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第 9 回アジア太平洋地域会議
2007 年 10 月 第 9 回アジア太平洋地域会議 2007 年 6 月 3∼9 日 マレーシア 世界連盟理事長、世界連盟事務局長スピーチ エルスペス・ヘンダーソン、メアリー・マクフェイル WAGGGS は、組織を改革し、発展させ、また世界中の少女と若い女性が直面している課題 を提示するという素晴らしい革新の時期にあり、このような時に理事長として務めること ができることを大変名誉に感じております。 2010 年には、未来の団体として WAGGGS を祝うことになると確信しておりますし、ガイ ド・スカウト運動が自信を持って、更なる 100 年を迎えることを心待ちにしております。 私たちがヨルダンに集い、新しいビジョン、新しい戦略計画、新しいイメージの導入と第 1 回の世界規模の調査結果の提示から約 2 年になります。その時、私たちは皆さんに、これ は WAGGGS の新しい、胸躍る、活気付ける時代をもたらすと約束しました。私たちは、 WAGGGS の現 3 年間の 3 分の 2 を経過したところであり、地域においては 3 年間の終わ りにありますが、私たちはすでに多くの活動分野の強化を達成し、多くの新しい分野で進 展しています。今日は、皆さんとその達成の一部を共有し、現在進行中の挑戦を率直に見 ていきたいと思います。 ヨルダンでの会議後の進捗状況をご報告する前に、今年の重要な出来事の一つ、新しい世 界連盟事務局長としてメアリー・マクフェイルを迎えたことをお知らせします。メアリー は、この後すぐに彼女自身や経験について、そして WAGGGS のビジョン達成を支援する ための彼女の役割をどのように考えているかについて、話してくれるでしょう。 アドボカシー(提唱活動) 、ロビー活動、外部からの資金調達と提唱パートナーの開発とい う分野において、このように素晴らしい経験を持つ人材を得たということは、私たち世界 連盟理事会の WAGGGS のビジョンと戦略計画への責務の表れです。もちろん、メアリー を迎えるということは、その前にレスリー・ブルマン‐レーバーが去るということでした。 世界連盟理事会と世界連盟事務局のスタッフは、レスリーを称え、彼女の 10 年に渡る世界 連盟事務局長としての WAGGGS に対する献身と貢献に感謝するためのイベントを開催し ました。レスリーが私たちの活動方法に多くの変化をもたらし、今日のより専門的で戦略 的な組織と私たちを導いたことにより、私たちは今、世界中の少女と若い女性のために新 1 しい教材や新しい機会の開発という次の段階へと進むことができるのです。 過去 2 年間の私たちの達成は、地域と加盟連盟の皆さんの支援と貢献なしではあり得ませ んでした。WAGGGS が良くなるのも強くなるのも、加盟連盟次第です。WAGGGS がイメ ージを再検討し、提唱者としての役割を拡大し、リーダーに提供するものを強化していた 時期に、多くの加盟連盟が同様の討論をし、同様の過程をたどっていたことは偶然ではあ りません。私は、私たちは一つになって、会員増強、ボランティアリーダーの支援、少女 と若い女性の声となるべく、ともに進んでいるのだとこれまでにないほど実感しました。 そして、今、私たちの新しい世界連盟事務局長、メアリー・マクフェイルを公式に迎える ことをうれしく思い、メアリーに彼女の見識と意見をもらいたいと思います。 エルスペス、ありがとう。そして、皆さんおはようございます。皆さんとともに、ここマ レーシアのサンウェイラグーンリゾートを訪れる機会を得られたことを心よりうれしく感 じております。WAGGGS の新しい世界連盟事務局長として、皆さまのために、そして皆さ まとともに活動できることを誇りに思っています。3 月初めに就任しましたが、正直に申し 上げてこの時期は WAGGGS での最も退屈な時期で、少なくとも私にとっては何もありま せんでした。今は、違います! 私の生活は、多忙、興奮、挑戦が同時に入り混じっていま す。