...

雲 獣 - 日本森林技術協会デジタル図書館

by user

on
Category: Documents
35

views

Report

Comments

Transcript

雲 獣 - 日本森林技術協会デジタル図書館
昭和26年9月4日第3種郵便物認可昭和43年3月10日発行(毎月1回10日発行)
籍
●,一1
鰹
鰯
鞄
N
獣
鑑
誤
日本林業技術協会
、
罰一錘曄噂
雲
◆
哨概鴎
蕊
K
凶
函
瓜
し軍召1回▲eUb,
号一卿統
、
No。312
』
P
どんな図形の面矛責も
早く
キモト・プラニは、任意
正確にの白色図形を黒い台紙の上
キモト・‐所ラニ
簡単に冨燵走圖灘驚蔑
輯1勺に円筒軸方向に走査しますと、白い図
形部分のみが反射光となって光電管に受光
されます。その図形走査時間を、エレクト
ロニク・カウンターで累秋することによっ
て、図形のIni械を平方センチメートルで表
示する商粘度のデジタル而稚測定機です。
キモト・う°ラニは、機椛部、独立同期電源
部および‘、カウンタ一部分よりなっており
ます。
本磯は地I乳地髄調査、土木、建築、農業
土地利用、森林調盃等各部門に広く活用で
きます。
キモ'一・別ラニ
株式会社ももと
本 社
大阪営業所
東京部新宿区析術2-13TEL354-0361"
大阪市i+i区上本町4-613-3TEL763-0891㈹
新刊発売中
林業 技術者のための
}
空中写真簡易測量法
!
農林技官依田和夫著
一 一
この本は林業技術者にすぐ役立つように
森林区画測量,崩壊地調査,林道索道等
空中写真の活用に関しそれぞれ具体的に
しかもごくわかりやすく書かれている。
体
栽B5判特製本定価350円
(送料実費)
申込先千代田区六番町7
日本林業技術協会
−
−
−
ー
森林測友会
事務局・東京都千代田区六番町7番地
森林記念館内
会 社 名
|代表者名|住所
Aアジア航測KK駒村雄三郎東京都世田谷区弦巻5−2-16
−
も
(429)2151
朝日測量設計KK小山恒三’東京都中野区中野6-32-18
(369)1266
,第一航業KK鈴木惣吉東京都中野区中野4−7-11
(386)2191
大和測量設計KK瀬川秋男東京都杉並区大宮前4-473
(334)3311
大同就測KK大貝保東京都世田谷区経堂5-12-21
(311)8143
F嵩士航測コンサルタン1、KK渡辺修三大阪市西区江戸堀5-155
一
TEL_│
(441)4025
富士測量KK後藤静大阪市天王寺区伶人町65
(771)5422
H八州測逓KK西村正紀東京都新宿区柏木1-74
(342)3621
平和測壁KK新木時次郎東京都港区芝二本榎西町3
(“1)3905
東日本航空KK瀬戸千秋埼玉県北足立郡新座町野火止"56
志木(71)2555
北海航測KK矢橘温郎札幌祠上4条西20丁目北西ビル内
(61)8043
K関東測量KK伊藤勝太郎前橋市表町1-18-24
(2)6895
KK協同測域社中沢蔀長野市安茂里671
(2)5691
KK協立コンサルタンツ足立進東京都大田区矢口2−13-6
(733)7721
北日本測壁KK磯野三郎金沢市笠市町11-11
(21)0969
国際航業KK桝山健三東京都千代田区六番町2
(262)6221
KK航空写真測量所徳川義幸東京都台東区上野3−1−8
(833)4251
N中日本航空測鐙KK住吉唯一郎名古屋市熱田区花表町3−2−1
中庭測量KK中庭四郎東京都渋谷区恵比寿3-1-3
(88)4583
(443)7311
日本航業KK佐藤貴治広島市出島町21−4
(51)2334
日本林業技術協会蓑輪満夫東京都千代田区六番町7
(261)5281
日本総合コンサルタンツKK林徹東京都港区西新橋3-16-3
(433)3481
日本国内航空KK川淵龍彦東京都大田区羽田江戸見町東京国際空港内
(503)2711
一
OKK大場土木建築事務所大場宗憲東京都渋谷区富ケ谷2-14-9
(467)2191
KK大阪写真測量所小島宗治大阪市天王毒区上本田町3−3
(761)4576
大阪測量KK河野巧大阪市生野区猪飼野中l−5
(717)2139
pパシフィック航業KK平兼武東京都目黒区上目黒7-1115
(711)6391
S昭和測量工業KK本島照雄東京都江戸川区小松川4-57
(683)3551
KK測地文化社斉藤敏東京都新宿区戸山町37
T大成測量KK会布良一東京都世田谷区玉川奥沢町1-198
(203)7645
(703)1321
大洋銃空KK鳥羽田熈東京都渋谷区笹塚3-26
(376)4374
$大洋測量KK住吉杢二東京都大田区上池上町92
(762)2511
束北測量KK有馬正継青森市合浦1−2-16
東洋航空事業KK堤清二束京都豊島区南池袋1-17-4
U羽後測堂所工藤正夫秋田市樽山南中町9−24
(4)8331
’
(986)1531
(2)7849
繍叢糠議
3。1968M0。312
︽︶
表紙写真
第14回林業写真
コンクール二席
「貯木場」
寺川三郎
静岡県島田市
本通り6丁目
育林の振興に英知を.……………....………”
動物保護…・……….…….……...……….”
・・坂口勝美・
放射性同位元素と林業試験への利用.….….
木材チップ検1M職一について….…....…....
わが演習林大学演習林の紹介に先立って
・・坂上幸雄・
・・古河一也.
・・今泉英一・
・・扇田正二・
第1回東大千葉演習林...…..……."….……..
・・山内政人・
空中写真の撮影と利用…..…・……....…….….
・・鳥飼愛美武
︽︶
卓
﹃088000lOOOO−﹃
つ
の
■
︾
つ
一
ロ
F08098090890一声
今P一
獺童
口︾一
獄I
・渡辺資仲・
昭和43年度の林業関係放送予定について.“
12582
13
17
19
1
目 次
森林と災害シリーズ−8−…・・・なだれ防止林“
高橋喜平・
21
森休生態研究ノートから-12-..….……………
四手井綱英
25
字田川竜男
27
林野のけもの−12−.…・・エゾタヌキあわれなり”
●申Q
会員の広場
矢野虎雄氏の「一言」を読んで
真昼の寝言…...….……….......
松下規矩..、29
0
沖野丈夫..、32
一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ■ ■ ■
●e
p●
●●
●
●
33
463
7
3
●●3
。●
本の紹介..…………・
会員証
4溌臘曹薙
下さい)
ぎじゆつ情報……・…・…・
とびつくす。.………・…
林業用語集・こだま…・・・
■ 9
山の生活・…・…・・・…・….....
26
どうらん(エゾマツ)・…“
11
(スギ)……
35
協会のうごき・編集室から
38
育林の振興に英知を
坂 口 勝 美
〔林業試験場長〕
最近,わが国の経済は急激に発展し,その影響は林業にも及び,林業もこれに対応しな
=
ければならなくなっている。従来と比べて変化しなければならない条件は数々あるが,そ
のなかでも艇山村地域の労働力は限りある貴重なものとなったことである。そもそも,林
業を他の第一次産業と比べての著しい特長は連年一定の収入を継続するためにかなりの土
地面積を必要とするが,反面労働の生産性はずばぬけて高いことである。しかしながら,
わが国現在の森林総生産基盤の脆弱性をカバーする範囲内において外材の輸入は止むを得
ないとするとしても,総生産を向上するためには,さらに飛躍的な労働生産性の向上を図
り国際競争力を強化することを忘れてはならない。
それには,これらに関連する現状を分析し,研究と行政の両面から,その活路の打開を
図るための英知を傾けねばならない。
まず第一に経営面では,(1)森林の幼齢化による林分櫛成の不法正という背景があり,
(2)品質ないし価値の向上に対する要請が強まっているにもかかわらず良質材供給力の減
少傾向があり,(3)素材生産コストの低下をはじめ,林業薬剤や機械化による生産性の向
上,さらには更新技術の集約化など林業近代化の前提となる林道開発がたちおくれてい
る現状である。
一
第二に技術面では,(1)寒冷・多積雪地帯の育林技術はいまだ不安定であり,(2)適地
判定,地力維持,森林生態系を基盤としての健全な森林育成への努力がより必要であり,
(3)低コス1,を果たすための林業薬剤,機械化などによる技術体系の確立が急がれている現
状である。
したがって,これらの研究開発と行政対策を急ぐ一方,現段階の実践にあたっては,(1)
経営基盤の経済的・自然的立地にしたがって技術の受けいれ方が著しく異なるので,投資
効率を高めるためには傾斜投資を考えなければならない。(2)自然環境はきわめて多様性
であるから,研究手段も実践方法も常にこのことを念頭においてきめこまかく行なわなけ
ればならない。(3)短期間の繰返し試験が困難であるから,実践にあたっては過去の施業
が提供した貴重な結果を判断の資料とし.なければならない。(4)試験研究の新たな成果を
実践に反映させるには,限られた期間内にあげられた成果で,なお残される不確定因子
は,慎重な目的を試行錯誤をくり返して実践への最終的解決を図らなければならない。
-−−1−..−
動 物 保 護
くう
泉 英 一
〔上野動物園長〕
︽。︶
少 “鋒 … … - … - … … … 1
現在わが国には動物園が58,水族館が32の計90の施設
がある。
ライチョウ
一国の保有する動物園,水族館の数はアメリカに次い
先般来,東京周辺では千葉県市川市海辺の新浜問題が
で第2位にあり,国のあるいは民間の動物園に対する関
大きくクローズアップされてきている。都市計画の必要
心の深いことを示している。
上新浜の湿地帯を埋立てて工業地繕と宅地を造成する計
画であるが,ここ新浜は数十種の水禽の渡りの基地であ
だが上野動物園への年間の入園者数は400万人で,ロ
ンドンの動物園協会発行の年鑑によれば,同クラスの入
り,今わが国にわずかに残された貴重な水鳥の楽園の一
園者をもつのがメキシコのキャプルテペック動物園やス
つである。この楽園を奪うことは水禽ぎゃくたいであ
ペインのバロセロナ動物園と中共の北京動物園とあるの
り,まことに可哀そうであるというのが同地区の保謹を
はなんだか他に行くべき施設が少ないのか,メダカは群
唱える側の主旨である。
れたがるといわれるが,人も行くからそれ行け,やれ行
賛成の理由は多少違っても,この保護運動は鳥類愛護
けという群集心理によるのじやないかと世界一の入園者
関係者,生物愛好関係の大きな支持を得て,関係官公庁
をもつことに反面ひけ目を感じている。
への陳情となったのである。
、
それはそれとして,世界全体の動物園を訪れる入念は
「鳥が可哀そうである」という言葉で代表されて進め
しめて年間5億人という,これだけ多くの入念に親しま
られたのだがこれに対して新浜の関係者,つまり関係地
れる施設は他にないわけである。動物園の目的ば第一に
方庁,同地所有者,権利者側にば漁業関係者も多く,東
レクリエーションの場であることとついで社会教育の場
京や神奈川県側の漁業者の魚,海苔の収穫が極減して,
であり,動物研究の役目をもちそして広く自然保設の責
すでに生計困難を強く訴えているのと同様に,千葉側のへ
務をもつことである。
これら新浜の漁業者も浦切にこの困難に直面している現一
この4つの目的の下に運営されているが,どうも動物
園にはいつも子供のためにという昔からの観念で片づけ
況でもあるので強く対抗して立ち上がっている。「鳥が
られているきらいがある。
のか」という反対である。
可哀そうでわれわれ人間ばいっこうに可哀そうではない
非常にむずかしい問題であるが,わたくし達は本来鳥
人類社会の発展と自然保護
さて現在わが国では農業政策上水銀剤混入の艇薬が多
獣や昆虫の保護のためにつくさなければならないが,決
く使われていて,魚も昆虫も生きて行くことがむずかし
して前述の農業政策や住宅政策に一途に反対するもので‘
くなっている。ドジョウやメダカなどは田圃にはみられ
はない。鳥が可哀そうだからというだけで通る理屈では
なくなり,イナゴやタニシ,水生昆虫も根だやしになっ
決してないと思う。要は自然界における釣合いの重視で
てそれらを漁って生きてきた鳥類も棲承にくくなってい
ある。「鳥か人か」ではなくて,「鳥も人も」と考えたい
る。
ので,鳥さえ楼めない環境になんで人が安住できようか
住宅政策はまた動物の櫻んで繁殖する場所をどんどん
という点にある。
減らして行く,主要都市の周辺では20年来急激にこの傾
一説にアメリカの国立公園,自然公園に対する考え方
向が強くなり,実際にトンボやカエルを見たことのない
は景観と鳥獣,植物の保護だけではなく,これを含む−,
子供があることは確かである。
切の水質から空気重でをも重要な保護すべき対称として
− 2 −
考えるべきであるという。われわれの一部で考えている
アフリカの一独立国ではゾウの棲息数が多く,繁殖も激
のと若干の差があるといわれているが,わが国の自然保
しくその区域の樹木は臆とんど枯死し草原は荒地と化す
る状態で,動物の過保護は植物の哀退をきたす場合芯多
いため,国土保全のためゾウの陶汰にふみ切ったとい
迩はすでに古くから強く提唱されていて,文化財保謹関
係や自然保護の面で尾瀬沼の保存や富士周辺の景観維持
など数多くの池或を強く規制して国立公園や自然公園に
指定しているし,動物の保護についても北海道のタンチ
ョウ,佐渡のトキ,豊岡のコウノ1、リ,富山のライチョ
ウや鹿児島のツルなどが天然記念物として指定されてい
るのは周知のことである。
動物保護と自然のバランス
アフリカのケニア国立公園内にはライオン,ヒョウの
肉食動物とキリン,シマウマ,レイヨウなどの草食動物
とアフリカゾウ,サイなどの大形獣やサルの数多くが共
一
存している。
観光客は自動車のまま同地区に乗り入れ3,4mの至
近距離よりライオンを,6tもあるゾウも20mほどから
観察できるが,この地域では食肉獣が繁殖し過ぎると,
その餌である草食獣のシマウマ,レイヨウが減少してく
る。そして悪循環的に餌が少なくなり食繊を得られない
ライオン達がでて餓死するものがあるという。
う,実状は別として十分ありうることである。
国際問題となったオランウータン
40年12月に和蘭のロッテルダム動物園長より親書がき
たがその内容が問題だった。「聞くところによれば類人
猿のうちの貴重動物オランウータンがその原産地のイン
ドネシアの政情不安に乗じ,密捕渡して密輸出されシン
ガポールや香港へ移入され,闇市場へ展示されると日本
よりの数多くの観光客や貨物船員がこれをペットとして
購入して帰国する。2,3年後に飼育不可能となって動物
商へ売払いに行く,何十倍かの動物商の買入価格に味を
しめた船員は次の機会に意識的に数多くをシンガポール
で仕入れてゆく。
10年前に6,000頭いたオランウータンが現在10分の1
の600頭となり,世界動物園長会議で厳重に保護につい
て申合せたにもかかわらずこのありさまを日本の動物園
長はどう考えているか,世界の貴重動物保謹のために英,
米,独,仏,和蘭の先進国は密輸出入禁止の立法をして
いるのに,日本はどうなっているか,絶滅した動物の再
生は不可能である。明治37年に絶滅させてしまった日本
狼は真に残念である。「善処を望む」という趣旨である。
わたくし達の鯛査によれば,インドネシアで3万円,シ
ンガポールで5万円,そして日本へ入った時には50万円
というので,なるほどなあと思ったのである。次いで虹
=
年」月と3月の2回にわたり西独フランクフルト動物園
と瑞西のバーゼルの園長ランク博士よりも同趣旨でその
一通にはさらに「日本の動物商がこうして入手したオラ
ンウータンをさらに西独へ売込歌のリストを送ってき
た」ことを付記しさらに「1963年前に入手した同獣と原
産地国以外の動物園で繁殖したオランの子はこの規制か
ト キ ら 侮
らはずされているが日本では上野と多摩の2動物園での
繁殖だけであることを承知しているので両動物園長の努
常にある率をもって肉食獣と草食職が平和な共存の生繁弼
力を期待する」とあったので,ここに至っては袖手傍観
活 を 保 っ て い る 。 力 を
第二次世界大戦以後このアフリカでは従来英,仏,和のの段階はすでに過ぎたと痛感させられたのである。
騒
41年5月全国90園館が加入して共に発展を図っている
閲などの殖民地として繁栄してきた小国の数禽がそれぞ4]
社団法人日本動物園水族館協会全国大会に議題として提
れ独立することになり,一部の国はその政策に苦心して社目
い る と , い う 。 ‐ 出 出し,膜重審議の結果前進方策を確立したので林野庁長
L
官,同指導部,造林保護課,農林大臣官房,外務省文化
最近500頭のアフリカゾウを陶汰して国内の自然界の宮,
局,大蔵省関税局,通産省通商局などの関係ありと思わ
バランスを保つという,そして今童で欧州各国より移住局,
れる各方面へ照合し意見徴収をした上,最終段階では文
している百人の動物業者は強い地盤を築いていたのが各れ層
部省文化財保謹委員会,財団法人自然保謹協会や日本学
国の独立により動物捕獲の制限や,国家収入を計るため部雀
術会議国際生物学特別委員会の協力を得た上で42年6月
の輸出制限のための課税の問題もおきているので,中部術会
− 3 −
1
13日通産省告示によりオランウータンなど輸入規制の法
令公布を承たのである。途中ながら善意にあふれた協力
と指導をよせられた前記各機関に深甚の感謝を改めて表
結局この問題はわたくし達が断わったがチンパンの腎
臓をぎせいにする苦況に同情し慰めの言葉や歌を送って
くれた人達は多くそれぞれ住所氏名を明記していただい
するとともに現在取締実施面で協力されている大蔵省関
税局および全国76の税関支署当局に深く感謝したいと思
ている。ののしる人達より何倍もわたくし達動物園関係
者の苦悩を察していてくれたのである。この間のわたく
し達の苦衷は今思ってもゾッとする。
う
。
真の動物保護とは
こうしてインドネシアとマレーシア原産のオランウー
タンのわが国における保護協力は果たされ,これに対し
太平洋学術会議自然保護部門や米国自然保護協会,世界
動物園長会議と和蘭,西独などの各動物園長よりの感謝
ペットが病気で診断を頼まれたが,公立動物園はその
機構がないので確実な開業獣医を紹介したところ残念な
がら死亡したらしいが,その結果その病院や紹介したわ
ばりざんぽう
たくし達は罵臂溌誇の的になった。
ウノトリがなんと6羽という絶滅寸前にあることから
謹協会からさらにオランウータン,テングザル,印度サ
河
巽
■■︸﹁
鶏
枇
I︽
︽ゞ型卜騨
一生■・
悪癖岨・一﹄
毎F叩我ロ・
マ
ー
託昌
好
くq
EI1,,ゞ
一悪回
も,さらに他の貴重動物にいちはやく記念物指定の処置
がなされ官民一体の保謹をしたいものである。
現在この保護態勢にあっても国,都道府県,現地保存
会,最寄動物園,動物学者などの協力方は必ずしも満足
すべきありさまとは言えない。それぞれ我田引水の傾向
もぶられるのは,トキ,コウノトリ,ニホンカワウソ,
ライチョウ自身の最大の不幸をもたらすことだと思われ
︵︶
動物愛謹や保護はこんなものではない。最近各デパー
トで小動物の展示即売会が催されるが,なんら飼育の細
部注意もされないで行なわれ,珍しいので職入した子供
達はその後飼育に困り相談をかけてくるが手遅れの状態
が多い。真の動物の愛護と保護でありたい。結局はわた
くし達人類の総合的な幸福のためにも。最近米国自然保
議
と祝辞をうけたことは喜びの至りである。日本の自然保
談のうち,地形,植物についてよりも動物部門ははるか
に遅れをとっているのは確かで文化財保談委にも上野の
文化財研究所にも動物関係技術者の配磁は十分とはいい
難い現況である。新潟のトキが現在11羽,兵庫豊岡のコ
る。この世から,ことによれば永久に姿を消す瀬戸際に
あるかれらを救うためには些細な問題はこの際棚上げす
べきであり新浜問題とは別の重大事である。
わたくしは長い動物園生活中に疑問をもつことに再三
遭遇した。その何例かを挙げると犬を愛好する人は家族
る。まことに結織だがこういう人は犬と喧嘩する猫を憎
︽︶
同様にむしろそれ以上に全身をこめて愛情をそそいでい
オランウータン
承,そして犬につくノミやダニを嫌悪する人が多い。猫
イ,ジャワサイ,ガラパゴス,ゾウガメ,などの保護の
を数10匹わが子同様に飼っている老人で罵を多く捕り猫
強化が通知された。鳥については国瞬蒋護鳥13種がきめ
にあたえ近隣の人々の迷惑には一向に無関心である。
3年ほど前腎臓障害で死亡直前の入院患者の手術のた
られている。
めゴリラ,オランウータン,チンパンジーの腎臓を移植
ころイナゴ,ウンカの異状繁殖のため結果として大減収
することを考えた外科医がいてこの成功例は2,3例あ
したという。
ったのだがこの要請をうけた時,英国の動物学者の「生
わたくし達はゴキブリまでも不必要な存在とは思って
いない。今年のえとは猿である。人より猿は毛が3本足
らないという。その猿の仲間のチンパンジーが秩序ある
整斉たる集団生活をアフリカで送っている。わたくし達
物はより貴重な生物のためにはその生命をぎせいにされ
ることは止むを得ない」という説を思い浮かべた。
人間の生命は何物にも代えられぬ大切なものであるこ
とは言うまでもない。この段階で電話で中年の女性の声
で「チンパンが可哀そうだ,その外科医の妻の腎臓を取
れ,園長お前自身のカカアの腎臓をやれ」と口汚なくの
のしられた。お名前を言えるような平静さではない。
中国では五穀を荒す害鳥として雀の駆除を行なったと
はいたずらに混乱した社会生活を送っては猿に笑われ
る
。
実際毛だってかれらの方がはるかに多いので,この点
毛が3本などは真赤な嘘なのだから。
− 4 −
P
一
§
になります。炭素は陽子,電子がそれぞれ6個ありま
…−−…吻一…
す。ところが炭素の原子でも中性子を,4,5,6,7,8,
放射性同位元素
9個持った炭素原子が知られています。
(ラジオアイソトープ)
と
ミ
試験への利用
坂
上
幸
雄
〔林試・造林部〕
一
〃 一 1 〃 " ー = " " 〃一 」 ■ ー
a
…で − ■ … 淳 一 一 = 由 …
一 』 ■ 凸
忠
原子力発電が各地ではじまろうとしていますが,放射
性同位元素は,55年も前から使われてい童した。植物の
研究に利用されたのは,1935年で,根から燐が吸収され
この炭素原子のように,陽子や電子の数は同じでも中
性子の数が連う原子を,たがいに同位体と言っていま
す。同位体は,たがいに化学的性質が同じでも,中性子
の数が違っているため原子1個の重さが違ってきます。
この重さの違いが同位体の物理的性質をかえます。
たとえば,炭素についてみますと表lのように,放射
能を持つ炭素の同位体(放射性同位体)と放射能を持た
ない炭素の同位体(安定同位体)の遠いがでてきます。
炭素原子のほかにも,燐,カリウム,カルシウムなどほ
とんどの元素は人工的に同位体を造ることができ,1963
年現在,103種の天然や,人工の元素から1,650種以上
の同位体が発見され,このうち放射能を持つものは約
1,400種もあります。
表1炭素の同位体
るようすを放射性燐を使って調べています。このように
│放射性同位体│安定同位体│放射性同“
放射性同位元素は相当以前から使われていましたが,そ
の量が非常に少なかったたあ,一般に広く利用されませ
んでした。ところが,1932年アメリカのローレンスがサ
イクロトロンを発明し,1934年にこの装置を使って,い
ろいろな放紬生同位元素が造られるようになり,さらに
重 さ
1011
1942年シカゴ大学で最初の原子炉が造られ,この原子炉
放射線
β+線
を使って多鼠の放射性同元素が造られるようになってか
?
