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エゾシカ保護管理計画(素案)へのご意見一覧
新エゾシカ保護管理計画(素案)への御意見一覧 意 見 の 概 要 道としての考え方 ● 総 論 ①悪質な狩猟者を野放しにしたままで、個体数の維持管理に狩猟者を利用し ①について ているのは、おかしいのではないか。 エゾシカの個体数調整にあたっては、技術を有する狩猟者の方々の協力が不 可欠のものと考えておりますが、狩猟等における違反行為を防止するため、今 後も警察等関係機関と連携をとりながら取り締まりを実施してまいります。 ②シカを増やして何の得があるのか。 ③エゾシカ増加の原因究明とその解決をまず行うべき。(同様意見1通) ● 第1章「1 計画策定の背景」について ・エゾシカは豪雪に弱いというのであれば、豪雪時の対策も考慮すべき。 ● 第1章「2 計画策定の目的」について ・軋轢をどの程度まで軽減するのか不明確。 ● 第1章「3 計画の期間」について ・計画の評価については、毎年、公開の評価機関を設けて行うべきだ。 ②について エゾシカ保護管理計画は、シカを増やしていくことだけを目的としているわ けではなく、北海道東部地域のように極端にシカの生息数が増加しないよう、 個体数を管理していくことも大きな目的の一つとしています。 ③について エゾシカ生息数増加原因については、調査研究の結果、明治時代以降の保護 政策の実施や、土地利用状況の変化による生息適地の増加などによって起きた ものと考えられることから、個体数管理や被害防除策の実施により、問題の解 決を図ってまいります。 エゾシカの保護管理の推進にあたっては、豪雪による個体数の急激な減少も 考慮しながら実施することとしています。 エゾシカ保護管理計画では、個体数指数の目標水準を設定して個体数管理を 進めることとしていますが、被害の状況等を勘案して、将来的には地域ごとに より細やかな目標を設定していくことも必要であると考えています。 計画の進捗状況については、各種調査結果、捕獲数、被害額等をお知らせし ていますが、毎年エゾシカの生息状況等を確認するために開催する「エゾシカ 保護管理検討会」等を公開で行うことを検討しています。 ● 第1章「4 計画の対象地域」について ①被害のない西部地域でまで、捕獲する必要はないのではないか。 ①、②について ②地域区分を2区分でなく、より細かくすべきではないか。(同様意見1通) それぞれの地域内においても、エゾシカの生息状況や被害の状況が様々であ ることから、一律に個体数管理措置の適用をするのではなく、各種調査結果等 に基づき、狩猟区域の設定や個体数管理のための捕獲(狩猟期間外の許可捕獲) などを行うこととしています。 意 見 の 概 要 道としての考え方 ● 第2章 2「(1)個体数管理」について ①(狩猟以外の)エゾシカの初期死亡率を考慮して計算を行っているのか。 ①について エゾシカの初期死亡率については、エゾシカ個体数管理の基礎としている、 個体数推移のシミュレーションを行う際に、パラメーターの一つとして使用し、 計算を行っています。 ②4∼5月は、農地周辺での鹿の捕獲を解禁すべき。 ②について 狩猟については、現在の法制度では、年間通しての狩猟は不可能となってい ますが、狩猟期間以外についても、被害防止や個体数管理などのために許可を とっての捕獲が可能となっています。 ③自衛隊に駆除の要請をすべきではないか。 ③について 自衛隊による捕獲については、銃器の使用目的にそぐわないため、不可能と 考えています。 ④エゾシカを残さなければならないのであれば、保護区や牧場を設けて、そ ④について の中で残していけばよいのではないか。(同様意見1通) エゾシカの生息環境については、多様な生態系の維持という観点からも、野 生状態で生息できる状態を保つことが必要と考えています。 ⑤全道一律に捕獲を進めれば、個体数が減少してきていると思われる道東の ⑤について 個体数管理の実施にあたっては、各地域ごとにエゾシカの生息密度の濃淡に 一部地域で絶滅してしまうのではないか。(同様意見1通) 配慮しながら捕獲を行う計画としています。 ⑥全道の鳥獣保護区や銃猟禁止区域などの禁猟区を廃止して、1年中狩猟を ⑥について 鳥獣保護区等は、エゾシカのみを対象として設定しているものではないため、 出来るようにするべき。 全て廃止するということは考えておりません。また、狩猟期間については、② へのコメントの通りとなっています。 ⑦について ⑦生息水準が安定することはありえないのではないか。 野生動物であるエゾシカの生息水準が、静止状態になることは想定しており ませんので、各種の調査を行いながら、生息数が極端に増加・減少することの ないよう、管理を進めていくことを目指しています。 ⑧東部地域でメスジカを減らしたいのであれば、メスジカのみを狩猟・駆除 ⑧について エゾシカ個体群における性差の極端な偏りは、エゾシカ個体数の急激な減少を招 の対象にすべきではないか。 く可能性があることから、各種調査結果や捕獲実績を見ながら、オスジカについ ても捕獲を行う必要があるものと考えています。 ⑨駆除といっても山中でしかも農業従事者以外でも良いというのであれば、 ⑨について 駆除については、その必要性に応じて許可事務を行っており、本来レクリエ ただの狩猟緩和ではないか。 ーションの一つである狩猟とは別個のものと考えています。 意 見 の 概 要 道としての考え方 ● 第2章 2「(1)個体数管理」について ⑩個体数指数は、数式で算出されるものでなければ指数とは言えないのでは ⑩について ないか。 個体数指数については、各種調査結果から得られたデータを基に、学識経験 者からなる「エゾシカ保護管理検討会」において決定しています。 