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行政法 行政行為の概念と種類 行政行為の概念と種類 行政行為の概念
Meiji Gakuin University 行政行為の概念と種類 • 通説に照らして妥当かどうか? 行政法 正誤問題 行政行為の概念と種類 • 許可は、行政法令による一般的禁止 を特定の場合に解除する行為であり、 その例としては、電気事業やガス事 業の許可、公有水面埋立ての免許 がある。 行政行為の概念と種類 • 通説に照らして妥当かどうか? • 通説に照らして妥当かどうか? • 許可の法的効果は、相手方における 一定の権利または権利能力の発生 であり、許可によって得られる利益 は、反射的利益ではなく、法的に保 護される。 • 認可は、第三者の行為を補充してそ の法律上の効力を完成させる行為で あり、その例としては、農地の権利移 転の許可、河川占用権の譲渡の承 認がある。 行政行為の概念と種類 行政行為の概念と種類 • 妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 命令的行為である下命は、一定の作 為、給付または受忍を命じる行為で あり、その例として農地法による農地 の権利移動の許可がある。 • 命令的行為である免除は、一般的禁 止を特定の場合に特定人に解除す る行為であり、その例として学校教 育法による就学義務の猶予・免除が ある。 1 Meiji Gakuin University 行政行為の概念と種類 行政行為の概念と種類 • 妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 形成的行為である特許は、一定の権 利または権利能力を設定する行為で あり、その例として公有水面埋立法 による公有水面の埋立免許がある。 • 許可は、すでに法令または行政行為 によって課されている一般的禁止を 特定の場合に解除する行為であり、 例として自動車運転の免許がある。 行政行為の概念と種類 行政行為の概念と種類 • 妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 法律により許可制がとられている場 合、申請に対して許可を与えるかど うかは原則として行政庁の自由な裁 量にゆだねられている。 • 法律で認可が要件とされている場合 に、認可を受けないで行った行為は、 取消しの対象とはなるが無効となる ことはない。 行政行為の効力 • 妥当かどうか? • 行政庁は、不服申立てや取消訴訟 を提起できる争訟提起期間を経過す ると、当該行政行為に不可変更力が 生じ、職権による行政行為の取消し や撤回をすることができない。 行政行為の効力 • 妥当かどうか? • 行政行為の公定力または行政行為 に対する取消訴訟の排他的管轄制 度には、違法性がいかに甚だしい場 合でも、相手方が適法に取消訴訟を 提起し取消判決を得ない限り、行政 行為の事実上の通用に対して救済 を求めることができない。 2 Meiji Gakuin University 行政行為の効力 • 妥当かどうか? • 行政行為の公定力は、違法な行政 行為によって損害を被ったことを理 由とする損害賠償請求訴訟には及 ばないので、裁判所が判決で行政行 為を違法として損害賠償を求めても、 行政行為の効力は存続する。 行政行為の効力 行政行為の効力 • 妥当かどうか? • 裁決庁がいったん下した裁決を自ら 取り消して、新たな裁決をやり直した 場合、新たな裁決は、紛争を解決す るための裁断作用に認められる不可 争力に反して違法である。 行政行為の効力 • 妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 公定力とは、行政行為に重大かつ明 白な瑕疵がある場合を除き、取消権 限を有する機関によって適法に取り 消されない限り、当該行政行為の効 力は有効であるとするものである。 • 公定力の実定法上の根拠は、行政 事件訴訟法におけるその他抗告訴 訟の管轄に求められ、取消訴訟の排 他的管轄には求めることができない。 行政行為の効力 行政行為の効力 • 妥当かどうか? • 通説に照らして妥当かどうか? • 行政行為によって権利利益を侵害さ れた者は、公定力の効力のため、一 定期間を経過した場合には、当該行 政行為の効力を裁判上争うことがで きない。 • 行政行為は、無効の場合を除き、当 該行政行為の取消しがあるまでは、 その内容に応じて相手方やその他 の関係者を拘束するが、当該行政行 為をした行政庁までも拘束すること はない。 3 Meiji Gakuin University 行政行為の効力 • 通説に照らして妥当かどうか? • 行政庁は、行政行為によって命ぜら れた義務を相手方が履行しない場合 には、必ず裁判判決の債務名義によ らなければ、義務者に対し強制執行 を行い、義務の内容を実現すること ができない。 