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米国基準連結決算 説明要旨
米国基準連結決算 説明資料 野村ホールディングス株式会社 2001年12月 本資料は、米国基準連結決算 説明会での説明をまとめたものです。 日時: 2001年12月14日(金)16時30分 会場: 野村證券株式会社 日本橋本社講堂 発表者: 野村証券グループ本部 財務部長 丸山 明 プレゼンテーションの概要 n n n NYSE上場と米国基準決算 セグメント情報 Ø NYSE上 場 4 Ø 2000年3月期 セグメント情報 17 Ø 2000年3月期米国基準決算の概況 5 Ø 2001年3月期 セグメント情報 18 Ø 2001年3月期米国基準決算の概況 6 Ø 米国基準と日本基準の主要な差異(P/L、株主資本) 7 Ø 米国基準と日本基準の主要な差異(資産、負債) n 参考資料 19 9 投資有価証券とPFGについて Ø 投資有価証券について 12 Ø PFGビジネスについて 13 Ø PFGのポジション 14 Ø PFGの運営体制の検討 15 本資料は、米国基準による決算に関する情報の提供を目的としたものであり、当社が発行する有価証券の投資勧誘を目的としたものではありません。 本資料に掲載されています事項は、資料作成時点における当社の見解であり、その情報の正確性および完全性を保証または約束するものではなく、今後、予告なしに変更されることがあります。本 資料は、2001年12月13日現在のデータに基づき作成されております。なお、本資料で使用するデータ及び表現等の欠落・誤謬等につきましてはその責を負いかねます のでご了承ください。 本資料は将来の予測等に関する情報を含む場合がありますが、これらの情報はあくまで当社の予測であり、その時々の状況により変更を余儀なくされることがあります。なお、変更があった場合でも 当社は本資料を改訂する義務を負いかねますのでご了承ください。 本資料のいかなる部分も一切の権利は野村ホールディングス株式会社に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようお願い いたします。 2 本資料は、今後の経営戦略に関する情報の提供を目的としたものであり、当社が発行す る有価証券の投資勧誘を目的としたものではありません。 本資料に掲載されています事項は、資料作成時点における当社の見解であり、その情報 の正確性および完全性を保証または約束するものではなく、今後、予告なしに変更され ることがあります。本資料は、2001 年12 月13 日現在のデータに基づき作成されており ます。なお、本資料で使用するデータ及び表現等の欠落・誤謬等につきましてはその責 を負いかねますのでご了承ください。 本資料は将来の予測等に関する情報を含む場合がありますが、これらの情報はあくまで 当社の予測であり、その時々の状況により変更を余儀なくされることがあります。なお、 変更があった場合でも当社は本資料を改訂する義務を負いかねますのでご了承ください。 本資料のいかなる部分も一切の権利は野村ホールディングス株式会社に帰属しており、電 子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行 わないようお願いいたします。 NYSE上場と米国基準決算 NYSE上場 n 上場の意義 Ø 「グローバルに競争力のある日本の金融機関を目指す」ことが野村証券グループの経営目 標であることの内外への明示 Ø フェア・ディスクロージャーの精神に則った情報開示の充実 Ø 経営戦略上の選択肢の増加 Ø コーポレート・ガバナンスの一層の強化 n スケジュール Ø 2001年12月13日 SEC登録 Ø 2001年12月17日 上場予定 n 上場の概要 Ø 形式 ADR (American Depositary Receipt) Ø コード NMR Ø 交換比率 1:1(1ADR:1株) NMR 4 NYSE上場と米国基準決算 NYSE上場 上場の意義は、主に4つです。 ・グローバルに競争力のある日本の金融機関を目指すことの内外への明示 ・フェア・ディスクロージャーの精神に則った情報開示の充実 ・ニューヨーク上場による戦略の選択肢の増加 ・コーポレート・ガバナンスの強化 上場スケジュールは次の通りです。 ・12月13日、SECに登録 ・12月17日、上場予定 上場の概要は次の通りです。 ・ADR形式 ・コードは野村の響きに近い “NMR” ・当社普通株式との交換比率は1対1 2000年3月期 米国基準決算の概況 n 損益計算書 米国基準 日本基準 10,627億円 8,159億円 Ø 税前利益 3,722億円 2,652億円 Ø 当期純利益 2,035億円 1,463億円 Ø 純営業収益* n 貸借対照表 Ø 資産合計 14兆6,109億円 18兆8,219億円 Ø 負債合計 13兆1,999億円 17兆4,015億円 Ø 資本合計 1兆4,110億円 1兆4,204億円 Ø レバレッジ** n ROE*** * 10.4倍 15.3% 13.3倍 10.7% 純営業収益:総収益−金融費用 ** レバレッジ:総資産÷資本合計 *** ROE:当期純利益÷資本合計(期初・期末平均) 5 NYSE上場と米国基準決算 2000年3月期の米国基準の決算概況 2000年3月期の収益状況は以下の通りです。 ・純営業収益: 1兆627億円 ・税前利益 : 3,722億円 ・当期純利益: 2,035億円 日本基準の当期純利益は1,463億円であり、米国基準の方が日本基準を大幅に上回って います。 貸借対照表は以下の通りです。 ・資産合計:14兆6,109億円 ・負債合計:13兆1,999億円 ・資本合計: 1兆4,110億円 バランス・シートは、米国基準の方が小さくなっています。 この結果、レバレッジは10.4倍、ROEは15.3%となっています。 2001年3月期 米国基準決算の概況 n 損益計算書 米国基準 日本基準 Ø 純営業収益* 9,157億円 8,842億円 Ø 税前利益 1,562億円 3,205億円 574億円 1,817億円 Ø 当期純利益 n 貸借対照表 Ø 資産合計 17兆1,460億円 20兆5,291億円 Ø 負債合計 15兆7,096億円 18兆8,867億円 Ø 資本合計 1兆4,364億円 1兆6,424億円 11.9倍 12.5倍 4.0% 11.9% Ø レバレッジ** n ROE** * 純営業収益:総収益−金融費用 ** レバレッジ:総資産÷資本合計 *** ROE:当期純利益÷資本合計(期初・期末平均) NYSE上場と米国基準決算 2001年3月期の米国基準の決算概況 収益状況は、 ・純営業収益: 9,157億円 ・税前利益 : 1,562億円 ・当期純利益: 574億円 となっており、日本基準より利益が小さくなっています。 貸借対照表は、 ・資産合計:17兆1,460億円 ・負債合計:15兆7,096億円 ・資本合計: 1兆4,364億円 となっています。 この結果、レバレッジは11.9倍、ROEは4.0%となっています。 6 米国基準と日本基準の主要な差異( P/L、株主資本) n 投資有価証券の評価等 Ø 投資有価証券の評価損益 日:資本直入 米:損益計算書に反映 n プリンシパル・ファイナンス・グループ(“PFG”)の取扱い Ø 会計方針 日:ベンチャー・キャピタル会計 米:投資先企業は連結子会社、通常の連結会計 Ø 収益の認識 日:売却時の損益に加え、リファイナンスの際の現金収入を認識 米:売却時の損益と、投資先企業の収益を認識 n その他 Ø 連結/持分法の取扱い • • • 貸方連結調整勘定の取扱い(償却期間、償却額)の違い(野村アセットマネジメント) (2001年3月期、日: 257億円、米:130億円) 投資有価証券の売却損益の相違 持分法の取扱い(日:持分法適用会社となった期から持分法を適用 米:当初取得時から遡及適用) Ø その他 7 NYSE上場と米国基準決算 米国基準と日本基準の差異:利益、株主資本(1) 米国基準と日本基準の差異のうち、特に重要なものとして以下の2点があります。 ・投資有価証券の評価等の違い ・プリンシパル・ファイナンス・グループ(PFG)の取り扱いの違い 投資有価証券の評価 米国基準では、ブローカーディーラーは、保有する投資有価証券を時価評価し、評 価損益を損益計算書に反映する必要があります。 日本基準では、評価損益については、損益認識せず、「評価差額金」として資本の 部に直接計上されます。 プリンシパル・ファイナンス・グループの取扱い 当社はPFGビジネスをプライベート・エクイティ投資と認識しています。 日本基準ではベンチャー・キャピタル会計 に沿った会計処理となっています。 米国基準では、投資先企業の財務上の所有権を有していること等により、投資先企 業を連結対象子会社として会計処理されております。 この結果、日本基準と米国基準では、主として、収益の認識のタイミングが異なる ことになります。 その他に ・野村アセットマネジメントに係る貸方連結調整勘定の償却期間の違い。 (日本基準では3年、米国基準では10年) ・投資有価証券の売損益の相違、主に国際証券株式の売却損益。 ・持分法の取扱い:日本基準では持分法適用会社となった期から収益の取りこみ、 米国基準では過去に溯ってその時点時点での保有分について持分法が適用。 