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中国の外交 - 国際交流基金

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中国の外交 - 国際交流基金
2006 年度第2期 異文化理解講座「中国の外交」
中国の外交
毎週火曜日 全11回(9月26日∼12月19日/10月24日、11月7日は休講)
ジャパンファウンデーション国際会議場(10月31日のみ、日本教育会館)
●コーディネーターからのメッセージ
「中国の外交」は、日本のみならず、いまや世界的な関心事です。しかし、日本では日中関係と
日米関係などに報道が限定されていることもあり、中国の目線から見た外交、中国外交の全体像は
見えにくくなっています。たとえば、中国から周囲を見渡せば、北朝鮮国境、モンゴルからロシア、
中央アジア、インド、東南アジア、台湾といった具合に、非常に多様な周辺地域をもっていること
がわかります。日本を含む北東アジアの関係は、そのうちの五分の一、六分の一に過ぎません。日
本では、日本から見た中国の外交の姿を中国外交の全体像へと拡大していないでしょうか。
また、日本から見える中国の軍事、経済、文化などの各分野の外交は、中国の対外戦略の中でど
のような意味をもっているのでしょうか。そのためには、軍事、経済、文化などの各分野における
対外戦略の全体像を把握しなくてはならないと思います。
いま、中国に関する情報は巷にあふれています。特に外交については、中国が「責任ある大国」
となるか、「覇権国家」となるか、という大きな問題を含めて、一大関心事になっています。しか
し、その外交を理解するには、まず中国の目線で外交を理解する必要があると思います。そこで、
この講座では、中国の外交について、国境線をめぐる外交、アメリカ、上海協力機構、ASEAN、
北朝鮮、日本との外交、そして軍事、経済、文化などの各分野について理解を深めていただき、そ
の姿を把握していただければと思います。
(川島 真)
第1回 9月26日(火)
中国外交への歴史的なアプローチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・川島 真
中国の外交にはさまざまな説明の仕方があります。現在のところ、経済発展・生活向上と共産
党自身の統治能力の維持という国内政治の根幹が外交も規定している側面が強いように思います。
そしてそれは外交となって立ち現れると、一見、多元的な姿を見せます。すなわち、一面では「和
平台頭」や「周辺との協調外交」といった、中国外交の「合理化=国際標準化」といわれる面が
現れます。しかし他面で、国力のある国が合理性や協調性をもてば、国際的プレゼンスの向上を
伴うため、大国としての外交という性格が現れます。さらには、社会生活の向上のためには欠か
せない資源をめぐる外交や、国際社会で否定的に捉えられがちな国々との親密な外交には、
「独自
路線」があるようにさえ思えます。この講義では全体のガイダンスとして、こうした中国外交の
全体像とともに、現在の中国外交の正当性を支える一要因である中国外交の歴史についてもお話
をしていきたいと思います。
参考文献
・ 坂野正高『中国近代政治外交史』東京大学出版会、1973 年。
1
2006 年度第2期 異文化理解講座「中国の外交」
・ 川島真『中国近代外交の形成』名古屋大学出版会、2004 年。
・ 国分良成編『中国の統治能力−政治・経済・外交の相互連関分析』慶應義塾大学出版会、2006
年。
第2回 10月3日(火)
中国のパブリック・ディプロマシー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・青山
瑠妙
冷戦終結、グローバリゼーションの進行、情報通信技術の発達によって、軍事力といったハー
ド・パワーの重要性が相対的に低下し、ソフトパワーとしてのパブリック・ディプロマシーの重
要性が着目されるようになった。特に 2001 年の米同時多発テロ事件は英米における対外広報の
重要性をさらに高めた。
他方、中国も天安門事件と東西冷戦集結を契機に、自国にとって望ましい国家イメージ作りに
本格的に乗り出した。パリ「中国文化年」の大盛況、続々と新設される「孔子学院」に関するマ
スメディアの報道などからも理解できるように、近年中国のパブリック・ディプロマシーに注目
