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NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE Title 外国人の原爆意識 (そのⅡ) -1972年におけるアンケート調査- Author(s) 岩松, 繁俊 Citation 経営と経済, 53(2), pp.1-52; 1973 Issue Date 1973-09-30 URL http://hdl.handle.net/10069/27892 Right This document is downloaded at: 2017-03-30T00:46:32Z http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp 外国人の原爆意識(そのⅡ) 1 外国人の原爆意識(そのⅡ) −1972年におけるアンケート調査− 岩松繁俊 1 1970年より71年はじめにかけて,長崎市民(被爆者と非被爆者の双方)に ついて,原爆にかんするアンケート調査をおこなったこと,および,1970年 8月と71年8月には,外国人(主として旅行者)を対象とする原爆アンケー トをおこなったこと,については,すでに,拙稿「原爆被爆26年後の別奇 −原爆アンケートの暫定的集約−」(『経営と経済』123号所収),およ び,「外国人の原爆意識−街頭アンケートの暫定的獅勺−」(『経営と経 済』124号所収)で報告したとおりである。 本稿は,1972年8月より同年末までのあいだに,長崎や東京などにおいて 遭遇した外国人を対象としておこなったアンケートにたいする回答につい て,報告することを目的とする。 外国人にたいするアンケートの必要性と目的とは,すでに拙稿「外国人の 原爆意識」にのべたとおりであって,ここにくりかえすまでもない。ただ, その方法については,前回とはことなるので,若干説明しておかなければな らない。 まず,今回のアンケートは,質問と回答の両方とも,口頭によらず,文語= によって,おこなった。しかも,その文書アンケートも,1971年のアンケー トにおいて部分的にもちいた方法とはことなり,対象者に質問用紙をわた し,対象者はそれをホテルなどの宿泊所にもちかえり,ゆっくり考慮したう えで回答し,ポストに投函するという方法をとった。そのために,回答欄を もうけた質間用紙のほかに,回答返送用の封筒を同封した大型封筒を,遭遇 した外国人に手わたすという方法をもちいた。71年のばあいは,文書アンケ 2 経営と経済 ートをじかに示して,その場で回答してもらったために,回答する側とし ても,じゅうぶん考慮する余裕がなかったし,また,詳細に回答する時間的 ならびに心理的余裕をもたなかった。今回は,こういう方法によって,それ らの欠陥を回避しようとしたのであった O 第 2に,今回のアンケート実施時期は 8月 9日 l 乙限定せず 8月はじめ より年末まで,かなりひろい期間にわたることとした D 第 3!こ,今回のアンケートの実施場所は,長崎市のみに限定せず,東京や 佐世保市においてもおこなった口 第 4!こ,今回のアンケートの対象は,外国人旅行者に限定せず,居住者や 原水禁大会への出席者にも拡大した。とくに,前回は厳格に除外した原水禁 活動家の意見を問うたのは, ( 1 )原水禁活動家と直接接触する機会をもった乙 とから,かれら自身のかんがえかたを知りたいとおもうようになったこと, ( 2 )かれらのかんがえを他の一般的市民のそれと比較して知ることもまた,有 3 )か れ ら の か ん が え を わ が 国 の 活 益であろうとかんがえたこと,そして, ( 動家のそれと比較することが可能となるであろうと判断したこと,にもと づく o 木市においては,前-1%とおなじく,回答者の郵送による回答の全文を,省 略することなく,すべて紹介することとしたい。いくつかの類型に整理し て,集計することが,回答のもつある方向性を析出するためには,有効かっ 必要であるが,本稿は,読者の自由な目的に応じたあらゆる統計的操作にゆ だねるべく,素材のままを提供することとしたいのである。 2 アンケートの配布数は 85部,回収数は 29部であった。したがって,回収率 4 9 6であった O 前述のように,大型封筒のなかに質問用紙と回答返送用封 は3 筒(切手添付)を同封してわたし,それに回答するかいなか,投函するかい なかは,まったく回答者自身の自由芯志にまかせたのであるが,そういう方 法をとったアンケートとしては,この回収率は,それほど低率のものとはい えないであろう。 外国人の原爆意識〈その l l ) 3 29通の回答は,わたしの手許への到着I J 買に配列する o 回答者の氏名は問わ ないこととしたので,すべて不明である D したがって,回答者は,配列の順 序にローマ数字であらわすこととしたい。 ちなみに,回答者の国籍を分類してみると,国籍について回答しなかった 3名をのぞき,他の 2 6名の内訳は,つぎのとおりである。 アメリカ人 =18名:エジプト,マレーシア,イギリスニ各 2名:ドイツ, スイスニ各 1名 職業別にみてみると,職業について回答した 22名の内訳は,つぎのとおり である O 教師二 7 クエーカー教徒二 2 軍人ニ 2 学生二 2 平和組織事務局長 = 1 州議会議員二 1 学者二 1 音楽家 = 1 ・・牧師二 1 ビジネスマン二 1 社会活動家ニ 1 主婦二 1 看護婦 = 1 アンケートの項目数は, 23であった口本杭においては,アンケートの君子号 をアラビア数字であらわすこととしたい。 以下,これらの各項目について,回答者がどのように凶答したか,を制介 してゆくが,どの回答者がどの設問にたいしてどのように回答したかを,明 確にするために,回答には,回答者の番号(ローマ数字)とアンケート項目 の番号(アラビア数字)とを組合せた符号をつける(たとえばのひとの (1) への回答は, (1 1)とする) 0 このアンケートは,はじめ,わたしが日本文で作成し,それを長崎大学向 業短期大学部の沼野他氏におねがいして,英訳していただいた。回答:文は, すべて英文でかかれていたが,その日本語訳の草稿を,やはり,山野氏にお ねがいした 3 しかし,その沢の最終稿はわたし自身が執筆したので,沢の立 任ばわたしにある D 3 (1) 1"あなたは,ヒロシマ・ナガサキの原爆被爆について,およそ何年 ぐらい前に,知るようになりましたか。」 (1 1) 1 9 4 5年原燃投下前後。 経営と経済 4 ( I I 1) 向上 ( i l l 1) 向上 ( I V 1) 向上 (V 1) 1955年ラッセノレ=アインシュタイン宣言のあと o ( V I 1) 1945年原爆投下直後。 ( V 1 I 1) 1950-51年朝鮮戦争のころ。 ( 四 1) 向上 ( ] X 1) 1945年原爆投下直後。 (X 1) 向上 ( X I 1) ものどころがついたころ O ( X I I 1) く 答 え な し > ( X I I I 1) 1965年アメリカが北ヴェトナムへの爆撃を開始したころ。 (XIV 1) 1952年サンフランシスコ平和条約発効の乙ろ。 (XV 1) 1945年原爆投下直後。 (XVI 1) おぼえていない。 (XVII 1) 向上 (XVIII 1) 1950-51年朝鮮戦争のころ。 (XIX 1) 1954年ビキニ水爆実験のあと D (XX 1) ものどころがついたころ O (XXI 1) おぼえていない D (XXII 1) 向上 ( X X I I I 1) 1965年アメリカが北ヴェトナムへの爆撃を開始したころ。 (XXIV 1) 1956年核兵器・ミサイノレ競争が激化しはじめたころ。 (XXV 1) 1945 年原爆投下直後。 (XXVI 1) 向上 (XXVII 1) 向上 (XXVIII 1) 向上 (XXIX 1) おもいだせないくらいずっと前に。わたしは 1950年に生れ ました。 外国人の原爆意識(その l l ) 5 以上でみると,原爆投下の事実を投下直後に知ったというひとが圧倒的に 2名もある。投下直後と答えなかったひと(17名)の 多く,回答者29名中, 1 なかでも, 1 9 5 4年のビキニ水爆実験以前に知っていた,と答えたひとが意外 に多く 4名ある。逆に,ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下を,アメリカの ヴェトナム民主共和国への煤~~のころになってはじめて知ったというひと が,非常にすくなく,わずかに 2名である。 この乙とは,ヒロシマ・ナガサキの原爆は,相当に早くから,相当多くの 外国人に知られていたということをしめしているであろう。 1 9 4 5年にすでに原爆投下を知っていたという田容をよせた 1 2名のひとの国 籍をしらべてみると,アメリカ =7 イギリス = 2 エジプト = 2 不 明 = 1である(ただし,この不明者は,他の項目への回答から推測して,アメリ カ人であると判断してまちがいない。) アメリカ人の多くが,自国政府および軍部による原爆投下の事実を早くか ら知っていたのである O (2) r あなたは,どういう方法によってこの事実を知りましたか。」 (1 2) ラジオ。 ( I I 2) ラジオ。 ( i l l 2) 新問,ラジオ。 (N 2) ラジオおよび両親。 (V 2) 学校の歴史の時間。 ( V I 2) 新聞,ラジオ,平和運動。 ( 四 2) 新聞,学校の歴史の時間。 ( ¥ l l i 2) 学校の歴史の時間。 ( I X 2) 新聞,ラジオ o (X 2) 新!日L ラジオ。 ( X I 2) 学校の歴史の時問。 ( X I I 2) < 無 回 答 > ( X I I r 2) 学校の歴史の時問。 ( x r v 2) 新聞,学校の歴史の時問。 経営と経済 6 (XV 2) 新聞,ラジオ。 (XVI 2) 両親の話。わたしの母は日本人。 (XVII 2) 新聞。 ( X V I I I 2) 学校の歴史の時間,両親の話。 (XIX 2) 学校の歴史の時間,両親の話。 (XX 2) 古物。 (XXI 2) 平和運動,両親の話,苫:物。 (XXII 2) テレビ,両親の話,書物。 ( X X I I I 2) 学校の歴史の時間。 (XXIV 2) 新聞,ラジオ,テレビ。 (XXV 2) 新聞,ラジオ C (XXVI 2) 新聞,ラジオ。 (XXVII 2) 新聞,ラジオ。 (XXVIII 2) 新聞,ラジオ。 (XXIX 2) 学校の歴史の時間,両親の話,および親や教師との会話。 原爆使用の事実を知る乙とができた情報媒体としては,新聞(13 ) オ(13 ) 学校の庇史の時間(10 ) ラジ 両親の話 (7)が主要なものである O 何を媒体としたか,ということは,そのひとの国籍により,また年代によ ってことなるのであって,乙れらの点との関連において,みる必要があるで あろう。乙のアンケートにおいては,年齢をたずねなかったので,回答者が 乙属するかは不明である口 どの世代 l そこで,国籍だけについてみると,新聞と答えたひとの国別内訳は,アメ リカ = 8 イギリス =2 マレーシア, ドイツ=各 1 不 明 =1 (前述のよ うに,これはアメリカ人と推定される)となっている。乙こでは,アメリカ 人のしめる比率が大である。 ラジオと答えたひとの国別内訳は,アメリカ =8: イギリス,エジプト= 各 2 不明 1,となっている D ここでも,アメリカ人のしめる比率が大で、 ある。 この結果を,前回のアンケートの結果とくらべてみると,一見,いちじ 外同人の原爆意識(その I I ) 7 るしくことなっている o すなわち,すでに拙稿「外同人の原爆意識 J89ペー ジにのべたように,前回のアンケートから,ひきだしたひとつの結論は,そ のアンケート数のあまりの本少性から,一般的結論ということはけっしてで きないが,概略的にいって, Iアメリカのマスコミの一般的姿勢の後進性」 という乙とであった。 