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登戸学寮通信

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登戸学寮通信
登戸学寮通信
第 10 号
ごあいさつ
2015 年 12 月 7 日
発行人 山吉 智久
公益財団法人 登戸学寮
〠214-0032
川崎市多摩区枡形 6-6-1
TEL: 044-933-0819
E-mail: [email protected]
ゆうちょ銀行振替口座: 00180-2-12379
寮での行事紹介
◆ 11 月 29 日(日)15:00~17:00
師走に入り、今年も残すところあとわずかとな
秋の講演会 寮生活動支援 成果報告会
りました。皆様におかれましては、ますますご健
勝のこととお慶び申し上げます。平素は学寮に一
方ならぬご支援を賜り、誠にありがたく心よりお
秋の講演会は、外部から講師をお招きして開催
礼申し上げます。
することが恒例とのことでしたが、今年度は、
「寮
『登戸学寮通信』は 2014 年 5 月に刊行が開始
生活動支援」を利用して海外研修旅行を行った寮
され、これまでは寮における生活の様子の一端を
生が、それぞれの成果を報告する機会といたしま
主に寮生の保護者の方々に報告することを目的
した。
としてまいりました。日頃より学寮にご支援をい
「寮生活動支援」とは、学寮にお寄せいただい
ただいている方々には、年一回の『方舟』の刊行
ている寄付を元に、本年度より正式に整備された
がそれに該当する役割を担ってまいりました。し
制度です。人生において柔軟で多感な時期に、自
かし、昨今の情報化社会の中で、また 2012 年に
分とは文化的な背景や置かれている社会状況の
それまでの財団法人から公益財団法人へと移行
異なる人々とできるだけ多く関わり、日本にいる
し、学寮の運営の実施状況に関する報告がより広
自分やその周辺だけが「世界」では決してないの
く求められている事態を鑑みて、この度、『登戸
を知ること、またそのような出会いを通じて、人
学寮通信』を、より広く学寮にご支援くださって
間としてのあるべき姿を自ら発見し、形成しよう
いる方々への報告と感謝の場にもさせていただ
とすることが、今後より一層求められてきます。
くことになりました。
そのような主旨の下、国内外へのボランティア活
未だ試行錯誤の段階にあり、至らぬ点も多々あ
動、個人による海外研修、大学等の研究機関が主
ろうかと存じます。皆様からのご意見・ご要望を
催の海外研修など、寮生各自が主体的に行う活動
心よりお待ちいたしております。
に対して学寮が助成を行うものです。
今年度は、計三名の寮生の活動支援を行いまし
寮長 山吉 智久
た。秋の講演会では、その内、メキシコに研修旅
行に赴いた浪川優希さん、イギリスでの学会にて
発表を行った木原共さんの成果が披露されまし
た。
♦ ♦ ♦
1
高校時代から中南米に興味を抱き、大学でも
「途上地域における小農」に関心を寄せて学んで
いる浪川優希さんは、
「遠いようで近いメキシコ」
と題して、東京農業大学が主催したメキシコへの
研修旅行に参加した模様を、「農業研修」、「現地
大学」
、
「観光」の三つの側面から報告いただきま
した。
メキシコにおけるメイズ(トウモロコシ)やサ
ボテンの栽培、メスカル(リュウゼツランから作
られる酒の総称で、テキーラもその一種)の生産
の様子や、コーヒーを苗育成から収穫、焙煎、出
荷まで行う現地の農業経営の実情、1854 年に創立
され、農業分野に特化したメキシコ国内で最難関
の大学のひとつであるチャピンゴ自治大学とそ
の施設について、更には国立人類博物館、カテド
ラル、準国連機関の CIMMYT、世界遺産ティオテ