が集まっている。
中国のパブリック・ディプロマシーは欧米諸国と軌を一にしているものの、その目的や取り組
む手段について本質的に異なる特徴を有している。講義では、こうした一味違った中国のパブリ
ック・ディプロマシーを論じていきたい。
第3回 10月10日(火)
中国の文化外交・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・王 雪萍
悠久な歴史と文化は中国の誇りだけではなく、大きな財産でもあります。中華人民共和国建国
後、良好な国際イメージを確立するために、文化交流が外交を支える重要な手段として強調され
てきました。1949 年の中華人民共和国の建国初期においては、主に国交を樹立した社会主義諸国
と協定を締結して、文化界の人材交流、留学生派遣、通信社・新聞社の海外特派員の駐在などを
通じて、宣伝活動が行われてきました。この時期には、国交のない国に対しても、様々な文化交
流によって友好関係の構築を図りました。中国は英国以外のほとんどの西側諸国と国交関係を結
んでおらず、文化外交は重要な外交手段でした。
1966 年から 76 年の文化大革命期の混乱を経て、中国は西側諸国とも国交を正常化していき、
中国文化の宣伝も目的の一つとしてまず国費留学生が各国に派遣されました。それから 30 年にわ
たって、中国文化節の開催、伝統文化芸能の公演や孔子学院の設立など文化外交が展開されてき
ました。現在中国では、政治外交、経済外交とともに、文化外交はすでに中国外交の三つの柱に
なっています。このような文化外交は確かに中国の国際的影響力を増し、文化大国としてのイメ
ージの確立に大きく貢献し、文化貿易まで強調され始めています。そこで本講義では、中華人民
共和国建国後の各時期の文化外交の動きを紹介するとともに、現在の中国の文化外交の特徴と状
況を説明します。その上で最後に中国の文化外交の問題点について皆さんと一緒に考えたいと思
っています。
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2006 年度第2期 異文化理解講座「中国の外交」
第4回 10月17日(火)
中国の経済外交−WTO、FTAをめぐる―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田島 俊雄
WTO 多角的貿易交渉や対アセアン FTA 交渉などの場において、日本とは対照的に中国の積極
的な姿勢が顕著になっています。冷戦下の孤立的な一国社会主義建設から中国が徐々に脱皮し、
国際社会に本格的に復帰してから約四半世紀が過ぎました。1978 年から 2005 年にいたる間の中
国の GDP 年平均成長率は実質 9.6%にも達し、この間に貿易依存度(輸出入総額/GDP)は 9.7%
から 64.1%にまで高まっています。
かつての貿易立国日本の 2004 年における貿易依存度は 22.4%
にすぎず、中国が対外経済関係を積極的かつ有効に活用しつつ経済発展を図ってきたことが、一
目瞭然で明らかです。
中国が計画経済期とは一転し、改革・開放の名の下にユニークな経済発展のプロセスをたどり、
短期間のうちに押しも押されもせぬ政治経済大国になったことを念頭に置きながら、1970 年代末
以降の移行経済期を中心に、中国の対外経済関係の推移と国内経済とりわけ経済改革との関係、
さらには対外経済関係の安定化に向けた外交的努力について、再検討する予定です。
第5回 10月31日(火)
中国外交の軍事外交・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松田 康博
第6回 11月14日(火)
中米関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高原 明生
1990 年代の初めにソ連が崩壊した後、米国は唯一の超大国、そして中国は唯一の超大国候補と
なりました。その両国の関係がどうなるのか、協調するのか敵対するのかは、日本のみならず世
界全体にとって大きな意味を有しています。この講義の第一の目的は現在の中米関係の構造を理
解することです。そのために、とくに冷戦後の時代に焦点を置き、安全保障、経済、政治など、
多方面にわたる両国間関係の展開を検証します。第二の目的は、中米関係と東アジアの国際政治
