Comments
Description
Transcript
B-05 放電プラズマ焼結法を用いたカーボンナノコイル添加 炭化ケイ素の
B-05 放電プラズマ焼結法を用いたカーボンナノコイル添加 炭化ケイ素の作製とその評価 化学環境部 化学材料系 化学環境部 ○ 長谷川泰則、垣辻篤、久米秀樹 野坂俊紀 研究背景 CNCを活用した複合材料 カーボンナノコイル(CNC ) カーボンナノコイル(CNC) カーボンでできたコイル形状のナノチューブ ○ 高分子(樹脂)との複合化: これまでいくつかの報告あり。 例) 電磁波吸収材、触覚センサ等 優れた機能性フィラー として期待! <主な特長と考えられる用途> ・軽量 一方・・・ ・高い電気伝導性 ● セラミックスとの複合化: ⇒ 透明導電膜、燃料電池・キャパシタの電極材 これまで報告はほとんどなし。 ・優れた機械的性質 (強靭なバネとしての強度) ⇒ 構造材や制振材、等 高付加価値を付与した CNCとセラミックス ・電磁波に活性なコイル構造 新規なセラミックス とのナノ複合化 ⇒ 電磁波吸収材、等 1 µm の創製 研究内容 実験方法 代表的な高温構造材 SiC粉末とCNCとの混合:スラリー混合法 (分散剤は使用せず) SiC (炭化ケイ素) 長所: 高硬度・優れた耐熱性及び耐食性、等 短所: 難焼結性・低強度、等 SiC-CNC混合粉体の焼結:放電プラズマ焼結法* (焼結前の予備加圧はなし) 強化材として CNC SiC-x CNC焼結体 (x: CNC添加量, wt%) CNC添加SiC (SiC-CNC)複合材料 又、比較として同条件にてSiCにB-C系焼結助剤を添加した試料も作製。 *) 一軸加圧下でON-OFF直流パルス通電を用いた加圧焼結法。 短時間で緻密な焼結体を得ることが可能。 CNCがSiCの機械的特性に及ぼす効果を検討 研究結果 SiC-5CNC 相対密度:84% 40 SiC (B-C系焼結助剤入り) 相対密度:81% 相対密度:100% 1800℃ 相対密度:99% 焼結助剤は未使用 相対密度:90% 20 ○: 1800℃焼結 ●: 2000℃焼結 UP 10 0 SiC SiC SiC -5CNC (助剤入り) CNCの添加により、 ・ 助剤を使用せずに、微細な粒子からなる緻密なSiC焼結体が得られた。 ・ SiCやSiC(焼結助剤入り)と比較 し、硬度は大きく向上。 (← 粒子の微細化、緻密化等による効果) SiC結晶粒成長 を抑制・緻密化 2000℃ UP 30 硬度 (GPa) SiC ビッカース硬さ 一般的なSiC焼結体 焼結体の破断面 破壊靭性(ねばり強さ) 総括 IF法 (圧子圧入法, 新原の式)*により算出 *) ビッカース圧子を試験面に押し込むことで生じる圧痕及び、クラックの長さを測定することで靭性を求める方法。 SiC (焼結助剤入り) 3.0 MPa・m1/2 高靭化 SiC-5CNC 5.8 MPa・m1/2 高靭性セラミックスに特有 クラックは粒界、 粒内を無差別に直進 クラックの偏向、ブリッジングを確認 CNC添加SiC複合材料 難焼結性のSiCセラミックスに対し、CNCを添加する ことで ・ 硬度は大きく向上 (⇒ SiCの長所を伸ばす!) ・ 焼結助剤を使用せずに緻密でかつ高靭性化 (⇒ SiCの短所を改善!) 新規な高温構造材料や耐磨耗材料 としての応用を目指す