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計画(PDF)
国別援助方針 別紙
対パレスチナ自治区 事業展開計画
2016年4月 現在
基本方針
(大目標)
重点分野1
(中目標)
経済・社会の自立化促進による平和構築 民生の安定・向上
【現状と課題】
イスラエル軍の占領下に置かれているパレスチナ自治区では、多くの住民がいまも占領による種々の犠牲を日常的に
強いられている。自治区住民の基礎的な社会・経済生活は、分離壁やチェックポイント等による移動の制限に加え、
日常的な占領軍部隊の侵入やユダヤ人入植者の暴力等の大きな影響を被り、社会全体が引き続き失業や貧困に直面し
ており,ガザ地区の復興支援の推進は我が国のみならず国際社会全体にとっての喫緊の課題である。特に長期に亘っ
て封鎖措置の下で人の移動や物資の搬出入が厳しく制限されているガザ地区においては、2014年7-8月に発生したガ
ザ紛争による大規模な人的・物的被害が発生する等、人道的危機は依然として継続している。このような状況下では
自治区住民がイスラエルとの和平に対する期待を維持することは困難であるため、和平を下支えする観点からも、自
治区住民の民生を安定させるための取り組みが必要である。
【開発課題への対応方針】
パレスチナ自治区における民生の安定・向上を支援することで、将来の和平へ向けた環境を
整えていく。具体的には、紛争被災者や、特に住民の中でも社会的に最も脆弱な女性(特に
母親)や子供を対象とした緊急人道支援に加えて、上下水、保健、教育等の基礎生活基盤の
整備や、社会的弱者を保護する観点から人間の安全保障に資する各種支援に取り組むととも
に、当該地域における雇用創出事業に対する支援をも引き続き行う。また、保健及び教育分
野においては、それぞれの新協力政策等を念頭に取り組む。
実施期間
協力プログラム名
案件名
協力プログラム概要
占領や衝突等の影響も受けて不十分と
保健サービス向上 なっている保健サービスの改善を目的
に、母子保健やリプロダクティブ・ヘ
プログラム
ルス・ケアーの改善や心理的ケアの改
善の取り組みを支援するもの。
開発課題1-1
(小目標)
生活基盤整備
出生率が高く若年層の占める割合の大
きいパレスチナ自治区において、学校
教育サービス向上 不足の解消や女性を含む若年層の育成
を目的として、学校の建設や教育内容
プログラム
の質の向上による教育サービスの充実
を支援するもの。
2015
年度以前
2016
年度
2017
年度
2018
年度
支援額
2019
年度
2020
年度
備考
(億円)
無償
26.50
ジェリコ下水運営管理能力強化プロジェクト
技プロ
4.73
無収水対策プロジェクト
技プロ
ジェリコ市水環境改善・有効活用計画
水資源に限りがあるパレスチナにおい
て下水処理システムの強化や上水設備
の改善を支援し、効率的な水の活用を
上下水サービス向 目指すもの。特に,隣国イスラエルも
共有する地下水資源の保全について
上プログラム
は、イスラエル側にも高い関心がある
ところから、この問題への適切な対処
は両当事者間の信頼醸成にも繋がるも
のである。
スキーム
国連開発計画
(UNDP)
無償
5.66
ハーン・ユーニス下水処理場施設建設
マルチ
14.82
百万USD
UNDP
上下水道共有システム向上プロジェクト
マルチ
1.50
百万USD
UNDP
上下水道分野の草の根・人間の安全保障無償資金協力
草の根無償
0.44
保健分野の草の根・人間の安全保障無償資金協力
草の根無償
0.20
保健分野の日本NGO連携無償資金協力
日本NGO
0.52
日本国際ボランティ
アセンター,地球の
ステージ
ガザ地区における公衆衛生分野の緊急時対策支援
マルチ
0.24
百万USD
国際赤十字赤新月社
連盟 (IFRC)
ガザ地区における保健サービス維持のための緊急支援
マルチ
1.00
百万USD
世界保健機関
(WHO)
パレスチナの女性のための乳がん早期発見及び啓蒙活動支援