の相互作用を明らかにすることです。中国のアジアでの地域政策が中米関係と連動している一方
で、米国にとってその対中政策は対アジア政策の一部でもあります。とくに、中米関係が両国の
日本との関係にどのような影響を及ぼしているのか、地域大国・日本という要素も加えて考察し
ます。
第7回 11月21日(火)
中国と上海協力機構・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・石井 明
6 月 15 日、上海で上海協力機構(SCO)加盟国元首理事会第 6 回会議(サミット)が開かれま
した。今年は SCO 結成 5 周年、その前身の「上海ファイブ」(中ロ、カザフスタン、キルギス、
タジキスタン)が作られて 10 周年という記念すべき年にあたり、中国はホスト国として各国代表
を熱烈に歓迎しました。
「上海ファイブ」は、もともとは国境地区の信頼醸成を進めていくなかで
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2006 年度第2期 異文化理解講座「中国の外交」
作られたのですが、2001 年 6 月、ウズベキスタンを加えた 6 カ国首脳が上海に集まり、地域協力
機構として SCO(Shanghai Cooperation Organization)を立ち上げました。その際、6 カ国首
脳は三悪(テロリズム、分裂主義、過激主義)に反対する公約に調印しております。アメリカで
9・11 同時多発テロ事件が起きる前から、これらの国々は反テロ協力を進めていたのです。2003
年にはカザフスタンと新疆で、反テロ合同軍事演習を行っています。
講義ではまず SCO の歩んできた道を振り返ります。そのうえで、現在の SCO の抱えている問
題点を検討し、さらに、中国がこの地域協力機構に何を期待しているのか、どう育てあげようと
しているのか、明らかにしていきたい、と考えています。
第8回 11月28日(火)
中国の対朝鮮半島外交・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平岩 俊司
中国は、北朝鮮の核問題をめぐる 6 者協議で議長国役を担っていますが、同問題がなかなか解
決の方向に向かわない状況下、中国と朝鮮半島の関係に関心が集まっています。中国は地政学的
影響力にくわえて、北朝鮮政権樹立の過程、朝鮮戦争への参戦などに中国が歴史的に朝鮮半島に
関与してきたことから朝鮮半島情勢に大きな影響力を持っています。その中国にとって、朝鮮半
島との関係には二つの意味があります。第一に朝鮮半島を舞台とする国際関係としての意味、そ
して第二に隣接する地域との二者間関係としての意味です。この二つは相互に密接に連動し、そ
の時々の情勢で優先順位が変化するという構造にあります。こうした構造は、1992 年に中国が韓
国と国交を正常化させたためさらに複雑なものとなりました。中国と朝鮮半島の関係に関心が集
まっている今、あらためて中国にとっての朝鮮半島の持つ意味を考え、今後の朝鮮半島情勢に対
する中国の影響力を考えたいと思います。
第9回 12月5日(火)
中国と ASEAN:東アジアの地域協力の視点から・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・清水 一史
中国と ASEAN は、以前の対立と警戒の歴史を越え、急速に接近して来ています。とりわけそ
れは経済関係において顕著です。東アジアは世界経済において最も急速に発展している地域です
が、その中で中国と ASEAN 間の貿易と投資も急速に拡大しています。また中国は初の経済連携
協定(ACFTA)を ASEAN と締結しました。2003 年からは農産物の早期関税切り下げが、2005
年 7 月からは工業製品の関税切り下げが始められています。最近、東アジア大の地域経済協力あ
るいは東アジア共同体の実現が議論されるようになって来ていますが、その実現においても中国
と ASEAN は重要なアクターです。ASEAN は従来東アジアで唯一の地域協力体であり、自らの
協力を深化するとともに、このような東アジアの地域経済協力や FTA の最重要な軸ともなってい
ます。
本講義では、中国と ASEAN の関係を、東アジア経済の発展や ASEAN・東アジアの地域協力
を含めた視点から分析することにします。
