで管理して います。また、資産、負債ともにトレーディング業務以外では金利リスクは極めて限定的と認識しています。 11. 標準的手法についての定性開示項目記載の一環として記載する事項 リスク・ウェイト判定に使用する適格格付機関 リスク・ウェイトの判定に用いる適格格付機関は、全てのエクスポージャーについて、株式会社格付投資情報セ ンター、株式会社日本格付研究所、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク、スタンダード・アンド・ プアーズ・レーティングズ・サービシズ、およびフィッチレーティングスリミテッドの5社の格付を使用してい ます。 ― 160 ― 12. 連結自己資本規制比率告示第3条の規定に従い連結財務諸表を作成したと仮定した場合における連結貸借対照表に 関する事項 (単位:百万円) 連結規制貸借対照表の各項目の 額 2014年12月末 2015年3月末 第2部の対 応項目(国 際様式の該 当項目) 資産 現金・預金 1,927,990 2,085,660 貸付金および受取債権 2,754,751 2,926,647 担保付契約 15,562,569 16,719,520 トレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資 21,175,546 17,308,848 2,240,551 2,307,863 うち、無形固定資産であって、のれんに係るもの(のれん相当差 額を含む。)の額 86,493 86,190 8 うち、無形固定資産であって、のれん及びモーゲージ・サービシ ング・ライツに係るもの以外のものの額 153,114 151,716 9 - - 43,661,407 41,348,538 借入金、支払債務および受入預金 12,542,959 12,396,415 担保付調達 16,754,235 15,379,803 トレーディング負債 10,879,948 10,038,229 762,492 840,655 - - 8 11,617 9 その他の資産 うち、モーゲージ・サービシング・ライツに係るものの額 資産合計 20,24 負債 その他の負債 うち、無形固定資産であって、のれんに係るもの(のれん相当差 額を含む。)の額に係る繰延税金負債 うち、無形固定資産であって、のれん及びモーゲージ・サービシ ング・ライツに係るもの以外のものの額に係る繰延税金負債 うち、モーゲージ・サービシング・ライツに係るものの額に係る 繰延税金負債 12,164 - - 40,939,633 38,655,103 資本金及び資本剰余金の額 1,276,418 1,277,900 1a 利益剰余金 1,391,625 1,427,402 2 128,781 117,967 3 -119,965 -151,805 1c 44,633 21,697 2,721,492 2,693,162 負債合計 20,24 資本 累積的その他の包括利益 自己株式 非支配持分 資本合計 ― 161 ― 第3部 1. 定量的な開示事項 その他金融機関等であって、最終指定親会社の子法人等であるものの自己資本 その他金融機関等であって、最終指定親会社の子法人等であるもののうち、規制上の所要自己資本を下回った会社の 名称と所要自己資本を下回った額の総額については、該当ありません。 2. 連結自己資本規制比率に関する事項 (単位:十億円、%) 2014年3月末 2015年3月末 連結における普通株式等Tier1資本の額 連結におけるTier1資本の額 連結における総自己資本の額 リスク・アセット 信用リスク・アセットの額の合計額 マーケット・リスク相当額の合計額を8%で除して得た額 オペレーショナル・リスク相当額の合計額を8%で除して 得た額 連結普通株式等Tier1比率(%) 連結Tier1比率 連結総自己資本規制比率(%) (A) (B) (C) 2,314.2 2,314.2 2,715.7 2,459.2 2,459.2 2,820.4 (D)=(E)+(F)+(G) (E) (F) (G) 17,425.9 8,034.8 6,999.7 2,391.4 18,929.2 9,112.6 7,113.0 2,703.5 (A)/(D)×100 (B)/(D)×100 (C)/(D)×100 13.2% 13.2% 15.5% 12.9% 12.9% 14.8% ― 162 ― 3. 自己資本の充実度に関する事項 (1) リスク区分別所要自己資本額 (単位:十億円) 2014年3月末 所要自己 EAD 資本額 39,186.8 808.4 24,018.7 546.4 11,493.4 97.4 3,794.5 11.1 7,331.3 131.2 2015年3月末 所要自己 EAD 資本額 50,897.8 946.7 30,762.7 709.0 13,569.0 127.1 4,934.7 8.2 10,792.1 173.9 信用リスク 内部格付手法 金融機関等向けエクスポージャー ソブリン向けエクスポージャー 事業法人向けエクスポージャー (特定貸付債権を除く) 事業法人向けエクスポージャー 97.5 7.4 142.9 8.8 (特定貸付債権) 株式等エクスポージャー 549.3 93.9 616.2 158.4 マーケット・ベース方式の簡易手法適用分 278.9 70.9 616.2 158.4 経過措置適用分 270.4 23.0 その他 666.8 174.3 633.3 206.7 信用リスク・アセットのみなし計算 85.9 31.2 74.6 25.8 標準的手法 861.8 37.1 889.8 37.8 中央清算機関関連エクスポージャー 14,306.3 30.5 19,245.3 35.0 CVAリスク 194.4 165.0 マーケット・リスク 560.0 569.0 内部モデル方式および外部格付準拠方式 560.0 569.0 オペレーショナル・リスク 191.3 216.3 粗利益配分手法 191.3 216.3 連結総所要自己資本額 1,394.1 1,514.3 1 EAD:デフォルト時エクスポージャー 2 所要自己資本額(信用リスク):信用リスク・アセットの額(内部格付手法対象エクスポージャーについては乗 数 1.06 を勘案後)×8%+上記リスク区分にかかる調整項目(期待損失額を含む) 3 所要自己資本額(マーケット・リスク):マーケット・リスク相当額 4 所要自己資本額(オペレーショナル・リスク):オペレーショナル・リスク相当額 5 連結総所要自己資本額:(信用リスク・アセットの額 + マーケット・リスク相当額 ÷ 8% + オペレーショナル・ リスク相当額 ÷ 8%) × 8% 6 エクスポージャー分類は、連結自己資本規制比率告示の規定に従っております。また、算出手法は、当グループ の選択した手法に基づき開示しております。 7 マーケット・ベース方式の簡易手法適用分とは、上場株式等についてはリスク・ウェイト 300%、非上場株式等に ついては同 400%を適用するエクスポージャーを指します。ただし、金融機関等向け出資で資本控除されず、リス クアセット計算対象となったものについては、リスク・ウェイト 250%が適用されております。 8 経過措置適用分とは、2004 年 9 月 30 日以前より継続的に保有する株式等エクスポージャーとして算出するエクス ポージャーを指します。 9 その他には、未決済取引、現金及びその他資産を含みます。 10 信用リスク・アセットのみなし計算とは、連結自己資本規制比率告示に基づき、投資信託、ファンド等に適用さ れる手法を指します。 11 標準的手法とは、内部格付を適用しない事業単位及び資産区分を指します。 12 内部モデル方式とは、内部モデルによりマーケット・リスク相当額を算出する手法を指します。 13 外部格付準拠方式とは、証券化エクスポージャーに外部格付を用いてマーケット・リスク相当額を算出する手法 を指します。 14 粗利益配分手法とは、金融費用控除後利益を業務区分に配分した上で、区分ごとに異なる乗数を適用することに より、オペレーショナル・リスク相当額を算出する手法を指します。 (2) 証券化エクスポージャーについては、全てトレーディング業務に係るエクスポージャーとして取り扱っており ます。 (3) マーケット・ベース方式が適用される株式等エクスポージャーのうち、内部モデル手法が適用される株式等エ クスポージャーについては該当ありません。 (4) PD/LGD 方式が適用される株式等エクスポージャーについては該当ありません。 ― 163 ― (5) マーケット・リスクに対する所要自己資本の額のうち、当グループが標準的方式を使用する対象は該当ありま せん。 (6) オペレーショナル・リスクに対する所要自己資本の額のうち、当グループが基礎的手法及び先進的計測手法を 使用する対象は該当ありません。 4. 信用リスク(信用リスク・アセットのみなし計算が適用されるエクスポージャー及び証券化エクスポージャーを除 く。)に関する事項 (1) 信用リスクに関するエクスポージャー ①地域別内訳 デリバティブ 国内 海外 欧州 北米 アジア 合計 標準的手法適用分 800.1 2,787.6 2,091.1 316.1 380.4 3,587.7 2014年3月末 レポ形式の 取引 651.0 15,852.2 1,969.2 13,231.0 652.0 16,503.2 その他 2,190.5 1,651.4 974.7 503.6 173.2 3,841.9 861.8 デリバティブ 1,072.5 3,019.3 2,301.6 299.4 418.2 4,091.8 (単位:十億円) 2015年3月末 レポ形式の その他 取引 1,038.8 1,981.0 21,636.9 1,939.7 3,885.1 1,033.6 17,040.4 712.5 711.4 193.6 22,675.6 3,920.7 889.8 ②業種別内訳 デリバティブ 銀行 ブローカー/ディーラー その他金融・保険 国・地方公共団体等 消費関連産業 その他 合計 標準的手法適用分 1,714.5 314.0 924.3 338.9 54.9 241.2 3,587.7 2014年3月末 レポ形式の 取引 4,590.5 2,827.4 5,909.1 3,110.2 6.3 59.7 16,503.2 その他 1,124.1 76.2 360.3 1,019.9 40.3 1,221.2 3,841.9 861.8 ― 164 ― デリバティブ 1,788.2 287.3 1,340.8 279.9 83.0 312.7 4,091.8 (単位:十億円) 2015年3月末 レポ形式の その他 取引 5,978.0 1,320.7 2,726.6 171.6 8,660.5 495.9 5,151.9 605.1 6.9 54.2 151.7 1,273.2 22,675.6 3,920.7 889.8 ③残存期間別内訳 (単位:十億円) 2015年3月末 デリバティブ その他 デリバティブ レポ形式の取引 その他 1年未満 348.4 408.3 334.9 21,066.6 418.5 1年以上3年未満 334.0 1,676.1 137.1 958.7 1,719.6 3年以上5年未満 73.5 35.6 130.8 343.2 18.9 5年以上 2,831.7 22.9 3,488.8 307.1 31.4 期間の定めのないもの 0.2 1,699.1 0.1 0.0 1,732.3 合計 3,587.7 3,841.9 4,091.8 22,675.6 3,920.7 標準的手法適用分 861.8 889.8 1 エクスポージャーの額については、信用リスク削減効果が内部モデルに織り込まれる期待エクスポージャー方式を採 用しているため、当該方式の適用対象に関しては信用リスク削減効果勘案後となっております。 2 地域および業種は、当グループの内部管理上の区分を用いております。 3 消費関連産業とは、商業、レジャー産業、小売業、飲食業、航空会社、流通、ヘルスケア、自動車、住宅関連等を指 します。 4 期間の定めのないものには、算出上の上限を使用したものを含みます。 2014年3月末 レポ形式の取引 15,321.2 673.5 199.6 308.6 0.3 16,503.2 (2) 一般貸倒引当金、個別貸倒引当金及び特定海外債権引当勘定の期末残高及び期中の増減額、及び業種別又は取 引相手の別の貸出金償却の額 一般貸倒引当金、個別貸倒引当金については、連結自己資本規制比率告示において、自己資本額として取り扱わ れることが認められていますが、当該引当金の金額的重要性を勘案し、規制上の自己資本額として算入しており ません。 (3) 標準的手法が適用されるエクスポージャーについて、リスク・ウェイトの区分ごとの信用リスク削減手法の効 果を勘案した後の残高(格付が付与されている信用供与の割合が信用供与の額全体の1%未満である場合には、 区分を要しない。)並びに連結自己資本規制比率告示第 55 条第2項第2号、第 101 条、第 155 条第2項第2号 及び第 225 条(連結自己資本規制比率告示第 103 条及び第 112 条第1項において準用する場合に限る。)の規定 により 1250%のリスク・ウェイトが適用されるエクスポージャーの額 リスク・ウェイト 0% 10% 20% 35% 50% 100% 150% 350% 625% 937.5% 1,250% 合計 2014年3月末 信用リスク削減手法の 効果を勘案した後の エクスポージャーの額 102.4 37.5 0.0 24.8 345.3 2.6 12.7 525.4 ― 165 ― (単位:十億円) 2015年3月末 信用リスク削減手法の 効果を勘案した後の エクスポージャーの額 68.4 47.6 0.0 14.7 352.9 6.7 12.7 503.0 (4) 内部格付手法が適用されるエクスポージャーのうち、スロッティング・クライテリアに割り当てられた特定貸 付債権及びマーケット・ベース方式の簡易手法が適用される株式等エクスポージャーについて、連結自己資本 規制比率告示第 129 条第3項及び第5項並びに第 143 条第4項に定めるリスク・ウェイトが適用される場合に おけるリスク・ウェイトの区分ごとの残高 1) スロッティング・クライテリアに割り当てられた特定貸付債権のリスク・ウェイト区分ごとの残高 (単位:十億円) 2015年3月末 2014年3月末 リスク・ウェイト 50% 70% 90% 95% 115% 120% 140% 250% 0% 合計 2) 22.1 58.7 10.3 6.5 97.5 83.5 49.6 4.5 4.2 1.1 142.9 マーケット・ベース方式の簡易手法が適用される株式等エクスポージャーについては、合計 6,162 億円の うち、リスク・ウェイト 300%適用分が 5,463 億円、同 400%適用分が 700 億円となっております。 ― 166 ― (5) 内部格付手法が適用されるポートフォリオについて 1) 内部格付手法が適用されるエクスポージャーの状況(エクスポージャー別) EAD加重 平均 PD 事業法人向け AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 金融機関等向け AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D ソブリン向け AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 合計 AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 1.46% 0.03% 0.24% 3.21% 100.00% 0.26% 0.03% 0.11% 2.97% 100.00% 0.32% 0.01% 0.12% 2.70% 100.00% 0.66% 0.02% 0.16% 3.16% 100.00% EAD加重 平均 LGD 17.08% 42.20% 16.28% 9.24% 45.00% 17.53% 11.35% 22.79% 12.00% 45.00% 32.28% 34.72% 14.49% 37.41% 45.00% 19.86% 23.49% 20.21% 10.01% 45.00% EAD加重 平均 ELdefault 45.00% 45.00% 45.00% 45.00% (単位:十億円、%) 2014年3月末 EAD加重 未引出額に コミットメ EAD EAD 平均 乗ずる掛目 (オン・バラ (オフ・バラ ントの未引 の加重平均 リスク・ウェ 出額 ンス) ンス) 値 イト 17.78% 317.3 7,014.1 1.0 75.00% 9.78% 121.6 896.3 11.26% 75.8 3,294.8 28.05% 119.8 2,818.8 1.0 75.00% 0.00% 0.2 4.2 9.54% 1,137.0 10,356.4 2.37% 195.5 4,414.3 12.42% 902.4 5,272.1 31.05% 39.2 669.7 0.00% 0.0 0.3 1.81% 997.9 2,796.6 0.41% 997.7 2,290.2 7.70% 0.1 465.7 64.02% 0.1 30.2 0.00% 10.5 10.91% 2,452.2 20,167.1 1.0 75.00% 2.49% 1,314.8 7,600.8 11.81% 978.3 9,032.6 28.93% 159.0 3,518.7 1.0 75.00% 0.00% 0.2 15.0 - ― 167 ― EAD加重 平均 PD 事業法人向け AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 金融機関等向け AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D ソブリン向け AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 合計 AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 1.31% 0.03% 0.23% 2.51% 100.00% 0.51% 0.03% 0.12% 4.81% 0.05% 0.01% 0.10% 4.30% 100.00% 0.72% 0.02% 0.16% 2.97% 100.00% EAD加重 平均 LGD 14.50% 37.32% 16.06% 6.60% 43.94% 17.87% 11.45% 24.27% 10.27% 27.95% 27.97% 27.51% 32.98% 45.00% 18.32% 21.14% 21.39% 7.46% 43.94% EAD加重 平均 ELdefault 43.94% 45.00% 43.94% (単位:十億円、%) 2015年3月末 EAD加重 未引出額に EAD EAD コミットメ 平均 乗ずる掛目 (オン・バラ (オフ・バラ ントの未引 リスク・ウェ の加重平均 ンス) ンス) 出額 イト 値 15.61% 455.5 10,336.6 0.3 75.00% 7.35% 184.2 1,236.9 11.31% 106.4 4,265.8 21.74% 164.5 4,829.2 0.3 75.00% 0.00% 0.4 4.6 10.39% 1,441.6 12,127.4 2.25% 250.4 5,189.4 13.34% 1,158.0 5,745.7 29.94% 33.2 1,192.3 1.76% 591.2 4,343.4 0.34% 583.2 3,771.7 8.61% 5.0 542.4 77.41% 3.0 29.3 0.00% 0.0 10.86% 2,488.3 26,807.4 0.3 75.00% 2.16% 1,017.8 10,198.1 12.37% 1,269.4 10,553.9 23.63% 200.7 6,050.8 0.3 75.00% 0.00% 0.4 4.6 - ― 168 ― 2) 内部格付手法が適用されるエクスポージャーの状況(地域別) EAD加重 平均 PD 国内 AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 欧州 AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 北米 AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D アジア AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 合計 AAA~AAA+~BBBBB+~CCC CC~D 0.52% 0.01% 0.16% 12.84% 100.00% 1.16% 0.03% 0.15% 4.35% 100.00% 0.47% 0.03% 0.16% 2.18% 100.00% 1.15% 0.03% 0.15% 9.30% 0.66% 0.02% 0.16% 3.16% 100.00% EAD加重 平均 LGD 42.87% 44.64% 40.28% 37.46% 45.00% 37.38% 44.84% 37.60% 26.58% 45.00% 9.05% 12.86% 8.19% 2.15% 45.00% 24.37% 32.63% 21.74% 30.22% 19.86% 23.49% 20.21% 10.01% 45.00% EAD加重 平均 ELdefault 45.00% 45.00% 45.00% 45.00% (単位:十億円、%) 2014年3月末 未引出額に EAD加重 コミットメ EAD EAD 乗ずる掛目 平均 (オン・バラ (オフ・バラ ントの未引 の加重平均 リスク・ウェ 出額 ンス) ンス) 値 イト 16.06% 1,111.1 1,489.9 0.2 75.00% 3.32% 913.2 668.9 28.67% 183.5 771.1 152.04% 14.3 45.8 0.2 75.00% 0.00% 0.2 4.0 28.32% 802.4 4,079.8 0.1 75.00% 7.92% 240.3 1,037.0 22.13% 438.8 2,211.4 73.66% 123.3 820.4 0.1 75.00% 0.00% 0.0 11.0 2.85% 385.1 13,564.4 0.94% 123.6 5,748.1 3.87% 250.6 5,285.1 5.02% 10.9 2,531.2 0.00% 0.0 0.0 22.85% 153.6 1,033.0 0.6 75.00% 7.34% 37.8 146.8 12.41% 105.3 764.9 113.49% 10.5 121.3 0.6 75.00% 10.91% 2,452.2 20,167.1 1.0 75.00% 2.49% 1,314.8 7,600.8 11.81% 978.3 9,032.6 28.93% 159.0 3,518.7 1.0 75.00% 0.00% 0.2 15.0 - ― 169 ― (単位:十億円、%) 2015年3月末 EAD加重 未引出額に EAD加重 EAD加重 EAD加重 EAD EAD コミットメ 平均 乗ずる掛目 平均 平均 平均 (オン・バラ (オフ・バラ ントの未引 リスク・ウェ の加重平均 PD LGD ELdefault ンス) ンス) 出額 イト 値 国内 0.84% 41.82% 20.25% 874.7 2,121.0 0.2 75.00% AAA~AA0.01% 43.33% 4.05% 604.6 1,049.3 A+~BBB0.15% 40.05% 27.55% 236.1 982.2 BB+~CCC 15.59% 38.80% 171.63% 33.9 85.0 0.2 75.00% CC~D 100.00% 45.00% 45.00% 0.00% 0.1 4.5 欧州 1.32% 34.32% 23.96% 795.9 6,216.8 0.0 75.00% AAA~AA0.02% 43.68% 4.24% 153.2 1,975.1 A+~BBB0.14% 35.42% 21.36% 498.4 2,921.0 BB+~CCC 5.92% 18.16% 58.70% 144.1 1,320.6 0.0 75.00% CC~D 100.00% 31.97% 31.97% 0.00% 0.2 0.2 北米 0.40% 7.59% 2.82% 646.1 17,340.0 AAA~AA0.03% 9.39% 1.05% 235.1 7,087.8 A+~BBB0.17% 9.36% 3.83% 404.0 5,813.2 BB+~CCC 1.32% 2.13% 4.33% 7.1 4,439.0 CC~D アジア 1.81% 26.45% 29.70% 171.6 1,129.6 AAA~AA0.03% 33.71% 6.61% 25.0 85.8 A+~BBB0.16% 25.54% 16.30% 131.0 837.5 BB+~CCC 9.88% 26.81% 99.73% 15.7 206.2 CC~D 100.00% 45.00% 45.00% 0.00% 0.0 合計 0.72% 18.32% 10.86% 2,488.3 26,807.4 0.3 75.00% AAA~AA0.02% 21.14% 2.16% 1,017.8 10,198.1 A+~BBB0.16% 21.39% 12.37% 1,269.4 10,553.9 BB+~CCC 2.97% 7.46% 23.63% 200.7 6,050.8 0.3 75.00% CC~D 100.00% 43.94% 43.94% 0.00% 0.4 4.6 1 PD は、向こう1年間にデフォルトが発生する確率の推計値、LGD は、EAD に対するデフォルトしたエクスポージャ ーに生じる損失額の割合を示しております。 2 エクスポージャーの額(EAD)については、信用リスク削減効果が内部モデルに織り込まれる期待エクスポージャ ー方式を採用しているため、当該方式の適用対象に関しては信用リスク削減効果勘案後となっております。 3 信用リスク・アセット算出上に使用した内部格付で分類しているため、一部実際のエクスポージャーに付与された 内部格付に比べて保守的な区分となっています。 4 連結自己資本規制比率算出上のデフォルト区分は CC、C 及び D としております。 5 内部格付手法が適用されるエクスポージャーのうち、未決済取引、株式等エクスポージャー、スロッティング・ク ライテリアに割り当てられた特定貸付債権、信用リスク・アセットのみなし計算が適用されるエクスポージャー、 現金及びその他資産は除外しております。 6 地域は、当グループの内部管理上の区分を用いております。 3) 4) PD/LGD 方式を適用する株式等エクスポージャーにおける債務者格付ごとの PD の推計値、リスク・ウェイ トの加重平均値及び残高については該当ありません。 居住用不動産向けエクスポージャー、適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー及びその他リテ ール向けエクスポージャー 次のいずれかの事項 i) プール単位での PD の推計値、LGD の推計値(デフォルトしたエクスポージャーに係る ELdefault を含 む。)の加重平均値、リスク・ウェイトの加重平均値、オン・バランス資産項目の EAD の推計値、オ フ・バランス資産項目の EAD の推計値、コミットメントの未引出額及び当該未引出額に乗ずる掛目 の推計値の加重平均値 ii) 適切な数の EL 区分を設けた上でのプール単位でのエクスポージャーの分析 当グループにおいて、リスク・アセットベースにおけるリテール関連の信用リスク・アセットの額 は僅少であり、算出上はリテール・プールを作成せず、事業法人等エクスポージャー又は適用除外 資産として取り扱っていることから、該当ありません。 (6) 内部格付手法を適用する事業法人向けエクスポージャー、ソブリン向けエクスポージャー、金融機関等向けエ クスポージャー、PD/LGD 方式を適用する株式等エクスポージャー、居住用不動産向けエクスポージャー、適格 リボルビング型リテール向けエクスポージャー及びその他リテール向けエクスポージャーごとの、直前期にお ― 170 ― ける損失の実績値、当該実績値と過去の実績値との対比並びに要因分析、及び長期にわたる損失額の推計値と 実績値の対比 当グループでは、市場性のある取引またはそれに裏付けられた取引がビジネスの中心になっており、金融資 産の公正価値の把握およびその変動リスクの把握が重要となっています。内部格付手法を適用しているエク スポージャーは、デリバティブ等取引に係るカウンターパーティ向けの与信が大半であり、これらの与信に 係る損失は公正価値の見直し(評価損益)、又はポジション解消(売却損益)を通じて実現されるケースも 多数存在します。当該損失は、信用リスクに起因する部分と市場リスクに起因する部分が混在し、両者を判 別することが困難であることから、信用リスクに起因する損失実績値の集計は行っておりません。 また当グループにおいて、内部格付手法の適用対象となるエクスポージャーについては、過去長期間にわた り、実際に発生したデフォルト件数が少ない中、PD 推計値は、過去長期間の実績値との対比では相当保守的 な水準になっております。 5. 