米国基準と日本基準数値の差( P/L,株主資本):2001年3月期 (単位:億円) 税前利益 日本基準 3,205 株主資本 日本基準 16,424 (1) (1) ▲ 1,218 (2) ▲ 917 ▲ 200 (3) 米国基準 1,562 (2) ▲ 842 米国基準 14,364 ▲ 526 (1) 投資有価証券の評価等 (2) PFG (3) その他 (1) PFG (2) その他 8 NYSE上場と米国基準決算 米国基準と日本基準の差異:利益、株主資本(2) 2001年3月期 グラフの左のバーが日本基準、右が米国基準の数値、その間のバーがその差の要因を あらわしています。なお、株主資本の影響額は税効果前の数字となっており、税効果 は「その他」に入れています。 投資有価証券の評価等の影響ですが、2001年3月期には、株式市場の下落で、当社が 保有している投資有価証券等に大幅な評価損が発生しています。日本基準ではこれを、 損益計上せず、資本直入するため、税前利益には影響を与えません。一方、米国基準 では評価損益は損益計上されますので、917億円の税前利益の差が生じています。 株主資本につきましては、日本基準でも評価損益の影響額は同じであるため、米国基 準と日本基準で差は生じません。 米国基準ではPFGを連結子会社として取り扱う影響について説明します。 影響は2つあります。第一の影響として、日本基準で計上するPFGの投資先企業から の収益が連結子会社間の取引として消去されることがあげられます。第二の影響とし ては、PFGの投資先企業が外部と行っている取引が全て取り込まれてくることの影響 があります。これらの結果、2001年の米国基準の税前利益は日本基準と比較して200 億円少なくなっています。 また、当社は2000年11月に子会社である野村アセットマネジメントが国際証券株を売 却いたしました。この売却に関しまして、日本基準では簿価との差としまして、359 億円の売却益を計上いたしました、米国基準では逆に売却損114億円となっておりま す。この差473億円が税前利益、株主資本への影響額としてでております。ただし、 この差額部分については、米国基準では連結調整勘定の中に認識されており、今後10 年かけて計上されてくることになります。 米国基準と日本基準の主要な差異(資産、負債) n PFG の取扱い Ø B/S 日:資産として出資のみ 米:投資先企業を連結子会社として資産、負債を計上 n その他 Ø 有価証券貸借取引等 • • 有価証券貸借取引(担保の処理) 日:借入有価証券及び担保等として受け入れた有価証券は、受入時にバランス・シー トに認識 米:受入時はオフバランス 現先取引 日:金融取引として処理 米:売買取引として処理 Ø その他 • • 連結/持分法の取扱い(前述) 利益処分の取扱い 日:株主総会での確定をもって計上(帰属する期の翌期に計上) 米:帰属する期に計上 9 NYSE上場と米国基準決算 米国基準と日本基準の差:資産・負債(1) 資産、負債に影響を与える主な事項として、 PFGの取り扱いの違いと、有価証券貸 借取引等の違い、があげられます。 PFGについて、日本基準では当社からPFGの投資先企業への投資額のみが資産として 計上されているのに対し、米国基準では投資先企業の資産と外部からの借入等の負 債がバランスシートに計上されます。 有価証券貸借取引関連について、米国基準と日本基準で計上の仕方が異なるものが いくつかあります。まず、有価証券貸借取引ですが、日本基準では借入有価証券及 び担保等として受け入れた有価証券を資産・負債としバランスシートに計上してい ますが、米国基準ではオフ・バランスになっています。ただし、この日本基準での この取扱いにつきまして、統一経理基準の変更により、2001年9月の半期決算より オフ・バランスとなり、米国基準と同様の取扱いとなっています。 また、日本には現先取引という取引がありますが、日本基準では金融取引としてバ ランス・シートに計上されます。一方、米国基準では、現先取引について、売買取 引として処理しており、差異が生じます。 これ以外に、野村ファイナンスの取り扱いを含めた、連結/持分法の取扱い、日本 基準では株主総会の決定が行われた期に計上するのに対し、米国基準では帰属する 期に計上する、といった利益処分の取扱いの違い、2000年9月に出されたFAS140の 適用、米国会計基準で行われるデリバティブ取引のネッティング、等が影響を与え ています。 