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Vol 14 - 東京大学アイソトープ総合センター

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Vol 14 - 東京大学アイソトープ総合センター
東京大学 アイソ トープ総合 セ ンタ-
VOL
.
14NO.1
く
1
983.
6.
15
REASONABLE PRI
CE'
岡
田
重
文
外 国 か らの お客 に セ ミナ ー を して 貰 っ た後 で 、五 、六 人 で 夕 食 を共 に しな が ら くつ ろ ぎ
い ろ い ろの 情 報 交 換 を行 う。 特 に 院 生 や 若 い研 究 者 に は 、舌 の動 き を よ く し、語 学 の バ リ
ヤ ー を低 くす るア ル コー ル が 少 し入 る と、 ます ます よい. 遠慮 して い た質 問 、 自分 の仕 事
を きい て も ら う等 々 で 、個 人 的 に知 り合 う よい チ ャ ン ス と もな る.
さて 、 そ の 食事 所 とな る と高 級 料 亭 等 々一 人 うん 万 円 も出す な ら沢 山 あ るが 、我 々 の よ
うに接 待 用 機 密 費 ゼ ロ 、≠
頃繁 と もな る と これ らは 高 根 の 花 で あ る。 "東 京 食 べ 所 〟 等 々 の
文 献 もい くつ か 調 べ た が 、 なか なか 適 当 な所 が 見 つ か らな い 。 同 じ悩 み を もつ 友 人 い わ く
0ドル位 で適 当 に 飲 め 、 お い し く腹 一 杯 の満 足 感 の得 られ る レス トラ
「ア メ 1
)カ な ら 1人 2
ンが 結 構 あ るの だ が .
′」。 こ こ で 探 して い るの は 、上 記 の 目的 の達 成 に 、飲 食共 に満 足 出
a
s
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na
bl
e (無 理 を し な い ) 価 格 で 、 永 続 き出 来 る食べ 所で あ る 。 (東 大 よ り余 り
来 、 Re
遠 くな い所 で この よ うな場 所 御 存 知 の 方 教 え て下 さい .
′)
RI使 用 - の 制 約 が 多す ぎるo
Jと
「
REASONABLEな RI管 理 体
REASONABLE'に は
制 」 を考 え る資 と して 、個 人 的 経 験 を ま とめ て み た。辞 書 を引 くと t
「遺 伝 子 操 作 等 の 研 究 の 国 際 的 競 争 の場 で 、我 が 国 の
コ メ ン トした研 究 者 が あ る。 管 理 者 ・ユ ー ザ ー 共 に 、 よ り
合 理 的 な」 に は じ ま り、 「ほ ど よ く」 とい っ た意 味 もあ る の で そ れ もお
「道 理 に合 っ た 」 「
忘 れ な く。
五 年 前 カナ ダ の
B.C.
痛 研 で 、三 年 前 に ア メ リカの カ大 で 、短 期 な が ら RIの
トレー サ
ー 実 験 を行 っ た。 そ こ でユ ー ザ ー と して の 手 続 、取 扱 い を ま とめ て み る と、
(
イ) 今 迄 の 被 曝 記 録 の 提 出 (カ ナ ダ で 私 よ り一 年 前 に行 っ た 人 に は 、上 か ら下 まで の 身
体 検 査 が あ っ た )。
(
ロ) フ ィル ム バ ッジの 支 給 と毎 月一 回 の 所 定 位 置 で の 交 換 。
(
/
i
) RI購 入 は教 室 秘 書 (つ い で放 射 線 管 理 者 ) を通 じて .
(
⇒
RI使 用 実 験 は 管 理 者 指 定 の 研 究 室 で
(
新 規 使 用 も管 理 者 の 0.
K.と、 RIマ ー クの 貼
付 で よ い )。
囲
RI廃 棄 は三 つ の ゴ ミ缶 へ .① RI廃 液 は約 502プ ラ ス チ ッ ク瓶 - 0⑤ 液 シ ン廃 液 は ポ
リエ チ レ ンバ イア ル と共 に 、 バ イア ル廃 棄 缶 - 0⑤ RI
汚染 フ ラ ス コ、ピペ ッ ト、注 射 筒
等 は 、極 力
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Di
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'を用 い、汚 染 テ ィシュー 、紙 タ オ ル 、手 袋 等 と、 RI
廃 棄 缶- 。
2
(
1
- 杯 に な っ た 時 は 管 理 室 - 電 話 して お く と翌 朝 に は新 しい缶 が お い て あ る.
(
ト
) ピペ ッ トは 口 で は 絶 対 に 吸 わ な い。
RIを (一 般 )"流 し〟 - 棄 て る事 は禁 止 。
㈹
(
リ) 使 用 器 具 は 各 自洗 浄 、一 、二 回 の 洗 浄 液 は 廃 液 瓶 へ 、 後 は 流 しへ 。
(
メ) 管 理 者 は (
週 一 回 か 少 な く と も月一 回 )廻 っ て きて チ ェ ッ ク して い る ら しか っ た。
(
J
L
j 床 - こぼ した り した 時 は 、管 理 室 - 報 告 、 自分 で 除 染 、 チ ェ ッ クは管 理 者 が 。
ユ ー ザ ー の 守 るル ー ル は 以 上 の み で あ る。 十 数 年 前 に較 べ る と、(
イ)
は 簡 略 化 、(
ト
)
、(
翻ま
さび し くな っ た 。
RI廃 棄 の 問 題 で は 、 欧 米 で も最 近 少 しづ つ 問 題 に な りつ つ あ り、 日本 の特 殊 事 情 もあ
り、 日本 な りの 管 理 体 制 を作 っ て ゆ くべ きだ ろ う。 そ れ は 、 あ くまで研 究 目的達 成 の為 の
もの で あ る こ と を忘 れ ず 、 又 、 ル ー ル の た め の ル ー ル に な らな い よ うに 注 意 す べ きで あ ろ
うo ユ ー ザ ー に とっ て は 煩 雑 で な く守 り易 い ル ー ル 、管 理 者 側 に は最 低 の努 力 で抑 え る点
が き ちん と抑 え得 る 、 よ り「
Re
as
onabl
eな管 理 体 制 」の 設 立 へ の 努 力 は惜 しん で は な る ま
い.
(ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター 長 )
研
究
紹
介
血 管 柄 付 神 経 移 植 の研 究
光嶋
勲 、波 利井 清 紀 、松 林
薫美
は じめ に
四肢 の 広 範 な挫 滅 創 な どに は神 経 の 長 い 欠 損 を合 併 す る症 例 が しば しば 経 験 され ます が 、
これ らに 対 して 従 来 、本 人 の 身 体 の 他 の 部 か ら採 取 し た 神 経 片 を 用 い た 遊 離 神 経 移 植 術
(
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t
)が 行 わ れ て き ま し た 。 しか し その 結 果 は決 して満 足 で き る もの で は な
く、 そ の 原 因 と して移 植 片 内 に 周 囲 の 組 織 か ら充 分 な 血 行 が 入 らな い ため に 、 そ れ が 壊 死
に お ち 入 り神 経 片 内 で癖・
痕 が 形 成 され る結 果 、移 植 片 の 中枢 側 よ り伸 び て くる神 経 が この
部 分 を通 過 で きな い た め と考 え られて い ます 。
さて近 年 の微 小 外 科
(
mi
c
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y)の 進 歩 は 冒 ざ ま しい もの が あ り、切 断 指 再 接 着 よ り
始 ま り最 近 は 生 き た 各種 の 組 織 移 植 に 利 用 され て い ます 。 また この 技 術 を用 い れ ば 、直 径
1mm 以 下 め 血 管 の 吻 合 も可 能 とな っ て い ます 。 そ こ で わ れ わ れ は 、 この微 小 外 科 の 技術
を用 い て 、従 来 の 遊 離 神 経 移 植 術 で は効 果 が 期 待 で きな い と思 わ れ る血 行 の 乏 しい部 位 へ
の移 植 神 経 片 に 血 行 を与 え る こ とに よ りそ れ を克 服 で き るの で は な いか と考 え 、 血 管 柄 付
神 経移 植 術
(
vas
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r
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t
)を実 験 的 に 行 い 、 そ の 後 の神 経 再 生 の状 態 を従 来
の 血 行 を有 しな い遊 離 神 経 移 植 と比 較 した 。 そ して神 経 再 生 能 の評 価 法 の一 つ と して 、最
近 注 目 され は じめ て い る神 経 の軸 索 内輸 送 を観 察 した の で紹 介 し ます 0
軸 索 内輸 送 につ い て
まず 神 経 突 起 の 一 部 を結 数 す る と、神 経 細 胞 体 の側 に軸 索 質 の た ま りが お こ リ、結 数 を
取 り除 く と、軸 索 質 が 末 梢 側 に 向 か っ て移 動 す る こ とが 最 初 に 発 見 され ま した (図 1)。 こ
の機 構 は そ の 後 、 RIを用 い た 実 験 に よ り解 明 さ れ 、神 経 細 胞 で合 成 され た 蛋 白が 末 梢 の
神 経 突 起 に 輸 送 され る機 構 で あ り、神 経 が 損 傷 を受 け る とそ の部 か ら末 梢 - の神 経 再 生 に
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役 立 つ もの と考 え られ て い ます 。
●
実験 方法
1. 神 経 移 植 群 の 作 成
実 験 に は ウ イ ス ター 系 ラ ッ トを
用 い 、 次 の 2群 を作 成 し ま した 。
一
才
1) 血 管 柄 付 神 経 移 植 群
ラ ッ ト坐 骨 神 経 を露 出 し 、 こ れ
B
●
に 入 る血 管 を温 存 し た ま ま で 、
15mm の 神 経 移 植 片 を作 成 し、こ
れ を 同 じ部 位 に 再 移 植 し ま した 。
(図 2、 3)
0
2) 遊 離 神 経 移 植 群 (コ ン トロー
二班=
===
、N
-
=
- '
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の
ル群 )
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1)と同 様 に 神 経 片 を移 植 し ま し
文献より改図。
た が 、神 経 片 に 入 る血 管 は切 断 し
ま した 。 な お 両 群 と も移 植 床 は 血
管 に 乏 しい疲 痕 と し、神 経 再 生 を
遅 らせ る 目的 で 焼 き ゴテ に よ り熱
図 1 A :神 経細 胞 とその 突起 を示 す。 B :
神 経 突起 の一 部 を結紫 す る と細 胞体側 に
結数 を取
軸 索質 の た ま りが お こ る. C:
り除 くとた ま りは消 失 す る。
傷 を作 成 し ま した 。 ま た 手 術 操 作
は 手 術 用 顕 微 鏡 下 に行 い 、神 経
縫 合 な ど も微 小 外 科 の 技 術 を用 い
ま した (図 2 )。
血 管柄 付
坐 骨神経 片
2. 坐 骨 神 経 の 軸 索 内 輸 送 の 観
察法
両 群 の ラ ッ トに対 して 、 手 術 後
経 時 的 に 脊 髄 を露 出 し、 坐 骨 神 経
の神経細 胞に 1
4C- ロイシ ン をマ イ
ク ロ ピペ ッ トで 注 入 し ま した (図
4)。 そ の 後 、RIが 坐 骨 神 経 末 端
部 ま で軸 索 内 輸 送 に よ り到 達 す る
h
A
森痕 床 を作 成
と思 わ れ る時 間 後 に ラ ッ トを屠 殺
し、 坐 骨 神 経 を採 取 し、 こ れ に 含
ま れ る放 射 能 を測 定 し ま した 。 そ
の デ ー タ よ り各 々 の 神 経 の放 射 能
を測 定 し、軸 索 内輸 送 の 最 先 端 の
那(
f
l
ow f
r
ont
)を 測 定 す る こ とに
焼 きコテ
移植 され た
血管柄付 坐骨神経 片
よ り、再 生 した神 経 の 伸 び た長 さ
を計 測 し ま した (図 5)。
結
果
1. 放 射 能 曲 線 の 経 時 的 変 化
図 2 神 経移植群 の作 成法
ラ ッ ト坐 骨神経 を露 出後、血 管茎 を温存
した もの (血管柄 付移 植 片 ) と血管 茎 を
両 群 と も、再 生 軸 索 の 先 端 で あ
結数切 離 した もの (
遊 離移植 片 ) を同部
るf
l
ow f
r
ontは経 時 的 に 末 梢 側 に
位 に再移 植 す る。 この際移 植 床 に熱傷癒
移 動 し、移 植 片 の部 に お け る軸 索
痕 を作 成す る。
4
図 3
再 移 植 した血 管 柄 付 神 経 移 植 片 を示 す 。 摂 子 で把 持 して い るの が 、移 植
片 内 に 入 る血 管 茎 で あ る。また移 植 片 の 両 端 は 1
0-0monof
i
l
amentnyl
on
で縫 合 して い る。
図4
坐 骨 神 経 の前角 細 胞 に 1
4
C- ロ イ シ ン を注 入す る実 験 法 を示 す 。
5
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前 角細胞 か らの距離 (
mm)
図 5 軸 索 内輸 送の観察方法
採取 した坐骨神経 は 5mm に 締切 され 、各々の検体 に含 まれ る放射能 を測
定 し、放 射能 曲線 を描 く。神 経移植 部 には軸 索質 のた ま りが認め られ 、そ
の末梢側 に軸 索 内輸 送 の先端 であ る f
l
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r
ontが認め られ る。
質 の た ま り (曲 線 上 の ピー ク) も減 少 して い ます (図 6、 7)
0
2. f
l
ow f
r
ontの 経 時 的 変 化 。
神経細胞か らf
l
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r
ontまで の長 さを再 生 軸 索 の伸 び た長 さ と考 え 、 そ の値 を測 定 し ま
した 。 そ れ に よ る と、再 生 した神 経 は 、血 管 柄 付 神 経 移 植 群 の 方 が 早 期 に 末 梢 に 到 達 して
い ます が 、遊 離 移 植 群 で は術 後 8週 以 後 に お い て 伸 び て い ませ ん (図 8)。 さ らに神 経 再
生 の 速 度 をみ ます と、血 管禰 付 群 で は 0.
94mm/週 、 遊 離移 植 群 で は 0.
71mm/
週 で あ り、
血 管 柄 付 群 の 方 が 速 い こ とが 解 りま した (図 9)0
神 経 再 生 の 評 価 法 と して は 、現 在 まで に組 織 定 量 的 法 、電 気 生 理 学 的 法 な どが よ く知 ら
れ て い ます が 、軸 索 内輸 送 を用 い た 生 化 学 的 評 価 法 は 、末 だ 多 くは報 告 され て い ませ ん 。
こ の 方 法 は従 来 の 方 法 に較 べ 、 RIを使 用 す る こ とに よ り放 射 能 曲 線 上 で輸 送 の先 端 と軸
索 質 の た ま りを 2次 元 的 か つ 定 量 的 に観 察 で き る利 点 が あ り、従 来 の 方 法 よ りも優 れ て い
る と思 わ れ ます 。 今 回 は この 方 法 を用 い て 、 Tayl
orら に よ り提 唱 さ れ た 新 しい手 術 法 で
あ る血 管 柄 付 神 経 移 植 に お け る神 経 再 生 を従 来 の 遊 匪神 経 移 植 と比 較 し、 そ の神 経 再 生 能
が 優 れ て い る こ と を知 りま した 。 但 し、今 回 の 実 験 で は 、 ヒ トに較 べ 神 経 再 生 力 が 旺 盛 で
あ る ラ ッ トを用 い て お り、遊 離 神 経 移 植 群 で も予 想 した よ りも良 好 な神 経 再 生 を認 め ま し
た 。 これ に 対 して ヒ トの 神 経 再 生 能 は 弱 く、特 に癖 痕 床 に 遊 雛 神 経 移 植 を行 っ た 場 合 な
ど神 経 再 生 は期 待 で きな い場 合 が 多 く、 そ の 意 味 で も血 管 柄 付 神 経 移 植 は今 後 これ らの領
域 に お い て も充 分 に 臨 床 応 用 され う る もの と考 え られ ます 。
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図 6
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血 管 柄 付 神 経 移 植 群 に お け る放 射 能 曲
図 7
遊 離 移 植 群 に お け る放 射 能 曲 線 の 経 暗
線 の 経 時 的 パ ター ン 。 図 の 矢 印 で 示 す
的 - ター ン. 血 管 柄 付 移 植 群 とほ ぼ 同 じ
f
l
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ontは 経 時 的 に末 梢 側 に移 動 し、
パ ター ン を示 す 。
軸 索 質 の た ま りは 経 時 的 に 減 少 す る。
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図 8 軸 索 内輸 送 の 先 端 (
f
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ront
)の 経 時 的 変 化 。 図 の 実 線 が 血 管 柄 付 移 植
群 、 点 線 は 遊 離 移 植 群 を示 す 。 術 後 4週 まで の 経 過 で血 管 柄 付 移 植 群 で は
著 名 なf
l
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rontの 伸 長 を 認 め る 。 ま た 術 後 8週 以 後 遊 離 移 植 群 で は そ
れ は停 止 して い る。
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図 9 両群 の f
l
ow f
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ont値 よ り最小二乗法 を
用 いて再 生軸 索 の 伸長速度 を求 め た もの。
横 軸 は術後 の期 間 、縦軸 は縫 合部 か らの
長さ (
mm ) を示 す 。実 線 は血管柄 付移
植 群 、点線 は遊 維移植群 を示 す 。両群 の
神 経伸 長速度 は図 の直線 の傾 きで示 され 、
9
4mm/週 、遊 馳移植群
血管 柄 付群 は0.
では0.
71mm/ 週 とな る。
(医 学 部 形 成 外 科 )
ト
ピ
ッ
ク
ス
フ ロ リダ 大 学 に て
中
村
保
典
去 る 1月 5 日、 日本 学 術 振 興 会 日米 科 学 協 力 事 業 「環 境 条 件 に よ る光 合 成 炭 素 代 謝 の 制
御 」 の 日本 側 メ ンバ ー と して渡 米 し、約 2 ヶ 月 間 、 フ ロ リダ 大 学 植 物 学 科 の G.Bowe
s博
士 の 研 究 室 に滞 在 した 。
サ ン フ ラ ン シ ス コの ホ テ ル で 、 内庭 の 芝 生 の 音 さ とTV コマ ー シ ャ ル の 早 口英 語 に 摸 し、
急 速 に ア メ リカ に 着 い た の だ とい う実 感 が 湧 い て き た 。 翌 日、 ア トラ ン タ を経 て フ ロ リダ
に 向 か う機 内 は 、一 目で 富 裕 とわ か る老 夫 婦 で ほ ぼ 席 が 占め られ 、避 寒 期 に あ る こ と を知
ら され た。
ゲ イ ン ズ ビル 空 港 に ジー ン ズ姿 で 出迎 え て くれ た Bowes博 士 に は 、 若 い が い か に もヤ
リ手 とい う印 象 を受 け た 。 敬 虞 な ク リス チ ャ ン で 食 前 の 祈 りを欠 か さ な い Bowes家 に 3
泊 お 世 話 に な り、知 的 な 美 人 の Mr
s.Bowes、 2 人 の 少 年 た ち と親 し く愉 快 な時 を過 ご し
8
た。
Bowes研 の 新 参 者 の 最 初 の 仕 事 が 、液 体 シ ンチ レー シ ョン カ ウ ン ター の クエ ンチ ン グ
wes
カー ブ の 作 成 と決 ま っ て い た こ とは 、信 頼 を得 る上 で幸 い で あ っ た か も知 れ な い c Bo
博 士 は 、光 合 成 回路 の リブ ロー ス一 二 一 リン酸 カル ボ キ シ ラー ゼ が 、 オ キ シゲ ナ ー ゼ 反応
も同 時 に 触 媒 す る こ と を Og
r
e
n博 士 (イ リノ イ大 学 )と共 に 発 見 した こ とで若 くか ら著 名
で 、現 在 は 、 高 等 植 物 や 藻類 に 比べ 研 究 の 遅 れ て い る水 生 植 物 の光 合 成 制 御 に 関 す る先 駆
dr
i
l
l
a (クロモ )は 、 フ ロ リダ州 に 導 入 後 20年
的 な仕 事 を され て い る。 共 同研 究 材 料 の Hy
足 らず で 沼 湖 に繁 茂 し、今 や 有 害 植 物 に な っ て い て 、 ど うや ら、 夏 季 に光 合 成 の効 率 を高
め る し くみ が 備 わ っ て い る ら しい。 そ して 、 そ の特 性 は 、C3、C4、CAM 植 物 とい う従 来
の分 類 の 範 囲 外 に な る と思 わ れ るO 共 同実 験 は 、主 と して Hy
dr
i
l
l
a の CO2 固 定 酵 素 で あ
る ホ ス ホエ ノー ル ピル ビ ン酸 (
PEP)カル ボ キ シ ラー ゼ の性 質 を調 べ る こ とに 当 て られ たO
そ の 結 果 、 本 酵 素 は(
∋主 要 光 合 成 初 期 産 物 の リン ゴ酸 に よ っ て著 し く阻害 され る。(
診グル
コー ス - 6- リン酸 に よ り、 PEP に対 す る酸素 の 親 和 性 が 高 め られ 、 リン ゴ酸 阻害 が 解 除
され る。③ pH に よ り、 リン ゴ酸 阻害 が 大 き く変 化 し、酸 性 側 で よ り大 きな 阻害 が 見 られ
る 、 な どの極 め て 調 節 的 性 質 を有 す る こ とが 明 らか に な っ た。 これ らの知 見 は Hy
dr
i
l
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aの
代 謝 調 節 を理 解 す る上 で重 要 で あ る と思 わ れ る。
自転 車 で 30分 程 の 、 ゲ イ ン ズ ビル の ci
t
yl
i
mi
tを少 し越 え た モー テ ル で 9年 振 りの独 身
生 活 を過 ご した 。 犯 罪 も 多い 町 と聞 い た の で な お の こ と、夜 の 外 出 は控 え勝 ち で あ っ た。
そ して 台 所 に 立 っ た こ と もな い私 が 、TV を観 な が らス テ ー キの 夕 食 と気 負 い こん だ もの
の 、 フ ッ トボー ル の試 合 が 終 って し ま う とい うの に まだ解 凍 され な い肝 心 の 肉 を恨 め し く
.
Re
i
s
ki
nd家 で テ ンプ ラ を実
眺 め た り した 。 そ れ で も帰 国 直 前 に は 、共 同実 験 者 だ った Dr
地 披 露 して 大 変 喜 ば れ る程 に な っ た 。
(ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター )
スエ ー デ ン の フ ィル ム バ ッ ジ管 理 方 式
岡田
重 文 、 中村
愛 子 、遠 藤
正志
t
WI
LL VI
SI
T YOU ON 10 AM OF 23RD FRI
DAY
とい う電 報 が 、 4 月 22日の 夕 方 に舞 い こん だ 。 スエ ー デ ン 国立 放 射 線 防 護 研 究 所 の フ ィル
ム バ ッジサ ー ビ ス部 門 の 部 長 が 、 日本 の フ ィル ム バ ッジ管 理 の 現 状 を見せ て は しい との事
で ある。
ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター の 、 ひ い て は 東 大 の フ イル ム バ ッ ジ シ ス テ ム 、 被 曝 記録 の コ
ン ピ ュー ター 化 の 実 態 を見 て 貰 っ た 。 ス エ ー デ ン で も 目下 部 長 室 に パ ソ コ ン をお い て コン
ピュー ター 化 を行 いつ つ あ る とい う話 か ら、 ス エ ー デ ンの フ ィル ム バ ッ ジ管 理 の現 状 をい
ろ い ろ話 して くれ た。
スエ ー デ ンは 人 口約 800万 (日本 の約 1/1
4) で放 射 線 関 係 従 事 者 は約 2万 3千 人 で あ る
が 、 原子 力 発 電 所 の従 事 者 は 管 理 が 別 に な っ て お り、 国 立 放 射 線 防護 研 究 所 で は約 1万 7
千 人 の放 射 線 被 曝 管 理 を行 い 、 そ の 中 の約 1万 4千 人 を対 象 に した フ ィル ム バ ッ ジサ ー ビ
ス を行 っ て い る. 因み に 、部 門 の構 成 メ ンバ ー は五 名 で あ るo スエ ー デ ン で は 、 1ヵ年 を
通 じ第- 週 、 第 二 週 、 第三 週 ・
-- と週 に 番 号 が つ い て お り、 各週 3,
500名 分 の バ ッジ を処
理 して い る。 バ ッ ジは 4週 毎 交 換 す るの で 、 第五 週 目に 第一 週 の グル ー プ分 を再 び 扱 うこ
とに な る。
フ イル ム は 英 国 製 コ ダ ッ ク フ イル ム 、 1バ ッチ (同 じエ マ ル ジ ョン ) は約 6 ヵ月分 、毎
9
VOL 1
4NO.11
983.
