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Healthy Oceans. Healthy People.
9
自然を守ることは、人間を守ること
コンサベーション・インターナショナルは、
科学、パートナーシップ、そして世界各地で
の実践に基づき、次世代に豊かな自然を引
き継いでいく社会を実現し、人類の幸福に
貢献します
Healthy Oceans. Healthy People.
ティナ・リー
オーシャン・ヘルス・インデックス グローバルコーディネーター
名取 洋司
生態系政策マネージャー
コンサベーション・インターナショナル
9
疑問
私たちはどのように・・・
海の生態サービスを評価できるだろうか?
海の生産性を持続可能で最大化できるだろうか?
トレードオフを検討できるだろうか?
進捗状況を管理できるだろうか?
An Index to Assess the Health and Benefits of the Global Ocean
Published 08.15.12
Healthy Oceans. Healthy People.
65の海洋専門家
Our coast and oceans are changing in
unprecedented ways さなか
沿岸域や海洋は、かつてない変化の最中にある
原因は一つでなく
解決法も一つではない
What is ‘healthy’?
‘健全な’とはどういう状態か?
手付かずの自然?
What is healthy? Is it this?
People are a part of marine ecosystems
人間は、海洋生態系の一部
Everywhere.
世界中どこでも・・・
A healthy ocean delivers a range of
benefits to people now and in the future.
健全な海は、今も、将来も
人々へ様々な恵みをもたらす
10の目標とサブ目標
食糧供給
天然漁業
養殖
零細漁業の可能性
海洋生産物
炭素貯蔵量
海岸保護
観光およびレクリエーション
生計手段および
経済
生計手段
経済
場所のイメージ
象徴種
場所
きれいな水
生物多様性
種
生息地
OHIの方法論
基準点を使った
海の健全度を評価する方法論
1.何を評価するのか決定する
2.何と比較するのか決定する
3.どのように測るか決定する
例えば・・・お医者さんが
「あなたのコレステロールは
240ですよ」と言ったとき、
それが良いか悪いか
どのように分かるでしょうか?
理想値と比較
Risk
High
Low
240
Cholesterol
理論的に最良とされる値との比較
目標「食糧供給」のサブ目標 「天然漁獲量」
最大持続可能漁獲量
Maximum Sustainable Yield
Actual
Cholesterol
以前の数値と比較
2007
2012
時間的比較:
同じ場所の別の時間の状態と比較
目標「炭素貯蔵量」
マングローブ植生範囲の変化
Cholesterol
国や世界の値と比較
National
You
Global
空間的比較:
同じ時間の別の場所との比較
目標「食糧供給」のサブ目標「養殖」
推奨される値との比較
目標値:
目標として設定された値との比較
目標「生物多様性」のサブ目標「種」
軽度懸念
準絶滅危惧
危急
絶滅危機
絶滅寸前
絶滅
目標(ゴール)と基準点(レファレンス)
理論値
時間的比較
空間的比較
目標値(ターゲット)
OHI 計算式概要
現在の状態
参照点の状態
現在の状況
0.5
目標ごとのスコア
.67
.33
0.5
傾向
負荷
回復力
EEZの総合スコア
10の目標
将来起こり
うる状況
食糧供給
天然漁獲
•報告された漁獲量(FAO,
Sea Around Us Project)
養殖
•養殖業生産量(FAO)
•持続可能性 (Trujillo MSI (2008)
現状
現状
(75%複数種最大持続可能漁獲量–
総陸揚バイオマス)
(生産量×持続可能スコア)
エリア
食糧供給
現状
(75%複数種最大持続可能漁獲量
– 総陸揚バイオマス)
現状
(生産量×持続可能スコア)
エリア
傾向, 負荷,
回復力
傾向, 負荷,
回復力
特徴
1.
インデックスは、多様な視点で海を評価します
2.
持続可能性は、インデックスのどのパートにも盛り込まれています
3.
人間への便益は、インデックスの中心概念です
4.