.
1
秒
2
0
.
4
分
半減期 1
6 6
中性子の数
4 5
らは,いろいろな方面で使われだしました。
現在日本でも,いろいろな種類の放射性同位元素が造
られています。放謝生同位元素を使っている事業所も,
一
1959年には50カ所しかなかったのに,1967年には1,425
カ所にふえています。林業関係でも,大学,試験場は,も
ちろん,放謝生同位元素を利用した厚承計,液面計,密
6 7 31
陽子の数
6621
同位体│」'c」cl」"c"cl」:c"c
6 6
8 9
1415
β一線
5
,
5
7
0
年
2
.
4
秒
│人工│総比,,:,)│人工
放射性同位体はいろいろな強さの放射線(アルファ線,
ベータ一線'ガンマ一線)を出しながら壊われてゆき,や
がて放射能を持たない別の元素になっていきますbこの
ように放射性同位体は壊われていくので,この寿命のあ
らわし方として,放射性原子の数が,もとの数の半分に
なるまでの時間(半減期)をつかっています。たとえば,
度計が43の製紙,パルプ会社,事業所で使われ,その台
数の合計は125台になっています。このように放射性同
位元素はもう,特別なものではなくなりつつあります。
そこで放射性同位元素とはどんなもので,試験研究の
面にどのように使われているかを,現在使っている放射
に10分たつと’この原子の数は500個の半分の250個に
性同位元紫を中心に簡単に書いてゑます。
なります。
1,000個の放射性原子が10分後に500個になったとする
と,この放射性同位体の半減期は10分と言います。さら
このような性質をわたくし達がよく使っている炭素と
放射性同位元素とはどんなものか
燐の放射性同位体についてふますと,放射性炭素14Cは
理科や物理の教科書に書かれているように,原子の化
平均0.05MeVのエネルギーのベータ一線を出して峡わ
れ’窒素になりますが,その半減期は5,570年と非常に
長い寿命を持っています。一方,放射性燐32Pは平均
学的性質は,陽子と電子の数できまっています。中性子
の数は化学的性質と関係はありません。
酸素の原子は8個の陽子と,8個の電子と数個の中性
子からできていますが,陽子,電子の数がそれぞれ7個
になると,その原子は窒素になり,9個になるとフッ素
0.695MeVのエネルギーのベータ一線を出して壊われ,
半減期14.7日で硫黄になっています。
なぜ放射性同位元素を使うのか
− 5 −
k
放湖生同位元素の利用には,放射性同位元素から出る
I、レーサー法の考え方は昔からありました。幹の中を
放射線を利用する場合と,1・レーサーとして利用する場
流れる水の流速を知るために,フクシンという色素を溶
合があります。
かした水を幹に吸わせ,ある一定時間にフクシンの色が
放射線源として放射性同位元素が利用されている実例
を2,3あげてゑます。
何cm上昇したかをぶれば,幹の中の水の流速は大体わ
かるわけで,この時のフクシンはトレーサーの役目をし
1)殺菌,殺虫への利用:多堂の放射線を植物や動
ているわけです。しかしフクシンが水と全く同じに動く
物にあてると,植物や動物が死ぬことは知られています
という証明をすることができないので,フクシンの流速
が,このことを利用して殺菌,殺虫ができ童す。薬品や
が水の流速をあらわすとはいえません。ところが放射性
熱処理のように,利用しようとする物が変質する心配が
同位元素の3Hでつくった水(3H20)をつかえば,水の
なく,殺虫,殺菌ができるので食品の殺菌や食肉の中の
流速を知ることができます。このように,今までは間接
的にしか知ることができなかったことを,直接知ること
ています。林業でば,まだこのような利用は本絡的に研
ができるという点で,放射性同位元素は非常に便利なも
究されていませんが,実験材料の土壌や材の殺菌に利用
のといえます。
しようとする試験が行なわれています。
︵︶
寄生虫の殺虫に,放射線を利用しようと盛んに研究され
放射性同位元素のトレーサーとしての利点をあげると
2)育種への利用:放射線をあてると,いろいろな
1)ごく微鐙のものを検出することができる。普通の
突然変異があらわれてきますが,突然変異を起こしたも
重量分折法では,検出の最小量は100万分の19(10-qg),
のの中から,良い性質を持つものを選択して新しい品種
分光分折法では10 99位が限度ですが,放射性同位元素
を作ることは,多くの作物で実際に行なわれ,いろいろ
では10-10∼10-18gまで検出できますもいい換えますと,
な品種がつくられています。このような目的のために大
放射性同位元素の検出できる最小量を19とすれば,分
宮の磯林省放射線育種場では,大規模な照射がおこなわ
光分折法で検出できる最小量は1,000t,重戯分折では
れています。林木の場合には突然変異をおこした木を山
100万tになります。
で探すことはむずかしく,X線や薬品では大量の木を処
2)実験に使う苗や樹に,ほとんど異常な変化を与え
理できませんが,コバルト60のような放射性同位元素か
ないで,自然の条件で実験をすることができます。また
ら出るガンマ一線を利用すれば,この問題は解決され,
生きたままで外側から検出でき,ラジオオーI、グラフィ
さらに突然変異の出現率も高いようですoこのような放
辨泉育種は10年ほど前から続けられています。
3)木材処理への利用:放射線のもつエネルギーを
利用して,木材と合成高分子化合物とを化学的に結びつ
ける研究がおこなわれていますが,新しい材料として注
︽﹀
目されています。
4)測定機器への利用:広く使われている水分計,
厚象計,液面計,密度計などは,放射性同位元素から出
る放射線が水や紙などで吸収されることを利用して作ら
れていますが,このような利用方法はどんどん広がり,
撚鶴
撤職
《鰯
#燕繊
¥ 凸 '
試験研究のための測定機械としても使われています。
次にトレーサーとして利用する方法は,生物学や化学
に大きな貢献をしており,また一番広く利用されている
方法です。
I、レーサー(tracer)とは,跡をつける者,追跡する
者という意味で,日本語では追跡子などとも言われてい
ますが,この方法は,元素に印をつけ,それを目じるし
にして,その元素の動きを探る方法です。前に害きまし
たように,放射性同位体,安定同位体とも化学的性質は
同じですが,片方が放射能を持っているため,目じるし
とすることができるのです。
− 6 −
0
写典1ラジオオートグラフイ“,磯田)
右上:スギ苗下葉から吸收した32Pの分布の様子
左上:アカマツ苗下葉から吸收した32P,の分布の棟子
右下:スギ苗下葉から吸收した45Caの分布の様子
左下:アカマツ苗下葉から卿皮した躯Caの分布の様子
という方法によって,放射性同位元素の分布をこまかく
知ることができます。
3)放射性同位元素で,しるしをつけた物質の行動
を,もともとあったものや,その後加わったものと区別
して追跡したり,分折したりすることができます。この
ことは他の方法では,まねのできないことです。
具体的な例として林木の根が,伸長したり,肥大した
りするためには,葉でつくられた糖などが必要ですが,
この糖が,どこの葉から送られてくるかを知ることは,
苗木の形態を考える時に必要です。ところが,どの葉か
ら根に糖が送られるかを知るためには,他の葉から送ら
れてくる糖と,調べようとする葉から送られる糖とが,
見わけられなければなりません。そこで放謝生同位元素
を使う必要がでてきます。この方法は調べようとする菜
を放射性炭素14Cを持った炭酸ガスの中に入れておき,
他の葉は普通の炭酸ガスの中に入れておきます。そうす
ると調べようとする葉から出て来る糖は放射能を持ち,
他の葉からは放射能を持たない糖がでてきます。放射能
を持った糖が苗木のどの部分へ行ったかを象れば,す
つぎからつぎと,ベータ一線が入ってくると,完全に数
えることができず,大体1分間に5万カウン│、が限度と
されています。このようにGM管はガラスの筒になって
いるので,エネルギーの小さな炭素'4C-3Hなどでは,
ガラスの中で放射懇がとめられてしまい,数える敷淳が
非常に悪くなる欠点があります。最近は薄い雲母の窓を
つけたり,ガスフローにして改良していますが,それで
も計数敷津は14Cで3∼30%で,あまり良くありませ
ん。現在,最も計数効率のよい装置としては,GM管の
代わりに,光電子倍増管をつかった液体シンチレーショ
ン・カウンターがあり,14Cで92∼95影の効率を出すこ
とができます。
トレーサー法はどのような研究に利用されているか
現在,トレーサー法は多くの方面で利用され,非常に
興味のある利用方法もありますが,ここでは林業試験場
のなかだけに限って2,3紹介します。
各種G肌管
CMP訴釦
CM壷40
ぐ,どの葉から糖が送られているかがわかります。
君
放射線(特にベータ一線)を測る方法
同じ放射性同位体であれば,一定時間に壊われる原子
=ー
の数は,そこにある放射性同位体の原子の数に比例す為
ので,原子が壊われる時に出す放射線の数を知れば,放
射性同位体の原子数も知ることができます。したがって
放射性同位体の検出は原子の重さの単位で検出できるわ
けですが,そのためには,域われた原子数を正確に数える
ことができる装置が絶対必要になります。この目的でつ
くられたのがガイガーミユラ一計数管(GM管)でした。
GM管は1928年に完成されましたが,その構造は金属
円筒と,その中心に細い1本の針金を張ったもので,こ
れをアルゴンとエチレンガスの入ったガラス管の中に封
入したものです。今,放射線(ペーター線).が1個GM
管の中に入って来たとしますと,アルゴン原子に放射線
がぶつかり,アルゴンをイオン化します。この時できた
負の電子は,1,300∼1,400ボルトの正の電圧がかけられ
た中心の針金の方に引かれますが,途中でまた,アルゴ
ン原子とぶつかりイオン化し重す。同じことを何回も繰
返しながら中心の針金に行くうちに,管内に多量のアル
ゴンイオンができて,それらが,ミなだれ、のように中
心線にぶつかります。、なだれ、がおきると,その結果
雌流が流れて中心線に衝撃を与えます。この衝蝶を増幅
して記録させます。ベータ一線が管内に入ってから衝蝶
を与えるまでの時間は約100万分の1秒くらいですが,
j
ノ
│
I
I
"
C M-4225
G班丑2鮨GM-鋤I6BG雛1618
GM.2016GM-…
写真2いろいろな種類のGM管
肥料から苗体内にとり入れられた燐と,土壌中からと
り入れた燐の吸収割合,施肥養分の流出の問題などは施
肥量決定に大切なことであり,寮た肥料の種類,形状,
施肥の時期,施肥位置などの問題も重要であります。こ
れらの問題を解明するために放射性同位元素が用いられ
ています。また林業薬剤が林木の中で,どのような行動
をしているかを承るのにも,放射性同位元素を使ってい
ます。一般の定瞳ができるほど薬をつければ,木が枯れ
てしまうような時に,非常に微量でも検出できるトレー
サー法は,この分野では重要な研究手段となっていま
す。このほか,接着剤の吸着を解明する手段として使わ
れたり,立枯病菌に放射性同位元素でしるしをつけ,土
壌中での菌の動きを調べるのにも使われています。
このように放射性同位元素は,林業関係でも,いろい
ろな分野で使われ,今まで明らかでなかったことを,急
速に,ときほぐしていまう了が,近い将来には,さらに多
くの方面で使われるようになると思われます。
−−−7−−−−
典君宅雪昌皇国弓毫昌弓再瑁曼﹃壱二塁言言室
木材チップ検収統一について
蝉;鵠篭皇實〕
睡唾金誕…露…錘勤鈴垂冒窃診Z◆垂X毎転免詮璽錘
昭和31年静岡,広島両県に始められた木材チップ生産
は,その後パルアエ業の発展に伴うパルプ・原木需給の逼
迫,原木価格の高騰,薪炭の需要減に対する利用転換な
どの諸因子により,予想外に増大し昭和41年においては
9,640千nl3となり,パルプ原料中52%を占めるに至った。
この間木材チップの検収法について象ると,木材チッ
プ・の取引の歴史が浅いこと,チップ工場もパルプ会社ご
との系列化の形態をとったこと,その生産が急激な伸び
を承たことなどのたあ,各パルプ工場がそれぞれ独自の
検収方法を実施し今日に至っている。
紙・パルプ業界全体としては,木材チップ検収方法を
統一することについてそれほど切実に感じてない向きも
回の会議を重ね,また各検収方法の代表工場の現地検収
実態調査を行ない,その間通産省計量研究所,腱林省林
業試験場,食糒庁その他を訪れ計鐘に関す為権威者とイ
ンタービューを行なうなど,これらを統合し種を検討し
た結果昨年11月統一案を作成した。
よってこの統一案の概要を述べて大方のご参考に供し
たい。
はじめに
1.検収の意義
検収とは,到着品の受付より開梱,注文響との照合,
計量,検査,採用不採用の通知,納倉,不良品の返却に
至るまでの事務手続きおよび作業をいっている。
2.精度とは
学問的には精度とは測定の誤差の小さい程度といい,
誤差の小さい測定ほど精度がよいということになる。
特にカタヨリの小さい程度を正確さといい,バラツキ
の小さい程度を精密さという。そして両者の区別ができ
ないような時,正確さと精密さを含めて,またそのいず
れかをさして精度といっている。
測定において真の価は特別の場合を除き観念的なもの
であって,実際には得られないが,多くの場合近似値ま
たは推定値は知りうるので,それらをもって誤差をいい
表わすことになる。
3.計量の難易性
種なの物質の計量においてその性質上計迩の精度の落
ちるものは,
あ為が,下記の客観的理由により,統一の必要性がある
イ.吸湿性物質(塩,砂糖など)
ものと考えられる。
ロ.粘蒲性物質(佃煮,煮豆,生コンクリートなど)
ハ.微粉体(セメント,小麦粉)
1)商取引として
商取引において用いるものさしは同一であることが望
ましく,さらにそのものさしは経済性と実用的な精度が
要求される。
商取引は相互信頼の上に成り立つものであり,計量方
法が秘4rあるということはこの点でも問題がある。
2)統計関係
など,いろいろあるが,これら以上に木材チップ°の計量
はむずかしいと考えられる。木材は樹種により,また同
一樹種でも個体により著しくその性質を変える不均質な
ものであり,さらに同じ材でも箇所により含水率や組
成比重などが異なる複雑な最も計量困難な部類に入る
物質といえよう。
木材チップの生産,消費等の統計資料がパルプ各社独
自の方法で計量し,さらに独自の換算係数を用いて算出
している点からも統一してこの弊を除くべきである。
3)外国チップとの関連
輸入チップは今後,年を増加し,流通性も高まる趨勢
にあるので,国内産木材チップの計通方法を統一するこ
とが望ましい。
以上申し述べた理由により,紙・パルプ連合会は木材
チップ検収統一案を作成することを決め,8月より20数
︽ゴー
;
古 河 一 価
琴二三一三二三一言宇舎三宝二二一言二三一一三三三二一三一垂呼●痴蓉ウバ金睡吋奎毎唖令瞬冷舞郷●ぷい●瞬琴▽廓
I
M
I
I
M
M
h
1
1
1
1
l
,
I
M
h
,
#
M
M
I
I
,
W
M
M
L
I
M
d
h
i
W
W
I
.
I
I
1
M
W
M
h
'
I
I
I
I
'
,
h
・
I
I
M
i
,
,
h
'
川
』
h
剛
ル
ハ
‘
,
&
』
i
冊
』
M
M
i
I
』
M
,
.
膳
4.検収統一の方向
検収統一の方向としては次の諸条件を満たすことが望
ましいと考える。
1)淵度,正確性
2)計鐘の簡易,迅速性
3)取引の納得性
4)検収饗用の経済性
5)輸入チップとの関連性
− 8 −
へ
、 一
差を生ずる。
調査ならびに検討事項
1.調査方針
わが国において現在行なわれている木材チップ検収方
法についてその精度,経済性,信澗生,取引関係などを
再調査するとともに,現地に赴き実際に検収している実
態を調査し,併せて学識経験者の意見を考臘して,検収
統一の方向付けを行なった。
なお品質管理は必要度により各社まちまちであるた
め,今回はこの統一案は作成しないが,将来標準化の必
要があろう。
2.調査検討内容
1)現行検収方法の代表会社調査
』=
(3)厳密にいえばサンプルを持ち運ぶ間にも水分は減
少する(サンプルを必要とする方法共通)。
(4)重量から容積への換算係数は産地,材の部分など
により一定しない。
(5)乾燥法でサンプルの絶乾重逓を求める場合2∼4
時間では少ない。
◎全層積法
(1)全量測定のためサンプル誤差はない。しかしなが
ら見かけ容積算出時の高さ測定の平均値の出し方が
困難で,個人差も現われやすく'3cm括約では誤
差がはなはだ大きい。
現在実施されている木材チップ検収法即重簸法,全層
蔽法,サンプル層積法,実容積法についておのおの1工
場について計量方法,設備関係,検収人員,時間,取引
関係を調査した。
2)拡大して20社につき調査
前記4代表工場では標準とは見なし難い点もあるので
調査範囲を拡大し20エ場(全国チップ取扱量の約70%に
(2)大半の会社は沈下率により,見かけ容積を実容積
に換算する係数を用いているが,含水率,チップサ
イズ,路面などにより変化するものを距離別,樹種
別に画一していることが誤差を生ずる。一部会社で
無沈下の状態に戻して換算しているが,ほぼ同じで
ある。
(3)また見かけ容積は季節的変動がある。
◎サンプル層積法
相当)につき調査した。
3)現地実態調査
4検収方法につき現地調査を行なった。
(
'
)
サ
ン
プ
ル
数
量
が
少
な
く
ロ
ッ
ト
の
約
王
誌
程
度
に
当
た
り,重量法よりはよいが,ロットの標準とすること
4)各検収方法の特質と問題点
は誤差を生ずる。
a,計垂ならびに取引単位
◎重麓法サンプルの採取方法,数量,水分率の求め
方および取引単位換算などが各社まちまちである。
◎全層祇法樹種別,距離別区分による換算係数およ
一
(2)サンプルの含水重麓測定の際,落下方法,チップ
サイズ,季節変動含水率,スリ切り技術などにより
誤差を生じ,個人差も現われる。
び係数設定基礎などが各社まちまちである。
(3)サンプル容器への投入条件を一定にすれば,デー
ターの再現性憾高いといわれているが,正確にいう
◎サンフ°ル層穣法サンプルの採取方法,数戯,桝の
形状,大きさおよび取引単位換算などがまちまちである。
◎実容祇法サンプルの採取方法,数量,予冊綴演の
(4)実容種換算などの場合係数を樹種別に画一してい
るが,同一樹種でも比重,チップサイズが異なるの
となかなかむずかしい。
有無,取引単位換算などが各社まちまちである。
で誤差を生ずる。
◎実容積法
b.精度
この木材チップ検収4法のうち,いずれが糖度がよい
かを数字でランク付けしたいと当初考えたが,なかなか
むずかしく困難なことである。したがって今回は計堂過
程において誤差の生じやすい主な点を検討するにとどい
た。
(1)サンプル数量が少なくロ,トの約蔬而程度に当
たりやはりロットの標準とすることは誤差を生ず
る。
(2)樹種,形状,含水率,注水法,撹枠等により,チ
ップ・の吸水,気泡の付請等大きく異なるので誤差を
生ずる。
◎重iit法
(1)サンプル採取方法でいかに高性能のサンプラー,
縮分機を用いてもなかなかロットの代表を遜別する
ことは困難である(サンプルを必要とする方法共
通
)
。
1
(
2
)
サ
ン
プ
ル
数
量
が
少
量
で
ロ
,
ト
の
約
姉
O
O
5
,
0
0
0
−
−
程度に当たり,これをロットの標準にすることは誤
(3)たとえ予備浸漬を行なったとしても,個人差はま
ぬかれず’気泡の完全除去は困難である。
c・経済性
いかに精度が高くても設備謎,人件費,検収時間がか
かり過ぎるようでは企業として望ましい事ではない。
これら諸費用は会社により方法,数量,品質管理方法
− 9 −
、
単位:円/m3
こっていない現状である。
重全
検収方法別|設備費|人件費|計
麓 法
0.61
層積法
しかしながら,海外からの大量のチップ輸入というこ
21.67
22.28
ともあり,この際同種物件の計量法統一という大乗的視
6.67
6.67
野に立って検討の結果,次のようなまとめの結論を得
サンプル層祇法
0.40
13.33
13.73
実
0.50
21.67
22.17
容積法
いく取引を行なっているのでこの点あまりトラブルは起
た。
1.検討の結果
1)計量の通念
などにより異なるので4検収法の平均値を求め,現地調
一般的には物体の精度は容稜(桝目)より重量(目方)
査を勘案し,一応240千ms/年検収の場合を想定して比
の方が良いといわれており,特に形状の一定でない物体
較した。
の計蝿は,きわめて困難ではあるが常識的にいっても重
上表に示すごとく,全層職法が最も検収費が安く,重
その中間に位している。
量の方が良いといわれている。
2)締度,正確性
︽︶
量法,実容職法が最も高く約3倍,サンプル層積法は,
現行4方法で糖度上もっとも問題となる点は,少量の
d.その他
サンプルではロットの代表値を示さない場合が多いこ
◎重量法
と,換算係数を用いること,個人差の出ることなどであ
(1)測定完了まで時間を要し,人員も多く,作業もわず
らわしく,多量取扱いに不向きである。
り,これらを除去解決することが必要である。
3)簡易迅速性
(2)測定が売買両者立会困難で,不当に不信を招く。
従来の含水率の求め方では時間を多く要し,作業能率
◎全層積法
も悪く,大量計量には不向きのため,短時間かつ全量の
(1)測定きわめて簡単蚕人員も少なく,設備も不要で多
水分を測定することが必要である。
(堂取扱に向いている。
4)紙・パルプ工業の生産,原価管理との関連性
(2)測定が売買両者立会可能で,層積係数を納得させれ
木材の取引は容積検収であるが(近年重量検収の会社
ば信頼性があるが,バラツキ誤差を生じると不信を招
が増加傾向)紙・パルプ工業の製造過程および最終製品
く
。
の管理などすべて重趣である。したがって木材チップは
◎サンプル層砿法
重量検収,重風取引とすることが,生産管理,原価管理
(1)測定がきわめて簡単で,人員も設備も比較的少なく
上一貫性を有し合理的である。
てよいが全層職法より多少手数がかかる。
5)輸入チップ°との関連性
(2)測定が売貿両者立会可能で,理論が簡単で業者に説
木材チップの輸入もようやく軌道に乗り,42年度約
1,600千Xn3が,昭和50年度には約6,000千│m3と,将来
◎実容滅法
ますます増大する見通しであり,これらはすべて重量検
(1)測定完了までの時間は重量法より短いが,作業がわ
収,重壁取引であることから国際的にも通用する方法を
ずらわしく多瞳取扱い不向きである。
考えた。
(2)測定が売買両者立会可能で誰にでも実験できる。
6)経済性
検収費用はほとんどが人件費であり,設備償却費は人
件費に比較すればきわめて僅かである。したがって積極
結 論
以上記述した現行4方法はそれぞれ長短あって優劣を
つけることは困難であり,このうちから一方法をそのま
ま採用して統一することは,精度,信頼性,作業能率,
的に検収器具機械の開発導入をはかり人員を削減し合理
化することが必要であると考えた。
以上検討の結果,次の方法を木材チップ検収統一案と
した次第である。
経済性などの見地から問題があると思考される。
調査したところ各社とも各社なりに相当研究を重ねて
おり,検収実務に当たってはそれぞれ検収基準,要領書
などを制定して,検収員の訓練も行き届き熟練度も高
2.統一方法
1)全瞳含水率測定可能を前提とし,絶乾重量法とす
る
。
2)取引単位は純乾重鐙とする。すなわち,ロットの総
い。
一方系列化されたチップ工場とよく話し合って納得の
含水璽迩(”)を秤鍾後,ただちに特殊水分計で全量
− ] 0 −
︽︶
明納得させやすい。
の含水率(u)を求め,絶乾重量(W)を算出し,こ
量方法は設定しない方が,望ましいと判断した。
研究の結果,この水分計がかりに500万円でできた
れをそのまま取引単位とする。
算
出
式
W
=
"
(
'
0
:
5
i
u
)
しても,人員が相当削減されるので,次のように低コス
ただし特殊水分計については,文献,その他によって
トとなる。
調査した結果,放射線利用によるもの,マイクロ波利
用によるものなど,各種の水分計の開発が緒につき,
できるが全量測定室でには至っていない。
水分計
トラック
しかしながら今後の研究によって全量測定または相当
スケール
計
量の測定は至難ではないと判断される。
したがってこれを実現させるため別途専門委員会(木
一
材の化学組成計測などの専門家による桃成が望ましい)
を設けてこの水分計を開発すべきである。
千円千円
’
円
5,000
1,200
6,20014651.94
112
これらの水分計は従来の芯のに比較して多愚の測定が
人件饗
区分|金額│緬鼬; 人 員
1
1
1I
1
1
研究が急速に進んでいる。
殺 備 饗
1
,
6
0
0
1
6国性堅
注1.年間240千nl3の扱鐙として試算
2.設備償却は総金額の5%を控除し,12年定額償却とし
て計算した
この水分計の開発されるまでの間,暫定措磁としての
以上,紙・パルプ連合会の統一案について申し述べた
計量方法についても検討したが,これがため設備が二重
が,統一検収法については近く関係者により協議が進め
投資となるばかりでなく,短期間に計堂方法を変えるこ
られることになろう。
とは,流通の困乱を招くおそれもあるので,特に指定計
'
ず
.
