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38号全編(PDFファイル
日本ビオトープ協会
2016
ビオトープNo.3 8
特集「生態系インフラ」
ヒマワリとキアゲハ
(北海道雨竜郡幌加内町)
写真 内海 千樫 氏 提供
目
次
巻頭言
頁
グリーンインフラ・Eco-DRR・生態系インフラ
原 慶太郎 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
特別寄稿
生態系サービスと人間の福利を仲介するインフラ: 英国の取り組みから
木下 剛 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
シリーズ連載
ビオトープのいきものたち -その24- エノキを食樹とする蝶たち
神垣 健司 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
会員・BA等投稿
伝統的河川工法でアフガン緑化 -1後藤 惠之輔 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
群馬県立金山総合公園での里山再生事業の取組
羽賀 淳平 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
ビオトープ研修に参加して/2016年度ビオトープアドバイザー認定試験研修会ご案内
小川 歩水/協会事務局 ・・・・・・・・ 12
協会活動状況
各地区委員会〈8地区〉活動 計画・報告等
/協会活動 総会・フォーラム報告
各地区委員長 /協会事務局 ・・・・・ 13
第8回ビオトープ顕彰 委員長講評・各賞紹介
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
連載コラム
「都市の虫たち」 第4回 ハチ編
立川 周二 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
◇表紙・裏表紙写真の説明◇
本号の表紙写真は、裏表紙写真ともに、幌加内町の内海千樫氏
がご自宅のビオトープで撮りためてきた生き物写真の中からご提
供頂きました。
・表紙:キアゲハはセリ科の植物で育つポピュラーなアゲハです。
・裏表紙:アカゲラは日本で一番ポピュラーなキツツキで、幌加内
では町の鳥になっています。
・内海千樫氏:北海道 幌加内ビオトープ研究会代表、日本ビオ
トープ協会会員。1978年より幌加内町在住、動物写真家であり、
動植物・昆虫などの写真撮影を通じて、その生態観察は欠かせ
ず、長年研究を続けてこられ、ビオトープに地道に取り組んでお
られます。
巻頭言
グリーンインフラ・Eco-DRR・生態系インフラ
近年、わが国では巨大地震が続き、火山の噴
火などとも相まって活動期に入ったという見解が
報じられている。さらには局地的な集中豪雨が
頻発し、地球環境変動との関連もとりざたされる
ことからIPCC(気候変動に関する政府間パネ
ル)では、極端気象(extreme weather)という表
現で注意を喚起している。一方、日本は2005年
頃を境に人口減少社会に突入し、併せて、急激
に進む少子高齢化が問題となり、これまでとは異
なった社会的対応が求められている。そのような
中で生じた2011年3月11日の東北地方太平洋
沖地震とそれに続く大津波による東日本大震災
は、関東以北の東日本の太平洋沿岸のほぼ全
域に甚大な被害を及ぼした。この復旧・復興事
業が進められるなかで、生物多様性や生態系
サービスの議論に新たな視点が加わることにな
る。それが、Eco-DRRと呼ばれる「生態系を基盤
とした災害リスク低減(Ecosystem-based Disaster
Risk Reduction)」であり、その考え方を積極的に
導入した生態系インフラストラクチャー
(Ecosystem-based Infrastructure: EI;以下、生
態系インフラ)である。当時、1980年代に英国に
始まり、欧米に広がったグリーン・インフラストラク
チャー(Green Infrastructure: GI;以下、グリーン
インフラ)の考え方が注目されていた。道路や橋
梁などの人工建造物をコンクリートの象徴である
グレー・インフラストラクチャー(以下、グレーイン
フラ)と呼び、グリーンインフラはそれに対するも
のとして自然資本の多機能性を活用した国土形
成方策として位置づけられる。わが国でも、都市
計画や造園計画の研究者が、いち早くこの考え
を導入し、持続可能な社会の在り方に関して議
論を展開していた。
しかし、東日本大震災の被災地で進められる
巨大防潮堤の建造や、一律に2 mの盛土を施し
てからクロマツを植林する海岸防災林の造林事
業を前に、関係者の間では疑問の声があがるよ
うになる。これらの事業は自然のプロセスへの配
慮が欠けており、生態系を活かした方策へ舵を
転換することが求められた。2014年9月、日本学
術会議は、「復興・国土強靱化における生態系イ
ンフラストラクチャー活用のすすめ」を提言として
発表した。当時すでに大きな潮流となっていた
東京情報大学総合情報学部 教授
原 慶太郎
グリーンインフラに対して生態系インフラの概念
を唱え、それがこの提言の中核に据えられた。こ
の提言を統合生物委員会・環境学委員会自然
環境保全再生分科会の委員長として牽引した
鷲谷いづみは、自然に逆らわず生態系を活用
する防災・減災の可能性と社会的意義を確信
し、Eco-DRRを実現するにはグリーンインフラで
はなく、より明確に「自然環境や生態系を基盤に
する」という意図を示す言葉として生態系インフ
ラという考え方の意義を強調する(鷲谷 2014)。
提言のなかで生態系インフラは、広義のグリー
ンインフラから人工的な緑地/水域などによるイ
ンフラストラクチャーを除き、生態系(自然・半自
然環境)を活かすもののみを指すものとされてい
る。湿地(浅海域や水田を含む広義の湿地)や
草 原・森林 な ど、自 然 域、半 自 然 域の 生 態系
を、多様な生態系サービス供給ポテンシャルを
維持しうるよう、社会にとっての多義的空間とし
て保全・再生・管理することを通じて実現する社
会基盤である。
人口減少社会にあっては、これまでとは異
なった社会・経済的な枠組の再構築が求められ
る。これからはそれぞれの地域の特性にあった
持続可能なコミュニティの実現のために、生態
系の特性を活かした生態系インフラの整備が一
層重要になる。東日本大震災で大きな被害を受
けた仙台湾沿岸には、1600年代に伊達政宗に
よって造られたという貞山堀という運河があり、そ
の両岸の堤にはマツが植林され、それが海岸側
と内陸側に広がっていた。それが津波で破壊さ
れ、盛土の上に新たなマツの苗が植林された
が、地元の研究者を中心とする人たちの働きか
けによってかろうじて一部の残存林は保全され
た。これが、生態系インフラとして機能し、安政
年間に濱口梧陵が建造した広川堤防(和歌山
県広川町)のように後代に残るように見守ってい
かなければならないと考えている。
-1-
特別寄稿
生態系サービスと人間の福利を仲介するインフラ
: 英国の取り組みから
千葉大学大学院園芸学研究科准教授
シェフィールド大学客員研究員
木下 剛
1.生態系インフラとグリーンインフラ
私は生態系インフラ(Ecosystem infrastructure)
とグリーンインフラ(以下、GI)はほぼ同義であると
また、GIの視覚的側面・デザインの重要性を強
理解している。なぜなら、GIが提供する機能や福
調してランドスケープインフラという概念も提唱さ
利は生態系サービスを基盤としているからであ
れている。ここで一概にどれがよいと断言できな
る。このことを無視あるいは軽視すると、GIは他の
いのは、いずれも一長一短があるからである。GI
インフラとの違いを説明できず、GIという新しい言
はグリーンの意味するところが多様な反面、その
葉を使う理由を失ってしまうだろう。
曖昧さゆえにともすると生態系サービスを基盤と
生態系サービスとGIとの関係は例えば図のよう
するということが忘れられがちである。生態系イン
に整理できる。この図は国連が行ったミレニアム
フラはその点を強調できる言葉であるが、エコロ
生態系評価で提示された4つの生態系サービス
ジカルネットワーク(生態系ネットワーク)との違い
とGIが仲介する5つの代表的な福利との関係を
に注意する必要がある。GIおよび生態系インフラ
示したものである。三角形の底辺に生態系による
は、インフラという言葉が示すように、あくまで人
基盤サービスがあり、その上に供給サービス、調
間の福利を目的とし、その手段として健全な生態
整サービス、文化的サービスが乗る。ここでGI
系の実現をはかるのに対して、エコロジカルネッ
は、供給サービスと土地からの生産物・生物多様
トワークは健全な生態系の実現それ自体が目的
性・雇用(主に1次産業における)等の福利との
となる。しかし、目的は違えど結果は同じというこ
関係を仲介する。あるいは調整サービスと気候
とはしばしば起きうるし、多様なアプローチがあっ
変動・洪水調整等との関係を仲介する。また、文
てよいと思う。どの言葉を使うべきか、健全な生
化的サービスとレクリエーションおよびレジャー・
態系と人間の福利のどちらを優先すべきかという
場所の質等との関係を仲介する。以上の基本的
ことよりも、両者をいかに適切に仲介するかを、
な福利を前提として、健康・福祉・労働生産性・