今回の調査で,マスコミによって知ったというアメリカ人が,どの時点で 9 4 5 :VI=1955: I X,X 知ったのか,という事実までしらべてみると, IV=1 =1 9 4 5:XIV=1 9 5 2:XV= 1 9 4 5:XXIV= 1 9 5 6:XXVI,XXVII,XXVIII= 1 9 4 5,となる。 1 0名中 7名までが, 1 9 4 5年の時点で,このことをマスコミ 9 5 6年までに によって知っているわけである。他のひとびとも,おそくとも 1 知っている O 逆に, 1 9 4 5年にすでにこのことを知っていたアメリカ人をしら べてみると,かれらは,すべて,マスコミによってこれを知っていることが わかる。かれらは,当時,新聞やラジオによって,戦争ニュースを収集して いた年代に属するのであろう O すなわち,当時,マスコミによって,戦争状 u 況を知りうる 切ににあったものは,すべて,原爆投下の事実をマスコミによ って実際に知っていた,ということができるであろう O これに反し,学校の歴史の時間や両親の活, i l i :物によって知りえたアメリ カ人は,どの時点で知りえたか,をしらべてみると, V=1955:沼=ものど こ ろ が つ い た 乙 ろ :XIV=1952:XVI=おぼえていない: XVIII= 1950- 5 1:XX=ものどころがついたころ:XXI,XXII=おぼえていない: XXIII= 1 9 6 5:XXIX=ずっとがj(19 5 0年生れ) , となっている O マスコミ以外の方 9 4 5年にはまだ生れて 法で知りえたひとびとは,乙れであきらかなように, 1 いないか,あるいはものごころがついていないほどの若い世代に民するとい うことができる o XIVだけは,学校の教師と新!日!との両方から知りえたが, 9 5 2年ごろ, かれは, 1 r w 孫 ↑W t } lと関心をもつほどの世代に成長し,新聞を読 む能力を身につけはじめたのであろう口かれも, 1 9 4 5{fにはまだものどころ t代に回していたはずである。 がついていない↑ ! このようにみてくると,今同の調査とが]回の調査との外見的な和述にもか かわらず,結論としては,ほとんど同一であるという乙とができょう。すな 8 経営と経済 わち, 1 9 4 5年にはまだ生れていないか,幼なかった世代のアメリカ人は,教 室での先生の話や両親の話,書物によって(非マスコミ的媒体によって) , はじめて原爆を知ったという乙とである D 戦争の事実の認識と戦争批判の継 丸 承が,教師や両親や図書館によってなされるという乙と l 、教育グと、教 師グの役割の重大性をつよく示唆している。 今回の調査では,アメリカ以外の国でも,ほぼおなじことがいえる D すな わち,世代による媒体の相違である O しかし,対象数があまりにもすくない ので,これをもって,ただちに一般化することはゆるされない。 (3) 1"あなたのお国のかたがたは,この事実をよく知っていますか。」 (1 3) はい,知っています D ( I I 3) 向上 ( i l l 3) 同上 ( 町 3) 向上 (V 3) いいえ,よくは知りません。 ( V I 3) はい,知っています。 n 直 3) いいえ,よくは知りません。 ( 四 3) 同上 ( ] X 3) はい。しかし,実際にくわしいことを知っているもの,あるい は被爆者を知っているものは,ほとんどいません。 0 (X 3) は し' ( X I . 3) 向上 ( X I I 3) 向上 ( X I I I 3) はい。しかし,かれらは,爆撃されることがどんなととかを 知っているわけではありません。 (XIV 3) はし、。 (XV 3) 向上 (XVI 3) いいえ。 (XVII 3) は し' 0 ( X V I I I 3) 向上 9 外国人の原爆意識(その I I ) (XIX 3) 向上 (XX 3) 向上 (XXI 3) 向上 (XXII 3) 同上 (XXIII 3 )向上 (XXIV 3) 向上 (XXV 3) 同と (XXVI 3) 向上 (XXVII 3) 向上 (XXVIII 3) 同上 (XXIX 3) 向上 29名中, 25名もの圧倒的多数のひと ( 8 6必)が,自国のひとが原限投下を 知っている,と答えている。その国別内訳をしらべてみると,アメリカ =16 :エジプト,イギリス=各 2 ドイツ,スイス=各 1 不 明 =3,である。 Xと四だけは,知ることの深さの程度を問題に ただ,これらの回答者中, I し,その認識が表面的にすぎないことを指摘している。 この認識の程度をもっと徹底して問題にしていけば,結局,かれらは,知 っているつもりでいても,実際には知らないのだ,というきびしい判断にい たらざるをえないであろう。おなじアメリカ人でありながら,ノーと答えた ひとがふたりもあったという乙とは,このことをしめしている O 自国をかえりみて,原爆についての無知を明確に指摘したひとは,マレー シアのふたりであった。かれらは,原水禁大会に出席した若い夫婦であった (夫は 30代前半,安は 20代後半とおもわれた) 0 (4) r あなたのお国のマスコミは,原爆の恐怖や被害について,じゅう ぶん報道している,とおもいますか。」 (1 4) はい,しているとおもいます。 ( I I 4) 向上 ( I I I 4) 向上 ( 1 V 4) いいえ o 1 0 経営と経済 (V 4) 向上 ( V I 4) よくわかりません。 ( 四 4) いいえ。 ( 四 4) 向上 ( ] X 4) はい。ときどき,よく報道しています。しかし,たびたびくり かえす必要があります。 (X 4) いいえ D ( 沼 4) 同上 ( X I I 4) < 無 回 答 > ( X I I I 4) いいえ。しかし,なぜそのような乙とをすべきでしょうか。 (XIV 4) いいえ。 (XV 4) はい。 (XVI 4) いいえ。 (XVII 4) は し 、 。 ( X V I I I 4) 向上 (XIX 4) 向上 (XX 4) いいえ。 (XXI 4) 向上 (XXII 4) はい。 (XXIII 4) いいえ o (XXIV 4) 同上 (XXV 4) はい口 (XXVI 4) いいえ。 (XXVII 4) 向上 (XXVIII 4) はい。 (XXIX 4) いいえ。報道はされているのですが,詳細についてではあ りません。 第 3聞の回答と比較して,本間への回答は,マスコミの姿勢にたいし,か 6名 =55必)。前回の調査に比較しても, なり批判的であるととがわかる(1 外同人の原爆意識(その I I ) 1 1 マスコミへの批判的態度がかなりめだっている。 とくに,アメリカ人のマスコミへの姿勢をみてみると,原爆報道に満足し ているひとは,わずかに 5名 D それに反し,じゅうぶんでないとかんがえる ひとは 1 3名と, 2.5倍以上の多数をしめている D これは,前回の調査と比較 して,いちじるしく乙となる点である O ひとつには,回答者の原爆問題への 関心がたかまったことがあげられようが,また,他国,多くのひとにその不 じゅうぶんさが指摘されるほどに,マスコミが原爆について報道する呈と質 が劣弱である乙とをしめしているであろう口 (5) i あなたは,つぎの場所をたずねたことがありますか。 a 長崎の 原爆爆心地 b 平和祈念像 C 原爆資料室 もしごらんになっていれば,こ感想をどうぞ。」 (1 5) いずれもみました。 ( l l 5) いいえ。 ( i l l 5) いずれもみました。 ( 1 V 5) まだ長崎へいったことがありません。しかし,今年は原水禁の かたがたと長崎へいき,こ乙にしるされている場所をおとずれるつもりで す 口 (V 5) < 無 回 答 > ( V I 5) いずれもみました。 ( V I I 3) いいえ。 ( 咽 5) いいえ。 ( ] X 5) いずれもみました。広島にあるのもみました。 (X 5) いずれもみました。非常に乙乙ろをみだされました。軍国主義 と戦争に反対するために努力せねばならない必要性を痛感しました D ( 氾 5) < 無 回 答 > ( X [ 5) いいえ。 、死者に死人を葬らせよう o グ ( X I I r 5) いずれもみました o わたしは,およそ 30年もまえにおこった 殺りくのこのようなおそろしい光呆を展示する必要はないとおもう o それは 1 2 経営と経済 平和への答えにはならない。 (XIV 5) a .b . をみました。わたしは広島の記念館もたず、ねました。 ほんとうにおそろしく,そして気持をいらだたせるものでした o (XV 5) いずれもみました。原爆の影響の事実的・論証的な印象。 (XVI 5) いずれもみました。資料館は教訓的で,悲しく,そしてここ ろをうつものがあります。それに,原爆のおそろしさの記録的な証しとして 役だっています。平和資料館は,また,非常にこ乙ろをうどかすものでし た。しかし,観光旅行者向きに堕しているようです。おとずれるひとびと が,はたして,ほんとうに畏怖によって印象づけられたかどうか,また,そ れらの場所が悲劇を永遠に忘れさせないものとして役だっているかどうか, についてのべることはむずかしい。 (XVII 5) a .と c . をみました。原水爆の生産をやめ,すでに生産さ れた原水爆を破壊せよ。 (XVIII5) b . をみました。 (XIX 5) いずれもみました。わたしは, これらの場所をおとずれて, たいへん感動しました O わたしは,これらの事実をひとびとにおもいださせ ることは,いい乙とだとおもいます。平和祈念像と資料館はすばらしい。 (XX 5) b . のみみました O わたしは,アメリカ人として,乙のような 場所をおとずれるのを非常に奇妙におもいます。しかし,それは,平和の感 情と将来戦争をなくせるという希望とで,わたしをみたしてくれました。 (XXI 5) いずれもみました D わたしは資料館を訪問して,ふかい悲し みを感じました。そこにあった写真のいくつかは,数日間,わたしをなやま せました。英語の説明がもっとたくさんつけてあれば,もっとわたしの役に たったでしょう D わたしは長崎に住み,長崎をよく知っていますので,わた しは,原爆時とそのあとの写真をじっとみつめました O わたしの国(政府) がそんなに残忍で非人間的であったととが,わたしを悲しませました。し かし,それは,わたしが生れる以前におこった乙とです。わたしは,第 2次 世界戦争中,まだ生れていませんでした。わたしは,アメリカで,まだ日本 をおとずれたことがなく,そして何がお乙ったかをみたととのないひとびと 外国人の原爆意識(その I I ) 1 3 が,原爆を正当化するのをきいたこともあります。しかし,正当化できるも のではありません。 (XXII3) いずれもみました。原爆公園と平和祈念像とは,死者や被爆 者にとっては,もろい記念碑にすぎません。しかし,資料館のほうは, 1 945 年 8月 9 日の人間の悲劇一一長崎のひとびとの名状すべからざる苦痛と破壊 一ーを強調しています口わたしの印象は,損失と悲しみと静かな怒りのそれ でした。 ( X X I I I 5) 日本を去るまえにたずねるつもりです。 (XXIV 5) たずねたことはありません,たずねてみたいとおもいま す 。 (XXV 5) いずれもみました。 (XXVI 5) いずれもみました。もちろん恐怖。 (XXVII 5) いずれもみました。非常に感動しました。 (XXVIII 5) いずれもみました。わたしたちは,破壊の証拠につよく 印象づけられました。このようなことが 2皮とおこらないように,とのみな さんの希望に賛同します。 (XXIX 5) b . のみみました O アメリカ人として,このような場所にい ることは,はずかしく,ぎこちなく感じました。そして,日本に原爆をおと した責任は,わたしの国にあるとおもいました。 