6.1
5
週 標 準 線 量0、1
0、25、50、75、100、150、200、300、500、・
-1,
000、2,
000、-5,
000mr
em
(スエー デ ンほ お 国柄 で Svユ ニ ッ ト 〔1Sv-1
00r
em 〕 を使 っ て い るが - - ) の 14段 階 の
標 準 被 曝 フ イル ム を同 時 現 像 し線 量 測 定 を行 っ て い る。 フ イル ム に は圧 印器 で番 号 が 付 け
られ 、 どの 番 号 が 誰 か は 大 学 又 は事 業 所 の み が 判 る。 大 学 等 の 管 理 者 は 、 フ ィル ム バ ッ ジ
em を超 え た 人 々 に つ い て の み 国 立 研 究 所 に報 告 す る義 務 が あ る 。400mr
em を超
が 400mr
え る 人 々 は 全 体 の約 1
0% に 限 られ 、 ほ とん どが 病 院 に お け る放 射 線 作 業 従 事 者 で あ る。 フ
ィル ム バ ッ ジサ ー ビス の 費 用 は 1回約 280円 で す ん で い る。
フ ィル ム バ ッジに 限 らず 、 ス エ ー デ ンで は 国 民 1人 1人 の デ ー タが コ ン ピュー ター 化 さ
れ て い るが 、 良 識 あ る運 用 で プ ラ イバ シー が 守 られ て い る そ うで あ る。 本
RIセ ン ター の
000人分 の フ ィル ム バ ッジ測 定 結 果 が 毎 月 入 力 され て い るの で 、
コ ン ピュー ター に も約 2,
実 際 を見 て 貰 っ た。 本 学 で は検 出 限 界
(
Ⅹ,
γで 1
0mr
em
でスエー デ ン も同 じ)以上 の 被 曝
者 は1
0% に満 たず 、大 部 分 は 病 院 関 係 者 と加 速 器 関 係 の 従 事 者 で あ る と話 した所 、 ス エ
ー デ ンで も トレー サ ー レベ ル の
RIを取 扱 う人々 はバ ッジ着 用 を止 め て、t
Po
t
e
n
t
i
a
l被 曝 者 '
(同 じ く病 院 と加 速 器 が 多 い ) に 着 用 を 限 っ た ら との議 論 が 出 て い る そ うで あ る。 又 、 ス
エー デ ンで は放 射 線 作 業 従 事 者 の 血 液 検 査 を既 に十 数 年 前 か ら行 って いない との事 で あ る。
つ い で だ が K 氏 が 日本 に 立 寄 っ た の は ベ トナ ム か らの 帰 りで 、 自分 の 部 門 で使 って
い た 手 動 の フ ィ ル ム バ ッ ジ現 像 装 置 を半 オー ト トマ チ ッ クに切 り替 え 、要 らな くな っ た
ため 、 そ れ をベ トナ ム 、 ホー チ ミン市 の総 合 病 院 に 寄 附 し、 こ こ で の 技 術 者 を訓 練 して 来
た との事 で あ る。
今 後 スエ ー デ ンか ら、 フ イル ム 、現 像 ・定 着 液 す べ て の 消 耗 品 を年 間 数 千
U.
S.ドル分
寄 附 し、ベ トナ ム に お け る フ ィル ム バ ッジ線 量 測 定 を開 始 、 ホー チ ミン市 か らは じめ て 、
将 来 はベ トナ ム 全 体 の 管 理 を行 う計 画 との事 で あ っ た 。 成 程 こ うい う国 際 援 助 もあ るの だ
な あ と思 っ た 。
(ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター )
学
内
R
l
管
理
メ
モ
放 射 線 取 扱 者 の教 育 訓 練 に つ い て
森
川
尚
威
放 射 線 安 全 を確 保 す る た め に は 、放 射 線 を取 扱 う施 設 ・設 備 の 整 備 、放 射 線 管理 の組 織
・基 準 の確 立 と と もに 、放 射 線 作 業 に従 事 す る者 が よい作 業 習 慣 と取 扱 技 術 を身 につ け て
い な け れ ば な らな い。
したが っ て 、放 射 線 ・放 射 性 同 位 元 素 (
RI)
の取 扱いが、法 令 に よ り規 制 され る よ うに な っ
た と きか ら、放 射 線 作 業 に従 事 す る者 な どに対 す る教 育 訓 練 の 実 施 は 、
RI等 の使 用 事 業 所
の 長 に義 務 づ け られ た の で あ る。
昨 今 の放 射 線 障 害 防 止 法 や 人事 院規 則 1
0- 5の 改正 に よ り、初 め て 管 理 区域 に立 ち 入 る
前 、 また は取 扱 い等 の 業 務 を開 始 す る前 に行 わ な け れ ば な らな い教 育 訓 練 の 項 目 とそ れ ぞ
れ に つ い て の最 少 時 間数 が 明確 に され 、再 教 育 の 実 施 も一 年 を超 え な い期 間 とされ た 。 ま
た 、教 育 訓 練 の 記 録 ・保 存 に つ い て も定 め られ た。
そ の 当 時 、東 京 大 学 で は RI
等 の 利 用 の 多岐 多様 化 、 日常 化 に 対 処 す るため 、 ア イ ソ トー
プ総 合 セ ン ター を総 括 機 関 とす る全 学 統 一 の教 育 訓 練 の新 方 式 (た だ し、病 院部 局 の新 規
1
0
取 扱 者 に つ い て は 、 当 面 東 京 大 学 放 射 性 同位 元素 委 員 会 (
全 学 RI委 )
委 員長 が統 轄 )
が発 足
して い た 。
この 東 大 方 式 の教 育 訓 練 は 、全 学 RI要 に 設 け られ た教 育 計 画 専 門委 員 会 に お い て 、RI関
●
係 部 局 か ら推 薦 され た委 員 に よって 熱 心 に検 討 され 、また 、全 学 RI委 にお い で 慎重 に 審議
され た結 果 、実 施 に移 され た もの で あ って 、 改 正 法 令 の 運 用 基 準 を逸 脱 す る もの で は な い
との 見 解 か ら、 そ の 後 も変 更 を加 え る こ とな く、現 在 に 至 っ て い る。
放 射 線 ・RIの 取 扱 技 術 や 管 理 技 術 は
○
日常 の放 射 線 作 業 を通 じて修 得す る。
○
新 しい知 識 ・技 術 の研 修 と並 行 あ る い は一 体 化 して修 得 す る。
○
実 施 計 画 に も とづ く定 期 的 な放 射 線 安 全 を中心 と した教 育 訓 練 に よ っ て修 得 す る。
な どの 形 態 が 考 え られ るが 、法 令 に よ る規 制 に対 応 す るの は 、実 施 計 画 に も とづ く、定期
的 な放 射 線安 全 を中心 と した教 育 訓 練 で あ る。
ア イ ソ トー プ 総 合 セ ンター が 総 括 機 関 として実 施 して い る、法 令 に も準 掘 す る 、教 育 訓 練
の あ ら ま し を以 下 に 記 す 。
教 育 訓 練 の対 象者 につ いて
(
1
) 放 射 線 作 業 従事 者
(
2) 管 理 区域 随 時 立 入 者
(
3) 管 理 区域 一 時 立 入 者
(
4) 放 射 線 ・RI関 連 業 務 に 従 事 し、管 理 区域 に は立 入 る こ との な い者
1)
お よ び(
2)
を一 括 して放 射 線 取 扱 者 とい う。
東 京 大 学 で は(
(
3)
に対 す る教 育 訓 練 は 、 各事 業 所 (部 局 ) の規 程 に従 っ て 、 各施 設 で実 施 す る。
(
4)
は ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター で適 宜 に実 施 して い るが 、放 射 線 取 扱 者 の教 育 訓 練 、登
録 とは 直 接 関 係 しな い 。
新 規放 射 線取 扱者 の教育 訓練 につ いて
新 方 式 に よれ ば 、 こ の教 育 訓 練 は ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター で一 括 して 実 施 す る一 般 教
育 と各部 局 の放 射 線 施 設 で実 施 す る教 育 訓 練 とか ら成 る。一 般 的 な 入 門 コー スは 、RIコー
ス 、密 封 小 線 源 コー ス お よび Ⅹ 線 コー ス の 3 コー スで あ り、密 封 小 線源 コー ス は RIコー ス
の修 得 で代 替 で き る。
東 京 大 学 で は 認 定 に よ り、RIコー ス の受 講 が 免 除 され る. 認 定 の 基 準 は 全 学 RI要 の 議
を経 て 定 め られ る。 代 表 例 をつ ぎに 記 す 。
(
1) 放 射 線 取 扱 主 任 者 等 の 有 資格 者
(
2
) 他 事 業 所 で放 射 線 作 業 に従 事 し、教 育 訓 練 をは じめ 、取 扱 者 と して管 理 され て い た者 。
(
3) 関 係 学 部 の 所 定 の 講 義 お よび
RI実 習 を履 修 した者
一 般 教 育 の 未 受 講 者 で 止 む を得 な い事 情 に よ り、放 射 線 作 業 に従 事 しな け れ ば な らな い
者 は 、 当該 部 局 に お い て 、放 射 線 取 扱 者 と一 緒 に作 業 す る場 合 に 限 っ て使 用 を認 め る こ と
が あ る。
一 般 教 育 と各 部 局 の 施 設 で行 う教 育 を受 講 した もの は 、 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター の個
人管 理 フ ァ イル に放 射 線 取 扱 者 と して 登 録 され 、 また健 康 診 断受 診 者 に 交 付 され て い る東
京 大 学 の放 射 線 取 扱 者 手 帳 に その 旨明 記 され る。 各事 業 所 の 長 (
部 局 長 ) の 認 印 の あ る手
帳 は放 射 線 取 扱 者 の証 明 書 と して 学 内 外 の施 設 で通 用 す る。
放 射 線取 扱者 (
既 登 録 ) の教 育 訓 練 (
再 教 育 )につ いて
放 射 線 取 扱 者 の再 教 育 の 意 義 は 、放 射 線 管 理 、放 射 線安 全 取 扱 技 術 の 現 状 を認 識 し 、各
取 扱 者 が 自己 の知 識 ・技術 ・実務 を見 直 す こ とに よ り、放 射 線 安 全 を確 保 す る こ とに あ る。
VOL 1
4NO.11
983.6.1
5
l
l
した が っ て 、再 教 育 は 各 放 射 線 施 設 で行 わ れ る こ とが 多 い 。 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター
で は 、放 射 線 取 扱 者 の 大 多数 に と っ て 参 考 に な る資 料 (昭 和 5
7年 :放 射 線 障 害 防 止 法 の 改
正 お よび放 射 性 物 質 の 運 搬 に つ い て 、 昭 和 58年 :放 射 性 廃 棄 物 に つ い て ) を RI取 扱 者 全
員 に 所 属 部 局 の事 務 部 を経 由 して 配 付 して い る。 こ の 資 料 は 、放 射 線 取 扱 者 各 人 の 自習 に
ゆ だ ね る だ け で な く、 各 部 局 ・学 科 ・研 究 室 等 の 実 情 に即 して 、再 教 育 の 勉 強 会 に 利 用 さ
れ る な り、 各 部 局 ・各 施 設 の 再 教 育 資 料 と と もに 利 用 され る こ と を期 待 して い る。
な お 、 ア イ ソ トー プ 総 合 セ ン ター で 開 催 して い る専 門 コー ス の 受 講 も再 教 育 の 一 環 と し
て 教 育 訓 練 歴 に 記 録 さ れ る。
(ア イ ソ トー プ 総 合 セ ン ター )
● 共 同 利 用 の お 知 らせ
昭 和 58年 度 共 同利 用 計 画
第 Ⅰ期
昭和5
8年 4月 11日 ∼ 7月 15日
第Ⅰ
Ⅰ期
昭和5
8年 9月 12日 ∼ 12月16日
第Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ期
昭 和 59年 1月 9 日 ∼ 3月 1
6日
申込 締 切
〝
58年 6月 30日
58年 11月 30日
昭 和 58年 度 第 Ⅰ期 共 同 利 用 一 覧
所属部局
医
学
究
課
題
嚢
恒
行
蛋 白質 の ヨー ド化
泰
昭
免疫毒 性
① ト リチ ウ ム の 細 胞 遺 伝 学 的 影 響 に 関 す る研 究
(
診夜 光 時 計 組 立 工 場 に お け る放 射 線 管 理
文 志 康 治
ト リチ ウ ム の 生 物 影 響
抗 利 尿 ホ ル モ ンの
125Ⅰ標
識
免疫 応 答 統御 機 構 の解 析
薬 物 ア レ ル ギー の 基 礎 的 研 究
三
輔 俊
正 耕 祐
部
研
兼
重 康
学
本
川 田 村 村 中 村 平 埜
工
院
取 扱責 任 者
森
奥 荒 岡 木 奥 村 中 氏 昧
病
部
ネ コ脊 髄 血 流 量 測 定
メ スバ ウ ア ー スペ ク トロ メ ト リー の 分 析 化 学 へ の 応 用
① 底 泥 の リン脱 着 吸 着 お よび 分 解 機 構 解 析
之 夫
泰 道
木 米
斗
鈴 下
② 生 物 学 的 脱 リン プ ロ セ ス に 関 す る研 究
陽 電 子 消 滅 法 に よ る材 料 物 性 の 研 究
① メ スバ ウ ア ー 効 果 の 計 測 に 関 す る研 究
永
樹 宏 美 稔 夫 健
次
吉
凱
谷
部
田 田 田 嶋
学
堀 脇 岡 小 代 富
理
(
診 メ スバ ウア ー 効 果 の 金 属 学 - の 応 用
シ ョウ ジ ョウバ エ 筋 蛋 白質 の 解 析
放 射化分析
合 成 ペ プ チ ドに 対 す る抗 体 の 獲 得
4
0
Ar
-39Ar法 に よ る岩 石 の 年 代 測 定
トリチ ウ ム 生 物 影 響 研 究
(
∋古 文 化 財 お よ び地 球 化 学 的 試 料 の 放 射 化 分 析
② ガ ス ク ロマ トグ ラ フ 用 電 子 捕 獲 型 検 出器 の 改 良
③ ラ ジ オ ガ ス ク ロマ トグ ラ フ 法 に よ る- ロ カー ボ ンの
放 射 化 学 的研 究
(
彰 メ スバ ウ ア - 分 光 法 の 無 機 化 学 、 考 古 化 学 へ の 応 用
小
橋
浅
哉
① 熱 蛍光 線量計 に よる環 境 および個 人被曝 線量 の測 定 研 究
1
2
② 天 然 試 料 中 に 含 まれ る放 射 性 核 種 お よび安 定 元素 の
定量
農
学
部
教 養 学 部
生
産
研
佐
藤
清
水
和
郎
天 然 試 料 中 の 天 然放 射 性 元素 の 分 布 に 関 す る研 究
洋
岩 石 、鉱 物 試 料 の放 射 化 分 析
田
沢
一
朗
糖 蛋 白質 の構 造 と機 能 に 関 す る研 究
大
森
俊
雄
好 熱 性 水 素 細 菌 の炭 素 代 謝 に つ い て
水 稲 根 圏 で の 炭 素 の動 態
和
田
秀
徳
田
野
茂
光
茅
野
充
男
植 物 に よ る RIの 吸収 、 利 用
藤
原
邦
男
イ オ ン結 晶 と非 晶質 合 金 中 の 陽 電 子 消 滅
跡
見
順
子
運 動 と血 清 ホ ル モ ン
伊
藤
佐
藤
ト リチ ウム 水 に よ る植 物 突 然 変 異誘 発
隆
乙
丸
トリチ ウ ム 水 の 生 物 作 用
工 業 製 品 の放 射 能 分 析 お よび、
放 射化分析
原 子 核 研二
大
島
隆
義
ト リチ ウ ム ・ソー ス の 製 作 研 究
海
大
森
正
之
藻類 の
宮
地
重
遠
14C
森
川
尚
威
① 金 属 中 の 水 素 の分 析
洋
研
RI
セ ン ター
14C
ア ミノ酸 分 析
化合 物 の生合 成
② ト リチ ウム と有機 化 合 物 の 反 応
③ 土 壌 中 の 鉄 につ い て
④ ト リチ ウム 生 物効 果 実 験 と放 射 線 管 理
以上 昭 和5
7年 度 第 Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
期 よ り継 続
薬
学
部
豊
島
沢
田
聴
細 胞 膜 透 過 機 構 の研 究
文
薬 物 の 肝 臓 へ の 取 り込 み
康
以 上 第 Ⅰ期 新 規 申込
● 新 規 放 射 線 取 扱 者 講 習 会 の お 知 らせ
本 年 度 の 全 学 一 括 講 習 会 の 開 催 予 定 は 次 の 通 りです . 放 射 線 取 扱 予 定 の 方 は 、受 講 洩 れ
の な い よ うお 願 い 致 し ます 。 また RIコー ス に は RI取 扱 い実 習 が あ ります が 、 設備 の 関 係
上 人数 を調 整 しな け れ ば な らな い こ とが あ ります の で 、受 講 許 可 され て か ら断 りな く欠席
す る事 態 の 生 じな い よ う申込 の 際 に 注 意 して 下 さ い。
1. 実 施 日程
RIコー ス
回
7月 1 日
第
9
第
10 回
9月 1
4日
第
11 回
11月
日 日 RH
12 9 29
, 、 、月
11 8 28 2
月 月 月 年
7 9 1 59
回 回 回 回
0 1 2 3
1 1 1 「
⊥
第 第 第 第
Ⅹ 線 コー ス
VOL 1
4NO.11
983.6.15
1
3
2. 時 間 割
RIコー ス
11:00
1
0:00
9 :00
第 1日 放
同位射元素
性
放
の 射
測 定
線
1
2:00
の
人 影
体 響
へ
休
1
7:00
1
3:00
憩
実
習
Ⅹ 線 コー ス
11:00
9 :00
1
2:00
1
5:00
1
3:00
1
7:00
● ア イ ソ トー プ総 合 セ ンタ ー 日誌
昭 和 58年 3月30日
放 射 線 施 設 の 定 期 検 査 お よ び 教 育 訓 練 棟 増 設 に 係 る施 設 検 査 実 施
(3月31日付 で合 格 証 が 交 付 され る )
〝
4月 2 日
岡 田重 文 新 セ ン ター 長 就 任
〝
4月11日
昭 和 58年 度 第 Ⅰ期 共 同 利 用 開 始 (7月1
5日ま で )、 共 同 利 用 ガ イ ダ
〝
4 月12日
東 大 永 年 勤 続 表 彰 (中 村 愛 子 技 官 )
〝
5月 26日
全 国 国 立 大 学 ア イ ソ トー プ セ ン ター 長 会 議 (於 ・金 沢 大 学 )
ンス実 施
● 人 事 消息
○ 人事 異動
併 任 (58.
4.
2-60.
4.
1)
セ ン ター 長
岡 田 重 文 (医 、教 授 )
58.
4.
1)
退任 (
セ ン ター 長
大 野 和 郎 (物 性 研 、教 授 ) (定 年 退 官 )
併任 (
58.
4.
1-60.
3.
31)
物理 部 門主任
井 野 博 満 (生 研 、 助 教 授 )非 常 勤 講 師
化学
小嶋
〝
稔 (
理 、教 授 )
〝
生物
〝
宮 地 重 遠 (応 微 研 、教 授 )
放管
〝
森 川 尚 威 (RIセ ン ター 、 助 教 授 )
〝
転 任 (58.
4.
1)
事
務
配
置
大西 正 信 (
セ ンター会計掛主任 )岐阜大学工学部会計主任 に転任
換 (58.
4.
1)
事
務
官
官
前 島
弘 (
分 院用度掛主任 )セ ンター会計掛主任 に配置換
辞職 (
58.
3.
19)
技術補 佐 員
藤 原 正 孝 (物 理 部 門 )
採用 (
58.
4.
1)
技術補 佐員
小 栗
靖 (
〝
)
1
4
客 員研 究 員 (
58.
4.
1-59.
3.
31)
大 橋 国 雄 (千 葉 大 学 助 教 授 )
純 (明 治 大 学 教 授 )
佐 藤
・永 井 尚 生 (日本 大 学 助 手 )
岩 橋 桟 夫 (都 立 大 学 助 手 )
●委 員会便 り
○運 営 委 員 会 (第 41回 )58年 3月 1
4日(
月)
議題
(
報告事 項 )
1.
昭 和 57年 度 第 Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
期 共 同 利 用 につ い て
2.
研 修 につ い て
3.そ の 他
(
協 議事 項 )
1.
昭 和 59年 度 概 算 要 求 につ い て
2.
昭 和 58年 度 予 算 配 分 につ い て
3.
昭 和 58年 度 第 Ⅰ期 共 同利 用 につ い て
4.
昭 和 58年 度 石
汗修 に つ い て
5.
次期 幹事 会 委 員 の選 出につ いて
6.
人事 に つ い て
① 部 門主 任
(
診昭 和 58年 度 客 員 研 究 員
③ その他
○運 営 委 員 会 幹 事 会 (
58年 度 第 1回 ) 58年 4 月 19日(
J
k)
議題
昭 和 59年 度 概 算 要 求 に つ い て
助 教 授
助 教 授
農
教
科
研
教
授
授
助 教 授
微
核
研
教
研
助 教 授
研・
教
授
洋
研・
教
授
RIセ ン タ ー
助 教 授
原子 力 セ ン ター
助 教 授
保 健 セ ン ター
講
事
事務局長
務
局
師
野 川 古 藤 滞
佐
性
f
毎
谷
物
中 細 平 森 小 伊 篠
応
官
生
司 明 也 威 荘 治 平
助 教 授
速
研
授
一
教
田 地 村
養
薬
医
授
昌
教
理
野 原 岡 井
工
委 員 長 (セ ン ター 長 )
一 喬 男 夫 光 男 雄 明
助 教 授
文
院
次 茂 邦 文 貞 洋 重 尚 資 哲 尚 敏 幸 公
分
重 栄
授
助 教 授
谷
教
院
田 中 蕃 山
医
病
岡 竹 木 堂 代 田 藤 花 河 看
○ア イ ソ トー プ 総 合 セ ン ター 運 営 委 員 会 新 委 員 名 簿 (任 期 58.
4.
1-60.
3.
31)
VOL 1
4NO.11
983.
6.1
5
1
5
0セ ン ター ニ ュー ス編 集 委 員 会
(第 56回 ) 昭 和 57年 12月 1 日㈹
議 題 1.Vol
.13、N0.3の 準 備 状 況
2.Vol
.13、N0.4の 企 画
3.そ の 他
(第57回 ) 昭 和 58年 2月 16日㈹
議 題 1.Vol
.13、 N0.4の 準 備 状 況
2.次 期 委 員 へ の 引継 事 項
3. そ の他
(第 58回 ) 昭 和 58年 4月 4 日(
月)
議 題 1.委 員 長 の選 出 につ い て
2.Vol
.1
4の 編 集 方 針 に つ い て
3.Vol
.1
4、N0.1の 企 画
4. そ の 他
○セ ン ター ニ ュー ス 編 集 委 員 会 名 簿 (任 期 :昭 和 58年 3月 1 日∼ 昭 和 59年 2月29日)
委
幹
員
小嶋
稔
◎ 中村
尚司
中村
典
井尻
憲一
森岡
正名
RIセ ン ター 化 学 部 門 (内 線 2887)
古森
利信
RIセ ン ター事 務 主 任 (内線 2895)
理 学 部 地 球 物 理 学 教 室 (内線 4300)
原 子 核 研 放 射 線 管 理 室 (短 縮 1208内 線 545)
医 学 部 放 射 線 基 礎 医学 教 室 (内線 3505)
理 学 部 動 物 学 教 室 (内 線 4443)
事
大 日方 京 子
RIセ ン ター 業 務 掛 (内線 2883)
◎ は委 員 長
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター ニ ュ ー ス
目
次
REASONABLEPRI
CE
岡田
重 文 -・1
勲 、波 利 井 清 紀 、松 林
薫 美- 2
中村
保 典 -・7
愛 子 、遠 藤
正志- 8
森川
尚威 - 9
研 究紹介
血 管 柄 付 神 経 移 植 の研 究 - - - ・
・
・
・
- - -- 光 嶋
トピ ックス
フ ロ リダ大 学 に て
ス エ ー デ ン の フ ィル ムバ ッジ管 理 方 式 -- ・
岡田
重 文 、 中村
学 内 R t管 理 メ モ
放 射 線 取 扱 者 の教 育 訓 練 につ い て
共 同 利 用 の お知 らせ
新 規 放 射 線 取 扱 者 講 習 会 の お知 らせ
セ ン タ一 日
人事 消 息
委員会 だ よ り
(編 集 後 記 )
3階 の 学 生 実 習 用 で あ っ た トレー サ ー 実 験 室 が 、 セ ン ター の 増 築 に 伴 い共 同 利
用 研 究 者 専 用 と して使 用 出来 る事 に な っ た 。 これ まで実 習 の 時 期 が 来 る度 に退 い
た て ら れ て い た利 用 者 に とって 、朗 報 で は あ る。 又 、器 具 の 引越 の お か げ で 、 フ
ー ドの 下 、 引 出 し等 普 段 目の 届 か な い所 に往 に し方 の 利 用 者 が 追 い た て を 食 う度
に つ め 込 ん だ と思 わ れ る ゴ ミの 山 もか な り整 理 す る事 が 出来 た 。 今 後 は フー ドも
以 前 よ りは余 裕 を持 っ て使 用 出 来 る と思 わ れ るの で これ を機 会 に お 願 い した い。
"ゴ ミは 各 自が 始 末 し よ う〟。
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ 総 合 セ ン ター ニ ュー ス
〒 11
3 東 京 都 文 京 区 弥 生 2丁 目11番 16号
(森 岡正 名 )
Vol
.1
4.No.1
1
983年 6月15日発 行
編集 発行 人
古森
利信
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター ・電 代 表 (
812)2111 内線2881
東京大学アイソ トープ総合 セ ンター
VOL.