私を温かく迎え入れてくださったこと、そして、多くの皆さんからいただいた瞬く間 の友情の広がりに感謝申し上げ、特に就任後の数日、私を支えるために世界連盟事務局で ともに過ごしてくださったエルスペス・ヘンダーソンには、大変感謝いたしております。 ガールガイド・ガールスカウト運動の外部のものとして、皆さんの心からの歓迎と寛大さ、 快い受入れに深く感動しました。 WAGGGS の活動についてお話しする前に、皆さんの多くの方の気にかかっていること、私 がどんな人物で、どのようにして現職についたのかにお答えしたいとおもいます。なぜな ら、何人かの方は率直に、何が私をガールガイド・ガールスカウト運動に導いたのか、と 聞かれたからです。その答えはとても簡単で、皆さんがそうしたのです。 私は、20 年以上に渡り、依存症、HIV/エイズ、心の健康の専門家とともに健康と社会 医療の分野で働いてきました。10 年間は、ブリュッセルに住んで働き、最後はヨーロッパ 女性ロビー(European Women’ s Lobby)の事務局長を務めました。私がブリュッセルでの 仕事を離れ、ロンドンに戻ろうと決意した頃、WAGGGS の事務局長職の求人広告を目にし ました。そのときは興味深いものの、私の仕事ではないなと思ったのですが、1 週間後、 WAGGGS のウェブサイトを覗いてみようと思い立ちました。少女と若い女性、姉妹団体、 私が考えていたよりも興味深く、調べてみない手はありません。まず私は、少女と若い女 2 性にかかわる問題に影響を与え、よりよい世界を構築する少女と若い女性の声となるとい う、WAGGGS のビジョンと使命の明瞭さに感銘を受けました。そして、私はさらに調べ、 団体の活動範囲を知り、加盟連盟のウェブサイトも閲覧し、1 日のうちに、これは私が考え ていた団体とはまったく異なり、WAGGGS こそが私がその一部を担いたいと思える団体で あることに気づいたのです。 私は、 加盟連盟や WAGGGS を通じて実施されている素晴らしい活動の一部を理解し始め、 100 年に渡る伝統と価値観、たくさんの少女と活動的なボランティアを持つ、144 カ国にお ける世界的な運動の潜在能力や、少女と若い女性を代表しての世界的アドボカシー (提唱活 動)とともに地域を基本とした活動とプログラムが結びついて道を開いていくという素晴ら しい可能性について考え始め、私もこれらすべての一員になりたいと思いました。 その時ちょうど募集されていたのは、事務局長職だけでした。そして、その後は皆さんの ご存知の通りです。私が申し上げたいことは、私はこれから皆さんとともに、そして皆さ んのために活動するために、私の手に託された信頼と責任を自覚しており、その責任を果 たすために全力を尽くしてまいります。 WAGGGS の世界連盟事務局長として職務につくに当たり、私の抱負を述べるよう求められ ました。 私は、少女と若い女性がそれぞれの国や世界の市民としての役割において、自分たちの権 利を行使できるべきであり、自己開発と社会全体の発展に寄与する機会を得るべきである と信じています。 私は、皆さんの賛同を得た戦略的優先事項に、全面的に同意します。 ・ WAGGGS と加盟連盟を成長、強化することにより、少女と若い女性が参加する利点を 体験できるようにする。 ・ 地域、国、国際的なレベルにおける、効果的なアドボカシー (提唱活動)を通じた方針討 論の中心に少女を置く。 さてここで、2005 年にヨルダンで示され、私たちが到達しようとしている WAGGGS の 3 つの戦略的目標についてお話します。そして、3 つのすべての目標に到達するために必要な 要素、イメージの一新、資金調達、組織の運営全般について見ていきます。 目標1 ∼ リーダーシップ開発 リーダーシップ開発は、地域、国、世界のそれぞれのレベルにおける私たちのすべての活 動にとって大変重大であり、その中核となります。少女たちは、世界、家族、地域を変え 3 る強力な外交員として行動でき、実際に行動することを私たちは知っています。そして、 WAGGGS を通じて世界中の少女と若い女性が団結し、次第に世界的な声へと発展させ、世 界的な行動にかかわっていくのです。 