マルチ
1.13
百万USD
国連人口基金
(UNFPA)
教育分野の草の根・人間の安全保障無償資金協力
草の根無償
0.10
教育分野の日本NGO連携無償資金協力
日本NGO
0.53
技プロ
2.00
信頼醸成のための排水溝建設計画
パレスチナ・日本初等理数科カリキュラム・教科書改訂協力プロジェクト
パレスチナ子供の
キャンペーン
食糧援助
西岸・ガザにおける食糧援助
1.30
百万USD
マルチ
UNRWA
西岸における人間の安全保障増進事業
マルチ
10.00
百万USD
UNRWA
イスラエル及び占領地における緊急援助
マルチ
0.40
百万USD
赤十字国際委員会
(ICRC)
ガザ地区及び社会的に脆弱な地域における子供達及びその家族に対する緊急支援
マルチ
7.00
百万USD
国連児童基金
(UNICEF)
ガザ地区の若者のための職業訓練・雇用創出及び保護支援
マルチ
0.80
百万USD
UNDP
パレスチナにおける女性の尊厳と未来のためのエンパワーメント支援
マルチ
0.13
百万USD
ジェンダー平等と女性
のエンパワーメントの
ための国連機関
(UN Women)
草の根無償
0.20
難民キャンプ改善プロジェクト
技プロ
4.20
ガザ地区における配電網の修復
マルチ
2.00
百万USD
UNDP
ガザ地区における爆発物対策
マルチ
0.50
百万USD
国連PKO局地雷対策
サービス部(UNMAS)
ガザの若者を対象としたスポーツ大会
マルチ
0.15
百万USD
UNDP
無償
4.40
草の根無償
0.44
ガザ地区における人道支援
民生環境分野の草の根・人間の安全保障無償資金協力
JPF(ジャパン・プラット
フォーム)
行財政能力の強化
【現状と課題】
将来のパレスチナ国家の樹立を視野に入れ、パレスチナ自治政府が国家樹立へ向けて2014年に発表したPA大綱を受
けた同政府の開発計画(2014年-2016年)に従い、同政府の各種行政機能の強化のための組織能力向上・人材育成を
図ることが必要である。行政改革を遂行する上では、中央政府を頂点とする統治機構の整備に加えて、地方の行財政
制度を整備することが不可欠であるが、中央政府の能力が十分でない中、適切な地方分権化を進め地域住民の生活向
上を図ることが重要である。また、西岸地区はチェックポイントやイスラエル側の管轄地域等の存在により多くの地
方自治体が孤立化を強いられる一方で、各自治体の行財政能力も脆弱であり、その底上げが不可欠である。
【開発課題への対応方針】
独立国家樹立に向けた制度構築・組織能力強化支援という観点から、パレスチナ自治政府の
持続性を支えるため、中央政府及び地方自治体の歳入向上に向けた支援を行う。具体的に
は、中央政府に対する財政的な支援を中心として、慢性的な財政難に悩む地方自治体の歳入
向上のため、地方における開発事業の主要財源となり得る固定資産税の徴収制度改善を支援
する。それとともに、かかる財源が将来,より公正且つ効果的に配分されるべく、自治体レ
ベルにおける住民参加型による開発戦略計画の策定への支援を実施するほか、具体的には廃
棄物管理の分野で地方自治体の行政サービス改善を支援する。
実施期間
協力プログラム名
開発課題2-1
(小目標)
行政能力向上
WFP
国連パレスチナ難民
救済事業機関
(UNRWA)
6.30
社会的弱者支援分野の草の根・人間の安全保障無償資金協力
重点分野2
(中目標)
マルチ
国連世界食糧計画
(WFP)
15.00
百万USD
ガザ地区復興における人間の安全保障増進事業
その他
4.40
食糧援助
食糧援助
難民や女性・子供をはじめとして、失
業や貧困、障害等による社会的弱者に
対するの基礎生活の保護を図ることを
社会的弱者保護プ
目的として、食糧支援に加え、住居等
ログラム
の基礎的サービス提供を支援するとと
もに、特に困難な状況に置かれている
地域社会の能力強化を支援するもの。
食糧援助
独立国家樹立に向けてパレスチナ自治
政府の持続性を財務管理面から支える
