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今、日本企業に求められる経営革命

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今、日本企業に求められる経営革命
SCMビジネスモデル研究会
今、日本企業に求められる経営革命
∼成果主義やバランス・スコアカード導入に必要な変革ビジョン∼
第Ⅰ部
バランス・スコアカードによる企業変革
第Ⅱ部
日本企業の変革ビジョンに関する考察
2004年9月25日
浅井 俊克
LIBコンサルティング
第Ⅰ部
バランス・スコアカードによる企業変革
1.成果主義導入がうまくいかない理由
とバランス・スコアカードの意味
今、日本企業は戦略的転換点に立っている
工業化時代
(生産者優位)
上下逆転の世界
が出現
情報化時代
(消費者優位)
パラダイムY
転換の成功
(変革型)
パラダイムX
(管理型)
戦略的転換点
従来の戦略
管理型パラダイム
から
変革型パラダイム
への転換
転換の失敗
産業革命以来の革命
工業化社会
情報化社会
情報・技術・知識の大量生産
物・サービスの大量生産
市場経済(分業、生産と消費
の分離)
自由競争原理
情報革命
近代工場(機械・装置)
階層社会(中央集権・階層・
統制)
議会制民主主義
大量生産消費社会
増田米ニ「原典情報社会」(TBSブリタニカ、1985)より
情報ユーティリティ(情報ネットワ
ーク、データバンク)
共働経済(共働生産、共同利用)
共働原理
共働社会(多中心・相互補完・
自立性)
直接参加型民主主義
高度知的創造社会
情報革命による小組織経済の復活
小組織中心
産業革命
情報革命
大組織中心
規模の経済
範囲の経済
垂直統合組織
の解体
ロナルド・H・コース 「企業の本質」から
市場から調達する際の取引コストよりも、企業内部で生産や雇用をした方が取引コスト
が安くなる場合に、継続的な企業組織が選択される。
企業の規模は外部調達コストと内部管理コストの差によって決定される。
Coase, Ronald H. (1937), The Nature of the Firm, Economica 4: 386-405
組織のダウンサイジング
Fortune500 1979年がピークで1600万人強、1990年は1200万人弱
囲い込みモデルからオープンモデルへ
[パラダイムX]
[パラダイムY]
ピラミッド組織
ネットワーク組織
系列
Win−Win
管理型人材
変革型人材
年功序列
成果主義
なぜ、日本で成果主義導入がうまくいかないか
1.成果が得やすい目標設定
(ハードルはできるだけ低く、個人
あるいは部門単独で達成できる)
チームプレイが軽視され、
個人の成果争いになる
2.財務的数値
目標の偏重
長期的取り組みの軽視
ヒット商品が生まれない
従業員は目標をノルマと感じ、
できるだけ低く設定しようとする
危機感をあおり、従業
員の奮起を促す
3.上司と部下の
緊張関係の発生
イエスマン、専制的
リーダーの発生
組織モラルの低下
各部門が目先の成果を追
求し、顧客指向でなくなる
「悪魔のループ」
業績回復を目指し、や
や高い目標を設定する
売上・利益目標を
達成できない
報酬や経費のカットで
士気は低下する
組織と個人の新たな関係を踏まえたビジョンを伴わない成果主義の導入は、
意図とは反し組織活力を低下させる。
目標管理制度導入とその後
米国
1970∼80年代
目標管理制度の導入
1980∼90年代
新たな経営システムの導入
[負の側面]
① 短期的成果追求に傾く
◇経営品質賞(MB賞)
◇バランス・スコアカード
② 上司と部下との緊張関
係が強まる
◇オピニオン・サーベイ
◇360度評価制度
◇社内FA制度
バランス・スコアカード誕生の背景
BSC誕生前夜−T.ジョンソン、R.S.キャプラン 「レレバンス・ロスト」(1988)
・短期の財務尺度は、価値低下。長期的投資の減少につながる。
・管理会計の有効性が失われる一方、多くの経営者が、企業を