信用リスク削減手法に関する事項 内部格付手法において信用リスク削減手法が適用されたエクスポージャー (単位:十億円) 2014年3月末 金融資産担保 内部格付手法 金融機関等向けエクスポージャー ソブリン向けエクスポージャー 事業法人向けエクスポージャー 資産担保 12,685.0 7,063.3 1,072.3 4,549.4 クレジット・ デリバティブ 保証 - - (単位:十億円) 2015年3月末 金融資産担保 資産担保 保証 クレジット・ デリバティブ 内部格付手法 17,377.2 金融機関等向けエクスポージャー 8,192.7 ソブリン向けエクスポージャー 1,869.5 事業法人向けエクスポージャー 7,315.0 1 金融資産担保とは、現金や有価証券等のうち、連結自己資本規制比率告示にて適格なものとして定められたものを 指します。 2 信用リスク削減効果が内部モデルに織り込まれる期待エクスポージャー方式を採用しているため、金融資産担保の 額は、期待エクスポージャー方式が適用されなかったエクスポージャーに対して充当された額を示しております。 ― 171 ― - 6. 派生商品取引及び長期決済期間取引の取引相手のリスクに関する事項 (1) 派生商品取引及び長期決済期間取引の取引相手のリスクの状況 派生商品取引 外国為替関連取引および金関連取引 金利関連取引 株式関連取引 貴金属関連取引(金を除く) その他のコモディティ関連取引 クレジット・デリバティブ取引 長期決済期間取引 一括清算ネッティング契約による与信相当額削減効 果(△) ネットの与信相当額 担保の額 金融資産担保 与信相当額(担保勘案後) (A) (B) (C) グロスの 再構築コス ト 1,904.0 228.8 777.1 735.0 0.0 3.2 159.9 2.9 - (D)=(A)+(B)-(C) (E) (単位:十億円) 2014年3月末 与信相当額 グロスの (担保勘案 アドオン 前) 2,146.5 4,050.5 156.3 385.1 79.4 856.5 1,593.8 2,328.8 1.1 1.1 34.9 38.1 281.0 440.8 0.3 3.2 2,480.9 - (D)-(E) グロスの 再構築コス ト 2,193.7 155.2 730.8 1,168.3 0.0 0.4 139.0 6.7 - - 1,572.8 321.9 321.9 1,250.9 (単位:十億円) 2015年3月末 与信相当額 グロスの (担保勘案 アドオン 前) 3,905.8 6,099.5 96.2 251.4 194.3 925.1 3,419.4 4,587.6 0.9 0.9 43.3 43.8 151.7 290.7 0.0 6.7 3,650.5 派生商品取引 (A) 外国為替関連取引および金関連取引 金利関連取引 株式関連取引 貴金属関連取引(金を除く) その他のコモディティ関連取引 クレジット・デリバティブ取引 長期決済期間取引 (B) 一括清算ネッティング契約による与信相当額削減効 (C) 果(△) ネットの与信相当額 (D)=(A)+(B)-(C) 担保の額 (E) 金融資産担保 与信相当額(担保勘案後) (D)-(E) 1 カレント・エクスポージャー方式を用いて与信相当額を算出している部分につき集計しております。 2,455.7 668.9 668.9 1,786.8 (2) 与信相当額算出の対象となるクレジット・デリバティブの想定元本額をクレジット・デリバティブの種類別、 かつ、プロテクションの購入又は提供の別に区分した額 クレジット・デフォルト・スワップ(個別) クレジット・デフォルト・スワップ(指数) その他のクレジット・リスク関連ポートフォリ オ商品 クレジット・リスク関連オプションおよびスワ プション 合計 2014年3月末 提供 購入 21,069.5 20,498.5 9,081.8 9,129.8 1,574.4 1,535.3 (単位:十億円) 2015年3月末 提供 購入 18,807.9 18,613.7 6,043.8 6,352.4 673.1 568.4 676.3 364.6 299.9 353.4 32,402.0 31,528.1 25,824.7 25,887.9 ― 172 ― 7. 会社グループが投資家である場合におけるマーケット・リスク相当額の算出対象となる証券化エクスポージャーに 関する事項 証券化エクスポージャーについては、全てトレーディング業務に係るエクスポージャーとして取り扱っております。 (1) 保有する証券化エクスポージャー(包括的リスクの計測対象は除く)の額及び主な原資産の種類別の内訳 (単位:十億円) エクスポージャーの額 RMBS CMBS CDO/CLO Consumer Commercial その他 合計 205.8 231.1 88.3 51.6 2.5 42.8 622.2 2014年3月末 (うち再証券化 エクスポージャー) 13.1 0.7 0.0 0.0 13.8 (うち100%のリスク・ウェ イト適用分) 113.3 89.7 46.2 2.1 0.0 19.0 270.4 (単位:十億円) 2015年3月末 (うち再証券化 (うち100%のリスク・ウェ エクスポージャーの額 エクスポージャー) イト適用分) RMBS 223.7 29.6 108.4 CMBS 213.7 25.1 CDO/CLO 68.8 0.0 44.7 Consumer 83.5 2.5 Commercial 2.0 0.0 Other 47.5 0.0 12.5 合計 639.0 29.6 193.3 1 ロング及びショート・ポジションをグロス合計し、エクスポージャーの額及び所要自己資本の額を算出してお ります。 (2) 保有する証券化エクスポージャー(包括的リスクの計測対象は除く)の適切な数のリスク・ウェイトの区分ごと の残高及び所要自己資本の額 (単位:十億円) エクスポージャ ーの額 1.6%以下 1.6%超 4%以下 4%超 8%以下 8%超 20%以下 20%超 100%未満 100% 合計 155.0 96.9 33.0 42.8 24.1 270.4 622.2 2014年3月末 (うち再証券化 所要自己資本 エクスポージャ の額 ー) 1.0 1.3 2.1 1.7 1.0 5.1 10.5 11.4 218.9 13.8 239.3 ― 173 ― (うち再証券化 エクスポージャ ー) 0.0 0.1 11.4 11.6 (単位:十億円) 2015年3末 (うち再証券化 (うち再証券化 エクスポージャ 所要自己資本 エクスポージャ エクスポージャ ーの額 の額 ー) ー) 1.6%以下 239.6 1.5 1.6%超 4%以下 99.2 2.3 4%超 8%以下 33.6 0.0 1.7 0.0 8%超 20%以下 51.0 7.3 5.6 1.0 20%超 100%未満 22.4 0.1 9.1 0.1 100% 193.3 22.2 185.8 22.2 合計 639.0 29.6 205.9 23.2 1 リスク・ウェイトの区分は、マーケット・リスクの個別リスクにおいて使用される表記を用いております。 2 ロング及びショート・ポジションをグロス合計し、エクスポージャーの額及び所要自己資本の額を算出してお ります。 (3) 保有する包括的リスクの計測対象となる証券化エクスポージャーの総額並びに適切なリスクの種類別の包括的 リスクの期末値の内訳及びその総額 (単位:十億円) 2015年3月末 2014年3月末 エクスポージャーの総額 ヘッジ込み ヘッジ除外 204.4 167.6 90.8 68.9 (単位:十億円) 2015年3月末 2014年3月末 所要自己資本 デフォルト 相関 クレジット・スプレッド その他 包括的リスクの額 8. 10.8 -1.9 1.7 0.4 11.0 6.2 -0.5 0.5 4.8 11.0 マーケット・リスクに関する事項 (1) 期末の VaR の値並びに開示期間における VaR の最高、平均及び最低の値 VaR(10day) 2013年4月1日~2014年3月31日 2014年3 日次平均 最高 最低 月末 17.0 29.3 11.0 14.9 (単位:十億円) 2014年4月1日~2015年3月31日 2015年3 日次平均 最高 最低 月末 20.8 36.2 12.5 24.6 VaR(10day)の前提 信頼水準: 片側検定99% 保有期間: 10日 商品間の価格変動の相関を考慮 (2) 期末のストレス VaR の値並びに開示期間におけるストレス VaR の最高、平均及び最低の値 2013年4月1日~2014年3月31日 2014年3 日次平均 最高 最低 月末 ストレスVaR 41.4 80.8 17.2 ― 174 ― 48.0 (単位:十億円) 2014年4月1日~2015年3月31日 2015年3 日次平均 最高 最低 月末 56.0 98.0 32.0 49.6 ストレス VaR の前提 信頼水準: 片側検定99% 保有期間: 10日 商品間の価格変動の相関を考慮 (3) 期末の追加的リスク及び包括的リスクに係る所要自己資本の額並びに開示期間における所要自己資本の最高、 平均及び最低の額 2013年4月1日~2014年3月31日 2014年3 日次平均 最高 最低 月末 追加的リスク 包括的リスク 109.3 16.2 139.8 28.1 89.6 10.3 103.9 11.0 (単位:十億円) 2014年4月1日~2015年3月31日 2015年3 日次平均 最高 最低 月末 124.9 155.1 98.9 132.8 11.5 14.9 10.2 11.0 (4) バック・テスティングの結果及び損益の実績値が VaR の値から大幅に下方乖離した場合についての説明 2014 年4月1日から 2015 年3月 31 日までの期間において、バックテスト超過は1回ありましたが、これ は損益の実績値がバリュー・アット・リスクの値から大幅に下方乖離したものではありません。 9. トレーディング業務以外の出資等又は株式等エクスポージャーに関する事項 (1) 連結貸借対照表計上額 (単位:十億円) 2015年3月末 2014年3月末 連結貸借対照表 計上額 経過措置適用分 上場株式等エクスポージャー 上記以外の株式等エクスポージャー 合計 270.4 231.4 47.5 549.3 連結貸借対照表 計上額 時価 270.4 328.5 47.5 646.4 546.3 70.0 616.2 時価 712.0 70.0 782.0 (2) 株式等エクスポージャーのポートフォリオ区分ごとの額 2014年3月末 PD/LGD方式 マーケット・ベース方式の簡易手法適用分 マーケット・ベース方式の内部モデル手法適用分 経過措置適用分 合計 278.9 270.4 549.3 (単位:十億円) 2015年3月末 616.2 616.2 尚、連結貸借対照表で認識され、かつ、連結損益計算書で認識されない評価損益の額及び連結貸借対照表及び 連結損益計算書で認識されない評価損益の額については該当ありません。 10. トレーディング業務以外の取引から生じる金利リスクに関して会社グループが内部管理上使用した金利ショックに 対する損益又は経済的価値の増減に関する事項 当グループは、トレーディング業務を主たる業務としており、金利リスクは市場リスク管理の枠組みで管理していま す。また、当グループは、預金預入業務を主たる業務とはしておらず、トレーディング業務以外の取引から生じる金 利リスクの損益、経済的価値に対する影響は極めて限定的であると認識しています。 ― 175 ― 11. グローバルなシステム上重要な銀行の選定指標に関する開示事項 項番 項目内容 1 9 10 資産及び取引に関する残高の合計額(注2)(イ+ロ+ハ+ニ): イ 派生商品取引及び長期決済期間取引に関する再構築コストの額 及びカレント・エクスポージャー方式で計算したアドオンの額 (注3) ロ レポ形式の取引に係るグロスの資産残高及び貸出資産と借入資 産との評価差額 ハ 資産の額(注4) ニ オフ・バランス取引(注5)の与信相当額 金融機関等(注6)向け与信に関する残高の合計額(イ+ロ+ハ+ ニ): イ 金融機関等(注6)向け預金及び貸出金の額(コミットメントの 未引出額を含む。) ロ 金融機関等(注6)が発行した有価証券(注7)の保有額 ハ 金融機関等(注6)とのレポ形式の取引のカレント・エクスポー ジャーの額(注3) ニ 金融商品市場等(注8)によらないで行う金融機関等(注6)と の派生商品取引及び長期決済期間取引に係る公正価値評価額及 びカレント・エクスポージャー方式で計算したアドオンの額(注 3) 金融機関等(注6)に対する債務に関する残高の合計額(イ+ロ+ ハ): イ 金融機関等(注6)からの預金の額及びコミットメントの未引出 額 ロ 金融機関等(注6)とのレポ形式の取引のカレント・エクスポー ジャーの額(注9) ハ 金融商品市場等(注8)によらないで行う金融機関等(注6)と の派生商品取引及び長期決済期間取引に係る公正価値評価額及 びカレント・エクスポージャー方式で計算したアドオンの額(注 9) 発行済有価証券(注7)の時価の残高 信託財産及びこれに類する資産の残高 金融商品市場等(注8)によらないで行う金融機関等(注6)との派 生商品取引及び長期決済期間取引に係る想定元本の額の残高 売買目的有価証券及びその他有価証券(注10)の残高の合計額 観察可能な市場データではない情報に基づき公正価値評価された資 産の残高(注11) 対外与信の残高 対外債務の残高 項番 項目内容 11 日本銀行金融ネットワークシステムその他これらに類する決済シス テムを通じた決済の年間の合計額 債券及び株式に係る引受け(注12)の年間の合計額 2 3 4 5 6 7 8 12 (注) 1 2 3 4 5 (単位:十億円/Billion yen) 2015年3月末 GSIB識別子(注1) (As of March end 2015) (GSIB Identifier) 78,360.3 GSIB1032 14,050.1 GSIB1045 9,876.4 GSIB1052 7,513.5 31,021.7 2,974,015.3 GSIB1060 GSIB1074 GSIB1080 5,368.5 600.0 GSIB1085 GSIB1086 24,631.7 17,213.1 GSIB1087 GSIB1091 2014年度 GSIB識別子 (Fiscal Year 2014) (GSIB Identifier) 835,047.1 GSIB1073 12,966.0 GSIB1077 2015 年1月、バーゼル銀行監督委員会により公表されたグローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)の選定 指標に係るテンプレート (http://www.bis.org/bcbs/gsib/)の各データに対応する 8 桁の識別子を記載し ております。 