米国基準と日本基準数値の差(資産、負債):2001年3月期 (単位:億円) 負債 資産 日本基準 20兆5,291億円 (1) 米国基準 17兆1460億円 (2) 8,359 日本基準 18兆8867億円 (1) (2) 米国基準 15兆7,096億円 8,692 ▲ 42,190 ▲ 40,463 (1) PFG (有形固定資産) (1) PFG (ノン・リコース借入金) (2) その他 (2) その他 10 NYSE上場と米国基準決算 米国基準と日本基準の差:資産・負債(2) 2001年3月期 グラフの左のバーが日本基準、右が米国基準、その間のバーがその差の要因をあら わしています。 PFGについては、米国基準では投資先企業を連結子会社として会計処理するため、 投資先企業が保有する有形固定資産8,359億円と外部からの借入(主としてノンリ コース・ローン)等の負債8,692億円が計上されることとなります。 有価証券貸借につきましては、日本基準で計上されている「保管有価証券」2兆 9,835億円、現先取引1兆832億円、合計4兆667億円が米国基準では計上されません。 以上が米国基準と日本基準の差異の主な要因です。 詳細につきましては、本資料19ページ以降の「参考資料」および20Fを参照くだ さい。 投資有価証券とPFGについて 投資有価証券について n 今後とも削減の方向 投資有価証券の時価と取得金額推移 (億円) 6,000 取得価額(野村アセットマネジメント) 取得価額(野村アセットマネジメント以外) 時価総額 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 97/3 98/3 99/3 00/3 01/3 01/9 *取得価額:2000年3月期以前は低価法、2001年3月期以降は原価法( 評価減考慮後) 12 投資有価証券とPFGについて 投資有価証券 日本の商慣行に従いビジネス関係を維持するため、当社は投資有価証券を保有して いましたが、最近はこれらの保有について見直しを積極的にすすめてきました。 1997年末時点では取得価格ベースで2600億円、時価ベースで5000億円を超える株式 を保有していましたが、2001年9月末時点では取得価格ベースで1400億円、時価で は2200億円程度まで削減し、1997年末時点と取得価格を比較すると、ほぼ半減して います。 投資有価証券については、今後とも売却をすすめ、収益への影響額を小さくしてい く予定です。 PFGビジネスについて n 投資プロファイル (投資) 購入資産 外部 借入金 (潜在的付加価値の付与) 購入資産 野村 サブデット 購入資産 (エグジット) 外部 借入金 野村 サブデット 付加価値 ・資産への投資 ・資産担保に外部借入調達(外部借入 は野村に対してはノン・リコース) ・不足額は野村がサブデットで供給 •別途野村はゼロ・コストでワラント保有 •PFGが 投資する企業は法律上の子会社 でなく、バンクラプシー・リモート →エクスポージャーは投資額に限定 外部 借入金 (リファイナンス) 現金 含み益 ・経営陣のテコ入れ、ビジネスモ デルの明確化等を通じて資 産の実体的価値を上昇 ・付加価値の付与部分はワラント価 値であるが含み益として潜在 付加価値 含み益 ・付加価値を付与された資産 を担保にリファイナンス ・野村サブデットは減少/償 還 ・当初購入資金より超過する 借入額は吸い上げ ・日本基準ではこの段階で現金 授受について認識 実現益 ・エクイティ部分の売却を通じ て利益の最終実現 13 投資有価証券とPFGについて プリンシパル・ファイナンス・ビジネス(1) 当社は欧州においてプリンシパル・ファイナンス(PFG)ビジネスを行なっています。この 基本的な形態は、割安に放置され、付加価値を付与しうる資産(企業)を買収し、付加価値 を付与し、その後転売して利益を得るというものです。 ここではPFGビジネスの投資プロフィールと収益認識について説明します。 ただ当社は、このビジネスをプライベート・エクイティ投資と考えており、ここでの説明に おける収益の認識は、日本基準によるものです。 1.投資 当社は資産(企業)をSPCを通じて買収します。その買収にかかる資金は、買収資産を担保 とした外部からのノンリコース・ローンと当社が提供するサブデット(劣後ローン)からと なります。これと別に当社はゼロコストでワラントを保有することで、エクイティ部分の利 益の取得権を確保します。当社のエクスポージャーは、投資額に限定されます。 2.潜在的付加価値の付与 経営陣のてこ入れ、ビジネスモデルの明確化等を通じ、資産の実体的価値を上昇させていき ます。 3.リファイナンス 付加価値が高まった段階で、実現してきた付加価値を含めた資産でリファイナンスを行い、 野村のサブデットを償還します。