1
4NO.
2 1983.9.15
東 と 西 と
飯
尾
正
宏
太 陽 は 激 し く燃 え 、大 地 は 力一 杯 の生 産 を果 そ う とす る夏 。去 年 、 He
ves
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m 市 での 欧 州 核 医 学 会 開 会 式 の 講 演 が 義 務 づ け られ た私 は 、
Medalを受 賞 した為 、9月 、Ul
夏 の 大 自然 を じっ とみ つ め な が ら、 自分 も又 、 力 を集 中 して 、一 つ の 演 題 に 思 い を こめ て
い る この数 日で あ る。
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そ の テー マ は 、Pr
り久 しい。
仁科博 士 は1
890年 岡 山 に 生 まれ 、 東 大 工 学 部 卒 、1
921
年 よ り2
8年 ま で 、Ru也e
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Bohr
の 門 に 学 ん で 、量 子 物 理 学 の 胎 動 を 日本 に伝 え 、 5年 間 に 及 ぶ Bo
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Ⅴ.Heves
y と 3年 間 を共 に して終 生 の 友 情 を結 ん だ 。 この仁 科 博 士 を此 の 度 、 改 め
間 , G.
hrの 研 究 室 に
て世 界 に紹 介 した い もの で あ る。 当 時 、 量 子 物 理 学 の世 界 的 中心 で あ る Bo
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antと して 招 か れ た He
ves
yは 、 同年 齢 の Bohrと深 い協 力 と友 情 を築 き上
化学の c
げ るの だが 、彼が ラジオア イ ソ トー プ をインデ ィケー タ とし、生 体 の動 態 解 析 へ との め り込 ん
2番 元素 - 7- ウム (コペ ン- - ゲ ン ) を発 見 した研 究 室 に於 い て
で㌧
行ったのは、かつ て 第 7
で あ っ た。 は じめ 工 学 者 と して 人生 を歩 き出 され た仁 科 博 士 は 、卒 業 後 直 ち に 物 理 学 へ と
ves
y の影 響 もあ っ て 生 物 学 、 医 学 に まで関 心 を抱 くに至 り,1
936
専 門 を変 え 、 更 に は He
年 、世 界 で 2番 目のサ イ クロ トロン を建 設 、 さ らに 1
938年 、 当時 と して は世 界最 大 の サ イ ク
ves
y教 授 が 、世 界 の核 医学 の 祖 父 と呼 ば れ る こ とに ち な ん で 、
ロ トロ ン を作 られ た。 He
仁 科 博 士 は 、 日本 に お け る 人工 ラ ジ オ ア イ ソ トー プ の 各 分 野 で の 利 用 の 「父 」 で あ る。
盛 ん な 夏 もみ じか い。 秋 を前 に 、1
983
年 仁 科 記 念財 団 刊 Pa
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949の す ぼ ら し い 小 冊 子 が 、私 の も とに と どけ られ た O
そ れ に は 、1
92
8年 仁 科 博 士 の別 離 に 答 え る Heves
y の返 書 に は じま り、結 婚 の祝 、 緊 迫 す
る第 2次 大 戟 前 の ドイ ツ の ナ チ化 、 日本 の満 州 、支 那 問 題 、研 究 環 境 の悪 化 な どが 交 信 さ
れ 、サ イ ク ロ トロ ン を建 設 した仁 科 博 士 の 、ベ リ リウ ム 、 ボ ロ ン、重 水 の 購 入 依 頼 まで が
931
年 の He
ves
yの 来 日、1
937年 の Bohrの 来 日 も、 この 交 信 を彩 っ て
記 録 され て い る 。1
い る。 そ して 戦 争 の為 、 以 後 9年 の 空 自 、1
9
48年 か らの 3通 の 手 紙 は 、互 い の 生 存 を喜 び 、
再 会 の 期 待 の 中 に 終 っ て い る。 これ は 、正 に 、心 暖 か い 人 間 と人間 との 「詩 」 で あ る。
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た っ た が 、科 学 の 時 代 わ れ われ は "
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う こ とが 出 来 る と思 う。 私 は秋 、開 会 講 演 で このす ぼ ら しい小 冊 子 を、心 を こめ て配 布 し
た い とね が っ て い る。
(註 :Publ
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1
7は財 団 よ り200円 で 入手 出席 ます 。)
(医学 部放 射 線 科 )
コ ン ピュ ー ター に よ る放 射 線 管 理 につ い て
遠
藤
正
志 、中
村
愛
子 、森
川
尚
威
1. は じめ に
小 型 の コ ン ピュー ター が 身近 な もの とな り、様 々 の 分 野 で 利 用 され つ つ あ る こ とか ら、
東 京 、 名 古 屋 、 京 都 三 大 学 RI総 合 セ ン ター は 、 昭 和 5
5
年 度 に 「計 算 機 を利 用 す る放 射 線
管 理 シ ス テ ム とそ の 実行 可 能性 」 につ い て 共 同研 究 を行 い 、 関係 各 方 面 の 絶 大 な協 力 の も
とに 多 くの 成 果 を挙 げ 、 そ の実 行 可 能 性 を立 証 した。 それ を契機 に 、本 セ ン ター は放 射 線
管 理 業 務 に お け る コ ン ピュー ター シ ス テ ム の 導 入 を開 始 した 。
一 方 、 名 古 屋 、 京 都 両 大 学 の RI総 合 セ ン ター は 「RI等 の 管 理 」 を中心 に コン ピュー タ
ー を利 用 し、 ま た そ の他 の 幾 つ か の 大 学 に お い て も、年 々 、放 射 線 管 理 用 コ ン ピ ュー ター
設 備 が 備 え られ つ つ あ り、放 射 線 管 理 業 務 の コ ン ピュー ター 処 理 が 活 発 化 して い る。
放 射 線 管 理 は(
1)
個 人管 理 、(
2)
放 射 性 同位 元素 等 (以 下 RI等 )の管 理 、(
3)
環 境 管 理 に 大別
出 来 る。 本 セ ン ター で は 、 「個 人管 理 」 システム を完 成 して実 際 の業 務 に運 用 して お り、 更
に 本 年 度 、 「RI等 の 管 理 」、 「環 境 管 理 」 の コ ン ピュー ター シ ス テ ム の 導 入 を進 め て い る。
以 下 、 本 セ ン ター の現 状 を示 し、 問 題 点 と今 後 の 計 画 等 を合 わせ て紹 介 す る0
2. 個 人 管 理 シ ス テ ム
図 1に シ ス テ ム構 成 を、 図 2に- - ドウエ ア の概 要 を示 す 。
個 人 フ ァ イ ル に は 、 コー ド番 号 ご とに 、放 射 線 取 扱 者 (以 下 取 扱 者 ) の 氏 名 、所 属 、RI
等 の 使 用 歴 等 が 記 録 され 、 この 下 に 「被 曝 情 報 」 「教 育 訓 練 情 報 」 「健 康 診 断情 報 」 の フ ァ
イ ル を備 え 、情 報 を集積 す る。
情 報 は 必 要 に 応 じて検 索 、統 計処 理 等 が 可 能 で 、CRT あ る い は 所 定 の 書 式 で プ リン タ
ー に 出 力 され る0
本 セ ン ター で は 、以 前 か ら全 学 の 取 扱 者 の F.B に よ る被 曝 線 量 測定 結 果 (以 下 F.B 測
定 結 果 ) の チ ェ ッ クを行 っ て い たが 、 「教 育 訓 練 」 の制 度 が 発 足 し、 全学 に お け る取 扱 者
の教 育 訓 練 に 関 す る業務 が加 わ っ た ため 、 これ らの 業務 を、 コン ピュー ター に よる 「個 人管
理 」 シ ス テ ム を導 入す る こ とに よ り処 理 す る こ と と した。
「個 人 管 理 シ ス テ ム」 の使 用 機 種 は 、 補 助 記 憶 装 置 と して 、4
0MBの 固定 磁 気 デ ィス ク
2,
000
装 置 2台 (1台 はバ ックア ップ用 ) を備 え た 、 いわゆ るオフ コンであ る。各 フ ァ イ ル は 1
人分 の 容 量 を持 ち 、現 在 5,
00
0人分 の 記 録 が 収 納 され て い る。 本 学 の 取 扱 者 は約 3,
000人
000人は 、昭 和 55
年 度 以 降 に 、取 扱 い を中止 した り、本 学 を離 れ た
で あ る の で 、 こ の差 2,
りした 人 の 記 録 で あ り、 本学 で再 び 取 扱 者 と して 登 録 した 時 は 、 引 き出す こ とが 出来 る。
B 測 定 結 果 を F.B 業 者 か ら 7 ロ ッ ピー デ ィス クで提 供 を受 け 、直 接 コ
.被 曝 情 報 は 、F.
ン ピ ュー ター に 入 力 して い る。 また 、F.
B 以 外の被 曝 線 量 測 定 結 果 の 入 力 も可 能 で あ る。
教 育 訓 練 情 報 は 、本 セ ン ター が 実 施 して い る全 学 一 括 講 習 会 、液 シ ンや 7
-線 等 の専 門 コ
VOL 1
4NO.
21
983.
9.
1
5
3
図 1 個 人管理 システムの概 要
図 2 ハ ー ドウエアの構成
症 :① は 、RI等 の管理 システムか らの情報 が取込 まれ る。
RI実 習 の ほ か 、 報 告 を受 け た部 局 講 習 会 の 記 録
- ス講 習 会 、学 部 学 生 の
も入 力 出 来 、個
人 ご とに 記 録 され る。
健 康 診 断 情 報 につ い て は 、受 診 日、検 査 機 関 、 異常 の 有 無 の情 報 の 集 積 が 可 能 で あ るが 、
入 力 に つ い て は現 在 検 討 中 で あ る。
これ らの 「
個 人管 理 システム」の デ ー タは 、放 射 線 管 理 デ ー タの 中 で も、特 に プ ラ イバ シ
ー 保 護 等 か ら守秘 義 務 を求 め られ 、憤 重 な 扱 いが 必 要 な もの で あ る。
プ リン ター の 出 力 リス トと して は 、 次 の よ うな もの が 用 意 され て い るO
① 個 人情 報 -
全 項 目 をパ ラ メー タ と して部 局 別 お よび 氏 名 ア イ ウエ オ順 に 出 力 す る.
② 被曝 情報-
測 定 年 月 日、被 曝 線 量 等 を条件 設 定 し、個 人別 に 出 力 す る (
表 1、表 2)
0
③ 教 育 訓練 情報-
○個 人 の教 育 歴 を出 力 す る (表 3)0
0
○講 習 会 別 の 受 講 者 リス トを出 力 す る (
表 4)
○必 要 な教 育 訓 練 を受 け て い な い者 を部 局 別 に 出 力 す る。
④ 健 康 診 断 情 報 一 一 〇個 人 の 受 診 歴 を出 力 す る。
○必 要 な教 育 訓 練 を受 け て お らず 、 か つ 健 康 診 断 も受 診 して い な い
者 を部 局 別 に 出 力 す る。
⑤ そ の他 -
RI等 の 取 扱 内容 、被 曝 情 報 、健 康 診 断情 報 を ま とめ 、一 年 ご とに 閉 じた
帳 票 を個 人別 に 出 力 す る (表 5)。
この 出力 リス トの 取 扱 い は 、今 後 学 内 の 各 部 局 等 と協 議 す る必 要 が あ る と考 えて い る。
3. R 】
等 の管理 シ ス テ ム
本 セ ン ター で受 け 入 れ て か ら廃 棄 に至 る ま で の
RIの 状 況 を迅 速 に把 握 す る こ と と、各
種 管 理 用 資 料 の 作 成 を 目的 と して い る。
4. 環 境 管 理 シ ス テ ム
本 セ ン ター の エ リア 、排 気 、排 水 等 の モ ニ ター 信 号 を入 力処 理 し、放 射 線 管 理 上 の判 断
を容 易 にす る こ と と、管 理 記 録 の作 成 を 目的 に計 画 を進 め て い る。
4
82/ 3/12
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表 4 講 習会 別 の 受講 者 リス トの 出 力例
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, コース
カンI
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カンリシT
・コース
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カンリシナ ⊃-ス
カンl
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シt
・コース
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考
1
VOL 1
4NO.
21
983.
9.
1
5
5
個人 コ
ード
放射線取 扱者個 人 カー ド
( 白1年 E
I
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1
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射
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間
線
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81/07/01 - 81/07/31
集
荷
15 ア イ ソ トー プ総 合 セ ンタ ー
属
分
検 査年 月 日
1 三
ノヨI
.
7.
1
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別
捷
検
鹿
初 回放射 線 取 扱 年 月 7占 年
機
健
康
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断
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関
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2也
内 部 被 曝 .汚 毒
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巌
全
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3カ 月介計
被
曝
1年 合 計
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10
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占ロ
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M
M
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録
記
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三
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測 定 年 月 日
経 線 鼓
限 界値 以 下 の 回数
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l
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の回数
局
SつI 鞍梢 ,
b
.
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1
1
位
線
B
M
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14 月
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2
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ココ/三亡lコ ホ.
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>
7
前
E
期
名
氏
7ライ t
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大
学
8
2
/3 (D.
D.
C)
表 5 被 曝 記 録 の帳 票 例
※
現在 は、 まだデー タが 入力 されて いない。
B を使 用 す る部 局 が 増 え 、F.
B 測 定 結 果 を環 境
また最 近 は 、 エ 1
)ア モ ニ ター と して F.
管 理 デ ー タ と して 、 マ イ ク ロ コ ン ピ ュ ー ター で処 理 を した い との 希 望 が 寄 せ られ て い る
ため 、現 在 、 そ の 作 業 を進 め て い る。
5. 今 後 の検 討 事 項
コ ン ピ ュー ター の ソ フ トは専 門 業 者 に依 頼 して 作 成 した 。 しか し、 コ ン ピュー ター は- ド ・ソ フ トが揃 っ て も、 デ ー タ を入 力 しな け れ ば 、働 か な い . デ ー タ入 力 は 、被 曝 デー
タの よ うに フロ ッピー デ ィス クに よ り入 力 す る以 外 は、全 て 画 面 に よ りキー ボー ドか ら入 力 し
000人 の 登 録 が 相 当 な仕 事 量 とな っ た 。 現 在 も新 規 登 録 や 変 更 が 年 間
て い るが 、 当初 約 3,
2,
000件 程 度 あるため 、専 用 オペ レー ター が 望 め な い状 況 で は 、 負 担 が 大 き く、OCR また
はマ ー クシー ト等 に よ る 入 力 方 式 の 改善 を計 画 して い る。 デ ー タ入 力 を どの よ うな方 式 で
行 うか は 、今 後 の 「RI等 の 管 理 」 シ ス テ ム で も重 要 な ポ イ ン トで あ る。
(ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター )
6
トピ
ックス
I
nt
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第 7回 国 際 放 射 線 研 究 会 議 (
Congr
es
sofRadi
at
i
onRe
s
ear
c
h)に参 加 して
中
村
典
第 7回 I
CRR は 、去 る 7月 3日か ら 8月 ま で の延 べ 6日間 に わ た っ て 、 オ ラ ン ダの ア
ム ス テ ル ダ ム に お い て 開催 され た 。 発 表 論 文 の総 数 は 、1,
000題 を超 え 限 られ た時 間 内
に そ れ ら を消 化 す る た め に は ほ とん どが ポ ス ター に よ る発 表 とい う形 式 を とっ た。 もっ
と も、 こ の ポ ス ター も、 た だ 貼 り出 して お し まい とい うわ け で は な く、 各 セ ッシ ョンの
r
manの も とに I
nt
r
oduct
or
ys
peakerが 、セ ッシ ョン
は じめ に 部 屋 に あっ ま っ て 、Chai
の 背 景 の 説 明 を行 う とい う もの もの し さで あ る。 そ して 、数 時 間 の 自由討 論 (?)の 時
r
t
eur
s (
何 故 か 、 フ ラ ンス語 )が しめ く
間 の あ とで再 び膏β
屋 に戻 っ て 、 こ ん どは Rappo
t
eur
sは 、自分 の考 え で ま とめ を行 っ て よ い の で し ょ うが 、
く りを行 っ た 。 この Rappor
国 際 学 会 と もな る とや は りみ ん な に い い顔 もせ ね ば な らず 、 限 られ た時 間 内 で は ま とめ
が とて も難 し く思 え る場 面 もい くつ か あ りま した .
会 議 の 内容 につ い て 細 か く紹 介 で き る余 裕 が な い の で 、項 目 とそ の 発 表 演 題 数 とを記
す こ とに した い と思 い ます 。
A
化 学 ・物 理 学 (
合計1
96編 )
A l 放 射 線 物理 化 学 の初 期 過 程 (
57)
A 2 放 射 線 化 学 ・一 般 化 学 (
30)
A3
放 射 線化 学
・DNA とモ デル 系 (
4
9)
A4
放 射 線 化 学 ・他 の 分 子 (
38)
A 5 放 射 線 化 学 ・技 術 (15)
A6
ホ ッ トア トム の化 学 (7)
B 生 物 学 (合 計 257編 )
B l 放 射 線 生 化 学 ・傷 害 の 機 構 (
22)
B2 DNA傷 害 と修 復 (
4
6)
3
7)
B3 DNA と膜 に対 す る効 果 (
B4
突 然 変 異 と染 色 体 の変 化 (
47)
B 5 致 死 、亜 致 死 、潜 在 致 死 傷 害 (
43)
B 6 放 射 線 増 感 と防護 (
31)
B7
細 胞 に お け る修 復 (
31)
C 体 細 胞 と生 殖 細 胞 へ の 効 果 (合 計 147編 )
C1
造 血 系 と免 疫 系 (
37)
C 2 種 々臓 器へ の晩発効 果 (
21)
C3
催 奇 形 性 (1
8)
C4
遺 伝 的効 果 (1
4)
C5 i
nvi
t
ro トラ ン ス フ ォー メー シ ョン (ll)
C6
発 癌 (19)
VOL 1
4NO.
21983.
9.
1
5
7
C 7 摂 取 同位 元 素 に よ る発 癌 (9)
C8
D
発癌 の疫 学 と危 険 度 の 評 価 (1
8)
腫 壕 生 物 学 と治 療 (
合 計 256編 )
D l 腫瘍 細 胞 に 及 ぼ す効 果 (
40)
D 2 腫 癌 細 胞 と正 常 細 胞 の Ki
ne
t
i
c
s(
1
3)
D 3 正 常 組 織 - の効 果 (
54)
D4
高 LET 放 射 線 (
27)
D 5 放 射 線感 受性 の修 飾 (
43)
D6
温 熱 療 法 と放 射 線 (
61)
D 7 放 射 線 及 び化 学 治療 (18)
E 線 量 測 定 、放 射 性 物 質 、 技 術 (合 計 1
73編 )
El
ミク ロ ドシ メ ト リー (
23)
E2
線 量 測 定 (物 理 学 ) (
4
2)
E3
線 量 測 定 (生 物 学 ) (18)
E4
放 射 線 エ コ ロ ジー (海 洋 ・陸 地 ) (
8)
E 5 放 射 性 物 質 ・毒 性 ・代 謝 ・廃 棄 物 (23)
E 6 植 物 に 及 ぼ す 効 果 (23)
E 7 技 術 的 応 用 (23)
E8
非 イ オ ン化 放 射 線 (13)
(医 学 部 放 射 線 基 礎 医 学 教 室 )
R Jサ ブ セ ン
ター便り
原 子核 研 究所
中
(
丑
村
尚
司
放射 線 管理棟
原 子 核 研 究 所 の放 射 線 管 理 棟 が 本 年 新 築 され ま した 。研 究 所 正 門 を入 って す ぐ左 手 、守
写 真 1) で 、 放 射 線 管 理 室 は
衛 所 と丁 度 向 い合 っ た堂 々 た る (?) 2階建 の 白亜 の 殿 堂 (
そ この 2階 を 占め て い ます 。 ま さ に 入 口で もっ て放 射 線 管 理 の 目 を光 らせ て い る よ うな 、
写 真 1 放射線 管理棟全 景
写真 2
S Fサイクロトロン医生物照射コースの外観
8
研 究 所 の 放 射 線 管 理 室 に ふ さ わ しい場 所 か も知 れ ませ ん 。
今 ま で ず っ と放 射 線 管 理 室 は 、 陽 の ほ とん ど射 さな いバ ラ ッ クの建 物 の 一 隅 約 5
0m2とい
う狭 い所 に 、一 台数 百 万 円 は す る高 価 な 管 理 機 器 、計 測機 器 何 台 か と同居 して い ま した
。
●
冷 暖 房 設 備 は あ っ た もの の 、 夏 は猛 暑 、 冬 は酷 寒 、 風 が 吹 け ば 室 内 は砂 だ らけ で 、 しか も
外 来 者 が そ の場 所 を見 付 け るの に苦 労 す る奥 ま っ た所 に あ りま した 。 こん な穴 居 生 活 か ら
今 度 は 一 足 飛 び に ∴ 玄 関 脇 に 2倍 強 の 面積 を構 え る こ とに な っ た の で す か ら、 ま さに コペ
ル ニ クス 的 転 回 とい え るか も知 れ ませ ん 。 これ が放 射 線 管 理 室 の研 究 所 に お け る位 置 の 向
上 を も含 ん で い る こ と を期 待 して い ます 。
新 しい 室 にはマ イ コン PET-CAM AC デー タ処 理 シ ス テ ム を設 置 して 、 旧放 射 線 管 理 室
に 残 して きた環 境 放 射 線 連 続 監 視 盤 か ら信 号 を伝 送 して 、環 境 放 射 線 デ ー タ を集 中管 理 し
て い ます (ア イ ソ トー プ ニ ュー ス1983年 8月号 19頁 に掲 載 )
。 こ の 他 に 低 バ ッ ク グラ ウ ン
ド β線 スペ ク トロ メー タ、 ピ ュ ア ゲ ル マ ニ ウム検 出器 シ ス テ ム 、 TLD リー ダ 、 各種 中性
子 検 出器 及 び計 測 器 が あ ります 。 一 階 ロ ビー は 見 学 者 用 の コー ナ ー に す る 目的 で 、環 境 放
射 線 モ ニ タの パ ネ ル 、 自然 放 射 線 分 布 の パ ネ ル 、 ビデ オ装 置 、放 射 線 測 定 器 な ど をお き、
放 射 線 に 対 す る一 般 の 万 々 の 理 解 を深 め る場 に しよ う と準 備 して い ます 。
な お今 年 、長 年 要 求 して い た放 射 線 管 理 研 究 部 門 (
教 授 1名 、助 教 授 1名 、助 手 3名 、
技 官 2名 、計 7名 )の 新 設 が 認 め られ ま した 。 時 限部 門 の振 替 え とい う形 の ため 、現 在 の
所 は 、助 教 授 1名 、助 手 1名 、 技 官 1名 、計 3名 とい う放 射 線 管 理 室 の 陣 容 は 全 く変 わ っ
て い ませ ん が 、 公 け に 認 め られ た こ とです か ら徐 々 に部 門 と して 充 実 され て い くこ と を待
ち望 ん で い ます 。
②
S Fサ イ ク ロ トロ ン医 生 物 照 射 コ ー ス の 開発
原子 核 研 究 所 の SF サ イ ク ロ トロ ン に 医 生 物 照 射 用 の ビー ム コー ス を作 るべ く、放 射 線
0MeV と 3
He82MeV
管 理 室 が 中心 に な って 現 在 開 発 を して い ます O この コー ス は 陽子 4
の 3c
mX 3c
mの 一 様 ビー ム 又 は 1mm巾 の ス リッ ト状 ビー ム を うす い 窓 を通 して 空 中 に 引 出
して 医 生 物 照 射 に供 す る もの です (写 真 2)。 コー ス に は ビー ム 電 流 をは か る ビー ム モ ニ
タ 、 フ ァ ラデ ー カ ップ 、 ビー ム の 一 様 性 を調 べ る 2次 元 ビー ム プ ロ フ ァ イル モ ニ タ、深 さ
方 向 に フ ラ ッ ト ト ソプ な 照 射 野 を作 る ため の レ ン ジ モ ジ ュ レー タ、 レー ザ ー 位 置 決 め 装 置
が セ ッ トされ 、 深 部 吸 収 線 量 分 布 を測 る ため の 吸 収 板 や 生 物 照 射 装 置 は マ イ コ ンに よ り遠
隔移 動 操 作 が で き る よ うに な っ て い ます 。 また 吸 収 線 量 は 組 織 等 価 平 行 平 板 電 離 箱 や シ リ
コ ン線 量 計 に よ り測 定 され ます 。
Heビー ム に対 して
陽子 ビー ム に 対 して は これ らの 装 置 の テ ス トが 現 在 進 行 中 です が 、3
は 来 年 か ら始 め る予 定 です 。 この コー ス は 医 生 物 照 射 用 に 作 成 した もの です が 、 その他 に
材 料 照 射 な どに も線 量 が 精 度 良 く分 っ た コー ス と して 利 用 され る可 能 性 もあ るの で は な い
か と思 っ て こ こ に そ の概 要 を紹 介 した次 第 です 。
(原子 核 研 究 所 )
学
内
R
暮
管
理
メ
モ
放 射 性 有機 廃 液 の処 理
ア イ ソ トー プ総 合 セ ンター は、液 体 シンチ レー シ ョン測 定 廃 液 の 焼 却 処 分 の ため の 「放 射
性 有 機 液 体 廃 棄 物 の 取 扱 い」 マ ニ ュ ア ル を次 の 通 り定 め ま したO 当面 は この マ ニ ュア ル の
VOL.1
4NO.