ため、中央政府に対する財政的支援を
財政能力強化プログ
行うとともに、慢性的な財政難に悩む
ラム
地方自治体の歳入向上に向けた固定資
産税の徴収制度改善の支援を行うも
の。
地方行政能力向上
プログラム
案件名
協力プログラム概要
イスラエルの占領政策により自治区内
が物理的に分断される状況が続く中、
自治体単位での行政サービス提供の能
力向上が喫緊の課題となっている。こ
の課題に対応するため、中央レベルで
の制度構築支援とともに、地方レベル
で自治体職員の能力向上や歳入源の確
保を図りつつ、開発戦略の策定支援に
加え、特に廃棄物管理の分野で広域行
政制度を利用した行政サービス提供の
改善を支援し、こうした実績を中央政
府の地方自治政策立案に反映させるこ
とを目指すもの。
スキーム
2015
年度以前
2016
年度
2017
年度
2018
年度
支援額
2019
年度
2020
年度
備考
(億円)
世界銀行パレスチナ復興開発計画(PRDP)信託基金
マルチ
20.00
百万USD
地方財政改善プロジェクト
技プロ
7.28
西岸地廃棄物管理改善計画
無償
8.00
ジェリコ廃棄物処理場拡張・中継基地土木工事・リサイクル施設建設支援
マルチ
3.00
百万USD
廃棄物管理能力向上プロジェクトフェーズ2
技プロ
2.75
世界銀行
UNDP
重点分野3
(中目標)
持続的な経済成長の促進
【現状と課題】
永続的な二国家解決のためには、占領の終結をもって樹立されるパレスチナ国家の経済がイスラエル経済から自立し
持続的に成長していけるようになることが不可欠であり、そのための準備を国家樹立前から周到に行うことが重要と
なっている。しかしながら、持続可能な国家樹立に不可欠な経済成長を支える産業の育成は占領下の制約を受けて容
易ではない。特に、パレスチナにおける主要産業である農産業の分野は、貧困削減(所得向上)、雇用創出、食料安
全保障の観点からも開発の必要性が最も高く、今後付加価値のより高い農産品の生産が望まれる。一方でそれに必要
となる土地、水資源、流通等についてはイスラエルとの政治的問題が密接に関連していることから、その分野の開発
には国際社会による関与が求められる。産業振興の分野では、私企業の大半を占める零細・中小企業を中心とする民
間セクターの強化が重要な課題となっているほか、比較的豊富な観光資源の存在から観光振興も追求するに値するア
ジェンダであるが,観光サイトの魅力向上に加えて周辺国からの観光客の誘致など取り組むべき課題は山積してい
る。その一方で、パレスチナ経済の将来はイスラエルの他近隣の、ヨルダン及びエジプトとの関係が重要であるの
で、これら近隣諸国を巻き込んだ地域的な取組みも不可欠である。
【開発課題への対応方針】
占領下にあるパレスチナ経済の復興・持続的な発展を下支えするべく、農産業開発を中心と
した産業振興や観光振興の分野を中心に、関連インフラ整備事業も含め、その活性化に向け
た取り組みを支援する。特に、我が国独自の中長期的取組である「平和と繁栄の回廊」構想
を具現化していくためにも、ヨルダン渓谷の経済開発を考える上で重要と思われる農業と観
光に重点を置いた協力を行うとともに、特に、その構想の中核となる農産加工団地建設に資
する案件を優先的に実施する。同時に、雇用創出や産業復興の観点から、西岸地区全体・ガ
ザ地区においても、零細・中小企業や農民の競争力や基礎体力の強化に向けた取り組みを支
援する。
実施期間
協力プログラム名
案件名
協力プログラム概要
開発課題3-1
(小目標)
経済開発
潜在性を有する観光産業の振興を支援
するもの。パレスチナ自治区には数多
くの宗教的・歴史的な遺産が残存して
いるが、観光資源として有効活用され
ていない。また、観光客誘致のための
観光開発プログラム
インフラも未整備であり、観光産業発
展に必要なノウハウも欠如しているた
め、本プログラムでは、地域に根ざし
た観光推進体制の構築及び一部観光イ
ンフラ整備を支援する。
2016
年度
2017
年度