「Act locally and think globally(地域で活動しよう、世界規模で考えよう)」という言葉は、 すでによく知られていますが、WAGGGS では世界規模で考え、行動すると同時に地域でも 活動しています。 世界レベルでは、私たちは連盟のリーダーたちが効果的で、時代にあった専門的な組織を 運営する技能と能力を確実に備えているようにする能力構築を目指しています。これを受 けて、世界的なリーダーシップモデルとなる、 「WAGGGS リーダーシップ開発プログラム」 を開発しました。このプログラムを通じ、今いるリーダーたちが国際的なリーダーシップ 能力を発展させ、若い女性は国、地域、世界レベルでしっかりとリーダーシップを育てる ことになるでしょう。プログラムは、世界に広がるガールガイド・ガールスカウト運動の 特性でもある、 「価値観を基本とする」、 「ノンフォーマル教育(学校外教育)」、 「異年齢」、 「異 文化」という、リーダーシップの 4 つの重要項目に焦点を当てています。 私たちは、このプログラムが最新のリーダーシップ理論や実践教育を確実に網羅している ようにするために、エクセター大学のリーダーシップ研究センターとともに活動しました。 若い女性、トレイナー、執筆専門家、リーダーシップの専門家の協力により、プログラム を構成する、8 つのモジュールが開発されました。 ワールドセンター ワールドセンターは、リーダーシッププログラムの伝達の中心的な役割を担うことになり、 それぞれのワールドセンターが、そのプログラムの 1 つの側面に特に焦点を当て、4つの センターの特色を出していきたいと考えています。 現在、モジュールは何件かの内部行事で試行中であり、その評価はとても好ましいもので す。 私たちが新しいリーダーシッププログラムを開発していた時に、地域では質の高いリーダ ーシップとトレイニング活動が実施され続けていました。 私は、加盟連盟が、WAGGGS の戦略計画とアジア太平洋地域行動計画 2006−2008 を平行 させて活動していることを認識しています。戦略的リーダーシップワークショップは、各 加盟連盟が国内で同様のワークショップを実施していた時期に、地域レベルで開催されま 4 した。ボランティア、動向調査、会員の募集と保持は、ワークショップで討論された議題 の一部です。新しい世代の少女と若い女性と向かい合い、継続的に彼女たちのニーズを見 極め、2 歩がむりなら 1 歩でも彼女たちの先を行くべき私たちにとって、これらすべては時 機を得た討論です。 私たちがガールガイド・ガールスカウト活動のプログラムに時代の変化を適合させること できるのは、今日の少女と若い女性を通してこそ可能となるのです。そして、そのような 基盤を若い女性に提供する場です。アジア太平洋地域では、少なくとも 50%の加盟連盟が、 その意思決定レベルに 1 人以上の若い女性を含むという条項を追加しています。 ワールドセンターは、ヤングリーダーの育成を支援するプログラムを提供し続けています。 サンガムは、2006 年にジュリエット・ローセミナーを開催し、約 50 人の若い女性が集い ました。先月には、HIV/エイズに焦点を当てたヘレン・ストローセミナーがアワシャ レーで実施されました。 私たちは、少女と若い女性がアフリカの豊かな財産を経験できる機会を常に模索していま した。そして、次回のジュリエット・ローセミナーを 2008 年にアフリカのケニアで開催す る予定であるとお知らせできることをうれしく思っています。これは、アフリカで初めて ジュリエット・ローセミナーを実施し、また、初めてワールドセンター以外の場で実施す るという歴史的な行事となります。これは、まさに会員が求めていた革新的な発想です。 目標 2 ∼ 強力で成長する加盟連盟 リーダーを育成することにより、目標 2 の強力で成長する加盟連盟をよりよく達成するこ とができると信じています。 健全で成長する加盟連盟の指標として WAGGGS が設定した、実績指標を構成する、6 つの 中核分野は、3 年ごとに加盟連盟の全体像を描き出し続けています。