...

< 別 紙 1> 受賞者略歴 グループ A 板倉 文忠 博士 1940年8月6日生

by user

on
Category: Documents
17

views

Report

Comments

Transcript

< 別 紙 1> 受賞者略歴 グループ A 板倉 文忠 博士 1940年8月6日生
< 別 紙 1>
受賞者略歴
グループ A
板倉 文忠 博士 1940年8月6日生(69歳)
現職
名城大学教授
名古屋大学名誉教授
略歴
1963 年
名古屋大学工学部電子工学科卒
1965 年
同大学院工学研究科修士課程電子工学専攻修了
1968 年
同大学院工学研究科博士課程電子工学専攻単位取得退学
1968 年
日本電信電話公社入社(電気通信研究所配属)
1972 年
名古屋大学より工学博士号取得
1973 年
米国ベル電話研究所マレーヒル音声・音響研究室客員研究員
(1975 年迄)
1976 年
日本電信電話公社 武蔵野電気通信研究所研究専門調査役
1981 年
日本電信電話公社 武蔵野電気通信研究所基礎研究部第四研究室長
1984 年
名古屋大学工学部教授
1998 年
名古屋大学大学院工学研究科教授
2002 年
名古屋大学情報メディア教育センター長
2004 年
名城大学理工学部教授就任
2005 年
名城大学学術研究支援センター長・総合研究所長
板倉博士の音声スペクトルとフォルマント(発声器官の共鳴周波数)の最尤推定の研究(1967)は、
それ以降、現在まで40年余りにわたって、高能率音声符号化方式の設計から音声パタン認識用の
距離尺度として音声情報処理に関する多くの研究の基礎となるものでした。彼は、音声分野に線形
予測分析と偏相関分析という概念を導入し、初めて、音声認識問題に最小予測誤差原理という数
学的に簡素な定式化を与え、音声分析-LPC 表現-パタンマッチングを完結した工学的システム
として構築しました。彼が提唱した自己回帰モデルの研究は、ほとんどの低ビットあるいは中ビットレ
ートの音声伝送システムに使われています。また 1975 年彼が開発した線スペクトル対(LSP)表現
は、現在ほとんどの携帯電話システムに使われております。最近は、音響信号処理の研究も行い、
帯域分割残響除去アルゴリズムは多くの新しい突破口の基礎となっています。
彼の特異で幅広い音声処理の貢献に対して、1986 年 IEEE Morris Liebmann Award、1996 年
IEEE Signal Processing Society、2003 年春の紫綬褒章、2003 年朝日賞、2003 年電子情報通
信学会功績賞、2005 年 IEEE Jack S. Kilby Signal Processing Medal などが授与されています。
受賞歴
1970 年
電子通信学会 米澤記念学術奨励賞
1971 年
電子通信学会 論文賞
1971 年
日本電信電話公社 研究開発本部長記念盾
1
1972 年
日本音響学会 佐藤論文賞
1973 年
電子通信学会 業績賞
1976 年
米国電子電気学会(IEEE) Acoustic, Speech and Signal Processing
(ASSP) Society Senior Award
学会活動
1977 年
科学技術長官賞 研究功績者表彰
1979 年
電子情報通信学会 業績賞
1981 年
日本電信電話公社 総裁表彰
1981 年
朝日学術奨励賞 (朝日新聞)
1982 年
電子情報通信学会 業績賞
1982 年
電子情報通信学会 論文賞
1986 年
IEEE The Morris N. Liebmann Memorial Award
1991 年
社団法人発明協会 発明賞
1993 年
日本音響学会 佐藤論文賞
1997 年
IEEE Signal Processing Society Award
2000 年
IEEE Third Millennium Medal
2000 年
電子情報通信学会 フェロー
2003 年
IEEE フェロー
2003 年
紫綬褒章
2003 年
電子情報通信学会 功績賞
2005 年
朝日新聞文化財団 朝日賞
2005 年
IEEE Jack S. Kilby Signal Processing Medal
1976-77 年
電子通信学会論文委員会委員
1977-81 年
電子通信学会論文委員会査読委員
電子通信学会評議員
1991-95 年
日本音響学会東海支部 支部長
1995-97 年
日本音響学会東海支部 会計監事
1993-95 年
電子情報通信学会企画理事
1998-2000 年 電子情報通信学会 副会長
2003-04 年
電子情報通信学会東海支部長
2004-現在
電子情報通信学会東海支部 顧問
グループ B
ロナルド L. リベスト教授
1947 年生 (62歳)