ケースバイケースで考えることが重要であろう。
土地や資産の価値・観光等の、より高次の福利
概念的な話はこれくらいにして、GI/生態系イ
が成り立ち、最終的に経済成長・投資が促される
ンフラが生態系サービスと人間の福利をいかに
という関係になっている。
仲介するのか、英国シェフィールドにおける実例
このように、GIは生態系サービスと人間の福利
を通じて確認してみたい。 を仲介する一つの手段とみなせる。のみならず、
仲介の方法しだいで、両
者の関係を強めたりも弱
めたりもできる。ここで、GI
による仲介とは、GIをいか
にデザインしたりマネジメ
ントしたりするかということ
にほかならない。
さて、生態系 インフラと
GIが同義であるとしたら、
どちらの言葉を使うのがよ
り適切であろうか。私はふ
だんGIと言っているが、そ
れ は私が計 画・デザ イン
分野にいるからであろう。
一方、生態学や自然保護
の分野では、生態系イン
フラという言葉を使ってい
図 グリーンインフラによる福利と生態系サービスの関係(The Mersey Forest, 2013)
る 方 が 多 い よ う で あ る。
-2-
2.シェフィールドのケーススタディ
(1) 供給サービスを仲介する生態系インフラ
生態系による供給サービスは、生産物および
生産行為(主に一次産業とそれが生み出す雇
用)を介して人々に享受される。その舞台となる
農地や森林はしたがって典型的なGI/生態系イ
ンフラといえる。GIというと新たに創り出すという
印象が強いが、生態系インフラというと保護や保
全の対象でもあるということがはっきりする。
都市部においては、生業ではない耕作の場−
市民農園やコミュニティガーデン−も生態系イン
フラに含まれる。分区園はその伝統的な形態で
ある(写真1)。昨今では、個人的に余暇を楽しむ
都会人の趣味の域を超えて、有機栽培や牧畜、
工芸品等の制作を協同で行い、以て生物多様
性=土地のケア、地域社会の育成に貢献するな
ど(写真2)、食べ物を育てる体制や意味が多様
化している。こうした動きはまだ散発的だが、事
例は着実に増えつつある。健全な生態系を再生
して土地から物を産出すること、グローバルな食
料生産・食品流通を補完・代替するローカルな
手段である点にインフラとしての可能性が見いだ
される。
(2)調整サービスを仲介する生態系インフラ
世界各地で自然災害、都市型災害が頻発して
いるのは、都市化や土地利用の改変によって、
生態系の調整サービスが劣化していることと無関
係ではない。特に気候調整や洪水制御、水の浄
化等のサービスは、今日、いわゆる社会インフラ
に負うところが大きいものの、その不足を補完し
たり、過剰を代替したりする手段として健全な生
態系が果たす役割は小さくない。
写真3は中心市街地における片道2車線の道
路の半分をスウェールおよび歩道に転換するこ
とで、土壌と植生による自然な水循環・水質浄化
の働きを回復させる取り組みである。また、それ
によって下水道や河川に雨水が直接流れ込む
のを抑制し、都市型洪水を制御することも意図さ
れている。繁華な市街地において交通量の比較
的少ない道路が選ばれているようだが、それでも
車道を半分も削るというのは、都心の交通手段と
して徒歩や自転車を重視するという交通政策上
の大転換があってのことである。欧米の大都市
で、徒歩や自転車等の持続可能な交通手段が
見直されるようになって久しいが、それに加えて
生態系の機能を新しいデザインとともに実装する
というのが昨今の流れといえるだろう。こうした取
り組みはまだ一部の公共事業や再開発にとどま
り、現時点では焼け石に水のような気がしないで
もないが、都市計画の開発許可制度を通じて着
実に実績を伸ばしている。
写真1 区画を分ける生け垣が象徴的な分区園は個人的かつ
余暇的な活動が基本である(Hagg Lane Allotment)
写真3 自然のプロセスを満足するとともに都会的な景観を
現出させている(Turning Gray to Green Project)
写真2 英国各地で広がっているコミュニティやグループでの
食料自給の取り組み(Holly Hagg Community Garden)
-3-
もう一つ特筆すべきは、排水処理施設を含む
この公園のデザインである。公園が整備される前
の敷 地 は、ゴミの 不法 投棄が 目立 つブラウン
フィールドであったが、現在は草本を中心とする
メドウの景観に生まれ変わり(写真5)、とても新設
された公園には見えない。住宅地からの表面排
水はこうした植生環境の中を流下する過程で多
くは土壌中に浸透し、あるいは浄化されて最終
的に水路に流れていく(写真6)。排水処理施設
および公園全体の管理運営を、いわゆる社会的
企業(Social enterprise)が指定管理者となって
行っていることも注目に値する。事業の理念や
枠組みが地域社会に広く認知されていることの
証左といえるだろう。
住宅市街地ではより包括的な取り組みが進ん
でいる。写真4は、行政による公園整備と民間の
住宅地の開発を連動させ、住宅地内の表面排
水(雨水)を公園内のせせらぎ・貯留池で受け、
水質浄化や雨水の地下浸透・一時貯留をはか
る試みである。こうした官民の連携が可能になっ
たのは、住宅地の開発事業者が周辺のオープ
ンスペースや施設の修繕のために行政に支払う
負担金(Commuted sums)による。その金額は、
向こう25年間、公園内の排水処理施設を維持
管理できる額だそうである。そのような金額を事
業者が負担できたのは、表面排水を敷地近くの
既存下水道に接続する工費が非常に高くつき
(地形的な要因による)、上述のやり方のほうが
格段に安上がりだったからである。
写真4 住宅地からの表面排水を最初に受ける貯留池の水は
濁っており臭気を伴うところもある(Manor Fields Park)
写真5 ワイルドグラス・フラワーで構成されたハビタットは都市
公園の景観として新鮮である(Manor Fields Park)
写真6 メドウの中を流れる水は澄んでいる。汚染物質の除去
も生態系の重要な機能である(Manor Fields Park)
-4-
写真8は乗馬道であるが、徒歩や自転車による
通行も認められている。自転車道はアスファルト
等で舗装されることが多いが(特に市街地で)、
郊外はその限りではない。現在英国各地で自転
車道・自転車レーンの整備が急ピッチで進めら
れており、都市と農村を問わずサイクリストを非
常によく目にする。その理由として、自転車が持
続可能な交通手段であるというだけでなく、人々
の健康・福祉に資するという点があげられる。図
に示したように、健康・福祉はGI/生態系インフ
ラによって仲介しうる、より高次の福利である。
(3)文化的サービスを仲介する生態系インフラ
生態系による文化的サービスは、自然地や景
勝地、公園・緑地においてレクリエーションや余
暇という形で人々に享受される。それはこれらの
土地が様々なスケールの生態系を内包できると
いう特性によっている。英国ではそれ以外にも
歩道(Footpath)や乗馬道(Bridleway)等が文化
的サービスを仲介している。歩道も乗馬道もそ
の多くが土壌と植生で構成されていることがこれ
を可能にしている。つまりアスファルトやブロック
で舗装され植生も貧相な歩道・自転車道等は
厳密には生態系インフラとはいえない。
写 真 7 は牧 草 地 の 中 を通 過 す る 公 共 歩 道
(Public footpath)である。郊外やカントリーサイ
ドの公共歩道の多くは、牧草地や耕地、樹林地
等、別の目的をもった(供給サービスを仲介す
る)土地に公衆の通行権が保障されたものであ
る。そのため、歩道としての使い勝手よりも本来
の土地の目的が優先される。つまり、牧草地・耕
地とい うハビタットや生態系があるからこそ、
ウォーキングという文化的サービスが享受できる
という関係になっている点が重要である。
3.ハビタット〜生態系のデザインとマネジメント
まとめに代えて以下の点を強調しておきたい。
一つは、GI/生態系インフラを新たに創り出す
だけでなく、既存の土地・自然にそのような働き
を見いだし、適切に保護・保全していくことも忘
れてはならないということである。一方、GI/生
態系インフラの創出にあたっては、必ずしも既存
のハビタットの形態=自然環境下におけるそれ
に拘泥することなく、それぞれの立地にふさわし
い、新たなハビタットの形態=生物体の順応の
可能性についても積極的に検討していくべきで
あろう。そのことを通じてGI/生態系インフラはよ
り広く受け入れられていくと思う。
参考文献
The Mersey Forest (2013): Liverpool City Region and Warrington Green Infrastructure
Framework Technical Doccument
Susdrain Website, http://www.susdrain.org/
case-studies/case_studies/
manor_ponds_sheffield.html, 2016.06.30
写真7 牧草地の中を通過する公共歩道は時にフミアトが消え
かかっていてわかりにくい(Public footpathの例)
写真8 植生と緑陰が快適にサイクリングを楽しめる環境を
提供している(Bridlewayの例)
-5-
シリーズ連載
ビオトープのいきものたち -その24-
エノキを食樹とする蝶たち
1.エノキはビオトープのシンボルツリー
ビオトープに植栽する植物について相談があったとき、