現在、4巡目を迎え、 世界中の動向と傾向をはっきりと示すことができるだけの十分な歴史的データとなってい ます。実績指標による結果により、各地域委員会は地域の長所と短所を分析でき、結果と して、それに応じて財源を分配することができます。それは、科学的ではないけれども、 地域委員会が自分たちの戦略の方向性を明確にする際に効果的な計画材料となります。世 界レベルでは、世界中に広がるガールガイド・ガールスカウト運動の成長と発展を測る物 差しとして、実績指標を使用しています。 世界の中で、10%以上の会員増加となった国連盟や構成連盟は 42 連盟あり、そのうちの 6 つはアジア太平洋地域のフィジー、香港、インド、モルディブ、ネパール、スリランカで 5 す。 過去 3 年間に、多くの連盟が会員の募集と保持のための戦略を実践してきたことは、周知 の通りです。会員が増加した連盟の知らせは、素晴らしいことです。皆さん、おめでとう ございます。しかし、残念ながらこれらの成功がなされているにもかかわらず、会員総数 は 1998 年から減少傾向にあり、2003 年からは 1.5%減少しています。 昨年、世界連盟理事会は、WAGGGS の加盟資格の停止と取り消しに関する方針の改訂を承 認しました。すでに、改訂された方針については文書で受け取られていると思いますが、 ここにそのうちの大きな 2 つの変更点を示します。 1.分担金の不払い:現在は、12 月 31 日の時点で加盟連盟が 2 年間に渡り分担金を支払 えなかった場合、そしてその後の支払い計画が会計に承認されなかった場合は、自動 的に 1 年の加盟資格停止となる。 ・もし、分担金が支払われた、もしくは支払計画が承認され、実行に移された時点で、 自動的に資格停止は直ちに解除される。 ・もし、1 年目の終わりの時点で支払い状況が十分ではないと判断された場合は、資格 停止は翌年に持ち越される。 2.会員基準を満たさない場合−定款第 6‐10 条:2 年の期間中に地域委員会による支援が 提供され、状況の改善が見られた場合は、それ以上の措置はなされない。しかし、2 年 の間に改善が見られない場合は、加盟資格は 2 年間の停止となる。 資格停止中の加盟連盟は、世界もしくは地域規模の行事に参加することができず、外部の 行事への出席の際は、WAGGGS の代表として参加することはできず、大規模な資金活動や プロジェクトには考慮されません。世界会議に向けて、この新しい加盟資格の方針につい て、しっかりと把握しておいてください。 私たちは、準加盟や正加盟に向けて活動している国や加盟連盟とともに準備活動を継続し ています。 昨年、世界連盟理事会は、リトアニアの準加盟への再加盟を承認し、第 33 回世界会議での 承認を待っています。リトアニアは、WAGGGS の設立連盟の一員であり、WAGGGS に再 度迎え入れることは、歴史的に重要なことです。これにより、WAGGGS の設立連盟のうち、 現存するすべての連盟が揃うことになります。9 つの準加盟連盟が正加盟に向けて、そして 1 カ国が準加盟に向けて準備しています。 6 最近の調査によると、アジア太平洋地域は、その会員総数を 2003 年より 3.9%増加させて います。しかし、会員総数が増加している一方で、過去 3 年間の会員減少数が増加の割合 よりも大きく動いていることに気をつけなければなりません。 会員数は、加盟連盟の成功を示す重要な指標の一つです。他の 5 つの分野も重要です。皆 さんは、ガールガイドツバル連盟が加盟基準を満たすことができず、2006 年に脱退したこ とをご存知でしょう。昨年、アジア太平洋地域委員会は、ガールガイドサモア連盟とガー ルガイドバヌアツ連盟の両連盟が、再三にわたる支援と度重なる訪問をなされたにもかか わらず、もはや加盟基準を満たすことができないとして、加盟資格の取り消しを世界連盟 理事会に提言しました。世界連盟理事会は、加盟資格の取り消しを認め、彼らの加盟資格 については、2008 年の世界会議の承認事項に提出されます。 