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PDF形式 - 医療法人秋桜会 コスモスガーデン
題字:林田一葉 様 グループホーム・新港入居者様 「最近もの忘れをすることが・・・」なんてありませんか?脳の機能は、覚える、思い 出すということを繰り返すことで衰えを少なくできる可能性があると言われています。 医療法人秋桜会通所リハビリテーション(デイケア新港)では、楽しく脳の働きを 鍛えることができる機器を設置しています。 タッチパネル式のモニターを使用することで、高齢の利用者様もご利用しやすくなっ ています。気軽に取り組めるゲーム感覚の訓練ですので、よろしければ一度お試しを! 桜並木 第 35 号 平成 28 年 6 月 〒851-2211 長崎市京泊 3 丁目 30 番 3 号 TEL 095-850-6866 FAX 095-850-4888 WEB www.cosmos-garden.com もご覧ください 公式サイトへ Q R コー ドで 簡単アクセス cosmos-garden 桜並木 平成 28 年 6 月 第 35 号 したいけど、 していないこと 農作業をやりましょうヨ コスモスガーデン桜の里 通所リハビリテーション 「前は、よ∼、しよったけど、最近はもう前みたいに 体が動かんけん、しよらん」というお話を耳にしま せんか?『したいこと』が何なのかは人それぞれ 違うとは思いますが。 コスモスガーデン桜の里の通所リハビリテーション (デイケア桜の里)では、『したいけど、していない こと』の1つに『畑仕事』という利用者様が複数いらっ しゃいました。 「それならここで一緒に農作業しませんか?」リハビリ に取り組むきっかけにもなればと考え、理学療法士 自ら耕運機を操作して、土を耕し農園を拓くことに。 完成した農園に利用者様と一緒に作物や花を植え 付け、ご利用する日に畑の管理をしていただきます。 心も体も元気になって、ご自宅でも畑作業ができる ようになったら何よりです。これからもリハビリに 頑張って取り組みましょう! 春の味覚 ふたたび ちょうど 1 年前、「コスモスガーデン桜の里の 入所者様と一緒にツワブキの煮物を作りました!」 という記事を掲載したのですが、覚えていらっ しゃいますか? 今回また入所者の皆様と一緒にツワブキを使った 料理を作りましたヨ。作ったきっかけは、施設を 退所し自宅へ復帰することを目標にしている入所者 様のご自宅を退所前訪問した際に、 「自宅に帰って 自分で調理をすることができればなぁ」とのお話 を耳にしたリハビリスタッフ。「では施設入所中 にどこまで調理ができそうかチャレンジしてみま しょうか?」と話しがまとまり、早速実施して みました。せっかくなので、他の入所者様も一緒 に参加。前回は煮物 1 品のみでしたが、今回は 張り切って 2 品追加!できあがった後は、もち ろん皆様で美味しくいただきました。お腹いっぱい にはならなかったご様子。その日の夕食も皆様 しっかり召し上がりました。 一度、体で覚えた調理はなかなか忘れないもので すね。皆様の手つきに御見それいたしました。 (2) ツワの皮むきって指が黒くなりますよね コスモスガーデン・桜の里 桜並木 グループホームのある日 入居者様のご家族様から、 「うちの庭に八重桜 が咲いているのですが、よかったら父と一緒 に他の入居者の皆さんも観に来ませんか?」 とのご招待をいただきました。 あら、いいのでしょうか?ではお言葉に甘え てお邪魔いたします。 平成 28 年 6 月 第 35 号 ご招待ありがとうございました。 グループホーム・新港 ご自宅の庭に咲き誇る八重桜を見て「綺麗か ね∼」との感嘆の声が聴かれます。 「良かっ たらどうぞ」と枝を一本いただきました。 では早速、枝を手に取っていただいて、記念 写真を1枚。 「花より団子の方にはこちらを」とイチゴや ブドウや和菓子までご用意してくださいま した。何というお心遣い!遠慮なくいただき ま∼す。 少し肌寒い天気でしたが、心からのおもてな しを受け、心がほっこりするお花見になりま した。もちろん入居者様も大喜びでしたよ。 本当にありがとうございました。 巣立ちの日を楽しみに グループホームコスモス2 桜が散りツツジが咲いていたある日、ある入居 者様が廊下の窓から外を眺めながら「あれは カラスじゃなかと?」と一言。スタッフも見て みると施設裏の樹木の上に確かにカラスの巣が ありました。毎日ゴミを捨てに施設裏に行きま すが、全くカラスの巣には気づきませんでした。 決してお金が落ちていないか探して下ばかり 見ていたつもりではないのですが、たまには 上も見てみらんばですね。 