この際、サブデットへの利息の一括収益認識に加え、保有 するワラント部分の当該会社への売却等を行うことで、当社はまず第1回目の利益を認識し ます。案件によっては、このリファイナンスを数回繰り返し、収益を段階認識していく場合 もあります。 4.エグジット 最終的に第三者に保有するエクイティ部分を売却することで、最終的な利益を計上します。 当初の投資段階からエグジットまで、通常3∼7年位です。 なお、米国基準では、投資先企業を連結子会社として取り扱うため、最終的なエグジットま での投資先企業とのやりとりは全て内部取引として消去され、最終的なエグジット時に一括 認識することとなります。つまり米国基準と日本基準とでは利益の認識時期が異なります。 PFGのポジション 購入 96年9月 英国国防省向け官舎保有 購入 2000年 10月 購入 97年 9月 テナント・パブ保有会社 億円 4,000 購入 98年 7月 家電を中心とするレンタル 購入 99年 1月 テナント・パブ保有会社 PFGポジション(ネット) 購入 2000年 12月 英国最大の酒類販売チェーン ドイツ国鉄従業員用社宅保有 3,000 2,000 1,000 0 2000年3月 2001年3月 14 投資有価証券とPFGについて プリンシパル・ファイナンス・ビジネス(2) 当社のPFG関連投資とその総額について説明します。 当社のPFG関連企業への投資額は、2001年3月末時点で3000億円強となります。2000 年3月から2001年3月末までの増加の主な要因は、2000年10月のファースト・クエン チと2000年12月のドイツアニントンの買収です。 グラフの回りにあるロゴは、主要な投資案件とその投資時期を示しています。 PFGの運営体制の検討 n PFGビジネスの更なる拡大とリスク集中の排除 n オールタナティブ・ファンドの顧客への提供 n PFG のインセンティブの向上 n PFG の運営体制の検討 検討中スキーム ØPFG のファンド化 Ø独立したファンド・マネジメント 15 投資有価証券とPFGについて プリンシパル・ファイナンス・ビジネス(3) PFGの今後 当社は、マーチャント・バンキング・ビジネスにおけるプライベート・エクイティ 業務の1つとして、欧州においてPFGビジネスを行なっており、収益性が高く、有望 なビジネスであると考えています。しかし、PFGビジネスの更なる拡大を志向する一 方で、リスクの集中を避けたいと思っています。 またPFGビジネスの投資案件ポートフォリオをオールタナティブ・ファンドとして、 お客様へ商品提供することを考えています。 当社は実態としてプライベート・エクイティ投資ととらえ運営してきましたが、米 国会計基準では連結子会社として計上する必要があるということで、投資家の皆様 に誤解を招きかねないとの認識を持っています。 これらを踏まえ、当社は、現在、PFGのファンド化を行うことを検討しています。 具体的には、PFGを独立したファンドにするとともに、外部からも資金を導入するこ とを通じ、PFGビジネスの拡大ができる基盤を作ると同時に、一方で当社のリスク集 中を限定していくことを目的としています。 セグメント情報 2000年3月期 セグメント情報 (億円) 5,000 3,806 4,015 4,000 純営業収益 税前損益 3,000 2,000 1,862 2,033 1,000 282 0 -1,000 -834 -2,000 国内営業 グローバル ホールセール その他* (注1)上記のセグメント情報には、① 投資有価証券の評価損益の影響および② PFG連結処理の影響は除かれている。 (注2)“その他”には、①アセットマネジメント業務、②本社勘定等、③特別損益、営業外損益、④連結消去、等が含 まれている。 17 セグメント情報 セグメント情報は、当社の経営が、ビジネス・ライン別の収益状況を認識するため の内部報告用の数値(管理会計数値)がベースとなっています。 このため、米国基準財務諸表数値と、 ・投資有価証券の評価損益は上記セグメントに含まれていない。 ・PFGは連結子会社としての会計処理でなく、プライベート・エクイティ投資とし て取り扱っている。 という違いがあります。 2000年3月期セグメント情報 2000年3月期のセグメント情報についてご説明します。 2000年3月期は野村アセットマネジメントを買収する前です。従って、このグラフ ではリテール、グローバル・ホールセールの2つのビジネス・ラインを表示してい ます。当該期はリテール、ホールセールともに2000億円近い税前利益をあげるなど、 高い水準の収益をあげていました。 なお、その他には、 ・本社勘定等 ・特別損益、営業外損益 ・連結消去、 等が含まれています。 