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2006 年度第2期 異文化理解講座「中国の外交」
第10回 12月12日(火)
中国の国境線とそれをめぐる外交・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岩下 明裕
ユーラシアの中心に位置する中国にとっても国境のもつ意味は格別である。中国は、陸国境だ
けでも、旧ソ連を筆頭に、モンゴル、アフガニスタン、パキスタン、インド、ネパール、ブータ
ン、ミャンマー、ラオス、ベトナム、北朝鮮に囲まれている。
陸のみならず、南シナ海や東シナ海など海の国境もまた広大だ。だが冷戦時代、特に中ソ対立
によって、実は中国の対パキスタン国境以外の陸国境がすべて対立と緊張の場所へと変わってし
まった。アフガニスタン、インド、ベトナムの政権は深浅の差はあれ、いずれもソ連と一脈通じ
ており、特にソ連以外では 1962 年と 1978 年に戦争まで至ったインドとベトナムとの関係が重い。
では冷戦終結とともに、中国は国境線をめぐる外交をどのように遂行してきたのか。本講義では、
対ロシア・中央アジア(旧ソ連)の国境を中心に、対インドやその他の国境問題を比較して取り
扱うことで、中国にとっての国境問題の意味を考えてみたい。
参考文献
・ 岩下明裕編著『 国境・誰がこの線を引いたのか:日本とユーラシア 』北海道大学出版会、
2006 年。
・ 岩下明裕『 中・ロ国境 4000 キロ 』角川書店、2003 年。
第11回 12月19日(火)
日中関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・毛里 和子
2005 年の「反日デモ」と靖国神社参拝をめぐる紛糾は、日中関係が新段階に入ったことを告げ
ました。戦後の日本と中国の曲折した歴史を振り返って見ると、両国の関係がとても脆く、危う
いことに改めて気づかされます。しかもいま、双方の感情的ナショナリズムが共振しています。
本講義では、できるだけ理性的に両国の関係を解き明かそうとつとめます。また、日中双方に、
等身大の相手を見つめて、一国意識に止まることなく、地域共通の利益を求める新思考をもって
関係を再構築しよう、というメッセージを送りたいと思います。どうして日中関係はこうもこじ
れるのか、この関係を協力と善隣の関係に変えて行くためにはどうしたらよいのか。
講義では、国交正常化以来 30 年余の日中関係を 4 つの段階に分けて、中国の対日政策、日本の
対中政策を対比させながら分析します。また 90 年代後半から日中関係が構造変動の時期に入った
こと、争点や対立が、①歴史と価値の問題、②アジアでのパワー争い、③具体的利益をめぐる問
題など、複雑に錯綜してきたことを論じます。
最後に、新段階に入った日中関係を協力と善隣の関係にしていくには、両国の政府・リーダー
の努力はもちろんのこと、さまざまなチャネルを活用し関係を制度化すること、東アジアの地域
協力、
「東アジア共同体」構築をめざして、両国がなんらかの共同作業に着手することが不可欠だ
ということを論じたいと思います。日中関係を素材に、日本のアジア外交、世界の中の日本の行
き方を考える、というのが私の講義の基本的スタンスです。
参考文献
・ 毛里和子『日中関係 戦後から新時代へ』岩波新書、2006 年。
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2006 年度第2期 異文化理解講座「中国の外交」
講師紹介
川島
真(かわしま
しん)(講座コーディネーター)
北海道大学公共政策大学院/大学院法学研究科助教授
(至2006年9月30日)
東京大学大学院総合文化研究科助教授(10 月1 日より)
東京外国語大学卒業。東京大学大学院単位取得退学。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員を
経て、1998 年 3 月より北海道大学法学部助教授(アジア政治外交史)。2005 年 4 月より現職。2006
年 10 月に東京大学大学院総合文化研究科助教授(国際関係史担当)。この間、北京日本学研究セ
ンター副主任、北京大学歴史学系客員助教授、台湾・中央研究院近代史研究所訪問学人、国立政
