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-1- 食品安全GAP(適正農業規範)の意見交換会 議事概要 Ⅰ 日 時
食品安全GAP(適正農業規範)の意見交換会 議事概要 Ⅰ 日 時 平成18年9月5日(火) 13:30∼16:00 Ⅱ 場 所 さいたま新都心合同庁舎2号館5階5A Ⅲ 出席者 基調講演者 Ⅳ 農林水産省消費・安全局農産安全管理課 衛生指導係長 三國知氏 パネリスト 消費者:埼玉県生協ネットワーク協議会会長 前島悦子氏 生産者:農事組合法人和郷園生産委員会委員長 佐藤正史氏 食品事業者:イトーヨーカ堂食品事業部青果部 チーフディストリビューター 押久保清志氏 認 証 団 体 : 日 本 GAP 協 会 理 事 長 田 上 隆 一 氏 行政担当者:農林水産省農産安全管理課 衛生指導係長 三國知氏 関東農政局 鈴木消費・安全部長、城後安全管理課長、鈴木安全管理課課長補佐他 議事概要 1 2 消費・安全部長挨拶 食 の 安 全 や 消 費 者 の 食 に 対 す る 信 頼 を 確 保 す る 観 点 か ら 、 食 品 安 全 GAP を 普 及 推 進 し て い る と こ ろ で あ る が 、広 く 生 産 サ イ ド 以 外 へ の 働 き か け も 重 要 と の 認 識 か ら 、 意見交換会をすることとした。是非、積極的な意見を頂き、この会が実りあるもの になるよう、また、相互の理解が深まる場として頂きたい。 基 調 講 演 「 食 品 安 全 GAP」 配布資料1に基づき、説明。 3 意見交換の概要 (1)パネリストによる意見交換 【 食 品 安 全 GAP の 普 及 の 進 め 方 に つ い て 】 ( 消 費 者 代 表 ) 食 品 安 全 GAP と い う 言 葉 は 、 消 費 者 に は ま だ 馴 染 み が 薄 い の で 、 認 知 さ れ る た め に は 分 か り 易 い 説 明 が 必 要 で あ る 。 GAP は 、 き ち ん と 作 業 し て い く ということと理解している。総合的な農産物管理という点で取組みを歓迎したい。 (生産者代表)農業経営の基本は農産物の安定供給であり、食品事故を起こさぬよう に 注 意 す る 必 要 が あ る 。そ の た め に 食 品 安 全 GAP の 取 組 み は 有 用 で あ る と 考 え る 。 最 初 は 、「 ど う し て こ ん な 、 め ん ど く さ い こ と に 取 組 ま な け れ ば な ら な い の か 」 と思うが、まず、今までやっていた農業を、明文化、記録化し、そしてルールに則 っ て い る か 確 認 し て み る と 必 要 性 が 理 解 で き る 。 ま た 、 GAP の 推 進 に あ た っ て 、 生産者への動機付けが課題であると考える。 (事業者代表)お客様に農産物を購入してもらうためには従来の味、鮮度、価格に加 えて、安全の担保、情報公開が非常に大切であると感じている。販売者が自信を持 -1- って販売できる野菜を作ってもらおうということで「顔のみえる野菜」という生産 者と協力した取組みをしており、栽培から販売の過程を監査し基準に適合したもの を 販 売 し て い る 。 ま た 、 GAP の 推 進 に あ た っ て 、 複 数 の 取 引 先 生 産 基 準 に 対 応 し た農産物の生産を行っている契約栽培生産者もいることから流通業者等の生産基準 を 統 一 し 、 労 力 の 無 駄 、 監 査 の 重 複 を 減 ら す 必 要 が あ る と 考 え る 。 な お 、 GAP の 取組みが、売り上げと連動しないかもしれないが生産者の安全な農作物を供給する た め の 努 力 や 気 持 ち を PR し た い 。 (認証団体代表者)消費者の信頼を得るためにはサプライチェーンを通して安全性を 確 保 す る 必 要 が あ り 、「 こ れ ま で 問 題 が な か っ た 。」 で は な く 、 安 全 性 の 確 保 の た めに十分な生産管理が行われ、それを証明する客観的な資料が必要に応じて提供可 能 な 、信 頼 で き る シ ス テ ム に よ っ て 食 品 が 供 給 さ れ る こ と が 求 め ら れ て い る 。ま た 、 国産農産物の競争力を維持するためには、公開性、透明性及び国際性を具備した GAP で あ る 必 要 が あ る が 、 ま ず 生 産 者 の グ ル ー プ で 取 組 み を は じ め 、 問 題 点 を 洗 い だ し 、 徐 々 に レ ベ ル ア ッ プ す る の が よ い 。 な お 、 GAP の 推 進 に あ た り 、 指 導 者 が不足していると感じている。 【 食 品 安 全 GAP の 今 後 の 課 題 に つ い て 】 ( 生 産 者 代 表 )「 何 時 、 誰 が 、 農 場 に 来 て も 、 笑 顔 で 受 け 入 れ ら れ る 体 制 を 整 え ま し ょ う 」 そ の た め に GAP に 取 組 み ま し ょ う と 組 合 員 に 働 き か け 、 全 組 合 員 の 日 本 版 適 正 農 業 規 範 で あ る JGAP の 認 証 取 得 を 進 め て い る 。 ( 認 証 団 体 代 表 者 ) 社 会 に 認 め ら れ る GAP を 作 る こ と が 重 要 な の で 、 作 る 人 、 運 ぶ 人、売る人が協力し、話し合いながら、みんなの幸福を追求する仕組みをつくり、 ま た 、 世 界 的 な 枠 組 み も 尊 重 し な が ら 、 日 本 の 事 情 を 踏 ま え た や り 方 で 、 GAP を 推進する必要がある。その中で生産基準の統一等も検討し取組みを進めていく必要 が あ る 。 な お 、 日 本 GAP 協 会 で は JGAP 指 導 者 育 成 を 目 的 に 研 修 を 実 施 し て い る 。 (2)来場者を交えた意見交換 【 GAP の 仕 組 み ・ 内 容 に つ い て 】 ○ 基 調 講 演 で は GAP は 、 総 合 衛 生 管 理 製 造 過 程 で あ る HACCP と 違 う と い う 話 で あ っ た が 、埼 玉 県 で 推 進 し て い る HACCP 方 式 を 取 り 入 れ た 農 作 物 生 産 基 準 は 、GAP ではないのか? ( 埼 玉 県 担 当 者 ) 埼 玉 県 の 農 作 物 生 産 基 準 は 、 GAP と 同 じ も の 。 な お 、 基 調 講 演 で は 、 開 放 系 に 適 用 さ れ る GAP は 、 重 要 管 理 点 ( CCP) が 設 定 で き な い 点 で 、 本 来 の HACCP と 異 な る と 言 う 説 明 で あ っ た と 思 料 す る 。 ○ GAP に は 、 緊 急 時 の 対 応 を 定 め て い る か 、 食 品 安 全 の た め の GAP 策 定 ・ 普 及 マ ニ ュ ア ル に は 見 当 た ら な い が ? ま た 、 GAP パ ン フ レ ッ ト に あ る 「 高 品 質 」 と い う語句は誤解を招くので、注意してもらいたい。 ( 認 証 団 体 代 表 ) JGAP で は 緊 急 時 の 対 応 を 必 須 項 目 と し て い る 。 ( 本 省 ) パ ン フ レ ッ ト 、マ ニ ュ ア ル を 改 定 す る 際 に 検 討 す る 。 【 食 品 安 全 GAP 普 及 の 取 組 み 】 ○ 農作物に認証マークをつけるのか?農場を認証するのか? (本省)農水省では認証制度を作ることは考えていない。また、欧州小売業団体が作 -2- 成 し た EUREPGAP で は 民 間 の 取 組 み と し て 、 生 産 工 程 を 認 証 し て い る 。 ○ 海外では認証を得た農場で生産された農作物は、市場のセリでその旨が表示され ているが、日本でも表示できないか?表示できれば、この制度は普及すると考え る。 ( 認 証 団 体 代 表 ) JGAP の 認 証 を 得 た 農 場 で 生 産 さ れ た 農 作 物 に は 、 ダ ン ボ ー ル 箱 等 及び個別商品に農場名を記載することを条件に表示できる方向で検討している。 ( 本 省 ) 今 後 、必 要 が あ れ ば 検 討 し て い く 。 ○ 民間の取組みということだと、国の安全の担保がないが、如何なものか? ( 本 省 ) 食 品 安 全 GAP の 考 え 方 に 基 づ く 生 産 者 の 取 組 み で あ り 、 国 が 安 全 性 を 担 保 す る 食 品 安 全 GAP の 認 証 制 度 は 考 え て い な い 。 安 全 性 に つ い て は 生 産 者 自 ら が 証明することになる。 ○ GAP の 第 三 者 認 証 は 有 料 か ? ど の よ う な 機 関 が 行 う の か ? ま た 、 生 産 者 は 対 応 が 大 変 だ と 思 う が 世 界 に 通 用 す る 農 作 物 の た め に GAP を 推 進 し て 頂 き た い 。 ( 生 産 者 代 表 ) EUREPGAP の 認 証 を 受 け た 当 時 、 日 本 に 審 査 員 が い な か っ た の で 交 通 費 と 人 件 費 で 50 万 円 か か っ た 、 JGAP で は 数 万 程 度 か か る 見 込 み で あ る 。 ( 認 証 団 体 代 表 ) JGAP の 第 三 者 認 証 は 、 日 本 で は 審 査 登 録 機 関 協 議 会 ( JACB) の 加 盟の機関が実施することになる。料金は有料であるが、過度の負担とならないよ う交渉中である。 【その他】 ○ 食 品 安 全 GAP は 安 全 ・ 安 心 の 取 組 み と い う こ と だ が 、 国 は 今 ま で 何 を し て い た のか。 ( 本 省 ) O-157 に 対 す る 野 菜 類 の 衛 生 対 策 な ど は 以 前 よ り 講 じ て き た と こ ろ だ が 、 平 成 1 6 年 か ら 食 品 安 全 GAP の 普 及 推 進 に 取 組 み 、 交 付 金 に よ り GAP 事 業 を 推 進 し 、 平 成 1 7 年 に は 策 定 ・ 普 及 マ ニ ュ ア ル 、 入 門 GAP マ ニ ュ ア ル を 策 定 し 、 推 進を図っているところであり、今後とも推進してまいりたい。 -3-