私はある程度の規模があるビオトープであれば迷わずエノ
キを推薦します。エノキはニレ科の落葉高木で、本州以南
の山野に普通に自生しています。またエノキとよく似たエゾ
エノキは、北海道を含む全国に自生し、生息地はやや山
地に偏っています。いずれにしても、エノキの特徴はなん
といっても成長が早いことで、成長とともに枝を広く横に
張って独特の樹形になります。そのため冬の落葉時でも、
樹形を見るだけでエノキを見分けることができます。また漢
字の「榎」は、夏の強い日差しを防ぐ緑陰ということを意味
し、かつては旅人のためにエノキを一里塚ごとに植えてい
たそうです。エノキは多くの昆虫が葉や材を食べるほか、
その実が野鳥たちの好物になっています。ビオトープにエ
ノキがあることで多くの昆虫が生息し、秋になると実を食べ
るために野鳥が集まります。いきものたちが集うエノキの大
木は、きっとビオトープのシンボルツリーになるはずです。
ひろしま自然の会 会長
神垣 健司
います。ビオトープの近くに里山の雑木林がある場合は、
ぜひ冬期に確認してみてください。案外、身近な場所に
もオオムラサキは生息しているものです。そしてオオムラ
サキの生息が確認できたら、オオムラサキの飼育にもチャ
レンジしてみましょう。3~4m程度のエノキが数本あれ
ば、「オオムラサキが舞うビ
オトープ」も夢ではありませ
ん。
エノキの葉を食べる
オオムラサキの幼虫
2.エノキを食樹とする蝶
オオムラサキの求愛
多くの昆虫がエノキを食樹としていますが、ここではエノ
キを食樹とする蝶を紹介します。エノキを食樹とする蝶は
オオムラサキ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、テング
チョウ、ヒオドシチョウの5種で、いずれもタテハチョウ科と呼
ばれるグループです。
・オオムラサキ
スズメバチを威嚇するオオムラサキ
オオムラサキは日本の国蝶として有名な蝶です。私が
初めてオオムラサキを見たとき、まるで滑空するように高速
で木々の梢を飛び、縄張りに入り込んでくる鳥までも追い オオムラサキ(左)とゴマダラチョウの
越冬幼虫
払っていました。「こんな格好いい蝶がいるのか、さすがは
日本の国蝶だ。」と感激したものです。オオムラサキは北海
・ゴマダラチョウ
道から九州まで広く分布し、里山を中心に生息していま
ゴマダラチョウはオオ
す。日本産タテハチョウ科の蝶では最も大型で、雄の翅表
ムラサキに近い種です
は光沢のある美しい青紫色です。雌の翅表には青紫色は
が、大きさが一回り以上
なく地味な色合いですが、雄よりも一回り以上大きくなるの
小 さ く、翅 が 白 黒 の 地
で迫力があります。夏、オオムラサキの雌はエノキの葉に
味な色合いであるなど
産卵し、孵化した幼虫はエノキの葉を食べて育ちます。冬
の違いがあります。年に
になってエノキの葉が落葉すると、幼虫は幹を伝って地面
ゴマダラチョウ
2~3回発生し、冬にはオ
に移動し、エノキの根元に積もった落ち葉の裏で冬を越し
オムラサキと同じようにエノキの根元にある枯れ葉の裏で
ます。春になってエノキが芽吹くと、幼虫は幹を伝って登
越冬します。成虫の習性もよく似ているので、ミニ・オオム
り、柔らかいエノキの葉を食べて成長します。梅雨に入っ
ラサキといった感じの蝶です。オオムラサキの生息地が比
た頃、体長約6㎝に成長した幼虫はエノキの葉裏で蛹にな
較的規模の大きな雑木林であるのに対し、ゴマダラチョウ
ります。そして梅雨が明けた頃に成虫となります。成虫は
は小さな公園に植栽されたエノキなどでも発生することか
花には集まらず、カブトムシやクワガタムシ、スズメバチな
ら、より都市化した環境にも適応できる蝶です。そのため
どと競うように樹液に集まります。ときには樹液に集まった
ビオトープにエノキを植栽した場合は、オオムラサキよりも
スズメバチを羽ばたいて追い払うなど、闘争心の強い蝶で
早い時期に定着する可能性が高いでしょう。
す。ちなみに、オオムラサキの生息確認は越冬幼虫で行
-6-
・アカボシゴマダラ
アカボシゴマダラは国内では奄美大島にしか分布して
いない蝶でしたが、1995年頃に中国産が人為的に放蝶
されて、近年急速に関東周辺で分布を広げています。
習性はゴマダラチョウとよく似ていますが、春に発生する
春型は大型で白化が顕著なので、飛んでいる姿を見る
と沖縄のオオゴマダラを連想してしまいます。都市化さ
れた環境でもエノキがあるとよく発生しているので、関東
周辺のビオトープでは早期に定着するかもしれません。
・テングチョウ
テングチョウの生活史はヒオドシチョウとほぼ同じサイ
クルです。ただし、成虫の大きさはぐっと小さくなり、幼
虫はヒオドシチョウと違って緑色の芋虫です。またヒオド
シチョウと比べて、成虫の行動範囲もあまり広がらない
ので、ビオトープでも容易に観察できる蝶だと思いま
す。羽化して間もない成虫は地面の水たまりなどで集
団吸水することがあり、近づくと驚いて一斉に舞い上が
る姿は見事です。冬でも、温かい日には越冬中の成虫
が姿を見せて日光浴するなど、成虫はほぼ周年にわ
たって観察できます。
テングチョウの幼虫
アカボシゴマダラ
・ヒオドシチョウ
ヒオドシチョウはゴマダラチョウとほぼ同じ大きさで、長
生きをする蝶でもあります。春にエノキの枝先にまとめて
産まれた卵は数週間で孵化し、幼虫は黒い毛虫となっ
て集団で生活し、エノキの葉がなくなるほど食べ尽くす
ため、毒虫と間違われることもあります。初夏、幼虫は
次々にエノキの幹を伝って降りていき、近くの木や人工
物などにぶら下がって蛹になります。場所によっては、ヒ
オドシチョウの蛹がずらりと並ぶこともあります。6月に蛹
は一斉に羽化して成虫になり、周囲を飛び交うようになり
ます。7月になると成虫は休眠(夏眠)し、そのまま秋を過
ごして越冬するので、7月以降はほとんど姿を見ることは
ありません。3月になると越冬していた成虫が再び姿を見
せますが、越冬の厳しさを物語るように翅はボロボロに
なっています。そして4月になると交尾して産卵します。
ヒオドシチョウの幼虫
ヒオドシチョウ
-7-
天狗の鼻に見えるテングチョウ
3.エノキを利用したビオトープづくり
エノキは切り枝にすると大変水揚げが悪く、ほぼ半日
で葉は萎れてしまいます。オオムラサキやゴマダラチョ
ウなどの幼虫は葉の表面に糸を吐いて足場を作って生
活しているので、毎日のように葉を取り替えるとそのた
びに足場を作ることになり、結局は衰弱死してしまいま
す。そのため、エノキを食樹とする蝶を飼育する場合
は、地植えのエノキが必要になります。その点、ビオ
トープではエノキを植栽することになるため、エノキを食
樹とする蝶にとっても好都合です。そしてビオトープに
エノキを植栽する場合は、エリアの中央部よりも周辺
部、できれば近くに雑木林などがあるような場所が好ま
しいです。それは周辺の雑木林に生息する蝶などの虫
をビオトープに誘引するのに、より有利だからです。ま
た蝶などの昆虫は雑木林の中央や草原などではなく、
光と影が交差する林縁を好みます。エノキをビオトープ
に植栽する場合には、エノキが雑木林の林縁に位置
するように植栽してください。エノキを活用する場合に
はこうした点を配慮すれば、きっと蝶の舞うビオトープ
が実現するはずです。
会員・BA等投稿
伝統的河川工法でアフガン緑化 -1はじめに
〈コンクリートと鉄筋を多用する近代工法だと、土地の人び
とにとってその修復は、技術的・財政的にみて困難を伴う。
(略)そこで私たちが主に採用したのは、江戸時代に完成し
た「蛇籠工」と「柳枝工」による護岸である。(略)骨董的な工
法が、環境や生物多様性が問題になる現代では、最前線
の工法になっている。〉
この文は「ペシャワール会」事務局長・福元満治氏によるも
のです。文中、土地というのはアフガニスタンを指します。
中村哲医師とペシャワール会
ペシャワール会は1983年9月、中村哲医師のパキスタンで
の医療活動を支援する目的で結成され、現在はアフガニス
タンでの、医療活動とかんがい水利事業等の総合的な農村
復興事業を支援しています。
とくにアフガニスタンにおいては、これまで1600本以上の
井戸を掘り、全長25.5㎞の農業用水路を建設して、かつて
の沙漠にスイカ・ピーナツ・米・ザクロ・オリーブなどを実ら
せ、水路建設で100万人近い現地人の雇用も行っていま
す。
農業用水路建設では、日本の伝統的河川工法である蛇
籠工、柳枝工、斜め堰などを駆使しています。驚くことに(当
然のことですが)、中村医師とペシャワール会はこれらに全
くの素人であったのです。
中村医師は同会の現地代表です。1946年福岡県生まれ
で、九州大学医学部卒業。84年パキスタン・ペシャワールに
赴任後、東部アフガニスタンへも活動範囲を拡げ、現在に
至っています。中学生の時、内村鑑三著『後世への最大遺
物』に触発され、その後の歩むべき道を決めたそうです。 中村 哲 医師
アフガニスタンという国
アフガニスタンは、ヒンズークッシュ山脈の山岳地帯にあ
り、山が高く谷が深い国です。このため国土は日本の1.7倍
もある広さですが、人口は2,000万人とも3,000万人ともいわ
れ、その90%が農民、遊牧民です。
貧富の差が著しく、国民の99%がわずかのお金の薬も買
えず、つぎつぎと死んでいく。アフガニスタンはこのような山
の国、農業の国で、水さえあれば自給自足ができて、貧し
い国ではないのですが…。
長崎大学名誉教授
協会特任顧問九州地区
後藤 惠之輔
ペシャワール会の活動地域
戦下の井戸掘り