21
983.
9.
1
5
9
基 準 に合 致 した 廃 液 を処 分 の対 象 と し ます の で お知 らせ し ます 。
取 扱 対 象 物 につ い て
1 汚染核 種 3
H 、1
4
Cに限る
。
C
i
/
ml以 下 。
2 放 射 能 濃 度 1×
1
0-3
J
`
液 体シ ンチ レー タ-
3 廃 液 の種 類
放 射佐 液体 シンチ レー ター廃 ≡
棄読王
錬
廃液。
4 廃 液 の 分 類 下 記 のA 、
B、
Cに分 別
す る。 (市 販 品 の 分 類 は 専 用 容 器
部局 名
学 科 ・部門名
研究 室名
寄佳肴 (
署名)
添 付 の付 表 参 照 )
A:トル エ ン系 シ ン チ レー ター 溶 着
夜お
よび トル エ ンi
容妹 の 乳 化 シ ンチ レ
ー ター 溶 液
集 荷年 月 日 (
)年 ( )局( )日
管】
丑兼任=
訂 (
書名)
。
集荷兼任 者 (
著名)
B:キ シ レ ン な どの 消 防 法 の 第 二 石 油
℃ 以 上 70℃ 未 満 ) に
類 (引 火 点 21
核
裁
庶 射 能 藻 琴
廃 液 放
金 放 射 能
令
属 す る炭 化 水 素 系 シ ンチ レー ター
お よび、
乳 化 シ ンチ レー ター 溶 液 。
㌔
14
C
C:ジ オ キサ ン系 シ ンチ レー ター 溶 液 。
※
J
i
} #
5 注 意事 項
(
1
) 固形 物 (100メ ッ シ ュ よ り大 きい
もの )を含ま ない こ と。
C
B
A
シ ンチ レー ター
刑 ,
その他 (
P
),
市 販G
F
,
(
O
※石J
*の該 当す る記号 (
A,
a,
Cの別),
名称 に E
T
l
を付 し、 (
水 を訂 入す る。
※※満 防漁の老 二石油類 (
引J
J(点 2 /℃以上
a
l
p
a
l
J
L
C
i
f
)
)内には名
70℃未満) に該当す る。
主 な放射性物 井 の名蕃
(
2
) 生 体 関 連 物 質 は 、 不 活 性 化 して
あるこ と
-一
‥
▲
一
郡
下記 a)
共存物井 の名称
(
坪裾 吸物僻)
。
(
棚残任物 紫)
集 荷 容 器 につ い て
(
不燃性物紫)
1 所 定 の プ ラ ス チ ッ ク製 黒 色 専 用 容
器 を用 い る こ と
。
2 容 器 の 表 面 を放 射 性 汚 染 させ な い
こ と。
3 容 器 側 面 の標 識 に所 定 の 必 要 事 項 を記 載 し 、 上 記 の 記 録 を添 えて あ る こ と。
4 注 意事 項
容 器 は 、 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター で処 理 ・処 分 す る放 射 性 有 機 液体 廃 棄 物 専 用 に使
用す るこ と
。
5 集 荷 は 、 当 セ ン ター が 各 部 局 の 管 理 責 任 者 を通 じて 依 頼 を受 け 実 施 す る。
● 共 同利 用 の お知 らせ
昭和 5
8年 度 共 同利 用 計 画
第 Ⅰ期
昭 和 58年 4月 11日∼ 7月 1
5日
Ⅰ期
第Ⅰ
昭 和 58年 9月 1
2日 ∼1
2月 1
6日
第Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
期
昭 和 59年 1月 9 日∼ 3月 1
6日
申込 締 切
昭 和 58年 1
1月30日
昭和 5
8年 度 第 Ⅰ
Ⅰ期 共 同 利 用 一 覧
所属部局
医
学
部
取 扱責 任者
森
本
兼
研 究 課 題
嚢
(
ヨ ト リチ ウ ム の 細 胞 遺 伝 学 的 影 響 に 関 す る研 究
② 夜 光 時 計 組 立 工 場 に お け る放 射 線 管 理
1
0
所属 部局
医
好
研 究 課 題
広
康
祐
昭 典 志 良 輔 俊
泰
部
取 扱責 任 者
四童 子
川 村 村 部 平 埜
学
部
荒 中 木 安 氏 昧
工
学
(
∋蛋 白質 の ヨー ド化 Ⅰ
(
診蛋 白質 の ヨー ド化 Ⅰ
Ⅰ
免 疫毒 性
ト リチ ウ ム の 生 物 影 響
抗 利 尿 ホ ル モ ンの放 射 能 に よ る標 識
免 疫 応 答 の細 胞性 機 序
メ スバ ウ ア - 計 測 と ドップ ラー の 線 巾 の 測 定
(
∋底 泥 の リン脱 吸 着 お よび 分 解 機 構 の解 析
書
次
之 夫 樹 宏 美 稔 夫 健
部
泰 道 凱
学
木 米 田 田 田 嶋 谷 永
斗
鈴 下 堀 脇 岡 小 代 富
理
② 生 物 学 的 脱 リン プ ロ セ ス に 関 す る研 究
陽 電 子 消 滅 法 に よ る材 料 物 性 の 研 究
メ スバ ウ ア ー 効 果 の 材 料 科 学 へ の 応 用
シ ョウ ジ ョウバ エ の 遺 伝 子 発 見
放 射化分析
合 成 ペ プ チ ドに対 す る抗 体 の 獲 得
Ar-3
9
Ar法 に よ る岩 石 の 年 代 測 定
40
ト リチ ウ ム 生 物 影 響 研 究
(
9古 文 化 財 の放 射 化 分 析
② ガ ス ク ロマ トグ ラ フ 用 電 子 捕 獲 型 検 出器 の 改 良
③ ラ ジ オ ガ ス ク ロマ トグ ラ フ法 に よ る- ロ カー ボ ンの
放 射 化 学 的研 究
④ メ スバ ウ ア - 分 光 法 の 無 機 化 学 ・考 古 化 学 へ の 応 用
(
9地 球 化 学 試 料 の放 射 化 分 析
⑥ 無 機 ホ ッ トア トム 化 学 の研 究
小
橋
浅
哉
① 熱 蛍 光 線 量 計 に よ る環 境 お よ び個 人被 曝 線 量 の 測 定 、
研究
② 天 然 試 料 中 に 含 ま れ る放 射 性 核 種 お よび安 定 元 素 の
洋
研 ・
郎 洋 朗 雄 徳 光 男 男 隆 子 義 之 遠 威
海
RIセ ン ター
順 隆 正 重 尚
原 子 核 研
一俊 秀 茂 充 邦
教 養 学 部
和
部
藤 水 沢 森 田 野 野 原 藤 見 島 森 地 川
学
佐 清 田 大 和 田 茅 藤 伊 跡 大 大 宮 森
農
定量
天 然 試 料 中 の 天 然 放 射 性 元 素 の 分 布 に 関 す る研 究
岩 石 、 鉱 物 試 料 の放 射 化 分 析
糖 タ ンパ ク質 の 構 造 と機 能 に 関 す る研 究
好 熱 性 水 素 細 菌 の炭 素 代 謝 に つ い て
水 稲 根 圏 の炭 素 代 謝
植 物 に 対 す る ト リチ ウ ム の 影 響
才
直物 体 内 に お け る RIの 移 動 、分 布
イ オ ン結 晶 と非 晶 質 合 金 中 の 陽 電 子 消 滅
ト リチ ウ ム 水 の 細 胞 膜 に 対 す る効 果
運 動 中 の 血 清 ホ ル モ ン動 態
ト1
)チ ウ ム ・ソー ス の 製 作 研 究
藻類 の
14C 一
14C
ア ミノ酸 分 析
化 合 物 の生 ノ
合成
(
∋金 属 中 の 水 素 の 分 析
(
診 ト リチ ウム と有 機 化 合 物 の 反 応
VOL 1
4NO.
21
983.
9.
1
5
所属部局
i
l
l
研 究 課 題
取 扱責任 者
RI
セ ン ター
森
川
尚
威
③ 土 壌 中 の鉄 に つ い て
④ ト リチ ウ ム 生 物 効 果 実 験 と放 射 線 管 理
道
飯
茂
敏 龍
馬
場 山 井
磁 性 薄 膜 の 内部 磁 場
放射化分析
1
け
K
U
.け
P R
P
立口 立口 虎口
学 学 学
工 理 農
以 上 第 Ⅰ期 よ り継 続
石
光 合 成産 物 の転 流 につ いて
山
口
五十麿
植 物 ホ ル モ ン の ラ ジ オ イ ム ノア ッセ イ
部
関
水
和
久
真 核 細 胞 の核 内 に お け る Mn結 合 蛋 白の 検 索
RI
セ ン ター
小
泉
好
延
メ スバ ウ ア ー 効 果 の 散 乱 法 に 関 す る研 究
薬
学
Ⅰ期 新 規 申込
以上 第 Ⅰ
● ア イ ソ トー プ総 合 セ ン タ ー 日誌
昭 和 58年 7月 5 日
本 卿 消 防 署 定 期 立 入検 査
〝
7月 15日
第 Ⅰ期 共 同 利 用 終 了
〝
7月 21日
放 射 性 同位 元 素 等 の 廃 棄 事 業 所 (有 機 液 体 の 焼 却 ) の承 認
〝
8月
〝
9 月1
2日
8-20日
経 費 節 約 の た め の 給 排 気 設 備 停 止 に伴 い 、 R
I使 用 中 止
第Ⅰ
Ⅰ期 共 同 利 用 開 始
共 同 利 用 ガ イ ダ ン ス実 施
R l教 育 訓 練 の 実 施
7日
昭 和 58年 6月 16、 1
〝
6月1
8、
21、22日
25、28、
29日
理 学 部 動 物 学 教 室 、植 物 学 教 室 3年 生
工 学 部 原 子 力 工 学 科 3年 生
〝
7月 1 日
第 9回 Ⅹ 線 コー ス新 規 放 射 線 取 扱 者 講 習 会
〝
7月11、 12日
第1
0回 RIコー ス新 規 放 射 線 取 扱 者 講 習 会
〝
9 月 8、 9 日
Iコー ス新 規 放 射 線 取 扱 者 講 習 会
第 11回 R
〝
9月1
4日
第1
0回 Ⅹ 線 コー ス新 規 放 射 線 取 扱 者 講 習 会
● 委 員会便 り
○運 営 委 員 会 (第 42回 )
昭 和 58年 7 月 1
8日 (月 )
議
題
6. そ の 他
① 人事 に つ い て
(報 告 事 項 )
② 全 国 セ ン ター 長 会 議 に つ い て
1.昭 和 58年 度 第 Ⅰ期 共 同 利 用 に つ い て
2.研 修 に つ い て
③ 教 育 訓 練棟 の増 築 につ い て
(
協 議事 項 )
3.昭 和 59年 度 概 算 要 求 に つ い て
1.昭 和 58年 度 第 Ⅰ
Ⅰ期 共 同 利 用 に つ い て
4.昭 和 57年 度 決 算 報 告 に つ い て
2.放 射 性 有 機 廃 液 の処 理 に つ い て
5.昭 和 58年 度 予 算 配 分 に つ い て
3. そ の他
○ セ ン ター ニ ュー ス 編 集 委 貞 会
第 59回
議
題
昭 和 58年 5月23日 (月 )
1.Vol
.14,N0.
1の 準 備 状 況
2.Vol
.14,N0.
2の 企 画
3. そ の 他
束 京 大 学 ア イ ソ トー プ総合 セ ン ター ニ ュース
目
次
東 と西 と
飯尾
正宏-
1
研 究紹 介
コンピュー ターに よ る放 射 線 管 理 につ いて -遠 藤
正 志 、 中村
愛子 、森 川
尚威 - 2
中村
典- 6
中村
尚 司- 7
トピックス
第 7回国 際 放 射 線 研 究 会 議 に参 加 して
R Jサ ブ セ ンタ ー便 り
原子核 研 究所
8 9
学 内 R I管理 メモ
放 射 性 有 機 廃 液 の処 理
1
1
共 同 利 用 の お知 らせ
1
1
セ ン タ一 日
委貞会便 り
(
編 集後 期 )
台 風 5号 の あ と、 フ ェー ン現 象 に よ る記録 的猛 暑 も束 の 間 、秋 も急 速 に近 づ き
.
2 をお届 け し ます 。 10頁 足 らず の小 冊子
つ つ あ る感 じです 。 セ ン ター ニ ュー スN0
です が年 4 回の 継 続 発 行 と もな る と、編 集 委 員 も、い ろい ろ と立 案 に苦 しみ ます 。
今 回 も興 味 深 い原稿 をい た だ き、編 集 委 員一 同 ほ っ と して い る次 第 です o い さ さ
か で も皆 様 の お役 に立 て れ ば と願 う次 第 です 。
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ 総 合 セ ン ター ニ ュー ス
〒 11
3 東 京 都 文 京 区 弥 生 2丁 目11番 16号
(
小嶋
稔)
Vol
.1
4.No.2 1
983年 9月15日発 行
編集 発行 人 古 森 利信
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター ・電 代 表 (
81
2)2111 内 線 2881
東京大学 アイソ トー プ総合 セ ンター
VOL.
1
4 NO.
31983.12.15
お っ きあ い
大
野
和
郎
うす 暗 い物 理 教 室 の地 下 の 3号 室 で手 製 の ガ イ ガ- 計 数 管 を作 っ て ガ ンマ 線 の 計 測 を し
たの が 昭和 1
9年 の 4月 で 、 これ が放 射 線 と私 との お っ きあ い の 初 め で あ り、 叉私 の 物 理 研
究 の 初 め で もあ っ た 。 しか しそ れ は ほ ん の 短 い期 間 でや が て終 戟 とな り我 が 国 の サ イ クロ
トロ ン は破 壊 され 、私 と放 射 線 ・
tの 緑 も きれ て し ま っ た O
しば ら くして 昭 和 30年 に な って 小 型 の エ ネ ル ギー 可 変 の サ イ クロ トロ ン を試 作 す る こ と
とな っ て 又 そ の 緑 を復 活 す る こ と とな っ た 。 この サ イ ク ロ トロ ンが 始 動 す る少 し前 NaIの
結 晶 を手 に 入 れ 手 製 の Si
ngl
eChann'
elPul
s
eHei
ghtAnal
yze
r(
SCPHA)を作 っ た。 そ の
頃 私 は 駒 場 の理 工 学 研 究 所 (前 宇 宙 航 空 研 究 所 )の 3号 館 の一 室 に い たが 室 内 で これ を始
動 させ て み て そ の c
ount数 の 多 い こ とに 驚 い た。 て っ き り前 任 者 の放 射 能 汚 染 と きめ こん
で 、 こ こ ろみ に NaIを建 物 の 前庭 (広 い運 動 場 の 中央 )に持 ち だ した 。 予期 に反 して c
ount
数 は室 内 の 約 3倍 を示 した。 そ の 頃 盛 ん に行 わ れ て い た 原 爆 実 験 の影 響 で あ る。 そ して私
は NaIの γ線 に対 す る計 数 効 率 の 良 さ を実 感 と して 味 わ っ た の で あ る。
サ イ ク ロ トロ ン は 完 成 し た が SCPHA が 1- 2台 あ るの み で核 反 応 粒 子 の角 度 分 布 等
を これ で測 定 す るに は 時 間 もか か りビー ム 強 度 の ふ らつ き も問 題 で あ っ た O 止 む を得 ず 写
真 乾 板 をな らべ て 仝 角 度 で 同 時 に角 度 分 布 を記 録 させ た 。 実 験 は比 較 的 簡 単 で あ っ たが 後
始 末 が 大 変 で乾 板 に 記 録 され た 反 応 粒 子 の軌 跡 の長 さ と数 を顕 微 鏡 で読 み と らぬ ば な らな
か っ た 。 視 野 を明 る くす るた め の ラ イ トの 熟 で塗 料 のや け る臭 い の 中 で交 替 で 1 日数 時 間 、
数 十 日続 くこの 労 働 は な み た い て い で は なか っ た。 夜 ふ とん に 入 っ て 目 を と じる と網 膜 の
う らに 乾 板 中 の 陽 子 の軌 跡 が み み ず の よ うに ち らつ い た もの で あ る。
物 性 研 究 所 に うつ りメ スバ ウア ー 効 果 の研 究 等 を始 め て か ら放 射 線 との 縁 も一 段 と深 く
な り、 ガ ンマ 線 は 原 子 核 をア ンテ ナ と して放 出 され る TV 電 波 と同 じ電 波 で あ る と実 感 で
き る ま で に な っ て きた 。 一 方 サ イ ク ロ トロ ン を利 用 した偏 極 中性 子 と偏 極 核 との核 反 応 に
興 味 を持 ちや が て極 低 温 に よ る偏 極 核 の 生 成 に 足 をふ み い れ た 。
最 近 の数 年 間 は物 性 研 究 所 の超 低 温 計 画 の責 任 者 とな りよ うや く放 射 線 との 緑 も きれ た
と思 っ たが - - 。 今 年 の (
1
983年 ) 2月 に この 計 画 で 組 立 て た 2段 核 断 熱 消 磁 冷 凍 機 を用
い て 白金 線 試 料 を百 万 分 の 27度 の 超 低 温 に 冷 凍 す る こ とが で きた 。 これ は 3年 前 に 西 ドイ
ツ で得 られ た最 低 温 度 百 万 分 の 38度 を破 る世 界最 低 の 冷 凍 温 度 で あ る。
2
そ れ で は この最 低 温 度 を きめ て い る もの は何 で あ ろ うか 。 試 料 中 で の 発 熱 を測 定 して み
る とそ の 大 部 分 を 占め て い るの が 宇 宙 線 に よ る熟 の 発 生 で あ る こ とに お どろ い た 。 超 低 温
生 成 の 限 度 が 以 外 に早 くや っ て きて 、 しか もそ れ が 宇 宙 線 で あ っ た こ とは 意 外 で あ っ た。
とに か く最 後 まで放 射 線 とは 緑 が きれ な い ま ま今 年 の 4 月に 定 年 をむ か え た次 第 で あ る。
埼玉 大学理 学部教授
前 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター 長
研 究紹介
中性 子 照射 に よ る
岩 石 ・鉱 物 の 4
0
Ar… 39Ar年 代 測 定
- 海 洋 底 岩 石 か ら隕 石 ま で一
兼
岡
一
郎 、滝
上
豊 、小
嶋
稔
1. は じめ に
岩 石 ・鉱 物 な どが いつ 生 成 され た か を知 る方 法 の 1つ に K-Ar法 が あ るO こ の 方 法 は
1
940年 代 後 半 か ら1
950年 代 に か け て 実 用 化 され 、現 在 で も火 山岩 な どの年 代 測 定 の 有 力 な
手 段 と して 、世 界 各 地 の 研 究 室 で盛 ん に 利 用 され て い る。 通 常 の 岩 石 、鉱 物 中 に は K が 含
0
K は 半 減 期 約 13億 年 で 、4
0
Ca (β 壊 変 )お よび 4
0
Ar(K 電 子 捕 獲 ) に
まれ 、 そ の 同位 体 4
0
Arと
壊 変 す る。 前 者 と後 者 の壊 変 す る割 合 は 、約 9 :1で あ る。 放 射 壊 変 に よ り生 じた 4
0
K の割 合 は年 代 の 関 数 とな るの で 、両 者 の 量 が 分 れ ば年 代 tは 次 式 で計 算 さ
残 って い る 4
れ る。
t- i l
n (1+A
ie ・諾
*
)
(
1)
こ こ で 、1、 Aeは そ れ ぞ れ 4
0
K 全 体 と して の壊 変 定数 お よび、
K 電子 捕獲 の壊 変 に対 す る
壊 変 定 数 で 、4
0
Ar* は 放 射 性 起 源 4
0
Arの 量 を示 す 。(
1
)
式 か ら計 算 され た年 代 tが 実 際 の
岩 石 ・鉱 物 生 成 の 年 代 に 相 当 す る た め に は 、対 象 とされ る試 料 中 に お い て 、放 射 壊 変 以
外の 4
0
K、4
0
Arの 変 化 が な い こ と、t- 0に お い て 4
0
Ar*- Oな ど の 条 件 が 必要 とされ る。
また 測 定 に用 い られ る試 料 中 で、K 、Arの分布 が均 一 で あ る こ と も要 請 され る。 通 常 の 火
山岩 な どで は 後 者 の 2つ は 比 較 的 満 足 され て い る こ とが 多 いが 、 試 料 が 2次 的 に加 熱 され
た り 1部 変 質 した りして い る と、最 初 の 条件 は満 足 され な い。 そ の よ うな場 合 、K よ りも
4
0
Ar*な どが 失 な わ れ や す い の で 、一 般 に は実 際 よ り若 い年 代 を示 す こ とが 多い。
2. 4
0
Ar
-3
9
Ar法 の原 理 と利 点
0
Ar
-3
9
Ar法 で 、
上 述 の 欠 点 を あ る程 度 まで補 な うこ とが 可 能 な方 法 として登場 したのが 4
この 方 法 が 提 唱 され て か ら既 に 20年 を経 過 し、現 在 で は 有 力 な岩 石 ・鉱 物 の年 代 測 定 法 の
1つ と して確 立 され て い る。 しか し得 られ た年 代 に対 す る解 釈 な どに対 して は 、 未 解 決 の
点 が 少 な くな い 。
4
0
Ar
-3
9
Ar法 に お い て 時 計 と して 用 い る元 素 の 系 は K-Ar法 と全 く同 じで 、 そ の 測
0
Ar
-3
9
Ar法 で は 、4
0
K を求 め る代 りに 、K を含 ん だ 試 料 を
定 方 法 が や や 異 な る。 即 ち 4
速 中性 子 照 射 して 3
9
K(
n,p)39
Arの 反 応 で生 じる 3
9
Ar (半 減 期 :約 270年 ) を利 用 して 、
以 下 の 形 で年 代 測 定 をす る。
VOL 1
4NO.3 1
983.
12.