現職: マサチューセッツ工科大学
アンドリュー& エルナ ビタービ電気工学・コンピュータ科学教授
略歴: 1947 年
米国ニューヨーク州 Schenectady 生まれ
2
1965 年
エール大学卒業 (B.A in Mathematics)
1973 年
スタンフォード大学より博士号(コンピュータ科学)取得
1973 年
フランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)にてポスドク
1974 年
マサチューセッツ工科大学 電気工学・コンピュータ科学学科 助教授
1977 年
マサチューセッツ工科大学 電気工学・コンピュータ科学学科 准教授
1979 年
同大学同学科 終身在職権付准教授
1983 年
マサチューセッツ工科大学 電気工学・コンピュータ科学学科 教授
1983 年
RSA Data Security 社設立
1995 年
VeriSign社設立
2001 年
Peppercoin 社設立
リベスト教授の研究は、主としてコンピュータ科学の理論的な面に絞られています。なかでもコンピュ
ータの計算アルゴリズム、暗号化、コンピュータとネットワークのセキュリティ、マシン・ラーニング、投
票システムのセキュリティなどに重点がおかれてきました。
1977年、デフィ、ヘルマン、マークルらの仕事に触発され、リベスト教授は、アディ・シャミア教授や
レオナルド・エーデルマン教授などとともに、はじめて、実装可能な公開鍵暗号方式を発明しました。
これは、現在、3人の名前の頭文字をとって RSA 公開鍵暗号方式と言われているものです。
リベスト教授は、その他にも RC4 ストリーム暗号(RC は Rivest’s Cipher の略)や、MD5 ハッシュ
関数アルゴリズム(MD は Message Digest Algorithm の略)といった実際に広く使われている
暗号アルゴリズムを開発してきました。また、暗号化理論の基盤づくりにも貢献しています。デジタル
署名の安全性の概念に関する論文(Goldwasser と Micali との共著)は広く引用されており、
SPKI/SDSI(Simple
Public
Key
Infrastructure/Simple
Distributed
Security
Infrastructure)公開鍵のインフラ基盤に関する彼の仕事は、理論面でも実用面でも大きなインパ
クトを与えています。また、最近では、暗号化のハッシュ関数の安全性に関しての多面的な検討を
行い、チームを率いて MD6ハッシュ関数アルゴリズムを米国の NIST SHA-3 ハッシュ関数
(NIST:National Institute of Standards and Technology 米国標準技術局)のコンペに提
出しています。
彼は、暗号化の手法を現実の重要な問題、例えば電子商取引(特に小額決済)や電子投票などに
適用することに広範囲に携わってきました。彼はペイワード、マイクロミントやペッパーコインなどの
小額決済方式の共同開発者でもあります。後者のペッパーコイン方式(Silvio Micali と共同)は、
ペッパーコイン・マイクロペイメント(株)設立の基盤となりました。
2001 年以降、リベスト教授は投票システムのセキュリティに、実用的な視点からも、また理論的な
視点からも積極的に取り組んでいます。彼は、CalTech/MIT の投票の技術プロジェクトの主メンバ
ーでもあります。技術指針策定の開発委員を務め、連邦投票システム認証の安全保障標準に関し
て、米国投票支援委員会の顧問を務めています。彼は、ThreeBallot や Twin などの多くの新しい
3
投票システムを設計し、開発してきました。彼が携わった投票システムの一つである Scantegrity
Ⅱは、最初に実際の政治選挙に使われ、末端から末端まで安全な投票システムです。
リベスト教授は個人のプライバシー問題にはとりわけ関心が強く、全米アカデミーのメンバーとして
デジタル時代のプライバシーを研究し、また電子プライバシー情報センターの顧問を務めています。
彼は、最もよく使われているコンピュータ・アルゴリズムの教科書“Introduction to Algorithms”
の著者でもあります(Cormen、Leiserson および Stein と共著、現在第三版)。また、彼は、マシ
ン・ラーニングのための多くのアルゴリズムも開発しています。
リベスト教授は旅行と写真撮影が趣味です。ボストンの Red Sox(メジャーリーグ)と Patriots(フッ
トボール)のチームのファンで、また太陽エネルギーにも大きな関心を持っています。
受賞歴など:
1991 年
米国芸術科学アカデミー フェロー
1993 年
米国計算機学会 フェロー
1990 年
