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「日本の魅力」の向上・発信

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「日本の魅力」の向上・発信
資料3
「日本の魅力」の向上・発信
∼「日本文化産業戦略」を軸に、クリエイティブ・ジャパンを目指して∼
1. 基本的考え方
(1)目的
○日本は、世界に誇りうる美しい自然に恵まれた長い歴史、文化、伝統を持つ
国。
「日本らしさ」に裏打ちされた文化・芸術や産業、さらには、日本人のラ
イフスタイルや感性が、より一層アジアや世界の多くの人々を魅了できるよ
うに、これらの国際競争力・情報発信力を強化。
○各地域においても、自然、歴史、文化、伝統などの資源を改めて評価・活用
するとともに、その魅力を発信し、アジアや世界との直接の交流を深める。
○これらを通じて、アジアや世界の人々が、訪れたい、学びたい、働きたい、
住みたいと思うような、開放的で協調的な、魅力があり、信頼され、尊敬さ
れる国を創る。
○同時に、グローバル化が加速する中、環境、安全など国際的な課題の解決に
向けて、多様性の尊重、自然との共生、モノを大切にする(もったいない)
等々の普遍性を持ちうる我が国の価値観を世界に発信する。
(2)「日本の魅力」の再認識・再評価・発信
○日本人のライフスタイルや価値観、美意識、品質へのこだわりといった日本
人の「感性」や伝統に支えられた文化や儀式、風習などのありようを、我々
自身が、
「日本の魅力」として、自ら再認識し、評価し、発信することが重要。
○また、自宅に人を招く、古きよき町並みを訪ねる、携帯電話で新しいコミュ
ニケーションを楽しむ等々、個々人の日常生活の中での行動が、生活に彩を
与えるだけでなく、「日本の魅力」を高めていくことにつながる。
○こうした中、
「日本の魅力」の海外への発信には、文化産業の海外への波及力
の活用が重要。
○文化産業は、それを通じたライフスタイルや、文化産業の背景にある価値観、
美意識への共感を醸成し、それらを育んだ日本の文化・芸術や伝統に対する
理解を促す。そうした総合的な文化力に対する「憧れ」が世界を惹きつけの
幅広い産業への中長期的な波及効果も大。
○同時に、経済効果と日本イメージ向上を通じた「日本ブランド」価値の増大
や、日本への訪問や交流等を通じた国民間の相互理解にも資する。産業振興
の次元を超えた、文化の交流・発信のための戦略が必要。
○そうした観点からは、最近注目されているポップカルチャーだけでなく、幅
広い文化・芸術について、海外との交流や発信を様々な次元で進めていくこ
とが重要。
2. 方向性
(1) 「日本文化産業戦略」の策定
○上記の基本的考え方に従って、
「日本文化産業戦略」を策定する。戦略の策定
に当たっては、
「文化産業」を個々の産業として捉えるのではなく、総体的な
ものとして捉え、基本となる考え方を示す。
○知的財産戦略本部をはじめとして、文部科学省、経済産業省、外務省、総務
省、農林水産省、国土交通省など各省庁における検討や取り組みを踏まえ、
5月のとりまとめを目指す。
○今回は、「日本文化産業戦略の基本的考え方について」(別紙)を示す。
(2) 文化芸術活動の戦略的支援、文化財の保存・活用等、「美しい国、日本」を
支える基盤の充実
○「日本の魅力」の向上・発信のためには、伝統文化からメディア芸術をはじ
めとする現代文化まで多様な文化芸術を振興し、世界の人々を魅了する「文
化力」を高めていくことが必要。
○特に、世界のトップレベルの日本のメディア芸術にも、他国の水準の向上、
クリエイターの育成、発表・評価の機会の確保に課題。
○また、
「美しい国、日本」の魅力は、長い歴史・伝統を背景に全国各地域で育
まれた伝統芸能や建造物といった文化財が原点であり、将来にわたる伝承が必
要。しかし、都市化に伴う開発や老朽化、少子高齢化に伴う伝承者・後継者の
不足が文化財の消失といった危機を招来
○そのため、例えば、以下のような施策を展開することで、地域の活力を向上
し、日本の魅力を支える基盤の充実を図っていくことが必要。
・新たなメディア芸術の創造に向けたクリエイターと研究者によるコラボレー
ションなど、メディア芸術の振興
・新進芸術家の海外留学や我が国の芸術団体、芸術系大学等の行う人材育成を
支援し、「美しい国、日本」を支える芸術家を育成
・我が国の芸術水準を牽引する優れた公演等を重点的に支援
・文化財の保存修理の推進、文化的景観の保護
・地域の祭りなどの保存継承
・伝統芸能などの後継者の育成
・文化財を活用したまちづくりの推進
(3)国際文化交流の推進と日本語教育の充実を通じた日本文化の理解の促進
○文化芸術を軸とした国際交流を進めることは、日本への理解を深めることに
貢献するとともに、外国からの刺激が我が国の文化振興にも不可欠。
○加えて、外国人が日本語を学ぶことは、日本文化への理解を深める上で最も
効果的な手法。外国人の日本語熱は高まりつつある中、他国でも自国語の普及
に関する取り組みの進展もあり、ここ数年の取組が大変に重要。
○また、我が国の優れた技術を活用した文化遺産の保護修復やユネスコを通じ
たアジア太平洋地域における無形文化遺産の保護への協力は、アジアの文化の
多様性を維持する上で重要な活動。
○こうした観点から、例えば以下の施策を展開することが重要である。
・我が国及び海外の文化人・芸術家等の相互交流の推進
・「国際交流年」を活用した交流事業の支援
・海外における日本語教育の強化
・専門家の派遣や相手国の専門家の招聘を通じた文化財保護国際貢献の実施
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