“数値によって”管理できると信じ始めた。
BSCの誕生-ロバート・S・キャプラン、デビッド・R・ノートン
1990年 ノーラン・ノートン研究所「将来の企業における業績評価」研究プロジェクト
1992年 研究成果をハーバード・ビジネス・レビュー誌に発表。
従来の財務的業績指標に偏った業績管理の問題点
①財務的業績評価指標は過去を示す情報
②四半期業績重視で、部門管理者は短期的な部分最適に力を注ぐ。
③間接費配賦方法で部門利益は大きく変化、事業の実態が正確に表されない。
④環境変化、顧客満足、競合会社の状況などを財務的指標から理解できない。
⑤管理会計は財務会計との整合性から、業績指標項目、指標表現方法に制約。
2.戦略的経営管理システムとしての
バランス・スコアカードとその導入
トップ・ダウン&ボトム・アップによる
スコアカード作成
全社スコアカード
・トップダウンとボトムアップ
による目標設定
本部スコアカード
部門スコアカード
部門スコアカード
・スコアカード・チェックシートを作り、
部門間での整合性を確認
個人目標管理シート
バランス・スコアカード導入の意味
①ビジョンと戦略を明確化し、トップから担当者まで、共有
化できる。
②全員参加の企業経営、挑戦的組織風土を実現できる。
③ 計画や予算を戦略にリンクできる。
④非財務指標を設定することで、より日常業務に即した
目標設定ができる。
⑤目標管理制度単独での欠点(短期指向、低い目標設
定)を補うことができる。
⑥スピーディな問題発見とアクションをとることができる。
⑦情報化時代への移行に対応した企業変革を漸進的に
行うことができる。
日本企業における
バランス・スコアカード導入の問題点
1.バランス・スコアカード導入に必要な変革ビジョンを
持たず、表面的理解のままに導入する
2.経営トップが十分なリーダーシップを発揮しない
3.一部スタッフによる戦略目標、成功要因抽出に留ま
り、戦略が組織全体で共有されていない
4.予算管理制度や目標管理制度が連動していない
5.業績評価と報酬の連動が不明確である
3.バランス・スコアカード導入を
成功に導く
ブレークスルー思考の考え方
バランス・スコアカード導入を成功に導く
ブレークスルー思考の原則
1.ユニーク“差”の原則
2.目的展開の原則
3.理想システム(先の先から見た“あるべき
姿”の原則
4.システム思考の原則
5.目的“適”情報収集の原則
6.参画・巻き込みの原則
7.継続変革の原則
出典:G.ナドラー、日比野省三「ブレークスルー思考」(ダイヤモンド社)
目的展開の原則
「ホテルの目的は何ですか?」
「ホテルとは、最良の設備やサービスを提供し、お客さまに満足を
与える場」
(これで十分ですか?)
「ホテルとは、お客さまとともに幸福感と感動を創造し分かち合う場」
目的は、機能、価値観、ものさし、目標の四つの概念で構成される。
この中で、目的の第一義は機能である。
目的;個が活性化した企業風土を作る。
価値観
機能
目標;従業員満足度 現在31ポイント→3年後50ポイント
ものさし
出典:G.ナドラー、日比野省三「ブレークスルー思考」(ダイヤモンド社)
目標
企業の目的は何か
企業の目的は何かと聞かれた時、大多数の企業経営者は“利
潤を得るため”と言う。
しかし、利潤とは、いかにうまく企業が目的(ビジネスは何なの
か)を達成するのかということの尺度(成功の物差し)にしかすぎ
ない。(売上や利益の向上は裏の機能である。)
利潤は決して、企業の使命でも目的でもない。
G.ナドラー、日比野省三「ブレークスルー思考」(ダイヤモンド社)より
持っている能力を最大限に発揮して、関係する人々に対して
より多くの価値を提供することにより、世の中に貢献する。
企業の目的は「顧客の創造」である。(ピーター・ドラッカー)
参画・巻き込みの原則
できる限り個々の人々を参加させ、彼等の企画・計画段階から解決策に参
画できる場を提供する。
変化は他人から押し付けられるものではなく、自己変革により起こさせるよ
うにすべきである。