その日以来、カラスの巣を発見した入居者様は、 ヒナの成長を楽しみにしておられ、毎日のよう に廊下の窓から外を眺めていらっしゃいます。 すっかり大きくなったヒナたち、巣立ちの日も 間もなくだと思われます。その日まで、窓から カラスの成長を入居者様と一緒に見守りたいと 思います。 (3) 平成 28 年 6 月 第 35 号 桜並木 連載小説 「僕の暗い青春」 作者:井下長治 ※このお話は、フィクション?です 前回までのあらすじ 駅伝の自主トレの合間にきー坊と戸栗君と一緒に宮摺海水浴場に来たボク。しばらくビーチボー ルで遊んでいたが、戸栗君が沖合 100m ほどにある岩場まで競争するかと持ち掛けてきた。きー 坊はすぐに賛同したのだが、泳ぎにあまり自信がなかったボクは少し躊躇していた。 ▼返事のないボクに、ふたりは怪訝そうな顔色をしながら視線を浴びせる。ボクは水泳が不得 手である事を悟られたくないばかりに、つい「上等やっか!」と大見得を切ってしまった。 ▼慣 れた泳ぎで 2 ∼ 3m 先を行くふたりに遅れてならじと半分横向きの変形平泳ぎで食い下がる。 三人ほぼ同時に岩場に着いた。余力が残る二人はすぐに浜辺へ戻ろうとしたが、まだ息切れが つづくボクは「もうちょと遊んでから帰ろうで」と二人をとどめる。これがとんでもない過ち であった。▼2 ∼ 30 分ほどサザエ採りをした後、 「もうオイ腹減ったけん、うどん食いに行く」 と言い残してきー坊が海に飛び込み、戸栗君が「オイも」と続く。自分も戻ろうと岸の方へ目 を向けた刹那(せつな)、その光景に愕然(がくぜん)としてしまった。浜辺までの距離が 1.2 倍いや 1.5 倍ほどになっている!行こうか行くまいか迷っている間に徐々に陸地は遠ざかって いく。『あちゃ∼、もうダメばい。どげんすぅかな…海に行って遅うなったら、またお母さんに おごられるっバイ。もうオイもこいまでか…』▼落胆して顔を横にそむけた視線の先から、一艇 の貸しボートがこちらに近づいてくる。様子を伺うと乗っているのは、ボクより少し年かさの 女三人組みであった。一人で女三人に声をかけるのは少しの勇気を必要とするが、形振り(な りふり)構っている場合ではなかった。声を出そうと両の手を口に当てボートの方を見た瞬間、 「オーイ」と上げかけた声を呑み込んでしまった。▼ボートの後ろに座っているのは近所のお姉 さんだった。親同士が麻雀仲間で家にもしばしば出入りしていたので、ボクらも声を交わした ことはないものの、すれ違ったりする時は会釈くらいはしていた。何ともバツの悪いこんな場 面であってしまうのか…。気付かないふりしてやり過ごそうと横を向いてしゃがみこんでしまっ た。『あ∼ァ… あ∼ァ… せっかくのチャンスやったとになぁ。またボートくるやろうか…』 抱え込んだ膝にアゴを載せて波間に漂う朽ち木を見ていると、波打ち際にボートが付けられた。 先ほどのボートだった・・・▼「こんにちは」近所のお姉さんが声をかけてきた。何度もあった ことはあるが、声を聞くのは初めてである。 「こんにちは」軽く会釈しながら返した。 「ココで 何かしてると?」「いや別に…。きつかけんでチョット休んでから行こうと思うて…」 「あ∼そ うね。ねぇ、ボートは漕げる? 私達もう疲れてしまって。代わりに漕いでくれん?」(『ゲ∼っ 超ラッキー!渡りに船っちゃこんコトばい。』)「あァ∼ヨカですよ。」二つ返事でボートに乗り 込むと舳先(へさき)に一人、艫(とも)に二人を乗せて颯爽と櫂を操った。▼「ありがとうね」 お姉さんが労ってくれる。 「大丈夫です、こんくらい。役に立てて良かったです。 」そう言いな がら漕ぐ手に力を入れようとした時、 舳先に陣取ったお嬢さんの「プーっ」と吹きだす声がした。 艫に座ったもう一人のお嬢さんも我慢できずに笑い始めた。呆気にとられているボクに舳先の お嬢さんが話し始めた。▼「ゴメンね。言わんどこうって思とったけど…。アナタは潮が引いた 時にココまで泳いで来て、満ち潮になって戻れなくなったんじゃない?そんな時に私達が通っ たから便乗させてもらおうと思って、声をかけようとしたんじゃない?でもその前にこの子に 気付いて止めたんでしょう?この子はアナタが私らを呼ぼうとする前から、『あの岩場にいる子 は近所の子みたい』って言ってたんよ。」そこまで話すと二人はまた笑い出した。何と!すべて お見通しだったんだ…。近所のお姉さんは申し訳なさそうに「ゴメンなさいね」と言ってくれる。 そいつがまた俺の心を甚振る(いたぶる)のさ。ボクはヘラヘラしながら「いや∼ 大丈夫っす」 と返すのが精一杯だった。(つづく) 「看護の掲示板」は今回お休みします。 (4)