行政行為の瑕疵 行政行為の効力 • 判例に照らして妥当かどうか? • 最高裁判所の判例では、不服申立 てにより農地買収計画を取り消した 裁決は、実質的には法律上の争訟 を裁判する性質を有するため、一般 の行政処分とは異なり、特別の規定 がない限り、裁決庁自ら取り消すこと はできないとした。 行政行為の瑕疵 • 妥当かどうか? • 通説に照らし妥当かどうか? • 違法な行政行為によって損害を受け た者は、当該行政行為の取消しの判 決を得ることなく、国家賠償を請求す ることができるとするのが判例である。 • 瑕疵の治癒とは、行政庁が意図した 行政行為としては違法であるにもか かわらず、別の行政行為として見れ ば適法であると考えることができる 場合に、これを別の行政行為である としてその効力を維持することをいう。 行政行為の瑕疵 行政行為の瑕疵 • 通説に照らし妥当かどうか? • 通説に照らし妥当かどうか? • 先行処分に瑕疵があり、先行処分と 後行処分が相互に関連する場合は、 それぞれが別個の目的を志向し、相 互の間に手段目的の関係がないとき であっても、先行処分の違法性は必 ず後行処分に承継される。 • 行政行為は、それに明白な瑕疵があ れば当然に無効となり、国民は正式 の取消手続を経るまでもなく、通常 の民事訴訟により直接自己の権利 を主張することができる。 4 Meiji Gakuin University 行政行為の瑕疵 行政行為の瑕疵 • 通説に照らし妥当かどうか? • 通説に照らし妥当かどうか? • 違法行為の転換とは、行政行為がな されたときには、手続的な要件が欠 けていたが、その後の事情の変更ま たは追完によって要件が充足され、 瑕疵がなくなった場合に、その行政 行為の効力を維持することをいう。 • 取り消しうべき瑕疵を有する行政行 為は、正当な権限のある行政庁また は裁判所が取り消して初めて効力を 失うもので、取り消されるまでは、そ の行政行為の相手方や行政庁その 他の国家機関はこれに拘束される。 行政行為の瑕疵 行政行為の効力の発生と消滅 • 妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 瑕疵ある行政行為は、取り消しうべ き行政行為、無効の行政行為および 行政行為の不存在の3つに分類され、 瑕疵が重大明白である場合には、行 政行為としての外観を欠くため、その 行政行為は行政行為の不存在に分 類される。 • 行政行為の撤回とは、行政行為がそ の成立時から瑕疵を有することを理 由として、当該行政行為の効力を消 滅させる行為をいう。 行政行為の効力の発生と消滅 行政行為の効力の発生と消滅 • 妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 行政行為の撤回は、行政行為を行っ た行政庁が行うことができ、当該行 政庁の上級行政庁は当該行政行為 を撤回できない。 • 行政行為の撤回の効果は、行政行 為の成立時にさかのぼって生じ、当 該行政行為の効力が初めからな かったものとされる。 5 Meiji Gakuin University 行政行為の効力の発生と消滅 行政行為の効力の発生と消滅 • 妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 侵害的行政行為の撤回は、相手方 の利益となるが、権力的な行為であ るため、撤回には常に法律の根拠が 必要とされる。 • 授益的行政行為の撤回は、公益上 の必要性から行われるものであるた め、当該行政行為の撤回による相手 方の損失に対し、損失補償は一切な されない。 行政行為の効力の発生と消滅 行政行為の効力の発生と消滅 • 判例に照らし妥当かどうか? • 判例に照らし妥当かどうか? • 行政処分が相手方との関係で拘束 力その他の効力を生じるためには、 行政庁の意思表示が相手方に到達 することまでは必要でなく、原則とし て行政庁の意思表示が発信される のみで足りる。 • 行政処分は、たとえ違法であっても、 その違法が重大かつ明白で当該処 分を当然無効とするものと認められ る場合を除いては、適法に取り消さ れない限り、完全にその効力を有す る。 行政行為の効力の発生と消滅 行政行為の効力の発生と消滅 • 判例に照らし妥当かどうか? • 違法な行政処分については、当該行 政処分の違法性が判明した場合、処 分庁は、その固有の権限として、職 権によってこれをいつでも自由に取 り消すことができ、その際、違法な行 政処分を維持することによって得ら れる公益や法的安定性を考慮する 必要はない。 • 判例に照らし妥当かどうか? • 行政処分の撤回によって当該処分 の相手方の被る不利益を考慮しても なおそれを撤回すべき公益上の必 要性が高いと認められる場合であっ ても、法令上その撤回について直接 明文の規定がなければ、当該処分を 撤回することはできない。 