治大学歴史学系客員助教授などとして在外研究・教育をおこなう。また、2005 年、アメリカ国務
省 IVP フェロー。専門は、アジア政治外交史(中国外交史)。主著に、
『中国近代外交の形成』
(名
古屋大学出版会、2004 年、サントリー学芸賞)
、共著に『国境を越える歴史認識』
(劉傑ほか編、
東京大学出版会、2006 年)などがある。
青山 瑠妙(あおやま るみ)早稲田大学教育・総合科学学術院助教授
慶応義塾大学卒業、慶応義塾法学研究科(政治学専攻)博士課程修了。法学博士。2002 年より現
職。2005 年 10 月から 2006 年 9 月まで、タンフォード大学にて客員研究員(Visiting Scholar)
。
専門は現代中国外交・東アジア国際関係。主な近著・論文に、
『中国の統治能力:政治・経済・外
交の相互連関分析』(共著、慶応義塾大学出版会、2006 年)、「中国における世論形成のメカニズ
ム」
(『東亜』458 号、2005 年 8 月)、
「中国の対外イメージ戦略」
(『外交フォーラム』204 号、2005
年 7 月)、
『5 分野から読み解く現代中国』
(共著、晃洋書房、2005 年)、
「インターネットが導く中
国式民主化」
(『論座』118 号、2005 年 2 月)などがある。
王 雪萍(おう せつへい)慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所特別研究助手
1999 年(中国)河北大学外国語学院卒業(文学学士)、2006 年慶應義塾大学政策・メディア研究
科博士課程卒業(政策・メディア博士)。2003 年 1 月から現在まで、中国《環球時報》
(人民日報
社)駐日特約記者として勤務。2004 年 9 月から 2006 年 3 月まで、慶應義塾大学政策・メディア
研究科 COE 研究員として勤務。2006 年 4 月より現職。主な著書:小島朋之監修『注目の巨大市
場(省別・地域別)−中国のすべてがわかる本』
(共著、PHP 研究所、2002 年)、李喜所主編『留
学生与中外文化』
(共著、中国天津・南開大学出版社、2005 年)、法政大学国際日本学研究所編『21
世紀 COE 国際日本学研究業書3:東アジア共生モデルの構築と異文化研究―文化交流とナショナ
リズムの交錯―』(共著、法政大学国際日本学研究センター、2006 年)などがある。
田島
俊雄(たじま
としお)東京大学社会科学研究所教授
東京大学大学院農学系研究科博士課程中退(1979 年)。農林水産省農業総合研究所(現農林水産
政策研究所)を経て東京大学社会科学研究所助教授(1984 年)、同教授(1995 年)。この間に中
国社会科学院経済研究所、復旦大學世界経済研究所等で訪問学者。著書に、
『中国農業の構造と変
動』(御茶の水書房、1996 年)、『中国体制転軌中的増長、績効与産業組織変化―対中国若干行業
的実証研究』
(江小涓、丸川知雄と共著、上海三聯書店・上海人民出版社、1999 年)、『構造調整
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2006 年度第2期 異文化理解講座「中国の外交」
下の中国農村経済』(編著。東京大学出版会、2005 年)など。主に農業構造、産業構造・産業組
織の面から中国経済の歴史と現状を実証分析してきた。
松田 康博(まつだ やすひろ)防衛庁防衛研究所主任研究官
高原
明生(たかはら
あきお)東京大学大学院法学政治学研究科教授
1958 年神戸生まれ。東京大学法学部卒業、英国開発問題研究所博士課程修了(サセックス大 Ph.D.)。
笹川平和財団研究員、在香港日本国総領事館専門調査員、桜美林大学国際学部専任講師、同助教
授、立教大学助教授、立教大学法学部教授を経て、2005 年より現職。その間、在中華人民共和国
日本国大使館専門調査員、朝日新聞アジアネットワーク客員研究員、英国開発問題研究所理事、
ハーバード大学客員研究員などを兼任。専攻は現代中国政治、東アジア国際関係。著書に、The
Politics of Wage Policy in Post‒Revolutionary China (The Macmillan Press, 1992)、『「中国」
の時代』(共著
三田出版会、1995)、『毛沢東、鄧小平そして江沢民』(共著
東洋経済新報社、
1999)、『東アジア安全保障の新展開』(共編 明石書店、2005)がある。