2001年3月期 セグメント情報 (億円) 5,000 4,628 4,000 純営業収益 税前損益 3,000 2,664 2,527 2,000 1,000 600 508 205 165 0 -605 -1,000 国内営業 グローバル ホールセール アセット マネジメント その他* (注1)上記のセグメント情報には、① 投資有価証券の評価損益の影響および② PFG連結処理の影響は除かれている。 (注2)“その他”には、①本社勘定等、②特別損益、営業外損益、③連結消去、等が含まれている。 18 セグメント情報 2001年3月期セグメント情報 2001年3月期は野村アセットマネジメントを連結子会社とした結果、2つのビジネ ス・ラインに加え、アセットマネジメントをグラフに加えています。当該期はホー ルセールは、引き続き高収益をあげましたが、株式市場の低迷等でリテールが伸び 悩み、500億円程度の税前利益にとどまっています。 このように、米国基準では、 ・投資有価証券の評価損益をPLで認識こと。 ・PFGビジネスの投資先企業を連結子会社として処理すること。 が求められていますが、当社の経営の実態に合った形、即ち、これらの影響を除い たベースでセグメント情報を開示しています。 (次ページより参考資料です。) 参考資料 米国基準連結財務諸表 n 損益計算書 収益: 委託・ 投信募集手数料 投資銀行業務手数料 アセットマネジメント業務手数料 トレーディング損益 金融収益 投資持分証券投資損益 商品売上高(PFG子会社) 賃貸業務収益(PFG子会社) その他 収益合計 金融費用 収益合計( 金融費用控除後) 百万円 2000年3月期 2001年3月期 ¥ 金融費用以外の費用: 人件費 支払手数料 情報・ 通信関連費用 不動産関係費 事業促進費用 商品売上原価(PFG子会社) 賃貸業務関連費用(PFG 子会社) その他 税引前当期純利益 法人所得税等 法人税等 繰延税額 当期純利益 ¥ 329,332 93,644 63,799 253,328 419,742 90,839 56,476 144,005 48,616 1,499,781 437,131 1,062,650 ¥ 189,841 87,160 144,882 307,989 518,941 (98,968) 117,523 103,339 98,591 1,469,298 553,643 915,655 286,268 21,342 54,961 71,191 20,418 37,408 51,706 147,136 690,430 305,190 26,393 70,998 65,319 29,940 84,004 43,760 133,879 759,483 372,220 156,172 12,866 155,805 168,671 203,549 53,693 45,069 98,762 57,410 ¥ 20 米国基準連結財務諸表 n 貸借対照表 百万円 2000年3月31日 2001年3月31日 資 産 現金・預金: 現金および現金同等物 定期預金 預け金等 ¥ 貸付金および受取債権: 顧客への貸付金 顧客以外への貸付金 顧客への立替金等 顧客以外への立替金等 売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金 担保差入有価証券 貸倒引当金 トレーディング資産: 有価証券等 派生商品評価勘定 その他の資産: 有形固定資産 有形固定資産(PFG子会社) 差入保証金 トレーディング目的以外の負債証券 投資持分証券 関連会社に対する投資および貸付金 繰延税金資産 その他 ¥ 522,970 212,858 338,863 1,074,691 ¥ 503,676 278,648 46,325 828,649 780,258 466,992 42,314 191,335 4,649,363 697,242 (15,181) 6,812,323 282,424 409,638 78,155 302,437 5,995,998 2,769,026 (26,529) 9,811,149 4,064,790 300,592 4,365,382 3,281,659 343,536 3,625,195 143,169 433,054 172,689 377,080 305,724 383,500 102,018 441,238 2,358,472 14,610,868 ¥ 156,430 835,854 90,601 590,694 272,761 403,818 87,006 443,867 2,881,031 17,146,024 百万円 2000 