6 Meiji Gakuin University 行政行為の効力の発生と消滅 行政行為の附款 • 判例に照らし妥当かどうか? • 裁判類似の争訟手続を経て出される 審決、不服申立てに対する決定・裁 決のような処分も、他の行政処分と 異なるところはないから、審決や決 定・裁決を行った行政庁は、いったん これを発した後であっても職権で取り 消したり変更したりすることができる。 • 通説に照らし妥当かどうか? • 条件とは、行政行為の効果を将来発 生することの確実な事実にかからせ る附款であり、条件には、その事実 の発生によって、行政行為の効果が 生じる停止条件とそれが消滅する解 除条件がある。 行政行為の附款 行政行為の附款 • 通説に照らし妥当かどうか? • 通説に照らし妥当かどうか? • 負担とは、相手方に特別の義務を命 じる附款であり、負担を履行しなくて も、本体たる行政行為の効力が当然 に失われることはない。 • 法律効果の一部除外とは、行政行 為をするに当たって、撤回する権利 を行政庁に留保する附款である。 行政行為の附款 行政行為の附款 • 通説に照らし妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 行政行為の附款は、法律留保の原 則により、法律が認めている場合に 限り付することができる。 • 附款とは、行政行為の主たる意思表 示に付加される行政庁の従たる意思 表示をいい、法律行為的行政行為に は、附款を付すことはできないとされ る。 7 Meiji Gakuin University 行政行為の附款 行政行為の附款 • 妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 附款のうち、撤回権の留保とは、行 政行為の主たる内容に付加して、特 定の行政行為の撤回をなしうべき権 能を留保する意思表示をいい、撤回 権の留保を付することにより、当該 行政行為は無条件に撤回することが できる。 • 附款に瑕疵がある場合、附款が行 政行為の重要な要素でなく附款と行 政行為とが可分であれば、当該附款 のみの争訟を提起することができ、 附款と行政行為とが不可分である場 合は、当該附款のみの争訟の提起 はできないとされる。 行政行為の附款 行政行為の附款 • 妥当かどうか? • 妥当かどうか? • 行政行為の主たる内容に行政庁が 付加する付帯的定めを附款といい、 附款の種類には「条件」「期限」「負 担」「撤回権の留保」および「裁判管 轄の指定」がある。 • ある営業の許可につき、関係法令に 営業時間の制限に関する規定はな いが、「午前0時から午前7時までは 営業してはならない」旨の附款が許 可に付されていた。この附款は、解 除条件と解するのが適当である。 行政裁量 行政裁量 • 通説に照らして妥当かどうか? • 通説に照らして妥当かどうか? • 行政事件訴訟法は、行政庁の裁量 処分については、裁量権の範囲を超 えまたは裁量権の濫用があった場合 に限り、裁判所は、その処分を取り 消すことができると定めている。 • 裁量行為は、法規裁量行為と便宜 裁量行為とに分けられ、便宜裁量行 為については裁判所の審査に服す るが、法規裁量行為については裁判 所の審査の対象となることはない。 8 Meiji Gakuin University 行政裁量 行政裁量 • 通説に照らして妥当かどうか? • 最高裁判例に照らして妥当か? • 行政庁に裁量行為を認める裁量条 項の執行に関して、裁量行為の不作 為ないし権限不行使があっても、そ れは当不当の問題となるにとどまり、 違法となることは一切ない。 • マクリーン事件では、外国人の在留 期間の更新に関する法務大臣の判 断に関し、その判断がまったく事実 の基礎を欠きまたは社会通念上著し く妥当性を欠くことが明らかである場 合に限り、裁量権の濫用があったも のとして違法となるとした。 行政裁量 行政裁量 • 最高裁判例に照らして妥当か? • 最高裁判例に照らして妥当か? • 第一次教科書訴訟では、教科書検 定における合否の判定は、学術的、 教育的な専門技術的判断を行う教 科用図書検定調査審議会の答申に 基づく文部大臣の合理的な裁量に委 ねられているため、裁判所が違法と 判断する余地はないとした。 • 信仰上の理由により剣道実技の履 修拒否をした公立学校の生徒に対 する進級拒否処分および退学命令 処分が争われた事件では、代替措 置の検討を十分に行っているため、 当該処分には裁量権の範囲を超え る違法性はないとした。 行政裁量 行政裁量 • 最高裁判例に照らして妥当か? • 最高裁判例に照らして妥当か? • 神戸税関事件では、公務員に懲戒 事由がある場合に、懲戒処分を行う かどうか、どのような処分を選ぶか は、羈束行為であり、懲戒権者に裁 量の余地はないとした。 • 個人タクシー営業免許の申請に対す る却下処分は、自由裁量行為であり、 申請受理後に行った聴聞手続に不 公正があったとしても、処分本体の 効力には影響がないとした。 9