重みづけを工夫することで、様々な視点から評価できます
5.
同じスコアでも、構成するスコアはそれぞれ変わります
同じスコアでも、内訳はそれぞれ異なる
食糧供給
持続可能に捕獲または養殖された
海産物量
•天然もの漁獲量
•養殖
天然もの漁獲量(サブ評価軸)
31
持続可能な範囲で最大限可能な
漁獲量を100点として、現状を評価
•持続可能最大漁獲量=複数種
の最大持続可能漁獲量
(mMSY)の75%
•漁獲量がmMSYの75%の±5%
以内なら100点
•mMSYの75%から離れるにつれ
減点
•漁獲量がmMSYの2倍を超える
場合はゼロ
Supporting Figures
Multi-species MSY
Worm
Figure S1: Effects of increasing exploitation
rate et
onal.
312009
model fish communities. Averaged
results of ECOSIM models are displayed, shades
refer to 95% confidence bounds.
Science
天然もの漁獲量
61
日本のEEZ
25
グローバル
養殖量(サブ評価軸)
•持続可能性を考慮した3海里(5.5km)内の養殖量の最も
多い国(中国)の単位面積当たりの生産量と比較
養殖量
40
日本のEEZ
10
グローバル
食糧提供
56
日本のEEZ
24
グローバル
「天然もの漁獲量」と「養殖量」スコアを水揚量で重み付けして平均
観光&レクリエーション
持続可能な形による海の観光利用
•観光利用の程度は、総人口に対する「海岸地
域」への観光客数x平均滞在日数
•海岸地域への観光客の指標は、海外から観光
目的で海岸地域に来る人の数
•海岸地域に来る人の数は、海岸線から80㎞以
内に住む人口に比例すると仮定
•観光利用の持続可能性は世界経済フォーラム
のTravel and Tourism Competitive Index
(TTCI)による
観光&レクリエーション
01
日本のEEZ
10
グローバル
生計手段&経済
海洋関係セクターでの雇用数、給与、歳
入(漁業、養殖、観光、海運、ホエールウ
ォッチング、水族館交易、港湾、造船、産
油・天然ガス、風力・波力発電)
サブ評価軸:
◦ 雇用と給与
◦ 沿岸経済
雇用と給与(サブ評価軸)
高得点は、5年前に比べ海に関連した雇用と給与の減少が小さ
いことを示す。
雇用と給与(サブ評価軸)
50
日本のEEZ
84
グローバル
沿岸経済(サブ評価軸)
高いスコアは、海洋関連歳入の減少が5年前に比べて小さいこと
を示す。
沿岸経済(サブ評価軸)
100
日本のEEZ
67
グローバル
生計手段&経済
75
日本のEEZ
75
グローバル
場所のイメージ
文化的アイデンティティーにとって重
要なものが守られているか:
◦ 象徴的な種(Iconic Species)
◦ 特別な場所
象徴的な種
地域の文化的アイデンティティを形成する種
• 釣り、猟など伝統的な活動
• 地域の風俗、宗教の慣習
• 存在するということで特別な意味をもつ
• 地域で認められる美的価値
高いスコアは、象徴的な種が絶滅の危機にさらされてい
ないことを示す(IUCNレッドリストで評価)
場所のイメージ: 象徴的な種
70
日本のEEZ
70
グローバル
特別な場所
審美的、精神的、存在価値的、レクリエーション的価値をもつ
場所が、改変されたり破壊されたりしないように保護されてい
るかどうかを定量化
高いスコアは、沿岸域(海側5.5㎞、陸側1㎞)の保護率が
30%に近いことを示す
場所のイメージ:特別な場所(サブ評価軸)
84
日本のEEZ
41
グローバル
場所のイメージ
77
日本のEEZ
75
グローバル
生物多様性
「種」(人々が通常生物多様性と関連
付ける)と「生息環境」(生息する全て
の種の状態の指標となる)を対象に
評価
種
IUCN RL
カテゴリー
減点率
EX 絶滅
1.0
CR 危惧Ia
0.8
EN 危惧Ib
0.6
VU 危惧II
0.4
NT 準危惧
0.2
LC 低危惧
0.0
存在する種の平均絶滅危惧度の面積平均
すべての種がLCに分類されていることを
理想としている(IUCNレッドリスト)
生物多様性:種(サブ評価軸)