実績指標は、ただ単に定量的結果を示すだけではなく、質的水準の発展や総合的な向上の 中核についても調査しています。世界的な結果は、以下の通りです。 カテゴリー 2004 2007 A 25% 30% B 47% 39% C 20% 21% D 8% 10% カテゴリーAの連盟が増加したことは、素晴らしいことであり、さらにうれしいことに、 会員数が減少しませんでした。その他の成功事例としては、いくつかの地域で、リーダー シップへの継続的関与を強調し、教育プログラムの得点が強化されました。また、いくつ かの地域が社会との関係の得点を上げていることから、私たちのアドボカシー(提唱活動) が拡充されていることの明確な証拠を示しているといえます。 質の高いガールガイド・ガールスカウト活動を加盟連盟が提供するために、私たちはどの ように加盟連盟を支援しているのでしょうか?各地域で素晴らしいトレイニング、セミナ ー、ワークショップを実施すると同時に、世界レベルでは、 「Share, Support and Connect(共 有、支援、連携)」と名づけた WAGGGS ネットワークを開設します。加盟連盟は、そこで 成功事例を共有しあい、プロジェクトへの財政支援を提供し、加盟連盟間のパートナーシ ップを組むことができます。これは、国連盟のみが利用できますが、WAGGGS のウェブサ イトの会員のページからこのネットワークに接続することができます。会員のためのペー ジは、6 月初旬に開設される予定です。会員のためのページでは、WAGGGS ネットワーク に接続できるだけではなく、文書を入手したり、討論に参加したり、WAGGGS では現在何 が行われているのかを知ることができます。 7 多くの加盟連盟における人権教育の実施に、 「私たちの権利、私たちの責任」というテーマ が用いられています。 戦略的パートナーシップや提携、特に他の青少年団体との提携は、強化され続けます。 これに伴い、AP 地域委員会は、地域と国レベルでの WAGGGS と WOSM の対話を実施す ることにより、国レベルの問題を対処するよう努力しています。私たちは、単独性の団体 として強いですが、兄弟スカウトとともに進む必要があるのです。 目標 3 ∼ 少女と若い女性の声 これが、私たちのアドボカシー(提唱)で焦点を当てるところです。個人会員や加盟連盟 からの呼びかけに応え、より良い世界を構築するために少女と若い女性を代表して発言し、 影響を及ぼすのです。皆さんは今週末(会議期間中)にはお分かりになるとおもいますが、 アドボカシー(提唱)は WAGGGS にとっては新しい分野となります。しかし、 「アドボカ シー(提唱)」とは呼ばなくても、すでに多くの方が発言し、周りの人々に影響を与え、変 化をもたらしていることでしょう。思春期の健康に関する調査結果に基づき設定された主 要メッセージは、すべての私たちのアドボカシー(提唱)活動の基礎となります。新しい イメージの導入に関する調査によると、すでに私たちは、122 加盟連盟もしくは団が「可能 性を見つけよう」を使い、90 加盟連盟もしくは団が「健康的な食べ物を選択しよう」、73 加盟連盟もしくは団が「エイズと闘おう」を使っています。 私たちの国連代表は、世界レベルで影響を及ぼす重要な役割を果たしています。例えば、 ローマチームのおかげで、食糧農業機関とともに食べ物に関する権利についての漫画の本 を発行できました。この本は、若者のために若者によって作られ、若者にとって重要なア ドボカシー(提唱)うである、食べ物に関する権利とそのために何ができるかという問題 に焦点を当てています。 ニューヨークチームのおかげで、国連婦人の地位委員会(CSW)で、サイドイベントを主 催し、NGO 会議で発言することにより、WAGGGS の存在をアピールし、最終文書に影響 を与えることとなりました。 若い女性は、積極的に CSW に参加しました。現在私たちは、例年の CSW、来年の国際エ イズ会議、7 月にナイロビで開催される HIV/エイズに関する世界 YWCA 総会に向けて計 画を立てています。 