...

コーン・フェリー・ヘイグループ 「2016 年度世界の報酬動向」

by user

on
Category: Documents
1

views

Report

Comments

Transcript

コーン・フェリー・ヘイグループ 「2016 年度世界の報酬動向」
プレスリリース
2015 年 12 月 9 日
コーン・フェリー・ヘイグループ
「2016 年度 世界の報酬動向」 調査
~ 世界の昇給率は過去 3 年で最高水準 ~



低インフレを反映し実質賃金が過去 3 年間で最も高い 2.5%上昇
日本はインフレ率を勘案すると、実質昇給率は 1.0%
アジアは景気の失速にもかかわらず実質昇給率が過去最高、
中国は世界で 3 番目の高さ
2015 年 12 月 1 日よりヘイグループはコーン・フェリーのグループに入りました。
ヘイグループ(日本法人:株式会社 ヘイ コンサルティング グループ 代表取締役社長 高野 研一、
本社:東京都千代田区)は、2016 年の世界各国の報酬動向を調査しました。2016 年の世界の賃金
は、歴史的低インフレを反映し、過去 3 年間で最も高い 2.5%の実質賃金上昇を予測しています。
<各地域、各国の報酬動向>
ヨーロッパは引き続き上向き
ヨーロッパ全体では、2016 年の平均昇給率は 2.8%、インフレ率(0.5%)調整後の実質昇給率は
2.3%と予測。低インフレを受けて、実質賃金は西ヨーロッパで 2.0%、東ヨーロッパでは 2.9%、そ
れぞれ上昇する見込みです。
イギリス、フランス、ドイツは明るい見通しです。イギリスの昇給率は過去 2 年と同様の 2.5%です
が、低インフレにより実質賃金は西ヨーロッパ平均を上回る 2.3%上昇。フランス、ドイツも実質賃
金が増える見込みで、上昇率はそれぞれ 1.7%、2.7%です。経済問題を抱えるギリシャも同様で、
昇給率予測は 2%(昨年は 1.3%)ですが、デフレにより実質賃金は 3.4%上昇の見込みです。ヨーロ
ッパで昇給率予測が最も高いウクライナ(11.5%)は、高インフレ(48.3%)により実質賃金は
-36.8%と大幅減少。経済制裁と原油価格下落が経済に打撃を与えたロシアも、昇給率予測 7%に対
し、インフレ(14.5%)調整後の実質賃金は昨年の 0.7%から大きく落ち込み-7.5%です。
実質昇給率が最も高いアジア
アジア全体の昇給率予測は昨年より 0.4% 低い 6.4%ですが、実質賃金の上昇率は世界最高の 4.2%
と予測されます。実質賃金の上昇が高いのはベトナム(7.3%)、中国(6.3%)、タイ(6.1%)の
順です。株式市場急落や輸出減少を伴う経済の失速の一方で、熟練労働者の需要増による就業率上
昇や新興中産階級の増加で、中国の昇給率は 8%の見込み。急成長する経済の恩恵を享受するイン
ドは、実質昇給率が 2015 年 2.1%、2014 年 0.2% から過去 3 年で最高の 4.7% と予測されます。
北米の労働市場は上昇傾向
このような上昇傾向は北米でも見られ、労働市場が上向いています。米国ではインフレ率が低く
(0.3%)、実質賃金は 2.7%増加すると予測されます。カナダの昇給率は 2.6%、実質昇給率は
1.3%上昇となります。北米全体の昇給率は昨年と同様に 2.8%の見込みです。
中南米は経済混乱により賃金低下
中南米全体の昇給率は、世界最高の 11.4%ですが、高いインフレ率(12.8%)のため実質賃金は
-1.4%になる見込みです。特に顕著なのはアルゼンチンとブラジルで、2016 年の昇給率は各
31%、7.7%、実質賃金はアルゼンチンが 3.6%上昇、ブラジルでは-1.2%となります。
世界で最も実質所得が減ると予測されるのはベネズエラで、昇給率は 70%と高いものの、予測イン
フレ率(122.6%)調整後の実質賃金は-52.6%となります。
中東とアフリカは力強い成長
中東とアフリカでは、原油価格の急落や政治・経済的混乱にもかかわらず、昇給率予測はそれぞれ
5.3%、6.5%となっています。インフレ率も比較的低く、実質賃金の上昇予測はそれぞれ 3.8%、
1.6%です。中東で実質賃金の上昇予測が最も高いのはレバノン(11.5%)とヨルダン(5.3%)で
す。最も低いのは UAE(0.9%)で昨年の 2.8%から低下。エジプトは高インフレの影響で、実質賃