ィワカン遺跡を訪れたことが報告されました。
また、日本食企業「ミカサ」の例と共に、地理
的にははるか遠いメキシコに、日本の文化が馴染
んだ部分が数多く見られたこと、親日国家であり、
日系社会が構築されていることの中に、日本との
心理的な近さを見出したと結ばれました。
♦ ♦ ♦
木原共さんの「ロンドンでの学会発表を通して」
では、まず、彼が卒業研究として今年度当初から
実施してきた保育園での実地調査を元に、主に園
児たちの健康維持のための機器の開発を行って
きた経緯が説明されました。中でもウイルス感染
の予防に着目し、遊びながら正しい手洗いの方法
を学ばせる装置、紫外線 LED を用いて遊具殺菌
を行う機材の開発の成果が紹介されました。そし
て、それらをロンドンで開催された Include 2015
という社会実装の国際学会でポスター発表をし
た様子が報告されました。
また、この旅行の折に欧州のいくつかの大学の
見学も行った木原さんは、欧州の大学に学ぶ学生
たちが、自分の専門にとどまらない幅広い知識を
持っていること、ある機器の開発以前に、そもそ
2
も世界にどのような機器が必要であるか常に考
えている姿勢を目にし、文系と理系という形で早
い時期に自分の可能性を排除してしまいがちな
日本の教育のあり方を問うものとなりました。
お二人の詳しい報告は、
『方舟』第 56 号に掲載
いたします。ご期待ください。
講演会後の夕食会では、本年度 4 月より寮での
食事をご担当くださっている小林さん夫婦の提
案と協力によって、メキシコ料理のタコス、ロン
ドン名物のフィッシュ&チップスが振る舞われま
した。発表者の 2 人が赴いた国のそれぞれに特徴
的な料理に舌鼓を打ちつつ、2 人の発表について
振り返る語らいの場となりました。発表した側も、
来年度以降も、「寮生活動支援」を継続してゆ
聞いた側も、それぞれに良い刺激になったのでは
く所存です。今回の講演会に触発されて,我こそ
ないでしょうか。
は,と続く寮生が出てくることを期待しつつ、今
なお、今年度に助成を受けたもう一人の新川真
後ともこのような学寮の活動へのご支援をよろ
帆さんの報告は、来年度開催の黒崎幸吉記念キリ
しくお願いいたします。
スト教講演会でご披露いただく予定です。
3
聖書のことば
第 1 回 『詩篇』23 篇
ヘブライ語でテヒリーム(tehilîm、
「讃美」の意)
なぜなら、あなたが私と共にいる。
と呼ばれる旧約聖書の『詩篇』には、全 150 篇の
あなたの棒とあなたの杖、
長短の詩歌が収められています。そこには、神を
それらが私を慰める。
5
褒め称える讃美だけでなく、苦難の中で神に祈り
あなたはわが面前に食卓を整える、
訴える個人または民の嘆きの歌、感謝の歌、王の
わが敵たちの前で。
詩篇、知恵や教訓の詩篇などが含まれます。
あなたは油でわが頭を潤した、
これらの詩歌の中で繰り広げられているのは、
わが杯は満ち溢れる。
6
古 代イ スラ エルの 人々に よる 神ヤ ハウェ との
まことに、善と慈愛が私を追う、
数々の「対話」です。時に「あなた」と語りかけ
わが生命の日々のすべて。
られる神は、大いなる自然の営み、それらを生み
私はヤハウェの家に帰る、
出した創造の業、個人や民がたどった歴史などの
長き日々にわたり。
中にその姿が探し求められ、また見出されたので
す。
本詩は、4 節の「なぜなら、あなたが私と共にい
新約聖書にも『詩篇』は数多く引用されていま
る」という神への「信頼」の言葉を中心として構
す。ナザレのイエスが十字架につけられて絶命す
成されています。そして 1-3 節では牧者、5-6 節で
る前に大声で叫んだとされる言葉「わが神、わが
は客人をもてなす主人として神ヤハウェを描き
神、なぜわたしを見捨てたのですか」は、
『詩篇』
出しています。