79
日本のEEZ
79
グローバル
生息環境
珊瑚礁、マングローブ、seagrass beds、塩性湿地、soft-bottom
habitatなどの状況を表す
高いスコアは、 1980年~1995年に存在したそれぞれの生息環境
が、2001年~2010年にも残存していることを示す
生物多様性:生息環境(サブ評価軸)
96
日本のEEZ
88
グローバル
生物多様性
88
日本のEEZ
83
グローバル
グローバルスコア
食糧供給
生計手段
&経済
零細漁業の可能性
観光&
レクリエーション
海洋生産物
場所のイメージ
炭素貯蔵量
海岸保護
きれいな水
生物多様性
日本のスコア
食糧供給
零細漁業の可能性
海洋生産物
炭素貯蔵量
海岸保護
95
56
93
28
96
生計手段
&経済
観光&
レクリエーション
場所のイメージ
きれいな水
1
77
76
75
生物多様性
88
OHIに対する批判
• 抵抗力の評価で、国際環境条約・協定を網羅していない
• 目標点の設定法方法について(mMSY-25%ではなくMSYを使うべき、など)
• 世界規模の漁獲量や養殖に関するデータの質が低い
• 世界全体で使えるデータがないことによる制限(例、観光&レクリエーション)
• IUCNレッドリストの使い方について様々な視点からの指摘
グローバル評価からの課題
• 世界全体をカバーするデータの使用
• 歴史的変化の把握
• 世界全体での比較に便利
• 世界全体でデータがそろっていないものについて
は評価されていない
• 政策にとって有益かどうかは、追加の分析と情報
が必要
• 海洋政策を提案したり、既存の政策について行
動を起こすのに使える
• ネイチャー出版前、事前に各国と情報共有が制
限
OHIの使い方
評価スケールを変えることのできる、
フレキシブルなツール
Next Steps
●新たなパラダイムとしてのインデックスを検討
●方法論とデータ収集可能性の評価
●成果を高める行動の実施(保護区、政策決定、生態系
の管理など)
●国や地域レベルでの枠組み設置の検討
OHI 地域スタディ
•
•
•
•
•
対象地域のデータ
対象地域の状況(スコアに影響を与えうる要素)
参照点
実用性
加算法
FIJI
各地域、 国における活用
地域インデックスの開発
① Evaluate Existing Data
既存データの評価
② Determine which of the Goals require
the development of new models
新規モデルの開発が必要な目標の決定
事例1:フィジー
Type 1
Type 2
Type 3
グローバルモデルと
同じ
グローバルモデルと同じ
使用データは別
新しいモデル
炭素貯蔵量
海岸保護
食糧供給
生物多様性
生計手段および経済
きれいな水
観光およびレクリエーション
海洋生産物
零細漁業の可能性
場所のイメージ
事例2: ブラジル
地域インデックスの開発
③Determine changes in weighting that are
necessary due to national or regional context
国や地域(リージョン)の状況を踏まえた重み付け方
法の検討
④Evaluate the initial results with a group of regional
experts
地域の専門家によるフィードバック
政策リーダーの参加
コロンビア
中国
Global Outreach
Pacific Oceanscape Countries
TOOLBOX
オーシャン・ヘルス・インデックスの4つの利用
1) 保全の取り組みの描写と解釈
2) 政策決定者の意向に合致する指標として概念的に利用する→
経済、社会、生態
3) 政策決定者の行動を描写・説明するための政策言語として活用
する
4) 指標として政府機関で採用する
Healthy Oceans. Healthy People.
Dr. Yoji Natori
[email protected]
Tina Lee
[email protected]
www.oceanhealthindex.org
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