,
$
.
.
・
ざ・
・
夕
.
。
O
、
.
‘
ま
.
‘
・
ざ
.
.
。
、
.
,
。
、
.
。
f
・
・
ず
。
.
・
・
,
'
、
・
毒
・
'
ず
・
・
ざ.
.
.・
‘
。
.
・
ず
・
・
ざ
.
,
..
。
P。
.
.
。
ご
・
・
.
。
、
。・
ず・
ず
:
◆。
エゾマツは北海道・樺太ばかりでなく,朝鮮・満州§
〔県の木シリーズ〕
から,東部シベリアではオホーツク海沿岸のアヤン港;§
エゾマツ
(北緯56.30')まで北上し,各地方における林業上の;
(マツ科)
申
〃"α’"oc"sis(SIEB
etZucc.)CARR.
重要樹種となっている。なかでも北海道は古くからエン
●
今
ゾ・トドの美林で名高く,北海道の木としてはエゾマネらャ
ツとトドマツの両樹がすぐ頭に浮かぶが'名前からい#
ってエゾマツに軍配があがるわけである。エゾマツは:
一名,クロエゾマツともいうが,これはアカエゾマツタ鳥
をも含め総称してエゾマツと呼ぶことも考えられるか:宅・
らである。エゾマツは本州中部に分布するトウヒと同#
一種内の変種の関係にあり'両者とも扁平な葉を持つ;
一
ている。北太平洋を中にしてエゾマツと対称的に,アミ
ラスカからカリフォルニアに分布するシトカトウヒは;::.
近以の種類で,やはり扁平な葉を特徴とし,同地方の;
スブルースの代表である。アカエゾマツの方は葉の断;
●
面が四角形で,分布地域は比較的狭く,樺太南部,南;:
千島,北海道,岩手県早池峯山に産する。北海道でば,《
エゾマツ・'、ドマツと混生するほか,湿原周辺,岩石&
地火山砂礫地などに純林が見られ,エゾマツより少鳶
ないが,重要樹種の一つであり,本邦産スプルース材》
中の最優秀品である。
トウヒ属(Pic")の多くの種類はアカエゾマツやハき
リモミやドイツトウヒのように葉の断面が四角形であく
り・
●●
るから’扁平葉のエゾマツ・トウヒ・シトカトウヒな;
Q*
どは本属の異端者といえる。
│:文・倉田悟(東大),絵・中野真人(日本パルプ)どは
;
,
.
.
.
.
.
…
.
.
.
、
P
.
.
.
$
.
.
.
§
卿
●
.
・
・
9
‘
.
.
,
.
.
.
.
.
.
.
,
.
、
.
.
b
、
、
.
.
.
、
.
.
‘
.
.
.
‘
$
.
.
.
、
.
.
.
‘
.
,
.
.
.
、
寺
も
.
ざ
.
。
.
.
P
9
.
.
.
.
.
.
$
,
。
、
4
,
,
.
・
“
,
.
,
.
,
.
,
.
.
.
.
.
』
§
、
P
‘
.
、
ざ
.
.
‘
・
・
・
‘
。
・
・
・
.
$
'
。
、
ず
、
.
‘
、
。
‘
‘
.
、
.
"
’
ず
,
‘
.
‘
.
・
・
ら
d
・
・
"
.
.
‘
.
‘
。
。
,
.
.
,
、
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
・
・
・
‘
、
・
・
,
・
・
パ
・
‘
。
・
・
・
,
、
・
・
・
.
・
・
"
・
・
・
。
'
。
,
ざ
・
・
‘
、
.
・
・
・
.
.
。
,
ぷ
.
・
‘
§
・
・
・
ず
.
−−−11.−−
お舗寶
まず学生実習用の森林であるが,最近は学生の教育と
技術の習得に関しても次第に高度のものが要求されるた
め,単調な林相の森林では目的を達することができない
場合が多く,各学科目の実習に十分な成果を期待するた
めには,自然的,経済的な各種の要件を具備した森林が
大学演習林の
紹介に先立って
要求されるものであって,一大学で数カ所に演習林を設
定しているのも,研究上のほかに,このような教育上の
必要性によるものである。
扇 田 正 二
〔舞鶴諏議鱸〕
このたび「林業技術」の編集部が大学演習林の紹介を
企画されたことは,いろいろの意味において意義のある
ことと思われる。
なお,この紹介に先立って,大学演習林とはいかなる
性格のもので,またその現況はどうかについて若干ふれ
ておくことが,個安の演習林の記事を読まれる場合の理
解あるいは批判にいくらかでも役立つのではないかとい
う編集部の意向におこたえして,現在全国の大学演習林
で職している協議会の事務局の立場から,それらにつ
いて簡単に述べてゑたい。
り,これらはまた卒業論文の資料収集に利用される場合
が多いため,その設定には各演習林ともに努力を払って
へ
一
いるものである。
つぎに現地における試験研究とは,関係識座および現
地演習林の研究者がその演習林のフィールドを対象とし
て行なう研究であって,森林および林業に関する学問領
域においては,このような現地における研究が重要な意
味をもつものである。
また,そのために設定される各種試験林もその性質上
長期にわたるものが多く,演習林のような性絡の機関に
おいてはじめて,それらの維持,管理が可能であるので,
まず,大学演習林の性格であるが,そもそも大学演習
林は大学の学部付属の教育研究施設であるから,その性
格も各大学の自治の範嶬において決められるべき性質の
ものであって,各大学でまち童ちであって当然差支えな
いものである。
しかし,たまた童,全国大学演習林協議会で,これま
われ,その討議の間に出されたいくつかのもののうち,
各大学についての最大公約数的なものをここにひろい出
して見ることによって,おおよその演習林の内容がおわ
かりいただけると思う。
これによると,大学演習林は,大学における林学なら
びに関連学の教育と研究のための機関で,主として学生
実習用の森林ならびに研究のための各種実験林などを造
成・維持・管理し,同時に演習林の特色を生かしたフィ
ールドに直結した研究を行ない,さらに,これらの研究
、
成果を応用した経営試験を実施しているのが,大多数の
演習林の現状のようである。
なお,上記のほかに演習林所在地方の林業の啓蒙を目
的とする諸惠業を伝統的に行なってきているところが多
い。いま,これらについてさらに若干の説明を加えて象
演習林としても最も重点的に取扱っている部門である。
また,経営試験は,現地における諸研究の成果を実地
に応用する中間試験的性格のもので,単に施業の成果だ
けを問題にするのではなく,一つの施業についても,材
料ならびに条件の吟味と,施業の各段階における正確な
記録が行なわれ,それらが今後の新しい研究に役立ちう
るように雛理されていることが望ましいわけである。
以上が減習林の主な性格内容であるが,その他に付随
的に行なっている演習林所在地方に対する林業の啓蒙の
ための事業としては,上記各種試験林の見学や技術の講
習,あるいは林業経営についてのコンサルティングなど
があげられるが,これらは本来の業務に支障のない限り
において,積極的に常時実施している。左た,大学によ
っては,林業家の子弟に対して林業技術の実地教育を行
なう見習生の制度を設けているところもある。
おわりに,参考のために,わが国における大学演習林
のおおよその現状を協議会の資料(協議会には現在のと
ころ,公私立大学は加入していないので,資料は国立大
学の承に限られている)から抜すいすると次のようであ
る。寮ず,淡習林のおかれている国立大学は23校で,そ
の総箇所数は68カ所(特定研究用試験地を含む)である。
これらの総面積は129,000haであるが,この面積のう
− 1 2 −
︽︶
で数回にわたって演習林のあり方についての検討が行な
よう。
また,見本林,参考林なども試験林とともに学生の実
習に当たって実地の教育を行なう上で不可欠のものであ
ち,70%は北海道にある北大,東大,京大,九大の8演の伐採髄は約193,000m3で,その収入織頃は約7億円に
習林によって占められ,残りの30%が本州で60カ所に分およんびいる。ただし,この収入に対して支出は約80%
の5億数千万円で,これが23校,68カ所の演習林に細分
散している。
なお,これら全演習林に現在設定されている試験林,
され,それで教育研究や,経営試験の植伐事業ならびに
学術参考林については,昨年協議会で取りまとめた「全管理などのいっさいの経饗を賄うことになるので,各演
園大学演習林試験林・学術参考林一覧」を参照された習林ともに経費不足になや重され,いずれも計画どおり
の運営ができないのが現状であることを付言して論きた
い。
つぎに,全滅習林で行なっている経営試験による年点い。
些
凹
⑲
9
L
O
1
B
'
9
r
m
t
t
8
m
↑
I
山
1
6
卸
、
咽
仙
耐
1
8
t
剛
山
‘
・
f
q
v
'
0
0
邸
剛
J
1
I
Ⅱ
1
川
八
・
・
h
戸
'
0
1
U
B
I
Ⅱ
l
p
n
1
o
n
打
。
。
O
加
O
n
I
8
I
p
1
制
,
‘
・
0
0
.
0
0
0
W
'
0
1
8
1
0
1
剛
1
1
4
・
叩
C
O
・
o
O
6
M
m
0
0
m
8
w
。
p
、
少
も
。
。
'
'
』
'
川
I
肌
w
U
O
D
J
・
氏
J
I
B
帥
冊
0
“
叩
、
0
勺
・
ロ
・
‘
ロ
U
畑
1
1
1
1
1
伽
D
I
Q
,
ロ
。
・
1
.
・
帥
d
O
O
U
1
B
U
O
帥
Q
0
Q
O
,
獅
守
。
t
皿
加
8
1
m
Ⅱ
ザ
呼
呼
'
1
第
一
皿
ま
置
回
東京大学
千葉演習林
;
渡辺賛仲
芦凸
一一一
〔東大教授・千葉演習林長〕
’’一一
演習林の概要
東大千葉演習
林の位置およ
〔創設〕本演習林はわが国最初の大学淡習林として
1894年(明も27)に清澄山林約300haで発足し,1898年
(明,31)に奥山山林1,900haを加えて現在にいたる。
〔位置〕事務所は安房郡天津小湊町天津770番地に
あり,房総東線安房天津駅より徒歩にて約7分である。
演習林林地は安房郡天津j、湊町鐙よび君津郡上総町の
両町にまたがる一団地をなし,中央に民地である四方木
盆地を抱く。なお清澄山付近では民地とかなり入りこん
−
でいる。
の成長不振,虫害の発生などよく経験されている。
〔植生〕極鑿相としては暖帯照葉職淋であるが,暖
帯各地の残存天然林で普通に承られるように,本減習林
でもモミを上木とする中林型の旅分がかなり保存されて
いる。下木としての広葉樹は古来薪炭材として利用され
てきた。この伐採のくりかえしのひどかったところは,
次第に落薬広葉樹に変わってきているが,一般にはまだ
かなりよく常緑広葉樹が残っている。そのおもなものは
カシ類,シイ,サカキ,ヒサカキ,ツバキなどである。
人エ林ではスギが主体で,それにヒノキがつぎ,マツ
類はマツクイムシの被害がひどいので最近はほとんど植
林されていない。
面積・蓄積〕第1表
みると悪い方に属する。
〔気候〕温暖多雨で,清澄作業所(海抜300m;1946
∼1965年間)の観測では,年平均気温14.2。C,年降水
量2,223mmである。海岸性気候で,最寒月の1,2月で
も45oCと暖かい。しかし森林の気象的災害の記録では
雪害がもっとも大きく,台風の被害がこれにつぐ。また
夏季の7,8月の降雨量は3年に1度く.らいのわりで約
100mmにそして4年に1度ぐらいの割で約30mmに下
がることがある。したがって苗畑作業の支障や新植地で
人工林
面一球一淵刎
〔地質・地形・土壌〕林地全体が第三紀層に属し,
基岩は砂岩・礫岩・シルト岩等で一般に風化しやすい。
山嶺は最高点でも383mで一般には低いが,地形は複雑
でしかも急峻であるため,林道の開発ならびに維持には
不利である。土壌は一般に浅く,林木の成長も全国的に
び大きさ
蓄積
’
広葉樹│計
Xn3
In3
157,984
52,53252,532
天然生林
要造林地
林道その他
計
− 1 3 −
730.6
8
4
1
"
,
"
1
2
,
0
,
5
,
‘
馴
璽
恥,
2,22910.6
夕
試験研究の概要
し,これらの林が高齢になるにつれ,この測定結果の果
わが国で造林学が体系づけられた当初においては,ド
たす役割は今後ますます高まることであろう。なおこれ
イツの造林学の影響がつよく現われ,わずかに吉野林業
らの測定の結果などから,千葉演習林の収穫表がつくら
その他の既往の林業地の経験が参考として取り入れられ
れた。収穫表のなかった当時としては,この収穫表はわ
ていた。したがって造林にかぎらず林業全般にわたり学
が国の代表的なスギ林収溌表のひとつとして長い間利用
問的な資料や技術の裏付けとなる科学的根拠というもの
されてきた。
は少なく,これらの資料をうるために大学および国有林
大正年間の試験として,スギ,ヒノキの間伐試験(大
8,9,昭.5)や,カシ類用材林施業試験(大.11),短
林施業法試験(大.11)などがおこなわれた。これら間
伐試験は,林分椛造論の台頭で,間伐の霧えかたに変化
が生じ,したがってこれまでの間伐試験地は参考林とし
てしか意味がなくなった。嬢林施業試験の結果は,常緑
広葉樹林を伐採するにあたり,皆伐すると童ずススキが
においてこのことにとりかかったようである。そして大
学としてそのためにまず本演習林が活用されたのであ
る。本演習林では,設立の翌年から造林を開始してお
り,当時はまず将来にそなえ試験地として活用できる造
林地をつくる考えでスギ,ヒノキの造林をはじめてい
る。それにしてもはじめは(明治時代),造林法の試験
とか,スギ・ヒノキ列状混溺植栽試験(明42)など,植
はかなり進んだ考えの試験であったと思うが,試験設計
生え,そのつぎに落葉広葉樹が出て,もとの補緑広葉樹
林にはなりにくく,もとと同じ広葉樹林にするためには
択伐しなければならないということである。今日,木炭
生産が不振のおりであるので,この結果は一般には活用
されていないが,本演習林ではこの方法によって薪炭林
の不備で結果を追求できなかったのは遺憾である。なお
を伐採している。
栽法の試験が主であった。またこのころすでに(明.45)
母樹の年齢とか,種子産地のちがいなどが造林木にいか
なる影響を与えるかの試験をはじめている。当時として
ヨーロッパ林業の影響のひとつの現われとして,林業と
つぎにこの時代に特筆すべき試験として,大正2,9
狩猟との関係をしらべるため,明治42年に野生動物飼育
年に森林治水試験がはじまったことである。ただ両試験
試験としての日本鹿の飼育をはじめている。これは当時
地とも大正12,昭和5年の豪雨で施設が崩壊してしまっ
の大学教官がヨーロッパの費族趣味をまねたもので,今
て,試験を中止せざるをえなくなったことは遺憾であっ
日の大学教官の社会的地位と比較してはなはだ興味のあ
た。今日のように治山の問題がやかましく論ぜられ,水
るところである。この試験地は野獣園としては広く知ら
源林造成が脚光をあびているとき,以上の試験地が完備
れかつ愛され,子供から大人にいたるまで,春の桜,秋
していたならば,この試験地の測定結果が果たす役目が
の紅葉の時期には入園者でおすなおすなの盛況であった
いかに大きかったことだろうと思い残念である。
が,大東亜戦争たけなわになるにおよんで,飼料入手の
以上で明治・大正時代に行なわれた試験のおもなもの
困難から閉園せざるをえなくなり,そのまま今日におよ
について述べた。さきにも述べたように当時としては,
んでいる。また明治年間の試験としてシイタケ培養試験
学問としての林学の基礎問題も不明であり,技術の裏付
けとなる科学的根拠も少なかった時代であったので,お
(明41)もある。これはその後長くつづいたが,方点で
同じ試験をはじめるにおよんで中止した。
こなわれた試験のぼとんどすべては,当時としては十分
明治年間の仕事のひとつとして見本林の設定がある。
これは長い間学生や一般参観者に親しまれてきたものの
の役目を果たしていたことが想像される。
ひとつである。なかでもセンペルセコイヤ,落羽松など
びに,応用学としての林業の蕊付け試験が盛んに行なわ
h
れるようになった。これらについてはこれまでに述べた
され,老齢のもの,若齢のものなど,演習林全域にわた
年代順によらず,題目別に述べたい。
〔製炭試験〕大正末期から昭和の初期にかけて製炭
大正年代に入り,造林木がようやく大きくなるにおよ
の基礎研究がはじめられた。炭化進行の問題はもちろ
んで,生長測定試験地(大.5)が演習林全域にわたり
ん,製炭窯の櫛造にまでおよび,そして家族経営的な製
炭試験から,半工場的規模の製炭試験まで行なわれた。
設けられた。この測定は5年おきに行なわれ,この結果
はしばしば演習林報告などでも報告されてきたが,林木
これらの試験は約10年続き,当時演習林は製炭試験の場
の生長経過を解明するうえに大きな役割を果たしてきた
所として全国的に有名になったのであった。その後一時
− 1 4 −
●
一
昭和年代に入って,林学の基礎研究としての試験なら
の林は貴重なものである。見本林はその後も時女設定
り多数ある。
P L
驚霧
一
… …
中絶したが,大東亜戦争時代にふたたび各種の製炭窯の
比較試験が行なわれたことがあった。その後昭和30年頃
炭質の改善と,収量の増加を目的として製炭窯の改善試
験が行なわれ,清澄窯G式2号は当時として最も理想的
実とその種子の品質について試験が行なわれ,またアカ
なものとして斯界に広く認められたのであった。
〔育種〕今日育細ま試験とは別に実行にまで進めら
る。これについては目下実行中で,たとえばスギタマバ
エがつきやすいが生長,材質などがよいスギとスギタマ
れている。しかし育種の試験はむしろこれからの問題で
バエはつかないが他の点で劣っているスギを交配して,
マツ母樹の形態が子供にどう伝わるかの試験が昭和13か
ら24年までの間に数回行なわれている。
〔3〕交配の試験である。目的は優良品種の造成にあ
あろう。当演習林の育種の試験をその性絡からみて,三
両者の優良性質を持ったものをつくりだすなど’この他
つに分けられると思う。
にも病虫害に対する抵抗性の強い品種をつくりだすなど
〔1〕これに属するものは,各品種の集植である。こ
れの目的はいうまでもなく,各品種の性格を究明し,当
演習林における生育の差を明らかにし,さらに将来品種
改良するぱあいの母樹とするなどその目的は多様であ
る。育種の試験は前述のように,明治45年に最初にスギ
・ヒノキ母樹の年齢と産地に関する造林試験として出発
し,その後昭和5∼8年にサシスギの各品種を集め数カ
所に植えている。その代表的なものを写真に示す。その
数多く実行している。交配を実行するためには,開花さ
後12年から数年にわたって多雪地方のスギを植栽してい
る。さらに昭和30年以後ふたたびサシスギの集植を行な
、現在にいたっている。ヒノキについても昭和22年に全
国各地から地方産ヒノキを取りよせ植栽しており,マツ
については昭和14,15,19,36年に各種マツを集植し,
アイノコマツについては昭和28年と32年に集植され,32
年植栽のアイノコマツ林は目下品種別による花芽形成の
調査に大いに活用されている。
〔2〕遺伝の問題をとり扱った試験で,その目的は母
樹の問題の解決などである。昭和5,9,10,23年にス
ギ母樹の年齢と子苗の開花結実,および,スギの開花結
一
せなければならないが,スギの2年生の苗木に対し,ジ
ベレリンと施肥とにより開花させることができるように
なったばかりでなく,雌花・雄花をある程度自由につけ
ることができるようになった。このことによって,従来
林木の交配は長期を要し,実行が困難と思われていたの
が簡単に実行できるようになった。
〔土壌。肥培〕土壌に関する試験は昭和の初期に手
がけられたことがあるだけで,本演習林ではその後行な
われていない。
肥培試験については,昭和2年に造林地改良試験とし
てはじめられ,その後昭和18年から水耕法による苗木の
謎分吸収の試験がはじまり,この結果林木の水耕液の決
定その他施肥の基礎資料がえられている。水耕試験はそ
の後砂耕によって継続され今日におよび,林地肥培の基
礎費料がえられている。
林地の肥培試験は昭和16年に苗畑跡地の改良としては
じめられたが,本桁的な施肥試験は昭和25年からはじめ
られている。しかし当時の試験は肥効があったのかなか
ったのか不明なぱあいが多かった。その後植付け技術が
改善され,いい状態に植えられれば,肥効はきわめて早
く現われることがわかり,施肥の前にまず植付けという
言葉が出るようになった。
昭和33年から成木施肥の試験も開始された。成木施肥
については研究がいまだ不十分なので今後の問題と思う
が,当演習林での施肥の結果は,林木の個体別で肥効が
非常にまちまちであるということである。この個体個体
で肥効に差の現われるというのは,立地条件によるもの
か,品種的なものによるものか不明である。
〔造林法〕造林法の試験については植樹造林ならび
にこれに付随するものと,天然下種更新,萠芽更新など
についての試験がある。
相の沢品種賦験地昭和6年設定33種植栽
「林木の青柳No.35.1.1966に詳細報告
植樹造林については明治時代に開始されたことについ
てすでに述べたが,その後中絶し,昭和4.5年に苗木
− 1 5 −
の年齢と造林成績や,耕転地栫,三角植・方形植の比較
した。
試験,昭和11.12年に疎密植栽試隣植栽時期の問題な
〔現在実行中の試験研究〕現在行なわれている試験
どがとりあげられている。しかしそのいずれも従来の考
のおもなものに,育種,肥培,植樹の三部門があり,育
えかたを基調とする造林試験であったのでみるべき成果
種,肥培についてはそれぞれの項でおおよそのことにつ
がえられていない。
いて述べた。本項では植樹の問題について述べる。
天然下種更新試験は昭和5年から15年にわたり,モ
スギ・ヒノキの植付けの試験は昭和30年からはじめら
れた。その2,3の結果からいままでの造林技術のあり
た。しかし現実には天然に稚苗が発生していることなど
かたに疑問を生じ,“造林技術の再検討”を世に問うた
ところ大きな反響をえた。すなわち現在行なわれている
植樹の試験は,自然尊重とでもいいたいほどの,苗木の
生理問題を重点として行なわれている。この結果いまま
で林業常識として考えられていたことが,かなり是正さ
から,今綾別な角度から試験をしてみる必要があると思
う
。
萠芽更新については,蟠林施業法改善試験として昭和
4年から24年頃まで行なわれ,クヌギ台切試験,カシ類
︵↑
ミ,ツガを対象として行なわれたが成果がえられなかっ
れるようになったことである。たとえば地捲えに対する
観念ならびに方法の是正,ていれい植えの考えかたなら
びに方法は,植付け功程に変化をきたし,さらに補植に
対する考えかたにも大きな変化を与え,大面積造林の否
祷蒋
蕊
選
桜
一繊迩
1輪
・融傘
必貝
蕊
標本館の外部各試験地から漂準木を抜いてきて陳列して
いる。般左よくの樹商8mのものは7年生のものである。
識
〔保育・生長・林分構造〕昭和'2年から枝打ちの試標本館の内部苗木の生理の学理と実際との関連を実
験が行なわれ,初期においては枝打ちの程度を理論づけ物をもってわかりやすく説明している。
るため陰葉・陽葉の問題が研究されたが,昭和'8年頃か定などである。そしていままでは植付けに対する関心が
ら同化作用にまでおよんだ。このことは単に枝打ちだけ非常に薄かったのに対し,植付けの重要さを広く認識さ
の問題だけでなく,林木の研究にもっとも基礎的な生理せたことは試験研究の大きな成果である。
学的な手段が応用されはじめたことで林学においては当以下要するに,い室までの試験研究は,研究それ自体
時として画期的なことであった。としては,未知の分野を解明する意味で大きな役割りを
間伐試験についてはあまりやられていない。林木の構してきた。しかしそれが直接林業と結びつきにくい面が
成状態に関する研究は,前述生長測定試験地のとりまとあったので,単なる研究として終わるばあいもたまには
めで’これは今後長く続けられるべきものである。これあった。それに対し,現在の演習林の研究は82,000ha
にともない,スギ’ヒノキともに無手入れ林が設定されという研究の場を縦検に使って,基礎的に研究された成
ている。またアカマツの疎密試験の結果は,現在林分の果を,林業にまで結びつける中間エ場的な役割りを果た
生産椴造に関する研究が盛んであるが,これの初期のそしていると思う。もちろん研究の場であるので,基礎的
して蕪本的な姿勢を与えるものとして大きな役割を果たな研究も同時に行なわれていぁことはいうまでもない。
− 1 6 −
︵ノ
植栽試験などが実行されている。その他サシキ苗の養成
試験も行なわれた。
h
﹃
I
弓
と
』
昭和4
43
3年
年度
度の
の林
林業業関関係
係放放
予
定
につ
てつ
雁
取
送送
予
迭
定
予
|定
1い
こ
ぎ
繼一零’参三r’島一書
割
ぬ
燈
"
蝿
・
咽
ロ
隙
一
u
聯
句
l
n
"
・
地
噸
公
一
則
膨
句
N
鰯
一
q
U
F
で
心
恥
r
z
g
I
I
h
d
i
h
F
w
n
m
駒
巡
I
I
W
笥
戚
傘
到
恥
・
章
"
i
u
"
"
綱
恥
包
純
1
0
m
,
‐
・
o
M
W
i
1
1
0
W
I
I
1伽幽・鄙IhO駁-.叩鵬空4h噸−職-‘軸噂領劃邨-“mlP句1Mい-鋤
い て 言
三
言
堂
j
山 内 政 人 雲
?