1
5
・
諾 )
t- i l
n(1+J
3
(
2)
こ こ で 、 Jは 中性 子 照 射 の 条 件 を反 映 す る量 で 次 の よ うに 書 き表 わ さ れ 、
Jの 値 は K
-Ar法 で年 代 t
m の分 って い る試 料 を 同 一 条 件 で年 代 未 知 試 料 と共 に 中性 子 照 射 し、 そ
の (
4
0
Ar*
/3
9
Ar)
m 比 を求 め て決 め る。
^
3
9
K
4
0
K
Ae
3
9
Ar
39K
e入i7
n- 1
(
4
0
Ar*/39
Ar)
m
(
3)
Jの値 が 分 れ ば 、 中性 子 照 射 され た試 料 の年 代 tは 、4
0
Ar*
/3
9
Ar比 が 分 れ ば 計 算 で き
る。即 ち この 方 法 で は 、Ar同 位 体 比 の み を測 定 す れ ば よ い の で 、用 い る試 料 の 絶 対 量 が
未 知 で も tの 値 が 計 算 で き る。 同位 体 比 測 定 なの で測 定 精 度 が 向上 し、用 い る試 料 の 量 は
少 な くて す む 。 また K、Arの分 布 の 不 均 一 さか ら生 じる年 代 値 tの 誤 差 も小 さ くで き る。
こ う した利 点 以 上 に 4
0
Ar-3
9
Ar法 を極 め て 有 力 な 年 代 測 定 法 の 1つ に して い るの は 、段
0
Arが 失 な わ れ て い て も、元 の 生 成 年
階加 熱 法 を併 用 す る と、試 料 か ら一 部 放 射 性 起 源 4
代 が 推 定 で き る点 に あ る。 前 述 した よ うに 、 この 方 法 で は 4
0
Ar*
/3
9
Ar比 の 値 の み を測 定
す る こ とか ら年 代 値 が 計 算 で き るの で 、 試 料 か らの 脱 ガ ス 温 度 を変 え て 異 な っ た Ar捕
獲 位 置 に あ っ た成 分 は 異 な っ た 温 度 段 階 で脱 ガ ス させ てや る こ とに よ り、 二 次 的 な影 響 を
受 け に くい安 定 な捕 獲 位 置 に保 持 され て い る成 分 の み を と りだ して そ の年 代 が 計 算 で き る。
通 常 は こ う した成 分 は相 対 的 に 高 温 部 分 で脱 ガ ス され る もの と考 え る。即 ち 、岩 石 ・鉱 物
試 料 な どが 二 次 的 に加 熱 な ど を受 け て放 射 性 起 源 4
0
Arの一 部 を失 な っ た場 合 、 通 常 の K-
Ar法 で は実 際 よ り若 い年 代 を与 え るが 、4
0
Ar-3
9
Ar法 で は 高 温 で 脱 ガス され る成 分 をみ
てや れ ば 元 の 生 成 年 代 が 推 定 で き る。 そ の他 の場 合 を含 め て 、 い くつ か の 予 想 され る 4
9
Ar
-3
9
Ar年 代 の パ ター ン を 図 1に 示 す 。 横 軸 は 全 体 に 対 して 各 温 度 段 階 で 脱 ガ ス され た
3
9
Arの 割 合 を とる こ とが 多 い。
3. 4
0
Ar
-3
9
Ar年 代 測 定 の 実例
a) 海 洋 底 岩 石
海 洋 底 を構 成 して い る岩 石 の 生 成 年 代 を知 る こ とは 、 海 洋 底 の 形 成 史 を播 く上 で不 可 欠
の情 報 で あ る。 しか し海 洋 底 に 噴 出 した岩 石 は 、 そ の 元 素 組 成 の 関 係 か ら K-Ar法 以 外
で は 直 接 年 代 測 定 す る こ とが 難 し く、 また 海 水 に よ る変 質 が 進 ん で K-Ar年 代 と して は
そ の信 頼 性 に 欠 け る 04
0
Ar-3
9
Ar法 をこの よ うな試 料 に適 用 す る と、 見 か け はか な り変 質
が 進 ん で い る よ うな試 料 で も化 石 な どや 地 磁 気 異 常 縞 な どか ら推 定 され る年 代 と矛 循 しな
い結 果 や 、 更 に は シル な どに相 当す る年 代 が 得 られ る よ うに な り、信 頼 性 の あ る値 と して
用 い られ て い る。 図 2に は 、海 洋 底 岩 石 の 4
0
Ar
-3
9
Ar法 に よ る測 定 例 を示 す 。
b) 陸上 噴 出岩
陸 上 に 噴 出す る岩 石 で も、長 期 間 雨 水 や 温 度 変 化 に 曝 さ れ る と、 変 質 を生 じる こ とが
多 い。 我 が 国 の 気候 条件 か らす る と、1
0M a程 度 (1M a- 1
00万 年 ) を 越 え る試 料 で は
そ の影 響 を受 け て い る可 能 性 は 更 に 大 き くな る。 年 代 測 定 に用 い る試 料 は 、 測 定 前 に顕 微
鏡 観 察 な どに よ りそ の新 鮮 さ を検 討 して は い るが 、 そ れ だ け で年 代 に対 す る絶 対 的 な信 頼
か
はと
性 は与 え られ ない。図 3は、東北 日本三 陸 海 岸 原地 山附近 で 噴 出 した 、北 海 道 の礼 文 、樺 戸 、
そJ
,ち
にい1
1
き やまどり
空 地 か ら東 北 日本 の 新 月 、 山 鳥 な ど- 南 北 に 連 な る 白亜 紀 の 火 山岩 の うち の 1つ を測 定
した例 で あ る。 図 3の年 代 パ ター ンか らみ る 限 り、900℃ 以 上 の 温 度 段 階 で は ほ ぼ 一 定 の
6.
1± 2.
9M a とな る 。 こ の 値 は 、上 記 の一 連 の 火 山
年 代 値 を示 し、 そ の値 の 平 均 値 が 11
岩 の年 代 値 が 4
0
Ar
-3
9
Ar年 代 と して 105± 15M a程 度 の範 囲 に な る こ と と矛 循 しな い。 ま
た 900℃ 以 上 の 温 度 段 階 で脱 ガ ス され る 3
9
Arの割 合 が 全 体 の 90% 以 上 で あ る こ とか ら、試
4
(
a)
Ar損 失 の な い場 合
(
b)
二 次 的 影 響 を受 け て Arが 一 部 失 わ
(
C)
(
b)と同 じだ が低 温 の フ ラ ク シ ョン で
れ た場 合
見せ か け の 古 い年 代 が み られ る場 合
g
o:岩 石 の 生 成 年 代
i
.:岩 石 が 二 次 的 な影 響 を受 け た年 代
f′
:見か け の K-Ar年 代
(
d)
二 次的影響 の ため に完 全 に 元 の
Arが
(
e)
変 質 な どに よ る Ar損 失 の ため 、高
温 フ ラ ク シ ョンに の み 意 味 が あ る場 合
失 わ れ た場 合
図 1. 4
0
Ar
- 39Ar法 に よ る年代 パ ター ン
446AI
1
91
2.1
4・
1
6cm
(
Mc
l
)
1
50
HARACHI
YAMA2
1
2
1
3
F
116.
1土2.
9Ma
05
1
.
0
5
0
(
X
)
1
Rel
eQSed 3gAT
・
図 2. DSDP (
深 海掘 削 計 画 ) に よ Y
)、 大東 海 盆 よ り
図 3. 東 北 日本 三 陸 、原地 山付
採 取 され た玄 武 岩 シ ル に対 す る 4
0
Ar
- 39Ar年代 。
近 に噴 出 した白亜紀の火 山
国 中 の数 字 は、段 階 加 熱 の際 の温 度 を 1
00o
C単 位 で
岩 に対 す る 4
0
Ar
- 39Ar年代
示 す。 図 1の (e)に相 当。
パ ター ン。回申の数字 は、
段 階加 熱 の際 の温 度 を 1
00
℃単位 で示 す。 図 1のほぼ
(a)に相 当。
VOL 14NO.3 1
983.
1
2.
1
5
5
料 自体 か らの 二 次 的 な放 射 性 起 源 4
0
Arの 脱 ガ ス の損 失 が小 さ い こ と も示 され て い る。
C) 南 極 隕 石
1969年 、 日本 の 南 極 観 測 隊 に よ って南 極 氷 上 か ら隅石 が 発 見 され て 以 来 、現 在 まで に南
極 か ら回収 され た隅 石 片 の 総数 は 5,
000個 以 上 に の ぼ る 。隅 石 は地 球 を含 め た太 陽 系 惑 星
の生 成 に 関 す る情 報 を与 え て くれ る もの と して極 め て 貴 重 な物 質 で あ り、 そ の経 て きた歴
史 そ の もの が 惑 星 の 置 か れ て きた環 境 を探 る上 の 重 要 な鍵 を提 供 す る。 これ まで の研 究 か
ら、 隅石 は コ ン ドラ イ ト、 エ コ ン ドラ イ ト、鉄 隅石 、石 鉄 隅石 な ど と大 別 され た 中 に 更 に
い くつ か の グル ー プ を形 成 し、 そ れ ぞれ が や や 異 な っ た歴 史 を た ど っ て い る可 能 性 の あ る
こ と も分 っ て きて い る。 しか し 多 くの 隅石 の母 天体 は 、約 45億 年 前 に 形 成 され たが 、母 天
体 表 面 上 の他 の 隅石 の衡 突 な どに よ っ て 元 の 隅石 中 の Arな どが 失 な わ れ て 、見 か け 上 や
や 若 い年 代 を示 す もの も少 な くな い。 特 に エ コ ン ドラ イ トと呼 ば れ て い る地 球 上 の 岩 石 に
似 て 、 コ ン ドラ イ トとは 異 な りコ ン ドリュ- ル と呼 ば れ る径 数 mm程 度 の球 粒 を含 まな い隅
石 で は 、45億 年 よ りや や 若 い年 代 を示 す もの が 多 いO 図 4に そ の例 を示 す 。 この 隅石 は 、
ユ ー クラ イ トと呼 ば れ るエ コ ン ドラ イ トの 1種 で 、約 40億 年 位 前 に そ れ ま で蓄 積 され て い
0
Arを失 な う現 象 が そ の 母 天 体 上 で起 っ た こ と を示 唆 して い る。 しか しそ
た放 射 性 起 源 4
の 際 に も完 全 に 元 の Ar を脱 ガ ス した の で は な く、1600℃ の 温 度 段 階 で示 され る成 分 に は
0
Arの 一 部 が 残 っ て い る こ と を示 して い る。 同様 の年
それ 以 前 に蓄 積 され た放 射 線 起 源 4
代 パ ター ン を示 す ユ ー ク ラ イ トは 、南 極 以 外 で 見 つ か っ て い る もの で も確 認 され て お り、
地 球 外物 質 と して 元 は 同 じ母 天 体 上 に 存 在 して い た可 能 性 が 強 い と され て い る。
4. 4
0
Ar
-39Ar法 の 問 題∴
点
これ ま で 2、 3の例 で 示 した よ うに 、4
0
Ar-39Ar法 に よ る年 代 測 定 は 海 洋 底 岩 石 か ら
隅石 に まで わ た っ て 、広 い応 用 範 囲 を もつ 。従 来 の K-Ar法 に 比 べ て 多 くの 利 点 を も有
す る。 しか しこの 方 法 の 最 大 の 難 点 は 、試料 岩 石 ・鉱物 を速 中性子 量 として 1
016-1018n/
cm2
程 度 照 射 しなけ れ ば な らな い 点 に あ る。 結 果 と して熱 中性 子 量 の総 量 が 1
020
n/cm2に達 す る
Y
7
4450
(
4
A
M
5
G
b
0
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0
)
(
Eucr
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6
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●'7
0
0
0
.
a
x
)
I
農当
0
3
A
0
5
0
ArRELEASED
1
2
3
39
AL
H36
N
図 4 南極 隅石 、Y・
74450 (
ユーク ライ ト) に対 す る
4
0
Ar
-39Ar年代。
図 1の (d)の不 完全 な場合 に相 当。
5
6
こ と もあ る。 岩 石 ・鉱 物 は 、 各種 の 金 属 元素 を含 む珪 酸 塩 が 主 体 な の で 、 必 然 的 にか な り
の 程 度 放 射 化 され 、 実 際 の Ar抽 出 ・測 定 まで に は数 ヶ 月の冷 却 期 間 を要 す る こ とに もな
る。 また 原理 的 に は 、3
9
K か らつ くられ る 3
9
Arの み が あ れ ば よい の だ が 、 K や Caの 中性
子 照 射 に よ っ て 生 じる各種 Ar同位 体 が存 在 し、 その補 正 の ため の 定 数 を、K2
SO 。や CaF2
な どの 中性 子 照 射 に よ っ て 生 じた Ar同位 体 比 を分 析 す る こ とに よ り、 き ち ん と決 定 しな
け れ ば な らな い 。 これ らC
7
)補 正 の 結 果 、試 料 の種 類 に よ って は得 られ た 4
0
Ar- 3
9
Ar年 代
値 の 精 度 が か な り悪 くな る。 また Caの 中性 子 照 射 に よ っ て生 じ る Ar同 位 体 の 補 正 の規
準 と して は 、4
0
Ca (
n,α)
3
7
Arの 反 応 で生 じる 3
7
Arを用 い る。 しか し 3
7
Arは 半 減 期 が 35
日な の で 、 中性 子 照 射 後 試 料 を 1年 間放 置 す る と 3
7
Arの 量 と して は 1000分 の 1以 下 に な
っ て し ま い 、正 確 な補 正 を行 うこ とは 困難 に な る。
0
Ar-3
9
Ar
年 代 パ ター ンは 、図 1で予 想 され た もの と
一 方 段 階加 熱 法 に よ っ て 得 られ る 4
一 致 しな い もの が 少 な くな い 。 また そ れ らの 原 因が 必 ず し もは っ き り と理 解 され て い る と
は 限 らな い。
0
Ar-3
9
Arは 通 常 の K-Ar法 に 比 べ て 多 くの 利 点 を有
以 上 の よ うな 点 を考 慮 す る と、4
す るが 、 そ の分 析 に要 す る労 力 ・時 間 等 も極 め て 大 き く、 また 欠 点 もあ る。 測 定 試 料 の種
類 、 目的 に 応 じて 各種 の 方 法 を使 い分 け る こ とが 、岩 石 ・鉱 物 の年 代 測 定 に も重 要 とされ
る由 縁 で あ る。
(
理 学部地球 物理学科 )
R
I
サ
ブ
セ
ン
タ
ー
便
り
農 学 部 放 射 性 同位 元 素 施 設
西
村
靖
彦
変 遷 と云 うに は 、 お お げ さか も知 れ ませ ん が -・
- 、 自分で は別 に ど う とい うこ と もな く
過 して 来 た は ず の地 階 ぐら し (農 学 部 R I管 理 室 は 、 発 足 以 来 なぜ か 地 階 に定 住 ) の なか
で 、 と きお り管 理 室 を訪 れ る農 学 部 R I取 扱 者 0 ・
B 諸 氏 の 多 くが 、施 設 の変 り様 を さ ま
ざ まに 語 っ て お ります 。
8年 ほ ど以 前 に もな りま し ょ うか 、 当 ニ ュー ス の R Iサ ブ セ ン ター 便 りの 1ペ ー ジに 、
農 学 部 R I施 設 の 紹 介 文 を載 せ て いただ きま したが 、そ の 後 、文 中 に あ っ た R I施 設 の うち 、
既 に 4施 設 の 管 理 区域 を解 除 し、 他 の 1施 設 につ い て も管 理 区域 の 解 除 を予 定 して お りま
す。
昭 和 40年 代 に は 、 8 ヶ所 に も分 散 設 置 され て い た R I取 扱 施 設 は 、 もろ もろ の不 都 合 の
た め 、 そ の 分 散 施 設 を集 合 す るべ く、正 真 正 銘 の サ ブ セ ン ター (
地 下 1+ 地 上 4) を と立
案 した楼 閣案 も、 ま さ に砂 上 に画 か れ た もの に な り、爾 後 、農 学 部 2号 館 改修 工 事 に伴 な
0年 度 ) を手 初 め と して 、 R I実 験 室 は 大 別 して 、化 学 処 理 系
い 中 央 実 験 室 の 拡 張 (昭 和 5
実 験 室 及 び生 物 系 実 験 室 の 2ヶ所 に 統 合 す る具 体 案 を推 し進 め 、 迂 余 曲折 を経 て 、 当初 計
7年 度 に至 りR I生 物 実 験 棟 の 使 用 を開 始 して 以 来 、
画 よ りは か な り縮 少 され た が 、 昭 和 5
統 合 計 画 につ い て は一 応 の 「ケ ジ メ」 をつ け られ ま した 。
中央 実 験 室 改 修 時 に は 、 た だ床 面積 の拡 張 面 に重 点 をお き過 ぎた 反 省 もあ っ て 、 R I生
、物 実 験 棟 の計 画 案 は 、 旧施 設 集 合 分 の 床 面積 確 保 は 当然 の こ となが ら、施 設 利 用 者 及 び管
理 室 側 双 方 の便 宜 を図 る との合 意 を基 に 、例 えば一 つ の実 験 台 に 向 き合 っ て 3
H と3
2
Pが
-・
-・とい う状 態 を避 け るべ く、 良 I使 用 実 験 室 は核 種 別 の使 用 が 可 能 な小 区画 にす る 、廃
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1
2.
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7
棄 物 の 回収 処 理 等 汚 染 拡 散 防 止 策 に ひ と工 夫 をす る 、 そ の他 に も最 少 隈 の要 望 配 慮 を組 み
立 て て 、 当初 2階建 ての 実 験 棟 が 出 来 上 るは ず で した 。 そ の 後 、計 画 案 の 添 削 作 業 を経 る
に した が い 、最 終 的 に は 「予 算 」 と云 う手
弱手 で縮 尺 以 上 に縮 少 され て 、 ア ン コの 無 い モ ナ
カの 皮 の よ うな 見 て くれ の す ぼ ら しい建 屋 が 完 成 し ま した。 しか し、 冬至 の 日の 日照 時 間
m幅 の影 を作 る ) に 重 大 な支 障 を及 ぼ す か ら と、手
弱手 の
が 、雑 草 用 畑 の 一 角 (実 測 で約 50c
口実 の ひ とつ に され 、 まず 2階 建 が 1階建 に圧 縮 等 と、未 だ に納 得 の 出来 な い もの が い く
つ か あ ります 。 い ず れ に して も農 学 部 内 で これ程 効 率 よ く使 用 され 、 利 用 頻 度 の 高 い施 設
は な い と思 い ます が 、共 同 利 用 施 設 と云 う立 場 は 、 そ の 時 々 の 都 合 に よ って 右 を向 かせ ら
れ た り、 左 へ 掠 られ た りす る感 が 、 まだ まだ拭 い きれ ませ ん . 廃 棄 物 処 理 、施 設保 守 管 理
に係 る予 算 、 更 に施 設 管 理 全 般 に係 る要 員 の 増 加 等 要 望 す べ き問 題 が 山積 して い る農 学 部
放 射 性 同位 元 素 の使 用 施 設 です 。
(農 学 部 放 射 性 同位 元 素 管 理 室 )
機
器
紹
介
子 威
愛 尚
寸
日
日
・
末
「ノ
中 森
上 立
直 克
岡
滝 松
ヽ
夫
憲
-ノ
野
放 射性 有機 廃 液焼却装 置
1. 装 置 お よ び付 属 設 備 の概 要
K
.
K
.
ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター の 廃 棄 作 業 室 に 設 置 した放 射 性 有 機 廃 液 焼却 装 置 は 、本 体 (
富 士 工 業 製 FRB- 30S )、 冷 却 水 受 水 タ ン ク、冷 却 水 冷 却 用 熱 交 換 器 (四連 型 )、遠 隔 監 視
盤 、 燃 焼 室 内 温 度 記 録 計 、排 気 ・冷 却 水 ・作 業 室 内 の 温 度 記 録 計 、 感 震 器 お よび排 気 ・給
排 水 ・ガ ス ・電 気 等 の 設備 で構 成 され る。 これ らの装 置 の 配 置 を図 1お よび、
写 真 1に示 す 。
また装 置 本 体 の 化 粧 板 をはず した正 面 図 を図 2に 示 す 。
150mm、奥 行 840mm、高 さ 1,
800mm (
架 台 お よび接 続 部 等 200mmを含
本 体 の 外 寸 法 は 間 口 1,
む ) で 、重 量 は約 380kgで あ る。 廃 液 タ ン クの 容 量 は約 1
8Eで 1 日の 焼 却 量 を貯 留 で き るO
5m3/ mi
n の 空 気 と と もに 、都
廃 液 は 送 液 量 可 変 の 定 量 ポンプに よって 燃 焼室 に送 られ 、 1.
市 ガ ス を補 助 燃 料 とす る強 制 燃 焼 方 式 に よ り、 3 A/h(
max) で焼 却 され る。 燃 焼 ガ ス は
燃 焼 室 上 部 の 廃 気 冷 却 洗 浄 槽 に お い て 、 洗 浄 、冷 却 され 、 ト リチ ウ ム 水 を分 離 後 、排 気 筒
を経 て 作 業 室 内空 気 と と もに排 気 設備 の ダ ク トに 送 り込 まれ る。 一 方 、冷 却 水 は廃 気 冷 却
洗 浄糟 か ら冷七
印水 受 水 タ ン ク、冷 却 水 冷 却 用 熱 交 換 器 - 約 200E/m
inの 流 量 で 循 環 す る。
冷 却 水 は 必 要 に 応 じて 水 道 水 で交 換 され 、 冷 却 廃 水 は施 設 の 貯 留 槽 に排 出 され る。
装 置 運 転 時 の 燃 焼 室 内 温 度 お よびて
令却 水 (往 き と帰 り)、 排 気 、作 業 室 内 の 温 度 は それ
ぞれ ペ ン式 あ る い は 4打 点 式 で 記 録 され る。
遠 隔 監 視 盤 は 管 理 室 に 設 置 され 、装 置 の 運 転 状 態 を点 灯 表 示 で 、 異 常 の 状 態 の 発 生 を点
灯 とブ ザ ー 音 で 、運 転 終 了 をブザ ー 音 で知 らせ る。
また感 震 音削ま動 力 操 作 盤 に 隣 接 して 設 置 され 、 1
00- 170ガ ル (震 度 5程 度 ) で作 動 す るO
この 感 震 器 の 作 動 をは じめ 、 燃 焼 室 内温 度 、排 気 温 度 、冷 却 水 温 度 、廃 液 移 送 系や 燃 焼 室
内 の 異 常 の 検 知 に よ っ て 、 焼 却 装 置 の安 全 機 構 が 働 く。
2. 性
能
燃 焼 状 態 は 有 機 廃 液 の性 状 に よ っ て相 違 す る。 乳 化 シ ンチ レー ター (
ACSI
I、10% 含 水 )
132を焼 却 した 際 の 燃 焼 室 内温 度 の 記 録 、 そ の と きの 冷 却 水 (往 き と帰 り)、 排 気 お よび
8
⑫
⑪
⑲
図 1. 放 射 性 有 機 廃 液 焼 却 装 置 お よ び付 属 設 備 の 配 置 図
(
ヨガ ス管
② 給水管 (
9排 水 管
④ 冷却 水 入 口
⑤ 冷却水 出 口 ⑥排 気筒 ⑦排気 ダ ク ト (
参循 環 ポ ン プ
(
9排 水 ポ ン プ ⑲ 電 源
⑪ 動 力操 作 盤 ⑫ 感 震 器
写 真 1. 焼 却 装 置 本 体 お よ び付 属 設 備
①
燃焼室
⑨
廃液注 入 口
②
焼却 残灰 取 出 口
⑲
廃 液 液 面計
(
罫
燃焼室 内覗 窓
⑪
廃 液 排 出バ ル ブ
④
排 気 冷 却 洗 浄槽
⑫
熱電対
⑤
燃焼室内圧力監視装置
排気筒
⑬
(
昏 架 台接 続 部
⑲
漏水受 皿
⑦
⑮
架台
制御盤
(
診 廃液 タン ク
図2. 焼 却 装 置本体
正面図
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2.