全米工学アカデミー メンバー
1996 年
National Computer Systems Security Award
1996 年
米国計算機学会 (ACM) パリス・カネラキス実践的理論賞
2000 年
Secure Computing Lifetime Achievement Award
2000 年
米国電気電子学会(IEEE) 小林宏治コンピュータ&コミュニケーション賞
2002 年
Laurea Honoris Causa, University of Rome La Sapienza,Italy
2002 年
米国計算機学会(ACM)チューリング賞
2004 年
国際暗号学会 フェロー
2004 年
全米科学アカデミー メンバー
2004 年
レッドソックスとヤンキースの試合で始球式
2005 年
MITX Lifetime Achievement Award
2007 年
Computers, Freedom, and Privacy “Distinguished Innovators Award”
2007 年
マルコーニ賞
2008 年
Burgess and Elizabeth Jamieson Award (MIT EECS)
2008 年
ルーヴェンカトリック大学より名誉博士号
その他研究業績と活動:
-
著書“Introduction to Algorithms (Cormen, Leiserson および Stein と共著)
-
150 の技術論文、8件の特許
-
国際暗号研究学会および金融暗号学会理事
-
National Research Council Committee on Privacy 委員
-
U.S. Election Assistance Commission に提言を行う Technical Guidelines
Development Committee 委員
4
-
Electronic Privacy Information Center の Advisory Board メンバー
アディ シャミア教授
1952 年 7 月 6 日生 (57 才)
現職: ワイツマン科学研究所
ポール&マレーネ ボーマン 応用数学教授
略歴:
1952年
イスラエル テルアビブ生まれ
1973年
テルアビブ大学(イスラエル)卒業 (B.Sc. Mathematics)
1975年
ワイツマン科学研究所(イスラエル) 計算機科学修士
1976年
ワーウィック大学(英国) 計算機科学科ポスドク
1977年
ワイツマン科学研究所 計算機科学博士
1977年
マサチューセッツ工科大学(MIT・米国) 数学科講師
1978年
MIT 数学科助教授
1980年
ワイツマン科学研究所応用数学科准教授
1984年
ワイツマン科学研究所応用数学科教授
アディ・シャミア教授はイスラエルのテルアビブに生まれました。テルアビブ大学で数学を専攻し、ワイ
ツマン科学研究所(Weizmann Institute)で、コンピュータ科学の修士号を1975年に、博士号を1
977年に取得しました。ワーウィック大学にて1年間のポスドクを経た後、1977-1980年の間、
MITにて研究を行い、そこで、リベスト教授、エーデルマン教授らとともに公開鍵暗号方式を開発しま
した。
彼は、秘密分散法(Secret Sharing, 1979年)を開発し、ワイツマン科学研究所に戻った後も、利
用者の識別子IDに基づく公開鍵暗号方式(ID based Cryptosystems and Signature
Schemes,1984年)をはじめとし、Feige-Fiat-Shamir認証・署名法(1988年)、視覚復号型秘密
分散法(Visual Cryptography、Naorとの共同、1994年)など、次々に斬新なアイディアにより暗
号化技術の進展をリードしてきました。
また、実際に使われていた暗号化システムの弱点を指摘することで、暗号アルゴリズムの安全性を高
めることに大きく貢献してきました。例えば、マークル-ヘルマンによるナップザック暗号化(1982年)、
NTRUクリプトシステム社の暗号化(Coppersmithと共同, 1997年)、A5/1(GSM携帯電話などに
使われるストリーム暗号化の一種、Birukov,Wagnerと共同, 2000年)、WEP(Wired
Equivalent Privacy,無線LANのセキュリティ規格の一つ、Fluhrer,Mantinとの共同、2001年)、
SFLASH(Dubois,Fouque,Steinとの共同, 2007年)などがそれにあたります。また、彼は、暗号
化の解読に関して、差分解読法(differential cryptoanalysis)や意図的にエラーを発生させて解
析する差分解読法(differential fault analysis)(いずれもBihamと共同、1979年)、音響解析