〔林野庁・研究普及課〕亨
皇
汀
〔栃木県〕
ラジオ農業学校
昭和43年度N臼Kラジオ農業学校放送計画は過日関係
者が出席してテキスト編集委員会が開催されたが,具体
これからの竹林経営
〔神奈川県〕
小規模林業経営者をたずねて
的な方針として,次のとおり決定された。
一
テレビ農業教室
○目的
腱業後継者として就農中の青少年に,近代的な農業経
□ねらいロ
営のにない手として必要な知識を’体系的に修得させ
本格的に農業にとり組もうとする農家を対象に,これ
からの腱業経営に必要な基礎知識を伝えるもの。
る。
口編成方針□
○対象
1週間を1単位として1つのメインテーマによって編
主として腱村青少年
成する。(年間53週)このメインテーマに従って内容
○カリキュラム
地域の幾業の実態に即応して,立体的な学習を実施で
を月曜∼土暇の6つに分け,経営経済,技術,現地訪
きるよう下記2案を参考に各地域それぞれのカリキュ
問等,あらゆる面から分折検討し,1週間を総合的に
ラムを作成する。
関連あるものとして編成する。
口主なる内容□
(1)経営事例を中心とする学習方式
○メインタイトル
経営事例の紹介・…1
これからの腱家林業
経営内容の分折…・…2
わが国の林業生産の過半をになっている私有林経営に
技術内容の検討・・・…3
おいては,その経営規模は零細なものがきわめて多い。
(2)作目別を中心とした学習方式
=
=
雌
,
"
麺
沙
酒
d
n
m
顕
画
虹
J
1
鮎
・
到
恥
句
鯉
l
1
L
・
I
I
I
I
I
Q
.
吋
M
伽
‐
・
0
1
1
I
拶
岸
剤
I
虫
‘
"
聡
一
餌
I
山
一
鋤
涛
・
圃
蝕
"
‘
4
1
聯
閏
鰄
捌
…
蝿
兵
雨ロー彌餌"型鯵鐸剤鋤"-.馳声"甘鰈-翻蕨
基礎(原理,生産)・.l
(2.0ha以下の中小規模経営者が全体の98%余を占めて
経営・・・…..・・・・……・・・…2
いる)これら森林所有者は一般に農業を営むものが多
技術・…・…・……………3
く,農家の経営の一環として林業が行なわれている場合
が多い。最近の艇山村をめぐる社会経済状勢の変化はま
○テキスト
個人学習を助け,集団学習の効果をより高めるためロ
ことにきびしいものがある。
ーカル段階で作成する。なお作成にあたっては,本来
このような環境下において,淡家の所得の向上をはか
の放送テキストの目的を果たすよう,各都道府県当局
るためには,森林の祇極的な活用をはかることを考えな
と十分話し合いの上実施する。
くてはならない。
そこ垂まずこれからの挫家林業の改善を考える場合に
口林業部門□
全放送時間60週のうち,林業関係は3週となり,1週
1テーマにつき5日間(月曜日から金剛日まで)とす
る。この計画は関東地域における計画であるが,他の
地域においてもほぼ同じスタイルでカリキュラムの櫛
基本的に考えねばならない事柄を学ぶ。
次に経営改善を考える場合,もっとも重要な農家林の
経営改善計画をしっかり学墨。
またその改善計画で考えられる造林技術林業の機械
成がなされているものと思われる。
化,しいたけ栽培のとり入れ方など農家経営と密着した
3週の放送内容は,担当県の専門技術員,試験研究機関
問題について学ぶ。
の研究員がそれぞれ分担放送することになっている。
〔月曜日〕農家林業の方向研究普及課長奈良英二
〔茨城県担当〕
グループ林業活動による林業経営の改善
わが国の林家は,その経営規模は零細なものが多く,
経営基盤もぜい弱で,生産活動も一般に停滞的である。
− 1 7 −
一般に艇家林の経営では,仕事量,資本が零細なもの
しかも挫林就業者の他産業への流出がはなはだしく,林
業労働力も量的,質的に低下の傾向をたどっている。
このような環境において,農家の所得の向上をはかる
ためには,これからどんな考え方ですすむか,総括的な
が多いので,労力不足の割には機械化が行なわれてい
ない。そこでこのように機械化の行なわれにくい農家
林で,うまく機械化をすすめるにはどうしたらよいか
(1)共同化,協業化
基本的な考え方をのべる。
(2)腿業機械の活用
(1)腱家林業の特色
(3職家林に適す為機械の開発
腱業機械の普獺犬況から承て(2)について重点的に説明
する。特に利用価値が多いのは,腱山村に広く普及され
(2)経営改善の考え方(経営規模別地域の特色など)
(3)新しい技術導入
(4)今後の股家林業
〔火ll淵日〕股家林の経営改善計画
研究普及課研究企画官坂本博
股家林の経営改善の基本的な考え方と経営改善計画の
具体的な作り方をのべる。
ていあハンドトラクタの林業的利用である。
これには苗畑用として活用するため,根切掘取機など
の作業機を利用することや,簡易なウインチを装着して
集材機や索道の代用をすることなど,いろいろな活用法
へ
‐
があるので,そのつかい方を紹介する。
(1)経営改善計画の基本的な考え方
(2)計画をつくる手順と基本線
(3)経営改善計画のつくり方
〔金峨日〕股家林とシイタケづくり
研究普及課研究企画官伊藤達次郎
(1)適正な生産計画
(4)計画実行と記録
(2)原木買い方えらび方
〔水曜日〕磯家の苗木づくり
(3)品種のえらび方
研究普及課研究企画官佐藤卓
(1)どのような苗木を目標にしてつくるか
(2)苗木づくりの基礎知識
(4)ホタ場の管理
(3)苗畑の選定
(4)象しよう苗のつくり方
(6)出荷技術
(5)発生の管理
〔土脈日〕腿家林の現地を見る。
(5)さし木苗のつくり方
磯家林が股業経営にどのようにうまく組み入れられて
(6)苗畑の管理
いるか,現地について解説を加える。
ぬた
〔木蠅日〕股家林の機械化
研究普及課研究企画官宮川信一
訪問先山梨県束八代郡境川村藤垈
田中英三
“
,
.
:
噛
暇
.
噸
I
側
臘
‘
‘
h
胤
順
.
.
、
1
噸
,
.
.
.
測
恥
,
w
l
d
p
I
I
M
1
.
…
,
l
i
l
伽
…
‘
恥
,
噸
'
l
b
、
I
I
M
'
…
W
I
I
n
・
M
M
I
F
I
I
1
1
L
"
・
0
蛾
ド
一
m
副
I
=
・
m
1
1
'
'
・
'
I
R
W
I
・
・
・
w
I
I
I
1
・
・
=
M
I
I
1
I
,
・
・
・
・
I
I
1
I
'
・
・
・
・
m
'
i
l
l
'
・
"
。
I
I
I
I
I
'
・
・
・
'
1
I
R
I
1
n
'
。
・
・
'
l
l
h
・
・
・
・
'
I
I
'
'
'
I
I
'
.
=
K
1
1
I
I
'
・
"
!
I
!
i
'
"
'
1
4
'
n
'
剛
卿
'
・
節
1
M
1
−
4
w
I
w
y
言
晶
睾
§
寺
新刊書と新製品バッジ発売のお知らせ亨
『
届︶
→
一
一
一
一
一
房
塁
三
野
=
二
j
守
g=
君
=
君
凸
●
=
−
ー
=
!|‐バッジAニッケル製200円(〒共)亨
−
|著著|価格
番 名
ー
一
一
(実物大)
〆
﹄
言差含号皇言●●皇写︲・●一言言皇三・つz曇琶§皇r呈言1峯一r’皇署j壜,f皇亭1急号
,│
現場林業技術者のため の空中写真 依 田 和 夫 350円(実費)
簡易測量法
一最近の林業技術シ リ ー ズ ー
5
0
円
(
〒
3
5
)
No.14中小規模苗畑作 業の機械化 宮 川 信 一 1
〃
15野うさぎの害 とその防ぎ方 宇田川竜男
〃(〃)
石崎厚美
〃(〃)
(仮剛)
〃
16スギさし木品糎 と特性
一三一言。澤毒管。今︽二一壱字.呈三幸写一今ユ堂堂君今。圭雲言.
3
三
ニ
垂忌。Ⅷ1
バッジC金色小型150円(〃)
(実物大)
i
職:
餓
陰
鋼
h
p
色
t
独
学
K
I
【
,
,
.
.
0
"
I
I
1
O
o
・
巡
職
肘
,
"
短
m
h
O
釧
如
"
咽
蝉
C蝉
旬
観
M
I
'
d
M
I
)
.
・
剛
I
d
h
蝿
r
討
皿
解
剖
鋤
瞳
句
翻
I
、
卑
感
d
h
F
詞
公
金
畠
尉
瞭
。
.
u
l
"
n
l
i
O
・
M
I
I
M
I
w
l
i
M
F
"
M
←
』
輸
順
噸
'
ロ
ト
蝋
I
勝
一
・
q
u
l
l
b
"
'
.
、
渓
'
・
f
I
I
I
I
・
詞
m
M
L
4
恥
=
司
鰯
胤
剖
h
P
・
郡
$
脱
ぐ
恥
硬
"
“
'
'
"
“
膿
甸
m
p
− 1 8 −
林野庁関係の撮影
擬影地区
指定番号
撮影面積
関係都道府県
山一430
ク
グ
グ
ダ
グ
ダ
474
475
476
477
478
へ
481
482
等あらゆる方面の調査計画に利用され,高度の科学性と
客観性をもったものとして非常な好結果をもたらしてい
る。とくに,近年における測量技術の進歩,普及および
国土開発事業の拡大等に伴って,その利用は年を増大し
492
493
494
林業部門においても,むしろ他部門にさきがけて導入
500
501
502
503
446
用されている。
すなわち,昭和24年には従来実測によって作製してい
た森林雑本図を,空中写真(米軍撮影のもの)を利用し
て地貌図を作製する方法に切替え,さらに昭和37年から
は地形図の作製に着手するなど,空中写真を利用した森
林基本図の作製が積極的にすすめられている。
一方,空中写真の利用は,利用技術の開発により,測
地的利用から判読利用面に拡大発展し,森林調査部門に
おける地況および林況の判読による林相区分図の作製,
標本調査での調査地点の確認,空中写真判読資料および
空中写真林分材蔽表等の併用による材穣の判読等をはじ
め,林道,治山,生産の各事業の調査設計など,林業部
計
織
職
陸奥椣浜
八甲出山
田 子
;蛎
畷
’挫腎
千曲川下流
驚蝿H
¥鋤臘
珊轡舟
12地区
,
され,測地あるいは測樹部門をはじめ事業実行上広く利
499
広 尾
北海道
〃
〃
〃
岩手県
宮城県
福島県
東京都
山梨県
岐阜県
京都府
兵庫県
〃
鳥取県
岡山県
島根県
広島県
徳島県
驚繊
大分県
總鴇
〃
〃
〃
〃
青森県
〃
〃
秋田県
山形県
福島県
新潟県
群馬県
愛秋
495
496
497
498
てきている。
:
勝
灘
,1
486
487
488
489
490
491
7,1
1211
485
7
1.空中写真の利用状況
空中写真は,都市,道路,港湾,鉄道,股地,林業
1
483
484
&
鴬2山県
部
驚
2
卯
之
町部
秀方侭
9
479
480
第2但馬
佐 用
第2大山
蒜
1
鳥飼愛美武
〔林野庁・計画課〕
塩
第
2
保
古
附
園部旭岡
7
ダ
ク
473
迫
郡 山
多鵬川
1
ク
472
北
本部
柚&
二 画
1
タ
ず
グ
グ
471
第2美深
第2雄武
1
〃
ク
グ
ク
0qaIoHQ8ggO8ogp01。﹄H由Up8o90早。日。8.Ⅲ。1.11
グ
グ
グ
〃
〃
463
464
465
466
467
469
470
皿畑畑卸知馳惣獅唖哩証鯉蝿銅畑芯蝿唖班帥哩醜恥噸恥迦弛錘知銃燕蠅姉唖柳叩蜘卸迩唖幟知
kln2
空中写真の撮影と利用
凹旦
│撮影地区名’
長野県
畿
皐晶県
岩手県
新潟県
〃
田県・山形県
29,461
注1.山一430∼484および山-503は関係都道府県が,その
他は林野庁が擬影したものである。
2.撮影地区名は,掘影地区内の著名な地名山岳名,河
川名等をもって呼称することになっている。したがっ
て,その地点を含む周辺がそれぞれの撮影区域となって
いるので,これにより撮影対象地域のおおよその検討を
つけることができる。
林業部門の撮影は,昭和27年頃から試験的にはじめら
れていたが,昭和29年の洞爺丸台風による風倒木調査の
門の各分野において有効に活用されており,今や,空中
写真は林業においては,欠くことのできない重要なもの
撮影を契期として飛鮒的に増大し,以来,国有林の経営
となってきている。
て計画的に実施するようになり,今日にいたっている。
このため,林野庁においては,国有林,民有林を主た
る対象として,毎年3万kmg前後の撮影を実施してい
る。
2.空中写真撮影の経緯と42年度実績
わが国では,国土地理院と林野庁が撮影を実施する2
大機関となっている。
計画編成および民有林の森林計画編成の森林調査用とし
その間,昭和36年には,国土地理院においても国土基
本図作製作業(縮尺5千分の1の地形図)の一環として
大規模の撮影が行なわれるようになったことから,それ
ぞれの撮影が重複しないように,あわせて国土全域の撮
影を早期に終了するよう,国土地理院と林野庁との間に
おいて撮影に関する協定が結ばれ,37万km2の国土を両
者で2分して撮影を分担するようそれぞれの受け持ち区
−19−
L
』
−撮
鋤指
蓉H
吋0
師T
師
l
T
K
一
×5×6×
×2
×3×
×3
×4×
区号×
乱×
2×
34
7×
81
4×
5×
12
5
国土地理院の撮影
‐ 関係郡一
擬"&爾闘畷綴|蕊鵜│鐙影蝿区名 蕊│蕊寶│驚饗鷺 │撒影地区名’ 繍│
逝府嬢
’
1
km2
km2
1
1,26'鰯
Ⅱ鴬…
2×
沼川‘87北海遺蕊T-67-6舟畠需
旭川839",CB-67
408埼玉県
1×沼津
富良野1,684〃2×天竜
km2
高 松
583番川県
新居浜
784愛媛県
843静岡県3× 松 山
釧 路 9 4 2 〃 3 × 渥 美
1,190"
4×
土佐山田
537商知県
2×
厚 岸 5 4 0 〃 4 × 長 岡
;駕蕊│瞳…×
豊後高田
221大分県
小 樽 2 8 3 〃 5 × 高 田
657〃
甘 木
虻 田 7 4 7 〃 6 × 輪 島
948石川県3× 久留米
室剛243"KK-67-1×長浜
“4懲賢‘×
佐 賀
,
,
0
0
7
7
4
4
蝋
臘
繩
繊
福岡県
040
織驚
877
五所河原1,091粁森県2×彦根
‘::灘重
佐世保
男鹿1,158秋田県4八日市市
熊 本
福岡県
長崎県
佐賀県
669
071熊本県
1,607熊本県
183滋強県7× 八 代
564〃
秋 田 6 2 7 〃 5 × 奈 良
847奈良県8× 睡 岡
崎県
67O宮崎県
山形405山形県6近江八幡市
255滋賀県9× 西 都
600"
,"勇雛Ⅲ0×
484鹿児島県
當岡市50群馬県A×宝塚・広根
塾農鼎,"埼玉県CG-67-lx倉吉
野刷拠0讓繊2×松江
鹿児煽
︵︶
青 森 7 9 1 〃 3 × 京 都
皿鮮灘
886鳥坂県
851鱸攪
横浜市首都171神奈川県3×出雲
小田原1,327"li:P×下関
注1
2
擬影地区指定番号に×紀号が付してあるのが2万分の1,他が1万分の1の箱尺で撮影されたものである
林野庁関係の擬影の注の2に同じ
域がとりきめられ,林難庁関係(国の補助により都道府
2.5倍程度に引き伸ばして使用するのが便利である。
県が実施する撮影を含む)においては,主として山地を,
国土地理院においては,平地,離島を対象として撮影を
3.空中写真の入手方法
実施することとなった。
空中写真は誰でも簡単に入手することができる。
29,461km2,国土地理院で50地区,34,518km2の撮影が
実施された。
なお,全国土のうちまだ搬影が実施されていない地域
は,北海道の鹿追地区および厚部沢川流域,岩手県の千
厩地区,山形県の白川上流地域,山梨県の富士山北部,
熊本県の矢部地区,鹿児陽県の大口地区および種子島,
甑列島等約2,000km2である。
また,林野庁関係および国土地理院のいずれも,2万
分の1の縮尺で搬影することを原則としているが,使用
空中写真のネガフィルムはそれぞれの撮影計画機関に
保管(ただし,都道府県の撮影にかかわるものは林野庁
に保管されている)されているので,撮影が林野庁関係
のものは,営林局署,林業試験場等林野庁の所属機関に
あっては,直接,日本林業技術協会その他林野庁関係以
外の機関,個人にあっては林鋤予計画課長あてに,また
国土地理院撮影のものは日本測量協会にそれぞれ所定の
申込書(本誌1967年9月号参照)により申込むと10日間
前後で入手することができる。
なお,林野庁に申込んだ空中写真は,複製作業から空
中写真の送付,代金の支払いにいたるまで,いっさい日
カメラは,前者が普通角であるのに対し,後者は広角と
本林業技術協会において取り扱うことになっている。
また,空中写真の有無,利用方法等については,林野
庁計画課,営林局署,都道府県林務部課,日本林業技術
なっており,空中写真の利用目的にもよるが,一般的に
協会および国土地理院,日本測迩協会に照会すればよい。
は山地においては普通角カメラで撮影した空中写真を
− 2 0 −
二
ゴ
︵︶
その結果,昭和40年度にはほぼ全国土の撮影を終り,
昭和41年度以降は,土地利用,地況,林況等の経年変化
が著しい地域の再撮影が実施されている。
昭和42年度は,上表のとおり林野庁関係で42地区,
− 8 −
な だ れ
防止林
高 橋 喜 平
〔林業試験場・山形分場〕
けを生ずるほど大きくなることもあるが,融雪期にはい
1.森林のなだれ防止機能
一
多く発生するのは,瀧木類の職雪支持力の減退と深い関
わち,なだれの危険性がある山地に対して,「雪留山」
係がある。
と称して森林の伐採を禁止したり,あるいは,「なでど
め」と称して山腹に山道状のものをつくったりして,な
次に,樹幹による稜雪の最大支持力は樹幹が折れるか
曲がるかするまでの強さに等しいわけで,地上lmの位
置における林木の引き倒し強度は樹齢30年のスギやナラ
で約2tである。しかし,樹幹による穣雪の支持力は樹
幹と根張りの強さによって定まるので,なだれ防止機能
は壮齢林の後期にいちばんよく発揮されるということに
なる。最近,空中写真の判続によるなだれの研究が進め
られ,植生との関係を調べたものによると,成林地では
樹幹部が雪面上に出現しているところでは種雪が安定し
ているが,梢頭部が雪上に点在する程度では稜雪は不安
定で,なだれの危陶生があることがわかった。もちろ
ん,これは林木の密度や雪通などにも関係があるが,最
深積雪が約2mの地帯(山形県釜淵地方)では胸高直径
5cm以上の立木が900本/haあれば約40.の斜面の積
雪は安定していて,なだれの危険性は認められない。こ
の場合の立木間隔は平均3.5mということになる。
だれの発生を防いできた。
ところが,明治時代にはいり,各種の産業や交通など
が近代化し,奥地の開発が進むにつれて,なだれによる
災害が目だって多くなり,国土の保全や森林施業の立場
からもその対策が強く要望されるようになった。その結
果,ようやく1936年から国の事業としてなだれ防止林造
成事業が実施されるようになり,以来継続されて現在に
至っている。
この事業の目的と使命は,なだれの発生地に森林を造
成して,なだれの発生を防止しようというものであっ
て,その着想は「森林が優勢に生育している山地からは
なだれが発生しない」という体験に基づくもので,その
利点と特徴は
一
り雪質が「ざらめゆき」になり枝葉のまわりが融けると
昔から,雪による災害でいちばん恐れられていたのが
なだれの災害である。そのため,雪国の山村では,すで
に,3世紀もまえからその対策がたてられていた。すな
a・森林は恒久的工事と同様の恒続的な効果がある。
急にその支持力が減退する。融雪期に「そこなだれ」が
ところで,林木によるなだれの発生防止犠能にはふた
このように,森林のなだれ防止機能はすぐれている
が’ただなだれ地に植栽しただけでは成林は期待できな
い。まず’なだれの発生を防止して成林するような環鏡
におきかえてやる必要がある。それゆえ,なだれ防止林
の造成に,必ず,なだれ防止工事が付帯することにな
る。ただ,その工事は森林を造成するための補助手段と
して施工するものであるから,森林の育成に都合がよ
く,かつ,成林してなだれの防止効果が現われるまでの
期間もちこたえる工法であればよいわけで,それには,
階段エがもっとも適合したエ法であろう。しかし,その
通りあって,一つは瀬木や幼齢木のように樹木の全体が
工法はなだれの種類や地況の条件によって,設計や施工
b.森林は績雪を減少せしめ,かつ,その分布を均一
化する機能がある。
c・森林内の蔽雪は急激な変態をしにくいので,無立
木地に比べて祇雪の安定度が大きい。
d.森林の保統による林産物の生産,土壌の保全風
致の効用などその利益は多方面にわたる。
などであって,そのことからもなだれ地に森林を造成す
ることはなだれ対策の最善の方法の一つであることが理
解されよう。
埋雪して,枝葉で較雪を支持する場合であり,もう一つ
に制約をうけるので,以下,章をあらためてそのことに
は成林して樹幹が穣雪を支持する場合である。前者は雪
ついてのくる。
質が堅密な「しまりゆき」の場合は,その支持力は根抜
− 2 1 −
一
h
2.なだれの種類
融巴露岬浜口”品.、輪:■"群晶■……現や寒錨
なだれはその種類によって発生の仕組
承が異なり,また,被害の様相も異なる
ので,なだれ防止林の造成に当たって
は,まず,なだれの種類を明確にして,
それに適合した防止林の造成法を採用す
る必要があろう。
古来,日本ではナデ,ジコスリ,ソコ
ナダレなどの全層なだれとアワ,アイ,
ワシなどの表層なだれとに二大別されて
きたが,表層なだれをさらに,こなだれ
(乾雪による),うわなだれ(湿雪によ
︽“︶
る),いたなだれ(風成雪による)に3
区分したものが一般に使用されてきた。
しかし,最近なだれの研究が進み,人工
なだれによる観測,航空機による観察な
どによって,なだれについての資料や知
見が磯富になり,従来のなだれの区分法
施工前(1939)の状況
ここに切坂階段工を施工し,スギを植栽した。岩手県川尻営林署管内
… 解 … E 軽 … 無 鐸 … … 一 一 … 露 … “ 葛 0 − … … ぞ ●
では不十分になってきた。そこで,昭和
39年,日本雪氷学会が中心になって’新
たになだれの分類が決定し,広く一般に
採用してもらうことになった。その分類
の基本はなだれ発生時の状況に主体をお
き,簡単に確認が可能ななだれ発生の
形,積雪層の雪質,すべり面の位置の3
つの要素によることにしたもので,なだ
れ発生の形は点発生(一点からくさび状
に動きだす一般に小規模)と面発生(かな
り広い面積にわたって一勢に動きだす。
︽︶
一般に大規模)の二つに区分し,また,な
だれ層の雪質は乾雪と湿雪に区分して’
その新旧は問われないことにした。さら