1
5
9
0
0
4
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0
2
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3
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経
時
過
4
(h
)
間
図 3. 燃 焼 室 内 温 度 記 録 の例
0
2
1
経
過
3
時
4
(h)
間
図 4. 冷 却 水 等 の 温 度 記 録 の例
写 真 2. 放 射 性 有 機 廃 液 専 用 容 器
写 真 3. 運 搬 用 コ ンテ ナ
1
0
室 内 の 温 度 の 記 録 の例 を図 3 と図 4に そ れ ぞれ 示 す 。
装 置 の 運 転 を開 始 す る と都 市 ガ ス に 自動 点 火 され 、 急 速 に 温 度 が 上 昇 す る。 設 定 温 度
(
65
0℃ )に達 す る と有 機 廃 液 が 燃 焼 室 内- 移 送 され 、 さ らに 急 速 に 温 度 が 上 昇 す る。 つ ぎ
の 設 定 温 度 (1,
000℃ )に達 す る と都 市 ガ スの供 給 量 が 1/4程 度 に減 少 し、 温 度 は一 時 下 降
0
00℃ 前 後 で一 定 に な る。 廃 液 処 理 が 完 了す る と
す るが 、廃 液 の 燃 焼 に 伴 う発 熱 に よ り1,
温 度 は下 降 す るO - 定 時 間 後 、装 置 内残 留 ガ スが 燃 焼 され 、一 時 的 な温 度 上 昇 後 、運 転 が
終 了 す る。
冷 却 水 お よび排 気 の 温 度 記 録 も これ らの 燃 焼 状 態 を反 映 して い る
。
作業 室 内の温度 の急
激 な下 降 曲 線 (4 ヵ所 ) は 空 調 に よ る室 内温 度 の 変 化 を示 して い る。
放 射 性 有 機 廃 液 の 焼 却 に 際 して は 、処 理 終 了 後 、 メ タ ノー ル等 で廃 液 タ ン ク を洗 浄 し、
そ の 溶 媒 も焼 却 す る。
3. 放 射 性 有 機 廃 液 の 前 処 理
液 体 シ ンチ レー シ ョ ン測 定 に使 用 した 有 機 廃 液 の性 状 は 多種 多様 で あ る。 そ の す べ て が
そ の ま ま焼 却 処 理 で き る とは 限 らな い。 したが っ て 、今 後 は 焼 却 処 理 の 条件 を念頭 に お い
て 液 体 シ ンチ レー シ ョン測 定 を行 うこ とが 必 要 に な る. 主 な前 処 理 お よび 検 査 事 項 と して 、
ろ過 、液 層 分 別 、 中和 、粘 度 調 整 、 難 燃性 ・爆 発性 ・毒 性 の物 質 の 除去 、生 体 関 連 物 質 の
3
H と1
4
C に 限 る ) と比放 射 能 (1×103
J
J
Ci
/ml以 下 )
不 活性 化 、廃 液 中 に 存 在 す る核 種 (
の確 認 な どが 挙 げ られ る。
4. 関 連 す る設 備 お よ び器 具
廃 棄 作 業 室 に は テ レ ビ カ メ ラが 設 置 され て い るの で 、 焼 却 装 置 の 周辺 の 状 態 お よび、
温度
の 記 録 な どは 、 管 理 室 の モ ニ ター テ レ ビに常 時 映 し出 され る。 必要 に応 じて VTR に 同 時
録 画 もで き る。
放 射 性 有 機 廃 液 の 前 処 理 は廃 棄 作 業 室 に 隣 接 す る廃 棄 物 語 替 室 で お こ な う。
実 験 室 で 発 生 す る放 射 性 有 機 廃 液 の 専 用 容 器 は 、環 境 安 全 セ ン ター で製 作 され た液 体 廃
棄 物 容 器 と同 型 の 黒 色 容 器 (写 真 2) で あ る。 そ れ を運 搬 す る際 に は容 器 が 2個 収 納 で き
る ス テ ン レ ス製 の コ ン テ ナ (写 真 3) を使 用 す る。
5. お
わ
り
に
本 装 置 は学 内 関 係 部 局 で発 生 す る放 射 性 有 機 廃 液 の処 理 に も、部 局 と協 議 の うえ 、 有効
に 活 用 す る こ と を計 画 して い る。 廃 液 処 理 に つ い て の 情 報 は 、 各取 扱 者 に逐 次 連 絡 す る予
定 で あ る。協 力 を切 に お 願 い した い。
お わ りに ∴ 放 射 性 有 機 廃 液 の専 用 容 器 の 製 作 に あ た り、 多大 の ご援 助 を頂 い た環 境 安 全
セ ン ター の 白須 賀 公 平 先 生 をは じめ 、 関 係 各位 に 深 謝 す る。
学
内
R
l
管
理
メ
モ
(ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター )
放 射 線 取 扱 者 登 録 申請 書 の
記 入 方 法 等 につ い て
本 学 の 放 射 線 取 扱 者 とな るに は 、 「放 射 線 取 扱 者 登 録 申 請 書 」 の提 出が 必要 です 。
申請 書 は 、 各 自が 必 要 な項 目 を記 入す る こ とに よ り申告 し ます が 、 そ の 中 で 、 申請 者 及
び そ の指 導 者 等 に 注 意 して 記 入 して い た だ きた い項 目 として、 「予 定 され る RI等 の取 扱 内
容 」 と 「過 去 の R I等 の 取 扱 歴 」 が あ ります 。 この 項 目は 、 前 者 は受 講 す べ き教 育 訓 練 の
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講 習 会 の コー ス を決 定 し、 後 者 は 講 習 会 の 受 講 免 除 の 可 否 を決 定 し ます 。
申請 に 際 して下 記 内容 の 関 係 者 - の 周 知 方 をお 願 い 致 し ます 。 な お 、 記 入 方 法 全 般 に つ
い て は 別 途 印刷 物 が 担 当事 務 に あ ります の で ご参 照 下 さ い 。
予 定 され る R J等 の 取 扱 内 容
(
1) 次 表 左 欄 に示 す 3つ の 区 分 が あ り、該 当 に ○ を付 し申請 し ます 。
該 当 の場 合 は 、右 欄 の 講 習 会 の 受 言
草が 必 要 です 。
R Ⅰ等 の 取 扱 内容
講 習 会 名 称 (全 学 一 括 )
1. 密 封 RⅠ、 非 密 封 RⅠ、加 速 器 等
東 京大 学 新 規放 射 線 取 扱 者 講 習 会 (RⅠコ - ス )
2. 機 器 に装 備 され た密 封 小 線 源 等
同
上
表 中左欄 の 「
3.
X線 発 生 装 置 等 」 とは 、 Ⅹ 線 回折 装 置 や 、 照 射 装 置 等 で エ ネ ル ギー が
1M eV 未 満 (通 常 の装 置 で は 数 1
0keV か ら200keV 程 度 ) の もの あ る い は電 子 顕 微 鏡
の 取 扱 い を言 い ます 。 加 速 器 等 か ら二 次 的 に 発 生 す る Ⅹ 線 の 利 用 (
例 :SOR-RI
NG等 )
は 「1.
密 封 RI
.非 密 封 RI.加 速 器 等 」 の 区分 とな ります O
取 扱 内容 と対 応 しな い講 習 会 を受 講 して も必 要 な 講 習 を修 了 した とは 認 め られ ませ ん
の で 注 意 して 下 さ い 。
(
2
) R I等 の 取 扱 内 容 が 当初 の 届 出 と変 っ た場 合 に は 、 変 更 届 を 出 して下 さ い。
過 去 の R J等 の取 扱 歴
(
1
) 次 の 該 当 者 は新 規 放 射 線 取 扱 者 の 全 学 一 括 教 育 訓 練 が 免 除 され ます 。
A :過 去 に 学 外 で R I等 取 扱 者 で あ っ た 人 (再 度 A)
B :過 去 に 学 内 で R I等 取 扱 者 で あ っ た 人 (再 度 B)
但 し、 ど ち ら も 申請 書 に そ の 旨 を記 載 し、 更 に再 度 A 区 分 の 場 合 は 、証 明 とな る資 料
(他 大 学 の 取 扱 者 手 帳 や 、所 属 して い た機 関 の責 任 者 の 証 明 書 な ど ) の 写 を添 え て 下 さ
い 。 証 明 とな る資 料 が 添 付 され て い な い 場 合 は 、 全 学 一 括 の 教 育 訓 練 の 受 講 が 必 要 で す 。
そ の 他
「放 射 線 取 扱 者 登 録 申請 書 」 は 、 放 射 線 取 扱 者 の 全 学 一 括 講 習 会 の 受 講 義 務 制 度 の ス タ
ー トを機 に 昭 和 55
年 度 か ら実 施 され て い ます が 、 そ の 後 Ⅹ 線 や 電 子 顕 微 鏡 に 関 す る 人事 院
規 則 の 変 更 が あ り、 また 一 方 で 、 申請 デ ー タの 処 理 の 能 率 化 を諮 る た め 現 在 書 式 等 の 変 更
を検 討 中 で す 。
ま た 、 次 回 の新 規 放 射 線 取 扱 者 教 育 訓 練 (R Iコー ス ) は 昭 和 59年 3月11日、1
2日の 予
定 で す の で\
お知 らせ 致 し ます 。
● 共 同 利 用 の お 知 らせ
ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター の 施 設 ・設 備 を研 究 に 利 用 す る に は 、 共 同 利 用 の 申込 が 必 要
で す 。 申込 の 際 に は 次 に ご注 意 下 さ い 。
昭 和 59年 度 共 同利 用 計 画
第 1期
申込 締 切
第Ⅰ
Ⅰ期
昭 和 59年 4月 9 日∼ 7月 1
3日
59年 2月29日
昭 和 59年 9月1
0日∼12月1
4日
12
申込 締 切
第Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
期
申込 締 切
59年 6月30日
昭 和 60年 1月 1
4日∼ 3月 15日
59年 11月30日
● 申込 は業 務 掛 で受 付 け ます 。
研 究 課 題 につ い て
共 同 利 用 申込 の研 究 課 題 は 、R I利 用 に 関 連 し成 果 が 期 待 出来 る もの で あ れ ば特 定 は し
ませ ん が 、使 用 で き る R Iの核 種 や 数 量 、 あ る い は実 験 設備 上 の制 約 が あ ります 。
共 同利 用 時 間等
共 同 利 用 許 可 に よ り、 設備 等 利 用 の ため 入館 で き るの は 、平 日 9 :30- 17:00で す 。 た
だ し所 定 の 手 続 に よ り22:00まで延長 す る こ と もで き ます .
共 同利 用 者 の 条 件
研 究 従∴
事 者 は 、 東 京 大 学 の放 射 線 取 扱 者 で あ る こ とが 必 要 な の で 、新 規 に R I関 係 の研
究 に従 事 す る方 が 含ま れ る場 合 は 、共 同利 用 開 始 時 まで に放 射 線 取 扱 者 の 登 録 申請 を一
行い、
R Iの健 康 診 断 と教 育 訓 練 を受 け て放 射 線 取 扱 者 と して 認 可 され る よ うあ らか じめ 準 備 し
て下 さい。
利 用 に 際 して は 、 原 則 と して単 独 作 業 を認 め な い こ とか ら 1研 究 グルー プ は 2名 以 上 必
要 です 。 各研 究 グル ー プ ご とに 東 京 大 学 職 員 で あ る取 扱 責 任 者 を定 め 、 グルー プ の セ ン タ
ー 内 で の行 為 責 任 者 と して 、 セ ン ター 職 員 の 管 理 の も とに グル ー プ の総 括 と実 地 指 導 をお
願 い し ます 。
● ア イ ソ トー プ総 合 セ ン タ ー 日誌
昭 和 58年 9月 9 日
会計検査 (
指 摘 事 項 な し)
昭 和 58年 9月 20日
放 射 性 同位 元 素 等 の 廃 棄 事 業 所 (有 機 液 体 の 焼 却 ) の 承 認 に伴 う施 設検 査 (10月 5 日付 で
合格証交付 )
昭 和 58年 11月 18日
Car
mi
aBor
ek教 授 講 演 会 開催
演 題 「試 験 管 内癌 化 の メ カニ ズム とそ の制 御 」
R l教 育 訓練 の 実 施
昭 和 58年 9月 12日∼ 30日
理 学 部 化 学 科 3年 生
昭 和 58年 1
0月 17日 ∼ 11月 5 日
農 学 部 農 芸 化 学 科 3年 生
昭 和 58年 11月 28、29日
第 12回 R Iコー ス新 規 放 射 線 取 扱 者 講 習 会
●委 員会便 り
○セ ン ター ニ ュー ス編 集 委 員 会
第 60回
昭 和 58年 8 月24日㈹ 開 催
議
1.VOL 14N0.2の 準 備 状 況
題
2.VOL 14N0.3の 企 画
3. そ の 他
1
3
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1
2.
15
第6
1回
昭和5
8
年1
1月 8日(
火)
開催
議
1.VOL 1
4N0.
3の 準 備 状 況
2.VOL 1
4N0.
4の 企 画
題
3. そ の他
ア イ ソ トー プ 総 合 セ ン タ ー の 電 話 番 号
8
8
0
セ ンター長 室・
-----・
--- 内線 2
メスバ ウア装 置室- --・
- ----2
8
85
5
9
8
2
事 務 部
1
8
8
2
事務 主任
2
8
8
2
庶務掛
1
7
8
2
会 計掛
0
7
8
2
業務 掛
4
9
8
2
管理 室
3
8
8
2
管理 室
4
7
8
2
図書 室
変電室
物理 実 験室
測定室 Ⅰ
トレーサ ー実 験室 Ⅰ-・
・
・
---- ・
・
2
8
9
8
ガ ス RI実 験室 ------- ---2
8
8
8
分析機 器室 Ⅰ
Ⅰ・ ・
--
・ -
-- -- ・
2
8
7
7
無機化 学実 験室 ・
- --・
---- -2
8
8
9
有機化学 実験室 --------・
--2
8
9
0
生物実験室
2
8
9
2
動植 物作業 室 --- ----- - ・
クロマ トグラフ室 ------ ・
・
--2
8
9
3
研 究開発 部
ポジ トロ ン装 置室 -- -- -- -2
8
7
2
森 川助教 授
-
研 究 員室 Ⅰ(
生物 )
--
-
---- -2
8
7
9
高 レベ ル操 作室 --------- -2
8
7
3
研 究 員室 Ⅰ
Ⅰ(
物理 )
- --・
-- --2
8
7
6
講義 室
研 究 員室 Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ(
放管 )
-- ・
-- ・
・
-- -2
8
7
8
2
89
9
講師室 (測定 室 Ⅰ
Ⅰ)
-・
---・
- -- ・
研 究 買 主 Ⅳ(
化学 )
・
----- ・
・
・
-・
2
8
8
7
・
質 量分 析装 置室 --・
--・
----2
8
8
4
直通 電話
実験器具室(トレーサー実験室Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
)
-- -3
051
準備 室 Ⅰ
Ⅰ(
処理 室 )
-- --・ ・
・
-・
3
05
2
実験 室等
事務室 (
81
5)0
3
6
4
-
特別実 験室 前室 --・
・
---・
・
・
--3
0
5
3
管理 室 (
81
5)8
3
95
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ総 合 セ ンター ニ ュー ス
目
次
お つ き合 い
大野
和郎- 1
豊 、小 嶋
稔・
・
・2
西村
靖彦 - 6
研 究 紹 介
0
Ar-39Ar年 代 測 定
中性 子 照 射 に よ る岩 石 ・鉱 物 の 4
-
海 洋 底 岩 石 か ら隕 石 まで-
.
・
・
・
-・
-・
・
兼岡
一 郎 、滝上
R lサ ブセ ン タ ー便 り
農 学 部 放 射 性 同位 元素 施 設
機 器 紹 介
放 射 性 有 機 廃 液 焼 却 装 置 - - - - - -- --野 川
憲 夫 、滝
松岡
直 子 、 中村
愛子
克 治 、森 川
尚威 - 7
0
2
1 2
1 1
1 1
学 内 R l管 理 メ モ
放 射 線 取 扱 者 登 録 申請 書 の 記 入 方 法 等 に つ い て
共 同 利 用 の お知 らせ
セ ン タ一 日
委 員会 便 り
(
編集後記 )
そ の操 業 を心 持 ちに され て い た放 射 性 有 機 廃 液 の 焼 却 処 理 が セ ン ター で い よい
よ開 始 され ます O 集 荷 基 準 お よび 方 法 は セ ン ター ニ ュー ス前 号 で 、 焼 却 装 置 は本
号 で紹 介 さ れ て い ます 。 み な さん 、集 荷 基 準 を守 り、順 調 な操 業 に協 力 し ま し ょ
う!
45億 年 とい っ た雄 大 な ス ケー ル で南 極 隅 石 を扱 っ た本 号 の研 究 紹 介 は実 に 楽 し
い 。最 近 、 恐 竜 の 絶 滅 した 原 因 が 大 隈 石 の 落 下 で あ っ た とい う説 が 話 題 に な って
い る。 そ の衝 撃 で舞 い上 っ た隅 石 の破 片や 蒸 気 な どが 太 陽光 線 を さ え ぎ り、 その
た め の 異常 冷 気 候 が 恐 竜 を死 滅 させ た とい う。 大 隈石 の証 拠 と して イ リジ ウ ム の
含 量 や オ ス ミウム の 同位 体 の 存 在 比 の 異 常 さが 掲 げ られ て い る。 また一 方 、地 球
外 か らの 大 量 の 中性 子 線 で放 射 化 され 生 じた ア イ ソ トー プ が 恐 竜 の体 内被 曝 を引
き起 こ した の が 原 因 だ との 見 方 もあ る。 どち らの 説 に 軍 配 が 上 が るか は と もか く
と して 、 これ ら もア イ ソ トー プ に 関 連 した夢 の あ る研 究 で あ る。
良 い お年 をお 迎 え くだ さ い。
(井 尻 憲 一 )
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ 総 合 セ ン ター ニ ュー ス Vo
l
.14.No.
3
1
983年 12月15日発 行
編集 発行 人 古森 利信
〒 113 東 京 都 文 京 区 弥 生 2丁 目 11番 16号
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター ・電 代 表 (
812)2111 内線 2881
東京大学アイソ トープ総合 セ ンター
VOL.
1
4 NO.4 1984.3.15
ビ キニ事 件 の残 した もの
久
田
欣
-
今 年 は ビ キ ニ事 件 の 3
0周 年 に あ た ります 。 奇 し くも本 誌 発 行 の 30年 と 1日前 の 1
954年 3
月1
4日、 マ グ ロ漁 船 第 5福 龍 丸 が ビ キ ニ 環 礁 付 近 よ り焼 津 漁 港 に戻 って きた。 マ グ ロが全
国 の 魚 市 場 に発 送 され た後 に な って放 射 能 汚 染 が 騒 が れ 出 し、 金 沢 で も 3月 1
6日夕刻 に は
県 公 衆 保 健 課 の要 請 で、 金 沢 大 学 医 学 部 放 射 線 科 平 松 博 教 授 と津 川 、 熊 野 両 先 輩 が 近 江 町
7日に は理 学 部 分
市場 へ サ ーベ イ メー タ を持 って急行 し、汚染 マ グロの存在 を確 認 した 。 翌 1
析 化 学 科 の 木 羽 敏 泰 教 授 ら金 沢 大 学 放 射 性 同位 元 素 委 員 会 の諸 先 生 に よ っ て放 射 性 核 種 の
分 離 分 析 が 行 わ れ た とい う。 チー ム ワー クの よい委 員 会 が あ っ た お蔭 で地 方 と して は珍 し
く速 か に 原 爆 マ グ ロ事 件 に対 処 し得 た例 と して今 も語 り継 が れ て い る。 朝 日新 聞 はや や 遅
れ て 3月 1
7日付 「原 爆 実 験 で 日本 漁 夫 23人 負傷 、 東 大 で 原 子 病 と診 断 、 ビ キ ニ付 近 でマ グ
ロ漁 業 中 」 3月 1
8日付 「原 爆 魚 1
3都 道 府 県 - 移 出 、焼 津 か ら 1,
000余 貫 」 の 見 出 しで報 じ
て い る。
当時 私 は 医 師 国 家 試 験 直 前 の 追 込 み 中 で あ っ たが 、既 に放 射 線 科 入 局 が 決 って い た の で、
ラ ジ オ 、 新 聞 の 報 道 も他 人事 とは思 えず 、 秘 か に興 奮 を覚 え た事 を思 い 出す 。 愈 々 国 家 試
験 も終 り放 射 線 科 へ 入 っ て の 初 仕 事 は Ⅹ線 透 視 診 断 室 及 び7台療 室 の 散 乱 線 測 定 で あ っ た
が 、 や が て 5月 に は全 国 的 な放 射 能 雨 、 野 菜 の 汚 染 な どが 毎 日の ニ ュー ス とな り、 その 騒
ぎの 渦 中 に巻 き込 まれ て行 っ た。 当然放 射 線 測 定 器 の 重 要 性 が クロー ズア ップ され 、や が
て 原 子 力 の 平 和 利 用促 進 の 大 きな うね り とな るの で あ る。
954年 9月 30日 32P
金 沢 大 学 で の最 初 の 非 密 封 ア イ ソ トー プ の 人体 投 与 は こ の 年 1
3.
3
mCiを真 性 赤 血球 増 多症 患 者 に経 口投 与 し、著 効 を認 め た事 実 に始 ま ります 。私 自身 それ
以 来 次 第 に核 医 学 と言 う臨床 医学 領 域 に の め り込 ん で来 た の で あ るが 、放 射 線 障 害 に は常
に 関 心 を抱 き、 それ な りに努 力 を して きた 1人 で あ る。
ビ キ ニ福 龍 丸 事 件 は 広 島長 崎 の 原 爆 洗 礼 と共 に 、 わ が 国 民 に 強 い核 ア レル ギー を植 え付
け て し ま っ た。 未 だ に放 射 線 に対 して は 必 要 以 上 の 反 応 を示 す 向 きが あ る。 そのせ いか 、
ア イ ソ トー プ の 管 理 、 法 的 規 制 は 非 常 に 厳 しい の で、 そ れ を満 足 させ るため に は可 成 り?
施 設 、 設備 を必 要 とす る。 そ の様 な背 景 で 、 東 京 大 学 に 丁 度 1
0年 遅 れ て、 昭 和 5
5年 度 に 金
6年 12月 1日よ り学 内 共 同利
沢 大 学 に もア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター 設 置 が 認 め られ 、 昭 和 5
用 が 開 始 され た。 常 に先 輩 セ ン ター を良 き手 本 と して運 営 に 心 を砕 い て い るが 、 泣 き所 は
2
専 従職 員 の数 で、助 教 授 、助 手 、技 官 各 1名 (
助 手 は学 内 流 用 )、非 常 勤 パ ー ト 3名 で あ る。
従 っ て私 自身 も併 任 と して 管 理 業 務 の お 手 伝 い をす る と同 時 に 、専 任 教 官 に はが ん親 和 性
化 合 物 の研 究 面 で助 け て も ら■
っ て い る。
も し第 5福 龍 丸 が ビ キニ 環 礁 水 爆 実 験 に 巻 き込 まれ なか っ た ら、 わ が 国 の ア イ ソ トー プ
規 制 、 諸 政 策 は ど うな って い た で あ ろ うか 。
(
金 沢 大 学 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン タ丁 長 )
研
究
紹
介
湖 沼 底 泥 の リン脱 吸 着 反 応 機 構 の解 析
古
米
弘
明、大
垣
真 一郎
1. は じ め に
湖 沼 な どの 閉 鎖 性 水 城 で は 、 底 泥 に リンが 多量 に集 積 され て お り、 底 泥 か らの リンの 溶
出 は 、 河 川 等 か らの 栄 養 塩 流 入 負荷 と と もに 、 富 栄 養 化 の 原 因 とな って い る。 従 って 、 底
泥 に お け る リンの 挙 動 を知 る こ とは重 要 で あ る。
しか しな が ら、 底 泥 表 層 部 は湖 沼 底 層 水 の 溶 存 酸 素 や
pH な どの 環 境 因子 の影 響 を直 接
受 け て い る た め 、 そ こ で の リンの 挙 動 は複 雑 で不 明 な 点 が 多 い。 従 来 、 リンは嫌 気 条件 下
で溶 出 し、 好 気 条 件 下 で 底 泥 に 吸 着 され る と考 え られ 、両 者 は別 々 の 反 応 と して扱 わ れ て
きたが 、本 研 究 で は 、 両 者 を統 一 的 に 脱 吸 着 反 応 と して 捉 え る。
本 研 究 の 目的 は 、 放 射 性 同位 元 素
換 量 を各
(
RI) を利 用 して、 特 に 好 気 条件 下 で の リン脱 吸 着 交
pH、各 平 衡 リン濃 度 で求 め 、底 泥 の リン脱 吸 着 反 応 - の pH の 影 響 を調 べ る こ と
で あ る。
2. 実 験 方 法
(
1) 実 験 材 料
供 試 底 泥 は 、 霞 ケ浦 高 浜 入 中央 部 よ り、 コアー サ ンプ ラー を用 い て採 取
1
982
年1
1月 5日、1
983年 2月 2日)。 採 取 後 、 底 泥 の 表 層 5cm を遠 心
した もの で あ る (
分 離 し、上 澄 水 を除 い て
(
2) 実 験 手 順
4℃ で冷 蔵 保 有 した 。 Tabl
elに底 泥 の性 状 を示 した。
Fi
gur
e lに 示 した 回分 装 置 を用 い て 、 底 泥 と蒸 留 水 を混 合 す る リン脱
着 実 験 と底 泥 と リン溶 液 を混 合 す る リン吸 着 実 験 を行 な っ たO 以 下 に 手 順 を示 す O
(
彰 底亨
尼と蒸 留 水 または各 リン濃度 (
0.