1979年12月からソ連によるアフガン侵攻があり、89年2
月の撤退後からは内戦が勃発。2001年10月からは、9.11
アメリカ同時多発テロに起因する、米英両軍による大規
模空爆が始まりました。
この間、1970年代から悪化の一途を辿る旱魃は、2000
年夏、アフガン全土で一挙に深刻化。多くの国民が難民
化する一方、水不足が原因で赤痢やコレラなどが蔓延し
ていきました。
飲み水・農業用水の確保が急務となり、ペシャワール
会は、飲料用井戸(約1600本)とかんがい用大井戸(13
本)の掘削とカレーズ(伝統的な地下水路、38か所)の再
生を行い、多くの村民の難民化を食い止めました。これら
水源確保事業は無差別空爆下でも行われたのです。 壊滅した耕地
飲料用井戸の掘削
-8-
緑の大地計画
しかし、やがてカレーズが枯渇するなど、地下水利用に
も限界がありました。広がる沙漠化と急激な雪解けによる
洪水の頻発に対処し、農村を復興させるため、2002年、
「緑の大地計画」を立案します。
この計画は、地域住民による人海戦術と、現地条件に
合った適正技術があってこそ出来たことです。この適正
技術が日本の「伝統的河川工法」であり、アフガンと日本
の河川の類似性を考慮した結果です。
すなわち、
(1)山間部の急流河川が多いこと。
(2)冬季と夏季の水位差が大きいこと。
(3)大きな平野が少なく、山に挟まれた盆地と小平野で
農業が営まれていること。
沙漠の奇跡
2009年8月3日、用水路が開通し、現場は熱狂的な喜
びに包まれました。用水路はこの時点で、クナール州
ジャリババからナンガラハル州ガンベリ沙漠まで、主幹水
路の総延長24.8㎞、分水路16.7㎞、1日送水量40万トン
で、かんがい面積は3,120ヘクタールに及びます。
工事中のこと。ガンベリ沙漠は暑いときは53℃にも達
し、数百人の現地人がバタバタと熱中症で倒れていきま
した。そのような過酷な条件のもと、果敢に工事は続行さ
れたのです。これができたのも、用水路ができれば、三
度三度ご飯が食べられる、家族と一緒に過ごせるの、強
い精神力があったからです。
今この沙漠の中、マルワリード用水路沿いの砂防林
は、広大な地域の開墾を可能としました。幅数百m、長さ
5㎞に達する植林は、砂防林だけで20万本もあり、ここは
もはや沙漠ではありません。
用水路流域では、すでに15万人が帰農し、村民の生
活は安定に向かっていきました。用水路建設には総工
費約14億円がかかりましたが、すべてペシャワール会に
寄せられた会費と募金によって賄われました。
(以下次号)
用水路の建設
2003年、マルワリード用水路の建設を開始します。用水
路は、水路を建設するばかりでなく、岸辺を維持できるこ
と、流路を安定させること、春夏秋冬取水できることが肝
要です。加えてこれらの建設・維持等は、土木技術の経
験のない村人にもでき、電気・機械を必要とせず、現地材
料を用いてできなければなりません。ここは山と農業の
国・アフガニスタンなのです。
ひるがえって現在の日本では、すべての土木構造物
(水利施設を含めて)がハイテク技術に基づき、最新材料
と機械力によってつくられ、稼働しているのでしょうか。そ
うではありません。朝倉の三連水車(福岡県朝倉市)にみ
られるように、「昔から残っているもの」もあるのです。
註)掲載の図・写真はペシャワール会の提供による。
蛇籠工、柳枝工そして斜め堰
筑後川の山田堰(朝倉市)がそうです。220年前に完成
した斜め堰があり、現在も、暴れ川の筑後川から年中を
通して一定の取水を行って、広大な周辺を潤していま
す。
中村医師らは、この山田堰に倣って「斜め堰」で取水す
ることとし、捨て石工による「石出し水制」により流路を安
定させるととともに、「蛇籠工」、「柳枝工」で岸辺を維持
し、用水路建設に成功しました。
捨て石工、蛇籠工で石を扱うとき、アフガン農民は、日
頃から荒廃地と闘っているため、石の熟練工であったそう
です。
用水路建設前のガンベリ沙漠(2008年以前)
用水路到達6年後のガンベリ沙漠
蛇籠石積み作業中
(50℃を超える灼熱のガンベリ沙漠にて)
主幹水路の柳枝工・蛇籠工
-9-
会員・BA等投稿
群馬県立金山総合公園での里山再生事業の取組
はじめに、当社は平成18年度より指定管理者(山梅ケー
ビックスグループ)として都市公園の管理運営に取組んでま
いりました。当初よりのテーマとして里山再生事業をあげて
います。10年経過した今、整備した里山を環境教育の場と
して子供たちがアプローチして楽しめる自然環境の創出の
取組内容について報告します。
1.群馬県立金山総合公園の概要
群馬県南東部の太田市(人口22万人)にある県立の都市
公園「金山総合公園」はぐんまこどもの国の愛称で親しまれ
ています。当公園の特徴は、太田市内の里山の谷戸部分
にある公園で豊かな自然に囲まれています。敷地面積は公
園部分が約18ha、周辺の県有林が約32ha合計約50haで
す。年間来場者数が60万人を超える大勢のお客様が訪れ
る公園となります。
こどもの国のお客様の大半
は未就学児~小学校低学年と
そのご家族です。そのため将
来を担う子供たちに豊かな自
然で環境教育の最初の一歩で
ある「自然に親しむ」を体感す
るには最適な環境と考えてい
ます。
休日に賑わう公園
2.里山再生概要
平成18年度から以下の3項目の取組を実施してまいりま
した。
【明るい里山の再生】
薪炭林の価値が無くなり、アズマネザサやヒサカキに覆わ
れたため、植生が単調な林床の日照条件改善を実施しまし
た。
日本ビオトープ協会 法人会員
ビオトープアドバイザー
株式会社山梅
羽賀 淳平
【地域のゲンジボタル生息環境の保全】
ゲンジボタルを通じて自然に親しみを感じていただく
ために、地域性を守りながら生息地保全活動を実施して
います。
最近ではビオトープ協会の主催される「ホタルの水路
づくり講習会」にも出席して、ホタルの生息環境の整備
技術等を学んだことを公園の生息地内でも実施してい
ます。
現地のゲンジボタル
【自然を活用する環境教育イベント】
明るくなった里山やゲンジボタルを活用して自然を題
材としたイベントを開催しています。自然の中での遊び
方がわからない方も多く、公園環境における自然活用し
たイベントの重要性を実感している所です。平成28年度
に実施したホタル観察会では700名を超えるお客様が
訪れ、ゲンジボタルの幻想的な光を見ながら家族の語ら
いを楽しむ姿が見られました。
今年で4回目の稲作体験
その結果キンラン等の山野草などが確認されるようにな
り、ネズミがとりやすくなったのかフクロウの姿が確認される
等の状況が確認されています。
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3.これからの取組
上記内容をこれまで取組んでまいりましたが、今後は子
供たちが自分たちで自然の中で遊ぶ空間を目指し整備
していきます。
1) ビオトープ環境の整備
これまでの緑地管理は景観面のみを考慮し、特に人が
立ち入らない緑地も、定期的な草刈等を実施し生物に配
慮していない管理状況でした。今後は景観に考慮しなが
らも、人が立ち入らない未活用緑地をビオトープ化するこ
とで子供たちが自然にアプローチできる機会の促進のた
めの整備を行います。
①公園を3つのゾーンに設定
公園の敷地をそれぞれの特性に合わせたゾーンに設
定しています。
【公園ゾーン】子供が安心安全に遊べる
【自然ふれあいゾーン】子供が自然とふれあえる
【生物保全ゾーン】動植物の生息地として管理
②自然ふれあいゾーンのエリア設定
ゾーン内の環境ごとにエリア、目指すべき環境を分け
てテーマを設定し整備及びモニタリング調査を実施中で
す。バッタやトンボをテーマにエリアの維持管理を進めて
います。
2)
インフォメーションの充実
お客様の自然ふれあいゾーンの利用に乏しいのが今
の課題で、実際9割以上の方が公園ゾーンだけで遊ぶ
状態です。「知らなかった・どのように遊んでよいのかわ
からない」などの声があり、アンケート等による調査でも
「自然を楽しみたい」の項目も全体の15%以下に留まっ
て、大半が公園の自然を楽しむという意識がされない状
況が考えられます。
改善対策の1つは専門知識を有したスタッフが行うイ
ベント(自然観察会)等の実施です。しかし対象人数が少
なく、公園を訪れる不特定多数の方々を対象とするのは
困難です。より多くの方に自然を楽しんでもらうためには
「自分たちで遊べる環境」が必要だと考えています。その
ため現地での季節ごとの情報が載ったインフォメーション
看板の充実や動画の活用・ビジターセンター的機能の確
保など、自然の楽しさを周知し、興味関心を促すソフトの
整備も実施中です。
この後自然ふれあいゾーンの概要説明を致します。
公園のゾーニング計画図
公園ゾーン
4.まとめ
私が子供の頃にはまだ近所に雑木林が残っており、ク
ワガタ採集や水田でドジョウ取りするなど自然が残ってお
りました。しかし、現在では子供の頃遊んだ雑木林や草
原はほぼ無くなってしまい、街中の遊び道具として虫網、
虫かごを持っている子供はほとんど見られなくなりまし
た。
この金山総合公園に残る自然が、私の子供の頃に遊
んだ自然と同じように楽しめる環境にするため、モニタリ
ング調査の結果を確認し整備していきたいと思っていま
す。またそのためには、ビオトープ協会の活動を通じ勉
強しながら、ビオトープの技術者としてさらなる成長をして
いくことが必要であると考えています。
生物保全ゾーン
自然ふれあいゾーン:景色とトンボを待つ子供
県立金山総合公園「ぐんまこどもの国」