各種調査結果データの精密度の向上などを図り、より正確な指数の推定を進 めてまいります。 ⑪タワー方式の捕獲を今後も継続するのか。 ⑪について 欧米でシカ猟に用いられているハイタワーが、エゾシカの捕獲にも有効かを 昨年度試験的に実施しました。今後については、エゾシカ捕獲の1手法として 用いることもあるかと考えています。 ● 第2章 2「(2)被害防除」について ①エゾシカ侵入防止柵の整備状況や今後の整備状況について記載すべき。 ①について エゾシカ侵入防止柵の整備状況等について計画の参考資料に記載したいと思 います。 ②農業被害額の算定が、実害より多いのではないか。 ②について 農作物等の価格変動という要因もありますが、より正確な算定方法について、 今後も研究・改良を進めていきたいと考えています。 ③給餌による林業被害の効果があるのならば、農地などでも給餌を行えばよ ③について 給餌については、それのみではエゾシカ個体数の増加を招くという側面もあ いのではないか。 りますので、被害激甚区域における緊急避難的、かつ限定的に行う被害防除方 法のひとつと考えています。 ④生態系への影響を考慮し、侵入防止柵の冬期間の解放や設置方法の検討な ④について どを行うべき。 侵入防止柵の生態系に及ぼす影響などの把握に努めるとともに、効果的な設 置を進めてまいります。 ⑤離農地と林縁部の被害農地を交換し、緩衝地帯を設けるべき。 ⑤について エゾシカによる被害を受けやすい地理的条件などの研究を進めており、その 成果に基づき施策を検討してまいります。 ⑥自然保護団体などによる基金を設けて、農林業被害を算定・補償するシス ⑥について テムを設けるべき。(同様意見1通) エゾシカのみにかかわらず、野生鳥獣による被害補償システムが現在存在し ていないため、関係機関・省庁とも協議しながらシステムのあり方について検 討してまいります。 ⑦農林業被害防止対策について、農林業従事者に分かりやすくPRすべき。 ⑦について 関係機関と協議し、広報等を進めてまいります。 意 見 の 概 要 ● 第2章 2「(2)被害防除」について ⑧交通事故対策として、法面緑化への牧草利用を禁止すべき。 道としての考え方 ⑧について 道路へのエゾシカの侵入は、移動中の横断によるものが多いと考えられます が、今後道路関係機関・部局と協議してまいりたいと考えています。 ● 第2章 2「(3)生息環境」の保護整備について ①人里近くに(エゾシカが)来なければならないような開発(行為)は、も ①について うやめるべき。 各種研究の結果、明治時代以降の保護政策の継続や、針葉樹造林や農地造成 による越冬地・餌場の増加などが、エゾシカの生息域の拡大の原因として考え られることから、個体数管理や各種被害防除策を実施することとしています。 ②(高山植物の食害などの)生態系が変わってもシカを保護するというのは ②について 片手落ちではないか。 生態系への悪影響の実態も把握しながら、その防止策について検討し、実施 してまいります。 ● 第2章 2(4)「①有効利用」について ①現在はロースだけ切り取り、残りは残滓として放置されるものが多すぎ ①∼⑤について る。ムダなく食べるべき。 捕獲されたエゾシカ肉を一般に流通させるためには、衛生法令の基準を満た ②現地の牧場などで肥育し、肉として出荷し最大限に活用すべき。 すことが必要であり、また需要も不明確であることから、多くは自家消費され ③明治初期にあった官有のシカ缶詰工場のように、肉を活用し、北海道の新 ていると考えられますが、エゾシカの有効利用が図られるよう、食肉を含めて しい食材として定着させればよい。 エゾシカの価値とその評価について計画の中に明示することとします。 ④市場原理に乗ると歯止めをかけることが困難なので反対。 また、無秩序な捕獲数の増大につては、計画に基づいた各種制限の実施、違 ⑤仮想再評価法でエゾシカの全体的価値を算定すべき。 法行為の監視・取締りにより防止してまいります。 ● 第2章 2(4)「④個体群構成への配慮」について ・(主に)狩猟の対象となる目立つオスばかりが捕獲されては、弱い個体か 近年の捕獲実績においては、オスメスの捕獲数に大きな偏りは発生しており ら淘汰されるという自然の摂理に反し、個体群の弱体化などを招くのでは ませんが、今後も極端な偏りが発生しないよう、留意してまいります。 ないか。 ● 第2章 「3 モニタリングと調査研究」について ①ライトセンサスの詳細なデータ(ユニット別、幼成別、性別、年度別)を ①について 公表すべき。 個別の調査結果についてはデータ量が膨大なため、計画書の参考資料として は掲載できませんが、道のホームページなどを通じるなどして、公開してまい ります。 ②積雪による自然死亡率のモニタリングをどのように行うのか。 ②について 積雪の影響を受けやすい幼獣の比率などから、各種調査を通じて把握してま いります。 意 見 の 概 要 ● 第2章 「3 モニタリングと調査研究」について ③もっとしっかりとした調査が必要ではないか。(同様意見1通) ● 第3章「1 合意形成」について ・被害対策費用、調査研究費などの行政費用を公開する必要がある。 ● 参考資料について ・ユニット11の名称「根釧原野」とは死語ではないか。一般用語なのか。 道としての考え方 ③について 調査研究については、その必要性・緊急性・優先順位などを考慮しながら実 施内容・期間・区域を定めて実施しており、今後も効率的かつ効果的な調査を 実施してまいります。 各種経費については毎年公開して開催しているエゾシカ対策協議会において も明らかにしておりますが、道のホームページなどを通じて、広く公開してま いります。 該当ユニット名については、該当区域が釧路・根室両支庁にまたがっており、 また地図などにおいても通常使われている名称を使用いたしました。