金が-0.4% と予測されます。
ヘイグループ 調査診断サービス マネジャー 岡田 靖代は「アジアでは、企業が賃金を引き上げると
予想されることから、引き続き世界の昇給を牽引するでしょう。ただし先進諸国における労働人口
高齢化に伴い、世界の労働市場は流動的になっています。新興経済国では、企業が競争優位を維持
するには労働者の能力向上が極めて重要です。一部地域については熟練労働者の人材不足により、
賃金の上昇が予測されます」とコメントしています。
また、ヘイグループ プロダクタイズド・サービス グローバルマネージング ディレクター フィリッ
プ・スプリエ (Philip Spriet) は次のようにコメントしています。「今年の世界の報酬動向調査では、
2016 年の実質賃金は大半の国が過去 3 年で最高水準の予測です。マクロ経済状況は多様で賃金の状
況は国によって大きく異なりますが、全体としてはある程度の昇給が見られ、超低インフレ(一部
ではゼロ・インフレ)も相まって労働者にとって見通しは明るいでしょう。」
全世界の実質賃金の平均上昇率は、ヘイグループのデータベースに含まれる 73 ケ国のデータに基
づきます。(但し、政治的混乱と高いインフレ率により実質賃金がそれぞれ-36.8%と-52.6% の
ウクライナとベネズエラを除く)
世界の報酬動向調査について
「2016 年度世界の報酬動向調査」は、ヘイグループの PayNet 会員企業 110 カ国以上の 2 万 4000
社の 2000 万人以上を対象にアンケートによる調査を実施。
本件に関する日本の担当:
調査診断サービス マネジャー 岡田 靖代 (おかだ やすよ)
調査診断サービス部門の責任者として、報酬調査に加えて、リーダーシップアセス
メントのための多面観察調査、社員意識調査など、ヘイグループの調査診断ツール
を用いたクライアントサービスを行っている。
本調査は 2016 年の昇給予測を提示し、昨年同時期に作られた 2015 年の予測と比較しています。ま
た、Economist Intelligence Unit による 2016 年のインフレ率予測との比較も行っています。
アジア
地
域
国名
インド
インドネシア
べトナム
2016 年
昇給率予測
2016 年
インフレ率 (1)
インフレ調整後
実質昇給率予測
2015 年
昇給率予測 (2)
10.30%
9.10%
8.60%
5.60%
6.70%
1.30%
4.70%
2.40%
7.30%
10.50%
10.00%
11.40%
中国
アジア(続)
フィリピン
マレーシア
タイ
韓国
香港
シンガポール
日本
ウクライナ
トルコ
カザフスタン
ロシア
ルーマニア
ブルガリア
リトアニア
ラトビア
オーストリア
エストニア
ハンガリー
ドイツ
ルクセンブルク
ヨーロッパ
ノルウェー
ポーランド
イタリア
オランダ
スロバキア
イギリス
スウェーデン
デンマーク
チェコ
ギリシャ
アイルランド
フランス
キプロス
スペイン
ベルギー
スイス
ポーランド
中南米 北米
フィンランド
アメリカ
カナダ
ベネズエラ
アルゼンチン
8.00%
7.00%
1.70%
1.80%
6.30%
5.20%
8.00%
7.50%
6.00%
6.00%
5.00%
4.50%
4.00%
2.00%
11.50%
8.00%
7.40%
7.00%
4.80%
4.00%
4.00%
3.70%
3.00%
3.00%
3.00%
2.90%
2.90%
2.60%
2.60%
2.50%
2.50%
2.50%
2.50%
2.40%
2.20%
2.00%
2.00%
2.00%
1.90%
1.80%
1.80%
1.70%
1.40%
1.30%
1.00%
3.00%
2.60%
70.00%
31.00%
2.10%
-0.10%
0.70%
3.10%
0.30%
1.00%
48.30%
7.40%
5.80%
14.50%
-0.60%
0.10%
-1.00%
0.70%
1.00%
0.10%
0.60%
0.20%
0.10%
1.70%
-0.80%
0.40%
0.30%
-0.30%
0.20%
0.10%
0.60%
0.50%
-1.40%
-0.20%
0.20%
-0.50%