年3 月3 1日 2001年3月31日 負債および資本 短期借入および支払債務 顧客からの預り金 顧客以外からの預り金 買戻条件付売却有価証券および貸付有価証券担保金 短期借入 受入預金 ¥ トレーディング負債: 有価証券等 派生商品評価勘定 その他の負債: 未払法人所得税 未払退職・年金費用 その他 長期借入 非遡求型借入( PFG 子会社) 資本: 資本金 授権株式数:6,000,000,000 株 発行済株式数: 2001年3月31日 - 1,962,977,841株 2000年3月31日 - 1,962,977,247 株 資本準備金 その他の剰余金 累積的その他の包括損益: 最小年金債務調整額 為替換算調整額 310,563 411,035 5,151,644 1,146,030 382,842 7,402,114 ¥ 449,219 363,658 7,448,220 1,151,823 471,405 9,884,325 2,741,752 326,959 3,068,711 2,430,037 427,279 2,857,316 13,371 46,850 496,220 556,441 1,625,369 547,257 13,199,892 43,753 44,053 521,751 609,557 1,489,184 869,214 15,709,596 182,797 控除 − 自己株式 2001年3月31日−26,334 株 2000年3月31日−3,099,017 株 182,796 147,714 1,154,599 146,133 1,177,660 (4,073) (59,716) (63,789) 1,421,320 (19,083) (51,021) (70,104) 1,436,486 (10,344) 1,410,976 14,610,868 1,436,428 17,146,024 (58) ¥ ¥ 21 リバース・リコンシレーション n 2001年3月期 米国基準と日本基準の調整 米国会計基準で報告された数値 投資有価証券・トレーディング目的以外で保有して (a) いる債券の評価 (b) 退職給付会計 (c) 厚生年金基金引当金の認識 (d) PFGの連結 連結処理(子会社連結の際の資産負債の評価方 (e) 法と連結調整勘定の償却期間)* (f) 持分法適用関連会社への投資 (g) 利益処分の認識 (h) 自己株式売却損 (i) ヘッジ会計 (j) レバレッジド・リース (k) 市場性のある株式の評価 (l) その他 日本基準への調整合計 税効果 日本基準で報告された数値 * 内、47,283百万円が国際証券株式売却関係 ( 単位:百万円) 純利益 株主資本 57,410 1,436,428 91,650 (549) (1,712) 20,027 1,065 (35,681) 121,796 57,860 63,259 21,778 8,401 640 34,949 (1,691) (3,007) (6,623) 46 (8,889) (18,479) (2,751) (3,771) 164,361 173,957 (40,105) 32,023 181,666 1,642,408 22 調整項目の概要(1) 日本基準 米国基準 (a) 投資有価証券等 の評価 投資有価証券及びトレーディング以外目的保有の債券に ついて、公正な価格で評価し、評価損益は、税効果考慮後 の評価差額を資本の部に計上。もし、公正な価格が著しく 下がり、それが一時的なものとみなされない場合には、投 資有価証券の評価減を行っている。 米国会計基準上は、証券会社は投資有価証券及びトレー ディング以外目的保有の債券についても、公正な価格で 評価し、評価差額を損益認識している。 (b)退職給付会計 日本基準では、一部の取扱いを除いて米国基準とほぼ同 様の会計処理を行っている。米国基準では、ABO が年金 資産の公正価値を上回る場合に追加最小負債が計上さ れるが、日本基準ではそのような取扱いはない。また、仮 定されたものと異なる実績または数理上の仮定の変更に 起因する差損益は、米国基準では「コリドー」(期首のPBO または年金資産の公正価値の大きい方の10%)を超える 金額を従業員の平均残存勤続年数で償却しているが、日 本基準では,コリドーに関わらず償却が行われている。 財務会計基準書87号「事業主の年金会計」を適用している。 (c)厚生年金基金引 当金の処理 野村證券および国内子会社の殆どが総合型基金である 日本証券業厚生年金基金に加入していたが、将来の年金 給付の確保に備えるため、同基金の予測給付債務から年 金資産の公正な評価額を控除した額のうち当社部分につ いて合理的な方法で計算した額を「厚生年金基金引当金」 として2000年3月期に計上した。 