WAGGGS の代表として、これらのイベントに参加する若い女性を見出すためには、皆さん の助けを必要としています。WAGGGS のウェブサイトの会員のページから、支援していた だくことができます。 8 すべての目標を達成する助けとなるのは、どんな要因でしょうか? まず、WAGGGS の新 しいイメージの導入について考えましょう。これは、私たちのアドボカシー(提唱)活動 や地域におけるその展開と密接にかかわっています。またこれについても、この会議で討 議する機会を得ることと思います。約 2 年前に新しいイメージを導入して以来、このAP 地域会議が最初の地域会議となります。どんな団体にとっても、新しいイメージの導入は 一大事業です。WAGGGS のような団体は、その伝統を正しく尊び、未来に続けていくべき です。新しいイメージの導入により、伝統を未来へ確かにつなげることになったと確信し ています。 表面的には、私たちは伝統の一部を捨て去ったように見えるでしょう。しかし、そんなこ とはないということを皆さんに保証します。ただ単に、私たちは伝統を新しい時代に取り 入れたに過ぎず、それにより、私たちのビジョンと目標に到達するための体制が以前より 整ったということなのです。 今までのところ、私たちは新しいイメージの世界的な認知に成功しています。パンフレッ ト、ウェブサイト、新しい表示をご覧ください。 私は、AP地域の加盟連盟が新しいイメージを受け入れ、各国の広報資料に利用されてい ることを大変うれしくおもいます。オーストラリア、日本、マレーシア、韓国では、新し いロゴを用い、スリランカ、モルディブ、パキスタン、香港、台湾では、主要メッセージ を用いています。 各地域は、すべて新しいロゴを用いており、この会議期間中に、ぜひ地域と世界の新しい 需品をご購入ください。また、WAGGGS のウェブサイトで、新しいオンラインショップを ご覧になることも忘れずに。 私たちが、正しい方向に進んでいることを確認するため、世界連盟理事会はコミュニケー ションチームとコミュニケーション・コーディネートグループに対し、‘girls worldwide say’のキャッチフレーズの翻訳問題について調査するよう依頼しました。現在のところ、 このキャッチフレーズは翻訳せずに使用することになっています。 この後、質疑応答の時間がありますので、みなさんの懸念事項や質問を提起する機会とな ると思います。 今日お話したことは、皆さんやパートナーの支援なしではできません。資金調達は、世界 連盟理事会と世界連盟事務局にとっての優先事項です。私たちは、次のワールドシンキン グデイ期間に 550,000 英ポンド集めることを目標としています。この資金が集まらない場 9 合は、地域のために計画された多くの活動を削らなければなりません。 私たちは、教材と新しいワールドシンキングデイバッジを作成する予定で、今年の 11 月に はご覧いただけるとおもいます。皆さんには、割引金額にて販売しますので、その販売か ら連盟の利益を上げることができますし、もしくはワールドシンキングデイの寄付金を増 加させることができます。 また、WAGGGS と加盟連盟、会員との合同資金調達活動の機会を検討しています。過去に は、会員との素晴らしい経験や成功がありました。 戦略的パートナーシップ ∼ UPS 私たちが前進するには、戦略的パートナーシップが重要となります。 UPS 財団と WAGGGS のパートナーシップにより進められているボランティア活動の冠プ ログラムは大変成功しています。 ガールガイドメキシコ連盟、ガールガイドマレーシア連盟、中国で活動したガールガイド 香港連盟の 3 連盟が、開始当初からかかわっています。このプロジェクトの目的は、 WAGGGS 加盟連盟の会員増強を含む、ボランティア活動の発展に焦点を当てています。 マレーシア連盟は、会員が 60,000 人から 74,000 人へと 22%以上増加しました。マレーシ ア連盟は、新しいボランティアの分野を開発しました。それは、時折臨時に支援する人々 で、必ずしも会員にならなくても構いません。現在は、この分野に属するボランティアが 3,000 人以上います。