2-4.
0
mg
/l)の 溶 液 を混 合 後 、pH を コ ン トロー ラ
ー に よ って 調 整 す る
②
(
pH :5-1
0)
0
混 合 液 を GF/
C フ ィル ター に よ りt
j
一
,
過 して 固液分 級 を行 な い、炉 液 の リン濃 度 経 時
変 化 を調 べ る。
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Tabl
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0
VOL.1
4NO.4 1
9
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3.
1
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pH ;5,6,7,8,9,1
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③
リン濃 度 が 平 衡 に 達 した 時 点 で、正 リン酸 -
P を投 入 し、液 相 と固相 中 の放 射 能 を
32
経 時 的 に 測 定 す る。
3. 実 験 結 果 と考 察
(
1
) 底 泥 の持 つ 交 換 可能 リン量
リン脱 着 実 験 に お け る リン濃 度 経 時 変 化 を Fi
gur
e2に示 した opH が 高 いほ ど、底 泥
か らの リン脱 着 が 進 行 して 、平 衡 リン濃 度 が 高 くな る こ とが わ か る。脱 着 反 応 は 、pH-
9、 10を除 い て、 ほ ぼ 1- 2時 間 後 まで に平 衡 に達 して い る。 ま た、 本 実 験 に お い て 、
0.
1mg
/Jの 濃 度 上 昇 は 、約 0.
04mg-P/g (乾 泥 ) の 底 泥 の リンの脱着 を意味す る。 Fi
gur
e
3は 、液 相 中 の 3
2
P の 初 期 濃 度 に対 す る単 位 体 積 当 りの カ ウ ン ト数 の 比 (
3
2
C/
3
2
Co
)の 経
時変化 を示 した もの であ る。液相 中の 32P は急激に減 少後安定 して くる。つ ま り、液相 と 固相
間の リン交換反応が 存在 して い るこ とが わか る。 こ こで得 られ た液相 と固相 中の放射能 の 平衡
値 の比 (32ⅩJ 32CJ は液 相 と固相 間 の交 換 に 関 与 して い る リン量 の 比 (
Ⅹe/Ce)に等 しい。
従 っ て 、底 泥 側 の 交 換 リン量 (
Ⅹe-exchangeabl
eP)を次 式 で推 定 で き る。
%
xe-ce・
(
1
)
Ce;平 衡 リン濃 度
こ こに
C。
。;単 位 液 相 中 の
32
Ⅹの ;単 位 固相 中 の
32
32
32
Xe;平 衡 リン吸 着 量 -底 泥 側 の 交 換 リン量
P の カ ウ ン ト数 の 平 衡 値
P の カ ウ ン ト数 の平 衡 値
推 定 結 果 を Fi
gur
e4に 示 した。本 実 験 で は 、 リン添 加 を行 な って い な い の で 、底 泥 の持
つ 交 換 可 能 リン量 は Ce と Xeの 和 と して評 価 され る。図 か らわか る よ うに 、 pH 上 昇 に
よ っ て リン脱 着 が 促 進 され るだ け で な く、底 泥 側 に も交 換 リン量 が 多量 に 存 在 して い る
こ とが わか る。
4
0
0
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1
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Tot
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-p-1.
51mg-P/g(
dry)
VOL.1
4NO.4 1
9
8
4.
3.
1
5
5
(
2) La
ngmui
r吸 着 平 衡 の 適 用 とそ の pH 依 存 性
pH 調 整 した リン吸 着 実 験 の リン濃 度 経 時 変 化 の 代 表 例 を Fi
gur
e5に 示 した 。pH - ・
9で の初 期 濃 度 0.
2
、0.
4
mg
/Jの 実 験 で は脱 着 現 象 が 見 られ るが 、他 の 実 験 で は 、 リン は
底 泥 へ 急 速 に 吸 着 され た。 平 衡 状 態 で
RIを投 入 した 後 の 液 相 中 の 放 射 能 の 経 時 変 化 を
Fi
gur
e6に示 した。 リン脱 着 実 験 と同様 に リン脱 吸 着 交 換 反 応 が 存 在 し、そ の 反 応 の う
ち 急 激 な変 化 は約 1時 間 で終 了 して い る こ とが わ か る。
リン脱 吸 着 反 応 を整 理 す る上 で、La
ngmui
r吸 着 平 衡 を適用 し、 平 衡 リン濃 度 (
Ce)
と平 衡 リン吸 着 量 (
Ⅹe)の 関 係 を検 討 し た 。 吸 着 量 と して は 、 液 相 の リン と交 換 す る底
泥 側 の リン量 を考 え て 解 析 を進 め た 。La
ngmui
r平 衡 式 は 、 次 式 で 表 現 さ れ (
2)
′
式 に変 形
され る。
4
ニ
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6
Ⅹe-
Ⅹm ・
b・
Ce
1+b・
Ce
Ce
x。 志
亮+忘
・ce
b:吸 着 エ ネ ル ギー 定 数
Ce、
:平 衡 リン濃 度
Ⅹm :最 大 リン吸 着 量
Ⅹe:平 衡 リン吸 着 量
Ce/Xe と Ceの Langmui
rプ ロ ッ トの 回 帰 直 線 の傾 き と切 片 よ り求 め た b と Ⅹm を
Tabl
e 2に ま とめ た (
Fi
gure 7参 照 ) Fi
gur
e 8は、 これ らの値 を用 い て 回帰 した結 果
。
で あ る。
各 pH で 、b,Xm は 大 き く異 な る こ とか ら、pH が 底 泥 の 吸 着 能 だ け で な く吸着 部 位
の 量 に も影 響 して い る こ とが わか る。また、平 衡 リン濃 度 1mg
/J以 下 の 範 囲 で は 、pH 上
昇 に よ り、 リンの 脱 着 が 引 き起 こ され る こ とが わ か る。
Tabl
e2 Par
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pH
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98 0.
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96 0.
98 0.
97 0.
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C0-4.
VOL.1
4NO.4 1
9
8
4.
3.
1
5
4. ま
と
7
め
(
1
) RIを使 用 す るこ とに よ り、 底 泥 と液相 間 に リンの 交 換 反 応 が 存 在 す る こ とが 確 認 され
た 。 また底 泥 の持 つ 交 換 可 能 リン量 を測 定 で き、その 量 は pH の上 昇 に よ っ て増 加 す る。
(
2
) 底 泥 の リン吸 着 量 を評 価 す る方 法 と して 、 交 換 リン量 を考 え る こ とが 妥 当 で あ り、底
泥 の リン脱 吸 着 反 応 を La
ngmui
r吸 着 平 衡 で 整 理 す る こ とが で きた。 そ して 、 反 応 - の
pH の 影 響 を吸 着 エ ネ ル ギー 定 数 と最 大 吸 着 量 に よ っ て 定 量 的 に 評 価 で き る こ とが 明 ら
か に な っ た。
(
工 学 部 都 市工 学科 衛 生 工 学 研 究 室 )
R
I
サ
ブ
セ
ン
タ
ー
便
り
=
T
t
J
又
.
薬 学 部 放 射 性 同位 元 素 施 己
藤
村
美佐 子
7年 ぶ りに 回 って きた 「
RIサ ブ セ ン ター 便 り」薬 学 部 編 は 、 当学 部 放 射 線 取 扱 主 任 者 兼
RI委 員 長 で あ る花 岡先 生 に 替 り RI管 理 室 よ り小 規 模 放 射 線 取 扱 施 設 の 管 理 実 態 を少 し
ご紹 介 させ て 頂 き ます 。
薬 学 部 放 射 能 セ ン ター は 、従 来か ら存在 して い る平 屋 建 ての施 設 (
別棟 と称 す ) に加 え、
昭和5
6年 度 薬 学 部 西 館 校 舎 新 築 の お り、 この地 階 に放 射 線施 設 (非密 封放 射 性 物 質 のみ ) を
増 設 し ま した 。 床 面 積 に.
して2
44m2 の慎 ま しい もの で す 。 ち ょ う ど法 改正 直 後 の使 用 変 更
申請 となったため 、あえて施 設 検 査 、定 期 検 査 を免 れ るべ く貯 蔵 能 力 を別 棟 、増 設施 設 (西
館 と称 す )併 せ て 1
9,
942mCiと き わ ど い 線 で 押 え 、 そ の た め 西館 で使 用 で き る核 種 の檀
H、 1
4
C、5
1
Cr、3
2
P、3
5
S、4
5
Ca、 1
2
5
Ⅰ
、 に お まけ と して 各
類 を過 去 5年 間 に使 用 の あ っ た 3
6
Rb を加 え た計 8種 類 に絞 り、現 実 重 視 の放 射
研 究 室 か ら希 望 をつ の り唯 一 出 て きた新 顔 8
線 施 設 が で きあが りま した。 黄 も今 回 の 増 設 で は 、 放 射 線 施 設 の 中 に実 験 用 器 材 を設 置 ・
保 管 で き る場 所 の確 保 が 重 要 点 の 1つ で あ った の で 、 非 密 封 RIの 取 扱 い を伴 う P 2実 験
室 を専 用 に 設 置 した 以 外 に は新 しい試 み もな く、 3つ の 実 験 室 の他 は 必要 最 少 隈 の 面 積 で
貯 蔵 施 設 、 廃 棄 施 設 を設 け 、 汚 染 検 査 室 に お い て は一 般 建 築 で は廊 下 と呼 ば れ る通 路 をあ
て 、 どの部 屋 か ら も蕨 を開 け れ ば 汚 染 検 査 室 とい う具 合 です O こ こに常 時 作 動 させ て 設 置
して あ る広 口 GM サ ー ベ イ メー ター が 発 す る ピ コ ピ コ音 が 心 臓 の 鼓 動 とい っ た と こ ろ で
す。
使 用 施 設 の使 い分 け は 、 使 用 者 相 互 の 汚 染 や 被 爆 を避 け る こ と を基 本 と した規 則 以 外 に
は細 か な規 則 を設 け ず 、 使 用 者 の 良 識 とセ ン スに任 せ る他 、 各研 究 室 か ら選 出 され て い る
RI委 員 の 方 々 の 存 在 に依 る とこ ろ大 です 。
西 館 の廃 棄 施 設 の うち排 水 設備 は 、1
5
m3の丸 タン ク 3基 を校 舎 中庭 に 露 出 して 設 置 し、
例 に よ って 水 モ ニ ター に よ り RI管 理 室 監 視 盤 で 監 視 す る し くみ はす っか り放 射 線 管 理 室
P 2実 験 室 を単 独 1系 統 とし、他 の 部 屋 を合 せ て 1
に定 着 した姿 だ と思 い ます 。排 気 設 備 は 、
系統 と した 2系 統 運 転 で 、 排 気 口の 空 気 中 濃 度 を屋 上 に 設 置 した ガ ス モ ニ タ一 に よ り監視
盤 で 監 視 し ます 。 排 気 設 備 機 械 室 が 屋 上 、 給 気 設 備 機 械 室 が 地 階 と極 端 に離 れ て い るため
(
屋 上 は 6階 の上 です )、 設 計 を進 め る段 階 で い ろ い ろ相 談 に の って下 さ っ た総 合 セ ン ター
の 主 任 者 の 方 が 、 換 気 風 量 の調 整 に は無 線 機 が 必 要 と言 わ れ て い ま したが 正 に 然 りです 。
別 棟 の 方 は排 水 設 備 に 水 モ ニ ター は な く、貯 留 槽 と希 釈 槽 に取 り付 け て あ る水位 計 が 示
8
す 満 水 ラ ンプ を施 設 内 に 引 き入 れ 点 灯 を見 張 るの も 日課 の 1つ で す 。 排 気 設 備 に は 3
Hガ
スモニ ター を備 え、これ は使 用 時 に 作 動 させ る 目的 で備 え て あ る可 盤 型 の もの で西 館 の RI
管理 室 監 視 盤 に は配 線 され て い ませ ん。 これ まで薬 学 部 で は使 用 核 種 の種 類 が 比較 的 限 ら
れ て お り、 使 用 方 法 も一 様 で した の で 、 排 水 、排 気 モ ニ ター が 不 充 分 で もな ん とかや って
こ られ ま した。 しか し今 後 、 研 究 方 法 の 多様 化 が 予 想 され 、 モ ニ ター 類 の 重 要 性 が 増 す も
の と思 わ れ ます 。 別棟 に 対 し使 用 者 共 々 不 便 を感 じる こ とは電 話 が な い こ と、 緊 急 用 ブザ
ー だ け で は孤 立 感 が 深 ま る一 方 です 。
使 用 者 に は数 種 の 記 録 義 務 が あ る他 は 自主 管 理 に よ り こ れ まで 2か 所 の放 射 線 施 設 は
支 障 な く運 営 され て い ます が 、 施 設 、 設備 の 充 実 に 関 して は 支 障 だ らけ とい え ます 。 放 射
線 施 設 が 増 加 した分そ れ らの 維 持 にお金がかか りますが 、予 算 は 以 前 と同 じです 。 増 設 年 度
に は放 射 線 防 護 設 備 費 を手 当 て して頂 き、 何 とか ア イ ソ トー プ施 設 と して の 防護 管 理 の体
裁 は 整 い ま した が 、RI専 用 の 種 々 の科 学 機 器 が備 え られ な け れ ばせ っか くの施 設 も宝 の持
ち ぐさ れ とな って しま い ます 。 この 共 同 利 用 機 器 と して 是 非 欲 しい実 験 用 器 材 の 方 に は全
く とい って よ い ほ ど予 算 が つ か な い ため 、 ほ とん ど研 究 室 か らの持 ち込 み に よ る寄 せ 集 め
です 。 そ れ らの 機 器 を、 所 有 す る研 究 室 の 了解 の も とに 共 同 で使 用 す る実 態 は 、 実 験 の つ
ど人 を集 め て物 を持 ち込 ん だ り引 き上 げ た りの 手 間 が 省 けただけの こ とで、薬 学 部 放 射 能 セ
ン ター が 家 具 つ きの 貸 し部 屋 的 色 彩 は い まだ 濃 く、RI管 理 室 に とって は 少 々屈 辱 的 な こ と
です O こん な状 態 です か ら RI管 理 室 が 人の 出 入 りを横 目で 見 て チ ェ ッ クす るだ け の 存 在
と誤 解 して い る使 用 者 が い て も仕 方 の な い こ と と嘆 きつ つ 、教 育 訓練 を受 け 、障 害 防 止 法 令
を一 読 され た使 用 者 に は、 放 射 線 施 設 を維 持 管 理 して ゆ くため に RI管 理 室 が どの よ うな
事 を して い るか 、 叉使 用 者 に 対 しめ ん ど うな記録 や 処 理 をお 願 いす るの は なぜ か を理 解 さ
れ て い る方 も大 勢 い る と信 じて い ます 。 放 射 線 管理 の 質 を向 上 させ る事 が放 射 線 取 扱 いの
質 を向 上 させ る事 と思 い、 創 意工 夫 と堅 実 性 を も りこん だ地 味 な活動 を続 け て ゆ くこ と も、
放 射 線 管 理 を預 か る側 の あ り方 の 1つ と考 え ます 。
(
薬 学 部 放 射 性 同位 元 素 管 理 室 )
トピ ッ ク
ス
新 学 生 実 習 用 トレー サ ー
実 験 施 設 を利 用 して
茅
野
充
男
農 学 部 農 芸 化 学 科 で は学 科 の 3年 次 学 生 全 員 を対 象 に 毎 年 1
0月 中 旬か ら 3週 間 に経 っ
5名 で
て セ ン ター 諸 施 設 を利 用 して 、RI実 験 を実 施 して い る.当学科 の 学 生 数 は 各 学 年 7
あ るか ら、 従 来 だ と7-ドの 数 や 実 験 室 の スペ ー スの都 合 で全 員 同 時 に 同 じ実 験 を行 う
こ とは 不 可 能 で 、 止 む を得 ず 2 グル ー プ に わ け て 、 2種 類 の実 験 を実 習期 間 の 前 半 と後
半 で グル ー プ 毎 に 交 替 して行 って きた。 この よ うにす る と教 官 は 同 じ実 験 を 2回繰 り返
して教 え、 か つ 同 時 に 2種 類 の実 験 の 面 倒 をみ る とい う破 目に お ち い り、 また、 実 験 の
内容 も期 間 が 短 く制 限 され るため 、 小 間切 れ に な ら ざ る を得 なか っ た0
5
8年 10月 ∼) は セ ン ター の 増 築 に伴 な い、 実 習専 用 施 設 が 拡 充 され、
とこ ろが 今 回 (
フー ドも2
0台 と増 え、 各 フー ドを学 生 4人 で 共 用 す れ ば 、75
名 全 員 を同 時 に教 え る こ と
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4NO.4 1
9
8
4.
3.
1
5
9
が 可 能 とな った. セ ン ター の ス タ ッフの 方 々 との事 前 の 話 し合 い で は各 フー ド 4名 、75
名 全 員収 容 とい う点 で 混 雑 ・混 乱 が 懸 念 され る とい う御 忠 告 を頂 い た し、 私 達 もそれ を l
恐 れ て は い たが 、 比 較 的 長 期 間 に経 る一 貫 した実 験 が 可 能 とな る とい う利 点 の 方 を重 ん
ず る こ とで御 諒 承 頂 い た。 とい うの も農 芸 化 学科 は別 名 応 用 生 物 化 学科 と もい え る よ う
に 、RIの 生 物 化 学 的 利 用 が 盛 ん で あ る ため 生 物 を扱 っ た長 期 に経 る実 験 が 望 ま しいか ら
で あ る。
2
PO 。
3を水 耕 培 養 の ダ イ ズ に 0.
5-24時 間 吸 収 させ 、3
2
P 吸 収 速 度 を GM
実 験 内容 は 、3
カウ ン ター で測定 し体 内 での 3
2
P 分 布 を ARGで調 べ 、
3
2
P 同化 産 物 を植 物 根 か ら抽 出 し、
シ リカゲ ル 薄 層 ク ロマ トで分 離 同 定 (2次 元 ) し、 各 ス ポ ッ トをか き とって放 射 能 強 度
を液 シ ン で 測 定 す る とい う もの で 、RI生 物 実 験 の 実 践 的 基 本 操 作 の修 得 を 目的 とす る も
の に した。 もち ろ ん 、学 生 は い ず れ も RIに は じめ て接 す るの で、安 全 取 扱 いの心 得 もセ
ン ター の 森 川先 生 の 講 義 を含 め て 教 育 した。
懸 念 され た よ うに 、新 施 設 で も大 変 な混 雑 で 危 う く衝 突 とい う よ うな事 態 もあ り、今
後 の 課 題 とな っ た が 、上 述 の よ うに生 物 を用 い て一 貫 した長 期 間 の 実 験 を何 とか 実 施 で
き、 充 実 した もの と出 来 た の は セ ン ター 増 築 の お か げ で あ る.新 施 設 立 入 りの 際 の カー
ド利 用 シ ス テ ムや 講 義 室 で の視 聴 覚 教 育 シス テ ム の 充 実 は学 生 に も好 評 で あ り、教 官 側
(熊 沢 、 茅 野 、森 、 有 馬 、西 沢 ) に も大 変 便 利 で あ っ た。
欲 をい えば 、① 実 験 室 が も う少 し広 い こ と、 ② 植 物 栽 培 の ため の グ ロー ス キ ャ ビネ ッ
トの 整備 、 ③ 暗 室 の 内部 設備 (
安 全 灯 、 現 像 装 置 等 ) の 充 実 等 が あ る。
設 備 は拡 充 され て も実 習 は セ ン ター 教 職 員 の 皆 さん の 全 面 的協 力 と理 解 が 得 られ なけ
れ ば よ い もの とな らな い こ とは昔 と同 じで 、 本 年 も大 した事 故 もな く、 よ い実 習 が で き
た こ とは セ ン ター の 皆 さ ん の お か げ だ と感 謝 して お ります O 特 に 、 植 物 を扱 う実 習 の た
め 、 実 験 の 開 始 、 終 了 時 間 が 学 生 個 々 人 で不 定 期 とな り、 皆 さん に は大 変 な御 迷 惑 をか
け ま した こ とを この 場 をか りて お わ び致 し ます 。
(
農 学 部 農 芸 化 学科 )
講
演
要
旨
「試 験 管 内発 癌 の メ カ ニ ズ ム とそ の 制 御 」
C.Borek教 授 の 講 演 要 旨
世 界 に先 が け 1
9
6
0年 代 に動 物 の 細 胞 を試 験 管 内 で癌 化 させ るの に 成 功 した の は イ ス ラエ
ル の Sac
hs博 士 の グルー プ で あ る。Bor
ek教 授 は こ こ で 技 術 を学 び 米 国 コ ロ ン ビア 大 学 へ
移 り、1
9
7
0
年 初 め よ り各 種 放 射 線 や 化 学 発 癌 斉桐こよ る発 癌 の研 究 に と り くん で い る この分
野 の 第 1人 者 で あ る。 今 回 は 来 日の 機 会 に上 記 の テ ー マ で 講 演 を して い た だ い た。
放 射 線 や あ る種 の 化 学 物 質 が ヒ トや 動 物 に癌 をつ くる こ とは よ く知 られ て い るが 、 その
理 由 は まだ謎 で あ る。 動 物 に癌 をつ くらせ る実 験 は 、 費 用 と手 間 が か か る上 に時 間 もか か
る。 そ こで 試 験 管 内 で\
細 胞 を培 養 して痛 をつ くる試 み が な され て きた。 現 在 の とこ ろ大 別
して 2つ の 方 法 が 確 立 され て い る。 ひ とつ は- ム ス ター 胎 児細 胞 を シ ャー レに 播 き、 コロ
ニ ー とよば れ る細 胞 集 落 をつ くらせ る。 そ の集 落 の 形 を顕 微 鏡 で 見 て 癌 化 したか ど うか を
1
0T y2や 3T3と呼 ば れ る もの )を シ ャー レに播 き、 培 養
調 べ る もの。 他 方 は 、特 別 の 細 胞 (
1
0
液 を定 期 的 に 交 換 しなが ら何 週 間 も培 養 をつづ け る。 そ して正 常 な細 胞 が 単 層 に な って シ
ャー レの 全 面 を覆 うよ うに な る と、 細 胞分 裂 は次 第 に停 止 す るが 、 癌 化 した細 胞 だ け は そ
の上 に 盛 り上 る よ うに して 増 殖 をつづ け るの で それ を調 べ るの で あ る。 どち らの場 合 も、
正 常 細 胞 は 細 胞相 互 の 認 識 作 用 に よ り単 層 で しか 増 殖 しな いが 癌 細 胞 は それ が な くな り積
み 重 な っ て 増 殖 す る よ うに な る こ と を利 用 した もの で あ る。
00匹 もの動 物 が 必要 とされ る低 い線量 の実験 が 比較 的容
この よ うな システム を用 い る と、
何1
易 に可 能 とな る。 その結 果 、た とえば① 0.