http://gunma-kodomonokuni.jp/
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会員・BA等投稿
ビオトープ研修に参加して
〈2016年2月11-13日
ビオトープアドバイザー認定試験研修会・仙台 受講>
住んでいる所は大阪のベッドタウン、住宅地であるが、幼少の頃はまだ家の周りも田んぼや
砂山であったし、夏季は両親の田舎、広島の山奥で川遊びをして過ごしていた。タイガを見たく
てシベリアに私費留学していたこともある。自然破壊が顕著になり森や生き物が減って行くばか
りで、なんとか少しでも緑を戻さなければと、周りに言ったりはしていたが、ふと、ここのところ登
山からも遠ざかり、自分自身があまり自然に触れていないことに気づいた。
自然、生き物は放っておくのが一番、介入すべきではない、少し前まではそう思っていて意
識的に直接関わるのを避けていた部分があった。この「保存」の考え方は以前の主流であり、関
わり方も含め見直され、現在「保全」が主流であることは、後に研修で学ぶこととなる。
幸い、家の周りは親が世話をしていた植物が所狭しと葉を茂らせ、花を咲かせてくれている。 ビオトープアドバイザー
小川 歩水
今年の抱負として、家の周りの緑、土に親しむのを始めることに決めた。まずは基礎的な知識を
(研修3日目、視察先の「地底
得たいと思って調べたが、園芸の本にあるのは虫を殺すことや化学肥料の説明で、これでは逆
の森ミュージアム」にて撮影)
だ、やはりビオトープが自分に近い、と思った。ビオトープには大規模工事のイメージがあった
が、通じるものがあり役に立つはずと思い調べていて、研修のことを知った。レベルが高そうで
場所も遠かったが、資格も取れるようだし個人で申し込みも可能とあり、何よりタイミングが良く申し込んだ。
充実した3日間であった。なんとなく参加者の年齢層が高いかと思っていたが、参加してみると、若い方が多く未
来が明るく感じた。皆さん仕事などで携わっておられ、知識のある方たちと協力しての計画作りや実地研修は、貴
重な経験でもあり楽しかった。講義は全て先生方の経験、実例を交えての内容で、興味深く飽きなかった。特に植
生や遷移の話は、繊細かつダイナミック、理屈は基本シンプルで、その適応能力の高さと生命力に改めて自然の
驚異を感じた。循環のことも知りたかった内容であった。環境により落葉樹の葉が落ちないこともある、というのは目
から鱗であった。環境先進国ドイツ、スイスの実例も興味深かった。わたしが都会にも自然を、と考えが変わったの
も、ドイツでは公園や森林に親しみ身近に感じている人が多い、というのを聞いたのが大きかった。
ホームビオトープにも大きな意味があることを知った。家の周りで自由にできる土地が少し増えたので、そこを使
おうと考えている。100メートル程行くと長い水路両岸の緑地公園がある。近所に庭をしているところもあり、いいス
ポットとなりそうだ。住宅地の制限もあり経験もなく、失敗やうまくいかないことばかりだろうが、楽しんで、緑、土に触
れていきたい。そして、わたしのビオガーデンを見た近所の人が、「花いいなあ。」「緑いいなあ。」と、小さなスペー
スからでも園芸やガーデニングなどで植物に親しむきっかけになり、緑の輪が広がるといいと思っている。実践して
いるならではの話を大阪弁で面白おかしく話さずにはおられないし、緑の話の輪も広がるだろう。実際に研修で聞
いたお話も既に使っているが、反応がよい。大阪は緑が少ない気がするので、ここから大阪の緑化を発信する、く
らいの意気込みでやっていこう、と鼻息を荒くしている。
2016年度 ビオトープアドバイザー認定試験研修会 ご案内
当協会の主要事業の一つ「ビオトープ技術者養成事業」の一環として「ビオトープアドバイザー(BA)認定試験研修
会」を今年度も開催いたします。
この研修会は、各地区にビオトープ技術者を増やし、地域社会の環境に貢献する事業
と認識しており、今年度は10月に静岡県静岡市にて開催いたします。BA更新、スキル
アップ研修会としまして、すでに取得されたBAのご参加も可能です。また、今回は1日
目の17:00-18:00に、会員・BA・一般どなたでも無料で受講可能な特別講義を行う予定
です。
多くの方々にご受講いただきたく、ご案内かたがたご周知のお願いまで申し上げます。
「第36回 BA認定試験研修会 静岡」 予定
月日:10月14日(金)-15日(土)
会場:静岡県男女参画センター あざれあ 5階 504会議室
講師:鈴木邦雄先生(横浜国立大学名誉教授・前学長、当協会代表顧問)、
山田辰美先生(常葉大学教授)、櫻井淳(当協会会長)
※詳細は協会WEBページ(http://www.biotope.gr.jp)
アドバイザー・研修会ページ(http://www.biotope.gr.jp/adviser/exam/)にUPします。
※各地区での視察・研修会は随時協会WEBページにUPしております。
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BA仙台研修会(2016.2)実践講座
グループワーク・図面作成、現地視察
協会活動状況:各地区
各地区委員会 活動状況
全国8地区の地区委員会では、その土地に応じた様々な活動を活発に行っております。
今号では今年度の活動計画や報告等についてお知らせいたします。(2016年7月現在)
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
北海道・東北地区活動計画・報告
委員長 佐竹 一秀 (株式会社 エコリス)
1.「緑のカーテンプロジェクトいわて」支援(協力団体:NPO法人日本ビオトープ協会・NPO法人緑のカーテン
応援団・環境パートナーシップいわて・岩手県立大学総合政策学部・あさがおネットワーク釜石・NPO法人
遠野まごころネット・小岩井農場)仮設住宅・復興住宅・幼稚園・小学校・郷土資料館など(釜石・大槌・陸前
高田・野田地区)、本年度は寄付額が減額、ゴーヤ苗・アサガオ種子・堆肥提供を主体に支援した。
2.「ミズアオイ再生プロジェクト」支援、大津波によって湧水に再生した大槌町のミズアオイなど希少植物やイト
ヨなどの保護保全ビオトープ「生態園」の提案の為の調査をミズアオイ開花時期に合わせて、ドローンも使用
し候補地の環境調査を実施予定(8月末予定)
3.昨年の幌加内でのフォーラムの第2弾として、2017年に開催の可能性を調査、福島県只見町でのミニ
フォーラムについて、現地視察調査及び只見町担当者との調整を実施する(9月末予定)
4.活動を通じて会員拡大を図る。
ゴーヤ苗の提供(釜石市郷土資料館)
有機堆肥の搬入(鵜住居仮設幼稚園)
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
関東地区活動計画・報告
委員長 砂押 一成 (株式会社 砂押園芸)
1.自治会・学校ビオトーププロジェクト継続支援実施
村松小ビオトープ ホタル放流会(東海村)
長堀小4学年 ビオトープ学習会(ひたちなか市)
常葉台ビオトープ ホタル観賞会(ひたちなか市)
2.霞ヶ浦環境科学センター「いきもののいけ」計画協力
3.茨城県県北芸術祭ビオトープデザイン協力
4.Facebook等SNSを使った地区情報発信の継続での情報発信
※Facebook:「日本ビオトープ協会 関東支部」
5.他団体との情報連携強化
6.「ホタル水路づくり研修会」(神奈川県伊勢原市)への協力
7.会員拡充
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
-13-
各地区委員会 活動状況
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
北陸・信越地区活動計画・報告
委員長 久郷 愼治 (株式会社 久郷一樹園)
射水ビオトープ協会との合同研修会の開催 報告
2016年2月27日(土) 14:00 ~ 17:30
「ビオトープフォーラムin射水」 於 小杉文化ホール「ラポール」
基調講演 当協会代表顧問 鈴木邦雄先生
はじめに地元の講師として、元小杉高校長(生物学指導)であった櫛岡
勝英先生より「自然に親しみ 自然から学ぶ」と題した講演があり、それ
を受けて鈴木邦雄先生が基調講演として「豊かに生きるために生物多
様性復元を!-地域を育むビオトープと子供たち-」という演題でお話し
頂いた。今回のフォーラムのテーマでもあった「環境で地域を元気にす
る 射水丘陵の生物多様性を考える」に沿った内容で、日頃、射水ビオ
トープ協会として取り組んでいる数々の事業に自信と励みとなる講演で
会員一同大いに納得するものであった。
※プログラム等詳細は協会WEB活動実績ページをご覧ください。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
静岡地区活動計画・報告 委員長 藤浪 義之 (株式会社 藤浪造園)
1. 講演・講習・視察会
・「ビオトープフォーラムin静岡2016」開催
フォーラム(2016年6月3日 あざれあ)、エクスカーション(2016年6月4日
ふじのくに地球環境ミュージアム・麻機遊水地))
・ビオトープアドバイザー認定試験研修会 (2016年10月上旬予定)
2. 巴川流域自然再生協議会の参加
・麻機遊水地クリーン作戦の参加 (2016年5月21日)
・その他イベントの参加(予定)
3. 「ホタル水路づくり研修会」(神奈川県伊勢原市)への協力
・第18回 2016/4/22 河川整備