以上であきらかなように,原爆投下とその残酷な惨害を証拠づける三程の 、記念物グをみた外国人の印象は,ほとんどのばあい,強烈であり,投下国 の責任の追及と核兵涼への憎悪,平和への念願の感伯でみたされている口そ して,このような、 i 記念物グを展示することをたかく評価している o ただ, XVI氏は,これらの、記念物グ展示について, Y;&光旅行者むけに商 業化している傾向があることを,卒直 l 乙指摘している口乙の指摘は,長崎市 をつくものであっで, の原爆にたいする真剣なとりくみの盗卦の欠如 l nm:な J E見である。原係資料が市商工部の { ril 山乙属する国際文化会館のなかに隙列 されており,しかもそれを所 i目する jW~ 只が商工部に所同するという事宍が, すでにこ ω欠陥を立証している Q 1 4 経営と経済 しかし, X1n氏のみは,この原爆、記念物グにたいして,まったく逆行的 な意見をのべている O 同氏の意見が反動的逆行的なのは,なにもこの第 5問 にたいしてだけではない。第 4間への回答も,すでにのべたように,反動的 で非論理的,なげやりで不真面白なものであった o 氏のかんがえかたは,京 の意味での懐疑主義からさえほど速いものである。それは,第 6間以下の問 にたいする回答にもあらわれてくるであろう。 (6) i あなたは,原爆がどのような物理的作用によって多数の市民を殺 傷したか,ご存知ですか。」 し 可 。 (1 6) は ( I I 6) いいえ。 し 1。 ( 1 l I 6) は ( 町 6) 向上 (V 6) 向上 ( V I 6) 向上 ( 四 6) 向上 ( 四 6) 向上 C I X 6) 向上 (X 6) 同上 ( 沼 6) < 無 回 答 > ( X I I 6 )はい。 (X1n 6) 向上 (X1V 6) いいえ D (XV 6) はい。 (XV1 6) 同上 (Xvn 6) 向上 (XVII1 6) 向上 (X1X 6) いいえ。 し 、 。 (XX 6) は (XX1 6) 向上 1 5 外国人の原爆意識(その I I ) (XXII 6) 向上 ( X X I I I 6) 同上 (XXIV 6) 向上 (XXV 6) 向上 (XXVI 6) < 無 回 答 > (XXVII 6) 知りません。 (XXVIII 6) はい。 (XXIX 6) 同_ C . この初歩的質問にたいしては,予想したように,多くのひとが,知ってい 2 3名 , 7 9タ 6) 。知らない,と回答したひとは,わずかに 4 る,と回答した ( 名(14劣)で,無回答とあわせても 6名にすぎない。 しかし,乙れは回答者本人の主観的判断を問うたのであって,その判断が どのような判断であるのか,そしてその判断が客観的に正しいかどうか,と 3名がす いう点にふれるものではない。したがって,知っていると回答した 2 べて,正しい認識をもっているというわけではない。乙こからいえること は,ただ,ほとんどすべてのひとが,自分は原爆の殺傷作用がどのようなも のであるかを知っている,という自信をもっている,という乙とだけであ る 。 (7) I 原爆症が何によって生じたか,ご存知ですか。」 (I 7) は し' 0 ( I I 7) いいえ。 ( i l l 7) は し' 0 ( 町 7) はい。ただし,概略です。 (V 7) は し' 0 ( V I 7) 向上 ( 四 7) はい。放射能です。 ( 四 7) いいえ O ( 医 7) は し' 0 (X 7) 同上 1 6 経営と経済 ( X [ 7) 向上 ( X I I 7) たしかではありません。 ( X I I I 7) はし'10 (XIV 7) いいえ。 (XV 7) はい。 (XVI 7) はい。いくらか知っています。 (XVII 7) はい口 (XVIII 7) 向上 (XIX 7) いいえ。 (XX 7) はし、。 (XXI 7) 向上 (XXII 7) 向上 ( X X I I I 7) 向上 (XXIV 7) 同上 (XXV 7 )向上 (XXVI 7) 知りません。放射能ですか。 (XXVII 7) いいえ D (XXVIII 7) 向上 (XXIX 7) はい。 この初歩的質問にたいする回答もまた,前向とおなじく,知っているとの 回答が圧倒的に多い。しかし,本間では,知らないという回答がわずかにふ え (7名) ,同時に,知っているとおもっているひとのほかに,多少のあい まいさを自覚しているひとが若干ふえているという点が,注目されるべきで ある o しかし,ともあれ, 29名中 2 1名 (72%) のひとが,原爆症の原因につい て,知っていると答えていることは,原爆症についての国際的関心がかなり たかまってきたという乙とをしめすものといっていいであろう (8) D r 原爆症にはどういう症状があるか,ご存知ですか。」 (I 8) いいえ O 外国人の原爆意識(その l l ) 1 7 ( I I 8) 向上 ( I J I 8) は し' 0 ( 町 8) はい。いくらか知っています。 し 可 。 (V 8) は ( V I 8) 向上 ( V H 8) いいえ O ( 四 8) 向上 し 可 。 ( l X 8) は (X 8) 向上 ( X I 8) 向上 ( X I I 8) いいえ o ( X I I I 8) はい。 (XIV 8) いいえ。 (XV 8) は し' 0 (XVI 8) はし、。いくらか。 (XVII 8) は 0 し' (XVIII 8) いいえ。 (XIX 8) 向上 (XX 8) はい O (XXI 8) 向上 (XXII 8) 向上 ( X X I I I 8) 向上 (XXIV 8) いいえ。 (XXV 8) はい O (XXVI 8) すこしばかり。 (XXVII 8) は し' 0 (XXVIII 8) いいえ。 (XXIX 8) すこしばかり。 i m 6, 7r ¥ l J で 原 爆 ωおそるべき物.f1H 的破壊1'[:川について l r [ U Jしたとき,大 1 8 経営と経済 多数のひとが,知っている,と回答したことは,すでにのべたとおりである が,本間においては,このおそるべき破壊作用が人体をどのように破壊し たのか(しているのか)について,どれだけ知っているか,を質問した。こ れは,たんに,医学的知識をもっているかどうか,を問うためではなく, ) } jf 燥のおそろしさについて,どれだけの認識と関心をもっているか,を知るた めの設問であった。 この設問にたいする回答は, 名 ( a )知 っ て い る ニ 1 71 " " I c ) すこししか知らない =2名,という状況である ( b ) 知lらないニ 10 O ここでは,はっきり「知っている」と回答したものが 5 9 9 6と減少し,はっ 4 9 6にも達している。しかも,注目すべ きり「知らない」と自覚したひとが 3 きは,白分は知っているというほど明確に知ってはいないし,また,まった く知らないというほどまるっきり知らないわけではない,ごくわずかだが知 っている,というひとが 2名いたことである G かれらは,慎重に考慮し て,みずからを,知っている,のはんちゅうにもいれず,また,知らない, のはんちゅうにもいれず,第 3のはんちゅうに区分している。 知識が正確におなじ程度かどうかはわからないけれども,文字のうえで は,おなじ、 some" という表現をつかったひとに I V氏がいる。しかし, I V 氏は,みずからを I 知っている」のはんちゅうに区分している D こまかく検討してゆけば,おなじく「知っている」と回答しているひとに も,すこししか知らないひともいることであろうし, I V氏だけがすくない知 識しかもたないとは,かぎらないであろう。 ともあれ,原爆症について具体的に知っているひとの数は,かなり減少し ているのである。 (9) Iいまも,いつ原爆症で死ぬかもしれないという恐怖にいつもさい なまれている原爆被爆生存者が何十万もいることをご存知ですか。」 し 、 。 (1 9) は ( T I 9) 同上 ( i l l 9) 向上 ( I V 9) 同 l 二 1 9 外国人の原爆意識(その I I ) (V 9) 向上 ( V I 9) 向上 ( V 1 I 9) 同上 O J I T 9) 向上 ( I X 9) 向上 (X 9) 同上 ( X I 9) いいえ。 し可。 ( X I I 9) は (Xln 9) 向上 (XIV 9) 向上 (XV 9) 同 一 ! こ (XVI 9) 向上 (XVII 9) 同J : ( X V I I I 9) いいえ司 (XIX 9) はい。 (XX 9) 向上 (XXI 9) 同J 二 (XXII 9) f m J 二 ( X X I I I 9) 同J 二 (XXIV 9) いいえ O (XXV 9) ば い u (XXVI 9) 向上。(ただし,回答者は, 、いつもグというところに疑 問符をつけている。いつも,とはおもっていないらしい。〕 (XXVII 9) はい。 (XXVIII 9) 向上 (XXIX 9) 向上 !日(侭波似者の死の恐'!'{j i についての認識皮は,かなりたかいというべきであ る ( 2 6名 =90タ づ )) . ( 1 0 ) r 被爆者の子や孫が,原爆症のために,若くて死んでいることをご 2 0 経営と経済 存知ですか。」 (1 1 0 ) はし'10 ( I I1 0 ) 向上 ( i l l1 0 ) 向上 ( I V1 0 ) 同上 (V 1 0 ) 向上 ( V I1 0 ) 同上 ( 刊 1 0 ) 向上 ( 咽 1 0 ) 同上 ( ] X10) 向上 (X 1 0 ) 向上 ( 氾 1 0 ) いいえ D ( X I I1 0 ) はい。 ( X I I I1 0 ) 向上 (XIV1 0 ) 向上 (XV1 0 ) はい。しかし,これは相対的にかぎられた数であることを知 っています。 (XVI1 0 ) はし'10 (XVII1 0 ) 向上 ( X V I I I1 0 ) いいえ。 (XIX1 0 ) はい D (XX1 0 ) 向上 (XXI1 0 ) 同 止 二 ( X X I I1 0 ) 向上 ( X X I I I1 0 ) 向上 (XXIV1 0 ) し1し1え D (XXV1 0 ) はい。 (XXVI1 0 ) 同 」 二 (XXVII 1 0 ) l'1いえ c 外国人の原爆意識(その I I ) ( X X V I I I1 0 ) ( X X I X1 0 ) 2 1 はい。 いいえ。 本項は,いわゆる被爆 2 1 1 : ・ 3世にかんする設問であるが,回答者は,予 想以上にこのことについての認識をもっている ( 2 4名 =8396) 0 I 知らな い」と回答したひ主は,わずかに 5名(17形)にすぎない。 これは,おそらく,多くの国で,マスコミが相当大きく報辺したためであ ろう。もちろん,マスコミによる報道があったとしても,読まないために知 らないこともありうる。ちなみに I 知らなしリと回答したひとの国籍をし らべてみると,そのすべてが,アメリカ人である。アメリカ人回答者 1 8: 2 ; 中,のこりの 1 3名は知っているわけであるから I 知らない」の 5名は,新 聞をよまなかったものらしい。 アメリカ以外の国,すなわち,エジプ卜,マレーシア,イギリス,西ドイ ツ,スイスでは,アメリカとおなじく,この知識はマスコミによって報辺さ れていると先手してよいであろう O ただ,マレーシアのふたりは,自国のマス コミによって知ったというよりも,原水禁迩到jの過程において知ったとみる のが,妥当ではなかろうか。 ( 1 1 ) r アメリカの原爆投下は, 1 9 4 5年 8月の時点で,戦争をおわらせ, 世界に平和をもたらすために必要であった,とおかんがえですか。」 (1 1 1 ) いいえ O ( l l1 1 ) 向上 ( I 1 I1 1 ) 向上 1 ) 向上 ( I V1 (V 1 1 ) は し" ' 0 ( V I1 1 ) いいえ。 ( 刊 1 1 ) 向上 o 唖1 1 ) 向上 O X11) 向上 (X 1 1 ) 戦争をおわらせるために必要ではありませんでした D しかし, その爆 ~)ìl を投下しなかったら,たぶん,終戦は 8 月 lとはならなかったでしょ 終 I f f ;と 経 済 2 2 っ v つ ( 氾 1 1 ) いいえ。 ( X I I1 1 ) だいいち,戦争は必要だったのでしょうか。 ( X I I I1 1 ) そうです。それは戦争をはやくおわらせました。しかし,完 全な世界平和をもたらしませんでした。 (XIV 1 1 ) たぶん,最初の原爆は,ひとの住んでいない品で使用される べきでした O そうすれば,その破壊力は,人命の m失なしに,知ることがで きたでしょう。 (XV 1 1 ) は し io (XVI 1 1 ) いいえ。 (XVII 1 1i 同 r ( X V I I I1 1 ) は し io (XIX 1 1 ) いいえ。 (XX 1 1 ) いいえ。しかし,かんがえなおすことはむずかしいとおもい ます口 (XXI 1 1 ) いいえ O (XXII 1 1 ) 向上 ( X X I I I1 1 ) 同上 (XXIV 1 1 ) 同上 (XXV 1 1 ) はい O (XXVI 1 1 ) 向上 ¥XXVII 1 1 ) たしかではありません D (XXVIII 1 1 ) はい。 (XXIX 1 1 ) いいえ O 原爆の残虐な破地力にかんする質問は,以上でおわり,本間以下数問は国 際政治と戦 I U 各の観点からみた原爆投下の正当性いかんについて,所見をもと める。 本間にたいする回答は,以上のように,賛否両論が対立している D すでに 拙稿「外国人の原爆意識 J ( W経営と経済 J124号所収)にのべたように, 外同人の原爆意識(その I I ) 2 3 1970,7 1年における街頭アンケー卜では,ほとんどすべてのひとが,日f ;爆投 下の必要はなかった,それを合理化することはゆるされない,という志見を のべていた。と乙ろが,今回のアンケートでは,原爆投下の必要性があっ た,とする怠見が相対的にはごく少数ではあるが, 7 : ( ' 1( 2 4 9 6 ) もあるとい うことに注目せざるをえない。 k j その理由としてかんがえられることは,それがアメリカ人であって,白 r の政府と軍隊のおこなったことを庁定し,合理化しようとする心理がはたら いて,必要あり,の同容をよせたのであろう,ということである O 必要性あ り,の回答をよせたひとの国籍をしらべてみると, V,XV,X V I I I,XXVI, XXVIIIの各氏は,いずれもアメリカ人であり,他のふたりは国籍について 断定しでもまちがいな 記入していないが,回答状況からみて,アメリカ人と J I I I氏は,あとでのべるように, j 五 j$l~ と職業につ いとおもわれる O すなわち, X いて, r 知る必要はありません.ノ」と英文で古き,さらに,ひらがなで「か I I I l 去 んけいがないからです。」と古いている。この部分から,ただちに, X をアメリカ人と l i f rずるわけに L可かないが,ヴェトナム戦争について問うた第 四問(後述)にたいする同答のなかで,かれは,みずからがアメリカ人であ r もしもあなたがアメ ることを語るにおちたと解すべき回答をのべている リカに住んでいたとしたら,あなたはどうおもうだろうか。よくかんがえら れよ /J つぎに, XXV氏もまた,国籍・職業にかんして無回答であるが,前者の ばあいとおなじく,第1 9問にたいする回符において,かれがアメリカ人であ ることを明確に示唆する文京を古いている D すなわち r日本│切術をたすけ るただそのことのために」と。これはまさしくアメリカ人のみの発似であ る 。 かくて,アメリカの原爆投下は必要であった,と問答したひとは,みな, アメリカ人であることが判明した口 しかし,逆は引ではない ο アメリカ人はすべて, 自国の原保投下を口定 し,合理化したのではない〉さきにみたように,同絡をアメリカと明示した @ 1 キ者は, 1 8名であったのそれに,さらに,前述の 2名をくわえて, 20名が 2 4 経常と経済 アメリカ人回答者であるが,とのなかで, JM~爆投下を肯定したひとは であった口すなわち,アメリカ人回答者中, 6 0 9 6 ) が否定 て(12名 = 7 名 3 5 9 6が肯定,他のほとんどすべ ( X X V I I氏は賛否いずれでもない) ,というわけで ある O このアンケートにみるかぎり,アメリカ人のなかでも,肯定論者は比 較的少数である O 1 9 7 0,7 1年におけるアンケートでは,アメリカ人回答者が 4名(11 名中) おり,この 4名中 3名までが I 必要はなかった」と回答し,の乙りの l 名は,わからない,と回答している O 前回,前々回の対象数は,あまりにもすくなかったので,統計的操作をお こなうことはできないが,今回をもふくめると,アメリカ人の大多数が,ア メリカの日本にたいする原爆投下は必要なかった,とかんがえていると結論 づけても,けっして性急ではないであろう。 ( 1 2 ) Iトルーマン大統領は,数十万ないし数百万のアメリカ軍将兵の生 命を救うために,アメリカの原爆投下は正当であった,と言明しました o あ なたはこれに賛成ですか。」 (1 1 2 ) 反対。 ( I I1 2 ) 向上 ( i l l1 2 ) 同上 2 ) 向上 ( 町 1 (V 1 2 ) 向上 ( V I1 2 ) 向上 ( 四 1 2 ) 向上 ( 咽 1 2 ) 同上 ( ] X12) 向上 (X 1 2 ) 向上 ( X I1 2 ) │司上 ( 盟 1 2 ) だいいち,戦争は必要だったのでしょうか。 ( X I I I12) 賛成。しかし,わたしは,結局,原爆は多くの日本人の生命 をもたすけたとおもいます。 25 外国人の原爆意識(その I I ) (XIV 1 2 ) 賛成。しかし,アメリカの日本上陸が,戦争を終結させるた めに,必要であったかぎりにおいて O (XV 1 2 ) 賛成。それは,また非常にたくさんの日本軍,そして民間人 をも救いました。 (XVI 1 2 ) 反対。 (XVII1 2 ) 同上 (XVIII 1 2 ) 賛成。 (XIX 1 2 ) 反対。 (XX 1 2 ) 正直にいって,わたしは知りません。 (XXI 1 2 ) 反対。 (XXII1 2 ) 向上 ( X X I I I1 2 ) 向上 (XXIV 1 2 ) 向上 (XXV 1 2 ) 賛成。 (XXVI1 2 ) 向上 (XXVII 1 2 ) たしかでありません口 (XXVIII 1 2 ) <無回答> (XXIX 1 2 ) 反対。 名 =669o) であるが,賛成者が 以上にみられるように,大部分は反対(19 6名 ( 2 1 9 6 ) いる D 賛成者の国 i Wをみてみると,そのすべてがアメリカであ る 。 アメリカ人 2 0名中 3名は,わからない,あるいは無回答であり(15 9 6 )• 3 0 9 6 ) ,のこりの 1 1名が反対 ( 5 5 9 o ) であって,反対者は賛成 6名が賛成 ( 者のほとんど 2倍である口 この間においても,問題はアメリカ人のなかにのみあり,他の国のひとび とは,きわめて理性的に, トノレーマンの言明を,ごまかしでゆるすべからざ るもの,とみている o 被爆者のこころは,一部のアメリカ人をのぞいて, 1 世界中のひとびとによ って,理解されうるし,共感されうるといっていいであろう D 被保者は,け 2 6 経営と杯前 っして孤立していないし,みずから伐にとじ乙もって{瓜立してはいけないの である D ( 1 3 ) r アメリカの原爆攻撃は,日本軍の卑劣なパール・ハーパー奇襲攻 撃にたいする当然の報復であったとおもいますか。」 (1 1 3 ) いいえ。 ( I I1 3 ) 向上 ( i l l1 3 ) 向上 ( 町 1 3 ) 向上 (V 1 3 ) 向上 ( V I1 3 ) 同上 ( V 1 I1 3 ) 向上 ( 四 1 3 ) 向上 ( I X1 3 ) 向上 (X 1 3 ) 同上 ( 氾 1 3 ) 向上 ( X I I1 3 ) だいいち,戦争は必要だったのでしょうか。 ( X I I I13) 愚問である。それは,できるだけはやく戦争を終結させるた めの最善の方法であった。 (XIV13) 乙の質問には,ただたんに, イエスまたはノーで答えること はできません。それはあまりにも大きく,複雑な問題だからです。 (XV13) それは報復的な行動ではありませんでした るための戦略的軍事行動の一部でした。 (XVI13) いいえ。 ( X V I I13) 同ー上 ( X V I I I1 3 ) はい。 (XIX13) いいえ。 (XX 1 3 ) 向上 (XXI13) 同上 ( X X I I13) 向上 O 戦争を終結させ 外[可人の原爆意識(その I I ) 27 ( X X I I I1 3 ) 向上 (XXIV 1 3 ) 同t (XXV1 3 ) 戦争終結をのぞ、んで O (XXVI1 3 ) それは報復とか処罰とかのためではありませんでした口日 本の侵略を阻止するためでした。 (XXVII1 3 ) いいえ O (XXVIII1 3 ) <無回答> (XXIX 1 3 ) いいえ。 この設問にたいする回答は,ただひとり ω' l j " j ι ω はか,ほとんどすべてが ω, ご く わ ず か (3名 2 5名 =86タ 反対であり ( j が無回答または回答不能, であった。 これでみると,ほとんど決定的に,原煤攻翠とパーノレ・ハーパー攻撃との 関連性はない,という結論になる D これはまったく自明のことだ,というか んがえさえある。その祁, Xln氏のごとき凹答がでてくる。 原爆攻撃は戦争をできるだけはやく終結させるための{[}(苔の方法であっ た,というかんがえは,とりもなおさず,仙のあらゆる戦争手段よりも原爆 反原は無条 投下をたかく評価することであり,その目的が詐であるかぎり, J 件に肯定されるということにひとしい。 これは,すなわち, 、正義グのために,原奴:を改善の手段だとする,忠庇 の論理にほかならない D かれらにとっては,核兵需給対反対のかんがえは, はじめから理解しえないことである D かれらにとっては,原爆はアメリカに有益であったばかりでなく,日本 l こ も有益であった O 第 1 2問にたいする X I I I,XV氏の問答が,それである O こ れらが原水禁迎到にたいする真向からの挑戦的回答であることは,いうまで もない。 なお,XlI氏の ~n 日, る真正面からの 1 2,1 3問にたいする同一内容の回答は,設問にたいす r n 日目な回答ではなく,論点をはぐらかした j 吹│閥的回答であ るO 回答者としては,侵略戦争のいわば結果としての山県投下の川辺より も,原因としての反防戦争そのものを論ずべきだという主張なのかもしれな 2 8 経世?と経済 い。もしそうならば,それはまともな主張であるが,その主張は明確に論理』 的に記述されるべきである O ( 1 4 ) i もしヒトラーが敗北するまえに原爆が完成していたら,アメリカ はドイツにたいして原爆をつかっただろうとおもいますか。」 (1 1 4 ) はい O (n 1 4 ) 向上 ( i l l1 4 ) たぶん口 ( I V1 4 ) わたしにはほんとうにわかりません D (V 1 4 ) いいえ O ( V I1 4 ) あまりむずかしくて,答えられません口 ( 刊 1 4 ) はい。 ( 四 1 4 ) 同 」 二 ( ] X1 4 ) うたがわしい O まったく確信がもてません O し 可 口 (X 1 4 ) は 4 ) いいえ O ( X l1 ( X l I1 4 ) わかりません。 ( x r n14) 非常にむずかしい質問です。もしかりに答えるととができた としても,どんな価値があるのでしょうか。 (XIV1 4 ) もしそうだったとしても,わたしは, ドイツにた l . .してそれ がつかわれただろうとはおもいません O 当時のアメリカは,人種差別の社会 であったとおもいます。