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北九州学術研究都市3大学連携~ 「自動運転・安全

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北九州学術研究都市3大学連携~ 「自動運転・安全
市政・経済記者クラブ同時配布 平成 26 年 10 月 29 日(水) 10:00
自動運転・安全運転支援総合研究センター
構成大学
・九州工業大学
・北九州市立大学
・早稲田大学大学院情報生産システム研究科
~北九州学術研究都市3大学連携~
「自動運転・安全運転支援総合研究センターの自動運転国家プロジェクトへの参加が決定」
○自動運転車の開発は、欧米を中心に活発に行われており、国際競争になっている現状に
おいて、日本国政府は、今年度から、歩行者などの交通弱者の事故死亡者の大幅削減お
よび交通事故の減少等に向けて、課題解決先進国としての国際貢献、産業競争力の向上
の観点から、自動運転研究開発プロジェクトをスタートさせた。
○自動運転のテーマを所管する省庁として、経済産業省、内閣府(府省連携)等があり、
経産省プロジェクトには、同総合研究センターの構成大学の一つである九州工業大学が、
内閣府プロジェクトには、同じく北九州市立大学が、それぞれ、府省からの委託先であ
る日本自動車研究所(JARI)の一員として両プロジェクトに参加することになった。
○九州工業大学の参加プロジェクト
JARI の一員として参加するプロジェクトは、レーザーレーダの開発である。
プロジェクト名は、
「次世代高度運転支援システム研究開発・実証プロジェクト」に係る
「高機能3D レンジセンサの研究開発」である。
世界の自動運転車の公道実証は、グーグル、トヨタにおいても、米ベロダイン社のレー
ザーレーダを搭載して行われている。
このプロジェクトの開発目的は、この米国製レーダより安価で、しかも高性能のレーダ
を開発し、自動運転車のレーザーレーダとして世界的に使用される製品を開発すること
にある。(資料1)
今年度予算は、3億円でスタート。
○北九州市立大学の参加プロジェクト
JARI の一員として参するプロジェクトは、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログ
ラム(自動走行システム)
」の一つで、プロジェクト名は「全天候型白線認識技術の開発
及び実証プロジェクト」である。
このプロジェクトは、雪、霧、雨などの天候状況に係らず、路肩の白線をミリ波レー
ダで確実に検知する技術の開発・実証を行う。
路肩の白線を認識することにより、道路からの転落事故を防止すること等事故の減少
を目的にするものである(資料2)
今年度予算は、0.9億円でスタート。
お問合せ先
九州工業大学
西田 健
准教授 093-884-3190
研究協力課:三浦 093-884-3017
北九州市立大学 梶原昭博
教授 093-695-3258
企画管理課:三宅 093-695-3311
資料1
「次世代高度運転支援システム研究開発・実証プロジェクト」に係る
高機能3D レンジセンサの研究開発について
九州工業大学大学院
工学研究院機械知能工学研究系知能制御工学研究部門
准教授
に し だ
西田
たけし
健
現在、世界中の自動車メーカーによる自動運転や運転支援システムの開発競争が激化し
ており、Google 社の自動運転車の発売予定時期も迫ってきた。また、カメラやミリ波レー
ダを用いる衝突回避システムを搭載した一般の乗用車が普及し始め、最新の展示会では自
動運転に向けた新しい技術が次々と発表されている。ここ数年で、もうすぐ自動運転が身
近なものになるのではという期待が膨んできた。
一方で、高度な運転支援や自動運転を現実のものにするためには、まだいくつかの技術
的課題が残されている。例えば、現在市販されている自動ブレーキシステムは悪天候時や
夜間には動作を停止するし、検知範囲も狭い。その弱点を補うことができるレーザーレー
ダ(レーザーを広範囲に照射し車の周囲環境を瞬時に計測する装置)は次世代運転支援シ
ステムにおいて必須のセンサーとして期待されているが、サイズが大きく価格が1000
万円以上もするため量産車への搭載は難しい。