[革新的な解決策発見のグループ・ディスカッション]
ディスカッションの前提
トップマネジメントが公約や方針により、創造性を大いに高揚していくことを保証する。
ディスカッションの進め方
1.先ずはアイディアを出し切る。判断や評価は後で行う。
2.自由な発言を鼓舞する。対立、批判、評論は厳禁。
3.プロジェクトに利害関係のない人も参画させる。
4.出されたアイディアは記録していく。
5.創造性を刺激し、鼓舞するような質問をする。
6.前向きで積極的な姿勢で議論する。
7.ユーモアを大事にし、議論を楽しむ。
出典:G.ナドラー、日比野省三「ブレークスルー思考」(ダイヤモンド社)
継続変革の原則
真のブレークスルーは“ビッグバン”や大規模な変革による解決ではなく、問
題領域における連続的な変革と改良によりもたらされる。
継続変革の法則の狙い
・現実的な企画・計画の基盤を作る。
・システムの成功を確実なものにする。
・対応の迅速な組織となる。
・変化する環境の中で常に学習する組織となる。
・危機管理のできる組織となる。
継続変革の法則が必要な理由
エントロピーの法則により、すべてのシステムは混乱、無秩序に向かうので、
特定のシステムを安定させるためだけにも、エネルギーと努力を注ぎ込む必
要がある。
出典:G.ナドラー、日比野省三「ブレークスルー思考」(ダイヤモンド社)
4.バランス・スコアカードの導入による
企業変革を成功させるために
経営品質のフレームワーク
経営品質向上プログラムとは
経営革新のデファクト・スタンダードと言われる「マルコム・ボルドリッジ賞(MB賞)」によるセルフ
アセスメント(自己評価)の考え方を範として、日本での実践を通じた学習により作り上げた、経営
革新実現のための考え方やその方法
組織プロフィール
3.顧客・市場の理解と対応(100)
3.顧客・市場の理解と対応(100)
方向性と推進力
業務システム
1.経営幹部の
1.経営幹部の
リーダーシップ
リーダーシップ
(120)
(120)
4.戦略の策定と展開
4.戦略の策定と展開
(60)
(60)
2.経営における
2.経営における
社会的責任
社会的責任
(50)
(50)
5.個人と組織の能力
5.個人と組織の能力
向上(100)
向上(100)
目標と結果
8.結果
8.結果
(400)
(400)
6.価値創造の
6.価値創造の
プロセス(120)
プロセス(120)
7.情報マネジメント
7.情報マネジメント (50)
(50)
出典:日本経営品質賞 アセスメント基準書2004年度版
注)カッコ内は配点
サービス・プロフィット・チェーンの考え方
サービス・プロフィット・チェーン
利益、成長、カスタマー・ロイヤルティ、カスタマー・サティスファ
クション、カスタマーに提供されるモノあるいはサービス、従業員
の能力とサティスファクションとロイヤルティと生産性などの要因
は、相互に直接、強力に結びついている。
サッサーとラインコールドの研究から
ほとんどの業界で、利益をもたらす重要な要因は、カスタマー・ロイヤルティ
であって、マーケット・シェアではない。この研究から、最も結びつきが強いの
は、次の3つの組み合わせである。
①利益とカスタマー・ロイヤルティ
②従業員のロイヤルティとカスタマー・ロイヤルティ
③従業員のサティスファクションとカスタマー・サティスファクション
出典:ジェームス・L・ヘスケット、W・R・サッサーJr、レオナード・A・シュレジンジャー 「カスタマー・ロヤルティの経営」
シアーズ・ローバックの
エンプロイー・カスタマー・プロフィット・チェーン
資産収益率
営業粗利益
売上増
投資したく
なる企業
推進 力
買い物を
したく
なる店
顧客の
クチコミに
よる評判
顧客の
印象
サービス
有益性
顧客維持率
推進 力
仕事へ
の態度
顧客満足度が
1.3ポイント上昇
商品価値
従業員
の行動
働きたく
なる職場
売上げが
0.5%上昇
従業員定着率
会社へ
の態度
従業員満足度が
5ポイント上昇
思考の転換−
株主、顧客、従業員の優先順位は?