いまはそんなにひどくはありませんが,まだ差別が あるのは明らかです。 (XV1 4 ) 原爆は,使用することが賢明であるとかんがえたときに使用 する武器として開発されたものであることを,わたしは,偶然にも知ってい ます。それは,日本にたいしてだけ使用するということはかんがえないで, 計画されました。注一一一核技術は,アメリカの兵器計岡からうまれたもので あるが,民間利用における有益な効果は,全人類の生活向上のために全世界 で共有されている,という事実を考慮されたい。 (XVI1 4 ) いいえ。 外国人の原爆意識(その l l ) 29 (XVII1 4 ) だれもこの仮説に答えることはできない。乙の質問は意味が ない。 ( X V I I I1 4 ) はい。 (XIX 1 4 ) かんがえたことはありません口 (XX 1 4 ) いいえ。 (XXI 1 4 ) 向上 (XXII1 4 ) 同k ( X X I I I1 4 ) はし ' 0 (XXIV 1 4 ) 同上 (XXV 1 4 ) 向上 (XXVI1 4 ) ? (XXVII1 4 ) はい。 (XXVIII1 4 ) 同J 二 (XXIX 1 4 ) たぶん,そうだとおもいます。もしトルーマンが大統領な りQ 4問は,仮定の問題についての設問であるから,回答はたしかにむず 乙の 1 かしかったであろう O その乙とを正直にかいたひともいる。 本設問は,仮定の問題にたいする正確な予測をたずねたのではなく, 、 人 種差別グ芯;識を知る手がかりとしようとしてもうけた項目である c ただ, 、入居差別グ意識といっても,その怠識はだれの意識かという点になると, 複雑な問題がある o これには,大きくいって,区別されるべき 4つのことが ある D ひとつは,回答者本人の怠識いかん,ということであり, ts2は,回 答者がアメリカの政府当局者や戦争指導者の意識をどう推測したか,という ことであり,第 3は,回答者の周囲のひとびと(そ ω属する凶氏)が傾向と s4は,第 3の してどういう怠識をもっているかを回答者が推測したな識, t 国民的;立識がアメリカの指導者の志識をどのように推測したかを回答者が推 測した意識,である O しかし,これら 4者の芯識を,ひとつの回答から識別 する乙とは不可能である o 以 l 二4者のな識の民合からなると乙ろのいわば複合意識において,アメリ 3 0 経営と経済 カはヒトラーにたいして原爆をつかっていただろう,とのベたひとは,あい まいに、たぶんグと答えたひともふくめて, 1 4名 ( 4 8 9 6 ) で,っかわなかっ ただろう,とのべたひと 7名 (249o) の 2倍に達する O つかっただろう,と答えたひとの国籍をしらべてみると,アメリカ エ ジ プ ト =2,マレーシア 9, 2, イ ギ リ ス =1である O っかわなかっただろ う,と回答したひとの国籍は,すべてアメリカである O このことは興味ぷか い。アメリカ人の芯識は,はっきり 3つにわかれていて,①つかっただろう (9)②っかわなかっただろう(7) ③ わ か ら な い (4),であるが,①と② がほぼ伯仲していることは,アメリカ人自身の人組問題にかんするこころの うどきを推測せしめる。 仮説への回答は不可能であり,ナンセンスだ,と答えた XVII氏は,西ド 1 1のひとりとして,この設問には不 イツの経済学者である O この問題の当事 [ 愉快なものを r:l~じたのであろう O ( 1 5 ) r 現在および将来の世界の平和のために,核軍備は必要だとおもい ますか。」 (1 1 5 ) いいえ。 (n 1 5 ) 向上 ( i l l1 5 ) 向上 ( 町 1 5 ) 向上 (V 1 5 ) 向上 ( V I1 5 ) 向上 (W 1 5 ) 向上 ( 国 1 5 ) 向上 OX15) 向上 (X 1 5 ) 向上 ( X I1 5 ) 向上 ( X I T1 5 ) 同上 ( X I I I1 5 ) いいえ O しかし,家庭における愛と調和が,現在と将来の世 界平和にとって緊要なものです。 外国人の原爆意識(その l l ) 3 1 (XIV 1 5 ) この問題も,イエスまたはノーで答えるには, あまりに複雑 な質問です。わたしは,だれもこれらの武器をもたなければよかったとおも います。わたしは,その他のすべての国がおなじことをしないかぎり,アメ リカとかその他の国が,これらの武器を破棄するだろうとは,予見できませ ん 司 (XV 1 5 ) すべての世界の強国が参加するのでさえあれば,ノーという のがもっとも論理的です。そうでなければ,イエスです。 (XVI 1 5 ) いいえョ (XVII 1 5 ) 非常にむずかしい問題ですっこの質問に答えるには, さら に1 0 0年待たなければなりません。 しかし, 原爆の苛成が,世界戦争をはじ めないように抑止する若干の影響力をもっているとおもいます。ただその脅 威だけで戦争を回避しているようで,ほんとうに平和をもとうという立志に よって戦争回避をしているのでないことは,ざんねんです。 (XVIII 1 5 ) いいえ。 (XIX 1 5 ) 向上 (XX 1 5 ) 向上 (XXI 1 5 ) 同J 二 (XXII1 5 ) 向上 ( X X I I I1 5 ) 向上 (XXIV 1 5 ) 向上 (XXV 1 5 ) はい。 (XXVI 1 5 ) いいえ。 (XXVII1 5 ) 同 J (XXVIII1 5 ) はい。 (XXIX 1 5 ) いいえ。 m仙の必要性を 1日うたこの設問にたいし, 技 数が,必要性を否定し,逆に 2 4名 (83? i ' J ) という正倒的多 2名のみが,必要性あり,と回答している o 2名の国籍は,いずれもアメリカである o 枝市fn'a 否定 ωl ! t 界的 i 世論は,ここにも立証されているとみていいであろ 3 2 経営と経済 つ D ( 1 6 ) r 戦争と戦力とを永久に放棄するとの日本の憲法について,どうお もいますか口」 ( 11 6 ) けっこうなことだとおもいます。 (n 1 6 ) 正当であるとおもいます。 ( i l l1 6 ) もしほんとうならば,けっこうだとおもいます D ( 町 1 6 ) 現志法は維持されるべきです。 (V 1 6 ) <無回答> ( V I1 6 ) よいことだとおもいます。 ( 刊 1 6 ) よいことだとおもいます。日本間民は芯法についてじゅうぶん 知っているにちがいありません D そして,志法のこの条項に反して行動しよ うとするひとびとを見張っているようにおもいます。 ( 唖 1 6 ) もしほんとうにそうなら,よいことだとおもいます。 ( ] X1 6 ) もしそれが日本人の願いを代表するものであるならば,非常に よい乙とです。人間が生きのころうとするならば,すべての国々が,戦争と 軍国主義を否認しなければなりません。 (X 1 6 ) もし日本人が憲法を信ずるのであれば,維持されるべきであ り,そして,わたしは,日本人がそれを信じつづけるととを希望します。 ( X I1 6 ) 正しいことです!遵守されていない乙とをのぞけば D ( X I T1 6 ) 非常にけっこうです。もし,のべられているように,戦争と軍 隊が永久に放棄されるのであるならば。 ( X I I I1 6 ) わたしは戦争も軍隊も嫌いです。しかし,わたしは,緊急事 態とか災害から自身をまもるために,国家が軍隊をもつことは重要だとおも います。 (XIV 1 6 ) もしそれが機能するのならば,すばらしいとおもいます。企 業の指導者たちは,ちょうどアメリカにおけるように, 、自分たちの利益を まもるグためには,強力な軍隊が浪芸であると,決定するでしょう。わたし は,日本が巨大な軍備の重荷をせおうことなしに繁栄することを希望しま す 。 外国人の原爆意識(その I I ) 3 3 (XV1 6 ) すばらしいかんがえです。 (XVI 1 6 ) わたしは,日本人が,アメリカ,その他の国々とのすべての 安全保障条約を破棄し,軍事費を削減し, 自衛隊の規模と重要性を減少さ せ,どんな結果になろうとも,ヴェトナムへの一切の介入に終止符をうつこ とによって,この憲法を支持すべきだとおもいます。 (XVII1 6 ) もし日本が乙の憲法をまもるなら,すばらしいことでしょ う,そして,他の国々がおなじことをするなら,なおさらすばらしいことで しょう。 (XVIII1 6 ) 文章上はそうです,しかし,あなたがたは武装していま す 。 (XIX1 6 ) けっこうだとおもいます。 (XX 1 6 ) わたしは,それはたいへん称札~l にあたいすることとおもいま す。しかし,他のすべての国家が応じなければ,価値ないとおもいます。あ るひとは,日本が素朴で反作用しすぎるとおもうかもしれません,しかし, このような忍法改正は世界の平和にとって必要です。 (XXI1 6 ) 日本国定法は,戦争と軍隊とを放棄しているかもしれませ ん。しかし,日本は,ヴェトナムでのアメリカの戦悶を支援していますし, 日本の大企業の多くは,戦争で大もうけをしています。日本の j 匡史は,日本 があまり平和な国でなかったこと,そして,また,日本が, . 1 こたかっている ひとびと一一一国の内外をとわず ーにたいして,あまり親切ではなかったこ と,をしめしています。紙にかかれた 2, 3の百実は,多くをな味するもの ではありません/ (XXII1 6 ) 日本のな法は,もちろん,アメリカ山傾軍の命令によって, むしろ実際的な目的のため,すなわち,かつての強力な敵を武装解除してお くため,計阿されたものです。しかし平和志法グのかんがえは,すばら しいものです。問題は,軍隊の使用に反対するぷ法の条項が, 日本政府によ ってまもられるかどうか,口本人民が継続的に丹波することです。 ( X X I I I1 6 ) わたしは,もしすべての国がおなじような窓法をとりいれ るなら,そのこと自身,戦争をおわらせるだろうとおもいます。また,わた 3 4 しは,日本が真の平和を信じているという理由で, 経営と経済 日本を称讃するもので す 。 (XXIV 1 6 ) わたしは志法について知りません。しかし, もしそれが戦 争と軍隊とを放棄しているのなら,わたしはこころからそり窓法を支持する でしょう。 (XXV1 6 ) <無回答> (XXVI 1 6 ) わたしは,アメリカもおなじ志法をもっていたらなあ,と おもいます。 (XXVII1 6 ) 非常にすばらしい。 (XXVIII 1 6 ) よいことです。 (XXIX1 6 ) わたしは,理論においては,窓法に同意します。しかし, 実際的にいって,それを実行することはむずかしいようです。 本間は,わが国の平和憲法にたいして,外国人がどのように評価している か,を知るための質問であった。それにたいする回答は,以上のように,無 回答と 3名 ( X I I I,XVIII,XXI)をのぞいて,他はすべて,、すばらしい / 1 、よいことだグ,と非常な称讃の辞をのべている口わが国の平和憲法が,世 界中の世論によって,いかに支持されているか,の生きた証拠が,ここにあ る 。 支持しない 3名のうち, XVIII,XXI氏の真意は,はたしてどうなのであ ろうか。それは,おそらく,戦争放棄の志法自体はすばらしい,しかし,実 際には武装しているではないか,憲法をまもっていないからだめである,と いうことであるにちがいない。したがって,平和憲法自体を称読する念の強 烈さは,けっして他の回答者におとらないであろう D かれらの論点は,日本 が憲法をまもっていない,という現実問題にむけられていて,憲法条文自体 のすばらしさにはむけられていないのである D かれらからみれば,そのよう な,まもられない憲法は,条文自体がいかにすばらしかろうとも,それは紙 にかいた桧にすぎない,ということであろう D かれらの日本の現実にたい する批判のしんらっさは,かれらの平和志法への称訟の強さに比例するもの というべきではなかろうか。