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1 研究開発投資 第 章

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1 研究開発投資 第 章
第4節 技術
1
第
研究開発投資
2
章
情報通信分野の研究開発費は、増加傾向
平成7年度以降毎年増加を続けていた我が国における全産
費)の増減動向を業種別にみると、21世紀の社会のけん引
業の研究開発費は平成11年度において減少に転じたが、情
役になる中心的な科学技術として位置づけられている「イン
報通信分野(通信・電子・電気計測器工業、ソフトウェア業
フォメーション・テクノロジー(IT)」に関連した業種である
及び通信産業)における研究開発費は、3兆3,605億円(対
通信・電子・電気計測器工業、ソフトウェア業等や、「ライ
前年度比1.9%増)となり、平成6年度より増加傾向にある。 フサイエンス」に関連した業種である医薬品工業、農林水産
また、全産業に占める割合も平成6年度以降増加を続け、平
業等が平均を上回る伸びを見込んでおり、研究開発に重きを
成11年度は、31.6%とシェアを拡大している(図表①)。
おく分野となっている(図表②)
。
情
報
通
信
の
現
況
また、民間調査結果による研究費(製品技術・開発研究
図表① 情報通信分野の研究開発費の推移と全産業に占める割合
(十億円)
(%)
33
3,500
32
3,000
31
2,500
30
2,000
29
1,500
28
27
1,000
26
500
25
0
24
情報通信分野
全産業
シェア(%)
3
2,673
4
2,567
5
2,381
6
2,387
7
2,584
8
2,912
9
3,104
10
3,298
11(年度 )
3,361
9,743
27.4
9,561
26.8
9,054
26.3
8,980
26.6
9,396
27.5
10,058
29.0
10,658
29.1
10,800
30.5
10,630
31.6
「科学技術研究調査報告」、「通信産業設備投資等実態調査報告書」
(総務省)より作成
図表② 平成12年度以降3年間の研究費総額と製品技術・開発研究費の増減
100%
製品技術・開発
研究費増額
80%
ソフトウェア
研究費総額
増額
農林水産
鉱業
卸売・小売
60%
ゴム製品
その他化学
精密機械
窯業
(全業種平均)
-40%
医薬品
製造業計
金融・保険
食品
鉄鋼
油脂・塗料
化学肥料
パルプ・紙
その他の業種
通信・電子・電気計測器
非鉄金属
金属製品
-60%
出版・印刷
電気機械器具
不動産・賃貸
非製造業計
自動車
建設
プラスチック製品
機械
20%
輸送用機械
(自動車以外)
40%
60%
80%
100%
その他のサービス
研究開発・分析試験
繊維
-20%
その他工業
-40%
石油・石炭製品
-60%
運輸・通信・公益
(全業種平均)
※ 「平成12年度以降3年間の研究費(年度平均値)と、そのうちの基盤技術研究費、製品技術・開発研究費、先進技術研究費
(以上、人件費及び消費税を含む)、また研究費総額の対売上高比率は、今年度と比較して、増加する見込みですか、減少する
見込みですか」という設問に対する回答
「民間企業の研究活動に関する調査報告」(科学技術庁(現文部科学省)
)より作成
225
第4節 技術
第
2
章
情
報
通
信
の
現
況
2 研究水準
インターネット関連技術については研究水準の高い研究者が米国に集中
スイスのビジネス・スクールであるIMD(International
分野における技術開発力も論文発表・引用数及び特許件数を
Institute for Management Development)は毎年世界
みると、全体的には米国に大きく水を開けられている(図表
各国の競争力ランキングを発表している。我が国は、この中
②、③)。
で科学技術に関して、ここ数年間第2位を保持しており、科
さらにIEEEが制定している各種の賞のうち、情報通信に
学技術の水準は全体的には依然高いレベルにあるという結果
関連する11の賞(注)について1991年から2000年の10
になっている(図表①)。
年間の受賞者数をみると、米国の61名に次いで、日本は9
しかし、一方でOS、ブラウザ等インターネット関連の技
名と2番目に多いものの、やはり米国に圧倒される結果とな
術の多くは米国がデファクトスタンダードを確立している状
っており、水準の高い研究を行っている研究者が米国に集中
態にあり、米国が圧倒的優位に立っている。また、情報通信
していることが分かる(図表④)
。
図表① 世界における日本の競争力
(順位)
1
科学技術
11
総 合
21
マネジメント
31
1995
1996
1997
1998
1999
4
2
2
4
2
2
9
2
7
18
2
24
16
2
26
総合
科学技術
マネジメント
2000 (年)
17
2
24
(出典)「International Institute for Management Development」
図表② 情報通信関連分野における論文数
論文発表件数
米国
日本
36%
9%
図表③ 米国における日米の特許数比較
分 野
論文被引用件数
52%
8%
日本
米国
米国/日本
OS関連
896
5081
コンピュータシュミレーション関連
398
1500
3.8
5
53
10.6
270
3154
11.7
32956
95778
2.9
英・独・仏
23%
28%
データマイニング関連
その他
32%
12%
インターネット関連
全分野
5.6
図表②、③ (出典)
「情報通信産業技術戦略」
図表④ 受賞者の国別比率
イスラエル 2.2%
ドイツ 2.2%
2人
2人
ベルギー 2.2%
ロシア 2.2%
2人
2人
イタリア 2.2%
2人
フランス 3.3%
3人
イギリス 3.3%
3人
スイス 5.5%
5人
米国 67%
61人
日本 9.9%
9人
(注)
「情報通信に関する11の賞」について
IEEEが制定している各種の賞のうち、情報通信に関連する11の賞(Alexander Graham Bell Medal、Richard W.Hamming
Medal、Heinrich Hertz Medal、Jack S.Kilby Signal Processing Medal、Lamme Medal、John von Neumann Medal、
Award in International Communication、Reynold B.Johnson Information Storage Award、Koji Kobayashi Computers
226
and Communication Award、Emaunel R.Piore Award、Eric E. Sumner Award)を対象とした。
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