に,すべり面の位置は従来通り表層と全
層とに区分した。これによって新たにで
暦
とに区分した。これによって新たにで施工24年後(1963)の状況
きたのが右に示すなだれ分類表である。この分類法の特
徴は,もし確認できない分類要素がある場合にはそれを
なだれ
分類表
省略した名称を用いることにした点である。たとえば,
面発生湿雪全層なだれであっても,発生の形がわからな
なだれ発生の形
点発生|面発生
点発生乾雪
ければ,湿雪全層なだれと呼び,このほかに雪質の乾湿
面発生乾雪
表層なだれ
面発生乾雪
全層なだれ
層の雪一
表層なだれ
も不明ならば,単に,全層なだれと呼ぶことにしたので
点発生湿雪
質湿雪 表
層なだれ
面発生湿雪
表層なだれ
面発生湿雪
全層なだれ
ある。
なだれ乾雪
なだれ防止林の造成上からみると,点発生のなだれは
規模が小さく,災害を招くようなことはほとんどないか
表
層|金屑
すべり面の位置
ら,これを除外すると,問題は4種ということになる。
ところが,なだれ地での森林の造成ということに
なれぱ,気象上の#
ミれぱ,気象上の制約をうけ,森林帯から象てブナ帯以下と
− 2 2 −
一
いうことになる。したがって,なだれ層の雪質に対し
体の4割以内と推定している。それは,現在,日本で実
そうすると,主として,問題になるのはすべり面の位
なる。この二つは,なだれの発生経過も被害の様相もま
行されているなだれ防止工法の工種別施工比率から類推
してのことである。したがって,日本のなだれ防止エ法
の主役はいまのところ切取階段工法といってもよい。
置,すなわち,表層なだれか全層なだれかということに
へ
しかし,そういうなだれ地は比較的少なく,蛾者は全
て,森林の造成上でそれぽど神経質になる必要はない。
ったく異なる。表層なだれの発生は里山ではまれである
切取階段工法の設計や施工に当たって,とくに,注意
が,雪の降りかたや積りかたのいかんによっては山地の
を要する点は階段の幅員とその配磁の決定である。階段
どこからでも発生する可能性があり,事前にそれを予知
の幅員は地況や職雪のいかんによって決定すべきもので
することは不可能である。それにひきかえて,全層なだ
あるが,既往施工地の成綴からみて,全層なだれの発生
れは毎年だいたいきまった山地から,ほぼ同じ経過をた
の多い融雪期の談雪深とほぼ同じ程度の幅員である場合
どって発生し,そのため,地表も植生も特徴があって,
にもっとも良好な成績を示している。一般に,その幅員
いわゆるなだれ地を形成している。国土保全,森林の保
れの被害は全層なだれの被害の1/100以下と想像され
の標準は多雪地帯で15m内外,豪雪地帯で2.0m内外で
ある。この場合の幅員は盛土の先端部までとせずに雪圧
に耐える有効幅員のことであって,大ざっぱにみて,地
る。なだれ防止林の造成は,なだれ地に対して行なうの
山を切りとった幅の約2割増しと考えればよい。
護という見地から象れば,ブナ帯の里山では,表層なだ
が普通であって,その場合は主として全層なだれを対象
一般に,階段工を施工すると,積雪の初期には施工前
にして設計すべきであって,そのために表層なだれが発
よりも積雪の移動が大きくなる傾向があるが,讃雪の最
生したというケースはない。しかし,東北地方にくらべ
盛期から融雪期にかけて,積雪の移動は次第に安定して
北陸地方では雪の条件が異なるので,その点は考慮する
くるものである。よく,階段エによって祇雪の移動が止
必要があると思うが,資料不足のため目下のところこれ
童るように考えている人々がいるが,不安定な職雪が安
以上のことはいえない。
定した移動に変化するのであって,その移動した赦雪は
階段上で座屈しながら圧縮されているのである。したが
‐
3.切取階段工の特徴
って,溌雪の移動が大きいほど階段上での較雪の座屈が
なだれ防止工法には杭工,柵工,擁壁工,階段工など
大きくなる。その座屈の大きさは階段エの配置と関係が
各種のものがあるが,現在のところ,なだれ防止林の造
あり階段の有効幅員をjとし,階段と階段の高距をHと
成上もっとも適合している工種は階段エである。階段工
はその形態や工作材料などによって,いくつかに区分さ
すれば,階段の配置がH>7Jになるとなだれ防止効果
が急に減退する。これまでの施工成繊によれば,H<6#
れているが,普通,山腹を切り取っただけの切取階段工
の配置のときよい成績をあげている。
と,その掘り取り土砂を編柵や練積などで土留をした階
切取階段工を施工した場合,祇雪のために被害をうけ
段工とに分けられる。後者は工作材料によって編柵階段
やすい位置は施工区域の周辺部であって,とくに,上辺
工,練積階段工などと呼ぶ。
い限り,切取階段工で十分目的を達しうるので,なだれ
部がはなはだしい。このような被害は施工区域外の讃雪
の移動によるものであるから,施工区域はなだれの発生
区域よりも少し広くとって,その悪影響をとり除くこと
防止林の造成には主として切取階段工が採用されてい
が必要である。
一般に,山腹の傾斜角が42.以下で,土質が軟弱でな
る。切取階段工のよい点は
なお,切取階段工は高所から順次下方に向かって施工
a.設計,施工ともに技術的に簡易であること
すべきであって,掘取り土砂の娠落のため,施工直後は
b.工作材料が不要で,工費が格安であること
山腹を荒廃させたように見えるが,翌年はほとんど回復
してしまうから,その点はあまり心配する必要はない。
c・積雪の量,質のいかんによる失敗がきわめて少
ないこと
次に,切取階段工は一冬季を経過すると,山腹斜面から
d.植栽が容易で,かつ,成績が良好であること
の土砂が階段の法底に堆積して階段効果を減退せしめる
ので,施工後少なくとも2∼3年は補修を必要とする。
などである。しかし,欠点もあって,
次のような条件のところでは施工すべきでない。
その後は斜面の土砂が次第に安定してくるが,なだれ防
a・なだれ発生地の傾斜角が42.以上の場合
止効果は年を少しづつ減退する。しかし,それと反対
bなだれ発生地がなだれ以外の原因でも浸食をうけ
に,林木が生長して,次第になだれ防止機能を発揮する
やすい場合。
ようになり,やがて林木自体だけでその役目を果たすよ
− 2 3 −
うに変わってゆく。
ただし,該地が雪庇や吹溜りなどの異常な積雪形態の場
合は,成林がきわめて困難なことがあるので,そういう
場合は雪庇防止工法の併用が必要である。従来のなだれ
4.植栽の要点
前章でのべた切取階段工はなだれ防止林造成の補助手
防止林造成事業の実行経過をみてみると,なだれ防止工
段として施エするわけであるから,そのことを十分念頭
事に主点がおかれて,なだれの発生を防止できたことで
に入れながら森林の造成計画をたてる必要がある。
満足し,とかく,森林造成のための林業技術の投入がお
ろそかになる傾向があるので,その点,本事業の目的と
それゆえ’植栽すべき樹種,植栽の仕方,保育の方法
などはできるだけ目的にそうよう選定しなければならな
使命をよくわきまえて,実行されることを望承たい。
い。まず,樹種としては,従来
a.生長がすゑやかであること
5.なだれ防止林の問題点
日本で,積極的になだれ防止林造成事業が実施されて
c・材質が強く,樹冠があまり大きくならないこと
から30余年を経過したわけであるが,これに切取階段エ
d・有用樹種であること
法を採用し,その改善に努力してきたのばわれわれ林業
などの条件を備えたものが望ましいとされ,結局,スギ
技術者であった。幸い,その長所と利点が広く認識され
モミ,クリ,ミズナラ,ケヤキ,ヤマハンノキ,ブナな
て,急速に普及を承るに至ったことは喜びにたえない。
どがあげられてきた。しかし,どの樹種を選定すべきか
いまから30余年前の国有鉄道では,なだれ防止工法と
は,地況の条件や積雪のいかんによって異なり,簡単に
いえば,杭工,柵工,よう壁工などであって,階段工は
は決めがたい。ただ’これまでの例によれば,施エ地付
ほとんど採用されていなかっだ。それが現在では工法の
近で優勢に生育している,いわゆる’郷土樹種を採用す
大半が階段エにかわり,とくに,既施エ地の更新は主と
るのがいちばん失敗のない方法であって,耐雪性といわ
して切取階段エにきりかえていることは注目すべきこと
れる樹種にあまりこだわらない方がよい。たとえば,不
である。ところが,それとは逆に,最近林業技術者の間
適当と詮なされているニセアカシヤやオニグルミで十分
では,階段エ以外のエ法を採用する傾向にある。その理
目的を達している例がある。
由が切取階段工法を採用するのに不適当ななだれ地によ
また,その区域はなだれの発生は防止されても,土壊
るかあるいは,切取階段工法よりも,森林造成上すぐれ
ははなはだしく播悪であるから,植栽に当たっては一般
ているとすれば問題はないが,もし,技術不在によるも
山地と同様の取り扱いをするわけにはいかない。植穴に
のとすれば,これは放任しておくわけにはゆかない。た
植土を入れたり,施肥をするなどの配慮が必要である。
しかに,切取階段工法には地況条件によって施工不適地
また,切取階段工の施工地は植栽する位慨によって,
もあるが,既施工地の失敗例を承ると,崩壊地以外で
生長が著しく異なる。たとえば,階段上の場合は階段の
は,階段の配置が間のびをして適正を欠いている場合が
先端部がいちばん生長がよく,法底に近くなるほど生長
多い。それゆえ,階段幅員は雪圧によって欠損しない’
が極端に悪くなる。これは階段上の職雪の鑓や質あるい
いわゆる’有効幅員で計算しなければならない。
は,階段切取りによる土壌の変化や耕転の効果などによ
また,切取階段工法の欠点は年数の経過にしたがって
るものである。したがって,階段上の植栽は必ず先端部
階段効果が減退し,最後には消滅してしまうことであ
を選ぶべきである。また,階段法面の上端付近は植付け
る。しかし,階段の配置が適正であれば,そういう経過
た林木の生長が不良のことが多く,しかも,それによっ
をたどる場所では逆に材木の生育が良好な場合が多く,
て,法面の決壊を招くこともあるので,法面上端から少
階段の欠点は林木が補足していって,十分’なだれ防止
なくとも3m以内の斜面には植栽してはならない。
林の機能を発揮してくれるものと考えてよい。ただし,
なお,施工前はなだれのため生育が阻害されて湫木状
を呈していた喬木性樹種は’施工後生育が良好になる場
雪庇や吹溜りによって,局部的に多量の積雪がある場合
は雪庇防止工法などを併用して,積雪の分散をはかる必
合が多く,とくに,萠芽によって新たに成林するものが
要がある。なぜなら,積雪深400cm(積雪当水量1,200
多いので,天然生林木の保育はぜひ必要であって,なだ
mm)以上では植栽してもなだれを防止するような成林
れ防止林としての植栽木の弱点を十分補ってくれる。ご
を期待することが困難だからである。
くおおざっぱにゑて,天然生林木は施工後約,0年でなだ
なだれ防止林造成事業の過去の実績から承ると,他の
れ防止機能が目だって増大し,約30年で植栽した林木と
工種に比べて切取階段エ法の長所と利点を改ためて再認
ともに完全になだれ防止機能を発揮すると考えてよい。
識する必要があるように思う。
− 2 4 −
︽﹀
b.樹幹がなるべく通直で,樹根が強大であること
一
、
。
■
全
森淋生態研究ノートから
‘四手井綱英
〔京都大学農学部教授〕
12
る。ただ落葉性の広,針葉樹だけはどれをとってみて
14.むすび
これで毎号約1頁ずつ一年つづけたことになる,ひと
玄ず打ち切ることにしたい。
‐
長期にわたり生育しつづける樹木を生産の材料につか
う林業では,短期に収穫しなければならぬ農業のように
人為的に外的,内的条件をかえて育成することはいろい
ろな点でどうしても不利益になるのをまぬがれない。長
期間かかることを林木の欠かんとみる向きも昨今ば多い
が,長期生育をつづけ,年商生長という形で単木として
を持ち得ないこと,冬季落葉するため生育期間が著しく
限定されることなどをあげることができるが,冷温帯に
広い天然分布をもつ落葉広葉樹林がどうしてその気候帯
だけ生産力がひくくなるのかをはっきり説明することは
も,林分としても蓄積を増して行くことは樹木の特徴で
あって,むしろ利点としてこれを利用するところに林業
今のところむずかしい。
がなりたつと考えた方が良いのではなかろうか。
んなに遮いぼない。いずれも尖鋭ではなく鈍頭で,球形
,常緑広葉樹林(照葉樹林)は樹形は落葉広葉樹林とそ
の多い股業より森林の物質生産力は常に大きいといって
に近い単純な形の林冠層をつくるが,暖温帯では林冠層
が単層ではなく多層になることが,生産力をましている
よいのである。
一原因になっているらしい。
その主な原因は光合成器官である葉層が,丈の低い農
作物より,より大きな空間を占有していて,若い時代か
っているのは,生産力の点からもうなずけるところであ
ら閉鎖という状態を保っていても保育管理が十分にで
き,太陽エネルギーをよりよく光合成に利用できるとこ
いえない。熱帯降雨林地帯が今の略奪式伐採から,育成
わたくしがしばしばのべるように労働集約で投下資本
ろにある。
生産に長期かかるという‘ことは,人為をできるだけは
ぶき,自然力をできるだけよく発揮できるようにしなけ
一
も,かなり低い生産力しか出て来ない。日本海側の山地
に広く分布するブナ林のような極盛相林ですら,常緑針
莱樹林の弛位の生産力しか持っていない。
この理由は落葉広葉樹が樹形の特性上,複離な林冠相
ればならないことになる。
自然力を十分に発揮させる,埜礎的な条件はまず地力
の維持にある。その環境で十分に成熟した土壌の物理,
化学性を低下させないような作業をできるだけとるよう
に努力しなければならない。次に,その気候,土壌環境
にもっとも適した樹種,林相の造成が必要である。一般
にいわれる適地薗木これは現在でも決してかわりはない
林業の根本技術であろう。不適地の適地化を唱える人も
あるが,これをどうして長期間維持できるであろうか。
消極的だといわれようと,林業では土地に樹種をあわす
方が本道ではなかろうか。
材質はさておいて,物質生産力からだけを考えても高
熱帯を除く地域では林業の主要樹種が常緑針葉樹にた
る。しかし将来,広葉棚も育成林業の対象にならぬとは
的伐採にうつり,それに成功すれば,温帯林業は針葉棚
主体であるいはよいかもしれぬが,それでも,保護上,
地力維持上,わが国の林業でも落葉広葉樹の育成は今か
らぜひ考えておかねばならないであろう。この点から落
葉広葉樹の生産力に関してはさらに-卜分研究をしておく
必要がある。なぜ常緑針葉樹より低いか,それはどのよ
うにすれば変えられるかなどはこれからのよい課題の一
つであろう。落葉針葉樹であるカラマツも,どうも落葉
である上に陽性であることが原因してか,決して高い生
産力はもっていないようである。
幼時の生長の速さが買われて,戦後いたるところでカ
ラマツ造林が行なわれたが,幼時の個体の生長の速さは
決して,林分生長が良いことにはならない。
幼時の生長,特に樹高生長からいうと,落葉広針葉樹
が一番早い,ついで常緑広葉樹,常緑針葉樹が一番おそ
い。これについても,すでに記したことがあるが,この
木性の常緑針葉樹はどれをとってゑても生産力にそれほ
ど大きな違いはないようである。さらに高木性の常緑広
早さは葉の量つまり何年分の葉をもつかということと関
葉樹も常緑針葉樹とほぼ同等の生産力をもつと考えられ
係があるようで,多くの年数をもつものほど生長がおそ
− 2 5 −
くなる傾向がみとめられる。呼吸消費量の多い葉を何年
で旺盛な生育をし,常緑針葉樹は亜寒帯でよく生育す
分ももつものが幼時の生長が遅いのではないかと思われ
る。その中間地帯では常緑広葉樹は温度低下とともに次
る。
第に落葉樹にかわり次第に生産力は下がるが,それとと
諭は多少わき道へよったが,わたくしは今一つの仮説
もに針葉樹が混交して,不足分の生産力を加えるのでは
をもっている。林木の生活形を2つに大別すると広葉樹
と針菜樹になる。
なかろうか。そうして混交林が出現すると,すくなくと
も純生産は熱帯から亜寒帯までほとんど変化しないこと
この2生活形ともに環境の適したところでは常緑であ
る。水分や温度がある期間不足するようになると,いず
温度の他に積雪という生産力にわるい環境があってそれ
れの生活形にも落葉ということが入ってくる。落葉針葉
が原因となり低生産性の林分が生じているとすればどう
樹は種類が少なく,特に生理的水分が極端にある期間不
足するところに生活するようである。常緑広葉樹は熱帯
であろう。
になりそうである。蕊日本の純林に近いブナ林などは,
▲
︽華
りして,わつばや杓子を造る。二度目に桧枝岐を訪れ
た時,星という木地屋さんに山の話をきいた。
昔は山で火をつくる時はニレの木をつかった。アイ
会津の出小屋
ヌはニレをチキサニ(われらが火をつくる木)と呼ん
尾瀬から桧枝岐の七座へ下ったのは5年前の初夏で
ある。その溪間に点左と木地屋の出小屋があった。出
小屋とは耕地が遠く離れているときに,小屋を建て畑
仕事の間そこへ住む。山林の農耕の習俗の一つで,今
では密山県の五箇荘と桧枝岐にしか残っていない珍ら
しいものだ。ここでは畑の出小屋の外に木地屋の出小
屋があって,12月奥会津の山盈が雪に埋まる前に,食
撒や仕事の道具を運んで,春の雪解けまで小屋に寝泊
でいる。ニレで火きり臼と火きり杵をつくって摺り,
も桑くずに火がつくと枯れた根で吸って火種をつくっ
た。ニレの木は一度火がつくと燃えつづけ絶体に消え
ないので,出小屋の炉には必ず太い丸太を一本入れて
おくという。また寝為時はキハダの木をくくる,キハ
ダはどんなに燃えてもはねないから火事の心配はない
と,面白い山の話はつきない。星さんはこの冬も出小
屋で働いておるだろうか。山根五郎
一
ー
{
上
皆さんのこの棚への寄稿をお待しております
500字以内の説明に写真を1枚そえて下さい
〔山の生活
− 2 6 −
)
い。かれらはひと晩に2∼5kmは歩きまわる。そして
夜明けがくると,その付近にある穴のなかに入って休
− 1 2 −
む。この休象場には,ほかのタヌキもはいってきてあい
宿になることもあって,なかよくいち夜ならぬ昼間をす
ごすわけである。このため同じ穴から2頭,ときには3
エゾタヌキ
∼5頭,最高のレコードは30頭というから,なかのよい
あわれなり
ことこのうえない。
このあい宿は,その日その日によって別の穴にはい為
わけであるから,きのういた穴に,きょうもいるとは限
らない。このため,タヌキのいる穴を見つけたら,すぐ・
その日に掘って捕えないと,翌日はもぬけのからなので
ある。これを知らないで,あしたあの穴を掘って,タヌ
キを捕えて皮をはいで売り,肉は「たぬき汁」にして,
劃詞
とほくそ笑むあさましい人間へのいましめである。
近ごろ,千歳空港や定山溪のおみやげ屋に行くと,タ
ヌキがまめしぼりの手ぬく’いを肩からかけされられ,大
きな腹をつきだすようにして立ち姿にされたはく製が店
頭におかれて,お客さんをよび込んでいる。なかには右
にすげがさ,左に徳利をもたされているものがある。タ
ヌキのおとなしい性質や,ひょうきんな習性を知ってい
る私にとっては,ほんとうにあわれに思えてならない。
それが焼きものなら童だしも,かつてば生命の場であっ
ただけにそう思わずにはいられない。
北海道にいるものは,エゾタヌキといって,本州・四
国・九州にいるホンドタヌキとは地理的な変異,すなわ
ち亜種が異なるとされている。その区別点ほ,足が大き
いことで,からだそのものは大差がないのである。しか
し,一般に同じ動物でも北方にいるものは,南方にいる
ものより大きいのが通例になっている。タヌキの場合に
つぎに,「たぬき寝」だが,これはかれらの謹身術で
一
も,多少はこの傾向があるようにみられる。とにかく,
ある。もっとも,そのまま借用して難をまぬかれている
エゾタヌキにとって,北海道の観光ブームは生命にかか
万物の霊長も少なくない。かれらは危険だと直感する
と,顔を腹におしあてて丸くなってしまう。つごうのよ
いことに被毛が保謹色の役目をするから,外敵は木の株
などと見誤ってしまう。ところが,そのひまのない場合
には,死んだまねをする。ちょうど,わたくしたちがク
マに襲われたときにするように。タヌキは自分の「たぬ
き寝」に絶対の自信をもっている。外敵が近づいてくれ
ばくるほど高いびきをかいた寝かたをする。タヌキを見
つけたら急に大きな音をたてると,あわてて渡こんだ
り,死んだまねをする。そこで,なんなくタヌキの手づ
わる問題で,開発による生息地の消失そのものより恐ろ
しいことであるにちがいない。
けもののうちで,タヌキほど私たちになじみ深い動物
もめずらしい。いわく「たぬき寝」,いわく「たぬきお
やじ」など,また童謡の「証城寺」や,文福茶がまの話
などもたのしい思い出である。これらの言葉をタヌキの
習性とあわせ考えるだけでもおもしろいから,その二,
三をひろって象よう。
まず,「捕らぬタヌキの皮算用」である。タヌキは日没
後1∼2時間すると食物をとるために穴からでてくる。
そして,雑食性であるからなんでも食べてしまう。カキ
があれば木にのぼり,ネズミがいればそれも捕えて食べ
てしまう。イヌと同じなかまであるから歩くことも速
か承ができるわけである。南九州ではこんなタヌキ猟が
じっさいにあるから愉快である。
文福茶がまは,ご存知のとおり群馬県館林にある茂林
寺に寺宝として保管されている茶がまにまつわる伝説で
− 2 7 −
ある。館林は関東でも知られたツツジの名所であるか
る。佐渡の金山がさかんであった徳川時代には,フイゴ
ら,そのころにはこのお寺にもたくさんの見物人がく
にこの皮を使った。一説によると,フイゴに使うために
る。そのせいか,説明は機械化され,テープレコーダー
本土から導入して放したともいわれている。なるほど,
でスピーカーをとおして流れてくる。お客さんも流れる
ほかの地域にくらべて,この島の生息数が多いところを
ようにコースがきまっている。さて,その茶がまは,鉄
承ると,移殖された動物の密度がいちじるしく高くなる
製の直径40cmぐらいのもので,黒ぴかりしている。そ
の保管は厳重で,厚いコンクリートの3m2ぐらいのな
かに安髄してあり,その前にはガラスがはいり,その外
あるが,タヌキはたしかに佐渡では一番大きい野生獣で
のとよく似ている。それは天敵がいないことによるので
ある。霞して,そこには天敵になるのは,毛皮をねらう