22 篇の冒頭部分(2 節)を想起させます。
よき牧者は、無力で無防備な羊に対し、一匹に
『詩篇』は、ユダヤ教やキリスト教において今
至るまで配慮を行き届かせます(エゼ 34:2-3、マ
なお重要な位置を占めており、典礼・礼拝の中で、
タ 18:12-13、ルカ 15:4-6)。そんな牧者に率いられ
ある定められた詩篇が朗読される伝統は現在も
る羊は、飲食に困らず、羊飼いが手にする杖によ
受け継がれています。
って常に見守られ、導かれているのです。
♦♦♦
とかく「役に立つ/立たない」で判断されるこ
そのような数々の作品の中から、今回は『詩篇』
の時世、世に捨てられて助
23 篇をご紹介します。
けを失い、進むべき道を見
失うことも少なくありま
1
2
3
4
ダビデの歌。
せん。すべての被造物を
ヤハウェはわが牧者、
「良し」(創 1:31 参照)と
私は欠くことがない。
した絶対への信頼は、時を
かれは私を若草の牧地に伏させ、
超えてわれわれにも語り
かれは私を憩いの水に導く。
かけます。そこには価値の
わがいのちを彼は連れ戻す。
あるなしを超えた、存在そ
かれは私を義の路へと導く、
のものに対する肯定、そし
かれの名のゆえに。
てその存在に対する庇護
暗黒の谷を行くときも、
がたたみ込まれているの
私は悪を恐れない。
です。
4
よき牧者の像
(4 世紀、ローマ)
ヴァチカン博物館蔵
ご案内
○2015 年 12 月 19 日(土)
、大島富士子さん(ソプラノ)
、
○7月に、学寮のホームページをリニューアルいたしまし
永島陽子さん(アルト)、長崎麻里さん(ピアノ伴奏)を
た(アドレスは、http://gakuryo.or.jp/です)
。寮での食事
迎えて、クリスマスチャリティーコンサート「デュエット
紹介「登戸 Kitchen」など、新コンテンツも充実です。
の夕べ」を予定しています(開場 18 時半、開演 19 時)
。
入場無料・自由献金となっております。
○先般、拙論「祭儀台からのぞ
く聖書時代の宗教生活」が収録
された書籍『聖書の世界を発掘
する―聖書考古学の現在』、上
智大学キリスト教文化研究所
編、リトン、2015 年(四六版
並製 本体 2,000 円)が刊行さ
れました。
入寮のご案内
登戸学寮では入寮をご希望される方を随時受け付けています。
入寮をご希望される方、検討されている方は、お気軽に以下の
お問い合わせ先までご連絡ください。
なお定員を満たした場合には、受付を締め切らせていただきま
すのでご了承願います。
・電話でのご相談(11:00~20:00):044-933-0819
・メールでのご相談:[email protected]
初期費用
内
訳
入寮費
預り金
金
額(備
考)
15万円
(入寮時のみ。契約更新手数料はありません)
3万円
(退寮時の清掃費・補修代。精算し余剰金がある場合は返金)
寮費
1 ケ月の費用
住居費
食費(朝・夕)
共益費
合
計
その他実費
男子寮 A タイプ
男子寮 B タイプ
女子寮
広さ 約 5.4 畳
広さ 7.8 畳
広さ 6.2 畳
部屋数 18 室
部屋数 6 室
部屋数 15 室
55,500 円
58,500 円
60,500 円
13,500 円(日曜は夕食なし、祝日・閉寮期間(注 1)
の食事はありません)
2,300 円(水道・ガス、および共用施設の費用)
71,300 円
74,300 円
76,300 円
個室の電気代実費
乾燥機の使用料=1 回につき 100 円
(注 1)閉寮期間は年度によって異なります
2015 年度は
夏期:8 月 1 日~9 月 12 日
冬期:12 月 25 日~1 月 6 日
春期:学期末~次年度初め
5
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