-0.40%
0.50%
-1.10%
0.90%
0.00%
0.30%
1.30%
122.60%
27.40%
3.90%
6.10%
4.30%
1.40%
3.70%
1.00%
-36.80%
0.60%
1.60%
-7.50%
5.40%
3.90%
5.00%
3.00%
2.00%
2.90%
2.40%
2.70%
2.80%
0.90%
3.40%
2.10%
2.20%
2.80%
2.30%
2.30%
1.60%
1.50%
3.40%
2.20%
1.70%
2.30%
2.20%
1.20%
2.50%
0.40%
1.00%
2.70%
1.30%
-52.60%
3.60%
6.40%
6.00%
5.00%
4.00%
4.40%
2.00%
6.80%
9.00%
7.80%
6.80%
4.60%
4.20%
3.30%
2.40%
2.70%
2.80%
3.00%
2.80%
3.20%
3.20%
3.00%
2.70%
2.30%
2.00%
2.50%
2.30%
2.50%
2.00%
1.30%
1.40%
2.00%
0.00%
1.10%
2.00%
1.40%
1.00%
1.00%
3.00%
2.60%
40.30%
32.50%
ブラジル
ホンジュラス
ドミニカ
中南米(続)
ニカラグア
コスタリカ
エクアドル
グアテマラ
チリ
ペルー
パナマ
コロンビア
メキシコ
エルサルバドル
エジプト
アフリカ
南アフリカ
チュニジア
アルジェリア
ボツワナ
モロッコ
レバノン
ヨルダン
中東
バーレーン
サウジアラビア
クウェート
カタール
オーマン
太平洋
アラブ首長国連邦
ニュージーランド
オーストラリア
7.70%
6.40%
6.20%
6.00%
5.50%
5.30%
5.10%
5.00%
5.00%
4.90%
4.70%
4.60%
3.90%
10.00%
6.90%
6.80%
6.00%
6.00%
3.60%
9.30%
5.00%
4.50%
5.00%
5.00%
5.00%
4.00%
5.00%
3.00%
2.50%
8.90%
4.20%
0.80%
4.40%
1.40%
4.20%
2.30%
4.40%
3.60%
0.70%
4.40%
2.70%
0.20%
10.40%
4.80%
4.90%
5.10%
3.20%
1.50%
-2.20%
-0.30%
1.80%
2.40%
3.40%
2.10%
0.90%
4.10%
0.70%
1.90%
-1.20%
2.20%
5.40%
1.60%
4.10%
1.10%
2.80%
0.60%
1.40%
4.20%
0.30%
1.90%
3.70%
-0.40%
2.10%
1.90%
0.90%
2.80%
2.10%
11.50%
5.30%
2.70%
2.60%
1.60%
2.90%
3.10%
0.90%
2.30%
0.60%
6.10%
5.50%
6.00%
6.10%
6.00%
n/a
5.40%
5.00%
5.50%
5.40%
3.50%
4.80%
4.10%
10.00%
6.20%
7.00%
6.60%
n/a
4.50%
6.70%
6.00%
5.00%
5.00%
5.00%
5.00%
5.50%
5.00%
3.00%
3.00%
(1) インフレ率は、Economist Intelligence Unit による
(2) 2014 年同時期の調査による予測
コーン・フェリーについて
コーン・フェリーは、人材・組織の領域で世界をリードするコンサルティング会社です。人材の能
力とポテンシャルを最大限に引き出すことでリーダー、組織、社会の成功を支援します。約 7,000
人の従業員が、コーン・フェリーおよび傘下のヘイグループ、フューチャーステップを通じてサー
ビスを提供しています。詳しくは、kornferry.com をご覧ください。
【この件に関するご連絡先】
株式会社 ヘイ コンサルティング グループ 川崎晃一
Tel: 03-5157-7878 (代表)/E:mail:[email protected]
広報代理 株式会社グッドアングル 真角暁子
Tel: 080-6723-9050/E:mail:[email protected]
Fly UP