(計算中のノイズを解析、Tromerと共同, 2004年)、Cube Attacks(Dinurと共同, 2009年)など、
新しい解読手法をあみだしました。また、TWINKLE(1999年)やTWIRL(Tromerとの共同, 2003
年)など、素因数分解専用の装置を設計し、どこまで大きな数が素因数分解できるかにも挑戦してい
5
ます。
シャミア教授の、もう一つ別な領域で重要な貢献をしているのは、計算量に関しての理論的な研究で
す。そしてIPが従来のPSPACEと等価であるということを証明しました。IPというのは、対話型証明系
(Interactive Proof System)において、無限の計算資源をもつ証明者と、限定的な計算能力をも
つ検証者がメッセージのやり取りによって、検証者が、証明者による証明に納得しうる問題です。一方
のPSPACE(Polynominal SPACE)とは、多項式空間のチューリングマシン仮想機械によって解け
る問題のことです。シャミア教授は、このような理論的な成果だけでなく、PaywordとMicromintとい
う2つの小額決済システム(Rivest教授と共同、1996年)、Secureclickウェブ決済システム、RFID
のためのSQUASH message authentification codeのアルゴリズム(2008年)など、安全で実
用的なプロトコルなども数多く設計しています。
彼は、イスラエルのテルアビブに家族と住んでいますが、2006年からパリのÉcole Normale
Supérieure(ENS-高等師範学校)の招聘教授をも兼任しています。
受賞歴など:
1975年
ワイツマン科学研究所フェインバーグ大学院 ジョン・F・ケネディ賞
1978年
米国電気電子学会(IEEE) 情報理論グループ 最優秀論文賞
1982年
イスラエル情報処理学会特別賞
1983年
ワイツマン科学研究所 ルーペル賞
1983年
イスラエル数学会 エルデシュ賞
1986年
米国電気電子学会(IEEE) ベイカー賞
1990年
UAP科学賞 (フランス)
1992年
バチカン法王庁アカデミーピウス11世ゴールドメダル
1994年
ロスチャイルド賞(イスラエル)
1996年
米国計算機学会(ACM) パリス・カネラキス実践的理論賞
1998年
イスラエル科学アカデミー会員
2000 年
IEEE 小林宏治コンピュータ&コミュニケーション賞
2002 年
ACM チューリング賞
2003年
フランス高等師範学校 名誉博士号
2004年
国際暗号学会 フェロー
2005年
全米科学アカデミー メンバー
2007年
欧州学術院 会員
2008 年
イスラエル賞 (計算機科学部門)
2008 年
大川賞, 財団法人大川情報通信基金
レオナルド M. エーデルマン教授
1945年12月31日生 (63歳)
6
現職
南カリフォルニア大学
ヘンリー サルバトーレ コンピュータ科学教授ならびに
コンピュータ科学・生物科学特別教授
略歴:
1945 年
米国カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ
1968 年
カリフォリニア大学バークレー校(UCB)卒業
1976 年
UCB より博士号取得(Ph.D. in Computer Science)
1976 年
マサチューセッツ工科大学(MIT) 数学科
(B.S. in Mathematics)
講師
1977 年
同
同
助教授
1979 年
同
同
准教授
1980 年
南カリフォルニア大学
1983 年
同
1985 年
同
コンピュータ科学科 准教授
同
教授
ヘンリー サルバトーレ コンピュータ科学教授
エーデルマン教授はロナルド・リベスト教授、アディ・シャミア教授とともに、RSA 公開鍵暗号を発明
したことで知られています。また、エーデルマン教授は DNA コンピュータの考案者でもあります。そ
の演算処理は DNA やタンパク質のような生物学上の分子を経由して、水溶液の中でなされるもの
です。また、彼は“コンピュータウィルス”という用語を作った人としても知られています。これまでに計
算科学理論、ウィルス学、物理学、化学など、非常に多くの分野の研究に携わってきましたが、なん
といっても興味と愛着を第一に感じる分野は数論です。
受賞歴など:
1996 年
米国工学アカデミー メンバー
1996 年
米国計算機学会(ACM) パリス・カネラキス実践的理論賞
2000 年
米国電気電子学会 小林宏治コンピュータ&コミュニケーション賞
2002 年
米国計算機学会(ACM)チューリング賞
2006 年
全米科学アカデミー メンバー
2006 年
米国芸術科学アカデミー フェロー
以 上
7
Fly UP