ガールガイド運動は、学科や時間割の形での支援を受け、国中の大学 に広がっています。学校卒業後の少女を保持することに新しい焦点を定め、若い女性の関 与に対する柔軟な方法を開発したのです。 香港連盟は、成功事例の情報交換に焦点を置き、中国のグループと長年にわたる友情を築 いています。中華全国婦女連合会や青少年グループとのパートナーからは、地域奉仕プロ ジェクトのボランティア活動を組織し、奨励する方法についてのトレイニングの実施を求 められました。中国当局の承認を得て、新しいパートナーシップが結ばれようとしていま す。 この活動が大変成功したことにより、UPS 財団はパートナーシップをさらに 3 年延長し、 ブラジルと南アフリカにも活動を広げました。 10 これらは、刺激的で、挑戦的な好機です。各国のチームは、素晴らしいリーダーシップを 発揮し、担当のボランティアと専門スタッフとのパートナーシップの力を見せてくれまし た。彼らは、3 カ月ごとの報告書、特別な課題に関する文書、そして国、地域、世界レベル のイベントなどで、彼らが学んだことや彼らの挑戦について定期的に共有しています。 これらの WAGGGS の加盟連盟は、焦点を定めた努力や適切な教材により、前向きで持続 可能な変化をもたらすことができることを示しました。私たちの活動のために、より良い、 そして新しい教材を見つけることが、私の仕事の一部であり、それにより、私たちは新し い挑戦、新しい活動方法の発見、ガールガイドであることの意義を示す新しいモデルに敏 感であり続けることができ、少女とともに、また少女のために私たちの使命を達成するの です。 アマホロ・アマニ/オープンマインズグローバル/国連エイズ合同計画(UNAIDS) 世界レベルでは、私たちは世界スカウト機構(以下 WOSM )と 2 件の協働プロジェクト を実施しています。それは、アマホロ・アマニとオープン・マインズ・グローバルプロジェ クトです。 アマホロ・アマニは、スウェーデンの財団であるカーペ・ヴィタムやその他のヨーロッパ の機関を含むさまざまな資金援助を得て、中央アフリカのルワンダ、ブルンジ、コンゴ民 主共和国の 2 州からなる大湖地域におけるピアトレーニング(仲間によるトレーニング) を通じて平和を構築するプロジェクトです。平和の構築は、WAGGGS の中核となる価値観 であり、このような重要な課題に取り組む連盟があるということは、私たちは少女と若い 女性にかかわる課題に取り組む組織であると誇りを持って言えるということです! オープン・マインズ・グローバルプロジェクトは、WAGGGS と WOSM 、カーペ・ヴィタム により開始された共同イニシアチブであり、18−30 歳の若い男女にリーダーシップ開発の トレーニングを実施し、自分たちの地域に社会変化をもたらす行動志向的なプロジェクト です。このイニシアチブは、アフリカ、アラブ世界、そしてアジア太平洋地域の可能性の ある国々を対象としています。 「HIV/エイズと闘おう」は、国連エイズ合同計画(UNAIDS)の支援を受けたプロジェク トであり、その目的は、少女と若い女性のHIV感染の予防とピア教育(仲間同士の教育) により、偏見による人種差別を減らすことです。このプロジェクトの第1段階は、各加盟 連盟が HIV やエイズの問題について何を実施しているかという資料を照合することであり、 次に全加盟連盟が利用できる新しいトレーニング教材を作り出すことです。 11 今後については、6 つの実行分野と戦略計画を明確に関連付けてほしいという、加盟連盟か らの要望にお応えし、各地域のスタッフやボランティアが新しい戦略計画のための新しい 構想を開発しています。 ご存知の通り、私たちの使命、ビジョン、目標は 2009‐2011 年も変わりません。大切なの は、私たちを取り巻く世界が変化しても、私たちの基盤の中心にある価値観は、不変であ るということを忘れてはならないということです。 この会議で、皆さんが自分たちの行動計画により進めている活動が、WAGGGS の 2009− 2011 年の戦略計画を形作ることになります。