2015 年1月、バーゼル銀行監督委員会により公表されたグローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)の選定 指標に係るテンプレート(http://www.bis.org/bcbs/gsib/)上の Total exposures indicator (2.n.)と同様に 集計しております。 法的に有効な相対ネッティング契約の効果を勘案できるものとし、零を下回らないものに限ります。 項番1 イ、ロに掲げるもの、普通株式等 Tier1資本に係る調整項目の額並びにその他 Tier1 資本に係る調整項 目の額を除いております。 派生商品取引及び長期決済期間取引並びにレポ形式の取引を除いております。 ― 176 ― 6 7 8 9 10 11 12 金融商品取引法第 2 条の第 9 項に規定する金融商品取引業者、保険会社、中央清算機関、厚生年金基金その他こ れらに類する事業を営む者を含みます。 担保付社債、一般無担保社債、劣後債、短期社債、譲渡性預金及び株式をいいます。 金融商品取引法第 2 条の第 14 項に規定する金融商品市場及び同条の第 8 項第 3 号ロに規定する外国金融商品市 場をいいます。 法的に有効な相対ネッティング契約の効果を勘案できるものとし、零を上回らないものに限ります。 流動性が高いと認められるものを除いております。 米国会計基準に基づく金額を記載しております。 金融商品取引法第 2 条の第 8 項第 6 号に規定する有価証券の引受けをいいます。 ― 177 ― 第4部 自己資本調達手段に関する契約内容 野村ホールディングス株式会社 普通株式 1. 自己資本調達手段(普通株式) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 野村ホールディングス株式会社 JP3762600009 日本法 普通株式等Tier1 資本に係る基礎項目の額 普通株式等Tier1 資本に係る基礎項目の額 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 普通株式 594,493百万円 株主資本 株主資本 無 無 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 無 無 劣後債務 無 ― 178 ― 野村ホールディングス株式会社 第 1 回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約及び条件付債務免除特約付) 2. 自己資本調達手段(劣後債) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 16 17 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 153,695百万円 154,300百万円 負債 負債 2011年12月26日 有 2021年12月24日 有 初回償還可能日:2016年12月26日 償還金額:各社債の金額100円につき100円 特別早期償還特約の対象となる事由: 発行者が金融庁その他の監督当局と協議した結果、本社債がバーゼ ルIII基準に準拠して金融庁その他の監督当局が定める発行者に適 用ある自己資本規制比率算入基準に照らして、発行者のTier2資本 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) として扱われなくなるおそれが軽微でないと判断した場合(発行者 のTier2資本の算入制限超過を理由として発行者のTier2資本として 扱われなくなる場合を除く。) 償還金額:各社債の金額100円につき100円 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 固定から変動 2011年12月27日から2016年12月26日まで: 年2.24パーセント 2016年12月26日の翌日以降: 5年物円スワップのオファード・レートに1.70パーセントを加算 し、小数点以下第3位を切り上げたもの。 配当率又は利率(11) 19 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 21 22 Tier2 資本に係る基礎項目の額 野村ホールディングス株式会社第1回期限前償還条項付無担保社債 (劣後特約及び条件付債務免除特約付) 銘柄、名称又は種類 18 20 Tier2 資本に係る基礎項目の額 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 15 野村ホールディングス株式会社 JP376260ABC4 日本法 無 裁量なし 無 無 ― 179 ― 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 有 ①または②の事由が生じた場合: ①本社債及び発行者のTier2資本として扱われる発行者の他の債務 (本元本の削減に係る特約と同等の特約が付されたものに限る。) にかかる債務減免がなければ、発行者が存続不可能になると金融庁 その他の監督当局が決定した場合 ②公的機関またはこれに類似する組織による資本注入またはこれに 準ずる行為がなければ発行者が存続不可能になると金融庁その他の 監督当局が決定した場合 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 常に全部削減 無 一般債務 無 ― 180 ― ■その他の契約内容 担保 本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。 財務上の特約 担保提供制限条項その他の条項は付されていない。 期限の利益喪失に関する特約 (1)本社債は期限の利益喪失に関する特約を付さない。 (2)本社債の社債権者は、会社法第739条に定める決議を行う権利を有さず、本社債が同条に基づき 期限の利益を喪失せしめられることはない。 劣後特約 (1)次の各場合には、本社債の償還及び利息の支払いは以下の規定に従って行われる。 ①破産の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について破産手続開始の決定がなされ、かつ破産手続が継続している場合、 本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) その破産手続の最後の配当のための配当表(更正された場合は、更正後のもの)に記載された配当に加えるべき債権のうち、本社債に 基づく債権及び本劣後特約(1)①ないし④と実質的に同一またはこれに劣後する条件を付された債権(ただし、本劣後特約(1)③ を除き本劣後特約(1)と実質的に同一の条件を付された債権は、本劣後特約(1)①ないし④と実質的に同一の条件を付された債権 とみなす。)(かかる条件を付された債権を、本社債に基づく債権とともに、以下「劣後債権」という。)を除く全ての債権が、 各中間配当、最後の配当及び追加配当によって、その債権額につき全額の満足(配当及び供託を含む。)を受けたこと。 ②会社更生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について会社更生手続開始の決定がなされ、かつ更生手続が継続している 場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) 当社について、会社更生計画認可の決定が確定したときにおける更正計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ③民事再生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について民事再生手続開始の決定がなされ、かつ簡易再生または同意再生 の決定がなされることなく再生手続が継続している場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就した ときに発生する。 (停止条件) 当社について、民事再生計画認可の決定が確定したときにおける再生計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ④日本法によらない破産、会社更生及び民事再生の場合 当社について、日本法によらない破産手続、会社更生手続、民事再生手続またはこれに準ずる手続が外国において本劣後特約(1)① ないし③に準じて行われる場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、その手続において本劣後特約(1)①ないし③の 停止条件に準ずる条件が成就したときに、その手続上発生するものとする。ただし、その手続上そのような条件を付すことが 認められない場合には、当該条件にかかることなく発生するものとする。 (2)本社債の社債要項の各条項は、いかなる意味においても、劣後債権の債権者以外の当社の債権者に対して不利益を及ぼす内容に これを変更してはならず、かかる変更の合意はいかなる意味においても、またいかなる者に対しても効力を生じない。 (3)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止しているにもかかわらず、当該元利金の全部 または一部が社債権者に支払われた場合には、その支払いは無効とし、社債権者はその受領した元利金をただちに当社に返還する。 (4)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止している間は、本社債に基づく元利金の 支払請求権を相殺の対象とすることはできない。 (5)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止したために当該元利金の支払いが本社債の 社債要項に定めた期日に遅れた場合には、社債権者は当該遅滞に関して利息その他の支払いを請求することが出来ない。 (6)当社について破産手続が開始された場合、当該破産手続における本社債に基づく元利金の支払請求権の配当の順位は、破産法に 規定する劣後的破産債権に後れるものとする。 ― 181 ― 野村ホールディングス株式会社 第 2 回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約及び条件付債務免除特約付) 3. 自己資本調達手段(劣後債) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 16 17 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 15,200百万円 15,700百万円 負債 負債 2011年12月26日 有 2021年12月24日 有 初回償還可能日:2016年12月26日 償還金額:各社債の金額100円につき100円 特別早期償還特約の対象となる事由: 発行者が金融庁その他の監督当局と協議した結果、本社債がバー ゼルIII基準に準拠して金融庁その他の監督当局が定める発行者 に適用ある自己資本規制比率算入基準に照らして、発行者の 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) Tier2資本として扱われなくなるおそれが軽微でないと判断した 場合(発行者のTier2資本の算入制限超過を理由として発行者の Tier2資本として扱われなくなる場合を除く。) 償還金額:各社債の金額100円につき100円 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 固定から変動 2011年12月27日から2016年12月26日まで: 年2.24パーセント 2016年12月26日の翌日以降: 5年物円スワップのオファード・レートに1.70パーセントを加算 し、小数点以下第3位を切り上げたもの。 配当率又は利率(11) 19 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 21 22 Tier2 資本に係る基礎項目の額 野村ホールディングス株式会社第2回期限前償還条項付無担保社 債(劣後特約及び条件付債務免除特約付) 銘柄、名称又は種類 18 20 Tier2 資本に係る基礎項目の額 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 15 野村ホールディングス株式会社 JP376260BBC2 日本法 無 裁量なし 無 無 ― 182 ― 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 無 有 ①または②の事由が生じた場合: ①本社債及び発行者のTier2資本として扱われる発行者の他の債 務(本元本の削減に係る特約と同等の特約が付されたものに限 る。)にかかる債務減免がなければ、発行者が存続不可能になる と金融庁その他の監督当局が決定した場合 ②公的機関またはこれに類似する組織による資本注入またはこれ に準ずる行為がなければ発行者が存続不可能になると金融庁その 他の監督当局が決定した場合 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 常に全部削減 無 一般債務 無 ― 183 ― ■その他の契約内容 担保 本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。 財務上の特約 担保提供制限条項その他の条項は付されていない。 期限の利益喪失に関する特約 (1)本社債は期限の利益喪失に関する特約を付さない。 (2)本社債の社債権者は、会社法第739条に定める決議を行う権利を有さず、本社債が同条に基づき 期限の利益を喪失せしめられることはない。 劣後特約 (1)次の各場合には、本社債の償還及び利息の支払いは以下の規定に従って行われる。 ①破産の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について破産手続開始の決定がなされ、かつ破産手続が継続している場合、 本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) その破産手続の最後の配当のための配当表(更正された場合は、更正後のもの)に記載された配当に加えるべき債権のうち、劣後債権 を除く全ての債権が、各中間配当、最後の配当及び追加配当によって、その債権額につき全額の満足(配当及び供託を含む。) を受けたこと。 ②会社更生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について会社更生手続開始の決定がなされ、かつ更生手続が継続している 場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) 当社について、会社更生計画認可の決定が確定したときにおける更正計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ③民事再生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について民事再生手続開始の決定がなされ、かつ簡易再生または同意再生 の決定がなされることなく再生手続が継続している場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就した ときに発生する。 (停止条件) 当社について、民事再生計画認可の決定が確定したときにおける再生計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ④日本法によらない破産、会社更生及び民事再生の場合 当社について、日本法によらない破産手続、会社更生手続、民事再生手続またはこれに準ずる手続が外国において本劣後特約(1)① ないし③に準じて行われる場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、その手続において本劣後特約(1)①ないし③の 停止条件に準ずる条件が成就したときに、その手続上発生するものとする。ただし、その手続上そのような条件を付すことが 認められない場合には、当該条件にかかることなく発生するものとする。 (2)本社債の社債要項の各条項は、いかなる意味においても、劣後債権の債権者以外の当社の債権者に対して不利益を及ぼす内容に これを変更してはならず、かかる変更の合意はいかなる意味においても、またいかなる者に対しても効力を生じない。 (3)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止しているにもかかわらず、当該元利金の全部 または一部が社債権者に支払われた場合には、その支払いは無効とし、社債権者はその受領した元利金をただちに当社に返還する。 (4)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止している間は、本社債に基づく元利金の 支払請求権を相殺の対象とすることはできない。 (5)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止したために当該元利金の支払いが本社債の 社債要項に定めた期日に遅れた場合には、社債権者は当該遅滞に関して利息その他の支払いを請求することが出来ない。 (6)当社について破産手続が開始された場合、当該破産手続における本社債に基づく元利金の支払請求権の配当の順位は、破産法に 規定する劣後的破産債権に後れるものとする。 ― 184 ― 野村ホールディングス株式会社 第 2 回無担保社債(劣後特約付) 4. 自己資本調達手段(劣後債) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 野村ホールディングス株式会社 JP376260AAB8 日本法 Tier2 資本に係る基礎項目の額 無 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 野村ホールディングス株式会社第2回無担保社債(劣後特約付) 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 27,650百万円 39,500百万円 負債 負債 2010年11月26日 有 2025年11月26日 無 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 固定 年2.649パーセント 無 裁量なし 無 無 無 無 一般債務 有 実質破綻認定時損失吸収条項 ― 185 ― ■その他の契約内容 担保・保証の有無 本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。 期限の利益喪失に関する特約 (1)本社債は期限の利益喪失に関する特約を付さない。 (2)本社債の社債権者は、会社法第739条に定める決議を行う権利を有さず、本社債が同条に基づき 期限の利益を喪失せしめられることはない。 劣後特約 (1)次の各場合には、本社債の償還及び利息の支払いは以下の規定に従って行われる。 ①破産の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について破産手続開始の決定がなされ、かつ破産手続が継続している場合、 本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) その破産手続の最後の配当のための配当表(更正された場合は、更正後のもの)に記載された配当に加えるべき債権のうち、劣後債権 を除く全ての債権が、各中間配当、最後の配当及び追加配当によって、その債権額につき全額の満足(配当及び供託を含む。) を受けたこと。 ②会社更生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について会社更生手続開始の決定がなされ、かつ更生手続が継続している 場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) 当社について、会社更生計画認可の決定が確定したときにおける更正計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ③民事再生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について民事再生手続開始の決定がなされ、かつ簡易再生または同意再生 の決定がなされることなく再生手続が継続している場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就した ときに発生する。 (停止条件) 当社について、民事再生計画認可の決定が確定したときにおける再生計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ④日本法によらない破産、会社更生及び民事再生の場合 当社について、日本法によらない破産手続、会社更生手続、民事再生手続またはこれに準ずる手続が外国において本劣後特約(1)① ないし③に準じて行われる場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、その手続において本劣後特約(1)①ないし③の 停止条件に準ずる条件が成就したときに、その手続上発生するものとする。ただし、その手続上そのような条件を付すことが 認められない場合には、当該条件にかかることなく発生するものとする。 (2)本社債の社債要項の各条項は、いかなる意味においても、劣後債権の債権者以外の当社の債権者に対して不利益を及ぼす内容に これを変更してはならず、かかる変更の合意はいかなる意味においても、またいかなる者に対しても効力を生じない。 (3)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止しているにもかかわらず、当該元利金の全部 または一部が社債権者に支払われた場合には、その支払いは無効とし、社債権者はその受領した元利金をただちに当社に返還する。 (4)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止している間は、本社債に基づく元利金の 支払請求権を相殺の対象とすることはできない。 (5)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止したために当該元利金の支払いが本社債の 社債要項に定めた期日に遅れた場合には、社債権者は当該遅滞に関して利息その他の支払いを請求することが出来ない。 (6)当社について破産手続が開始された場合、当該破産手続における本社債に基づく元利金の支払請求権の配当の順位は、破産法に 規定する劣後的破産債権に後れるものとする。 ― 186 ― 野村ホールディングス株式会社 第 3 回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付) 5. 自己資本調達手段(劣後債) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 Tier2 資本に係る基礎項目の額 無 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 野村ホールディングス株式会社第3回期限前償還条項付無担保社 債(劣後特約付) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 39,690百万円 57,700百万円 負債 負債 2010年11月26日 有 2025年11月26日 有 初回償還可能日:2020年11月26日 償還金額:各社債の金額100円につき100円 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 15 野村ホールディングス株式会社 JP376260BAB6 日本法 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 無 2020年11月26日以降に到来するいずれかの利息の支払期日(毎 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 年5月26日および11月26日(当該日が銀行休業日にあたるとき (9) は、その前銀行営業日)) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 固定 年2.749パーセント 無 無 無 無 無 一般債務 有 実質破綻認定時損失吸収条項 ― 187 ― ■その他の契約内容 担保・保証の有無 本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。 期限の利益喪失に関する特約 (1)本社債は期限の利益喪失に関する特約を付さない。 (2)本社債の社債権者は、会社法第739条に定める決議を行う権利を有さず、本社債が同条に基づき 期限の利益を喪失せしめられることはない。 劣後特約 (1)次の各場合には、本社債の償還及び利息の支払いは以下の規定に従って行われる。 ①破産の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について破産手続開始の決定がなされ、かつ破産手続が継続している場合、 本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) その破産手続の最後の配当のための配当表(更正された場合は、更正後のもの)に記載された配当に加えるべき債権のうち、劣後債権 を除く全ての債権が、各中間配当、最後の配当及び追加配当によって、その債権額につき全額の満足(配当及び供託を含む。) を受けたこと。 ②会社更生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について会社更生手続開始の決定がなされ、かつ更生手続が継続している 場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) 当社について、会社更生計画認可の決定が確定したときにおける更正計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ③民事再生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について民事再生手続開始の決定がなされ、かつ簡易再生または同意再生 の決定がなされることなく再生手続が継続している場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就した ときに発生する。 (停止条件) 当社について、民事再生計画認可の決定が確定したときにおける再生計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ④日本法によらない破産、会社更生及び民事再生の場合 当社について、日本法によらない破産手続、会社更生手続、民事再生手続またはこれに準ずる手続が外国において本劣後特約(1)① ないし③に準じて行われる場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、その手続において本劣後特約(1)①ないし③の 停止条件に準ずる条件が成就したときに、その手続上発生するものとする。ただし、その手続上そのような条件を付すことが 認められない場合には、当該条件にかかることなく発生するものとする。 (2)本社債の社債要項の各条項は、いかなる意味においても、劣後債権の債権者以外の当社の債権者に対して不利益を及ぼす内容に これを変更してはならず、かかる変更の合意はいかなる意味においても、またいかなる者に対しても効力を生じない。 (3)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止しているにもかかわらず、当該元利金の全部 または一部が社債権者に支払われた場合には、その支払いは無効とし、社債権者はその受領した元利金をただちに当社に返還する。 (4)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止している間は、本社債に基づく元利金の 支払請求権を相殺の対象とすることはできない。 (5)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止したために当該元利金の支払いが本社債の 社債要項に定めた期日に遅れた場合には、社債権者は当該遅滞に関して利息その他の支払いを請求することが出来ない。 (6)当社について破産手続が開始された場合、当該破産手続における本社債に基づく元利金の支払請求権の配当の順位は、破産法に 規定する劣後的破産債権に後れるものとする。 ― 188 ― 野村ホールディングス株式会社 第 4 回期限前償還条項付無担保変動利付社債(劣後特約付) 6. 