2018
年度
支援額
2019
年度
2020
年度
備考
(億円)
マルチ
0.86
百万USD
UNDP
ジェリコ農産加工団地管理棟設置計画
マルチ
1.49
百万USD
UNDP
マルチ
1.04
百万USD
UNDP
ジェリコ農産加工団地インダストリアル・サービス支援
マルチ
5.07
百万USD
UNDP
西岸における雇用創出支援
マルチ
2.00
百万USD
UNDP
民間セクター雇用創出支援
マルチ
2.00
百万USD
EU
マルチ
0.15
百万USD
UNDP
PIEFZA内部管理能力強化計画
マルチ
0.40
百万USD
UNDP
PIEFZA内部管理能力強化計画フェーズ2
マルチ
0.50
百万USD
UNDP
PIEFZA内部管理能力強化計画フェーズ1.2
マルチ
0.60
百万USD
UNDP
零細中小企業向けビジネス開発サービス強化プロジェクト
技プロ
2.40
ジェリコ農産加工団地運営サービス機能強化プロジェクト
技プロ
3.50
ジェリコ農産加工団地通信網整備計画
90号線アクセス道路建設計画予備調査
ジェリコ農産加工団地との関連性も念
頭に置きつつ、農業技術の向上・普
農業開発プログラ 及、農産業に不可欠な水資源の安定供
給体制整備等を通じて、農業生産性や
ム
付加価値の向上を図り、主要産業の一
つである農業分野の活性化を支援する
もの。
2015
年度以前
ジェリコ農産加工団地への給水整備計画
ジェリコ農産加工団地変電所建設計画
輸出振興も念頭に置いて有望な産業の
開発を支援するもので、特に平和と繁
産業開発プログラ 栄の回廊構想の中核的事業であるジェ
リコ農産加工団地の起動・開発に焦点
ム
を当てつつ、私企業の大半を占める零
細・中小企業の底上げに向けた取り組
みを支援するもの。
スキーム
協準
ヨルダン渓谷地域高付加価値型農業普及改善プロジェクト
技プロ
2.81
市場志向型農業のための農業普及改善プロジェクト
技プロ
7.60
官民連携による持続可能な観光振興プロジェクト(フェーズ2)
技プロ
4.84
官民連携による持続可能な観光開発のための能力開発
ジェリコ・ヒシャム宮殿遺跡大浴場保護シェルター建設及び展示計画協力準備調
査
ジェリコ・ヒシャム宮殿遺跡大浴場保護シェルター建設及び展示計画(詳細設
計)
個別専門家
協準
一般文化
0.74
【凡例】 「協準」(=全ての協力準備調査)、「詳細設計」(=詳細設計)、「技プロ」(=技術協力プロジェクト)、「開発計画」(=開発計画調査型技術協力)、「個別専門家」、「個別機材」、「国別研修」、「課題別研修他」(=課題別研修及び青年研修)、「JOCV」(=青年海外協力隊)、
「SV」(=シニア海外ボランティア)、「第三国専門家」、「第三国研修」、「現地国内研修」、「科学技術」(=科学技術協力(技プロ型及び個別専門家型))、「草の根技協」(=草の根技術協力)、「○○省技協」(=外務省・JICA以外の省庁及び独立行政法人等が実施している技術協力)、「民
間提案型技協」(=開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業)、「無償」(=以下に特記するサブ・スキームを除く全ての無償資金協力)、「水産無償」(=水産無償資金協力)、「食糧援助」(=食糧援助)、「一般文化」(=一般文化無償資金協力)、「草の根文化」(=草の根文化無
償資金協力)、「緊急無償」(=緊急無償資金協力)、「日本NGO」(=日本NGO連携無償資金協力)、「草の根無償」(=草の根・人間の安全保障無償資金協力)、「有償」(=円借款、海外投融資)、「マルチ」(=国際機関等を通じた多国間協力スキーム)、「中小企業支援」(=中小企業海外展開
支援事業「基礎調査」、「案件化調査」及び「普及・実証事業」、並びに中小企業連携促進基礎調査)、実線「―――」(=実施期間)、破線「- - - -」(=実施予定期間)
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