・第19回 2016/5/27ホタル生育調査
・第20回 2016/6/10 ホタルの夕べ観察会への協力
4. 中町浄水場里山再生
・試験植栽の実施(2016年4月27日)
・生育調査の実施(2016年7月9日)
5. 静岡地区会の開催
・第1回 2016年5月11日 静岡市葵区ペガサートにて実施
・第2回 2016年9月 上旬予定
4/27 試験植栽
5/21クリーン作戦
………………………………………………………………………………………………………………………………………
中部地区活動計画・報告
委員長 青山 正尚 (太啓建設 株式会社)
1.BAスキルアップ研修会
日時:2016年4月8日(金)9:00~12:10
場所:研修会 豊田商工会議所会館 多目的ホール204
現地視察 安永川
内容:「矢作川 分散型落差工・近自然工法研修会」
講師:㈱近自然技術研究所 木戸 規詞 氏
2.森づくりを考える研修会
日時:2016年5月16日(月)13:30~16:30
場所:豊田スタジアム 会議室4(地下1階)
講話:「スイスにおける継続的な森林管理と木材利用」
講師:スイス・フォレスター ロルフ・シュトリッカー 氏
3.BA スキルアップ研修会 開催日未定
4.会員募集
現地視察 1級河川安永川
講演の様子
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
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各地区委員会 活動状況
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
近畿地区活動計画・報告
委員長 西川 勝(近江花勝造園 株式会社)
1.竜王蒲生野と実施後のビオトープ地の調査研究
5月27日(金)10:00~17:00
※今後も継続調査の予定
2.ヨシ博物館長との研修会(継続事業)
3.会員拡大
4.ビオトープアドバイザー認定試験研修会の開催を来年度へ延期、
平成29年秋~への準備
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
中・四国地区活動計画・報告
委員長 梶岡 幹生 (株式会社カジオカL.A)
2016年度第1回古鷹山ビオトープ 「生き物観察と食べられる野草を食べる会」の報告
〈江田島市教育委員会後援〉
日時:7月2日(土)10:00~12:30
場所:江田島市古鷹山ビオトープ
講師:環境カウンセラー神垣氏、主席BA梶岡、BA葉名氏
参加者:24名
内容:自然観察・昆虫採集と観察・食べられる野草摘みと天ぷらにして食べた。
今回の気づき:ドジョウ・メダカが多くいた。鳥などに食べれない隠れる場所がある。メ
ダカの天敵の外来種の魚がいない。アメリカザリガニなどもいない。また広島県在住
のBAへも個別にメール案内をしたところ、次回には参
加したいという返事を多数いただいた。 今回の会の
目玉は野草を天ぷらにして食べるという企画だった。
(このビオトープが完成したのは2004年の秋)
昆虫採集
昆虫の観察会
野草を天ぷらにする
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
九州地区活動計画・報告 委員長 田中 和紀 (内山緑地建設株式会社 九州支店)
1.勉強会の開催 予定
日程未定
2.会員拡大
会員継続のための活動、情報の発信、バックアップ
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
協会活動 お知らせ : 事務局本部
第9回ビオトープ顕彰(平成28・2016年度募集)
国内各地において、ビオトープつくりの取り組みを一層進めその啓蒙を図るために、
毎年度、模範となるビオトープを全国より募集、審査・選考し、優秀な取り組みを讃えて
表彰を行なっています。
今年度も皆様のご応募をお待ちしております。
募集期間:~2017(平成29)年3月10日
※応募方法など詳細は協会WEBページ(http://www.biotope.gr.jp)
又はビオトープ顕彰ページ(http://www.biotope.gr.jp/kenshou/)をご覧ください。
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協会活動 ご報告:事務局本部
総会・フォーラムの実施 主催:NPO法人 日本ビオトープ協会
◇第14回通常総会
◇ビオトープフォーラムin静岡2016 -人と生物のための生態系インフラ日時:2016(平成28)年 6月3日(金)総会11:00~、フォーラム13:00~16:45
会場:静岡県男女共同参画センター「あざれあ」
会員が年に一度集う総会日を活用して、会員・一般も含めたフォーラムを本年度は
静岡で開催。
フォーラム内容:
開会の挨拶 会長 櫻井淳
祝辞 静岡県くらし・環境部理事 志村弘一様
第1部 第8回ビオトープ顕彰表彰式
ビオトープ大賞「創造の森『越中座』ビオトープ空間『婦負の風』」(富山県)
審査委員長賞「トヨテツの森」(愛知県)
技術特別賞「東京農業大学伊勢原農場ビオトープ」(神奈川県)
地域貢献賞「仙台市富沢遺跡保存館 野外展示『氷河期の森』」 (宮城県)
環境教育賞「柏木小学校ビオトープ」(滋賀県)
CSR(地域の生きもの保全)特別賞「ダイキン滋賀の森」(滋賀県)
環境活動推進賞「ぼてじゃこビオトープ(ぼてじゃこ池)」(滋賀県)
顕彰委員長・鈴木邦雄先生による講評
事例発表:ビオトープ大賞、審査委員長賞、技術特別賞
第2部
基調講演「人と生物のための生態系インフラ 」
横浜国立大学名誉教授・前学長、自然環境復元学会会長、
日本ビオトープ協会代表顧問 鈴木邦雄氏
特別講演「ドイツ・スイスのビオトープづくり」
元龍谷大学教授、日本ビオトープ協会顧問 竺文彦氏
講演 「静岡県の生物多様性保全の取組」
静岡県 くらし・環境部自然保護課 課長代理 馬塚雅敏様
閉会の辞 協会顧問 吉川宏一氏
参加者:90名
□「ビオトープフォーラムin静岡2016」は、地元静岡をはじめ全国から参加をいた
だき、人と生物のための生態系インフラをテーマに盛大に開催することができまし
た。関係官庁他の後援と講師の先生、協会員の方々をはじめ、皆様にご協力をい
ただき、心より厚くお礼申し上げ、今後ともご指導・ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。
※報告書は協会WEB活動実績ページ等にUP(下記)
フォーラム報告書 http://www.biotope.gr.jp/wp-content/uploads/20160603f.pdf
顕彰講評・受賞紹介 本号P.17-19掲載
◇2日目エクスカーション(現地視察会)
日時:6月4日(土)9:30~15:00
視察先:ふじのくに地球環境史ミュージアム、麻機遊水地
参加者:20名
□視察先関係者、ミュージアムの皆様、遊水地では静岡県静岡土木事務所河川
改良課様、麻機湿原を保全する会様に現地ご説明、ご協力いただき、誠にありが
とうございました。
エクスカーションの様子
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フォーラムの様子
NPO 法人 日本ビオトープ協会
第 8 回ビオトープ顕彰受賞作品の紹介
◇顕彰委員会委員長の講評:『ビオトープフォーラム in 静岡』(2016 年 6 月 3 日)にて
今回は 7 件を表彰させていただきました。本当におめでとうございます。顕彰委員会はビ
オトープ協会の会長、副会長、常設委員長などから構成されており、今回も受賞作品を選考
いたしました。講評ということでお話をさせていただきます。
◎「ぼてじゃこビオトープ」は、休耕田あるいはため池を利用した形で、市民団体のぼて
じゃこトラストが、6 個の池にイチモンジタナゴを放流し、貴重な種を増やしています。550
匹であったイチモンジタナゴを数千匹くらいまで増やされました。数を増やすだけではなく
て、ワンパク教室やサツマイモ掘り、虫探し等自然体験プログラムを多数実行され、活動を紹介する冊子も多く作
られていることもあり、環境活動推進賞となりました。
◎地域の生きもの保全は企業ベースでは非常に難しいようですが、ダイキン工業滋賀製作所「ダイキン滋賀の森」
は、2013 年以降敷地内のゲンジボタルを保全する活動を積極的に行い、また周辺の敷地内にある保存樹木群と一
体となった緑地整備とその利活用が多面的であることを評価いたしました。さらに、役員の方々も率先してこの活
動に加わり、ニュースレター等でも活発な PR し、企業のモデルとなるような CSR 活動であると評価させていた
だきました。
◎甲賀市の「柏市小学校ビオトープ」は、当時の校長先生はじめいろいろな方々が長い間ビオトープの普及、環
境教育を熱心に活動されてこられました。時代がどんどん変わっていく中ですが、継続的に行われたということで、
積極的に今後とも活用し続けられるような仕組みをぜひ作っていただきたいと思っております。
◎「仙台市富沢遺跡保存館野外展示氷河期の森」は、平成 8 年以来市民にいろいろな形で環境学習活動等を行っ
てきており、メダカの保全をはじめとした生き物観察会等いろいろな教育活動を幅広く着実にやってこられたとい
うことと、有識者だけではなく、造園の方々や仙台市が連携を取って委員会形式で維持管理を務めている点も高く
評価させていただきました。
◎「東京農業大学伊勢原農場ビオトープ」は、私も一度見学にまいりましたが、市の土木事務所や東京農大など