自己資本調達手段(劣後債) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 Tier2 資本に係る基礎項目の額 無 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 野村ホールディングス株式会社第4回期限前償還条項付無担保変 動利付社債(劣後特約付) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 4,200百万円 6,000百万円 負債 負債 2010年11月26日 有 2025年11月26日 有 初回償還可能日:2020年11月26日 償還金額:各社債の金額100円につき100円 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 15 野村ホールディングス株式会社 JP376260CAB4 日本法 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 無 2020年11月26日以降に到来するいずれかの利息の支払期日(毎 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 年5月26日および11月26日(当該日が銀行休業日にあたるとき (9) は、その前銀行営業日)) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 変動 6か月物ユーロ円LIBOR + 1.0パーセント 無 裁量なし 無 無 無 無 一般債務 有 実質破綻認定時損失吸収条項 ― 189 ― ■その他の契約内容 担保・保証の有無 本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。 期限の利益喪失に関する特約 (1)本社債は期限の利益喪失に関する特約を付さない。 (2)本社債の社債権者は、会社法第739条に定める決議を行う権利を有さず、本社債が同条に基づき 期限の利益を喪失せしめられることはない。 劣後特約 (1)次の各場合には、本社債の償還及び利息の支払いは以下の規定に従って行われる。 ①破産の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について破産手続開始の決定がなされ、かつ破産手続が継続している場合、 本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) その破産手続の最後の配当のための配当表(更正された場合は、更正後のもの)に記載された配当に加えるべき債権のうち、劣後債権 を除く全ての債権が、各中間配当、最後の配当及び追加配当によって、その債権額につき全額の満足(配当及び供託を含む。) を受けたこと。 ②会社更生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について会社更生手続開始の決定がなされ、かつ更生手続が継続している 場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) 当社について、会社更生計画認可の決定が確定したときにおける更正計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ③民事再生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について民事再生手続開始の決定がなされ、かつ簡易再生または同意再生 の決定がなされることなく再生手続が継続している場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就した ときに発生する。 (停止条件) 当社について、民事再生計画認可の決定が確定したときにおける再生計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ④日本法によらない破産、会社更生及び民事再生の場合 当社について、日本法によらない破産手続、会社更生手続、民事再生手続またはこれに準ずる手続が外国において本劣後特約(1)① ないし③に準じて行われる場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、その手続において本劣後特約(1)①ないし③の 停止条件に準ずる条件が成就したときに、その手続上発生するものとする。ただし、その手続上そのような条件を付すことが 認められない場合には、当該条件にかかることなく発生するものとする。 (2)本社債の社債要項の各条項は、いかなる意味においても、劣後債権の債権者以外の当社の債権者に対して不利益を及ぼす内容に これを変更してはならず、かかる変更の合意はいかなる意味においても、またいかなる者に対しても効力を生じない。 (3)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止しているにもかかわらず、当該元利金の全部 または一部が社債権者に支払われた場合には、その支払いは無効とし、社債権者はその受領した元利金をただちに当社に返還する。 (4)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止している間は、本社債に基づく元利金の 支払請求権を相殺の対象とすることはできない。 (5)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止したために当該元利金の支払いが本社債の 社債要項に定めた期日に遅れた場合には、社債権者は当該遅滞に関して利息その他の支払いを請求することが出来ない。 (6)当社について破産手続が開始された場合、当該破産手続における本社債に基づく元利金の支払請求権の配当の順位は、破産法に 規定する劣後的破産債権に後れるものとする。 ― 190 ― 野村ホールディングス株式会社 第 5 回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付) 7. 自己資本調達手段(劣後債) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 Tier2 資本に係る基礎項目の額 無 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 野村ホールディングス株式会社第5回期限前償還条項付無担保社 債(劣後特約付) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 35,000百万円 50,000百万円 負債 負債 2010年12月6日 有 2025年11月26日 有 初回償還可能日:2020年11月26日 償還金額:各社債の金額100円につき100円 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 15 野村ホールディングス株式会社 JP376260AAC6 日本法 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 無 2020年11月26日以降に到来するいずれかの利息の支払期日(毎 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 年5月26日および11月26日(当該日が銀行休業日にあたるとき (9) は、その前銀行営業日)) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 固定 年2.773パーセント 無 裁量なし 無 無 無 無 一般債務 有 実質破綻認定時損失吸収条項 ― 191 ― ■その他の契約内容 担保・保証の有無 本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。 期限の利益喪失に関する特約 (1)本社債は期限の利益喪失に関する特約を付さない。 (2)本社債の社債権者は、会社法第739条に定める決議を行う権利を有さず、本社債が同条に基づき 期限の利益を喪失せしめられることはない。 劣後特約 (1)次の各場合には、本社債の償還及び利息の支払いは以下の規定に従って行われる。 ①破産の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について破産手続開始の決定がなされ、かつ破産手続が継続している場合、 本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) その破産手続の最後の配当のための配当表(更正された場合は、更正後のもの)に記載された配当に加えるべき債権のうち、劣後債権 を除く全ての債権が、各中間配当、最後の配当及び追加配当によって、その債権額につき全額の満足(配当及び供託を含む。) を受けたこと。 ②会社更生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について会社更生手続開始の決定がなされ、かつ更生手続が継続している 場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) 当社について、会社更生計画認可の決定が確定したときにおける更正計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ③民事再生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、当社について民事再生手続開始の決定がなされ、かつ簡易再生または同意再生 の決定がなされることなく再生手続が継続している場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就した ときに発生する。 (停止条件) 当社について、民事再生計画認可の決定が確定したときにおける再生計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ④日本法によらない破産、会社更生及び民事再生の場合 当社について、日本法によらない破産手続、会社更生手続、民事再生手続またはこれに準ずる手続が外国において本劣後特約(1)① ないし③に準じて行われる場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、その手続において本劣後特約(1)①ないし③の 停止条件に準ずる条件が成就したときに、その手続上発生するものとする。ただし、その手続上そのような条件を付すことが 認められない場合には、当該条件にかかることなく発生するものとする。 (2)本社債の社債要項の各条項は、いかなる意味においても、劣後債権の債権者以外の当社の債権者に対して不利益を及ぼす内容に これを変更してはならず、かかる変更の合意はいかなる意味においても、またいかなる者に対しても効力を生じない。 (3)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止しているにもかかわらず、当該元利金の全部 または一部が社債権者に支払われた場合には、その支払いは無効とし、社債権者はその受領した元利金をただちに当社に返還する。 (4)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止している間は、本社債に基づく元利金の 支払請求権を相殺の対象とすることはできない。 (5)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし④に従って停止したために当該元利金の支払いが本社債の 社債要項に定めた期日に遅れた場合には、社債権者は当該遅滞に関して利息その他の支払いを請求することが出来ない。 (6)当社について破産手続が開始された場合、当該破産手続における本社債に基づく元利金の支払請求権の配当の順位は、破産法に 規定する劣後的破産債権に後れるものとする。 ― 192 ― 野村證券株式会社 第 3 回無担保社債(劣後特約付) 8. 自己資本調達手段(劣後債) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 野村證券株式会社 JP376261B834 日本法 Tier2 資本に係る基礎項目の額 無 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 野村證券株式会社第3回無担保社債(劣後特約付) 29,336百万円 49,200百万円 負債 負債 2008年3月26日 有 2018年3月26日 無 固定 年2.28パーセント 無 裁量なし 無 無 無 無 一般債務 有 実質破綻認定時損失吸収条項 ― 193 ― ■その他の契約内容 担保・保証の有無 本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。 財務上の特約 担保提供制限条項その他の条項は付されていない。 期限の利益喪失に関する特約 (1)本社債は期限の利益喪失に関する特約を付さない。 (2)本社債の社債権者は、会社法第739条に定める決議を行う権利を有さず、本社債が同条に基づき 期限の利益を喪失せしめられることはない。 劣後特約 (1)次の各場合には、本社債の償還及び利息の支払いは以下の規定に従って行われる。 ①破産の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、発行者について破産手続開始の決定がなされ、かつ破産手続が継続している場合、 本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) その破産手続の最後の配当のための配当表(更正された場合は、更正後のもの)に記載された配当に加えるべき債権のうち、劣後債権 を除く全ての債権が、各中間配当、最後の配当及び追加配当によって、その債権額につき全額の満足(配当及び供託を含む。) を受けたこと。 ②会社更生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、発行者について会社更生手続開始の決定がなされ、かつ更生手続が継続している 場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) 発行者について、会社更生計画認可の決定が確定したときにおける更正計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ③民事再生の場合 本社債につき定められた元利金の弁済期限以前において、発行者について民事再生手続開始の決定がなされ、かつ簡易再生または同意再生 の決定がなされることなく再生手続が継続している場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就した ときに発生する。 (停止条件) 発行者について、民事再生計画認可の決定が確定したときにおける再生計画に記載された変更されるべき権利のうち、劣後債権を除く 全ての債権が、その確定した債権額について全額の弁済をうけたこと。 ④日本法によらない破産、会社更生及び民事再生の場合 発行者について、日本法によらない破産手続、会社更生手続、民事再生手続またはこれに準ずる手続が外国において本劣後特約(1)① ないし③に準じて行われる場合、本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、その手続において本劣後特約(1)①ないし③の 停止条件に準ずる条件が成就したときに、その手続上発生するものとする。ただし、その手続上そのような条件を付すことが 認められない場合には、当該条件にかかることなく発生するものとする。 ⑤自己資本規制比率を充足しない場合 発行者が本社債の元利金の支払いを行うことにより金融商品取引法第46条の6第2項の規定(金融商品取引法に定める金融商品取引業者 の自己資本規制比率に関する規定が改正された場合には、改正後の規定を指すものとする。以下同じ。)に違反することになる場合には、 本社債に基づく元利金の支払請求権の効力は停止し、以下の条件が成就したときに発生する。 (停止条件) 発行者が当該元利金の支払いを行っても金融商品取引法第46条の6第2項に違反しなくなること。 (2)本社債の社債要項の各条項は、いかなる意味においても、劣後債権の債権者以外の発行者の債権者に対して不利益を及ぼす内容に これを変更してはならず、かかる変更の合意はいかなる意味においても、またいかなる者に対しても効力を生じない。 (3)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし⑤に従って停止しているにもかかわらず、当該元利金の全部 または一部が社債権者に支払われた場合には、その支払いは無効とし、社債権者はその受領した元利金をただちに発行者に返還する。 (4)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし⑤に従って停止している間は、本社債に基づく元利金の 支払請求権を相殺の対象とすることはできない。 (5)本社債に基づく元利金の支払請求権の効力が本劣後特約(1)①ないし⑤に従って停止したために当該元利金の支払いが本社債の 社債要項に定めた期日に遅れた場合には、社債権者は当該遅滞に関して利息その他の支払いを請求することが出来ない。 ― 194 ― 野村證券株式会社 劣後特約付借入金 9. 自己資本調達手段(劣後ローン) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 野村證券株式会社 無 日本法 Tier2 資本に係る基礎項目の額 無 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 劣後特約付借入金 64,732百万円 負債 負債 2008年6月25日 有 2018年6月25日 無 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 変動 2.4パーセント ※注1 無 裁量なし 無 無 無 無 一般債務 有 実質破綻認定時損失吸収条項 注1) 2015年3月末時点の劣後調達全体の利率の加重平均値を表示しております。 ― 195 ― 10. 野村證券株式会社 劣後特約付借入金 自己資本調達手段(劣後ローン) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の 4 額への算入に係る取扱い 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への 5 算入に係る取扱い 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 野村證券株式会社 無 日本法 Tier2 資本に係る基礎項目の額 無 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 劣後特約付借入金 6,495百万円 負債 負債 2008年6月30日 有 2018年6月29日 無 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払の停止に係る発行者の裁量の有無 (13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払の利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 固定 2.4パーセント ※注1 無 裁量なし 無 無 無 無 一般債務 有 実質破綻認定時損失吸収条項 注1) 2015年3月末時点の劣後調達全体の利率の加重平均値を表示しております。 ― 196 ― 11. キャピタル・ノムラ・セキュリティーズ・パブリック CO., LTD 非支配持分 自己資本調達手段(非支配持分) 1 発行者 キャピタル・ノムラ・セキュリティーズ・パブリック CO., LTD. 2 3 識別のために付された番号、記号その他の符号 準拠法 規制上の取扱い(1) TH0108010Z01 タイ法 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 普通株式等Tier1 資本に係る基礎項目の額 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 額への算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 普通株式 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 1,878百万円 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 非支配持分 連結貸借対照表 非支配持分 発行日(6) 償還期限の有無 無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払いの停止に係る発行者の裁量の有 無(13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払いの利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 無 無 一般債務 無 ― 197 ― 12. Nomura Asset Management Taiwan Ltd. 非支配持分 自己資本調達手段(非支配持分) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 Nomura Asset Management Taiwan Ltd. 香港法 普通株式等Tier1 資本に係る基礎項目の額 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 額への算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 普通株式 2,463百万円 非支配持分 非支配持分 無 無 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払いの停止に係る発行者の裁量の有 無(13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払いの利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 無 無 一般債務 無 ― 198 ― 13. Nomura Asia Investment (Viet Nam) Pte Ltd 非支配持分 自己資本調達手段(非支配持分) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 Nomura Asia Investment (Viet Nam) Pte Ltd シンガポール法 普通株式等Tier1 資本に係る基礎項目の額 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 額への算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 普通株式 442百万円 非支配持分 非支配持分 無 無 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払いの停止に係る発行者の裁量の有 無(13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払いの利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 無 無 一般債務 無 ― 199 ― 14. Chi-X Global Holdings LLC 非支配持分 自己資本調達手段(非支配持分) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 Chi-X Global Holdings LLC デラウェア州法 普通株式等Tier1 資本に係る基礎項目の額 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 額への算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 普通株式 643百万円 非支配持分 非支配持分 無 無 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払いの停止に係る発行者の裁量の有 無(13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払いの利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) ― 200 ― 無 無 一般債務 無 15. 株式会社杉村倉庫 非支配持分 自己資本調達手段(非支配持分) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 株式会社杉村倉庫 日本法 4 普通株式等Tier1 資本に係る基礎項目の額 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 額への算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 5 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 Tier2 資本に係る基礎項目の額 算入に係る取扱い 6 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 普通株式 1,358百万円 非支配持分 非支配持分 無 無 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払いの停止に係る発行者の裁量の有 無(13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払いの利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 無 無 一般債務 無 ― 201 ― 16. Shanghai Nomura Lujiazui Investment Management Co., Ltd. 非支配持分 自己資本調達手段(非支配持分) 1 発行者 2 識別のために付された番号、記号その他の符号 3 準拠法 規制上の取扱い(1) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 Shanghai Nomura Lujiazui Investment Management Co., Ltd. 中華人民共和国公司法 普通株式等Tier1 資本に係る基礎項目の額 2022年3月30日までの期間における自己資本に係る基礎項目の その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 額への算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 2022年3月31日以降における自己資本に係る基礎項目の額への その他Tier1 資本に係る基礎項目の額 算入に係る取扱い Tier2 資本に係る基礎項目の額 連結自己資本規制比率の算出において自己資本に算入する者 (2) 銘柄、名称又は種類 自己資本に係る基礎項目の額に算入された額(3) 連結自己資本規制比率 額面総額(4) 表示される科目の区分(5) 連結貸借対照表 発行日(6) 償還期限の有無 その日付 償還等を可能とする特約の有無 初回償還可能日及びその償還金額 (7) 特別早期償還特約の対象となる事由及びその償還金額 (8) 普通株式 140百万円 非支配持分 非支配持分 無 無 任意償還可能日のうち初回償還可能日以外のものに関する概要 (9) 剰余金の配当又は利息の支払 配当率又は利率の種別(10) 配当率又は利率(11) 配当等停止条項の有無 (12) 剰余金の配当又は利息の支払いの停止に係る発行者の裁量の有 無(13) ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還等を行う蓋然 性を高める特約の有無 未配当の剰余金又は未払いの利息に係る累積の有無 他の種類の資本調達手段への転換に係る特約の有無 転換が生じる場合(14) 転換の範囲(15) 転換の比率(16) 転換に係る発行者の裁量の有無(17) 転換に際して交付される資本調達手段の種類 転換に際して交付される資本調達手段の発行者 元本の削減に係る特約の有無(18) 元本の削減が生じる場合(19) 元本の削減が生じる範囲(20) 元本回復特約の有無 (21) その概要 残余財産の分配又は倒産手続きにおける債務の弁済若しくは変更に ついて優先的内容を有する他の種類の資本調達手段のうち、最も劣 後的内容を有するものの名称又は種類(22) 非充足資本要件の有無 (23) 非充足資本要件の内容 (23) 無 無 一般債務 無 ― 202 ― 第5部 連結レバレッジ比率に関する開示事項 (単位:百万円、%) 国際様式 国際様式 (表1)の 項目 (表2)の 2015年3月末 該当番号 該当番号 オン・バランス資産の額 (1) 1 調整項目控除前のオン・バランス資産の額 22,316,866 1a 1 連結貸借対照表における総資産の額 41,783,236 1b 2 連結レバレッジ比率の範囲に含まれない子法人等の資産の額(△)(※) 417,835 1c 7 連結レバレッジ比率の範囲に含まれる子法人の資産の額(連結貸借対照表 ― における総資産の額に含まれる額を除く。) 