それは、目標 1;リーダーシップの開発、目 標 2;強力で成長する加盟連盟、目標 3;少女と若い女性の声という、3 つの目標に基づき ます。 ここ何カ月かの間に、各地域委員は会議を開き、AP 地域委員会は、アジア太平洋地域が優 先目的の達成を通じて、2011 年をどのように迎えるかを予測しました。私たちは、地域委 員会から仮決定について聞き、この会議での皆さんの討議を待ちます。何かが現れ始める というのは、とてもわくわくします。 私たちは、戦略計画を新しくかつ、改良された方法で企画するよう、取り組みました。地 域の計画を立てるのは、それぞれの地域です。その後、世界レベルで各地域の優先目的を 考慮し、それを最も効果的に支援するにはどうすべきかを考えます。私たちが重点を置く べき、緊急課題と考えるのは、外部とのパートナーシップ、国際的な場における私たちの 活動の公開、私たちのトレイニング教材やガイドラインの伝達方法の新しいビジョンです。 アドボカシー(提唱)方法や課題において、より自信を持ち、ガールガイド・ガールスカ ウト運動の認知度を上げる材料を得るといった望みを持っています。私たちは、リーダー シップ開発や会員増強などの活動の最前部で、高い質の保持という課題への取り組みを続 けます。 私たちは、来年の世界会議を心待ちにしています。予約をお忘れになりませんよう、そし て、若い女性を各連盟の代表に入れるよう務めてください。世界連盟理事への推薦も忘れ ずに。地域委員への推薦が、大変少なかったことは残念です。今すぐにでも、世界連盟理 事への推薦をご決断ください。また、2011 年の世界会議の招へいを希望するか、そして、 世界会議への議案の提出についてもご検討ください。これらはすべて、7 月 31 日が締切り となりますので、遅れることのないようにしてください。この運動は、いかに多くの強力 なリーダーシップを得られるかにかかっており、私たちは互いに奨励しあって、未来を創 る優秀な人々を育てるのです。 12 私たちは、2010 年から祝うガールガイド・ガールスカウト運動 100 周年を大変心待ちにし ています。ワールドシンキングデイ、6 年間イニシアチブ、世界会議などのすべての活動が ぎっしり詰まった 100 周年を祝う 3 年間のテーマを検討するために、この会議で皆さんに ご意見をいただき助けていただきたいと思っています。そのテーマは、2008 年の世界会議 で始動します。 テーマには、未来のための世界的団体であること、少女と若い女性が次の 100 年に向けて 声を出す団体であることを反映させたいと考えています。100 周年記念行事の予定について は、多くの方からの問い合わせがあります。ガールガイドイギリス連盟とともに若い女性 のための共同世界フォーラムを検討中であり、同様なものをガールスカウトアメリカ連盟 と 2012 年の実施に向けて検討中です。もちろん、加盟連盟の皆さんにより企画されるイベ ントにもできる限り参加したいと考えていますので、招待状を早めにいただけると助かり ます。また、この 3 年間を記念する需品も作製する予定です。 すべての少女と若い女性が、安全、平和、差別のない、個人や社会的自由の中で自らの可 能性を最大限に伸ばすことができる世界、すべての少女と若い女性が身体的な安全を感じ ることができ、暴力の恐怖に襲われることのない世界を創り出す一部を担いたいと私たち すべてが考えています。 一人ひとりの少女は、自分の家族、地域を変えることができ、ガールガイド・ガールスカ ウト運動にかかわるすべての少女と若い女性や WAGGGS にかかわる多くのボランティア の声を集めれば、人を引き付けるメッセージとともにとても力強い声を創り出すことがで きるのです。 ガールガイド・ガールスカウト運動では、常にさまざまな活動を展開しますが、大切なのは、 少女と若い女性が楽しむこと、友情を育むこと、各個人の挑戦や冒険を体験することです。 私たちは、より良い世界を構築するために少女と若い女性の声となるよう、加盟連盟の皆 さんと密接に活動し続けていくことを楽しみにしております。 以 13 上