日本基準で計上した、厚生年金基金引当金は、財務会計 基準書5号「偶発事象の会計処理」の基準を充たさず、米 国基準上は計上されない。 (d) PFG の連 結 日本基準では、PFGの投資先企業に対する投資を、ベン チャーキャピタル投資として扱っているため、PFG の投資 先企業を連結対象としていない。 米国会計基準上、PFG の投資先企業について、当社が財 務上の所有権を有しており、支配していると認定されたこ とから、PFGの投資先企業を連結対象としている。 23 調整項目の概要(2) 日本基準 米国基準 (e) 連 結 処 理 当社は投資信託運用業・投資顧問業を行う野村アセットマ ネジメント投信株式会社(現野村アセットマネジメント株式 会社)の発行済み株式数の5%を保有していたが、2000 年3月期に同社株式の69%を取得し、連結子会社とした。 この株式の取得はパーチェス法で会計処理され、資産負 債は日本の会計基準に則った公正な価額で評価されてい る。なお、野村アセットマネジメントに関する連結調整勘定 は3年で償却を行っている。 当社は投資信託運用業・投資顧問業を行う野村アセットマ ネジメント投信株式会社(現野村アセットマネジメント株式 会社)の発行済み株式数の5%を保有していたが、2000 年3月期に同社株式の69%を取得した。この株式の取得 はパーチェス法で会計処され、資産・負債については米国 会計基準に則った公正な評価額で評価されている。なお、 野村アセットマネジメントに関する連結調整勘定は10年で 償却を行っている。 (f) 持分法適用関 連会社の処理 日本基準では持分法投資損益に対して税効果を認識して いない。また、持分法適用会社となった時点より、保有持 分について持分法を適用している。ここに記載されている 種々の差異により、日本基準と米国基準での持分法投資 損益を算定するに当たっての純資産額が異なるため、日 本基準と米国基準上で持分法投資損益が異なっている。 米国基準では、持分法投資損益に対して税効果を認識す る。また、持分法適用会社となった時点で過去の保有持分 について持分法を遡及適用している。なおここに記載され ている種々の差異により、日本基準と米国基準での持分 法投資損益を算定するに当たっての純資産額が異なるた め、日本基準と米国基準上で持分法投資損益が異なって いる。 (g) 利益処分の取 扱い 日本会計基準では役員賞与、配当については、ともに利 益処分として取り扱われる。計上時期については、対象決 算期に計上する方式と、株主総会の承認を受け確定する 期に計上する方式のいずれの方法を取ることも可能。当 社については、後者の方式を取っている。 米国会計基準では役員賞与、配当について、対象決算期 に繰り上げて経費もしくは利益処分として認識する。 (h) 自己株式売却 損益 自己株式の売却損益は当期の損益取引として認識される。 自己株式の売却損益は資本取引として認識される。 (i) ヘッジ会計 特定資産・負債または資産・負債グループのヘッジ目的の デリバティブ取引は公正な評価額で評価され、その未実現 損益はバランスシート上繰り延べられる。 特定資産・負債のヘッジ目的のデリバティブ契約について は、発生主義に基づいて会計処理を行なっている。 24 調整項目の概要(3) 日本基準 米国基準 (j) レバレッジド・リー ス 費用については、定率法で計上されており、リース期間で 均等にならない。 費用については定額法で計上されており、リース期間で均 等になる。 (k) 市場性のある 株式の評価 日本基準では、2000年3月までは、市場性のある株式は取 引所の価格で評価していたが、金融商品会計基準の適用 に伴い2000年4月1日より実質的に米国基準と同じ取扱い とした。 米国基準では、市場性のある株式は市場価格もしくは公 正な評価額で計上している。公正な評価額は、取引所の 価格もしくはディーラーの提示する価格もしくは現在の市 場環境において売買を行った場合に実現すると経営者が 想定する価格のことをいう。 現先取引 【現先取引】 【現先取引】 現先取引は、金融取引として会計処理を行なっている。 現先取引は、売買取引として会計処理を行なっている。 【有価証券貸借取引】 有価証券貸借取引及び代用有価証券として受入れた担保 有価証券は、受入時に貸借対照表上資産・負債として計 上している。(なお当該取扱いは2001年9月期より廃止に なった。) 【有価証券貸借取引】 有価証券貸借取引 自由処分権を有する受入担保有価証券は、当該担保有価 証券の売却時に貸借対照表上負債として認識している。 25