1d 連結貸借対照表における総資産の額から控除される調整項目以外の資産 の額(△) 2 7 Tier1資本に係る調整項目の額(△) 3 オン・バランス資産の額 (イ) デリバティブ取引等に関する額 (2) 4 デリバティブ取引等に関する再構築コストの額 5 デリバティブ取引等に関するアドオンの額 デリバティブ取引等に関連して現金で差し入れた証拠金の対価の額 6 連結貸借対照表から控除されているデリバティブ取引等に関連して現金 で差し入れた証拠金の対価の額 7 8 3 デリバティブ取引等に関連して現金で差し入れた変動証拠金の対価の額 のうち控除する額(△) 清算会員である最終指定親会社等が補償を義務付けられていない顧客と のトレード・エクスポージャーの額(△) 9 クレジット・デリバティブのプロテクションを提供した場合における調整 後想定元本の額 10 クレジット・デリバティブのプロテクションを提供した場合における調整 後想定元本の額から控除した額(△) 11 4 デリバティブ取引等に関する額 (ロ) レポ取引等に関する額 (3) 12 レポ取引等に関する資産の額 13 レポ取引等に関する資産の額から控除した額(△) 14 レポ取引等に関するカウンターパーティ・リスクのエクスポージャーの額 15 代理取引のエクスポージャーの額 16 5 レポ取引等に関する額 (ハ) オフ・バランス取引に関する額 (4) 17 オフ・バランス取引の想定元本の額 18 オフ・バランス取引に係るエクスポージャーの額への変換調整の額(△) 19 6 オフ・バランス取引に関する額 (ニ) 連結レバレッジ比率 (5) 20 資本の額 (ホ) 21 8 総エクスポージャーの額((イ)+(ロ)+(ハ)+(ニ)) (へ) 22 連結レバレッジ比率 ((ホ)/(へ)) 19,048,535 205,287 22,111,579 2,893,562 13,182,580 496,068 1,829,890 744,135 ― 25,352,160 21,390,705 21,619,419 34,071,296 17,292,840 3,226,474 ― 20,004,930 723,213 231,254 491,959 2,459,201 64,227,886 3.82% (※) 「金融庁長官が定める場合において、最終指定親会社が経営の健全性の状況を記載した書面に記載すべき事項を 定める件第三条第一項の規定に基づき、金融庁長官が別に定める連結レバレッジ比率」(平成二十七年金融庁告示第十一 号)第3条第3項に基づき、連結保険子法人等について、連結レバレッジ比率算出において、非連結子会社としての取り 扱いをしております。 ― 203 ― V. 報酬等に関する事項 本章は、金融商品取引業に関する内閣府令第 208 条の 26 第 5 号及び金融庁告示 24 号(2012 年 3 月 29 日)に規定する 報酬等に関する事項に関し、「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」に基づき開示を行うものです。 対象役員(16 名): 当社の取締役(社外取締役を含む)および執行役 対象従業者等(105 名): 当社および国内外の連結子会社の役職員のうち、担当または管理する取引や業務が当グループの業務の運営に相 当程度の影響を与え、又は取引等に損失が発生することにより財産の状況に重要な影響を与え得る者であり、かつ 原則として上記対象役員の報酬平均額程度以上の報酬を得ている者を「対象従業者等」とします。具体的には下記 (1)~(7)のいずれかに該当する者です。 (1) シニア・マネージング・ディレクター(SMD:当グループのビジネスにおいて、グローバルな一体経営 を推進する主要な職責者で、持株会社の経営会議が任命する業務執行責任者。当グループの役職員のう ち 63 名(2015 年6月 30 日現在)で、連結子会社の役員等を兼務する者を含む。) (2) 野村證券株式会社の取締役、執行役、執行役員、経営役 (3) 海外の証券関連業務主要子会社の取締役 (4) 野村アセットマネジメント株式会社の取締役、執行役、執行役員 (5) 野村信託銀行株式会社の取締役、執行役 (6) 野村バブコックアンドブラウン株式会社の取締役 (7) 上記以外の主要な連結子会社の業務の運営または財産の状況に重大な影響を与える国内外の役職員 1.報酬の決定に関する主要な機関等 対象役員の報酬制度および個別の報酬は、当社(指名委員会等設置会社)の法定の「報酬委員会」で決定されま す。報酬委員会(3 名)は、執行役を兼務しない取締役を委員長とし、過半数が社外取締役からなる極めて独立性の 高い機関です。 報酬委員会は、「野村グループの報酬の基本方針」を決定し、報酬制度と事業戦略との一致を図っております。 「野村グループの報酬の基本方針」 当グループの持続的な成長と株主価値の長期的な増加、顧客への付加価値の提供ならびにグローバルな競争力と 評価の向上等に資するため、「野村グループの報酬の基本方針」を定めております。当該方針は以下の 6 つの内 容から構成されます。 (1)野村が重視する価値および戦略との合致 (2)会社、部門、個人の業績の反映 (3)リスクを重視した適切な業績測定 (4)株主との利益の一致 (5)適切な報酬体系 (6)ガバナンスとコントロール なお、「野村グループの報酬の基本方針」は、野村ホールディングスのインターネットサイト上に公開してお ります。 対象従業者等に適用される報酬制度およびその運営に関する主要な事項については、「野村グループの報酬の基本 方針」のもと、当社の「人事委員会」によって審議、決定されます。 人事委員会の現在のメンバーは、当社のグループ CEO、グループ COO、財務統括責任者(CFO)、チーフ・リスク・ オフィサー(CRO)、コーポレート統括執行役および人事担当執行役員であり、グループ CEO が委員長を務めておりま す。 また、人事委員会は外部コンサルタント(Towers Watson 社および McLagan 社)に対し、以下のような報酬等に関 する助言、情報提供の依頼、委託を行っております。 ・当グループが業務を行っている主要な地域における競合他社の報酬水準の調査 ・競合他社における報酬制度、繰延報酬の内容等に関する調査 2015 年 3 月期において当社の報酬委員会は 2 回、人事委員会は 12 回開催されました。 ― 204 ― 2.報酬の体系 当グループの報酬の枠組みは、上記「野村グループの報酬の基本方針」に基づき、Financial Stability Board(金 融安定理事会、以下「FSB」)が公表している「健全な報酬慣行に関する原則」における指針に沿った形で以下の通り 構成されております。 報酬項目 固定報酬 目的 ・各自の知識、スキル、能力、経験に応じて支給 具体的な内容例 ベースサラリー ・各国・地域の労働市場における水準を反映 変動報酬 ・各国・地域の労働市場の慣行を反映し、固定報酬の一 部として支給 住宅関連手当 時間外労働手当 ・チームおよび個人の業績と事業戦略や将来の付加価値 への貢献に対する報酬 現金賞与 繰延報酬 ・社内および外部市場との適切な比較に基づき決定 ・個人業績、リスクへの対処、コンプライアンス、部門 間の協力等の幅広い観点に基づき決定 なお、上記の他、社員については各国・地域の労働市場の慣行を反映した退職金制度があります。 福利厚生制度は各国・地域の法令・慣行に基づき運営されるものであり、上記には含めておりません。 2014 年 4 月より欧州の報酬規制に対応して、欧州の固定手当の見直しを行いました。 上記のうち、変動報酬については以下の通りとなっております。 現金賞与 変動報酬の一定部分は事業年度終了後に現金で支給されますが、報酬水準が高いほど現金賞与の比率が低くなり ます。これは規制当局の指針に沿ったものであり、グローバルに適用される方針ですが、各国・地域ごとに個別の 規制がある場合は、現金賞与比率の決定に際し、当該規制が遵守されます。 繰延報酬 一定以上の年間報酬総額を受け取る役職員に対しては、変動報酬の一部が繰延報酬の形で支給されます。報酬の 経済的価値を当社の株価にリンクすることや一定の受給資格確定期間を置くことによって、以下の効果を期待でき ます。 ・ 株主との利害の一致 ・ 付与から受給資格確定までの一定の期間に個人資産増大の機会を与えることによるリテンション ・ 中長期的な企業価値の向上という共通の目標を与えることによる部門や地域を越えた連携・協力の推進 繰延報酬にはこのようなメリットがあるため、主要各国の規制当局からも積極的な活用が推奨されています。 なお、繰延報酬については、FSB が公表している「健全な報酬慣行に関する原則」において、繰延期間を 3 年以上 とすることが推奨されています。そこで当グループにおいても原則として繰延期間を 3 年以上としております。 また、下記の事象が発生した場合には、繰延報酬は減額または没収とすることが定められております。 ・自己都合での退職 ・財務諸表の重大な修正 ・グループの規程に対する重大な違反 ・グループの事業やレピュテーションに対する重大な損害 さらに、2013 年3月期に対応する繰延報酬から、役員等の経営幹部および一定以上の報酬を受け取る社員について は、今後グループの業績が大幅に悪化した場合やリスク管理に重大な欠陥が発生した場合には、当該繰延報酬を減額 または没収できることといたしました。また、2015 年3月期に対応する繰延報酬においては、当該繰延報酬の減額や 没収に関する条件をより厳格に定めております。 また、2013 年3月期に対応する繰延報酬より、自己都合退職時点で一定の条件のもとで受給権の確定を認める「フ ル・キャリア・リタイアメント」条項を導入しております。なお、2015 年3月期に対応する繰延報酬より「フル・キ ャリア・リタイアメント」を適用する場合には、受給者が6月 25 日までに当該条項の適用を届け出ることを条件と するよう変更いたしました。 ― 205 ― 現在の繰延報酬の種類は基本繰延報酬、追加繰延報酬に大別されます。 (1) 基本繰延報酬 ①ストック・オプション 下記の 2 種類のストック・オプションを発行しております。 ・ ストック・オプション A プラン ストック・オプションAプランは、付与日の約2年後に受給権が確定し行使可能となり、一定事 由による退職等もしくは付与日の約7年後に失効します。行使価額は、基本的に付与日における当 社の普通株式の公正価値以上の価格となっております。日本では税制適格型オプションとなるため、 主として日本国内の従業員に対して付与しています。 ・ ストック・オプション B プラン ストック・オプション B プランは、付与日の約6ケ月後から約5年後に受給権が確定し行使可能 となり、一定事由による退職等もしくは付与日の約5年6ケ月後から約 10 年後に失効します。欧米 で一般的なリストリクテッド・ストック(譲渡制限期間付きの株式)と同様の経済効果を持つもの とするため、権利行使価額を1円とするものです。 ストック・オプションは、B プランを中心に発行済株式総数に対する割合で約 2.0%、年間 7,500 万 株を発行の上限に、未行使の潜在株式の残高累計が発行済株式総数の 10%程度を超えることがないよう に運営いたします(ただし、当該年度内に自己株式を取得した場合は、当該株式数を年間の発行株数か ら控除して算出)。 2015 年6月末日時点のストック・オプションの未行使残高は約 1 億 2,143 万株で、発行済株式総数 に対する割合は約 3.2%です。 ②ファントム・ストックプラン ファントム・ストックプランは株価に連動する現金決済型の報酬制度で、付与日から約5年後にわた って受給権が確定します。同プランはストック・オプションBプランと主要な点で同一となるように設 計されています。税制等の理由でストック・オプションの利用が不利な国においてもファントム・スト ックプランは利用可能です。 (2) 追加繰延報酬 2011 年3月期の繰延報酬付与時から、下記の繰延報酬を導入しました。これらのプランは、一定の 役職員に対して基本繰延報酬とは別に付与されます。これにより、競争の激しいマーケットにおいて、 優秀な人材を維持し、動機づけることに役立つと考えております。これらの報酬は付与日から約 5 年に わたって受給権が確定します。 ①カラー付ファントム・ストックプラン 同プランは当社の株価に連動します(連動幅が一定の範囲に限定されます)。 ②ファントム・インデックスプラン 同プランは、Morgan Stanley Capital International 社が公表している株価指数の一つ(主要先進国 の株価を反映)に連動します。繰延期間や受給資格など他の主要な条件はカラー付ファントム・ストッ クプランと同じです。 ― 206 ― 3.リスク管理との整合性及び業績との連動性 報酬総額の決定にあたっては、FSB が公表している「健全な報酬慣行に関する原則」の指針に沿って現在および 将来のリスクを勘案し業績との連動性を考慮しております。具体的には、定量的に評価したリスクを総体的に捉え た経済資本に、一定の比率を乗じた金額をそれぞれの部門に賦課(収入より控除)した業績を測定し、当該リスク 調整後の税引前・人件費控除前の利益額に対する人件費の比率等を参考にしております。 なお、当該経済資本には、市場リスク、信用リスク、資金流動性リスク、オペレーショナルリスク等の各種リス クが反映されております。 また、報酬総額がグループ全体の財務の健全性の現状及び将来見通しとの整合性を保っており、かつ将来の自己 資本の十分性に重要な影響を及ぼさないことを確認しております。 4.当期の報酬の種類及び支払総額 当期支給 当期 報酬 対象 役員 対象 従業者等 人数 固定 報酬 億円 繰延支給 ストック・オプション等 (変動報酬) 現金 賞与 億円 小計 億円 固定 報酬 億円 (変動報酬) 基本繰延 報酬 億円 (変動報酬) 追加繰延 報酬等 億円 小計 億円 合計 億円 16 9.1 3.2 12.3 1.0 3.2 3.2 7.4 19.7 105 53.4 19.9 73.3 13.8 25.8 26.1 65.7 139.0 (注) 1)当期報酬は、2015 年3月期に対応する報酬額です(過去の繰延報酬等は含みません)。 2)人数には、当期中に退任した対象従業者等 1 名を含みます。 3)上記の他、前期以前の繰延報酬のうち①当期中に権利行使可能となったストック・オプション等 610.9 万株相当、 追加繰延報酬で当期に支給したもの 35.9 億円、②権利行使開始期間が未到来のストック・オプション等の残高 1,742.8 万株相当、追加繰延報酬で支給時期が未到来の残高 73.2 億円相当があります。 5.その他 当グループでは、賞与・報酬額の保証は、新規採用や戦略的な事業目的等の限られた場合にのみ行うこととし、 複数年の保証は原則として行わないようにしております。また、対象従業者等に対する特別または高額な退職金な いし退職(セベランス)パッケージの保証は行わないようにしております。 ― 207 ― 野村ホールディングス株式会社