にご支援をいただいて、川のビオトープ再生、ホタルの放流等も積極的にされている。この後事例発表があります
が、19 回もの研修会を行い河川ビオトープに関する生き物の学習会等学びの場になっており、これから地域の方々
にもホタルの見学会等も行う、ということで非常に積極的に活動され、評価させていただきました。
◎豊田鉄工株式会社「トヨテツの森」は、トヨタグループが積極的に進めております企業ビオトープあるいは生
物多様性戦略の代表例として取り上げさせていただきました。特に愛知県に関しましては、緑の回廊や都市の生態
系ネットワーク等非常に進んだ取り組みを行政と連携して行っており、その一環としてビオトープ・森づくりとい
うことで、工場用地内の用水等の活用を積極的に行っている。企業の敷地内で、一般の方の参加・見学が制限され
ていますが、これからの展開を期待しております。
◎「創造の森『越中座』ビオトープ空間『婦負の風』」は、北日本新聞社の建物の東側に設けられておりますビオ
トープで、10 年経過し、一つの安定したビオトープになっています。生態系ということでは、カワセミが飛来し、
水生植物も繁茂して良好な状態で都会・人々との共生空間です。公共ビオトープは担当者が変わるなど長期間維持
するのは難しいとこも多いですが、富山では継続的に行われています。都市における公共ビオトープとして、子供
たちを巻き込んだ企画、いろいろなイベントが行われています。特に本協会の法人会員が継続して関わってきてお
り、その成果が継続性という点にでていることも顕彰委員会としては高く評価し、ビオトープ大賞となりました。
以上簡単でございますが、各表彰をさせていただきましたビオトープに対し講評させていただきました。
(横浜国立大学名誉教授・前学長、自然環境復元学会会長、協会代表顧問 鈴木邦雄顕彰選考委員長)
◇ビオトープ大賞
名 称
受賞者
(各応募書類より転記)
北日本新聞 創造の森「越中座」ビオトープ空間「婦負の風」
株式会社北日本新聞、株式会社久郷一樹園
【テーマ・概要】
地方新聞社の新しい工場として企業団地に設置された。「環境と情報技術の共生を目指す、緑の中のITパーク」。越中座の緑
地「芝生広場婦負の丘」「屋上ガーデン鵜坂野」「ビオトープ空間婦負の風」から構成され、特に生物多様なビオトープは、周
辺の環境との配置にも配慮して、環境学習や、市民が集う場所となっている。
【整備方針と管理手法】
施工から9年が経ち、街中にもかかわらずカワセミが飛来したり、カルガモが訪れたりし
て、地域のかかせぬビオトープとして適正に維持・管理されている。地域の生態系を守る施
設として、多くの水生昆虫や水生動物・水生植物が生息。池周辺には実のなる樹木(カキ・
ウメモドキ・モチノキ等)が植えられており、水鳥以外にも沢山の野鳥がやってくる。開設
以来トンボを始めとする多くの昆虫や水鳥などの小動物の生活の場としての利用や、又貴重
な水生植物なども積極的に育成し、地域生態系になくてはならない空間となっている。地域
にも無料で開放され、自然に包まれた憩いの場所として、又子供達の環境学習の場として広
く利活用されている。
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◇審査委員長賞
名 称
トヨテツの森
受賞者
豊田鉄工株式会社、株式会社鈴鍵
【テーマ・概要】
~「まちなかに生き物を呼び込む緑の回廊」東の矢作川と西の丘陵地帯を結ぶ~
『トヨテツの森』は旧本社事務所跡地(面積:約 5,400 ㎡)にあり、豊田市が策定した「豊田市緑の基本計画」で示された一
体的市街地誘導ゾーンの中でも重要な緑の環状軸である「緑の内環」に位置している。環境の森づくりを始め、その他環境保全
活動による社会貢献を目指す目的で「みんなで作るトヨテツの森」をコンセプトに、豊田市の在来樹木を選定し植栽。約 30 種
類の樹木苗木 900 本を従業員で植樹を行い、都市部の生態系ネットワークの一端を担うために整備した。また、工業排水を利
用した社員の為のやすらぎの空間としてビオトープの創出をした。
(滝・小川・河畔林・森)
【整備方針と管理手法】
生物、社員の為のやすらぎの空間となるように整備している。広場ゾーン、森林ゾーン、
親水ゾーンに分け維持管理。広場ゾーン:広場の草は全面を刈らずに所々刈らない部分を
残す。
森林ゾーン:樹木の成長の妨げとなる草の管理。外来植物の駆除《抜き取り》
親水ゾーン:小川の流れを阻害する草の管理。池部の水草の管理。外来生物の駆除。
※ビオトープ全体の外来種の駆除。
周辺企業路の連携:
「企業群が町に自然を呼び込むプロジェクト」
今後は『トヨテツの森』に生息する、動植物の生息・生育状況を確認し、今後のビオトープの維持管理やよりよいビオトープに
するために生物調査の実施を検討。
◇技術特別賞
名 称
東京農業大学伊勢原農場ビオトープ
受賞者
東京農業大学 教育後援会・伊勢原農場
【テーマ・概要】
本事業は環境に関する教育向上と伊勢原農場の地域貢献を目指すものである。
蛍の生息環境整備
河川の自然環境の保全活動
伊勢原農場の中央を流れる栗原川の多自然型川づくりを市民、学生、ビオトープアドバイザーが参加して生物の生息に配慮し
た川づくりの技術と考え方を学びながら 10 年の期間維持管理を行うことで管理手法を学びながら自然の変化を体験していく。
【整備方針と管理手法】
ビオトープ整備では、地域の自然環境を把握しその地本来の生物相が持続的に循環してい
く環境を目標とすることが重要である。ホタルが生息する水辺環境では、多様な動植物が生
息。河床の構造や護岸の構造等、生息環境に配慮した整備方法を学びながら環境に順応した
技術の習得をしていく。砂防指定の河川の為、増水等による河床構造の変化に合わせて維持
管理を実施する。
本年放流した結果、蛍の発生を見たので、今後も環境の順応的な管理を行い、さらに成果を
挙げたい。
◇地域貢献賞
名 称
受賞者
仙台市富沢遺跡保存館 野外展示「氷河期の森」
仙台市富沢遺跡保存館
【テーマ・概要】
昭和63年に富沢遺跡において2万年前の人類の生活跡と森林跡がともに発見され、世界的にも貴重な遺跡として注目された。
仙台市ではこの貴重な遺跡を保存するとともに、積極的に公開・活用していくこととし、「富沢遺跡保存館」と、発見された樹
木などをもとに旧石器時代の植生を復元する「氷河期の森」を一体的に整備。開館から約20年経過し「氷河期の森」は植生復
元の役割のほか、環境学習の場としても使用される野外展示となっている。
【整備方針と管理手法】
「氷河期の森」は池・湿地・草原から構成されており、植生は現在の仙台の植生と異な
る 2 万年前の当地の植生を亜寒帯性針葉樹林を参考に復元している。そのため植物生態調
査、植生検討会(有識者や造園業者(委託)
、仙台市教育委員会文化財課)を開き、植生を
整えている。池・湿地に関してはアメリカザリガニが増殖した経緯をふまえ、外来種の駆
除や普及啓発活動をおこなっている。
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◇環境教育賞
名 称
受賞者
柏木小学校ビオトープ
柏木小学校ビオトープ、近江花勝造園株式会社、株式会社ラーゴ
【テーマ・概要】
多様な生き物が生息し、それぞれがお互いに関係を保ちながら生活する環境を保全、復元することを目的とする。自然環境が
急激に劣化していく中、人間の暮らす環境として子孫に残していかなければならない。自然を大切にする場として敷地内の一部
を利用して環境保全の大切さを学ぶことができる生きた学習の場として、生徒を中心に地域の方々と共に学校ビオトープづくり
に取組んだ。
【整備方針と管理手法】
ビオトープ等の専門家の指導を受けて実施。
(日本ビオトープ協会(専門造園業者)、自然環
境復元研究会、滋賀ビオトープ研究会、みなくち子どもの森指導員、環境 NPO)
甲賀市水口町は琵琶湖東部の中流部に位置しており、古琵琶湖層が広がっている(約 250
万年前の琵琶湖の名残)
。当ビオトープでは琵琶湖をイメージした池が整備され、岩山(渓流)
から落ちる滝、せせらぎ(小川)、琵琶湖湖岸のような水辺など多様な水の流れを創出し、水
辺のあらゆる生き物が棲みやすい環境が整備されている。また、憩いの場として、せせらぎの
流水で水辺植生が再現され、この地の昔の原風景を再現。生徒や保護者、教員の方々が生き物
を鑑賞できるように観察スペースを設け、未来を担うこどもたちに、かけがえのない自然環境の大切さを肌で感じるための教育
設備として整えられている。
◇CSR(地域の生きもの保全)特別賞
名 称
ダイキン滋賀の森
受賞者
ダイキン工業株式会社 滋賀製作所、近江花勝造園株式会社、株式会社ラーゴ
【テーマ・概要】
当所では企業緑地を活用し、郷土種ゲンジボタルの保全を行っている。活動のスタートに際し、周辺地域を含め緑地の生物調
査を行った結果、森や池を有する緑地は里山地域の中央に位置し、田上山系から琵琶湖へと続く緑地や水辺のつながりを強化す
ることで、より質の高い地域生態系の構築することが出来ることが分かった。また保全活動の展開において、意識したのは従業
員とのつながりである。外来生物の駆除や竹の間伐、水路沿いの植栽などを、従業員による自主的な活動や社内環境イベントと
して実施することで、社内教育も積極的にすすめている。周辺地域とのエコロジカル・ネットワークの形成を進める中で、地域
の生物多様性保全の拠点となり、地球環境と地域社会に貢献すべく活動をすすめている。
【整備方針と管理手法】
