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FM補聴器について(資料)

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FM補聴器について(資料)
FM補聴器について
FM補聴器の特徴
FM補聴器は,FM電波を使っています。
FM補聴器の最大の特徴は,FMマイクから入る音を電波にして,補聴器で受信するところです。
つまりマイクに向かって話をすると,その声が離れたところにいる人にも,補聴器を通してまるで
となりで話しているようにきこえます。
普通の補聴器では,話している人から離れれば離れるほど,声が小さくなり,その間の様々な音
が多くきこえるようになります。ですから,話している人の声をききわけるのは至難のわざです。
3つのモード
FM補聴器には,3つのモードがあります。
《Mモード》 FM電波は受信しません。
普通の補聴器と同じように,補聴器の内蔵マイクを通してすべての音を大きくし,きこえやすくしま
す。
《Fモード》 FM電波のみ受信します。
FMマイクからの音だけがきこえます。補聴器の内蔵マイクからの音はきこえません。だから,F
Mマイクのスイッチを切ると,何もきこえなくなります。
《Bモード》 FM電波も受信します。
FMマイクからの音も、補聴器の内蔵マイクからの音も、両方きこえます。
ただし、補聴器のマイクからの音は少し小さくしています。
FMマイクのスイッチを切ると、自動的にMモードになります。
ちょっとした話
FM補聴器を使っている人から、こんな話を耳にしました。
Fモードにしていると「なんか、ちょっと変だ。」という人がいました。わけをきく
と・・・、
「先生のお話はよくきこえるんだけど、わたしの声がきこえないの。」
なるほど、そうです。
Fモードでは、FMマイクからの音しかきこえないため、マイクから離れていると自
分の声がマイクまで届かないのです。
もしこんな話を子どもがしてきたら、Bモードにすることをおすすめします。
FM補聴器の扱い方
-1-
1 使いはじめる
①スイッチを入れる。(ON)
ボリュームダイヤルがスイッチを兼ねています。
「0」の位置がスイッチオフでダイヤルを動かすことで、スイッチがオンになります。ダイヤルの数
字が大きくなると、音量も大きくなります。
②適当なボリュームにする。
ききやすい音の大きさにボリュームダイヤルを合わせます。
フィッティングのときに設定したボ
リュームより大きくならないようにします。
③モードを選ぶ。
補聴器を使用する場面に合わせて、ききやすいモードを選びます。 (M・F・B)
2 使い終わる
①スイッチを切る。
(OFF)
ボリュームダイヤルを「0」にします。
②補聴器を休ませる。
補聴器は必ず乾燥剤を入れたケースに保管します。(補聴器には防水処理がしてないので汗な
どの湿気をきらいます。)
空気電池のはなし
補聴器等に使われるボタン電池に空気電池があります。
空気電池は、これまでの水銀電池より「長持ちする」ので、多くの方が使って いま
す。
ところが、この空気電池の取り扱いには注意が必要です。
新しい空気電池の+極には必ずシールが貼ってあります。それは、電池に空気の通る
小さな穴があいているからです。シールをはずし、その穴から空気に触れることで電気
を起こしているのです。
ですから、シールをはずしたままにしておくと、少しずつ電池が消耗していきます。
補聴器を保管するときは、電池を取り外し、貼ってあったシールを元通りに貼ってお
くと、電池がさらに長持ちします。
FMマイクの扱い方
1 使いはじめる
①スイッチを入れる。
(ON)
みどりのランプがつく。 →電池は充分です。
-2-
あかのランプが点滅(てんめつ)する。→ 電池が消耗しています。すぐに電池(単三乾電池)を取
りかえましょう。
FMマイクの位置は、口元から10㎝ ∼20㎝の位置になるように、ひもの長さを調節します。
2 使い終わる
(OFF)
②スイッチを切る。
みどりのランプが消える。
確認しましょう
FMマイクを使っていて、子どもがきこえていないようだったら、 次の3つのことを確認しましょう。
①外部入力切替スイッチが[MIC]になっていますか?
②チャンネルが合っていますか?
FM補聴器のチャンネル(本体に表示)とFMマイクのチャンネル(底部のチャンネルダイヤル)を
合わせる。
③FM補聴器のモードスイッチが[F]または[B]になっていますか?
効果的に使うために
FM補聴器の効果的な使い方を紹介します。
①教室の中
FMマイクのスイッチ( ON ・ OFF)は、こまめに切りかえる。
みんなにきいてほしい話をするとき、子どもに直接話しかけるときはFMマイクのスイッチを入れ
ます。( ON )
他の子どもに話しかけているときや、作業などをしているときはFMマイクのスイッチを切ります。
( OFF )
→そうすることで、子どもは「今は、きかなければならない話なんだ。」ということが意識しやすくな
ります。
友だちの話が、きこえるように本読み(音読)や意見発表など、一人一人の子どもが話すような場
面では、FMマイクを持った先生が、話している子どもに近づいてマイクを向けるようにします。
→そうすることで、友だちの話がきこえやすくなります。
②体育館
2通りの使い方があります。
-3-
使い方1
話をする人に、FMマイクを持ってもらう。
まわりのざわざわした音がきこえず、前で話している人の声がよくきこえます。
話し終わったら、FMマイクのスイッチを切り( OFF )、次の人へマイクを渡します。
入った( ON )ままだと、他の人との打ち合わせの話などがきこえてしまいます。
使い方2
マイクスタンドに、他のマイクと一緒にFMマイクをセットする。
入学式や卒業式、講演会など限られた人が話をするような場合には、この使い方をおすすめしま
す。
FMマイクのスイッチは入れた( ON )ままにしてかまいません。
③テレビをみる
CD・テープをきく
スピーカの近くに、FMマイクを置く。
テレビやCD・テープの音がよくきこえます。
スピーカとFMマイクの距離は、子どもの様子を確かめながら調節します。
電波は弱い!