側には,厚い鉄製のとびらがある。もちろん,拝観料を
払わなければならない。お寺にとってはありがたい福の
神ならぬ茶がまである。このため「分福茶がま」と書く
人間と野犬ぐらいのものである。
のが正しいのだ,と悪口をいうひともいる。
たがって,その被害のものすごさはこれまた天下一品で
ある。これからゑると,タヌキはノウサギの天敵でない
ある。ここにある伝説が童謡になって,いちはやく有名
ことがわかる。タヌキの自己防衛的な性格と強い雑食性
になったわけである。戦後にこの童謡がジャズに変曲さ
は,ノウサギの天敵としての能力がないのであろう。お
れ,アメリカでも流行したのはご承知のとおりである。
そらく,すずなりのカキをたらふく食べて,腹づつみで
やはり,タヌキがもつユーモアがアメリカ人にも通じた
もうっているのだろうか。数年まえのこと,佐渡にキツ
のであろうか。
ネを放して,ノウサギの天敵とすることを提唱したとこ
証雄寺の庭でなくとも,タヌキは全国にかなり多くす
ろ,新潟県当局はさっそく実行に移したが,動物園に飼
んでいた。徳川時代には,東京の浅草にあるお寺にもす
っていたものなので,えさのとり方がわからないのか死
︽﹀
ついでに,証城寺は千葉県の木更津にある古いお寺で
佐渡はノウサギの天下でもある。ここのはサドノウサ
ギといって,トウホクノウサギよりいち段と大きい。し
h
んでいて,油げをなげてやると出てきて食べたそうであ
体となって発見された。それとも,この島はムジナ大明
る。最近のはなしでは,鎌倉の町なかにある住宅の庭
神の天下であるためなのだろうか。
に,夜になるとタヌキがでてきて遊ぶので,えさをやる
おわりに,タヌキの生態などに少しふれておこう。分
ようにしたら毎晩のようにくるようになったという。そ
類学的には,イヌ科タヌキ属の動物で,アジア東部に広
く分布し,北はウスリー,南は中国南部の広東省までに
また,三重県下でも,町なかによなよな1匹のタヌキが
いる。もちろん,朝鮮半島から日本列島にかけても含ま
あらわれて,ゴミ箱をあさるので,だれやるとなく食物
れる。イヌ科のうちではきわめて原始的な形態をもって
をやったところ,しだいになれて路上をどうどう歩きま
いるので知られている。おもに平野にすむので漢字では
わっているのをグラフで見たことがある。とにかく,ひ
狸と書くという。それでも標高1,700mく・らいまですん
となっこい性質のもちぬしである。
でいる。
山口県防府市の沖あいにある向島は,タヌキの島であ
夜行性の動物で,昼間は暗いところに休んでいる。人
る。ここは1926年に天然記念物の指定をうけた。そのこ
家の床下などにいることもある。おそらく,証城寺など
ろ2万頭ぐらいと推定されていた。島といっても南北
縁下にすんでいたのが,月夜に子タヌキをつれて庭で遊
2.7kmの細ながい島であるから,それぽど多くのタヌ
んだのであろう。交尾期は1月上旬から5月であるが,
キがすぷこめるとは思えないが,とにかく,たくさんい
3月が最盛期で,この時期にはメスのとりあいがあっ
たことは事実であろう。それが,いまでは200頭いるか
て,オス同志がはげしく争う。姐娠期間は62日で,4∼
どうかもあやぶまれている。その原因は,1950年に本土
5匹の子ダヌキをうむ。多いのは14匹をうんだ記録もあ
とのあいだに橋ができて野犬が侵入したからである。得
るから,お腹はぽんぽんであったろう。巣は穴などを利
意の「たぬき寝」も,イヌの鋭い臭堂にあっては,かえ
用する。
って身をほろぼすことになってしまったわけである。
この罪のない動物は狩猟獣となっているから,年とと
佐渡もタヌキの多い島である。ここではタヌキをムジ
もに少なくなりつつある。それに農薬の害,とくに殺そ
ナとよんでいる。相川町から山にはいったところに,「ム
剤のフラトールを正面からうけている。それでも,昭和
ジナ大明神」というのがあるほど,この島はタヌキが多
40年には37,000頭強が捕獲され,そのうち約1万枚が
い。狂言にある「佐渡ぎつね」のように,ここにはキツ
輸出されている。もう,そろそろ保謹してやらなければ
ネはいない。そのかわり,タヌキはたくさんいるのであ
ならないであろう。
− 2 8 −
タ
1
︵︶
の家のひとは,はじめイヌかと思っていたそうである。
‐ 一 一 ● ■ ■ 一 一 一 一 一 ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 − 一 一 一 一 一 ー ー ■ ■ ■ 一 一 ー 一 一 一 一 一 一 一 一 ー U ■ ■ 。 ■ ■ ー ー ー ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 − − 1 ■ ■ ■ ■ ■ ー I ■ ■ q ■ ■ ー ー − − − − − − − − − − −
ただ,林業たるものを,直接または間接に木材を生産
会員。2広場
するものに限定し,一方,林業においての木材とほ丸太
● ● ●
−−素材一一なのであるとすれば,木材質の生産蓄積の
過程一一林木の育成過程一と,その丸太化の過程一
伐出過程一とのすべてを,それこそ一貫して営むもの
巡u妙
矢野虎雄氏の
-−丸太売り林業,いわゆる一貫経営林業一一を最狭義
"「一言」を読んで
における木材生産林業とすべきであると考えるだけであ
る。なお,立木そのものの生産を目的とするのではな
い,いわゆる育成林業一箪者の言う立木売り林業一
松 下 規 矩
において,いわゆる伐期に達した立木を,丸太の市場価
〔林試・関西支場〕
一
絡から伐出過程の実行に要する費用を差引いた価絡を基
藤原信氏による箪者の「林業を正しく捉えるための試
準として売却するということは,自らは伐出過程を実行
承」の要約紹介に対する矢野虎雄氏の「一言」(本誌
しないが,一種木材を生産するものであると解釈するの
No.308)は,いわば「理論と実際」というような根底的
である。それは,木材一丸太一一を,いわば関接に生
な事柄を含むものと考えられる。
産することを意図するものとしてよいと考えられるから
矢野氏も,その前半の行文からして,一応筆者の言う
である。
ところを納得しておられるとしてよいと考えられるの
で,問題の主たるものは,後半の,いわば実際につけて
もとより,林業の分類体系において,無前提には一応
の見解,あるいはむしろ,矢野氏自身の,肯定的と思わ
れる前半と否定的と思われる後半との関係にあるとして
対等のものとしてある−と筆者は考えるのであるが一
一ヨリ狭義の林業のなかから,どれを論者なりの狭義
(固有,本来等を)の林業とするかは,論者の,いわゆ
よいと考える。
しかし,筆者は,実際に耐えないような理論は,理論
として無価値である,というよりも,そのようなものは
る問題意識による前提の撒き方次第であるとしなければ
ならないであろう。たとえば,まず「森林を経営するも
そもそも理論たり得ないものと考えている。したがっ
のに限る」という前提を濯ぎ,そのさい,これもたとえ
て,実際問題として疑問が持たれるということは,理論
ばの話であるが,「ごく普通にあぁもの」ということに
そのものに疑問が持たれるということに外ならないもの
着目して,それゆえに立木売り林業を狭義の林業とする
と考える。よって,このさい,筆者の理屈が別に実際と矛
ことも,正当に,できると考える。
しかし,ともかくも鍍者は,前述の理由と,立木売り
● ● ●
盾するものではないことを証明(?)し,いささか「父親
一いわゆる育成林業一と丸太生産林業−いわゆる伐
林業は別に丸太生産林業一一伐出林業一の存在を必要
とするいわば独り立ちのできないものであるというとこ
ろから,丸太売り林業のほうを最も狭義において完全な
出林業一とが,少なくとも数の上では支配的であるこ
木材生産林業とするのである。もっとも,ごく普通に立
とは知っているつもりである。しかも,理論的にも’木
木売り林業の営承と見られているものは,貯蓄とその取
材生産林業の一種としての立木売り林業を軽んじたり,
否定したりするものではない。したがって,当然に,丸
崩しの営みに過ぎず,世間な承の業と言うに値しないも
太生産林業を軽んじたり,否定したりするものでもな
い。丸太生産林業なくしては立木売り林業はあり得ない
なお,木材質の生産蓄瀧を必要とせず,ただ丸太を生
産することだけが必要十分な時代や国では,丸太生産林
のだからである。
業一一伐出林業一が林業の本命とされることは言うま
である書いた本人」の資を果たしたいと思う次第である。
垂
筆者も,今日までのわが国において,立木売り林業一
むしろ,何らの前提なしに,あるいは前提条件を明示
のであると考えること,後にも見るとおりである。
でもないことであろう。
せずに一たとえば,森林の経営を伴わない林業は論者
の対象外とす為のだというようなことを断りもせずに−
ところで,今日のわが国において,そのような,いわ
G ● ●
丸太生産林業をいきなり非林業扱いするような,一部の
林学社会人の,しかし存外多いと見られる見解には強く
ば完全な木材生産林業の汎行が期待できないことも言う
までもないことと考える。しかし,筆者が問題にしたい
反対するものである。
のは,今日のわが国には,立木売り林業さえあるのかな
− 2 9 −
‐ ■ ■ ● 一 一 一 ー 一 一 ー ー 一 一 ー ■ ■ ■ ■ ■ ■ ー ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 − 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ー 一 一 ■ ■ ■ ー ー = 一 一 一 ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ー 一 一 一 一 一 ・ ■ ■ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一
いのかわからないという実情なのである。
は真の林業の奨めと言うべきものは,全くと言ってよい
丸太生産林業一鉱業,漁業的林業一は,一方に木
ほどなされてこなかった。ちょうどそのために,今日そ
材の需要があり,他方にそれこそ木材資源としての森林
があれば,いわば自然に発展するものとしてよいと考え
のような林業が暁の星のごとくであるゆえんがあるのだ
と考えるのである。
為。また,土地(所有)を基盤として,植えて育てて売
したがって,はなはだ潜越な言い方かも知れないが,
る式の股業的林業も,林木を育成する以外にこれといっ
今日までの林産や林政は,いわばメクラがメクラの手を
た使い道のない土地(所有)がある限り,そして木材の
需要があり,したがって丸太生産林業がある限り,多か
れ少なかれ自然に発達するものとしてよいと考える。
しかし,艇業的林業は,経営ないし私経済行為とい
う点からは,貯蓄的林業でしかあり得ないと考える。
貯蓄の取崩しのさいに木材が社会に供給されることに
なるから,外から見れば,それもまた一種木材を生産
引いて来たのではないかとも疑われるのである。筆者
が,貧弱な論理と,はなはだ浅薄な林業の実に対する認
も。そして,事実としても,そのような林業は,いわば
自然に,あるいは長きにわたる造林の強力な奨めによっ
て,きわめて一般的に行なわれて来たと見られるのであ
る。
ゆえんも,全くそのところにあるのである。
︽︶
● 旬 ●
する林業のうちと,正当に,すべきものではあるにして
識とを頼りに,いわば身のほど知らずに,林業とは何で
あり,何であるべきかというような問題に執着している
ところで,先きに触れたように,筆者は,立木売り林
業一育成林業一を否定するものでもなく,したがっ
て,丸太生産林業一一伐出林業一を否定するものでも
ない。しかし,それらのほかに,狭義の木材生産林業
一貫経営林業一が,それらの寄せ集めとしてでは
なくて,ちょうど一つの別のものとしてあるのだと考え
しかしながら,筆者は,林業を狭義に限るさいに,(1)
森林を経営するものであること,(2)直接か間接か−
るのである。
つまり丸太まで作って売るか,立木のままで売るか−
かし,これまで一般に認められて来たとしてよいと見ら
それは言わずもがなのこととされるかも知れない。し
● ●
を問わず,ともかく木材一一丸太一の生産を意図する
れる。広義の林業を育成林業と伐出林業との総称とする
ものであること,および,(3)企業か家業かは別とし
ような見方では,一貫経営林業は林業の枠からは象出し
● ●
てしまうと考えざ昂を得ないのである。そして,そこに
て,ともかく世間な象の営業と言うに値することなどを
条件とすれば−そのことは必要,有意義なことである
は,森林木材資源観が,意識されるとされないにかかわ
と考えるのであるが−林業は,多かオし少なかれ法正
らず,根強くあるのではないかと考えられるのである。
林的な森林の経営においての象あるとしなければならな
森林木材資源観を払拭しない限り,たとえ育成過程の
みを実行するにしても,なおかつ木材を生産するもので
あるはずのいわゆる育成林業の意義は,伐出林業のため
の木材資源を造成することにあることになり,業として
は何かわけのわからぬものになると考える。木材生産の
ために森林を経営するとは,森林を木材費源としてでは
いと考えるのである。なぜなら,そこにおいて,木材の
生産期間は,ヨク言われるように数十年にわたるのでは
なくて,ただの1カ年となり,したがって,連年的な所
得が可能となるからである。
しかし,立木売りによる場合に限っても,そのよう
● ● ● ●
な,いわば業らしい林業の営魏は,適切,強力な啓蒙指
なく,ちょうど木材生産工場として経営することなのだ
導がなくては汎行されないものと考えられるのである。
と考える。
筆者が,盤業と林業との本質的な区別として,農業は馬
鹿でもできるが,林業は賢い人でないとできないと言う
ここで,簡単に結論を言えば,林業を,森林を経営し
て木材を生産する営承に限定する限りば,丸太売りか立
のはちょうどそのことなのである。大衆は賢いには違い
木売りか,企業か家業かは別として,ともかく法で林
ないが,それはまた衆愚とも言われるものなのである。
(的な森林)の連年(的)施業により,連年(的)に木
材を生産し,連年(的)に所得をあげる態のものでなけ
ればならないというのが,筆者の基本的な考えなのであ
そして,筆者は,これまで造林をよく行なうことの奨
めはあったとしても,また伐採をよく行なうことの奨め
はあったとしても,さらには両者をよく行なうことの奨
る。したがって,林業の奨めば,最も根底においては,
めはあったとしても,法正林の造成経営が林業の最も基
法正林経営の奨めでなければならないと考えるのである
本的な要件であり,それをヨリよく更新,回転してゆく
が,そのさい,丸太売りによるか立木売りによるかは,
ところにヨリよい林業があるのだというような,つまり
いわばこの次として,必ずしも問わないのである。した
− 3 0 −
一
ー 一 一 ー q ■ ■ ■ ■ 『 ー I ■ ■ ー ー ー ー 一 ー 一 一 I ■ ■ − − 1 ■ ■ ー ■ ■ ■ 一 一 ー 一 一 一 一 一 一 一 一 ー 一 一 一 一 一 一 一 ー = ー = = 」 ■ ■ ■ ■ ロ 1 ■ ■ ー ■ ■ ■ 一 一 一 一 ー 一 一 一 ー ー − − ー ー = 一 一 ー 一 一 ■ ■ ■ 一 一 ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ー 一 一 一 一
がって,矢野氏が前半につけて後半を言われること,は
る経営それ自体の立場とが,何か混同されて,あるいは
何か見当違いのように思われるわけである。
すりかえられていることが多いのではないかとも疑われ
ところで,筆者の弁明はこれまでとし,別に,矢野氏
るのである。密植短伐期小丸太生産有利論などもそうで
が後半に言うところに納得のゆきかねる点があるのでご
あると考えられる*。そして,林業が考えられ,論ぜら
説明を願いたいと思う。それは,「わが国の林業に対す
れるさいに,そのような混同が多いとすれば,それは重
る最大の要請は生産性の向上と生産の増大であることは
要なことであると考えられるのである。
● ● e ● ● ●
ー
言うまでもないが,それと同時に,“安い木材,を生産
すること,すなわち生産コストを引下げて,‘‘木材を安
く”生産することではなかろうか」(傍点筆者)と言わ
た紹介文からは,著者の言わんとするところが全面的に
れていることである。
正しく捉えられるなどということは期待すべくもないこ
もとより,たとえよくなされたとしても,短く端折っ
筆者は,一般に生画生の向上と言う場合には,ちょう
とであろう。直接元の著作が読まれる場合においてでさ
ど生産コストを引下げることを意味するものと理解して
え,「言葉というものは,ひとたび書きものにされると,
いるのであるが,そのように受取れば,「生産性の向上」
どんな言葉でも,それを理解される人湾のところであろ
● ● 、 ●
と同時に「生産コストを引下げて云湾」ということは,
うと,全然不適当な人女のところであろうとおかまいな
どういう趣旨で言われるのであろうか。
しに転変とめぐり歩く。そして,ぜひ話しかけなければ
もし,『生鱈生の向上」ということを,「土地の生産性
ならない人倉にだけ話しかけ,そうでない人火には黙っ
の向上」のことなのだとすれば,今度は,「生溺生の向
ているということができない。誤って取扱われたり,不
上」と「生産の増大」とを区別することにどのような意
当に罵しられたりしたときには,いつでも父親である書
いた本人のたすけを必要とする」(田中・藤沢訳、パイ
ドロス、プラトン)のだからである。とすれば,あの紹
介文は,矢野氏によって,むしろよく読まれたものと感
謝しなければならないとも思われるくらいである。
味があるのであろうか。
しかし,ヨリ理解のゆきかねるのは,“安い木材”を
生産することと,“木材を安く”生産することとを,何
か同じことのように言われていることである。箪者に
は,およそ物を生産するさいには,できるだけ高い物一
一高く売れる物一一を,できるだけ安くつくるのが常道
うことも想像されるので,このさい,いささかなりとも
と思われるからである。
おそらく,矢野氏の言おうとするところは,木材の値
段があまり高くなると,ヨリ多く代替品に取って代わら
一
ただ,このさい,ヨリ多くの人含によって,もっと誤
菫って取扱われたり,不当に罵られたりしているであろ
父親の資を果たそうと試みた次第である。
な詣,この「林業を正しく据えるための試承」の全
れ,木材生産林業そのものを衰退させる危険があるとい
文は,「林業の本質(第8報)−−林業の分類」として
うような,ヨク言われる見解を踏えてのことと推察され
ほとんどそのまま,41年度林業試験場関西支場年報に収
るのであるが,そして,そのような心配は当然しなけれ
録されてあるので,詳しくはそれについて検討されるよ
ばならないことなのであるとは考えられるが,しかし,
うお願いしたい。
かりに将来木材の需要が減り,したがって木材の値段が
総体的に安くなることがあるとしても,そのさいにも,
*・現代林業の検討”(股林出版社)に収められてい
「高い木材」と「安い木材」とがあることは確かなこと
なのではなかろうか。とすれば,経営は,いつでも,
る,筆者の.‘密植造林”および“短伐期林業”を
見られたい。
「高い木材」を「安く」生産することを心がけるべきで
あって,「安い木材」を生産することを心がけるべきで
はないのではなかろうか。
そもそも,「安い木材」を生産するのをよしとするの
は,使う側の立場なのであって,作る側の立場なのでは
ないのではないか,よし最も根底においては両者は一致
すべきものであるとしても。そして,このことに限ら
ず,総じて林業なるものが論ぜられるさいに,本当は心
配もしていない天下国家の立場と,これまた他所事であ
− 3 1 −
壷
■ーー■ヰーーーーーーーーーーーーーー一一一ーー■■■一一ー■ロ■ーーI■■ー■■■1■■ー=‐ー1■■ーーー■■■ー1■■1■■■■ロー■U■=一一一一ーー=ーーーー一一一一三二一一一一一ー■I■ーーI■■1■■一一ーーーー一一■■。■■−1■■=
漸伐だと効果がはっきりするには短くとも(ハンノキや
シラカバのような陽樹だと)10年。長ければ(トドマツ
会、貝。2広場
のような陰樹だと)30年もかかることを覚悟せねばなる
まい。よくいわれることであるが北海道の択伐や漸伐が
真昼の寝言
失敗したといわれるが20∼30年もたたなければほんとう
のことはわからない。要するに昔のように伐採率を低く
したことは賢いことであった。それだけ回復は早かっ
沖野丈夫
〔北大・林学図欝室〕
た。今のように急速なしかも大面穣の皆伐をやれば被害
の多いことは林学の第一課でわかっている。皆伐造林は
技術的にも管理的にも容易だから皆伐が多くなるのば当
天然林はほとんど成長しない,そして人工林に替えて
然であり皆伐造林が技術的にも進歩もしたが(もっとも
象ても銀行の利子ほどのこともない。林業なんていやに
被害に対して強いことの研究が足らない),これに対し
なっちゃう。と,悲しい言葉である。果たしてそうか。
て択伐造林は困難なので研究も正しい実行もほとんど進
ここに一つの桶がある。その桶になにかがいっぱいは
んでないといってよい実情である。これからことに北海
いっている。なにかは価の高いものもあろうし,安いく
道ではじっくりと研究して高寒地の造林効果の向上につ
だらんものもある。なにかを入れればそれだけこぼれ
とめねばならない。しかし効果のあがるには一生をかけ
る。桶そのものの実質もりっばなよいものも,こわれか
てやって30年はかかることを覚悟登ればならない。1年
かっているものもある。これが天然林の状態である。桶
や2年で転たとするようでは皆伐造林にたよるよりほか
にばいっているものはアカエゾのりっぱなものもあれ
ない。ドイツの一任地の永い理由がわかるような気がす
る。またわが国で択伐や漸伐を大成したものがほとんど
ば,笹もあれば雑草もある。桶からこぼれて行くのは枯
れ木,枯れ草である。そしてこぼれただけ木が成長す
る,草が成長する。成長して枯れるのか,枯れて成長す
るのか卵と鋤と同様である。こうしてぼとんど成長しな
ないのもそんなところにあるのか?