既存の森に併設された貯水池の水を利用し、将来的にゲンジボタルが再生産を行うことがで
きる水路を施工した。水路では、幼虫が生息することが出来る水温や水量、護岸の形状、植物
帯、夜の暗さの他、餌となるカワニナの生息環境にも配慮した。護岸を蛇行させることで距離
を伸ばし、池からポンプアップした水の温度を出来る限り低下させると共に、林内では石組み
護岸を採用して安全性と環境の多様性の両立を実現した。また、日当たりの良い水路沿いには
カサスゲやアゼスゲなどを植栽し、水温低下や日陰効果を期待し、生息・産卵場所の創出を行
った。導入しているゲンジボタルやカワニナはもちろん、植栽に用いた植物もすべて地域産を
使用し、地域遺伝子の保全にも配慮した。
◇環境活動推進賞
名 称
受賞者
ぼてじゃこビオトープ(ぼてじゃこ池)
ぼてじゃこトラスト
【テーマ・概要】
1.イチモンジタナゴほか貴重種の繁殖保全池として活用
・2007年4月に琵琶湖博物館の協力のもとイチモンジタナゴ繁殖実験開始(琵琶湖・水質浄化研究センター)し、2年目2008年
に増加したイチモンジタナゴの繁殖保管池として、休耕田約300坪を借受け、会員の手づくりで6池制作し、550匹放流、現在
数千匹に増加している。
・滋賀県の絶滅危惧種イチモンジタナゴ、シロヒレタビラのほかメダカなど貴重種の繁殖飼育にも取組んでいる。
2.ぼてじゃこワンパク塾の自然体験教室のための遊び場所、憩いの場、交流の場として有効活用している。
・ぼてじゃこワンパク塾の子ども達に、敷地内でタライミニ実験を経験させ、生態系について学ばせている。
・サツマイモ植え・収穫と食事会、虫探し、カブトの飼育、魚釣りなど自然体験できるプログラムを計画、実施している。
今年度、生き物調査を親子会員7家族中心に実施、優秀な生き物博士が会員にいることがわかり、素晴らしい「ぼてじゃこ池の
生き物たち」の冊子が完成した。
【整備方針と管理手法】
・基本制作から日常管理まで会員による手作り管理。・毎年、1~2池を水抜き、泥あげ、土手
の改修など改修工事を実施。
・雑草草刈り、ザリガニ駆除、ウシガエルの侵入、アゾラの繁殖対
応作業・毎年改修作業(夏原グランド助成金利用)
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連載コラム 都市の虫たち
第4回 ハチ編
農学博士、元東京農業大学
認定NPO法人 自然環境復元協会理事
立川 周二
ハチは身近な昆虫ですが、種を決めること(同定)は簡単ではありません。世界に20万種、日本に4,000種以上が
知られています。種が異なれば、その数だけ違った生き方があります。ファーブルが「昆虫記」で示した狩り蜂の生活
に、多くの人が魅了されました。多種多様という言葉は、ハチに最もふさわしいと思われます。ハチが生きる環境は、
多様な条件を満たしています。ハチを調べることによって、環境の複雑さを知ることができます。環境指標として相応
しいのですが、いかんせん種が多く、十分に調査が進んでいません。ここに示した僅かな種も、ビオトープの要件に
深く関わるはずですが、詳細は明らかではありません。皆様の観察と情報が望まれます。
2014年ごろから、グリーンインフラとか、生態系インフラという言葉を聞きます。国交省の定義は、「自然力や自然
のしくみを賢く活用することで社会と経済に寄与する国土形成手法」としています。ここでいう自然のしくみとは、水循
環、栄養塩循環、生物間相互作用を意味して、ビオトープに携わる人たちが日ごろ留意していることです。このような
機運が高まる中で、私たちはこれまでの蓄積した「現場」の状況を発信し、さらに実践を重ねる必要があります。ビオ
トープ協会の社会的役割は、ますます広がり有用性を増していると感じます。
図1.ルリチュウレンジ:ハバチ(葉蜂)の仲
間で幼虫はツツジの葉を食して、時に丸坊
主にしてしまう。写真は雌が産卵管を葉の
組織中に差し込んで、産卵しているところで
ある。葉の縁に沿って、1個ずつ並べて産ん
でいく。成虫は5月ごろから普通に見られ
る。
図2.アジサイハバチ:幼虫がアジサイの
葉を食するハバチの仲間である。アジサイ
が葉を広げる5月ごろから幼虫の食べた痕
が目立ち、たちまち葉が穴だらけになって
しまう。幼虫は葉の裏で、数個体が群れて
過ごしている。
図3.ヒメハラナガツチバチ:似たものが数
種いる。本種の体の毛は白色である。いろ
いろな花の上で普通に見られるが、幼虫の
ために狩りをする習性がある。狩りの獲物
はコガネムシの幼虫で、麻酔の後土中の
室に入れて産卵する。ハチの幼虫は獲物
に寄生して育つ。
図4.コガタスズメバチ:写真は地上に落ち
た柿の実に飛来したところである。クヌギな
どの樹液にも集まる。都市では最も普通に
見られるスズメバチと思われる。庭木の茂
みや軒下などに、バレーボール大の巣をつ
くる。攻撃性は弱いが、駆除されることが多
い。
図5.フタモンアシナガバチ:河川敷や空き
地の草むらなどに横向きの巣をつくる。都
市部ではアシナガバチ類が減少している
が、本種が最も普通であると思う。花から蜜
を吸うこともあるが、チョウやガの幼虫を捕
殺して、巣に戻り幼虫に与える。
図6.クマバチ:写真は花の横を噛み破り、
中の蜜を吸っている。大きな体で恐れられる
が、攻撃を仕掛けることはない。藤棚や花壇
の周りを定位飛行(ホバリング)しているの
は雄で刺すことはない。枯れた樹木に穴を
あけて巣をつくり、花粉や蜜を与え幼虫を育
てる。
図7.コマルハナバチ:4月ごろからツツジ、
サツキ、バラなど、花弁が開いた花に飛来
して、蜜と花粉を集める。マルハナバチ類は
鳥やネズミが作った巣を再利用することが
ある。最初の巣作りは女王バチがするが、
働きバチが育つともっぱら産卵に携わる。
図8.セイヨウミツバチ:都市には年間を通
して花が多い。飼養されているハチにとっ
て、餌条件の良い都市は住みやすい場所
なのかも知れない。東京銀座のビル屋上
で、養蜂活動をする人々がいて、生産され
た蜂蜜を「ぎんぱち」と称している。
図9.二ホンミツバチ:いつ頃からか、都市で
見かける機会が増えた。シイなどの樹幹の
空洞、墓地や神社の隙間の空間を利用して
巣作りをしている。写真は道路脇の鉄管を
利用している事例である。危険と思われ、
駆除されてしまうことは残念である。
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編集後記
この度の集中豪雨、巨大地震の被災地において、復興に向けて歩を進め始めたこのようなタイミン
グで、はからずも今号のテーマ「生態系インフラ」を特集することになりました。
豪雨により決壊した現場に立つ機会があり、目の当りにしてみると、改めて自然の脅威に、ただ呆然
とした自分がいました。被害にあわれた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
昨今、急激な気候変動、そして人々の生活観が多様化等する中で、自然を押さえ込むという発想と
自然を理解、活用する考え方とでしばしば議論がなされています。
そのなかで緑は生態系サービスの根幹を成す一方、人間の福利との間で揺れ動く存在でした。しか
し緑地、生態系を、しっかりとマネジメントできれば、その機能は防災・減災はもとより、環境保全やコ
ミュニティの構築等、多面的に広がるのではないでしょうか。
「生態系インフラ」今後この考えが、国レベルから、地域へ広がりを見せるでしょう。来るべき日に備
え、私たちは、その特性を理解し日々活動していきたいものです、そして本誌がその一助になれば幸
いです。
最後になりましたが本誌発行にあたり、ご多忙中にも関わらずご執筆下さいました先生方、執筆者の
皆様に心よりお礼申し上げます。
編集委員 若月学 砂押一成 他協力関係者
自然との共生をめざして一緒に活動しませんか。・・・会員募集中・・・
会員の種類
年会費
会員の特典
・法人正会員 この法人の目的に賛同して入会し、活動を推進する法人
・個人正会員 この法人の目的に賛同して入会し、活動を推進する個人
・法人正会員 100,000円
・個人正会員 10,000円
※10月以降3月末までのご入会は規程により、年会費は半期分となります。
・年2回発行の機関紙「ビオトープ」の入手。
・会員メーリングリストによりE-Mailによるシンポジウム、研修会等情報の入手。
・その他、地区活動への参加など。
入会手続き、入会申し込み用紙については、WEBページhttp://www.biotope.gr.jp/application/apply/
または下記本部事務局までお問い合わせ下さい。
日本ビオトープ協会誌「ビオトープ」No.38
2016年(平成28年)8月31日発行
発 行 所
発行責任者
編
集
本部事務局
特定非営利活動法人 日本ビオトープ協会
櫻井 淳 (日本ビオトープ協会 会長)
協会 情報委員会・正副会長・本部事務局
〒170-0005
東京都豊島区南大塚2-6-7-101
TEL 03-6304-1650
FAX 03-6304-1651
E-Mail [email protected]
URL
http://www.biotope.gr.jp
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アカゲラの親子
(北海道雨竜郡幌加内町)
写真 内海 千樫 氏 提供
http://www.biotope.gr.jp
NPO法人 日本ビオトープ協会
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