かれらもまた,平和志法称識者であるにちがい 35 外国人の原爆意識(その I I ) なし I o 平和志法否定論者は,かくて,ただひとりにすぎない,ということができ るであろう O つぎに,平和芯法官、 i : 、者は,同時に,日本の現実にたいするしんらつな批 VIII,XXI氏の 判者であるということに注目しなければならない口前掲の X ばあいがそうであることは,すでにのべたとおりである口 日本政府と自民党によって,平和志法が紙にかかれた空文と化せられ,強 力な武装軍隊が年々整備拡充されているという現実は,外国人の批判の対象 なのである D わが国のなかで,政府や自民党(与党)が先頭にたって, ぷ ,j 去 をふみにじりつづけてきたということは,正常な政治感覚からみれば,まさ におどろくべきことである O しかるに,わが国民のなかにも, しだいに, l F 隊の拡充強化を要請する;trがつよくなってきている O 外国人の限には,それ はどのように映ずるであろうか。それが,つぎの 1 7 1 1 ¥1である。 ( 1 7 ) r ③日本には,戦争と戦力を放棄するとの憲法の条文にもかかわら ず,戦前の戦力をはるかにうわまわる装備をもった軍事力があります。日本 政府は,自衛のための翠事力は憲法違反ではない,といい,この主張は,最 近,下級裁判所の合憲判決によって弁護されました。日本政府と裁判所のこ のような姿勢について,どうおもいますか。 J r@日本に軍国主義が復活し つつあるとおもいますか。」 (1 1 7 ) ④現在の世界仙卦を考応ずれば,道理 l こかなっているとおもい ます。@はい。 ( I I1 7 ) ④現在の世界情勢を考鼠すれば, j E理にかなっているとおもい ます。⑥はい。 ( i l l1 7 ) ④わたしは立法迩反だとおもいます。@はい。 ( I V1 7 ) ⑦わたしは,自術隊は日本国忍法 w 9条に述反しているとおも います。@わたしは,日本のなかに,徐々に,より攻撃的な,そしてあまり 防術的でない活劫をうけいれようとする流助的な、ナショナノレ・コンセンサ スグの似向があるように, !よじます。わたしは,この和 ω傾向は, J ド 常l こと 1(の川合をあらわす政字などよ らえがたく, lT.1 民総~t: Pむのなかにしめる防 1!j'r Y 経営と経済 36 りも,もっと百十測グしがたいものであるとおもいます。しかし, この似 向は現存しているし,また,いままで,ある期間存在していたとおもいま す 。 (V 1 7 ) id)<無回答>⑨はい。 ( V I1 7 ) ④規校,戦力,そして軍事賀は,防衛の必要性をはるかにこえ ているようにおもえます。(t!~i はい。 (W 1 7 ) :3)日本政府は,かれらの目的にあうように,自分の都合にあわ せて,その意味を解釈しています。政治が本来の機能をはたさないばあいに は,裁判は政府によって影響されえます。@はい。 7 ) ④現在の日本は,憲法にたいして誠実ではありません。そし ( 唖 1 て,裁判は政府によって影響されています。@はい。 ( ] X17) ④明白な事実は,日本は武装しつつある一一陸・海・空ーーと いうこと,そして,志法は軍備があってはならないとうたっているというこ とです。どのような言葉がつかわれようと,おなじととです。@はい。 (X 1 7 ) ④そのようなことは,不幸なことです。わたしは,日本国の法 については知りません。@はい。 ( X I1 7 ) ②裁判所は政府によって利用されています。@はい。 ( X I I1 7 ) ②いかなる軍隊もないという乙とで世界に範を丑れるべきで す。@答えることができません。 ( x n r17) ④わたしは,政府および裁判所と同意見です口、自衛グと 、軍隊グとは,おなじではありません Q しかし,そのふたつを区別すること は,人聞にとってむずかしいことです。@いいえ。 ( x r v17) ④わたしは,日本の企業,政府および裁判所は,金もうけの ための同僚だとおもいます。汚染,軍事費などは,すべて,国民の利益に反 するものであり,したがって,すべての日本人は,企業や政府の政策決定に もっと参加できるように,芦を大にして要求すべきです。@はい。 (XV1 7 ) 什)わたしの意見では,自衛のための日本の軍隊は,忠法に違 反していません。それらの宵思表が,侵略や不当な説得に使用されず,報復の J E ためにのみ伏川されるかぎりでは口注一一それらの咋隊は,市民の不服従 j 外同人の原爆怠識(その I T ) 37 動を規制するために,ときどき必要なようです。 勺 1 く無回答> (XVI1 7 ) 号それらは,まったく:吾法に反するものであり,その条文を 中立化させ,こうして,それをまったく役にたたないものとすることに役だ っています。日本政府はあまり信用するには杭しないようであり,日本国民 は日本政府によってあやつり人形としてあやつられていますヮそれはすべ て,非常に弁託法的!とみえます。⑮はい。復活しつつある,ではなく,復活 した,です。 (XVII 1 7 ) ④わたしが日木の自衛隊について知っていることは,それ が,自衛力にしては,あまりにも強力であり,精鋭であるということです。 ⑨わたしは答えることができません D ↑!?千五をもっていません O (XVIII 1 7 ) ③それは,あなたたちが平和志向者ではなく,戦争を放来 していない,ということをしめしています。⑨はい口 (XIX 1 7 ) ②わたしは,日本の政治・芯法についてよくは知りません, しかし,裁判所は非難さるべきだとおもいます。倫? (XX 1 7 ) わたしは,その判決にくわしくはありませんが,その判決は 憲法違反のようにおもわれます。それは,人間の感情を立法化しようとする ことの困難さを証明しています。例人的には,わたしは,白布I 隊はお金と資 源の浪費だとおもっています。ぜはい。ある程度まで。 (XXI 1 7 ) め日本の政府と哉、I ' . I J所は,Jjr国主義がよい仕事であることを 知っています。そして,金もうけする乙とが主要なことであるようです。わ たしの高校の生徒たち(最高学年)は,かれらの政府が何をなしつつある ω かについて,多くの事実を知らないし,また,大企業(ソニーや三菱)がず 9はい。 ェトナム人の犠牲で大もうけしていることを知りません o ( (XXII 1 7 ) ②裁判所は,たぶん,技術的な,そして法作的な芯味で, 正しいでしょう O にもかかわらず, 、白術グ力というのはめったに,純粋に 防術的ではありません O 日本の貧しい同々にたいする加速度的に前大する終 済的介入,そして京市アジア海域における前 wの 行 動 の 拡 大 そ か ん が え る と,われわれは,もっとお祁的な軍事的努力のきざしをみます(新しい戦闘 伐の国民はいうにおよぱず,三変・ 1 2士の":?;" ,そして M16自動小銃,な 38 経営と経済 ど)。さらに,政府:は,ヴュトナム ω補給と修理において,ワシントンとな れあいになっています。そして,白木政府は,アメリカ軍が戦場からひきあ げるにしたがって,京南アジアでアメリカの、代理グの役をひきうける洋仰 をしつつあるようにおもわれます。⑥はい。 ( X X I I I1 7 ) ④もし日本の志法が戦争や軍隊のないことをいっているの なら,まちがっているとおもいます。なぜなら,ある程の軍隊をもっている からです。⑮たしかな乙とをいえるほど,じゅうぶんに知っていません。 (XXIV 1 7 ) のもし志法が永久 l 乙戦争と軍隊を放棄しているのなら,な ぜ,強力な軍隊が存在するのですか。⑥知りません。 (XXV1 7 ) ④ < 無 回 答 > @いいえ。 (XXVI 1 7 ) (むこれらは非常にあいまいな状態にあるようですロ@じゅ うぶんな情報をもっていません O (XXVII 1 7 ) ④逃避的です o @いいえ O (XXVIII 1 7 ) のそれは日木および他の国々の平和にとって脅威です。 @? (XXIX 1 7 ) ④わたしは,これらの態度は,軍隊を放楽しで l ,九る忠法の 条文 l 乙違反していると信じます。@<無回答> f H 7問にたいする回答は,第 1 6問にたいするそれに比し 以上のように, J て,多様であり,また回答者各自が日本の自衛隊や政府にたいしていだく見 解を,かなり自由に表現している点で,興味ふかいものがある o まず,自衛隊が志法違反であるかどうか,について O 憲法違反とする回答 者は,自衛隊が強力で平和にたいする脅威であるとするものをふくめて, 20 名の多きに達している ( 6 9 9 6 ) 0 かれらのうちの若干が,明確に志法違反と いわなかったのは,日本の法律の内容にくわしくなく,したがって,軽卒に 回答すべきではない,とかんがえたからであろう口また,かれらの表現方法 は,かなり自由であって,型にはまらない発想と表現のなかに,自衛隊の芯 法違反をするどく表現したものが多い。 つぎに,自衛隊を合志とする回答者は,わずかに 2名である o 日本の法に ついて無知なために判断できないと回答したひとは,無回答とあわせて, 3 外同人の原爆意識(その I I ) 39 名である。外国の法体系について,じゅうぶん判断できるだけの知識をもつ ことは,とくに一時的滞在者にとってはかなり困難なことであり,知らない ことを知らないとかくことは,へりくつをのべるよりもはるかに良心的であ る 。 ところで,その他の回答者の回答は,以上のいずれとも分類するわけにい I氏は,反戦活動家ではあるが,エジプトのひと かないものであった。 1, I であり,そのイスラエノレとの長くきびしい対決という国家的立場のゆえに か,政府と裁判所の判断を「道理にかなっている」と論じている。かれらの この立場は,われわれに多くのものをものがたる。 つぎに,日本軍国主義の復活についてはどうか。復活している,とかんが えるひとは, 1 7名 ( 5 9 9 6 ) である O 復活していない, と回答したひとは, X I I I,XXV,XXVIIの 3名(10 9 6 ) である。あとは,わからない,と[叶詳し たひと,および無回答者であって,その数 9名である o 判断できないひとや保留者が 9名あるとはいえ,白木軍国主義の復活を明 確に認識している外国人が1 7名もあることは,重要なことである G 外国人の 限にも一一外国人の限だからこそ,かもしれない一一一日本軍国主義の復活が はっきりみえるほど,わが国の軍隊とそれをささえる保守田の存在が大きく クローズ・アップされてきたのである O ( 1 8 ) I日米安保条約は,いい条約だとおもいますか。」 (1 1 8 ) いいえ。 ( I I1 8 ) 向上 ( i l l1 8 ) 向上 8 ) 向上 ( 町 1 (V 1 8 ) 同上 ( V I1 8 ) 向上 ( 四 1 8 ) 同上 (国 1 8 ) 向上 ( I X1 8 ) 向上 (X 1 8 ) 向上 4 0 経常と経済 ( 沼 1 8 ) 向上 ( X I I1 8 ) わたしは,条約について,何も知りません。 ( X I I I18) わたしは,日米安保条約がどんなものか知りません。 (XIV18) はい。それは,日本の企業にとってはよいが,アメリカに非 友好的な国々にたいする日本の影評力を台なしにしてしまいます口 (XV18) 乙れは,ふたつの部分からなる質問です。 ( a )国迎が不能であ るから,安保はょいとおもうし,必要だとおもいます o ( b )しかし,のぞまし い(とくに日本にとって) 0 C 同7 5 文のかきかたが不完全なため,論理的に よめない。〕 (XVI18) いいえ。 ( X V I I1 8 ) わたしは,この条約の正確な内容を知らないので,符えら れません O ( X V I I I18) はい O (XIX18) ' ? (XX18) いいえ。 (XXI18) 同上 ( X X I I18) 向上 ( X X I I I18) 乙の条約の本質や約束を知らないので,いうことができま せん口 (XXIV 1 8 ) いいえ。 (XXV18) はい。 (XXVI18) < 無 回 答 > (XXVII18) は し iO (XXVIII18) 向上 (XXIX18) < 無 回 答 > 日米安保条約にたいする評価は, 1 6名の回答者による否定的評価がもっと ( j ) ,条約の内容を知らないから答えられないとするもの,また も多く ( 5 5タ は,無回答者の合計が 7名で,これにつづき,肯定的評価をしたものは 名にしか達せず,もっともすくない(17%) 口 5 外同人の原爆意識(その I I ) 4 1 I-XIは,原水禁大会に出町した外同人代表であって,さすがに安保条約 を知らないひとはなく,すべて一致して,この条約をわるいと規定してい る口このように,意識のたかい活動交を別 l とすれば,一般の外国人のあいだ では,条約を知らない,または j !正[ 8 ] : ; " 下がもっとも多く (7名) ,肯定は 6 名,否定は 5名ということになる。 n定 6名の国籍はすべてアメリカ,否定 5名のそれもすべてアメリカである。知らない,と回答した 4名の内訳は, , 自称、世界市民グ l名,国籍を在える必要なしとかいたアメリカ人 1名 イツ人 1名,アメリカ軍人 1名である ( 1 9 ) ド Q r アメリ力のヴェトナム戦争を正義と自由のための戦争だとおもい ますか。」 (1 1 9 ) いいえ O ( I I1 9 ) 向上 ( i l l1 9 ) 向上 9 ) 向上 ( 町 1 (V 1 9 ) 向上 ( V I1 9 ) 向上 ( 刊 1 9 ) 向上 ( 唖 1 9 ) 向上 ( ] X1 9 ) 同上 (X 1 9 ) いいえ。しかし,多くのアメリカ人が正義と自由のための戦争 とおもっています。 ( X I1 9 ) いいえ。 ( X I T1 9 ) 向上 ( X I I I19) もしあなたがアメリカに住んでいたとしたら,あなたはどう おもうだろうか。よくかんがえられよ.ノ (XIV19) いいえ O それは,アメリカがアメリカ二メキシコ戦争以来お t界はそうだと同志しています。 かしたもっとも大きな犯罪です。全 H (XV19) はい。そうおもいますし,みなさんもそう信じたほうがいい。 (XVI19) いいえ D 4 2 経営と経前 (XVII1 9 ) 向上 ( X V I I I1 9 ) 当面の問題と関係があるのですか? C 回答者は,設問 1 9の 文章を全文ペンで抹殺している。アメリカのヴェトナム戦争について質問さ れるとと自体,不愉快きわまりないことであったらしい。それは,良心のや ましさからくる感情であったのではないだろうか。〉 (XIX 1 9 ) いいえ。 (XX 1 9 ) 向上 (XXI1 9 ) 同上 (XXII1 9 ) 向上 ( X X I I I1 9 ) 同j二 (XXIV1 9 ) 同J 二 (XXV1 9 ) はい。日本防衛をたすけるただそのことのために。 (XXVI1 9 ) いいえ。はじめはそうでしたが,いまでは、めんつグのた めです。 (XXVII1 9 ) いいえ。 (XXVIII1 9 ) はい。 (XXIX 1 9 ) いいえ o アメリカの残虐なヴェトナム侵略戦争は,周知のように,全世界からのは げしい非難と告発にさらされた c アメリカ国内でさえも,ヴェトナム侵略反 対の運動が,各階層にわたって展開された。 アメリカのヴェトナム侵略にたいして,どういう立坊をとるかは,そのひ との思想的立場のいかんを明確にしめすいわば試金石である。 j .定し,支持するひとは, XIII,XV,XXV, アメリカのヴェトナム侵略を y XXVIIIの 4名 で あ る の 1ずれもアメリカ人) 0 XVIII氏は, もちろん文 t 与 者であるはずであるが,しかし,回答文のみからは,かれが支持者であるこ とを証明する乙とができない。 他は,すべて,反対者であることに注目しなければならないであろう。そ 4名 ( 8 3 9 6 ) にも達する。アメリカ人以外の外国人が,ヴェトナム佼 の数は 2 略に反対するのみでなく,アメリカ人 2 0名中, 1 4名のひと (70%) が反対し 外P ; : j人の原爆立識(その J I i 43 ているのである。 アメリカ国内における反戦運動の広さと強さは, rl~ 民多数のこのような世 論に裏づけられていたのであるロアメリカ政 I ( Fや軍部にたいして,まったく 自由な立場にあるはずの日本人のほうが,アメリカのこの凶悪な侵略を肯定 するヨリ強い傾向にあったことを,われわれは残念におもわないわけにはい かないョたとえば, 1970-71年におこなった長崎市内でのアンケート調五に よってえたヴェトナム戦争にたいする一般 ωみかたは,わからないとか,市 北問の内!~であるとか,あるいは,北ヴェトナム ωfll!l与である,とみるみか たの合計のほうが,アメリカの侵略とみるみかたよりも多かった(拙杭「原 爆被:広~26年後の長 111なJ <r 経営と経済 j 1 2 3号 , 1 3 7ページ>) 0 なぜ,日本人がヴェトナム戦争について明確で理性的な判断を一般的にも ちえなかったか,その理由については,すでに多くのひとによって指摘され ていることであるが,アメリカ政府のつよい 1~ 押下にある日本政府と保守 党,そして支配階級の影響下にあるマスコミの姿勢を忘れるわけにはし 1かな し 可 。 ( 2 0 ) 1"あなたのお国の反戦運動の現状についてどうおもいますか。」 (1 2 0 ) すぐに大きく発展するとおもいます。 (n 2 0 ) すぐに大きく発展するとおもいます。 ( i l l2 0 ) 当然あるべきほどにはつよくありません。 原 水 燥 に か ん し て は , 1958-65年当時ほどにはつよくありません。 ( 町 2 0 ) 熱狂的ですが,全国的レベルではもっとよい組紘が必要です。 そして,いろいろな平和団体のあいだのより効果的な調整が必要です(調整 といっても,ひとつの大きな官僚的な団休への合体ではありません) 0 (V 2 0 ) <無回答> ( V I2 0 ) イギリスには,戦争反対のつよい述動があります。しかし,数 年不在でしたので,現在どんな状態か,中しあげることができません。 (W2 0 ) 全然ありません。 ( 四 2 0 ) ほとんどありません。 ( I X2 0 ) 良好です。一一わたしは 2年1 1 日間外におり, n ' l段:には知りま 4 4 経営と経済 せんが,たびたびの失;なにもかかわらず,かなり行動的でちからづよいもの であると理解しています D (X 2 0 ) そんなにつよくありません D 一一そんなに多くのひとびとが参 加しているわけではありません。 ( 氾 2 0 ) もっともっと,大衆行動,述帯,世界中のひとびとからえられ るちからが必要です。 ( X I I2 0 ) <無回答> ( X I I I2 0 ) わたしは,それが、反戦運動グだとは知りませんでした D 反 戦運動の実態は,愛の欠如であり,家庭の欠如であり,両親の欠如であり, 指導性の欠如であり,理解のない運動です。 (XIV2 0 ) それは,似左の述中から,いまでは,同民の大部分を包合す るように変化しました。アメリカの大学のキャンパスのだれもが,つよい t 反戦 j感情をもっています。また,学生たちは,その他の多くの問題とも とりくんでいますむ (XV2 0 ) それは,まちがって指導されたひとびとからなるごく一部 ω 少数者たちの,まったく不必要な示威行動です。というのは,アメリカ人と アメリカ政府は,平和と自由のために貢献してきました。われわれは,戦争 をはじめた乙とはないし,戦争をひきおこしたこともありません。 にもか かわらず,われわれは,攻撃をうけ,不承不承 l 乙戦争 l とまきこまれたので す 。 (XVI2 0 ) それは,いまもなお,派閥あらそいによって, ある程度動揺 していますが,とくに第 3世界の組織など,異なった団体を通じて,ますま す支持をえてきているようです。それは,また,国民のなかの非常に保守的 な屈にも達しています。しかし,現在の政府がその存在をまったく無視し, 否定していますので,まだ,かなり無力なようです。 0 ) 6年間国をはなれていますので,答えることができません O (XVII2 (XVIII2 0 ) あまり極端ではありません。 (XIX2 0 ) わたしの国[スイス]は中立国であることになっています。 そして,わたしは,じゅうぶんに答えられるほど政治にまきこまれてはいま 4 5 外国人の原爆意識(その l l ) せん Q (XX20) ニクソンの、政治的グ解決に直面して,いらいらしているし, ますます冷淡になりました。 (XXI20) ( 1972年 )11月の選挙をひかえた今日,反戦運動はあまりに も弱すぎます。 ( X X I I20) U !j問と戦争の波れと現実逃避によって大衆的アピーノレの効 果がよわめられはしましたが,述劫は,ますます草の根レベノレでひとびとに 達しようと努めていま 4 -0 また,ニクソン政権は, このような辺助を無視 し,インドシナ戦争について大衆を(かなり効果的に)だましつづけていま す。それで運動は,たえず変化しているようです。 最近は,全国的水準では ジョージ・マクガパンの当選に,地方的な水準ではもっと啓詩的な教育に, その希望をかけています。アメリカ人はアメリカ人の死傷者が非常にへった ので,いまや戦争を無視しやすくなったようです。ヴェトナム人の苦痛は, 不幸にも,あまり問題にならないようです。 ( X X I I I20) 運動が死滅する乙となく,ますます強力なものとなること を希望します D (XXIV20) 反戦辺劫は評判がわるい.ゲグ (XXV20) だれも戦争を望みはしません。 (XXVI20) わたしたちとすべての青年たちは,戦争に反対していま す。わたしたちは,いつもわれわれの軍国主義的な態度を交えようとしてい るのです。しかし,むずかしい乙とです。 (XXVII20) 非常に活劫的。 ( X X V I I I20) 共産主義者の侵略のためのカムフラージュにつかわれて いるのでなし、かぎり,柏;討さるべきです。 (XXIX20) わたしは運動を全面的に支持していますの 以ヒの問答から,反戦運動にたいして,支持する,あるいは,好立的であ る,とおもわれるひとをかぞえあげてみると, 17名 l 乙達する ( 5 9 9 6 ) 。その 3名である。これにたいして,あきらかに否定 なかで,アメリカ人の数は, 1 n l' ( f者の欽は, X I I I,XV,XX,XXIV?XXVの 5名(17 9 6 ) 的とおもわれる [ 4 6 経営と経済 であり,しかもかれらはすべて,アメリカ人である口 乙好;むをいだきつつも,そのちからが微弱すぎる,もっと強力なもの 運動 l となることを希望するとのべたひとが 7名 あ る 。 そ の 他 の 支 持 者 に し て も,現在の迩勤のちからに前足しているのではないであろう Q ( 21 ) r 人類は,現在,絶滅の危機にひんしていると感じますか。」 し Io (1 2 1 ) は ( I I 21 ) 向上 ( l l i 21 ) いいえ。 1945年以米かわっていません。 ( I V 21 ) 破滅に近づいています。 し Io (V 21 ) は ( V I 21 ) l 司上 ( 四 21 ) 向上 ( 国 21 ) 向上 ( I X21 ) 向上 (X 21 ) 同上 ( X I 21 ) 向上 ( X I I 21 ) とにかく,核兵認がなくてもそうなるでしょう O ( X I I I21 ) 、人類は現在,絶滅の危機にひんしているグというよりも, もっとあかるい面をかんがえたいものです。 (XIV2 1 ) いいえ。わたしは正しいとこころから希望します。 (XV21 ) いいえ。事実をあきらかにしよう。 (XVI21 ) はい。多くのいみで。腐敗一一ー道徳的にも肉休的にも O 汚 染。権力,資本主義,帝国主義。 (XVII21 ) はい白戦争ばかりでなく,公害とか過剰人口とかによって o (XVIII21 ) いいえ O (XIX21 ) は しL (XX 2 1 ) はい O 多分。 (XXI21 ) いいえ O (XXII2 1 ) 向上 外国人の原爆意識(その l l ) 47 (XXIII21 ) はい。どん欲と狭量による自己破壊。 (XXIV2 1 ) いいえ。 (XXV21)向上 (XXVI2 1 ) いいえ。わたしは平和に大いなる希望をいだいています。 (XXVII21 ) いいえ。 (XXVIII21 ) 向上 (XXIX2 1 ) イエスでもノーでもあります。戦争,公害をとおして人間 は自滅しているようですけれども,わたしは,またアメリカの多くのひとび とはこれらの悪に気づいてきて,それらを正すためになにかをしようとして いるとおもいます。問題は,いまでは,われわれの行動がおそすぎるのでは ないかということです。 6名 ( 5 5 9 6 ) 0 危機を感じない, 人類絶滅の危機を焔感するひとの数は, 1 というひと ( 4 1 9 6 ) のなかに,事実をあきらかにしようと回答したひとがあ ったが,事実をあきらか l こすれば,人類は仁(ミ々たる前途をもっている乙とが ;正明されるとでもいうのであろうか口 ( 2 2 )i 人類が生きのびるために,どういう運動をしなければならないと おもいますか。」 (1 2 2 ) 平和の怠味を理解するために,実践的で効果的な辺劫が必要で あるとおもいます。 (n 2 2 ) 同上 ( i l l2 2 ) すべての帝国主義に反対し,第 3世界の自決と独立を支持し, 平和と社会的変草が密岐に関係していることを認識する大衆にねざした迎劫 が必要だとおもいます。 (IV 2 2 ) 人間の尊厳と各国の必要としているものを認識しながら,非暴 力的な社会的変草にむかつての世界的な規校 ω努力が必要です。羽在,世界 の抑圧された巨大な地域のために,代訴的な組織を建設しようと非暴力的に はたらく努力,完全ゴ~:llI ~r化・完全非政化・兵器生産競争祭止の努力,そし て,平和のためにはたらこうとする国家をこえた努力が必要だとおもいま す こ J 4 8 経営と経済 (V 2 2 ) <無回答> ( V I2 2 ) あらゆる凶のふつうのひとびとが,じぶんたちの政府にたいし て,正気にもどるよう,統一してよびかけるようになるために,世界[巾なひ ろがりをもっアピーノレが必要です。 ( V 1 I2 2 ) 道徳教育。 ( ¥ m2 2 ) 平和五i l到。 ( I X2 2 ) 世界を武装化しようとするアメリカ ω行動にたいして,各国が たちあがること,すべての国々がアメリカに協力することを拒否すること, 世界の人民がアメリカの政策に反対してたちあがること,アメリカの製品を 波法的行動を妨害す ボイコッ卜すること,アメリカの軍事的またはその他の 1 ること O (X 2 2 ) 国 I~ 紛 ~JrfW 決 ω ために武力を行使することを犯否すること O ( 沼 2 2 ) 人類の存続は,われわれの資源の正しい,そして慈悲ぷかい管 理にかかっています O ( X I I2 2 ) 核軍縮はたんに小さな問題にすぎません O 大きな問題は生態学 t i縮 l こ民主な u 寺問を浪費すべきではなく,自国の 的な問題です O 日本は,核 i 状態や自国の住民になにがおこりつつあるかを,とくとかんがえるべきで す。 ( X I I I2 2 ) 家庭におけるヨリ大きな叉と融和をめざす辺司Jが必要です。 (XIV22) 反戦運動はけっこうだが,おたがいを理解しようとする世界 的な試みもまた,必要です O わたしは,学生や労働者や良民などが,すべて の国の大尽柱で、ある,とおもっています。もしかれらが友人であるなら,将 軍たちゃ政治家たちが戦争しようとしても困難なことでしょう O (XV2 2 ) あなたたちの提案しているような意味では,あなたたちは 、なにもグ求めようとはしていません。必要なのは,1) 道 徳 の 高 是 こ とばの一般的な志味での o 2) 政治的圧力のない完全な教育と啓求。 育期間ののち,働けなくなるまでの合理的な期間の完全雇仙。 味での民主的な子続き,および,少数立見の正しい判断。 3 )教 4 ) 完全な志 5 ) 全国民心代表 A ) 政府, ( 8 ) 教育者, からなる政府。 6) つぎのものによる圧迫からの自由:( 外国人の原爆志識(その1I) 49 ( c )少数者の影響, 1 ( 方救世主としてあらわれる破壊者, ( E ) うそ,およびわ い曲された真理。すべての報道機関は真実を報道すべきであり,編集者の粉 飾は禁止されるべきです O ( E )はすばらしい出発点です。わたしは,主r 閉その他すべての報辺機関が真 実のすべてを告げるべき自由を確信するものです。はんぱな真実とか否出1 は,理由のいかんをとわず,罰せられるべきです O (XVI2 2 ) 帝国主義をうみだし,軍事強国をうみだし,戦争をうみだ し,核兵器の開発をうみだし,ナガサキとヒロシマをうみだした資本主義体 制の破壊。 (XVII2 2 ) 最初からもっとよい教育を O 子供たちに戦争のおそろしさ をおしえること,戦争玩具の生産を停止すること,すべての戦争犯罪その他 の戦争映画の生産を停止すること(テレビはいうにおよばず) 0 他にたいし て理解があり,寛容であるように,国家間でひとびとの交流をお乙なうこ と 。 (XVIII2 2 ) 反戦こそそうですが,だれもおたがいを信じていません口 情勢はおそらく望みがないようです O (XIX2 2 ) あらゆる国および民族の平和と統一。 (XX2 2 ) 平和主義者の辺劫一一創造的な平和 D (XXI2 2 ) この1-1・問はあまりに一般的すぎます D ちょうど,すべての同 国のすべての国民が,同ーの述到に同;なしたり,あるいは,それを欲すると はかぎらないように。 (XXII2 2 ) あきらかに,わたしどもは,貧困,経済的作取,人極差別 主義,および生態学的破滅という思の解決を目的とした政治的社会的教育的 な草命が必要です。この運動をいかにして効果あらしめるかについては,わ たしは知りません O ( X X I I I2 2 ) 強力な運動が必要です o しかし,それは,暴力をともなわ ない運動,多くのひとが人類の生存のためによく学び,そしてなにかをなす 述劫です υ むずかしい問題です (XXIV2 2 ) iìí-~!fl と公:!?の伯減コ 経営と経済 5 0 (XXV2 2 ) キリスト教。 (XXVI2 2 ) プロパガンダはしばしば扇動的です。マス・メディアによ る真実の報道が必要です O パーノレ・ハーパー, コレヒドーノレ,フィリピンの 死の行進についての証拠物件を日本人はどれだけ見たでしょうか。すべてま ちがっています O わたしたちには,真実と愛,キリストの信仰と勇気が必要 です O (XXVII2 2 ) 諸国間・諸団体問の平和のための対話。 (XXVIII2 2 ) すべての国の国民のあいだの理解と愛のための教育 O (XXIX 2 2 ) 人類愛の迩動 O この質問にたいしては,ほとんどすべてのひとが,真剣に回答し,しかも その大部分がかなり詳細な回答となっている O その回答のなかでは,反戦・平和運動 (8名) ,反帝国主義,反資本主義 闘 争 (3) ,教育の重要性指摘 (3) ,が比較的多数をしめるものとなって いる O そのほか,公害や相互理解をのべたものがめだって l、 るO ( 2 3 ) iあなたの国籍と職業をおしえていただけませんか。」 (1 2 3 ) エジプト O ( I I2 3 ) 向上 ( i l l2 3 ) イギリス。平和組識の事務局長。 ( I V2 3 ) アメリカ O クエーカー教徒。 3 ) アメリカロ教師。 (V 2 (VI 2 3 ) イギリス(女性)口元学校長。 ( 刊 2 3 ) マレーシア口州議会議員。 c v 唖2 3 ) マレーシア(女性)。教師。 ( ] X2 3 ) アメリカ。平和教育家。 (X 2 3 ) アメリカ O クエーカー教徒。 ( X I2 3 ) アメリカ O ユース・ワーカー O ( X I I2 3 ) 世界市民。わたしは物質的な意味での職業をもっていません D ( X I I I2 3 ) 知る必要はありません/かんけいがないからです D (XIV2 3 ) アメリカ O ミネソタ大学学生(新間学専攻) 0 外国人の原爆意識(その I I ) 5 1 (XV2 3 ) アメリカ。国際貿易に従事するビジネスマン。 (XVI2 3 ) アメリカ〔母は日本人) 0 アジア史専攻の学生。 (XVII2 3 ) ドイツ O 経済学者。 ( X V I I I2 3 ) アメリカ。教師 O (XIX2 3 ) スイス。コンサート・ピアニスト (XX2 3 ) アメリカ D O 教師。 (XXI2 3 ) アメリカ。主婦。 c 日本で〕パートタイムの教師。 (XXII2 3 ) アメリカ。教師。 ( X X I I I2 3 ) アメリカ。海軍軍人 D (XXIV2 3 ) アメリカ。海軍軍人。 (XXV2 3 ) <無回答> (XXVI2 3 ) アメリカ。看護婦 D (XXVII2 3 ) アメリカ D 教師。 (XXVIII2 3 ) アメリカ。キリスト教牧師。 (XXIX2 3 ) アメリ力。教師。 4 以上が, 1 9 7 2年後半におこなった外国人へのアンケートにたいする回答の 全文である O これらの回答数は,呈的にけっしてじゅうぶんなものではな く,むしろはなはだ不完全なものにすぎないが, しかし,外国人の原爆や軍 備や戦争などにかんする芯識をうかがいしる一助とはなりうるであろう o す でに発表した拙稿「外国人の原爆志識」において, 1 970-71年のアンケート 調五の結果を約介しておいたが,そ乙での回答数があまりにもすくなかった ために,どれほどの界初性をみとめうるか,はなはだ疑問であったが,いま 7 2年の分をくわえることによって,その欠陥の一部をす乙しでも補完するこ とができたであろうとおもう O 以上の回答から,概括的にいうことができる ωは,原水禁の J f到のたゆ まぬ努力によって一一いくたの欠陥や弱点をばらみつつ←ー,国際的にもあ る机皮の成果をおさめつつあるということである。原版 ωおそるべき破収力 5 2 経営と経済 や被保者の恐怖,あるいは被爆 2, 3世の問題は,ともかくも,かなりの程 度まで知られるようになったということができょう o そして,さらに,政治的な問題となると,むしろ外国人のほうが,日本人 の平均水準よりももっと真剣で杭秘的な姿勢をもってとりくんでいるとさ え,いうことができそうである G ただ,しかし,回答を返活したひとについて検討してみたばあいには,ま さにそのとおりであるが,注なしなければならないのは,このアンケート調 査にたいして杭秘的に反応し協力する労をとらなかったひとが 5 6名もいると いうことである O 回答した 29名は,その立場の保守的たると革新的たるとを とわず,いずれもこのアンケートの問題にたいして,一定の怠見をのべずに いられなかったひとであるが,その数は全体としてみるとき,少数であっ た。回答をよせなかったひとの立場がすべて保守的であったとは立証すべく もなく,臆断することさえゆるされないが,その立場のいかんをとわずと も,すくなくとも原応アンケートにこたえるべき内的必然性を感ずるほどに は,これらの問題の重要性を真剣にかんがえなかったということだけはいえ るであろう O 〔付記〉本文にも記したように,英文アンケートの作成,および英文回答 の日本語訳の作成について,全面的など協力をいただいた清野健氏にたい し,あつく感謝の立をあらわしたい。清野氏のこころよいご協力がなかった ならば,このアンケート活動自体おこなわれえたかどうか,わからなかった というべきである O ( 19 7 3 .7 .2 5 ) 〔追記〉初校の校正刷をうけとった今日,自衛隊は志法違反である,との 判決が札幌地裁の福島裁判長によってくだされた(長沼ナイキ訴訟) 0 ( 19 7 3 . 9. 7)