石井
明(いしい
あきら)東京大学大学院総合文化研究科教授
1945 年、千葉県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中途退学。東京大学助手、同助教
授を経て 1990 年より現職。東アジア国際関係史専攻。1982‐83 年、在ソ連邦日本国大使館専門
調査員。近著『記録と考証
年)、
『中央アジアの行方
日中国交正常化・日中平和友好条約締結交渉』
(共編、岩波書店、2003
米ロ中の綱引き』
(共編、勉誠出版、2003 年)。中央アジアのフルーツ、
特にドゥイニャ―国境を越え中国新疆ウイグル自治区に入ると哈蜜瓜(ハミウリ)と言う―が大好
き。
平岩
俊司(ひらいわ
しゅんじ)静岡県立大学大学院国際関係学研究科教授
1960 年名古屋生まれ。東京外国語大学卒業。慶應義塾大学大学院単位取得退学。博士(法学)。
尚美学園短期大学専任講師、松阪大学講師、助教授、静岡県立大学助教授を経て、2003 年 3 月よ
り現職。その間、在中華人民共和国日本国大使館専門調査員を兼任。専攻は現代朝鮮論、北朝鮮
政治外交、中朝関係。著書に、『朝鮮半島と国際政治−冷戦の展開と変容』(共編著
慶應義塾大
学出版会、2004 年)、
『新版現代の国際政治』
(共著、ミネルヴァ書房、2002 年)、
「『金正日時代の
北朝鮮』(共著、日本国際問題研究所、1999 年 6 月)など。
清水 一史(しみず かずし)九州大学大学院経済学研究院教授
1962 年北海道生まれ。北海道大学法学部、北海道大学経済学研究科博士課程、日本学術振興会特
別研究員等を経て、現在、九州大学大学院経済学研究院教授。博士(経済学)。専攻は、世界経済
論、アジア経済論。主要著書は、『ASEAN 域内経済協力の政治経済学』(ミネルヴァ書房、1998
年)。論文に、「アジア経済危機と ASEAN 域内経済協力」、「ASEAN 域内経済協力の課題」、「第
1 回東アジア首脳会議の成果と展望」他多数。第 1 回より福岡アジア国際会議のコーディネータ
ー。
7
2006 年度第2期 異文化理解講座「中国の外交」
岩下
明裕(いわした
あきひろ)北海道大学スラブ研究センター教授
専門分野は、ロシア外交、東北アジア地域研究。1962 年生まれ、1987 年九州大学法学部卒、1989
年北九州大学大学院法学研究科修士課程修了、1992 年九州大学大学院法学研究科博士後期課程単
位取得退学、1995 年法学博士。著書に、『国境・誰がこの線を引いたのか:日本とユーラシア 』
北海道大学出版会(2006 年、編著)、
『北方領土問題:4でも0でも、2でもなく』中公新書(2005
年)、『CIS:旧ソ連空間の再構成 』国際書院(2004 年、共著)、『 中・ロ国境 4000 キロ』角川
書店 (2003 年)、
『「ソビエト外交パラダイム」の研究:社会主義・主権・国際法』国際書院 (1999
年)などがある。
毛里
和子(もうり
かずこ)早稲田大学政治経済学術院教授
専門分野は、現代中国政治、中国外交、東アジアの国際関係。お茶の水女子大学文教育学部卒業、
東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。政治学博士。日本国際問題研究所研究員・静
岡県立大学教授・横浜市立大学教授をへて、1999 年から現職。2002 年度から、文部科学省 21 世
紀 COE 早稲田大学「現代アジア学の創生」の拠点リーダー(∼2006 年度まで)。代表著作は、
*『日中関係 戦後から新時代へ』岩波新書、2006 年、*『新版・現代中国政治』名古屋大学出
版会、2004 年(櫻田會特別功労賞)
、*『周縁からの中国−民族問題と国家』東京大学出版会、
1998 年(大平正芳記念財団賞)、*『現代中国政治』名古屋大学出版会、1993 年(毎日新聞社ア
ジア太平洋賞大賞)、*監訳『周恩来・キッシンジャー機密会談録』岩波書店、2004 年、*共訳『ニ
クソン訪中機密会談録』名古屋大学出版会、2001 年、*代表編集『シリーズ東アジア共同体の構
築』全 4 巻、岩波書店、近刊予定、*代表編集『講座・現代中国の構造変動』全 8 巻、東京大学
出版会、2000-2001 年。
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