旧思考:「数字は作るもの」
・精緻な予算計画
・目標に向かって一丸となってがんばろう
・計画達成のために前倒しも
新思考:「数字は後から付いてくる」
・従業員第一、顧客第二
(サウスウェスト航空)
・従業員、顧客、株主の順に考える
(リチャード・ブランソン)
1.売上、利益目標を設定する
3.売上、利益目標が拡大する
2.目標に従った予算計画を
立案する
2.顧客を満足させる
商品・サービスを提供する
3.目標達成を目指して
がんばろう
1.ビジョンを示すと共に、
従業員を動機付ける
なぜ会社は変われないのか
従来の管理的手法によっては変革はできない。
管理指向
変革指向
これまでのやり方
短期的成果
長期的視点
売上や利益
ビジョンや戦略
、
財務的指標
今後のやり方
実務
非財務的指標
人材育成、
情報化推進
管理型人材
変革型人材
バランス・スコアカード
戦略的転換の成否とバランス・スコアカードの視点
高い目標を設定する
ビジョンを示し、従業員
を鼓舞する
戦略的転換に成功した
「天使のループ」
従業員は自ら高い目標
にコミットメントする
学習と成長の視点
業務プロセスの視点
従業員は目標をノルマと感じ、
できるだけ低く設定しようとする
危機感をあおり、従
業員の奮起を促す
従業員への報酬も増え、
士気が上がる
顧客を満足させる
商品・サービスを提供する
顧客の視点
財務の視点
各部門が目先の成果を追
求し、顧客指向でなくなる
戦略的転換に失敗した
「悪魔のループ」
業績回復を目指し、やや
高い目標を設定する
売上/利益目標が
拡大する
売上・利益目標を
達成できない
報酬や経費のカットで
士気は低下する
第Ⅱ部
日本企業の変革ビジョン
に関する考察
今、日本企業は戦略的転換点に立っている
工業化時代
(生産者優位)
上下逆転の世界
が出現
情報化時代
(消費者優位)
オープン型経営−パラダイムY
囲い込み型経営−パラダイムX
●人材/資源/チャネルの囲い込み
●管理型人材
●安定志向マネジメント
●ピラミッド組織
●手段思考/部分最適
●予算管理制度
従来の戦略
●コア・コンピタンスに資源集中
アウトソーシング活用
●変革型人材
●変革志向リーダーシップ
●ネットワーク組織
●目的思考/全体最適
●バランス・スコアカード
転換の成功
戦略的転換点
管理型パラダイムX
から
変革型パラダイムY
への転換
転換の失敗
日本企業の現状の課題分析
工業化時代に成功した企業パラダイムが機能不全に陥っているが、その旧パラダイム
をなかなか捨てられない。変革の難しい日本的風土が障壁となって立ちはだかる。
[日本社会の特質]
・組織と個の相互依存
・閉鎖的なタテの組織
・知的な真の会話の欠
如
・年功重視、平等主義
[日本企業の近年の
取り組みと状況]
・成果主義の導入
(組織と個の相互自立)
・財務指標に重点を置
いた経営
・官僚主義の蔓延
(マイナス情報、異端の
排除)
・横並びのリストラ
[日本企業における
歪増大の現状]
・短期指向の経営
・組織活力の減退
(疲労感の蓄積)
・個人の帰属意識の
低下
・問題上司、イエスマ
ンの増殖
日本社会は工業化時代向き?
国民文化の国際比較(G.ホフステード)より
調査対象;世界50か国と3地域のIBM社員
A.男女の意識格差(大→小)
1.日本
35.フランス
4.イタリア
41.韓国
9.イギリス
9.旧西ドイツ
47.フィンランド 52.ノルウェー
<男女意識格差の大きい社会の特徴>
・社会の価値観は物質的な成功と進歩すること
・金銭と物質が大切にされる
・強者への共感、業績社会を目指す
・働くために生きる
15.米国
53.スウェーデン
<男女意識格差の小さい社会の特徴>
・社会の価値観は他者への配慮と控えめな振る舞い
・人間そのものと暖かな人間関係が大切にされる
・弱者へのいたわり、福祉社会を目指す
・生きるために働く
B.不確実性の回避(大→小)
7.日本
31.フィンランド
10.フランス
38.ノルウェー
16.韓国
43.米国
<不確実性の回避の強い社会の特徴>
・法や規則が多い
・国家当局と比べると、市民は無力である
・保守主義、法と秩序を重んじる
・若者に対して否定的
・ナショナリズム、外国人嫌いで、少数派を抑圧する
・専門家が信頼されて、専門分化が重視される
出典:G.ホフステード「多文化世界」(有斐閣)
23.イタリア
47.イギリス
29.旧西ドイツ
49.スウェーデン
<不確実性の回避の弱い社会の特徴>
・法や規則は少ない
・国家当局と比べても、市民は力がある
・寛容で穏健
・若者に対して肯定的
・地域主義,国際主義で、少数派を統合しようとする
・多彩な知識や技能を持つ人が信用され、常識が
重んじられる
日本は変わることができるか?