いような姿が天然林の姿なのである。天然林は成長しな
あと回わし」といった。実際もうかるのは1等地かも知
い−これは正しい。ことに優良美林の天然林において
れない,収入をうるために.は3等地も伐らねばならな
昔,本多博士は「造林は1等地にせよ,2,3等地は
い。そしてそこに造林せねばならない−ここにこそ択
伐造林が要求される。これは確かに大問題である。ドイ
っぺいの破れがあると目を見はって破れたところを探し
て象ろである。伐採か風害か山火事かなにか原因がある
ツでは天然更新は皆伐後の人工林で行なわれた。日本で
は天然林で行なわねばならんところに複雑さがある。し
のである。よく更新のすばらしくよい山を見たというこ
かしそれだけ被害に強いといえる。大いにやるべし,や
とを聞く。更新のすばらしい天然林の原因は何年か前の
るべし。
多い。ときには昔の乱伐がよい更新の原因でもある。
最後にもうかるか,もうからぬかは「森林はインフレ
なき銀行」の一言で答とする。
桶のなかのものをかいだす−−それが伐採である。こ
のへったところを象たすのが天然また人工更新である。
桶のなかのものを全部かいだす場合が皆伐である。この
場合桶がよくないと内側が急に乾くのでなかにものがふ
たたび入れない場合がある。こうした危険は一部分のも
のをかいだす場合すなわち択伐や漸伐の場合には軽減さ
れ安全である。しかし択伐や漸伐は技術的に象て皆伐よ
りもずっとむずかしい。ことに局部的土壌や気候をよく
判断して其の適所適作業が必要であるし,更新の成功を
見窮めるには皆伐の場合だと5∼10年を要するが択伐や
− 3 2 −
︽一
そうである。しかしなにかの原因でうっぺいが破れてい
れば成長はおこる。逆にいえば成長があればどっかにう
伐採である。成長のよいのも伐採である。そんな場合が
一
省力技術として今後展開していくた
の
認
ィ
童
一
て,さらに有効な技術を編承だして
向けに,わかりやすく述べてある。
いくには,第1章,第2章が重要な
省力技術の個別的事例が豊富に取り
意味をもっている。第1章には,こ
れからの省力技術の基礎となるべき
入れられているので,それだけ親し
象がもてるし,日常業務に取り入れ
られるところが多いといえよう。
造林作業における
省力技術の進め方
林野庁業務課監修
A5判300頁
ー
もちろん,造林技術の特殊性から
個別作業における省力のポイントが
さけるべきであろう。そのことは本
示されているので,これをもとに,
書でもくりかえし述べられている
現場からの創意工夫がおおいになさ
し,第3章の記述においても慎重に
れることを期待したいものである。
古書
発行所日本林業調査会
農山村の労動力不足がますます逼
業経営が企業として近代化するため
には,林業技術の省力化を一そう強
力に進めなければならなくなってい
る。
コーナー
お譲りください〃
│
鼠
臓
却 ’│
者
●・
書
f.
連 絡 先
嬢岡,‘:│繍莞4岐曼雛W
近藤
澗葉樹用材林作業
イネ科植物の解説
〔明文書房〕美濃事業所
国有林では,早くから省力技術の
開発と普及に努めてきているが,本
書は,いままでの省力対策の実繊を
踏まえ,造林作業における省力技術
を,造林技術という本来の立場に基
合板検査25年史
これからの木材利用
原哲雄編集室
改訂理論森林経理学
吉田正男瀬尾賢吉栃木県今市市朝日
.町169
づいて承た場合,そこにどのような
秋田杉林の成立並びに更
新に関する研究
岩崎直人林試東北支場山形分場多雪
地帯林業第一研究室
森林植物生態学
正宗厳敬猪上信義福岡市箱崎新建町
問題点があるか,将来造林あるいは
林業技術体系のなかに省力技術がど
小倉・田窪〃
のように組承込まれるべきかなどの
一
考え方や技法,功程管理や作調肝究
の手法等が取り上げられており,第
2章では,省力方法の展開の仕方,
いつてつ技術の画一的な進め方は,
定価820円送料共
迫の度を加えてきているなかで,林
留意されているが,各現場を踏まえ
めの留意点が,第1線の事業担当者
〔朝倉書店〕’九大松原祭
諸問題を理論と実際の両面から述べ
たもので,きわめて時宜を得たもの
新 書
といえよう。
内容の機成は,第1章省力技術の
基礎,第2章省力技術の方法,第3
章省力技術の実際の3部分に分けら
れるが,この本の中心をなしている
のは,全体のほぼ3分の2を占める
第3章省力技術の実際だといえる。
ここでは,伐採前地ごしらえ,群状
うえつけ,草生造林,混牧草生造
コーナー
書、.(編)¥|語悪勉)”
辨笠鵠懸昂山亀之:総薬科…擬興所
の防除片桐一正(東京都千代区六番町7)160円
林業調査会(東京都新宿区市
林業鶴戒ハンドブックスリーエム
研究会ケ谷本榊IJ35)
1,700円(送料共)
林,ポット造林,林地除草剤,林地
肥培の7節にわたって,それぞれの
技術が取り上げられねばならな、理
由,方法と実行例,効果と問題点,
定価
林業政策
−山林,00年雑史一林業教育研究会
− 3 3 −
農林出版(東京都港区新続5−
33-2)380円〒50
ウ
。,.︲
海l
産
心
ら
北盲
試圭
林等
公
心
△
や
▲
験即
試垂
△ruL
今
ぬ
▲
◆
犀
︾
この報告襟は艇林水産航空協会が農林省農政局に報告
するとともに,関係機関(行政・研究)に資料として配
準
農林水産航空協会昭42.1l
。心 . ・ す
る関
あに︾
の
で
2殺そ剤散布技術の改善に関する試験(林試北海道
支場,道立林試):散布方法試験一地形別,散布高度別
(30.60.90.150m)に殺そ剤(粒剤)の散布を実施
し,薬剤の散布状況を調査した成果。駆除効果に関する
試験一散布幅内の落下薬剤量(粒数)と殺そ効果,外周
からの侵入経過などの試験結果。
︾
◎昭和42年度農林水産航空事業新分野開発試験およ
び受託試験成績中間報告書
◆る邸
▲
▲
ふ
▲
傘
◆
▲
の
“Jもの
︾垂榊噌
慨そ寺
︾錨鍛︾
今
心
争
の
舛布殺潜
や
ゆ
㈱散2
ぃ
●
○
割。
令
e
◆
e
◆
○
妙◇今。◇令◇◇◇◇
○
○
難一
○
ら
6
a
ち
区、凸
蹟︾
つ“
ゆ“
℃“
ざ秘
。
c◇◇◇◇◇◇◇◇◇
の散布状況を調査したものである。
1昭和42年度航空試験一覧表
3空中散布用粉剤の物理性に関する試験(農林水産
航空協会):薬剤の物理性と落下分散状況,粉剤の物理
性とdriftの関係,粉剤の物理性と付着の関係などにつ
2桑園病害虫(義縮病,ヒシモンヨコバイ)の防除試験
いての試験結果。
布したもので,その項目は次のとおりである。
(配布先:都逆府県幾林水産航空担当課,国公立農林関係試験
場)
ノネカイガラムシ)の防除試験
4森林病害虫等防除試験(殺そ剤散布技術改善試験)
本試験は41年度に引続いて北海道において実施され
。新しい技術(第5集)
たもので,ノネズミ防除を目的とした殺そ剤の航空散
布技術改善試験を行ない,よい成果を得ている。
5家畜病害虫(吸血昆虫)防除試験
︽︾
3果樹病害虫(リンゴモニリア病,ミカン黒点病,ヤ
農林水産技術会議事務局編
昭和42年12月B5版317P
6水産増殖(溜池施肥養魚)試験
7散布資材(粉剤の物理性)の改善試験
8散布技術の改善試験(緩傾斜地の散布法,果樹園の
散布法,散布技術の合理化)
9農薬微量散布技術の確立(対象病害虫:ニカメイチ
ュウ,いもち病,ウンカ,ヨコバイ,同時防除。対象
薬剤:スミチオン,バイジット,カスミン,ヒノザ
ン,マラソン,TCI-65など,および微量散布薬剤
と安全に関する韮礎試験)
(配布先:都道府蝋艇林部,公立股業関係試験場,国立
◎農林水産航空事業新分野開発ならびに航空機利用技
術の改善に関する試験成績
(開発研究報告第7号,1964∼1966)
幾林水産航空協会43年1月
本報告は昭和39∼41年度にわたり艇林水産航空事業新
分野開発試験饗(艇政局所管の助成費)により実施した
もので,最終的に試験成績のとりまとめを完了したもの
ことから,最近の試験研究の成果に基づく新しい技術を
平易かつ簡潔に要約して「新しい技術」として,毎年と
りまとめ印刷している。本欝はその第5集である。
腿林水産全般の成果,御│『内容の詳細を知るには不十
分であろうが一応今日の段階における研究,技術の概要
を把握し,理解する上に大いに役立つものと思われる。
内容は林業のほか,水田作,畑作,蓄産,飼料作,園
芸,茶業,蚕糸,利用加工,水産,農業気象,農業土
木,研究手法技術の12部門,林業では,(1騨請1によるす
すきの枯殺法,(2)幼齢林における肉牛,めん羊の放牧,
(3)プラモウッド(木材,プラスチックの合成材)の開発
の3テーマ,また研究手法技術のなかで林業の試験に直
接参考になると思われるものにポット試験のたいの自動
給水装置(台秤式および親子式)と放射線処理による種
子繁殖作物の突然変異誘発方法などがある。
(配付先,都道府県試験研究機関,都道府県農林関係部
課)
について集録したものである。
集録項目は水田雑草防除,桑の病害虫防除柑橘病害
虫防除,非水銀剤によるいもち病防除などのほか,つぎ
◎林業の生産性向上に関する調査(2)
の航空機利用技術に関する試験成果などである。
−−方法論補説と熊蝿II流域林業への適用一
1傾斜地における薬剤散布法に関する試験(愛媛県
と熊本県の果樹試験場):傾斜地果樹園において,傾斜
度別に上昇散布,等高線散布,下降散布を実施し,薬剤
林野庁調査課(昭42)B5版109P
本書は林野庁が林業経済研究所に調査を委託してとり
まとめたもので“年4月に印刷した「林業の生産性向上
− 3 4 −
︵一
腿業関係試験場など)
農林省農林水産技術会議事務局では,最近の農材功く産
の試験研究が次第に専門化,高度化して,いくたの貴重
な研究成果も一部の専門家の蝋に知られていて,その他
の関係者を含めた一般に普及されていないうらゑがある
グー
に関する調査(1)方法論と天竜林業への適用」につい
(1)生産力構造の変化と再編成
で熊野川流域林業を対象にしている。
(2)市場構造の変貌−その意味するもの
内容を目次からあげてみると,
(3)伐出資本の動向
第1章林業生産力についでの補説
(4)森林所有者の躍進と「寄生化」
1)育林労働における過去の労働と生きた労働
(5)林業労働の再編成とその動向
2)林業生産力と森林生産力
第3章熊甥1I流域地帯における生産力問題
3)林力と地力の概念
1)生産を担う諸階級の問題
4)林業生産力に論ける矛盾構造
第2章熊野川流域地帯における林業の生産力梢造
1)林業生産力の形成と発展過程
(1)新宮市場を中心とする問屋層とその支配
2)技術問題と生産力構造問題
(配布先:都道府県林務部課,各営林局)
(2)伐出資本の生成と停滞
(3)森林所有者と森林経営
一
(4)林業労働者の折出
2)生産力機造の現状
二DOP%Bざも。ざも0. CD
bよ もざ 旬◆
・ざち。。.・苛・・ざ.。、ざも、ざもも・-%舎畢.パ..Qざ・・・ず名r 。,
よむ。
〔県の木シリーズ〕
0つり
スギは林業上はもちろん,植物学的にも日本を代表#
対句・やぶ・1.私。●妃
するにふさわしい樹木であるから,秋田・富山・三重;
・京都.奈良.高知の諸県の木として,それぞれ自‘│災;
ス ギ
(スギ科)
CJ:ypfo"ze"tzj"o""
(L.f.)D.DoN
のスギが名乗り出て来たのは当然である。野性のスギ;
j
を植物学上オモテスギとウラスギ(アシオスギ)に2;
大別することには賛否両論があり,さらに研究を要す#
も
砿
るが,林業上もこの2大別が役立っていることはよく:f
知られている。ウラスギは本州の裏日本側にかなり広§
ざ
く自生し,なかでもアキタスギ。タテヤマスギは有名;
手
だが,山陰地方にはブナ・スギ混交林がかなり広く見;
られる。キタヤマスギはやはりウラスギ系で,元来,き
ち
ウラスギの下枝の枯れ上がらない特性を利用した芸術§
一
作品といえよう。一方,オモテスギの自生地は少なく,§
,
ず
完
神詞II県丹沢地方,静岡県天城山・愛腿山,気多地方'I
ャナゼ
伊
奈良県吉野地方,高知県魚梁瀬地方,鹿児島県屋久島;:.
などを数えるにすぎない。遠州の気多地方の深山には:
かなり天然スギがあると聞くが,その群落椛造などばき
殆
%
寺の
調査されているだろうか。とにかく,スギの天然林は;
保謹すべき価値がある。
;
:
アメリカの樹木学者E.H.Wnson氏は1914年2月ミf
2
に,鹿児島大林区署に勤務する三好氏の案内で屋久島§
を訪れ,同島における隠花植物の繁栄ぶりは中国四川;
マ●
。
ざ・式圭f、設・や手。。教セノ
盛四・日誰
省の蛾眉山をも凌ぐ-と激賞し,また屋久スギについて§
鼬.溌.、唾。
、
詳しく観察している。三好氏ば当時,東大林学科を卒§
垂一語一℃輔・二',準諾ツ岬“中”翰
業したばかりと書かれているから,大正2年ご卒業のく
三好哲男氏であろう。今から50数年前の当時は,原始§
爵
》文・倉田 悟(東大),絵・中野真人(日本パルプ)の屋久島の姿が全島に満ち満ちていたようである。《
§
ぎ
L
、
。
、
も
。
・
・
・
.
$
心
・
‘
f
,
。
.
、
.
.
。
.
.
‘
・
・
・
,
叙
・
・
.
・
・
、
.
、
.
.
.
.
・
診
‘
ず
・
・
.
録
診
,
・
・
・
6
.
.
.
.
綴
.
.
、
琴
・
・
.
.
.
…
.
.
・
・
・
ず
・
・
.
・
・
・
.
。
.
、
・
・
・
‘
象
・
・
〆
'
陶
〆
・
鯰
・
・
・
.
・
・
・
.
・
・
・
。
・
9
.
.
.
.
"
・
・
・
.
$
・
鯵
.
韻
.
.
.
・
・
b
、
.
.
.
.
.
.
・
・
・
ず
.
.
.
・
・
.
.
.
.
.
.
.
.
・
諺
。
.
、
.
・
・
・
.
.
.
…
.
.
・
・
ず
・
・
・
.
.
、
診
、
.
.
.
・
雲
.
.
。
.
.
・
・
.
‘
。
・
誌
.
.