このような状況の中、平成26年9月22日、九州工業大学は次世代高度運転支援シス
テムのための次世代レーザーレーダの検証実験を開始した。これは、経済産業省が統括し
日本自動車研究所(JARI)が推し進める国家プロジェクト「次世代高度運転支援シス
テム研究開発・実証プロジェクト」の再委託事業として行われる。 このプロジェクトは、
「ドライバーを理解する技術」
、
「車周辺の環境認識技術」
、
「セキュリティーに関する技術」
の3つの要素技術を国産化および標準化することを目指し、国内企業8社と九州工業大学、
名古屋大学が参加する大規模プロジェクトである。
今年6月に北九州学研都市に開設された「自動運転・安全運転支援総合研究センター」
の西田健准教授・榎田修一准教授(九工大)の研究チームは、この国家プロジェクトにお
いて新開発レーザーレーダの仕様決定や性能検証(センサー評価用障害物認識技術開発)
を担当する。また、北九州市や市内企業の全面的な協力を得て、自動車教習所や市街地で
の実証実験を行う予定である。西田健准教授は、レーザーレーダの膨大な計測データを瞬
時に解析する数学手法の提案者であり、榎田修一准教授は、路上で発生する様々な危険を
解析・認知する技術に多くの特許を有する。
産・学・官が連携するこのプロジェクトによって、世界中が注目する技術分野に新たな
潮流が生まれることが期待される。このプロジェクトの成果によって、安価に量産化され
た小型レーザーレーダが一般の車両に搭載されることになれば、自動運転は本当に身近な
ものになるだろう。
資料 2
戦略的イノベーション創造プログラム(自動走行システム)
:
全天候型白線認識技術の開発及び実証プロジェクトについて
北九州市立大学 国際環境工学部教授
かじわら
梶原
あきひろ
昭博
自動走行や安全走行で重要な技術として道路の車線(白線)に沿った走行を支援する車線
維持支援システムがある。例えば、ドライバーの居眠りや漫然運転等による車線逸脱が原
因と思われる交通死亡事故は国内では全交通死亡事故の約 20%、米国では 37%を占めてい
る。しかし現在実用化されている車線維持支援システムで使用されている車載カメラでは、
(人間の目と同様に)雨、雪、霧などの悪天候やトンネルの出入り口付近での急激な照度
変化に対して車線を正確に検知識別することが困難である。
このような状況の中、平成 26 年 10 月にドライバーの運転負担軽減や車線逸脱事故の大幅
削減を目的に、雪や濃霧などの悪天候や照度が急激に変化する環境下においても正確に白
線を検知識別する「全天候型白線認識技術及び実証プロジェクト」が開始した。本技術の
実用化によっていつでも、どこでも安定した自動走行が可能になり、またドライバーの運
転負担軽減や車線逸脱事故の削減に貢献することも期待できる。
本プロジェクトは内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムを経済産業省が管理する
国プロジェクトで(財)日本自動車研究所が全体取りまとめ役となり、北九州市立大学、
産業技術総合研究所、国内企業 3 社が参加する。北九州市立大学は全天候型白線認識識別
技術のコアとなるミリ波レーダ方式(注1)と認識アルゴリズム(注2)の開発を担当す
る。なお、国内でミリ波レーダの研究開発を行っている大学は少なく、北九州市立大学電
波応用システム研究室ではマイクロ波(注3)やミリ波レーダによる検知認識に関する多
くの特許を保有し、また様々な装置を開発している。
【参考】車載用カメラは右図
のように走行車線(白線)を
認識できるが、ブリザードや
濃霧などの悪天候時では前
方の走行車線を正確に検知
識別することは難しい。
現在実用化されている車線維持支援システムのイメージ図
注1:ミリ波とは、電波の波長による分類の一つで波長が 1mm~10mm の電波。
注2:アルゴリズムとは、車載レーダで受信した信号から路上の白線を正確に識別し、ま
た白線に沿って走行しているかを判断するための信号処理の方法や 手順。
注3:マイクロ波とは、電波の波長による分類の一つで、1cm~100cm の波長の電波をマイ
クロ波という。例えば、携帯電話では波長が 15cm のマイクロ波が用いられている。
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