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低分子有機デバイス薄膜の ナノスコピック力学特性評価

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低分子有機デバイス薄膜の ナノスコピック力学特性評価
低 分 子 有 機 デ バ イ ス 薄 膜 の
ナ ノ ス コ ピ ッ ク 力 学 特 性 評 価
有機薄膜デバイス研究の進展
太陽電池:201?∼実用化
EL素子(Electro-Luminescence):
2001∼実用化
ZnPc:C60
ZnPc
変換効率
1∼4%
産業総合技術研究所
(2004)
大日本印刷
(2001)
FET (Filed Effect Transistor):201?∼実用化
有機材料の特徴
T.someya(2003)
自己発光性(EL):バックライト、ガラス基板不要、幅広い角度から視認性良好。
低製造コスト:真空蒸着などの低温低エネルギー製造プロセス。大面積化。
材料の多種・多様性:低分子、高分子系、フラーレン(C60)などの半導体材料。
フレキシビリティ:柔軟なため、曲面形状などに加工可能。
有機薄膜デバイス研究の課題
高効率化:
実用エネルギー変換効率10%(太陽電池)達成⇒分子間結合状態の評価制御必要。
定性的間接的な評価方法:構造解析、元素分析、光電気特性測定⇒
基礎研究の閉塞感。
曲げ変形特性評価:成形時の曲げに対する健全性確保必要。殆んど研究例なし。
ナノインデンテーション試験法の特徴と研究目的
定量的直接的測定:薄膜の弾性(ヤング率)塑性特性(硬さ)をナノメータオーダで測定.
豊富な実績:セラミックス、金属で測定法確立、高分子材料も測定可能。
局所的な測定:ナノメータオーダの圧痕で局所領域の力学特性測定。
有機薄膜の分子間結合状態(力学特性)を直接的定量的に測定
曲げ特性など実用化に必要な設計データの提供
本研究の特徴
自作変位制御型
ナノインデンテーション試験機:
Load, P
分解能
荷重:0.1 μN
変位:0.1 nm
圧子
試料
表面接触位置
圧子
試料
ΔhD
Displacement, h
表面検出位置
0
ΔhD 荷重変位(P-h)曲線
試験機の押し込み方式とΔhD量の比較
方式
表面検出(応答性)
ΔhD
変位制御 荷重上昇(瞬時)
極小良
荷重制御 圧子速度変化(感知遅れ) 大
複合融合的な
研究組織:
バックグラウンド
機械材料強度学
機械材料工学 光電子工学
軟材料適正
(有機薄膜に有利)
難有り
ターゲット
有機薄膜材料工学
5
0
10
20
T iN (CV D )
S ingle S i
Ni
A lm insilicate glass
T iC(CV D )
30
Hardness, pm(ha)(GPa)
40
T iN (P V D )
A l2 O 3 /T iC(CV D )
D L C(CV D )
M ild S teel
N i(E P film )Z uralum in
15
Brass
20
S tainless S teel
10
Cu(E P film )
Al
C orrection L ength,⊿ hc(nm )
O F Cu
荷重制御型におけるΔhD自の試料硬さとの関係:
25
y = 24.135x
-0.4316
0
50
変位制御と荷重制御とのP-h曲線の比較
0.5
0.5
Displacement Controlled
Displacement Controlled
0.4
0.4
Load Controlled
Load (mN)
Load (mN)
Load Controlled
0.3
0.3
0.2
0.2
13 nm
0.1
55 nm
0.1
0
0
0
20
40
Displacement (nm)
60
アルミホウケイ酸
ガラス(H = 7.24GPa)
80
0
100
200
Displacement (nm)
ポリエステル
(H = 0.29 GPa)
300
低分子銅フタロシアニン(CuPc)薄膜の
分子間結合状態(力学特性)(世界初)
荷重変位(P-h)曲線:
金属銅(Cu)、高分子材料(PE)と比較
0.6
Load, P (mN)
0.5
1st 2nd
CuPc
PE
Cu
力学特性に関する主な結論:
弾性ヤング率(9.29GPa): CuとPEの中間的特性
塑性硬さ(0.154 GPa): PEと同等
塑性ひずみエネルギ:
工業高分子材料の10%足らず
変形挙動: Cuと同じ弾塑性、Maxwell Model
PEは、粘弾性、Burgers Model
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
100
200
300
Displacement, h (nm)
400
有機材料でも高分子材料と違う特性
低分子の影響?
分子中のCu2+イオンの影響?
今後の研究課題
CuPcの特異な弾性および塑性変形挙動の解明:
・他の低分子有機薄膜(ZnPc、H2Pcなど)で追試験、
CuPcとの共通点、相違点調査。
・高分子有機薄膜の追試験、低分子有機薄膜との相違点調査。
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