43MeV 分裂 中性 子 は Ⅹ 線 と比べ て約 1
0分 の 1の
線 量 で 同 じ量 の 試 験 管 内癌 化 を生 じる。 ② Ⅹ線 の 線 量 を 2回 に分 け て照 射 す る と、 合 計 線
50ラ ドまで は 、全 線 量 を 1回 で照 射 した場 合 よ りも癌 化 の頻 度 が 高 い。③ Ⅹ線 は γ 線
量が 1
と比べ て低 線 量 域 で は約 2倍 癌 化 を生 じ易 い、 とい うよ うな こ とが分 って きた。
そ して 更 に動 物 発 癌 に お い て プ ロ モ ー ター とよば れ て い る薬 剤 が 、 試 験 管 内 で も同様 に
癌 化 を促 進 す る こ とが 明 らか に な って一 層研 究 は進 ん だ。 た とえ ば フ ォー ボー ルエ ステ ル
は癌 化 を促 進 す るが 、 ア ミノベ ン ズア ミ ドは 逆 に Ⅹ線 を うけ た細 胞 が 癌 化 す るの を防 ぐ。
また スー パ ー オ キサ イ ドデ ィ ス ム ター ゼ や 、 レチ ノ イ ド、 セ レ ン な ど も癌 化 抑 制 の 作 用 が
あ っ た。最 後 は ホ ル モ ン で あ るが 、試 験 管 内癌 化 の場 合 に は 甲状 腺 ホ ル モ ン T3の 存 在 が 不
可 欠 で 、Ⅹ線 照 射 時 に これ が な い と細 胞 は 癌 化 で きな い こ とが 明 らか に され た。 しか し T3
が な くて も細 胞 の 増 殖 な どに は影 響 は み られ なか っ た。
現 在 、 発 癌 メ カニ ズム の研 究 は 急 速 に展 開 して お り、 分 子 レベ ル で解 明 され る 日 もそ う
遠 くは な い とい う印 象 を強 くうけ た講 演 で あ っ た。
(
文責
医学 部 放 射 線 基礎 医学 教 室
中村典 )
学
内
R
l
管
理
メ
モ
昭 和 59年 度 新 規 放 射 線 取 扱 者
講 習 会 の お 知 らせ
全 学 一 括 講 習 会 の 実 施 予 定 は 次 の 通 りで す 。
新 規 に 放 射 線 や RI取 扱 い を 開 始 しよ う とす る方 は 、 取 扱 開 始 前 に 健 康 診 断 や 全 学
講 習 会 を は じめ とす る RI教 育 訓 練 を修 了 す る よ う、 受 講 計 画 を た て て下 さい。
実 施 日程
RIコー ス
1
6回
、2
4日
昭 和 59年 7月9、
1
0日
昭 和 59年1
2月3、4 日
1
7回
昭
第1
4回
1
5回
昭 和 59年 4 月23
各 回 定 員 60名
和6
0年 3月
Ⅹ線 コー ス
第1
2回
昭
和5
9年 4月25日
日 定 員 の制 限 は あ りませ ん .
1
3回
昭 和 59年 7月 6
1
昭 和 59年1
2月 6 日
∼ 4回
時 間 割
実 施 回 に よ り若 干 変 更 す る こ とが あ ります 。
一
括
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9
8
4.
3.
1
5
ll
RIコー ス
1
0 :00
9 :00
I第 1 日
放
同位射元素
性
11:00
放
の測定
射線
1
2:00
安 全取扱
休
1
3:00
憩
1
7:0
0
実
習
Ⅹ 線 コー ス
11:00
9 :00
1
2:00
1
3:00
15:00
1
7:0
0
放 射 線管理 者談 話会 の発 足
-
放 射 線 取 扱 者 研 修 ・放 射 線 管 理 専 門 コー ス を変 更 -
3月 2 日、放 射 性 有 機 廃 液 の 管 理 責 任 者 を中心 と した 各部 局 の放 射 線 管 理 担 当者 の 談 話
会 が 行 わ れ ま した。
当 日は 日本 ア イ ソ トー プ協 会 の RI教 育 訓 練 用 ビ デ オ テー プ を視 聴 後 、 セ ン ター 長 を囲
1
3名 ) で 懇談 し ま した。
ん で セ ン ター 職 員 と各部 局 参加 者 (
この 席 で セ ン ター か ら、本 会 を開 催 した経 緯 等 につ き 「例 年 この 時 期 に放 射 線 取 扱 者 研
修 ・放 射 線 管 理 専 門 コー ス を開 催 して い たが 、 3 日間 の研 修 期 間 は長 す ぎ参 加 しに くい と
の声 が あ っ た」 こ と を説 明 し 「今 後 は 半 日∼ 1日の研 修 ・談 話 会 を年 2- 3回程 度 実 施 す
る こ と と し、企 画 に は セ ン ター 外 の 方 に も参 加 願 え な い だ ろ うか 」 と提 案 し賛 同 を得 、 第
1回 の協 力幹 事 を井 尻 憲 一 氏 (
理 学 部 )、藤 村 美 佐 子 氏 (薬 学 部 ) に お 願 い致 し ま した。
コラ
ム
水 質 検 査 をめ ぐる出 来 事
RIセ ン ター 生 物 部 門
☆ 私 共 は1
0年 来 、 常 時 単 細 胞 緑 藻 の ク ロ レ ラ (
Chl
or
el
l
avul
gar
i
sll
h)を phot
oaut
o-
t
r
ophi
cal
l
yに 培 養 して 光 合 成 炭 素 代 謝 の研 究 材 料 に供 して い る。 そ の 間 ど こか らか 情 報
を得 た学 内 外 の 見 知 らぬ 方 か ら電 話 を頂 き、 クロ レ ラ をお分け す る こ と も再 三 あ る。
☆ そ の ク ロ レ ラの 生 育 状 態 が 良 くな い こ とが 一 昨 年 の 秋 頃 か らた び た び起 き、 生 物 部 門全
員 で相 当気 を配 る よ うに な って い た に も拘 わ らず事 態 は 好 転 せ ず 、 つ い に 昨年 6月 頃 か ら
秋 口に か け て は コ ン タ ミネ ー シ ョンが ひ ど く壊 滅 的 な状 態 が 続 い た。 親 株 の保 存 、 通 気 ガ
ス (
通 常 の 空 気 に CO2ガ ス を 3%程 度 混 合 ) の プ レフ ィル ター の 交 換 と洗 浄 、 無 菌 室 の 清
掃 、培 養 温 度 e
t
c・
-- と コ ン タ ミネ ー シ ョンの 原 因 に な る可能 性 を次 々 に消 去 して い っ た。
しか し、 通 常 5、 6代 目 まで は 良 い状 態 の 細 胞 が 得 られ る筈 の もの が 、 2代 目に 入 る と細
胞 が さ っぱ り増 えず 、 顕 微 鏡 で 覗 くと視 野 に梓 状 の雑 菌 が 無 数 - ネ まわ って い る始 末 で あ
った。
1
2
☆ 培 養 に 使 用 す る無 機 培 地 は 蒸 留 水 に 溶 か した 後 、 オー トク レー ブ で 2
0
分 間 殺 菌 処 理 して
い る。 しか し、 特 に 多量 の 培 地 を処 理 した場 合 、 時 に 殺 菌 が 不 完 全 に な る こ と もあ る ら し
い。 そ こ で あ る 日蒸 留 水 タ ン クの 水 を顕 微 鏡 で 見 て み た。 す る と雑 菌 が ウ ヨ ウ ヨ して い る
で は な いか。
☆ 昨 年 9月 、 臨 床 検 査 技 師 の 資格 を持 つ 応 微 研 7研 の 木 村 佳 代 子 さ ん に お願 い し、 セ ン タ
ー の 水 道 水 の 水 質 検 査 を して も ら っ た。た ま た ま彼 女 の 手 元 に あ っ た L-ブ ロ ス培 地 で確 か
め た と こ ろ、応 微 研 の 水 道 水 を含 む 試 験 管 は透 明 で あ るの に 、RIセ ン ター の 水 道 水 を含 む
方 は 乳 状 に 白濁 した。
☆ 生 活 用 水 が 黒 とな る と、 こ れ は 単 に ク ロ レ ラの 培 養 に 関 す る事 柄 だ け で は な くな る。 そ
う判 断 して セ ン ター の 中 村 愛 子 さん に お 願 い して浅 野 地 区 の 各 セ ン ター の 水 道 水 を採 取 し
て も ら い 、 木 村 さん に 水 質 検 査 を依 頼 した。
☆ 法 律 的 に は 、 普 通 寒 天 培 地 上 に 3分 間 放 水 後 の 水 道 水 を均 一 に 播 き 、 37℃ 、2
4時 間 後 に
採取水1
0ml
に つ き1
00ケ 以 上 の 生 菌 コ ロ ニ ー が 認 め られ た場 合 に は 飲 料 水 と して 不 適 格 で
1
ml
を含 む プ レー トに は コ ロニ ー が 認 め られ
あ る.検 査 の 結 果 、各 セ ン ター の 水 道 水 を 各 0.
ず 、唯 一 RIセ ン ター の 蒸 留 水 供 給 用 の タ ン クか ら得 た 水 を含 む
の は っ き り した コ ロニ ー が 形 成 さ れ て い た -
プ
レー トに は 、3、4種 類
何 回 も蒸 留 水 の 交 換 を繰 り返 して い る う
ち に 、 交 換 時 に 底 に わ ず か に 残 っ た 水 を介 して雑 菌 が す み つ くよ うに な っ た の で あ ろ う。
☆ 折 も折 、実 は ク ロ レ ラの 培 養 が 壊 滅 状 態 に な っ た 6月 頃 、培 地 に 含 む べ き微 量 養 分 類 (
B、
Mn、Zn、 C
u
、 Mo)をX.
。
。も薄 く間 違 っ て 調 製 して い た こ とが 判 明 した。 全 く恥 ず か しい
こ とで は あ るが 、 某 氏 か ら譲 り受 け た 微 量 養 分・
濃 縮 液 を含 む 試 薬 瓶 の ラベ ル に 記 され て い
000の 意 味 を誤 解 して い た の だ っ た。 継 代 培 養 が う ま くい か な い 筈 で あ る。
た ×1
☆ 蒸 留 水 用 タ ン ク を徹 底 的 に 洗 浄 し、 微 量 養 分 類 も所 定 の 濃 度 に 直 した。 そ れ 以 降 、 ク ロ
レ ラ の 培 養 状 態 は一 変 し元 に 戻 っ たo
☆ 初 歩 的 な ミス を 冒 して い る こ とに 気 づ か ず に 、 む しろ そ れ が 契 機 に な っ て事 件 が セ ン タ
ー に 公 表 さ れ 水 質 検 査 が 行 な わ れ たo Lか し今 問 題 が 全て 落 着 した 訳 で は な い と思 う。慢
性 的 に 続 い て い た培 養 の 不 調 は 、 微 量 養 分 類 の 調 製 が 正 し く行 な わ れ て い た 時 期 に始 ま っ
て い た し、普 通 寒 天 培 地 で は コ ロニ ー が 認 め られ なか っ た が 、木 村 さん も指 摘 す る よ うに 、
セ ン ター の 水 道 水 が シ ロ で あ る と結 論 す る た め に は 、 検 査 を繰 り返 す 必 要 が あ り、何 よ り
も、普 通 寒 天 培 地 よ り も栄 養 条 件 の 良 い L-ブ ロ ス培 地 で の検 査 は 明 瞭 に セ ン ター の 水 道 水
が 相 当 汚 れ て い る こ と を示 して い た。 い ず れ にせ よ私 共 は 今 、1
5年 程 前 大 学 が 揺 れ た 際 に
指 摘 され た 「日常 的 慣 行 に 埋 没 」 して い た こ と を改 め て つ きつ け られ た 思 い が して い る。
(
文責
中 村保 典 )
● 共 同 利 用 の お知 らせ
昭和 5
9年 度 共 同 利 用 計 画
第 Ⅰ期
9年 4月下 旬 ∼ 7月 1
3日
昭和 5
申込 締 切
昭和5
9年 2月 29日
第Ⅰ
Ⅰ期
昭和5
9年 9月 1
0日 ∼1
2月 1
4日
申込 締 切
昭和5
9年 6月 30日
第Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
期
昭和6
0年 1月 1
4日 ∼ 3月 15日
申込 締 切
昭和5
9年 11月 30日
昭 和 58年 度 第 I
I
I
期共 同利用一 覧
所
医
属
学
取扱責任者
部
森
本
兼
研
義
究
課
題
(
丑 ト リチ ウ ム の 細 胞 遺 伝 学 的 影 響 に 関 す る研 究
② 夜 光 時 計 組 立 工 場 に お け る放 射 線 管 理
VOL.1
4NO.4 1
9
8
4.
3.
1
5
四童 子
広
康
村
部
祐
平
昭 典 志 良 輔
泰
村
部
川
学
吉
次
場 田 田 嶋 谷 永
部
馬 脇 岡 小 代 富
学
元 夫 茂 宏 美 稔 夫 健
泰 道
木
下斗米
理
② 蛋 白質 の ヨー ド化 I
I
免疫毒 性
トリチ ウム の 身体 的影 響
抗 利 尿 ホ ル モ ンの放 射 性 標 識
免 疫 担 当細 胞 間 の相 互 作 用 に 関 す る研 究
放 射 線 を用 い た分 析 化 学
俊
鈴
G)蛋 白質 の ヨー ド化 Ⅰ
埜
荒 中 木 安 氏 味
工
好
1
3
①底亨
尼の リン脱 吸 着機 構 の解 析
② 生 物 学 的 脱 リンプ ロセ スに 関 す る研 究
陽電 子消 滅角 度相 関 の 二 次 元化
メ スバ ウア ー 効 果 の 材 料 科 学 へ の 応 用
Feを 中心 と した合 金 膜 の 内部 磁 場 等 の 研 究
放射化分析
合 成 ペ プ チ ドに 対 す る抗 体 の獲 得
4
0
Ar
-39Ar
法 に よ る岩 石 の 年 代 測 定
トリチ ウム生 物 影 響 研 究
(
9古 文 化 財 の 放 射 化分 析
② ガ ス クロ- トグ ラ フ用 電 子 捕 獲 型検 出器 の 改 良
③ ラ ジ オ ガ ス ク ロマ トグ ラ フ法 に よ る- ロ カー ボ ンの
放 射 化 学 的研 究
④ メスバ ウ ア - 分 光 法 の 無 機 化 学 ・考 古 化 学 - の 応 用
⑤ 地球 化 学 試料 の放 射 化 分 析
⑥ 無 機 ホ ッ トア トム化 学 の研 究
小
橋
浅
哉
① 熱 蛍 光 線 量 計 に よ る環 境 お よび個 人被 曝 線 量 の 測 定
石
汗究
I
② 天 然 試 料 中 に 含 まれ る放 射 性 系 列 核 種 及 び安 定 元 素
部
海
洋
研
RI
セ ン ター
郎 洋 朗 道 雄 徳 光 男 男 子 隆 久 之 達 成
学
和 正 重 尚
薬
一敏 俊 秀 茂 充 邦 順
教 養 学 部
和
部
藤 水 沢 山 森 田 野 野 原 見 藤 水 森 地 川
学
佐 清 田 飯 大 和 田 茅 藤 跡 伊 関 大 宮 森
農
の定 量
天 然 試 料 中 の 天 然 放 射 性 元素 の分 布 に 関 す る研 究
岩 石 、 鉱 物 試 料 の放 射 化 分 析
糖 蛋 白質 の構 造 と機 能 に 関 す る研 究
海洋 底 玄武 岩 のR
EEの分 析
好熱性 水素 細 菌 の炭素代 謝 につ いて
水稲 根 圏 で の 炭 素 代 謝
トリチ ウム の才
直物 に対す る影 響
植 物 に よ る RI
の 吸収 移 動
イ オ ン結 晶 と非 結 晶 質 合 金 中 の 陽 電 子 消 滅
運 動 と血 中 ホ ル モ ン
酵 母 細 胞 に 対 す る トリチ ウム 水 効 果
真 核 細 胞 の 転 写 制 御 蛋 白の Mn結 合 能
藻類 の 1
4
Cア ミノ酸分 析
1
4
C化 合 物 の生 合 成
(
丑金 属 中 の 水 素 の分 析
② トリチ ウ ム と有 機 化 合 物 の 反 応
1
4
③ 土 壌 中 の鉄 に つ い て
④ ト リチ ウ ム 生 物 効 果 実 験 と放 射 線 管 理
以 」二第 I
I期 よ り継 続
理
生
学
産
部
山
中
高
光
藤
原
積 多夫
鉱 物 学 へ の メ スバ ウ ア ー 効 果 の 応 用
●
リン酸 の 生 物 地 球 化 学 的 還 元 過 程 の検 索
研
井
野
博
満
メ スバ ウ ア - 分光 法 に よ る合 金 構 造 の研 究
RIセ ン ター
小
泉
好
延
メ スバ ウ ア ー 効 果 の 散 乱 法 に 関 す る研 究
以 上 第Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
期 新 規 申込
新盤 地 盤 盛
紅激 減=
故 地 地 盤 地 盤 故 地 曲 数 敦 盛一
故地並地盤二
敵地 故 地 過 激=
故 地 故 地 地 盤池 連
姓二
敵背
讃
お 知
ら せ
覧
9年 3月 よ r
)4月
当 セ ン ター で は 、建 物 防 災 工 事 を実 施 す る こ とに な r
)、 昭 和 5
芸
賢
経
芸 末 日 ま で 非 密 封 RIの 取 扱 い を 中 止 い た し ます 。 共 同 利 用 者 に は 大 変 ご不 便 をお
頚 か け 致 し ます が 何 とぞ ご 了解 の うえ ご協 力 下 さ る よ うお 願 い 申 しあ げ ます 。
覧
歯蘭 琳 瑚符蘭 邪:
堺 領守衛 頚牢爾 爾 頭声額 爾 滞 葡F
爾 爾 爾 瑚狩帝 爾・
爾 環符滞 祁二
二
幣禰二
爾=
野朝鮮堺 甥粁爾 爾=
爾‥
禰こ
邪こ
壌
● ア イ ソ トー プ総 合 セ ンタ ー 日誌
昭和5
8年 度 第 Ⅰ
Ⅰ期 共 同 利 用 終 了
昭和 5
8年 1
2月 1
6日
〝
1
2月 1
9日
「放 射 線 障 害 予 防 規 程 」 を改 正 ・施 行
「放 射 性 有 機 廃 液 の 集 荷 、 処 理 及 び処 分 に 関 す る細 則
昭和 5
9年 1月 1
7日
2月 ∼ 3月
を施 行
昭和5
8年 度 第 Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
期 共 同 利 用 開 始 (2月末 日ま で )
防 火 設 備 改 修 工 事 を実 施 、 この 間 RIの 使 用 を一 時 中 止 す る。
教 育訓 練 の実施
昭和 5
9年 1月 1
7日∼ 2月 28日 (
毎 週 火 曜 日)
医 学 部 医 学 科 3年 生
1月 24日 ∼27日、30日
薬 学 部 3年 生
3月 1
2、1
3日
第1
3回 RIコー ス新 規 放 射 線 取 扱 者 講 習 会
●委 員 会便 り
○運 営 委 員 会 (
第4
3回)
昭和5
8年 1
2月 1
9日 (月)
議
」
題
(
報告事 項)
1. 昭 和 58年 度 第 Ⅰ
Ⅰ期 共 同 利 用 に つ い て
2. 研 修 に つ い て
3. 全 学 の ア イ ソ トー プ 等 の 管 理 に つ い て
4. その他
1) 会 計 検 査 の 実 施
2) 放 射 性 有 機 廃 液 の 処 理
3) 機 器 の 整 備
VOL.1
4NO.4 1
9
8
4.
3.
1
5
1
5
4) 防 煙 防 火 ダ ンパ ー の 取 設
(
協議事 項 )
1. 昭 和 58年 度 第 Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
期 共 同 利 用 につ い て
2.放 射 線 障 害 予 防 規 程 の 一 部 改正 に つ い て
3. そ の 他
○セ ン ター ニ ュー ス編 集 委 員 会
第6
2回
議
題
昭和 5
9年 2月 9日(
金)開催
1.Vol
.1
4
、N
0
.
4の 準 備 状 況
2. 次 期 委 員- の 引 継事 項
3. その他
放 射 線 取 扱 者 の健 康 診 断 のI
際の
採 血 方 法 の変 更 につ い て
伊
藤
幸
治
す で に お 気 付 き と思 い ます が 、保 健 セ ン ター で実 施 す る放 射 線 取 扱 者 の健 診 時 の 採 血 方
し′
二
法 が 、 耳 桑 (み み た ぶ )採 血 か ら静 脈 採 血 に 変 更 に な りま した。 理 由 は 次 の 通 りで す .
従 来 の 耳 桑 か ら採 血 す る方 法 で は個 人差 が あ っ て 、 耳桑 よ り血 液 の 出や す い 人 と出 に く
い 人が あ り、 出 に くい 人 は傷 口か ら しぼ り出す よ うに して検 体 を得 て い ま した。 そ の よ う
に しな い と、 必 要 量 を得 る まで に細 い採 血 管 の 中 で凝 固 して し ま うか らで す 。 この よ うに
しぼ り出 した検 体 は 組 織 液 で薄 ま っ て 、実 際 の 血 球 数 よ り少 な い値 の 出 る傾 向 が あ る事 が
指 摘 され て い ます 。 そ こ で 多 くの施 設 が 静 脈 採 血 へ と切 替 え を行 っ て お ります 。
も う 1つ の 理 由 は 、従 来 は顕 微 鏡 で 人 の 目に よ り血 球 数 を数 え る ため 、正 確 に数 え るに
は 時 間 が か か りま したが 、 学 内 の放 射 線 取 扱 者 数 が 増 加 して検 体 数 も増 え た 昨今 、2 名 の
検 査 員 で は処 理 し きれ な くな っ た こ とです 。 そ こ で新 た に 自動 血 球 計 数 機 を購 入 し ま した
が 、 この 計 数 機 は 注 射 針 で検 体 を注 入す る形 式 の ため 、静 脈 採 血 が 必 要 とな ります 。
以 上 の よ うな 2つ の理 由 で静 脈 採 血 に切 替 え ま した の で ご 了承 下 さ る よ うお 願 い致 しま
Ⅰ、健 康 診 断 の 記 録 の 中 の 白血 球 百 分 率 )
す 。 な お 白血 球 種 類 の算 定 (
放 射 線 取 扱者 手 帳 Ⅰ
は 未 だ機 械 化 出来 な い た め 、 これ は検 体 の一 部 を ガ ラ ス面 に塵 布 して 人 の 目で算 定 して い
ます 。
最 後 に 、放 射 線 取 扱 者 の 健 診 は 法 律 に よ っ て義 務 づ け られ て お り、放 射 線 障 害 だ け で な
く、一 般 的 な健 康 状 態 をチ ェ ッ クす る一 助 に な ります の で 、 もれ な く受 診 され る よ う要 望
し ます 。
(
保 健 セ ン ター 健 康 管 理 室 長 ・医 学 部 講 師 )
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ総 合 セ ンター ニ ュー ス
目
次
ビ キ ニ事 件 の 残 した もの
久田
欣- -
1
研 究 紹 介
湖 沼 底 泥 の リン脱 吸 着 反 応 機 構 の解 析
古米
弘 明 、 大 垣 真 一 郎 -・ 2
R Jサ ブ セ ンタ ー便 り
薬 学 部 放 射 性 同位 元 素 施 設
藤村 美佐子 -
7
茅野
充男 -
8
中村
典 -
9
トピ ック ス
新 学 生 実 習 用 トレー サ ー 実 験 施 設 を利 用 して
講 演 要 旨
「試 験 管 内発 癌 の メ カニ ズ ム とそ の制 御 」
C.Bor
ek教 授 の 講 演 要 旨
学 内 R l管 理 メ モ
コ
9年 度 新 規 放 射 線 取 扱 者 講 習 会 の お知 らせ
昭和5
1
0
放 射 線管理 者談 話 会 の 発 足
ll
ラ
ム
ll
水 質 検 査 をめ ぐる 出来 事
共 同 利 用 の お知 らせ
1
2
セ ン ター 日誌
1
4
1
4
委 員 会便 り
放 射 線取 扱者 の健康 診 断 の 際 の採 血 方 法 の変 更 につ いて
伊藤
幸治 - 1
5
(
編集後記 )
この一 年 ニ ュー ス編 集 委 員 長 をお 引受 け して 、RIサ ブ セ ン ター 便 りな ど を拝
見 す るにつ け て もその 孤 軍 苦 闘 ぶ りが 窮 わ れ 、 同 じ く放 射 線 管 理 の仕 事 を して い
る もの として、常 日頃 当面 して い る人不 足 の問題 を改 め て強 く感 じさせ られ ま した。
以 前 と比 べ る と放 射 線 防 護 ・安 全 管 理 の重 要 性 が 認 識 され 、予 算 ・人事 の 点 で も
ず い ぶ ん 配 慮 され る よ うに な りま した。 しか し、大 学 とい う所 で は何 か 新 しい も
の を作 り出す 研 究 が 重 くみ られ 、 い わ ば 後 始 末 の よ うな仕 事 で あ る放 射 線安 全 管
理 や そ れ に 関 連 した研 究 は一 段 と低 い もの と見 られ 、 で き る限 り必 要 最 小 限度 に
抑 え て お き た い とい う状 況 が あ る こ と も否 め ませ ん 。 この 困難 な状 況 を切 り開 い
て新 た な展 望 を もた らす に は ど うす れば いいのか模 索 中 の状 態 で す が 、恐 ら く 「お
しん 的 忍 耐 と強 じん さ」 が 要 求 され るの で し ょ う。
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター ニ ュー ス
〒l
r
13 東 京 都 文 京 区 弥 生 2丁 目 11番 16号
Vol
.14.No.4
1
9
84年 3月1
5日発 行
(中村 尚 司 )
編 集 発行 人
古森
利信
東 京 大 学 ア イ ソ トー プ総 合 セ ン ター ・電 代 表 (
81
2)2111 内 線 2881
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