、
;
− 3 5 −
復旧事業の指導,監督および助成事
務の一部,保安林行政,鳥獣行政な
どの事瀞等を移管②営林局からは,
△国有林の43年度業務方針決まる
林野庁は43年度国有林野事業業務
方針,同業務計画編成要領,同予算
配賦要領を2月12日に決めたが,業
務方針の根幹は①森林内容の充実②
経営の刷新③技術の向上と開発が3
本柱になっているが,その要点は次
くる。農政部には,農地局から股地
課を移し,農政課,櫛造改善事業課
などとともに織造政策推進の総合機
局が行なっている民有材道,民有林
治山,民有林造林,材業構造改善事
業,林産物流通改善対策事業などに
関する指導事務の一部を移管するた
め,林務部に林務課,指導課,森林
土木課の三課をおくもので,三課の
織とする。
所管事務の概要は次の通り。
1.農政局に股政部と股産部をつ
1.磯産部には艇林経済局から肥
の通り。
料課を移し,股産課,農業機械課,
植物防疫課で櫛成,主要農産物の生
1.森林内容の充実
産対策をすすめる。
①伐採量については,標準伐採量
に近づけるようにつとめる。
②造林ならびに林道などの投資に
ついては,経営の長期的な展望に基
づき計画的にこれを行なう。
2.経営の刷新
①目標設定による分権管理の理念
を正しく理解するとともに,国有林
野事業の経営の特質に応じた考え方
を確立し,その浸透を図る・
②日常業務の遂行および研修を通
林務課=庶務,森林組合,林業構
造改善,入会林野整備,林産物流
通改善対策
1.艇林経済局に流通企業部をお
き,食縦庁業務第二部から食品経済
課を移し,流通政策の総合行政機構
および造林保談
森林土木課=治山,材這,保安林
△42年ソ連材輸入461万rn3をこす
全北連=全直頭上洋材協組連合会で
とする。
1.蚕糸局と園芸局を合併し,蚕
はこのほど43年中のソ連材輸入量を
糸園芸局とする。糸政課のもってい
まとめた。それによると総量は461
る特別会計は蚕糸事業団に移管す
万5千rn3で,これは41年中の輸入量
る。食鞭庁業務第二部から砂糊類,
(341万9千m3)に比し35%の増と
油脂の両課を蚕糸園芸局に移す。
1.腱地局の部機織は変わらな&、
じて人材の育成につとめる。また,
が,農政局の拓殖開発課を管理部に
移す。
各人の能力を完全に発揮しうるよう
1.地方股政局は「地方艇林局」
なる。そのうちわけは一識材356万
8413m3(契約量384万8千In3の遂行
率92.7%),パルプ材85万9174m3
(契約量106万5千Xn3の80.7%),特
殊材18万7691m3(契約量17万nl3の
110%)となっている。
とし,統計澗査事務所,漁業調整事
3.技術の向上と開発
務所および林野行政のうち,林業機
このうち一般材をソ連の積象測捌
①技術指導体制を確立し,個別技
術を事業の実態に応じて体系化する
とともに技#制く準の向上とその普及
造改善事業など主として民有林指導
にみるとウラジオ990,333ma,ワニ
部門をこれに統合し,艇林漁業一体
の地方における柵造改善を進める機
ノ783,916m3,ナホトカ762,751m3,
を図る°
織とする。
ラザレフ188,505m3,デカストリ
△地方農林局に3課の林務部新設
183,814m3,カムチヤッカ23356m3,
新技術の実用化を図る。
△農林省大幅に機構改革
地方股林局に新設される林務部
は,現在林野庁指導部および営林局
樺太345,965m3,マゴ283,476m3,
チクシ6,398m3の順となっている。
また一般材の輸入量を地区別にみ
ると次の通り。
農林省は43年度から農林業の新櫛
が担当している経営計画,治山,造
造政策を推進するため「農林省設置
1.大臣官房に事務審議官をお
林,林道開設などの民有林行政の一
部移管を行ない,都道府県林務部・
課との連絡を密接にし,出先での民
有林への指導体制を強化しようとい
うもので①本庁からは,林業構造改
善事業,入会林野整備事業,林業労
く。(現在は局長待遇の技術審議官
働力対策,林産物流通改善対策,治
17,700m8,輸入総量の0.5%,九州地
がおかれている)
山,造林,林道事業と山地施設災害
区11港111,"0m3,輸入総量の3.1%
法」を改正し,本省および地方農政
局の機織を大幅に改革することをき
めているが,その機織改革の概要は
次の通り。
− 3 6 −
1
、
北海道地区6港78,400m3,輸入総
鍾の2.2%,東北地区10港612,300m3
輸入総量の17.2影,日本海沿岸地区
10港2,366,900m3,輸入総量の66.3
影,太平洋沿岸地区19港382,100m3,
輸入総量の10.8%,四国地区4港
︽︸
職場環境の醸成をはかる。
②研究機関と密接な連けいを保ち
一
指導課=森材針画,林業改善普及
可"”・…岬08討勝bP…両■再司■山一…・…回向
;臘温r臘継離懸儒蒸羅蝿: 林 業 用 語 集 灘 篭 蝋 :
−
昌
量
己
皇
ご
winddamage風害
rainstorm暴風雨
阜泣stfrost初霜
windsystem風系
fogpreventionforest防霧林
winddirection風向
gamration飽和
windandaooddamage風水害
midgettyphoon豆台風
windforce風力
hydrologiccycle水のじゅんかん
専semi-desertclimate半砂漠気候
foehnフェーン
meltingsnow(slush)融雪
:latefrost晩霜
葵
snowdrift吹きだまり雪
sleet象ぞれ
;microclimate微気候
lineofdiscontinuity不連続線
turbulence乱れ
:
microclimatology微気候学
畠
waterShed分水界
frostlessperiod無霜期間
zmicrometeorology微気象学
deviation偏差
frostlesszone無霜帯:
shelterbelt防護林帯
nocturnalcooling夜間冷却;
saturationde5cit飽差
eHectiverainfall有効雨量;皇
きfrstsnow初雪
塁
さ
3earlyfrost早霜
ニ
:
hurricaneハリケーン
島
言
箸
3
昌
上
:glacier氷河
:
haildamageひょう害
皇
ユ
standardtemperature標準温度
saltywindprotectionforest防潮林
weathering風化
windstorm暴風
言
frostpreventionforest防霜林
筐
elevation標高
気温
言
奇
曽
snow-breakforest防雪林
ヨ
;
annualmeantemperature年平均
冒
弓
迦
函
一
魂
呼
前
印
"
,
.一
‘
沙
劉
‘
.
⑨
岫
凹
鞠
、
,
‘
$
"
t
‘
陣
戸
蜘
エ
'
罰
“
凹
型
』
‘
.
‘
"
今
軸
.
"
・
当
惑
侭
b
当
滴
一
般
も
q
・
・
聾
甑
・
・
オ
両
酎
j
"
紙
や
"
"
.
§
津P命0強伺い0F00…一oや−1"や…戸幽…−単一”……
二
認
二
今後の林業機械化に思うこと
最近よくわが国の林業機械化が転換期を迎えているとか、さらには飽和状態
に達しているという話を聞くことがあります。これは、一つには現在考えられ
る機械の投入量がこれ以上飛躍的に伸びないという予想と、機械化の可能な分
いま広く世界林業機械化の動向を見驚すと、そこに三つの潮流があると推察
野がなくなったという認識からきていることと考えられます。
されます。第一のタイプは、ドイツ林学の中に位撒づけされる機械化で、これ
は美しい森林を造成することを第一義とするため、機械化に対する考え方は森
ります。第二のタイプは、アメリカ、カナダの林業機械化に代表されるもの
林施業に従属されるものであり、広くヨーロッパ林業における主流となってお
で、コマーシャルをベースとした機械化であり、そのため機械化の有利性を最
高度に発揮するため、大型機械の開発が主体となっており蓑す。第三のタイプ
はスエーデンなどに見られる流れで、ドイツ林学の思想を根底に置きながら、
そこで戦後におけるわが国林業の機械化をかえりゑますと、第三のタイプよ
機械化の効果を最大限度まで求めるという考えに立っております。
の機械化が、人畜力の単純な面を機械力に代置したにすぎないと言えるのでは
り第二のタイプへと接近しつつあると考えられます。そしてこのことは、従来
ないでしょうか。そのために冒頭のごとき悲観論になるのではないかと考えら
れます。いまヨーロッパ林業の機械化が、労賃の上昇と木材価絡の低迷とか
ら、第三のタイプへと移行するきざしを見せていることを考えますと、わが国
森林の多様性に密着した機械化を図ることが今後の指向すべき道であると考え
いう言葉で表現されます。そして林業機械化の究極的な目標は〃学″と〃業″
られましょう。このことは、また従来の量的機械化から質的機械化への脱皮と
日本経済の高度成長に伴い、第一次産業からの労働力流出は今後ますます増
との調和にあると言えます。
大することが予想され、林業においても労働力の質、量的変化への対処が急務
となっております。そして以上の諸要請に応えるための林業機械化は、高能
する機械の開発にあると考えられます。この開発の技術的基準としては、リモ
率、高性能で、かつ高度の作業技術を駆使し得、しかも少量、低質労働に適応
コン化、油圧化、同時化︵ニエ程以上の作業を同一の機械で処理すること︶の
− 3 7 −
radioactivity放射能
〔森林気象〕
:annualrange年較差
毎糖室
三要素があげられます。︵夢抱松︶
一
80m鄙I。n.mp0opn笥恥.tPOL.・0p卯書二mロ更宇こ卯、.。…、 、叩h幸一邪wh号-』魂比.前吋..n.叩挙『ワ抑。、祠
弓
f
:Bai-u梅雨
』
:endingofBai-u梅雨明け
:Bai-ufront梅雨前線
一
洋気団
r
a
d
i
a
t
ii
oo
nn
)放
r
a
d
i
a
t
射
●署4患奪召皇屋矛亀2拳。弓孟亀可寓鴎弓丑2弓卓盲寸客呂丁零。言二丘電壹と寺。一三T多墓日覆髻呈や。弓皇邑守さ生電ラマ言aLT一一凸斗$苫も畠f電母冒な産言5F、。冒色14−
goodharvest豊作
一
協会のうごき
△昭和42年度第9回常務理事会
昭和43年2月2日(金)正午より
本会会議室において開催した。
理事から多数の意見がのべられた。
吉岡,土江
つづいて理事長から次の報告があ
、
った。
△第11回林業技術編集委員会
イ)本会発行の林業手帖,林業
理事長からあいさつ,ならびに次
意により,内容も充実し好評
の議題について内容説明があり,小
のうちに両方とも売切れにな
田専務から補足説明があった。
識題
2月13日(火),午後2時より主婦
会館4階会議室において開催
出席者:小野,雨宮,石崎,畑野
中野の各委員と本会から
ノートについては皆様のご厚
りました。
小田,吉岡,八木沢,信
ロ)熱海市に所在する本協会部
楽,高橋
1.会毅について
分林について,1月30日,本
2.組織について,特に参与に
協会と熱海市との間に分収造
△森林航測編集委員会
林契約を締結した。
1月26日(金),午後2時より本会
会議室において開催
ついて
3.支部連合会,支部活動につ
いて
4.第23回通常総会開催日を昭
和43年5月24日にしたい。
これらについて質疑応答,各常務
1月31日当部分林の地上権
設定登記手続きを完了した。
一
出席者:正木,西尾岩部,服部
上記をもって午後3時散会した。
石戸,武藤,日置,樋渡
出席者:遠藤,平田,山村,秋葉
の各委員と本会から小田
蓑輪,小田,成松,Wll
成松,丸山,中曽根,八
木沢,信楽,高橋
鯵編集室から.:蕊麗籠逵驚就
△会員増加状況調(43年1月31日現在)
い寒さも,ようやくやわらいで春のおとずれが感じられ
会員種別
会員数
42年9月30日比較
一
るこのごろです。伝大雪とはいっても,豪雪地帯に比べ
れば,侭んのおしるし程度のもので,待ち望んでいたは
名祥会員
ずのものでしたが,大変な混乱をまきおこしました。そ
特別会員
してまずヤリ玉にあげられ非難を浴びたのが新幹線に代
4名
0名
292
0
直結個人会員
768
増 2 2
関です。いさて,列車がストップし,車も走れないとな
直結分会
409
〃 1 1
れば,だれでも頭にくるとは思いますが,新聞などでも
営林局支部
5,493
〃 8 2 0
何だか新幹線車輔の構造そのものや,道路設計,施工技
都道府県支部
6,474
〃 3 5 8
大学支部
1,454
〃 2 2
購 読 者
273
〃
6
寄 贈
92
〃
1
交 換
53
表される国鉄,首都高速道路,羽田空港といった交通機
術に欠かんがあるような書きぶりであったのは気になり
ます。北海道や多雪地に承られる道路の消雪法をなぜ取
入れなかったのかというような論がその類です。い17年
に1回の雪にも備える手だては,現在の科学水準から承
ればいくらでもあることでし襲う。しかしそれをすれ
ば,新幹線はスピードがにぶるかも知れませんし,高速
道路の建設費はますますかさんで来るでしょう。ある環
境の中で最も経済的,能率的に必要な条件を満たすこと
が技術の責任であって,一般に科学技術といわれます
合
15,312名
増1,239名
昭和43年3月10日発行
林業技術第312号
が,そこに科学と技術の違いがあるのではないではない
編集発行人蓑輪満夫
印刷所大日本印刷株式会社,
でしょうか。国民の生活に支障を来たさないよう,「17
年に一度」に備えるかいなかは,もうひとつ上の責任に
属するのではないかと思われます。伝四手井先生の「森
林生態研究ノートから」と宇田川さんの「林野のけも
の」の両シリーズは本号で総つります。長期のご労苦に
お礼を申し上げます。(八木沢)
計
減 1
発行所
− 3 8 −
社団法人日本林業技術協会
東京笥汗代田区六番町七番地
篭話(261)5281(代)∼5
(授菩東京6“48番)
一
■■’8011ⅡIIB■■U■0■I■■Ⅱ80FⅡ日日日日凸●●CG
ⅢⅢⅢⅢ川lI1IlⅢⅢⅢ川騨溌
’’│
ⅢⅢⅢ川珈Ⅶ川岬ⅢⅢⅢ熱
’
111
川岫ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ
抑川ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ
ⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ
ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ
I
’│’
1−
’
01
ⅡⅡⅡ”Ⅲ
■■■■■■■■■i日日日日■UDG●
叩Ⅷ皿Ⅱ叩ⅢⅧⅡⅢ叩、畑伽輔輔
叩 Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ 皿 Ⅲ 叩 け ︲ 蛆 鈍 軸 吋叱ⅡⅡⅡⅡMⅡⅡ服ⅢⅢⅢⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅢ皿
Ⅱ■pⅡIIBⅡⅡⅡⅡ080■
町叩ⅢⅡⅡⅡⅡⅡ叩口輪吟
ⅡⅡⅡⅡⅢⅡⅢ叩10ⅦCC
ⅡⅡⅡⅡⅢⅡⅡⅡrⅡ岫品M
│
卿
I ’
’
I
11
I1
I
i
l1
ii
l
l
鯉
I
lIlI
一 再 q 上 0
且 −
p − − 一 一 . − − − 屯 一 一 一 匂 ニ ー ロ エ 、 一 戸 。 , → , 再 p 和 一 一 一
l
l
l
l
i
l
l
I
l
l
│
l
l│
|
i ’│
’
’
監 修 林 野 庁
編集・発行日本林業技術協会
B5判227ページ
lI
│
l
定価850円(〒実費)
伐木・集運材の技術は機械化によって大幅に向上いたしましたが,健全な林業経営を行
なうためには,この方面でのなお一層の合理化,能率化が要望されております。
本書は,国有林製品生産の現場において研究,考案された事業能率化の試験を実行した
約50事例を収録しており,これら事例の中にはすでIご事業化され着を実績を上げつつある
ものも多数あります。
・噸
内容は,
伐木造材作業/集材機作業〔1.作業方式〕/集材機作業〔2.器具の
改良〕/トラクタ作業/作業道作設および運材作業/造林との連携
三 一
作業/安全管理/製品生産の総合改善/その他
に分かれ,それぞれ地域的にも規模的にもバランスをとっていくつかずつの事例を収録し
ております。本書は国有林の事例だけを収録したものではありますが,会社有林,私有林
においても経営の合理化に十分活用しうるものであります。
東京都千代田区六番町7
『 も ① ■
日本林業技術協会
0 一 一
。 ● ● ロ 由 一 一 p q - −
O G 寺
Te1.(261)5281(代)−5
振替・東京60448
三 ■ ー … 旬
ず " p 一 韓
r--興林靴と興林革軍手 ご注文の節は麺類とサイズ(文徹)をはっきりお書書.’1|
山で働く人の足と手の災害防止に/
形もよく丈夫で価格も安い
革は上質ボックス
底は特種合成ゴム底
下
書
い
。
満
ご
灘
丈
愚
…
力
靖
つ
た
り
腿
'
員
合
…
。
’
た場合ほお取替致します。鉄先芯の有燕を指定下さい。’
一
No.2編上靴
登山、山林踏査に好適
No.3半長靴
オートバイ用に好演
革軍手
価格表
栗林靴
No.1¥2,200
N0.2¥2,400
No.3¥2,900
No.4¥2,900
No.5¥2,900
興林革軍手¥200
,
1
|│
I
↓
No.4.長繕上靴(繕上スパッツ)
山林踏査、オートバイ用
No.5脚絆付編上靴(繕上バンド付)
山林踏壷、オートバイ用
アーマーーー面
(送料込み)
底の概造日本林業技術協会’
〃
§﹄
No.1短靴
通勤、作業兼用
’
測量図面。精密器具。機密文書
の完全保管に
一
凸亀︲Il▼
0、﹄
電話(269)3911番
振替東京53247番
﹃0﹃HUB
林業機械とその取扱いに関するすべてを網羅した待望の全面改訂版!
スリーエム研究会
林業経営改善のための実務月刊誌
五○○円
価︵会饗替り︶岬繩必五、○○○円
第一線の林業人、現場担当者が会員であるスリーェ
ム研究会の月刊機関誌で、三つのM1目目.B幽蔚目。
昌雪日:冨口①Iの合理的な組合せを実現していくため
感の実務誌。
東京都新宿区市谷本村町35
素材生産を中心に、生産管理の改善、合理化を進めるうえに
必要な考え方、手順、技法などを、きわめてわかりやすく解
説した櫓。国有林の職員はもとより、一般林業関係者にとっ
ても有益な参考書である。
l素材生産事業を中心としてl
林業技術研究会編新書判一画○頁価三八○円︵〒さ
生産管理の考え方と進め方
必要な手順や技法などを極めてわかりやすく解説した
編鍋の重点を、第一部﹁林業機械の椛造・性能と使い方﹂に
おき、現下の技術的知識の要請にこたえるとともに、第2部
﹁林業機械メーカー及び商社一覧﹂、第3部﹁林業機械化に
関する法律・通達類﹂、さらには﹁資料﹂を加えた。国・民
有林の業務担当者はもち論のこと、林業機械メーカー。商社
の各位、さらには大学・高等学校などの教習用としても広く
利用しうる必備書である。
スリーマーム研究会編A五判箱入四九○頁価一七○○円︵〒共︶
林業機械ハン康ブック
一
スリーエムマガジン
−
W … 祁 詞 … …
f誠一茎面魂.ー諦跡一員-座q雛砕ロ”Ⅲ鍵f姉
FE憲嘩』
1答罐”
諦侭騨塀_=-群1嘩聖蝉認型謹
… 唖 a
… 鼎 一
・が!q‐・TZ壱一蝉一iトーーpIT湖
坐醗曄
0
5
,
0
0
0
(
但
し
東
北
・
北
陸
¥
1
1
5
,
0
0
0
北
海
道
¥
1
2
5
,
0
0
0
)
亜愚478(kg)
ー
グ邇陰等耐火保管庫
■広い庫内園強力な耐火力囲確実な二重施錠式
《お問合せ》
社団法人日本林業技術協会
束京都千代田区6霧町7番地
電話(代表)261−5281
東洋最大の金庫メーカー
=
e熊平金庫
株式会社東京熊平金庫店
<有効内寸法>
高き1.506XiMiPBOO×奥行500(*)
東京都中央区日本橋本町1の2.癒大代270-4381
獄空中写
真ア
測量が簡単にできる
測 量 板
一一﹃
・テンプレート
= 一 一 ー ー 一 一 ー
小
−→点格子(ドット)
−
1区画100点
(縮尺1/5000で
1点=0.01ha)
57cm
第と一
一
∼
3
第逢一
一 隻 、 - −
2
1 1 1 1 1 1 1 − 1 I 〆
/'(写真基線と重ねる線)
/ 2 0 1 5 1 0 5 0 5 1 0 1 5 2 0 -− > ス ケ ー ル
アミ・テンフ°レート
il01I1l
一
一
一
吟
第1基準線
←一
と字
夏基準綴
ーー>透明なポリエステルベール
1
1
1
46cm
/
∼
ジ
O
D
一価格-850円
I
面積測定用
日 林 協 点 格 子 板
実用的な面積測定器具●フイルムベースで取扱い,持ち運びが簡単です。
(特長)プラニメーター法に比べて時間が%∼兇に短縮され,しかも精度は全然変わ
りません。
(性能)透明なフイルムベース(無伸縮)上に点を所要間隔で配列し格子線で区画さ
れています。
(使用法)図面の上に測定板をのせて図面のなかにおちた点を数えて係数を乗ずるだけ
で面積が求められます。
(種類と価格)s−Ⅱ型(点間隔2mm大きさ20cm×20cm)800円
S−Ⅲ型("2mm"12cm×8cm)270円
L一Ⅱ型("10mm"20cm×20cm)800円
M−I型("5mm"40cm×40cm)2,000円
M−Ⅱ型("5mm"20cm×20cm)800円
発売元社団法人日本林業技術協会
東京都千代田区六番町7
電話(261)5281振替東京60“8番
’
」
│‘$・…IlI
P ●
。
の
サ 術 w崖
や
_線虫防除に.ノ
機■し
殺菌菌
、機
11
岬
ヤ1
│
、
,H[XAPET MN-101
ヘクサペットMN-101は完全殺菌、低淵短時間殺
菌を笑現します。30秒間の熱処理の結果土壊温度
71℃で土壌伝染性の植物病害菌及び、細菌のすべ
主 な 納 入 先 ・ 股 林 街 、 林 堆 試 験 場 、 営林局、大学、艇業
商校、剛裟#IL合、その他
③ 三 井 農 林 株式 会 社
てが完全に死滅します。
用途・播種床、床替床に透ける病害菌、線虫、根
切虫等の防除。あらゆる鉢物(観莱械物、盆栽)
の土壌消毒、温室の床土消毒
本社東京都中央区日本賎蕊町2−1−1(三井上 し)篭濫東京(241)3111代要
隙
一
!
営業所札幌・仙台・慾古麗・火陵・側岡
lI
、
I
縁
ル|
壁L、'罫脅
錘
カタログ進呈
○デン ドロメー ター
=
一
一
句
色
q
戸=
’
(日柑錫測樹器)
高サ125mm
幅45m
長サ106mm
概要
この測樹器は従来の林分胸高断面種測定方法の区画測
避、毎木調在を必要とせず、ただ単に林分内の数カ所で、
その周囲360.の立木をながめ、本器の特徴である。
プリズムにはまった立木を数え、その平均値に断面積定
数を掛けるだけで、その林分の1]1a当りの胸高断面種合
計が計算されます。
機能
プリズムをのぞくだけで林分胸高断面職測定、水平距
cc◆
用I●Ⅱ●Ⅲ
Ⅳv
形式
途
ha当りの林分胸高断面機測定
水平距離測定
樹高測定
傾斜角測定
方位角測定
職
K=4壮齢林以上の人工林、天然林、水平距離測定、樹
K=2幼齢林、薪炭林、樹高測定
(水平距離設定用標板付)
社団
法人
日本林業技術協会
(振替・東京60448番)
東京都千代田区六番町7
近話(261局)5281(代表)∼5
6
定価八十円送料六円
離測定、樹高測定、傾斜角測定が簡単にできます。
磁石で方位角の測定もできます。
う°リズムの種類
第三一二号
価格22,500円(〒込)
高測定
林業技術
岬州州皿姻砕栩吋副呼”仙哩岫届瞬垂麺踊咄︲︲1面恥”恥抑岬f仁
一一
単
=
蠅諏型什壼癖猩朋叫即聯二秘郵便物認蔬︵毎月一回十日発行︶
‘
ず
#
│
’
別魁Ⅲ#
腿
菌
州芋田 病
口堂
IaⅡ90日
r■け胆
“恥評圃害
1
b か 里
Fly UP