FM補聴器で使われるFM電波は、音質がよく、雑音が少ないという特徴がありま
す。そのため、ラジオのステレオ放送にも使われています。
しかし、FM補聴器で使っている電波は、電波法の関係で、ラジオで使われる電波
ほど強いものではありません。ですから、FMマイクから離れすぎると(20m以上)
弱くなりますし、他の強い電波や障害物によって雑音が入ったり、途切れたりすること
があります。
教室の中でも、場合によっては雑音が入ったり、きこえなかったりすることがある
かもしれません。
そんなときは、先生が立つ位置を変えてみることで、雑音が入らずに、子どもによく
きこえるようになることがあります。
となりのクラスの先生の声がきこえる!
校内でFM補聴器を使っている子どもが、となり同士のクラスにそれぞれいると、
まれにとなりのクラスの先生が使っているFMマイクからの音がきこえることがありま
す。
このようなことは、FM補聴器に設定されているチャンネル(補聴器の本体に表示
されている)が、同じものを使っているときに起こります。
つまり、FM補聴器の受信範囲が約20mであることから、となり同士のクラスだ
と、お互いの受信範囲が重なってしまうためだと考えられます。
そんなときは、それぞれの子どもがとなり同士のクラスにならないようにすること
で解決できます。
-4-
外部入力端子の使い方
外部入力端子は、専用の接続コードから各種オーディオ機器につなぐことができます。
接続した後、FMマイクの切替スイッチを「 AUX 」にすることで、周囲の雑音が全く入らずにテレビ
やラジオなどの音を楽しむことができます。(音量は接続したオーディオ機器のボリュームで調節
します。)
また、この端子にラペルマイク(襟元につけて使うマイク)をつなぐこともできます。FMマイクを首
から下げていて、ふらふらしてじゃまになるような場合にはラペルマイクはとても便利です。
切替スイッチを
①「AUX」にする。
ラペルマイクからの音だけきこえます。
②「MIC」にする。
ラペルマイクとFMマイクの両方の音がきこえます。
いろいろ工夫して、より効果的に使いましょう。
心がけてほしいこと
子どもを理解し、適切な配慮をしましょう。
FM補聴器のよいところは、まわりの音にじゃまされず、FMマイクで話している人の声がよくきこ
えるところです。
きこえるといっても、話し声が音として耳にとどきやすくなるというだけです。その音を「ことば」とし
てききわけられるかどうかは、子どもの難聴の程度により差があります。
普通の補聴器でぼやけてきこえていた話し声が、FM補聴器ではっきりとした「ことば」としてきこ
えるようになるわけではありません。
ですから、FM補聴器を使っていても、学校生活においては適切な配慮が必要です。
必要な配慮
①友だちに理解してもらえるようにしましょう。
難聴のこと、補聴器のこと、通級していることなどを、先生はクラスの友だちに話し、その子が困
っているとき、わからないでいるときには、みんなで助けてあげるようにします。
②顔を向けて話すようにしましょう。
難聴の程度が厳しい子どもは、話す人の口元を見ながら(読話しながら)話の内容を理解してい
ます。読話しやすいように、子どもの方に顔を向けてはっきり話してあげます。
③視覚的な情報を多くしてあげましょう。
板書や視聴覚機器の活用は、理解の助けになります。いろいろ工夫して効果的に使うようにしま
す。
また、筆談も有効なコミュニケーション手段です。
トラブルへの対処
-5-
トラブル①ハウリングする。
(ピーという高い音がきこえる)
原因:イヤモールドが耳にきちんとはまっていないか、耳に合わなくなっていることが考えられま
す。
対処:はまっていないときは、きちんと耳にはめます。
合わなくなっているときは、イヤモールドを補聴器専門店で作り直してもらいます。
トラブル②FM補聴器から「ザーッ」という音がきこえる。
原因:F・Bモードで使っているときにきこえたら、補聴器の電池が消耗していることが考えられま
す。
F・Bモードで使っているときは、Mモードで使っているときより、電池が早く消耗します。
対処:電池を新しいものと交換します。
トラブル③FMマイクからの音がきこえない。
原因①:各スイッチの設定が合っていないことが考えられます。
対処:スイッチの設定を確認します。
〔FM補聴器〕モード切替スイッチ(B・F・M)
〔FMマイク〕外部入力切替スイッチ( AUX ・ MIC )
チャンネル設定ダイヤル( ABCDEFGHIJ )
原因②:FMマイクの電池が消耗していることが考えられます。
対処:電池を新しいものと交換します。
この資料は、金沢市立額小学校きこえの教室HP「FM補聴器の使い方」
〈 http://www.kanazawa-city.ed.jp/nuka-e/11kikoe/ear-ha/fm_siyou.html 〉より転載(一部修
正)しています。
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