−明治維新以来の変革期?
日本の課題
・変革ビジョンを描く(管理型パラダイム→変革型パラダイム)
・組織と個が相互に自立した関係の構築
・管理型人材から変革型人材へ
日本企業の特徴
年功序列、組織と個の依存関係
日本社会の特性
タテ社会の人間関係(中根)
日本には個人と社会の間に世間が存在する(阿部)
長いものには巻かれろ 寄らば大樹の陰
歴史的要因
農耕社会 島国 鎖国
官僚化の心理学的分析
官僚制の弊害はその組織構造それ自体から生み出されるのではなく、人々がそれに
過剰に適応したものの見方や考え方(官僚的パーソナリティ)を発展させることから
生じるものである。
<官僚化のシナリオ>
<エゴグラムによる
機能的自我状態>
P:親(CP:批判的親、
NP:養育的親)
A:大人
C:子(FC:自由な子供,
AC:順応した子供)
階層の下
での分業
上司=批判的親
VS
部下=順応した子供
官僚主義
の定着
<組織活性化のシナリオ>
官僚主義
の打破
上司=養育的な親、大人
AND
部下=自由な子供、大人
活性化した
組織
[上司と部下の交流分析]
上司「いつになったらできるんだ。
こんなことをしていると今年
度はD評価だぞ」
部下「すみません。来週には必ず
提出します。」
P
P
A
A
C
C
上司「あの仕事、来週までにでき
P
そうか。もし、大変だったら、
誰かに手伝わせるぞ」
A
部下「大丈夫だと思います。もし、
厳しくなったら、改めてご相 C
談します」
P
A
C
あなたの性格を診断してみませんか? 検索エンジンに「エゴグラムによる性格診断」と入力してください。
官僚化した組織とは
官僚化した組織の特徴
◆集団的意思決定(過剰な承認プロセス、責任所在のあいまい化)
◆指示、管理を中心とした業務効率の追求
◆失敗や失態回避のための過剰な準備
◆頻繁かつ非効率な会議の開催
◆本質追求の議論や思考の回避
官僚主義者とは
◆ルールや役割に忠実である
◆「心の階層性」を持っている
◆マイナス情報を排除する、特に批判を嫌う
◆関心は組織内部に向き、効率志向
◆自部門の利益確保、自分の立場の保持を優先
マネジメント重視からリーダーシップ重視へ
マネジメント
リーダーシップ
複雑な環境への対処
変革の推進
目標設定(計画
立案、予算策定)
実行ステップ決定、
経営資源の割り当て
手法;組織化、
人材配置、
コントロール、
問題解決
将来ビジョンの設定
①課題の特定
②課題の達成を可能
にする人的ネットワ
ーク構築
③課題の実現
出典;ジョン・P・コッター(HBR,1990年5-6月号)
ビジョン実現のための
変革の戦略を実現
手法;目標に向けた
メンバー間の
心の統合、
動機づけ、啓発
管理型人材から変革型人材へ
マネージャー(管理型人材) リーダー(変革型人材)
管理する
革新する
組織機構を作り、人員を配置する 方向性を示して人々の足並みをそろえる
戦術、機構、システムを重視
哲学、基本価値、共通の目標を重視
目先のことしか見えない
長期的な展望がある
「いかに」と「いつ」を問う
「なにを」と「なぜ」を問う
段取りやスケジュールを組む
秩序を求める
ビジョンや戦略を練る
変化を求める
リスクを避ける
リスクを冒す
人を基準に従わせる
地位を使って人を動かす
人に変化を起こすよう鼓舞する
個人的な影響力で人を動かす
従うよう人に求める
会社の規則、規律、方針、
手順に従って動く
付いて行きたいと人に思わせる
会社の規則、規律、方針、手順を超
えて動く
出典:Warren Bennis,Burt Nanus,Robert Townsend,John P. Kotter,Manfred F. R. Kets de Vries, Warren Blank,
John R. Katzenbackその他の著作から
変革に向けた過激なメッセージ
−Tom Peters “Thriving on Chaos”(1987,経営革命)
◇熟慮したうえで果断に実行した結果の失敗を大きな喜びとせよ。
◇事を遅らせる規制の無視を支持せよ。
・官僚主義的な規則、規定、慣例を無視してかかる行為を賞賛せよ。
◇第一線監督者は様変わりする必要がある。(あらかた消滅する)
・これまではもっぱら上司の要求を下に取り次ぐことに時間を費やしたが、これか
らはチームのアイディアや要望事項を組織の“上に向けて”売り込む。
◇訓練に訓練を重ねよ。
・従業員の教育訓練と再訓練の予算を2倍もしくは3倍に増額せよ。
◇中間管理職の役割を見直せ
・中間管理職の仕事を職域専門家、守護者としてではなく、便宜提供者、職域
間の壁の破壊者の任務として考え直す。
・“逆ピラミッド”型組織図を採用し、現場第一主義の“従業員を最上部”に置く。
◇経営者としての“手本”となる非官僚主義的行動
・受け取る報告の数を50%ないし80%削減せよ。
◇精力的な官僚主義たたき
・わめき散らせ。書類を破り捨てよ。読まずに突き返せ。会議に出席するな。
出典:トム・ピータース「経営革命」(TBSブリタニカ、1989)
GEのウェルチ革命
1999→
成長の持続
●eビジネス
1994→98 新しいビジネスモデルの構築
品質と生産性の向上
1989→93
1985→88
●シックス・シグマ
●境界のない行動、スピード、ストレッチ
リエンジニアリング
ワークアウトとベスト・プラクティス
組織改革
ディレイアリングと多様性の統合
1981→84
●事業セクター制の廃止 ●家電事業を売却
●管理階層の削減、本社スタッフの削減
事業の再編成
ダウンサイジング
1971→80
●グローバルでナンバー・ワンかナンバー・ツー
●「選択と集中」の時代−FA事業と医療機器事業への集中投資
ウェルチ就任以前
戦略事業計画の時代
●PPMとSBU
●事業セクター制
GE AnnualReport1980−1999より作成
GEバリュー
GEのリーダーは、常にゆるぎないインテグリティを持って
◇情熱を持って、お客様の成功のために全力を傾注
◇シックス・シグマ・クオリティを用いて、お客さんの利益に貢献
◇あくまで優秀であることを追求し、官僚主義を許さない
◇バウンダリレスに行動し、常に最新のアイディアを模索、採用
◇世界中の優れた知的資産を重んじ、これらをもたらす人材を尊び、
多様性あるチームを構築
◇変化を変化としてとらえるのではなく、チャンスととらえる
◇分かりやすくシンプルで、お客様を中心としたビジョンを打ち出し、常に見直す
◇高い目標の設定(ストレッチ)、そして信頼にあふれる環境を作る
◇GEのリーダーに求められる[4つのE]を自らの行動で示します。
[4つのE]とは、
・変化のスピードを歓迎し、それに立ち向かう情熱[ Energy ]
・周囲の人を鼓舞する[Energize]ような雰囲気を作る能力
・難しい決断を下す力[Edge]
・結果につながる一貫した実行力[Execute]
GEが必要とする人材の優先順位変更
バリュー
に合う
③→②
①
②→③
バリューに
合わない
成果を上げない
成果を上げる
21世紀型企業モデルと変革の処方箋
[ 変革の処方箋 ]
1.パラダイムXとYを明確化し、変革ビジョンを描く。
2.パラダイムXを否定する。(過去の成功体験を捨てる、創造的破壊)
3.管理型人材を変革型人材に変える(代える)。
4.FJU,FIMATの研修は、すべて変革型ビジョンに従った内容とする。
5.FJU,FIMATの研修の中から、富士通バリューを明らかにしていく。
ビジョン定着のための
変革型人材養成研修
経営品質
コーポレイト・バリュー
変革型リーダー
学習する組織
バランス・スコアカード
成果主義制度
オピニオン・サーベイ
360度評価
社内FA制度
Fly UP